JP5572718B2 - 乳癌を処置するための方法 - Google Patents
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Description
本願は、仮出願第61/293,612号(2010年1月8日出願)の35 U.S.C. § 119(e)下の利益を主張し、その内容がその全体において参照により本明細書において組み入れられる。
配列リストを本明細書と同時に提出する。
本開示は、とりわけ、プロガストリンについて特異的な抗体を含む組成物を投与することにより乳癌及びその再発を処置及び防止する方法に向けられる。
数十年の基礎及び臨床研究にもかかわらず、乳癌は、主に女性に影響を及ぼす(男性もこの疾患と診断されるが)最も致命的な非伝染性疾患の1つのままである。世界保健機関の国際がん研究機関のGLOBOCANプロジェクトによれば、2008年に乳癌の発生は140万近くであり、同年に45万を超える女性がこの疾患により殺されたと推定された。多くのことが、近年、乳癌が分子レベルでどのように作用するかについて学ばれてきたが、臨床医は、依然として、一世代前の癌専門医が精通してきたであろう治療様式(例えば手術、放射線、ホルモン治療、及び化学療法など)に頼っている。早期診断が、画像テクノロジー及び分子診断における進歩(任意の処置の成功における大きな要因)により可能になった。全てのこれらの処置の効力が長年にわたり改善されてきたが、治癒率における改善及び寿命における増加は漸進的である。分子腫瘍学における革命に起因する新たな標的治療さえ、大半の部分について、適度にだけ転帰を改善してきた。例えば、ハーセプチン(登録商標)は、HER2受容体を標的とし、腫瘍がHER2陽性である乳癌を有する女性の20〜25%だけに効果的である。
プロガストリンに特異的に結合する抗体を含む組成物の治療に効果的な量を投与することにより、プロガストリン感受性乳癌のための処置を必要とする患者を処置するための方法を提供する。一部の実施態様において、乳癌は転移性であり、骨、肺、肝臓、又は脳に広がっている。他において、乳癌は原発性乳癌である。多数の実施態様において、組成物の抗体は、プロガストリン感受性乳癌細胞の増殖を低下させる又は細胞死の率を増加させる、乳癌転移の平均数又はサイズを低下させる、あるいは処置された患者においてプロガストリンの血中濃度を低下させるために効果的である。
7.1. 乳癌
女性の***の大半の癌は、母乳を産生する腺又は小葉から母乳を運ぶ役割を果たす腺管の内側を覆う細胞中で開始する。そのような乳癌は腺管癌として言及される。他の乳癌は小葉の内側を覆う細胞中で開始し、小葉癌と呼ばれる。少数の乳癌が、***を含む他の組織(間質を含む)中で開始し、それは、腺管及び小葉、リンパ管、ならびに血管周囲の脂肪及び結合組織である。
転移は、癌が広がるプロセスを指す。簡単には、腫瘍細胞は、原発腫瘍を離れ、血液循環又はリンパ系を介して新たな組織部位へ移動し、二次腫瘍を形成する。新たな組織部位の腫瘍は転移性腫瘍として言及され、典型的には、原発腫瘍の供給源を同定する。例えば、他の組織に広がっている乳癌は、二次性の転移性腫瘍の組織部位にもかかわらず、「転移性乳癌」として言及される。乳癌が転移する最も共通の臓器は骨、肺、肝臓、又は脳であるが、しかし、乳癌は他の臓器にも広がりうる。
乳癌の再発は、乳癌を見かけ上消失させた処置の後での乳癌の戻りとして定義される。戻りの乳癌が最初の癌と同じ場所にある、又はそれに非常に近接している場合(例、同じ***における又は***切除術の瘢痕の近く)、それは局所再発として公知である。反対側の***において見出される癌は、再発ではなく、新たな癌であると考えられる。戻りの乳癌が、最初の癌の場所の近くのリンパ節又は組織において成長する場合、それは局所再発として公知であり、戻りの乳癌が、最初の癌の場所から遠い臓器又は組織に転移した場合、それは遠隔再発として公知である。
固形腫瘍は必ずしも均質な組織ではない。むしろ、一部の腫瘍は、別々の表現型特性及び機能特性を有する複数の異常な細胞型を含む。この点において、そのような腫瘍は異常な臓器に類似する。固形腫瘍を含む細胞の間での1つの重要な違いは、同じ宿主中の新たな部位に、又は同じもしくは異なる種の新たな宿主に移植した場合に新たな腫瘍の形成を開始することが可能である範囲である。この特性を有する細胞は、腫瘍又は癌を開始する細胞、又は、あるいは、腫瘍又は癌幹細胞として公知である。対照的に、腫瘍を構成する他の細胞は、より多くの細胞が使用される場合でさせ、移植後の新たな腫瘍を開始する潜在力はずっと低い。1つの非限定的な例において、癌幹細胞の表現型を有する乳癌細胞株に由来する100倍少ない細胞が、幹細胞の表現型を欠く同じ細胞株からの細胞と比較して、マウスにおいて新たな腫瘍を形成することができた。Gupta, P.B., et al., "Identification of selective inhibitors of cancer stem cells by high-throughput screening," Cell, 13864-659 (2009).また、Filmore, C.M. and C. Kuperwasser, "Human breast cancer cell lines contain stem-like cells that self-renew, give rise to phenotypically diverse progeny and survive chemotherapy," Br. Cancer Res., 10: R25 (2008)を参照のこと。
放射線及び/又は化学療法剤に対して増強した抵抗性を示す癌幹細胞の特性を伴う腫瘍細胞が同定されている。異なる分子機構が、放射線又は化学療法剤に対する癌幹細胞の抵抗性を説明するために提案されている。例えば、特定の癌幹細胞が遺伝毒性傷害後にそれらのDNAをより容易に修復することができうるのに対し、他の癌幹細胞は、高レベルの抗アポトーシスタンパク質又はそのような細胞に入る化学療法剤を除去するために効果的な分子ポンプを発現すると報告されている。Eyler, C.E., and J.N. Rich, J. Clin.Oncol., 26:2839-2845 (2008)。癌幹細胞が前駆細胞よりも遅く増殖することも、また、塊の腫瘍細胞を殺しうる放射線及び毒性化学療法剤への暴露を生き残る幹細胞の比較の能力を説明しうる。
