JP2005032732A - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】
SEMをベースにしたSTEMによりTEMの分解能に相当しかつSEMの使い易さをもって試料の内部構造を立体的に観察することを可能とする。
【解決手段】
電子源1と,前記電子源1を200kev程度に加速する電源と軸調整用電子銃偏向器と、電子ビームを収束し走査して試料に照射する電子光学手段と共用試料ホルダとインレンズ構造の対物レンズと、二次荷電粒子を検出する検出器からなる走査電子顕微鏡である。
走査透過像の観察において,目的とする観察部分のコントラストを検出散乱角度範囲を選択することによって向上することができ,結像パラメータを計算機が自動解析して構造解析,組成解析時に使用でき,2次電子像,反射電子像から試料の内部構造をμmオーダで立体的に観察することができる。
【選択図】 図1

Description

走査電子顕微鏡の操作性を有し、透過電子顕微鏡程度の分解能が得られる通称STEMと言われている走査透過電子顕微鏡に関する。
従来の透過電子顕微鏡装置(TEM)をベースした走査透過電子顕微鏡装置(STEM)については特開昭52−16160に開示されている。また、透過電子顕微鏡装置(TEM)をベースした走査透過電子顕微鏡装置(STEM)であってかつ二次電子検出器に関する記載については特開昭57−36763に開示されている。電子光学系の軸合わせについてはTEMベースのSTEMでは蛍光板で暗室で調整していた。
特開昭52−16160号公報 特開昭57−36763号公報
従来のTEMの分解能を持ちながらSEMのような操作の容易な電子顕微鏡装置が要望されていた。TEMをベースにしたSTEMであると、試料を透過した透過電子による回折像を結像するための電子光学系が複雑に関係し装置の高さが2m50程度と大きくなり設置場所の制約もあった。また、像の観察を蛍光板で行う事もあり暗室のような暗い部屋を必要すること、更にまたTEMでは、電子光学系の軸調整においてもベテランの人の調整を必要とした。SEMベースのSTEMては拡大光学系がないため軸合わせがてきなかった。試料の作成及び取り付け及び装置への操作の指示が画面で行われていなく不便さがあり操作性の点で問題があった。
上記目的を達成するために,SEMをベースにしたSTEMにより解決をはかった。即ち、電子源にはTEMの電子源及び加速手段と、電子銃偏向手段と、試料に一次電子線を絞って走査して照射する電子光学系と、試料から透過または反射してくる2次荷電粒子を検出する検出器と、試料を透過した回折像を得るための後磁場対物レンズと、デジタルデータを電子光学系及び検出器に与えるためのD/Aコンバータと、検出器からの信号を画像に変換し記憶する記憶装置とから成る走査透過電子顕微鏡装置にある。
また、一次電子線に影響を与えることなく二次荷電粒子線を検出器の方向へ導びきだすために電界と磁界がクロスした偏向器を用いて行う構成としている。また、試料の測定したい位置を確実にするため試料の表面及び裏面の両方の面から測定できるように試料ホルダに試料回転機構を有した構成としている。更にまた、この装置を用い、濃度の高低に対応してコントラストが変化することを利用し予め校正曲線を求め内挿法で未知の材料の濃度を特定する。一次電子線を200KV程度に加速し試料に走査しながら照射し、試料からの二次荷電粒子を検出して奥行き感のある透過像を得る。
従来熟練を要する軸合わせ調整が本願発明により不要となり利用への負担が軽減され、かつ測定観察時間の高速化が図れた。更に本発明によれば,投影レンズの電流励磁を変化させることにより検出散乱角度範囲を選択でき,走査透過像の目的とする観察部分のコントラストを向上することができる。これにより、0.4nmの分解能をモニター上で得ることが可能であり、明るい部屋で操作観察を行い、画像記録が可能となるため、暗室は不要となる。また、半導体デバイスのゲート酸化膜のような絶縁膜を従来のTEM法より、高いコントラストで観察することができる。更に、超薄膜構造の直接計測をナノメーターオーダーで可能とした。一方、本願の如くPC(パーソナルコンピュータ)を用いて制御しているため、デジタル画像で画像の通信やファイリング、コメント入力、測長、プリンター印刷などの指示を画面から行うことができ操作性が向上した。更に取得画像においては、投影レンズの電流励磁によって決まる結像パラメータをCPUが自動解析し,画像と共に記録を残し,その後の構造解析,組成解析時に撮影時の結像パラメータとして設定されるので,精度の高い解析ができる。電子線を高加速にして2次電子像,反射電子像を観察し,試料の内部構造をμmオーダで奥行きの感じられる像として観察することができる。高加速入射電子による2次電子像,反射電子像と走査透過像を組み合わせて試料加工時に加工量と加工方向の判断をすることができる。
