JP5284595B2 - 緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器のバルブ構造の改良に関する。
従来、この種緩衝器のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉する上記緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度が中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ車両における乗り心地を損なう場合があり、これを解消するため、図7に示すように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持せずに、リーフバルブLの内周をピストンロッドRもしくはピストンPをピストンロッドRに固定する筒状のピストンナットNの外周に摺接させ、スプリングSでメインバルブMを介してリーフバルブLの背面を附勢した緩衝器のバルブ構造が提案されるに至っており、図示したところでは、緩衝器の伸側減衰バルブに具現化されている(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、図示するところではピストンPが上方へ移動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブLの外周側がリーフバルブLに積層したメインバルブMの当接部位を支点として撓むので、図8に示すように、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートPoを通過する作動油の圧力がリーフバルブLに作用し、スプリングSの附勢力に抗してリーフバルブLがメインバルブMとともにピストンPから軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持される緩衝器のバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力が過大となることを抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開平9−291961号公報(図1)
しかしながら、上述のような提案のバルブ構造にあっては、車両における乗り心地を向上できる点で有用な技術ではあるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
というのは、たとえば、上記ピストンPが上方に移動するときのピストン速度が高速領域に達すると、従来の緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度に応じてリーフバルブLがピストンPから軸方向に後退してリフトするのみで、減衰係数は大きくならない。
したがって、ピストン速度が高速領域に達する場合の減衰力が不足気味となり、振動抑制が充分に行われず、車両における乗り心地を悪化させてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても車両における乗り心地を向上することができる緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダ内に一方室と他方室とを隔成し上記一方室と上記他方室とを連通するポートを備えたバルブディスクと、上記バルブディスクの他方室側の端面に積層されて上記ポートの下流を閉塞するリーフバルブとを備えた緩衝器のバルブ構造において、上記一方室と上記ポートの上流とを連通する流路と、上記流路に設けた絞り弁とを備え、
上記絞り弁は、上記バルブディスクより上記一方室側に配置され上記バルブディスクに対し遠近可能に設けられ上記バルブディスクへ接近することで上記流路の流路面積を減じるスプールを備え、
さらに、上記スプール内に収容されて上記バルブディスクに対して軸方向に不動の封止部材と、
上記封止部材の外周に上記スプールが摺動自在に装着されることにより上記スプール内に画成されて上記他方室と連通する圧力室とを備え、
上記絞り弁は、上記一方室の圧力を直接受けて上記流路を絞る方向へ附勢されるとともに、上記圧力室に導かれた上記他方室の圧力で上記一方室の圧力による附勢とは反対方向に附勢され、
上記バルブディスクの速度が高速領域に達し上記一方室の圧力が上記他方室の圧力を所定量上回ると上記流路の流路面積を減じることを特徴とする。
本発明の緩衝器のバルブ構造によれば、バルブディスクの速度(ピストン速度、以下同じ)が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる
また、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
以下、本発明のバルブ構造および緩衝器を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。図2は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。図3は、減衰力の時間変化を示した図である。図4は、一実施の形態の変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。図5は、他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。図6は、他の実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、ピストンロッド5の先端に連結されてシリンダ内に一方室たる上室41と他方室たる下室42とを隔成し上記上室41と下室42とを連通するポート2を備えたバルブディスクたるピストン1と、ピストン1の下室42側の端面に積層されてポート2の下流を閉塞する環状のリーフバルブ10と、リーフバルブ10に積層される環状のバルブ抑え部材11と、バルブ抑え部材11を介してポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢する附勢手段たるコイルスプリング15と、上室41とポート2の上流とを連通する第一流路20および第二流路21とでなる流路Pと、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回ると上記流路Pの流路面積を減じる絞り弁16とを備えて構成されている。

