JP5388554B2 - 現像ローラ、それを用いた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
(1)現像剤への均一で高い帯電性、
(2)均一な現像剤搬送性。
該表面層は、ポリウレタン樹脂と比表面積が2〜100m2/gの多孔質樹脂粒子とを含有しており、
該多孔質樹脂粒子は、温度23℃で液状であり非反応性のフッ素化合物及び温度23℃で液状であり非反応性のシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、かつ、
該多孔質樹脂粒子の相加平均粒径X(μm)、該表面層の膜厚T(μm)、該表面層のMD−1硬度M(度)、及び該多孔質樹脂粒子の圧縮強度A(MPa)が以下の関係(a)乃至(e)
(a)0.5≦X/T≦3.0
(b)5μm≦X≦50μm
(c)2μm≦T≦25μm
(d)30度≦M≦43度
(e)1.0MPa≦A≦5.0MPa
を満たしていることを特徴とする現像ローラに関する。
(a)0.5≦X/T≦3.0
(b)5μm≦X≦50μm
(c)2μm≦T≦25μm
(d)30度≦M≦43度
(e)1.0MPa≦A≦5.0MPa。
5μm≦X≦50μm。
5μm≦X≦20μm。
32度≦M≦40度。
前記非反応性フッ素化合物及び非反応性シリコーン化合物とは、活性水素(水酸基の水素やアミノ基の水素)の如きイソシアネート基と反応する水素、ビニル基のような反応性2重結合、エポキシ基、カルボキシル基を有さない化合物である。反応性官能基を有するとポリウレタン樹脂の一部として組み込まれ、分子運動性が大きく低下するために特異的に本発明の効果が発現しにくくなる。
本発明における非反応性フッ素化合物としては温度23℃で液状であるオリゴマー又は重合体のフッ素化合物が挙げられる。特には、パーフルオロポリエーテルが好ましい。更に下記式(1)に示す、パーフルオロオキシプロピレンユニットを含むパーフルオロポリエーテルがより好ましい。
本発明における非反応性シリコーン化合物としては、温度23℃で液状であるエーテル変性、アルキル変性、フッ素変性のものがある。その中でもエーテル変性のものが好ましく、ポリオキシエチレン変性シリコーン化合物がより好ましい。シリコーン部とポリオキシエチレン部の共重合の形態は、直鎖型のブロックポリマータイプ、分岐型のブロックポリマータイプ、シリコーン部とポリオキシエチレン部のグラフトポリマータイプのいずれであっても良い。好ましくは下記の(a)〜(d)の一般式で表される非反応性シリコーン化合物である。エーテル基は電子供与性である最高占有分子軌道電子雲が集中していることにより、現像剤への摩擦帯電能が大きく、現像剤の帯電量低下を低減できる。また、エーテル基の濃度を相対的に高くするために、炭素数の少ないパーフルオロポリエーテルやオキシアルキレンが好ましい。
一方、非反応性フッ素化合物及び非反応性シリコーン化合物の重量平均分子量(Mw)は5600≦Mw≦11000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量が上記の範囲内にあることで、適度な含有量と適度な多孔質樹脂粒子からの染み出し性を示し、現像ローラ表面の多孔質樹脂粒子近傍に非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物がより存在しやすい。
ここで、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の含有量をα(質量部)とする。また、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を含有する前の多孔質樹脂粒子の重量をγ(g)、非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物を含有した後の多孔質樹脂粒子の重量をβ(g)とする。
単量体には可溶で水溶性の重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法;
マイクロカプセル製法のような界面重合法、in site重合法による方法;コアセルベーション法による方法;
特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報等に開示されている少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のトナー粒子を得る会合重合法による方法;
単分散を特徴とする分散重合法による方法;非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後、水中でトナー粒子を得る乳化分散法による方法;
加圧ニーダー、エクストルーダー又はメディア分散機を用いてトナー粒子を形成するための成分を混練、均一に分散させた後、冷却し、混練物を機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕し、更に分級工程を経て粒度分布をシャープにしてトナー粒子を製造する粉砕法;
粉砕法で得られたトナー粒子を溶媒中で加熱等により球形化処理し、トナー粒子を得る方法。
