JP5543864B2 - バルブ構造 - Google Patents

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Description

この発明は、バルブ構造に関し、特に、車両に搭載される油圧緩衝器への具現化に向くバルブ構造の改良に関する。
車両に搭載される油圧緩衝器への具現化に向くバルブ構造としては、これまでに種々の提案があるが、その中で、たとえば、特許文献1に開示の提案にあっては、油圧緩衝器におけるピストン部に具現化される。
すなわち、この特許文献1に開示の提案は、図5に示すように、油圧緩衝器におけるシリンダ体内に摺動可能に収装のピストン部に具現化され、このピストン部における減衰バルブは、ピストン部を構成するピストン体Pに設けたポートP1の下流側端を開放可能に閉塞する環状のリーフバルブLからなる。
このとき、この図5に示す提案にあっては、ピストン速度が特定の速度領域にあるときの減衰力が大きくなり過ぎないように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持しないで移動可能にしている。
つまり、ピストン体PをピストンロッドRに固定するためにピストンロッドRに螺着される筒状のピストンナットNに直列するガイド筒N1の外周にリーフバルブLの内周を摺接させ、この状態で、附勢手段たるコイルスプリングSによってバルブ抑え部材M越しにリーフバルブLを背面から附勢する。
それゆえ、この図5に示す提案、すなわち、特許文献1に開示の提案にあっては、ピストン部が上方へ移動する際のピストン速度が特定の速度領域以前の領域にあるときに、リーフバルブLの外周側がリーフバルブLに積層したバルブ抑え部材Mの当接部位を支点として撓むので、内周側が固定的に支持されるバルブ構造とほぼ同様の減衰特性を発揮する。
その一方で、特許文献1に開示の提案にあっては、ピストン速度が特定の速度領域に達すると、ポートP1を通過する作動流体たる作動油の圧力がリーフバルブLに作用し、附勢手段たるコイルスプリングSの附勢力に抗してリーフバルブLがバルブ抑え部材Mと共にピストン体Pの言わば端面からからガイド筒N1に沿って軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持されるバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力を過大にすることが抑制されて、車両における乗り心地が悪化されることを阻止する。
特開平9‐291961号公報(図1)
しかしながら、上記した特許文献1に開示の提案にあっては、車両における乗り心地を悪化させない点で基本的に問題がある訳ではないが、その実施にあって、些かの不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、上記したバルブ構造の提案にあっては、附勢手段がコイルスプリングSからなり、このコイルスプリングSの附勢力でリーフバルブLを附勢する構成とされるから、コイルスプリングSにおける附勢力が区々になり易いことを勘案すると、リーフバルブLで発生される減衰力がバラツキ易くなる不具合がある。
そして、上記したバルブ構造の提案にあっては、ピストン速度が特定の速度領域にあるときに、リーフバルブLがコイルスプリングSの附勢力に抗して後退して作動油の流路を確保し、減衰力を過大にしないようにする。
それゆえ、コイルスプリングSを備えず内周側が固定的に支持されるリーフバルブを備えた旧来のバルブ構造に比較して、必然的に、コイルスプリングSの長さ分だけピストン部全体の長さが大きくなり、その長さ分だけ緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長を短くする。
そして、このコイルスプリングSを有した状態でピストン部のストローク長を旧来のバルブ構造と同様程度に確保しようとすると、緩衝器全体の長さが大きくなり、車両への搭載性を悪化させる。
また、上記したバルブ構造の提案にあっては、ピストン速度が特定の速度領域にあるときの減衰力を過大にしないようにリーフバルブLのリフト量を確保する必要があるが、附勢手段たるコイルスプリングSが巻きバネであるから、このコイルスプリングS自体の長さを切り詰めることでリーフバルブLのリフト量を確保しようとすると、バネ力が過大となって、車両における乗り心地を向上させる好ましい減衰力の発生を望めなくなる。
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、たとえば、車両に搭載される油圧緩衝器への具現化に向き、所望の減衰特性の具現化とストローク長の保障の両方を満足でき、その汎用性の向上を期待するのに最適となるバルブ構造を提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明によるバルブ構造の構成を、シリンダ体を上流側室及び下流側室に画成すると共にこれら上流側室及び下流側室を連通するポートが形成される環状のピストン部と、上記ピストン部を保持する軸部材と、上記軸部材を内周側に挿通させると共に上記ピストン部に積層されて上記ポートの下流側端を開放可能に閉塞する環状のリーフバルブと、上記リーフバルブの背面に配設される環状のバルブストッパと、上記バルブストッパの背面に配設されながら内周側に上記軸部材を挿通させて当該バルブストッパを上記リーフバルブに向けて附勢する附勢手段とを有し、上記ピストン部、上記リーフバルブ、上記バルブストッパおよび上記附勢手段が上記軸部材に対して当該軸部材の軸方向に移動可能に保持されるバルブ構造において、上記ポートから分岐するように上記ピストン部に形成されて、上記上流側室あるいは上記下流側室を当該ピストン部の内周側に連通可能にする第1連通路と、上記軸部材に形成されて、上記下流側室あるいは上記上流側室を当該軸部材の外周側となる上記ピストン部の内周側に連通可能にする第2連通路とを有し、ピストン速度が中速領域に達すると、記上流側室あるいは上記下流側室における圧力で上記ピストン部上記附勢手段の附勢力に抗して移動し、上記第1連通路が上記第2連通路に連通することにより、記上流側室と上記下流側室との連通が許容されることを特徴とする。
