JP5582342B2 - 車両用オイル供給装置 - Google Patents

車両用オイル供給装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5582342B2
JP5582342B2 JP2010164849A JP2010164849A JP5582342B2 JP 5582342 B2 JP5582342 B2 JP 5582342B2 JP 2010164849 A JP2010164849 A JP 2010164849A JP 2010164849 A JP2010164849 A JP 2010164849A JP 5582342 B2 JP5582342 B2 JP 5582342B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
supply
oil passage
spool
passage portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010164849A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011174458A (ja
Inventor
永治 宮地
壽 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2010164849A priority Critical patent/JP5582342B2/ja
Priority to EP10172454.0A priority patent/EP2305971B1/en
Priority to US12/870,422 priority patent/US8627656B2/en
Priority to CN201010276118.9A priority patent/CN102032018B/zh
Publication of JP2011174458A publication Critical patent/JP2011174458A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5582342B2 publication Critical patent/JP5582342B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01MLUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
    • F01M1/00Pressure lubrication
    • F01M1/16Controlling lubricant pressure or quantity

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Fluid-Driven Valves (AREA)

Description

本発明は、エンジンの回転または電力により駆動されるオイルポンプによってオイルを車両各部に供給する車両用オイル供給装置に関する。
オイルポンプによってオイルを車両各部に供給する車両用オイル供給装置として、従来、機械式オイルポンプの吐出口と電動式オイルポンプの吸入口をつないで直列に接続し、機械式オイルポンプの吐出口の圧力が第1の設定圧以上になると開く第1のリリーフ弁を設け、電動式オイルポンプの吐出口とオイルジェット装置との間に、第2の設定圧以上になると開く第2のリリーフ弁を設け、機械式オイルポンプの吐出口をエンジン各部に潤滑油を供給する潤滑経路に接続し、電動式オイルポンプの吐出口を可変バルブタイミング装置に接続すると共に、第2の設定圧を第1の設定圧以上の値とする構成の車両用オイル供給装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−116430号公報
特許文献1に記載の車両用オイル供給装置では、機械式オイルポンプの補助として電動式オイルポンプが直列配置されているため機械式オイルポンプによる油圧不足を電動式オイルポンプで補うことができる。しかしながら、電動式オイルポンプを機械式オイルポンプの補助として搭載することによって、車両用オイル供給装置全体が大型な構造となり、コスト上昇だけでなく重量の増加や取り付けスペースの圧迫といった問題が生じる。
本発明は、上記の問題を解決するものであり、電動オイルポンプの補助なしに油圧アクチュエータおよびエンジン潤滑装置へ適切に油圧を作用し、小型な車両用オイル供給装置を提供することである。
上記の技術的課題を解決するために本発明に講じられた第1特構成は、エンジンの回転により駆動されるオイルポンプと、前記オイルポンプからオイル供給される油圧アクチュエータと、前記オイルポンプからオイル供給されるエンジン潤滑装置と、前記油圧アクチュエータおよび前記エンジン潤滑装置のオイル供給状態を可変するオイル供給調整バルブと、前記オイルポンプから前記油圧アクチュエータへオイル供給する第一供給油路と、前記オイルポンプから前記エンジン潤滑装置へオイル供給する第二供給油路と、を備え、前記オイル供給調整バルブは、前記第一供給油路および前記第二供給油路へ常時オイルを流通させ、前記オイル供給調整バルブは、前記第一供給油路に接続される第一供給油路部と前記第二供給油路に接続される第二供給油路部とを有する油流制御部と、前記油流制御部内をスライドし、前記油圧アクチュエータおよび前記エンジン潤滑装置のオイル供給状態を可変する優先弁と、前記優先弁を前記油流制御部方向へスライドさせる圧力部と、を備え、前記油流制御部は、前記第二供給油路へ常時オイルが流通し、前記第二供給油路部より前記第二供給油路へ流通するオイル流量が少ない第三供給油路部と、前記第二供給油路部を前記第一供給油路部より前記優先弁側に位置し、かつ、前記第三供給油路部と連通し前記第二供給油路部から前記第三供給油路部への流路断面積が小さくなるように形成された連通部と、を備えた、ことである。
本特徴構成によれば、オイルポンプから油圧アクチュエータおよびエンジン潤滑装置へそれぞれオイル供給調整バルブによりオイル供給される第一供給油路および第二供給油路は、常時オイルが流通する。このことから、オイル供給調整バルブ内において異物溜り等による固着が発生しても、オイル供給調整バルブの機能停止時によるエンジン潤滑装置の破損を防止できる。
また、本特徴構成によれば、補助として作用するオイルポンプを要せずに1つのオイルポンプで油圧アクチュエータおよびエンジン潤滑装置へ油圧を作用でき、かつ、オイル供給状態を可変することができるため、部品点数を減らし、構造の小型化、低コスト化および加工工数の低減が図れる。なお、優先弁をスライドさせることにより、第一供給油路部および第二供給油路部の少なくともいずれか一方を絞ることができる。この絞りにより、オイルが供給される油圧アクチュエータおよびエンジン潤滑装置の油圧を調整できる。従って、本構成の車両用オイル供給装置は、優先弁を移動させる動力を確保すれば実施できるため、従来用いられていた電動式オイルポンプ等の大型な装置・動力を必要としない。さらに、優先弁が油圧アクチュエータへオイル供給を優先する際、第二供給油路部を閉弁する場合においても、エンジン潤滑装置は、第二供給油路へ常時オイルが流通する第三供給油路部により、常時一定圧を確保することができる。例えば、エンジン潤滑装置へ最小圧を確保させる必要がある場合、第三供給油路部は、最小圧を確保するためのオイル流量とすることにより、オイル流通をエンジン潤滑装置へ優先させることなく、常時必要最小圧を確保することができる。そして、油流制御部は、第二供給油路部を第一供給油路部より優先弁側に位置する。このことから、オイル供給調整バルブは、優先弁が圧力部にオイルが流通することにより油流制御部方向へスライドし、油圧アクチュエータへオイル供給を容易に優先させることができる。また、第二供給油路部は、第三供給油路部と連通し、第二供給油路部から第三供給油路部への流路断面積が小さくなるように形成された連通部を備える。このことから、エンジン潤滑装置は、オイル供給状態を最小圧から最大圧へ可変する際、第二供給油路部から第三供給油路部への流路断面積が小さくなる連通部により、急激な圧力の変化を低減し損傷を抑制できる。