実施例においてさらに詳細に記載する通り、出願者らは、驚くべきことに、ガストリン遺伝子(GAST)が、3つの異なるヒト転移性乳癌細胞株MCF−7細胞、MDA−MB231細胞、及びT47D細胞において、コントロール細胞株と比較して、様々なレベルで発現していることを発見している。インビトロ実験からのデータに関連して、出願者らは、また、驚くべきことに、ガストリン遺伝子がヒト乳癌患者から得られた105個の原発性乳癌の内からの27個で及び25個の転移性乳癌の内の7個で、様々なレベルで発現していることを発見した。
本明細書に開示する方法及びキットにおいて有用な抗体は、ガストリン遺伝子の他の産物を上回りヒトプロガストリンに特異的に結合するものである。図13に例証する通り、ガストリン遺伝子は、101アミノ酸ポリペプチド(プレプロガストリンと呼ばれる)に翻訳され、それは、切断されて、プロガストリン(80アミノ酸ポリペプチド)を生じるシグナル配列(下線)を含む。プロガストリンは、順に、切断されて、34アミノ酸産物(配列において、プロガストリンの残基38−71に対応する)を生成し、それは、次に、グリシン残基を用いてそのカルボキシ末端で伸長されて、グリシン伸長G34(「G34−Gly」)を生成する。この切断の副産物は、6アミノ酸ペプチド(C末端隣接ペプチド、又はCTFPと呼ばれる)であり、それは、配列において、プロガストリンの残基75−80に対応する。G34−Glyは、次に、さらに切断されて、配列において、プロガストリンの残基55−71に対応し、G17−Glyとして言及される17残基ポリペプチドを生成する。G34−Gly及びG17−GlyのC末端グリシンの除去、それに続くC末端アミド化は、それぞれG34及びG17をもたらし、それらの両方がC末端アミド化されている。
(a)配列において、MAb1、MAb2、MAb3、MAb4、MAb15、MAb16、MAb17、MAb18、MAb19、又はMAb20のVL CDRに対応するVL CDR、及び、配列において、MAb1、MAb2、MAb3、MAb4、MAb15、MAb16、MAb17、MAb18、MAb19、又はMAb20のVH CDRに対応するVH CDRを有する抗体;
(b)配列において、MAb1、MAb2、MAb3、MAb4、MAb15、MAb16、MAb17、MAb18、MAb19、又はMAb20のVL及びVH CDRに対応するVL CDR及びVH CDRを有する抗体;
(c)抗体、それにおいて:
(i)VL CDR 1はQSIVHSNGNTY(「VL CDR 1.3」;配列番号4)、QSLVHSSGVTY(「VL CDR 1.4」;配列番号10)、QSLLDSDGKTY(「VL CDR 1.16」;配列番号50)、及びSQHRTYT(「VL CDR 1.19」;配列番号51)より選択される;
(ii)VL CDR2はKVS(「VL CDR 2.3」及び(「VL CDR 2.4」;配列番号5)、LVS(「VL CDR 2.16」;配列番号53)、及びVKKDGSH(「VL CDR 2.19」;配列番号54)より選択される;
(iii)VL CDR3はFQGSHVPFT(「VL CDR 3.3」;配列番号6)、SQSTHVPPT(「VL CDR 3.4」;配列番号11)、WQGTHSPYT(「VL CDR 3.16」;配列番号57)、及びGVGDAIKGQSVFV(「VL CDR 3.19」;配列番号58)より選択される;
(iv)VH CDR1はGYIFTSYW(「VH CDR 1.3」;配列番号1)、GYTFSSSW(「VH CDR 1.4」;配列番号7)、GYTFTSYY(「VH CDR 1.16」;配列番号39)、及びGYSITSDYA(「VH CDR 1.19」;配列番号40)より選択される;
(v)VH CDR2はFYPGNSDS(「VH CDR 2.3」;配列番号2)、FLPGSGST(「VH CDR 2.4」;配列番号8)、INPSNGGT(「VH CDR 2.16」;配列番号43)、及びISFSGYT(「VH CDR 2.19」;配列番号44)より選択される;及び
(vi)VH CDR3はTRRDSPQY(「VH CDR 3.3」;配列番号3)、ATDGNYDWFAY(「VH CDR 3.4」配列番号9)、TRGGYYPFDY(「VH CDR 3.16」;配列番号47)、及びAREVNYGDSYHFDY(「VH CDR 3.19」;配列番号48)より選択される;
(d)配列において、MAb1、MAb2、MAb3、MAb4、MAb15、MAb16、MAb17、MAb18、MAb19、又はMAb20のVLに対応するVL、及び、配列において、MAb1、MAb2、MAb3、MAb4、MAb15、MAb16、MAb17、MAb18、MAb19、又はMAb20のVHに対応するVHを有する抗体;及び
(e)配列において、MAb1、MAb2、MAb3、MAb4、MAb15、MAb16、MAb17、MAb18、MAb19、又はMAb20のVL及びVHに対応するVL及びVHを有する抗体
を含む。
(a)配列において、MAb5、MAb6、MAb7、MAb8、MAb9、MAb10、MAb11、MAb12、MAb13、MAb14、MAb21、MAb22、又はMAb23のVL CDRに対応するVL CDR、及び、配列において、MAb5、MAb6、MAb7、MAb8、MAb9、MAb10、MAb11、MAb12、MAb13、MAb14、MAb21、MAb22、又はMAb23のVH CDRに対応するVH CDRを有する抗体;
(b)配列において、MAb5、MAb6、MAb7、MAb8、MAb9、MAb10、MAb11、MAb12、MAb13、MAb14、MAb21、MAb22、又はMAb23のVL及びVH CDRに対応するVL CDR及びVH CDRを有する抗体;
(c)抗体、それにおいて:
(i)VL CDR1はKSLRHTKGITF(「VL CDR 1.8」;配列番号49)及び QSLLDSDGKTY(「VL CDR 1.13」;配列番号50)より選択される;
(ii)VL CDR2はQMS(「VL CDR 2.8」;配列番号52)及び LVS(「VL CDR 2.13」;配列番号53)より選択される;
