JP5449679B2 - 電子線観察装置および試料観察方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子線を用いて試料の像を観察する装置及びそれを用いた像観察方法に係るものであり、更に詳しくは対物レンズ内に生じた磁場の中でも、試料より電子線進行方向の上流側の磁場を試料像の結像に利用するものである。
電子線装置に用いられるレンズには、電界によってレンズ効果を得るものと磁界によって同様な効果を得る2通りの方式のものがあるが、現在市販製品として出回っている電子顕微鏡の場合では、その殆どが後者の方式のもので、電磁レンズと呼ばれている。これら電子線装置に組み見込まれる電磁レンズの中でも透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(SEM)の対物レンズは装置の性能を決める重要な要素である。
図1に一般的な磁界型対物レンズの構成を模式的に示した。主な要素は磁極片(1)、コイル(3)、磁路(4)の3つである。レンズの性能(=空間分解能)を主に制約する球面収差の量は、焦点距離に比例して大きくなる。そのため、実際に使用する場合には、コイル(3)の励磁電流を大きくし、磁路(4)及び磁極片(1)を構成する素材の飽和磁場程度の磁場を発生させ、焦点距離の短い条件で使用する。その際、対物レンズより下流側(ここで紙面の上側を上流側、下側を下流側とする。)のレンズの収差を低減させるためには、対物レンズで結ぶ像の拡大率を100倍程度にすることが一般的である。これを実現させるには、対物レンズ〜物面の距離も焦点距離程度にする必要があるため、試料(2)は対向する磁極片(1)の間の磁場中に置く必要があった。結像に寄与するのは両磁極片の間に形成された磁場なかでも試料後方の磁場であり、試料はこの磁場中に浸漬された状態で観察することになる。
試料前方の磁場は走査透過型電子顕微鏡(STEM)では微小電子スポットを形成(クロスオーバーの像を試料上に縮小投影)に、収束電子線回折(CBED)においては大角度の収束電子線の形成に、蛍光X線分光(EDS)、エネルギー損失分光(EELS)など分析手法においては分析領域の微小化に、そして、TEMにおいては平行照明実施のために利用されている。これら従来技術の一例として平行照明を形成した場合の幾何光学系図を、試料前方の対物レンズ磁場によって生ずるレンズを、独立した前方磁場レンズ(10)として明示的に描き、図18に示した。図18において、コンデンサレンズ(5)に入射した電子線はコンデンサレンズ(5)によって、前方磁場レンズ(10)の前側焦点面にクロスオーバースポット(6)を結ぶ。この条件では、前方磁場レンズ(10)の後方(電子線進行方向下流)の電子線は、前方磁場レンズ(10)から無限遠方の位置にクロスオーバースポットを結ぶように作用するため、結果的に平行照明となる。広い範囲を平行照明可能であることは、より細かな情報を結像に寄与させるという観点から、高分解能観察の面では非常に有利である。
これらの利用方法から明らかなように、試料前方の磁場は、試料の電子線の進行方向の上流側に位置する、照射光学系の一部として考えられるに留まっているのが現状である。
このような電磁レンズの使用法は前記特長を有する反面、次のような課題も抱えていた。
(1)TEMの場合には原子オーダーの空間分解能を有するため、結晶格子像の観察によってサブナノメートルオーダーの高い精度での空間計測が可能である。しかしながら、数万〜10万倍程度の中間倍率領域では、電磁レンズのヒステリシスが原因で電子光学系の再現性が不十分で、また、こうした倍率範囲の校正に適した安価で大量生産された標準試料が無いため、空間的な大きさが既知ではない試料では、寸法計測精度が不十分である。
(2)また、対物レンズの倍率が高くなり、電子顕微鏡全体として数十〜百万倍の倍率の実現は容易になる一方で、光学顕微鏡と電子顕微鏡との過渡的範囲の倍率(x200〜2000)を実現させることが難しくなった。前記条件を実現させるには、対物レンズより電子線の進行方向下流側のレンズの倍率を低く抑える、もしくは縮小系(レンズ倍率<1)となるようにレンズを組み合わせて使用する以外に対策はなく、像歪や収差の影響の大きい状態での使用を強いられる。また、こうした条件は先述の高倍率での観察とはレンズの使用条件が大きく異なるため、全てのレンズの軸を合致させることが困難な場合が多く、観察時の電子光学系の調整には特別な技術を必要としている。
(3)また、試料を磁場中に置くため、試料が磁性体の場合には磁場による試料への影響が避けられない。この影響を防ぐため、従来は、対物レンズを使用せず、対物レンズより下流側のレンズで結像する対策が採られてきた。この手法は装置側への改造を要しないため、TEMによる磁性体の観察に古くから用いられてきたが、結像を担うレンズの極端な長焦点化と倍率低下に伴って、最終的な観察像の空間分解能の低下は避けられなかった(非特許文献 1)。
