JP5562463B1 - スラスト軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 摺動時に加わるクランク軸の軸線方向力により界面に発生するせん断応力を低下させ、摺動層の疲労損傷を防ぐことが可能なスラスト軸受を提供する。
【解決手段】 裏金層2と、該裏金層2の表面側に接合された摺動層1とからなるスラスト軸受7において、裏金層2は、摺動層1が接合される中間層3と、裏金層2の背面側に配設された緩衝層4とから構成されている。この緩衝層4には、空孔が形成されており、緩衝層4の空孔率を10〜50%にすると、クランク軸の軸線方向力による緩衝層4の弾性変形量が大きくなる。これにより、クランク軸の軸線方向力による摺動層1と裏金層2の中間層3との界面での弾性変形量の差が相対的に小さくなるため、界面に発生するせん断応力が小さくなり、摺動層1の疲労損傷を防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、裏金層と、該裏金層の表面側に接合された摺動層とからなるスラスト軸受に係り、内燃機関のクランク軸用や過給機用などに好適なスラスト軸受に関するものである。
従来、内燃機関のクランク軸用のスラスト軸受には、ホワイトメタルや銅合金、アルミ合金などを用いた軸受合金層と、軸受の強度を高めるための裏金層と、から構成されるすべり軸受が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このようなクランク軸用のスラスト軸受は、2個の半割スラスト軸受により構成されており、一方の半割スラスト軸受がシリンダブロックに、他方の半割スラスト軸受が軸受キャップに取り付けられている。より詳細には、例えば特許文献2の図5に示すように、シリンダブロックの下部に軸受キャップを取り付けて構成された軸受ハウジングにおいて、円形凹部により構成される受け座を形成し、この受け座には、クランク軸のスラストカラーを受けるスラスト軸受が配設されることで、スラスト軸受がクランク軸のスラスト荷重を受けるようになっている。
特開平6−192774号公報 特開平11−201145号公報
ところで、内燃機関のクランク軸が回転すると、その回転力は、クランク軸の出力側の端部からクラッチを介して変速機に伝達される。このとき、スラスト軸受は、クランク軸の軸方向に生じる軸線方向力の負荷を受ける。そして、クランク軸と変速機とがクラッチにより遮断された状態から接続された直後には、軸方向のトルク反力が発生することから、クランク軸の出力側の端部からクランク軸に軸線方向力F(図6参照)が衝撃的に入力し、クランク軸が出力側の反対方向に変位させられる。
上記したクランク軸の軸線方向力Fは、スラスト軸受における摺動層の摺動面が受ける最大負荷となる。そして、図6に示すように、スラスト軸受13における摺動層11の摺動面にクランク軸の軸線方向力Fを衝撃的に受けた瞬間、摺動層11と裏金層12との界面において、摺動層11と裏金層12との弾性変形量の差によりせん断応力が発生する。この場合、摺動層11と裏金層12との弾性変形量の差が大きいため、界面に発生するせん断応力が大きくなり、クランク軸の軸線方向力Fを繰り返し受けたときに、摺動層11に疲労が起こりやすい。