(iii)VL CDR3はAQNLELPLT(「VL CDR 3.8」;配列番号55)及び WQGTHFPQT(「VL CDR 3.13」;配列番号56)より選択される;
(iv)VH CDR1はGFTFTTYA(「VH CDR 1.8」;配列番号37)及び GFIFSSYG(「VH CDR 1.13」;配列番号38)より選択される;
(v)VH CDR2はISSGGTYT(「VH CDR 2.8」;配列番号41)及び INTFGDRT(「VH CDR 2.13」;配列番号42)より選択される;及び
(vi)VH CDR3はATQGNYSLDF(「VH CDR 3.8」;配列番号45)及び ARGTGTY(「VH CDR 3.13」;配列番号46)より選択される;
(d)配列において、MAb5、MAb6、MAb7、MAb8、MAb9、MAb10、MAb11、MAb12、MAb13、MAb14、MAb21、MAb22、又はMAb23のVLに対応するVL、及び、配列において、MAb5、MAb6、MAb7、MAb8、MAb9、MAb10、MAb11、MAb12、MAb13、MAb14、MAb21、MAb22、又はMAb23のVHに対応するVHを有する抗体;及び
(e)配列において、MAb5、MAb6、MAb7、MAb8、MAb9、MAb10、MAb11、MAb12、MAb13、MAb14、MAb21、MAb22、又はMAb23のVL及びVHに対応するVL及びVHを有する抗体
を含む。
(a)本明細書に開示される任意の3つのVL CDR及び任意の3つのVH CDR;(b)配列番号21に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号22に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号23に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号24に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号75、77、及び79からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ならびに配列番号76及び78からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号80及び82からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ならびに配列番号81及び83からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号84、86、及び88からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ならびに配列番号85、87、及び89からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び
(g)配列番号90、92、及び94からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ならびに配列番号91、93、及び95からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域
を含む抗体を含む。
乳癌のための処置は、いくつかのカテゴリーに入る。
本開示は、転移性乳癌を処置及び防止し、乳癌の再発を防止し、及び乳癌幹細胞の成長を防止する目的のために、被験者に組成物中で抗PG抗体を投与することを含む治療方法を提供する。特定の実施態様において、抗体はヒトプロガストリン(「hPG」)について特異的であり、他の実施態様において、そのような抗体はモノクローナル抗体である。
上に記述する通り、原発性及び/又は転移性乳癌と診断された患者は、上昇したPGの血漿及び/又は血清レベルを有するのに対し、健常個人におけるPGのベースラインレベルは無視できる。原発性及び/又は転移性乳癌を伴う被験者におけるPG血漿及び/又は血清レベルを測定可能であり、転移性乳癌については約25pM又はそれより大きい。この観察に基づき、PGの血漿及び/又は血清レベルを使用して、とりわけ、原発性又は転移性乳癌の処置の有効性をモニターし、原発性又は転移性乳癌の存在を検出及び診断し、抗PG抗体を用いた処置から利益を得うる被験者を選択することができる。
本開示は、また、いずれの被験者がテストされうるのかの特定の実施態様を提供する。乳癌の存在あるいは処置後の乳癌の再発を検出する目的のために、適切なベースラインと比較して、被験者が体液(例えば血液、血漿、血清、又はその他など)において上昇したPGレベルを有するか否かを決定する。
本開示の方法における使用のための抗hPG抗体は、組成物として製剤化することができる。場合により、組成物は、1つ又は複数の追加の治療用薬剤(例えば、転移性乳癌又は乳癌の再発に対する治療的効力を伴う化学療法剤又は他の抗体など)を含むことができる。組成物は、医薬的に許容可能な担体を通例含む無菌の医薬的組成物の部分として通常供給される。この組成物は、患者にそれを投与する所望の方法に依存して、任意の適した形態でありうる。
特定の実施態様において、本発明は、臨床医又は他のユーザーによる使用のための医薬的キットを提供する。医薬的キットは、開示の抗hPG抗体(例、凍結乾燥形態又は水溶液のいずれか)及び以下の1つ又は複数を含むパッケージである:本開示において他に記載する少なくとも第2の治療用薬剤;抗hPG抗体を投与するためのデバイス(例、ニードル及び/又はシリンジ);及び抗体が凍結乾燥又は濃縮形態である場合、抗体を再懸濁又は希釈するための医薬品グレードの水又は緩衝液。キットは、また、抗体組成物を調製する及び/又は組成物を患者に投与するための指示を含みうる。
本開示の中和性抗hPG抗体を含む組成物は、一般的に、少なくとも部分的に所望の結果を達成するために効果的な投与量で、乳癌転移を処置又は防止するあるいは乳癌の再発を防止することを必要とする被験者に投与される。
実施例1:転移性乳癌細胞株におけるガストリン遺伝子の発現
8. 実施例