以下,SEMをベースにしたSTEM(走査電子顕微鏡)を用いて任意の角度範囲を持つ散乱電子線を検出して走査透過像を得る方法を説明する。図1は走査電子顕微鏡の構成図を示すものである。電子線源1から発生した電子線を2aから2cまでに示す多段の静電レンズによって所定の加速電圧まで加速する。1段あたりの加速電圧を30kV程度に設定して各段のレンズに印加する電圧を変化させることにより最終的な電子線の加速電圧を変化させることができる。所定の加速電圧まで加速された電子線は1段目収束レンズ3a及び2段目収束レンズ3bによって縮小される。
1段目収束レンズ3a及び2段目収束レンズ3bの電流励磁の組み合わせを変化させることによって電子線の縮小率を任意に変化させることができる。さらに,強励磁に設定した前磁場対物レンズ4によって電子線は縮小され,最終的にはサブナノメータ径のプローブが試料5上に形成される。2段目収束レンズ3b下部に設置した収束絞り6によりプローブの開き角を変化させ,プローブ径に及ぼす回折収差及び球面収差のバランスを調整することができる。試料5内部で散乱された電子線は試料5を通過し,試料5下部に電子線回折図形を形成する。後磁場対物レンズ7は強励磁に設定されており,電子線回折図形がほぼ等倍率で後磁場対物レンズ7下部に投影される。後磁場対物レンズ7の下段に設置した1段目投影レンズ8a及び2段目投影レンズ8bの電流励磁を変化させるによって,電子線回折図形の倍率を任意に変化させて散乱電子検出器9に投影することができる。
散乱電子検出器9にはCCDやハーピコンカメラなどを使用した高感度,高S/N,高直線性の検出器を用い,走査透過像強度の定量的な記録を行なう。検出器9の形状は,円盤の中心に同心円の穴,あるいは遮蔽物が置かれたようなアニュラー形状であり,散乱された電子線のうち低角度成分を除去する構造となっている。あるいは,円盤状の検出器の上部に丸穴や中心部分の低角度成分を遮蔽するようなドーナツ形状の可動絞りを配置した構造である。2段目投影レンズ8bの下部に設置した検出器アライメントコイル10は電子線回折図形の散乱電子検出器9に対する軸合わせのために用いる。
試料5下部に形成される電子線回折図形の像面位置には対物しぼり11が設置されている。これは4段階程度に可動できる絞りであり,穴径の異なる丸穴の絞りが設置されており,電子線回折図形の検出角度の最大値を決定している。検出される散乱電子線の角度範囲は,1段目投影レンズ8a及び2段目投影レンズ8bの電流励磁で決まる電子線回折図形の散乱電子検出器9上での倍率と,散乱電子検出器9の物理的な内径で最小値が決定され,対物絞り11の径で最大値が決定される。
走査透過像の取得は,偏向コイル12によりプローブを試料5上で2次元的に走査し,それに同期して散乱電子検出器9での信号を像強度に輝度変調して行なう。即ち、各走査位置で得られた回折図形を電子線の強度信号いわゆるコントラストとして検出し偏向信号に同期して像を再生することにより試料の透過像を得るものである。試料上の各点の回折像強度はD/Aコンバータ13によりデジタル信号に変換され、記憶装置にデジタルの画像ファイルとして記録される。
一連の操作における全てのレンズ,コイル,検出器の制御はCPU14がD/Aコンバータ13を介して行ない,インターフェース15を通じて操作者が条件を設定する。前磁場対物レンズ4の上段には2次電子検出器16と反射電子検出器17が設置されており,上記の走査透過像の取得と同時に2次電子像と反射電子像の取得が可能である。
次に,走査透過像,2次電子像,反射電子像を結像するための光学系について説明する。図2は仮想光源29から発生した電子線30が結像されるまでの光学経路を幾何学的に示したものである。ここで,仮想光源29とは電子源1の物理的な位置ではなく,電子源となるチップの曲率半径と引き出し電圧で決定される実行的な光源位置のことである。仮想光源29から発生した電子線30は1段目収束レンズ3a,2段目収束レンズ3bで縮小あるいは拡大されて対物レンズに入射する。ここで,対物レンズとは1つの磁路から形成される1つのレンズであるが,光学的には電子線30を縮小する役割と試料で散乱された電子線を結像する2つの役割があり,対物前磁場レンズ4が縮小を,対物後磁場レンズ5が結像を行っている。
対物前磁場レンズ4で縮小された電子線30は試料5に入射し,試料内部に侵入する。この時,電子線30の一部は試料5を透過し,一部は反射され,試料5上部から出射する。この反射電子が出射される際に試料表面から2次電子が放出される。これらの2次電子,反射電子を検出したものが,それぞれ2次電子像,反射電子像である。試料5を透過した電子線は対物後磁場レンズ7によってプローブ像面31に結像される。
一方,対物後磁場レンズ7の後焦点面32には試料5によって回折された電子線の位相情報を反映した電子線回折図形が結像される。1段目投影レンズ8aはこの,電子線回折図形の像面に焦点が合うように設定されており,1段目投影レンズ8aの像面33が2段目投影レンズ8bによって散乱電子検出器9に結像される。この2段目投影レンズ8bの励磁電流を変化させることによって像面33の拡大,縮小が可能であり,散乱電子検出器9における検出角度範囲が任意に設定できる。