他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、ピストンロッド5の端部に設けた上記ピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される2つの圧力室たる上室41と下室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動するときに、上室41内の圧力が上昇して上室41から下室42へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にリーフバルブ10で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、有底筒状に形成され、底部1aの軸心部に設けられ緩衝器のピストンロッド5が挿通される挿通孔1bと、ポート2と、ポート2に連通する窓3と、ポート2の出口端となる窓3の外周側に形成されピストン1の底部1aよりリーフバルブ10側に突出する環状の弁座1cと、外周側に延設される筒部1fを備えて構成されている。
なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに下室42から上室41へと向かう作動油の流れを許容する圧側のポート1dが底部1aの伸側のポート2より外周側に設けられている。
このピストン1の挿通孔1b内には上述のようにピストンロッド5が挿通され、ピストンロッド5の先端部はピストン1の図1中下方側に突出させてある。なお、ピストンロッド5の先端5aの外径は、先端5aより図1中上方側の外径より小径に設定され、上方側と先端部との外径が異なる部分に段部5bが形成されている。
つづいて、ピストンロッド5の先端5aにはピストンナット4が螺着され、このピストンナット4は、筒部4aと、図1中下端外周から延設される鍔4bとを備えて構成され、筒部4aの上端外周は小径とされて小径部4cが形成されている。
そして、上記ピストンロッド5の先端5aを、外周側にスプール17が摺動自在に装着される環状の封止部材22、ピストン1より上室41側に配置されポート2と上室41とを遮断する環状の隔壁体24、スペーサ102、バルブストッパ103、間座101、圧側のリーフバルブ100およびピストン1の順に、これらの内周に挿入し、ピストン1の図1中下方からピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5cに螺着することによって、上記各部材はピストンロッド5の段部5bとピストンナット4の上端とで挟持されてピストンロッド5に固定される。
なお、ピストン1の底部1aに設けた挿通孔1bにおける下端開口部が拡径されて拡径部1eが設けられて段部が形成され、この段部に筒部4aにおける小径部4cの図1中上端の挿入が可能なようになっている。
そして、ピストン1の底部1aには、上記ピストンナット4の筒部4aにおける小径部4cの外周に摺接するリーフバルブ10より小径であって環状の間座7が複数積層され、この間座7の下方から小径部4cの外周に摺接するリーフバルブ10が積層され、さらに、このリーフバルブ10の下方からリーフバルブ10より小径であって小径部4cの外周に摺接する環状の間座8が複数積層されるとともに、またさらに、この間座8の下方から同じく小径部4cの外周に摺接するバルブ抑え部材11が積層されている。
なお、リーフバルブ10は、環状に形成されたリーフを複数枚積層して積層リーフバルブとして構成されており、この図1中上面を弁座1cに当接させて、ピストン1のポート2を閉塞することができるようになっている。さらに、詳しくは図示しないが、弁座1cに着座するリーフの外周に設けた切欠あるいは弁座1cに打刻されて形成される周知のオリフィスが設けられている。また、この実施の形態においては、リーフバルブ10は、積層リーフバルブとして構成されているが、上記リーフの枚数は、本バルブ構造で実現する減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)によって任意とされてよく、緩衝器に発生させる減衰特性によって複数枚とされても一枚のみでも差し支えなく、また、緩衝器に発生させ減衰特性によって各リーフの外径を異なるように設定することができる。
また、上述のように、ピストン1を有底筒状の形状とすることによって、リーフバルブ等のバルブ構造を構成する部材をピストン1内に収納することが可能となって、ピストン1の図1中上端からピストンナット4の図1中下端までの長さを短くすることができ、ピストン部を小型化することができる。
さらに、図1中一番最下方に積層されるバルブ抑え部材11は、内周側が上記したピストンナット4の小径部4cの外周に摺接し、外径がリーフバルブ10の外径と略同径に設定される環状本体11aと、環状本体11aの図1中下端から下方に垂下され同じく内周側が小径部4cの外周に摺接する筒部11bとを備えて構成されている。
また、上記環状本体11aとピストンナット4の鍔4bとの間には、附勢手段たるコイルスプリング15が介装され、このコイルスプリング15でバルブ抑え部材11を介して上記リーフバルブ10を弁座1c側に押し付けている。
なお、筒部11bを省略することも可能であるが、上記筒部11bは、コイルスプリング15をセンタリングする機能を発揮し、このセンタリング機能によってコイルスプリング15の附勢力をバルブ抑え部材11に偏りなく作用させることができるので、設けておくことが望ましい。
