JP5573257B2 - 文字入力用のプログラムおよび通信端末装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子メールの送信および受信を行う機能を具備するコンピュータに、文字を入力する操作に応じて送信対象のメールに前記操作に応じた文字列を入力する処理を実行させるためのプログラム、およびこのプログラムを用いた通信端末装置に関する。
日本国内の携帯電話には、文字入力の煩雑さを解消するために、入力対象の文字の読みを構成する仮名文字を入力する操作が行われる都度、その入力時点での読みに対応する変換候補を表示する機能が設定されている(以下、この機能を「予測変換機能」という。)。この予測変換機能により、ユーザは、読みを全て入力しなくとも、目的とする文字列が変換候補として表示されたときに、その変換候補を選択して確定することができるので、文字入力にかかる手間は大幅に軽減される。
さらに、利便性をより向上させた機種として、受信したメールに対する返信用のメールを作成する場合に、受信メールに含まれている単語に対応する読みが入力されたことに応じて、受信メール中の該当単語を上位の変換候補として表示する機能を有するものがある。以下では、この機能を「返信自動学習機能」という。
返信自動学習機能は、受信メールに対する返信用のメールが作成されているときのみ有効となる。
上記の返信自動学習機能に関する先行技術文献として、たとえば、特許文献1が存在する。
特許文献1には、受信メールを基にした返信メールの作成が指示されたことを契機に、受信メールに対する単語の抽出を行い、未登録の単語が抽出された場合には、その単語を使用頻度が0の状態で登録し、既登録の単語が抽出された場合には、その単語に使用頻度例外フラグをセットすることや、受信メールに基づいた返信の場合にのみ、入力された読みにより抽出された変換候補のうち使用頻度が0のもの、または使用頻度例外フラグがセットされているものを上位に表示することが記載されている。
また、特許文献2には、受信メールに記載されていない文字列であっても、受信メールの内容から入力される可能性が高くなると思われる文字列を表示することを課題とする発明が開示されている。具体的にこの特許文献2には、辞書内の単語を複数のカテゴリに分類し、受信メールに対する返信メールの作成指示を受けた場合に、受信メールを解析して文書中の単語に対応する分類を特定し、読みの入力に対し、受信メールに対する処理で特定された分類に対応する単語を優先して表示することが記載されている。この処理により、たとえば、「大阪」という地名に属する単語を含む受信メールに対する返信メールが作成されているときに、「う」という読みの入力があったときには、「梅田」などの地名を変換候補として表示させることが可能になる。
特開2006−344039号公報 特開2007−94786号公報
返信自動学習機能は利便性の高い機能であるが、この機能が常に役にたつとは限らない。その一例を図15を用いて説明する。
図15では、受信メールの一例を示すとともに、この受信メールに対する返信メールの作成画面として、返信自動学習機能および予測変換機能が適用された画面(A)と、予測変換機能のみが適用された画面(B)とを例示する。いずれの例でも、受信メールの中の「花見に行きませんか?」という問いかけに対し、「い」という読みが入力され、その読みに対応する変換候補が表示されている。双方の画面の比較や受信メールの内容から明らかなように、画面(A)の変換候補のうち、第1位の「行きませんか」と第2位の「今から」が返信自動学習機能により抽出されたものであり、第3位以下の変換候補は予測変換機能により抽出されたものである。
通常、上記の例の「行きませんか?」のように、活用語を含む問いかけに対し、同じ活用語を用いて返答する場合には、「行きます」や「行きません」のように、問いかけとは異なる言い回しが用いられるはずである。
しかし、一般的な返信自動学習機能では、受信メール中に含まれる文節単位の文字列がそのまま登録されるから、活用形を含む語に対しても、画面(A)のように、受信メールに含まれる表現「行きませんか」がそのまま表示される。図15の画面(A)には、「行く」という変換候補も表示されているが、この表示は予測変換機能によるものである。予測変換機能による候補の抽出では、過去の使用頻度に基づいて変換候補の表示順序が定められるので、「行く」の使用頻度が高くない場合には、優先的に表示されることはない。また、図示例の場合、「行きましょう」「行きます」など、応答として使用される可能性の高い候補が表示されていないので、目的とする候補を呼び出すのに手間がかかる。
本発明は上記の問題点に着目し、活用語を含むメールを受信したことに応じて返信自動学習機能を作用させる場合に、受信メール中の活用語を用いた表現を他の表現に置き換えたものが変換候補として優先的に表示されるようにすることにより、返信自動学習機能の利便性を大幅に向上することを、課題とする。
本発明によるプログラムは、電子メールの送信および受信を行う機能を具備するコンピュータを、以下の変換ルール記憶手段、形態素解析手段、変換後文字列記憶手段、学習処理手段、候補抽出手段、候補表示手段、入力文字列確定手段として機能させることにより、上記の課題を解決する。
変換ルール記憶手段は、複数種の活用パターンについて、それぞれそのパターンの活用形による表現を他の表現に置き換えるための変換ルールとして、置き換え前の活用形と付属語との組み合わせに置き換え後の活用形と付属語との組み合わせを紐付けた構成の変換ルールを記憶し、変換後文字列記憶手段には、前記変換ルールの適用により作成される変換後文字列が保存される。形態素解析手段は、受信したメールの1つに対する形態素解析を実行する。学習処理手段は、受信したメールの1つに対する返信を指示する操作が行われたことに応じて、前記形態素解析手段に返信対象のメールに対する形態素解析を行わせた後、この形態素解析処理により抽出された活用語を含む文節を文節毎に処理対象として、処理対象文節の文字列中の活用語の活用パターンおよびその活用形と処理対象文節中の付属語との組み合わせにより前記変換ルール記憶手段を検索して当該組み合わせに適合する変換ルールを抽出するステップと、抽出された変換ルールに設定されている置き換え後の活用形と付属語との組み合わせを処理対象文節に適用して変換後文字列を作成するステップとを各処理対象文節に対して実行する。そして、作成された変換後文字列を前記返信を指示する操作に対する返信用メールの作成画面が立ち上げられている間に限り有効になるようにして、当該変換後文字列の読みに対応づけて変換後文字列記憶手段に保存する
