JP4750737B2 - 緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器のバルブ構造の改良に関する。
従来、この種緩衝器のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用等の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に各ポートに連通する環状窓と言われる環状凹部を形成し、この環状凹部の外周側に形成の弁座に環状のリーフバルブを離着座させてポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりリーフバルブを弁座から離座させるバルブ構造では、ピストン速度が中高速領域における減衰力が高くなって車両における乗り心地を損なう場合があり、これを解消するため、図4に示すように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持せずに、リーフバルブLの内周をピストンロッドRもしくはピストンロッドRの外周に配在させたガイド筒の外周に摺接させ、スプリングSでリーフバルブLの背面を附勢したバルブ構造が提案されるに至っている(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造にあっては、図示するところではピストンPが下方へ移動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブLの外周側がスプリングSの附勢位置を支点として撓むので、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートPoを通過する作動油の圧力がリーフバルブLに作用し、スプリングSの附勢力に抗してリーフバルブLの全体がピストンPから軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持されるバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力が過大となること抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開平9−291961号公報(図1)
しかしながら、上述のような提案のバルブ構造にあっては、車両における乗り心地を向上できる点で有用な技術ではあるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
上記したようにピストンPが図中下方に移動するときのピストン速度が中高速領域に達すると、リーフバルブLがピストンPから軸方向に後退してリフトし、そこからピストンPの移動方向が反転して図中上方に移動し始めるとそれまで作動油によるリーフバルブLを押し上げていた力が減少あるいは消滅するのでリーフバルブLはピストンPに当接する位置まで戻る。このように、リーフバルブLは往復作動を繰り返す事になるが、この往復作動時においてリーフバルブLの内周がピストンロッドRもしくはガイド筒の外周面をかじるなどして引っ掛り、往復作動をスムーズに行うことができず往復作動が不安定となって緩衝器の発生減衰力が安定しない虞があり、特に、リーフバルブLを複数枚のリーフを積層して構成する場合には、上述の引っ掛りによる抵抗が増えるため作動をますます不安定にし、各リーフがきちんと積層されたまま確実に一体となってもとの位置に戻る保証が無く、リーフバルブLの弁座への着座状態も一定しない虞もある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、リーフバルブの往復作動を安定させることができる緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明の第一の課題解決手段は、ポートが形成されるバルブディスクと、このバルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層され上記ポートを開閉する環状のリーフバルブと、上記ポートを閉塞する方向に該リーフバルブを附勢する附勢手段と、上記リーフバルブの内周と上記軸部材の外周との間に介装され上記リーフバルブとともに上記軸部材に対して軸方向に移動可能な介装部材とを備えた緩衝器のバルブ構造において、上記介装部材は、上記リーフバルブの内周と上記軸部材の外周との間に介装される筒部と、該筒部の一端外周から延設されて上記リーフバルブの背面を支持するとともに上記附勢手段の附勢力を受ける鍔部とを備え、上記筒部の軸方向長さを上記リーフバルブの軸方向長さより長く設定し、上記バルブディスクに上記筒部の進入を許容する凹部を設け、上記バルブディスクのリーフバルブ積層側端部に、上記ポートの出口端に連なる環状窓と、当該環状窓の外周に上記リーフバルブが着座する環状弁座とを設け、上記リーフバルブを複数枚の環状のリーフを積層して構成し、上記鍔部および最小径の上記リーフの外径が上記環状弁座の内径より大径に設定されることを特徴とする。
