JP5388554B2 - 現像ローラ、それを用いた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置において用いられる現像ローラ、該現像ローラを用いた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を用いた複写機やファクシミリ、プリンターにおいては、感光ドラムが帯電ローラにより均一に帯電され、レーザーにより静電潜像を形成する。次に、現像容器内の現像剤(以下、トナーと示す場合有り)が現像剤塗布ローラ及び現像剤規制部材により適正電荷で均一に現像ローラ上に塗布され、感光ドラムと現像ローラとの接触部で現像剤の転写(現像)が行われる。その後感光ドラム上の現像剤は、転写ローラにより記録紙に転写され、熱と圧力により定着され、感光ドラム上に残留した現像剤はクリーニングブレードによって除かれ、一連のプロセスが完了する。
これらの画像形成装置に用いられる現像ローラに求められる特性としては、下記(1)及び(2)が挙げられる:
(1)現像剤への均一で高い帯電性、
(2)均一な現像剤搬送性。
このような特性の改善を目的として、特許文献1には、導電性軸体と、該導電性軸体の外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周に形成された表面層とを有する現像ローラにおいて、該表面層中に微粒子を分散させた現像ローラが開示されている。
近年の画像形成装置の高画質化に伴い、画像形成装置に用いられる現像剤の小粒径化が進んでいる。現像剤の小粒径化は、画質特性のうち特に粒状性や文字再現性をより向上させる有効な手段であるが、特定の画質項目、特に耐久印刷時のカブリにおいて改善すべき課題を有している。
すなわち現像剤を小粒径化すると現像剤の単位質量当りの表面積が増加し、個々の現像剤が他の現像剤と、あるいは現像ローラや現像剤規制部材と接触する機会が増加し、現像剤が劣化しやすい。また、現像剤を小粒径化すると、現像ローラと現像剤規制部材とのギャップに存在する現像剤が増加し、現像剤規制部材で摺擦しても移動しない現像剤が発生することがある。その結果、現像剤の現像ローラ融着が促進する。具体的には、現像ローラ表面に現像剤融着が発生する結果、現像剤の帯電量が低下することによりカブリが発生することがある。
現像ローラへの現像剤の融着を防止するために、特許文献2は、フッ素ゴムマトリックス中に、反応性のシリコーンオイルやフッ素オイルからなる離型剤から形成された粒子を分散したゴム組成物を現像ローラの最外層の形成に用いることを提案している。
また、特許文献3は、フッ素ゴムマトリックス中に、シリコーンオイルを有するシリコーン樹脂/シリコーンゴムの粒子を分散したゴム組成物によって最外層を形成した現像ローラが提案されている。
特開2004−191561号公報 特開平9−87344号公報 特開平9−230689号公報
しかし、これらの現像ローラについて本発明者らが検討したところ、現像剤の融着については改善されるものの、画像濃度の低下等の課題を新たに引き起こすことがあった。
そこで、本発明の目的は、耐久印刷時のカブリ及び画像濃度を改良した現像ローラを提供すること、また、該現像ローラを用いた高画質な電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
本発明は、導電性軸体と、該導電性軸体の外周に弾性層と、該弾性層の外周に表面層とを有している現像ローラにおいて、
該表面層は、ポリウレタン樹脂と比表面積が2〜100m2/gの多孔質樹脂粒子とを含有しており、
該多孔質樹脂粒子は、温度23℃で液状であり非反応性のフッ素化合物及び温度23℃で液状であり非反応性のシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、かつ、
該多孔質樹脂粒子の相加平均粒径X(μm)、該表面層の膜厚T(μm)、該表面層のMD−1硬度M(度)、及び該多孔質樹脂粒子の圧縮強度A(MPa)が以下の関係(a)乃至(e)
(a)0.5≦X/T≦3.0
(b)5μm≦X≦50μm
(c)2μm≦T≦25μm
(d)30度≦M≦43度
(e)1.0MPa≦A≦5.0MPa
を満たしていることを特徴とする現像ローラに関する。
また本発明は、現像ローラと、該現像ローラに当接した現像剤規制部材とを備える電子写真プロセスカートリッジにおいて、現像ローラが本発明に係る現像ローラであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジに関する。
また本発明は、現像ローラと、該現像ローラに当接した現像剤規制部材とを備える画像形成装置において、現像ローラが本発明に係る現像ローラであることを特徴とする画像形成装置に関する。
本発明によれば、耐久印刷時のカブリ及び画像濃度を改良した現像ローラを提供することができ、安定して高画質な画像形成が可能な電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に係る現像ローラは、図1に示すように、導電性軸体1の外周に設けられた少なくとも一層以上の弾性層2を有し、弾性層2の外周に表面層3を有している。
表面層3は、少なくともポリウレタン樹脂と比表面積が2m2/g〜100m2/gの多孔質樹脂粒子を含有している。
前記多孔質樹脂粒子は、温度23℃で液状の非反応性のフッ素化合物及び温度23℃で液状の非反応性のシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含んでいる。
また、該多孔質樹脂粒子の相加平均粒径X(μm)、該表面層の膜厚T(μm)、該表面層のMD−1硬度M(度)、及び該多孔質樹脂粒子の圧縮強度A(MPa)が以下の関係(a)乃至(e)を満たしている。
このような構成の採用により、上記課題、即ち、耐久印刷時のカブリ及び画像濃度を改善できる。
(a)0.5≦X/T≦3.0
(b)5μm≦X≦50μm
(c)2μm≦T≦25μm
(d)30度≦M≦43度
(e)1.0MPa≦A≦5.0MPa。
本発明者らは、表面層に含有・分散された粒子により形成される凸部近傍から現像剤融着が発生することを見出した。そのため、非反応性フッ素化合物及び非反応性シリコーン化合物の少なくとも一方(以下、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物と示す)を現像ローラの表面層全体に存在させるのではなく、現像剤融着の発生源のみに存在させた。その結果、画像濃度の低下を抑制しつつ、現像剤と現像ローラ表面の離型性を向上させることができた。さらに、画像濃度を向上させるため、表面層に含有・分散される粒子の圧縮硬度を大きくし、また、表面層に含有・分散される粒子に多孔質樹脂粒子を用いることで、現像ローラ表面の凸部近傍に存在する非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の量を多くして、現像剤と現像ローラ表面との離型性を向上させることができた。
本発明の目的である耐久印刷時のカブリを改良するために検討した結果、現像ローラ上において現像剤(トナーともいう)の劣化を遅らせること、かつ、現像剤の滞留を防ぐことが重要であることを見出した。
即ち、カブリを改良するためには、現像剤の単位質量当りの他現像剤又は他部材との摩擦回数を減少させること、現像剤と現像ローラ表面の離型性を良好にすることが重要であるとの知見を得た。
ここで、表面層中に分散された多孔質樹脂粒子の相加平均粒径Xと表面層の膜厚Tとの関係、及び表面層中に分散された多孔質樹脂粒子の相加平均粒径Xに因る現像ローラの表面プロファイルの変化について説明する。また、表面プロファイルに因る現像ローラへの現像剤融着の変化ついて説明する。図2と図3は現像ローラ表面近傍の断面の概略図である。図2には、多孔質樹脂粒子30の相加平均粒径Xが一定の時のX/Tによる表面プロファイルの変化を、図3には、0.5≦X/T≦3.0を満たしている時の多孔質樹脂粒子30の相加平均粒径Xによる表面プロファイルの変化を模式的に示している。図2(A)には、X/Tが0.5未満の時の、図2(B)にはX/Tが0.5から3.0の時の、図2(C)にはX/Tが3.0より大きい時の、現像ローラ表面近傍の断面の概略図を示している。また、図3(A)にはXが5μm未満の時の、図3(B)にはXが50μmより大きい時の、現像ローラ表面近傍の断面の概略図を示している。なお、Tは、図2に示すように多孔質樹脂粒子30による凸部のない部分における表面層3の厚みである。