そして、上記構成によって、コイルスプリング15の附勢力を上記バルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10の内周側に作用させて、コイルスプリング15でポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢している。
したがって、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11は、ピストン1が図1中上方に移動して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなると、上記附勢力に抗してコイルスプリング15を圧縮してリーフバルブ10の全体がピストン1から軸方向に後退、つまり、図1中下方にリフトするようになっている。
なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの先端までの軸方向長さよりも、間座7全体の軸方向の厚みを短く設定してあり、内周側に附勢力が作用しているリーフバルブ10に初期撓みを与えている。
この初期撓みの撓み量の設定によって、リーフバルブ10が弁座1cから離れてポート2を開放する時の開弁圧を調節することができ、この初期撓みの撓み量は、間座7の全体の厚みで変更可能であるとともに、緩衝器が適用される車両に最適となるように設定されている。なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの下端までの軸方向長さによっては、間座7を省略することも可能である。
さらに、上記したところでは、附勢手段をコイルスプリング15としているが、リーフバルブ10に所定の附勢力を作用させればよいので、これを例えば、皿バネやリーフスプリングとしたり、ゴム等の弾性体としたりしてもよい。
つづき、ピストン1より図1中上方に配置される各部材について詳しく説明すると、上述のようにピストン1の上方には、間座101およびリーフバルブ100を介してピストン1に対向する隔壁体24が積層されており、この隔壁体24は、環状の本体24aと、本体24aの外周に設けたスライドリング24bと、スライドリング24bの内周側に配置されるOリング24cとを備え、スライドリング24bをシリンダ40の内周に摺接させて、隔壁体24とシリンダ40との間を作動油が通過することが無いように配慮されている。したがって、隔壁体24は、上室41とポート2とを遮断してピストン1と隔壁体24との間に空間を仕切っている。
さらに、本体24aには、本体24aの内周側に配置され図1中上下を貫通して上室41とポート2との連通を許容する第一流路20と、本体24aの外周側に配置され図1中上下を貫通して上室41とポート2との連通を許容する第二流路21とが設けられており、これら第一流路20と第二流路21とで上室41とポート2の上流とを連通する流路Pを構成し、上記第一流路20および第二流路21のみを介して一方室41とポート2を連通するようになっている。
さらに、この隔壁体24の図1中上方には、隔壁体24の第一流路20を閉塞しない外径に設定された封止部材22が積層されて、ピストンロッド5に固定されピストン1に対して軸方向に不動とされている。この封止部材22は、筒状に形成され、図1中上端は小径とされ、この小径部22aには、その内外を連通するオリフィス通路22bが設けられている。
そして、このオリフィス通路22bは、ピストンロッド5の先端5aに封止部材22が固定された状態で、ピストンロッド5の図1中下端から開口して封止部材22が配置される部位まで通じるパイロット通路5dに連通されている。
さらに、この封止部材22の上方には、スプール17が配置されて設けられている。このスプール17は、外周がシリンダ内周に対向する円盤部17aと、円盤部17aから垂下される円盤部17aより小径な外径を持つ筒部17bと、円盤部17aの中心部に開口される挿通孔17cを備えて構成されており、この挿通孔17c内にピストンロッド5を摺動自在に挿通させている。
したがって、このスプール17は、隔壁体24より上室41側に配置され、ピストンロッド5に対して図1中上下方向となる軸方向に移動自在とされて隔壁体24に対し遠近可能とされ、ピストンロッド5の外周に装着されたストップリング18によって上方への移動限界が設定されている。
さらに、このスプール17は、図1中下方へ移動すると、最終的には、筒部17bが隔壁体24の図1中上面に当接するが、筒部17bは、少なくとも、隔壁体24の本体24aにおける第二流路21と第一流路20との間に当接して、第一流路20を閉塞できるようになっている。
そして、また、筒部17b内には、上述の封止部材22が収容され、筒部17bの内径がピストンロッド5の外径より大径とされて、筒部17bと封止部材22との間に圧力室26が形成されるようになっており、この圧力室26は、封止部材22の内外を貫通するオリフィス通路22bおよびパイロット通路5dを介して下室42に連通され、圧力室26内には下室42内の圧力が導かれるようになっている。
上述のように封止部材22は、ピストンロッド5に固定されピストン1に対して軸方向に不動とされているので、スプール17が軸方向に上下動すると、圧力室26の容積は増減することになる。
さらに、この円盤部17aには、図1中上下を貫通する孔17dが設けられており、この孔17dを介して抵抗無く第一流路20および第二流路21へ作動油が移動することが許容されている。
つづき、このスプール17の円盤部17aの図1中下端外周と隔壁体24との間には、バネたるコイルスプリング25が介装されており、このコイルスプリング25によってスプール17は、上室41側となる図1中上方側へ附勢されて、何ら他に力が作用しない状態ではストップリング18で規制する位置に配置される。
なお、コイルスプリング25の上端内周は、円盤部17aの下端に設けた段部17eの外周に嵌め込まれ、また、下端内周は、隔壁体24の図1中上端外周側に設けたソケット24dの外周に嵌め込まれ、このようにすることでコイルスプリング25の軸ぶれが防止されている。