図3は試料5によって回折された電子線が対物後磁場レンズ7によってプローブ像面31,後焦点面32を形成する過程を示すレイダイアグラムである。プローブの入射方向と平行に進行する透過電子線40とそれと異なる方向に進行する回折電子線41は対物後磁場レンズ7によって進行方向が変えられる。後焦点面32では試料透過後に進行する方向が同じ電子線が1点に収束する。
すなわち,この後焦点面32においては試料で回折された角度に依存して電子線が分散する回折図形が結像される。後焦点面32を通過した電子線は試料5を物面としてそれに1対1に対応するプローブ像面31を対物後磁場レンズ7と1段目投影レンズ8aとの間に形成される。プローブの平行走査に伴いプローブ像面31に結像される像はプローブの走査と同期して平行移動し,後焦点面32に結像される像は移動しない。よって走査透過像を観察する場合に,プローブ位置に依存する情報を抽出するためには,1段目投影レンズ8aの焦点を後焦点面32に合わせ,後焦点面32に結像される電子線回折図形を散乱電子検出器に結像すればよい。
次に,電子源より電子線を発生させ,その加速電圧を変化させる方法について説明する。図4は電子銃部の例で3段の静電レンズに印加する電源の接続状態を示したものである。電子源1は各静電レンズに対してグランドレベルに接地されている。この接地は1点アースになるようにされており,鏡体アースとは独立となっている。第1アノード18には引き出し電圧VEXTが5kV程度に印加され,電子源1から電子線を引き出す働きをしている。1段目静電レンズ2a,2段目静電レンズ2b,3段目静電レンズ2cはそれぞれグランドレベルに対してV1,V2,V3に電圧印加されている。静電レンズの各段あたりの印加電圧は30kV程度であり,これら静電レンズを6段程度に組み合わせることによって最終的な電子線の加速度を200kV程度に,10段程度組み合わせることによって加速電圧300kV程度にすることができる。
加速電圧の可変範囲は下段の静電レンズをオンオフすることによっておおまかに50kVステップで変化できる。さらに,グランドレベルに対して最終段の静電レンズに印加される電圧を形成している電圧トランスの基準電圧を変化させることによって最小幅50mV程度の微少な加速電圧の変化も可能である。図5は電子銃内での静電レンズ等の配置を示す図である。電子銃は加速管真空フランジ36の内部に電子線源1,第一アノード18,2aから2fまでに示す多段の静電レンズが配置されている。
加速管真空フランジ36の下部には加速管真空排気用フランジ38が取り付けられており,ターボ分子ポンプ,イオンポンプの取り付け口が用意されている。これらポンプにより加速管真空フランジ36は10−9Pa台の超高真空に排気される。加速管真空フランジ36の外側にはハウジング37が取り付けられており,その間を6フッ素化硫黄等の絶縁ガスが充填されている。さらに加速管真空排気用フランジ38上部には電子銃偏向コイル39が設置され,このコイルによって電子銃の光学軸の調整を行う。
次に,電子銃偏向コイル39によって電子銃の光学軸の調整を行う方法を説明する。電子銃偏向コイル39は走査偏向器39aと上下一対の振り戻し偏向器39bからなり各々XY軸の2段を有している。電子銃偏向コイル39に2次元的に電子線をテレビレイトあるいはそれよりも遅い速度で走査する信号を供給する。走査偏向器39aへ送る駆動信号は偏向器12へ送る信号を切り替えて共有する。即ち、ビームの走査信号を作っている駆動回路を一つとし軸調整と試料を一次電子線が走査する時とは同一時間には起こることが無く駆動回路からの走査信号を切り替えて使用することができる。
走査偏向器39aは1段偏向とし,電子線の偏向領域が3mm角程度で、排気絞り50の面積よりは大きく偏向する必要がある。また,電子銃から出た電子線が対物レンズの物理的な、どこの位置に照射されているのかを判断するために,収束レンズ及び対物レンズの電流励磁を0にセットする。電子銃偏向コイル39によって偏向された電子線は偏向量が大きい場合には収束レンズ内に設置した排気絞り50によって遮られる。偏向量が小さい場合には該絞りを通過し対物レンズに到達する。
対物レンズに到達した電子線は対物レンズ上極(図1の4)に照射され,2次電子を発生する。ただし,偏向範囲が対物レンズ上極よりも内側の場合には電子線は対物レンズを通過するので2次電子は発生しない。よって,電子銃偏向コイル39の走査に同期して2次電子強度を検出すれば電子線及び対物レンズの光軸に対する位置が明暗の同心円状の図形となって現れる。次に振り戻し偏向器39bを用いて電子線の平行移動と,傾斜を調整する。
これらのコイルの使い方は上下2段の振り戻しで行い,平行移動は上下段電流励磁を1:1で振り戻し,傾斜は振り戻し偏向器39bの下段コイルによって偏向された電子線が光軸と交わる点(下段ピボット位置)が収束レンズ内に設置した排気絞り50の位置となるように偏向比率を設定する。これらのコイルを用いて電子銃偏向コイル39による走査で観察される2次電子像の明暗の図形を画像の中心に配置するように調整すれば,電子源から発生した電子線を対物レンズの光学中心に一致させることができる。