また、本発明の第二の課題解決手段は、ポートが形成されるバルブディスクと、このバルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層され上記ポートを開閉する環状のリーフバルブと、上記ポートを閉塞する方向に該リーフバルブを附勢する附勢手段と、上記リーフバルブの内周と上記軸部材の外周との間に介装され上記リーフバルブとともに上記軸部材に対して軸方向に移動可能な介装部材とを備えた緩衝器のバルブ構造において、上記介装部材は、上記リーフバルブの内周と上記軸部材の外周との間に介装される筒部と、該筒部の一端外周から延設されて上記リーフバルブの背面を支持するとともに上記附勢手段の附勢力を受ける鍔部とを備え、上記筒部の軸方向長さを上記リーフバルブの軸方向長さより長く設定し、上記バルブディスクに上記筒部の進入を許容する凹部を設け、上記バルブディスクのリーフバルブ積層側端部に、上記ポートの出口端に連なる環状窓と、当該環状窓の外周に上記リーフバルブが着座する環状弁座と、同一円周上で等間隔をもって上記環状窓の底部から立ち上がり上記リーフバルブの正面を支持する3つ以上のバルブ支持部とを設け、上記リーフバルブを複数枚の環状のリーフを積層して構成し、上記鍔部および最小径の上記リーフの外径が上記バルブ支持部の内接円径より大径に設定されることを特徴とする。
本発明のバルブ構造によれば、リーフバルブと軸部材との間に介装部材が介装されているので、リーフバルブは往復作動を安定的かつスムーズに行うことができ、緩衝器が伸縮するたびに減衰特性(伸縮速度に対する発生減衰力の関係)が異なってしまうことがなく、さらには、リーフバルブの内周が軸部材の外周をかじることが無いのでコンタミネーションの発生を防止できる。
また、介装部材の鍔部でバネの附勢力を受けるとともに筒部の軸方向長さがリーフバルブの軸方向長さより長いため、リーフバルブが後退してからバルブディスクに当接する位置に戻るときにも、リーフバルブが介装部材から脱落してしまうことを確実に防止できる。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化されたベースバルブ部における縦断面図である。図2は、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器バルブディスクの平面図である。図3は、一実施の形態の変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化されたベースバルブ部の一部拡大縦断面図である。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器Dのベースバルブ1の圧側の減衰バルブとして具現化されており、ポート3が形成されるバルブディスク2と、バルブディスク2の軸心部から立ち上がる軸部材4と、内周側に上記軸部材4が挿通されるととともに上記バルブディスク2に積層されポート3を開閉する環状のリーフバルブ5と、ポート3を閉塞する方向に該リーフバルブ5を附勢する附勢手段たるバネ6と、リーフバルブ5の内周と軸部材4の外周との間に介装されリーフバルブ5とともに軸部材4に対して軸方向に移動可能な介装部材7とを備えて構成されている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド(図示せず)と、ピストンロッドの端部に設けたピストン(図示せず)と、シリンダ40内にピストンで隔成されるロッド側室(図示せず)とピストンより下方側のピストン側室41と、シリンダ40の外方に設けた外筒42と、外筒42の下端を封止する封止部材43と、上記バルブ構造が具現化されたベースバルブ部1と、シリンダ40と外筒42との間に形成されシリンダ40から出没するピストンロッドの体積分のシリンダ内容積変化を補償するリザーバ44とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填され、リザーバ44内には作動油と気体が封入されている。
そして、上記ベースバルブ1にあっては、緩衝器Dの圧縮行程時にピストン側室41内の圧力が上昇してポート3を介してリザーバ44へ作動油が移動するときに、その作動油の移動にリーフバルブ5で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器Dに所定の圧側減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