GAST mRNAの発現を、MCF−7、MDA−MB−231、及びT47D細胞株からのRNA調製物からの定量的RT−PCRを使用して定量化した。データを、SW480細胞株(高レベルのガストリンmRNAを発現することが公知である原発性結腸直腸癌細胞株)において見出されたmRNA発現レベルとの比較で表現する。
定量的RT−PCRにより測定されたガストリン遺伝子発現レベルを図1に示す。テストした全て3つの転移性乳癌細胞株は、SW480細胞における発現と比較して、およそ同じレベル又はそれ以下のレベルでガストリン遺伝子を発現した。翻訳後プロセシングを通じて、ガストリン遺伝子産物はプロガストリンに変換されうる。
この実施例では、患者から外科的に除去された原発性及び転移性乳癌におけるガストリン(GAST)遺伝子の発現を記載する。
原発性及び転移性乳癌を、適用可能な倫理ガイドラインに従って、異なる患者から外科的に切除した。RNAを癌サンプルから調製し、ガストリンmRNAを定量的RT−PCRにより測定した。臨床サンプルにおけるガストリンmRNAの発現を、MCF−7細胞における発現のレベルと比べて標準化した。
合計105個の原発性乳癌及び25個の転移性乳癌を、ガストリン遺伝子の発現についてテストした。プロガストリンmRNAが、テストした27個の原発腫瘍(図2)において及びテストした7個の転移性腫瘍(図3)において検出可能であった。このように、ガストリン遺伝子は、原発性及び転移性の両方の乳癌のサブセットにおいて発現し、発現のレベルは、ガストリン遺伝子の発現が検出可能である癌の間で変動する。
この実施例では、原発性及び転移性乳癌を伴う患者におけるプロガストリンの血液血漿レベルの定量化を記載する。
血液血漿プロガストリン濃度を、健常個人(コントロールとして)において、及び原発腫瘍が外科的に除去されている転移性乳癌を伴う42人の患者において、及び原発性乳癌を伴う3人の患者において測定した。合計104個の健常コントロールサンプルが血液バンクから得られた。
図4のボックスプロットは、健常コントロールと比較した、転移性乳癌を有する乳癌患者における25パーセンタイル、中央値、及び75パーセンタイル血液血漿プロガストリン濃度を示す。ウィスカーは、血液血漿プロガストリン濃度の5及び95パーセンタイルを示す。このデータは、原発性乳癌腫瘍を除去した転移性乳癌を伴う患者が、健常個人と比較して、より高い血液血漿プロガストリン濃度の中央値を有したことを実証する。データの統計分析が表4に含まれる。
この実施例では、培養中のMDA−MB−231細胞の成長に対する抗プロガストリンポリクローナル抗体の効果を記載する。
MDA−MB−231細胞を、6ウェルプレート中に、RPMI培地+10%FBS中に播種し(50,000個細胞/ウェル)、1日にわたりインキュベートし、次に、一晩、血清飢餓させた。3重で、培地を、次に、48時間にわたり1日2回、0.5%Pannexin Hを添加したRPMI培地(2μg/mlのコントロール抗体又は抗プロガストリンポリクローナル抗体を含む)を用いて交換した。コントロール抗体はポリクローナルウサギ抗ヒトIgG(Affinity BioReagents Ref #SA1-600、2μg/ml)であった。実験を2重で行い、技術者は、処理溶液の内容物に関して盲検化された。実験の終了時、各ウェルからの細胞を3回カウントした。
結果(図5に示す)を、実験の終了時での平均細胞数/ウェル−実験の開始時に播種した細胞数として算出した。データの統計分析が表5に含まれる。この実験の結果は、抗プロガストリンポリクローナル抗体が、コントロールポリクローナル抗体と比較して、インビトロでMDA−MB−231転移性乳癌細胞の成長を低下させるために効果的であることを実証する。
この実施例では、培養中のMDA−MB−231細胞の成長に対する抗プロガストリンモノクローナル抗体の効果を記載する。
MAb3及びMAb8を用いた第1実験において、MDA−MB−231細胞を、6ウェルプレート中に(50,000-150,000個細胞/ウェル)、RPMI培地+10% FBS中に播種し、8時間にわたりインキュベートし、次に、一晩血清飢餓させた。播種後24時間目に開始し(時間「T0」)、培地を48時間にわたり1日2回、0.5%Pannexin Hを添加したRPMI培地(1−10μg/mlの抗hPGモノクローナル抗体又はコントロールモノクローナル抗体(マウス抗ヒトIgG1)を含む)を用いて交換した。T0に、細胞の数を各実験について3つのウェル中でカウントした。48時間後、各ウェル中に生存している細胞の数を盲検様式で4回カウントした。T0での細胞数を48時間での細胞数から引き、データを、コントロール抗体を用いた処理で生き残った細胞の数と比べたパーセンテージとして標準化した。
実験の結果(図6及び図7に示す)は、5つの異なる抗hPG抗体MAb3、MAb8、MAb13、MAb16、及びMAb19が、コントロールモノクローナル抗体と比較して、インビトロでのMDA−MB−231転移性乳癌細胞の成長を阻害するために効果的であることを実証する。MAb8の阻害効果は用量反応性であった。MAb8及びMAb13がhPGのC末端エピトープを認識するのに対し、MAb3、MAb 16、及びMAb19は、各々、N末端エピトープを認識し、抗体中和活性が、標的エピトープがプロガストリンタンパク質のN末端又はC末端に位置づけられるか否かに依存していないことを実証する。
この実施例では、培養中のMCF−7細胞の成長に対する抗プロガストリンモノクローナル抗体の効果を記載する。
MCF−7細胞を6ウェルプレート中に播種し(100,000個細胞/ウェル)、10%ウシ胎児血清を含むDMEM中で8時間にわたり成長させた。細胞を一晩血清飢餓させ(播種後24時間目に開始する(時間T0))、細胞を、48時間にわたり12時間毎に、0.5% PanexinHの存在において、1μg/mlのコントロールモノクローナル抗体(マウス抗ヒトIgG1、Calbiochem Ref #411451)を用いて、又は1μg/mlの抗hPG MAb3を用いて処理した(示す通り)。コントロールMAb処理細胞及び抗hPG MAb処理細胞の両方における生細胞の数を、48時間目にカウントした。処理の開始時(T0)での細胞数を、48時間目に測定したテスト及びコントロール細胞数から引いた。技術者は、処理溶液の内容物に関して盲検化された。
