JP5445180B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、固定部材に対する可動部材の変位によって流体を圧縮する圧縮機に関する。
従来、この種の圧縮機として特許文献1には、冷媒(流体)を圧縮するスクロール型圧縮機が記載されている。この従来技術では、作動室に吸入される冷媒の中に潤滑油を混入しておき、作動室から吐出された圧縮冷媒から潤滑油を分離し、分離された潤滑油を摺動部(潤滑対象部位)に供給している。
この潤滑油の供給経路は、固定スクロール(固定部材)および可動スクロール(可動部材)を軸方向に貫通して形成されており、可動スクロールが固定スクロールに対して旋回運動することによって潤滑油が間欠的に供給されるようになっている。具体的には、固定スクロール側の給油通路と可動スクロール側の給油通路とが互いに重なって連通したときに潤滑油が供給され、両給油通路が互いにずれて非連通状態になっているときには潤滑油の供給が遮断される。
ここで、固定スクロールと可動スクロールとの間には、焼き付き防止のための僅かな間隙が形成されている。このため、固定スクロール側の給油通路からの潤滑油が当該間隙に漏れ出してしまうと潤滑油の供給が不十分になってしまう。
この点に鑑みて、特許文献1の従来技術では、固定スクロールの給油通路に筒状の給油通路部材を挿入し、作動室で圧縮された高圧冷媒の圧力を利用して、給油通路部材の端面を可動スクロールの摺動面に押し当てるようにしている。
これにより、固定スクロール側の給油通路からの潤滑油が、固定スクロールと可動スクロールとの間の間隙に漏れ出すことなく、給油通路部材の内部を流れて可動スクロール側の給油通路に流入するので、当該間隙への潤滑油漏れを防止することができる。
なお、給油通路部材は、外形が円柱状(正円柱状)の円柱部を有しており、給油通路には、給油通路部材の円柱部が液密状態に嵌め合わされる円柱穴状(正円柱穴状)の円柱収容部が形成されている。これにより、給油通路部材の円柱部と給油通路の円柱収容部との間の隙間から潤滑油が漏れ出すことが防止されるようになっている。
特開2009−174337号公報
しかしながら、本発明者の詳細な検討によると、上記従来技術では、給油通路部材の円柱部の外形が円柱状になっているので、可動スクロールとの摺動に伴って給油通路部材が自転してしまい、可動スクロールのうち給油通路部材との摺動面に摩耗が発生することがわかった。この給油通路部材の自転による摩耗の推定メカニズムについては後述する(図6)。
ここで、給油通路部材の自転を防止する手段として、給油通路部材の円柱部および給油通路の円柱収容部の両者を非円柱形状にすることが考えられるが、この手段においては、両者を液密状態に嵌め合わすために要求される加工精度の確保が困難になるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、給油通路部材による摩耗を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、固定部材(12)、および固定部材(12)に対して変位する可動部材(11)を有し、固定部材(12)および可動部材(11)によって流体を圧縮する圧縮機構部(10)を備え、
固定部材(12)および可動部材(11)の各々には、潤滑油を潤滑対象部位に導く給油通路(127、114)が形成され、
固定部材(12)および可動部材(11)の給油通路(127、114)は、可動部材(11)の変位に伴って互いに間欠的に連通するように構成され、
固定部材(12)および可動部材(11)のうち一方の部材(12)の給油通路(127)には、潤滑油が流通する給油孔(501)を有し且つ圧縮機構(10)で圧縮された流体の圧力により他方の部材(11)側に押圧される給油通路部材(50)が収容され、
給油通路部材(50)は、外形が給油孔(501)に沿って円柱状に延びる円柱部(502)を有し、
一方の部材(12)の給油通路(127)は、円柱部(502)がその軸方向に移動可能に挿入される円柱収容部(511)を有し、
円柱部(502)および円柱収容部(511)の断面形状は正円であり、
さらに給油通路部材(50)は、円柱部(502)に対して非同心円状に形成された非同心円部(503a)を有し、
非同心円部(503a)によって給油通路部材(50)の回り止めが行われることを特徴とする。
これによると、給油通路部材(50)の回り止めを行う非同心円部(503a)が給油通路部材(50)に形成されているので、給油通路部材(50)の自転を防止することができる。このため、給油通路部材(50)による摩耗(後述する図6を参照)を抑制できる。
