JP5539120B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクのほかに画質向上液を用いて記録媒体の画像を記録するインクジェット記録装置に関する。特に、色材に顔料を含有するインクを使用する場合、写像性を確保しながらも画像の薄膜干渉やブロンズに起因する反射光の色づきを低減するためのインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
近年のインクジェット記録市場では、銀塩写真に匹敵する高品位な画像出力とともに出力された画像の耐候性が求められ、色材自身の堅牢性が高い顔料インクを用いるインクジェット記録装置が提供されている。しかし、顔料インクで記録した画像では、例えば、画像の表面で色材とは異なる色の光を反射する現象(例えばブロンズ)のような新たな画像弊害も確認されている。以下、上記画像弊害について簡単に説明する。
一般に、画像の表面で色材とは異なる色の光を反射する現象は、薄膜干渉やブロンズによって招致される。薄膜干渉は、記録された色材層の厚さが光の波長と同調した場合に生じる現象であって、反射角によって即ち観察する角度によって反射光の色が変化する。そして、反射光の色づきが顕著な印刷物は、本来表現したい色と異なる色で観察者に視認され、違和感を与える。一方、ブロンズは、顔料色材粒子が記録媒体表面に露出された状態の時に、顔料粒子表面における光の選択的反射によって、反射光の中に顔料の吸収帯の波長成分の割合が大きくなる結果生じる現象と考えられている。ブロンズの目立ちやすさは色材の種類や量によって異なり、例えば、シアン顔料を用いた場合には、赤味を帯びた反射光が視認される。
このような薄膜干渉やブロンズに起因する反射光の色づきを低減するために、記録面に透明フィルムをラミネートして顔料粒子が記録媒体の表面に露出しないようにする方法が考案されている。また、有色インクに二酸化チタンなど添加剤を入れる方法も提案されている。
更に、特許文献1には、記録媒体をイエローインクでオーバーコートする技術が開示されている。これは、シアン、マゼンタ、イエローインクを用いて記録媒体に画像を形成した後、ブロンズの少ないイエローインクを低い記録率でオーバーコートすることにより、特にシアン色相におけるブロンズを低減する手法である。
また、画像形成用の顔料インクとは別に無色透明なクリアインク(画質向上液)を用意し、これを画像上に塗布することにより、顔料の露出を防ぐと共に薄膜干渉を抑え、反射光の色付を低減する方法も提案されている。
特許第4066338号明細書
しかしながら、透明フィルムをラミネートする方法では、ラミネート機構を持つことによる装置のコストアップや、ラミネート作業に時間や手間がかかる等、様々な問題が発生する。また、有色インクに二酸化チタンなど添加剤を入れる方法では、吐出安定性などが課題となる。また、特許文献1の方法では、クリアインクではなくイエローインクを使用しているため、白紙領域を含めた画像全体が黄身を帯びてしまい、色表現領域を狭めてしまったり、グレーバランスを崩してしまったりする。
更に、クリアインクを用いて顔料表面を被覆する方法においても、記録媒体の光沢性、特に写像性を損なうおそれがある。例えば光沢紙に対し、顔料インクで記録を行った場合、顔料インクは表面に残りやすいので、記録媒体の表面に凹凸が形成される。そのような状態の記録媒体表面に、更にブロンズ防止のためのクリアインクを付与すると、記録部分の層は一層高く積み上げられ、表面の凹凸をより大きくしてしまう。結果、ブロンズや薄膜干渉による反射光の色づきは確かに低減されるが、写像性が大きく低下し、新たな画像問題を招致してしまう。よって、クリアインクで反射光の色づきを抑えようとする場合には、反射光の色づきと写像性の両方を考慮しながら、これら双方を画像上で問題とならない程度の範囲に収めるように、その特性や付与量を調整することが求められる。
一方で、本発明者らの検討によれば、このようなクリアインクの適切な付与量は、記録する画像の特徴や用途によって異なる。具体的には、多種類の顔料インク(CMYK)を用いてカラー写真を記録する場合と、1〜2種類の顔料インク(K、Gy)を用いてモノクロ写真を記録する場合とでは、反射光の色づきの程度が元々異なっている。その上、同じ量のクリアインクを付与した際の写像性の低下度も異なっている。更に、カラー写真とモノクロ写真とでは、求められる色再現性の範囲や正確性も異なっている。すなわち、カラー写真とモノクロ写真では、反射光の色づきと写像性の両方を画像上で問題とならない程度に抑えるために、付与すべきクリアインクの特性や量が互いに異なるはずである。
特に近年では、「広い色再現域」を実現するカラー写真や「良好なグレーバランス」を有するモノクロ写真への需要に応えるため、これらを実現するための特別な記録モード(カラーモードとモノクロモード)を用意するインクジェット記録装置も提供されている。このような中、いずれの記録モードでも、反射光の色づきと写像性に問題のない画像出力が期待される。しかしながら、従来のいずれの方法においても、このように画像の特徴や用途によってクリアインクの種類や量を調整することは出来ず、全てのモードで、反射光の色づきと写像性が許容範囲に収められた画像を出力することは困難であった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものである。よって、その目的とするところは、カラーモードとモノクロモードのいずれにおいても、反射光の色づきと写像性を夫々のモードに要求される許容範囲に抑え、高品位な画像を出力することが可能なインクジェット記録装置を提供することである。
上記課題を解決するための本発明は、互いに色が異なる複数の顔料インクと、前記複数の顔料インクとは異なる第1の画質向上液と、前記複数の顔料インクとは異なり前記第1の画質向上液よりも記録媒体に対する浸透性が高い第2の画質向上液と、を吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記複数の顔料インクを用いて前記記録媒体にカラー画像を記録するカラーモード、および前記複数の顔料インクのうち少なくとも1つの顔料インクを用いて前記記録媒体に無彩色調の画像を記録するモノクロモード、のそれぞれにおける、前記第1の画質向上液と前記第2の画質向上液の前記記録媒体の単位領域に対する付与量を設定する設定手段を備え、前記設定手段は、無彩色を示す所定の入力信号に基づいて前記記録媒体に記録する場合に、前記第2の画質向上液の前記付与量に対する前記第1の画質向上液の前記付与量の割合が、前記カラーモードよりも前記モノクロモードの方が高くなるように、前記第1の画質向上液と前記第2の画質向上液とのそれぞれの前記付与量を設定することを特徴とする。
本発明によれば、カラーモードとモノクロモードのそれぞれについて適切な種類の画質向上液が適切な割合と量で付与される。よって、カラーモードとモノクロモードのいずれにおいても、反射光の色づきと写像性を夫々のモードに要求される許容範囲に抑え、高品位な画像を出力することが可能となる。
(a)および(b)は、画像表面の粗さと反射光の量や向きを示す図である。 反射光測定システムの模式図である。 実施形態で適用するインクジェット記録装置の外観を示す斜視図である。 インクジェット記録装置の内部構成を説明するための斜視図である。 記録ヘッドにおける複数のノズル列の配列状態を説明するための図である。 インクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 実施形態で使用する顔料インクと画質向上液の成分濃度を示す図である。 画像処理を実行するシステムを説明するためのブロック図である。 画像データ情報及び記録制御情報の構成例を示した図である。 実施形態で用いる17階調のドット配置パターンを示す図である。 (a)および(b)は、マルチパス記録を説明する図である。 (a)および(b)は、画質向上液の浸透性の違いを説明する図である。 後段処理における信号値の変換状態を示す図である。 (a)および(b)は、入力信号に対する有色インクと画質向上液の記録デューティの関係を示す図である。 光沢紙の種類によって画質向上液の付与量を異ならせる例を示す図である。 (a)および(b)は、顔料の積層状態を示す図である。 (a)〜(c)は、反射光の色づきの低減効果を説明するための図である。 反射光の色づきの低減効果を、全色相について示した図である。 第2の実施形態における入力信号と記録デューティの関係を示す図である。 第3の実施形態における入力信号と記録デューティの関係を示す図である。 (a)および(b)は本発明で使用可能なマスクパターンを示す図である。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の実施形態において、画像評価の指標となる写像性と正反射光の色づきの度合い(彩度)について説明する。写像性とは、例えば、JIS H8686『アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性測定方法』やJIS J7105『プラスチックの光学的特性試験方法』を用いて測定でき、記録媒体に映り込んだ像の鮮明さを表す。
