JP2016211690A - 焼結軸受及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼結軸受のさらなる高強度化を図る。【解決手段】鉄粉12と銅粉13の部分拡散合金粉11で形成された鉄組織33及び銅組織31を主体とする焼結軸受である。粒径45μm以下の粒状の単体銅粉13’で形成された銅組織31dを有し、この銅組織31dの割合が10質量%以下である。【選択図】図10

Description

本発明は、焼結軸受及びその製造方法に関する。
焼結軸受は、無数の内部気孔を有する多孔質体であり、通常は、内部気孔に潤滑流体(例えば、潤滑油)を含浸させた状態で使用される。この場合、焼結軸受およびその内周に挿入した軸の相対回転時には、焼結軸受の内部気孔に保持された潤滑油が温度上昇に伴って焼結軸受の内周面(軸受面)に滲み出す。そして、この滲み出した潤滑油によって、焼結軸受の軸受面と軸の外周面との間の軸受隙間に油膜が形成され、軸が相対回転自在に支持される。
例えば、下記の特許文献1には、鉄および銅を主成分とする銅鉄系の焼結軸受として、鉄粉に対し10質量%以上30質量%未満の銅を被覆してなり、粒度を80メッシュ以下とした銅被覆鉄粉を圧粉・焼結したものが記載されている。
特許第3613569号公報 特許第5442145号公報
しかしながら、特許文献1の技術手段を適用した焼結軸受を、携帯端末のバイブレータ等として機能する振動モータに使用した場合には、軸受面が早期に摩耗して回転変動が大きくなることが明らかになった。これは、銅被覆鉄粉を成形・焼結して得られた焼結軸受では、鉄相(鉄組織)と銅相(銅組織)のネック強度が低く、軸受面を構成する粒子が剥離し易いためと考えられる。従って、かかる用途での焼結軸受を実用化するためには、鉄組織と銅組織間の結合強度を向上させることが望まれる。
例えば、上記の特許文献2には、鉄粉と銅粉を部分拡散により接合した部分拡散合金粉を主体とする原料粉末を用いることにより、耐摩耗性に優れ、且つ強度の高い焼結軸受が得られることが示されている。また、同文献には、原料粉末中に粒径の大きい部分拡散合金粉が含まれていると、焼結体の内部に粗大気孔が形成されやすく、その結果、必要とされる軸受面の耐摩耗性や圧環強度等を確保できない場合があるため、部分拡散合金粉は、平均粒度145メッシュ以下(平均粒径106μm以下)のものを使用することが好ましい旨が記載されている。
しかし、最近、振動モータ等に用いられる焼結軸受にはさらなる高強度化が要求されており、上記のような焼結軸受では要求される強度を満たすことができない場合がある。
以上の事情に鑑み、本発明は、部分拡散合金粉を用いた銅鉄系焼結軸受のさらなる高強度化を図ることを目的とする。
上記の目的を達成するためになされた本発明は、鉄粉と銅粉の部分拡散合金粉で形成された鉄組織及び銅組織を主体とした焼結軸受であって、粒径45μm以下の粒状の単体銅粉で形成された銅組織を有し、前記単体銅粉で形成された銅組織の割合が10質量%以下であることを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成するためになされた本発明は、鉄粉と銅粉の部分拡散合金粉を、篩を通過させることにより分級する工程と、分級した部分拡散合金粉を含む原料粉末を圧縮成形して圧粉体を形成する工程と、前記圧粉体を焼結して焼結体を形成する工程とを含む焼結軸受の製造方法であって、前記原料粉末のうち、前記分級により部分拡散合金粉から脱落した単体銅粉の割合が10質量%以下であることを特徴とするものである。
尚、本明細書において、粒径が所定値以下の粉末とは、目開きが当該所定値である篩を通過可能な粉末を意味し、粒径が所定値より大きい粉末とは、目開きが当該所定値である篩の上に残る粉末を意味する。
上記のように、焼結軸受を、鉄粉に銅粉の一部を拡散させた部分拡散合金粉を主体とした焼結金属で形成することで、焼結後の銅組織(銅を主成分とする組織)と鉄組織(鉄を主成分とする組織)間で高いネック強度が得られる。従って、軸受面からの銅組織や鉄組織の脱落を防止し、軸受面の耐摩耗性を高めることができる。また、焼結軸受の強度が高められることで、ハウジングの内周に焼結軸受を圧入固定した場合でも、軸受面がハウジングの内周面形状に倣って変形することがなく、軸受面の高精度化を図ることができる。また、軸受面の下地が強化されるため、振動等により軸が軸受面と接触した際の軸受面の変形を抑えることができる。
このように部分拡散合金粉を主体とした焼結軸受を形成するに際し、従来は、粒径の小さい(粗大な粒子を含まない)部分拡散合金粉を用いた方が、粗大気孔が形成されにくいため、焼結軸受の耐摩耗性や強度が高められると考えられていた。しかし、本発明者らの検証により、粒径の小さい部分拡散合金粉を用いると、以下の理由から、かえって強度が低下することが明らかになった。すなわち、粒径の小さい部分拡散合金粉を得るためには、篩分けによる分級が行われるが、この篩分けの際に、一部の銅粉が部分拡散合金粉から脱落して篩を通過し、分級後の部分拡散合金粉に単体銅粉が混入する。例えば、25質量%Cu−Fe部分拡散合金粉を145メッシュ(目開き106μm)の篩を用いて篩分けした後、その成分比を確認したところ、Cuが約40質量%含まれていた。すなわち、篩分け後の部分拡散合金粉に、約15質量%もの単体銅粉が混入していた。このため、分級後の部分拡散合金粉を原料粉末に所定量配合しても、実際には単体銅粉が混入している分だけ部分拡散合金粉の割合が少なくなっているため、部分拡散合金粉を用いることによる強度向上効果が低減され、その結果、焼結軸受の強度が低下してしまう。
そこで、本発明者らは、部分拡散合金粉を分級する篩の目開きを大きくすることで、分級後の部分拡散合金粉に含まれる単体銅粉を減じるという着想に至った。すなわち、篩の目開きが小さいと、多くの部分拡散合金粉が篩の上に残るため、篩の上に残った部分拡散合金粉から脱落する単体銅粉の量が多くなり、その結果、分級後の部分拡散合金粉に混入する単体銅粉が多くなる。一方、篩の目開きが大きいと、篩の上に残る部分拡散合金粉が少なくなるため、篩の上に残った部分拡散合金粉から脱落する単体銅粉が減り、その結果、分級後の部分拡散合金粉に混入する単体銅粉が減じられる。例えば、25質量%Cu−Fe部分拡散合金粉を100メッシュ(目開き150μm)の篩を用いて篩分けした後、その成分比を確認したところ、Cuが約30質量%含まれていた。すなわち、篩分け後の部分拡散合金粉中の混入した単体銅粉の割合が約5質量%に抑えられていた。このように、単体銅粉の割合が少ない(具体的には10質量%以下)部分拡散合金粉を用いることで、原料粉末に含まれる単体銅粉の割合が減じられ、その結果、銅粉と鉄粉が強固に結合した部分拡散合金粉の割合が増えて、焼結軸受の強度が高められる。