候補抽出手段は、返信を指示する操作に応じて立ち上げられた返信用メールの作成画面に対して入力対象の文字列の読みを入力する操作が行われたとき、前記変換後文字列記憶手段に有効な状態で保存されている変換後文字列を対象に前記入力された読みを用いた検索を実行し、読みが適合する変換後文字列を変換候補として抽出する。候補表示手段は、候補抽出手段により抽出された変換候補を含む候補表示欄を返信用メールの作成画面に表示する。
入力文字列確定手段は、候補表示欄に表示された変換候補の1つを選択する操作に応じて、選択された変換候補の文字列を返信用メールへの入力文字列として確定する。
上記に記載した2種類の記憶手段のうち、変換ルール記憶手段は、変換ルールを示す電子データが格納されたデータファイルを主体とするものである。この記憶手段は、プログラムがインストールされるコンピュータのメモリに格納される。変換後文字列記憶手段も、プログラムがインストールされるコンピュータのメモリに設定されるが、インストールされた時点ではデータは格納されておらず、学習処理手段による処理が行われて変換後文字列が作成されたときに、その変換後文字列が読みと共に格納される。
「活用パターン」とは、活用語の各活用形における変化のパターンを指す。たとえば、動詞に関しては、五段活用、下一段活用、上一段活用、カ行変格活用、サ行変格活用などの活用パターンがあげられる。また動詞の場合であれば、いずれの活用パターンでも、未然形、連用形、終止形、連体形、仮定形、命令形の各活用形に関して、変換ルールを設定することができる。
なお、変換ルールとしては、ある活用形を用いた表現を他の活用形を用いた表現に置き換えるためのルールのほか、活用形を変化させずに付属語のみを変化させた表現に置き換えるためのルールを設定することもできる。
上記のプログラムがインストールされたコンピュータによれば、活用語を含むメールを受信したことに応じて、ユーザがその受信メールへの返信を指示する操作を行い、形態素解析手段により受信メールから活用語を含む文節が抽出されると、この文節を処理対象として、学習処理手段により、処理対象文節を他の表現を示す文字列に変換する処理が実行される。この変換処理により生じた変換後文字列は、その文字列の読みに対応づけられて変換後文字列記憶手段に記憶される。さらに、返信用メールの作成画面に対し、変換後文字列に対応する読みが入力されると、変換後文字列記憶手段から読みに該当する変換後文字列が変換候補として抽出され、候補表示欄に表示される。さらに、表示された変換後文字列を選択する操作が行われると、この変換後文字列は入力文字列として確定され、返信用メールに入力される。
したがって、各種の活用パターンについて、それぞれ十分な数の変換ルールを設定して変換ルール記憶手段に記憶させておけば、受信メール中の活用語を含む文節を様々な表現の文字列に置き換え、これらを変換候補として表示させることが可能になる。よって、ユーザが、受信メールと同じ活用語を用いて受信メールとは異なる表現の文字列を入力しようとして、その文字列の読みを入力した場合に、目的の文字列を変換候補として候補表示欄に表示することが可能になる。
本発明によるプログラムの好ましい態様では、学習処理手段は、受信したメールの1つに対する返信を指示する操作に応じて前記変換後文字列記憶手段をクリアした後に各処理対象文節に対する処理を実行する。また候補抽出手段は、前記返信を指示する操作に応じてクリアされた後の変換後文字列記憶手段を対象にした検索を実行する
本発明によるプログラムが導入されたコンピュータによれば、所定の活用語の活用形と付属語との組み合わせによる文字列を、同じ活用語を用いた他の表現を示す文字列に容易に変換することが可能になる。
さらに本発明によるプログラムの他の好ましい態様では、変換ルール記憶手段が記憶する各変換ルールには、それぞれその変換ルールの使用頻度を示す情報が含まれる。また候補表示手段により変換候補として表示された変換後文字列が入力文字列確定手段により前記返信用メールへの入力文字列として確定されたときに、確定した文字列への変換に用いられた変換ルールの使用頻度を更新する使用頻度更新手段としてコンピュータを機能させるプログラムがさらに含まれる。また候補表示手段は、候補抽出手段により複数の変換後文字列が抽出されたとき、これらの変換後文字列の表示順序を、それぞれの文字列への変換に用いられた変換ルールの使用頻度を用いて決定するように構成される。
より好ましい実施態様では、変換ルール記憶手段が記憶する各変換ルールは、変換処理の観念が類似するもの毎に紐付けられ、使用頻度更新手段は、入力文字列確定手段により確定された文字列への変換に用いられた変換ルールの使用頻度とともに、この変換ルールに紐付けられている変換ルールの使用頻度を更新するように構成される。
上記の各態様によれば、ユーザが好んで使用する表現への変換に用いられた変換ルールの使用頻度が高められると共に、この変換ルールにより変換された文字列の候補が上位に表示されるようになる。よって、ユーザが好んで使用する表現に適合する変換候補を上位に表示することが可能になるので、候補を選択する操作を行いやすくなり、文字入力における利便性をより一層向上することが可能になる。
本発明が適用される通信端末装置は、電子メールの送信および受信を行う送受信部と、仮名文字が割り当てられたキーを複数含む操作部と、電子メールの文書の作成画面を表示するための表示部とを具備する。さらに、この通信端末装置には、上記のプログラムによる変換ルール記憶手段、変換後文字列記憶手段、形態素解析手段、学習処理手段、候補抽出手段、候補表示手段、入力文字列確定手段の各手段が設けられる。
この通信端末装置は、たとえば、携帯電話,PDAなどのモバイル型の通信機器として構成される。また、パーソナルコンピュータも、上記のプログラムを組み込むことによって、通信端末装置として機能する。
本発明によれば、活用語を含む受信メールに対する返信用のメールを作成する際に、受信メール中の活用語を含む表現を他の表現に置き換えた文字列を容易に入力することが可能になるから、文字入力における利便性を大幅に高めることが可能になる。よって、携帯電話などの操作性の悪い通信端末装置でも、効率良く返信メールを作成することが可能になる。