そして、上記したバルブ構造にあって、より具体的には、附勢手段がワッシャスプリングからなり、このワッシャスプリングが皿バネ,ウエーブバネあるいは脚付きバネなどの変形時に平板状あるいはこれに近似する形状になるバネ力具有部材からなるとする。
それゆえ、この発明にあっては、ピストン速度が中速領域にあるときの上流側室あるいは下流側室における圧力でリーフバルブの外周側が撓んで所定の減衰力を発生すると共にピストン部軸部材の先端部に対して摺動されて、上流側室あるいは下流側室からの作動油が上記のポートに並列する連通路からなるいわゆるバイパス路を介して下流側室あるいは上流側室に流出することになり、リーフバルブによる設定以上の減衰力の発生が回避される。すなわち、ピストン部に形成の第1連通路が軸部材の先端部に形成の第2連通路に連通し、それゆえ、これら第1,第2連通路がいわゆるバイパス路を形成して、上方室からの作動油の一部がリーフバルブを介することなく下方室に流出されることにより、作動油が流れやすくなる。したがって、リーフバルブが許容範囲以上の作動油を通過させないから、いわゆる高過ぎることになる減衰力を発生しない、つまり、いわゆるハイカット現象が発現されることにより、この油圧緩衝器を搭載する車両における乗り心地を悪化させない。
そして、この発明にあっては、附勢手段がワッシャスプリングからなり、また、このワッシャスプリングが皿バネ,ウエーブバネあるいは脚付きバネなど変形時に平板状あるいはこれに近似する形状になるバネ力具有部材からなるから、附勢手段がコイルスプリングからなる場合に比較して、バネ力が安定され易くなり、リーフバルブで発生される減衰力を安定させ易くなると共に、バルブ構造部分を軸部材の軸方向に小さくすることが可能になり、このバルブ構造部分がストロークする際の有効ストロークを大きくできる。
また、この発明にあっては、リーフバルブの内周側に軸部材を挿通させるから、リーフバルブの内周側に軸部材の外周に介装されるガイド筒を挿通させる場合に比較して、バルブ構造部分における部品点数を少なくできる。
この発明によるバルブ構造を具現化した油圧緩衝器のピストン部を示す半截縦断面図である。 図1に示すピストン部の作動状態を図1と同様に示す図である。 図1に示す実施形態における場合のピストン速度に対する減衰力の特性を示す図である。 この発明の他の実施形態によるバルブ構造を具現化した油圧緩衝器のピストン部を図1と同様に示す図である。 従来例とされるバルブ構造を図1と同様に示す図である。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるバルブ構造は、図示するところでは、車両に搭載される油圧緩衝器におけるピストン部に具現化される。
すなわち、車両に搭載される油圧緩衝器は、たとえば、図1に示すように、作動流体が充填されるシリンダ体1内に摺動可能に収装されるピストン部を有し、このピストン部は、シリンダ体1内に出没可能に挿通される軸部材たるロッド体2における図中で下端部となる先端部2aに保持されながらシリンダ体1内にピストンリングPrの配設下に摺動可能に収装されてシリンダ体1内に上流側室たる上方室R1と下流側室たる下方室R2を画成する。
そして、この発明にあって、シリンダ体1内に収装のピストン部は、ロッド体2の先端部2aに浮動構造下に保持され、このピストン部がシリンダ体1内で摺動するときにロッド体2の軸方向に移動可能とされて、特に、ピストン速度が特定の速度領域にあるときの減衰力、特に、図1に示すところでは、伸側の減衰力が高過ぎることにならないように配慮する。
ちなみに、図4に示すところにあっては、ピストン速度が特定の速度領域にあるときに、伸側の減衰力が高過ぎないようにすることに加えて、圧側の減衰力が高過ぎることにならないように配慮し、あるいは、上方室R1に作動油の吸入不足を生じさせないように配慮する。
なお、この発明の具現化にあって、図1に示すところでは、ピストン速度が特定の速度領域にあるときに伸側の減衰力を高過ぎないようにし、また、図4に示すところにあっては、ピストン速度が特定の速度領域にあるときに伸側の減衰力を高過ぎないようにしながら、圧側の減衰力を高過ぎないようにし、あるいは、上方室R1における作動油の吸入不足を生じさせないようにするが、これに代えて、図示しないが、ピストン速度が特定の速度領域にあるときに圧側の減衰力だけを高過ぎないようにし、あるいは、上方室R1における作動油の吸入不足を生じさせないようにするとしても良い。
少し説明すると、図1および図2に示すところにあって、先ず、シリンダ体1は、下方部材とされて、図示しないが、上端開口をヘッド部材で適宜の密封構造下に封止すると共に、このヘッド部材の軸芯部にロッド体2を適宜の密封構造下に上下動可能に貫通させる。
そして、このシリンダ体1にあっては、油圧緩衝器が車両に搭載されるとき、下端側たるボトム側が車両における車軸側に連結され、油圧緩衝器が単筒型とされる場合には、図示しないが、たとえば、シリンダ体1のボトム側に収装されたフリーピストンやブラダなどの気液分離を可能にする伸縮や膨縮を可能にする隔壁体で画成される気室を有し、また、油圧緩衝器が複筒型とされる場合には、同じく図示しないが、シリンダ体1の外方に外筒を有し、この外筒とシリンダ体1との間をリザーバに設定して、シリンダ体1に対してロッド体2が出没する際などのシリンダ体内容積変化を補償する。