本発明は、上記した事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、摺動時に加わるクランク軸の軸線方向力により界面に発生するせん断応力を低下させ、摺動層の疲労損傷を防ぐことが可能なスラスト軸受を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明は、裏金層と、該裏金層の表面側に接合された摺動層とからなるスラスト軸受において、前記裏金層は、前記摺動層が接合される中間層と、前記裏金層の背面側に配設された緩衝層とから構成されるとともに、いずれの層も鉄又は鉄合金からなり、前記緩衝層は、前記スラスト軸受の厚さTに対して2〜20%の厚さを有し、空孔率が10〜50%であることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のスラスト軸受において、前記摺動層は、銅合金からなり、前記裏金層は、鉄又は鉄合金のマトリクスに銅又は銅合金相が分散した組織であり、前記摺動層と前記中間層との界面で、前記摺動層の銅合金と前記中間層に分散した銅又は銅合金相とが接することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2記載のスラスト軸受において、前記中間層に分散した銅合金相は、前記中間層から前記摺動層に拡散することが可能な拡散成分を含むことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3記載のスラスト軸受において、前記拡散成分は、Sn、Zn、Niの元素群から選択される少なくとも1種以上を含むことを特徴とする。
請求項1に係る発明は、図1に示すように、裏金層2と、該裏金層2の表面側に接合された摺動層1とからなるスラスト軸受7において、裏金層2は、摺動層1が接合される中間層3と、裏金層2の背面側に配設された緩衝層4とから構成されている。なお、スラスト軸受7は、図示しないが、円環形状又は半円環形状で形成されており、軸受ハウジングに嵌合して配設されることで、クランク軸のスラスト荷重を受けることができる。また、中間層3と、緩衝層4とから構成される裏金層2は、鉄又は鉄合金を用いることで、スラスト軸受7にかかる負荷に対して、十分な強度を確保することができる。一方、摺動層1は、Cu合金、Al合金、Sn合金、Bi合金等の軸受合金を用いることができる。
また、スラスト軸受7における摺動層1の摺動面にクランク軸の軸線方向力Fを衝撃的に受けると、摺動層1と、裏金層2を構成する中間層3及び緩衝層4とが弾性変形する。そして、図2に示すように、鉄又は鉄合金相5が含まれる緩衝層4には、空孔6が形成されており、その緩衝層4の空孔率を10〜50%にすると、緩衝層4の層内に空孔6が多く形成されているため、中間層3よりも緩衝層4の弾性変形量が大きくなる。このような緩衝層4を設けた場合には、図3に示すように、緩衝層4を設けない場合と比べて、クランク軸の軸線方向力Fによる摺動層1と裏金層2の中間層3とのそれぞれの弾性変形量が小さくなり、界面での弾性変形量の差が相対的に小さくなる。このため、界面に発生するせん断応力が小さくなり、摺動層1の疲労損傷を防ぐことができる。
一方、請求項1に係る発明のような緩衝層4を設けなかった場合には、摺動層1の摺動面にクランク軸の軸線方向力Fを受けたとき、摺動層1と裏金層2の中間層3とのそれぞれの弾性変形量が大きいため、界面での弾性変形量の差が大きくなる。このため、界面に発生するせん断応力が大きくなり、摺動層1に疲労が起こりやすい。
また、緩衝層4の空孔率は、10〜50%としているが、緩衝層4の空孔率が10%未満であると、摺動層1の摺動面にクランク軸の軸線方向力Fを受けたとき、緩衝層4の弾性変形量が小さくなり、摺動層1と裏金層2との界面に発生するせん断応力を抑制する効果が十分でなくなる。一方、緩衝層4の空孔率が50%を超えると、緩衝層4の強度が低くなり過ぎるため、摺動層1の摺動面にクランク軸の軸線方向力Fを受けたとき、緩衝層4が塑性変形したり、或いは、緩衝層4が疲労を起こす場合がある。より好ましくは、緩衝層4の空孔率が20〜40%の範囲である。