本発明が適用された携帯電話の外観を示す図である。 携帯電話の構成を示すブロック図である。 受信メールの例と、この受信メールに対する返信メールの作成画面における変換候補の表示例とを示す図である。 文字入力システムの構成を示す機能ブロック図である。 言い回し置換テーブルのデータ構成例を示す図である。 活用形テーブルのデータ構成例を示す図である。 形態素解析の処理対象の文節と、この文節に対する形態素解析の結果とを示す図である。 活用語を含む文節に対する変換処理の具体例を示す図である。 活用語を含む文節に対する変換処理の具体例を示す図である。 返信自動学習処理の概略手順を示すフローチャートである。 図10の処理のうち、辞書データの作成処理(ステップS5)に関する詳細な手順を示すフローチャートである。 図11の処理のうち、変換処理(ステップS16)に関する詳細な手順を示すフローチャートである。 言い回し置換テーブルの他の構成例を示す図である。 図13の言い回し置換テーブルに対する使用頻度の更新処理の手順を示すフローチャートである。 従来の返信自動学習機能や予測変換機能を用いた返信メールの作成画面における変換候補の表示例を示す図である。
図1は、本発明の適用例としての携帯電話の外観を、図2は、この携帯電話の電気構成を、それぞれ示す。
この実施例の携帯電話1は、表示部2や操作部3が設けられた筐体1Aの内部に、カメラ4、画像プロセッサ5、通信回路6、制御回路10などが収容された構成のもので、通話のほか、インターネットに接続したり、電子メールの送受信を行う機能を具備する。また、画像プロセッサ5による制御下でカメラによる撮像を実行し、生成された画像をパーソナルコンピュータなどの外部機器に出力したり、生成された画像を電子メールに添付して送信することもできる。
制御回路10は、CPU11のほか、主メモリ12、作業メモリ13などが含まれる。主メモリ12は、フラッシュメモリなどの不揮発性のメモリであって、プログラムや設定用のデータなどが保存される。一方、作業用メモリ13は揮発性メモリ(RAM)であって、後記する文字入力処理で抽出された変換候補や自動学習用辞書などが保存される。
表示部2は液晶パネルにより構成される。操作部3には、「0」〜「9」の数字が割り当てられた文字キー31や十字キー32を含む複数のキーが配備される。各文字キー31には、それぞれ数字のほかに、50音の1行分の平仮名文字や、複数のアルファベット文字または記号が割り当てられる。なお、操作部3の構成は上記に限らず、たとえば、可動キーボードを表示したタッチパネルディスプレイを操作部として機能させてもよい。
メールの作成時などに日本語入力のモードが設定されると、同じ文字キー31が連続して押下されている間は、そのキーに割り当てられている仮名文字を順に呼び出し、他のキーの操作に応じて直前に呼び出された仮名文字を確定する方法により、読みを表す仮名文字列(以下、「読み文字列」という。)が組み立てられる。また、読み文字列の変化に連動して変換候補の抽出や表示が行われ、表示された変換候補の1つを選択する操作が行われたとき、その選択された候補の文字列が入力文字列として確定される。
さらに、この実施例の携帯電話には返信自動学習機能が組み込まれており、受信したメールに対する返信用のメールが作成される場合に、受信メールに含まれる自立語の読みが入力されると、該当する自立語を含む変換候補が優先して表示される状態となる。特にこの実施例では、受信メール中の活用語に対応する読みが入力された場合には、該当する活用語を、受信メールとは異なる表現に変換した構成の文字列を、変換候補として表示することができる。
図3は、動詞の連用形を含む文節「走りませんか?」を含むメールを受信して、この受信メールに対する返信用のメールが作成している例を示す。この例の返信メールの作成画面には、「は」という読みが入力されたことに応じて候補表示欄20が立ち上げられ、読みが「は」から始まる複数の変換候補が表示されている。候補表示欄20に表示されている候補の中には、受信メールの「走りませんか?」という文節から派生した6つの候補(「走ります」「走りません」「走る」「走った」「走って」「走らない」)と、予測変換機能により抽出された候補(「早い」「花」など)が含まれている。
図4は、上記の文字入力に関わるシステムの構成を、機能ブロック図により示す。
この実施例の文字入力システム100は、制御処理部101、読み文字列組立部102、候補抽出部103、返信自動学習処理部104、形態素解析部105などの処理部と、予測変換用辞書111、返信自動学習用辞書112、形態素解析用辞書113、言い回し置換テーブル114、活用形テーブル115などの記憶部とにより構成される。各記憶部は、主メモリ12に格納されたデータファイルにより構成される。処理部の実体は、主メモリ12に格納されたプログラムを実行するCPU11である。
図中、左上に示すメーラー200は、図に示した通信回路6と協働してメールの送信および受信を行うほか、送信対象のメールの作成、受信メールの閲覧、受信フォルダおよび送信フォルダの管理などを行う。文字入力システム100は、受信メールに対する返信用のメールを作成する操作、または新規メールの作成を指示する操作に応じて起動し、操作部に対して実行された操作に応じて、読み文字列の組み立てから入力文字列の確定までの処理を実行し、確定した入力文字列をメーラー200に出力する。
形態素解析用辞書113には、テキストデータを単語の単位に分解し、それぞれの単語の品詞や活用形などを認識するのに必要な情報が格納されている。予測変換用辞書111には、複数の単語がそれぞれその読みに対応づけられて登録されている。
なお、図4では、形態素解析用辞書113や予測変換用辞書111の辞書ファイルを1つずつ示しているが、これに限らず、いずれの辞書も、複数の辞書ファイルにより構成することができる。
返信自動学習用辞書112は、返信自動学習機能により作成された辞書データを記憶するためのものであり、受信メールに対する返信用のメールの作成が行われている場合のみ有効化される。また、返信自動学習辞書112に格納された辞書データは、特定の返信メールに対してのみ使用されるもので、この返信メールが作成された後は、次の返信メールの作成が指示されたことに応じてクリアされる。
言い回し置換テーブル114および活用形テーブル115には、各種の活用語による言い回し(表現)を、同じ活用語による他の表現に置き換えるための変換ルールが格納されている。図5は言い回し置換テーブルのデータ構成例を示し、図6は活用形テーブルのデータ構成例を示す。
再び図4を参照して、文字入力システム100の基本的な動作を説明する。制御処理部101は、各種キー操作の受け付けや他の処理部との連絡を行いながら、表示部2への文字表示や作成中のメールへの文字入力処理を実行する。