また、対物レンズの磁路から電子線進行方向の上流側の離れた位置へ試料位置を移動し、且つ試料周辺に磁気シールドを設けるといった対策も提案されている(特許文献 1)。特許文献 1は装置本体に対して、新規の試料保持装置を挿入するためのポートの増設を伴うが、試料が受ける磁場の影響を低減するばかりではなく、試料位置の移動によって、前項にて述べた対物レンズの倍率を抑えるという面でも有効である。しかしながら、特許文献 1には具体的な試料位置の移動量、移動に伴う倍率の変化については明示されていない。この他にも、試料周辺の磁場を低減する特殊な形状の磁極片を組み込む特許文献 2や非特許文献 2などの手法も磁場の影響を受けない効果を得ることが可能である。しかし、これらの対策では、観察対象に対応した特殊形状を有する磁極片を、新たに製作し、従来の磁極片と交換する必要がある。
特開平6−283128号公報 特開2005−32588号公報 M. E. Hale, H. W. Fuller, and H. Rubinstein , ; Journal of Applied Physics , vol.30 , p789 , (1959) T.Hirayama , Q.Ru , T.Tanji , A.Tonomura , ; Applied Physics Letters , vol.63 , p418 , (1993)
TEMの対物レンズは磁極内に形成する磁場の大きさによって、物理的には一つのレンズでありながら、あたかも複数枚のレンズであるかのような働きをする。本発明では、この性質を活用し、異なる位置に配置した2個の試料を同時に、もしくは各々の試料の正焦点像を、通常の対物レンズ条件を大きく変えることなく観察するものである。以下に、対物レンズの結像原理の理論について詳細を説明する。
軸対称な磁場中での電子線の近軸軌道方程式は、対物レンズの磁極間に形成される磁場Bz(z)を(式1)に従う吊鐘状(bell shape)分布と近似すると、(式2)のように表される。更に(式2)は(式3)で示されるレンズ定数k2と(式4)を用いて簡単化すると、(式5)として表すことができる。
ここで、zは試料位置を原点とした光軸の座標、B0は最大値、dBellは磁場分布の半値幅である。ただし、z = 0で最大磁場強度となるとしている。
ここで、rは光軸からの動径方向距離、zは試料位置を原点とした光軸の座標、e、mはそれぞれ電子の電荷と質量、Vは電子線に与えたポテンシャル(加速電圧)である。
ここで、r0は磁場中へ入射位置での光軸からの動径方向距離、またz = ∞でφ= 0の境界条件を用いている。
図2(1)は(式1)に基く磁場分布を破線で、図2(2)は(式5)に基く電子線の軌道を実線で示した計算結果である。図2(1)(2)とも横軸は磁場分布の半値幅dBellで規格化した光軸上の距離を、各図の縦軸は、図2(1)が磁場の最大値B0で規格化した磁場を、図2(2)が光軸からの動径方向の距離を磁場中へ入射位置での光軸からの動径方向距離r0で規格化した数値を示している。
図2(2)より、磁場強度がゼロ(k2 = 0)のとき電子線は直進するが、k2が大きくなるに従って電子軌道は光軸と交わるようになり、k2 = 3では、電子軌道は磁場分布の対称位置(中心位置)で光軸と交わった後、光軸と平行に磁場領域から出射する共焦点型の光学系となることがわかる。このような特殊な条件は、ω2 = 1, 2, 3…すなわち、k2 = 0、3、8、15…で生じる。
図3はこのうちのk2 = 3、8、15の場合の様子を、焦点距離f1〜f6の6種類のレンズを用いて模式的に示したものである。(1)k2 = 3の磁場強度とし、試料をレンズ磁場の中心に配置した状ときに、光軸に平行な電子線で照射した場合には試料位置で電子線がクロスオーバースポットを結ぶSTEM、またはCBED用の照射条件が得られ、上流側レンズの前側焦点位置にクロスオーバースポットを結ぶような条件で照射した場合には、試料への入射電子線が光軸平行となる平行照明が実現される。
上記同様に光軸と平行な電子線が入射した場合には、入射電子線はレンズ磁場外へ出射するまで(2)k2 = 8では2回、(3)k2 = 15では3回のクロスオーバースポットを結ぶ。これらからわかるように、対物レンズは、磁極内に形成する磁場の大きさによって、物理的には一つのレンズでありながら、あたかも複数枚のレンズであるかのような働きを示す。
本発明を適用した場合には、異なる位置に配置した2個の試料の正焦点像を、通常のTEMの対物レンズ条件を大きく変えることなく同時に観察することが可能となる。この性質を応用して、一方の試料に空間的大きさの既知である構造を持った物質を用い、双方の試料を観察することによってTEMを用いた試料の寸法計測が可能となる。
また、一方の試料を対物レンズ上流側に配置することにより、この試料を観察する場合には対物レンズ内に縮小光学系を形成することが可能で、対物レンズの実効的な倍率を低く抑えることが可能となる、これにより、従来実現が困難であった低倍率観察をレンズ条件を大きく変えることなく可能とできるため、簡便に光学顕微鏡と電子顕微鏡との過渡的な倍率の条件を実現することができる。