以下、バルブ構造について詳しく説明すると、図1および図2に示すように、バルブディスク2は、軸心部に軸部材4が挿通される挿通孔9を備えた円板状の本体8と、本体8の内周であってリーフバルブ積層側端部に設けた環状の凹部10と、本体8に同一円周上に等間隔をもって形成した複数のポート3と、本体8のリーフバルブ積層側端部に形成されてポート3の出口端に連なる環状窓11と、当該環状窓11の外周にリーフバルブ5が着座する環状弁座12と、同一円周上で等間隔をもって環状窓11の底部から立ち上がりリーフバルブ5の正面を支持する3つのバルブ支持部13と、本体8のポート3より外周側に同一円周上に等間隔をもって形成される吸込ポート14とを備えて構成されている。
そして、バルブディスク2の図1中下方には、環状のリーフバルブ5が積層されて、このリーフバルブ5によってポート3が開閉されるようになっており、他方、バルブディスク3の上方には、バネ16によって内周側が附勢されて吸込ポート14を開閉するチェックバルブ15が積層され、チェックバルブ15によって吸込ポート14が開閉されるようになっている。
また、バルブディスク2は、軸部材4を介してシリンダ40の下端に固定されることによってピストン側室41とリザーバ44とを仕切っている。すなわち、ポート3は、緩衝器Dが圧縮されるときにリーフバルブ5が撓んでピストン側室41からリザーバ44への作動油の流れを許容し、吸込ポート14は、緩衝器Dが伸長するときにチェックバルブ15が開いてリザーバ44からピストン側室41へと向かう作動油の流れを許容するようになっている。
なお、吸込みポート14は、緩衝器Dの伸長時にシリンダ40内で不足するピストンロッドがシリンダ40から退出する体積分の作動油を吸い込むポートであるため、チェックバルブ15は吸込ポート14を通過する作動油の流れに極力抵抗を与えないように、バネ16の附勢力に抗してバルブディスク2からリフトする構成となっており、上記バネ16は、チェックバルブ15を吸込ポート14側へ附勢してチェックバルブ15による吸込ポート14の閉塞を可能とするとともに、吸込ポート14の開放後に速やかにチェックバルブ15のリフトを解消する。
また、各ポート3,14の開口端には、バルブディスク2に積層される各リーフバルブ5およびチェックバルブ15によって閉塞されないように配慮されている。
さらに、ポート3は、図示したところでは、等間隔をもって8つ設けられており、これら全てのポート3の出口端が環状窓11に連なっている。そして、この環状窓11の底部、つまり、環状窓11における各ポート3の出口端間からは、同一円周上に等間隔をもって3つのバルブ支持部13が立ち上がっており、リーフバルブ5が環状弁座12に着座した状態で、リーフバルブ5の受圧面となる正面が上記バルブ支持部13に着座して支持されるようになっている。
そして、バルブディスク2に積層されるリーフバルブ5は、環状に形成されたリーフ5aを複数枚積層して積層リーフバルブとして構成されており、当該リーフバルブ5は、バルブディスク2に積層されて環状弁座12およびバルブ支持部13に当接した状態では、ポート3の出口端に連なる環状窓11を閉塞することによってポート3を閉塞するようになっている。
また、介装部材7側に積層されるリーフバルブ5を構成する最小径のリーフ5aの外径は、バルブ支持部13の内接円径より大径に設定されている。つまり、図2中破線で示すリーフ5aの最小外径Xが一点鎖線で示すバルブ支持部13の内接円Yの直径より大径となるようになっている。
なお、リーフバルブ5におけるリーフ5aの枚数は、本バルブ構造で実現する減衰特性によって任意とされてよく、たとえば、1枚でリーフバルブ5を構成するとしても差し支えない。
つづいて、軸部材4は、シリンダ40の図1中下端に嵌合されるベース4aと、ベース4aの外周側下端に設けられた鍔部4bと、ベース4aの上端軸芯部から立ち上がる軸部4cとを備えて構成されており、シリンダ40と封止部材43とで鍔部4bが挟持されてシリンダ40に固定されている
そして、軸部4cは、図1中下から順に、附勢手段たるバネ6、介装部材7、リーフバルブ5、バルブディスク2、チェックバルブ15、バネ16、スペーサ17およびバルブストッパ18の内周に挿通され、軸部4cの図1中上端となる先端はバルブディスク2の図1中上方側に突出させてある。
このようにして、上記した各部材は軸部4cに組み付けられており、これら各部材のうち、バルブディスク2、スペーサ17およびバルブストッパ18は、軸部4cの外周に形成の段部4dと、軸部4cの図1中上端となる先端に形成の螺子部4eに螺着されるナット19とによって挟持されて、軸部4cに固定されている。
したがって、リーフバルブ5および介装部材7は、軸部4cに対して不動とされておらず、図1中上下方向となる軸方向へ移動することが可能なようになっている。