本発明に講じられた第2特構成は、前記優先弁は、孔を有するスプールと、前記スプールを前記油流制御部へ付勢する付勢手段と、前記付勢手段を前記スプールと挟着するリテーナと、を備え、前記スプールと前記リテーナとの間に前記孔を介してオイルが流通する、ことである。
本特徴構成によれば、スプールが受ける受圧面積は、スプールの油流制御部側の受圧面と付勢手段が付設されている側の受圧面との差となり、孔を有さない場合のスプールと比べて小さくなる。従って、付勢手段の付勢力が小さくても油圧アクチュエータおよびエンジン潤滑装置へのオイル供給状態を可変でき、優先弁の長さを油圧アクチュエータおよびエンジン、潤滑装置へ作用させる油圧に応じて可変でき、常時適切な油圧および油量でオイル供給できる。以上のことから、スプールを油流制御部へ付勢する付勢手段を小型化でき、オイル供給調整バルブおよび車両用オイル供給装置の小型化が図れる。
本発明に講じられた第3特構成は、前記スプールの前記油流制御部側の受圧面と前記付勢手段が付設されている側の受圧面との差は、前記リテーナの前記圧力部側の受圧面と前記付勢手段が付設されている側の受圧面との差より小さい、ことである。
本特徴構成によれば、スプールの油流制御部側の受圧面と付勢手段が付設されている側の受圧面との差は、リテーナの圧力部側の受圧面と付勢手段が付設されている側の受圧面との差より小さいため、スプールとリテーナとの受圧面積の差により、圧力がスプールおよびリテーナへ作用する際、スプールとリテーナとが一体となってスライドさせることができる。
本発明に講じられた第4特構成は、前記優先弁は前記エンジンの停止中において、前記オイルポンプから前記エンジン潤滑装置へのオイル供給を制限せずに供給できる位置に有する、ことである。
本特徴構成によれば、エンジン停止中では、優先弁はエンジン潤滑装置へのオイル供給を制限せずに供給できる場所に位置している。そのため、オイルが低温化して粘度が上昇した場合であっても、油圧アクチュエータに対して過度な油圧を作用させることを回避できる。また、本特徴構成では、オイル中に異物が混在し、この異物が優先弁に噛み込んで作動できなくなった場合にも有効である。
本発明に講じられた第5特構成は、前記優先弁は前記エンジンの停止中において、重力により前記オイルポンプから前記エンジン潤滑装置へのオイル供給を制限せずに供給できる位置に移動する、ことである。
本特徴構成によれば、優先弁が重力により移動可能であるため、優先弁を制御する部材を必要とせず、簡素な構成で発明を実施できる。また、優先弁を制御する部材を用いないため、優先弁を制御する部材が故障等により制御が行えなくなるおそれを考慮する必要がない。
本発明に講じられた第6特構成は、前記第三供給油路部は、前記第一供給油路部よりも前記第二供給油路部とは反対側に備えられる、ことである。
本特徴構成によれば、第三供給油路部は第二供給油路部とは独立した単独の油路として形成できるため、精度良く第三供給油路部の開口面積を設定できる。よって、第三供給油路部を流通するオイル流量を精度良く設定できる。
本発明に講じられた第7特構成は、前記第三供給油路部は、前記第二供給油路部とは離間して形成される、ことである。
本特徴構成によれば、特に第三供給油路部の開口状態から第三供給油路部および第二供給油路部の開口状態へと移行する際、第三供給油路部から吐出される油圧の急激な変動を抑制でき、エンジン潤滑装置へ所望のオイル流量を供給できる。
本発明に講じられた第8特構成は、前記第三供給油路部は、前記優先弁に備えられる、ことである。
本特徴構成によれば、優先弁が組み込まれるハウジングに第三供給油路部に形成する必要がない。例えば、優先弁が組み込まれるハウジングがエンジンのシリンダブロックやタイミングチェーンカバー等と一体である場合、優先弁と比較して大型な部材に対し、第三供給油路部を形成する必要がある。このような場合、大型な部材に対して精度が求められる第三供給油路部を形成する必要があり、加工が困難な場合がある。しかしながら、本特徴構成のように小型な優先弁に第三供給油路部を形成すれば、簡素な穴形成加工で形成でき、また加工後の精度確認も容易である。
本発明に講じられた第9特構成は、前記第三供給油路部は、前記第二供給油路部の開口方向へ押圧する前記優先弁の受圧面よりも前記第一供給油路部側に形成される、ことである。
本特徴構成によれば、特に第三供給油路部の開口状態から第三供給油路部および第二供給油路部の開口状態へと移行する際、第三供給油路部から吐出される油圧の急激な変動を抑制でき、エンジン潤滑装置へ所望のオイル流量を供給できる。
本発明に講じられた第10特構成は、前記オイル供給調整バルブは、前記第二供給油路に設けられる、ことである。
本特徴構成によれば、オイル供給調整バルブは、第二供給油路に設けられるため、1つのオイル供給調整バルブを設けるだけの簡素な構成で、油圧アクチュエータおよびエンジン潤滑装置の油圧を調整できる。
第1実施例に係る車両用オイル供給装置の油路回路図である。 第1実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブの正面図である。 第1実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブに接続されたオイルスイッチングバルブの非作動時の裏面断面図である。 第1実施例に係る車両用オイル供給装置のスプールの単品図である。 第1実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブに接続されたオイルスイッチングバルブの作動時かつスプールに作用する油圧が低油圧時の裏面断面図である。 第1実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブに接続されたオイルスイッチングバルブの作動時かつスプールに作用する油圧が高油圧時の裏面断面図である。 第2実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブに接続されたオイルスイッチングバルブの非作動時の裏面断面図である。 第2実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブに接続されたオイルスイッチングバルブの作動時の裏面断面図である。 第3実施例に係る車両用オイル供給装置の油路回路図である。 第4実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブに接続されたオイルスイッチングバルブの非作動時の裏面断面図である。 第4実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブに接続されたオイルスイッチングバルブの作動時の裏面断面図である。 第5実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブの裏面断面図である。 第5実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブの裏面断面図である。 第5実施例に係る車両用オイル供給装置のオイル供給調整バルブの裏面断面図である。