さらに、試料位置の一方が、電子線進行方向の上流側で対物レンズの磁路外の場合には、対物レンズの磁場からの影響を回避できるため、磁性体試料の観察にも適用可能である。また、この場合には、磁極片やコイルなどの空間的制約からも解放されるため、蛍光X線或いは二次電子捕獲のための検出器の取り込み立体角を大きく取ることも可能となる。更に、この空間を利用して試料への電場・磁場の印加、冷却・加熱、傾斜・回転、圧縮・引張りなど多彩な環境を作り出すことも可能となり、幅広い応用実験に供することができる。
(実施例1)
図4は、本発明を適用したTEMの配置を模式的に示したものである。電子銃(15)は先端を先鋭化した針状タングステン単結晶から構成される電子源(16)と、それと対抗する位置に置かれる引き出し電極(17)とグラウンド電極(19)及び引き出された電子を加速するための加速管(18)から構成される。引き出し電極(17)は外部に設けた引き出し電源(28)により高電圧が印加可能であり、電子源(16)との間に-3.0〜-2.5kV程度の電圧を印加することで電子を引き出すことができる。加速管(18)には引き出された電子を加速するための加速電圧が加速電圧電源(29)より供給される。電子銃(15)から出射した電子線はアライメントコイルを含んだ中間室(20)及びコンデンサレンズ(5)にて所望の照射条件に設定され、試料ホルダ(試料保持装置)(14a) または (14b)のどちらか一方、もしくは両方の先端に置かれた試料A(2a) または B(2b) のどちらか一方、もしくは両方を照射する。これらの試料ホルダ(14a)と(14b)には、電子線の光軸への挿入機能及び光軸に対して垂直な面内で移動できる機構を備えていることが望ましいが、試料ホルダ(14a)に限れば、既設の試料への電子線照射によって発生する2次電子の上方散乱を抑制するための絞りがある場合には、絞り挿入軸の先端に試料を載置可能な製作物を取付け、試料ホルダ(試料保持装置)と絞りとを兼ねても良い。
対物レンズ(12)での結像過程の詳細は後述する。
対物レンズ(12)より電子線進行方向の下流側に位置する中間レンズ(22)及び投射レンズ(23)では、制限視野(Selected Area:SA)絞り(21)面上での像を順次拡大するために用いられる。これら全ての電磁レンズはレンズ電源(30)によって電流を供給されている。また、レンズ電源(30)は制御部(31)へと接続されており、制御部(31)ではオペレータからの命令信号(32)を実行すると共に常時出力を制御している。最終的には前記光学系によって拡大された像を観察窓(24)から直接、あるいはテレビカメラ(26)によって撮影された像をテレビモニタ(27)を介してオペレータが観察する。ここで、テレビカメラ(26)の代わりに高精度のCCDカメラを用いても良い。これら映像のの出力信号は画像処理用PC(45)にも入力され、リアルタイムで画像の計算処理を行うことが可能となっている。観察される画像は写真フィルム(25)を用いて記録することも可能である。以上が基本となる電子顕微鏡本体(34)となる。
対物レンズ(12)内部の磁極片(図示されず)の間隙に生成される磁場は、対物レンズ(12)の磁路を構成する材質に大きく依存する。現状でこの値は2[T]程度であり、これはk2 < 3に相当する。k2 < 3の条件ではk2 = 3に達していないため、対物レンズは図3(1)に示す共に焦点距離の等しいレンズ(共焦点条件)ではなないものの、焦点距離の異なる2枚のレンズが、恰も存在するかのように振舞う。以降の図では対物レンズを構成する、これらの2つのレンズを、電子線進行方向の上流側のレンズを前方磁場レンズ (10,Pre-Specimen Field Lens:以降PRE)、下流側のレンズを後方磁場レンズ (11, Post-Specimen Field Lens:同PST)として図示している。
まず、最も代表的な対物レンズ(12)の使用例を、図5を用いて説明する。図5では試料ホルダ(14b)に載置された試料B(2b)の像を結ぶ過程を示している。
コンデンサレンズ(5)に入射した電子線は、レンズ後方で一度クロスオーバースポット(6)を形成し、試料B(2b)を照射する。試料B(2b)後方へ伝播する散乱及び透過電子線は、PST(11)によって、像面であるスクリーン(13)へ結像する。一般的な電子顕微鏡の場合にはスクリーン(13)の位置が、SA絞り面と等しくなるように設計されている。
図6では、試料ホルダ(14a)に載置された試料A(2a)のみの場合の結像過程を示している。この時、対物レンズ(12)の励磁電流は、前記の試料B(2b)像をスクリーン(13)へ結像させた状態を維持しておく。図5同様、コンデンサレンズ(5)に入射した電子線は、レンズ後方で一度クロスオーバースポット(6)を形成し、試料A(2a)を照射する。試料A(2a)後方へ伝播する散乱及び透過電子線は、まずPRE(10)によって試料B(2b)の載置位置の面上(8)に転写像(9)を結ぶ。