図1(a)および(b)は、画像表面の粗さに応じて反射光の量や向きが異なることを示す図である。これらの図に示されるように、一般に、表面が粗く凹凸が増えるほど反射光が拡散しやすく、写像性が小さく測定される傾向がある。例えば、記録媒体に映り込んだ照明像がぼやけている場合は、写像性の値が低いことを示す。
正反射光の色づきは、例えば、村上色彩技術研究所の三次元変角分光測色システム(GCMS−4)を用いて測定することができる。記録画像に対して45°方向からの光を照射し、逆方向の45°の位置で受光することによって正反射光の分光強度が測定される。更に、以下に示すブロンズ特性算出方法を用いれば、測定された分光強度から正反射光の彩度を算出することができる。正反射光の色づきが少ないほど正反射光の彩度の測定値は小さくなる。
図2は、測定システムの模式図である。測定システムの一連の機器は、外部からの光を遮蔽する箱状の遮光手段B06に収容されている。遮光手段B06の内部においては、照明手段B01から照射された光が、固定台B04上に位置決めされた記録媒体B03の被測定部に入射角θで入射し、その正反射光は光検出手段B02によって検出される構成になっている。ここで、光検出手段B02によって測定された正反射光の分光強度をRx(λ)とすると、正反射光の三刺激値XxYxZxは、以下の(式1)によって算出することが出来る。
ただし、上式(1)において、図2の光学系では正反射光を測定するため、例えば光沢紙のように艶の度合いが大きいものは、正反射光の測定値のレンジが光源の測定に近くなる。つまり、光源からの光を直接測光する測定系に類似している。従って、通常の反射による物体色の三刺激値の算出とは異なり、正反射光の分光強度を光源の相対分光分布とみなし、光源色の三刺激値の算出方法に従う。ここで、式(1)の
はJIS Z 8782の等色関数である。また、ここでは、比例定数の乗算による正規化を行わないが、
を乗算する等の正規化を行っても良い。
完全拡散反射体などの白色板を測定対象としてその正反射光の分光強度をB0002で測定することによって測定される照明B0001の分光強度S(λ)から、以下の式(3)によって、照明の三刺激値XsYsZsを算出する。式(3)は、光源色の三刺激値の算出方法に基づいており、上記照明の分光データから三刺激値XsYsZsを算出する変換式である。
ここで、式(3)のkは比例定数で、三刺激値のYsの値が測光量に一致するように定められる。
次に、B02で検出された評価対象となる記録媒体B03の正反射光の三刺激値XxYxZxと、光源B01の三刺激値XsYsZsとから、JIS Z 8729に基づいてB03の正反射のL*a*b*値を算出する。ただし、JIS Z 8729の式(1)乃至式(4)におけるX、Y、Zの値には記録媒体B03の正反射光の三刺激値(Xx、Yx、Zx)を使用し、Xn、Yn、Znの値には光源B01の三刺激値(Xs、Ys,Zx)を使用する。これにより、a*、b*の値は以下の(4)式によって算出される。
以下、本発明の実施形態において用いられる装置の構成やインク成分構成、および画像処理について詳細に説明する。
図3は、本実施形態のインクジェット記録システムで使用するインクジェット記録装置の外観を示す斜視図である。給紙トレイ12より装置内部に給紙された記録媒体は、画像が記録された後、排紙トレイM3160へ排出される。
図4は、上記インクジェット記録装置の内部構成を説明するための斜視図である。キャリッジ5に搭載された記録ヘッド1は、キャリッジ軸3およびガイドレール4に沿って矢印A1、A2方向に往復移動しながらノズルからインクを吐出し、記録媒体S2に画像を記録する。記録ヘッド1が記録を行う部分の記録媒体S2は、プラテン2によって下方から支持され、記録媒体表面と記録ヘッド1の吐出口面を平行に保つようにしている。
本実施形態の記録ヘッド1は、異なった色の顔料インクと無色の画質向上液を吐出可能な複数のノズル列を有している。これらノズル列の詳細な構成については後述する。これらノズル列に供給されるインクと画質向上液は、装置内に固定されたインクタンク7に貯留されており、供給路9を介してキャリッジ5に搭載されたサブタンクに供給される。サブタンクは、記録ヘッド1から消費された分のインクを記録ヘッド1に補充する。本実施形態では、サブタンクと記録ヘッド1とが一体となってヘッドカートリッジ6を構成しており、ヘッドカートリッジ6がキャリッジ5に搭載される。
キャリッジ5の往復移動は、キャリッジモータ11の駆動力が、装置内に張られたタイミングベルト17を回転させることにより行われる。キャリッジ5が移動する際、キャリッジ5に設けられたエンコーダセンサ21は、キャリッジ5の移動方向に沿って配備されたリニアスケール19の目盛りを読み取り、キャリッジ5の位置を検出する。
キャリッジ5が所定の速度で往復移動する最中、記録ヘッド1は所定の周波数で複数のノズルから記録媒体S2に向けてインクを吐出する。この1回の主走査により、記録媒体S2には記録ヘッド1の1行分の画像が記録される。このような1行分の記録が完了すると、記録媒体S2は矢印B方向に、1行分の記録幅に対応する距離だけ搬送される。このような記録媒体の搬送動作は、搬送モータ13を駆動源とする搬送ローラ16が、ピンチローラ15とともに記録媒体を挟持した状態でリニアホイール20を介して回転することによって行われる。以上のような記録ヘッド1による主走査と、記録媒体の搬送動作とを交互に行うことにより、記録媒体S2には段階的に画像が記録されて行く。
キャリッジ5のホームポジションには、記録ヘッド1へのメンテナンス処理を行うための回復ユニット14やヘッドキャップ10等が配備されている。記録ヘッド1は必要に応じてホームポジションに移動し、ここで吐出口からインクを強制的に吸引する回復処理、ヘッドキャップ10に向けて記録とは無関係な吐出を行う予備吐処理などが施される。
図5は、記録ヘッド1に配備された複数のノズル列の配列状態を説明するための図である。本実施形態では、有色インクとしては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック1(K)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、グレー(Gy)の7色の顔料インクを使用する。また、顔料インクで記録した画質を向上させるための、第1の画質向上液(CL1)と第2の画質向上液(CL2)を用意する。これら9種類の液体は、図5に示すように主走査方向に並列する9列のノズル列の夫々によって吐出される。なお、1つのノズル列には、矢印B方向に768個のノズルが配列している。
図6は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。コントローラ100は主制御部であり、例えばマイクロ・コンピュータ形態のASIC101、ROM103、RAM105を有する。ROM103は、ドット配置パターン、マスクパターン、その他の固定データを格納している。RAM105は、画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けている。ASIC101がROM103からプログラムを読み出し、画像データを記録媒体へ記録するまでの一連の処理を実行する。
ホスト装置110は、後述する画像データの供給源(プリントに係る画像等のデータの作成、処理等を行うコンピュータとする他、画像読み取り用のリーダ部等の形態であってもよい)である。画像データ、その他のコマンド、ステータス信号等は、インタフェース(I/F)112を介してコントローラ100と送受信される。
ヘッド・ドライバ140は、プリント・データ等に応じて記録ヘッド1を駆動するドライバである。モータ・ドライバ150はキャリッジモータ11を駆動するドライバであり、モータ・ドライバ160は搬送モータ13を駆動するドライバである。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置で使用される、顔料インク及び画質向上液を構成する各成分について説明する。
