JP5542356B2 - 家庭用薄葉紙 - Google Patents

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Description

本発明は、トイレットペーパーフェイシャルティシュなどのティシュペーパー、紙タオルなどの家庭用薄葉紙に関するものであって、更に詳しくは柔らかく手触り感に優れ、しかも強度が強い家庭用薄葉紙に関する。
従来、トイレットペーパーやフェイシャルティシュなどのティシュペーパー、紙タオルなどの所謂家庭用薄葉紙に使用するパルプとしては、広葉樹、針葉樹からの木材チップを蒸解して得られた化学パルプから製造されたスラリー状態のままのスラッシュパルプ(slushed pulp)、このスラッシュパルプを脱水、乾燥させて得られるドライパルプ(dry pulp)、又は古紙を脱墨処理して得られる脱墨古紙パルプが使用されており、これらのパルプは未漂白パルプ、漂白パルプの状態で、あるいは未叩解、叩解パルプの状態で品質設計に応じて単独又は混合して使用されている。
ティシュペーパーの重要な品質である柔らかさや手触り感の向上を図る技術に関しては従来より研究がなされており、例えば積層し抄紙するパルプの種類やその使用比率が調節された積層ティシュペーパー及びその製造方法(特許文献1、特許文献2)、長網、短網、ツインワイヤー、円網ヤンキーマシン等の抄紙機を適宜選択することにより、または紙用柔軟剤、例えば脂肪酸エステル系柔軟化剤(特許文献3)、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(特許文献4)、ウレタンアルコール若しくはその塩、又はカチオン化物(特許文献5)、非陽イオン系界面活性剤(特許文献6、特許文献7)、ポリリン酸塩(特許文献8)、ポリシロキサン(特許文献9、特許文献10)等の添加薬品をスラッシュパルプに添加してスラッシュパルプ自体の滑りを改善することにより手触りを良くして柔らかくする方法、またパルプを一旦濃縮後、機械的混練処理を加えることで繊維を屈曲させる(特許文献11、特許文献12)等各種提案されている。
前記添加薬品を用いる方法は、良好な柔軟効果が得られる場合があるが、起泡性が大きいために、抄紙作業そのものに支障を来す虞があり、場合によっては紙力と吸水性の低下を招くという問題があった。また、機械的処理により繊維を屈曲させる場合には、原料の濃縮工程が余計に増えるため、エネルギー的に不利であるなどの問題点があった。
また、ティシュペーパーの湿潤強度を向上させるために、ポリアマイド、ポリアミン、エポキシ樹脂等の湿潤紙力向上剤が主として用いられているが、ティシュペーパー自体が剛直になり、柔らかさ、手触り感の点でマイナスになるという問題があった。
また、従来、表面の平滑性を良くするために、ティシュ抄紙機の後に上下各1本の一対の十分に研摩されたチルドロール、金属ロールからなるカレンダーを1組又は2組使用している。しかし、このカレンダーで平滑性を向上するために線圧を高くすると、厚みも薄く剛直となり手触り感も堅くなるという問題があった。
特開昭54-46914号公報 実開平4-66992号公報 米国特許3,296,065号公報 特開昭48-22701号公報 特開昭60-139897号公報 特開平2-99690号公報 特開平2-99691号公報 特開平2-36288号公報 特開平2-224626号公報 特開平3-900号公報 特開平5-23262号公報 特開平6-14848号公報
本発明の課題は、柔らかく手触り感が良く、しかも強度に優れた家庭用薄葉紙を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、キャビテーションによって生ずる気泡が崩壊する際に生じる衝撃力をパルプ繊維に与えて得られるパルプを含有させることにより、柔らかく手触り感が良く、しかも強度に優れた家庭用薄葉紙が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、柔らかくて、手触り感が優れ、かつ強度にも優れた家庭用薄葉紙を得ることが可能である。
本発明の家庭用薄葉紙は、キャビテーションによって生ずる気泡が崩壊する際に生じる衝撃力をパルプ繊維に与えて得られるパルプを含有することが特徴である。以下、キャビテーションによって生ずる気泡が崩壊する際に生じる衝撃力をパルプ繊維に与えることをキャビテーション処理という。