なお、リーフバルブ100には、孔100aが設けられており、この孔100a、第一流路20および第二流路21を介して作動油は上室41から下室42へ移動することができるようになっている。
戻って、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動する緩衝器が伸長行程時には、上記スプール17が上室41と圧力室26に作用する下室42の差圧に応じて図1中下方へ移動し、隔壁体24に接近することでスプール17の筒部17bと隔壁体24の本体24aとの間の隙間を狭めて第一流路20の流路面積を減じて流路Pの流路面積を減じるようになっており、この実施の形態における絞り弁16は、スプール17と隔壁体24とで構成されていることになる。
このスプール17の動作について詳しく説明すると、スプール17は、コイルスプリング25および下室42内の圧力を受けて図1中上方へ附勢されるとともに、逆に、上室41内の圧力を受けて図1中下方へ附勢されることになり、スプール17に作用する上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回ると、スプール17は、隔壁体24に近付いてスプール17の筒部17bと隔壁体24との間の隙間を狭めて第一流路20へ通じる通路の開口面積を減じて第一流路20を絞ることになり、絞り弁16として機能することになる。
このように、スプール17が第一流路20の流路面積を減じるようになると、第一流路20内の圧力は、筒部17bと隔壁体24との間の隙間の大きさに依存して変化することになる。すなわち、筒部17bと隔壁体24との間の隙間が小さくなると上室41の圧力と第一流路20内の圧力との差は増加することになる。
したがって、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回るようになるとスプール17が隔壁体24側へ移動するようになり、筒部17bと隔壁体24との間の隙間が小さくなって上室41の圧力と第一流路20内の圧力との差は増加し、スプール17はますますピストン1側へ附勢されて隔壁体24に当接することになる。つまり、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回るようになると、スプール17は、隔壁体24の本体24aに当接するまで図1中下方へ移動して第一流路20を閉塞し、この移動過程ではスプール17の筒部17bと隔壁体24の本体24aとの間の隙間を狭める絞り弁として機能することになる。
なお、圧力室26はオリフィス通路22bを介して下室42に接続されているので、スプール17の動きは緩慢となり、急激に第一流路20がスプール17によって閉塞されてしまうことが無いようになっている。
つまり、この絞り弁16は、スプール17に作用する上室41と下室42の差圧が大きくなればなるほど第一流路20を大きく絞るように作用し、最終的には上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回ると第一流路20を閉塞して流路Pの流路面積を減じるように設定されている。
また、ピストン1がシリンダ40に対して図1中下方に移動する緩衝器の圧縮行程時には、ポート1dを介して作動油が下室42から上室41へ移動するが圧側のリーフバルブ100はバルブストッパ103によって最大撓み量が規制されて、隔壁体24に当接することがないので、リーフバルブ100が隔壁体24に設けられる第一流路20および第二流路21を閉塞してしまう事態が防止されている。
つづいて、上記したように構成される一実施の形態における緩衝器のバルブ構造の作用について説明する。上述したように、ピストン1がシリンダ40に対して図1中上方側に移動すると、上室41内の圧力が高まり、上室41内の作動油はポート2を通過して下室42内に移動しようとする。
そして、緩衝器の伸縮速度となるピストン速度が低速領域にある場合、絞り弁16における圧力損失は小さいため、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が小さく、スプール17をコイルスプリング25の附勢力に抗して隔壁体24側へ移動させることができないので、第一流路20は閉塞されることがない。
また、第一流路20および第二流路21を通過した作動油はポート2を介して下室42へ移動するが、ピストン速度が低速領域にある場合、作動油は、ピストン速度が極低速のうちは、上述のリーフバルブ10の弁座1cに着座するリーフの外周に設けた切欠あるいは弁座1cに打刻によって形成されるオリフィスを通過し、その後の速度の上昇に伴って、リーフバルブ10の外周を撓ませるが、リーフバルブ10をコイルスプリング15の附勢力に抗してピストン1から後退させてリフトさせることができず、リーフバルブ10はコイルスプリング15によって附勢されてポート2を閉塞するように押し付けられて間座8の外周縁を支点として撓むのみとなる。したがって、このときの減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図2中実線で示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
他方、ピストン1の速度が中速領域に達すると、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなるが、スプール17をコイルスプリング25の附勢力に抗して隔壁体24側へ移動させることができないので、第一流路20は閉塞されることがない。すなわち、ピストン速度が中速領域にある場合、上室41内の圧力が下室42内の圧力より所定量上回ることがないように、その所定量が設定されており、ピストン速度が中速領域にある場合では、絞り弁16が第一流路20を閉塞することがないように設定されている。