以下、本発明の第1実施例を図1〜図6に基づいて説明する。
図1は、第1実施例の車両用オイル供給装置1の油路回路図である。車両用オイル供給装置1は、エンジンにより駆動されるオイルポンプ4と、オイルポンプ4からオイル供給される油圧アクチュエータ5と、オイルポンプ4からオイル供給されるエンジン潤滑装置6と、油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6のオイル供給状態を可変するオイル供給調整バルブ2と、を備える。
オイル供給調整バルブ2は、オイルポンプ4から油圧アクチュエータ5へオイル供給する第一供給油路44とエンジン潤滑装置6へオイル供給する第二供給油路45とが接続されている油流制御部21と、油流制御部21内をスライドし、油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6のオイル供給状態を可変させる優先弁3と、優先弁3を油流制御部21内にスライドさせ、オイルスイッチングバルブ7からオイル供給する第二吐出油路43が接続されている第一圧力室22(圧力部)と、を備える。
優先弁3は、油流制御部21から油圧を受けるスプール31と、スプール31を油流制御部21方向へ付勢するスプリング33と、スプリング33をスプール31と挟着し第一圧力室22から油圧を受けるリテーナ32と、を備える。また、スプール31は、油流制御部21からオイルが流通する孔31aを備え、スプール31とリテーナ32との間に第二圧力室34が形成される。
また、スプール31とリテーナ32との間、かつリテーナ32の外周面側にはドレン孔46が形成されている。ドレン孔46は、オイルパン40に接続される。ドレン孔46は、リテーナ32に対してスプール31が移動する際の呼吸孔としての機能を奏する。
オイルポンプ4は、オイルパン40からオイルを汲み上げる吸入油路41が接続され、汲み上げたオイルを第一吐出油路42へ吐出し、吐出油路42を介してオイル供給調整バルブ2へオイル供給する。また、第一吐出油路42は、分岐してオイル供給するオイルスイッチングバルブ7へ接続される。
オイルスイッチングバルブ7は、油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6の油圧状態により稼動するECU8の信号が出力される。ECU8は、オイルスイッチングバルブ7から第二吐出油路43を介してオイル供給調整バルブ2の第一圧力室22へオイル供給するか判断する。
図2は、第1実施例における車両用オイル供給装置1のオイル供給調整バルブ2の正面図である。オイル供給調整バルブ2は、オイルポンプ4と連通する第一吐出油路42が接続される第一吐出油路部24と、油圧アクチュエータ5と連通する第一供給油路44が接続される第一供給油路部25と、エンジン潤滑装置6と連通する第二供給油路45が接続される第二供給油路部26と、を有する油流制御部21を備える。油流制御部21は、常時第二供給油路45へオイルを流通させるために、第二供給油路45が接続される第三供給油路部27を備える。また、油流制御部21は、第二供給油路部26から第三供給油路部27への流路断面積が小さくなる連通部28を備える。第三供給油路部27は、第二供給油路部26より第二供給油路45へ流通するオイル流量が少ない。第三供給油路部27から第二供給油路45へ流通するオイル流量は、エンジン潤滑装置6に必要最小圧を確保できる流量である。
また、第二供給油路部26は、第一吐出油路32から供給されるオイルを油圧アクチュエータ5へ優先して流通させるべく、第一供給油路部25より優先弁3側に配設される。
また、優先弁3は、プラグ23をオイル供給調整バルブ2に螺合することにより、オイル供給調整バルブ2内に収納される。また、油流制御部21からの受圧面を有するスプール31は、第一圧力室22からの受圧面を有するリテーナ32と比べ受圧面積が小さい構成である。
また、第一圧力室22は、オイルスイッチング7と連通する第二吐出油路43が接続される第二吐出油路部29を備える。
図3は、第1実施例の車両用オイル供給装置1のオイル供給調整バルブ2に接続されたオイルスイッチングバルブ7の非作動時の裏面断面図である。また、図5および図6は、オイルスイッチングバルブ7の作動時の裏面断面図である。オイルスイッチングバルブ7の作動時、第二吐出油路43から第二吐出油路部29を介して第一圧力室22にオイルが流通し、オイル供給調整バルブ2内の優先弁3(スプール31およびリテーナ32)は、油流制御部21へスライドする。優先弁3が油流制御部21へスライドする際、オイル供給調整バルブ2内および優先弁3は、第三供給油路部27を介して常時第二供給油路45およびエンジン潤滑装置6へオイルが流通する構成である。
また、優先弁3は、スプール31とリテーナ32とを組み付ける際、スプール31およびリテーナ32の間にC型リング35を取り付ける。C型リングを取り付ける際、スプール31およびリテーナ32からC型リング35がオイル供給調整バルブ2内で外れることを防止するために、スプール31およびリテーナ32に突部31b、32aが設けられ、突部31b、32a間にC型リング35が配設される。
図4は、第1実施例における車両用オイル供給装置1のスプール31の単品図である。(a)は、油流制御部21側から見たスプール31の上面図である。(b)は、スプール31の正面図である。(c)は、第二圧力室34側から見たスプール31の下面図である。
スプール31に作用する受圧面積は、油流制御部21側の受圧面積SAと第二圧力室34側の受圧面積SBとの差(SA−SB)となり、これはスプール31の側壁31cをスプール31の軸方向に見た場合の肉厚分の断面積である。ここで、油流制御部21側の受圧面積SAは、輪郭31dにより画定される円周の面積から孔31aの円周の面積を引いた面積である。第二圧力室34側の受圧面積SBは、輪郭31eにより画定される円周の面積から孔31aの円周の面積を引いた面積である。また、図4に示していないリテーナ32の受圧面積は、スプール31と油圧を受ける作用が同様であり、第二圧力室34から作用する圧力と第一圧力室22から作用する圧力が相殺され、リテーナ32の肉厚分の受圧面積となる。
本実施例では、優先弁3の長さを適時良好となるよう、スプール31の受圧面積よりリテーナ32の受圧面積が大きくなるよう構成されている。
以下、第1実施例の動作を図3、図5、図6を用いて説明する。
車両用オイル供給装置1は、オイルポンプ4により吸入油路41を介してオイルパン40からオイルを汲み上げ、オイルポンプ4から第一吐出油路42にオイルを吐出し、第一吐出油路42に接続された第一吐出油路部24からオイル供給調整バルブ2内の油流制御部21にオイル供給する。オイル供給調整バルブ2に供給されたオイルは、油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6へそれぞれ第一供給油路44、第二供給油路45に接続された第一供給油路部25、第二供給油路部26を介して供給される。この時、リテーナ32には、第一圧力室22からの油圧が作用していないため、スプール31およびリテーナ32は、プラグ23側に位置している。従って、スプール31は第二供給油路部26の開口面積を小さくせず、第一吐出油路42から供給されるオイルを制限せずに第二供給油路45に排出している。換言すれば、図3においてスプール31は、絞りとしての機能を奏していない。