本発明のキャビテーション処理の対象となるパルプとしては、特に限定されるものではなく、リグノセルロース材料をアルカリ性蒸解薬液によって蒸解して得られる化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP))、機械パルプ(グラウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)等を用いることができる。化学パルプとしては、クラフトパルプ、ポリサルファイドパルプ、ソーダパルプ、アルカリ性亜硫酸塩パルプ、炭酸ソーダパルプ、および酸素−ソーダパルプ等を用いることができる。
前記化学パルプは前記した蒸解薬液に蒸解助剤として環状ケト化合物(例えば、アントラキノン、1,4−ジヒドロ−9,10−ジケトアントラセン等)を添加して蒸解されたものであってもよい。また、上記化学パルプとして本発明に好適なものはクラフトパルプであり、このクラフトパルプは、蒸解液の分割添加と、ダイジェスター内部での並流蒸解と向流蒸解からなる、所謂修正アルカリ性蒸解法によって得られたパルプであってもよい。これらの化学パルプとしては、未晒パルプ、晒パルプの状態で或いは未叩解、叩解パルプの状態で、適宜単独でまたは混合して使用することができる。
キャビテーション処理について、さらに詳細に述べると、キャビテーションによって発生する気泡が崩壊する際に生じる衝撃力をパルプ繊維に与えて、パルプの外部フィブリル化を促進する一方、内部フィブリル化を抑制して濾水度を調整するものである。キャビテーション処理としては、WO2005/012632号公報に記載されているようなキャビテーション噴流処理が好適である。
なお、キャビテーション処理と機械的な叩解処理を組み合わせて、パルプ繊維を外部フィブリル化してもよい。パルプ懸濁液には、パルプ繊維以外に古紙やブロークに含まれていた填料や顔料に由来する無機微粒子が含有されていても構わない。キャビテーション処理は、パルプ繊維の外部フィブリル化を促進する一方、内部フィブリル化を抑制するので、従来の方法であるリファイナー等の装置を用いた機械力によって叩解処理したパルプと比較すると、同一の濾水度では、より嵩高で、強度的にも優れたパルプが得られる。このキャビテーション処理で得られた外部フィブリルを有するパルプを含有する家庭用薄葉紙は、より柔軟であり、さらに強度的にも優れるものである。
キャビテーション処理によって調製したパルプのカナダ標準濾水度としては、化学パルプの場合、50〜650mlが好ましく、機械パルプまたは古紙(脱墨)パルプの場合は、50〜400mlの範囲であることが好ましい。また、上記のパルプを混合した場合、トータルのカナダ標準濾水度としては、100〜550mlの範囲であることが好ましい。
次に、キャビテーション処理について詳細に説明する。キャビテーションは、加藤の成書(加藤洋治編著、新版キャビテーション基礎と最近の進歩、槙書店、1999)に記載されているように、キャビテーション気泡の崩壊時に数μmオーダーの局所的な領域に数GPaにおよぶ高衝撃力を発生し、また気泡崩壊時に断熱圧縮により微視的にみると数千℃に温度が上昇する。その結果、キャビテーションを発生した場合には温度上昇が伴う。これらのことから、キャビテーションは流体機械に損傷、振動、性能低下などの害をもたらす面があり、発生しないよう制御する必要のある技術課題とされてきた。近年、キャビテーションについて研究が急速に進み、キャビテーション噴流の流体力学的パラメーターを操作因子としてキャビテーションの発生領域や衝撃力まで高精度に制御できるようになった。その結果、気泡の崩壊衝撃力を制御することにより、その強力なエネルギーを有効活用することが期待されている。従って、流体力学的パラメーターに基づく操作・調整を行うことでキャビテーションを高精度に制御することが可能となった。これは技術的作用効果の安定性を保持することが可能であることを示しており、従来のように流体機械で自然発生的に生じる制御不能の害をもたらすキャビテーションではなく、制御されたキャビテーションによって発生する気泡を積極的にパルプ懸濁液に導入し、そのエネルギーを有効利用することが本発明の特徴である。