比表面積の測定は比表面積計(商品名:「Autosorb−1」、QUANTACHROME製)を使用し、JIS Z8830の比表面積の測定方法に準じて測定する。なお、測定サンプルは約0.1gとし、セル中に秤量し、温度40℃、真空度1.0×10-3mmHgで、12時間以上脱気処理を行う。その後、液体窒素により冷却した状態で窒素ガスを吸着し多点法により値を求める。
多孔質樹脂粒子の相加平均粒径Xは、無作為に200個選んで測定した各多孔質樹脂粒子の最大直径の相加平均値とする。最大直径の測定には日立ハイテクノロジー社製のFE−SEM(商品名:「S−4800」)を使用し、観察・測定を行う。
多孔質樹脂粒子の圧縮硬度Aは以下ように測定する。測定環境は温度23℃相対湿度55%の環境で行い、測定の24時間前から同環境に多孔質樹脂粒子を放置しておく。多孔質樹脂粒子の粒子直径d(mm)を超微小硬度測定装置(商品名:「ENT−2100」、株式会社エリオニクス社製)に装着されたデジタルマイクロスコープで測定する。次に、前記超微小硬度測定装置に先端が20μm角の平面の圧子を取り付け、毎秒1mN荷重を加算して加え、荷重をかけた方向の粒子直径が荷重をかける前の粒子直径d(mm)の90%になるまで圧縮する。多孔質樹脂粒子の粒子直径が90%になるまで圧縮されたときの平面圧子に加えられた荷重P(N)を測定する。平面圧子に加えられた荷重P(N)を下記式に代入し、多孔質樹脂粒子の圧縮強度A(MPa)と定義する。
<現像ローラ表面層の膜厚Tの測定方法>
現像ローラを温度23℃/湿度55%Rhの環境に24時間以上静置する。現像ローラの中央部、現像ローラ両端部からそれぞれ30mm中央部側の合計3点から、鋭利なかみそり刃を用いて、現像ローラの表面層を弾性層ごとかまぼこ形状に切り出して表面層厚さ測定サンプル(1)〜(3)を得る。得られたサンプル(1)〜(3)それぞれにおいて、測定位置を変えて5点表面層厚さを測定し、合計15点の測定結果の相加平均値を現像ローラの表面層の膜厚T(μm)とする。ここで、表面層の膜厚Tを測定する手段としては、ビデオマイクロスコープ(キーエンス社製、倍率2000倍)を用いる。
現像ローラを温度23℃/湿度55%Rhの環境に24時間以上静置する。マイクロゴム硬度計MD−1タイプA(高分子計器社製)を用いて、現像ローラの表面硬度を測定する。測定位置は軸方向中心部と、軸方向両端部から内側に各30mmの位置の3点を周方向に角度90°刻みで合計12点に関して、現像ローラ軸方向に測定し、その平均値を現像ローラの表面層のMD−1硬度M(度)とする。
本発明において、重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布の測定方法を用いる。
電気抵抗測定装置としては、温度23℃/湿度55%Rhの環境下で図7に示されるような装置を用いる。現像ローラ6は、現像ローラ6の導電性軸体の両端にそれぞれ4.9Nの荷重をかけて直径50mmの金属ドラム29に当接されており、金属ドラム29を不図示の駆動手段により表面速度50mm/secで駆動することにより現像ローラ6は従動回転される。高圧電源HVから現像ローラ6の導電性軸体に+50Vの電圧を印加する。金属ドラム29とグランドとの間に配設した既知の電気抵抗(現像ローラ6の電気抵抗に対して2桁以上電気抵抗が低いもの)を有する抵抗器Rの両端の電位差をデジタルマルチメーターDMMを用いて計測する。DMMには、「189TRUE RMS MULTIMETER」(商品名、FLUKE社製)を用いる。計測した電位差と抵抗器の電気抵抗から、現像ローラ6を介して金属ドラム29に流れた電流を算出する。電流と印加電圧から現像ローラ6の電気抵抗値を求める。ここで、デジタルマルチメーターDMMでの測定は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値を現像ローラ6の抵抗値とする。
トナー粒子の重量平均粒径は、「コールターカウンターTA−II型」あるいは「コールターマルチサイザー」(商品名、コールター社製)などにより測定することができる。具体的には下記のようにして測定することができる。「コールターマルチサイザー」(商品名、コールター社製)を用いて、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及び「PC9801パーソナルコンピューター」(商品名、NEC製)を接続する。電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製したものを用いることができ、例えば、「ISOTON R−II」(商品名、コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用することができる。具体的測定手順は以下の通りである。前記電解水溶液を100〜150ml加え、さらに測定試料(トナー粒子)を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い前記「コールターマルチサイザー」により100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積を測定して体積分布を算出する。これより重量平均粒径を求める。
フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(商品名:シスメックス社製)を用いて、1000個以上のトナー粒子を測定し、測定された粒子の各々の円形度aを下記式により求め、その相加平均を相加平均円形度とする。
(式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を示す)。
[弾性層2の形成]
導電性軸体1としてSUS製の直径8mm芯金にニッケルメッキを施し、さらにプライマー(商品名:「DY35−051」、東レダウコーニングシリコーン社製)を塗布、焼付けしたものを用いた。次いで、導電性軸体1を内径16mmの円筒状金型に同心となるように配置した。液状シリコーンゴム材料(商品名:「SE6724A/B」、東レ・ダウコーニングシリコーン社製)100質量部に対し、以下の材料を混合し付加型シリコーンゴム組成物を調製した。カーボンブラック(商品名:「トーカブラック#7360SB」、東海カーボン社製)を35質量部、耐熱性付与剤としてシリカ粉体を0.2質量部、及び白金触媒を0.1質量部。該付加型シリコーンゴム組成物を、前記金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を加熱してシリコーンゴム組成物を温度150℃、15分間加硫硬化し、脱型した後、さらに温度200℃、2時間加熱し硬化反応を完結させ、厚み4mmの弾性層2を導電性軸体1の外周に設けた。
ポリテトラメチレングリコール(商品名:「PTG1000SN」、保土谷化学社製)100質量部に、イソシアネート化合物(商品名:「ミリオネートMT」、日本ポリウレタン工業社製)20質量部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で段階的に混合した。窒素雰囲気下温度80℃にて7時間反応させて、水酸基価が20のポリエーテルポリオールを作製した。
窒素雰囲気下、数平均分子量500のポリプロピレングリコール100質量部に対し、粗製MDI57質量部を温度90℃で2時間加熱反応した。その後、ブチルセロソルブを固形分70%になるように加え、単位固形分質量当たりに含有されるNCO基の質量比率が5.0質量%のイソシアネート化合物を得た。その後、反応物温度50℃の条件下、MEKオキシム22質量部を滴下し、ブロックポリイソシアネートAを得た。
「多孔質樹脂粒子1の作製」
(油層材料)
アクリル酸n−ブチル 30質量部
ジエチレングリコールジメタクリレート 20質量部
n−ヘキサン 50質量部
過酸化ベンゾイル 0.3質量部
(水層材料)
イオン交換水 350質量部
リン酸カルシウム 6質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.03質量部
上記油層材料及び水層材料を混合し、この混合溶液を高速撹拌機(商品名:「T.K.ホモミクサー」、特殊機化工業(株)製)を用いて、撹拌回転数4000rpmで10分間、撹拌・造粒を行った。その後、パドル撹拌翼にて撹拌しつつ、温度を65℃に昇温させ、7時間懸濁重合させた。重合終了後、懸濁液を温度23℃まで冷却し、塩酸を加えて分散剤のリン酸カルシウムを溶解し、ろ過、水洗、乾燥して多孔質樹脂粒子1を作製した。
多孔質樹脂粒子1の作製において、材料、高速撹拌機の撹拌回転数を表1の条件にした以外は同様の方法で多孔質樹脂粒子2〜8を作製した。
ポリアミド6(分子量1300、宇部興産(株)製)をm−クレゾール溶液に溶解させ、濃度1.0質量%のポリアミド溶液を作製した。次に、メタノール75質量部と水12.5質量部の混合溶液に、前記ポリアミド溶液12.5質量部を加え、マグネティックスターラーで撹拌しながら添加した。その後2分間、温度23℃で撹拌した。撹拌後、温度23℃で24時間静置して、ポリアミド粒子を析出させた。この粒子を、ろ過、洗浄することにより多孔質樹脂粒子9を作製した。
多孔性樹脂粒子1の作製において、材料、高速撹拌機の撹拌回転数を表1の条件にした以外は同様の方法で多孔質樹脂粒子10、12〜15を作成した。
多孔質樹脂粒子1の作製において、材料、高速撹拌機の撹拌回転数を表1の条件にした以外は同様の方法で多孔質樹脂粒子11を作製した。
非反応性フッ素化合物Aとして「デムナムS−200」(商品名、ダイキン工業社製)を用いた。非反応性フッ素化合物Bとして「デムナムS−100」(商品名、ダイキン工業社製)を用いた。また、非反応性フッ素化合物Cとして「デムナムS−20」(商品名、ダイキン工業社製)を用いた。非反応性フッ素化合物A〜Cの重量平均分子量Mwを表2に示す。
「非反応性シリコーン化合物Aの合成」
ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(Aldrich社製 Mn=1000)10gとJones試薬をアセトン中、温度20℃で24時間反応させ、ポリエーテル部原料を得た。Jones試薬は、酸化クロム(VI)0.007molの水1ml溶液に