また、ピストン1の速度が中速領域に達した状態では、一方室41内の圧力と他方室42内の圧力との差が大きくなり、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力が大きくなるので、該力がコイルスプリング15の附勢力に打ち勝って、リーフバルブ10の全体をピストン1から軸方向に後退させる、すなわち、図1中下方へ移動させてリーフバルブ10をリフトさせることになり、弁座1cとリーフバルブ10との間の隙間は、ピストン速度の上昇とともに大きくなる。
すなわち、ピストン速度が中速領域にあるときの減衰特性は、図2に示すように、リーフバルブ10の全体がピストン1の底部1aからリフトするので、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。
さらに、ピストン速度が高速領域に達すると、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力はさらに大きくなって、リーフバルブ10のピストン1から図1中下方へ後退する後退量は大きくなり、リーフバルブ10と弁座1cとの間の隙間はピストン速度が中速領域にあるときよりも大きくなる。
これに対し、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差がますます大きくなるので、スプール17はコイルスプリング25および下室42内の圧力による附勢力に打ち勝ってピストン1側に移動して隔壁体24に当接して第一流路20を閉じる。
すなわち、ピストン速度が高速領域にある場合、上室41内の圧力が下室42内の圧力より所定量上回るように、その所定量が設定されており、ピストン速度が高速領域にある場合では、絞り弁16が第一流路20を閉塞するように設定されている。
したがって、ピストン1の速度が高速領域にある場合、上室41内の作動油は第二流路21およびポート2のみを介して下室42へ移動するようになり、流路Pにおける流路面積が制限されるので、ピストン1の速度の増加に伴って圧力損失も比例的に増加することになる。
つまり、ピストン速度が高速領域にあるときの減衰特性は、図2に示すように、流路面積が制限されるので、中速領域にあるときよりも傾きが大きくなり、ピストン1の速度の増加に伴って減衰力も増加するようになる。
なお、図2の減衰特性はピストン速度に対する定常的な減衰力を示しているので、ピストン速度が高速領域となると、急激に減衰力が大きくなるように見えるが、圧力室26はオリフィス通路22bを介して下室42に連通されているので、スプール17が第一流路20を閉塞するには、ある程度の時間を要することになる。
したがって、時間を横軸にとり、減衰力およびピストン速度を縦軸にとると、図3に示すように、一点差線で示すピストン速度が中速領域から高速領域に変化すると、実線で示す減衰特性は、時間経過とともに減衰力が増大することになり、実際には、急激に減衰力が変化してしまうことがなく、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無い。なお、オリフィス通路22bを設けず、単に圧力室26を下室42に連通する場合には、その減衰特性は図3中破線で示すように、ピストン速度が中速領域から高速領域に変化すると減衰力が急激に変化することになる。
このように、本実施の形態の緩衝器のバルブ構造にあっては、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
また、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
なお、上述したところでは、隔壁体24をシリンダ40の内周に摺接させてポート2と一方室たる上室41とを遮断しピストン1と隔壁体24との間に空間を仕切るようにしているが、隔壁体24をシリンダ40の内壁に摺接させずにキャップ状として隔壁体24でピストン1の図1中上面を覆うようにしてポート2と一方室たる上室41とを遮断するようにしてもよい。この場合には、隔壁体24がシリンダ40の内周に摺接しないので、緩衝器の摺動摩擦が低減され円滑に伸縮することが可能となる。
また、本実施の形態にあっては、絞り弁16は、最終的に第一流路20を閉塞するように設定されているが、流路Pの流路面積を減じる機能を発揮すればよいので、スプール17の図1中下方への移動の下限を設けて、第一流路20を完全に閉塞することが無いように設定することも可能である。
つぎに、一実施の形態の変形例における緩衝器のバルブ構造について説明する。この一実施の形態の変形例における緩衝器のバルブ構造は、図4に示すように、ピストン1から図4中上方の構成が上述した一実施の形態におけるバルブ構造と異なる。
なお、説明が重複するので、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造と同様の部材については、同様の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略することとする。
一実施の形態の変形例における緩衝器のバルブ構造では、上記ピストンロッド5の先端5aには、図4中上から順に、外周側にスプール30が摺動自在に装着される筒状の封止部材31、スペーサ32、環状の円盤33、間座101および圧側のリーフバルブ100がピストン1の上室41側の端面に積層されて、これらの部材は、一実施の形態と同様に、ピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5cに螺着することによってピストンロッド5の段部5bとピストンナット4の上端とで挟持されてピストンロッド5に固定される。
この変形例にあっては、円盤33は、バルブディスクたるピストン1の上室41側に対向しており、上室41とピストン1とを完全に仕切ることが無く、円盤32の外周とシリンダ40との間には作動油の通過が可能なように隙間が形成されている。