まず、仮名文字が割り当てられた文字キー31が操作されると、制御処理部101は、どのキーが操作されたかを読み文字列組立部102に連絡して、読み文字列を組み立てさせ、組み立てられた読み文字列を表示部2に表示する。
また、制御処理部101は、候補表示欄20を立ち上げて、新たな仮名文字の入力により読み文字列が変化する都度、候補抽出部103に変更後の読み文字列を渡して変換を指示する。候補抽出部103は、この指示に応じて予測変換用辞書111を検索し、読み文字列に前方一致する読みを有する変換候補を抽出する。さらに、候補抽出部103では、抽出された変換候補の表示順序を決定する処理を行い、決定した順序による変換候補のリストを作成して、これを制御処理部101に渡す。制御処理部101は、このリストに基づき、候補表示欄20に各変換候補を表示する。
また、受信メールに対する返信用のメールを作成する操作が行われた場合には、制御処理部101は、返信自動学習処理部104に受信メールのテキストデータを渡して、返信自動学習用の辞書データの作成を指示する。
上記の指示を受けた返信自動学習処理部104は、形態素解析部105に受信メールのテキストデータを渡して、形態素解析を実行させる。形態素解析部105は、形態素解析用辞書113を用いてテキストデータを文節の単位に区切って認識し、さらに各文節を、それぞれ自立語と付属語とに分けて認識する。返信自動学習処理部104は、この形態素解析の結果を用いて、受信メール中の各自立語に対応する辞書データを作成し、返信自動学習用辞書112に格納すると共に、候補抽出処理のために返信自動学習用辞書112を有効に設定する。この設定に応じて、候補抽出部103は、予測変換用辞書111および返信自動学習用辞書112の双方を検索して変換候補を抽出し、返信自動学習用辞書112から抽出された変換候補を優先して表示する。
返信自動学習処理部104は、形態素解析により抽出された自立語のうち、名詞などの非活用語に関しては、抽出された単語またはその単語を含む文節に読みを対応づけた辞書データを作成する。一方、動詞などの活用語に対しては、返信自動学習処理部104は、言い回し置換テーブル114および活用形テーブル115を用いて、この活用語を含む文節を構成する文字列を同じ活用語による他の表現を示す文字列に変換し、この変換後文字列と読みとを対応づけた辞書データを作成する。
以下、活用語を対象にした返信自動学習処理について、詳細に説明する。
図7は、先の図3に示した受信メールに含まれる文節「走りませんか?」に対する形態素解析の結果を示す。この文節は、自立語の「走り」と付属語「ませんか?」とに分けて認識されている。さらに、自立語の「走り」は、語幹の「走」と活用語尾「り」とに分解され、語幹の読み(はし)、品詞の種類、活用パターンおよび活用形なども認識されている。
また、この実施例の形態素解析では、品詞の認識結果に活用パターンの認識結果を組み合わせた情報(以下、「品詞情報」という。)を作成する。また、活用形も、活用パターンに組み合わせて表現される。
たとえば、図7の例では、自立語の「走り」に対する認識結果として、ラ行五段活用の動詞であることを示す品詞情報「ラ行五段動詞」が設定されると共に、活用形に関して、「五段活用の連用形」であることを示す情報「五段連用形」が設定されている。このほか、語幹の読みや活用語尾に関しても、認識結果を示す情報が設定される。
図5に示す言い回し置換テーブル114には、各種活用パターンに属する活用形毎に、その活用形を用いた表現を他の表現に置き換えるためのルール(以下、「置き換えルール」という。)が、複数格納されている。この例の置き換えルールは、置き換え前の表現を表す活用形および付属語パターンに、置き換え後の表現を表す置換パターンと、標準優先度と、使用頻度とを対応づけた構成のものである。図5では、五段活用の動詞の連用形を例に、具体的な置き換えルールのデータ構成を示している。
また、この実施例の言い回し置換テーブル114では、各置き換えルールをID番号により管理している。以後、図5に示されている7つの置き換えルールに個別に言及する場合には、それぞれのID番号を用いて「置き換えルール1」「置き換えルール2」のようにいう。
付属語パターンとは、変換前の表現に含まれる付属語の先頭部分の言い回しのパターンである。たとえば、図中の置き換えルール1および2の付属語パターン「ません〜」には、「ません」が先頭に置かれた付属語(『ません』『ませんか』『ませんよ』『ませんね』など。)が含まれ、置き換えルール3の付属語パターン「ましょう〜」には、「ましょう」が先頭に置かれた付属語(『ましょう』『ましょうか』『ましょうよ』『ましょうね』など。)が含まれる。また、付属語パターンが「任意」とされているものは、任意の文字列が付属語として設定されているもののほか、活用形によっては、付属語が設定されていないものも含まれる。
置換パターンとは、変換後の表現における活用と付属語との組み合わせのパターンを示すものであるが、置き換えルール4〜7のように、活用形のみを定義した置換パターンもある。
標準優先度や使用頻度は、置き換えルールに基づき作成された変換候補の表示順序を決める際に用いられる。標準優先度は、置換パターンの一般的な使用頻度などに基づき定められたもので、この実施例では各標準優先度の値は固定されている。これに対し、使用頻度は、対応する置き換えルールにより作成された辞書データが変換候補として表示され、実際に選択されたことに応じて更新される。
なお、図5の例によれば、置き換えパターン1を用いた変換処理では、活用形は変換前と同じ連用形で、付属語のみが変化した文字列が作成される。置き換えパターン2,3では、付属語パターンの末尾(〜の部分)が削除される以外は、変換前と同じ文字列が作成される。また置き換えパターン4,5,6によれば、付属語が付かず、活用形のみから成る文字列が作成される。
図6に示す活用形テーブル115には、品詞情報の種類毎に、変換前の表現における活用語の語幹末尾の読み、変換後の活用形、変換後の語幹の読み、変換後の活用語尾の各情報を組み合わせたものが、複数登録される。活用形テーブル115に格納される1レコード分の情報は、置換パターンに定義された活用形を変換後文字列に適用して具体的な表記を導き出す際のルールを示すものである。以下、このルールを「活用形設定ルール」という。