また、緩衝層4は、スラスト軸受7の厚さTに対して2〜20%の厚さを有するが、緩衝層4の厚さが2%未満であると、摺動層1の摺動面にクランク軸の軸線方向力Fを受けたとき、緩衝層4の弾性変形量が小さくなり、摺動層1と裏金層2との界面に発生するせん断応力を抑制する効果が十分でなくなる。一方、緩衝層4の厚さが20%を超えると、緩衝層4が含まれる裏金層2の強度が低下し、スラスト軸受7の強度が低下する。より好ましくは、緩衝層4の厚さが5〜13%の範囲である。また、緩衝層4の厚さは、裏金層2の厚さに対して10%以下とすることが好ましい。これは、裏金層2の厚さに対する中間層3の割合が少なくなるほど、裏金層2の強度が低下し、スラスト軸受7の強度が低下するためである。
なお、摺動層1は、緻密化されていることが好ましい。ただし、摺動層1は、平均5%未満の空孔率が許容される。また、裏金層2を構成する中間層3も、緻密化されていることが好ましい。ただし、中間層3は、平均5%未満の空孔率が許容される。例えば、裏金層2を構成する緩衝層4だけでなく、中間層3も空孔を多くするとスラスト軸受7の強度を高める目的の裏金層2として機能しない。また、スラスト軸受7に衝撃的に負荷が加えられた場合、摺動層1と中間層3との界面では、空孔6を多くすると2層の接触面積が減少しており、中間層3の空孔部を除いた2層の接触部のみにせん断応力が作用するため、せん断が発生しやすく、摺動層1に疲労が起こりやすい。
請求項2に係る発明のように、摺動層1は、銅合金からなるが、銅合金の具体的な組成としては、Cu−Sn系、Cu−Ni系、Cu−Zn系、等の組成の銅合金が挙げられる。このような組成の銅合金は、軸受合金の中でも強度が高く、衝撃的に負荷を受ける内燃機関用のスラスト軸受7として好適である。また、銅合金の具体的な添加量(含有量)としては、Snの場合に2〜12%、Niの場合に1〜10%、Znの場合に10〜40%の範囲であることが好ましい。
また、裏金層2は、鉄又は鉄合金のマトリクスに銅又は銅合金相8が分散した組織であるが、銅又は銅合金相8の具体的な組成としては、不可避不純物を含んだ銅、Cu−Be系、Cu−Mg系、Cu−Al系、Cu−Si系、Cu−P系、Cu−Ti系、Cu−V系、Cu−Cr系、Cu−Co系、Cu−Zr系、Cu−Mo系、Cu−Te系、等の組成の銅合金が挙げられる。そして、図4に示すように、摺動層1と中間層3との界面において、摺動層1の銅合金と中間層3に分散した銅又は銅合金相8とが接することで、焼結時にCu原子が相互拡散することにより接合強度が高くなり、摺動層1と中間層3との界面からの疲労が起こり難くなる。
なお、裏金層2の中間層3における摺動層1側の界面において、中間層3に分散した銅又は銅合金相8の面積率は、30〜70%の範囲であることが好ましい。その銅又は銅合金相8の面積率が30%未満であると、焼結時にCu原子の拡散が少なくなり、摺動層1と中間層3との接合強度を高くする効果が十分でなくなる。一方、銅又は銅合金相8の面積率が70%を超えると、中間層3が含まれる裏金層2の強度が低下するため、スラスト軸受7の強度が低下し、耐疲労性が低下する。
請求項3に係る発明のように、中間層3に分散した銅合金相8は、中間層3から摺動層1に拡散することが可能な拡散成分を含むようにしている。この拡散成分とは、中間層3に分散した銅合金相8に固溶される成分であり、焼結時に摺動層1と中間層3との界面において、中間層3側から摺動層1側に拡散成分が拡散し、摺動層1と裏金層2を構成する中間層3との接合強度が高められる。特に、摺動層1の銅合金にも拡散成分を含むようにした場合には、図5に示すように、中間層3側から摺動層1側にだけでなく、摺動層1側から中間層3側にも拡散成分が拡散するようになり、摺動層1と裏金層2を構成する中間層3との接合強度がさらに高められる。