次に、ロッド体2は、下端側が上記のシリンダ体1内に出没可能に挿通されると共に、図中での下端部たる先端部2aがピストン部を保持しながら上方部材とされ、図示しないが、上端側がシリンダ体1の外に突出し、油圧緩衝器が車両に搭載されるとき、上端部たる基端部が車両における車体側に連結される。
ちなみに、図示するところでは、油圧緩衝器がシリンダ体1を下方部材にすると共にロッド体2を上方部材にする正立型に設定されてなるとするが、この発明が意図するところからすると、これに代えて、図示しないが、シリンダ体1が上方部材とされると共にロッド体2が下方部材とされる倒立型に設定されてなるとしても良い。
一方、ピストン部は、この発明にあって、浮動構造下にロッド体2に保持されるもので、図示するところでは、ロッド体2における段部2b、すなわち、ロッド体2の本体部たる軸部(符示せず)と先端部2aとの境界部となる段部2bと、ロッド体2の先端部2aの螺条部(符示せず)に螺合されるピストンナット4との間にあって、ロッド体2に対してロッド体2の図中で上下方向となる軸方向に摺動可能に保持される。
このとき、ピストン部は、ロッド体2における先端部2aの外周に直に、すなわち、筒状のガイド部材などを配在させずして介装されるとし、ピストン部の配設の際に筒状のガイド部材などを要しないことによる部品点数の削減を可能にしている。
そして、このピストン部は、外周にピストンリングPrを有しながらシリンダ体1内に摺動可能に収装されてこのシリンダ体1内に上方室R1および下方室R2を画成する環状のバルブディスクたるピストン体3を有すると共に、このピストン体3の下方室R2に対向する下端面に伸側減衰バルブを構成するリーフバルブ5を有してなる。
また、このピストン部にあっては、リーフバルブ5の背面に配設されるバルブストッパ6を有すると共に、このバルブストッパ6の背面に配設される附勢手段を有する。
先ず、ピストン体3は、図示するところにあって、図中で上端側部となる厚肉の頭部(符示せず)とこの頭部から垂下する図中で下端側部となる筒部(符示せず)とを有する有頭筒状に形成されながら、ロッド体2の先端部2aに図中で上下方向となるロッド体2の軸方向に摺動可能な状態に保持される。
ちなみに、ピストン体3を有頭筒状に形成することで、後述する伸側減衰バルブ等のいわゆるバルブ構造を構成する部材を言わばピストン体3内に収装することが可能になり、ピストン部を小型化する上で有利になる。
また、前記したピストン部におけるピストンリングPrは、このピストン体3における外周、すなわち、頭部の外周と筒部の外周とに亘って、たとえば、モールド成形などで合口を有しない態様に配設され、あるいは、割りリング状に形成されて合口を有する態様に配設される。
そして、このピストン体3は、頭部にこの頭部をロッド体2の軸方向に沿って貫通する伸側のポート3aを有し、この伸側のポート3aによって上方室R1の下方室R2への連通を可能にする。
このとき、図示するところにあって、ポート3aの上下端は、ピストン体3における頭部の上下端面を切削するようにして形成される環状溝3b,3cに連通し、言わば上方の環状溝3bが形成されることで、上方室R1からの作動油のポート3aへの流入を保障し、また、言わば下方の環状溝3cが形成されることで、ポート3aからの油圧が作用する後述の伸側減衰バルブにおける受圧面を大きくする。
次に、伸側減衰バルブは、ピストン体3における伸側のポート3aの図中で下端となる下流側端を開放可能に閉塞するように配設され、図示するところでは、ピストン体3の頭部の下方に、つまり、筒部の内側に配設される。
そして、この伸側減衰バルブは、環状のリーフバルブ5からなり、下方室R2側からピストン体3の頭部の下端面に、すなわち、頭部の下端面にあって、上記の環状溝3cを画成するように設けられるバルブシート部(符示せず)に着座して、ポート3aの下流端となる環状溝3cを開放可能に閉塞し、外周側が撓んでバルブシート部の下端面から離座するときにこのバルブシート部の下端面との間に作動油が通過する隙間を出現させる。
また、このリーフバルブ5は、径を同一にしあるいは異にする複数枚のリーフバルブ体を積層してなり、このとき、リーフバルブ5の内周側にはロッド体2が挿通するが、このリーフバルブ5の内周側は、同じく内周側にロッド体2を挿通させるピストン体3における頭部の下端内周側部となるいわゆる固定部に固定されない、つまり、浮動状態に維持される。
なお、図示するところでは、リーフバルブ5は、複数枚のリーフバルブ体を積層してなるが、リーフバルブ体の枚数は、このバルブ構造で実現する減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)によって任意とされて良く、また、複数枚とされるのに代えて、図示しないが、発生させる減衰特性によって一枚のみとされても良い。
一方、バルブストッパ6は、肉厚の環状に形成されていわゆる油圧作用で変形などしない機械的強度を有し、リーフバルブ5が油圧作用で外周側を撓ませてポート3aの下流側端を開放するときに、リーフバルブ5の外周側の撓み量を設定し、図示するところでは、上記のリーフバルブ5の動きに追従できるように、ロッド体2を内周側に挿通させた状態で、浮動状態に維持される。
なお、このバルブストッパ6の内周側とリーフバルブ5の内周側との間には、凡そこの種のバルブストッパとリーフバルブとの間における場合と同様に、間座(符示せず)が配設されている。
そして、附勢手段は、図示するところでは、ワッシャスプリング7からなり、このワッシャスプリング7は、内周側にロッド体2の先端部2aを挿通させると共に具有するバネ力でバルブストッパ6を図中で下端側となる背面側からリーフバルブ5側に向けて附勢する。