そして、円盤33は、軸方向に貫通する貫通孔33aが設けられており、この貫通孔33aで第一流路が形成され、第二流路は、円盤33とシリンダ40との間および円盤33とピストン1との間の隙間で形成されている。そして、これら第一流路と第二流路とで流路が構成されているのは上記した一実施の形態と同様である。
さらに、スプール30は筒状に形成され、また、その上端には外周側に突出する鍔部30aが設けられ、この鍔部30aと円盤33の外周に設けた段部33bとの間にバネたるコイルスプリング34が介装されている。
また、このスプール30の内周は、図4中下方側が大径とされている。そして、このスプール30内周に、ピストンロッド5に固定される封止部材31が摺動自在に挿入されている。詳しくは、封止部材31は筒状に形成されており、内周に設けた内周フランジ31aがピストンロッド5の先端5aに固定され、また、図4中外周下端には、外方へ突出する外周フランジ31bが設けられており、この外周フランジ31bの外周をスプール30の大径な内周に、外周フランジ31b以外の部位をスプール30の小径な内周に摺接させている。
したがって、スプール30の内周の小径部位と大径部位で形成される段差と封止部材31の外周と外周フランジ31bで形成される段差とで、図4に示すように、圧力室35が形成され、この圧力室35は、封止部材31の肉厚を貫いてその外周から開口して内周フランジ31aの内周まで連通されるオリフィス通路31cと、このオリフィス通路31cに対向するピストンロッド5に設けたパイロット通路5dを介して下室42に連通されている。
すなわち、スプール30は、円盤33より上室41側に配置され、ピストンロッド5に対して図4中上下方向となる軸方向に移動自在とされて円盤33に対し遠近可能とされ、封止部材31の外周に装着されたストップリング36によって上方への移動限界が設定されている。
したがって、スプール30は、上室41の圧力によって図4中下方へ附勢される一方、圧力室35に作用する下室42の圧力およびコイルスプリング34によって図4中上方へ附勢されており、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回るとスプール30が円盤33側へ移動し当接して、第一流路となる貫通孔33aを閉塞することになり、このスプール30と円盤33とで絞り弁37が構成されている。
このように構成される変形例における緩衝器のバルブ構造にあっては、ピストン1がシリンダ40に対して図4中上方へ移動する際のピストン速度が低中速領域にある場合には、上室41の圧力と下室42の圧力との差は大きくないので、スプール30は、第一流路たる貫通孔33aを閉塞することが無く、ピストン速度が高速領域に達すると、スプール30は円盤33の貫通孔33aより外周側に当接して第一流路たる貫通孔33aを閉塞するようになる。これに対して、リーフバルブ10の動作は一実施の形態と同様となる。
したがって、この変形例における緩衝器のバルブ構造は、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造と同様に、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
また、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
また、この実施の形態においても、圧力室35はオリフィス通路31cを介して下室42に連通されているので、スプール30が第一流路たる貫通孔33aを閉塞するには、ある程度の時間を要することになり、ピストン速度が中速領域から高速領域に変化しても、時間経過とともに減衰力が増大することになるので、急激に減衰力が変化してしまうことがなく、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無い。
最後に、他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造について説明する。この他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図5に示すように、ピストン1から図5中上方の構成が上述した一実施の形態におけるバルブ構造と異なる。
なお、説明が重複するので、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造と同様の部材については、同様の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略することとする。
他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造では、上記ピストンロッド5の先端5aには、図5中上から順に、筒状のスプール50と、ピストンロッド5に固定され外周側に装着されるスプール50を摺動自在に保持する筒状の封止部材51と、間座101および圧側のリーフバルブ100がピストン1の上室41側の端面に積層されて、これらの部材は、一実施の形態と同様に、ピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5cに螺着することによってピストンロッド5の段部5bとピストンナット4の上端とで挟持されてピストンロッド5に固定される。
この他の実施の形態では、スプール50は筒状に形成され、また、その上端には内周側に突出するフランジ部50aが設けられ、このフランジ部50aと封止部材51との間にバネたるコイルスプリング53が介装されている。
また、このスプール50の内周径は、図5中下方側が大径とされて、大径部50bが形成されている。そして、このスプール50の内周に、ピストンロッド5に固定される封止部材51が収容されており、スプール50は、この封止部材51の外周に摺動自在とされて図5中上下方向に移動することが可能なようになっている。また、封止部材51も筒状に形成されており、内周に設けた内周フランジ51aがピストンロッド5の先端5aに固定され、さらに、図5中外周下端には外方へ突出する外周フランジ51bが設けられており、この外周フランジ51bの外周をスプール50の大径部50bの内周面に、封止部材51の外周フランジ51b以外の外周部位をスプール50の小径な内周に摺接させている。