上記のように、粒径45μm以下の粒状の単体銅粉(篩分けにより部分拡散合金粉から脱落した単体銅粉)で形成された銅組織の割合を10質量%以下とするためには、例えば、部分拡散合金粉の分級を行う篩の目開きを125μm以上とすればよい。このような分級を行った部分拡散合金粉は、粒径が106μm(145メッシュ)より大きい粉末を30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上含んでいる。
上記のように粒径が比較的大きい部分拡散合金粉を用いた場合、原料粉末中の部分拡散合金粉の割合が増えることで強度向上が図られる一方で、焼結体の内部に粗大気孔が形成されやすいため、耐摩耗性や強度の低下が懸念される。そこで、上記の焼結軸受を高密度(具体的には7.0g/cm以上)にすることで、粗大気孔の形成を抑えて強度の低下を防止することができる。
この焼結軸受は、銅よりも融点の低い低融点物質(錫、亜鉛、リン等)を含むことが好ましい。焼結時には、低融点物質を含む金属(錫粉、亜鉛合金粉、リン合金粉等)が銅の表面をぬらして銅の拡散を進行させるため、金属粒子間(銅粉と鉄粉、銅粉と銅粉)の結合力を強化することができる。低融点物質は、焼結軸受中に比較的多め(例えば2〜3質量%)に配合することが好ましい。
上記の焼結軸受は、表面と略平行に配置された扁平銅粉を主体として形成された表面層を有することが好ましい。扁平銅粉は箔状を成しているため、原料粉の成形時に金型成形面に付着する性質を有し、そのため成形後の圧粉体は表層に多くの銅が含まれる。従って、焼結後の焼結体には、銅の含有量の多い表面層が形成される(好ましくは表面層の表面に面積比で60%以上の銅組織が形成される)。このように表面層での銅の含有量を多くすることで、初期なじみ性および静粛性の向上を図ることができ、摺動特性が良好なものとなる。また、軸に対する攻撃性も低くなるので、耐久寿命が向上する。加えて、酸化されにくい銅リッチの軸受面が形成されるため、軸受面のフレッティング摩耗を防止することができる。
例えば、焼結軸受が超薄肉(例えば肉厚0.5μm以下)である場合、部分拡散合金粉の粒径が大きすぎると、高精度な成形が困難となる。このため、部分拡散合金粉の粒径は、焼結軸受の最小肉厚の1/2以下とすることが好ましい。
以上のように、本発明の焼結軸受は、粒径45μm以下の粒状の単体銅粉で形成された銅組織の割合を10質量%以下とすることで、部分拡散合金粉の割合を増やして、銅鉄系焼結軸受のさらなる高強度化を図ることができる。
本発明にかかる焼結軸受の断面図である。 振動モータの要部概略断面図である。 図2中に示すA−A線での断面図である。 部分拡散合金粉を模式的に示す拡大図である。 部分拡散合金粉の粒度分布を示すグラフである。 上段は扁平銅粉の側面図、下段は扁平銅粉の平面図である。 互いに付着した扁平銅粉と鱗状黒鉛を示す側面図である。 金型による圧粉体の成形工程を示す断面図である。 図8中の領域Qの拡大断面図である。 焼結軸受(図1の領域P)の半径方向断面における拡大図である。 図10の鉄組織およびその周辺組織を示す拡大図である。 扁平銅粉の球状化を説明する拡大図で、図12(a)が焼結前、図12(b)が焼結後を示す。 本願発明の焼結前の圧粉体組織を概念的に示す拡大図である。 本発明にかかる焼結軸受のその他の実施形態を示す断面図である。 本発明にかかる焼結軸受のその他の実施形態を示す断面図である。 スタータの代表的構成を簡略化して示す断面図である。 表1の比較例に係る試験片の断面写真である。 表1の実施例3に係る試験片の断面写真である。 表1の実施例4に係る試験片の断面写真である。 各試験片に所定の荷重(30N)を加えたときの変形量を示す図である。 各試験片に所定の荷重(50N)を加えたときの変形量を示す図である。 各試験片の銅組織の見かけ硬さを示す図である。 各試験片の鉄組織の見かけ硬さを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、焼結軸受1は、内周に軸受面1aを有する円筒状に形成される。この実施形態の焼結軸受1は多孔質の焼結体の内部空孔に潤滑油を含浸させて使用される(焼結含油軸受とも呼ばれる)。焼結軸受1の内周にステンレス鋼等からなる軸2を挿入し、その状態で軸を回転させ、あるいは軸受1を回転させると、焼結軸受1の無数の空孔に保持された潤滑油が温度上昇に伴って軸受面1aに滲み出す。この滲み出した潤滑油によって、軸の外周面と軸受面1aの間の軸受隙間に油膜が形成され、軸2が軸受1によって相対回転可能に支持される。
図1に示す焼結軸受1は、携帯電話やスマートフォンをはじめとする携帯端末等において、電話の着信やメールの受信等を報知するバイブレータとして機能する振動モータに使用することができる。この振動モータは、図2に示すように、軸2の一端に取り付けた錘(偏芯錘)Wをモータ部4で回転させることにより、振動モータのハウジング3、さらには携帯端末全体に振動を発生させる構成になっている。図2は、二つの焼結軸受1(101,102)を使用した場合の振動モータの要部を概念的に示すもので、図示例ではモータ部4の軸方向両側に突出させた軸2の両側を焼結軸受1(101,102)により回転自在に支持している。錘W側の焼結軸受101は、錘Wとモータ部4の間に配置されており、この錘W側の焼結軸受101は、錘Wと反対側の焼結軸受102よりも厚肉でかつ大径に形成されている。二つの焼結軸受1は、何れも内周に軸受面1aを有し、例えば金属材料で形成されたハウジング3の内周に圧入等の手段で固定されている。
