JP5454210B2 - トナーの評価方法および該方法を用いたトナーの製造方法 - Google Patents

トナーの評価方法および該方法を用いたトナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真式の画像形成装置に用いられるトナーの評価方法に関し、特にSPMを用いたトナーの表面電位の測定・評価方法に関し、さらに該方法を用いたトナーの製造方法に関する。
近年、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置の画質に対して、高画質化への要望が高まり、最近では細かいドットの再現性を高めることが非常に重要視されている。
ドットの再現性は、トナーや現像剤の帯電量や流動性の影響を受け、細かい潜像部に均一なトナー層または現像剤層を安定して供給することが必要となってきている。
また、高画質化が進むにつれて、それに使用されるトナーは、小粒径化、高機能化が求められている。このため、トナー構造が微細かつ複雑化しており、作製時の精密な制御が必要となってきている。
トナーを安定に帯電させる目的で、トナー中に帯電制御剤を添加することが知られており、例えば、モノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のCo、Cr、Fe等の金属錯体アミノ化合物、4級アンモニウム塩、有機染料等が用いられている。
また、良好な画像を得るために、トナーに流動性が付与され、このために一般に流動性向上剤として、疎水化された金属酸化物の粒子、滑剤等の粒子を添加することが有効であり、金属酸化物、樹脂、金属石鹸等の粒子を添加剤として用いられている。添加剤としては、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛等の滑剤、酸化セリウム、炭化ケイ素等の研磨剤、表面を疎水化したSiO、TiO等の無機酸化物等の流動性付与剤、公知のケーキング防止剤及びそれらの表面処理物等が挙げられ、特に疎水性シリカが好ましく用いられている。
このようなトナーの帯電特性の評価方法として、例えばブローオフと呼ばれる評価方法が用いられている(非特許文献1)。この評価方法は、トナーのみを通過させ得る径を備えた開口を一部に有する金網(メッシュ)を張った金属容器中に、キャリアとトナーが静電気的に付着している現像剤を入れた後、乾燥空気等の気体を吹き付けて、トナーのみを金属容器外へ吹き飛ばし、容器全体としてトナーの電荷量と同じ電荷量で逆極性を有する電荷を検出している。
しかしながらこのブローオフ法はトナー重量に対する平均化した電荷量を検出しているため、個々のトナー粒子の表面への添加剤の付着あるいは固定状態や、トナーの組成、サイズ、形状、表面状態、あるいはそれらの分布に由来するトナーの微細構造が反映された有効な情報は得られていないのが実情であった。
本発明は、トナーの表面電気特性であるトナーの表面電位の分布を知ることのできるようなトナーの評価方法およびこれを用いたトナーの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題は下記の手段(1)〜(6)によって解決されることを特徴とする。
(1)導電性を有する基板に固定され、少なくとも樹脂と顔料からなるトナーの表面電位をSPM(Scanning Probe Microscope)法によりトナーの表面電位を評価するトナーの評価方法であって、前記トナーを含む前記導電性を有する基板上の定められた範囲におけるトナーの表面電位を測定し、得られた測定値を基にトナー表面電位と導電性を有する基板の表面電位との電位差の頻度を求め、さらに前記トナー表面電位と導電性を有する基板の表面電位との差と、前記頻度との積を求めることを特徴とする。
(2)前記(1)に記載のトナーの評価方法において、前記トナーを含む該導電性を有する基板上の10μm×10μmの範囲におけるトナー表面電位と該導電性を有する基板の表面電位との差が−10 V〜10 Vの範囲で測定を行うことを特徴とする。
(3)前記(1)または(2)に記載のトナーの評価方法において、前記トナーを含む該導電性を有する基板上の定められた範囲の表面電位を測定する際のスキャンレートが0.01〜2Hzの範囲で行うことを特徴とする。
(4)前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のトナーの評価方法において、前記SPM法による測定が、走査型ケルビンフォース法を用いることを特徴とする。
(5)前記(1)乃至(4)のいずれかに記載のトナーの評価方法において、前記トナー表面電位と導電性を有する基板の表面電位との差と、前記頻度の積算値から前記トナーの表面電位の最小ピーク値を求め、前記最小ピーク値を用いて該トナーの評価を行うことを特徴とする。
(6)前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の評価方法を用いるトナーの製造方法を特徴とする。
トナーの表面電気特性であるトナーの表面電位の分布を知ることのできるようなトナーの評価方法およびこれを用いたトナーの製造方法を提供することができる。