図2(A)に示したようにX/T<0.5の場合や、図3(A)に示したようにX<5μmの場合には、表面層3と現像剤規制部材9とのギャップが小さくなる。その結果、現像剤8の単位質量当りの現像剤規制部材9との摩擦回数が増加し、現像剤8の劣化を早めることになる。また、図2(C)に示したようにX/T>3.0の場合や、図3(B)のようにX>50μmの場合には、表面層3と現像剤規制部材9とのギャップが大きくなる。その結果、現像剤規制部材9で摺擦しても移動せずに滞留する現像剤31(図中の斜線で示された現像剤)が存在する。
すなわち、表面層3と現像剤規制部材9のギャップが小さいと、現像剤30の劣化を早め、表面層3と現像剤規制部材9のギャップが大きいと、現像剤規制部材9で摺擦しても移動せずに滞留する現像剤31が発生する。
つまり、図2(B)に示すように、表面層3と現像剤規制部材9の間に適度なギャップを形成することが好ましい。つまり、下記の2つの式を満たすことが好ましい。
0.5≦X/T≦3.0、
5μm≦X≦50μm。
特には、下記の2つの式を満たすことが好ましい。
0.5≦X/T≦2.0、
5μm≦X≦20μm。
しかし、上記に示した表面層と現像剤規制部材のギャップを適宜調節するのみでは、耐久後半での現像剤の融着を十分防ぐことはできない。そこで、現像剤が滞留しやすい場所の離型性を向上させることで、融着を防ぐことができる。つまり、現像ローラの表面に分散されている多孔質樹脂粒子が非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を含んでいることで、現像ローラ表面の凸部の離型性を向上させることができる。本発明においては、多孔質樹脂粒子を用いることで、非多孔質樹脂粒子を用いた場合に比べ、現像ローラ表面の凸部に存在する非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の総量を増加させることができる。また、多孔質樹脂粒子が非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を含んでいることで、現像ローラに含まれる非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の総量を減少させることができ、感光ドラムなど他部材への汚染も軽減することができる。
次に、多孔質樹脂粒子の圧縮強度Aに対する現像剤の融着性について説明する。本発明においては、適度な硬度を有する多孔質樹脂粒子、つまり圧縮強度Aが1.0MPa≦A≦5.0MPa、特には、2.0MPa≦A≦4.0MPaである多孔質樹脂粒子を用いることで、所望の画像濃度と離型性を持った現像ローラが得られる。すなわち、多孔質樹脂粒子の圧縮強度が上記の数値範囲内にあることにより、粒子が適度に変形し、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の染み出しにより、離型性が十分に発揮される。また、多孔質樹脂粒子の変形が大きすぎないために所望の画像濃度が得られる。
また、本発明においては、表面層の膜厚T、表面層のMD−1硬度Mが、2μm≦T≦25μm、30度≦M≦43度を満たすとき、カブリのより一層の抑制、画像濃度のより一層の向上が達成される。T及びMが上記の数値範囲を満たすことにより、現像ローラの硬度が大きくなりすぎることがない。そのため、現像剤の劣化が少なく、カブリが抑制される。また、表面層の強度が十分なものとなるため、耐久印刷時に現像ローラの表面層の過度の磨耗が抑制できる。更に、現像ローラのタックが大きくなり過ぎることがないため、現像剤が初期から現像ローラの表面への固着が抑制される。より好ましいT、及びMの数値範囲は、下記の通りである。
5μm≦T≦20μm、
32度≦M≦40度。
また、本発明において、多孔質樹脂粒子の比表面積は2〜100m2/gである。多孔質樹脂粒子の比表面積が上記数値範囲内にあることにより、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の染み出しが多くなり過ぎず、画像濃度の低下が抑えられる。
本発明に係る現像ローラにおいて、図1に示す導電性軸体1としては、通常はアルミニウムや鉄、ステンレス(SUS)で外径4〜10mmの金属製のものが用いられる。形状は円柱状であっても円筒状であってもよい。
次に、導電性軸体1の周囲に設けられた弾性層2には、シリコーンゴムやEPDM又はウレタンのエラストマー、あるいはその他の樹脂成型体を基材として用いることができる。また、カーボンブラック、金属、金属酸化物のような電子導電性物質や、過塩素酸ナトリウムのようなイオン導電物質を配合し、弾性層の抵抗領域が103〜1010Ωcm、好ましくは104〜108Ωcmになるよう調整したものが用いられる。このとき、弾性層の硬度はASKER−C硬度25〜60°とすることが好ましい。
弾性層2の基材として具体的には、以下のものが挙げられる。ポリウレタン、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、及びこれらの混合物。低硬度でかつ高反発弾性という特異な特性を有することからシリコーンゴムが好ましく用いられる。
弾性層2の外周に形成される表面層3の結着樹脂としては、現像剤の帯電性や耐摩耗性からポリウレタン樹脂を用いる必要がある。表面層3のポリウレタン樹脂としては、ポリエーテルポリウレタン樹脂が好ましい。ポリエーテルポリウレタン樹脂は、被膜の硬度を小さくすることができ、現像剤の帯電性が高い。
ポリエーテルポリウレタン樹脂は公知のポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物との反応により得ることができる。ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。また、これらのポリオール成分は必要に応じて予め2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、1,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等のイソシアネートにより鎖延長したプレポリマーとしてもよい。
これらのポリオール成分と反応させるイソシアネート化合物として、具体的には以下のものが挙げられる。エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の芳香族ポリイソシアネート、及びこれらの変性物や共重合物、そのブロック体。
本発明においては、表面層3中に分散している多孔質樹脂粒子の含有量を、ポリウレタン樹脂100質量部に対して10質量部から80質量部にすることで、所望の画像濃度が得られるため好ましい。これは、現像ローラ表面の粗さを適度な値にすることで、現像剤の搬送性が良好になることによるものである。
<非反応性フッ素化合物、非反応性シリコーン化合物>
前記非反応性フッ素化合物及び非反応性シリコーン化合物とは、活性水素(水酸基の水素やアミノ基の水素)の如きイソシアネート基と反応する水素、ビニル基のような反応性2重結合、エポキシ基、カルボキシル基を有さない化合物である。反応性官能基を有するとポリウレタン樹脂の一部として組み込まれ、分子運動性が大きく低下するために特異的に本発明の効果が発現しにくくなる。
<<非反応性フッ素化合物>>
本発明における非反応性フッ素化合物としては温度23℃で液状であるオリゴマー又は重合体のフッ素化合物が挙げられる。特には、パーフルオロポリエーテルが好ましい。更に下記式(1)に示す、パーフルオロオキシプロピレンユニットを含むパーフルオロポリエーテルがより好ましい。
<<非反応性シリコーン化合物>>