(水性媒体)
本発明で使用するインクには、水及び水溶性有機溶剤を含有する水性媒体を用いることが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として3.0質量%以上50.0質量%以下とすることが好ましい。又、インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として50.0質量%以上95.0質量%以下とすることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。メタノール、エタノール、プロパノール、プロパンジオール、ブタノール、ブタンジオール、ペンタノール、ペンタンジオール、ヘキサノール、ヘキサンジオール、等の炭素数1〜6のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類。アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の平均分子量200、300、400、600、及び1,000等のポリアルキレングリコール類。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等の炭素数2〜6のアルキレン基を持つアルキレングリコール類。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート。グリセリン。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等。又、水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。
(顔料)
顔料は、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましい。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上15.0質量%以下とすることが好ましい。
ブラックインクは、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックを顔料として用いることが好ましい。具体的には、例えば、以下の市販品等を用いることができる。レイヴァン:7000、5750、5250、5000ULTRA、3500、2000、1500、1250、1200、1190ULTRA−II、1170、1255(以上、コロンビア製)。ブラックパールズL、リーガル:330R、400R、660R、モウグルL、モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、2000、ヴァルカンXC−72R(以上、キャボット製)。カラーブラック:FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス:35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上、デグッサ製)。No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学製)。又、本発明のために新たに調製したカーボンブラックを用いることもできる。勿論、本発明はこれらに限定されるものではなく、従来のカーボンブラックを何れも用いることができる。又、カーボンブラックに限定されず、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子や、チタンブラック等を顔料として用いてもよい。
有機顔料は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッド等の水不溶性アゾ顔料。リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の水溶性アゾ顔料。アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体。フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料。キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料。ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料。イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料。ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料。ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料。インジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料。フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等。勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
又、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、例えば、以下のものを用いることができる。C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185等。C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71等。C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192等。同、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272等。C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、37、40、50等。C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64等。C.I.ピグメントグリーン:7、36等。C.I.ピグメントブラウン:23、25、26等。勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
(分散剤)
上記したような顔料を水性媒体に分散するための分散剤は、水溶性を有する樹脂であれば何れのものも用いることができる。中でも特に、分散剤の重量平均分子量が1,000以上30,000以下、更には3,000以上15,000以下のものが好ましい。インク中の分散剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上5.0質量%以下とすることが好ましい。
分散剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。スチレン、ビニルナフタレン、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、又はこれらの誘導体等を単量体とするポリマー。尚、ポリマーを構成する単量体のうち1つ以上は親水性単量体であることが好ましく、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等を用いても良い。又は、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂を用いることもできる。これらの樹脂は、塩基を溶解した水溶液に可溶である、即ち、アルカリ可溶型であることが好ましい。
(界面活性剤)
インクセットを構成するインクの表面張力を調整するためには、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤等の界面活性剤を用いることが好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール類、アセチレングリコール化合物、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物等を用いることができる。
(その他の成分)