活用形テーブル115の各活用形設定ルールには、アルファベットと数字との組み合わせによるIDコードが付与されている。具体例として図6では、ラ行五段活用の動詞に関する活用形設定ルールA1〜A5と、カ行変格活用の動詞(カ変動詞)の活用形設定ルールB1〜B5とを示している。活用形設定ルールA1〜A5のように、変換前の語幹の末尾が「任意」に設定されているものは、末尾の読みを特に考慮せずにルールがあてはめられる。また、変換後の語幹の読みが「無変換」に設定されているものは、変換前の語幹の読みを維持することを意味し、活用語尾を「無し」としたものは、活用語尾を付けないことを意味する。
返信自動学習処理部104は、形態素解析の結果に基づき、受信メールから抽出された活用語を含む文節の文字列(以下、「変換対象文字列」という。)の品詞情報や付属語を認識し、これらに適合する置き換えルールを言い回し置換テーブル114から読み出す。
さらに、返信自動学習処理部104は、変換前文字列の活用形の品詞情報および語幹の読みと、言い回し置換テーブル114から抽出した置き換えルールの置換パターンに定義されている活用形とに基づき活用形テーブル115を検索し、これらの情報の組み合わせに適合する活用形設定ルールを特定する。そして、特定した活用形設定ルールに定義されている変換後文字列の語幹の読みおよび活用語尾を、変換対象文字列の活用語に適用することによって、活用形の具体的な表記を導出し、これに置換パターンの付属語の定義をあてはめることによって、変換後文字列を作成する。
図8は、ラ行五段活用の動詞の連用形を用いた文字列の例として、図3に例示した変換対象文字列「走りませんか?」をあげて、この変換対象文字列を上記の言い回し置換テーブル114および活用形テーブル115を用いて他の表現による文字列に変換する場合の処理を示す。以下、この図8を先の図5,6と合わせて参照して、言い回し置換テーブル114および活用形テーブル115を用いた変換処理を具体的に説明する。
図8の変換対象文字列「走りませんか?」の活用形と付属語との組み合わせにより図5に示した言い回し置換テーブル114を検索すると、この組み合わせに適合するものとして、置き換えルール1,2,4,5,6,7が抽出される。
置き換えルール1は、変換対象文字列の活用語を連用形で表記したものに付属語『ます』を付けることを定義する。図6の活用形テーブル115を対象に、ラ行五段活用の動詞を連用形で表す場合の活用形設定ルールを検索すると、ルールA2がヒットする。この活用形設定ルールA2を変換対象文字列の自立語「走り」に適用すると、連用形の表記「走り」がそのまま維持される。さらに置き換えルール1の置換パターンに基づき、この表記に付属語『ます』を付けることにより、変換対象文字列とは異なる表現を示す文字列『走ります』が設定される。
置き換えルール2は、変換対象文字列の活用語を連用形で表記したものに付属語『ません』を付けることを定義する。この場合にも、置き換えルール1と同様に、活用形設定ルールA2が適用され、活用形の表記として『走り』が導出される。よって、この表記に、置き換えルール2の置換パターンが定義する付属語『ません』を付けることにより、変換後文字列として『走りません』が設定される。
つぎに、置き換えルール4は、変換対象文字列の活用語を終止形で表記して、付属語を付けないことを定義する。図6の活用形テーブル115に対し、ラ行五段活用の動詞を終止形で表す場合の活用形設定ルールを検索すると、ルールA1がヒットする。よって、この活用形設定ルールA1に基づき、変換対象文字列の活用語「走り」の語幹の読みを維持し、活用語尾を『る』に変更することにより、『走る』が導出される。置き換えルール4の置換パターンには付属語が定義されていないので、この『走る』が変換後文字列として設定される。
以下も同様に、置き換えルール5が適用される場合には、活用形設定ルールA4が適用されて、変換後文字列中の自立語「走り」が連体タ形の表記『走った』に変換され、これが変換後文字列に設定される。また、置き換えルール6が適用される場合には、活用形設定ルールA5が適用されて、変換後文字列中の活用語「走り」が連用テ形の表記『走って』に変換され、これが変換後文字列に設定される。
置き換えルール7が適用される場合には、活用形設定ルールA3が適用されて、未然形の表記として『走ら』が導出される。さらに、この表記に置き換えルール7の置換パターンに定義されている付属語『ない』が組み合わせられて、変換後文字列として『走らない』が設定される。
図9は、カ行変格活用の動詞「来る」の連用形を用いた文字列「来ませんか?」を変換対象文字列とした場合の変換処理の例を示す。
図5には記載していないが、カ行変格活用の動詞の連用形にも、置き換えルール1〜7と同内容の置き換えルールが設定されている。図9では、これらの置き換えルールのID番号を101〜107とし、変換対象文字列「来ませんか?」に対し、置き換えルール101,102,104,105,106,107が抽出されているものとする。
図6の活用形テーブル115によれば、置き換えルール101,102が適用される場合には、活用形設定ルールB2に基づき連用形の活用形『来(き)』が導出され、これに付属語が組み合わせた文字列『来ます』『来ません』が変換後文字列に設定される。また置き換えルール104が適用される場合には、活用形設定ルールB1に基づき終止形の『来る』が導出され、これがそのまま変換後文字列に設定される。
置き換えルール105が適用される場合には、活用形設定ルールB4に基づき連体タ形の表記『来た』が導出され、これが変換後文字列に設定される。置き換えルール106が適用される場合には、活用形設定ルールB5に基づき連用テ形の『来て』が導出され、これが変換後文字列に設定される。置き換えルール107が適用される場合には、活用形設定ルールB3に基づき未然形の『来(こ)』が導出され、これに置き換えルール107に定義されている付属語の『ない』を組み合わせた文字列『来ない』が変換後文字列に設定される。
上記の各例に示すように、この実施例では、活用パターンおよび活用形の組み合わせ毎に複数の置き換えルールが設定され、さらに各種活用形について、具体的な表記を導出するための活用形設定ルールが個別に定められているので、変換の際に文法上の誤りが生じるおそれがない。よって、受信メールとは異なる表現による文字列を複数辞書データに設定することが可能になるから、活用語に対する返信自動学習機能を高めることが可能になる。
なお、この実施例では、言い回し置換テーブル114では、置き換え後の文字列の活用形を定義するにとどめ、活用形の具体的な表記を導出するためのルールを活用形テーブル115に格納したが、これに限らず、全てのルールを言い回し置換テーブル114に統合してもよい。