したがって、スプール50の内周の小径部位と大径部50bとで形成される段差と封止部材51の外周と外周フランジ51bで形成される段差とで、図5に示すように、圧力室54が形成され、この圧力室54は、封止部材51の肉厚を貫いてその外周から開口して内周フランジ51aの内周まで連通される通路51cと、この通路51cに対向するピストンロッド5に設けたパイロット通路5dを介して下室42に連通されている。なお、上記した通路51cは途中にオリフィス51dを備えている。
すなわち、スプール50は、ピストン1より上室41側に配置され、ピストンロッド5に対して図5中上下方向となる軸方向に移動自在とされてバルブディスクたるピストン1に対し遠近可能とされ、ピストンロッド5の外周に装着されたストップリング55によって上方への移動限界が設定されている。また、この実施の形態の場合、流路60は、上記スプール50とピストン1との間の隙間によって形成されている。また、スプール50の下端にはスプール50がバルブディスクたるピストン1に当接しても、流路60が閉塞されないように切欠50cが設けられている。
上述したところから理解できるように、スプール50は、上室41の圧力によって図5中下方へ附勢される一方、圧力室54に作用する下室42の圧力およびコイルスプリング53によって図5中上方へ附勢され、すなわち、スプール50には、構造上、圧力室54の断面積を受圧面積として上室41と下室42の圧力が作用することになり、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回るとスプール50がピストン1側へ移動しピストン1の図5中上面の外周に当接すると、流路60が切欠50cのみを介して上室41に連通されることになって流路60の流路面積を減じる。したがって、絞り弁は、この実施の形態の場合、このスプール50とバルブディスクたるピストン1とで構成されている。なお、スプール50の内径をリーフバルブ100の外径より小さくして、リーフバルブ100に直接当接するようにして流路60の流路面積を減じるようにしてもよい。
この実施の形態の場合、スプール50がピストン1の図5中上端外周に当接するように設定されており、そうすると流路60が完全に閉塞されてしまうので、上記切欠50cを設けて流路60による上室41と下室42との連通を確保しているが、スプール50の下限まで移動した場合に、スプール50とピストン1との間に隙間が生じるように設定しておくようにすれば、上記切欠50cを省略するようにしても差し支えない。
また、スプール50のフランジ部50aには、ピストンロッド5によって閉塞されるスプール50内と上室41とを連通する通孔50dが設けられており、スプール50内が閉塞されてスプール50の図5中上下方向の移動を妨げることがないようになっている。
このように構成される他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっては、ピストン1がシリンダ40に対して図5中上方へ移動する際のピストン速度が低中速領域にある場合には、上室41の圧力と下室42内の圧力との差は大きくないので、スプール50は、流路60の流路面積を減じることが無く、ピストン速度が高速領域に達すると、上室41の圧力が下室42内の圧力を所定量上回ってスプール50がピストン1側へ移動しピストン1に当接して流路60を減じるようになる。なお、この実施の形態においても、圧力室54は下室42にオリフィス51dを介して連通されているので、スプール50の動きは緩慢となり、急激に流路60の流路面積を最小にしてしまうことが無いようになっている。
そして、ピストン速度が高速領域となって、流路60の流路面積をスプール50で減じて最小として、切欠50cを介してのみ上室41と下室42とが連通する状態となると、減衰特性は、図6に示すように、中速領域から高速領域になると減衰力が大きく立ち上がり、その後は流路面積が切欠50cの面積に制限され、切欠50cがオリフィスのように作用して、ピストン1の速度の増加に伴って圧力損失もピストン速度の自乗に比例するように増加することになる。なお、図6の減衰特性はピストン速度に対する定常的な減衰力を示しているので、ピストン速度が高速領域となると、急激に減衰力が大きくなるように見えるが、圧力室54はオリフィス51dを介して下室42に連通されているので、他の実施の形態におけるバルブ構造においても、急激に減衰力が変化してしまうことがなく、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無い。
すなわち、この他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっても、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造と同様に、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
また、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
なお、本発明のバルブ構造は、リーフバルブ10が附勢手段たるコイルスプリング15によって附勢されると共にバルブディスクたるピストン1に遠近可能に積層されており、ピストン速度が中速領域において、リーフバルブ10をピストン1からリフトさせて減衰力を低く抑えて車両における乗心地を向上する事が可能なバルブに適用されているが、附勢手段によって附勢されるか否かに限らずリーフバルブ10の内周がピストンロッド5の先端5aに固定されて外周側が撓んで弁座1cから離座してポート2を開放するバルブに適用されてもよく、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、本発明の効果は失われない。