インクセットを構成するインクは、前記した成分の他に、保湿性維持のために、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタン等の保湿性固形分を含有してもよい。インク中の保湿性固形分の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上20.0質量%以下、更には3.0質量%以上10.0質量%以下とすることが好ましい。又、インクセットを構成するインクは、前記した成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及び蒸発促進剤等の種々の添加剤を含有してもよい。
次に、本実施形態で用いるインクをより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。尚、文中「部」、及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(樹脂水溶液Aの調製)
酸価200mgKOH/g、重量平均分子量10,000のスチレン/アクリル酸のランダム共重合体を水酸化カリウムで1当量に中和した。その後、樹脂成分の濃度が10.0%となるように水で調整して、樹脂水溶液Aを得た。
(樹脂水溶液Bの調製 → 浸透するポリマー)
樹脂水溶液Aで用いた、酸価200mgKOH/g、重量平均分子量10,000のスチレン/アクリル酸のランダム共重合体を、以下の材料に変える。すなわち、酸価:288mgKOH/g、重量平均分子量10,000、モノマー組成 スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸=23/37/37のランダム共重合体に変える。これ以外は樹脂水溶液Aの調製同様にして樹脂水溶液Bを調製する。これにより、樹脂水溶液Aよりも浸透性の高い樹脂水溶液Bが得られる。
(樹脂水溶液Cの調製 → 浸透しにくいポリマー)
樹脂水溶液Aで用いた、酸価200mgKOH/g、重量平均分子量10,000のスチレン/アクリル酸のランダム共重合体を、以下の材料に変える。すなわち、酸価:210mgKOH/g、重量平均分子量10,000、モノマー組成 スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸=33/30/27のランダム共重合体に変える。これ以外は樹脂水溶液Aの調製同様にして樹脂水溶液Cを調製する。これにより、樹脂水溶液Aよりも浸透性の低い樹脂水溶液Cが得られる。
(顔料分散液1〜4の調製)
以下に示す手順により、顔料分散液1〜4を調製した。
<C.I.ピグメントレッド122を含む顔料分散液1の調製>
顔料(C.I.ピグメントレッド122)10部、樹脂水溶液A20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散する。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液1を得る。
<C.I.ピグメントブルー15:3を含む顔料分散液2の調製>
顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)10部、樹脂水溶液A20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて5時間分散する。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液2を得る。
<C.I.ピグメントイエロー74を含む顔料分散液3の調製>
顔料(C.I.ピグメントイエロー74)10部、樹脂水溶液A20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて1時間分散する。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液3を得る。
<C.I.ピグメントブラック7を含む顔料分散液4の調製>
カーボンブラック顔料(C.I.ピグメントブラック7)10部、樹脂水溶液A20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散する。尚、分散する際の周速は、顔料分散液1を調製する際の2倍とした。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去する。更に、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液4を得る。
(有色インクと画質向上液の調製)
図7は、本実施形態で使用する7種類の有色顔料インクと2種類の画質向上液を精製する際の、上記顔料分散液や樹脂水溶液BおよびCの濃度を示す図である。調整の際には、図7に従って各成分を混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、各色インクと画質向上液CL1とCL2を調製する。画質向上液CL1は、浸透性の低い樹脂水溶液Bと浸透性の高い樹脂水溶液Cの混合比が1:2となっている。一方、画質向上駅CL2は、浸透性の低い樹脂水溶液Bと浸透性の高い樹脂水溶液Cの混合比が2:1となっている。このため、CL1とCL2では、CL2の方が浸透性の高い画質向上液となる。
図8は、本実施形態における画像処理を実行するインクジェット記録システムを説明するためのブロック図である。本実施形態のインクジェット記録システムは、ホスト装置110と記録装置(プリンタ)210とで構成される。
ホスト装置110は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)であり、アプリケーションJ01と、本実施例における記録装置のためのプリンタドライバJ11で構成される。アプリケーションJ01は、ホスト装置110のモニタおけるUI画面にてユーザが指定した情報に基づいて、プリンタドライバ11に渡す画像データを作成する処理および、記録の制御を司る記録制御情報を設定する処理を実行する。
図9は、アプリケーションJ01がプリンタドライバJ11に提供する画像データ情報及び記録制御情報の構成例を示した図である。記録制御情報は、「記録媒体情報」、「画像情報」、「記録品位情報」、および給紙方法等のような「その他制御情報」から構成されている。記録媒体情報には、記録の対象となる記録媒体の種類が記憶されており、普通紙、光沢紙、はがき、プリンタブルディスクなどのうち、いずれか1種類の記録媒体が規定されている。また「画像情報」とは、「カラーモード」または「モノクロモード」のような、画像の特徴を現す情報である。記録品位情報には、記録の品位が指定されており、「きれい」、「標準」、「はやい」等のうち、いずれか1種の品位が記憶されている。
再度図8に戻る。プリンタドライバ11はその処理として、前段処理J02、後段処理J03、γ補正J04、量子化J05、および印刷データ作成J06を有する。以下に、各処理を簡単に説明する。
前段処理J02は色域(Gamut)のマッピングを行う。この処理は、sRGB規格の画像データ(R、G、B)によって再現される色域を、プリンタによって再現される色域内に写像するためのデータ変換を行う。具体的には、R、G、Bのそれぞれが8ビットで表現された256階調のデータを、3次元のLUT(ルックアップテーブル)を用いることにより、色域が異なるそれぞれ8ビットのR、G、Bデータ(RGB値)に変換する。
後段処理J03は、後段処理用の3次元LUTに基づいて、上記色域のマッピングがなされたR、G、Bデータを、このデータが表す色を再現する有色インクと画質向上液の組み合わせに変換する。具体的には、後段処理用の3次元LUTを参照することにより、8ビットのRGBデータを、色分解データC、M、Y、K、LC、LM、Gy、CL1、CL2に変換する。本実施形態において、後段処理用の3次元LUTは、後段処理用LUT格納部J12に複数格納されており、記録制御情報の記録媒体の種類や画像情報に基づいて適切なテーブルが選択される。前段処理、後段処理共に、テーブルの格子点に適応しないデータは、補間演算を併用して変換を行えば良い。
γ補正J04は、後段処理J03によって求められた各色の色分解データについて、濃度値(階調値)変換を行う。具体的には、1次元LUTを用いて、8ビットの色分解データを、プリンタの階調特性に線形的に対応づけられるように8ビットデータに変換する。
量子化部J05は、γ補正がなされた各色8ビットの色分解データのそれぞれについて、5ビットのデータに変換する量子化処理を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて256階調の8ビットデータを17階調の5ビットデータに変換する。この5ビット記録画像データは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理におけるドット配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。尚、この各色17階調に量子化されたデータは、レベル0〜16のいずれかの階調を示す階調値情報を示す。以上説明した前段処理J02〜量子化処理J05の画像処理は、全て300ppi(ピクセル/インチ)の解像度で行われる。