本発明における非反応性シリコーン化合物としては、温度23℃で液状であるエーテル変性、アルキル変性、フッ素変性のものがある。その中でもエーテル変性のものが好ましく、ポリオキシエチレン変性シリコーン化合物がより好ましい。シリコーン部とポリオキシエチレン部の共重合の形態は、直鎖型のブロックポリマータイプ、分岐型のブロックポリマータイプ、シリコーン部とポリオキシエチレン部のグラフトポリマータイプのいずれであっても良い。好ましくは下記の(a)〜(d)の一般式で表される非反応性シリコーン化合物である。エーテル基は電子供与性である最高占有分子軌道電子雲が集中していることにより、現像剤への摩擦帯電能が大きく、現像剤の帯電量低下を低減できる。また、エーテル基の濃度を相対的に高くするために、炭素数の少ないパーフルオロポリエーテルやオキシアルキレンが好ましい。
Figure 0005388554
(式(1)中、nは正の整数を示す。)
Figure 0005388554
(式(a)〜(d)中、m及びnはそれぞれ正の整数を示す。)
一方、非反応性フッ素化合物及び非反応性シリコーン化合物の重量平均分子量(Mw)は5600≦Mw≦11000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量が上記の範囲内にあることで、適度な含有量と適度な多孔質樹脂粒子からの染み出し性を示し、現像ローラ表面の多孔質樹脂粒子近傍に非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物がより存在しやすい。
なお、非反応性フッ素化合物及び非反応性シリコーン化合物の分子構造は、適切な手段により多孔質樹脂粒子から単離し、熱分解GC/MSやNMR、IR、元素分析の如き手法を用いることにより同定することができる。また、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
表面層3に含有される多孔質樹脂粒子として、具体的には、以下のものが挙げられる。アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等。分散性、粒径の均一性からアクリル樹脂が好ましく用いられる。また、前記のようにカブリの改善の観点から、多孔質樹脂粒子の比表面積、相加平均粒径X、圧縮強度Aにおいて前記条件を満足している必要がある。このような特性を満足すれば、含有される多孔質樹脂粒子は単一でも複数種類でも構わない。また、多孔質樹脂粒子の相加平均粒径Xを制御するために、多孔質樹脂粒子を分級しても良い。分級装置は特に制限されるものではなく、ふるい分け機、重力分級機、遠心分級機、慣性分級機等の通常の分級装置を用いることができる。生産性が良好で分級点の変更が容易であることから、重力分級機、遠心分級機、慣性分級機等の風力分級機を使用することが好ましい。
前記多孔質樹脂粒子内に非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を含ませる方法としては特に限定されない。好ましい方法としては、減圧下で多孔質樹脂粒子と非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を撹拌し、含浸させる方法が挙げられる。具体的には、内部の気圧が調節自在な開閉式の真空チャンバー内に多孔質樹脂粒子を投入した後、真空チャンバー内を200mmHg以下に減圧し、多孔質樹脂粒子内の空気を除去する。その後、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を注入し、真空チャンバー内を200から300mmHg程加圧し、多孔質樹脂粒子内に非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を強制含浸させる。60分程度撹拌した後、真空チャンバー内の圧力を大気圧に戻す。なお、真空チャンバー内で非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を混合した際に、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の粘度を下げるため必要に応じ加熱してもよい。多孔質樹脂粒子は、真空チャンバー内で非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物に浸漬させることが好ましい。
また、前記多孔質樹脂粒子に対する非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の含有量は、多孔質樹脂粒子100質量部に対し、10質量部から80質量部であることが好ましく、30質量部から80質量部であることがより好ましい。非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の含有量が上記数値範囲内にあることにより、本発明の効果が十分に得られる。非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の含有量の算出には以下の式を用いた。
α=100×(β−γ)/γ
ここで、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の含有量をα(質量部)とする。また、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を含有する前の多孔質樹脂粒子の重量をγ(g)、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を含有した後の多孔質樹脂粒子の重量をβ(g)とする。
本発明の現像ローラは、導電性軸体1の周囲に公知の方法を用いて弾性層2を形成し、その外周に表面層3を公知の方法により形成することにより得ることができる。ここで、弾性層2の形成方法としては特に限定されるものではないが、高い寸法精度で弾性層2を形成できることから型内に弾性材料を注入することにより弾性層2を形成する方法が好ましい。
また、表面層3の形成方法としても特に限定されるものではないが、安定した表面形状を得られることから、表面層塗料を弾性層2上にコートする方法が好ましい。特に生産安定性に優れることから特開昭57−5047号公報に記載されているような浸漬槽上端から塗料をオーバーフローさせるディップコートが好ましい。図6はオーバーフロー方式の浸漬塗工装置の概略図である。円筒形の浸漬槽25は、弾性層2の形成された導電性軸体1の外形よりも大きな内径を有し、弾性層2の形成された導電性軸体1の軸方向長さよりも大きな深さを有している。浸漬槽25の上縁外周には環状の液受け部が設けられており、撹拌タンク27と接続されている。また浸漬槽25の底部は撹拌タンク27と接続されており、撹拌タンク27の塗料は、液送ポンプ26により浸漬槽25の底部に送り込まれる。浸漬槽25の底部に送り込まれた塗料は、浸漬槽25の上端部からオーバーフローして浸漬槽25の上縁外周の液受け部を介して撹拌タンク27に戻る。導電性軸体1上に弾性層2を設けたローラは、昇降装置28に垂直に固定され、浸漬槽25中に浸漬し、引き上げることで表面層3が形成される。
本発明において弾性層2及び表面層3の電気抵抗を調整するために用いられる導電性材料としては、具体的には以下のものが挙げられる。「ケッチェンブラックEC」(商品名、ケッチェンブラック・インターナショナル(株)製)、アセチレンブラックの導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MTのゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、銅、銀、ゲルマニウムの金属及び金属酸化物、イオン導電性物質等。この中で、少量で導電性を制御できることからカーボンブラックが好ましい。これら導電性材料は、前記弾性層2又は表面層3の基材100質量部に対して0.5〜50質量部が好ましく、特に1〜30質量部の範囲でより好ましく用いられる。また、導電性材料として用いられるイオン導電性物質として、以下のものが挙げられる。過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウムの無機イオン性導電物質、変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテートの有機イオン性導電物質。これら導電性材料は1種又は2種以上を併用することができる。