本発明におけるキャビテーションの発生手段としては、液体噴流による方法、超音波振動子を用いる方法、超音波振動子とホーン状の増幅器を用いる方法、レーザー照射による方法などが挙げられるが、これらに限定するものではない。好ましくは、液体噴流を用いる方法が、キャビテーション気泡の発生効率が高く、より強力な崩壊衝撃力を持つキャビテーション気泡雲を形成するためパルプ繊維に対する作用効果が大きい。上記の方法によって発生するキャビテーションは、従来の流体機械に自然発生的に生じる制御不能の害をもたらすキャビテーションと明らかに異なるものである。
上述したように、キャビテーション処理としては、WO2005/012632号公報に記載されているような液体噴流によるキャビテーション噴流処理が好適であり、以下に詳細に説明する。
液体噴流とは、液体または液体の中に固体粒子や気体が分散あるいは混在する流体の噴流であり、パルプや無機物粒子のスラリーや気泡を含む液体噴流をいう。ここでいう気体は、キャビテーションによる気泡を含んでいてもよい。
キャビテーションは液体が加速され、局所的な圧力がその液体の蒸気圧より低くなったときに発生するため、流速及び圧力が特に重要となる。このことから、キャビテーション状態を表わす基本的な無次元数、キャビテーション数(Cavitation Number)σは次のように定義される(加藤洋治編著、新版キャビテーション基礎と最近の進歩、槙書店、1999)。
Figure 0005542356
(p :一般流の圧力(絶対圧)、U :一般流の流速、p v:流体の蒸気圧(絶対圧)、ρ:密度)
ここで、キャビテーション数が大きいということは、その流れ場がキャビテーションを発生し難い状態にあるということを示す。特にキャビテーション噴流のようなノズルあるいはオリフィス管を通してキャビテーションを発生させる場合は、ノズル上流側圧力p 1(絶対圧)、ノズル下流側圧力p 2(絶対圧)、試料水の飽和蒸気圧p v (絶対圧)から、キャビテーション数σは下記式(2)のように書きかえることができ、キャビテーション噴流では、p 1 、p2、pv間の圧力差が大きく、p 1 ≫p2≫pv となることから、キャビテーション数σはさらに以下のように近似することができる(H.Soyama, J. Soc. Mat. Sci. Japan,47(4), 381 1998)。
Figure 0005542356
このように、キャビテーション数σはノズルの上流側圧力と下流側圧力の2つの値によって表現される。なお、本発明の実施例において計測される圧力は、全てゲージ圧でであり、本発明におけるキャビテーション数σは下記式(3)のように表される。
Figure 0005542356
(ただし、p3:ノズル上流側圧力(ゲージ圧)、p4:ノズル下流側圧力(ゲージ圧))
本発明におけるキャビテーションの条件は、上述したキャビテーション数σが0.001以上0.5以下であることが望ましく、さらに0.003以上0.2以下であることが好ましく、0.01以上0.1以下であることが特に好ましい。キャビテーション数σが0.001未満である場合、キャビテーション気泡が崩壊する時の周囲との圧力差が低いため効果が小さくなり、0.5より大である場合は、流れの圧力差が低くキャビテーションが発生し難くなる。
また、ノズルまたはオフィリス管を通じて噴射液を噴射してキャビテーションを発生させる際には、噴射液の圧力(ノズル上流側圧力)は0.01MPa(ゲージ圧)以上60MPa(ゲージ圧)以下であることが望ましく、0.7MPa(ゲージ圧)以上30MPa(ゲージ圧)以下であることが好ましく、2MPa(ゲージ圧)以上15MPa(ゲージ圧)以下であることが特に好ましい。ノズル上流側圧力が0.01MPa(ゲージ圧)未満ではノズル下流側圧力との間で圧力差を生じ難く作用効果は小さい。また、ノズル上流側圧力が60MPa(ゲージ圧)より高い場合、特殊なポンプ及び圧力容器を必要とし、消費エネルギーが大きくなることからコスト的に不利であり、また、パルプ繊維が過度に損傷を受け、製紙原料として使用するには好適ではない。一方、容器内の圧力(ノズル下流側圧力)は静圧で0.05MPa(ゲージ圧)以上2.6MPa(ゲージ圧)以下が好ましい。下流側にも圧力を掛けるのは、被噴射液(パルプ懸濁液)を収める容器を加圧することで、キャビテーション気泡が崩壊する領域の圧力が高くなり、気泡と周囲の圧力差が大きくなるため気泡がより激しく崩壊することにより衝撃力が大きくなるからである。なお、容器内の圧力が高くなりすぎると、キャビテーション自体が発生しづらくなる。また、容器内の圧力と噴射液の圧力との圧力比((ゲージ圧)/(ゲージ圧))は0.001〜0.5の範囲が好ましい。