結果(図8に示す)を、実験の終了時での平均細胞数/ウェル−実験の開始時に播種した細胞数として算出した。データの統計分析が表6に含まれる。この実験の結果は、抗プロガストリンモノクローナル抗体が、コントロール抗体と比較して、インビトロでMCF−7転移性乳癌細胞の成長を低下させるために効果的であることを実証する。
この実施例では、培養中のT47D細胞の成長に対する抗PGモノクローナル抗体の効果を記載する。
T47D細胞を6ウェルプレート中に播種し(50,000個細胞/ウェル)、10%ウシ胎児血清を含むRPMI中で8時間にわたり成長させた。細胞を一晩血清飢餓させ(播種後24時間目に開始する(時間T0))、細胞を、48時間にわたり12時間毎に、0.5% PanexinHの存在において、1μg/mlのコントロールモノクローナル抗体(マウス抗ヒトIgG1、Calbiochem Ref #411451)を用いて、又は1μg/mlの抗hPG MAb3を用いて処理した(示す通り)。コントロールMAb処理細胞及び抗hPG MAb処理細胞の両方における生細胞の数を、48時間目にカウントした。処理の開始時(T0)での細胞数を、48時間目に測定したテスト及びコントロール細胞数から引いた。技術者は、処理溶液の内容物に関して盲検化された。
結果(図9に示す)を、実験の終了時での平均細胞数/ウェル−実験の開始時に播種した細胞数として算出した。データの統計分析が表7に含まれる。この実験において、統計的な有意差は、コントロール抗体と比較して、抗プロガストリンモノクローナル抗体MAb3を用いた処理により、インビトロでのT47D細胞成長に対する効果において見出されなかった。
この実施例では、MDA−MB−231及びMCF7細胞株におけるガストリン遺伝子発現に対する、従来の組織培養条件及び低付着条件下での成長の効果を比較する。
MDA−MB−231及びMCF7細胞を従来の低付着培養条件下で成長させた。実験の開始時、30,000個の細胞を、従来の超低付着性75cm2フラスコ(Corning)において、MammoCult Proliferationサプリメント(StemCell # 05622)、5μg/mlインシュリン、0.5μg/mlヒドロコルチゾン、100U/mlペニシリン、及び100U/mlストレプトマイシンを伴うMammoCult Medium(StemCell #05621)中で成長させた。回収後、細胞を、RNA抽出前に、Accumax(Sigma)中で、37℃で45分間にわたり解離させ、その後、全RNAを標準的技術に従って抽出した。ガストリンmRNAを、定量的RT−PCRを使用して定量化した。データを、MDA−MB−435細胞(検出閾値をちょうど上回るガストリン遺伝子レベルを発現する)において決定したガストリンmRNAレベルと比較して表現する。
結果を図10に示す。MDA−MB−231細胞において、低付着培養条件下での成長は、従来の組織培養条件下での成長と比較して、そのような細胞におけるガストリンmRNAの量を増加させる。MCF7細胞において、ガストリン遺伝子発現は、従来の条件下で成長させた同じ型の細胞と比較して、低付着条件下で成長させた細胞において低下した。
この実施例では、そのような細胞を低付着培養条件下で成長させた場合でのMCF−7転移性乳癌細胞株のスフェロイドとしての成長に対する抗プロガストリンモノクローナル抗体の効果を記載する。
MCF−7細胞を、低付着培養プレート(500個細胞/ウェル)において、500μlの無血清Mammocult培地中に播種した。プレーティング後10日間にわたり毎日、抗hPGモノクローナル抗体(MAb8)又はコントロールモノクローナル抗体を毎日2回培養培地中に加えた(3μg/ml)。実験の終了時、抗hPG抗体及びコントロール抗体の存在において形成したスフェロイドの数をカウントした。実験を盲検様式で行った。
結果を図11に示し、それらは、低付着培養におけるスフェロイドとしてのMCF−7転移性乳癌細胞の成長が、非特異的コントロール抗体を用いた処理と比較して、抗hPGモノクローナル抗体MAb8を用いた処理により低下したことを実証する。
この実施例では、低付着培養条件下で成長させた場合でのMCF−7転移性乳癌細胞株のスフェロイドとしての成長に対する抗プロガストリンモノクローナル抗体を使用した前処理の効果を記載する。
細胞を、最初に、従来の付着性培養において、48時間にわたり、抗hPGモノクローナル抗体(MAb3)又はコントロールモノクローナル抗体の存在において成長させた。処理の終了時、500個細胞/ウェルを低付着24ウェルプレートにおいて500μlの無血清Mammocult培地中に蒔き、さらなる抗体処理を伴わず11日間にわたり成長させた。実験の終了時、1ウェル当たりの球の数をカウントした。
結果を図12に示し、それらは、抗hPGモノクローナル抗体MAb3を用いたMCF−7転移性乳癌細胞の前処理が、さらなる抗体処理を伴わずに低付着条件下で後に培養した場合にそのような細胞により形成されるスフェロイドの数を低下させるために効果的であったことを実証する。なぜなら、低付着条件下での培養は乳癌幹細胞の成長について選択するため、これらの結果は、PGに対する中和性抗体が、乳癌細胞の集団においてそのような幹細胞の数を低下させるために効果的であることを示す。さらに、特異的抗体を用いた前処理が、乳癌幹細胞の数を効果的に低下させたとの観察は、***腫瘍を抗hPG中和性抗体に曝露させることが、抗体がもはや存在しない後でさえ、幹細胞の腫瘍形成の低下に対して持続的な効果を有しうることを示唆する。