そして、リーフバルブ5の内周と軸部材4の軸部4cとの間に介装される介装部材7は、軸部4cの外周に摺動自在に装着されており、この介装部材7は、リーフバルブ5の内周と軸部4cの外周との間に介装される筒部7aと、軸部7aの図1中下端となる一端の外周から延設される鍔部7bと、筒部7aの図1中下端から垂下される筒状のソケット7cと、ソケット7c内に保持されるとともに軸部4cの外周に摺接するベアリング7dとを備えて構成されており、鍔部7bの背面と軸部材4のベース4aとの間には、附勢手段たるバネ6が介装され、介装部材7は、バルブディスク2側へ附勢されている。また、鍔部7bの外径は、バルブ支持部13の内接円径より大径に設定されている。
なお、筒部7aの内径は、軸部4cの外径より大径とされて、摺動性に優れるベアリング7dのみが軸部4cに摺接するようになっており、介装部材7は、軸部4cに対して抵抗無く滑らかに上下方向へ移動可能とされている。ただし、介装部材7におけるソケット7cを軸部4cに摺接させても摺動性に遜色が無い場合にはベアリング7dを省略することも可能である。
また、筒部7aの軸方向長さは、リーフバルブ5の軸方向長さより長く設定されて、図1中上端となる先端がリーフバルブ5より上方側へ突出するようになっており、さらに、その先端の外周には、先端へ向かうほど先細りとなるようにテーパ部7eが形成されており、筒部7aのリーフバルブ5の内周への挿入を容易として組付加工を簡易ならしめている。
このように構成される介装部材7の筒部7aをリーフバルブ5の内周に挿入してバネ6とともに軸部材4の軸部4cに組付けると、介装部材7がバネ6によって附勢され、リーフバルブ5の背面を介装部材7の鍔部7bで支持しているため、リーフバルブ5は介装部材7とともにバルブディスク2側へ押圧され、リーフバルブ5の正面がバルブディスク2の環状弁座12およびバルブ支持部13に着座してポート3を閉塞する。
この状態で、筒部7aの先端は、バルブディスク2に設けた凹部10内に入り込んでバルブディスク2に干渉せず、リーフバルブ5の環状弁座12およびバルブ支持部13への着座を阻害しないようになっている。すなわち、凹部10の軸方向長さは、リーフバルブ5から突出する筒部7aの先端長さより長くなるように設定されおり、筒部7aの進入を許容することができるようになっている。
上記したように、リーフバルブ5は、介装部材7を介してバネ6によって附勢されるが、介装部位7はバルブディスク2に干渉しないため、リーフバルブ5が環状弁座12およびバルブ支持部13に着座した状態では、バネ6の附勢力の全てをリーフバルブ5で支持することになる。
そして、この実施の形態では、鍔部7bの外径および介装部材7側に積層されるリーフバルブ5を構成する最小径のリーフ5aの外径は、バルブ支持部13の内接円径より大径に設定されているため、リーフバルブ5が環状弁座12およびバルブ支持部13に着座しても、リーフバルブ5が撓んでしまうことが無い。
このように、リーフバルブ5は、環状弁座12およびバルブ支持部13で支持されて初期撓みが生じないようになっているので、リーフバルブ5の初期撓みでポート3を強く閉塞してしまうことが無い。したがって、緩衝器Dの伸縮初期に大きな減衰力が発生されてしまうことが無く、リーフ5aの外径と鍔部7bの外径およびバルブ支持部13の内接円径の寸法管理のみで、伸縮初期の発生減衰力が製品毎にばらついてしまうことも防止される。さらに、筒部7aがバルブディスク2に干渉することなく凹部10内に進入可能であるため、寸法誤差によってリーフバルブ5と環状弁座12との間に隙間ができてしまってポート3の閉塞が不十分となってしまう虞も無い。上記したように、バルブ支持部13は、リーフバルブ5の初期撓みを生じさせないために設けられているものであり、リーフバルブ5を偏り無く安定的に支持可能なように3つ以上を等間隔に設けるとよい。
なお、バルブ支持部13を設けない場合には、図3に示すように、鍔部7aおよび介装部材7側に積層されるリーフバルブ5を構成する最小径のリーフ5aの外径を環状弁座12の内径より大径に設定すれば、バルブ支持部13を設ける場合と同様に、リーフバルブ5が環状弁座12に着座した状態で初期撓みが生じないようにすることができるため、ポート3を強く閉塞してしまうことを防止でき、緩衝器Dの伸縮初期に大きな減衰力が発生されてしまうことが阻止される。
また、軸部4cの下方外周には、介装部材7の軸部4cに対する図1中下方への移動限界を決する段部4fが形成されており、介装部材7が軸部4cに対して図1中下方へ移動限界まで移動すると段部4fがベアリング7dの下端に当接して介装部材7のそれ以上の下方への移動を規制するようになっている。
すなわち、リーフバルブ5は、バネ6によって常時にポート3を閉塞する方向に附勢されており、ピストン側室41内の圧力が所定値以上となると、上記バネ6の附勢力に抗してバネ6を圧縮してリーフバルブ5の全体がバルブディスク2から軸方向に後退、つまり、図1中下方にリフトするようになっており、リーフバルブ5は、最終的には、上記した軸部4cにおける段部4fに介装部材7が当接するまで後退することになる。