また、噴射液の噴流の速度は1m/秒以上200m/秒以下の範囲であることが望ましく、20m/秒以上100m/秒以下の範囲であることがより好ましい。噴流の速度が1m/秒未満である場合、圧力低下が低く、キャビテーションが発生し難いため、その効果は弱い。一方、200m/秒より大きい場合、高圧を要し特別な装置が必要であり、コスト的に不利である。
本発明におけるキャビテーション処理はタンクなど任意の容器内若しくは配管内を選ぶことができるが、これらに限定するものではない。また、ワンパスで処理することも可能であるが、必要回数だけ循環させることによって更に効果を増大できる。さらに複数の発生手段を用いて並列で、あるいは、順列で処理することができる。
キャビテーションを発生させるための噴流は、パルパーのような大気開放の容器の中でなされてもよいが、キャビテーションをコントロールするために圧力容器の中でなされるのが好ましい。
本発明において、例えば液体噴流によるキャビテーションの発生方法では、パルプ懸濁液に対して、噴射液体として、例えば、蒸留水、水道水、工業用水、製紙工程で回収される再用水、パルプ搾水、白水、パルプ懸濁液、アルコールなどを噴射することができるが、これらに限定するものではない。好ましくは、パルプ懸濁液自体を噴射することで、噴流周りに発生するキャビテーションによる作用効果に加え、高圧でオリフィスから噴射する際の流体力学的剪断力が得られるため、より大きな作用効果を発揮する。なお、噴射液体としてパルプ懸濁液を用いる場合、処理対象とする全量を循環させて処理することも可能である。
液体噴流によってキャビテーションを発生させて処理する場合、処理対象であるパルプ懸濁液の固形分濃度は5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲であることが気泡の発生効率の点から好ましい。
また、処理時のパルプ懸濁液のpHは、好ましくはpH1〜13、より好ましくはpH3〜12、更に好ましくはpH4〜11である。pHが1未満であると装置の腐食などが問題となり、材質及び保守等の観点から不利である。一方、pHが13を超えると、パルプ繊維のアルカリ焼けが生じ、白色度が低下するので好ましくない。アルカリ条件である方がパルプ繊維の膨潤性が良好で、OH活性ラジカルの生成量が増加することから望ましい。
本発明では、液体の噴射圧力を高めることで、噴射液の流速が増大し、より強力なキャビテーションが発生する。更に被噴射液を収める容器を加圧することで、キャビテーション気泡が崩壊する領域の圧力が高くなり、気泡と周囲の圧力差が大きくなるため気泡は激しく崩壊し衝撃力も大きくなる。ここで、噴射液とは、高圧でオリフィスから噴射する液体を指し、被噴射液とは容器内もしくは配管内で噴射される液体を指す。キャビテーションは液体中の気体の量に影響され、気体が多過ぎる場合は気泡同士の衝突と合一が起こるため崩壊衝撃力が他の気泡に吸収されるクッション効果を生じるため衝撃力が弱まる。従って、溶存気体と蒸気圧の影響を受けるため、その処理温度は融点以上沸点以下でなければならない。液体が水を媒質とする場合、好ましくは0〜80℃、更に好ましくは10℃〜60℃の範囲とすることで高い効果を得ることができる。一般には、融点と沸点の中間点で衝撃力が最大となると考えられることから、水溶液の場合、50℃前後が最適であるが、それ以下の温度であっても、蒸気圧の影響を受けないため、上記の範囲であれば高い効果が得られる。80℃よりも高い温度では、キャビテーションを発生するための圧力容器の耐圧性が著しく低下し、容器の損壊を生じ易いため不適である。
本発明においては、界面活性剤などの液体の表面張力を低下させる物質を添加することで、キャビテーションを発生させるために必要なエネルギーを低減することができる。添加する物質としては、公知または新規の界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、あるいは、有機溶剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの単一成分からなるものでも2種以上の成分の混合物でも良い。添加量は噴射液及び/または被噴射液の表面張力を低下させるために必要な量であればよい。また、添加場所としてはキャビテーションを発生させる場所よりも前の工程のいかなる場所でもよく、液体を循環させる場合は、キャビテーションを発生させる場所以降であっても構わない。