本発明において、弾性層2を形成する材料中へ前記導電性物質を分散する方法としては特に制限されるものではなく、ロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等の公知の装置を用いて分散することができる。
また、表面層3を形成する塗料中への前記導電性物質や前記多孔質樹脂粒子の分散方法としては特に制限されるものではない。例えば、ポリウレタン樹脂を含む樹脂材料を適当な有機溶剤に溶解させた樹脂溶液中に前記導電性物質や前記多孔質樹脂粒子等を添加し、サンドグラインダー、サンドミル、ボールミル等の公知の装置を用いて分散することができる。
本発明の現像ローラの電気抵抗としては、1×105Ω以上、1×107Ω以下が好ましい。すなわち、現像ブレードにバイアスを印加したプロセスに使用する場合にも、ブレードバイアスリークの発生や、現像ネガゴーストの発生を抑制できる。
また、本発明の電子写真プロセスカートリッジは、本発明に係る現像ローラと、該現像ローラに当接した現像剤規制部材とを備える。本発明の現像ローラを用いることにより、どのようなトナーを用いた場合においてもカブリを改善できるが、より高いカブリの改善効果が得られることから、前記トナー中のトナー粒子の重量平均粒径が4μm以上、8μm以下であることが好ましい。
本発明に用いることのできるトナー粒子は例えば以下のような方法で製造することができるが、以下の方法に限定されるものではない。
特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報、特開2006−106198号公報等に記載されている懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;
単量体には可溶で水溶性の重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法;
マイクロカプセル製法のような界面重合法、in site重合法による方法;コアセルベーション法による方法;
特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報等に開示されている少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のトナー粒子を得る会合重合法による方法;
単分散を特徴とする分散重合法による方法;非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後、水中でトナー粒子を得る乳化分散法による方法;
加圧ニーダー、エクストルーダー又はメディア分散機を用いてトナー粒子を形成するための成分を混練、均一に分散させた後、冷却し、混練物を機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕し、更に分級工程を経て粒度分布をシャープにしてトナー粒子を製造する粉砕法;
粉砕法で得られたトナー粒子を溶媒中で加熱等により球形化処理し、トナー粒子を得る方法。
中でも、懸濁重合法、会合重合法、乳化分散法によるトナー粒子の製造が好ましく、より好ましくは小粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁重合法である。
また、トナー粒子の形状は球形に近いことが好ましく、具体的にはトナー粒子の相加平均円形度が0.970〜0.990であることが好ましい。相加平均円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、相加平均円形度は小さな値となる。
図5は、本発明の現像ローラを用いた電子写真プロセスカートリッジの一例の概略図である。図5の電子写真プロセスカートリッジ4は、現像ローラ6、現像剤塗布部材7、現像剤8及びブレードバイアスを印加できる現像剤規制部材9からなる現像装置10、感光ドラム5、クリーニングブレード14、廃現像剤収容容器13、帯電装置12を備える。
感光ドラム5は矢印方向に回転し、感光ドラム5を帯電処理するための帯電部材12によって一様に帯電され、感光ドラム5に静電潜像を書き込む露光手段であるレーザー光11により、その表面に静電潜像が形成される。上記静電潜像は、感光ドラム5に対して接触配置される現像装置10によって現像剤8を付与されることにより現像され、現像剤像として可視化される。
現像装置10は、一成分現像剤として現像剤8を収容した現像容器と、現像容器内の長手方向に延在する開口部に位置し感光ドラム5と対向設置された現像剤担持体としての本発明に係る現像ローラ6とを備える。現像装置10は、感光ドラム5上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
電子写真プロセスカートリッジ4を用いた現像プロセスを以下に詳細に説明する。回転可能に支持された現像剤塗布部材7により現像ローラ6上に現像剤8が塗布される。現像ローラ6上に塗布された現像剤8は、現像ローラ6の回転により現像剤規制部材9と摺擦される。ここで、現像剤規制部材9に印加されたバイアスにより現像ローラ6上の現像剤8は現像ローラ6上に均一にコートされ、現像ローラ6の表面には現像剤8の薄層が形成される。現像ローラ6は感光ドラム5と回転しながら接触し、感光ドラム5の表面に形成された静電潜像を現像ローラ6上にコートされた現像剤8により現像することによりトナー画像が形成される。ここで、現像剤規制部材9に印加されるバイアスの極性は、現像剤8の帯電極性と同極性であり、その電圧としては現像バイアスよりも数十Vから数百V高い電圧が一般的である。このように現像剤規制部材9にバイアスを印加する場合は、現像剤規制部材9は導電性であることが好ましく、リン青銅やステンレス等の金属であることがより好ましい。
現像剤塗布部材7の構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や軸芯体上にレーヨン、ポリアミド等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ6への現像剤8の供給及び未現像現像剤の剥ぎ取りの点から好ましい。例えば、軸芯体上にポリウレタンフォームを設けた弾性ローラを用いることができる。
この現像剤塗布部材7の現像ローラ6に対する当接幅としては、1〜8mmが好ましく、また、現像ローラ6に対してその当接部において相対速度をもたせることが好ましい。
図4は、本発明の現像ローラを具備した電子写真プロセスカートリッジを用いた本発明に係る画像形成装置の一例の概略構成を示す断面図である。電子写真プロセスカートリッジとして、図5に示した電子写真プロセスカートリッジ4と同様の電子写真プロセスカートリッジが脱着可能に装着されている。
現像は露光部に現像剤像を形成する所謂反転現像により行う。記録媒体である紙22は、給紙ローラ23及び吸着ローラ24により、転写搬送ベルト20に供給される。バイアス電源18は、吸着ローラ24にバイアスを印加する電源である。転写搬送ベルト20は、駆動ローラ16、テンションローラ19及び従動ローラ21との間に張架され、駆動ローラ16により回転させられている。上記方法により可視化された感光ドラム5上の現像剤像は、転写部材である転写ローラ17によって記録媒体である紙22に転写される。現像剤像を転写された紙22は、定着装置15により定着処理され、装置外に排紙されプリント動作が終了する。
一方、転写されずに感光ドラム5上に残存した転写残現像剤は、感光ドラム5表面をクリーニングするクリーニングブレード14により掻き取られ廃現像剤容器13に収納され、クリーニングされた感光ドラム5は上記操作を繰り返し行う。
なお、各物性の測定は、以下の測定方法により行う。
<多孔質樹脂粒子の比表面積の測定方法>