また、この実施例では、変換対象文字列の活用形と付属語との組み合わせに基づいて、使用する置き換えルールを限定したが、この限定の範囲は、定義、変更が可能であり、変換対象文字列の活用形パターンに対応する全ての置き換えルールを用いて変換処理を行ってもよい。たとえば、図8の例では、置き換えルール3を使用していないが、これも使用して『走りましょう』という変換後文字列を作成することも可能である。
また、上記の実施例では、動詞を例にして、変換に用いられるルールや変換処理を説明したが、形容動詞や形容詞に関しても同様に、それぞれの品詞に応じた活用パターン毎に変換のルールを設定して、返信自動学習用の辞書データを作成することができる。
ここで、返信自動学習処理部104により実行される処理の概略手順について、図10のフローチャートを用いて説明する。
この処理では、まず、返信自動学習用辞書112を初期化し(ステップS1)、形態素解析部105に、処理対象の受信メールに対する形態素解析を実行させる(ステップS2)。
形態素解析により、受信メールから所定数の文節が抽出されると、以後は、未処理の文節がなくなるまで、各文節に順に着目してステップS3〜S7を実行する。具体的に、このループでは、未処理の文節の中の先頭の文節を抽出し、この文節の文字列を変換対象文字列に設定し(ステップS4)、この変換対象文字列を用いて辞書データを作成する(ステップS5)。さらに、作成された辞書データを返信自動学習用辞書112に登録する処理を実行する(ステップS6)。
最後に、変換対象文字列の文節を処理済みに設定し(ステップS7)、ステップS3に戻る。
全ての文節に対して上記の処理が実行され(ステップS3が「NO」)、返信自動学習用辞書112に辞書データが格納されると(ステップS8が「YES」)、返信自動学習処理部104は、返信自動学習辞書112を有効に設定する(ステップS9)。この有効設定処理により、以後は、返信メールの作成画面での読み文字列の組み立てに応じて、予測変換用辞書111および返信自動学習用辞書112の両方を対象にした検索処理により、変換候補が抽出されることになる。なお、返信メールの作成が終了すると、返信自動学習用辞書112は無効化される。
返信自動学習用辞書112に辞書データが全く格納されなかった場合(ステップS8が「NO」)には、返信自動学習用辞書112を有効に設定せずに処理を終了する。この場合には、返信メールの作成処理では、予測変換用辞書111のみを対象にした検索処理により変換候補が抽出される。
なお、辞書データが格納されない例としては、受信メールにテキストデータが含まれていない場合(たとえば、画像が添付されているだけのメール)が考えられる。
つぎに、上記ステップS5の辞書データの生成処理の詳細について、図11を用いて説明する。
この実施例では、作業用メモリ13に辞書データリストを格納するファイルを設定しており、ステップS11では、この辞書データリストを初期化する処理(前回の処理で生成されたリストをクリアする処理)を実行する。つぎに、変換対象文字列に含まれる自立語の品詞情報を確認し(ステップS12)、自立語が活用語であれば(ステップS13が「YES」)、ステップS14〜S18のループを実行する。
ステップS14では、変換対象文字列により言い回し置換テーブル114を検索する。
この検索では、変換対象文字列の活用語の活用パターンおよび活用形、ならびに付属語により、テーブル中の各置き換えルールの活用形の情報や付属語パターンを照合する。この結果、変換対象文字列に適合する置き換えルールが見つかると(ステップS15が「YES」)、その置き換えルールを用いて変換対象文字列を変換する処理を実行する(ステップS16)。
ステップS16に関しては、図12に詳細な手順を示しており、以下、この図12を用いて説明する。
この変換処理では、変換対象文字列の品詞情報および活用語の語幹の末尾の読み、ならびにステップS14の検索により見つけた置き換えルール内の置換パターンの活用形を組み合わせたものを、検索キーに設定する(ステップS21)。そして、活用形テーブル115から当該検索キーに適合する活用形設定ルールを読み出す(ステップS22)。
つぎのステップS23では、読み出した活用形設定ルールを変換対象文字列の活用語に適用して、置き換えルールの定義に応じた活用形を表す文字列およびその読みを導出する。さらに、上記の置き換えルール内の置換パターンに付属語が定義されているか否かをチェックし、定義されている場合(ステップS24が「YES」)には、ステップS23で導出した活用形にその付属語を組み合わせたものを変換後文字列に設定する(ステップS25)。さらに、活用形の読みに付属語の読みを加えたものを、変換後文字列の読みに設定する(ステップS26)。
上記に対し、置換パターンに付属語が定義されていない場合(ステップS24が「NO」)には、ステップS23で導出された活用形のみを変換後文字列に設定し(ステップS27)、その活用形の読みを変換後文字列の読みに設定する(ステップS28)。
図11に参照を戻して説明を続ける。ステップS21〜S28の処理を含むステップS16が実行されることにより、変換対象文字列は、置き換えルールの定義に適合する表記の変換後文字列に変換される。ステップS17では、この変換処理に用いた置き換えルールに含まれる標準優先度および使用頻度を加算する演算により優先度を算出する。ステップS18では、上記の変換後文字列およびその読み、優先度、ならびに変換処理に用いられた置き換えルールのID番号を組み合わせたものを、辞書データとして辞書データリストに格納する。
この後は、再びステップS14に戻り、さらに変換対象文字列に適合する置き換えルールを探す処理を実行する。適合する置き換えルールが見つかれば、その置き換えルールを用いた変換処理(ステップS16)および優先度の算出処理(ステップS17)を実行し、さらに、これらの結果に基づく辞書データを生成して辞書リストに格納する処理(ステップS18)を実行する。言い回し置換テーブル114には、活用パターンおよび活用形の組み合わせ毎に、複数の置き換えルールが設定されているので、上記のループを置き換えルールが抽出できない状態になるまで(ステップS15が「NO」となるまで)実行することにより、辞書データリストに複数の辞書データを格納することができる。
変換対象文字列の自立語が活用語でなかった場合(ステップS13が「NO」)には、その自立語を読みとともに辞書データリストに格納する(ステップS19)。これにより、名詞などの非活用語についても、その単語による辞書データに設定することが可能になる。
つぎに、上記の図10〜12に示した処理により作成された辞書データを、変換候補として抽出する場合の処理について説明する。