一方、検知された油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6の油圧状態に応じてECU8により油圧状態を可変する必要があると判断された場合、ECU8は、オイルスイッチングバルブ7を作動させる。作動したオイルスイッチングバルブ7は、第一吐出油路42から分岐し供給されるオイルを第二吐出油路43に接続された第二吐出油路29を介して、オイル供給調整バルブ2内の第一圧力室22へ供給させる。
図5は、第一圧力室22にオイルが供給され、リテーナ32を第一供給油路44側に押圧して、スプール31およびリテーナ32が第一供給油路44側に移動した時の断面図である。この時、スプール31は第二供給油路部26の開口面積を小さくして、第一吐出油路42から供給されるオイルを第二供給油路部45に制限しつつ排出している。換言すれば、図5においてスプール31は、絞りとしての機能を奏している。
一方、第一吐出油路42から供給されるオイルはスプール31およびリテーナ32の動作とは関係なく第一供給油路44へ吐出している。つまり、図5においては、スプール31が第二供給油路45へのオイル排出を制限する分、第一供給油路44に多くのオイルを排出している。換言すれば、第一吐出油路42から供給されるオイルは第二供給油路45よりも優先して第一供給油路44に排出している。
図5の状態でオイルポンプ4の回転数が上昇し、第一供給油路44に供給されるオイルの油圧が上昇すると、スプール31に作用する油圧が上昇するため、スプール31がスプリング33の付勢力に抗してプラグ23側に移動し、図6の状態に移行する。図6では、第二供給油路部26の開口面積を小さくしていたスプール31が、リテーナ32に対してプラグ23側に移動するため、第二供給油路部26の開口面積が大きくなり、第二供給油路45へのオイル排出の制限を解除する。換言すれば、図5から図6の状態に移行する際は、徐々にエンジン潤滑装置6へのオイル供給量を増加させる。
以下、第1実施例の効果について説明する。
上記の動作において、車両用オイル供給装置1は、エンジンの回転により駆動されるオイルポンプ4と、オイルポンプ4からオイル供給される油圧アクチュエータ5と、オイルポンプ4からオイル供給されるエンジン潤滑装置6と、油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6のオイル供給状態を可変するオイル供給調整バルブ2と、を備える。このことから、車両用オイル供給装置1は、補助として作用するオイルポンプを要せずに1つのオイルポンプ4で油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6へ油圧を作用でき、かつ、オイル供給状態を可変することができるため、部品点数を減らし、構造の小型化、低コスト化および加工工数の低減が図れる。
また、オイルポンプ4から油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6へそれぞれオイル供給調整バルブ2によりオイル供給される第一供給油路44および第二供給油路45は、常時オイルが流通する。このことから、オイル供給調整バルブ2内において異物溜り等による固着の発生を抑制でき、オイル供給調整バルブ2の機能停止時による油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6の破損を抑制できる。
また、油流制御部21は、第二供給油路45へ常時オイルが流通し、第二供給油路部26より第二供給油路45へ流通するオイル流量が少なくエンジン潤滑装置6へ最小圧のオイルを供給する第三供給油路部27を備える。このことから、優先弁3が油圧アクチュエータ5へオイル供給を優先する際、第二供給油路部26を閉弁する場合においても、エンジン潤滑装置6は、第二供給油路45へ常時オイルが流通する第三供給油路部27により、常時最小圧を確保できる。
また、油流制御部21の第二供給油路部26は、第一供給油路部25より優先弁3側に位置する。このことから、オイル供給調整バルブ2は、優先弁3が油流制御部21方向へスライドし、油圧アクチュエータ5へオイル供給を容易に優先させることができる。また、第二供給油路部26は、第三供給油路部27と連通し、第二供給油路部26から第三供給油路部27への流路面積が小さくなるように形成された連通部28を備える。このことから、エンジン潤滑装置6は、オイル供給状態を最小圧から最大圧へ可変する際、第二供給油路部26から第三供給油路部27への流路面積が小さくなる連通部28により、急激な圧力の変化を低減され、かつ、急激な流量変化によるウォーターハンマー現象の発生、損傷を抑制する。
また、優先弁3は、孔31aを有するスプール31と、スプール31を油流制御部21へ付勢するスプリング33と、スプリング33をスプール31と挟着するリテーナ32と、を備え、スプール31とリテーナ32との間に孔31aを介してオイルが第二圧力室34へ流通する。このことから、スプール31が受ける受圧面積は、2つの受圧面積SAとSBとの差であるスプール31の肉厚分に対応する面積となり、孔31aを有さない場合のスプール31と比べ小さくなる。従って、小さな力で油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6へのオイル供給状態を可変できるため、低圧化でも油圧アクチュエータ5へオイル供給を優先することができる。また、容易に油圧アクチュエータ5へオイル供給を優先することができるため、スプール31を油流制御部21へ付勢するスプリング33を小型化することができ、車両用オイル供給装置1およびオイル供給調整バルブ2の小型化が図れる。
また、優先弁3は、スプール31とリテーナ32とを組み付ける際、スプール31およびリテーナ32の間にC型リング35を取り付ける。C型リング35を取り付ける際、スプール31およびリテーナ32からC型リング35がオイル供給調整バルブ2内ではずれることを防止するために、スプール31およびリテーナ32に突部31b、32aが設け、突部31b、32a間にC型リング35が配設される。このことから、容易に優先弁3を構成できる。
また、スプール31の2つの受圧面積SAとSBとの差は、リテーナ32の第一圧力室22側の受圧面と第二圧力室34側の受圧面との差より小さい。第一圧力室22にオイルが供給されない図3の状態から第一圧力室22にオイルが供給される図5の状態への移行時には、スプール31とリテーナ32との受圧面積の差により、油圧がスプール31およびリテーナ32へ作用する際、スプール31とリテーナ32とが一体となってスライドさせることができる。一方、第一圧力室22にオイルが供給された図5の状態から更にスプール31及びリテーナ32に作用する油圧が上昇した図6の状態への移行時には、スプール31とリテーナ32との受圧面積の差により、油圧がスプール31およびリテーナ32へ作用する際、リテーナ32を油流制御部21内においてスライドさせることなく、スプール31のみをスライドさせることができる。すなわち、優先弁3の長さを油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6へ作用させる油圧に応じて可変でき、常時適切な油圧および油量でオイル供給できる。
また、オイル供給調整バルブ2は、優先弁3が挿入され、優先弁3は、プラグ23により収納される。このことから、オイル供給調整バルブ2から容易に優先弁3を取り外すことができるため、オイル供給調整バルブ2および優先弁3のメンテナンス性の向上が図れる。また、オイル供給調整バルブ2は、第一吐出油路32、第一供給油路44および第二供給油路45の各油路と接続される第一吐出油路部24、第一供給油路部25および第二供給油路部26を共有するため、加工工数の低減が図れる。
