JP5537154B2 - 成形型及び成形方法 - Google Patents

成形型及び成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5537154B2
JP5537154B2 JP2009536051A JP2009536051A JP5537154B2 JP 5537154 B2 JP5537154 B2 JP 5537154B2 JP 2009536051 A JP2009536051 A JP 2009536051A JP 2009536051 A JP2009536051 A JP 2009536051A JP 5537154 B2 JP5537154 B2 JP 5537154B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded body
molding
mold
body corresponding
gate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009536051A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009044730A1 (ja
Inventor
玄章 大橋
正勝 井上
俊市 伊神
敬一郎 渡邊
邦彦 吉岡
万晃 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2009536051A priority Critical patent/JP5537154B2/ja
Publication of JPWO2009044730A1 publication Critical patent/JPWO2009044730A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5537154B2 publication Critical patent/JP5537154B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28BSHAPING CLAY OR OTHER CERAMIC COMPOSITIONS; SHAPING SLAG; SHAPING MIXTURES CONTAINING CEMENTITIOUS MATERIAL, e.g. PLASTER
    • B28B1/00Producing shaped prefabricated articles from the material
    • B28B1/24Producing shaped prefabricated articles from the material by injection moulding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28BSHAPING CLAY OR OTHER CERAMIC COMPOSITIONS; SHAPING SLAG; SHAPING MIXTURES CONTAINING CEMENTITIOUS MATERIAL, e.g. PLASTER
    • B28B7/00Moulds; Cores; Mandrels
    • B28B7/0002Auxiliary parts or elements of the mould
    • B28B7/0008Venting channels, e.g. to avoid vacuum during demoulding or allowing air to escape during feeding, pressing or moulding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/27Sprue channels ; Runner channels or runner nozzles
    • B29C45/2701Details not specific to hot or cold runner channels
    • B29C45/2708Gates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/34Moulds having venting means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/27Sprue channels ; Runner channels or runner nozzles
    • B29C45/2701Details not specific to hot or cold runner channels
    • B29C45/2708Gates
    • B29C2045/2714Gates elongated, e.g. film-like, annular
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S425/00Plastic article or earthenware shaping or treating: apparatus
    • Y10S425/812Venting

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)
  • Moulds, Cores, Or Mandrels (AREA)

Description

本発明は、成形型及び成形方法に関する。
従来、成形型としては、上型と下型とからなる両面型の合わせ目に、成形体に対応する空間である継ぎ目のない枠状形状の成形体対応部(キャビティ)を設けると共にウレタン原料注入用の空間であるゲートを設け、ウレタン原料が成形体対応部で合流する部分の縁辺に出口用隙間が形成されており、ランナーから供給された原料がランナーよりも狭く形成されたゲートを介して、より均一に注入することにより気泡の残留や欠肉、表面ボイドの発生を抑制したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−58494号公報
しかしながら、この特許文献1に記載された成形型では、ランナーよりも狭いゲートから成形体対応部に原料を注入するが、成形体対応部の一部から原料を注入することから、原料を均一に成形体対応部に注入するのに十分でなく、成形体対応部内での気泡の残留やボイド、欠肉が発生してしまうことがあった。また、この成形型では、原料を成形したあとにゲート内の固化体と成形体対応部内の成形体とを分離する点については考慮していなかった。このため、ゲート内の固化体と成形体対応部の成形体とを分離しにくい場合があった。また、原料を注入中に硬化反応が進行することがあり、この硬化反応によりクリーム状になったウレタン原料が成形体対応部の内部を流動するため、成形体対応部の形状が複雑あるいは微細であると、気泡の残留やボイド、欠肉が発生しやすい問題があった。
また、この特許文献1に記載された成形型では、成形体対応部の略下端にゲート部を配設し略上端にベント部を配設するものとして上側に向かって成形用原料を注入することにより比較的大きな気泡の巻き込みを抑制するものとしたが、注入口が成形体対応部の略下端の高さの側面にあることから、成形用原料を供給する際に生じるような小さい気泡の巻き込みが発生することがあった。また、注入口が成形体対応部の上端部よりも高い位置に配設されているものもあるが、ゲート部は成形体の略上端部、ベント部は成形体の略下端部に配設されているから、成形型と成形用原料によって袋小路部が発生し成形型と成形用原料とによる気泡の閉じ込みが生じることがあった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、成形用原料を成形体対応部へ注入する際の気泡の残留をより抑制することができる成形型及び成形方法を提供することを目的の一つとする。また、ゲート部の固化体と成形体対応部の成形体とを分離しやすい成形型及び成形方法を提供することを目的の一つとする。また、複数の成形体を成形するものにおいて、成形型上の該成形体の位置によらず品質のより均一な成形体を得ることができる成形型及び成形方法を提供することを目的の一つとする。
本発明は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
本発明の成形型は、
流動性のある自己硬化性を有する成形用原料を注入して所定形状の成形体を1個又は2個以上同時に成形する成形型であって、
前記成形用原料が注入されて成形体を形成する空間である成形体対応部と、
前記成形体対応部の下端部で該成形体対応部と連通し、該成形体対応部において該成形体対応部に前記成形用原料を供給する空間であるゲート部と、
前記成形体対応部の上端部でそれぞれの該成形体対応部と連通し、前記成形用原料の一部を該成形体対応部から排出する空間であるベント部と、
前記成形体対応部の上端部よりも高い位置に配設され、注入された前記成形用原料を前記ゲート部に供給する注入口と、
が形成されたものである。