本発明において、全パルプ分に対するキャビテーション処理したパルプの配合率は特に限定は無いが、配合率が高いほど、より強度が高く柔軟な家庭用薄葉紙が得られる。その観点から、全パルプの絶乾重量に対して5重量%以上が好ましく、30〜100重量%がより好ましく、60〜100重量%が更に好ましい。配合率が5重量%未満では柔らかさ、手触り感に変化が見られず、強度を向上させることができない。
家庭用薄葉紙は1層もしくは複数層にて構成されるが、1層もしくは複数層をキャビテーション処理パルプを単独で抄紙してもよく、また2種以上のキャビテーション処理パルプを混合して抄紙してもよく、更にはキャビテーション処理したパルプに従来のスラッシュパルプ、ドライパルプ、脱墨パルプ(DIP)を混合して抄紙してもよい。
複数層からなる家庭用薄葉紙を2枚重ね合わせて積層する場合、キャビテーション処理パルプを含む層が外側になるように重ね合わせると、手に触れる層がキャビテーション処理パルプを含む層となるので、手触り感が一層向上する。また、キャビテーション処理パルプを含む層がヤンキードライヤーに圧接して乾燥され、この面が2枚重ね合わせした家庭用薄葉紙の外側になるように配置すると、より一層手触り感が向上する。
また、キャビテーション処理したパルプ以外のパルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP))または未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グラウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)などのパルプを任意の割合で混合して使用してもよい。
キャビテーション処理したパルプは外部フィブリル化が促進されたパルプであるが、鱗片状の外部フィブリルを有するパルプが得られる場合があり、これについて以下に説明する。
磯貝らの成書(磯貝 明著「セルロースの材料化学」、東京大学出版会、p68、2001)によるとパルプの叩解とは、含水状態のパルプ繊維に機械的なずり応力を与え、パルプ繊維内部のミクロフィブリル間に空隙を作り(内部フィブリル化)、パルプ繊維の外側のフィブリルを毛羽立たせ(外部フィブリル化)、比表面積を増大させてパルプ繊維の水に対する膨潤性を向上させることであり、同時に繊維の部分的な切断と、繊維の外周面が剥離された微細繊維が発生する。
パルプの叩解処理により、紙を製造する際に形成される繊維間結合面積が増加し、さまざまな力学物性、光学物性、液体吸収性が変化する。しかしながら、パルプ繊維を分子レベルで見ると、叩解処理の過程ではセルロースの分子量の低下は僅かで、結晶化度はほとんど変化しない。これは非晶性で親水性のヘミセルロース部分が機械的エネルギーをクッションのように吸収するためと考えられている。
また、島地らの成書(島地 謙ら 共著、「木材の組織」、森北出版、p55、1976)によると、通常方法で叩解した木材パルプで見られる外部フィブリルとは光学顕微鏡で見られる幅0.4〜1μm程度の糸状の構造物を指し、ミクロフィブリルとは細胞壁中に存在している要素的構造単位であり9〜37nm程度の幅を持つセルロース分子の集合体である。本発明で使用する鱗片状の形態の外部フィブリルを有するパルプにおいて特徴的な鱗片状の形態の外部フィブリルとは、幅が3μm以上で、好ましくはパルプ繊維の幅と同程度までの大きさを持つ繊維表面の剥離または毛羽立ちのことであり、前述のミクロフィブリルが横に連なって集合体を形成し幅広い層をなしているもので、繊維壁表面のミクロフィブリルが層構造を保った状態で剥離しているものである。また、厚さが9nmから2μmの範囲であることを特徴とする。なお、繊維を電子顕微鏡にて観察する際は、水素結合を阻害して乾燥した状態にて測定することが望ましいが、これは、単純に繊維を乾燥した場合、毛管現象により外部フィブリルが繊維表面に引付けられ、判別が困難になるため、このようなフィブリルを精度良く観察することは困難である。