PGの血漿及び/又は血清レベルは、以下のアッセイを使用して便利に決定することができる。96ウェルマイクロタイタープレートを、0.5〜10μg/mlのC末端抗hPG抗体、例えば、ウサギC末端抗hPGポリクローナル抗体、又はC末端抗hPG抗体(本明細書に記載する)を用いてコーティングし、次に、一晩インキュベートする。プレートを、次に、PBS−Tween(0.05%)中で3回洗浄し、PBS−Tween(0.05%)中の2%(w/v)脱脂乾燥ミルクを用いてブロックする。別々に、テストサンプル、コントロールサンプル(ブランク又はPG陰性血漿又は血清サンプル)、及び約5pM(0.5×10−11M)〜約0.1nM(1×10−10M)のhPG参照基準(PG陰性血漿又は血清中で希釈した凍結乾燥hPG)を適切な希釈剤(例、PBS−Tween 0.05%)中で調製する。サンプルを、コーティングしたプレート上で2〜4時間にわたり37℃で、又は、あるいは、12〜16時間21℃でインキュベートする。インキュベーション後、プレートを、PBS−Tween(0.05%)を用いて3回洗浄し、0.001〜0.1μg/mlのN末端抗hPG抗体、例えば、ポリクローナルN末端抗hPG抗体又はN末端モノクローナル抗hPG抗体(本明細書に記載する)を用いてインキュベートし、21℃で30分間にわたり西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(Nakane et al., 1974, J. Histochem. Cytochem. 22(12): 1084-1091を参照のこと)に結合させる。プレートを次にPBS−Tween(0.05%)中で3回洗浄し、HRP基質を21℃で15分間にわたり加える。反応を、100μlの0.5M硫酸を加えることにより停止させ、光学密度測定値を405nmで取る。テストサンプルhPGレベルを、hPG参照基準に由来する測定値から構築された標準曲線との比較により決定する。
抗hPG抗体の特異性を、以下の通りにELISAアッセイを使用して便利に決定することができる。96ウェルプレートを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の適切な濃度のテストポリペプチド(例、25及び50ngの組換えヒトPG、ならびに50及び250ngのCTFP又は他のガストリン由来の遺伝子産物)を用いて4℃で一晩インキュベートした。その後、ウェルを、洗浄溶液(PBS及び0.1%Tween-20)を用いて3回洗浄し、次に1ウェル当たり100μlのブロッキング溶液(PBS、0.1%Tween-20、0.1%ウシ血清アルブミン又はカゼイン加水分解物)を用いて22℃で2時間にわたりインキュベートした。ブロッキング後、ウェルを3回洗浄し、アッセイする抗体(テスト抗体)を加える。100μlのPBS中のテスト抗体(0.3〜1ng/mL)及び0.1%Tween-20を各ウェルに加える。プレートを次に22℃で2時間にわたりインキュベートし、その後、テスト抗体溶液を捨て、洗浄工程(3×100μlの洗浄溶液、上に記述する通り)後、二次抗体、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合させたヤギ抗マウスIgG(Fc)抗体を含むブロッキング溶液を用いて置換する。二次抗体を用いた1時間のインキュベーション後、100μlの基質溶液(例、Fast OPD、又はO−フェニレンジアミン二塩酸塩、Sigma-Aldrich Co.から入手可能、製造者の指示に従って調製した)を各ウェルに加え、暗所で、22℃で20分間にわたりインキュベートした。反応は、50μlの4N硫酸を加えることにより停止させ、触媒された基質の量を、492nmでの光学密度(OD)を測定することにより決定する。基質変換は、抗原に結合した一次(テスト)抗体の量に比例する。実験を2重で実行し、OD測定値を抗原濃度の関数としてプロットする。テスト抗体は、測定されたODがhPGについて0.2〜1.5の間であり、CTFP又は他のガストリン遺伝子由来ペプチドのいずれかを用いて、バックグラウンドを上回る統計的に有意なシグナルがない場合、PGについて特異的であるとスコア化される(ここで、バックグラウンドはPBSだけを含むコントロールウェルからの平均シグナルである)。
特異的な抗hPG抗体が中和性であるか否かを評価するための特定のテストを、以下の通りに実行することができる。乳癌細胞を6ウェルプレート中に約50,000〜100,000個細胞/ウェルで播種する。細胞を、次に、テスト抗hPG抗体又はコントロール抗体を用いて、約10μg/mlの抗体濃度で48時間にわたり12時間間隔で処理する。テスト抗体は、テスト抗体を用いて処理した細胞の数が、コントロールの非特異的抗体を用いて処理した細胞の数と比較して、生存細胞の数における少なくとも10%の統計的に有意な低下を示す場合(両側マンホイットニー検定(差は、p<0.05の場合に有意と考えられる)を使用する)、アッセイにおいて中和性であるとして定義される。全細胞数は、処理期間の開始時での細胞数について補正され、T0として言及される。このアッセイにおける使用のための例示的な乳癌細胞は、しかし、限定しないが、MDA−MB−231細胞及びMCF7細胞を含む。
抗hPG抗体の親和性定数は、Proteon Technique(BioRad)を使用して、Nahshol et al., 2008, Analytical Biochemistry 383: 52-60(その全体において参照により本明細書により組み入れられる)に従って測定することができる。簡単には、マウス抗PG抗体について、抗マウスIgG抗体(50μg/ml)を最初にセンサーチップ上にコーティングし、抗体の注射後にチップにより検出されたシグナルが10,000〜11,500応答単位(RU)の間に入ることを確認する。目的のマウス抗hPG抗体(テスト抗体)を次に注射する(30μg/mlの典型的な濃度で)。テスト抗体が十分に結合する場合、少なくとも500RUの追加シグナルが観察される。テスト抗体とhPGの間での結合の時間経過を、次に、hPGの変動濃度、例えば、200nM、100nM、50nM、25nM、及び12.5nMを注射し、結合のレベルを検出することにより得る。典型的には、いくつかのチャンネルが、単一の実験において並行して複数の抗体をテストするために利用可能であり、hPGの異なる濃度で並行して単一のテスト抗体の結合をアッセイすることを可能にする。1つのチャネルを、非特異的結合についてのコントロールとして、hPGに特異的ではないマウスモノクローナル抗体を用いて注射すべきである。別のチャネルを、バックグラウンドシグナルについてのベースラインとして、希釈緩衝液単独を用いて注射すべきである。一般的に、結合は、非特異的マウス抗体を用いて注射したチャネルにおいて検出可能ではない。この設定において高レベルの結合を示す抗体は、hPGによる捕捉モノクローナル抗体の飽和をもたらしうるが、より低いhPG濃度(50nM、25nM、12.5nM、6.25nM、及び3.125nM)に対してテストすることができ、より洗練された測定を許す。