この振動モータにおいて、軸2は10000rpm以上の回転数で駆動される。軸2が回転すると、錘Wの影響を受けて軸2が軸受面1aの全面に沿って振れ回りながら回転する。通常用途の焼結軸受では、軸2は重力方向に偏芯した状態を保持して回転するが、振動モータ用の焼結軸受1では、図3に示すように、軸受中心Obに対して軸中心Oaを重力方向だけでなくあらゆる方向に偏芯させた状態で軸2が回転することになる。
このように振動モータ用の軸受では、軸2が軸受面全面にわたって振れ回り、さらにアンバランス荷重により軸受面が軸によって頻繁に叩かれる(軸受面に対して軸が頻繁に摺動接触する)ため、軸受面が通常用途の焼結軸受よりも摩耗し易くなる。また、焼結軸受をハウジング3内周に圧入した際に、軸受面がハウジングの内周面形状に倣って僅かでも変形すると、軸2の回転精度に大きな影響を与えることになる。本発明の焼結軸受1を振動モータに使用することで、これらの問題を解消することができる。
以上に述べた焼結軸受1は、各種粉末を混合した原料粉末を金型に充填し、これを圧縮して圧粉体を成形した後、圧粉体を焼結することで形成される。
原料粉末は、部分拡散合金粉、扁平銅粉、低融点金属粉、および固体潤滑剤粉を主成分とする混合粉末である。この混合粉末には、必要に応じて各種成形助剤、例えば離型性向上のための潤滑剤(金属セッケン等)が添加される。以下、焼結軸受1の第一の実施形態について、その原料粉末および製造手順を詳細に述べる。
[部分拡散合金粉]
部分拡散合金粉としては、図4に示すように、鉄粉12の表面に多数の銅粉13を部分拡散させて接合したFe−Cu部分拡散合金粉11が使用される。部分拡散合金粉11の拡散部分はFe−Cu合金を形成している。詳しくは、図4中の部分拡大図に示すように、鉄粉12と銅粉13との境界において、鉄組織中に銅組織の一部(銅原子13a)が拡散すると共に、銅組織中に鉄組織の一部(鉄原子12a)が拡散することで、鉄原子12aと銅原子13aが一部置換された結晶構造を有する。
部分拡散合金粉11を構成する鉄粉12としては、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉等、公知の鉄粉を使用することができ、本実施形態では還元鉄粉を使用する。還元鉄粉は、球形に近似した不規則形状で、かつ内部気孔を有する海綿状(多孔質状)であるから、海綿鉄粉とも称される。鉄粉12は、部分拡散合金粉11の大部分を構成している。
また、部分拡散合金粉11を構成する銅粉13としては、汎用されている不規則形状や樹枝状の銅粉が広く使用可能であり、例えば、電解銅粉、アトマイズ銅粉等が用いられる。本実施形態では、表面に多数の凹凸を有すると共に、粒子全体として球形に近似した不規則形状をなし、成形性に優れたアトマイズ銅粉を使用している。銅粉13は粒状を成しており、後述する箔状の扁平銅粉とは明確に区別される。銅粉13は、鉄粉12よりも小粒径のものが使用され、具体的には粒径45μm以下、好ましくは30μm以下のものが使用される。また、銅粉13は、粒径5μm以上、好ましくは10μm以上のものが使用される。部分拡散合金粉11におけるCuの割合は10〜30質量%(好ましくは22〜26質量%)とする。
部分拡散合金粉11としては、篩を用いて分級することで粗大な粒子を除外したものが使用される。篩の目開きは125μm(120メッシュ)以上とすることが好ましく、135μm(110メッシュ)以上とすることがさらに好ましい。本実施形態では、目開き150μm(100メッシュ)の篩を用いて分級することで、粒径150μm以下の部分拡散合金粉11を得る。分級前の部分拡散合金粉の粒度分布は、図5に示すような正規分布を示すことが多い。従来は、このような部分拡散合金粉を、目開きが比較的小さい篩(例えば106μm)で分級して、図中に斜線で示す領域の粉末を使用していたが、本実施形態では、目開きが比較的大きい篩(例えば150μm)で分級し、図中に散点で示す領域の粉末を使用する。分級後の部分拡散合金粉の粒度分布は、150μmを境に頻度が急激に変化し、150μm以上ではほぼ0になっている。また、分級後の粉末は、粒径の大きい部分拡散合金粉を比較的多く含み、具体的には、粒径が106μmより大きい粉末(目開き106μmの篩の上に残る粉末)を30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上含んでおり、本実施形態では約65質量%含んでいる。
このように、目開きが比較的大きい篩を用いて分級することで、篩分けにより部分拡散合金粉から脱落する単体銅粉の割合を減じられ、分級後の部分拡散合金粉に混入する単体銅粉を減じることができる。具体的には、分級後の粉末(すなわち篩を通過した粉末)における粒径45μm以下の粒状の単体銅粉の割合が10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下とされる。
また、部分拡散合金粉11は、超微細な粒子を除外して、圧粉工程における粉末充填性が低下を防止することが好ましい。具体的には、部分拡散合金粉11中に含まれる、粒径45μm(350メッシュ)以下の粉末の割合を、25質量%未満とするのが好ましい。
なお、粒径は、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回析・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布、さらには粒径を求めるレーザ回析散乱法(例えば株式会社島津製作所製のSALD31000を用いる)により測定することができる。
[扁平銅粉]
扁平銅粉は、水アトマイズ粉等からなる原料銅粉を搗砕(Stamping)又は粉砕することで扁平化させたものである。扁平銅粉は、箔状を成し、具体的には長さLと厚さtのアスペクト比L/tが10以上のものである。本実施形態では、扁平銅粉として、長さLが20μm〜80μm、厚さtが0.5μm〜1.5μm(アスペクト比L/t=13.3〜160)のものが主に用いられる。ここでいう「長さ」および「厚さ」は、図6に示すように個々の扁平銅粉15の幾何学的な最大寸法をいう。扁平銅粉の見かけ密度は1.0g/cm3以下とする。以上のサイズ、及び見かけ密度の扁平銅粉であれば、金型成形面に対する扁平銅粉の付着力が高まるため、金型成形面に多量の扁平銅粉を付着させることができる。