すなわち、このワッシャスプリング7は、ピストン速度が特定の速度領域に至るまでは、図1中に示すように、所定のバネ力を具有して湾曲する状態にあってバルブストッパ6を持ち上げるようにして、バルブストッパ6の内周側をリーフバルブ5の内周側に密着させ、つまり、リーフバルブ5の内周側をピストン体3の下端に密接させて、このリーフバルブ5によるポート3aの下流側端の閉塞を可能にする。
そして、このワッシャスプリング7は、詳しくは図示しないが、皿バネ,ウエーブバネあるいは脚付きバネなどの変形時に平板状あるいはこれに近似する形状になるバネ力具有部材からなる。
すなわち、このワッシャスプリングが皿バネ,ウエーブバネあるいは脚付きバネなどの変形時に平板状あるいはこれに近似する形状になるバネ力具有部材からなる場合には、その油圧作用で、バネ力を具有したまま平板状態あるいはそれに近似する状態になって、このワッシャスプリング7が附勢するバルブストッパ6に直列する上方の各部材の下降を許容する(図2参照)。
このように、附勢手段が皿バネ,ウエーブバネあるいは脚付きバネなどの変形時に平板状あるいはこれに近似する形状になるバネ力具有部材からなるワッシャスプリング7とされる場合には、たとえば、前記した特許文献1に開示されているように、附勢手段がコイルスプリングからなる場合に比較して、ピストン部におけるロッド体2の軸方向となる全体長さを小さくでき、したがって、シリンダ体1内におけるピストン部の摺動ストロークを大きくでき、好ましい減衰特性の発現を可能にし得る。
そして、附勢手段がワッシャスプリング7からなることでシリンダ体1内におけるピストン部の摺動ストロークを大きくできるから、油圧緩衝器における全体長さをいたずらに大きくさせずして、車両への搭載性を悪化させない点で有利となる。
そしてまた、図示するところにあって、ピストン部をいわゆる浮動構造に有するのに際して、ピストン部を構成する各構成部材をロッド体2の先端部2aの外周に直接介装すれば足りるから、前記した特許文献1に開示の提案のように、筒状のガイド部材の配設を要せず、部品点数の削減の上からも有利になる。
ちなみに、附勢手段たるウエーブバネあるいは脚付きバネなどからなるワッシャスプリング7は、内周側がロッド体2の先端部2aの外周から離れているので、これに起因してワッシャスプリング7の外周がバルブストッパ6に対して安定されなくなる危惧がある。
そこで、図示するところでは、バルブストッパ6の外周側部に段差からなる位置決め部6aを有して、この位置決め部6a(図1参照)にワッシャスプリング7の外周端を係止させている。
なお、上記の位置決め部6aは、その肉厚をワッシャスプリング7の肉厚にほぼ一致する設定とするが、その肉厚をワッシャスプリング7の肉厚より大きくし、かつ、端面を対向するナット4の端面に接触し得る設定とする場合には、平板状に変形するワッシャスプリング7に過度の疲労を招来させない上で有利になる。
この発明による緩衝器のバルブ構造を具現化する油圧緩衝器にあって、ピストン部は、先ずは、以上のように形成されるが、さらには、前記したように、この発明にあって、ピストン部がロッド体2の先端部2aに浮動構造下に保持され、したがって、シリンダ体1内で摺動時に、特に、ピストン速度が特定の速度領域にあるときの伸側作動時の減衰力が高過ぎることにならないようにする配慮がなされている。
そこで、以下には、これについて少し説明するが、先ず、図示するところにあって、ピストン体3は、上方室R1に上流側端が連通する第1連通路たる連通路3dを有し、この連通路3dの下流側端をピストン体3の内周側、すなわち、このピストン体3の軸芯部に開穿されてロッド体2の先端部2aを挿通させる挿通孔3eに連通させる。
このとき、上記の連通路3dは、上流側端をピストン体3における頭部の上端面に形成の環状溝3bに開口させ、伸側ポート3aに流入し得る態勢にある上方室R1からの作動油が伸側ポート3aから分岐して連通路3dにも流入し易くなるように配慮している。
そして、ピストン体3が以上のように連通路3dを有するのに対して、上記の挿通孔3eに先端部2aを挿通させるロッド体2は、先端部2aに開穿されて下流側端を下方室R2に連通させる連通路2cと、同じく先端部2aに開穿されて上流側端を上記の挿通孔3eに連通させる第2連通路たる連通路2dとを有し、この連通路2dの下流側端を上記の連通路2cの上流側端に連通させている。
このとき、連通路2cは、ロッド体2における先端部2aの軸芯部に開穿される縦穴からなり、また、連通路2dは、ロッド体2における先端部2aを放射方向に開穿した横孔からなる。
そしてまた、ピストン体3に形成の連通路3dは、このピストン体3が図1に示す上昇位置にあるときには、ロッド体2に形成に連通路2c,2dに連通しないが、ピストン体3が図2に示す下降位置にあるときには、ロッド体2に形成に連通路2c,2dに連通する設定とされている。
それゆえ、上記の連通路3d、すなわち、ロッド体2に形成の連通路2c,2dに選択的に連通可能とされる連通路3dを有するピストン体3にあっては、これが、図2に示すように、図中で下降するとき、連通路3dを連通路2c,2dに連通する。
ちなみに、上記した横孔からなる連通路2dの外側端、すなわち、ピストン体3の挿通孔3eに連通する開口端は、連通路2cの径より大径に設定されて、連通路3dを照準させ易くすると共に、いわゆる不感帯の形成に際しての調整を可能にしている。
それゆえ、ピストン部がシリンダ体1内を上昇する伸長作動時にあって、上記の連通路3dと連通路2c,2dとが連通するときには、これら連通路3d,2c,2dがいわゆるバイパス路を形成して、上方室R1から作動油の一部がリーフバルブ5を介することなく下方室R2に流出することになり、この限りにおいて、リーフバルブ5で発生される減衰力が高過ぎることにならないように抑制される。