目的の抗体(テスト抗体)が、hPG結合について、ビオチン化参照抗hPG抗体と競合するか否かを評価するための特定のアッセイを、以下の通りに実施することができる。96ウェルプレートを、捕捉抗hPG抗体(ビオチン化参照抗hPG抗体により認識されるエピトープとは異なるhPGのN又はC末端領域を認識するポリクローナル又はモノクローナル抗体)を用いて、1〜10μg/mlの範囲内で選ばれる濃度で、4℃で一晩コーティングする(0.1〜1μg/ウェル)。22℃で2時間にわたるブロッキングバッファー(PBS中の0.1% Tween-20、0.1%BSA)を用いたブロッキング後、組換えhPGを、10pM〜1nM(10〜1000pg/ウェル)の間の範囲の濃度で加え、22℃で2時間にわたりインキュベートする。その後、ビオチン化参照抗hPG抗体(又はビオチン化参照抗hPG抗体を含む混合物)を、増加濃度の非標識テスト抗体濃度と共に加え、22℃で1時間にわたりインキュベートする。非結合抗体を除去するための洗浄後、結合した標識参照抗hPG抗体の検出を、混合物を、50ng/mlのストレプトアビジン(steptavidin)−HRPと22℃で1時間にわたりインキュベートすることにより実施し、西洋ワサビペルオキシダーゼ用の蛍光基質とのインキュベーション、及び、次に、ルミノメーターにおける相対的な光単位(RLU)の定量化が続く。アッセイを2重で実施した。
Ki=IC50/(1+([参照抗hPG Ab濃度] / KD参照抗hPG Ab))
式中、 「IC50」は、参照抗体の結合における50%低下をもたらすテスト抗体の濃度であり、KD参照抗hPG Abは参照抗hPG抗体の解離定数(hPGについてのその親和性の測定値)である。参照抗hPG抗体(例えば、本明細書に記載する抗hPG抗体の1つ)と競合する有用なテスト抗体は、典型的には、本明細書に記載するアッセイ条件下で10pM〜100nMの範囲のKisを有する。
Claims (22)
- 重鎖可変領域V H の相補性決定領域1(CDR1)がV H CDR 1.3(配列番号1)、CDR2がV H CDR 2.3(配列番号2)、CDR3がV H CDR 3.3(配列番号3)であり、かつ、軽鎖可変領域(V L )の相補性決定領域1(CDR1)がV L CDR 1.3(配列番号4)、CDR2がV L CDR 2.3(配列番号5)、CDR3がV L CDR 3.3(配列番号6)である抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体、
重鎖可変領域V H の相補性決定領域1(CDR1)がV H CDR 1.4(配列番号7)、CDR2がV H CDR 2.4(配列番号8)、CDR3がV H CDR 3.4(配列番号9)であり、かつ、軽鎖可変領域(V L )の相補性決定領域1(CDR1)がV L CDR 1.4(配列番号10)、CDR2がV L CDR 2.4(配列番号5)、CDR3がV L CDR 3.4(配列番号11)である抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体、
重鎖可変領域V H の相補性決定領域1(CDR1)がV H CDR 1.8(配列番号37)、CDR2がV H CDR 2.8(配列番号41)、CDR3がV H CDR 3.8(配列番号45)であり、かつ、軽鎖可変領域(V L )の相補性決定領域1(CDR1)がV L CDR 1.8(配列番号49)、CDR2がV L CDR 2.8(配列番号52)、CDR3がV L CDR 3.8(配列番号55)である抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体、
重鎖可変領域V H の相補性決定領域1(CDR1)がV H CDR 1.13(配列番号38)、CDR2がV H CDR 2.13(配列番号42)、CDR3がV H CDR 3.13(配列番号46)であり、かつ、軽鎖可変領域(V L )の相補性決定領域1(CDR1)がV L CDR 1.13(配列番号50)、CDR2がV L CDR 2.13(配列番号53)、CDR3がV L CDR 3.13(配列番号56))である抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体、
重鎖可変領域V H の相補性決定領域1(CDR1)がV H CDR 1.16(配列番号39)、CDR2がV H CDR 2.16(配列番号43)、CDR3がV H CDR 3.16(配列番号47)であり、かつ、軽鎖可変領域(V L )の相補性決定領域1(CDR1)がV L CDR 1.16(配列番号50)、V L CDR 2.16(配列番号53)、CDR3がV L CDR 3.16(配列番号57)である抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体、及び
重鎖可変領域V H の相補性決定領域1(CDR1)がV H CDR 1.19(配列番号40)、CDR2がV H CDR 2.19(配列番号44)、CDR3がV H CDR 3.19(配列番号48)であり、かつ、軽鎖可変領域(V L )の相補性決定領域1(CDR1)がV L CDR 1.19(配列番号51)、CDR2がV L CDR 2.19(配列番号54)、CDR3がV L CDR 3.19(配列番号58)である抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体からなる群より選択される抗ヒトプロガストリンモノクローナルを含む、乳癌の防止または再発の防止、または乳癌の処置において使用するための、組成物。 - 抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体が、MAb3、MAb4、MAb8、MAb13、MAb16、及びMAb19からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
- 乳癌が原発性乳癌または転移性乳癌である、請求項1または2記載の組成物。
- 組成物の投与が、***腫瘍の外科的切除の前またはその後にもたらされる、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