印刷データ作成処理J06は、上述した記録制御情報および量子化部J0005で作成された5ビットデータで構成された画像データ情報合成し、上述した記録制御情報とともに、記録装置210へ出力する。
上記情報を受信した記録装置210は、まず、300ppiの画像データに対し、ドット配置パターン化処理を実行する。ドット配置パターン化処理J0007では、入力された17値の階調値情報をドットの記録あるいは非記録の2値で示されたドット配置パターンに変換する。これにより、300ppiの5ビット画像データは、1200dpi(ドット/インチ)1ビットデータに変換され、個々の画素に対して記録ヘッドがインクを吐出するか否かの2値データが決まる。
図10は、本実施形態で用いる17階調のドット配置パターンを示す図である。個々のレベルは、ドット配置パターン化処理に入力される1〜16の値を示し、4×4のエリアは、300dpiの1画素領域に相当する1200dpiの4画素×4画素領域を示している。図において、丸が示されたエリアはドットを記録する画素を示し、丸が示されていないエリアはドットを記録しない画素を示す。レベル値が上昇するに連れ、ドットを記録するエリアも増加しているのが判る。
続くマスク処理J08では、互いに補完の関係にあるマスクパターンを用い、ドット配置パターン化処理J07により記録が決定した各色のドットに対し、マルチパス記録において当該ドットが記録される走査を決定する。
図11(a)および(b)は、上記マルチパス記録とマスクパターンを具体的に説明するための図である。マルチパス記録では、記録媒体の同一画像領域に対し、記録ヘッドの記録幅よりも短い搬送動作を介在させた複数回の主走査を行うことによって画像を記録する。図11(a)は、4パスのマルチパス記録を行う場合の、マスクパターンと各走査の記録状態を示している。4パスのマルチパス記録の場合、ノズル列P01は、4つのグループに分割して考えることが出来る。ここでは簡単のため、16個の吐出口が配列するノズル列について示しているので、各グループに含まれるノズルの数は4となる。P02(a)〜(d)に示される夫々4エリア×4エリアで示される領域は、夫々のグループに宛がわれるマスクパターンを示し、黒エリアはその画素の記録が許容されていること、白エリアは非許容であることを示している。
一方、P03〜P06は、マスクパターンP02(a)〜(d)を用いながらの記録走査と、4画素分の搬送動作を繰り返すことによって、画像が記録されていく様子を示している。マスクパターンP02(a)〜(d)は互いに補完の関係を有しているので、これらを用いながらの記録走査と4画素ずつの搬送動作を繰り返すことにより、記録媒体の同一画像領域は4回の記録主走査によって画像が完成する。
図11(a)では、簡単のために16個のノズルを有するノズル列について説明したが、本実施形態のように1つのノズル列が768個のノズルを有する場合には、マスクパターンもより大きな領域を有するものとなる。図11(b)は、このような768個のノズルを有するノズル列に対応した4パス用のマスクパターンの一例を示している。ノズル列が768個のノズルを有する場合、個々のグループは192ノズルとなり、1回の搬送量も192画素分となる。
なお、以上説明したようなマスクパターンは、インク色ごとに異なるパターンとすることが出来、また、記録媒体の種類等に応じて異ならせることも出来る。本実施形態のマスクパターン格納部J13には複数のマスクパターンが格納されており、記録制御情報の記録媒体の種類や画像情報、記録品位情報等に基づいて適切な1つが選択されるようになっている。なお、記録制御情報に従って行われる記録が1パス記録であれば、マスクパターンは使用されずマスク処理J08は行われない。
マスク処理J08で生成された、各走査の記録データは、適切なタイミングでヘッド駆動回路J09に供給され、記録ヘッド1の駆動パルスに変換され、各色の記録ヘッド1から所定のタイミングでインクが吐出される。
以下、本発明の特徴的な構成について説明する。本実施形態では、記録モードに応じて、具体的にはカラーモードであるかモノクロモードであるかに応じて、2種類の画質向上液の使用の割合を異ならせる。ここでまず、2つの画質向上液CL1およびCL2の記録媒体に対する浸透特性について説明する。既に説明したように、画質向上液CL1は浸透性の高い樹脂水溶液Bよりも浸透性の低い樹脂水溶液Cの方が多く含まれる。一方、画質向上液CL2は浸透性の高い樹脂水溶液Bの方が浸透性の低い樹脂水溶液Cよりも多く含まれる。結果、CL1とCL2では、CL2の方が浸透性が高い画質向上液となる。
図12(a)および(b)は、顔料インクによる記録が行われた記録媒体に画質向上液CL1およびCL2を付与した場合の画質向上液の浸透性の違いを説明するための模式図である。浸透性が低い画質向上液CL1は、液体成分と固体成分が分離しやすい。すなわち、固体成分である樹脂は記録媒体の深さ方向に浸透し難く、表層に残存し易い(図12(a))。その結果、元々平滑性の高い光沢紙に記録した場合、凹凸の発生によって薄膜干渉は抑制されるものの、写像性が低下してしまう。一方、残存性が高い樹脂によって色材両面が被覆される割合が高くなりブロンズは発生し難い。
これに対し、浸透性が高い画質向上液CL2は、液体成分と固体成分が分離し難い。すなわち、固体成分である樹脂は記録媒体の深さ方向に浸透しやすく、表層に残存し難い(図12(b))。その結果、元々平滑性の高い光沢紙に記録した場合であっても、新たな凹凸は生成されず写像性は維持される。しかし一方で、残存する樹脂層は薄膜で色材の被覆も十分ではないので、薄膜干渉たブロンズの低減効果は画質向上液CL1ほど大きくはない。本実施形態では、以上のように、色づき低減効果は高いが写像性低下の懸念が強い画質向上液CL1と、色づき低減効果は低いが写像性低下の懸念は弱いが質向上液CL2の2つの画質向上液を用意している。
次にカラーモードとモノクロモード夫々に求められる写像性、薄膜干渉やブロンズによる色づきの程度を考える。一般に、カラーモードでは、様々な色のインクを用いるので、図16(b)のように多くの顔料が露出して積層されやすい。その結果、多くのインクを記録する中間調から高濃度領域において、ブロンズが発生しやすい。一方、カラーモードではデジタルカメラ等で撮影した画像をある程度高い写像性で記録することが求められるが、多くの顔料粒子で凹凸が形成されている状態では、これ以上写像性を低下させたくはない。
一方、無彩色インク(ブラックインクとグレーインク)のみを用いるモノクロモードでは、薄膜干渉が起こりやすくグレートーンの僅かな色ずれが画像上目立ちやすい。その一方、使用するインクの種類が少ないので、図16(a)のように色材の積層に伴う凹凸は少なく、写像性は高い状態が維持されている。
以上より、本実施形態においては、カラーモードについては、これ以上写像性を低下させることなく、主にブロンズを低減することを主な目的とする。一方、モノクロモードについては、主に薄膜干渉による色ずれを低減すること目的とする。
このため、本実施形態では、カラーモードについては、写像性を下げないために浸透性が高い画質向上液CL2を多く用いるようにし、モノクロモードでは、より積極的に薄膜干渉を抑えるためにCL1を多く用いるようにする。そしてこのような記録を、後段処理J03で使用するテーブルを特徴付けることによって実現する。
図13は、後段処理J03におけるカラーモードとモノクロモードの信号値の変換状態を示す図である。カラーモードでは、8ビット256値のRGB信号が同じく8ビット256値のC、M、Y、K、LC、LM、Gy、CL1およびCL2の信号に変換される。このとき、7色の有色インクについては、入力信号RGBによって互いの信号値のバランスが変わるが、CL1およびCL2については、常にCL2の信号値の方がCL1の信号値より大きくなるように、本実施形態の後段テーブルは作成されている。一方、モノクロモードでは、8ビット256値のRGB信号が同じく8ビット256値のK、Gy、CL1およびCL2の信号に変換される。このとき、ブラックKとグレイGyについては、入力信号RGBによって互いの信号値のバランスが変わるが、CL1およびCL2については、常にCL1の信号値の方がCL2の信号値より大きくなるように、後段テーブルは作成されている。