比表面積の測定は比表面積計(商品名:「Autosorb−1」、QUANTACHROME製)を使用し、JIS Z8830の比表面積の測定方法に準じて測定する。なお、測定サンプルは約0.1gとし、セル中に秤量し、温度40℃、真空度1.0×10-3mmHgで、12時間以上脱気処理を行う。その後、液体窒素により冷却した状態で窒素ガスを吸着し多点法により値を求める。
<多孔質樹脂粒子の相加平均粒径Xの測定方法>
多孔質樹脂粒子の相加平均粒径Xは、無作為に200個選んで測定した各多孔質樹脂粒子の最大直径の相加平均値とする。最大直径の測定には日立ハイテクノロジー社製のFE−SEM(商品名:「S−4800」)を使用し、観察・測定を行う。
<多孔質樹脂粒子の圧縮強度Aの測定方法>
多孔質樹脂粒子の圧縮硬度Aは以下ように測定する。測定環境は温度23℃相対湿度55%の環境で行い、測定の24時間前から同環境に多孔質樹脂粒子を放置しておく。多孔質樹脂粒子の粒子直径d(mm)を超微小硬度測定装置(商品名:「ENT−2100」、株式会社エリオニクス社製)に装着されたデジタルマイクロスコープで測定する。次に、前記超微小硬度測定装置に先端が20μm角の平面の圧子を取り付け、毎秒1mN荷重を加算して加え、荷重をかけた方向の粒子直径が荷重をかける前の粒子直径d(mm)の90%になるまで圧縮する。多孔質樹脂粒子の粒子直径が90%になるまで圧縮されたときの平面圧子に加えられた荷重P(N)を測定する。平面圧子に加えられた荷重P(N)を下記式に代入し、多孔質樹脂粒子の圧縮強度A(MPa)と定義する。
E=2.8P/πd2 (MPa)
<現像ローラ表面層の膜厚Tの測定方法>
現像ローラを温度23℃/湿度55%Rhの環境に24時間以上静置する。現像ローラの中央部、現像ローラ両端部からそれぞれ30mm中央部側の合計3点から、鋭利なかみそり刃を用いて、現像ローラの表面層を弾性層ごとかまぼこ形状に切り出して表面層厚さ測定サンプル(1)〜(3)を得る。得られたサンプル(1)〜(3)それぞれにおいて、測定位置を変えて5点表面層厚さを測定し、合計15点の測定結果の相加平均値を現像ローラの表面層の膜厚T(μm)とする。ここで、表面層の膜厚Tを測定する手段としては、ビデオマイクロスコープ(キーエンス社製、倍率2000倍)を用いる。
<現像ローラの表面層のMD−1硬度Mの測定方法>
現像ローラを温度23℃/湿度55%Rhの環境に24時間以上静置する。マイクロゴム硬度計MD−1タイプA(高分子計器社製)を用いて、現像ローラの表面硬度を測定する。測定位置は軸方向中心部と、軸方向両端部から内側に各30mmの位置の3点を周方向に角度90°刻みで合計12点に関して、現像ローラ軸方向に測定し、その平均値を現像ローラの表面層のMD−1硬度M(度)とする。
<非反応性フッ素化合物又は非反応性シリコーン化合物の重量平均分子量(Mw)の測定方法>
本発明において、重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布の測定方法を用いる。
GPCによるクロマトグラムの重量平均分子量(Mw)は次の条件で測定される。温度40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。試料濃度として0.3質量%に調整した非反応性フッ素化合物又は非反応性シリコーン化合物のTHF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用いる。少なくとも10点の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。これらは、東ソー株式会社製、Pressure Chemical Co.社より販売されている。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、昭和電工社製の「shodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807」(商品名)の組み合わせを用いることができる。また、Waters社製の「μ−styragel500、103、104、105」(商品名)の組み合わせを挙げることができる。
<現像ローラの電気抵抗測定方法>
電気抵抗測定装置としては、温度23℃/湿度55%Rhの環境下で図7に示されるような装置を用いる。現像ローラ6は、現像ローラ6の導電性軸体の両端にそれぞれ4.9Nの荷重をかけて直径50mmの金属ドラム29に当接されており、金属ドラム29を不図示の駆動手段により表面速度50mm/secで駆動することにより現像ローラ6は従動回転される。高圧電源HVから現像ローラ6の導電性軸体に+50Vの電圧を印加する。金属ドラム29とグランドとの間に配設した既知の電気抵抗(現像ローラ6の電気抵抗に対して2桁以上電気抵抗が低いもの)を有する抵抗器Rの両端の電位差をデジタルマルチメーターDMMを用いて計測する。DMMには、「189TRUE RMS MULTIMETER」(商品名、FLUKE社製)を用いる。計測した電位差と抵抗器の電気抵抗から、現像ローラ6を介して金属ドラム29に流れた電流を算出する。電流と印加電圧から現像ローラ6の電気抵抗値を求める。ここで、デジタルマルチメーターDMMでの測定は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値を現像ローラ6の抵抗値とする。
<トナー粒子の重量平均粒径の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径は、「コールターカウンターTA−II型」あるいは「コールターマルチサイザー」(商品名、コールター社製)などにより測定することができる。具体的には下記のようにして測定することができる。「コールターマルチサイザー」(商品名、コールター社製)を用いて、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及び「PC9801パーソナルコンピューター」(商品名、NEC製)を接続する。電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製したものを用いることができ、例えば、「ISOTON R−II」(商品名、コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用することができる。具体的測定手順は以下の通りである。前記電解水溶液を100〜150ml加え、さらに測定試料(トナー粒子)を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い前記「コールターマルチサイザー」により100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積を測定して体積分布を算出する。これより重量平均粒径を求める。
<トナー粒子の相加平均円形度の測定方法>
フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(商品名:シスメックス社製)を用いて、1000個以上のトナー粒子を測定し、測定された粒子の各々の円形度aを下記式により求め、その相加平均を相加平均円形度とする。
円形度a=L0/L
(式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を示す)。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本実施例は本発明を何ら限定するものではない。
〔実施例1〕
[弾性層2の形成]
導電性軸体1としてSUS製の直径8mm芯金にニッケルメッキを施し、さらにプライマー(商品名:「DY35−051」、東レダウコーニングシリコーン社製)を塗布、焼付けしたものを用いた。次いで、導電性軸体1を内径16mmの円筒状金型に同心となるように配置した。液状シリコーンゴム材料(商品名:「SE6724A/B」、東レ・ダウコーニングシリコーン社製)100質量部に対し、以下の材料を混合し付加型シリコーンゴム組成物を調製した。カーボンブラック(商品名:「トーカブラック#7360SB」、東海カーボン社製)を35質量部、耐熱性付与剤としてシリカ粉体を0.2質量部、及び白金触媒を0.1質量部。該付加型シリコーンゴム組成物を、前記金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を加熱してシリコーンゴム組成物を温度150℃、15分間加硫硬化し、脱型した後、さらに温度200℃、2時間加熱し硬化反応を完結させ、厚み4mmの弾性層2を導電性軸体1の外周に設けた。