また、円柱部(502)および円柱収容部(511)を非円柱形状にすることなく給油通路部材(50)の回り止めを行うことができ、かつ、円柱部(502)および円柱収容部(511)の断面形状は正円であるので、円柱部(502)および円柱収容部(511)を液密状態に嵌め合わすために要求される加工精度の確保が容易である。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の圧縮機において、給油通路部材(50)は、円柱部(502)よりも他方の部材(11)側に位置し且つ外形が円柱部(502)に対して径方向に拡大された頭部(503)を有し、
一方の部材(12)の給油通路(127)は、頭部(503)が収容される拡大収容部(512)を有し、
非同心円部(503a)は、頭部(503)に形成されていることを特徴とする。
これによると、給油通路部材(50)の非同心円部(503a)は、円柱部(502)ではなく頭部(503)に形成されているので、円柱部(502)の加工精度に影響を及ぼすことなく給油通路部材(50)の回り止めを行うことができる。
具体的には、請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の圧縮機において、非同心円部(503a)は、直線形状を有しているようにすればよい。
より具体的には、請求項4に記載の発明のように、請求項3に記載の圧縮機において、非同心円部(503a)は、二面幅形状を有しているようにすればよい。
また、具体的には、請求項5に記載の発明のように、請求項2に記載の圧縮機において、非同心円部(503a)は、円柱部(502)に対して偏心した偏心形状を有しているようにしてもよい。
請求項6に記載の発明では、請求項2ないし5のいずれか1つに記載の圧縮機において、給油通路部材(50)は、頭部(503)から他方の部材(11)側に突出し且つ他方の部材(11)と摺動する凸部(504)を有しており、
凸部(504)は、他方の部材(11)と給油通路部材(50)との接触面圧が適切となるように設定された摺動面積を有していることを特徴とする。
これによると、頭部(503)の形状にかかわらず凸部(504)の形状を適宜設定することによって、給油通路部材(50)と他方の部材(11)との摺動面積を適宜設定できる。このため、頭部(503)が直接的に他方の部材(11)と摺動する場合に比べて、給油通路部材(50)と他方の部材(11)との接触面圧を適切に設定することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における圧縮機の模式的な断面図である。 図1の部分拡大断面図である。 図2の部分拡大断面図である。 給油通路部材の平面図および断面図である。 図1の圧縮機における潤滑油の循環経路を示す断面図である。 給油通路部材の自転による異常摩耗の推定メカニズムを説明する説明図である。 本発明の第2実施形態における給油通路部材を示す平面図である。 本発明の第3実施形態における給油通路部材を示す平面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、本発明の圧縮機を給湯機用のヒートポンプサイクル(図示せず)に適用したものである。
ヒートポンプサイクルは、圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧器、蒸発器および気液分離器等を順次配管で接続した蒸気圧縮式の冷凍サイクルである。水冷媒熱交換器は、圧縮機の冷媒吐出口から吐出された冷媒と給湯水とを熱交換して給湯水を加熱する。減圧器は水冷媒熱交換器から流出した冷媒を減圧する。蒸発器は外気から吸熱して、減圧器で減圧された冷媒を蒸発させる。気液分離器は、蒸発器から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離して余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるとともに、気相冷媒を圧縮機の冷媒吸入口に供給する。なお、気液分離器は必須のものではない。
本実施形態のヒートポンプサイクルは超臨界冷凍サイクルを構成している。具体的には、ヒートポンプサイクルの冷媒として二酸化炭素を採用し、圧縮機から吐出された高圧冷媒の圧力を冷媒の臨界圧力以上にしている。
図1は圧縮機の模式的な断面図であり、図2は図1の部分拡大断面図である。図1、図2中の上下の矢印は、圧縮機の設置状態における上下方向を示している。
圧縮機は、スクロール型の電動圧縮機であり、冷媒(流体)を圧縮する圧縮機構部10と、圧縮機構部10を駆動する電動機部20とを上下方向(縦方向)に配置した縦置きタイプになっている。具体的には、圧縮機構部10が電動機部20の下方側に配置されている。