トナー1の10μm×10μmの測定範囲内でマッピングされた表面電位データを所定の表面電位で区切ったヒストグラムであり、横軸は表面電位[V]を、縦軸は頻度(度数)を表す。 トナー2の10μm×10μmの測定範囲内でマッピングされた表面電位データを所定の表面電位で区切ったヒストグラムであり、横軸は表面電位[V]を、縦軸は頻度(度数)を表す。 トナー3の10μm×10μmの測定範囲内でマッピングされた表面電位データを所定の表面電位で区切ったヒストグラムであり、横軸は表面電位[V]を、縦軸は頻度(度数)を表す。 表1で求められた表面電位の差aと各トナーの度数bとをかけた値(a×b値)を縦軸に、トナー表面電位と基板表面電位の差を横軸にプロットしたグラフである。
SPM(Scanning Probe Microscope)法は、先端10nmφ程度の探針を走査して、探針と試料表面の間に働く様々な物理量を検出し、試料表面の形状や電位等を観察することのできる測定法である。
このようなSPM法でトナーの表面電位を検出する方法として、走査型ケルビンフォース法や走査型マクスウェル応力法等の方法があり、どちらの方法を用いても探針とトナー表面との間の電位を測定することは可能であるが、探針位置制御の安定性の面で走査型ケルビンフォース法を用いることが好ましい。
SPM法の探針としては、市販のSPM用の電気特性測定用カンチレバーを用いることができ、このようなカンチレバーとしては、白金等で導電化処理が施された単結晶シリコン製で、バネ定数0.1〜20N/m、共振周波数10〜300KHzのものが好ましく用いられる。走査型プローブ顕微鏡(SPM)においては、カンチレバーは自由端近傍に探針が形成された片持ち梁全体を指すものであり、被測定試料に最も近い位置にある部品である。
評価を行う際、トナーは導電性基板に固定してSPM装置(Scanning Probe Microscope)のステージに設置する。トナーの固定には、導電性接着剤やSEM用導電性カーボンテープを用いることが好ましい。また評価の際に導電性基板をアースに接続する。
次に、SPM装置上のステージに設置された導電性基板上の試料をマイクロスコープ等で観察して評価対象のトナーを選択する。そして、SPM測定領域のほぼ中央にくるように位置を調整してから、該トナーを含む該導電性を有する基板上の定められた範囲の表面電位を測定する。このときの測定範囲はトナーサイズにあわせて調整することが可能である。
トナーは、熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー樹脂と、着色剤とを少なくとも含有し、必要に応じて、微粒子、帯電制御剤、離型剤等を含有する公知の各種トナーを用いることができる。トナーは、その製造方法に限定されない。たとえばトナーの製造方法として、粉砕法、重合法、造粒法等の製造方法を用いて製造することができ、トナーの形状は不定形又は球形のいずれでもよい。またトナーは、磁性トナー及び非磁性トナーのいずれでもよい。
トナーに使用されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。なお、これらは、単独でも二種以上併用することもできる。
ポリエステル樹脂は、スチレン系樹脂やアクリル系樹脂と比較して、トナーの保存時の安定性を確保しながら、溶融粘度を低下させることができる。ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合反応によって得ることができる。
アルコール成分としては、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノーA等のエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和又は不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単位体、その他の2価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体が挙げられる。
カルボン酸成分としては、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、これらの炭素数3〜22の飽和又は不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体(有機二酸)、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルと、リノレイン酸からの二量体酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、3,3−ジカルボキシメチルブタン酸、テトラカルボキシメチルメタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これら酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAなどの化合物とエピクロロヒドリンなどのエピハロヒドリンの重縮合物等を用いることができる。具体的には、エポミックR362、R364、R365、R366、R367、R369(以上、三井石油化学工業社製)、エポトートYD−011、YD−012、YD−014、YD−904、YD−017、(以上、東都化成社製)、エポコート1002、1004、1007(以上、シェル化学社製)等の市販品が挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、ハンザイエローG、ローダミン6Gレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系染顔料、ジスアゾ系染顔料等の公知の染顔料を単独で又は二種以上混合して用いることができる。