本発明における鱗片状の外部フィブリルは分子量1万以上の高分子量の染料で染色されることが特徴である。即ち、外部フィブリルとは、分子量1万以上の高分子量の染料が吸着可能なミクロフィブリル集合体をいう。分子量1万以上の染料としては、Simonらの文献(F.L. Simons, Tappi, 33(7), 312(1950))、及びXiaochunらの文献(Y. Xiaochun et al., Tappi Journal, 78(6), 175 (1995).)に記載されているようなDirect Orange 15(old Color Index (CI) no, 621、またはCI Constitution no. 40002/3)を含むCI Constitution no.40000〜40006等のオレンジ染料が挙げられるが、セルロースを主体とする繊維を染色できる物質であれば、特に限定されない。
上記分子量1万以上の染料は、Xiaochunらの文献によると光散乱測定より流体力学的な大きさが5nm以上の分子であり、パルプ繊維表面に存在する5nm未満の細孔に浸透することはできない。一方、パルプ繊維表面のミクロフィブリルの集合体からなるフィブリルは、パルプ繊維の外側に露出しているため、上記分子量1万以上の染料分子が容易に接近することができるので、吸着することによってフィブリル部分を選択的に染色することができる。
光学的にフィブリル部分を強調して観察するためには、上記文献に記載されているようにDirect Blue 1(old Color Index(CI)no.518、またはCI Constitution no.24410)やDirect Blue 4、Direct Blue 15、Direct Blue 22、Direct Blue 151などの低分子の染料を用いて繊維全体を染めることで、よりコントラストをつけて観察できる。低分子の染料は繊維全体に吸着するものの、高分子の染料の方が吸着力は強いため、低分子の染料を置換する。結果として、高分子の染料(オレンジ染料)が吸着できるフィブリル部分をオレンジ色に染色し、高分子の染料が吸着できない繊維細孔部分を低分子の染料(青色染料)で染色することが可能となるためフィブリル部分を強調することができる。低分子の染料としては、分子量が10000未満、好ましくは2000未満、更に好ましくは300〜1500の分子を51%以上含むものである。
本発明の鱗片状の外部フィブリルを有するパルプは、その繊維1本単位においては、下記式4で表される外部フィブリル部分の面積率が20%以上で、かつ下記式5に示される外部フィブリル部分の周囲長率が1.5以上であることが好ましい。本発明のパルプの鱗片状の外部フィブリルは通常のフィブリルに比較して表面積が大きいので、これらの値が大きくなる。
外部フィブリル部分の面積率(%)=[(外部フィブリル部分の面積)/(外部フィブリル部分の面積+パルプ繊維の全表面積)]×100 (式4)
外部フィブリル部分の周囲長率=(外部フィブリル部分の周囲長+パルプ繊維の全周囲長)/(パルプ繊維の全周囲長) (式5)
[作用]
キャビテーション処理したパルプを含有するティシュペーパーの手触り感と強度が、ともに優れたものになる理由としては以下のように考えられる。
一般的には、嵩が高く(密度が低く)、また表面が平滑な場合にティシュペーパーの手触り感は向上する。ところで、上述したように、キャビテーション処理したパルプは、外部フィブリル化が特異的に促進したパルプである。すなわち、WO2006/085598にも記載されているように、繊維の剛直性が保たれたまま外部フィブリル化が促進されているため、ダブルディスクリファイナーなどの従来からの機械的処理と比べると、嵩が同等の場合には、強度が高くなり、強度が同等となるようにパルプを調成すると、嵩が高くなる。
また、キャビテーション処理したパルプを用いると、金属ロールなどの平滑な面が転写されやすくなるため、紙は平滑になりやすい。
これらの理由により、キャビテーション処理したパルプを含有するティシュペーパーは、手触り感と強度がともに優れたものになる傾向になるものと考えられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論本発明はこれによって何ら限定されるものではない。尚、実施例、比較例中の%は特に断らない限り重量%を示す。以下の実施例及び比較例において調製したパルプを、ツインワイヤータイプの3層式のヤンキー抄紙機で抄紙した。クレープは、ドライクレープをドライヤー及び巻取りリールとの速度差をとることにより付与した。特に断らない限り、このティシュペーパー原紙のヤンキードライヤーと接触した面(YD面)が外側(使用者の手に触れる側)になるよう2枚重ねにし、この面が外側になるよう積層して、ヤンキードライヤーに接して乾燥された面をソフトカレンダー掛けした。パルプは、実施例、比較例いずれの場合も、国内産広葉樹チップよりクラフトパルプ法を用いて製造し、漂白されたハンター白色度84%の広葉樹漂白パルプを用いた。