以上で緩衝器のバルブ構造の各実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化することも、また、ベースバルブ部に具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能する緩衝器のバルブに適用することが可能なことは勿論である。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 減衰力の時間変化を示した図である。 一実施の形態の変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 他の実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
符号の説明
1 バルブディスクたるピストン
1a 底部
1b,17c,24b 挿通孔
1c 弁座
1d,2 ポート
1e 拡径部
1f,4a,11b,17b 筒部
3 窓
4 ピストンナット
4b 鍔
4c 小径部
5 ピストンロッド
5a ピストンロッドの先端
5b,17e,33b 段部
5c 螺子部
5d パイロット通路
7,8,101 間座
10 リーフバルブ
11 バルブ抑え部材
11a 環状本体
15 附勢手段たるコイルスプリング
16,37 絞り弁
17,30,50 スプール
17a 円盤部
17d,100a 孔
18,36,55 ストップリング
20 第一流路
21 第二流路
22,31,51 封止部材
22a 小径部
22b,31c オリフィス通路
24 隔壁体
24a 本体
24b スライドリング
24c Oリング
24d ソケット
25,34,53 バネたるコイルスプリング
26,35,54 圧力室
30a 鍔部
32,52,102 スペーサ
33 円盤
33a 貫通孔
31a,51a 内周フランジ
31b,51b 外周フランジ
40 シリンダ
41 一方室たる上室
42 他方室たる下室
50a フランジ部
50b 大径部
50c 切欠
51c 通路
51d オリフィス
55 ストップリング
60,P 流路
100 圧側のリーフバルブ
103 バルブストッパ

Claims (7)

  1. シリンダ内に一方室と他方室とを隔成し上記一方室と上記他方室とを連通するポートを備えたバルブディスクと、上記バルブディスクの他方室側の端面に積層されて上記ポートの下流を閉塞するリーフバルブとを備えた緩衝器のバルブ構造において、上記一方室と上記ポートの上流とを連通する流路と、上記流路に設けた絞り弁とを備え、
    上記絞り弁は、上記バルブディスクより上記一方室側に配置され上記バルブディスクに対し遠近可能に設けられ上記バルブディスクへ接近することで上記流路の流路面積を減じるスプールを備え、
    さらに、上記スプール内に収容されて上記バルブディスクに対して軸方向に不動の封止部材と、
    上記封止部材の外周に上記スプールが摺動自在に装着されることにより上記スプール内に画成されて上記他方室と連通する圧力室とを備え、
    上記絞り弁は、上記一方室の圧力を直接受けて上記流路を絞る方向へ附勢されるとともに、上記圧力室に導かれた上記他方室の圧力で上記一方室の圧力による附勢とは反対方向に附勢され、
    上記バルブディスクの速度が高速領域に達し上記一方室の圧力が上記他方室の圧力を所定量上回ると上記流路の流路面積を減じることを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. 上記流路が第一流路と第二流路とを備え、上記絞り弁は上記第一流路の流路面積を減じることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  3. 上記バルブディスクより一方室側に配置され上記ポートと上記一方室とを遮断する隔壁体と、当該隔壁体の内周側に設けた上記一方室と上記ポートとを連通する上記第一流路と、上記隔壁体の外周側に設けた上記一方室と上記ポートとを連通する上記第二流路と、上記隔壁体より一方室側に配置され当該隔壁体に対し遠近可能に設けられ当該隔壁体へ接近すると上記流路の流路面積を減じるスプールと、上記隔壁体と上記スプールとの間に介装されるバネを設け、上記スプールと上記隔壁体とで上記絞り弁を構成してなることを特徴とする請求項2に記載の緩衝器のバルブ構造。
  4. 上記バルブディスクより一方室側に配置され上記バルブディスクに対向する円盤と、上記円盤より一方室側に配置され当該円盤に対し遠近可能に設けられたスプールと、上記円盤と上記スプールとの間に介装したバネとを備え、上記第一流路が上記円盤を軸方向に貫通する貫通孔で形成され、上記第二流路を上記円盤の外周および上記円盤と上記バルブディスクとの間の隙間で形成し、上記絞り弁が当該スプールと当該円盤とで構成されて当該スプールを当該円盤に接近させることで上記第一流路の流路面積を減じるように設定されることを特徴とする請求項2に記載の緩衝器のバルブ構造。
  5. 上記絞り弁は上記バルブディスクを備えてなり、上記スプールに上記流路と上記一方室との連通を確保する切欠を設け、当該切欠は、上記スプールが上記流路を閉じた際にオリフィスとして機能することを特徴とする請求項1に記載のバルブ構造。
  6. 上記スプールは筒状に形成され、上記圧力室をオリフィスを介して上記他方室へ連通したことを特徴とする請求項3、4又は5に記載の緩衝器のバルブ構造。
  7. 上記リーフバルブは上記バルブディスクに遠近可能に積層されると共に、上記ポートを閉塞する方向に上記リーフバルブを附勢する附勢手段を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、又は6に記載の緩衝器のバルブ構造。
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