尚、本発明のオイル供給調整バルブ2内に収納される優先弁3は、油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6のオイル供給状態を容易に可変するべく、スプール31とリテーナ32とを組み付け、スプール31に孔31aを有し、スプール31とリテーナ32との間にスプリング33を備えた構成であるが、スプール31およびリテーナ32を要さない優先弁3であっても油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6のオイル供給状態を可変することができる。
以下、本発明の第2実施例を図7、図8に基づいて説明する。
第2実施例は、第1実施例に対しスプール31、リテーナ32およびスプリング33が変更されたものであり、他の部分については第1実施例と同一であるため、同一部分については説明を省略する。
第2実施例では、第1実施例にて例示したスプール31、リテーナ32およびスプリング33の代わりにスプール50が設けられている。詳述すると、優先弁30は、スプール50のみで構成され、スプール50は、底部を有する円筒形状を呈している。またスプール50は、第1実施例におけるスプール31およびリテーナ32の機能と同様の機能を有している。更にスプール50は、第1実施例にて例示した孔31aは有さない。
なお、本実施例では、スプール50は底部を有する円筒形状を呈しているが、円筒形状ではなく円柱形状でもよい。ただし、スプール50の形状が、底部を有する円筒形状であれば、円筒内の材料を使用せずに済み、円柱形状よりもスプール50を軽量化できる。
第2実施例の動作を説明する。
車両用オイル供給装置1は、オイルポンプ4により吸入油路41を介してオイルパン40からオイルを汲み上げ、オイルポンプ4から第一吐出油路42にオイルを吐出し、第一吐出油路42に接続された第一吐出油路部24からオイル供給調整バルブ2内の油流制御部21にオイル供給する。オイル供給調整バルブ2に供給されたオイルは、油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6へそれぞれ第一供給油路44、第二供給油路45に接続された第一供給油路部25、第二供給油路部26を介して供給される。この時、スプール50には、第一圧力室22からの油圧が作用していないため、スプール50は、プラグ23側に位置している。従って、スプール50は第二供給油路45の開口面積を小さくせず、第一吐出油路42から供給されるオイルを制限せずに第二供給油路45に排出している。換言すれば、図7においてスプール50は、絞りとしての機能を奏していない。
一方、検知された油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6の油圧状態に応じてECU8により油圧状態を可変する必要があると判断された場合、ECU8は、オイルスイッチングバルブ7を作動させる。作動したオイルスイッチングバルブ7は、第一吐出油路42から分岐し供給されるオイルを第二吐出油路43に接続された第二吐出油路29を介して、オイル供給調整バルブ2内の第一圧力室22へ供給させる。
図8は、第一圧力室22にオイルが供給され、スプール50を第一供給油路44側に押圧して、スプール50が第一供給油路44側に移動した時の断面図である。この時、スプール50は第二供給油路45の開口面積を小さくして、第一吐出油路42から供給されるオイルを第二供給油路45に制限しつつ排出している。換言すれば、図8においてスプール50は、絞りとしての機能を奏している。
一方、第一吐出油路42から供給されるオイルはスプール50の動作とは関係なく第一供給油路44へ吐出している。つまり、図8においては、スプール50が第二供給油路45へのオイル排出を制限する分、第一供給油路44に多くのオイルを排出している。換言すれば、第一吐出油路42から供給されるオイルは第二供給油路45よりも優先して第一供給油路44に排出している。
図8の状態でオイルポンプ4の回転数が上昇して、ECU8が油圧アクチュエータ5に十分に油圧が作用されていると判断すると、ECU8はオイルスイッチングバルブ7の作動を停止させる。すると、スプール50はプラグ23側に移動して図7の状態になり、スプール50の絞りとしての機能を停止させる。このようにオイルスイッチングバルブ7の作動を停止させることにより、エンジンの高回転時にエンジン潤滑装置6が必要とする油圧が確保できる。
以下、本発明の第3実施例を図9および第1実施例にて例示した図3、図5、図6に基づいて説明する。
第3実施例は、第1実施例に対しオイルスイッチングバルブ7およびオイルスイッチングバルブ7を制御するECU8が省略されたものであり、他の部分については第1実施例と同一であるため、同一部分については説明を省略する。
本実施例の優先弁3は、スプール31およびリテーナ32が重力により第一圧力室22側に位置する。一方、オイルポンプ4が作動して第一吐出油路42にオイルを吐出すると、第二吐出油路43を介して第一圧力室22に油圧を作用させる。また同時に、第一吐出油路42を介して油流制御部21に油圧を作用させる。油流制御部21に作用する油圧と第一圧力室22に作用する油圧とは略同一である。そして、油流制御部21内の油圧がスプール31に作用する受圧面積と、第一圧力室22内の油圧がリテーナ32に作用する受圧面積とは、リテーナ32に作用する受圧面積の方が大きい。従って、油流制御部21および第一圧力室22に油圧が作用すると、スプール31およびリテーナ32が重力とは反対方向に移動する。
第3実施例の動作を説明する。
図示しないエンジンが停止している時は、オイルポンプ4も作動していない。従って、スプール31およびリテーナ32は、前述した通り重力により第一圧力室22側に位置し、図3と同一の場所に位置する。
図示しないエンジンが駆動されると、オイルポンプ4も作動する。そして車両用オイル供給装置1は、オイルポンプ4により吸入油路41を介してオイルパン40からオイルを汲み上げ、オイルポンプ4から第一吐出油路42にオイルを吐出し、第一吐出油路42に接続された第一吐出油路部24からオイル供給調整バルブ2内の油流制御部21にオイル供給する。オイル供給調整バルブ2に供給されたオイルは、油圧アクチュエータ5およびエンジン潤滑装置6へそれぞれ第一供給油路44、第二供給油路45に接続された第一供給油路部25、第二供給油路部26を介して供給される。この時、図5にて示した通りスプール31は第二供給油路45の開口面積を小さくして、第一吐出油路42から供給されるオイルを第二供給油路45に制限しつつ排出している。換言すれば、スプール31は、図5にて示した通り絞りとしての機能を奏している。
一方、第一吐出油路42から供給されるオイルはスプール31およびリテーナ32の動作とは関係なく第一供給油路44へ吐出している。つまり、スプール31が第二供給油路45へのオイル排出を制限する分、第一供給油路44に多くのオイルを排出している。換言すれば、第一吐出油路42から供給されるオイルは第二供給油路45よりも優先して第一供給油路44に排出している。
図5、図9の状態でオイルポンプ4の回転数が上昇し、第一吐出油路42に供給されるオイルの油圧が上昇すると、スプール31に作用する油圧が上昇するため、スプール31がスプリング33の付勢力に抗してプラグ23側に移動し、図6の状態に移行する。図6では、第二供給油路45の開口面積を小さくしていたスプール31が、リテーナ32に対してプラグ23側に移動するため、第二供給油路45の開口面積が大きくなり、第二供給油路45へのオイル排出の制限を解除する。換言すれば、図5、図9から図6の状態に移行する際は、徐々にエンジン潤滑装置6へのオイル供給量を増加させる。