、氷冷しつつ濃硫酸0.011molを加え、次いで水2mlを加えて調製した。この原料5.0gと二塩化オキサリル(Aldrich社製)0.095molとをベンゼン中、温度40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。得られた酸塩化物2.5gと、ポリシロキサン化合物(商品名:「KF6002」、信越化学社製)5.0gをジエチルエーテル中で少量のピリジンの存在下、室温で24時間反応させ、重量平均分子量7900の非反応性シリコーン化合物Aを得た。
ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(Aldrich社製 Mn=2500)10gとJones試薬をアセトン中、温度20℃で24時間反応させ、ポリエーテル部原料を得た。Jones試薬は、酸化クロム(VI)0.003molの水1ml溶液に
、氷冷しつつ濃硫酸0.005molを加え、ついで水2mlを加えて調製した。この原料5.0gと二塩化オキサリル(Aldrich社製)0.05molとをベンゼン中、温度40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。得られた酸塩化物2.5gと、ポリシロキサン化合物(商品名:「KF6002」、信越化学社製)3.0gをジエチルエーテル中で少量のピリジンの存在下、室温で24時間反応させ、重量平均分子11000の非反応性シリコーン化合物Bを得た。
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich社製 Mn=550)10gとJones試薬をアセトン中、温度20℃で24時間反応させ、ポリエーテル部原料を得た。Jones試薬は、酸化クロム(VI)0.014molの水2ml溶液に、氷
冷しつつ濃硫酸0.022molを加え、ついで水4mlを加えて調製した。この原料5.0gと二塩化オキサリル(Aldrich社製)0.014molとをベンゼン中、温度40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。得られた酸塩化物2.5gと、ポリシロキサン化合物(商品名、「X22−170DX」、信越化学社製)27.5gをジエチルエーテル中で少量のピリジンの存在下、室温で24時間反応させ、重量平均分子量5800の非反応性シリコーン化合物Cを得た。
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich社製 Mn=550)10gとJones試薬をアセトン中、温度20℃で24時間反応させ、ポリエーテル部原料を得た。Jones試薬は、酸化クロム(VI)0.014molの水2ml溶液に、氷
冷しつつ濃硫酸0.022molを加え、ついで水4mlを加えて調製した。この原料5.0gと二塩化オキサリル(Aldrich社製)0.014molとをベンゼン中、温度40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。得られた酸塩化物2.5gと、ポリシロキサン化合物(商品名、「X22−170BX」、信越化学社製)16gをジエチルエーテル中で少量のピリジンの存在下、室温で24時間反応させ、重量平均分子量3700の非反応性シリコーン化合物Dを得た。
ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(Aldrich社製 Mn=4000)10gとJones試薬をアセトン中、温度20℃で24時間反応させ、ポリエーテル部原料を得た。Jones試薬は、酸化クロム(VI)0.002molの水1ml溶液に
、氷冷しつつ濃硫酸0.003molを加え、ついで水2mlを加えて調製した。この原料5.0gと二塩化オキサリル(Aldrich社製)0.025molとをベンゼン中、温度40℃で5時間反応させ、酸塩化物を得た。得られた酸塩化物2.5gと、ポリシロキサン化合物(商品名:「KF6003」、信越化学社製)2.5gをジエチルエーテル中で少量のピリジンの存在下、室温で24時間反応させ、重量平均分子量15400の非反応性シリコーン化合物Eを得た。非反応性シリコーン化合物A〜Eの重量平均分子量Mwを表2に示す。
真空チャンバー内に多孔質樹脂粒子1を200g投入した後、真空チャンバー内を200mmHgに減圧し、1分間保持した。その後、非反応性フッ素化合物を400g注入し、真空チャンバー内を500mmHgにした状態で60分間撹拌した。真空チャンバー内の圧力を大気圧に戻した後、多孔質樹脂粒子内に含浸されていない非反応性フッ素化合物を取り除いた。その後、非反応性フッ素化合物を含浸した多孔質樹脂粒子1を280g取り出した。なお、非反応性シリコーン化合物を用いる場合にも、同様の方法で含浸した。多孔質樹脂粒子100質量部に対する非反応性フッ素化合物/シリコーン化合物の含有量を表3に示す。
前記ポリエーテルポリオールに前記ブロックポリイソシアネートAをNCO/OH基比が1.4になるように混合し、混合液の固形分100質量部に対し、カーボンブラック(商品名:「MA100」、三菱化学社製、pH=3.5)30質量部を添加した。次に固形分が35質量%になるようにMEKを加えて混合し、1.5mmの粒径のガラスビーズとサンドミルを用いて4時間分散して分散液1を調製した。その後、分散液中の固形分と同量のMEK中に多孔質樹脂粒子1を40質量部添加し、超音波分散することにより多孔質樹脂粒子分散液を得た。得られた多孔質樹脂粒子分散液を分散液1に追加して、サンドミルを用いてさらに30分間分散して表面層3用塗料を得た。