一度電子銃偏向コイルの調整を行いその調整時の値をインターフェイスを介してCPUからの命令に従って記憶装置(図1には図示していない)に格納する。試料観察時一度登録した値を読み出して設定することによりすばやく立ち上げることが可能となった。これは従来のTEMに比べ格段の進歩となり操作面で改善がはかられた。またA/D,D/A変換器をもちいているためこの値の再現性が良いため調整の頻度も格段に少なくなった。
このように本願の如くパソコンで制御する形式の走査電子顕微鏡では軸調整を装置据えつけ時にパソコンの画面から指示を出しロタリーエンコーダのツマミを回転させて調整マンが行うこととしている。従って限られた人しか操作を許可しないために画面上の軸調整用アイコンを操作した時にID指定のようなパスワードを入力しなければ使用できない構成としてある。これによりユーザは軸調整については何等操作する必要が無くなるとの効果を得た。
次に,試料によって散乱,反射,あるいは入射電子線によって発生する2次電子線を検出するための検出器の走査顕微鏡装置中での配置について説明する。図6は投影レンズ1段の例で、電磁レンズ磁路,コイル,及び検出器の配置を示す走査電子顕微鏡装置の鏡体の断面図である。各レンズは垂直に積み重ねられている。収束レンズ磁路19,収束レンズコイル20から構成される収束レンズと,対物レンズポールピース上極21,対物レンズポールピース下極22,対物レンズ磁路23,対物レンズコイル24から構成される対物レンズとの間にはスペーサ25が配置され,この部分に2次電子検出器16,反射電子検出器17が取り付けられている。このスペーサ25はこれら検出器の取り付けの目的のみならず,部材をパーマロイとすることによって外部交流磁場に対するシールド効果を持たせたり,偏向コイル12の取り付けにも用いられる。
2次電子検出器16は対物レンズポールピース上極21のカーブに沿う形状で試料5の方向に向けられており,対物前磁場レンズ4が形成する磁束によって対物レンズポールピース上極21に引き出される2次電子を検出する。2次電子検出器16の内部に電極が設置されており,その電極は鏡体アースと独立で高電圧電源に対して1点アースとなるように碍子等で電気的な絶縁を施した状態で10kV程度の電圧が印加されている。
この電極が形成する電界によって2次電子を2次電子検出器16の近傍まで引き上げ,2次電子の検出効率を上げている。反射電子検出器17は対物レンズポールピース上極21と平行に配置されている。この反射電子検出器17は光軸上に入るので,電子線を光軸上に通過させるための1mmφ程度の穴が中心にあけられている。対物レンズの下には投影レンズ磁路26,投影レンズコイル27から構成される投影レンズが配置され,その下の真空フランジ28に散乱電子検出器9が光軸と平行に配置されている。散乱電子検出器9は反射電子検出器17と同様に中心に3mmφ程度の穴があけられており,透過電子線をカットし,散乱電子線のみを検出するようになっている。
図7は対物レンズの概略寸法を示す図である。230mmφの回転対象の純鉄製の磁路内に外周約180mmφ,内周約80mm,高さ75mm程度の巻き線コイルが約1800ターン円周方向に巻かれ,設置されている。磁路の最も内側には60mmφ程度のポールピースと呼ばれる磁路が設置されている。このポールピースはパーメンダーと呼ばれる高透磁率材料で作製されている。ポールピースの形状が対物レンズの性能を決定するので,寸法a,b,θの決定には詳細な検討を必要とされる。レンズの性能に応じてそれぞれの概略寸法はそれぞれ,aが1.5から16mmφ,bが3から10mm,θが10から20°程度である。200kVの電子線を用いる場合,コイルに7A程度の電流を流し対物レンズを励磁する。この時,対物レンズでは1.5T程度の磁束密度が形成される。対物レンズには液体を吸熱しながら12〜13℃に保ちながら循環して冷却をはかっている。
次に,検出する散乱角度範囲を変化させ,目的とする観察部分の走査透過像コントラストを向上させる方法を説明する。図8は種類の異なる物質について散乱強度の角度分布を示すものである。ただし,この場合の種類とは,結晶構造,構成原子の種類,化学組成の全てを含んでいる。物質Aの場合,物質Bと比較して散乱強度が散乱角度の大部分の範囲で大きい。これは物質Bより物質Aのほうが原子番号が大きい時によく見られる。しかし,領域Xを見れば物質Bのほうが散乱強度が大きい。これを利用すると,走査透過像の観察において散乱電子の検出角度範囲を領域Xに設定することによって物質Aと物質Bとが混在するような試料において,物質Bの情報を高コントラストで抽出することができる。
次に,得られた走査透過像強度から構成原子の種類,化学組成を決定する方法について説明する。まず,上記走査電子顕微鏡を用いて走査透過像を撮影する。この時の検出散乱角度範囲は上記の1段目投影レンズ8a及び2段目投影レンズ8bの電流励磁と対物絞りの穴径を目的とする観察部分が高コントラストとなるように設定する。CPU14は記憶している像撮影条件の値から1段目投影レンズ8a及び2段目投影レンズ8bの励磁電流値を換算し,それぞれのレンズの焦点距離を求め,電子線回折図形の倍率,すなわち検出角度の最小値を算出して,像と共に記録する。観察された像の解析はまず,対物絞り11の何段目を使用したかを入力する。