この成形型では、流動性のある自己硬化性を有する成形用原料を、成形体を形成する空間である複数の成形体対応部よりも高い位置に配設された注入口から注入すると、この成形体対応部の下端部に設けられたゲート部を介して成形用原料が成形体対応部に注入され、この成形体対応部が成形用原料に満たされると共に、成形体対応部の上端部でそれぞれの成形体対応部と連通し成形用原料の一部を成形体対応部から排出可能な空間であるベント部へと成形用原料が注入される。このように、注型初期にはゲート部での圧力損失が顕著になり、成形体対応部へ注入される前に、ゲート部までが成形用原料によって満たされ易く、次に成形体対応部へ成形用原料が注入されるときには、成形体対応部への注入速度が十分に遅くなり略層流を発生し、成形体対応部の下端部から成形用原料が充填されるため、気泡の巻き込みを抑制することができる。このようにして、気泡を巻き込まずに成形体対応部へ供給された成形用原料は成形体対応部の下端から注入されて、空気を成形体対応部の下端から置換しつつ上端へ向かって成形体対応部を充填していくため、成形用原料先端面の上方に空気が排出される経路がより確実に確保され、気泡の残留をより抑制することができる。また、従来は複数の成形体対応部が配設されている場合においては、注入口に近い成形体対応部付近で生じた気泡が、該成形体対応部よりも注入口から遠い成形体対応部へ流入することがあったが、本発明によれば、そもそも気泡を発生し難いし、発生しても個々の成形体対応部のベント部から抜けるので、成形用原料の下流にある他の成形体対応部へ流入することが無い。すなわち、気泡残留の過程には、成形用原料の流れの乱れによる気泡の巻き込みと、成形型と成形用原料による気泡の閉じ込みの二つがあると考えられるが、本発明によれば、気泡残留の両方の過程の発生を抑制する効果を奏する。ここで、「下端部」とは、成形体対応部の中央よりも下部側であればよく、成形体対応部の下端を含む所定範囲としてもよいし、下端の近傍としてもよい。また、「上端部」とは、成形体対応部の中央よりも上部側であればよく、成形体対応部の上端を含む所定範囲としてもよいし、上端の近傍としてもよい。なお、前記ゲート部は、該成形体対応部において空気を置換しつつ該成形体対応部に前記成形用原料を供給し、前記ベント部は、前記成形体対応部に残留する空気及び前記成形用原料の一部を該成形体対応部から排出するものとしてもよい。
このとき、前記ゲート部は、成形体対応部の外周に亘って該成形体対応部と連通するよう形成されているものとしてもよい。こうすれば、成形体対応部の外周に亘って成形用原料が注入されるから、例えば成形体対応部の一部分から成形用原料が注入されるものなどに比して袋小路部分などがより少なく、成形用原料を成形体対応部へ注入する際の気泡の残留を一層抑制することができる。また、前記ベント部は、成形体対応部の外周に亘って該成形体対応部と連通するよう形成されているものとしてもよい。こうすれば、成形体対応部を満たしたあと余剰の成形用原料を外周に亘って排出するため、成形体対応部から成形用原料を排出する際の気泡の残留をより抑制することができる。
あるいは、本発明の成形型は、
流動性のある自己硬化性を有する成形用原料を注入して所定形状に成形する成形型であって、
前記成形用原料が注入されて成形体を形成する空間である成形体対応部と、
前記成形体対応部の外周に亘って該成形体対応部と連通し前記成形用原料を該成形体対応部に供給可能な空間であるゲート部と、
が形成されたものとしてもよい。
この成形型では、成形体を形成する空間である成形体対応部の外周に亘ってゲート部が連通し、このゲート部を介して流動性のある自己硬化性を有する成形用原料を成形体対応部に供給する。このように、成形体対応部の外周に亘って成形用原料が注入されるから、例えば成形体対応部の一部分から成形用原料が注入されるものなどに比して袋小路部分などがより少ない。したがって、成形用原料を成形体対応部へ注入する際の気泡の残留をより抑制することができる。ここで、「成形体対応部の外周に亘って」とは、成形体対応部の外周の全域又は略全域にゲート部が連通していることをいう。特に、成形体対応部と交わる平面を1つの面に持つ平面上のゲート部が、成形体対応部の略外周全域に接続されていることが望ましく、成形体対応部の外周全域に接続されていることがより望ましい。
本発明の成形型において、前記ゲート部は、前記成形体対応部の下端部で該成形体対応部と連通するよう形成されているものとしてもよい。こうすれば、成形体対応部の下端部から成形用原料が充填されるため、気泡の巻き込みを抑制することができる。また、成形用原料が成形体対応部の下端から注入されて空気を成形体対応部の下端から置換しつつ上端へ向かって成形体対応部を充填していくため、成形用原料先端面の上方に空気が排出される経路がより確実に確保され、気泡の残留を一層抑制することができる。このとき、本発明の成形体は、前記成形体対応部の上端部よりも高い位置に配設され、注入された前記成形用原料を前記ゲート部に供給する注入口、が形成されているものとしてもよい。
本発明の成形型において、前記ゲート部は、前記成形体対応部と接続する部分である接続部が最小の空間となるよう形成されているものとしてもよい。こうすれば、ゲート部に最小の空間となる接続部を設けることにより、成形体対応部の外周に亘ってゲート部が連通していても、成形体対応部により成形された部分に相当する成形体(以下、成形体対応部の成形体とも称する)とゲート部により成形された部分に相当する固化体(以下、ゲート部の固化体とも称する)とを分離しやすくすることができる。ここで、「接続部」は、応力集中に関係する部分であって、且つ所望の破断面上に設けるものとしてもよく、「最小の空間」とは、例えばゲート部の高さや幅などが最小となるものとしてもよい。
本発明の成形型において、前記ゲート部は、前記成形体対応部側へ近づくと空間が狭くなるようテーパ面によって形成されているものとしてもよい。こうすれば、注型された成形用原料が硬化収縮すると、ゲート部の固化体が成形体対応部の成形体から離れる方向に移動することにより、引っ張り応力が集中して、接続部が自然に切れやすいから、硬化収縮により、より容易にゲート部の固化体と成形体対応部の成形体とを分離させることができる。
本発明の成形型において、前記成形体対応部と前記ゲート部とが接続する接続部は、鋭角になるよう形成されているものとしてもよい。こうすれば、注型された成形用原料が硬化収縮すると、より応力集中が発生し、鋭角部分で切れやすいから、一層容易にゲート部の固化体と成形体対応部の成形体とが分離しやすい。
本発明の成形型において、前記成形型は、互いに接合して前記成形体対応部を形成する複数の成形型部材を備え、前記ゲート部は、前記成形体対応部を形成するよう前記複数の成形型部材を接合すると、該複数のうちの少なくとも1つの成形型部材の面と、他の成形型部材の面とが対向して形成されるものとしてもよい。こうすれば、ゲート部が複数の部材によって形成されるから、ゲート部を所定の形状に加工しやすいし、成形用原料を硬化させたあと複数の成形型部材を取り外すことによりこの成形体を取り除きやすい。
本発明の成形型は、前記成形体対応部及び前記ゲート部が1個又は2個以上形成されており、前記成形用原料を該ゲート部へ供給し、該ゲート部を面又は枠で繋ぐ空間であるランナー部、が形成されたものとしてもよい。こうすれば、複数のゲート部を繋ぐランナー部を介して複数の成形体対応部へより同時に成形用原料を供給可能であるため、より均一な成形体を作製しやすい。
本発明の成形型において、前記ランナー部は、前記ゲート部と繋がる連通部に段差が設けられているものとしてもよい。こうすれば、注型された成形用原料が硬化収縮するとランナー部により成形された部分に相当する固化体(以下、ランナー部の固化体とも称する)がこの段差に引っ掛かり、複数のゲート部の固化体のうちいずれかが成形体対応部の方向へ移動してしまうのを抑制可能であるため、より確実にゲート部の固化体と複数の成形体対応部の成形体とを硬化収縮を利用して分離することができる。
本発明の成形型において、ゲート部の最小寸法をLg(mm)とし、前記ランナー部の最小寸法をLr(mm)としたときに、次式(1)を満たすよう前記ゲート部と前記ランナー部とが形成されているものとしてもよい。この式(1)を満たすと、ランナー部ではゲート部に比べて流体が流通する際の圧力損失が十分小さいから、成形体対応部に注入されるよりもランナー部に成形用原料が注入されやすい。ここでは、自己硬化性の成形用原料が注入開始からの時間によって流通のし易さが変わることから、ランナー部の全体へ速やかに成形用原料を注入したあと、より同時に複数の成形体対応部に成形用原料を注入されるようにするため、より均一な成形体を複数作製することができる。ここで、「ゲート部の最小寸法」とは、成形用原料の圧力損失に関係する寸法であり、成形用原料が流通するゲート部の高さ、幅、直径などのうち最も小さい長さをいう。また、「ランナー部の最小寸法」とは、成形用原料の圧力損失に関係する寸法であり、成形用原料が流通するランナー部の高さ、幅、直径などのうち最も小さい長さをいう。
Lr≧5×Lg…式(1)
このとき、前記ゲート部の最小寸法Lgが0.5mm以下、前記ランナー部の最小寸法Lrが1mm以上、の少なくとも一方を満たすよう前記ゲート部と前記ランナー部とが形成されているものとしてもよい。ゲート部の最小寸法Lgは、0.01mm以上0.5mm以下であることが好ましく、0.05mm以上0.3mm以下であることがより好ましい。0.01mm以上0.5mm以下であると、ゲート部での圧力損失が大きくなり過ぎて成形体対応部への成形用原料の流入ができなくなることを防止することができる。また、0.05mm以上0.3mm以下であると、成形用原料の性状の変化がほとんど発生していないうちに、成形体対応部への成形用原料の供給を完了し且つ接続部を小さくすることができる。また、ランナー部の最小寸法Lrは、1mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることがより好ましい。1mm以上10mm以下であるとランナー部の圧力損失をゲート部に対して十分に小さくすることができる。また、1mm以上5mm以下であると、成形用原料の使用量を抑え且つ成形体対応部を複数備えた場合には、成形型内の成形体の個数密度を高めることができる。