一方、以上のように形成されたバルブ構造については、図示するところでは、さらに以下のようにも構成されているので、これについて少し説明する。
まず、図示するところでは、ピストン体3が頭部に前記した伸側のポート3aに並列するように開穿される圧側のポート3fを有し、この圧側のポート3fの下流側端を上方室R1側から開放可能に閉塞するバルブたる圧側バルブを有する。
そして、この圧側バルブは、環状のリーフバルブ8からなり、このリーフバルブ8は、外周側が撓むときにピストン体3の頭部の上端面、すなわち、頭部の上端面にあって、ポート3fの下流側端を開口させながらリーフバルブ8に対する受圧面積を大きくするように設けられるバルブシート部(符示せず)に着座して、ポート3fの下流端を開放可能に閉塞し、外周側が撓んでバルブシート部の上端面から離座するときにこのバルブシート部の上端面との間に作動油が通過する隙間を出現させる。
ちなみに、この圧側バルブたるリーフバルブ8にあっては、上記の隙間を作動油が通過するときに所定の減衰力を発生させる圧側の減衰バルブに設定されても良いし、専ら上方室R1にあって、作動油の吸入不足を発現させないようにするための吸込みバルブに設定されても良い。
ところで、この圧側バルブたるリーフバルブ8は、内周側の肉厚を貫通する開口8aを有し、この開口8aを介しての上方室R1からの作動油の伸側のポート3aへの流入を保障する。
このように、ピストン部が圧側のポート3fおよび圧側バルブたるリーフバルブ8を有することで、図示するところにあって、シリンダ体1内でのピストン部を挟んでの上方室R1と下方室R2との間における作動油の往復、すなわち、油圧緩衝器における伸縮作動が可能になる。
そしてまた、圧側バルブたるリーフバルブ8の背面には、バルブストッパ9が配設され、このバルブストッパ9は、リーフバルブ8の外周側部の撓み量たるリフト量を設定すると共に、リーフバルブ8の開口に照準される透孔9aを有して上方室R1から伸側のポート3aへ向けての作動油の流れを保障する。
さらに、このバルブストッパ9の背面には、附勢手段たるワッシャスプリング10が配設され、このワッシャスプリング10は、前記したワッシャスプリング7と同様の形態を呈する、すなわち、皿バネ,ウエーブバネあるいは脚付きバネなどの変形時に平板状あるいはこれに近似する形状になるバネ力具有部材からなる。
ちなみに、このワッシャスプリング10は、バルブストッパ9をリーフバルブ8に向けて押圧するが、このバルブストッパ9をリーフバルブ8に向けて押圧する機能からすれば、これが上記したところに代えて、ゴム材などの凡そバネ力あるいは弾性力を具有するものであれば、任意の構成のものとされて良い。
そして、このワッシャスプリング10が変形時に平板状あるいはこれに近似する形状になるとしても、このとき、バルブストッパ9の透孔9aおよび後述するバネ受11の透孔11aを完全閉塞しないように変形されるのが好ましい。
なお、このワッシャスプリング10にあっても、前記したワッシャスプリング7と同様に、内周側がロッド体2の先端部2aの外周から離れているので、これに起因してワッシャスプリング7の外周がバネ受11に対して安定されなくなる危惧がある。
そこで、図示するところでは、前記したバルブストッパ6と同様に、バネ受11の外周側部に段差からなる位置決め部11bを有して、この位置決め部11b(図1参照)にワッシャスプリング10の外周端を係止させている。
そして、上記の位置決め部11bは、その肉厚をワッシャスプリング10の肉厚にほぼ一致する設定とするが、その肉厚をワッシャスプリング7の肉厚より大きくし、かつ、端面を対向するバルブストッパ9の端面に接触し得る設定とする場合には、平板状に変形するワッシャスプリング10に過度の疲労を招来させない上で有利になる。
このワッシャスプリング10の配設で、ピストン体3が下降する際の初期作動を円滑に実現させることが可能になり、また、一旦下降したピストン体3が旧状に復するように上昇する際の衝撃を緩和することが可能になると共にその際の衝撃音の発生を阻止することが可能になる。
そして、前記したワッシャスプリング7との協働となるが、このワッシャスプリング10の配設で、たとえば、ロッド体2に軸方向となる上下方向の微振動が入力されるとき、この微振動を附勢手段たる二つのワッシャスプリング7およびワッシャスプリング10で吸収することが可能になり、シリンダ体1にロッド体2からの微振動を伝播させないことが、また、逆に、シリンダ体1からの微振動をロッド体2に伝播させないことが可能になる。
そしてまた、前記したワッシャスプリング7との協働となるが、このワッシャスプリング10の配設で、ピストンナット4とロッド体2における段部2bとの間に配設されるバルブ構造を構成する各部品間におけるいわゆるガタツキ阻止が可能になる。
ちなみに、以上の観点からすれば、前記したワッシャスプリング7にあっても、このワッシャスプリング10と同様に機能し、また、同様の効果を発揮するのはもちろんである。
そして、このワッシャスプリング10の背面には、環状のバネ受11が配設され、このバネ受11は、自らがロッド体2における段部2bに係止されて固定状態に維持されながらワッシャスプリング10の外周側を係止させる一方で、その肉厚を貫通する透孔11aを有して、作動油の流れを保障する。
ところで、上記のワッシャスプリング10についてであるが、図示するところでは、前記したワッシャスプリング7と外観上で同じ向きに配設される、すなわち、ワッシャスプリング10の湾曲する外周端が背後の環状に形成のバネ受11に当接されるが、このワッシャスプリング10が機能するところを鑑みると、図示しないが、上記のワッシャスプリング7と外観上で反対向きに配設されるとしても良い。
つまり、ワッシャスプリング10の内周側がバネ受11の内周側に隣接される一方で湾曲する外周側がバルブストッパ9の外周側に当接されるとしても、このワッシャスプリング10が機能するところに差異はない。