続いて観察像に含まれると考えられる候補の元素の種類と結晶構造とを対にして入力する。この条件でCPU14は走査透過像と共に記録された散乱電子線検出角度の条件をパラメータとして散乱電子線強度を計算する。次に,画像ファイル上で元素の種類と結晶構造が既知の部分を指定し,元素の種類と結晶構造を入力する。この操作において構造等が全く既知でない場合には同条件で撮影した構成元素,結晶構造既知の画像ファイルを参照データにする。この操作において構成元素,結晶構造既知のデータを基に撮影条件での各入力元素の散乱強度を校正する。次に,目的とする解析点を画像ファイル上で指定する。解析は点,線,領域のどれかを選択できるようになっている。解析領域と入力した元素,結晶構造とが一致したら一致したとメッセージが出され,一致するものがない場合には次候補の入力を促すメッセージが出る。これを繰り返すことによって目的とする解析領域の組成と結晶構造を知ることができる。
次に,上記解析で用いた散乱電子線強度の計算法及び校正法について説明する。試料を構成する元素の種類と結晶構造が既知の場合には運動学的散乱理論あるいは動力学的回折理論から電子線の散乱を計算することが可能である。運動学的散乱理論で計算し得る対象は,非晶質構造を持つものに限定される。一方,動力学的回折理論では対象が結晶や長周期構造を持つ非晶質に適用可能される。計算時間は運動学的散乱理論に基づく方法は動力学的回折理論に基づく方法と比較して極めて短時間で終了する。
このことから,近似的な解を早く必要な場合には運動学的散乱理論に基づく方法を選択し,より精密な解が必要な場合には動力学的回折理論に基づく方法を選択する。運動学的散乱理論とは試料によって電子線が1回だけ散乱されることを仮定し,その散乱の確率的な角度分布が原子散乱振幅の2乗に比例するというものである。この場合の散乱強度の計算結果は元素の種類のみで決定される。
一方,動力学的回折理論に基づく計算方法は複雑である。この計算方法ではマルチスライスという方法が用いられる。マルチスライス法では試料が薄いスライスの積み重ねで構成されると仮定し,厚みが約0.5 nm以下のスライス毎での電子線回折と伝播を繰り返し計算する。最終的には,試料を構成する全てのスライスの計算が終了した時点で,電子線の波動関数をフーリエ変換し,2乗して散乱電子線強度とする。これら2つの手法のいずれかによって計算した散乱電子線強度を基に,未知物質の組成解析や結晶構造解析を行なうが,計算されて出てくる散乱強度は,入射電子線に対する相対的な強度であるので,まず電子線強度の校正を行なわなくてはならない。
これは上述のように元素の種類と構造が既知である画像ファイルの値を基準にする。例えば,画像ファイルでの実測値が100であり,計算結果が入射電子線の10%,つまり0.1であるとすると,校正時の係数は1000となり,この係数を解析対象とする入力元素に対して共通で使用する。
また,観察目的とする原子種あるいは結晶構造が既知な場合には,その原子種と結晶構造を入力すると散乱電子線の角度分布が計算され,それが計算機画面に表示される。次に,表示された散乱電子線の角度分布の任意の位置を選択すると,この検出角度の条件に対する投影レンズの電流励磁条件が決定され,そのレンズ電流値が設定される。このようにして目的とする観察部分のコントラストを向上させたり,あるいは逆に減少させたりすることができる。
次に,コントラスト解析の応用例について説明する。先端デバイスでは基板に打ち込みされたドーパントの濃度分布がデバイス特性の良,不良を決定する1つの要因となっている。例えば,シリコンデバイスの場合ではドーパントとしてリンが用いられている。走査透過像のコントラストとしてリンの濃度分布を解析する方法は,シリコンとリンの電子線散乱能の違いを利用して行われる。
まず,基板に用いられているシリコンは単結晶であり,この部分で結晶方位に沿って入射した電子線は低散乱角に強いブラッグ反射による強度分布となる。この強度分布を検出器に取り込むとシリコンのコントラストが強調される。よってシリコン中のリンを観察する場合には,この低角度に散乱された電子線を排除するようにする。これは投影レンズの電流励磁を弱くし,カメラ長を小さく,すなわち電子線回折図形の倍率を小さくすることによって行う。このようにして高散乱角度成分だけを検出した場合の走査透過像では,コントラストが原子番号に比例するようになることが知られている。
シリコンよりリンは原子番号が大きいので,リンのある部分はシリコンに比べて明るいコントラストとなって現れる。また,コントラストはリンとシリコンとの平均組成に比例するので,リン濃度が高い方から低い方にかけてコントラストが直線的に変化する。同一の結像条件で記録したシリコンの強度と,シリコン中にドープした濃度既知のリンのコントラストをもとに直線的に校正線を引き,実測したコントラストと比較することによってシリコン中のリンの濃度を解析することができる。