- 組成物の投与が、乳癌のための放射線治療の線量の投与の前またはその後にもたらされる、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
- 組成物の投与が、乳癌を処置するための化学療法剤の投与の前、それと同時、またはその後にもたらされる、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
- 組成物の投与が、乳癌を処置するためのホルモン治療剤の投与の前、それと同時、またはその後にもたらされる、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
- 組成物の投与が、プロガストリン以外に対する特異性を有する第2の治療用抗体の投与の前、それと同時、またはその後にもたらされる、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
- 第2の抗体が、EGFR、VEGF、及びHER2からなる群の中より選択される抗原に特異的に結合する、請求項8記載の組成物。
- 請求項1または2記載の抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体をヒト化した抗体を含む、乳癌の防止または再発の防止、または乳癌の処置において使用するための、組成物。
- 抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体が、0.001nM〜5000nMのプロガストリン結合親和性を有する、請求項1〜10のいずれか1項記載の組成物。
- 抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体が、N末端抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体である、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
- N末端抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体が、SWKPRSQQPDAPLG(配列番号25)の配列を有するペプチドを含む免疫原を認識する、請求項12記載の組成物。
- N末端抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体が、ヒトプロガストリンへの結合について、
(a)配列番号12の配列の重鎖可変領域、及び配列番号13の配列の軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体、
(b)配列番号61の配列の重鎖可変領域、及び配列番号65の配列の軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体、及び
(c)配列番号62の配列の重鎖可変領域、及び配列番号66の配列の軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体
から選択される対照抗体と競合する、請求項12記載の組成物。 - 抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体が、C末端抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体である、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
- C末端抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体が、QGPWLEEEEEAYGWMDFGRRSAEDEN(配列番号27)の配列を有するペプチドを含む免疫原を認識する、請求項15記載の組成物。
- C末端抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体が、ヒトプロガストリンへの結合について、
(a)配列番号59の配列の重鎖可変領域、及び配列番号63の配列の軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体、及び
(b)配列番号60の配列の重鎖可変領域、及び配列番号64の配列の軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体
から選択される対照抗体と競合する、請求項15記載の組成物。 - 抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体が0.001mg/kg〜250mg/kgの用量で投与される、請求項1〜17のいずれか1項記載の組成物。
- 抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体の用量を、複数の時間的に間隔を空けた投与にわたり投与する、請求項1〜18のいずれか1項記載の組成物。
- 乳癌幹細胞の成長の阻害のための請求項1〜19のいずれか1項記載の組成物。
- 患者において乳癌のための処置の効力をモニターするための方法であって、工程:(i)乳癌のための処置前に患者から得られた第1サンプルにおいてヒトプロガストリンの濃度を、請求項1に記載の抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体を用いて決定すること、及び、(ii)該第1サンプル中のヒトプロガストリンの濃度を、乳癌のための処置後に同じ患者から得られた第2サンプル中のそれと比較すること、ここで、該第1サンプルと比較した、該第2サンプル中のヒトプロガストリンの濃度の低下は、処置が効果的であったことを示す、
を含む、方法。 - 患者において乳癌を検出するための方法であって、工程:(i)乳癌を有することが疑われる患者から得られたサンプルにおけるヒトプロガストリンの濃度を、請求項1に記載の抗ヒトプロガストリンモノクローナル抗体を用いて決定すること、及び、(ii)該サンプル中のヒトプロガストリンの濃度を所定値と比較すること、ここで、所定値と比較した、サンプル中のヒトプロガストリンの上昇レベルが、該患者における乳癌の存在を示す、
を含む、方法。
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