JPH08165530A - 軸受及びその軸受材料 - Google Patents
軸受及びその軸受材料Info
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Abstract
せた新規な軸受及びその軸受材料を提供することにあ
る。 【構成】 本発明はAl−Sn−Cuアトマイズ粉末
と、Cu又はCu−Pbアトマイズ粉末とを均一に混合
し、通電焼結してなることを特徴としている。
Description
ン、圧縮機等の主軸、クランク軸等の軸受及びその軸受
材料に関するものである。
受材料には、高疲労強度、高耐摩耗性、良好ななじみ
性、良好な異物埋収性、耐焼き付き性、耐食性等に優れ
た材料が要求されており、これらの要求を満たすものと
しては、従来、Sn−Cu−Sb系のホワイトメタル、
Cu−Pb系のケルメット合金、Cu−Sn−Pb系の
鉛青銅、アルミ系合金が知られている。このうち、特に
アルミ系合金は優れた耐摩耗性、耐食性、高負荷能力を
有していることから、近年の高性能ガソリンエンジン及
び小型のディーゼルエンジンの大半に使用され、さらに
中型のディーゼルエンジンへと適用を伸ばしてきてい
る。
で使用された30%Sn−Al(A30)から、耐疲労
性となじみ性を合わせ持つ17%Sn−AlにPb・S
b等添加した材料(A17S) に改善されたが、高温・
高速・高面圧化に伴い耐疲労性、耐焼き付き性向上のた
め、このA17SのSnを減らし、Siを添加したAl
- Sn- Si系合金(A17X)や、さらに引張強度、
剪断強度、機械的強度を向上させたA18Xが現在の主
流となってきている。
つきを吸収したり、耐焼き付き性、なじみ性を向上させ
るために、摺動面にSn−Pb等のオーバーレイを形成
したオーバーレイ付アルミ合金(P10/A6・P10
/A4Z)は中・大型ディーゼルエンジンに使用され、
下地のアルミ合金のもつ耐疲労性、耐焼き付き性、耐食
性と、オーバーレイのもつ耐焼き付き性、なじみ性の両
方を有しており、特に、P10/A4ZはCu−Pb系
の3層軸受けに変わり、耐食性の優秀さにより、高速・
高荷重エンジンへの適用が増えてきつつある。また、オ
ーバーレイ付銅合金系では、負荷能力及び耐食性の問題
より、Cu−Pb系(K30・K25)を新規エンジン
に適用する例は少なく、耐疲労性と耐食性に優れた鉛青
銅系(L23)に耐疲労性の優れたSn−Cu−Pb系
(P8)、なじみ性の優れたPb−Sn−In系(P
9)をNiめっきを介しめっきした材料(P8/L23
・P9/L23)が高速型エンジンにスチール軸との関
係で多用されている。
ーレイ付アルミ合金軸受のうち、例えば、P10/A4
ZSと称されるものは、図3に示すように、裏金上に形
成されたメタル層と、オーバーレイとの間に、Cu等の
めっき層を設けることによってメタル層内のSn等の潤
滑成分がオーバーレイ側へ拡散し、性能を低下させるの
を防ぐと共に、オーバーレイ摩耗後の耐かじり性や耐焼
き付き性を大きく向上させることが知られている。この
ように、メタル層とオーバーレイとの間にめっき層を設
けることで、オーバーレイ摩耗後の耐かじり性や耐焼き
付き性が大きく向上することが知られているが、今後の
著しいエンジンの高性能化に伴い、更に耐焼き付き性、
耐かじり性に優れた軸受け材料が要求されてきている。
に案出されたものであり、その目的は、特に耐焼き付き
性を大幅に向上させた新規な軸受及びその軸受材料を提
供するものである。
に第一の発明はAl−Sn−Cuアトマイズ粉末と、C
u又はCu−Pbアトマイズ粉末とを均一に混合し、焼
結してなる軸受材料であり、第二の発明はAl−Sn−
Cuアトマイズ粉末の表面にNi又はCuめっきを施し
てめっき粉末を形成し、このめっき粉末と、Cu又はC
u−Pbアトマイズ粉末を均一に混合し、焼結してなる
軸受材料である。そして、いずれの発明においても上記
Cu又はCu−Pbアトマイズ粉末の存在比が断面積比
で50%以上としたものである。さらに第三の発明は、
裏金上に上記請求項1又は2記載の軸受材料を形成する
と共に、この軸受材料の摺動面にオーバーレイを形成
し、さらにこの軸受材料の摺動面とオーバーレイとの間
にNi又はCuのめっき層を形成してなるものである。
き付き性に寄与するCu又はCu−Pbが母材全体に渡
って立体的に存在しているため、表層部が摩耗しても次
々とこのCu又はCu−Pbが均一に現れ、長期間安定
した耐焼き付き性が維持できる。また、このCu又はC