本発明の成形型は、前記成形体対応部の外周に亘って該成形体対応部と連通し、前記成形体対応部に残留する空気及び前記成形用原料の一部を該成形体対応部から排出可能な空間であるベント部、が形成されたものとしてもよい。こうすれば、成形体対応部を満たしたあと余剰の成形用原料を外周に亘って排出するため、成形体対応部から成形用原料を排出する際の気泡の残留をより抑制することができる。ここで、「成形体対応部の外周に亘って」とは、成形体対応部の外周の全域又は略全域にベント部が連通していることをいう。特に、成形体対応部と交わる平面を1つの面に持つ平面上のベント部や成形体対応部に形成された角部に接続するベント部が、成形体対応部の略外周全域に接続されていることが望ましく、成形体対応部の外周全域に接続されていることがより望ましい。このとき、前記ベント部は、前記成形体対応部の上端部で該成形体対応部と連通するよう形成されているものとしてもよい。こうすれば、上端へ向かって成形用原料が成形体対応部を充填し、成形用原料先端面の上方に空気が排出される経路がより確実に確保されるため、気泡の残留を一層抑制することができる。また、前記ゲート部は前記成形体対応部の下端部に設けられ、前記ベント部は前記成形体対応部の上端部に設けられているものとしてもよい。
ベント部を備えた態様を採用した本発明の成形型において、前記ベント部は、前記成形体対応部と接続する部分である接続部が最小の空間となるよう形成されているものとしてもよい。こうすれば、ベント部に最小の空間となる接続部を設けることにより、成形体対応部の外周に亘ってベント部が連通していても、成形体対応部の成形体とベント部により成形された部分に相当する固化体(以下、ベント部の固化体とも称する)とを分離しやすくすることができる。ここで、「接続部」は、応力集中に関係する部分であって、且つ所望の破断面上に設けるものとしてもよく、「最小の空間」とは、例えばベント部の高さや幅などが最小となるものとしてもよい。
ベント部を備えた態様を採用した本発明の成形型において、前記ベント部は、前記成形体対応部側へ近づくと空間が狭くなるようテーパ面によって形成されているものとしてもよい。こうすれば、注型された成形用原料が硬化収縮すると、ベント部の固化体が成形体対応部の成形体から離れる方向に移動することにより、引っ張り応力が集中して、接続部が自然に切れやすいから、硬化収縮により、より容易にベント部の固化体と成形体対応部の成形体とを分離させることができる。
ベント部を備えた態様を採用した本発明の成形型において、前記成形体対応部と前記ベント部とが接続する接続部は、鋭角になるよう形成されているものとしてもよい。こうすれば、注型された成形用原料が硬化収縮すると、より応力集中が発生し、鋭角部分で切れやすいから、一層容易にベント部の固化体と成形体対応部の成形体とが分離しやすい。
ベント部を備えた態様を採用した本発明の成形型において、前記成形型は、互いに接合して前記成形体対応部を形成する複数の成形型部材を備え、前記ベント部は、前記成形体対応部を形成するよう前記複数の成形型部材を接合すると、該複数のうちの少なくとも1つの成形型部材の面と、他の成形型部材の面とが対向して形成されるものとしてもよい。こうすれば、ベント部が複数の部材によって形成されるから、ベント部を所定の形状に加工しやすいし、成形用原料を硬化させたあと複数の成形型部材を取り外すことにより、ベント部の固化体を取り除きやすい。
本発明の成形方法は、
自己硬化性を有する成形用原料と成形型とを利用した成形方法であって、
前記成形用原料の硬化収縮率をRs、前記成形用原料が硬化したときの該成形体の引張り強度をσs(Pa)、前記成形用原料が硬化したときの該成形体のヤング率をEm(Pa)としたときに次式(2)を満たす成形用原料を、上述したいずれか1つに記載の成形型へ注入する注入工程と、
前記成形型へ注入された成形用原料を硬化させる硬化工程と、
を含むものである。
Rs≧σs/(Em+σs)…式(2)
この成形方法では、式(2)を満たす自己硬化性を有する成形用原料を上述したいずれか1つの成形型へ注入し、この注入された成形用原料を硬化させる。このように、式(2)を満たすと、より確実に成形体対応部の成形体とゲート部の固化体とを硬化収縮により分離させることができる。ここで、「硬化収縮率Rs」は、実際に成形型を用いて成形する際の成形条件(例えば、成形型の材質・表面状態、成形用原料、硬化時間、硬化温度など)と同じ条件で、円筒など単純形状の硬化収縮率測定用の成形型を用いて硬化収縮率測定用成形体を作製し、硬化前のこの成形体の代表寸法R0(成形型の内寸の代表寸法に等しい。例えば円筒の場合にはその半径など。)から、硬化後の成形体の代表寸法R1を差し引き、差し引いた値を硬化前の成形体の代表寸法R0で除算して求めた値とする。ここで、代表寸法としては、例えば複数の大きさの直径の円筒が軸方向に接続された形状やドーム形状、半球形状、貫通孔の直径が上部と下部とで異なる形状などでは、最も大きい部分の半径とする。
このとき、前記注入工程では、前記成形型へ前記成形用原料を注入直後における成形体中心から前記ゲート部の外周までの距離をLi(m)としたときに、更に次式(3)を満たす前記成形用原料を前記成形型へ注入することを含むものとしてもよい。この式(3)を更に満たすと、硬化収縮途中の塑性変形により応力を逃がしてしまう場合でも、成形用原料が硬化収縮した際の寸法の変化がより十分得られるから、一層確実に成形体対応部の成形体とゲート部の固化体とを硬化収縮により分離させることができる。
Li×Rs≧50×10-6 …式(3)
あるいは、本発明の成形方法は、
自己硬化性を有する成形用原料と成形型とを利用した成形方法であって、
前記成形用原料の硬化収縮率をRs、前記成形型へ前記成形用原料を注入直後における成形体中心から前記ゲート部の外周までの距離をLi(m)としたときに、次式(3)を満たす前記成形用原料を、上述したいずれか1つに記載の前記成形型へ注入する注入工程と、
前記成形型へ注入された成形用原料を硬化させる硬化工程と、
を含むものである。
Li×Rs≧50×10-6 …式(3)
この成形方法では、式(3)を満たす自己硬化性を有する成形用原料を上述したいずれか1つの成形型へ注入し、この注入された成形用原料を硬化させる。このように、式(3)を満たすと、硬化収縮途中の塑性変形により応力を逃がしてしまう場合でも、成形用原料が硬化収縮した際の寸法の変化がより十分得られるから、より確実に成形体対応部の成形体とゲート部の固化体とを硬化収縮により分離させることができる。
本発明の成形型10の構成の概略を示す構成図である。 成形型10の断面図であり、図2(a)が図1のA−A断面図、図2(b)が図1のB−B断面図である。 下型20と中型30との斜視図である。 成形型10により成形された成形体60の斜視図である。 成形型10へ成形用原料を注入するときの説明図であり、図5(a)が注入直後、図5(b)が注入途中、図5(c)が注入完了した説明図である。 成形型10の離型の説明図であり、図6(a)が各成形型の取外しの図、図6(b)が硬化時の成形体・固化体の概念図である。 ゲート部27の他の接続部の形状の説明図であり、図7(a)が接続部24B、図7(b)が接続部24C、図7(c)が接続部24Dの説明図である。 ベント部35の他の接続部の形状の説明図であり、図8(a)が接続部46B、図8(b)が接続部46C、図8(c)が接続部46D、図8(d)が接続部46E、図8(e)が接続部46Fの説明図である。 他の段差部の形状の説明図であり、図9(a)が段差部36B、図9(b)が段差部36C、図9(c)が段差部を備えないものの説明図である。 他の成形体の例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である成形型10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、成形型10の断面図であり、図2(a)が図1のA−A断面図、図2(b)が図1のB−B断面図であり、図3は、下型20と中型30との斜視図であり、図4は、成形型10により成形された成形体60の斜視図である。この成形型10は、図1に示すように、中空の円筒部材である成形体60(図4参照)を成形するものであり、成形型部材としての下型20と中型30と上型40とによって構成されている。なお、図1では、説明の便宜のため、一部に成形体60を網点で示した。また、図1では、複数の成形体60(例えば12個など)を成形するものを示したが、任意の数の成形体60を成形可能なものとしてもよい。まず、成形型10によって成形する成形体60から説明する。
成形体60は、無機粉末で形成された焼結前の部材であり、図4に示すように、上面から下面へ貫通した貫通孔62を備えた円筒形状に形成されている。成形体60は、主成分を無機粉末(例えばアルミナ粉末やカーボン粉末など)とする自己硬化性の成形用原料(例えばスラリーなど)を用いてゲルキャスト法により作製されている。この成形体60は、その下面側の円周の表面にゲート痕64が形成されると共に、その上面側の円周上にベント痕66が形成されている。このゲート痕64やベント痕66は、製品として問題のない位置に、あまり目立たない窪み又は盛り上がりのように形成されている。なお、成形体60は、脆性部材である焼結前のセラミックス成形体であるが、十分なハンドリング強度を有している。