そして、ワッシャスプリング10がワッシャスプリング7と外観上で反対向きに配設される場合には、同じく図示しないが、ワッシャスプリング10の内周側端を隣接させるバネ受11についてはその配設を省略して、ワッシャスプリング10の内周側をロッド体2における段部2bに隣接させる、すなわち、担持させるとしても良く、この場合には、部品点数を削減できるので、バルブ構造部分に軸長さ、つまり、ロッド体2の軸方向となる長さを短くできる点で有利となる。
以上のように形成された油圧緩衝器におけるピストン部にあっては、これがロッド体2の段部2bとピストンナット4との間に浮動構造下に配設されてなり、そのため、このピストン部がシリンダ体1内で摺動するときには、以下のように作動する。
すなわち、図示する油圧緩衝器にあって、ピストン部がシリンダ体1内を図中で上昇するように移動する伸長作動時には、上方室R1の圧力が上昇して上方室R1からの作動油が伸側のポート3aを介して下方室R2へ移動することになり、このときに、伸側減衰バルブたるリーフバルブ5がこの移動する作動油に抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめ、油圧緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
なお、ピストン部がシリンダ体1内を図中で下降するように移動する収縮作動時には、下方室R2の圧力が上昇して下方室R2からの作動油が圧側のポート3fを介して上方室R1へ移動することになり、このときに、圧側バルブたるリーフバルブ8は、たとえば、この移動する作動油に抵抗を与えることなくして、吸入バルブとして機能するか、あるいは、移動する作動油に抵抗を与えて、所定の圧力損失を生じせしめ、油圧緩衝器に所定の圧側減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能するかは、圧側バルブたるリーフバルブ8における設定如何による。
先ず、ピストン部がシリンダ体1内で上昇すると、上方室R1の圧力が高まり、上方室R1の作動油がピストン体3に形成の伸側のポート3aを通過して下方室R2に移動しようとする。
そして、このとき、油圧緩衝器における伸縮速度となるピストン速度が、たとえば、0.1m/秒近辺に至らない微低速領域にある場合には、上方室R1からの作動油が伸側減衰バルブたるリーフバルブ5が有する切欠オリフィス5a(図1参照)を介して下方室R2に流出し、このとき、オリフィス特性の減衰力が発生される。
また、このとき、リーフバルブ5が附勢手段たるワッシャスプリング7の附勢力に抗してピストン体3から離れるようにリフトすることはなく、したがって、リーフバルブ5は、ワッシャスプリング7で附勢されてポート3aの下流側端を開放可能に閉塞するように押し付けられた態勢に維持される。
ついで、ピストン速度が、上記の微低速領域から、たとえば、0.3m/秒近辺に至る前となる低速領域にあっては、上方室R1からの油圧がリーフバルブ5の外周側を撓ませるようにしてピストン体3における頭部の下端面との間に隙間を出現させ、したがって、作動油がこの隙間を介して下方室R2に流出し、このとき、所定のバルブ特性の減衰力が発生される。
このピストン速度が微低速領域にあるときと、ピストン速度が低速領域にあるときの減衰力を図3に示す特性図で見ると、先ず、ピストン速度が図3中に符号aで示す領域、すなわち、ピストン速度が0.1m/秒近辺に至らない微低速領域にあるときには、オリフィス特性の減衰力が発生する。
そして、ピストン速度が図3中に符号bで示す領域、すなわち、ピストン速度が0.1m/秒近辺から0.3m/秒近辺に至らない低速領域にあるときには、図3中に実線Aで示すバルブ特性の減衰力が発生する。
一方、ピストン速度が上昇して、ピストン速度が図3中に符号cで示す領域、すなわち、ピストン速度が0.3m/秒近辺にあるときには、上方室R1の圧力と下方室R2の圧力との差が大きくなり、上方室R1からの作動油のリーフバルブ5を下方へ押し下げようとする力が大きくなる。
そして、この力がリーフバルブ5の外周側を上記より大きく撓ませるようになると共に、上記より多量の作動油を通過させようとするが、このときには、作動油の圧力がワッシャスプリング7の附勢力に打ち勝つようになる。
つまり、従前のピストン部にあっては、リーフバルブが固定されているから、図3中に実線Aで示すバルブ特性にリニアに連続する破線A1で示すポート特性の減衰力が発生されることになる。
しかし、この発明にあっては、ピストン速度が0.3m/秒近辺にあるときには、すなわち、この速度領域を特定の速度領域とすれば、上方室R1の圧力と下方室R2の圧力との差が大きくなることから、図2に示すように、ワッシャスプリング7が平板状に変形してバルブストッパ6を介してであるがリーフバルブ5全体の下方への移動を可能にする、すなわち、ピストン部を下方に移動させる。
このとき、リーフバルブ5の外周側は、ピストン体3における頭部の下端面から離れるようになるが、その一方で、ピストン体3に形成の連通路3dがロッド体2の先端部2aに形成の連通路2c,2dに連通し、それゆえ、これら連通路3d,2c,2dがいわゆるバイパス路を形成して、上方室R1からの作動油の一部がリーフバルブ5を介することなく下方室R2に流出され、したがって、リーフバルブ5が許容範囲以上の作動油を通過させないから、いわゆる高過ぎることになる減衰力発生しない、つまり、いわゆるハイカット現象が発現される。
このピストン速度が中速領域にあるときの減衰力を図3に示す特性図で見ると、図3中に実線Bで示すように、それまでリニアに上昇していた減衰力を一旦低下させるように、図中での傾斜角度を低くするようにして、高い減衰力の発生状態から低い減衰力の発生状態に変え、すなわち、ピストン速度が中速領域になると一旦発生減衰力が低くなるように、あるいは低くならないまでも、低速領域からリニアに連続するように漸増せず、減衰力が高くなり過ぎることを回避し得ることになる。