[流体潤滑剤]
金型成形面に扁平銅粉を付着させるため、扁平銅粉には予め流体潤滑剤を付着させておく。この流体潤滑剤は、原料粉末の金型充填前に扁平銅粉に付着させていればよく、好ましくは原料粉の混合前、さらに好ましくは原料銅粉を搗砕する段階で原料銅粉に付着させる。搗砕後、他の原料粉体と混合するまでの間に扁平銅粉に流体潤滑剤を供給し、攪拌する等の手段で扁平銅粉に流体潤滑剤を付着させてもよい。金型成形面上の扁平銅粉の付着量を確保するため、扁平銅粉に対する流体潤滑剤の配合割合は0.1重量%以上、望ましくは0.2質量%以上とする。また、扁平銅粉同士の付着による凝集を防止するため、扁平銅粉に対する流体潤滑剤の配合割合は0.8重量%以下、望ましくは0.7質量%以下とする。流体潤滑剤としては、脂肪酸、特に直鎖飽和脂肪酸が好ましい。この種の脂肪酸は、Cn-12n-1COOHの一般式で表される。この脂肪酸としては、nが12〜22の範囲のもので、具体例として例えばステアリン酸を使用することができる。
[低融点金属粉]
低融点金属粉は、錫、亜鉛、リン等の低融点物質を含み、銅よりも低融点で、且つ、焼結温度よりも低融点の金属粉である。本実施形態では、低融点金属粉として、融点が700℃以下の金属粉、例えば錫粉、亜鉛合金粉(亜鉛−銅合金粉)、リン合金粉(リン−銅合金粉)等の粉末が使用される。この中でも焼結時の蒸散が少ない錫粉が好ましい。低融点金属粉は、部分拡散合金粉11よりも粒径が小さいものを使用するのが好ましい。本実施形態では、低融点金属粉の粒径が5μm〜45μmとされる。これらの低融点金属粉は銅に対して高いぬれ性を持つ。原料粉に低融点金属粉を配合することで、焼結時には先ず低融点金属粉が溶融して銅粉の表面をぬらし、銅の鉄への拡散を進行させる。これにより、鉄粒子と銅粒子の間、および銅粒子同士の間の結合強度が強化される。
[固体潤滑剤粉]
固体潤滑剤粉は、軸2との摺動による金属接触時の摩擦低減のために添加され、例えば黒鉛が使用される。この時、黒鉛粉としては、扁平銅粉に対する付着性が得られるように、鱗状黒鉛粉を使用するのが望ましい。固体潤滑剤粉としては、黒鉛粉の他に二硫化モリブデン粉も使用することができる。二硫化モリブデン粉は層状結晶構造を有していて層状に剥離するため、鱗状黒鉛と同様に扁平銅粉に対する付着性が得られる。
[配合比]
原料粉末における上記各粉末の配合比は、部分拡散合金粉(粒径45μm以下の粒状の単体銅粉を含む)を75〜95質量%、扁平銅粉を5〜20質量%、低融点金属粉(例えば錫粉)を0.8〜6.0質量%(好ましくは2.0〜3.0質量%)、固体潤滑剤粉(例えば黒鉛粉)を0.3〜1.0質量%とするのが好ましい。また、部分拡散合金粉に混入した粒径45μm以下の粒状の単体銅粉(すなわち、篩分けにより部分拡散合金粉から脱落した単体銅粉)の割合は、原料粉末全体の10質量%以下とされる。各粉末を上記の配合比としたのは以下の理由による。
部分拡散合金粉の割合を75質量%以上とすることで、焼結軸受の強度を十分に高めることができる。特に、粒径45μm以下の粒状の単体銅粉の混入割合の少ない部分拡散合金粉を用いることで、部分拡散合金粉の実質的な割合を十分に確保することができるため、単体銅粉の混入による焼結軸受の強度低下が抑えられる。また、本実施形態では、後述のように、原料粉の金型への充填時に扁平銅粉を金型に層状に付着させている。原料粉における扁平銅粉の配合割合が8重量%を下回ると、金型への扁平銅粉の付着量が不十分となって本願発明の作用効果が期待できない。また、扁平銅粉の金型への付着量は20質量%程度で飽和し、これ以上配合量を増しても、高コストの扁平銅粉を使用することによるコストアップが問題となる。低融点金属粉の割合が0.8質量%を下回ると軸受の強度を確保できず、6.0質量%を超えると扁平銅粉の球形化の影響が無視できなくなる。特に、低融点金属粉を2.0質量%以上配合すれば、軸受の強度をより一層高めることができる。また、固体潤滑剤粉の割合が0.5重量%を下回ると、軸受面における摩擦低減効果が得られず、2.0質量%を超えると強度低下等を招く。
[混合]
以上に述べた各粉末の混合は、2回に分けて行うのが望ましい。先ず、一次混合として、鱗状黒鉛粉と、予め流体潤滑剤を付着させた扁平銅粉とを公知の混合機で混合する。次いで、二次混合として、一次混合粉に部分拡散合金粉(粒径45μm以下の粒状の単体銅粉を含む)、および低融点金属粉を添加して混合する。扁平銅粉は、各種原料粉末の中でも見かけ密度が低いため、原料粉中に均一に分散させるのが難しい。そこで、一次混合で見かけ密度が同レベルの扁平銅粉と黒鉛粉とを予め混合しておくと、扁平銅粉に付着した流体潤滑剤等により、図7に示すように、扁平銅粉15と黒鉛粉14が互いに付着して層状に重なり、扁平銅粉の見かけ密度が高まる。これにより、二次混合時に原料粉末中に扁平銅粉を均一に分散させることが可能となる。一次混合時に、別途潤滑剤を添加すれば、扁平銅粉と黒鉛粉の付着がさらに促進されるため、二次混合時に扁平銅粉をより均一に分散させることが可能となる。ここで添加する潤滑剤としては、上記流体潤滑剤と同種または異種の流体状潤滑剤の他、粉末状のものも使用可能である。例えば上述した金属セッケン等の成形助剤は一般に粉状でありながら、ある程度の付着力を有するので、扁平銅粉と黒鉛粉の付着より促進させることができる。
図7に示す扁平銅粉15と鱗状黒鉛粉14との付着状態は、二次混合後もある程度保持されるため、原料粉末を金型に充填した際には、金型表面に扁平銅粉と共に多くの黒鉛粉が付着することとなる。
[成形]
二次混合後の原料粉末は成形機の金型20に供給される。図8に示すように、金型20は、コア21、ダイ22、上パンチ23、および下パンチ24からなり、これらによって区画されたキャビティに原料粉末が充填される。上下パンチ23,24を接近させて原料粉体を圧縮すると、原料粉末が、コア21の外周面、ダイ22の内周面、上パンチ23の端面、および下パンチ24の端面からなる成形面によって成形され、円筒状の圧粉体25が得られる。