この時、PRE(10)の焦点距離(fPRE)と、試料A(2a)からPRE(10)の主面までの距離(= aPRE)、PRE(10)の主面と試料A(2a)の像面(9)までの距離(= bPRE)の関係は、レンズの公式(式6)が成立しているものとする。
写像(9)の転写倍率は、PRE(10)と試料A(2a)との配置に依存するが、後述する寸法計測や低倍率観察、磁性材料の観察を考慮すると、1/30〜1/5程度が望ましい。PRE(10)の焦点距離(fPRE)は、k2 < 3の条件から、PST(11)の焦点距離fPSTよりも大きくなると考えられるが、実際にはその差は小さく、凡そfPSTと同程度(〜2mm)と考えても良い。つまり、aPREをfPSTの5〜30倍の10〜60mm又は10〜60mm程度にすれば、転写像(9)の転写倍率(1/30〜1/5)が実現される。すなわち、試料A(2a)の試料載置面とPRE(10)の主面までの距離が10〜60mmとなるように試料載置面とPRE(10)を発生させる対物レンズの磁場強度を調節することで上記倍率が実現される。
この結像条件のまま、試料A(2a)及び試料B(2b)を各々の載置位置(8) (9)に置いた場合を図7に示す。この場合には、試料A(2a)及び試料B(2b)の双方の正焦点像がスクリーン(13)へ転写される。つまり、物理的には1枚の電磁レンズでありながら、異なる位置に置かれた2個の試料について、結像が可能な電子光学系となる。図3(1)は、k2 = 3の場合の幾何光学系の模式図であり、試料A(2a)及び試料B(2b)の双方の像が正焦点を結ぶことは自明ではない。そこで、検証実験の結果を図8に示す。試料A(2a)、B(2b)には両方とも463nmピッチの正方格子カーボングレーティングを用いた。試料A(2a)の463nmピッチの正方格子像(35)と共に、試料B(2b)の像(Dashed-Lineで囲んだ拡大率の大きな像)とが重畳して観察された。図中の試料B(2b)の像が短辺/長辺が349/463nmのやや歪んだ像となっているが、これは光軸に対して49°程度傾斜させたためである。この試料傾斜は本発明とは何ら関わりが無い。この実験結果によって、試料A(2a)及び試料B(2b)の双方の像が同時に観察可能なことが確認された。
図9は図7の試料A(2a)として空間的大きさ(パターンの幅)或いは周期構造が既知の物質を用いて、試料B(2b)の寸法計測に本発明を適用した例の結像過程を示している。図中では試料A(2a)を破線で示している。PRE(10)によって試料A(2a)の像(9)が試料B(2b)上に転写され、更に、PST(11)によって試料A(2a)と試料B(2b)の重畳した二つの像がスクリーン(13)に結像される。試料A(2a)のスクリーン(13)上での転写倍率が測定されれば、この空間的大きさ(パターンの幅)或いは周期構造の像のスクリーン(13)上でのパターン等の幅を知ることができるので、この像をスケールとして用い、試料A(2a)の寸法を計測することが可能となる。また、この転写倍率が既知であって、2つの試料の載置位置のうち、どちらか一方に空間的大きさ(パターンの幅)或いは、周期構造が既知の試料が挿入されている場合には、空間的大きさの未知である試料の載置位置は空いた一方の何れでも構わない。
このような寸法計測法は、対物レンズ(12)の電流値が双方の試料の正焦点条件に固定され、スクリーン(13)の位置も変動しないため、対物レンズ下流側の拡大レンズ系の条件(倍率)変化に起因する測定誤差を生じない。そのため、寸法計測の際に倍率変化の頻度が高い場合であっても、磁気ヒステリシスの影響などの装置起因の測定誤差を低く抑えられる。
また、図8より、試料A(2a)の像を試料B(2b)の載置位置(9)に結像した際の、転写倍率の測定方法も説明できる。すなわち、試料A(2a)、試料B(2b)の双方に、既知の等間隔周期構造を持ったカーボングレーティングなどを用いて観察し、重畳した2個の試料の像の相対的な倍率を図ることにより転写倍率の測定が可能である。両試料が正焦点で観察できれば、対物レンズの下流側のレンズ系の倍率は任意でよい。図8の場合には、試料A(2a)の像が1/22の倍率で試料B(2b)の載置位置(8)に結像した。これより、図8の試料A(2a)の像(35)は試料B(2b)の面上では463/22=21nmピッチのスケールに対応し、これを利用して試料B(2b)の寸法を計測することができる。
図8で示した実験結果のように、試料A(2a)の像の試料B(2b)の面への転写倍率が縮小光学系となる光学系に設定した場合には、そもそもサブミクロンオーダーのスケールであったものを、高い精度を持つ数十ナノメートルオーダーのスケールとして利用することも可能となる。そのため、このような範囲の校正に適した標準試料が手元に無い場合にも本実施例を適用することが可能である。