成形型10の下型20は、図1,2に示すように、成形型10の下部に配置される、外形が矩形状の部材である。この下型20の上面20aには、所定間隔で複数の成形体60のそれぞれの成形位置に、外側から内側の先端21bに向かって高さが高くなる第1テーパ面21aを有するリング状の突起部21が形成されている。また、突起部21の中央には、この突起部21の内側にある下型20の上面20aから上方に向かって柱状体22が立設されている。この柱状体22は、成形体60を成形するための貫通孔62の内径に相当する外径となるように形成されている。この突起部21及び柱状体22は、ここでは格子状に配置するものとしたが、千鳥状に配置してもよい。
中型30は、下型20の上方に組み付けられる、外形が矩形状の部材である。この中型30は、その下面33側に、中型30の上面と下面とを貫通する貫通孔が形成された複数の円筒状の円筒部31が所定間隔で形成されている。この貫通孔は、成形体60の外径に相当する内径となるよう形成されている。円筒部31は、複数の成形体60のそれぞれの成形位置に形成されている。この円筒部31には、先端31b側で円筒の内周側が鋭角である先細りの形状となる第2テーパ面31aが形成されている。この円筒部31は、ここでは格子状に配置するものとしたが、千鳥状に配置してもよい。なお、中型30の下面33は、図2(a)や図3に示すように、成形型10として用いるときに、成形用原料が流通するランナーの上面が接触する面である。また、中型30は、その上面に、この円筒部31の内部に形成された貫通孔を中心とするすり鉢状の第3テーパ面32aが形成されている。また、中型30の図1における左側には、貫通孔である注入部34が設けられている。また、中型30の図1における左端と右端には、下側に向かって立設された立壁部38,38が設けられている。この立壁部38の高さは、下型20の上面20aに当接したときに、円筒部31の先端31bと突起部21の先端21bとの間隔が寸法Lgとなるように設計されている。また、下型20の柱状体22は、円筒部31の貫通孔の内径に対して成形体60を成形するための肉厚に相当する分だけ小さな直径に設計されると共に、立壁部38と下型20の上面20aとが当接すると、柱状体22の上面がすり鉢状の第3テーパ面32aの底面に相当する面を若干超えるような高さに設計されている。
上型40は、中型30の上方に組み付けられる外形が矩形状の部材であり、その下面に円柱形状の円柱部41が複数の成形体60のそれぞれの成形位置に形成されている。この円柱部41は、上型40が中型30に組み付けられると円柱部41の下面がすり鉢状の第3テーパ面32aの底面に相当する面に至るような高さに設計されると共に、角部41aと第3テーパ面32aの先端32bとの間に間隔Luが形成されるように円筒部31の貫通孔の内径よりも若干小さな直径に設計されている。この円柱部41の中央下面には、柱状体22の高さの精度を考慮して、上型40に設けられた柱状体22の上面が挿入可能な窪みが設けられている。この円柱部41の近傍には、成形用原料の注入の際の空気抜きとしての貫通孔である空気孔42が設けられている。また、上型40の図1における左側には、中型30の注入部34の上方に、注入部34と同径の貫通孔である注入口44が設けられている。
この成形型10では、下型20と中型30と上型40とが組み付けられると、図1に示すように、その内部などに以下のような空間が形成されるように下型20と中型30と上型40とが形成されている。まず、下型20に中型30を組み付け、下型20の上面20aに中型30の立壁部38が当接すると円筒部31の先端31bと突起部21の先端21bとの間隔が寸法Lgとなると共に、中型30の円筒部31の貫通孔の中央に下型20の柱状体22が挿入される。また、中型30の上面に上型40の下面が当接してこれらが組み付けられると、中型30の上面に形成されたすり鉢状の第3テーパ面32aと軸中心を同じくしてその中央に円柱部41が挿入され、柱状体22の上面が円柱部41の下面側に至る。すると、柱状体22の外周及び円筒部31の内周との間、且つ下型20の上面と円柱部41の下面との間に成形体60の形状を有する円筒形状の空間である成形体対応部28が形成される。また、中型30と上型40とを組み付けると、中型30の注入部34と上型40の注入口44が連通することにより、全体として成形用原料の注入部が形成され、中型30内部に成形用原料が導入可能となる。
また、下型20と中型30と上型40とが組み付けられると、下型20の第1テーパ面21aと中型30の第2テーパ面31aとが非接触状態で対向し、成形体対応部28の下部の外周全域に亘って成形体対応部28と連通する空間であるゲート部27が形成される。このゲート部27は、成形体対応部28側に近づくと空間が狭くなり、ゲート部27と成形体対応部28との接続部24である先端21bと先端31bとの幅が、最も狭い空間であるゲート部27の最小寸法Lgとなるよう第1テーパ面21aと第2テーパ面31aとにより形成されている。ここでは、ゲート部の最小寸法Lgが0.01mm以上0.5mm以下(例えば0.2mm)を満たすよう下型20及び中型30が形成されている。また、ゲート部27と成形体対応部28との接続部は、第1テーパ面21aと突起部21の内周面とにより鋭角に形成されると共に、第2テーパ面31aと円筒部31の内周面とにより鋭角に形成されている。
また、下型20の上面と中型30の下面33との間に、複数のゲート部27や成形体対応部28と連通しこれらに成形用原料を供給する空間であるランナー部26が形成されている。このランナー部26は、図2(a)の白色の面及び図1に示すように、ゲート部27を面で繋ぐ空間として形成されている。即ち、ランナー部26は、複数の成形体60を矩形のラインで繋ぐような一般的なものではなく、面全体で成形体60の外周全体を接続部で繋ぐように形成されている。なお、注入部34は、注入口44とランナー部26とを連通する空間であり、ランナー部26は、注入口44と注入部34とにより形成される注入部と連通し注入口44から注入された成形用原料をゲート部27側へ供給可能な空間となっている。また、ランナー部26は、ゲート部27と繋がる連通部25において、円筒部31の外周面と第2テーパ面31aとにより形成される段差部36が設けられている。このランナー部26は、高さが寸法Lh,幅が寸法Lwで形成されている。ここで、高さ寸法Lhと幅寸法Lwとのうち最も小さい長さを、成形用原料の圧力損失に関係する寸法である最小寸法Lrと定義すると、ここでは、幅寸法Lwが最小寸法Lrとなるように形成されている。このランナー部26の最小寸法Lrは、1mm以上10mm以下(例えば5mm)となるように形成されている。また、ここでは、ゲート部27の最小寸法Lg、ランナー部26の最小寸法Lrとすると、次式(1)を満たすようにゲート部27とランナー部26とが下型20と中型30とに形成されている。即ち、ゲート部27の最小寸法Lgが、ランナー部26の最小寸法Lrよりも十分小さくなるように形成されているのである。
Lr≧5×Lg…式(1)
また、下型20と中型30と上型40とが組み付けられると、中型30の第3テーパ面32aと上型40の突起部41の外周面と上型40の下面とが非接触状態で対向し、中型30の第3テーパ面32aの上方と上型40の下面との間には、成形体対応部28の上部の外周全域に亘って成形体対応部28と連通し成形体対応部28が成形用原料により充填されたあとに排出される余剰の成形用原料を収容する空間であるベント部35が形成される。このベント部35は、成形体対応部28との接続部46である、中型30の先端32bと円柱部41の角部41aとの間の長さLuが、0.01mm以上0.5mm以下(例えば0.2mm)を満たすよう中型30及び上型40が形成されている。この接続部46は、接続部46へ近づくほど空間が狭くなり、接続部46が最小の幅の空間となるように第3テーパ面32aや上型40の下面、突起部21の側面などによって形成されている。
次に、この成形型10を用いた成形体60の成形方法を説明する。図5は、成形型10へ成形用原料を注入するときの説明図であり、図5(a)が注入直後、図5(b)が注入途中、図5(c)が注入完了した説明図であり、図6は、成形型10の離型の説明図であり、図6(a)が各成形型の取外しの図、図6(b)が硬化時の成形体・固化体の概念図である。まず、成形用原料としてのスラリーを調製する。成形用原料は、無機粉末と有機化合物とを含むスラリーにより、有機化合物相互の化学反応、例えば分散媒とゲル化剤若しくはゲル化剤相互の化学反応により固化する周知の自己硬化性スラリーを用いることができる。このような成形用原料は、原料粉末のほか、分散媒、ゲル化剤を含み、粘性や固化反応調整のため分散剤、触媒を含んでいてもよい。ここでは、主成分を無機粉末(例えばアルミナ粉末及びカーボン粉末など)とし、ゲル化剤としてウレタン系の有機化合物とする自己硬化性のスラリーを成形用原料に用いるものとした。なお、成形用原料としては、上記のスラリーにかかわらず、種々のものを用いることができる。