図14(a)および(b)は、カラーモードおよびモノクロモードにおける、入力信号(RGB)に対する有色インクと2つの画質向上液の記録デューティの関係を示す図である。図において、横軸は、白(R=G=B=255)から黒(R=G=B=0)にかけての無彩色(R=G=B)の入力信号を表している。また、縦軸は、後段処理J03においてこれら入力信号から変換される出力信号に従って記録した結果の記録媒体での記録デューティを示している。ここで、記録デューティとは、1200dpiで配列する全画素に対し、1つのドットを記録する画素の割合を示す。従って、例えば、全画素に1つずつのドットを記録する状態では、記録デューティは100%となる。
図14(a)は、カラーモードについて示している。ここでは、有彩色インクの記録デューティの和(C、LC、M、LM、Yの和)と、無彩色インクの記録デューティの和(K、Gyの和)PBkを示している。カラーモードのハイライト(R=G=B=255)から中間濃度(R=G=B=128)の領域では、有彩色インクの混合によって無彩色(グレートーン)を表現し、無彩色インクの和PBkは0のままである。ほぼ中間濃度あたりからPBkを徐々に増加させ、これに伴いCMYは減少させていく。そして、高濃度領域では、PBkとCMYとが逆転し、最高濃度(R=G=B=0)では、Pbkが100%、CMYが0%になっている。一方、図14(b)は、モノクロモードの信号値変換の様子を示している。モノクロモードでは、ハイライトから高濃度部にかけて、PBkの値が線形的に上昇している。
両図では、それぞれの入力信号に対する有彩色インクCMYと無彩色インクPBkの和(Ink total)も示している。このInk totalは、既に図16(a)および(b)で示したような、記録媒体の表面に残る顔料の量に相関する。図14(a)および(b)を比較するに、有彩色インクを多く用いるカラーモードのほうが、無彩色インクしか用いないモノクロモードに比べ、いずれの入力信号においてもInk totalの値は大きく、記録媒体の表面に残る顔料の量も多いことが判る。
次に、画質向上液CL1およびCL2の記録デューティについて説明する。本実施形態では、入力信号の値によらず、カラーモードでもモノクロモードでも、常に記録媒体に対し一定量の画質向上液を記録する。このときカラーモードでは、いずれの入力信号(0〜255)に対してもCL1の記録デューティは2%としCL2の記録デューティは18%とする。一方、モノクロモードでは、いずれの入力信号(0〜255)に対してもCL1の記録デューティは18%としCL2の記録デューティは2%とする。
このように、本実施形態では、カラーモード、モノクロモードともに2種類の画質向上液CL1およびCL2を、全階調において一定の記録デューティで記録する。そして、カラーモードでは、CL2の記録デューティの方がCL1よりも大きくなっているのに対し、モノクロモードでは上記関係が逆転している。
図17(a)〜(c)は、本実施形態を採用した場合の、反射光の色づきの低減効果を写像性と共に説明するための図である。まず、図17(a)は、ある光沢紙に記録を行う場合の、無彩色の入力信号に対する記録媒体への有色インクの総記録デューティを示した図である。これは、図14(a)および(b)のInk totalを同じグラフに示した結果となる。図からも判るように、多種類の有色インクを用いるカラーモードの方が、小数種類のインクを用いるモノクロモードよりも、全階調領域において総記録デューティの値は高い。
図17(b)は、本実施形態のように画質向上液を塗布しなかった場合における無彩色の入力信号に対する反射光の彩度(色づき)の程度を示した図である。カラーモードでは、中間調以上の幅広い領域で、図16(b)のように顔料の積層が露出された状態になるので、正反射光の色づき(ブロンズ)が顕著となる。薄膜干渉による色づきは、記録されるインク量が極少ないハイライト領域に留まる。一方、モノクロモードでは、図16(a)のように顔料の積層が少ないので、ブロンズが目立つのは高濃度部のみとなるが、薄膜干渉による色づきは、ハイライト領域から中間調までの広い領域で目立ち易い。
一方、図17(c)は、本実施形態のように画質向上液を塗布しなかった場合のカラーモードとモノクロモードにおける写像性の程度を示した図である。カラーモードでは、中間調以上の幅広い領域で、図16(b)のように顔料の積層が露出され、記録表面に凹凸が現れ、白紙の光沢紙に比べ写像性は既にある程度低下してしまっている。一方、モノクロモードでは、図16(a)のように顔料の積層が少ないので、白紙の光沢紙の高い写像性がほぼ維持されている。
このように、画質向上液を記録しない場合、カラーモードでは主にブロンズによる色づきが問題となり、モノクロモードでは写像性は高いが薄膜干渉による色づきが問題となる。よって本実施形態では、画質向上液を付与することにより、これらブロンズや薄膜干渉による色づきを低減する。但し、この際、写像性については最低限度を定めるこれを下回らないようにする。具体的には、画質向上液を付与しない状態のカラーモードにおける写像性の値近傍を、本実施形態では写像性の最低限度とする。そして、この写像性の最低限度を維持しながらも、カラーモードではブロンズによる色づきを低減し、モノクロモードでは薄膜干渉による色づきを低減するように、画質向上液CL1及びCL2を適量ずつ付与する。そのため、写像性が既に最低限度近傍であるカラーモードでは、浸透性の高い(層を作り難い)画質向上液CL2を多く付与することにより、写像性を下げずにブロンズを低減する。一方、モノクロモードでは、浸透性の低い(層を作りやすい)画質向上液CL1を多く付与することにより、多少写像性は下がるが薄膜干渉による色づきをより積極的に低減する。
図17(d)は、本実施形態のように画質向上液を塗布した場合における無彩色の入力信号に対する反射光の彩度(色づき)の程度を示した図である。本実施形態のように、全ての入力信号値に対して一定の画質向上液を塗布した場合、カラーモードでもモノクロモードでも、正反射光の色づきは全体的に抑えられる。カラーモードでは、CL2の記録によって、中間調から高濃度領域の広い領域で正反射光の色づきが軽減される。CL2の正反射光の抑制効果はCL1より小さいが、画質向上液を付与しない図17(b)に比べれば、CL2の付与は広い階調領域のブロンズを効果的に低減する。図17(b)では、無彩色の階調領域について示しているが、有彩色の色相についても同様の効果が得られる。
図18は、カラー画像の色相角に対する色ずれを起こした反射光の彩度を、画質向上液を付与しなかった場合と本実施形態に従って画質向上液を付与した場合とで比較した図である。程度の差こそあるが、いずれの色相においても画質向上液を付与した本実施形態の方が、画質向上液を付与しない状態よりも、反射光の彩度が軽減されているのが判る。
再度図17(d)に戻る。モノクロモードでは、より正反射光の抑制効果の高いCL1の記録によって、ハイライト領域から中間調の広い領域において、薄膜干渉による正反射光の色づきが大きく軽減される。
一方、図17(e)は、本実施形態のように画質向上液を塗布した場合における無彩色の入力信号に対する写像性の程度を示した図である。カラーモードでは、浸透性の高い画質向上液CL2を使用していることにより、写像性の低減は殆どない。すなわち、カラーモードの写像性は最低限度を維持出来ている。モノクロモードでは、浸透性の低い画像向上液CL1を使用していることにより、記録媒体表面に新たな層が形成され、写像性は低下する。しかし、その程度はカラーモードと同様、最低限度を維持している。
このように本実施形態によれば、カラーモードとモノクロモードそれぞれについて、適切な画像向上液を適量ずつ付与することにより、正反射光の色づきも写像性も許容できる範囲に収めることが出来る。
なお、以上説明したようなCL1およびCL2の付与量(記録デューティ)は、記録する光沢紙の種類によっても調整されることが好ましい。
図15は、光沢紙の種類によって、CL1およびCL2の記録デューティを異ならせる例を示す図である。ここでは、三種類の光沢紙(光沢紙A、光沢紙、光沢紙C)のそれぞれに対する、CL1およびCL2の記録デューティを、カラーモードとモノクロモードについて示している。図14(a)および(b)で示した光沢紙は図15において光沢紙Aに相当する。一般に、同じ光沢紙であっても、その種類が違えば同じインクで表現される色相や彩度も異なり、写像性や反射光の色づき或いはブロンズの程度も異なる。従って、本実施形態では、光沢紙の種類に応じて、画質向上液CL1およびCL2の記録デューティを調整している。
但し、図15を見ればわかるように、いずれの光沢紙であっても、カラーモードよりもモノクロモードの方が、CL2に対するCL1の割合(CL1/CL2)が高くなっている。これは、程度の差こそあれ、写像性の低減を回避したいカラーモードでは画質向上液CL2を多く使用し、反射光の色ずれやブロンズを積極的に抑えたいモノクロモードでは画質向上液を多く使用するという点は、全ての光沢紙で一致しているからである。なお、以上では、カラーモードとモノクロモードとで、使用する画質向上液の割合を異ならせたが、例えばカラーモードでは画質向上液CL2のみを記録し、モノクロモードでは画質向上液CL1のみを記録する形態であっても構わない。
以上のように、記録する画質向上液の量は記録媒体の量や記録モードに応じて適切に調整することが好ましい。但し、それぞれの記録媒体にも液体を受容できる上限はある。つまり、画質向上液を余り多く記録すると、記録可能な顔料インクの量が制限されて、色再現範囲を狭めてしまう懸念が生じる。このようなことも考慮に入れれば、記録媒体に付与する画質向上液の記録デューティの和は、顔料インクの記録デューティ和の15%〜30%であることが好ましい。上記光沢紙Aの例では、画質向上液の記録デューティの和は2+18=20%となり、顔料インクの記録デューティの和(Ink total)の最高値は100%である。すなわち、画質向上液の記録デューティの和は、顔料インクの記録デューティ和の最高値の15%〜30%に含まれている。
(第2の実施形態)
本実施形態においても、第1の実施形態と同様のインクジェット記録装置、顔料インクおよび画質向上液を使用する。但し、本実施形態では、カラーモードにおいては、画質向上液CL2のみを使用し画質向上液CL1は使用しない。またモノクロモードでは、画質向上液CL1のみを使用し、画質向上液CL2は使用しない。そして、これらが質向上液を付与する量を、顔料インクの総量に応じて変化させる。
図19(a)〜(d)は、本実施形態における、入力信号(RGB)と顔料インクおよび画質向上液の記録デューティの関係を示す図である。カラーモードでは白(R=G=B=255)からハイライト領域にかけて、モノクロモードでは白から中間調にかけて画質向上液の記録デューティを20%に固定している。そしてその他の領域では、カラーモードについてもモノクロモードについても、実際に記録媒体に記録する顔料インクの総記録デューティ(IInk total)の20%となるように、画質向上液の記録デューティを変化させている。このように、顔料インクの総記録デューティを階調に応じて調整することにより、必要以上に画質向上液を消費したり必要以上に写像性を低下させたりしないようにすることが出来る。
尚、半光沢紙のように、記録媒体の種類によっては薄膜干渉が目立たないものもある。そのような場合は、図19(c)および(d)に示すように、白(R=G=B=255)における画質向上液の記録デューティを0にする形態であっても良い。
(第3の実施形態)
本実施形態においても、第1の実施形態と同様のインクジェット記録装置、顔料インクおよび画質向上液を使用する。また、モノクロモードについては、第2の実施形態と同様に、図19(b)または(c)に従って記録デューティを設定する。但し、本実施形態では、カラーモードにおいて、ハイライト領域の薄膜干渉をより積極的に抑制するため、ハイライト部については浸透性の低い画質向上液CL1をCL2よりも多く付与する。
図20(a)および(b)は、本実施形態のカラーモードにおける、入力信号(RGB)に対する有色インクと画質向上液の記録デューティの関係を示す図である。ここで、図20(a)は、白(R=G=B=255)からYプライマリ(R=G=255、B=0)を経て黒(R=G=B=0)へ向かう過程の入力信号を表している。また、図20(b)は、白(R=G=B=255)からRプライマリ(R=255、G=B=0)を経て黒(R=G=B=0)へ向かう過程の入力信号を表している。いずれの図においても、ハイライト近傍では、画質向上液CL1を積極的に使用し画質向上液CL2の記録デューティを0%としている。そして、中濃度以降の領域においてはCL1の記録デューティを0%とし、CL2を積極的に使用している。このように、ハイライト領域に対してのみ、浸透性の高いCL2に変えて浸透性の低い画質向上液CL1を積極的に使用することにより、図17(b)で説明したハイライト部特有の薄膜干渉に起因する色づきを、ピンポイントで抑制することが出来る。
また、本実施形態では、このような薄膜干渉に起因する反射光の色相に偏りがあることから、入力信号の色相に応じても画像向上液CL1の記録デューティを調整する。具体的に説明すると、薄膜干渉に起因する反射光の色づきは、特に、屈折率が高く正反射光の強度が高いイエロー色相で目立つ。よって、本実施形態では、同じハイライト領域であっても特にイエロー方向の領域において、浸透性の低い画質向上液CL1の付与量を、他の方向のハイライト領域よりも多くする。例えば、図20(a)で示すイエロー方向のハイライト領域では、画質向上液CL1の記録デューティが10%であるのに対し、図20(b)に示したレッド方向(R方向)のハイライト領域では、CL1の記録デューティは5%に抑えられている。
以上説明したように本実施形態では、画質向上液の総記録デューティ(CL1+CL2)を顔料インクの総記録デューティの20%以下に抑えつつ、ハイライト部においてはCL2よりもCL1を多く使用する。その上で、全階調領域において、CL2に対するCL1の比が、モノクロモードの方がカラーモードよりも多くなうように記録デューティを設定している。これにより、カラーモードにおけるハイライト部の反射光の色づきを効果的に抑制しつつ、いずれの記録モードでも正反射光の色づきも写像性も許容できる範囲に収めることが出来る。
(第4の実施形態)
本実施形態においても、第1の実施形態と同様のインクジェット記録装置、顔料インクおよび画質向上液を使用する。但し、本実施形態では、上記7色の顔料インクに加え、更にピグメントブラックの含有濃度を0.5%としたグレーインク(LGy)を用意し、これを画質向上液CL1の変わりに使用する。このとき、グレーインクは、上記が質向上液CL1に匹敵する程度に浸透性の低いものとなっている。
この場合、カラーモードでは、第2の実施形態と同様に、主としてCL2を用いる。そして、写像性が所定以上であって色再現性も損ない難い白からハイライトの一部の領域に限って、LGyを使用する。モノクロモードでは白点を除く入力信号すべてに対してLGyを使用する。モノクロモードでは、他の無彩色インクK、Gyの記録デューティを調整しながらLGyを記録することで、グレーバランスを損なうことなく正反射光の色づきを抑制することが可能である。
なお、以上の実施形態において、画質向上液CL1およびCL2或いはLGyは、他の顔料インクによる画像をオーバーコートすることにより、その効果をより一層発揮することが出来る。つまり、画質向上液CL1およびCL2或いはLGyは、顔料インクによる記録が完了した後の記録媒体に対して付与されることが好ましい。このような記録順序を制御するためには、例えば上述したようなマルチパス記録におけるマスクパターンを利用することが出来る。
図21(a)および(b)は、上記実施形態で使用可能なマスクパターンを示した図である。ここでは、既に説明した図11(a)および(b)と同様、4パスのマルチパス記録の場合を示している。図21(a)は、有色インク用のマスクパターンを示し、同図(b)は画質向上液CL1およびCL2用のマスクパターンを示している。
図からも判るように、有色インク用のマスクパターンでは、1パスと2パスで互いに補完関係のある記録許容率50%のパターンが宛がわれており、3パスと4パスでは記録許容率が0%となっている。すなわち、1パスと2パスで全ての記録データの記録が完了し3パスと4パスでは記録は行われない。一方、画質向上液用のマスクパターンでは、3パスと4パスで互いに補完関係のある記録許容率50%のパターンが宛がわれており、1パスと2パスでは記録許容率が0%となっている。このようなマスクパターンを用いると、記録媒体の同一画像領域においては、1パスと2パスで有色インクによる記録が完了した後、3パスと4パスで画質向上液が記録される。
なお、以上の実施形態では、図8を用い、前段処理J02から印刷データJ06の作成までの処理をホスト装置110で、ドット配置パターン化処理J07以降の処理を記録装置210で実行する形態としたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、前段処理から記録動作までの全ての処理を1つのインクジェット記録装置で行う形態であってもよいし、マスク処理までの一連の画像処理をホスト装置で実行し、記録装置は受信した2値データに従って記録動作を行うだけの形態であっても構わない。いずれにしても、カラーモードとモノクロモードが用意され、上述したような第1の画質向上液CL1と第2の画質向上液の記録デューティの割合が、それぞれ独立に設定されるような形態であれば、本発明のインクジェット記録システムの範疇である。
1 記録ヘッド
110 ホスト装置
210 記録装置
J03 後段処理
J12 後段処理テーブル

Claims (23)

  1. 互いに色が異なる複数の顔料インクと、前記複数の顔料インクとは異なる第1の画質向上液と、前記複数の顔料インクとは異なり前記第1の画質向上液よりも記録媒体に対する浸透性が高い第2の画質向上液と、を吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記複数の顔料インクを用いて前記記録媒体にカラー画像を記録するカラーモード、および前記複数の顔料インクのうち少なくとも1つの顔料インクを用いて前記記録媒体に無彩色調の画像を記録するモノクロモード、のそれぞれにおける、前記第1の画質向上液と前記第2の画質向上液の前記記録媒体の単位領域に対する付与量を設定する設定手段
    を備え、
    前記設定手段は、無彩色を示す所定の入力信号に基づいて前記記録媒体に記録する場合に、前記第2の画質向上液の前記付与量に対する前記第1の画質向上液の前記付与量の割合が、前記カラーモードよりも前記モノクロモードの方が高くなるように、前記第1の画質向上液と前記第2の画質向上液とのそれぞれの前記付与量を設定することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1の画質向上液と前記第2の画質向上液は樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録媒体に付与された前記第1の画質向上液が含む樹脂中の前記記録媒体の表面に残存する樹脂の割合よりも、前記記録媒体に付与された前記第2の画質向上液が含む樹脂中の前記記録媒体の表面に残存する樹脂の割合のほうが低いことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第1の画質向上液は色材を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第1の画質向上液は無彩色の色材を含むことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第1の画質向上液と前記第2の画質向上液は色材を含まないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記カラーモードでは、前記第1の画質向上液の前記付与量よりも前記第2の画質向上液の前記付与量が高く、前記モノクロモードでは、前記第2の画質向上液の前記付与量よりも前記第1の画質向上液の前記付与量が高いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記カラーモードでは、前記第1の画質向上液を用いずに記録を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記モノクロモードでは、前記第2の画質向上液を用いずに記録を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記設定手段は、前記複数の顔料インクの前記付与量の総和が所定の量より低い場合において、前記モノクロモードにおける前記第2の画質向上液の前記付与量に対する前記第1の画質向上液の前記付与量の割合が、前記カラーモードにおける前記割合よりも高くなるように、前記第1の画質向上液と前記第2の画質向上液の前記付与量を設定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記設定手段は、前記記録媒体の種類に応じて前記第1の画質向上液および前記第2の画質向上液の前記付与量を決定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記記録媒体の画像領域に対し、前記記録ヘッドによる顔料インクの記録が完了した後に、前記記録ヘッドによる前記第1の画質向上液および/または前記第2の画質向上液の付与が行われるように、記録順序を制御する手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記設定手段は、RGBの前記所定の入力信号を、前記複数の顔料インク、前記第1の画質向上液および前記第2の画質向上液の、それぞれに対応した複数の出力信号に変換する手段であって、
    前記設定手段は、前記所定の入力信号に基づく画像を前記記録媒体に記録する場合に、前記第2の画質向上液の前記付与量に対する前記第1の画質向上液の前記付与量の割合が、前記カラーモードよりも前記モノクロモードの方が高くなるように、前記第1の画質向上液と前記第2の画質向上液の出力信号に変換することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  14. 互いに色が異なる複数の顔料インクと、前記複数の顔料インクとは異なる第1の画質向上液と、前記複数の顔料インクとは異なり前記第1の画質向上液よりも記録媒体に対する浸透性が高い第2の画質向上液と、を吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体に画像を記録するためのインクジェット記録方法あって、
    前記複数の顔料インクを用いて前記記録媒体にカラー画像を記録するカラー記録、および前記複数の顔料インクのうち少なくとも1つの顔料インクを用いて前記記録媒体に無彩色調の画像を記録するモノクロ記録とのそれぞれを行い、
    無彩色を示す所定の入力信号に基づいて画像を記録する場合に、前記記録媒体の単位領域における前記第2の画質向上液の付与量に対する前記第1の画質向上液の付与量の割合が、前記カラー記録よりも前記モノクロ記録の方が高いことを特徴とするインクジェット記録方法。
  15. 前記第1の画質向上液と前記第2の画質向上液は樹脂を含有することを特徴とする請求項14に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記記録媒体に付与された前記第1の画質向上液が含む樹脂中の前記記録媒体の表面に残存する樹脂の割合よりも、前記記録媒体に付与された前記第2の画質向上液が含む樹脂中の前記記録媒体の表面に残存する樹脂の割合のほうが低いことを特徴とする請求項15に記載のインクジェット記録方法。
  17. 前記第1の画質向上液は色材を含むことを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  18. 前記第1の画質向上液は無彩色の色材を含むことを特徴とする請求項17に記載のインクジェット記録方法。
  19. 前記第1の画質向上液と前記第2の画質向上液は色材を含まないことを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  20. 前記カラーモードでは、前記第1の画質向上液の前記付与量よりも前記第2の画質向上液の前記付与量が高く、前記モノクロモードでは、前記第2の画質向上液の前記付与量よりも前記第1の画質向上液の前記付与量が高いことを特徴とする請求項14乃至19のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  21. 前記カラー記録では、前記第1の画質向上液を用いずに記録を行うことを特徴とする請求項14乃至20のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  22. 前記モノクロ記録では、前記第2の画質向上液を用いずに記録を行うことを特徴とする請求項14乃至21のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  23. 前記記録媒体の画像領域に対し、前記記録ヘッドによる顔料インクの記録が完了した後に、前記記録ヘッドによる前記第1の画質向上液および/または前記第2の画質向上液の付与が行われるように、記録順序を制御することを特徴とする請求項14乃至22のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
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