また、上記したところでは、附勢手段を図示するところではコイルバネであるバネ6としているが、リーフバルブ5に所定の附勢力を作用させればよいので、これを例えば、皿バネやリーフスプリングとしたり、ゴム等の弾性体としたりしてもよい。
なお、チェックバルブ15を背面側から附勢するバネ16は、チェックバルブ15とバルブストッパ18との間に介装されており、バルブストッパ18は、チェックバルブ15の図1中上方へのリフト量を規制するとともに、バネ16のバネ受けを兼ねている。
つづいて、バルブ構造の作用について説明すると、上述したように、ピストンがシリンダ40に対して図1中下方側に移動してピストン側室41内の圧力が高まり、ピストン側室41内の作動油はポート3を通過してリザーバ44内に移動しようとする。
そして、緩衝器Dの圧縮速度が低速領域にある場合、リーフバルブ5はバネ6によって附勢されてポート3を閉塞するように押し付けられているので、リーフバルブ5の外周が撓んで、リーフバルブ5が環状弁座12から離座してできるリーフバルブ5と環状弁座12との間の隙間を作動油が通過する。
他方、緩衝器の圧縮速度が高く、ピストン側室41内の圧力が所定値以上となると、リーフバルブ5を図1中下方へ押し下げる力が大きくなり、該力がバネ6の附勢力に打ち勝って、リーフバルブ5の全体をバルブディスク2から軸方向に後退させる、すなわち、図1中下方へ移動させることになる。
このとき、鍔部7bの存在により、リーフバルブ5は介装部材7と一緒に軸方向に後退することになるが、リーフバルブ5と軸部4cとの間には介装部材7が介装されて軸部4cの外周に摺接しているので、リーフバルブ5の軸方向長さが非常に短い各リーフ5aの内周側が軸部4cの外周面をかじって引っかかることが無く、リーフバルブ5をスムーズにバルブディスク2から後退させることができる。
なお、軸部4cに設けた段部4eによってリーフバルブ5の後退量を規制されるので、リーフバルブ5と環状弁座12との間に形成される最大隙間を調整することができるとともに、必要以上に最大隙間が大きくなって減衰力が過少となってしまうことを防止することが可能である。
そして、その状態から収縮速度が低くなったり緩衝器Dが伸長行程に移行したりする場合、ピストン側室41内の圧力が所定値より小さくなって、今度はリーフバルブ5を下方側へ押し上げる力よりバネ6の附勢力の方が勝って、リーフバルブ5をバルブディスク2側へ押し上げるようになるが、介装部材7のベアリング7dが軸部4cの外周に摺接しているので、やはり、リーフバルブ5の軸方向長さが非常に短い各リーフ5aの内周側が軸部4cの外周面をかじって引っかかることが無く、リーフバルブ5をスムーズにバルブディスク2側へ移動させてリーフバルブ5のリフトを解消することができる。
すなわち、上述してきたところからすれば、この一実施の形態におけるバルブ構造にあっては、リーフバルブ5のピストン1に対しての進退が従来バルブ構造よりスムーズとなるので、リーフバルブ5がピストン1に当接する位置までの戻りに遅れが生じることが無い。
したがって、このバルブ構造にあっては、リーフバルブ5と軸部材4との間に介装部材7が介装されているので、リーフバルブ5は上下方向の往復作動を安定的かつスムーズに行うことができ、緩衝器Dが伸縮するたびに減衰特性(伸縮速度に対する発生減衰力の関係)が異なってしまうことがなく、さらには、リーフバルブ5の内周が軸部材4の外周をかじることが無いのでコンタミネーションの発生を防止できる。
また、介装部材7の鍔部7bでバネ6の附勢力を受けるとともに筒部7aの軸方向長さがリーフバルブ5の軸方向長さより長いため、リーフバルブ5が図1中下方に後退してからバルブディスク2に当接する位置に戻るときにも、各リーフ5aが介装部材7から脱落してしまうことを確実に防止できる。
また、介装部材7の鍔部7bでバネ6の附勢力を受けているので、バネ6がリーフバルブ5に対して偏心しても撓みの支点がずれることがないという利点がある。
上記したところでは、緩衝器のベースバルブ1の圧側の減衰バルブに具現化した例を用いて本発明のバルブ構造を説明しているが、伸側のみ、あるいは、伸圧両側の減衰バルブに具現化することも可能で、さらには、ピストン部の伸圧いずれの減衰バルブにも具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能する緩衝器のバルブに適用することが可能なことは勿論である。