また、実施例および比較例において用いた評価法は下記の通りである。
<手触り感>
パネラー10名により手の触感、及び肌触りの評価を行った。次の区分で表示した。
非常に良い;◎、良い;〇、普通;△、悪い;×
<引張り強さ(縦)の測定法>
引張り強度:MD方向、CD方向において試料を15mm幅にカットし、各方向の引張り強度を1プライにて測定し、次式により算出したものを引張り強度とした。
引張り強度(g)=(MD引張り強さ×CD引張り強さ)1/2
<嵩の測定法>
試料を10プライ重ねたときの紙厚(mm)を嵩とした。
<坪量の測定>
JIS P 8124:1998(ISO 536:1995)に従った。
<キャビテーション処理パルプの調整>
キャビテーション処理は図1に示されるキャビテーション噴流式処理装置にて行った。図1において、試料タンク1内に図示しないパルプ懸濁液(濃度1.1%)が収容され、試料タンク1には温度センサー12とミキサー13が挿入されている。試料タンク1のパルプ懸濁液はプランジャポンプ4を介した所定の配管によりキャビテーション噴流セル3に噴射液として導入される。キャビテーション噴流セル3の下部にはノズル2が設けられ、より詳細には試料タンク1のパルプ懸濁液はノズル2から噴流セル3内に噴射される。さらに、試料タンク1の側部から噴流セル3に向かう配管に給水弁9、循環弁10が設けられ、試料タンク1内のパルプ懸濁液を噴流セル3内に被噴射液として供給される。試料タンク1の側部からノズル2に向かう別の配管には上流側圧力制御弁5が介装されている。一方、噴流セル3の上部から試料タンク1に向かう別の配管には下流側圧力制御弁6が介装され、各弁5、6を調整することで、ノズル2へのパルプ懸濁液の噴射圧を調整可能になっている。又、ノズル2の入側には上流側圧力計7が設けられ、噴流セル3の上部には下流側圧力計8が設けられている。なお、噴流セル3の下部には排水弁が11が設けられている。
[実施例1]
3層のうち上層及び下層の原料については、以下の通りに調製した。広葉樹晒クラフトパルプのパルプシートを低濃度パルパーで離解し、任意の濃度に調整後、図1に示されるキャビテーション噴流式処理装置(ノズル径1.5mm)を用いて、噴射液の圧力(ノズル上流側圧力)を8MPa(ゲージ圧、噴流の流速80m/秒)、被噴射容器内の圧力(ノズル下流側圧力)を0.4MPa(ゲージ圧)として、ワンパス処理した。なお、噴射液として濃度3重量%のパルプ懸濁液を使用し、容器内のパルプ懸濁液(濃度3重量%)をキャビテーション処理し、カナダ標準濾水度を435mLとして、原料Aを得た。原料Aおよび中層原料B(広葉樹晒クラフトパルプのパルプシートを低濃度パルパーで離解、カナダ標準濾水度500mL)より、ティシュペーパーを製造した。抄紙したティシュペーパーの坪量は16.6g/mとなるように調節した。
[比較例1]
上層及び下層の原料を、キャビテーション処理の代わりにダブルディスクリファイナーで叩解処理し、カナダ標準濾水度を470mLとして、原料Cを得た。原料Cおよび中層原料Bより、ティシュペーパーを製造した。抄紙したティシュペーパーの坪量は16.6g/mとなるように調節した。
Figure 0005542356
表1に示されるように、実施例1と比較例1では手触り感が同等であるが、実施例1は比較例1よりも引張り強度が約20%高かった。実施例1は比較例1よりも強度が大幅に上昇しているものの、嵩の低下は僅かであった。
[実施例2]
上層及び下層の原料を、実施例1と同様の処理をし、カナダ標準濾水度を420mLとして、原料Dを得た。原料Dおよび中層原料Bに湿潤紙力増強剤0.1%(絶乾パルプ重量当り)を添加し、ティシュペーパーを製造した。抄紙したティシュペーパーの坪量は13.0g/mとなるように調節した。
[比較例2]
上層及び下層の原料を、比較例1と同様の処理をし、カナダ標準濾水度を410mLとして、原料Eを得た。原料Eおよび中層原料Bに湿潤紙力増強剤0.1%(絶乾パルプ重量当り)を添加し、ティシュペーパーを製造した。抄紙したティシュペーパーの坪量は13.0g/mとなるように調節した。
Figure 0005542356