以下、本発明の第4実施例を図10、図11に基づいて説明する。
第4実施例は、第2実施例に対し第三供給油路部67(27)が設けられた位置が異なり、他のオイル供給調整バルブ2の構成については第2実施例と同一であるため、同一部分については説明を省略する。なお、本実施例は第2実施例の変形例であるが、第1実施例および第3実施例のオイル供給調整バルブ2に対しても第三供給油路67を適用できる。また、本実施例の油路回路図については、図1と同様である。
本実施例の第三供給油路部67は、第一供給油路部25よりも第二供給油路部26とは反対側に設けられている。換言すれば、スプール50の軸芯方向(長手方向)において、スプール50の側から第二供給油路部26、第一供給油路部25、第三供給油路部67の順となる。このように第三供給油路部67を設けることにより、第二供給油路部26とは独立した単独の通路とすることができる。従って、第三供給油路部67の開口面積を簡素な加工にて精度良く形成でき、第三供給油路部67を流通するオイル流量を精度良く設定できる。
また、第二供給油路部26と第三供給油路部67とが独立して形成されれば、第二供給油路部26および第三供給油路部67は共に複雑な穴形状とする必要がない。特に第三供給油路部67に関しては、優先弁30が組み込まれるハウジングに対してドリルによる穴形成加工をするのみの簡素な加工とすることができ、また加工後の穴寸法精度の確認も容易である。
更に、第三供給油路部67の開口状態から第三供給油路部67および第二供給油路部26の開口状態へと移行する際、第三供給油路部67から吐出される油圧の急激な変動を抑制でき、エンジン潤滑装置6へ所望のオイル流量を供給できる。
具体的には、第1実施例のように第二供給油路部26と第三供給油路部27とが同一の孔であり、スプリング33により第二供給油路部26の開口面積を調整できる調圧式の場合、以下のような現象が考えられる。前述したように、スプール31には孔31aを備えているため、作用する油圧の受圧面積は、SA−SBである。従って、スプール31の受圧面積は、リテーナ32の受圧面積と比較して僅かな大きさの面積である。このような僅かな受圧面積に油圧を作用させ、スプール31をスプリング33の付勢力に抗して移動させた場合において、第三供給油路部27の開口状態から第二供給油路部26および第三供給油路部27の開口状態へと移行する際、油圧変動により小刻みにスプール31が振動する場合がある。詳述すると、スプール31の移動により第二供給油路部26が開口し始めると、スプール31に作用する油圧が低下する。すると、スプリング33の付勢力に抗せなくなり、再び第二供給油路部26の開口を閉じようとする。第二供給油路部26の開口が閉じ始めると、またスプール31に作用する油圧が上昇し、スプリング33の付勢力に抗して、第二供給油路部26が開口し始める。このスプール31に作用する油圧の油圧変動により、スプール31が小刻みに振動(バタツキ)が発生し、エンジン潤滑装置6へ所望のオイル流量を供給できなくなる懸念点がある。
本実施例では、第三供給油路部67が第二供給油路部26とは独立した孔であり、第二供給油路部26と第三供給油路部67とが離間している。よって、上述したようなスプール31に作用する油圧の油圧変動による、エンジン潤滑装置6へのオイル供給量の急激な変化が抑制できる。
以下、本発明の第5実施例を図12〜図14に基づいて説明する。
第5実施例は、第1実施例に対し優先弁300を構成するスプール500に第三供給油路部77を設けた場合を例示する。また、本実施例は、第1実施例(図1)に対しオイルスイッチングバルブ7、第一圧力室22、第二吐出油路部29、リテーナ32および第二吐出油路43は設けられていない。他の構成については第1実施例と同一であるため、同一部分については説明を省略する。なお、本実施例は第1実施例の変形例であるが、第2実施例および第3実施例のオイル供給調整バルブ2に対してもスプール500および第三供給油路部77を適用できる。
スプール500は、スプール500の軸芯方向(長手方向)に延在し優先弁300が組み込まれるハウジングの内周面と対向する第一部位500aと、第一部位500aと接続し、スプールの径方向に延在する第二部位500bとで構成される。補足すれば、スプール500は断面略H形状を呈し、第二部位500bはスプリング330の付勢力に抗してスプール500を押圧する受圧面となる。
スプール500の第二部位500bには、第一部位500aよりも第一供給油路部25側に第三供給油路部77が形成されている。すなわち、スプール500に第三供給油路部77が形成されている。
図12のように、スプリング330によりスプール500が付勢されている場合、第一吐出油路部24から供給されたオイルは第一供給油路部25から吐出されて油圧アクチュエータ5に供給されると共に、第三供給油路部77から吐出されてエンジン潤滑装置6に供給される。この時、第三供給油路部77の開口面積は第一供給油路部25と比較して小さい孔であるため、エンジン潤滑装置6へのオイル供給量は油圧アクチュエータ5へのオイル供給量と比較して少ない。
図13のように、スプール500の第二部位500bに油圧が作用して、スプリング330の付勢力に抗してスプール500が移動した場合であっても、第二部位500bに作用する油圧が低く、第二供給油路部76が開口しない場合は、エンジン潤滑装置6へのオイル供給量は油圧アクチュエータ5へのオイル供給量と比較して少ない。
第二部位500bに作用する油圧が上昇し、図14のようにスプール500の第二部位500bに油圧が作用して、スプリング330の付勢力に抗してスプール500が移動し、第二供給油路部76が開口した場合、エンジン潤滑装置6へのオイル供給は、第二供給油路部76および第三供給油路部77から吐出されたオイルが供給される。この状態においては、エンジン潤滑装置6に対して積極的にオイル供給し、エンジン内部の各摺動面に対し十分なオイルを供給して潤滑できる。
本実施例のようにオイル供給調整バルブ2を構成すれば、第二供給油路部76と第三供給油路部77とが独立して形成するようスプール500に設ければ、第二供給油路部76および第三供給油路部77は共に複雑な穴形状とする必要がない。特に第三供給油路部77に関しては、スプール500に対してドリルによる穴形成加工をするのみの簡素な加工とすることができ、また加工後の穴寸法精度の確認も容易である。
また、第三供給油路部77の開口状態から第三供給油路部77および第二供給油路部76の開口状態へと移行する際、第三供給油路部77から吐出される油圧の急激な変動を抑制でき、エンジン潤滑装置6へ所望のオイル流量を供給できる。
更に、本実施例の構成であれば、スプール500に第三供給油路部77が設けられるため、オイル供給調整バルブのハウジングに対し簡素な加工で済む。従って、オイル供給調整バルブのハウジングをエンジンのシリンダブロックやタイミングチェーンカバー等と一体にでき安価に構成できる。
1 車両用オイル供給装置
2 オイル供給調整バルブ
3、30、300 優先弁
4 オイルポンプ
5 油圧アクチュエータ
6 エンジン潤滑装置
21 油流制御部
22 第一圧力室(圧力部)
25 第一供給油路部
26、76 第二供給油路部
27、67、77 第三供給油路部
28 連通部
31、50、500 スプール
31a 孔
32 リテーナ
33、330 スプリング(付勢手段)
44 第一供給油路
45 第二供給油路