u−Pb粉末の存在比が断面積比で50%以上としたの
は、これ以下では耐焼き付け性の効果が現れないからで
ある。また、第二の発明ではさらに優れた耐焼き付き性
を発揮する。すなわち、Al−Sn−Cuアトマイズ粉
末と、Cu又はCu−Pbアトマイズ粉末とを混合焼結
すると、Cu又はCu−Pbアトマイズ粉末のCu成分
と、Al−Sn−Cuアトマイズ粉末のAl成分とが焼
結時に反応し、AlとCuとの硬い金属間化合物を粉末
の表層に形成し、これが、相手材との摩擦時に温度上昇
を招き、耐焼き付き性をやや低下させる。従って、第二
の発明ではこのAl−Sn−Cuアトマイズ粉末の表面
にNi又はCuめっきを施すぶんだけ、製造工程がやや
複雑となるが、この硬い金属間化合物の発生が未然に防
止され、さらなる耐焼き付き性の向上が達成される。
た耐焼き付け性を用いた軸受け材料を用いたことによ
り、従来最も優れた耐焼き付け性を備えたP10/A4
ZSに比較して約20%以上の耐焼き付け性向上が得ら
れる。
て詳述する。
て製造した平均粒径が数十μmのCu−25%Pbのア
トマイズ粉末とAl−30%Sn−6%Cuのアトマイ
ズ粉末とを配合比で1:1に混合し、均一に撹拌して材
料粉末を形成し、この材料粉末を鋼板からなる裏金上に
厚さ数mmになるように均一に載置した後、加圧力40
0Kg/cm2 パルス放電時間90sec、焼結温度4
50〜500℃の条件でプラズマ放電焼結して、材料粉
末の焼結と裏金への接合を同時に行い、裏金上にCu−
Pbアトマイズ粉末とAl−Sn−Cuアトマイズ粉末
からなるメタル層を形成した。
のCuのメッキ層を形成した後、さらにこのメッキ層の
上面にP10(10%Sn−Pb)のオーバーレイを形
成して試験材を製造し、この試験材について以下に示す
ような耐焼き付き特性試験評価と焼結後のメタル層の金
属組織の観察を行った。
シャフト材に多用されているS53C材を相手材として
焼き付き面圧(kgf/cm2 )を測定した。
鏡(×500)で観察した。
25%Pbのアトマイズ粉末の表面にNiめっきを施し
ためっき粉末を形成し、このめっき粉末とAl−30%
Sn−6%Cuのアトマイズ粉末を配合比で1:1に混
合した他は、実施例1と同様な方法で試験材を製造し、
この試験材について上述したような耐焼き付き特性試験
評価を行った。
8X(12.0%Sn−2.5%Si−1.0%Cu−
1.7%Pb−0.3%Sb−残部Al及び不可避的不
純物)、A17X(12.0%Sn−2.5%Si−
0.7%Cu−1.7%Pb−0.3%Sb−残部Al
及び不可避的不純物)及び、A4ZS(0.8%Cu
−1.0%Pb−3.5%Zn−3.0%Si−残部A
l及び不可避的不純物)にCuのめっき層を施し、オー
バーレイにSb−Snめっきを用いたP10/CA4Z
S、L23S(3.0%Sn−23%Pb−1.0%
>Ni−3.0%Si−残部Cu及び不可避的不純物)
にNiのめっき層を施し、オーバーレイにInめっきを
用いたP9/NL23Sを用い、これらについてそれぞ
れ実施例1と同様な条件で耐焼き付き特性試験を行い、
その評価を行った。
け材料ではP10/CA4ZSが最も優れた耐焼き付け
性を発揮しているが、実施例1の材料ではこのP10/
CA4ZSよりもさらに優れた耐焼き付け性を発揮し、
しかも現在小型ディーゼルエンジンに多く使用されてい
るA18Xベアリングメタルと比べ、約2倍の焼き付き
限界荷重を示した。
1に係る材料及び比較材(A18X)の金属組織を観察
したところ、実施例1に係る材料ではCu−Pb粒子
(図中白く見える部分)が母材中に立体的にかつ、断面
積比で約50%近く存在しており、これによって表層部
が徐々に摩耗しても、常に均一な組成をもった摺動面が
現れることによって、長期間安定した耐焼き付き性を発
揮するものと考えられる。
では、実施例1の材料をさらに上回る耐焼き付け性を発
揮している。これは、Cu−25%Pbのアトマイズ粉
末の表面にNiめっきを施すことにより、Cu−Pbア
トマイズ粉末と、Al−Sn−Cuアトマイズ粉末との
界面に、耐焼き付け性を低下させるAl−Cu合金層の
生成が防止されることによるものと考えられる。その証
拠に、実施例1に係る材料では、図3に示すように、C
u−Pb粒子の周囲に、耐焼き付け性を低下させるAl
−Cu合金層の生成がみられるのに対し、本実施例に係
る材料には、このような合金層がみられなかった。
優れている軸受材料に比べ、耐焼き付き性を約20%以
上向上させることができるため、軸受の寿命及び信頼性