圧縮機構部10および電動機部20はハウジング30に収容されている。ハウジング30の外側には、圧縮機構部10で圧縮された冷媒から潤滑油を分離する油分離器40が配置されている。ハウジング30および油分離器40は共に、上下方向に延びる縦長形状を有しており、油分離器40はハウジング30の側方に配置されている。
ハウジング30は、上下方向に延びる筒状部材31と、筒状部材31の上端部を塞ぐ上蓋部材32と、筒状部材31の下端部を塞ぐ下蓋部材33とが接合されて構成された密閉容器である。
具体的には、筒状部材31は鉄にて円筒状に形成されており、上蓋部材32および下蓋部材33は共に、鉄にて椀状に形成されている。上蓋部材32および下蓋部材33は、筒状部材31の内部に圧入されてから筒状部材31に対して溶接にて気密的に接合されている。
電動機部20は、固定子をなすステータ21と、回転子をなすロータ22とを有している。ステータ21は、全体として上下方向に延びる円筒形状を有しており、ハウジング30の筒状部材31に固定されている。具体的には、ステータ21は、ステータコア211と、ステータコア211に巻き付けられたステータコイル212とを有している。
ステータコイル212に対する電力の供給は給電端子23を介して行われる。給電端子23はハウジング30の上端部に配置されている。具体的には、給電端子23を貫通させた給電端子固定板24が、ハウジング30の上蓋部材32の中央部に形成された貫通孔を塞ぐように固定されている。
ロータ22は永久磁石にて構成されており、ステータ21の内側に配置されている。ロータ22は上下方向に延びる円筒形状を有しており、ロータ22の中心孔には、上下方向に延びる駆動軸25が圧入により固定されている。ステータコイル212に電力が供給されるとロータ22に回転磁界が与えられてロータ22に回転力が発生し、駆動軸25がロータ22と一体に回転する。
駆動軸25は円筒状に形成されており、その内部空間は、駆動軸25の摺動部(潤滑対象部位)に潤滑油を供給する給油通路251を構成している。給油通路251は、駆動軸25の下端面にて開口しており、駆動軸25の上端面においては閉塞部材26で閉塞されている。
駆動軸25の下端側部位(圧縮機構部10側の部位)は、ロータ22よりも下方側に突出している。駆動軸25のうちロータ22よりも下方側に突出している部位には、水平方向(軸方向と直交する方向)に突出する鍔部252が形成されている。鍔部252にはバランスウェイト254が設けられている。なお、ロータ22の上下方向両側にもバランスウェイト221、222が設けられている。
駆動軸25の上端側部位(圧縮機構部10と反対側の部位)は、ロータ22よりも上方側に突出している。駆動軸25のうちロータ22よりも上方側に突出している部位は、軸受部材27によって回転自在に支持されている。
軸受部材27は、介在部材28を介してハウジング30の筒状部材31に固定されている。介在部材28は、水平方向に拡がる環状板の外周部を下方側に向かって屈曲させた形状を有しており、その最外周面がハウジング30の筒状部材31に固定されている。
軸受部材27の上端部には水平方向に突出する鍔部271が形成されており、鍔部271が介在部材28上に載せられている。そして、軸受部材27の鍔部271と介在部材28とがボルト(図示せず)によって締結固定されている。これにより、介在部材28に対する軸受部材27の水平方向位置(軸方向と直交する方向の位置)を調整可能にして、駆動軸25の芯出しを可能にしている。
駆動軸25のうちロータ22と鍔部252との間の部位は、ミドルハウジング29に構成された軸受部291によって回転自在に支持されている。ミドルハウジング29は、上方側から下方側に向かって階段状に外径および内径が拡大する円筒形状を有しており、その最外周面がハウジング30の筒状部材31に当接した状態で固定されている。
駆動軸25のうちロータ22よりも下方側の部位はミドルハウジング29の内部に位置しており、ミドルハウジング29のうち内径の最も小さい上方側部位が軸受部291を構成している。
ミドルハウジング29の上下方向中間部、すなわち軸受部291よりも内径が拡大されている部位には、駆動軸25の鍔部252およびバランスウェイト254が収容されている。
図2に示すように、ミドルハウジング29のうち内径が最も大きい下方側部位には、圧縮機構部10の可動部材をなす可動スクロール11が収容されている。可動スクロール11の下方側には、圧縮機構部10の固定部材をなす固定スクロール12が配置されている。
可動スクロール11および固定スクロール12は、円板状の基板部111、121を有している。両基板部111、121は互いに上下方向に対向するように配置されている。