これによって、ピストン速度が低速領域にあるときと、低速領域から中速領域に至る前にあるときには、リーフバルブ5の内周側が固定的に支持される旧来のバルブ構造が適用された緩衝器とほぼ同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中速領域に達すると、ポート3aを通過する作動油の圧力がリーフバルブ5に作用し、ワッシャスプリング7の附勢力に抗してリーフバルブ5がバルブストッパ6と共にピストン体3から軸方向にリフトして後退する。
このとき、この発明のバルブ構造にあっては、ピストン部がシリンダ体1内を上昇する伸長作動時にあって、ピストン体に形成の連通路3dとロッド体2に形成の連通路2c,2dとが連通するときには、これら連通路3d,2c,2dがいわゆるバイパス路を形成して、上方室R1から作動油の一部がリーフバルブ5を介することなく下方室R2に流出することになり、この限りにおいて、リーフバルブ5で発生される減衰力が高過ぎることにならないように抑制される。
したがって、この中速領域の発生減衰力に連続するようにして発生する高速領域における減衰力がいたずらに高くなることがなく(図3中の符号dで示す領域参照)、この油圧緩衝器を搭載する車両における乗り心地をいたずらに悪化させないことになる。
なお、図3中にあって、実線Cで示すところは、ピストン速度が中速領域を超えて高速領域に至った場合の減衰力の発生状態を示すもので、図3中の破線A1にほぼ沿う傾斜になる。
また、リーフバルブ5がリフトするときのピストン速度は、ワッシャスプリング7がリーフバルブ5に作用させる附勢力によって調節することが可能である。
そして、ピストン速度の中速領域(図3中の符号c参照)については、図1に示す実施形態にあっては、いわゆるバイパス路を形成する連通路における径の大きさ、特に、たとえば、連通路2dの径の大きさを変更することで調整可能になる。
そしてまた、このバルブ構造にあっては、コイルスプリングによってリーフバルブ5を附勢するのではなく、ワッシャスプリング7で附勢するので、コイルスプリングを使用する場合に比較して、リーフバルブ5を附勢する附勢手段の軸方向長さが飛躍的に短くなり、バルブ構造を構成する各部を含んだ全体のピストン部も短くなり、油圧緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長が短くなる不具合がなく、車両への搭載性が悪化することがない。
したがって、この実施形態によるバルブ構造にあっては、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰力が過大とならないようにして車両における乗り心地を向上することができると共に、油圧緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長も確保することができる、すなわち、車両における乗り心地とストローク長の両方を満足させることが可能である。
また、ワッシャスプリング7の附勢力の調節を皿バネ,ウエーブバネあるいは脚付きバネにおける板厚の選択で調節でき、附勢力の調節に際して油圧緩衝器のストローク長を犠牲にすることがない。
さらに、附勢力の発生源は、ワッシャスプリング7とされているので、リーフバルブ5の背面に配設されるバルブストッパ6における当接面の全周に亘り均一に附勢力を作用させることができるので、製品単位でバラつきのない安定した減衰力の発生を期待することができる。
ところで、上記したところでは、ピストン部におけるバルブ構造が伸側の減衰作用をする場合を中心に説明したが、この発明が意図するところからすれば、ピストン部におけるバルブ構造が圧側の減衰作用を具現化する場合であっても同様に作動させることが可能になるし、また、同様に機能させることが可能になる。
そして、図示した実施形態にあっては、ピストン部がロッド体2の先端部2aに浮動構造下に保持されるから、バルブディスクたるピストン体3がロッド体2の先端部2a対して図中での上下方向に前進および後退し得ることになり、このことから、ピストン速度が特定の速度領域になるときに、圧側バルブたるリーフバルブ8の作動を制御することが可能になる。
図4に示すところは、この発明の他の実施形態を示すものであるが、この図4に示すところにあって、バルブディスクたるピストン体3および軸部材たるロッド体2が伸側のポート3aのいわゆるバイパス路となる連通路3dおよび2c,2dを設けるの共に、圧側のポート3fのいわゆるバイパス路となる連通路3gおよび2f,2gを設けてなる。
ちなみに、この図4に示すところに代えて、図示しないが、他の実施形態としては、バルブディスクたるピストン体3および軸部材たるロッド体2が伸側のポート3aのいわゆるバイパス路となる連通路を設けないが、圧側のポート3fのいわゆるバイパス路となる連通路3gおよび2f,2gを設けるとしても良い。
以下に、この図4に基づいて、少し説明するが、以下の説明において、その構成が前記した図1に示すところと同様となるところについては、要する場合を除き、図中に同一の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略する。
すなわち、この図4に示すところにあって、ピストン体3は、圧側のポート3fのいわゆるバイパス路となる連通路3gを有すると共に、ロッド体2が連通路2f,2gを有してなる。
そして、ピストン体3に開穿の連通路3gは、圧側ポート3fの上流側端に連通すると共にピストン体3の内周側たる挿通孔3eに連通するもので、ピストン体3に形成の伸側のポート3aとは交差して連通することはない。