を大幅に向上することができる等といった優れた効果を
発揮する。
付き試験結果を示すグラフ図である。
示す顕微鏡写真図である。
写真図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 Al−Sn−Cuアトマイズ粉末と、C
u又はCu−Pbアトマイズ粉末とを均一に混合し、焼
結してなることを特徴とする軸受材料。 - 【請求項2】 Al−Sn−Cuアトマイズ粉末の表面
にNi又はCuめっきを施してめっき粉末を形成し、こ
のめっき粉末と、Cu又はCu−Pbアトマイズ粉末を
均一に混合し、焼結してなることを特徴とする軸受材
料。 - 【請求項3】 上記Cu又はCu−Pbアトマイズ粉末
の存在比が断面積比で50%以上であることを特徴とす
る請求項1又は2記載の軸受材料。 - 【請求項4】 裏金上に上記請求項1又は2記載の軸受
材料を接合すると共に、この軸受材料の摺動面にオーバ
ーレイを形成し、さらにこの軸受材料の摺動面とオーバ
ーレイとの間にNi又はCuのめっき層を形成してなる
ことを特徴とする軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30901294A JP3531248B2 (ja) | 1994-12-13 | 1994-12-13 | 軸受及びその軸受材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30901294A JP3531248B2 (ja) | 1994-12-13 | 1994-12-13 | 軸受及びその軸受材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08165530A true JPH08165530A (ja) | 1996-06-25 |
JP3531248B2 JP3531248B2 (ja) | 2004-05-24 |
Family
ID=17987828
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30901294A Expired - Fee Related JP3531248B2 (ja) | 1994-12-13 | 1994-12-13 | 軸受及びその軸受材料 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3531248B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002339004A (ja) * | 2001-05-18 | 2002-11-27 | Kamioka Buhin Kogyo Kk | 自己潤滑性表面を有する軽量部品及びその製造方法 |
RU2492964C1 (ru) * | 2012-05-17 | 2013-09-20 | Корпорация "САМСУНГ ЭЛЕКТРОНИКС Ко., Лтд." | Способ получения износостойкого антифрикционного самосмазывающегося сплава |
-
1994
- 1994-12-13 JP JP30901294A patent/JP3531248B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
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JP2002339004A (ja) * | 2001-05-18 | 2002-11-27 | Kamioka Buhin Kogyo Kk | 自己潤滑性表面を有する軽量部品及びその製造方法 |
JP4555507B2 (ja) * | 2001-05-18 | 2010-10-06 | 神岡部品工業株式会社 | 自己潤滑性表面を有する軽量部品及びその製造方法 |
RU2492964C1 (ru) * | 2012-05-17 | 2013-09-20 | Корпорация "САМСУНГ ЭЛЕКТРОНИКС Ко., Лтд." | Способ получения износостойкого антифрикционного самосмазывающегося сплава |
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