ここで、従来、光学顕微鏡と電子顕微鏡との倍率の過渡的範囲に当たる低倍率観察(x200〜2000)を実現させるには、対物レンズと、これより下流側のレンズの組み合わせで倍率を低く抑えてきた。その理由は、通常の市販装置の場合、対物レンズの倍率だけでも凡そ100倍程度になることに加え、図4にて示した投射レンズ(23)は、像面に対応する蛍光板或いはテレビカメラ(26)の撮像面との距離が大きく、倍率も高くならざるを得ないからである。しかしながら、このような対策によって得られる条件は、通常の使用条件と大きく異なり、電子顕微鏡全体のレンズの光軸もずれてしまうため、これを改めて調整することは操作者には特別な技術を要する。
図7の状態で何れかの試料を光軸からはずした場合には、光軸上に残された試料のみの観察となる。図10はこうした状態の結像光学系を示しており、PRE(10)によって載置位置(7)の試料A(2a)の像を試料B(2b)の載置位置の面上(8)に像(9)を転写している。この場合は対物レンズ(12)の使用条件が通常の観察条件(PST(11)の物面が試料載置位置(8))と変わらない上、PRE(10)の転写倍率が1より小さくなるため、容易に低倍率の観察条件を実現することが可能となる。すなわち、操作者にとっては、電子顕微鏡全体のレンズの光軸がずれることなく、低倍率での観察が可能となり、ユーザーフレンドリー面で非常に使い勝手の良い観察方法となる。
(実施例2)
図11は磁性材料の磁区構造の観察に本発明を適用した例を示すものである。対物レンズ(12)外側の試料位置(7)の試料A(2a)のみを光軸上に残し、この位置でレンズ磁場の影響が無視できる程度に小さい場合には、磁性体試料をこの位置に置き、あたかも通常の試料位置(8)に試料が配置されているかのごとく観察することが可能である。図11は磁区構造観察のためのローレンツ顕微鏡法を示すものである。ローレンツ顕微鏡法とは、通常のスクリーン(13)上の正焦点像(46)からは試料の磁気的情報が得られないため、スクリーン(13)を デフォーカス量(47)ずらした面で、磁区の境界線(磁壁)を白黒のコントラスト(48)として観察する手法である。
対物レンズ電流を極端に減少させても、同様な観察法は可能である。しかしこの場合、PRE(10)の効果が微弱、或いは全く無い状態での使用条件となり、対物レンズ(12)以下のレンズの光軸は大きくずれてしまう。そのため、操作者に対してはレンズ条件を変える毎に各レンズ軸の調整を強いることとなり操作者には特別な調整技術を要する。本実施例は、現実には試料位置が通常の場合から大きく遠ざかっているのに関わらず、通常と同様の対物レンズ(12)の使用法での観察が可能で、上記の特別な調整技術が不要で、ユーザーフレンドリーの面でも非常に使い勝手の良い磁性体試料の観察方法を提供するものである。
(実施例3)
本実施例は、対物レンズの上方に置かれた試料周辺の空間が対物レンズ磁極片によって制約されないことを有効に利用するものである。概要を図12に示す。これら実施例では、対物レンズ(12)直上の試料室(33)に試料ホルダ(14a)を配置する。試料室(33)内部には、空間を制約する装置、機構が特に無いため、有効に空間を利用することができる。図12はX線の検出器(37)を該部に挿入した例である。この検出器は従来、対物レンズの磁極片(1)近傍に挿入され空間的な制約を受けていた。そのために、X線の取り込み角を大きく取れず、微量のX線量から高精度な分析を行うためには積分時間を長く取らざるを得ないと言う欠点があった。本実施例では、この取り込み角を大きくすることが可能となり、分析に要する時間の短縮が可能となる。また、図12では図示してはいないが、空間の空き具合によっては従来型の円錐状のX線検出器に代わって円環状のX線検出器(Annular shape X-ray Detector)を用いることも可能で、その場合には更なる分析時間の短縮化も可能である。該部に挿入される機器は、前記X線検出器の他、二次電子あるいは反射電子の検出器であっても同様の効果を得ることが可能である。
上述とは別の試料室(33)内部の空間を利用する方法について説明する。試料を傾斜、回転させる場合でも空間的制約が無くなる。そして、図13は、試料ホルダに光軸と直交する軸を中心に回転可能な機構を設けた例である。図13は図12の試料ホルダ(14a)の試料載置部(38)を拡大し、模式的に示したものである。試料(2a)はニードル(40)の先端に金属蒸着法などで固定される。ニードル(40)は回転機構(39)によって回転可能であり、更にニードル(40)及び回転機構(39)を載置するベース(41)も回転させることができる。本発明によれば、空間的制約が無いため、試料ホルダ(14a)も軸中心に傾斜させることが可能であり、ニードル(40)先端に固定された試料(2a)に対して任意能方位から電子線を入射させることが可能となる。これにより、例えばTEMを用いたトモグラフィー観察における、画像取り込み不能角度(missing wedge)の問題を回避することが可能となる。