[ポリエーテルポリオールの合成]
ポリテトラメチレングリコール(商品名:「PTG1000SN」、保土谷化学社製)100質量部に、イソシアネート化合物(商品名:「ミリオネートMT」、日本ポリウレタン工業社製)20質量部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で段階的に混合した。窒素雰囲気下温度80℃にて7時間反応させて、水酸基価が20のポリエーテルポリオールを作製した。
[ブロックポリイソシアネートAの合成]
窒素雰囲気下、数平均分子量500のポリプロピレングリコール100質量部に対し、粗製MDI57質量部を温度90℃で2時間加熱反応した。その後、ブチルセロソルブを固形分70%になるように加え、単位固形分質量当たりに含有されるNCO基の質量比率が5.0質量%のイソシアネート化合物を得た。その後、反応物温度50℃の条件下、MEKオキシム22質量部を滴下し、ブロックポリイソシアネートAを得た。
[多孔質樹脂粒子の合成方法]
「多孔質樹脂粒子1の作製」
(油層材料)
アクリル酸n−ブチル 30質量部
ジエチレングリコールジメタクリレート 20質量部
n−ヘキサン 50質量部
過酸化ベンゾイル 0.3質量部
(水層材料)
イオン交換水 350質量部
リン酸カルシウム 6質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.03質量部
上記油層材料及び水層材料を混合し、この混合溶液を高速撹拌機(商品名:「T.K.ホモミクサー」、特殊機化工業(株)製)を用いて、撹拌回転数4000rpmで10分間、撹拌・造粒を行った。その後、パドル撹拌翼にて撹拌しつつ、温度を65℃に昇温させ、7時間懸濁重合させた。重合終了後、懸濁液を温度23℃まで冷却し、塩酸を加えて分散剤のリン酸カルシウムを溶解し、ろ過、水洗、乾燥して多孔質樹脂粒子1を作製した。
「多孔質樹脂粒子2〜8の作製」
多孔質樹脂粒子1の作製において、材料、高速撹拌機の撹拌回転数を表1の条件にした以外は同様の方法で多孔質樹脂粒子2〜8を作製した。
「多孔質樹脂粒子9の作製」
ポリアミド6(分子量1300、宇部興産(株)製)をm−クレゾール溶液に溶解させ、濃度1.0質量%のポリアミド溶液を作製した。次に、メタノール75質量部と水12.5質量部の混合溶液に、前記ポリアミド溶液12.5質量部を加え、マグネティックスターラーで撹拌しながら添加した。その後2分間、温度23℃で撹拌した。撹拌後、温度23℃で24時間静置して、ポリアミド粒子を析出させた。この粒子を、ろ過、洗浄することにより多孔質樹脂粒子9を作製した。
「多孔質樹脂粒子10、12〜15の作製」
多孔性樹脂粒子1の作製において、材料、高速撹拌機の撹拌回転数を表1の条件にした以外は同様の方法で多孔質樹脂粒子10、12〜15を作成した。
「多孔質樹脂粒子11の作製」
多孔質樹脂粒子1の作製において、材料、高速撹拌機の撹拌回転数を表1の条件にした以外は同様の方法で多孔質樹脂粒子11を作製した。
[非反応性フッ素化合物]
非反応性フッ素化合物Aとして「デムナムS−200」(商品名、ダイキン工業社製)を用いた。非反応性フッ素化合物Bとして「デムナムS−100」(商品名、ダイキン工業社製)を用いた。また、非反応性フッ素化合物Cとして「デムナムS−20」(商品名、ダイキン工業社製)を用いた。非反応性フッ素化合物A〜Cの重量平均分子量Mwを表2に示す。
[非反応性シリコーン化合物の合成方法]
「非反応性シリコーン化合物Aの合成」
ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(Aldrich社製 Mn=1000)10gとJones試薬をアセトン中、温度20℃で24時間反応させ、ポリエーテル部原料を得た。Jones試薬は、酸化クロム(VI)0.007molの水1ml溶液に
、氷冷しつつ濃硫酸0.011molを加え、次いで水2mlを加えて調製した。この原料5.0gと二塩化オキサリル(Aldrich社製)0.095molとをベンゼン中、温度40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。得られた酸塩化物2.5gと、ポリシロキサン化合物(商品名:「KF6002」、信越化学社製)5.0gをジエチルエーテル中で少量のピリジンの存在下、室温で24時間反応させ、重量平均分子量7900の非反応性シリコーン化合物Aを得た。
「非反応性シリコーン化合物Bの合成」
ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(Aldrich社製 Mn=2500)10gとJones試薬をアセトン中、温度20℃で24時間反応させ、ポリエーテル部原料を得た。Jones試薬は、酸化クロム(VI)0.003molの水1ml溶液に
、氷冷しつつ濃硫酸0.005molを加え、ついで水2mlを加えて調製した。この原料5.0gと二塩化オキサリル(Aldrich社製)0.05molとをベンゼン中、温度40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。得られた酸塩化物2.5gと、ポリシロキサン化合物(商品名:「KF6002」、信越化学社製)3.0gをジエチルエーテル中で少量のピリジンの存在下、室温で24時間反応させ、重量平均分子11000の非反応性シリコーン化合物Bを得た。
「非反応性シリコーン化合物Cの合成」
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich社製 Mn=550)10gとJones試薬をアセトン中、温度20℃で24時間反応させ、ポリエーテル部原料を得た。Jones試薬は、酸化クロム(VI)0.014molの水2ml溶液に、氷
冷しつつ濃硫酸0.022molを加え、ついで水4mlを加えて調製した。この原料5.0gと二塩化オキサリル(Aldrich社製)0.014molとをベンゼン中、温度40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。得られた酸塩化物2.5gと、ポリシロキサン化合物(商品名、「X22−170DX」、信越化学社製)27.5gをジエチルエーテル中で少量のピリジンの存在下、室温で24時間反応させ、重量平均分子量5800の非反応性シリコーン化合物Cを得た。
「非反応性シリコーン化合物Dの合成」
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich社製 Mn=550)10gとJones試薬をアセトン中、温度20℃で24時間反応させ、ポリエーテル部原料を得た。Jones試薬は、酸化クロム(VI)0.014molの水2ml溶液に、氷
冷しつつ濃硫酸0.022molを加え、ついで水4mlを加えて調製した。この原料5.0gと二塩化オキサリル(Aldrich社製)0.014molとをベンゼン中、温度40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。得られた酸塩化物2.5gと、ポリシロキサン化合物(商品名、「X22−170BX」、信越化学社製)16gをジエチルエーテル中で少量のピリジンの存在下、室温で24時間反応させ、重量平均分子量3700の非反応性シリコーン化合物Dを得た。
「非反応性シリコーン化合物Eの合成」
ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(Aldrich社製 Mn=4000)10gとJones試薬をアセトン中、温度20℃で24時間反応させ、ポリエーテル部原料を得た。Jones試薬は、酸化クロム(VI)0.002molの水1ml溶液に