表2に示されるように、実施例2は比較例2よりも手触り感が良好であり、引張り強度はほぼ同等であった。さらに、実施例2は比較例2よりも嵩が約7%向上していた。
[実施例3]
上層及び下層の原料を、キャビテーション噴流式処理装置(ノズル径1.5mm)を用いて、噴射液の圧力(ノズル上流側圧力)を8MPa(ゲージ圧、噴流の流速80m/秒)、被噴射容器内の圧力(ノズル下流側圧力)を0.4MPa(ゲージ圧)として、2パス処理を行った以外は実施例1と同様に処理を行い、カナダ標準濾水度を390mLとして、原料Fを得た。原料Fおよび中層原料Bに湿潤紙力増強剤0.1%(絶乾パルプ重量当り)を添加し、ティシュペーパーを製造した。抄紙したティシュペーパーの坪量は15.1g/mとなるように調節した。
[比較例3]
上層及び下層の原料を、比較例1と同様の処理をし、カナダ標準濾水度を470mLとして、原料Gを得た。原料Gおよび中層原料Bに湿潤紙力増強剤0.1%(絶乾パルプ重量当り)を添加し、ティシュペーパーを製造した。抄紙したティシュペーパーの坪量は15.1g/mとなるように調節した。
Figure 0005542356
表3に示されるように、実施例3は比較例3よりも手触り感が良好であり、引張り強度が約20%高かった。実施例3は比較例3よりも引張り強度が大幅に上昇しているものの、嵩の低下は僅かであった。
[実施例4]
上層及び下層の原料として、強度は出やすいものの手触り感が劣る傾向のある広葉樹晒クラフトパルプシート(パルプシートの水分率が約50重量%(絶乾パルプ重量当り))を用いた以外は、実施例1と同様の処理を行い、カナダ標準ろ水度を440mLとして、原料Hを得た。原料Hおよび中層原料Bに湿潤紙力増強剤0.1%(絶乾パルプ重量当り)を添加し、ティシュペーパーを製造した。抄紙したティシュペーパーの坪量は15.1g/mとなるように調節した。
[比較例4]
上層及び下層の原料として、通常手触り感が良好となりやすい広葉樹晒クラフトパルプシート(シートシートの水分率が約10重量%(絶乾パルプ重量当り))を用いた以外は、比較例1と同様の処理を行い、カナダ標準濾水度を480mLとして、原料Iを得た。原料Iおよび中層原料Bに湿潤紙力増強剤0.1%(絶乾パルプ重量当り)を添加し、ティシュペーパーを製造した。抄紙したティシュペーパーの坪量は15.1g/mとなるように調節した。
Figure 0005542356
表4に示されるように、手触り感が劣る傾向のある広葉樹晒クラフトパルプを用いた実施例4は、手触り感が良好となりやすい広葉樹晒クラフトパルプシート比較例4と比較しても手触り感がほぼ同等であった。また、実施例4は比較例4よりも引張り強度が約40%向上していた。
実施例で使用したキャビテーション噴流式処理装置の概略図である。1:試料タンク2:ノズル3:キャビテーション噴流セル4:プランジャポンプ5:上流側圧力制御弁6:下流側圧力制御弁7:上流側圧力計8:下流側圧力計9:給水弁10:循環弁11:排水弁12:温度センサー13:ミキサー

Claims (4)

  1. 2層以上の紙層から成る家庭用薄葉紙において、少なくとも1層の紙層にキャビテーションによって生ずる気泡が崩壊する際に生じる衝撃力を必要回数だけ循環させてパルプ繊維に与えて得られるパルプ(キャビテーション処理パルプ)を含有させ、該キャビテーション処理パルプを含む紙層をヤンキードライヤーに圧接して乾燥し、キャビテーション処理パルプを含む紙層が外側になるように配置された家庭用薄葉紙。
  2. キャビテーション処理パルプが、鱗片状の外部フィブリルを有する、請求項1に記載の家庭用薄葉紙。
  3. キャビテーション処理パルプの含有率が、全パルプの絶乾重量を基準として30〜100重量%である、請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙。
  4. キャビテーションによって生ずる気泡が崩壊する際に生じる衝撃力を必要回数だけ循環させてパルプ繊維に与えて得られるパルプ(キャビテーション処理パルプ)を含有する少なくとも1層の紙層を抄紙すること、
    キャビテーション処理パルプを含む紙層をヤンキードライヤーに圧接して乾燥すること、
    ヤンキードライヤーで乾燥させたキャビテーション処理パルプを含む紙層が外側になるように配置すること、
    を含む、2層以上の紙層からなる家庭用薄葉紙の製造方法。
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