可動スクロール基板部111の中心部には、駆動軸25の下端部253が挿入される円筒状のボス部113が形成されている。駆動軸25の下端部253は、駆動軸25の回転中心に対して偏心した偏心部になっている。したがって、可動スクロール11には、駆動軸25の偏心部253が挿入されていることになる。
可動スクロール11およびミドルハウジング29には、可動スクロール11が偏心部253周りに自転することを防止する自転防止機構(図示せず)が設けられている。このため、駆動軸25が回転すると、可動スクロール11は偏心部253周りに自転することなく、駆動軸25の回転中心を公転中心として公転運動(旋回)する。
可動スクロール11とミドルハウジング29との間には、2枚のスラストプレート13、14が上下方向に積層されている。上方側(ミドルハウジング29側)のスラストプレート13はミドルハウジング29に固定されている。上方側のスラストプレート13のミドルハウジング29に対する位置決めは、位置決めピン131によって行われている。
下方側(可動スクロール11側)のスラストプレート14は、可動スクロール11に固定されて、可動スクロール11と一体的に回転する。下方側のスラストプレート14のミドルハウジング29に対する位置決めは、位置決めピン141によって行われている。
可動スクロール11には、基板部111から固定スクロール12側に向かって突出する渦巻き状の歯部112が形成されている。一方、固定スクロール12の基板部121は、ハウジング30の筒状部材31に固定されており、固定スクロール基板部121の上面(可動スクロール11側の面)には、可動スクロール11の歯部112と噛み合う渦巻き状の歯部122が形成されている。具体的には、固定スクロール基板部121の上面に渦巻き状の溝部が形成されており、渦巻き状の溝部の側壁が渦巻き状の歯部122を構成している。
両スクロール11、12の歯部112、122同士が噛み合って複数箇所で接触することによって、三日月状の作動室15が複数個形成される。なお、図1では図示の都合上、複数個の作動室15のうち1つの作動室のみに符号を付しており、他の作動室については符号を省略している。
作動室15は、可動スクロール11が公転運動することによって外周側から中心側へ容積を減少させながら移動する。作動室15には、冷媒供給通路36、128を通じて冷媒が供給されるようになっており、作動室15の容積が減少することによって作動室15内の冷媒が圧縮される。
作動室15に冷媒を供給する冷媒供給通路36、128は、具体的には、ハウジング30の筒状部材31に形成された冷媒吸入口36と、固定スクロール基板部121の内部に形成された冷媒吸入通路128とで構成されている。冷媒吸入口36には配管接続部材37が固定されており、配管接続部材37には図1に示す冷媒配管38が接続されている。固定スクロール基板部121の冷媒吸入通路128は、固定スクロール基板部121の渦巻き状の溝部のうち最外周側の部位と連通している。
図2に示すように、可動スクロール歯部112および固定スクロール歯部122には、作動室15の気密性を確保するためのチップシール16、17が装着されている。チップシール16、17は、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)などの樹脂材料にて、歯部112、122の渦巻き方向に沿って延びる角柱状に形成されている。
可動スクロール11側のチップシール16は、可動スクロール歯部112の下面(固定スクロール基板部121側の面)に形成されたチップシール溝に嵌め込まれている。固定スクロール12側のチップシール17は、固定スクロール歯部122の上面(可動スクロール基板部111側の面)に形成されたチップシール溝に嵌め込まれている。
可動スクロール側チップシール16は、固定スクロール基板部121の渦巻き状の溝部の底面(摺動面)に密着して摺動し、固定スクロール側チップシール17は可動スクロール基板部111の下面(摺動面)に密着して摺動する。これにより、作動室15の気密性を確保して、作動室15から冷媒が洩れることを防止する。
固定スクロール基板部121の中心部には、作動室15で圧縮された冷媒が吐出される吐出孔123が形成されている。固定スクロール基板部121内において吐出孔123の下方側には、吐出孔123と連通する吐出室124が形成されている。吐出室124は、固定スクロール12の下面に形成された凹部125と、固定スクロール12の下面に固定された区画部材18とによって区画形成されている。
吐出室124には、作動室15への冷媒の逆流を防止する逆止弁をなすリード弁(図示せず)と、リード弁の最大開度を規制するストッパ19とが配置されている。