次に,2次電子線あるいは反射電子線を用いて,試料の内部構造を立体的に観察する方法について説明する。バルク試料に入射した電子線は図9のように涙滴状に広がる。この領域は電子線の加速電圧が高いほど深くなり,例えば1次電子線のエネルギーが200keVである場合には侵入領域は数μmの深さまで広がる。1次電子線の照射によって発生する2次電子線のエネルギーは約50eVから数100eV程度であり,電子線の侵入した領域の内,表面から約10nmまでの領域からのみ発生する。この2次電子線を検出したものが従来の低加速の走査電子顕微鏡によって得られる2次電子像である。
この2次電子の発生に加えて1次電子線の一部は試料内部で反射される。この反射電子のエネルギーは試料内部でのエネルギー損失を無視すれば200keVであり,試料の内部に侵入した電子が試料内部で反射し反射電子あるいは試料表面近くで二次電子を作って試料から出射しそれを二次荷電粒子検出器で検出している。
このように高加速の走査顕微鏡を用いた場合には,2次電子線の収量に試料表面のみでなく,内部構造の情報までも反映される。よって高加速の走査顕微鏡を用いて2次電子像あるいは反射電子像を観察することによって試料内部の立体的な情報を抽出することができる。
このようにして観察した反射電子像あるいは2次電子像が疑似的に立体的に見える理由を説明する。図10のように試料中に異物体が存在し,プローブがA,B,Cの3点に照射された場合を考える。フローブのA点は試料表面近くにある有るため2次荷電粒子の信号強度が強いため明るくなる。それに対しプローブのC点では試料の深いところからの信号を見ることになり信号強度が弱くなり暗くなる。即ち試料の深さ方向に対しコントラストの変化を利用し像を形成した際にあたかも奥行きのある像として得ることができる。
図11に半導体素子の構造の模式図を示す。また、図17に図11に対応した観察方向から見た半導体素子の奥行きが感じられる写真の例を示す。従って,試料表面から深い位置になるほど物体の空間分解能が低下し,あたかも物体を上から立体的に眺めたような遠近感を持った像が観察される。
次に,立体観察の方法について図12に示したフローチャートを用いて説明する。まず,機械研磨及びイオンシニングあるいは収束イオンビームによって薄膜化した試料を走査電子顕微鏡装置にセットし,走査透過像を観察する。薄膜形成途中の厚い試料では試料を透過する電子線の量が少ないために走査透過像の観察が困難であるので,試料の追加工をする。
この走査透過像の観察,試料加工の操作を繰り返し,走査透過像が観察可能となった場合には次に2次電子像,反射電子像を観察する。次に試料を反転して2次電子像,反射電子像を観察する。この時点で走査透過像から試料全構造の投影像が,2次電子像,反射電子像から表裏の2方向から見たある深さまでの立体構造の情報が得られる。試料の全構造に対して2次電子像,反射電子像で見えている立体構造の深さ位置が不足していると判断される場合には,加速電圧を上昇させてもう一度2次電子像,反射電子像を観察する。加速電圧が上昇し得る最大値に達した場合でも2次電子像,反射電子像で観察し得る構造深さに不足があると判断される時は,試料を追加工する。
このように試料の厚さをイオンビームで加工するために試料ホルダをイオンビーム加工装置と本願STEMとの間で互い利用できるように共通試料ホルダ構造とした。具体的共用ホルダと試料ステージの構造を図16に示す。図16は走査電子顕微鏡とFIBとの共用ホルダおよび試料ステージの構成を示す図である。試料ステージは互いに直交するX方向試料微動45,Y方向試料微動46,Z方向試料微動47の3軸および試料かホルダ44をレンズ磁路内で回転させるための試料ホルダ回転機構48から構成されており、これらの制御はステージコントローラ49によつて行われる。走査電子顕微鏡の観察では電子線を−Z方向に入射させて行う。また、FIBの加工の際にはイオンビームを+Y方向に入射させて行う。
この場合,試料の表裏のどちらの方向から追加工するのかを表裏の両面から観察した2次電子像,反射電子像から判断する。2次電子像,反射電子像で十分な深さまで立体像が得られる時には,試料の観察方向を試料傾斜機構で調整し,2次電子像,反射電子像で立体像を観察する。
上記方法は試料構造がある程度既知な場合や走査透過像の観察が必要な時に有効な方法であり,試料構造が未知の場合や,走査透過像の観察が必ずしも必要でない時には図13に示したフローチャートに従って立体像の観察をする。この方法では最初に加速電圧を上昇し得る最大値に設定しておき,2次電子像,反射電子像を表裏の両面から観察する。この2枚の画像で目的とする立体像の観察ができたかどうかを判断し,できた場合には試料傾斜機構で観察方向を調整し,立体像を観察する。
目的とする立体像が観察し得る深さ位置にない場合には試料を追加工する。加工後再び2次電子像,反射電子像を観察し,上記と同様にそのまま立体像を観察するか,再び試料を加工するかを判断する。そして,最終的に目的とする立体構造が観察できるまでこれを繰り返す。更に,走査透過像が必要な場合には観察する。