上記のようにして得られた表面層3用塗料を、図6に示すオーバーフロー方式の浸漬塗工装置を用いて前記弾性層2上にそれぞれ浸漬塗工した後乾燥させ、温度150℃にて2時間加熱処理することで弾性層2表面に厚さ17μmの表面層3を設けた。これにより、実施例1の現像ローラを得た。
上記のようにして得られた現像ローラから前述の方法により比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aを測定した。測定結果を表3に示す。
上記のようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚T・MD−1硬度Mを前述の方法により測定した。測定結果を表3に示す。
上記のようにして得られた現像ローラの電気抵抗を前述の方法により測定した。測定結果を表3に示す。
キヤノン製プリンター「LBP5500」(商品名)改造カートリッジに、非磁性一成分のマゼンタトナーを充填した。該改造カードリッジは、感光ドラムを有し、現像ローラは感光ドラムを押圧しており、現像剤規制部材として厚み80μmのSUS304製のブレードを用い、現像剤規制部材にブレードバイアスを印加できるようにしたものである。また、該マゼンタトナーは、特開2006−106198号公報の実施例1に記載された重合方法により製造した重量平均粒径6.5μm、形状係数SF−1が114、SF−2が108である非磁性一成分のマゼンタトナーである。さらに、本実施例で得られた現像ローラを組み込んで画像出力試験用プロセスカートリッジを3本作製した。
A:カブリ量が1.5未満
B:カブリ量が1.5以上、2.5未満
C:カブリ量が2.5以上。
A:画像濃度の値が1.1以上
B:画像濃度の値が1.0以上、1.1未満
C:画像濃度の値が1.0未満。
多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度A、表面層の膜厚T・MD−1硬度M、非反応性化合物、多孔質樹脂粒子の材料、多孔質樹脂粒子の含有量を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。実施例2〜21においては、カブリ、画像濃度ともに良好であった。結果を表4に示す。
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子10を用いることにより、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、カブリは良好だったが、多孔質樹脂粒子の比表面積が大きいために、実施例と比較して画像濃度が十分でなかった。結果を表4に示す。
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子11を用いることにより、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、多孔質樹脂粒子内に非反応性化合物がほとんど存在していないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子12、13を用いることにより、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、多孔質樹脂粒子の相加平均粒径Xが本発明に係る条件を満たしていないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
表面層の膜厚Tを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、表面層の膜厚Tが本発明に係る条件を満たしていないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子2を用い、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aと表面層の膜厚Tを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、表面層の膜厚Tが薄く、本発明に係る条件を満たしていないため、通紙7000枚で表面層が削れ、カブリ量を評価できなかった。結果を表4に示す。
多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aと相加平均粒径X/表面層の膜厚Tを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、X/Tが本発明に係る条件を満たしていないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
表面層3に含まれるカーボンブラックの含有量を50質量部に変更した以外は表3に示すように実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、MD−1硬度Mが本発明に係る条件を満たしていないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