請求項4に係る発明のように、拡散成分は、Sn、Zn、Niの元素群から選択される少なくとも1種以上を含むようにしている。なお、拡散成分が含まれる銅合金相8の具体的な添加量(含有量)としては、Snの場合に2〜12%、Niの場合に1〜10%、Znの場合に10〜40%の範囲であることが好ましい。特に、中間層3に分散した銅合金相8だけでなく、摺動層1の銅合金にも拡散成分を含むようにした場合には、共通の拡散成分が含まれることが好ましい。なお、上記拡散成分の添加量(含有量)は、裏金層2の全体に対する添加量(含有量)ではなく、裏金層2中に分散した銅合金相8に対する添加量(含有量)である。
なお、本発明において、鉄、鉄合金、銅、銅合金は、不可避不純物を含むものである。また、本発明において、裏金層2中における中間層3と緩衝層4とは、同一の組成で、一体化して形成されることが好ましい。例えば、裏金層2中における中間層3と緩衝層4とが異なる組成で形成されると、中間層3と緩衝層4との界面が疲労の起点になりやすい。
また、本発明の摺動層1には、耐焼付性を向上させるため、Bi、Pb等の軟質金属や、黒鉛、Mo2S、BN等の固体潤滑剤を添加してもよい。また、本発明の摺動層1の表面には、相手軸との初期なじみ性を付与するため、オーバレイ層が被覆されてもよい。また、本発明のスラスト軸受7は、内燃機関のクランク軸用や過給器用のスラスト軸受7として好適であるが、これらの用途に限定されない。
緩衝層及び中間層からなる裏金層と、摺動層とから構成されるスラスト軸受を示す模式図である。 裏金層を構成する緩衝層の拡大図である。 摺動層と裏金層との界面疲労における緩衝層の効果を説明するための概略図である。 裏金層に銅又は銅合金相を分散したスラスト軸受を示す模式図である。 拡散成分の拡散を説明するための摺動層と裏金層との界面に隣接する領域の拡大図である。 従来品における摺動層と裏金層との界面疲労メカニズムを説明するための概略図である。
本実施形態に係る緩衝層4及び中間層3からなる裏金層2と、摺動層1とから構成されるスラスト軸受7を以下に説明する手順で作製した。まず、実施例1〜12は、裏金層2となる金属粉末として、表1に示す組成の金属粉末を圧粉成形し予備焼結した後、摺動層1と接合される表面とは反対側の面(スラスト軸受7の背面側となる面)を固定し、摺動層1と接合される表面を背面側へ向かって一方向に圧縮する加工を施した。これにより、裏金層2を構成する中間層3の内部および摺動層1と接合される表面は緻密になり、圧縮側とは反対側のスラスト軸受7の背面側には、内部に空孔6を有する層として緩衝層4が形成される。なお、緩衝層4の厚さや空孔率は、裏金層2の圧粉成形時の密度やその後の圧縮加工での圧縮荷重を変えることで制御した。その後、緻密な側の裏金層2表面に摺動層1となる金属粉末として、表1に示す組成の金属粉末を散布し、圧粉成形し焼結することで、裏金層2と摺動層1とを接合させた。なお、摺動層1の厚さは、0.5mmとし、裏金層2の厚さは、2.5mmとした。このような作製方法により、図1に示すような、緩衝層4及び中間層3からなる裏金層2と、摺動層1とから構成される円環形状のスラスト軸受7を作製し、スラスト疲労試験に用いられる試験片とした。
Figure 0005562463
また、実施例1の裏金層2は、Fe粉を圧粉成形し焼結することで作製した。また、実施例2〜4の裏金層2は、鋼粉としてS10C(Fe−0.1質量%C合金)を圧粉成形し焼結することで作製した。また、実施例5〜12の裏金層2は、実施例2〜4で用いられた鋼粉と、該鋼粉と質量割合50%で混合したときに表1に示す「裏金層の化学成分」となる銅又は銅合金粉を混合した後、圧粉成形し焼結することで作製した。なお、表1に示す「裏金層の化学成分」中のCu、Sn、Zn、Niの成分は、銅又は銅合金相8の形成に関係する成分であり、これらの成分からなる銅又は銅合金相8が裏金層2中に分散した組織となる。