また、ロッド体2における連通路2fは、前記したロッド体2の軸芯部に形成の縦穴からなる連通路2cとは分離されるが、ロッド体2の軸芯部に形成される縦孔からなる。
そしてまた、ロッド体2における連通路2gは、上記の連通路2fに連通しながらロッド体2の軸部の外周に開口して上方室R1に連通するもので、ロッド体2の軸部を放射方向に開穿して形成される。
以上のようにピストン体3に連通路3gおよびロッド体2に連通路2f,2gが設けられることで、前記した連通路3dをピストン体3が有し、同じく連通路2c,2dをロッド体2が有する場合と同様に、このピストン体3がロッド体2の先端部2aにおいてロッド体2の軸方向に移動すると、下方室R2が連通路3gおよび2f,2gからなるいわゆるバイパス路を介して上方室R1に連通することになる。
このとき、圧側バルブたるリーフバルブ8が吸込みバルブに設定されてなる場合には、上方室R1における作動油の吸入不足が発現されなくなり、リーフバルブ8が減衰バルブに設定される場合には、それまで高かった減衰力が一旦低下され、たとえば、ピストン速度が中速領域にあるときの発生減衰力を高過ぎないようにすることが可能になる。
前記したところでは、いわゆるバイパス路の連通時には、上流側室R1あるいは下流側室R2からの作動油がピストン体3に形成の連通路3dあるいは3gを介してロッド体2に形成の連通路2dおよび2cあるいは2eおよび2fに流入し、その後に反対側の室R1あるいはR2に流出するとしたが、これに代えて、図示しないが、上記のいわゆるバイパス路の連通時には、上流側室R1あるいは下流側室R2からの作動油がロッド体2に形成の連通路2dおよび2cあるいは2eおよび2fに流入し、その後にピストン体3に別途形成の連通路を通過して反対側の室R1あるいはR2に流出するとしても良い。
そして、前記したところでは、この発明によるバルブ構造が油圧緩衝器におけるピストン部に具現化されるとしたが、この発明が意図するところからすると、これに代えて、図示しないが、油圧緩衝器におけるシリンダ体1内に収装のベースバルブ部や、シリンダ体1の外となるいわゆる緩衝器本体の外に配設される減衰部に具現化されるとしても良い。
なお、この発明の範囲は、図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないのはもちろんである。
車両に搭載される油圧緩衝器にあって、最適な減衰特性の具現化とストローク長の保障の両方を満足でき、その汎用性の向上を期待するのに向く。
1 シリンダ体
2 軸部材たるロッド体
2a 先端部
2b 段部
2c,2d,2f,2g,3d,3g 連通路
3 バルブディスクたるピストン体
3a,3f ポート
3b,3c 環状溝
3e 挿通孔
4 ピストンナット
5 伸側減衰バルブたるリーフバルブ
6,9 バルブストッパ
6a,11b 位置決め部
7,10 附勢手段たるワッシャスプリング
8 圧側バルブたるリーフバルブ
8a 開口
9a,11a 透孔
11 バネ受
Pr ピストンリング
R1 上流側室たる上方室
R2 下流側室たる下方室

Claims (5)

  1. シリンダ体を上流側室及び下流側室に画成すると共にこれら上流側室及び下流側室を連通するポートが形成される環状のピストン部と、
    上記ピストン部を保持する軸部材と、
    上記軸部材を内周側に挿通させると共に上記ピストン部に積層されて上記ポートの下流側端を開放可能に閉塞する環状のリーフバルブと、
    上記リーフバルブの背面に配設される環状のバルブストッパと、
    上記バルブストッパの背面に配設されながら内周側に上記軸部材を挿通させて当該バルブストッパを上記リーフバルブに向けて附勢する附勢手段とを有し
    上記ピストン部、上記リーフバルブ、上記バルブストッパおよび上記附勢手段が上記軸部材に対して当該軸部材の軸方向に移動可能に保持されるバルブ構造において、
    上記ポートから分岐するように上記ピストン部に形成されて、上記上流側室あるいは上記下流側室を当該ピストン部の内周側に連通可能にする第1連通路と、
    上記軸部材に形成されて、上記下流側室あるいは上記上流側室を当該軸部材の外周側となる上記ピストン部の内周側に連通可能にする第2連通路とを有し、
    ピストン速度が中速領域に達すると、記上流側室あるいは上記下流側室における圧力で上記ピストン部上記附勢手段の附勢力に抗して移動し、上記第1連通路が上記第2連通路に連通することにより、記上流側室と上記下流側室との連通が許容されることを特徴とするバルブ構造。
  2. 上記附勢手段は、ワッシャスプリングからなり、このワッシャスプリングは、変形時に平板状になるバネ力具有部材からなる請求項1に記載のバルブ構造。
  3. 上記ポートの上下端面には環状溝が形成されており、上記第1連通路は上記環状溝に開口することにより、上記ポートから分岐していることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブ構造。
  4. 上記第2連通路は、上記軸部材の軸心部に開穿された竪穴と、上記軸部材に放射方向に開穿された横孔とを有し、上記横孔は、上記軸部材の外周側の径が上記軸部材の軸芯部側の径よりも大径に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブ構造。
  5. 上記リーフバルブは、ピストン速度が上記中速領域よりも低い低速領域において上記ポートの下流側端を開放する請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブ構造。
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