、氷冷しつつ濃硫酸0.003molを加え、ついで水2mlを加えて調製した。この原料5.0gと二塩化オキサリル(Aldrich社製)0.025molとをベンゼン中、温度40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。得られた酸塩化物2.5gと、ポリシロキサン化合物(商品名:「KF6003」、信越化学社製)2.5gをジエチルエーテル中で少量のピリジンの存在下、室温で24時間反応させ、重量平均分子量15400の非反応性シリコーン化合物Eを得た。非反応性シリコーン化合物A〜Eの重量平均分子量Mwを表2に示す。
[非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の多孔質樹脂粒子内への含浸方法]
真空チャンバー内に多孔質樹脂粒子1を200g投入した後、真空チャンバー内を200mmHgに減圧し、1分間保持した。その後、非反応性フッ素化合物を400g注入し、真空チャンバー内を500mmHgにした状態で60分間撹拌した。真空チャンバー内の圧力を大気圧に戻した後、多孔質樹脂粒子内に含浸されていない非反応性フッ素化合物を取り除いた。その後、非反応性フッ素化合物を含浸した多孔質樹脂粒子1を280g取り出した。なお、非反応性シリコーン化合物を用いる場合にも、同様の方法で含浸した。多孔質樹脂粒子100質量部に対する非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の含有量を表3に示す。
[表面層3用塗料の作製]
前記ポリエーテルポリオールに前記ブロックポリイソシアネートAをNCO/OH基比が1.4になるように混合し、混合液の固形分100質量部に対し、カーボンブラック(商品名:「MA100」、三菱化学社製、pH=3.5)30質量部を添加した。次に固形分が35質量%になるようにMEKを加えて混合し、1.5mmの粒径のガラスビーズとサンドミルを用いて4時間分散して分散液1を調製した。その後、分散液中の固形分と同量のMEK中に多孔質樹脂粒子1を40質量部添加し、超音波分散することにより多孔質樹脂粒子分散液を得た。得られた多孔質樹脂粒子分散液を分散液1に追加して、サンドミルを用いてさらに30分間分散して表面層3用塗料を得た。
[弾性層2上への表面層3の形成]
上記のようにして得られた表面層3用塗料を、図6に示すオーバーフロー方式の浸漬塗工装置を用いて前記弾性層2上にそれぞれ浸漬塗工した後乾燥させ、温度150℃にて2時間加熱処理することで弾性層2表面に厚さ17μmの表面層3を設けた。これにより、実施例1の現像ローラを得た。
得られた現像ローラを温度23℃/湿度55%Rhの環境に24時間以上静置し、以下の各種測定を行った。なお、多孔質樹脂粒子の取り出し方法としては、鋭利なかみそり刃で切り込みを入れた現像ローラを溶媒で膨潤させた後、超音波処理して取り出す方法がある。
[現像ローラ表面層3中における多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aの測定]
上記のようにして得られた現像ローラから前述の方法により比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aを測定した。測定結果を表3に示す。
[現像ローラ表面層3の膜厚T・MD−1硬度M測定]
上記のようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚T・MD−1硬度Mを前述の方法により測定した。測定結果を表3に示す。
[現像ローラの電気抵抗の測定]
上記のようにして得られた現像ローラの電気抵抗を前述の方法により測定した。測定結果を表3に示す。
[画像出力試験]
キヤノン製プリンター「LBP5500」(商品名)改造カートリッジに、非磁性一成分のマゼンタトナーを充填した。該改造カードリッジは、感光ドラムを有し、現像ローラは感光ドラムを押圧しており、現像剤規制部材として厚み80μmのSUS304製のブレードを用い、現像剤規制部材にブレードバイアスを印加できるようにしたものである。また、該マゼンタトナーは、特開2006−106198号公報の実施例1に記載された重合方法により製造した重量平均粒径6.5μm、形状係数SF−1が114、SF−2が108である非磁性一成分のマゼンタトナーである。さらに、本実施例で得られた現像ローラを組み込んで画像出力試験用プロセスカートリッジを3本作製した。
キヤノン製プリンター「LBP5500」(商品名)改造機(現像剤規制部材にブレードバイアスを印加できるように改造したもの)に、前記画像出力試験用カートリッジを搭載し、画像出力試験を行った。ここで、現像バイアスに対して−200Vのブレードバイアスを印加して温度23℃/湿度55%Rh(N/N環境)、温度15℃/湿度10%Rh(L/L環境)、温度30℃/湿度80%Rh(H/H環境)の各環境で印字率が1%の画像を連続して出力した。最終的に10000枚の画像出力を行い、カブリを以下の方法で評価した。
1枚ベタ白画像をグロス紙(HPグロス紙)に出力した。そのベタ白画像を反射式濃度計「TC−6DS/A」(商品名、(有)東京電色製)を用いて、白地部の反射濃度を測定し、画像上で測定した10点の平均値をDsとした。そしてベタ白画像出力前の用紙の反射濃度(その平均値をDrとする)とDsとの差(Dr−Ds)を求め、これをカブリ量とし、以下の基準に基づき評価した。
A:カブリ量が1.5未満
B:カブリ量が1.5以上、2.5未満
C:カブリ量が2.5以上。
また、画像濃度を以下の方法で評価した。現像ローラを前記と同様に画像出力試験用プロセスカートリッジに組み込み、該画像出力試験用プロセスカートリッジを温度23℃、湿度55%Rhの環境に24時間放置した。その後、同環境において前記キヤノン製プリンター「LBP5500」(商品名)改造機に搭載し、ベタ黒画像を1枚出力した。出力した画像の上部、中央部、下部の領域の左、中央、右の各3点、計9点において、反射濃度計(商品名:「RD−914」、マクベス社製)を使用して濃度を測定し、その平均値を画像濃度とした。画像濃度を以下の基準に基づき評価した。
A:画像濃度の値が1.1以上
B:画像濃度の値が1.0以上、1.1未満
C:画像濃度の値が1.0未満。
本実施例においては、カブリ、画像濃度ともに良好であった。結果を表4に示す。
〔実施例2〜21〕
多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度A、表面層の膜厚T・MD−1硬度M、非反応性化合物、多孔質樹脂粒子の材料、多孔質樹脂粒子の含有量を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。実施例2〜21においては、カブリ、画像濃度ともに良好であった。結果を表4に示す。
〔比較例1〕
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子10を用いることにより、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、カブリは良好だったが、多孔質樹脂粒子の比表面積が大きいために、実施例と比較して画像濃度が十分でなかった。結果を表4に示す。
〔比較例2〕
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子11を用いることにより、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、多孔質樹脂粒子内に非反応性化合物がほとんど存在していないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
〔比較例3〜4〕
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子12、13を用いることにより、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、多孔質樹脂粒子の相加平均粒径Xが本発明に係る条件を満たしていないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