図11を参照して説明したように、活用語を含む変換対象文字列から導出された辞書データには、それぞれ変換に用いられた置き換えルールに設定されている標準優先度と使用頻度とを加算した値が優先度として設定される。この辞書データが格納された返信自動学習用辞書112が有効に設定されると、候補抽出部103は、読みを構成する仮名文字の入力に応じて読み文字列が組み立てられる都度、予測変換用辞書111および返信自動学習用辞書112の双方を対象にした検索処理を実行するが、このとき、候補抽出部103は、返信自動学習用辞書112から抽出された変換候補の優先度に所定量の重みを加算する。これにより、返信自動学習用の辞書112から抽出された変換候補を、予測変換用辞書111から抽出された変換候補よりも優先して表示することが可能になる。
たとえば、図3に示した返信メールの作成画面には、図8に示した変換処理により生成された6個の変換後文字列が全て表示されている。特に、置き換えルール1から導出された『走ります』や、置き換えルール2から導出された『走りません』は、それぞれ対応する標準優先度や使用頻度が他のものより高く、これに上記の重みが加算されたことにより、第1位および第2位に表示されている。
このような候補表示制御により、ユーザが受信メール中の活用語に関連する表現を入力する場合の利便性が高められ、効率良く、入力対象の文字列を確定することが可能になる。
さらにこの実施例では、返信自動学習用辞書112から抽出された変換候補が選択され、確定された場合には、その変換候補の文字列に作成された置き換えルールの使用頻度を更新するようにしている。この更新処理は、制御処理部101から確定された変換候補の連絡を受けた返信自動学習処理部104により実施される。
上記のように選択された変換候補の作成に用いられた置き換えルールの使用頻度を更新することにより、以後の自動学習処理で再び同じ置き換えルールを用いて辞書データが作成された場合には、その辞書データに前回よりも高い優先度を設定することができる。よって、使用頻度の高い置き換えルールによる変換候補が上位に設定されやすい状態を設定することができる。
ただし、上記の更新処理では、選択された変換候補の活用語とは異なる活用パターンの単語にまで、選択の効果を及ぼすことはできない。つぎに説明する実施例は、この問題を解決し、活用パターンの違いに関わらず、過去に選択された変換候補に類似する観念の表現を表す変換候補が優先して表示されるようにすることを、目的とする。
この実施例では、上記の目的を達成するために、言い回し置換テーブル114を、図13に示すように構成する。この言い回し置換テーブル114の置き換えルールには、図5に示したものと同様の定義が設定されるほか、類似IDおよび相反IDが登録される。類似IDは、他の置き換えルールのうちで置換パターンの観念が類似するルールのID番号であり、相反IDは、他の置き換えルールのうち置換パターンの観念が相反するルールのID番号である。
図13の例によれば、置換パターンに付属語として丁寧な表現(「ます」「ません」「ましょう」)が設定されている置き換えルール1,2,3,101,102,103の間では、それぞれのID番号が相互に類似IDとして登録されている。一方、置き換えルール7,107には、置き換えルール2および102の置換パターンに概念は類似する(否定的な表現)が、丁寧ではない表現の置換パターンが設定されているため、置き換えルール7,107のID番号は、置き換えルール2,102に相反IDとして登録されている。同様に、置き換えルール7,107にも、置き換えルール2,102の各ID番号が相反IDとして登録されている。
なお、類似ID、相反IDの設定の態様は図13の例に限定されるものではない。
図13の構成の言い回し置換テーブル114を用いて返信自動学習用の辞書データが作成され、その辞書データが変換候補として表示され、選択された場合には、返信自動学習処理部104は、使用頻度を更新する処理として、図14に示す処理を実行する。
図14を参照して具体的な手順を説明する。
まず、最初のステップS51では、選択された変換候補を確定する処理を行った制御処理部101からの連絡に基づき、この変換候補の作成に用いられた置き換えルールのID番号を取得する。なお、このID番号を取得できるのは、辞書データを作成したときに当該辞書データに含められたID番号(図11のステップS18を参照。)が変換候補に引き継がれたことによる。
上記のID番号を取得すると、返信自動学習処理部104は、このID番号の置き換えルールを対象に、使用頻度をインクリメントする処理を実行する(ステップS52)。さらに、この置き換えルールに類似IDが設定されている場合(ステップS53が「YES」)には、類似IDに対応する置き換えルールの使用頻度をインクリメントする(ステップS54)。また、当該置き換えルールに相反IDが設定されている場合(ステップS54が「YES」)には、相反IDに対応する置き換えルールの使用頻度をディクリメントする(ステップS55)。
なお、類似IDや相反IDが複数設定されている場合には、ステップS53やS55では、各IDに対応する置き換えルール毎に、使用頻度のインクリメントまたはディクリメントを実行する。
上記の処理によれば、活用語に対する返信自動学習処理により作成された辞書データを変換候補として表示する場合には、その変換候補の作成に利用された置き換えルールが過去に利用されたか否かに関わらず、ユーザが好んで選択する表現に類似する観念を表す変換候補を、優先して表示することが可能になる。したがって、活用パターンの種別を問わず、ユーザの好みの表現に適合する変換候補が上位に表示されるようになるので、候補の選択操作が容易になり、操作性を向上することができる。
なお、図13,14の例では、選択された変換候補の作成に用いられた置き換えルールに観念が類似する置き換えルールの使用頻度を上昇させると共に、観念が相反するルールの使用頻度を減少させたが、後者の処理は必ずしも必要ではない。また、使用頻度の更新の単位も一度ずつに限らず、複数度数を一単位として更新してもよい。
1 携帯電話
2 表示部
3 操作部
10 制御部
11 CPU
12 主メモリ
13 作業メモリ
20 候補表示欄
31 文字キー
100 文字入力システム
101 制御処理部
102 読み文字列組立部
103 候補抽出部
104 返信自動学習処理部
105 形態素解析部
112 返信自動学習用辞書
113 形態素解析用辞書
114 言い回し置換テーブル
115 活用形テーブル
200 メーラー