Claims (10)

  1. エンジンの回転により駆動されるオイルポンプと、
    前記オイルポンプからオイル供給される油圧アクチュエータと、
    前記オイルポンプからオイル供給されるエンジン潤滑装置と、
    前記油圧アクチュエータおよび前記エンジン潤滑装置のオイル供給状態を可変するオイル供給調整バルブと、
    前記オイルポンプから前記油圧アクチュエータへオイル供給する第一供給油路と、
    前記オイルポンプから前記エンジン潤滑装置へオイル供給する第二供給油路と、を備え、
    前記オイル供給調整バルブは、前記第一供給油路および前記第二供給油路へ常時オイルを流通させ
    前記オイル供給調整バルブは、前記第一供給油路に接続される第一供給油路部と前記第二供給油路に接続される第二供給油路部とを有する油流制御部と、
    前記油流制御部内をスライドし、前記油圧アクチュエータおよび前記エンジン潤滑装置のオイル供給状態を可変する優先弁と、
    前記優先弁を前記油流制御部方向へスライドさせる圧力部と、を備え、
    前記油流制御部は、前記第二供給油路へ常時オイルが流通し、前記第二供給油路部より前記第二供給油路へ流通するオイル流量が少ない第三供給油路部と、
    前記第二供給油路部を前記第一供給油路部より前記優先弁側に位置し、かつ、前記第三供給油路部と連通し前記第二供給油路部から前記第三供給油路部への流路断面積が小さくなるように形成された連通部と、を備えた、
    ことを特徴とする車両用オイル供給装置。
  2. 前記優先弁は、
    孔を有するスプールと、
    前記スプールを前記油流制御部へ付勢する付勢手段と、
    前記付勢手段を前記スプールと挟着するリテーナと、を備え、
    前記スプールと前記リテーナとの間に前記孔を介してオイルが流通する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用オイル供給装置。
  3. 前記スプールの前記油流制御部側の受圧面と前記付勢手段が付設されている側の受圧面との差は、前記リテーナの前記圧力部側の受圧面と前記付勢手段が付設されている側の受圧面との差より小さい、
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用オイル供給装置。
  4. 前記優先弁は前記エンジンの停止中において、前記オイルポンプから前記エンジン潤滑装置へのオイル供給を制限せずに供給できる位置に有する請求項1に記載の車両用オイル供給装置。
  5. 前記優先弁は前記エンジンの停止中において、重力により前記オイルポンプから前記エンジン潤滑装置へのオイル供給を制限せずに供給できる位置に移動する請求項1に記載の車両用オイル供給装置。
  6. 前記第三供給油路部は、前記第一供給油路部よりも前記第二供給油路部とは反対側に備えられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用オイル供給装置。
  7. 前記第三供給油路部は、前記第二供給油路部とは離間して形成される、
    ことを特徴とする請求項6に記載の車両用オイル供給装置。
  8. 前記第三供給油路部は、前記優先弁に備えられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用オイル供給装置。
  9. 前記第三供給油路部は、前記第二供給油路部の開口方向へ押圧する前記優先弁の受圧面よりも前記第一供給油路部側に形成される、
    ことを特徴とする請求項8に記載の車両用オイル供給装置。
  10. 前記オイル供給調整バルブは、前記第二供給油路に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の車両用オイル供給装置。
JP2010164849A 2009-09-24 2010-07-22 車両用オイル供給装置 Expired - Fee Related JP5582342B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010164849A JP5582342B2 (ja) 2009-09-24 2010-07-22 車両用オイル供給装置
EP10172454.0A EP2305971B1 (en) 2009-09-24 2010-08-11 Oil supply device for vehicle
US12/870,422 US8627656B2 (en) 2009-09-24 2010-08-27 Oil supply device for vehicle
CN201010276118.9A CN102032018B (zh) 2009-09-24 2010-09-06 车用机油供给装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009219056 2009-09-24
JP2009219056 2009-09-24
JP2010018321 2010-01-29
JP2010018321 2010-01-29
JP2010164849A JP5582342B2 (ja) 2009-09-24 2010-07-22 車両用オイル供給装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011174458A JP2011174458A (ja) 2011-09-08
JP5582342B2 true JP5582342B2 (ja) 2014-09-03