上述とは別の試料室(33)内部の空間を利用する方法について説明する。本実施例は試料室(33)内の空間に、対物レンズとは異なる外部磁場を試料に印加するための磁場印加装置を設けた例である。図14はこれを模式的に示したものである。磁場印加装置(42)は試料(2a)の三方位(x-y-z)の各方位に磁場を印加するための三組のコイルを有している。試料(2a)へ印加する外部磁場の大きさ及び方位は、各コイルが生ずる磁場ベクトルの合算によって求められる。この機能を利用することによって、磁性体や超伝導体の外部磁場印加による相互作用を観察することが可能となる。
上記磁場印加装置(42)の構成に加え、試料に対して外部から引っ張り或いは圧縮応力を印加することが可能な機構を設ける例である。図15は試料ホルダ(14a)の試料載置部(38)を拡大し、本実施例を実現するための装置構成を模式的に示したものである。試料(2a)の端部とピエゾ素子駆動機構(49)の先端を剛体で接続する。ピエゾ素子駆動機構(49)は、装置の外側に置かれるピエゾ素子駆動機構制御電源(50)によって、試料(2a)に対し、引っ張り或いは圧縮の内部応力を与える。試料(2a)が結晶性を有する場合には、内部応力の変化によって結晶内部に歪が生じ、その結果、転位(dislocation)などの結晶欠陥が生成される。こうした欠陥と磁壁との相互作用の応用観察実験が可能となる。
上記磁場印加装置の構成に加え、試料に対して加熱或いは冷却するための機構を設ける例である。図16は試料ホルダ(14a)の試料載置部(38)を拡大し、本実施例を実現するための装置構成を模式的に示したものである。試料(2a)は温度可変試料台(51)の上に載置する。装置の外側に置かれる試料温度制御装置(52)は温度可変試料台(51)上の試料(2a)の温度をモニターするとともに、この温度の制御が可能である。これにより、試料温度の変化による、物質の磁化特性の変遷過程を観察することが可能となる。
(実施例4)
本実施例は、対物レンズ内に形成される磁場が(式3)で示されるレンズ定数k2=8程度に高くなった場合の本発明の適用例を示す。図17はこの場合の電子光学系を示したものである。
この条件では、対物レンズが図3(2)と同様に4枚のレンズとして働く。この図では、これら4枚のレンズを、第一前方磁場レンズ(10a)、第二前方磁場レンズ(10b)、第一後方磁場レンズ(11a)、第二後方磁場レンズ(11b)として表している。対物レンズ(12)上流のコンデンサレンズは省略した。
この場合、試料は、第一前方磁場レンズ(10a)上流の試料A(2a)、第一前方磁場レンズ(10a)と第二前方磁場レンズ(10b)の間の試料B(2b)、第一後方磁場レンズ(11a)と第二後方磁場レンズ(11b)の間の試料C(2c)、の計3個となる。しかしながら、実際には試料B(2b)と試料C(2c)との距離は極めて近いと予想されるため、例えば試料ホルダ(14b)の表裏など、一つの試料載置機構で2個以上の試料を載置する機構を設ける。この時、載置した複数個の試料を各々個別に微動させることが可能であれば、なお実用上有効であることは言うまでも無い。
試料A(2a)を照射し、試料A(2a)後方へ伝播した散乱波は、第一前方磁場レンズ(10a)によって試料B(2b)と同一の面上に転写像(9a)を結ぶ。更に、試料A(2a)の転写像(9a)と試料B(2b)の後方へ伝播した散乱波は、第二前方磁場レンズ(10b)と第一後方磁場レンズ(11a)を経て試料C(2c)上に各々の転写像を形成する。試料A(2a) の二回目の転写像(9b) と試料B(2b)の転写像(43a)と試料C(2c)の後方へ伝播した散乱波は、第二後方磁場レンズ(11b)によってスクリーン(13)上に3種類の像(9c)(43b)(44)が重畳し結像する。このとき、3種類の像のうち、何れか1つの像が大きさの既知の試料で、対物レンズ内の複数の試料のそれぞれの相対倍率が既知であれば、これを基準に相対的にそれぞれ他方2つの試料の大きさの寸法計測が可能となる。
磁界型対物レンズの模式図。 対物レンズに形成される磁場分布(1)と電子線軌道(2)の計算結果。 k2 = 3 , 8 , 15 の場合の幾何光学図。 (実施例1)の基本構成を示す図。 k2 < 3の場合の試料B(2b)の結像過程を説明するための幾何光学図。 k2 < 3の場合の試料A(2a)の結像過程を説明するための幾何光学図。 k2 < 3の場合の試料A(2a)及び試料B(2b)の結像過程を説明するための幾何光学図。 本発明を寸法計測に適用した実験結果の一例。 本発明を寸法計測に適用した例を説明するための幾何光学図。 本発明を適用した低倍率観察条件の一例を説明するための幾何光学図。 本発明を磁性体試料の観察に適用した一例を説明するための幾何光学図。 試料室の空間をX線検出器の設置に利用した例を示す模式図。 図12における試料載置部分を拡大した模式図。 試料室の空間を磁場印加装置の設置に利用した例を示す模式図。 試料に対して引張り或いは圧縮応力を加える機構を設けた場合の模式図。 試料に対して加熱或いは冷却する機構を設けた場合の模式図。 k2 = 8の場合の試料A(2a)、試料B(2b)及び 試料C(2c)の結像過程を説明するための幾何光学図。 従来技術の一例として平行照明を形成した場合を説明するための幾何光学系図。