原料粉体における金属粉の中では、扁平銅粉の見かけ密度が最も小さい。また、扁平銅粉は、上記長さLおよび厚さtを有する箔状であり、単位重量あたりの幅広面の面積が大きい。そのため、扁平銅粉15は、その表面に付着した流体潤滑剤による付着力、さらにはクーロン力等の影響を受けやすくなり、原料粉の金型20への充填後は、図9(図8中の領域Qの拡大図)に拡大して示すように、扁平銅粉15がその幅広面を金型20の成形面20aに向け、かつ複数層(1層〜3層程度)重なった層状態となって成形面20aの全域に付着する。この際、扁平銅粉15に付着した鱗状黒鉛も扁平銅粉15に付随して金型の成形面20aに付着する(図9では黒鉛の図示を省略)。
その一方で、扁平銅粉15の層状組織の内側領域(キャビティ中心側となる領域)では、部分拡散合金粉11、扁平銅粉15、低融点金属粉16、および黒鉛粉の分散状態が全体で均一化している。この内側領域には、銅粉として、部分拡散合金粉11の鉄粉12に拡散接合された銅粉13、扁平銅粉15、及び、分級時に部分拡散合金粉11から脱落した粒状の単体銅粉13’が存在する。成形後の圧粉体25は、このような各粉末の分布状態をほぼそのまま保持している。
[焼結]
その後、圧粉体25は焼結炉にて焼結される。本実施形態では、鉄組織が、フェライト相とパーライト相の二相組織となるように焼結条件が決定される。このように鉄組織をフェライト相とパーライト相の二相組織とすれば、硬質のパーライト相が耐摩耗性の向上に寄与し、高面圧下での軸受面の摩耗を抑制して軸受寿命を向上させることができる。
炭素が拡散することにより、パーライト(γFe)の存在割合が過剰となり、フェライト(αFe)と同等以上の割合になると、パーライトによる軸に対する攻撃性が著しく増して軸が摩耗しやすくなる。これを防止するため、パーライト相(γFe)はフェライト相(αFe)の粒界に存在(点在)する程度に抑える(図11参照)。ここでいう「粒界」は、粉末粒子間に形成される粒界の他、粉末粒子中に形成される結晶粒界18の双方を意味する。このように鉄組織をフェライト相(αFe)とパーライト相(γFe)の二相組織で形成する場合、鉄組織に占めるフェライト相(αFe)およびパーライト相(γFe)の割合は、後述するベース部S2の任意断面における面積比で、αFe:γFe=80〜95%:5〜20%程度とするのが望ましい。これにより、軸2の摩耗抑制と軸受面1aの耐摩耗性向上とを両立させることができる。
パーライトの成長速度は、主に焼結温度に依存する。従って、上記の態様でパーライト相をフェライト相の粒界に存在させるためには、焼結温度(炉内雰囲気温度)を820℃〜900℃程度とし、かつ炉内雰囲気として炭素を含むガス、例えば天然ガスや吸熱型ガス(RXガス)を用いて焼結する。これにより、焼結時にはガスに含まれる炭素が鉄に拡散し、パーライト相(γFe)を形成することができる。なお、900℃を越える温度で焼結すると、黒鉛粉中の炭素が鉄と反応し、パーライト相が必要以上に増えるので好ましくない。焼結に伴い、上記流体潤滑剤、その他の潤滑剤、各種成形助剤は焼結体内部で燃焼し、あるいは焼結体内部から蒸発する。
以上に述べた焼結工程を経ることで、多孔質の焼結体が得られる。この焼結体にサイジングを施し、さらに真空含浸等の手法で潤滑油あるいは液状グリースを含浸させることにより、図1に示す焼結軸受1(焼結含油軸受)が完成する。焼結体に含浸させた潤滑油は、焼結組織の粒子間に形成された気孔だけでなく、部分拡散合金粉の還元鉄粉が有する気孔にも保持される。焼結体に含浸させる潤滑油としては、40℃における動粘度が30mm2/sec以上、200mm2/sec以下のものが好ましい。なお、用途によっては、潤滑油の含浸工程を省略し、無給油下で使用する焼結軸受1とすることもできる。
以上の製作工程を経た焼結軸受1の表面付近(図1中の領域P)のミクロ組織を図10に概略図示する。
図10に示すように、本発明の焼結軸受1では、金型成形面20aに扁平銅粉15を層状に付着させた状態で圧粉体25が成形され(図8参照)、この扁平銅粉15が焼結されていることに由来して、軸受1の軸受面1aを含む表面全体に銅濃度が他よりも高い表面層S1が形成される。しかも、扁平銅粉15の幅広面が成形面20aに付着していたこともあり、表面層S1の銅組織31aの多くが表面層S1の厚さ方向を薄くした(すなわち、表面(軸受面1a)と略平行に配置した)扁平状になる。表面層S1の厚さは金型成形面20aに層状に付着した扁平銅粉層の厚さに相当し、概ね1μm〜6μm程度である。表面層S1の表面は、銅組織31aの他に遊離黒鉛32(黒塗りで示す)を主体として形成され、残りが気孔の開口部や後述の鉄組織となる。この中では、銅組織31aの面積が最大であり、具体的には表面の60%以上が銅組織31aとなる。
一方、表面層S1で覆われた内側のベース部S2には、三種類の銅組織(31b,31c,31d)、鉄組織33、遊離黒鉛32、および気孔が形成される。第一の銅組織31bは、圧粉体25の内部に含まれていた扁平銅粉15に由来して形成されたもので、扁平銅粉に対応した扁平形状をなしている。第二の銅組織31cは、部分拡散合金粉11の鉄粉12に接合した銅粉13に由来して形成されたものであり、鉄組織33と強固に拡散接合されている。この第二の銅組織31cは、後述のように、粒子同士の結合力を高める役割を担う。
そして、第三の銅組織31dは、粒径45μm以下の粒状の単体銅粉13’(すなわち、分級時に部分拡散合金粉11から脱落した単体銅粉)に由来して形成されたものであり、鉄組織33や他の銅組織31b,31cに付着している。第三の銅組織31dは、焼結により鉄粉12に部分拡散して接合される場合もあるが、鉄粉12に予め拡散接合された銅粉13に由来する第二の銅組織31cと比べて、鉄組織33との合金形成領域(拡散領域)が小さい。また、第三の銅組織31dは、扁平銅粉に由来した扁平状の第一の銅組織31bと形状が全く異なり、粒状に近い形状を成している。従って、ベース部S2の銅組織において、鉄組織33との合金形成領域が小さく、且つ、およそ粒状を成していれば、その銅組織は、部分拡散合金粉11から脱落した単体銅粉13’に由来する第三の銅組織31dであると判別できる。