Claims (5)

  1. 電子メールの送信および受信を行う機能を具備するコンピュータに、文字を入力する操作に応じて送信対象のメールに前記操作に応じた文字列を入力する処理を実行させるためのプログラムであって、
    複数種の活用パターンについて、それぞれそのパターンの活用形による表現を他の表現に置き換えるための変換ルールとして、置き換え前の活用形と付属語との組み合わせに置き換え後の活用形と付属語との組み合わせを紐付けた構成の変換ルールを記憶する変換ルール記憶手段、
    前記変換ルールの適用により作成される変換後文字列を保存するための変換後文字列記憶手段、
    受信したメールの1つに対する形態素解析を実行する形態素解析手段、
    受信したメールの1つに対する返信を指示する操作が行われたことに応じて、前記形態素解析手段に返信対象のメールに対する形態素解析を行わせた後、この形態素解析により抽出された活用語を含む文節を文節毎に処理対象として、処理対象文節の文字列中の活用語の活用パターンおよびその活用形と処理対象文節中の付属語との組み合わせにより前記変換ルール記憶手段を検索して当該組み合わせに適合する変換ルールを抽出するステップと、抽出された変換ルールに設定されている置き換え後の活用形と付属語との組み合わせを処理対象文節に適用して変換後文字列を作成するステップとを各処理対象文節に対して実行し、作成された変換後文字列を前記返信を指示する操作に対する返信用メールの作成画面が立ち上げられている間に限り有効になるようにして、当該変換後文字列の読みに対応づけて前記変換後文字列記憶手段に保存する学習処理手段、
    前記返信を指示する操作に応じて立ち上げられた返信用メールの作成画面に対して入力対象の文字列の読みを入力する操作が行われたとき、前記変換後文字列記憶手段に有効な状態で保存されている変換後文字列を対象に前記入力された読みを用いた検索を実行し、読みが適合する変換後文字列を変換候補として抽出する候補抽出手段、
    前記候補抽出手段により抽出された変換候補を含む候補表示欄を前記返信用メールの作成画面に表示する候補表示手段、
    前記候補表示欄に表示された変換候補の1つを選択する操作に応じて、選択された変換候補の文字列を前記返信用メールへの入力文字列として確定する入力文字列確定手段、
    の各手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とする、文字入力用のプログラム。
  2. 前記学習処理手段は、前記受信したメールの1つに対する返信を指示する操作に応じて前記変換後文字列記憶手段をクリアした後に各処理対象文節に対する処理を実行し、
    前記候補抽出手段は、前記返信を指示する操作に応じてクリアされた後の変換後文字列記憶手段を対象にした検索を実行する請求項1に記載された文字入力用のプログラム。
  3. 請求項1または2に記載されたプログラムにおいて、
    前記変換ルール記憶手段が記憶する各変換ルールには、それぞれその変換ルールの使用頻度を示す情報が含まれると共に、前記候補表示手段により変換候補として表示された変換後文字列が前記入力文字列確定手段により返信用メールへの入力文字列として確定されたときに、確定した文字列への変換に用いられた変換ルールの使用頻度を更新する使用頻度更新手段として前記コンピュータを機能させるプログラムが、さらに含まれており、
    前記候補表示手段は、前記候補抽出手段により複数の変換後文字列が抽出されたとき、これらの変換後文字列の表示順序を、それぞれの文字列への変換に用いられた変換ルールの使用頻度を用いて決定する、文字入力用のプログラム。
  4. 請求項3に記載されたプログラムにおいて、
    前記変換ルール記憶手段が記憶する各変換ルールは、変換処理の観念が類似するもの毎に紐付けられており、
    前記使用頻度更新手段は、前記入力文字列確定手段により確定された文字列への変換に用いられた変換ルールの使用頻度とともに、この変換ルールに紐付けられている変換ルールの使用頻度を更新する、文字入力用のプログラム。
  5. 電子メールの送信および受信を行う送受信部と、仮名文字が割り当てられたキーを複数含む操作部と、電子メールの文書の作成画面を表示するための表示部とを具備する通信端末装置において、
    複数種の活用パターンについて、それぞれそのパターンの活用形による表現を他の表現に置き換えるための変換ルールとして、置き換え前の活用形と付属語との組み合わせに置き換え後の活用形と付属語との組み合わせを紐付けた構成の変換ルールを記憶する変換ルール記憶手段、
    前記変換ルールの適用により作成される変換後文字列を保存するための変換後文字列記憶手段、
    受信したメールの1つに対する形態素解析を実行する形態素解析手段、
    受信したメールの1つに対する返信を指示する操作が行われたことに応じて、前記形態素解析手段に返信対象のメールに対する形態素解析を行わせた後、この形態素解析により抽出された活用語を含む文節を文節毎に処理対象として、処理対象文節の文字列中の活用語の活用パターンおよびその活用形と処理対象文節中の付属語との組み合わせにより前記変換ルール記憶手段を検索して当該組み合わせに適合する変換ルールを抽出するステップと、抽出された変換ルールに設定されている置き換え後の活用形と付属語との組み合わせを処理対象文節に適用して変換後文字列を作成するステップとを各処理対象文節に対して実行し、作成された変換後文字列を前記返信を指示する操作に対する返信用メールの作成画面が立ち上げられている間に限り有効になるようにして、当該変換後文字列の読みに対応づけて前記変換後文字列記憶手段に保存する学習処理手段、
    前記返信を指示する操作に応じて立ち上げられた返信用メールの作成画面に対して入力対象の文字列の読みを入力する操作が行われたとき、前記変換後文字列記憶手段に有効な状態で保存されている変換後文字列を対象に前記入力された読みを用いた検索を実行し、読みが適合する変換後文字列を変換候補として抽出する候補抽出手段、
    前記候補抽出手段により抽出された変換候補を含む候補表示欄を前記返信用メールの作成画面に表示する候補表示手段、
    前記候補表示欄に表示された変換候補の1つを選択する操作に応じて、選択された変換候補の文字列を前記返信用メールへの入力文字列として確定する入力文字列確定手段、
    の各手段を具備する、通信端末装置。
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