符号の説明
(1)…磁極片、(2) …試料、(2a)…試料、(2b)…試料、(2c)…試料、(3)…コイル、(4)…磁路、(5)…コンデンサレンズ、(6)…クロスオーバースポット、(7)…試料(2a)の載置位置、(8)…試料(2b)の載置位置、(9)…試料(2a)の転写像、(9a)…試料(2a)の転写像、(9b)…試料(2a)の転写像、(9c)…試料(2a)の転写像、(10)…前方磁場レンズ、(10a)…第一前方磁場レンズ、(10b)…第二前方磁場レンズ、(11)…後方磁場レンズ、(11a)…第一後方磁場レンズ(11b)…第二後方磁場レンズ、(12)…対物レンズ、(13)…制限視野絞り面、(14a) …試料ホルダ、(14b)…試料ホルダ、(15)…電子銃、(16)…電子源、(17)…引き出し電極、(18)…加速管、(19)…接地電極、(20)…中間室、(21)…制限視野絞り、(22)…中間レンズ、(23)…投射レンズ、(24)…観察窓、(25)…写真フィルム、(26)…テレビカメラ、(27)…モニタ、(28)…引き出し電源、(29)…加速電圧電源、(30)…レンズ電源、(31)…制御部、(32)…制御信号、(33)…試料室、(34)…電子顕微鏡本体、(35)…カーボングレーティングの転写像、(36)…試料微動機構、(37)…X線検出器、(38)…試料載置部、(39)…ニードル回転機構、(40)…ニードル、(41)…ベース、(42)…磁場印加装置、(43a)…試料(2b)の転写像、(43b)…試料(2b)の転写像、(44)…試料(2c)の転写像、(45)…画像処理用PC、(46)…磁性体試料の正焦点像、(47)…デフォーカス量、(48)…磁壁に対応するコントラスト像、(49)…ピエゾ素子駆動機構、(50)…ピエゾ素子駆動機構制御電源、(51)…温度可変試料台、(52)…試料温度制御装置。

Claims (21)

  1. 電子線の光源と、
    前記光源から放出される電子線を試料に照射するための照射光学系と、
    励磁コイルと磁路と磁極片から構成される前記試料の像を結像するための対物レンズと、
    前記試料像を拡大し、観察するためレンズ系と、
    前記対物レンズより電子線進行方向の上流側に配置された、前記光源の光軸上に試料を載置するための第一の試料保持装置の挿入用の第一のポートと、
    磁極片の間に試料を載置するための第二の試料保持装置の挿入用の第二のポートと、を有し、
    前記対物レンズにより発生する、前記第二の試料保持装置の試料載置面より電子線進行方向の上流側の磁場によって、前記第一の試料保持装置に載置された試料の像を、倍率が1/30乃至1/5となるように前記第二の試料保持装置の試料載置面内に結像することが可能となるように、前記第一の試料保持装置と前記第二の試料保持装置が配置されていることを特徴とする電子線観察装置。
  2. 請求項1記載の電子線観察装置において、
    前記対物レンズにより発生する、前記第二の試料保持装置の試料載置面より電子線進行方向の下流側の磁場によって、前記試料載置面内に前記結像された試料の像を拡大させかつ観察するための物面上に結像させることを特徴とする電子線観察装置。
  3. 請求項1記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置および前記第二の試料保持装置に載置された試料のそれぞれが前記光軸に対して垂直な面内で移動可能であることを特徴とする電子線観察装置。
  4. 請求項1記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置が、試料への電子線照射によって発生する2次電子の上方散乱を抑制するための絞りを兼ねていることを特徴とする電子線観察装置。
  5. 請求項1記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置は、載置された試料を前記光軸と直交する軸を中心に回転可能な機構を有することを特徴とする電子線観察装置。
  6. 請求項1記載の電子線観察装置において、
    さらに、前記第一の試料保持装置に載置される試料に対して、前記対物レンズとは異なる磁場を印加するための磁場印加装置を備えることを特徴とする電子線観察装置。
  7. 請求項6記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置に載置される試料に対して、冷却もしくは加熱することが可能な機構を有することを特徴とする電子線観察装置。
  8. 請求項6記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置に載置される試料に対して、引張もしくは圧縮応力を印加することが可能な機構を有することを特徴とする電子線観察装置。
  9. 請求項1記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置の試料載置面と前記対物レンズの上流側の前方磁場レンズの主面までの距離が10〜60mmであることを特徴とする電子線観察装置。