尚、本実施形態では、原料粉末に別途の単体銅粉を添加してはいないが、このような単体銅粉を添加した場合でも、焼結後の組織を観察することで、当該銅組織が部分拡散合金粉から脱落した単体銅粉に由来するものであるか否かを判別できる。すなわち、通常、原料粉末に添加する単体銅粉は、粒径が少なくとも45μmより大きく、多くの場合80μmよりも大きい。一方、部分拡散合金粉から脱落した単体銅粉は、粒径が少なくとも45μm以下であり、通常20μm程度である。従って、部分拡散合金粉から脱落した単体銅粉に由来する銅組織と、原料粉末に別途添加した単体銅粉に由来する銅組織とは、その大きさが明らかに異なる。具体的には、ベース部S2の任意断面において、銅組織を形成する単体銅粉の粒径が45μm以下であれば、その銅組織は部分拡散合金粉から脱落した単体銅粉に由来するものであり、銅組織を形成する単体銅粉の粒径が45μmより大きければ、その銅組織は原料粉に別途添加した単体銅粉に由来するものであると判別できる。
図11は、図10に示す焼結後の鉄組織33およびその周辺組織を拡大して示すものである。図11に示すように、低融点金属(低融点物質)としての錫は、焼結時に最初に溶融して部分拡散合金粉11(図4参照)を構成する銅粉13に拡散し、青銅相34(Cu−Sn)を形成する。この青銅相34により、鉄粒子や他の銅粒子への拡散が進行し、鉄粒子と銅粒子、あるいは銅粒子同士が強固に結合される。また、個々の部分拡散合金粉11のうち、銅粉13の一部が拡散してFe−Cu合金が形成された部分にも溶融した錫が拡散してFe−Cu−Sn合金(合金相17)が形成される。青銅相34と合金相17を合わせたものが第二の銅組織31cとなる。このように第二の銅組織31cは、その一部が鉄組織33に拡散しているため、第二の銅組織31cと鉄組織33の間で高いネック強度を得ることができる。なお、図11においては、フェライト相(αFe)やパーライト相(γFe)などを色の濃淡で表現している。具体的には、フェライト相(αFe)→青銅相34→合金相17(Fe−Cu−Sn合金)→パーライト相(γFe)の順に色を濃くしている。
部分拡散合金粉11に代えて通常の鉄粉19を使用した場合、図12(a)に示すように、低融点金属粉16の一部が扁平銅粉15と通常鉄粉19の間に存在することになる。この状態で焼結すると、溶融した低融点金属粉16の表面張力によって扁平銅粉15が低融点金属粉16に引き込まれ、低融点金属粉16を核として丸くなる、いわゆる扁平銅粉15の球状化の問題を生じる。扁平銅粉15の球状化を放置すると、表面層S1における銅組織31a(図10参照)の面積が減少し、軸受面1aの摺動性に大きな影響を与える。
これに対し、本発明では、図13に示すように、原料粉末として鉄粉12の略全周が銅粉13で覆われた部分拡散合金粉11を使用しているため、低融点金属粉16の周辺には多数の銅粉13が存在することになる。この場合、焼結に伴って溶融した低融点金属粉16が扁平銅粉15より先に部分拡散合金粉11の銅粉13に拡散する。特に焼結の初期段階では、扁平銅粉15の表面に流体潤滑剤が残存しているため、この現象が助長される。これにより、低融点金属粉16が表面層S1の扁平銅粉15に与える影響を抑えることができる(仮に扁平銅粉15の直下に低融点金属粉16が存在していたとしても、扁平銅粉15に作用する表面張力が減少する)。従って、表面層における扁平銅粉15の球状化を抑制することができ、軸受面1aをはじめとする軸受表面における銅組織の割合を高め、良好な摺動特性を得ることが可能となる。以上の特徴を活かすため、原料粉末には極力単体の鉄粉を添加しないのが好ましい。すなわち、鉄組織33は全て部分拡散合金粉由来のものとするのが好ましい。
このように本発明では、表面層S1における扁平銅粉15の球状化を回避できるので、軸受における低融点金属粉16の配合割合を増やすことができる。すなわち、これまでの技術常識では、扁平銅粉15の球状化の影響を抑えるために、扁平銅粉15に対する低融点金属粉16の配合割合は10質量%未満に抑えるべきとされているが、本発明によれば、この割合を10質量%〜30質量%にまで高めることができる。また、低融点金属粉16の配合割合は、軸受中の全ての銅に対して5質量%〜10質量%とされる。このように低融点金属粉16の配合割合を増すことで、銅粉の鉄粉への拡散を促進させる効果がさらに高まるため、焼結軸受1の高強度化により有効となる。
以上の構成から、軸受面1aを含む表面層S1の表面全体で、鉄組織に対する銅組織の面積比を60%以上にすることができ、酸化されにくい銅リッチの軸受面1aを安定的に得ることができる。また、表面層S1が摩耗したとしても、部分拡散合金粉11に付着した銅粉13に由来する銅組織31cが軸受面1aに現れる。従って、焼結軸受1を振動モータに使用した場合でも、軸受面1aのフレッティング摩耗を防止することが可能となる。また、初期なじみ性および静粛性をはじめとする軸受面1aの摺動特性も向上させることができる。
その一方で、表面層S1の内側のベース部S2は、表面層S1に比べて銅の含有量が少なく、かつ鉄の含有量が多い硬質組織となっている。具体的には、ベース部S2ではFeの含有量が最大であり、Cuの含有量は20〜40質量%となる。このように軸受1のほとんどの部分を占めるベース部S2で鉄の含有量が多くなるため、軸受1全体での銅の使用量を削減することができ、低コスト化を達成することができる。また、鉄の含有量が多いために軸受全体の強度を高めることができる。
特に、本実施形態では、部分拡散合金粉11に由来する銅組織31cと鉄組織33の間で高いネック強度が得られる。従って、軸受面1aからの銅組織や鉄組織の脱落を防止し、軸受面の耐摩耗性を向上させることができる。また、軸受強度(具体的には圧環強度)を高めることができるため、図2に示すようにハウジング3の内周に焼結軸受1を圧入固定した場合でも、軸受面1aがハウジング3の内周面形状に倣って変形することがなく、取り付け後も軸受面1aの真円度や円筒度等を安定的に維持することができる。従って、ハウジング3の内周に焼結軸受1を圧入固定した後、軸受面1aを適正形状・精度に仕上げるための加工(例えばサイジング)を追加的に実行することなく、所望の真円度(例えば3μm以下の真円度)を確保することができる。また、軸2が軸受面1aに接触した際にも軸受面1aの変形を防止することができる。