吐出室124の冷媒は、固定スクロール基板部121内に形成された冷媒吐出通路54と、ハウジング30の筒状部材31に形成された冷媒吐出口(図示せず)とを通じてハウジング30外部へ吐出されるようになっている。
ハウジング30の冷媒吐出口(図示せず)は、図1に示す油分離器40の冷媒流入口47に、冷媒配管48を介して接続されている。油分離器40は、ハウジング30から吐出された圧縮冷媒から潤滑油を分離し、分離された潤滑油をハウジング30内に戻す役割を果たす。
油分離器40は、上下方向に延びる筒状部材41と、筒状部材41の上端部を塞ぐ上蓋部材42と、筒状部材41の下端部を塞ぐ下蓋部材43とを有している。筒状部材41は鉄にて円筒状に形成されており、上蓋部材42および下蓋部材43は共に鉄にて形成されている。上蓋部材42および下蓋部材43は、筒状部材41内に圧入されてから筒状部材41に対して溶接にて気密的かつ液密的に接合されている。
油分離器40の筒状部材41は、ハウジング30の筒状部材31に対して、鉄で形成されたブラケット44を介して溶接で接合されている。これにより、油分離器40がハウジング30に固定されることとなる。
上蓋部材42は、外筒部材421と内筒部材422とで構成された二重筒構造になっている。外筒部材421および内筒部材422は上下方向に延びる円筒状の部材であり、内筒部材422は、外筒部材421のうち上方側の部位の内部に挿入されている。
外筒部材421と内筒部材422との間には、上下方向に延びる円筒状空間423が形成されている。円筒状空間423には、油分離器40の冷媒流入口47から流入した冷媒が導入される。油分離器40の冷媒流入口47は、外筒部材421のうち円筒状空間423の側方部位に形成されている。
円筒状空間423の上部は内筒部材422によって閉塞されている。具体的には、内筒部材422の上端部が残余の部位よりも拡径されていて、外筒部材421の内周面に気密状態で固定されている。
外筒部材421の上端開口部45は、潤滑油が分離された冷媒を油分離器40外部(換言すれば圧縮機外部)に吐出する冷媒吐出口を構成している。この冷媒吐出口45には、冷媒配管49が接続されている。
油分離器40のうち下方側部位は、冷媒から分離された潤滑油を貯める貯油タンクとしての役割を果たす。油分離器40の下蓋部材43には、貯められた潤滑油を油分離器40外部に流出させる油流出口431が形成されている。
油流出口431には油配管46が接続されており、油配管46は、ハウジング30の筒状部材31に固定された配管接続部材34に接続されている。配管接続部材34は、ハウジング30の筒状部材31に形成された油導入口39を貫通し、固定スクロール基板部121の側面に形成された挿入穴126に挿入されている。
固定スクロール基板部121の内部には、油分離器40からの潤滑油が流れる固定側給油通路127が形成されており、可動スクロール基板部111の内部には、固定側給油通路127と間欠的に連通する可動側給油通路114が形成されている。
固定側給油通路127の一端部は挿入穴126に連通している。固定側給油通路127の他端部は固定スクロール基板部121の上面(可動スクロール基板部111側の面)に開口している。
可動側給油通路114の一端部は、固定側給油通路127の他端部と対向するように、可動スクロール基板部111の下面(固定スクロール基板部121側の面)に開口している。
これにより、可動スクロール11の公転運動に伴って可動側給油通路114の一端部が固定側給油通路127の他端部と重なったりずれたりすることとなるので、可動側給油通路114が固定側給油通路127と間欠的に連通する。
固定側給油通路127のうち可動スクロール11側の端部には、筒状の給油通路部材50が収納されている。具体的には、図2に示すように、給油通路部材50は、固定側給油通路127に形成された収容部51に収容されている。
給油通路部材50は、油分離器40内の圧力、換言すれば作動室15で圧縮された高圧冷媒の圧力により可動スクロール11側に押圧される。これにより、給油通路部材50の上端面が可動スクロール12の下面(摺動面)に押し当てられる。
このため、固定側給油通路127からの潤滑油が、固定スクロール12と可動スクロール11との間の僅かな間隙に漏れ出すことなく、給油通路部材50の内部を流れて可動側給油通路114に流入することができる。
可動側給油通路114の他端部(固定側給油通路127と反対側の端部)は、可動スクロール11のボス部113の内面最下部に開口している。このため、可動側給油通路114が固定側給油通路127と連通すると、油分離器40からの潤滑油がボス部113と駆動軸25の偏心部253との間の隙間に導入され、次いで駆動軸25の下端部側から駆動軸25の給油通路251に流入する。