また、実施例1〜12は、スラスト軸受7の厚さに対する緩衝層4の厚さ(表1に示す緩衝層4厚さ/総厚)を2〜20%の範囲とし、緩衝層4の空孔率を10〜50%の範囲とした。なお、実施例1,2は、緩衝層4厚さ/総厚と緩衝層4の空孔率とが上記範囲の下限値付近となるように作製し、実施例3は、緩衝層4厚さ/総厚と緩衝層4の空孔率とが上記範囲の中央値付近となるように作製し、実施例4は、緩衝層4厚さ/総厚と緩衝層4の空孔率とが上記範囲の上限値付近となるように作製した。また、空孔率は、100倍〜200倍の断面組織写真から一般的な画像解析方法(解析ソフト:Image−Pro Plus(Version4.5);(株)プラネトロン製)を用いて測定した。
一方、比較例1は、摺動層と組織全体に空孔を有する裏金層(全体が実施例の緩衝層4に相当する層だけで構成され、中間層3に相当する構成を有さない裏金層)からなる円環形状のスラスト軸受である。比較例1は、実施例2〜4で用いられた鋼粉とCu−10質量%Sn粉を質量割合50%で混合し、組織全体に空孔が残るように圧粉成形し焼結して裏金層を作製した後、実施例と同様の方法で摺動層を形成し、円環形状のスラスト軸受を作製した。また、比較例2は、鋼裏金板上に摺動層となるCu−10質量%Sn粉を散布し、焼結、圧延、焼結を施した従来のバイメタル材から、円環形状のスラスト軸受を作製した。また、比較例3〜8は、実施例1と同様の組成で円環形状のスラスト軸受を作製するが、緩衝層厚さ/総厚として2〜20%の範囲、又は、摺動層の空孔率として10〜50%の範囲のいずれか一方又は両方が範囲外となるように作製した。なお、比較例1〜8の摺動層の厚さは、0.5mmとし、裏金層の厚さは、2.5mmとした。
なお、実施例1〜12の摺動層1の空孔率は、すべて1%未満となるように作製し、比較例2〜8の摺動層の空孔率も、1%未満となるように作製した。また、実施例1〜12の裏金層2を構成する中間層3の空孔率は、すべて平均5%未満となるように作製し、比較例2〜8の裏金層を構成する中間層の空孔率も、平均5%未満となるように作製した。なお、実施例1〜12は、緩衝層4の組織中の空孔6がすべて直径200μm以下であり、比較例1,3〜8の緩衝層の組織中の空孔も、すべて直径200μm以下であった。
次に、本実施形態に係るスラスト軸受7を用いた実施例1〜12および比較例1〜8について、スラスト試験機を用いてスラスト疲労試験を行った。表2には、スラスト疲労試験の試験条件を示す。このスラスト疲労試験は、クランク軸によってスラスト軸受7に衝撃荷重がかかることを想定した試験であり、スラスト軸受7の摺動面に、回転状態にある相手軸からの軸線方向力が周期的に加えられる試験を行った。また、実施例1〜12および比較例1〜8について、スラスト軸受7の摺動面に、クラックの発生による疲労が起こらなかった限界の応力を確認し、その結果を表1の「疲労限界応力」に示す。なお、クラックの発生の有無は、目視で確認した。
Figure 0005562463
実施例1〜4は、比較例1〜8と比較して疲労限界応力が高い。これは、スラスト軸受7の摺動面に、回転状態にある相手軸からの軸線方向力が加わったとき、裏金層2の緩衝層4が弾性変形することにより、摺動層1と裏金層2の中間層3との界面に発生するせん断応力が小さくなるためと推測する。
また、実施例5は、実施例1〜4より、さらに疲労限界応力が高くなる。これは、裏金層2中に銅相8が分散した組織であるため、焼結時に摺動層1と裏金層2の中間層3との界面において、摺動層1の銅合金と裏金層2の中間層3中の銅相8とが接する部分で、Cu原子が相互拡散し、摺動層1と裏金層2の中間層3との接合強度が高められたためと推測する。
また、実施例6〜9は、実施例5より、さらに疲労限界応力が高くなる。これは、摺動層1の銅合金及び裏金層2の中間層3の銅合金相8が拡散成分であるSn、Zn、Niを含んでいるためであり、焼結時に摺動層1と裏金層2の中間層3の界面において、摺動層1の銅合金と裏金層2の中間層3中の銅合金相8との間で、Cu原子だけでなく、これら拡散成分であるSn、Zn、Niの原子も相互拡散し、摺動層1と裏金層2の中間層3との接合強度が高められたためと推測する。