Family

ID=43037180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010164849A Expired - Fee Related JP5582342B2 (ja) 2009-09-24 2010-07-22 車両用オイル供給装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8627656B2 (ja)
EP (1) EP2305971B1 (ja)
JP (1) JP5582342B2 (ja)
CN (1) CN102032018B (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5190684B2 (ja) * 2008-06-12 2013-04-24 アイシン精機株式会社 車両用オイル供給装置
JP5311165B2 (ja) 2010-09-06 2013-10-09 アイシン精機株式会社 油圧制御装置
JP5781800B2 (ja) * 2011-03-27 2015-09-24 株式会社山田製作所 リリーフ弁装置
JP5783407B2 (ja) 2011-04-14 2015-09-24 アイシン精機株式会社 油圧制御装置
JP6029878B2 (ja) 2012-07-06 2016-11-24 株式会社山田製作所 制御バルブ
JP5922511B2 (ja) * 2012-07-06 2016-05-24 株式会社山田製作所 制御バルブ
JP6007746B2 (ja) 2012-11-20 2016-10-12 アイシン精機株式会社 作動油供給装置
DE102017112566A1 (de) * 2016-06-09 2017-12-14 Ford Global Technologies, Llc System und verfahren zum betreiben einer maschinenölpumpe
JP6976871B2 (ja) * 2018-01-17 2021-12-08 株式会社ミクニ 可変リリーフバルブ装置
CN108397256A (zh) * 2018-03-26 2018-08-14 重庆长安汽车股份有限公司 机油泵的泄压控制***

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4223646A (en) * 1978-02-16 1980-09-23 Trw Inc. Hydraulic fan drive system
JPS57173513A (en) * 1981-04-17 1982-10-25 Nippon Soken Inc Variable valve engine
JPS608407A (ja) * 1983-06-29 1985-01-17 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の弁作動制御装置
JPS63167012A (ja) * 1986-12-27 1988-07-11 Honda Motor Co Ltd 内燃機関用動弁機構の油圧回路
JP3120576B2 (ja) * 1992-06-29 2000-12-25 日産自動車株式会社 可変動弁機構付き機関の油圧供給装置
JPH06212932A (ja) 1993-01-14 1994-08-02 Nissan Motor Co Ltd エンジンの潤滑油供給装置
JP2741492B2 (ja) * 1994-11-30 1998-04-15 本田技研工業株式会社 エンジンのオイル通路構造
DE19625296A1 (de) * 1995-06-30 1997-01-02 Volkswagen Ag Fahrzeug
DE19604865B4 (de) * 1996-02-10 2009-05-07 Schaeffler Kg Mittels separater Ölfördereinrichtung beaufschlagbarer Stellzylinder eines Nockenwellenverstellers
JP4586308B2 (ja) 2001-01-30 2010-11-24 アイシン精機株式会社 エンジンの潤滑油供給装置
JP4100115B2 (ja) 2002-09-26 2008-06-11 アイシン精機株式会社 エンジンオイル供給装置
JP4211352B2 (ja) 2002-10-22 2009-01-21 アイシン精機株式会社 エンジンオイル供給装置
US20050061289A1 (en) * 2003-09-18 2005-03-24 Plenzler Jeremy M. Engine oil system with oil pressure regulator to increase cam phaser oil pressure
JP4522906B2 (ja) * 2005-04-14 2010-08-11 川崎重工業株式会社 エンジンの潤滑構造
JP4622949B2 (ja) 2006-07-11 2011-02-02 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の潤滑装置
FI119523B (fi) * 2007-03-09 2008-12-15 Waertsilae Finland Oy Vaimennin hydraulijärjestelmän painevaihteluiden vaimentamiseksi ja hydraulijärjestelmä
JP2008291825A (ja) 2007-04-23 2008-12-04 Aisin Seiki Co Ltd オイルポンプ
JP5190684B2 (ja) 2008-06-12 2013-04-24 アイシン精機株式会社 車両用オイル供給装置
US9127671B2 (en) 2008-08-01 2015-09-08 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Oil pump including rotors that change eccentric positional relationship one-to another to adjust a discharge amount

Also Published As

Publication number Publication date
US20110067667A1 (en) 2011-03-24
EP2305971B1 (en) 2014-09-24
CN102032018B (zh) 2014-12-17
JP2011174458A (ja) 2011-09-08
CN102032018A (zh) 2011-04-27
US8627656B2 (en) 2014-01-14
EP2305971A1 (en) 2011-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5582342B2 (ja) 車両用オイル供給装置
JP6790925B2 (ja) 作動油制御弁、および、これを用いたバルブタイミング調整装置
JP4544294B2 (ja) バルブタイミング調整装置
US8444395B2 (en) Variable displacement variable pressure vane pump system
EP2236879B1 (en) Relief valve
US8230975B2 (en) Device and method for supplying lubricating oil
JP5781800B2 (ja) リリーフ弁装置
JP5471231B2 (ja) 車両用オイル供給装置
JP4942833B2 (ja) リリーフ圧力変更機能付きリリーフバルブ
JP2000266169A (ja) 連続可変変速機
JP5483567B2 (ja) リリーフ圧力変更機能付きリリーフバルブ
US9068485B2 (en) Engine lubrication control system
CN108138918B (zh) 用于牵引机构传动装置的牵引机构张紧单元
JP2004232670A (ja) オイルポンプのリリーフ弁機構
US6186750B1 (en) Oil pump control valve spool with pilot pressure relief valve
US9109479B2 (en) Engine lubrication control system
JP5561528B2 (ja) リリーフ圧力変更機能付きリリーフバルブ
US20200025286A1 (en) Hydraulic control device for automatic transmission
JP2013092088A (ja) 油圧制御装置
JP2015117638A (ja) オイルポンプ装置
JP6165610B2 (ja) ターボチャージャの潤滑油供給機構
JP6974082B2 (ja) 油圧制御装置、ポンプおよび内燃機関への作動油供給システム
EP3514341B1 (en) Variable relief valve device
JP2006009580A (ja) ベーンポンプ
KR20100061153A (ko) 자동 변속기 유압 제어시스템의 유압 제어용 스풀밸브

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130613

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140702

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5582342

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees