JP5538647B2 - 偏芯ワークの位相出し方法およびその装置、ならびに、それらを用いた円筒研削盤へのワーク供給方法およびその装置 - Google Patents

偏芯ワークの位相出し方法およびその装置、ならびに、それらを用いた円筒研削盤へのワーク供給方法およびその装置 Download PDF

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この発明は、偏芯ワークの偏心部外形を研削加工する円筒研削盤において、偏芯ワークの位相出し方法およびその装置、ならびに、それらを用いた円筒研削盤へのワーク供給方法およびその装置に関するものである。
偏心ワークの偏心部外形を研削加工する円筒研削盤においては、偏心ワークの軸部をチャック装置で固定した状態で偏心部を加工するが、その際、予めチャック装置の部分において偏心部の芯出しや位相出しを行ってから加工工程に入るのが一般的である。
従来、偏芯部の芯出しや位相出しは、コの字形の治具や馬蹄形の治具を偏芯部に当てて機械的に加圧することによって偏芯部をわずかに回転させ、その芯出しと位相出しを行っていた。(特許文献1の(0002)〜(0006)欄を参照)
これに対し、偏心ワークの偏心部の芯出しと位相出しを自動的に行う方法として、円筒研削盤のスピンドルの軸心から偏芯方向と直行する2箇所の接触部分の距離を測定し、その差が所定のしきい値を超えないようにワークの軸を回転させて、円筒研削盤のスピンドル軸心に対して偏芯ワークの偏芯部の軸心を合わせて芯出しと位相出しを同時に行うものが提案されている。(特許文献1の(0007)〜(0019)欄を参照)
更に、同軸ワークの同心度・同軸度を測定する方法として、ワークを回転させて接触式センサを用いて2箇所円周面外周の変位データを得ることでそれぞれの中心座標の距離から同心度を算出する方法が知られている。(特許文献2を参照)
特開平5−245741号公報 特開昭57−187610号公報
偏芯部を有するワークについて、円筒研削盤の偏芯部を研削する際の芯出しと位相出しにおいて、特許文献1のようなコの字形や馬蹄形の位置決め治具等をワークに接触させて機械的に位相出しを行う構造では、ワークの径のばらつきや治具と接触する表面の状態によって芯出しと位相出しにばらつきが生じる。さらに、位置決め治具の取付け位置は微調整が必要なため調整作業に熟練を要する他、円筒研削盤内の位相決め精度は悪く、加工面の取り残し不良が発生していた。そのため、偏芯部の荒加工工程にて加工面の取代を多くすることにより、位相決めの許容角度を広げて、研削加工時の加工面の取り残し不良をなくしていたが、研削加工時の取代が多くなることで加工時間が増加し、ラインのサイクルタイムが増加するという課題があった。
また、上記特許文献1のような研削盤内に設けた測定器による計測式位相出し方法では、円筒研削盤内に新たに芯出し機構を設けなければならず、また、円筒研削盤のスピンドル中心と芯出し機構の軸心ずれによる振れ回りや、接触子が接触する表面の形状により測定精度が低下し、位相出し角度にばらつきが生じるという課題や、接触子によるワークの傷つき、接触子の磨耗による測定精度の悪化という課題があった。さらに円筒研削盤内に位相出し機構を追加するため、研削盤内にスペースがなければ対応できず、また、円筒研削盤内での位相出し時間の増加により設備のサイクルタイムが増加するという課題があった。
一方、特許文献2のような接触式センサにて最大値と最小値から測定箇所の同軸度を求める方法では、最大値と最小値付近でのノイズの発生による計測精度の低下や、最大値と最小値付近での真円度が悪い場合、検出角度にずれが発生するため測定精度が低下するという課題や、測定箇所の全周に対して最大値と最小値を得るために、ワークを1回転させる必要があり、サイクルタイムが増加するという課題があった。
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、測定対象の面粗度や真円度が悪くても高精度に位相出しができ、また円筒研削盤に位相出し機構を設置するスペースが不要で、円筒研削盤のサイクルタイムを増加させることなく位相出しができる偏芯ワークの位相出し方法およびその装置を提供するものである。
また、この発明は、上記位相出し装置を円筒研削盤の前工程に設置して、位相出し装置と円筒研削盤の搬送部にバネ等により把持部と固定部間に自由度を持たせることで、位相出し装置で決定した姿勢を保持したまま円筒研削盤に移し変え、そのままの姿勢を保ったまま円筒研削盤を動作させることができる円筒研削盤へのワーク供給方法およびその装置を提供するものである。
この発明になる偏芯ワークの位相出し方法は、偏芯ワークの研削加工前に偏芯部の位相出しを行う方法において、回転部を備えたチャックで偏芯ワークを把持し、上記偏芯ワークを回転させながら回転角度に対応した上記ワークの偏芯部の変位を非接触で測定し、測定した変位データを三角関数近似により上記偏芯部の位相ずれ量を計算するようにしたものにおいて、上記ワークの偏芯部の変位を測定する際、上記ワークの軸受部の変位も同時に無接触で測定し、上記測定した偏芯部の変位データから軸受部の変位データを差し引くことで偏芯部の測定データからワークの振れ回り成分をキャンセルするようにしたことを特徴とする。
この発明になる偏芯ワークの位相出し装置は、偏芯部と軸受部とを有する偏芯ワークを研削加工前に位相出しを行う偏芯ワークの位相出し装置において、上記偏芯ワークの偏芯部及び軸受部にそれぞれ対向して設けられた非接触式変位センサと、上記偏芯ワークの一端を把持した状態で回転させるチャックと、上記偏芯ワークを回転させながら上記非接触センサにより回転角度に対応して測定した上記偏芯部変位および軸受部変位を入力し、測定した変位データを三角関数により近似して上記偏芯部の位相ずれ量を計算する制御装置を備え、
偏芯部の変位データX(θ)を下式
X(θ)=A(θ)−α×B(θ) (0≦α≦1)
但し、A(θ)は偏芯部の変位、B(θ)は軸受部の変位、α重み付け係数
により求めるようにしたことを特徴とする。
この発明によれば、偏芯部及び軸受部に設けた非接触式変位センサと、偏芯ワークを保持しながら回転する機構とにより、偏芯ワークを回転させながら偏芯部及び軸受部の変位を測定し、それらの変位量を差し引くことにより振れ回りの成分を除き、さらに測定したデータのうち、偏芯部に近い箇所を近似曲線で補間して偏芯部の位相を求めることで測定対象の面粗度や真円度が悪くても高精度に位相出しができ、また円筒研削盤に位相出し機構を設置するスペースが不要で、円筒研削盤のサイクルタイムを増加させることなく位相出しができる効果を奏するものである。
また、この発明によれば、位相出し装置を円筒研削盤の前工程に設置して、位相出し装置と円筒研削盤の搬送部にバネ等により把持部と固定部間に自由度を持たせることで、位相出し装置で決定した姿勢を保持したまま円筒研削盤に移し変えることができるため、円筒研削盤に位相出し機構を設置するスペースが不要で、また円筒研削盤のサイクルタイムを増加させることなく高精度な位相出しができる効果を奏するものである。
本発明の実施の形態1による位相出し装置を示す概略図である。 上記位相出し装置の測定部分と測定系との関係を示す図である。 上記位相出し装置による測定動作を説明する操作フロー図である。 上記測定動作における位置決め機構の操作説明図である。 上記測定動作におけるチャック装置の操作説明図である。 上記位相出し装置の測定データを示す図である。 本発明の実施の形態2による搬送装置および搬送装置と円筒研削盤との受け渡し動作を説明する概略図である。 本発明の実施の形態3による位相出し装置から円筒研削盤までの加工ラインを示す概略図である。 本発明の実施の形態4による円筒研削盤での偏芯部の位相ずれ量の測定方法の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態4による円筒研削盤での偏芯部の位相ずれ量の測定方法の他の例を説明する図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による位相出し装置40の概略構成図、図2は上記位相出し装置40の測定部分と測定系との関係を示す図である。
図1において、偏芯ワーク1が架台8上に有する台座9に設置された支え部2上に載置されている。上記台座9上の位置には非接触式変位センサ3が設置される。上記ワーク1の一端はチャック5により把持されたまま回転機構6により回転される。位置決め機構4は偏芯ワーク1の上方に上下移動可能に設けられ、偏芯ワーク1の偏芯方向を機械的におおよそ位置決めする機構である。
図2において、偏芯部1aおよび軸受部1bを有する偏芯ワーク1の一端をチャック5により把持した状態で駆動制御器11により回転機構6を回転させると、上記偏芯部1a及び軸受部1bに対向して設けられた非接触式変位センサ3a、3bから測定信号が出力され、AD変換器10にてデジタル信号に変換されて所定の計算処理を行うパソコン等からなる制御装置13に送られる。その際、回転角度を検知するロータリエンコーダ7から出力された信号はカウンタ12にてパルス信号に変換されて同様に制御装置13に送られる。
次に、図3を用いて上記位相出し装置40による測定のための操作フローを説明する。まず、位相出しを実施する品種を選択し、偏芯部の径や偏芯量に応じてセンサ3の位置等を自動で段取り換えする(ステップ100)。次にワーク1が位相出し装置に供給された後(ステップ101)、ワーク軸方向の位置決め(ステップ102)、偏芯部の変位の仮位相決め(ステップ103)を行う。次に回転部を備えたチャック5でワーク1を把持し(ステップ104)、ワーク1を回転させて(ステップ105)、回転角度に対応した偏芯部、軸受部の変位を測定し(ステップ106)、設定した回転範囲を測定するまで回転し測定を続ける(ステップ107)。設定した範囲を全て測定し終えると、角度に対する変位のデータより計算アルゴリズムを用いて偏芯部の位相を計算して(ステップ108)、計算した位相とあらかじめ設定されたオフセット値(追って説明)を合わせた位相にワークを回転させた後(ステップ109)、搬送装置にてワークを搬出する(ステップ110)。
図4、図5は上記測定動作における位置決め機構4およびチャック5の動作詳細説明であり、図4は偏芯ワーク1を長軸方向から見た図、図5はワークを把持する際のチャック爪5a〜5cの位相関係を示す図である。図3のステップ101において、前工程から支え部2の上にワーク1が搬送された後、変位を測定する回転範囲を限定するために、V字状の板からなる位置決め機構4を降下させてワーク1の偏芯部1aに当て、機械的にワーク1のおおよその偏芯方向を決める(芯出し)。図4(a)のように、例えばV字状の板4aの中心とワークの軸受部1bの中心を合わせてV字状の板4aを偏芯部1aに当てることで、図4(b)のように偏芯部1aの偏芯方向を鉛直下向きに回転させる(時計方向)ことができる。なお、上記位置決め機構4は上下方向に移動可能に形成されている例を示したが、搬送装置との干渉を考え、前後方向(図1の紙面奥方向)に退避機構を設けても良い。
次にステップ104において、位相出し装置側のチャック5(ここでは三つ爪チャック)がワーク1方向に前進し、ワーク1の一端をチャックする。このとき、回転時の振れ回りの影響因子を減らすために、チャックしたときに図2のようにワークが支え部から数ミリ持ち上がる状態にし、チャックした状態でワーク1を回転させたときにチャック5以外の箇所でワークが接触しないように支え部2の高さやチャックの高さを調整する。
図5はワークをチャックする際のワーク1とチャック5の位相関係を示しており、偏芯ワーク1の長軸方向から見た断面図である。図5(a)のように、チャック時にチャック5の爪5bが偏芯ワーク1の鉛直下向き(矢印)に対してずれた位置にある場合、ワークをチャックした時に、鉛直下側の箇所でワークの支持が無いため、ワークは自重により下向きに倒れ、ワーク回転時にチャックの片当りによる振れ回りが大きくなる。
そのため、ワークをチャックする際は、図5(b)のように鉛直下向きにチャック爪5bを配置させてチャックすることで、ワークの下向きの倒れが抑制され、ワークの振れ回りを抑制できる。なお、上記鉛直下向きのチャック爪の配置は、チャック爪が三つの場合に限らず、4、5それ以上の爪数の場合でも同様である。
さらに、チャック爪のワークと接触する部分の形状は、図5(c)のようにチャックする箇所のワーク外径に沿ったR形状かそれと同等なR形状にすることで、チャックのがたつきをチャックのR形状範囲内でのがたつきに抑えることができるため、ワーク回転時の振れ回りを抑制できる。
次に、ステップ105、106において、ワークをセットして偏芯部を中心に半周程度ワークを回転させ、偏芯部と軸受部の変位を非接触式の変位センサ3a、3bで測定した場合の測定データを図6に示す。ワークの回転角度ごとに偏芯部の変位15と軸受部の変位19を測定し、横軸に回転角度、縦軸に変位をプロットしたものである。
図2で説明したように、偏芯部と軸受部の変位を測定するとき、回転機構に取付けた回転位相を検出するロータリエンコーダ等のセンサ7から回転角度に対応したパルスを出力し、この回転パルスを一定カウントごとにトリガ信号を出力するデジタルカウンタ12に取込み、上記トリガ信号をパソコン等の制御装置13に出力する。一度デジタルカウンタ等の機器に取込むことで、トリガの間隔を任意に変化させることができ、計測速度、計測精度に合わせた取込みをすることで、計測精度と速度を最適にして設備サイクルタイムを短縮できる。
制御装置13にて上記トリガ信号を受けたときに、例えばマルチADC等の複数点を同時サンプリングできるボードにて、15で示す偏芯部の変位A(θ)と、19で示す軸受部の変位B(θ)を取込み、これらを保存することで、任意の角度ピッチごとの偏芯部及び軸受部の変位データを得ることができる。
ここで得られた偏芯部の変位データA(θ)を元に、偏芯方向の位相を計算し、偏芯部の位相を求める。偏芯部の位相を計算する際、測定データで変位が最小となる点を偏芯部の位相として良いが、測定データのノイズや外乱の影響あるいは角度分解能の制約を抑えて高精度に位相を求めるために、三角関数近似等の近似演算を用いる。
具体的には測定により得られた偏芯部の変位Y=A(θ)を三角関数で近似して下記(1)式に変換し、求められたFが位相ずれ量となる。
Y=D・sinE(X−F)+G (1)
但し、D、E、F、Gは計算結果より得られた数値を示す。
さらに、非接触式変位センサ3として渦電流式センサを用いて回転する偏芯部を測定する場合、上記センサ3の測定原理上、センサ3からの距離が離れると図6の点線17aのように測定される変位が大きくなり、三角関数との整合性が悪くなって計算精度が悪化する。そのため、任意高さ20を設定し、その任意高さ以下のデータを用いて三角関数の近似曲線17で近似することで演算結果の再現性が良くなり、計算結果のばらつきを抑制できて高精度に位相を求めることができる。
また、図5にて説明したチャック時のワークの振れ回り防止を施していても、ワークをチャックする際に、チャックとワークの位置ずれやチャック中心と回転中心のずれ等によりワークを回転させた時にどうしても若干の振れ回りが生じてしまい、上記偏芯部の変位に関する測定データに上記振れ回りの変位が足し合わされる。偏芯部の位相を計算する際にそのデータを用いると、計算結果と実際の偏芯方向との間にずれが生じて、位相出し精度が低下することがある。そこで、ワークの偏芯部の変位A(θ)から軸受部の変位B(θ)を差し引きすることで、偏芯部の測定データからワークの振れ回り成分を除くことができる。また、測定した偏芯部の変位から振れ成分をキャンセルする際、軸受部の測定位置や、振れの重み付けを変えるために、軸受部の変位に重み付けの係数αをかけて、
X(θ)=A(θ)−α×B(θ) (2)
但し、 0≦α≦1
として、振れ回り成分を除いた偏芯部の変位データX(θ)を求めても良い。このときの偏芯部の変位の中の振れ回り成分をキャンセルした偏芯部変位データX(θ)は図6において16で表され、その近似曲線を18で表している。
なお、非接触の変位センサ3は図2ではワーク1に対して鉛直下向きに配置しているが、ワークの横方向(紙面奥方向)に設置しても測定精度は変わらず、また横方向に設置することで前工程の切削水中に含まれる切粉等がセンサ上に残りにくく、繰り返し計測したときの計測結果のずれ量の変化を抑制できるため、センサの測定方向はワークに対して横方向が望ましい。
以上のようにこの発明の実施の形態1によれば、ワークの偏芯部を高精度に位相出しできるため、円筒研削盤にて研削代の取り残し不良を抑制することができる。
ちなみに、従来の機械的に位相出しを行う方法ではワーク径のばらつきや治具と接触する表面の状態によって、±1°程度の位相出しばらつきが生じていたのに対し、本発明の位相出し方法を用いることで、±0.1°以下に抑えることができた。
実施の形態2.
実施の形態1において高精度に位相出しされたワークは円筒研削盤に搬送されるが、その際に位相出し装置で決定した位相を保ったまま円筒研削盤に搬送することが重要である。このための搬送装置および搬送装置と円筒研削盤との受け渡し動作を図7により説明する。
図7(a)に搬送装置50単体の概略図を示す。図7(a)に示したように、搬送装置50をチャック部側21と固定部側(ベース部側)22に切分け、チャック部側にブッシュ23を、ベース部側にガイドとなる支柱24を設け、ブッシュ23に支柱を通してバネ25でチャック部側を持ち上げることで上下方向に自由度を持たせた構造としている。
図7(b)は搬送装置50から円筒研削盤のチャック27、28にワーク1を受渡ししている状態を示す側面図、図7(c)はその正面図である。
搬送装置50は上下方向に自由度を設けているため、円筒研削盤のチャック27、28に渡す際に、搬送装置50で送られたワーク1は円筒研削盤の受け側のチャック27より少し上位置で停止させ、円筒研削盤のチャック28でワーク1を掴むことで搬送装置のバネ機構の伸縮によってチャック部側が引き込まれて、搬送装置のチャック26と円筒研削盤のチャック27、28の位置ずれを吸収でき、チャック同士でワークの姿勢を保持したままワークを掴むことができる。
次に搬送装置50のチャック26をはずすことで、搬送装置から円筒研削盤の掴み換えが完了する。位相出し装置から搬送装置の掴み換えも上記と同様に実施できることは言うまでもない。
以上のように、搬送装置をバネ等で多方向に自由度を持たせた構造にすることで、位相出し装置と搬送装置、及び搬送装置と円筒研削盤のチャック間で受渡し時にチャック同士でワークの姿勢を保持したまま掴み換えることができるため、掴み換えによるワークの姿勢変化を抑制できる。その結果、位相出し装置で決めた位相を保ったまま円筒研削盤に搬送して偏芯部を研削加工することで、研削加工時の加工面の取り残し不良を抑制することができる。
実施の形態3.
上記実施の形態1、2によって位相出し装置で決定された位相を保ったまま円筒研削盤に搬送して偏芯部を研削加工することができるが、位相出し装置にて位相を計算した後、搬送装置や円筒研削盤で掴み換える際に、チャック時の微少ずれ等により、位相出し装置で計算されて回転した位相にずれが生じることがある。その結果、円筒研削盤の回転中心と偏芯部の中心にずれが生じて、研削加工時に研削代の取り残し不良が発生する場合がある。また取り残し不良が発生しなくても、粗加工の研削代の範囲内で偏芯部の位相のずれが生じ、このずれと加工ばらつき等により研削加工時の取り残しが発生する可能性がある。
この実施の形態3は、位相出し装置で計算された結果に任意の角度をオフセットして回転させる機能を設けて、円筒研削盤で研削されたときの角度ずれの結果を元に、位相出し装置で計算された角度にオフセットを追加するようにしたものである。
図8に位相出し装置から円筒研削盤までの加工ラインの流れを示しており、位相出し装置40で位相出しされ、その位相を保ったまま搬送装置50により円筒研削盤60に搬送されたワークについて、円筒研削盤60で偏芯部の位相ずれを測定しておき(検査工程70)、そのずれ量を位相出し装置40にフィードバックするものである。これにより位相出し装置40上で、搬送チャック時等のずれを加味して円筒研削盤の回転中心にワークの偏芯部の方向を合わせることができるため、研削加工時に偏芯部の研削加工面の取り残し不良を抑制できるだけでなく、前工程の粗加工で研削代の削減量を小さくして、研削加工時間を削減することで、円筒研削盤のサイクルタイムを削減できる。
実施の形態4.
円筒研削盤にワークを設置したときに、円筒研削盤の回転中心とワークの偏芯部の中心のずれ角度を測定して、前工程の位相出し装置での偏芯位相の計算角度にオフセットを追加することで、研削加工時の偏芯部の位相ずれ量を低減できることは実施の形態3で説明した。実施の形態4はこのような円筒研削盤での偏芯部の位相のずれ量の測定方法を提案するものである。
図9は円筒研削盤に設置した状態で偏芯部にダイヤルゲージ等の変位計30を当て、偏芯部の振れ量と振れの向きを測定する方法を説明する概略図である。図9(a)は円筒研削盤に設置したときにずれが無い状態を示しており、具体的には円筒研削盤の回転中心32とワークの偏芯部の中心33が一致している状態である。なお、31はワークの軸受部中心を示す。この状態で円筒研削盤を回転させたときの偏芯部外周の変位は、回転角度に関わらず一定である。それに対し、図9(b)のように円筒研削盤の回転中心32とワークの偏芯部の中心33がずれている場合には、この状態で円筒研削盤を回転させると偏芯部外周の変位は回転角度に応じて変化する。偏芯部のずれ量と振れ量は幾何学的な関係で決まるため、変位の振れ幅を測定することで、偏芯部のずれ量βを計算できる。しかし、上記手法では位相ずれ量を測定するためには、円筒研削装置を停止させる必要があるため、ラインの稼働率が低下するという課題があった。
図10は上記課題を解消するための新たな偏芯部の位相ずれ量の測定方法を説明するものであり、偏芯部外径の荒加工時に面取り加工を実施し、面取り部の中心と偏芯部の荒加工外径の中心を同一にしたワークを研削加工することで、研削加工後の面取り幅の大きさの違いから、偏芯部の位相ずれを計算するようにしたものである。
図10(a)は荒加工を実施したワークを示しており、荒加工時に面取り加工を同時に実施することで、偏芯部の中心と面取り箇所の中心が一致する。図10(b)は面取り加工を施した荒加工の外径34(破線)から円筒研削盤で研削加工の仕上げ径35まで取代を除いたときに、円筒研削盤の回転中心とワークの偏芯部の軸心がずれていると、ワークの偏芯部の偏芯方向を下向きに取ったときの左右の面取り幅b1とb2が異なる。この面取り幅の差と偏芯部のずれ量は幾何学的な関係で決まるため、面取り幅の差(b1-b2)を測定することで、偏芯部のずれ量βを求めることができ、位相出し装置の計算結果にオフセットβを追加する。
上記のように研削加工後の偏芯部の面取り幅から偏芯部の位相ずれを測定することで、設備やラインを止めることなく研削加工時の位相ずれを測定でき、ラインの稼働率が上がるだけでなく、位相ずれ量を効率的に測定できる。また、位相ずれ量を位相出し装置にフィードバックすることで、高精度に位相出しができるため、加工面の取り残し不良を撲滅できる。更に、量産加工中に位相出し装置の計算角度のオフセットを変更できるため、量産ラインを止めることなく、効率的に角度オフセットの調整ができる。
1 偏芯ワーク、 1a 偏芯部、 1b 軸受部、 2 支え部、
3 変位センサ、 4 位相決め機構、 5 チャック、
6 回転機構、 7 回転位相検出センサ、 8 架台、 9 台座、
21 チャック部側、 22 固定部側、 23 ブッシュ、
24 支柱、 25 バネ、 26 搬送設備側チャック、
27、28 円筒研削盤のチャック、 30 ダイヤルゲージ、
31 軸受部回転中心、 32 円筒研削盤の回転中心、
33 ワーク偏芯部中心、 34 荒加工外径、 35 研削加工外径。

Claims (4)

  1. 偏芯ワークの研削加工前に偏芯部の位相出しを行う方法において、回転部を備えたチャックで偏芯ワークを把持し、上記偏芯ワークを回転させながら回転角度に対応した上記ワークの偏芯部の変位を非接触で測定し、測定した変位データを三角関数近似により上記偏芯部の位相ずれ量を計算するようにしたものにおいて、上記ワークの偏芯部の変位を測定する際、上記ワークの軸受部の変位も同時に無接触で測定し、上記測定した偏芯部の変位データから軸受部の変位データを差し引くことで偏芯部の測定データからワークの振れ回り成分をキャンセルするようにしたことを特徴とする偏芯ワークの位相出し方法。
  2. 測定した偏芯部の変位から振れ回り成分をキャンセルする際、軸受部の変位に重み付け係数αをかけて、
    X(θ)=A(θ)−α×B(θ)
    但し、 A(θ)は偏芯部の変位、 B(θ)軸受部の変位、 0≦α≦1
    として、偏芯部の変位データX(θ)を求めるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の偏芯ワークの位相出し方法。
  3. 測定した偏芯部の変位データのうち、任意高さ以下のデータを用いて三角関数の近似を行うようにしたことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の偏芯ワークの位相出し方法。
  4. 偏芯部と軸受部とを有する偏芯ワークを研削加工前に位相出しを行う偏芯ワークの位相出し装置において、上記偏芯ワークの偏芯部及び軸受部にそれぞれ対向して設けられた非接触式変位センサと、上記偏芯ワークの一端を把持した状態で回転させるチャックと、上記偏芯ワークを回転させながら上記非接触センサにより回転角度に対応して測定した上記偏芯部変位および軸受部変位を入力し、測定した変位データを三角関数により近似して上記偏芯部の位相ずれ量を計算する制御装置を備え、
    偏芯部の変位データX(θ)を下式
    X(θ)=A(θ)−α×B(θ) (0≦α≦1)
    但し、A(θ)は偏芯部の変位、B(θ)は軸受部の変位、α重み付け係数
    により求めるようにしたことを特徴とする偏芯ワークの位相出し装置。
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