また、実施例10〜12は、摺動層1の銅合金と裏金層2の中間層3中の銅合金相8が同じ拡散成分(Sn、Zn、Niのいずれか)を含むようにしてあるが、このようにすると、摺動層1の銅合金と裏金層2の中間層3中の銅合金相8との間での拡散成分の相互拡散がより起こりやすくなるため、さらに疲労限界応力が高くなる。
一方、比較例1は、実施例1〜12と比較して低い応力で、裏金層の内部から疲労が起こった。これは、裏金層が全体的に空孔を多く含んでいることで、裏金層の強度が低すぎて、低い応力でも裏金層に疲労が起きやすいためと推測する。また、比較例2は、実施例1〜12と比較して低い応力で、摺動層の疲労が起こった。これは、裏金層に緩衝層が形成されておらず、応力が加わったときの摺動層と裏金層との界面でのそれぞれの層の弾性変形量が大きく、それらの弾性変形量の差が大きくなり、その界面に発生するせん断応力が大きくなったためと推測する。
また、比較例3〜5は、実施例1〜12と比較して低い応力で、摺動層に疲労が起こった。これは、緩衝層厚さ/総厚として2〜20%の範囲、又は、摺動層の空孔率として10〜50%の範囲のいずれか一方又は両方が範囲の下限よりも低くなっており、摺動層と裏金層との界面に発生するせん断応力を抑制する効果が十分でなくなったためと推測する。また、比較例6〜8は、実施例1〜12と比較して低い応力で、緩衝層に疲労が起こった。これは、緩衝層厚さ/総厚として2〜20%の範囲、又は、摺動層の空孔率として10〜50%の範囲のいずれか一方又は両方が範囲の上限を超えており、緩衝層自体の強度が低くなることで疲労してしまったと推測する。
なお、本実施形態では、裏金層2の表面の全面に摺動層1を形成したスラスト軸受7を示したが、これに限定されない。例えば、裏金層2の表面の一部に摺動層1を形成するようにしてもよい。また、摺動層1の厚さは、スラスト軸受7の摺動面の全面に亘って一定に設定される場合が一般的であるが、これに限定されることなく、部分的に摺動層1の厚さを変えるようにしてもよい。同じく、緩衝層4の厚さも、スラスト軸受7の背面の全面に亘って一定に設定される場合が好適であるが、これに限定されることなく、部分的に緩衝層4の厚さを変えるようにしてもよい。
1 摺動層
2 裏金層
3 中間層
4 緩衝層
5 鉄又は鉄合金相
6 空孔
7 スラスト軸受
8 銅又は銅合金相

Claims (4)

  1. 裏金層と、該裏金層の表面側に接合された摺動層とからなるスラスト軸受において、
    前記裏金層は、前記摺動層が接合される中間層と、前記裏金層の背面側に配設された緩衝層とから構成されるとともに、いずれの層も鉄又は鉄合金からなり、
    前記緩衝層は、前記スラスト軸受の厚さTに対して2〜20%の厚さを有し、空孔率が10〜50%であることを特徴とするスラスト軸受。
  2. 前記摺動層は、銅合金からなり、
    前記裏金層は、鉄又は鉄合金のマトリクスに銅又は銅合金相が分散した組織であり、
    前記摺動層と前記中間層との界面で、前記摺動層の銅合金と前記中間層に分散した銅又は銅合金相とが接することを特徴とする請求項1記載のスラスト軸受。
  3. 前記中間層に分散した銅合金相は、前記中間層から前記摺動層に拡散することが可能な拡散成分を含むことを特徴とする請求項2記載のスラスト軸受。
  4. 前記拡散成分は、Sn、Zn、Niの元素群から選択される少なくとも1種以上を含むことを特徴とする請求項3記載のスラスト軸受。
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