また、この成形用原料は、次式(2)及び次式(3)のうち少なくとも1つを満たすよう調製することが好ましい。こうすれば、より確実に成形体対応部28により成形された部分に相当する成形体60とゲート部27により成形された部分に相当する固化体(以下、ゲート部固化体とも称する)とを硬化収縮によって容易に分離させることができる。ここで、成形用原料の硬化収縮率をRsとし、成形用原料が硬化した成形体の引張り強度をσs(Pa)、成形用原料が硬化した成形体のヤング率をEm(Pa)、成形型10へ成形用原料を注入した直後における成形体の中心からゲート部27の外周までの距離をLi(m)、成形型10による拘束がない場合を仮定し硬化完了時の成形体中心からゲート部27の外周までの距離をLf(m)とする。すると、フックの法則から、硬化した成形用原料(成形体)が引張り応力で切断されるときの歪みεsは、次式(4)で与えられる。ここで、「硬化収縮率Rs」は、実際に成形型を用いて成形する際の成形条件(例えば、成形型の材質・表面状態、成形用原料、硬化時間、硬化温度など)と同じ条件で、円筒など単純形状の硬化収縮率測定用の成形型を用いて硬化収縮率測定用成形体を作製し、硬化前の成形体の代表寸法R0から、硬化後の成形体の代表寸法R1を差し引き、差し引いた値を硬化前の成形体の代表寸法R0で除算して求めた値とする。ここでは、成形体60が円筒形であるから、その半径を成形体の代表寸法とした。なお、代表寸法としては、例えば複数の大きさの直径の円筒が軸方向に接続された形状やドーム形状、半球形状、貫通孔の直径が上部と下部とで異なる形状などでは、最も大きい部分の半径とするものとする。また、距離Lfを実際の成形型で測定するのは困難であるため、以下のように求めるものとした。まず、半径Liのディスク形状の成形型を用意し、この成形型に実際に用いる成形型原料スラリーを注型して、実際の硬化条件(温度や時間など)で硬化収縮させる。そのときのディスク形状の成形体の半径を距離Lfとするのである。また、距離Liを定義するための成形体の中心とは、成形体が回転対称である場合には、その回転軸が通る点とする。成形体が回転対称でない場合は、ゲート部との接続部と並行で且つゲート部を含む平面により切り出される成形体60の断面の重心とする。そして、距離Liとは、その成形体の中心と成形体外周との距離のうち最小のものとする。同様に、距離Lfとは、硬化後の成形体の中心と成形体外周との距離のうち最小のものとする。一方、硬化前後の寸法のパラメータである距離Li,Lfにより、歪みεs、硬化収縮率Rsは、次式(5),(6)で定義される。この式(4),(5),(6)により距離Li,Lf及び歪みεsを消去すると、式(7)が得られる。式(7)で得られる硬化収縮率Rsは、成形体60とゲート部固化体が硬化収縮により分離する最小の硬化収縮率であるから、硬化収縮率Rsにより成形体60とゲート部固化体とが分離する条件式(2)が得られる。また、寸法の変化を十分に得る観点から、経験的に式(3)を導き出した。即ち、成形体対応部28の成形体とゲート部固化体とが硬化収縮によって分離する条件を、ここでは2つ導き出した。式(2)では、成形用原料の硬化完了時など成形体に加わる引張り強度が最大となるときに、成形体対応部28の成形体とゲート部固化体とが弾性変形域の引張り破壊により引きちぎれる条件であり、式(3)は、成形用原料の硬化が十分でないうちに収縮が進行して塑性変形を生じてしまった場合であっても寸法変化量を十分に確保することで引張り破壊により引きちぎれる条件である。この式(2),(3)のうち少なくとも一方を満たすと、より成形体対応部28で硬化した成形体と、ゲート部27やベント部35で硬化した固化体とを容易に分離することができるのである。ここでは、原料粉体や分散媒、ゲル化剤、分散剤、触媒などを経験的に調整して式(2),(3)の両方を満たす成形用原料を作製するものとした。
Rs≧σs/(Em+σs)…式(2)
Li×Rs≧50×10-6 …式(3)
εs=σs/Em…式(4)
εs=(Li−Lf)/Lf…式(5)
Rs=(Li−Lf)/Li…式(6)
Rs=σs/(Em+σs)…式(7)
次に、下型20と中型30と上型40とを組み付け、用意した成型スラリー68を注入口44から注入する(図5(a))。すると、比較的大きな空間であるランナー部26の全体に成形用原料68が拡がる。このとき、ゲート部27の接続部24は、式(1)を満たすように、ランナー部26に対して十分狭く形成されているため、圧力損失の影響により成形用原料68が成形体対応部28側へ流れにくくなっている。このため、まずランナー部26から先に成形用原料68が充填されていく。続いて、成形用原料68を注入口44から注入すると、更にランナー部26に成形体スラリー68が充填され、圧力損失の影響により、これに若干遅れて接続部24を介して成形体対応部28に成形用原料68が充填される(図5(b))。続いて、成形用原料68を注入口44から注入していくと、成形体対応部28の全体に成形用原料68が充填され、更に成形用原料68を注入すると、余剰の成形用原料68が接続部46からベント部35側へ排出され、ベント部35にこの余剰の成形用原料68が収容された状態で、成形用原料68の充填が終了する(図5(c))。
次に、例えば室温で所定の化学反応によりスラリーを1次硬化させる。例えば、室温での1次硬化で十分な強度が得られない場合には、成形型10を加熱、又は冷却して硬化反応を進行させてもよい。所定の1次硬化が終了すると、下型20を中型30から取り外し(図6(a)参照)、所定の温度(例えば130℃など)で更に硬化反応を促進させると同時に分散媒などの不要な液体を揮発させる2次硬化を行ってもよい。ここでは、上型40はまだ取り外さないものとした。このとき、ランナー部26の固化体は一端側と他端側とが段差部36,36によりその移動が規制されており、硬化収縮によってゲート部固化体がランナー部26の固化体側に移動する一方、成形体対応部28の成形体60はその中心方向に収縮して移動するから、成形体対応部28の成形体60とゲート部固化体とが互いに離れる方向に移動する。このため、接続部24の両端に引き離される応力が作用し、硬化収縮によって自然に成形体対応部28の成形体60とゲート部固化体とが分離する。同様に、成形体対応部28の成形体60とベント部35の固化体(ベント部固化体とも称する)とについても、接続部46の両端に引き離される応力が作用し、硬化収縮によって自然に成形体対応部28の成形体60とベント部固化体とが分離する。こうして、中型30から成形体60が取り外ししやすくなる。成形型10で成形用原料を硬化して得られる成形体対応部28の成形体60とゲート部固化体(ランナー部固化体)とベント部固化体との概念図を図6(b)に示す。これらの成形体・固化体はそれぞれ分離した状態で得られる。ここで、上型40を中型30から取り外し(図6(a)参照)、続いて、中型30から成形体60を取り外し、必要に応じて残留分散媒の乾燥を乾燥温度(例えば130℃)で所定時間行い、焼結前の成形体60を得る。得られた焼結前の成形体60は、必要であれば仮焼して脱脂し、構成される材料や用途などに応じた焼成温度で焼成する。なお、ここでは、2次硬化後に上型40を中型30から取り外したが、この工程を1次硬化後に行ってもよい。
以上詳述した本実施形態の成形型10によれば、成形体60を形成する空間である成形体対応部28の外周に亘ってゲート部27が連通し、このゲート部27を介して流動性のある自己硬化性を有する成形用原料68を成形体対応部28に供給する。このように、成形体対応部28の外周に亘って成形用原料68が注入されるから、例えば成形体対応部28の一部分から成形用原料68が注入されるものなどに比して袋小路部分などがより少ない。したがって、成形用原料68を成形体対応部28へ注入する際の気泡の残留をより抑制することができる。また、ゲート部27やベント部35が外周に亘って連通するように形成されているため、例えば、硬化収縮途中の塑性変形により応力を逃がしてしまう場合に、成形体が略円筒形状のときには、塑性変形が外周に亘って一様に起きるため、成形体の同軸性を保ちやすい。また、ゲート部27は成形体対応部28側へ近づくと空間が狭くなり且つゲート部27の接続部24が最小の空間となるように鋭角に第1テーパ面21a及び第2テーパ面31aによって形成されているため、硬化収縮によって、一層容易にゲート部固化体と成形体対応部28の成形体60とを分離させることができる。更に、ゲート部27は、成形体対応部28を形成するよう複数の成形型部材としての下型20,中型30を接合すると、第2テーパ面31aと第1テーパ面21aとが対向して形成されるため、ゲート部27を所定の形状に加工しやすいし、成形用原料68を硬化させたあと下型20と中型30とを取り外すことによりこの固化体を取り除きやすい。更にまた、成形体対応部28及びゲート部27が複数形成されており、成形用原料68を複数のゲート部27へ供給可能であり、この複数のゲート部27が面となるように空間であるランナー部26が形成されているから、複数のゲート部27を繋ぐランナー部を介して複数の成形体対応部28へより同時に成形用原料68を供給可能であり、より均一な成形体60を作製しやすい。そして、ランナー部26は、ゲート部27と繋がる連通部25に段差部36が設けられているため、注型された成形用原料68が硬化収縮するとランナー部固化体がこの段差部36に引っ掛かり、複数のゲート部固化体のうちいずれかが成形体対応部28の方向へ移動してしまうのを抑制可能であり、より確実にゲート部固化体と複数の成形体対応部28の成形体60とを硬化収縮を利用して分離することができる。そしてまた、式(1)を満たすようゲート部27とランナー部26とが形成されているため、ランナー部26の全体へ速やかに成形用原料68を注入したあと、より同時に複数の成形体対応部28に成形用原料68を注入されるようにして、より均一な成形体60を複数作製することができる。
また、成形体対応部28の外周に亘ってこの成形体対応部28と連通したベント部35が形成されているから、成形体対応部28を満たしたあと余剰の成形用原料68を外周に亘って排出するため、成形体対応部28から成形用原料68を排出する際の気泡の残留をより抑制することができる。また、成形体対応部28の外周に亘ってベント部35が形成されているから、成形体60が軸対称形状の円筒形の部材である成形体60を成形する際に、その形状及び性状の対称性を損ないにくい。更に、ベント部35は、成形体対応部28と接続する部分である接続部が最小の空間となるように形成されているため、ベント部35の固化体と成形体対応部28の成形体60とがより分離しやすい。更にまた、成形体対応部28側へ近づくと空間が狭くなるよう第3テーパ面32aにより鋭角にベント部35が形成されており、また、硬化収縮により、成形体対応部28の成形体60がベント部固化体から離れる方向に移動し接続部が自然に切れやすく、より容易にベント部固化体と成形体対応部28の成形体60とを分離させることができる。そして、ベント部35は、第3テーパ面32aと突起部41の外周面及び底面とが対向して形成されるため、ベント部35を所定の形状に加工しやすいし、成形用原料68を硬化させたあとこの固化体を取り除きやすい。また、式(2),(3)を満たす自己硬化性を有する成形用原料68を成形型10へ注入し、この注入された成形用原料68を硬化させるため、式(2),(3)を満たすと、より確実に成形体対応部28の成形体とゲート部固化体やベント部固化体とを硬化収縮により分離させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、図1に示すような接続部24を形成するものとしたが、図7に示すように構成してもよい。図7は、ゲート部27の他の接続部の形状の説明図であり、図7(a)が接続部24B、図7(b)が接続部24C、図7(c)が接続部24Dの説明図である。例えば、各テーパ面21a,31aを平面としたが、曲面で鋭角に構成した接続部24Bとしてもよいし、各テーパ面21a,31aを鋭角としたが、いずれか一方を鈍角に構成した接続部24Cとしてもよい。あるいは、テーパ面を用いずに鋭角に構成しない接続部24Dとしてもよい。更に、接続部24を最小の空間としないものとしてもよい。こうしても、ゲート部27から成形体対応部28の外周に亘って成形用原料68を供給するから、成形用原料を成形体対応部28へ注入する際の気泡の残留をより抑制することはできる。また、軸対称形状の成形体の場合は、形状及び性状の対称性が低下してしまうのをより抑制することができる。
上述した実施形態では、図1に示すような接続部46を形成するものとしたが、図8に示すように構成してもよい。図8は、ベント部35の他の接続部の形状の説明図であり、図8(a)が接続部46B、図8(b)が接続部46C、図8(c)が接続部46D、図8(d)が接続部46E、図8(e)が接続部46Fの説明図である。例えば、角部41aを直角としたが、鈍角とする接続部46Bとしてもよいし、角部41aを直角、先端32bを鈍角としたが角部41a及び先端32bを鋭角とする接続部46Cとしてもよいし、テーパ面を用いない接続部46Dとしてもよいし、第3テーパ面32aの先端32bを直角とした接続部46Eとしてもよい。あるいは、ベント痕66は、成形体60の上面や外周面に対して斜めに形成されるものとしたが、角部41aと先端32bとの高さを略同じにして60の上面側で切れるような接続部46Fとしてもよし、これらを適宜組み合わせてもよい。なお、ベント部35もランナー部26と同様に、複数のベント部35が面で繋がるように形成してもよい。
上述した実施形態では、図1に示した段差部36としたが、図9に示すように構成してもよい。図9は、他の段差部の形状の説明図であり、図9(a)が段差部36B、図9(b)が段差部36C、図9(c)が段差部を備えないものの説明図である。例えば、第2テーパ面31aと円筒部31の外周面とにより形成されたものとしたが、第2テーパ面31aから1段以上の水平な面を介して円筒部31の外周面と繋がる段差部36Bとしてもよいし、段差部として有底口を下面33に設けた段差部36Cとしてもよい。あるいは、段差部36を省略してもよい。こうしても、成形用原料を成形体対応部28へ注入する際の気泡の残留をより抑制することはできる。また、軸対称形状の成形体の場合は、形状及び性状の対称性が低下してしまうのをより抑制することができる。
上述した実施形態では、円筒状の成形体60を成形する成形型10としたが、成形体の形状はこれに限られず、任意の形状とすることができる。特に、回転対称の成形体でなくてもよいし、中空状の成形体でなくてもよい。図10は、他の成形体の例を示す説明図である。例えば、中空ではない円柱状の成形体60Bとしてもよいし、ドーム状の成形体60Cとしてもよいし、半球状の成形体60Dとしてもよいし、2本の足が設けられ中空状の成形体60Eとしてもよいし、貫通孔の直径が上部と下部とで異なる成形体60Fとしてもよいし、矩形状の成形体60Gとしてもよいし、2本の足が設けられた中空状の部材を半身にした成形体60Hとしてもよい。この成形体60B〜60Hは、下側にそれぞれゲート痕64B〜64Hが形成され、上側にそれぞれベント痕66B〜66Hが形成されている。これらの形状を成形可能な成形体対応部28やランナー部26,ゲート部27,ベント部35を形成した成形型としてもよい。
上述した実施形態では、式(1)〜(3)のすべてを満たすものとして説明したが、いずれか1以上を満たすのを省略してもよいし、すべて満たさなくてもよい。すべて満たさないものとしても、ゲート部27から成形体対応部28の外周に亘って成形用原料68を供給するから、成形用原料を成形体対応部28へ注入する際の気泡の残留をより抑制することはできる。また、上述した実施形態では、下型20,中型30,上型40の3つの部材で構成するものとしたが、2以上の任意の数で構成するものとしてもよい。また、ゲート部27やベント部35は、2つ以上の部材が対向することによって形成されるものとしなくてもよいし、テーパ面によって形成しないものとしてもよい。
上述した実施形態では、成形体対応部28の外周全域に亘ってゲート部27とベント部35とが連通しているものとしたが、ベント部35側を省略するものとしてもよい。こうしても、成形用原料を成形体対応部28へ注入する際の気泡の残留をより抑制することはできる。また、上述した実施形態では、複数の成形体60を成形する成形型10としたが、1つの成形体60を成形するものとしてランナー部26を省略しても構わない。また、上述した実施形態では、成形体対応部28の外周全域に亘ってゲート部27が連通しているものとしたが、略全域に亘って連通しているものとすれば、一部連通していない部分があっても構わない。また、ベント部35でも同様である。
本実施例では、図1に示した成形型10を用いて成形体60を作製した。成形用原料は、無機粉末としてアルミナ粉末を用い、分散媒として有機2塩基酸エステルを用い、樹脂原料としてイソシアネート、ポリオールを用い、更に、分散媒、触媒を添加することで、その粘度を0.1Pa・sに調整した。ここでは、ゲート部27の最小寸法Lgが0.2(mm)、ランナー部26の最小寸法Lrが2.2(mm)であった。また、成形用原料の硬化収縮率Rsが0.04、引張り強度σsが1×106(Pa)、ヤング率Emが3×107(Pa)、距離Liが0.0080(m)、距離Lfが0.0077(m)であった。即ち、式(1)〜(3)のすべてを満たしていた。なお、距離Li,Lfは、上述した方法によりそれぞれ求めた。次に、この成形用原料を、成形型10の注入口44から注入し、室温で60分間放置し1次硬化を行ったのちに、下型20を離型し、乾燥機により130℃で1時間加熱し2次硬化を行った。このとき、硬化収縮により、ランナー部26やゲート部27の固化体が成形体対応部28の成形体から自然に分離すると共に、成形体対応部28から成形体60が略自然に剥がれた。乾燥機から成形型10を取り出し上型40を離型した。成形体60を目視により確認したところ、気泡の混入や成形ムラ、ボイド、欠肉などは見られず、気泡の残留をより抑制すると共に、ゲート部、ランナー部及びベント部から容易に成形体60を分離することができた。また、測定顕微鏡で成形体60の先端面の形状を評価したところ、内径円と外形円とに歪みはなく、肉厚も均一であった。
本出願は、2007年10月5日に出願された日本国特許出願第2007−262361号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
本発明は、成形体の製造分野に利用可能である。

Claims (16)

  1. 流動性のある自己硬化性を有する成形用原料を注入して所定形状の成形体を1個又は2個以上同時に成形する成形型であって、
    前記成形用原料が注入されて成形体を形成する空間である成形体対応部と、
    前記成形体対応部の外周に亘って該成形体対応部と連通し前記成形用原料を該成形体対応部に供給する空間であるゲート部と、が形成され、
    前記ゲート部は、前記成形体対応部側へ近づくと空間が狭くなるようテーパ面によって形成されており、
    前記成形体対応部と前記ゲート部とが接続する接続部は、鋭角になるよう形成されている、成形型。
  2. 請求項1に記載の成形型であって、
    前記成形体対応部の上端部で1個又は2個以上の該成形体対応部と連通し、前記成形用原料の一部を該成形体対応部から排出する空間であるベント部と、
    前記成形体対応部の上端部よりも高い位置に配設され、注入された前記成形用原料を前記ゲート部に供給する注入口と、
    が形成され、
    前記ゲート部は、前記成形体対応部の下端部で1個又は2個以上の該成形体対応部と連通している、成形型。
  3. 前記ベント部は、成形体対応部の外周に亘って該成形体対応部と連通するよう形成されている、請求項2に記載の成形型。
  4. 前記ベント部は、前記成形体対応部と接続する部分である接続部が最小の空間となるよう形成されている、請求項2又は3に記載の成形型。
  5. 前記ベント部は、前記成形体対応部側へ近づくと空間が狭くなるようテーパ面によって形成されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の成形型。
  6. 前記成形体対応部と前記ベント部とが接続する接続部は、鋭角になるよう形成されている、請求項2〜5のいずれか1項に記載の成形型。
  7. 前記成形型は、互いに接合して前記成形体対応部を形成する複数の成形型部材を備え、
    前記ベント部は、前記成形体対応部を形成するよう前記複数の成形型部材を接合すると、該複数のうちの少なくとも1つの成形型部材の面と、他の成形型部材の面とが対向して形成される、請求項2〜6のいずれか1項に記載の成形型。
  8. 前記ゲート部は、前記成形体対応部と接続する部分である接続部が最小の空間となるよう形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形型。
  9. 前記成形型は、互いに接合して前記成形体対応部を形成する複数の成形型部材を備え、
    前記ゲート部は、前記成形体対応部を形成するよう前記複数の成形型部材を接合すると、該複数のうちの少なくとも1つの成形型部材の面と、他の成形型部材の面とが対向して形成される、請求項1〜のいずれか1項に記載の成形型。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の成形型であって、
    前記成形体対応部及び前記ゲート部が1個又は2個以上形成されており、
    前記成形用原料を該ゲート部へ供給し、該ゲート部を面又は枠で繋ぐ空間であるランナー部、が形成された成形型。
  11. 前記ランナー部は、前記ゲート部と繋がる連通部に段差が設けられている、請求項10に記載の成形型。
  12. ゲート部の最小寸法をLg(mm)とし、前記ランナー部の最小寸法をLr(mm)としたときに、次式(1)を満たすよう前記ゲート部と前記ランナー部とが形成されている、請求項10又は11に記載の成形型。
    Lr≧5×Lg…式(1)
  13. 前記ゲート部の最小寸法Lgが0.5mm以下、前記ランナー部の最小寸法Lrが1mm以上、の少なくとも一方を満たすよう前記ゲート部と前記ランナー部とが形成されている、請求項12に記載の成形型。
  14. 自己硬化性を有する成形用原料と成形型とを利用した成形方法であって、
    前記成形用原料の硬化収縮率をRs、前記成形用原料が硬化したときの該成形体の引張り強度をσs(Pa)、前記成形用原料が硬化したときの該成形体のヤング率をEm(Pa)としたときに次式(2)を満たす成形用原料を、請求項1〜13のいずれか1項に記載の成形型へ注入する注入工程と、
    前記成形型へ注入された成形用原料を硬化させる硬化工程と、
    を含む成形方法。
    Rs≧σs/(Em+σs)…式(2)
  15. 前記注入工程では、前記成形型へ前記成形用原料を注入直後における成形体中心から前記ゲート部の外周までの距離をLi(m)としたときに、更に次式(3)を満たす前記成形用原料を前記成形型へ注入する、請求項14に記載の成形方法。
    Li×Rs≧50×10-6 …式(3)
  16. 自己硬化性を有する成形用原料と成形型とを利用した成形方法であって、
    前記成形用原料の硬化収縮率をRs、前記成形型へ前記成形用原料を注入直後における成形体中心から前記ゲート部の外周までの距離をLi(m)としたときに、次式(3)を満たす前記成形用原料を、請求項1〜15のいずれか1項に記載の前記成形型へ注入する注入工程と、
    前記成形型へ注入された成形用原料を硬化させる硬化工程と、
    を含む成形方法。
    Li×Rs≧50×10-6 …式(3)
JP2009536051A 2007-10-05 2008-09-30 成形型及び成形方法 Active JP5537154B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009536051A JP5537154B2 (ja) 2007-10-05 2008-09-30 成形型及び成形方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007262361 2007-10-05
JP2007262361 2007-10-05
JP2009536051A JP5537154B2 (ja) 2007-10-05 2008-09-30 成形型及び成形方法
PCT/JP2008/067734 WO2009044730A1 (ja) 2007-10-05 2008-09-30 成形型及び成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009044730A1 JPWO2009044730A1 (ja) 2011-02-10
JP5537154B2 true JP5537154B2 (ja) 2014-07-02

Family

ID=40522583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009536051A Active JP5537154B2 (ja) 2007-10-05 2008-09-30 成形型及び成形方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8033819B2 (ja)
EP (1) EP2206594B1 (ja)
JP (1) JP5537154B2 (ja)
CN (1) CN101808795B (ja)
WO (1) WO2009044730A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8178192B2 (en) 2008-03-06 2012-05-15 Ngk Insulators, Ltd. Ceramic green sheet, ceramic green sheet laminate, production method of ceramic green sheet, and production method of ceramic green sheet laminate
US8628841B2 (en) * 2008-08-27 2014-01-14 Ngk Insulators, Ltd. Ceramic green body and method for producing the same
US20150224686A1 (en) * 2012-10-15 2015-08-13 Sharp Kabushiki Kaisha Molding apparatus, molding apparatus unit, and molding method
CN104688305B (zh) * 2013-12-04 2017-04-12 苏州点合医疗科技有限公司 一种一次性骨水泥成型模具
CN104905857B (zh) * 2014-03-11 2017-02-22 苏州点合医疗科技有限公司 一种一次性式骨水泥成型模具
JP6436260B1 (ja) * 2018-05-31 2018-12-12 株式会社玉谷製作所 ピン、スリーブ又は入れ子
CN110405919B (zh) * 2019-07-30 2020-09-18 臧娜 一种建筑工程用浇铸模具
JP6841883B2 (ja) * 2019-09-02 2021-03-10 日本碍子株式会社 成形型
JP6841967B2 (ja) * 2019-09-02 2021-03-10 日本碍子株式会社 成形体の製造方法
JP6839325B1 (ja) * 2019-09-02 2021-03-03 日本碍子株式会社 成形体の製造方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61185426A (ja) * 1985-02-13 1986-08-19 Dainichi Nippon Cables Ltd シ−ルリング射出成形装置
JPS644617U (ja) * 1987-06-29 1989-01-12
JPH0339218A (ja) * 1989-07-07 1991-02-20 Hitachi Ltd プラスチックレンズ成形用金型
JPH0416303A (ja) * 1990-05-09 1992-01-21 Toto Ltd セラミック製品の射出成形用金型装置
JPH04135820A (ja) * 1990-09-28 1992-05-11 Pentel Kk 有底筒体の成形方法
JPH04298316A (ja) * 1991-03-28 1992-10-22 Munekata Kk フェルール成形金型
JPH07290514A (ja) * 1994-04-28 1995-11-07 Mitsubishi Materials Corp リングゲート金型
JP2003098852A (ja) * 2001-07-18 2003-04-04 Mitsuboshi Belting Ltd 転写ベルトの製造方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2836096A1 (de) * 1978-08-17 1980-03-06 Demag Kunststofftech Verfahren und vorrichtung zur herstellung von keramischen formlingen im wege des spritzpraegens
GB2097021B (en) * 1981-04-22 1984-02-22 Nippon Telegraph & Telephone Method for production of optical fiber connectors
JPS58131053A (ja) * 1982-01-29 1983-08-04 Takara Co Ltd 玩具用タイヤの製造方法
JPS597008A (ja) * 1982-07-03 1984-01-14 Toshiba Corp 高密度タブレツトおよびそれを使用した半導体樹脂封止方法
US4540534A (en) * 1983-10-11 1985-09-10 American Optical Corporation Apparatus and method for injection molding lenses
JPH0699553B2 (ja) 1987-06-26 1994-12-07 旭化成工業株式会社 芳香族ポリカ−ボネ−トの製法
JPH01235617A (ja) * 1988-03-16 1989-09-20 Shin Etsu Polymer Co Ltd 射出成形用金型
US5766654A (en) * 1994-02-18 1998-06-16 Groleau; Rodney J. Apparatus for improving knit line strength in polymeric materials
US5928682A (en) * 1995-12-21 1999-07-27 Johnson & Johnson Vision Products, Inc. Annular gated mold for the injection molding of contact lenses
JPH10217291A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Bridgestone Corp Oa機器用円筒体の製造方法
US20040192822A1 (en) * 1999-11-11 2004-09-30 Junji Shirai Thin injection molded articles
US6838319B1 (en) * 2000-08-31 2005-01-04 Micron Technology, Inc. Transfer molding and underfilling method and apparatus including orienting the active surface of a semiconductor substrate substantially vertically
JP3954346B2 (ja) * 2001-10-15 2007-08-08 株式会社山武 射出成形装置および射出成形方法
JP2004058494A (ja) 2002-07-30 2004-02-26 Toray Ind Inc 硬質ウレタン発泡体の製造方法およびその製造方法に用いる成形用両面型
JP2006521227A (ja) * 2003-03-27 2006-09-21 オムノバ ソリューソンズ インコーポレーティッド 複数の射出成形部材キャビティー内でのコーティング
US7169345B2 (en) * 2003-08-27 2007-01-30 Texas Instruments Incorporated Method for integrated circuit packaging
CN2673618Y (zh) * 2004-02-19 2005-01-26 李新贵 点浇口塑料模具
WO2006046437A1 (ja) * 2004-10-29 2006-05-04 Konica Minolta Opto, Inc. 光学部品の製造装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61185426A (ja) * 1985-02-13 1986-08-19 Dainichi Nippon Cables Ltd シ−ルリング射出成形装置
JPS644617U (ja) * 1987-06-29 1989-01-12
JPH0339218A (ja) * 1989-07-07 1991-02-20 Hitachi Ltd プラスチックレンズ成形用金型
JPH0416303A (ja) * 1990-05-09 1992-01-21 Toto Ltd セラミック製品の射出成形用金型装置
JPH04135820A (ja) * 1990-09-28 1992-05-11 Pentel Kk 有底筒体の成形方法
JPH04298316A (ja) * 1991-03-28 1992-10-22 Munekata Kk フェルール成形金型
JPH07290514A (ja) * 1994-04-28 1995-11-07 Mitsubishi Materials Corp リングゲート金型
JP2003098852A (ja) * 2001-07-18 2003-04-04 Mitsuboshi Belting Ltd 転写ベルトの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2206594A4 (en) 2014-02-19
EP2206594B1 (en) 2017-01-11
CN101808795A (zh) 2010-08-18
US8033819B2 (en) 2011-10-11
WO2009044730A1 (ja) 2009-04-09
US20090091062A1 (en) 2009-04-09
EP2206594A1 (en) 2010-07-14
JPWO2009044730A1 (ja) 2011-02-10
CN101808795B (zh) 2013-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5537154B2 (ja) 成形型及び成形方法
CN102481627B (zh) 具有排气装置的浇注模具
CN108275958B (zh) 一种水溶性消失模型芯、其制备方法及应用
CN109311093A (zh) 用来制造部件的方法、外壳和设备
CN107073563B (zh) 铸芯、铸芯的应用和制造铸芯的方法
KR101949063B1 (ko) 소실 모형 주조 방법
US10526251B2 (en) Disposable core die and method of fabricating a ceramic body
CN105636720B (zh) 使用发泡砂的砂型的成型方法、成型模具以及砂型
JP5755575B2 (ja) 離型方法
JP5829946B2 (ja) 離型装置
CN217703862U (zh) 铸造模具及电熔砖砂型结构
KR100197389B1 (ko) 주형 충전재 및 이를 이용한 주형 제조 방법
JP5755574B2 (ja) 離型装置
JP2992507B2 (ja) 鋳造品の製造方法及びこれに用いる中子
JP6841883B2 (ja) 成形型
CN109501142A (zh) 一种异型工件的注塑成型工艺
WO2023068189A1 (ja) セラミックス物品の製造方法
JP2009298020A (ja) 成形用金型とそれを用いた樹脂振動板の製造方法
WO2017002676A1 (ja) 合成樹脂発泡成形型、当該成形型を用いた合成樹脂発泡成形品の製造方法及び当該製造方法によって成形された合成樹脂発泡成形品
CN111659857B (zh) 用于使用无机粘结剂制造型芯的设备
JP4729672B2 (ja) 発泡ウレタンロールの成形型
JP2008229708A (ja) インゴット製造用鋳型及び伸線用インゴット製造装置
JP2006044038A (ja) 発泡体ローラ成形用金型のキャップ体及び発泡体ローラの製造方法。
CN111421714A (zh) 用于制造用于螺旋形喷嘴的凹模的方法、螺旋形基本形状凸件和螺旋形喷嘴
JP2020121324A (ja) ストッパー等の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5537154

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150