磁性トナーは、磁性体を含有するトナーである。具体的な磁性体としては、鉄、コバルト等の強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ba系フェライト等の微粉末を用いることができる。
摩擦帯電性を制御するために、トナーは、モノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のCo、Cr、Fe等の金属錯体アミノ化合物、4級アンモニウム塩、有機染料等の帯電制御剤を含有してもよい。
さらに、トナーは、必要に応じて、離型剤を含有してもよい。離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、ライスワックス、モンタン酸ワックス等を単独又は二種以上混合して用いることができる。
トナーは、その他の添加剤を含有してもよい。良好な画像を得るためには、トナーに流動性を付与することが好ましい。このためには、一般に流動性向上剤として、疎水化された金属酸化物の粒子、滑剤等の粒子を添加することが有効であり、金属酸化物、樹脂、金属石鹸等の粒子を添加剤として用いることができる。添加剤の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛等の滑剤、酸化セリウム、炭化ケイ素等の研磨剤、表面を疎水化したSiO、TiO等の無機酸化物等の流動性付与剤、公知のケーキング防止剤及びそれらの表面処理物等が挙げられる。トナーの流動性を向上させるためには、特に、疎水性シリカが好ましく用いられる。
トナーの重量平均粒径は、3.0〜9.0μmであることが好ましく、3.5〜7.5μmがさらに好ましい。なお、トナーの粒径は、コールターカウンター(コールターカウンター社製)を用いて測定することができる。
また、トナーの平均円形度は0.90〜0.99であることが好ましい。この範囲を満足するトナーは流動性が良くなる。平均円形度は、フロー式粒子像分析装置、例えばFPIA−2000;シスメックス社製を用いて測定できる。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。しかしながら、本発明は下記実施例などに拘束されて限定解釈されるべきではない。
−トナーの作製例1−
・樹脂:ポリエステル樹脂 100重量部
(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、テレフタル酸、コハク酸誘導体から合成されたポリエステル)
・着色剤:銅フタロシアニンブルー顔料 3.5重量部
(C.I.ピグメントブルー15:3、Lionol Blue FG−7351:東洋インキ社製)
・帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 5重量部
(ボントロンE−84、オリエント化学社製)
・離型剤:低分子量ポリエチレン 5重量部
上記原材料をミキサーで充分に混合し、その後、2軸押出し機を用いて、バレル温度100℃、混練機回転数120rpmで溶融混練した。
得られた混練物を圧延冷却後にカッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、平均粒径が6μmの粒度分布に分級して、トナー1を得た。
−トナーの作製例2−
トナーの作製例1と全く同じ方法で得られたトナー母体粒子100重量部に対して、以下の混合機を用い下記の混合条件にて添加剤を混合し、トナー2を作製した。
添加剤:シリカ微粉末(R972;日本アエロジル社製) 0.5重量部
混合機:θコンポーザ
混合回転数:1500rpm
混合時間:150sec
−トナーの作製例3−
トナーの作製例1と全く同じ方法で得られたトナー母体粒子100重量部に対して、以下の混合機を用い下記の混合条件にて添加剤を混合し、トナー3を作製した。
添加剤:シリカ微粉末(R972;日本アエロジル社製) 1.5重量部
混合機:θコンポーザ
混合回転数:1500rpm
混合時間:150sec
上記のように作製したトナー1〜トナー3をSEM用導電性カーボンテープで導電性基板上に固定し、SPM装置のステージに設置した。この際、導電性基板端部をアースに接続した。
次に、SPM装置ステージに設置された導電性基板上のトナーをマイクロスコープで観察して評価トナーを選択し、SPM測定領域のほぼ中央にくるように位置を調整してからトナーの表面電位を計測し、マッピングを行なった。このときトナー1、トナー2またはトナー3を含む導電性基板上の表面電位を測定する範囲は10μm×10μmとし、スキャンレートは0.3Hzとした。
10μm×10μmの測定範囲内でマッピングされた表面電位データを所定の表面電位で区切ったヒストグラムを図1〜3に、それぞれ示す。