〔比較例5〕
表面層の膜厚Tを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、表面層の膜厚Tが本発明に係る条件を満たしていないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
〔比較例6〕
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子2を用い、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aと表面層の膜厚Tを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、表面層の膜厚Tが薄く、本発明に係る条件を満たしていないため、通紙7000枚で表面層が削れ、カブリ量を評価できなかった。結果を表4に示す。
〔比較例7〜8〕
多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aと相加平均粒径X/表面層の膜厚Tを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、X/Tが本発明に係る条件を満たしていないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
〔比較例9〕
表面層3に含まれるカーボンブラックの含有量を50質量部に変更した以外は表3に示すように実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、MD−1硬度Mが本発明に係る条件を満たしていないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
〔比較例10〕
表面層3に含まれるカーボンブラックの含有量を15質量部に変更した以外は表3に示すように実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、カブリは良好であった。しかし、MD−1硬度Mが小さく本発明に係る条件を満たしていないために、現像剤の初期固着が見られた。この初期固着は通紙3枚目で消滅した。結果を表4に示す。
〔比較例11〕
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子14を用い、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aと相加平均粒径X/表面層の膜厚Tを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、多孔質樹脂粒子の圧縮強度Aが本発明に係る条件を満たしていないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
〔比較例12〕
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子15を用い、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aと相加平均粒径X/表面層の膜厚Tを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、カブリは良好だったが、多孔質樹脂粒子の圧縮強度Aが小さく、本発明に係る条件を満たしていないために、実施例と比較して画像濃度が十分でなかった。結果を表4に示す。
Figure 0005388554
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Figure 0005388554
Figure 0005388554
本発明の現像ローラの一例を示す軸方向の断面図である。 本発明におけるX/Tによる表面プロファイルの変化を示した概略図である。 本発明における多孔質樹脂粒子のXによる表面プロファイルの変化を示した概略図である。 本発明の現像ローラ、現像装置を用いた画像形成装置の概略断面図である。 本発明の現像ローラを用いた電子写真プロセスカートリッジの概略断面図である。 本発明の現像ローラの表面層を形成する際に使用する浸漬塗工装置の一例を示す概略図である。 本発明の現像ローラの電気抵抗を測定する装置の概略図である。
符号の説明
1 導電性軸体
2 弾性層
3 表面層
4 電子写真プロセスカートリッジ
5 感光ドラム
6 現像ローラ
7 現像剤塗布部材
8 現像剤
9 現像剤規制部材
10 現像装置
11 レーザー光
12 帯電部材
13 廃現像剤容器
14 クリーニングブレード
15 定着装置
16 駆動ローラ
17 転写ローラ
18 バイアス電源
19 テンションローラ
20 転写搬送ベルト
21 従動ローラ
22 紙
23 給紙ローラ
24 吸着ローラ
25 浸漬槽
26 液送ポンプ
27 撹拌タンク
28 昇降装置
29 金属ドラム
30 多孔質樹脂粒子
31 滞留する現像剤
R 抵抗器
HV 高圧電源
DMM デジタルマルチメーター

Claims (8)

  1. 導電性軸体と、該導電性軸体の外周に弾性層と、該弾性層の外周に表面層とを有している現像ローラにおいて、
    該表面層は、ポリウレタン樹脂と比表面積が2〜100m2/gの多孔質樹脂粒子とを含有しており、
    該多孔質樹脂粒子は、温度23℃で液状であり非反応性のフッ素化合物及び温度23℃で液状であり非反応性のシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、かつ、
    該多孔質樹脂粒子の相加平均粒径X(μm)、該表面層の膜厚T(μm)、該表面層のMD−1硬度M(度)、及び該多孔質樹脂粒子の圧縮強度A(MPa)が以下の関係(a)乃至(e)
    (a)0.5≦X/T≦3.0
    (b)5μm≦X≦50μm
    (c)2μm≦T≦25μm
    (d)30度≦M≦43度
    (e)1.0MPa≦A≦5.0MPa
    を満たしていることを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記ポリウレタン樹脂100質量部に対する前記多孔質樹脂粒子の含有量が10質量部から80質量部である請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記多孔質樹脂粒子が、前記フッ素化合物を含み、
    該フッ素化合物の重量平均分子量(Mw)が5600≦Mw≦11000の範囲にあり、かつ、該フッ素化合物が、パーフルオロオキシプロピレンユニットを含むパーフルオロポリエーテルである請求項1又は2に記載の現像ローラ。
  4. 前記多孔質樹脂粒子が、前記シリコーン化合物を含み、
    該シリコーン化合物の重量平均分子量(Mw)が5600≦Mw≦11000の範囲にあり、かつ、該シリコーン化合物が、ポリオキシエチレン変性シリコーン化合物である請求項1又は2に記載の現像ローラ。
  5. 前記多孔質樹脂粒子がアクリル樹脂で形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の現像ローラ。
  6. 前記多孔質樹脂粒子が、前記フッ素化合物及びシリコーン化合物の少なくとも一方と前記多孔質樹脂粒子とを減圧下で撹拌して、該多孔質樹脂粒子の内部に該フッ素化合物及び該シリコーン化合物の少なくとも一方を含浸させて得たものである請求項1乃至5のいずれかに記載の現像ローラ。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の現像ローラと、該現像ローラに当接した現像剤規制部材とを備えていることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の現像ローラと、該現像ローラに当接した現像剤規制部材とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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