そして、このバルブ構造がピストン部に具現化される場合、たとえば、図1中バルブ構造を天地逆として軸部材4をピストンロッドとして圧側減衰バルブに具現化する場合、緩衝器Dの伸縮が反転する局面でポート3の閉塞に遅れが生じず、作動油がポート3を介してロッド側室とピストン側室とを抵抗無く自由に通過してしまうような事態を阻止して、緩衝器に伸長行程初期から充分な減衰力を発生させることができるのである。他方、ピストン部の伸側減衰バルブにバルブ構造が具現化される場合には、緩衝器に圧縮行程初期から充分な減衰力を発生させることができる。つまり、緩衝器Dの減衰力発生の応答性を向上することができる。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化されたベースバルブ部における縦断面図である。 一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器バルブディスクの平面図である。 一実施の形態の変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化されたベースバルブ部の一部拡大縦断面図である。 従来のバルブ構造の縦断面図である。
符号の説明
1 ベースバルブ
2 バルブボディ
3 ポート
4 軸部材
4a ベース
4b 鍔部
4c 軸部
4d,4f 段部
4e 螺子部
5 リーフバルブ
5a リーフ
6 附勢手段たるバネ
7 介装部材
7a 介装部材における筒部
7b 介装部材における鍔部
7c 介装部材におけるソケット
7d 介装部材におけるベアリング
7e 介装部材におけるテーパ部
8 バルブディスクにおける本体
9 バルブディスクにおける挿通孔
10 凹部
11 環状窓
12 環状弁座
13 バルブ支持部
14 吸込ポート
15 チェックバルブ
16 バネ
17 スペーサ
18 バルブストッパ
19 ナット
40 シリンダ
41 ピストン側室
42 外筒
43 封止部材
44 リザーバ

Claims (3)

  1. ポートが形成されるバルブディスクと、このバルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層され上記ポートを開閉する環状のリーフバルブと、上記ポートを閉塞する方向に該リーフバルブを附勢する附勢手段と、上記リーフバルブの内周と上記軸部材の外周との間に介装され上記リーフバルブとともに上記軸部材に対して軸方向に移動可能な介装部材とを備えた緩衝器のバルブ構造において、上記介装部材は、上記リーフバルブの内周と上記軸部材の外周との間に介装される筒部と、該筒部の一端外周から延設されて上記リーフバルブの背面を支持するとともに上記附勢手段の附勢力を受ける鍔部とを備え、上記筒部の軸方向長さを上記リーフバルブの軸方向長さより長く設定し、上記バルブディスクに上記筒部の進入を許容する凹部を設け、上記バルブディスクのリーフバルブ積層側端部に、上記ポートの出口端に連なる環状窓と、当該環状窓の外周に上記リーフバルブが着座する環状弁座とを設け、上記リーフバルブを複数枚の環状のリーフを積層して構成し、上記鍔部および最小径の上記リーフの外径が上記環状弁座の内径より大径に設定されることを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. ポートが形成されるバルブディスクと、このバルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層され上記ポートを開閉する環状のリーフバルブと、上記ポートを閉塞する方向に該リーフバルブを附勢する附勢手段と、上記リーフバルブの内周と上記軸部材の外周との間に介装され上記リーフバルブとともに上記軸部材に対して軸方向に移動可能な介装部材とを備えた緩衝器のバルブ構造において、上記介装部材は、上記リーフバルブの内周と上記軸部材の外周との間に介装される筒部と、該筒部の一端外周から延設されて上記リーフバルブの背面を支持するとともに上記附勢手段の附勢力を受ける鍔部とを備え、上記筒部の軸方向長さを上記リーフバルブの軸方向長さより長く設定し、上記バルブディスクに上記筒部の進入を許容する凹部を設け、上記バルブディスクのリーフバルブ積層側端部に、上記ポートの出口端に連なる環状窓と、当該環状窓の外周に上記リーフバルブが着座する環状弁座と、同一円周上で等間隔をもって上記環状窓の底部から立ち上がり上記リーフバルブの正面を支持する3つ以上のバルブ支持部とを設け、上記リーフバルブを複数枚の環状のリーフを積層して構成し、上記鍔部および最小径の上記リーフの外径が上記バルブ支持部の内接円径より大径に設定されることを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  3. 上記筒部の先端外周に先細りとなるようテーパ部が形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器のバルブ構造。
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