次に、同時に得られる測定範囲内の高さ情報を元にして、マッピングされた表面電位データからトナー表面部分にあたる表面電位を抜き出し、トナーの表面電位と導電性を有する基板の表面電位との差の頻度を求めた。トナー1〜トナー3によるトナーの表面電位と導電性を有する基板の表面電位の差と頻度との結果を、表1に示す。なお前記した表面電位データの所定の表面電位での区切り(表面電位差の区分( V))と、その代表値( V)を、それぞれ表1の第一の欄と第二の欄に示す。
Figure 0005454210
表1で得られたトナー1〜トナー3による表面電位の差a(本例では代表値を用いた)と、その差aと頻度(度数)bとの積a×b値をそれぞれ横軸と縦軸にプロットした結果を、図4のグラフに示す。
図4のグラフから、積a×bが最小ピークとなるaの値を読取ると、トナー1が−0.16 V、トナー2が−0.24 V、トナー3が−0.4 Vであった。
《キャリアの作製》
Fe、CuO、及びZnOからなる混合物を、湿式ボールミルを用いて粉砕物の粒子径が1μm以下になるように粉砕した。
このようにして得られた粉砕物にポリビニルアルコールを添加し、次いで、スプレードライヤーにより造粒を行なった。この造粒物を電気炉で焼成した後、解砕し、分級し、粒度調整して芯材1を得た。この芯材1の成分分析を行なったところ、Feが46mol%、CuOが27mol%、ZnOが27mol%であった。
次にこの芯材1に以下の被覆膜形成材料を用いて被覆膜形成溶液を調製した。
(被覆膜形成材料)
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコン樹脂溶液 65.0部
[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
上記被覆膜形成材料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコン樹脂をブレンドした被覆膜形成溶液を得た。
次に、芯材1に対して上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、重量平均粒径37.5μmのキャリアを得た。芯材の被覆樹脂の膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。
〈二成分現像剤の作製〉
トナー1〜3と上記キャリアを用い、キャリア100重量部に対しトナー7重量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し現像剤を作製した。
上記二成分現像剤を用いてデジタルカラー複写機・プリンタ複合機(イマジオカラー4000、株式会社リコー製)で画像を形成し、ドット再現性を目視にて評価した。評価は5段階のランク評価とし、ランク1が最も悪く、ランク5が最も良いとした。結果を表2に示す。
Figure 0005454210
本発明のトナーの表面電位の測定・評価方法を用いることにより、トナー表面位と基板表面電位の差の積算値からの図4に示すような表面電位の最小値が、表1におけるドット再現性評価と、合致していることが認められた。したがって本発明のトナーの表面電位の測定・評価方法が、トナーを製造する際に用いられることが判った。
日本画像学会標準 トナー帯電量測定法(ブローオフ測定法:日本画像学会誌 第37巻 学会創立40周年記念増刊号)

Claims (6)

  1. 導電性を有する基板に固定された、少なくとも樹脂と顔料からなるトナーの表面電位をSPM(Scanning Probe Microscope)法により評価する方法において、
    前記トナーを含む前記導電性を有する基板上の定められた範囲におけるトナーの表面電位を測定し、得られた測定値を基にトナー表面電位と導電性を有する基板の表面電位との差の頻度を求め、さらに前記トナー表面電位と導電性を有する基板の表面電位との差と、前記頻度との積を求めることを特徴とするトナーの評価方法。
  2. 前記トナーを含む該導電性を有する基板上の10μm×10μmの範囲におけるトナー表面電位と該導電性を有する基板の表面電位との差が−10 V〜10 Vの範囲で測定を行うことを特徴とする請求項1に記載のトナーの評価方法。
  3. 前記トナーを含む該導電性を有する基板上の定められた範囲の表面電位を測定する際のスキャンレートが0.01〜2Hzの範囲で行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトナーの評価方法。
  4. 前記SPM法による測定が、走査型ケルビンフォース法を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のトナーの評価方法。
  5. 前記トナー表面電位と導電性を有する基板の表面電位との差と、前記頻度との積から前記トナーの表面電位の最小ピーク値を求め、前記最小ピーク値を用いて該トナーの評価を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナーの評価方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の評価方法を用いることを特徴とするトナーの製造方法。
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