さらに、本発明では、部分拡散合金粉11を分級する際に、目開きの比較的大きい篩を使用することにより、分級後の部分拡散合金粉11に含まれる単体銅粉の割合を10質量%以下になるようにした。これにより、原料粉末に意図せずに含まれる単体銅粉の割合が減じられ、その結果、原料粉末中の部分拡散合金粉の割合を増やすことができるため、焼結軸受の強度が高められ、具体的には350MPa以上の圧環強度を得ることができる。
また、本実施形態のような携帯端末に搭載される振動モータの焼結軸受は、肉厚が極薄(例えば500μm以下)であるため、部分拡散合金粉の粒径が大きすぎると、成形精度を確保することが難しくなる場合がある。従って、部分拡散合金粉の粒径は、焼結軸受の最小肉厚の1/2以下であることが好ましく、1/3以下とすることがさらに好ましい。このような条件を満たす範囲内で、上記の知見に基づいて、目開きの比較的大きい篩で分級した部分拡散合金粉を使用することで、焼結軸受の強度を高めることができる。
加えて、軸受面1aを含む表面全体に遊離黒鉛が析出しており、しかも扁平銅粉15に付随する形で金型成形面20aに鱗状黒鉛を付着させているため、表面層S1における黒鉛の含有率がベース部S2での黒鉛の含有率よりも大きくなる。そのため、軸受面1aを低摩擦化することができ、軸受1の耐久性を増すことができる。
以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と異なる点を中心に説明し、上記の実施形態と同様の構成については重複説明を省略する。
以上に述べた第一の実施形態に係る焼結軸受では、原料粉末に扁平銅粉を配合して、ベース部S2より銅の割合の高い表面層を形成した場合を示したが、扁平銅粉を含まず、Cu−Fe部分拡散合金粉、低融点金属粉、及び固体潤滑剤を主成分とした原料粉末を用いてもよい。この場合、焼結軸受は、全域でおよそ均一な組成を有する。この焼結軸受においても、上記の実施形態と同様に、目開きの比較的大きい篩で分級した部分拡散合金粉を用いているため、粒径45μm以下の粒状の単体銅粉(部分拡散合金粉から脱落した銅粉)で形成された銅組織が10質量%以下とされる。すなわち、本発明の焼結軸受は、扁平銅粉で形成された表層S1の有無に関わらず、少なくとも内部(例えば、表面から深さ10μm以上)において、銅組織の大部分(例えば85質量%以上)が部分拡散合金粉に由来して形成されたものである。
また、以上に述べた第一の実施形態では、鉄組織をフェライト相とパーライト相の二層組織としているが、パーライト相(γFe)は硬い組織(HV300以上)であって、相手材に対する攻撃性が強いため、軸受の使用条件によっては、軸2の摩耗を進行させるおそれがある。これを防止するため、鉄組織33の全てをフェライト相(αFe)で形成することもできる。
このように鉄組織33の全てをフェライト相で形成するためには、焼結雰囲気は、炭素を含有しないガス雰囲気(水素ガス、窒素ガス、アルゴンガス等)あるいは真空とする。これらの対策により、原料粉では炭素と鉄の反応が生じず、従って焼結後の鉄組織は全て軟らかい(HV200以下)フェライト相(αFe)となる。かかる構成であれば、仮に表面層S1が摩耗してベース部S2の鉄組織33が表面に現れていても、軸受面1aを軟質化することができ、軸2に対する攻撃性を弱めることができる。
また、図14に示すように、表面層S1とベース部S2を有する焼結軸受1の円筒面状の軸受面1aの軸方向両側に、開口側が大径となるテーパ面1b1,1b2を形成することもできる。このように焼結軸受1の軸方向両端にテーパ面1b1,1b2を形成することで、軸2にたわみが生じた場合でも軸2の外周面が焼結軸受1の端部に局所的に当接することを防止でき、応力集中による軸受面1aの局部摩耗や軸受強度の低下、異常音の発生等を防止することができる。
また、図15に示すように、焼結軸受1の円筒面状の軸受面1aの軸方向一方側にだけ、開口側が大径となるテーパ面1b1を形成することもでき、これによっても図12に示す実施形態と同様の作用効果を得ることができる。図14及び図15に示す焼結軸受1は、例えば自動車のパワーウィンド用駆動機構やパワーシート用駆動機構に用いることができる。
上記の焼結軸受1は、振動モータに限らず、例えば自動車用スタータに適用することもできる。図16に、自動車用エンジンの始動のために用いられるスタータSTの代表的構成を簡略化して示す。このスタータSTは、ハウジング3、モータ軸2aを有するモータ部4、出力軸2bを有する減速装置5、出力軸2cを有するオーバーランニングクラッチ6、ピニオンギヤ7、シフトレバー8、および電磁スイッチ9を主要な構成要素とする。シフトレバー8は支点Oを中心として回転可能であり、その先端はオーバーランニングクラッチ6の背後(入力側)に配置されている。オーバーランニングクラッチ6はワンウェイクラッチであり、その入力側には、減速装置5の出力軸2bがスプライン等を介して軸方向に摺動可能に連結されている。オーバーランニングクラッチ6の出力軸2cにピニオンギヤ7が取り付けられ、オーバーランニングクラッチ6は、その出力軸2cおよびピニオンギヤ7と一体となって軸方向に移動可能である。
イグニッションをオンにすると、モータ部4が駆動され、モータ軸2aのトルクが減速装置5、およびオーバーランニングクラッチ6を介してピニオンギヤ7に伝達される。また電磁スイッチ9がオンとなってシフトレバー8に図中の矢印方向の回転力が与えられ、オーバーランニングクラッチ6およびピニオンギヤ7が一体に前進する。これにより、クランクシャフトと結合されたリングギヤ10にピニオンギヤ7が噛み合い、モータ部4のトルクがクランクシャフトに伝達されてエンジンが始動する。エンジンの始動後は、電磁スイッチ9がオフとなり、オーバーランニングクラッチ6およびピニオンギヤ7が後退して、ピニオンギヤ7がリングギヤ10から離れる。エンジン始動直後のエンジントルクはオーバーランニングクラッチ6で遮断されるため、モータ部4に伝達されない。
焼結軸受1は、以上に述べたスタータSTのハウジング3等の内周に圧入固定され、スタータST内の各種軸2(2a〜2c)を支持する(図16ではモータ軸2aおよびオーバーランニングクラッチ6の出力軸2cを焼結軸受1で支持する場合を例示している)。詳細な図示は省略するが、減速装置5のギヤの支持にも焼結軸受1を使用することができる。例えば減速装置5を遊星歯車機構で構成する場合は、軸に対して回転する遊星ギヤの内周に本発明の焼結軸受1を圧入することで、遊星ギヤを軸に対して回転自在に支持することができる。