表面層3に含まれるカーボンブラックの含有量を15質量部に変更した以外は表3に示すように実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、カブリは良好であった。しかし、MD−1硬度Mが小さく本発明に係る条件を満たしていないために、現像剤の初期固着が見られた。この初期固着は通紙3枚目で消滅した。結果を表4に示す。
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子14を用い、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aと相加平均粒径X/表面層の膜厚Tを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、多孔質樹脂粒子の圧縮強度Aが本発明に係る条件を満たしていないことから、実施例と比較してカブリが大きかった。結果を表4に示す。
多孔質樹脂粒子として多孔質樹脂粒子15を用い、多孔質樹脂粒子の比表面積・相加平均粒径X・圧縮強度Aと相加平均粒径X/表面層の膜厚Tを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして現像ローラを作製した。また、実施例1と同様に各種測定、評価を行った。本比較例においては、カブリは良好だったが、多孔質樹脂粒子の圧縮強度Aが小さく、本発明に係る条件を満たしていないために、実施例と比較して画像濃度が十分でなかった。結果を表4に示す。
2 弾性層
3 表面層
4 電子写真プロセスカートリッジ
5 感光ドラム
6 現像ローラ
7 現像剤塗布部材
8 現像剤
9 現像剤規制部材
10 現像装置
11 レーザー光
12 帯電部材
13 廃現像剤容器
14 クリーニングブレード
15 定着装置
16 駆動ローラ
17 転写ローラ
18 バイアス電源
19 テンションローラ
20 転写搬送ベルト
21 従動ローラ
22 紙
23 給紙ローラ
24 吸着ローラ
25 浸漬槽
26 液送ポンプ
27 撹拌タンク
28 昇降装置
29 金属ドラム
30 多孔質樹脂粒子
31 滞留する現像剤
R 抵抗器
HV 高圧電源
DMM デジタルマルチメーター
Claims (8)
- 導電性軸体と、該導電性軸体の外周に弾性層と、該弾性層の外周に表面層とを有している現像ローラにおいて、
該表面層は、ポリウレタン樹脂と比表面積が2〜100m2/gの多孔質樹脂粒子とを含有しており、
該多孔質樹脂粒子は、温度23℃で液状であり非反応性のフッ素化合物及び温度23℃で液状であり非反応性のシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、かつ、
該多孔質樹脂粒子の相加平均粒径X(μm)、該表面層の膜厚T(μm)、該表面層のMD−1硬度M(度)、及び該多孔質樹脂粒子の圧縮強度A(MPa)が以下の関係(a)乃至(e)
(a)0.5≦X/T≦3.0
(b)5μm≦X≦50μm
(c)2μm≦T≦25μm
(d)30度≦M≦43度
(e)1.0MPa≦A≦5.0MPa
を満たしていることを特徴とする現像ローラ。 - 前記ポリウレタン樹脂100質量部に対する前記多孔質樹脂粒子の含有量が10質量部から80質量部である請求項1に記載の現像ローラ。
- 前記多孔質樹脂粒子が、前記フッ素化合物を含み、
該フッ素化合物の重量平均分子量(Mw)が5600≦Mw≦11000の範囲にあり、かつ、該フッ素化合物が、パーフルオロオキシプロピレンユニットを含むパーフルオロポリエーテルである請求項1又は2に記載の現像ローラ。 - 前記多孔質樹脂粒子が、前記シリコーン化合物を含み、
該シリコーン化合物の重量平均分子量(Mw)が5600≦Mw≦11000の範囲にあり、かつ、該シリコーン化合物が、ポリオキシエチレン変性シリコーン化合物である請求項1又は2に記載の現像ローラ。 - 前記多孔質樹脂粒子がアクリル樹脂で形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の現像ローラ。
- 前記多孔質樹脂粒子が、前記フッ素化合物及びシリコーン化合物の少なくとも一方と前記多孔質樹脂粒子とを減圧下で撹拌して、該多孔質樹脂粒子の内部に該フッ素化合物及び該シリコーン化合物の少なくとも一方を含浸させて得たものである請求項1乃至5のいずれかに記載の現像ローラ。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の現像ローラと、該現像ローラに当接した現像剤規制部材とを備えていることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の現像ローラと、該現像ローラに当接した現像剤規制部材とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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