次に,立体観察の応用例について説明する。半導体デバイス等の観察では,目的とする観察箇所,例えば不良ビットといった部分の観察を行なうことがよくある。走査透過像で特定箇所を観察する場合,収束イオンビームを用いてその場所を薄膜に加工するが,その加工過程において図12のフローに従って走査透過像で試料の全構造を,2次電子像,反射電子像で現在の加工深さ位置の確認をする。
これを繰り返し,最終的にはゲート,キャパシタ等の構造だけを含むような試料を作製することが可能であり,それら構造の立体構造を観察することができる。また,図13のフローに従って高加速入射電子を走査して得られる2次電子像,反射電子像を観察すると,通常の透過電子顕微鏡では困難なμmオーダの厚い試料の内部構造まで観察可能できるので,例えばデバイス中のコンタクトなどの全体構造を立体的に観察することができる。
次に,2次電子線の収量を向上させるための2次電子検出器の配置と2次電子検出方法について説明する。試料から発生した2次電子は1次電子線を縮小させる役割をする対物前磁場レンズが形成する磁束によって対物レンズ上部に引き出されるので,上述のように2次電子検出器は対物レンズ上部に設置される。2次電子検出器を対物レンズの上に配置すると2次電子収量を向上させることができるが,1次電子線の通路確保のために制限がある。そのために2次電子検出器近傍に引き出し用の電極を設置している。この電極に印加する電圧を大きくすれば2次電子の収量が増加するが,大き過ぎる場合には1次電子線の軌道に影響を与えてしまう。よって,2次電子検出器には適切な配置と印加電圧を検討する必要がある。
その方法としては,2次電子の軌道を対物レンズが形成する磁場,2次電子検出器に設置した電極が形成する電場の両方を組み込んだシミュレーションを行なう方法がある。試料位置を電子線の光源とし,電子線のエネルギーを仮定してその軌道を計算する。対物レンズの場合,光軸上の磁束密度が主となって作用するので,有限要素法で予め磁束分布を計算しておけば対物レンズ上部での2次電子の軌道は求められる。次に2次電子検出器に設置した電極が形成する電場による軌道を計算すれば,あるエネルギーの2次電子について検出器の配置すべき場所が決定される。エネルギーの異なる電子線について同様の計算を行い,エネルギー分布を仮定すれば検出器の位置と形状が決定できる。
さらに2次電子検出器に設置した電極に印加する電圧をパラメータにして計算を行えば,詳細に検出器の位置と形状が決定できる。二次荷電粒子の収量を上げる別の構成として電界と磁界による偏向器通称E×Bフィルタまたはウインフィルタを配置することにより達成できる。この構成では一次電子線に対し電界と磁界が逆向きに作用し打ち消し合いビームの方向に影響を与えず、試料からの二次荷電粒子を偏向する作用を有し検出器の方向へ導くものである。
次に,走査透過像強度を用いて微少プローブを形成するために最適の焦点ずれ量を設定する方法について説明する。図13は本方法を行うために用いる試料を表わしたものである。試料おさえメッシュ35は外形3mmφ,内径約0.5mmφの穴が空いた同心円の円盤で,厚さは0.2mm程度であり,材質はモリブデン等の金属を用いる。その上に穴の約半分程度を隠すように走査透過像が観察できるように薄膜化された結晶試料34が接着剤等で固定されている。この結晶試料34の材質は特に制限はないが,電子線30の入射方向に対して結晶晶帯軸が平行となっていることが望ましく,格子間隔が既知であることが必要である。電子線30を結晶試料34のエッジに入射させ,真空との界面において走査透過像の観察を行う。
次に観察であるが,図14に示した試料を走査電子顕微鏡にセットする。この試料の真空界面近傍の走査透過像を300万倍程度の倍率で高分解能観察をすると,試料内の走査透過像には結晶周期に対応した明暗のコントラストが観察される。さらに試料外の真空位置には図15で示したように,試料境界面から外側即ち真空側に強度が観察される。
この強度が現れる位置は焦点ずれ量に依存しており、焦点ズレ量によって真空界面と平行にシフトする。回折収差や球面収差が無く焦点が合っている場合は試料表面から外側に強度信号が観察されない。ところが各種収差のため図15に示すごとく試料表面から外側に強度信号が観察される。この強度信号の位置によりフォーカスの状態を判定することができることが判明した。所定の点Fの位置より試料側にある時はアンダーフォーカスで、外側(即ち真空側)にあるときはオーバフォーカスとなる。
この強度はプローブのサブバンドの位置が走査透過像に現れたものでありこの位置が焦点ずれ量を反映する。結晶の格子間隔を測長の基準にしてプローブサブバンドの位置を定量的に計測し,微少プローブを形成するために最適な焦点ずれ量との差を算出し,その差を補正するように対物レンズの励磁電流を変化させることによって最適な焦点ずれ量での観察が可能となる。その焦点ずれ量のまま試料を交換し,試料の高さ位置を焦点が合うように調整すれば,実際に観察したい試料を最適な焦点ずれ量にて観察できる。