また、原料粉末に、単体鉄粉および単体銅粉のうちどちらか一方または双方を添加すれば、焼結軸受中の鉄組織や銅組織の比率を自由に変更することができる。ただし、強度を高める観点からは、単体鉄粉や単体銅粉を配合せず、焼結軸受中の鉄組織及び銅組織をなるべく部分拡散合金粉で形成することが好ましい。
なお、以上の説明では、本発明を、軸受面1aを真円形状とした真円軸受に適用する場合を例示したが、本発明は真円軸受に限らず、軸受面1aや軸2の外周面にヘリングボーン溝、スパイラル溝等の動圧発生部を設けた流体動圧軸受にも同様に適用することができる。また、本実施形態では、軸2を回転させる場合を説明したが、これとは逆に軸受1を回転させる用途にも使用することができる。さらに、用途として携帯端末に使用される振動モータや自動車用スタータ等を例示したが、本発明にかかる焼結軸受1の用途はこれらに限定されず、例示した以外の他の用途にも広く適用することが可能である。
また、圧粉体25を圧縮成形する際には、成形金型20および原料粉末の少なくとも一方を加熱した状態で圧粉体25を圧縮成形する、いわゆる温間成形法や、成形金型20の成形面に潤滑剤を塗布した状態で圧粉体25を圧縮成形する金型潤滑成形法を採用しても良い。このような方法を採用すれば、圧粉体25を一層精度良く成形することができる。
本発明の効果を確認するために、以下の試験を行った。
Cu−Fe部分拡散合金粉、扁平銅粉、錫粉、および黒鉛粉を主成分とする混合粉末を用いて円筒状試験片(比較例、及び実施例1〜4)を作製した。各試験片の諸元を下記の表1に示す。
Cu−Fe部分拡散合金粉としては、粒径の異なる2種類を用意した。具体的には、145メッシュ(目開き106μm)の篩を用いて分級したものと、100メッシュ(目開き150μm)の篩を用いて分級したものを用意した。
比較例は、145メッシュの篩を用いて分級した部分拡散合金粉を用い、実施例1〜4は、100メッシュの篩を用いて分級した部分拡散合金粉を用いた。実施例2は、実施例1に、さらに単体鉄粉を加えた原料粉末を用いて作製した。実施例3は、実施例1に、さらに錫粉を増量した原料粉末を用いて作製した。実施例4は、実施例1〜3よりも焼結温度を高くし、910℃以上とした。
その結果、表1に示すように、粒径の小さい部分拡散合金粉を用いた比較例と比べて、粒径の大きい部分拡散合金粉を用いた実施例1〜4の方が、圧環強度が高くなっており、具体的には350MPa以上となっていることが確認された。これは、篩の目開きを大きくすることで、部分拡散合金粉から脱落する単体銅粉が減じられ、焼結軸受中の部分拡散合金粉の割合が増加したためと考えられる。
また、実施例3及び4のように錫粉の割合を増やすことで、実施例2のように鉄粉を増やす場合よりも圧環強度がより一層高くなっていることが確認された。さらに、実施例4のように焼結温度を910℃以上とすることで、実施例1〜3のように焼結温度を910℃未満とした場合よりも圧環強度が大幅に高くなっていることが確認された。
図17は比較例の断面写真、図18は実施例3の断面写真、図19は実施例4の断面写真である。各写真において、白っぽい領域は銅組織を示し、黒っぽい領域は鉄組織を示している。これらの写真から、図17に示す比較例と比べて、図18及び図19に示す実施例は、銅組織の割合が少ない様子が分かる。これは、篩の目開きを大きくすることで、部分拡散合金粉から脱落する単体銅粉が減じられたためと考えられる。
また、図20及び図21に、各試験片(比較例1及び実施例1、2)に所定の荷重(図20は30N、図21は50N)を加えたときの変形量を、比較例の変形量に対する比率で示した。これらの図から、粒径の小さい部分拡散合金粉を用いた比較例と比べて、粒径の大きい部分拡散合金粉を用いた実施例の方が、変形量が小さくなっていることが確認された。
また、図22に各試験片の銅組織の見かけ硬さの比率を、図23に各試験片の鉄組織の見かけ硬さの比率を示す。これらの図から、粒径の大きい部分拡散合金粉を用い、且つ、焼結温度を910℃よりも高くした実施例4が、銅組織及び鉄組織の硬さが高くなっていることが確認された。
1 焼結軸受
1a 軸受面
2 軸
11 部分拡散合金粉
12 鉄粉
13 銅粉
13’ 単体銅粉
14 黒鉛粉
15 扁平銅粉
16 低融点金属粉
17 合金相
18 結晶粒界
19 鉄粉
31(31a〜31d) 銅組織
32 遊離黒鉛
33 鉄組織
34 青銅相
S1 表面層
S2 ベース部

Claims (9)

  1. 鉄粉と銅粉の部分拡散合金粉で形成された鉄組織及び銅組織を主体とした焼結軸受であって、
    粒径45μm以下の粒状の単体銅粉で形成された銅組織を有し、前記単体銅粉で形成された銅組織の割合が10質量%以下であることを特徴とする焼結軸受。
  2. 前記部分拡散合金粉が、粒径が106μmより大きい粉末を30質量%以上含む請求項1記載の焼結軸受。
  3. 密度が7.0g/cm以上である請求項1又は2記載の焼結軸受。
  4. 銅よりも融点の低い低融点物質を2〜3質量%含む請求項1〜3の何れかに記載の焼結軸受。
  5. 表面と略平行に配置された扁平銅粉を主体として形成された表面層を有する請求項1〜4の何れかに記載の焼結軸受。
  6. 前記部分拡散合金粉の粒径が、焼結軸受の最小肉厚の1/2以下である請求項1〜5の何れかに記載の焼結軸受。
  7. 振動モータに使用される請求項1〜6の何れかに記載の焼結軸受。
  8. 鉄粉と銅粉の部分拡散合金粉を、篩を通過させることにより分級する工程と、分級した部分拡散合金粉を含む原料粉末を圧縮成形して圧粉体を形成する工程と、前記圧粉体を焼結して焼結体を形成する工程とを含む焼結軸受の製造方法であって、
    前記原料粉末のうち、前記分級により部分拡散合金粉から脱落した単体銅粉の割合が10質量%以下であることを特徴とする焼結軸受の製造方法。
  9. 目開きが125μm以上の篩を用いて、前記部分拡散合金の分級を行う請求項8記載の焼結軸受の製造方法。
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