  10. 電子線の光源と、
    前記光源から放出される電子線を試料に照射するための照射光学系と、
    励磁コイルと磁路と磁極片から構成される前記試料の像を結像するための対物レンズと、
    前記試料像を拡大し、観察するためレンズ系と、
    前記対物レンズより電子線進行方向の上流側に配置された、前記光源の光軸上に試料を載置するための第一の試料保持装置の挿入用の第一のポートと、
    磁極片の間に試料を載置するための第二の試料保持装置の挿入用の第二のポートと、を有し、
    前記第一の試料保持装置に載置された第一の試料と前記第二の試料保持装置に載置された第二の試料とが前記光軸上に載置することが可能であり、
    前記第二の試料の像が正焦点となる前記対物レンズの条件を維持した状態で、前記第二の試料保持装置の試料載置面より電子線進行方向の上流側の前記対物レンズの磁場によって結ばれる前記第一の試料の像と、前記第二の試料の像とが同時に正焦点で観察することが可能であることを特徴とする電子線観察装置。
  11. 請求項10記載の電子線観察装置において、
    前記対物レンズの前記第二の試料保持装置の試料載置面より電子線進行方向の下流側の磁場によって、前記第一の試料の像を拡大させかつ観察するためのレンズ形の物面上に結像させることを特徴とする電子線観察装置。
  12. 請求項10記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置および前記第二の試料保持装置に載置された試料のそれぞれが前記光軸に対して垂直な面内で移動可能であることを特徴とする電子線観察装置。
  13. 請求項10記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置が、試料への電子線照射によって発生する2次電子の上方散乱を抑制するための絞りを兼ねていることを特徴とする電子線観察装置。
  14. 請求項10記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置は、載置された試料を前記光軸と直交する軸を中心に回転可能な機構を有することを特徴とする電子線観察装置。
  15. 請求項10記載の電子線観察装置において、
    さらに、前記第一の試料保持装置に載置される試料に対して、前記対物レンズとは異なる磁場を印加するための磁場印加装置を備えることを特徴とする電子線観察装置。
  16. 請求項15記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置に載置される試料に対して、冷却もしくは加熱することが可能な機構を有することを特徴とする電子線観察装置。
  17. 請求項15記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置に載置される試料に対して、引張もしくは圧縮応力を印加することが可能な機構を有することを特徴とする電子線観察装置。
  18. 請求項10記載の電子線観察装置において、
    前記第一の試料保持装置の試料載置面と前記対物レンズの上流側の前方磁場レンズの主面までの距離が10〜60mmであることを特徴とする電子線観察装置。
  19. 電子線の光源と、
    前記光源から放出される電子線を試料に照射するための照射光学系と、
    励磁コイルと磁路と磁極片から構成される前記試料の像を結像するための対物レンズと、
    前記試料像を拡大し、観察するためのレンズ系と、
    前記試料像を表示する表示装置とを有する装置において、
    前記光源の光軸上に第一のパターンを含む第一の試料と第二のパターンを含む第二の試料とを載置する工程と、
    前記対物レンズにより発生する、前記第二の試料より電子線進行方向の上流側の磁場によって、前記第一の試料の像を前記第二の試料表面に結像させることにより、前記表示装置に前記第一および前記第二のパターンを表示させる工程と、
    前記第一および前記第二のパターンを比較することにより、一方のパターンの幅を測定することを特徴とする電子線観察装置を用いた試料観察方法。
  20. 請求項19記載の試料観察方法において、
    前記対物レンズにより発生する、前記第二の試料より電子線進行方向の下流側の磁場によって、前記第二の試料表面に結像された前記第一の試料の像を拡大させかつ観察するための物面上に結像させる工程とを有することを特徴とする電子線観察装置を用いた試料観察方法。
  21. 請求項19記載の試料観察方法において、
    さらに、前記表示装置に表示される前記第一のパターンと前記第二のパターンとの相対的な倍率を求める工程とを有することを特徴とする電子線観察装置を用いた試料観察方法。
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