次に,上記で説明した最適な焦点ずれ量について説明する。走査電子顕微鏡像の分解能はプローブの径で決定されるが,焦点ずれ量によってそのプローブ径は変化する。ここで言う最適な焦点ずれ量とは最も分解能が高くなる,すなわち最もプローブの径が小さくなる場合のことを指す。球面収差係数が0である理想的な対物レンズを用いた場合には焦点ずれ量が0で最適な焦点ずれ量となるが,実際のレンズは球面収差が無視できないので,球面収差と回折収差のバランスを取るように焦点ずれさせてプローブ径を最小にする。球面収差は装置固有の量であるので,装置毎に最適な焦点ずれ量が存在する。
対物レンズの球面収差係数をCs,電子線の波長をλとすると最適な焦点ずれ量Δfは下記の〔数1〕で表わされる。
Figure 2005032732
プローブの強度プロファイルχ(u)は下記の〔数2〕で表わされる関数をフーリエ変換して2乗したものであるから,ここから最適な焦点ずれ量の場合のプローブのサブバンド位置が計算できる。ここでuは空間周波数である。
Figure 2005032732
この計算値と実測値とを比較すれば,最適な焦点ずれ量とのずれを求め,装置にフィードバックすることができる。
走査透過像,2次電子像,反射電子像を観察するための走査電子顕微鏡装置の構成図。 本願発明を説明するための走査電子顕微鏡装置の光学系を表わす図。 試料から散乱電子検出器までの光学系を示す図。 電子線の加速電圧を変化させるための静電レンズに印加する電圧の配分および接続を表わす図。 電子銃部を説明する断面図。 本願発明の1実施例を示す図。 対物レンズの概略寸法を表わす図。 物質による散乱強度の角度分布の違いを表わす図。 バルク試料中での2次電子,反射電子の発生領域を示す図。 試料構造の深さ位置によってコントラストの変化を表わす図。 半導体素子構造の奥行き感のある模式図。 走査透過像から試料構造の投影像を観察し,2次電子像,反射電子像を用いて立体像を観察するためのフローチャート図。 2次電子像,反射電子像を用いて立体像を観察するためのフローチャート図。 走査透過像強度から最適焦点ずれ量を求めるために用いる試料を表わす図。 走査透過像強度から最適焦点ずれ量を求める方法を表わす計算結果図。 共用ホルダおよび試料ステージを表す図。 奥行き感を有する半導体試料の写真図。
符号の説明
1・・・電子線源、
2a・・・1段目静電レンズ、
2b・・・2段目静電レンズ、
2c・・・3段目静電レンズ、
2d・・・4段目静電レンズ、
2e・・・5段目静電レンズ、
2f・・・6段目静電レンズ、
3a・・・1段目収束レンズ、
3b・・・2段目収束レンズ、
4・・・対物前磁場レンズ、
5・・・試料、
6・・・収束絞り、
7・・・対物後磁場レンズ、
8a・・・1段目投影レンズ、
8b・・・2段目投影レンズ、
9・・・散乱電子検出器、
10・・・検出器アライメントコイル、
11・・・対物絞り、
12・・・偏向コイル、
13・・・D/Aコンバータ、
14・・・CPU、
15・・・インターフェース、
16・・・2次電子検出器、
17・・・反射電子検出器、
18・・・第1アノード、
19・・・コンデンサレンズ磁路、
20・・・コンデンサレンズコイル、
21・・・対物レンズポールピース上極、
22・・・対物レンズポールピース下極、
23・・・対物レンズ磁路、
24・・・対物レンズコイル、
25・・・スペーサ、
26・・・投影レンズ磁路、
27・・・投影レンズコイル、
28・・・真空フランジ、
29・・・仮想光源、
30・・・電子線、
31・・・プローブ像面、
32・・・後焦点面、
33・・・像面、
34・・・結晶試料、
35・・・試料押さえメッシュ、
36・・・加速管真空フランジ、
37・・・ハウジング、
38・・・加速管真空排気用フランジ、
39・・・電子銃偏向コイル、
40・・・透過電子線、
41・・・回折電子線、
42・・・プリアンプ、
43・・・A/Dコンバータ、
44・・・試料ホルダ、
45・・・X方向微動、
46・・・Y方向微動、
47・・・Z方向微動、
48・・・ 試料ホルダ回転機構、
49・・・ステージコントローラ、
50・・・排気しぼり。

Claims (1)

  1. 電子源と、前記電子源からの一次電子線を加速する加速電極と、前記加速電極で加速された前記一次電子線を走査偏向する電子銃偏向コイルとを有する電子銃部と、前記電子銃部の前記電子銃偏向コイルは、第1の偏向器と前記一次電子線の平行移動及び傾斜の調整を行う振り戻し偏向器とを備え、前記一次電子線を試料上に走査するための第2の偏向器と、前記電子銃偏向コイルと前記第2の偏向器とに走査信号を供給する手段と、前記試料を保持する試料ホルダと、前記試料ホルダを挟んで配置された対物レンズと、前記対物レンズを透過した散乱電子を検出する検出器と、前記対物レンズから発生した二次電子を検出する二次電子検出器と、前記二次電子検出器の出力信号を表示する画面とを有し、前記二次電子検出器の出力信号を前記電子銃偏向コイルへの走査信号と同期して前記画面に表示することにより、前記対物レンズの光軸中心に対して前記一次電子線の位置と傾斜を各々独立に調整して位置合わせを行うよう構成したことを特徴とする走査電子顕微鏡。
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