駆動軸25には、給油通路251から可動スクロール11のボス部113に向かって径方向外側に延びる貫通孔255が形成されている。また、駆動軸25には、図1に示すように、給油通路251からミドルハウジング29の軸受部291に向かって径方向外側に延びる貫通孔256と、給油通路251から軸受部材27に向かって径方向外側に延びる貫通孔257とが形成されている。
このため、給油通路251に流入した潤滑油は、これら貫通孔255、256、257を通じて駆動軸25とボス部113との間、駆動軸25と軸受部291との間、および駆動軸25と軸受部材27との間の各摺動部(潤滑対象部位)に供給される。
駆動軸25と軸受部291との間に供給された潤滑油は、重力によってミドルハウジング29の中心孔を流下し、2枚のスラストプレート13、14の間に供給される。2枚のスラストプレート13、14の間に供給された潤滑油は、可動スクロール基板部111の外周側に形成された隙間(ミドルハウジング29の内周面との隙間)を流下し、次いで固定スクロール基板部121を上下方向に貫通する油流下通路(図示せず)を流下して、ハウジング30内の最下部に形成された貯油室35に至る。
貯油室35は、固定スクロール12および区画部材18の下方側に形成されている。区画部材18には、上下方向に貫通する貫通孔181が形成されている。貫通孔181は、固定スクロール基板部121の冷媒吸入通路128と連通している。貫通孔181には、貯油室35に貯められた潤滑油を吸い上げるパイプ182が下方側(貯油室35側)から挿入されている。
貯油室35の潤滑油は、パイプ182、区画部材18の貫通孔181、および固定スクロール基板部121の冷媒吸入通路128を通じて作動室15に供給される。
図3は、図2のうち給油通路部材50の近傍部位を更に拡大して示す拡大断面図である。給油通路部材50には、潤滑油が流通する給油孔501が形成されている。給油孔501は、潤滑油の流量が適切になるよう、オリフィス状に形成されている。
給油通路部材50は、外形が給油孔501に沿って円柱状(正円柱状)に延びる円柱部502と、円柱部502よりも可動スクロール11側に位置し且つ外形が円柱部502に対して径方向に拡大された頭部503とを有している。
固定側給油通路127の収容部51は、円柱部502に対応する円柱穴状(正円柱穴状)に形成され且つ円柱部502がその軸方向に移動可能に挿入される円柱収容部511と、頭部503が収容される拡大収容部512とを有している。
円柱部502と円柱収容部511との間の隙間から潤滑油が漏れないよう、円柱部502は円柱収容部511に液密状態で嵌め合わされている。すなわち、円柱部502および円柱収容部511には高い加工精度が要求される。このような加工精度上の理由から、円柱部502と円柱収容部511の断面形状は正円になっている。
図4は、給油通路部材50の平面図および断面図である。なお、図4では、図示の都合上、固定側給油通路127の収容部51を二点鎖線で示している。
頭部503は、円柱部502に対して非同心円状に形成された非同心円部503aを有しており、この非同心円部503aによって給油通路部材50の回り止めが行われるようになっている。以下、このことを具体的に説明する。
非同心円部503aは直線形状を有している。より具体的には、非同心円部503aは2つ形成されており、2つの非同心円部503aは、互いに平行な2つの面を構成している。換言すれば、非同心円部503aは二面幅形状を有している。
頭部503のうち2つの非同心円部503a以外の部位は、円柱部502と同心の円弧形状を有している。収容部51の拡大収容部512も、給油通路部材50の頭部503と同様に、二面幅形状の非同心円部を有している。
ここで、頭部503の周縁部のうち円柱部502の中心502cから最も離れた部位と、円柱部502の中心502cとの間の径方向距離をL1とする。また、拡大収容部512の周縁部のうち円柱部502の中心502cから最も近い部位と、円柱部502の中心502cとの間の径方向距離をL2とする。
頭部503および拡大収容部512は、これらの距離L1、L2がL1>L2の関係を満たす形状になっている。したがって、給油通路部材50が収容部51に対して回転しようとすると、頭部503のうち円弧形状の部分が収容部51のうち二面幅形状の部分と干渉する。その結果、給油通路部材50の回り止めがなされることとなる。
さらに、給油通路部材50は、頭部503から可動スクロール11側に突出し且つ可動スクロール11に対して摺動する凸部504を有している。凸部504は平面形状が正円形状になっている。凸部504の面積(摺動面積)は、可動スクロール11との接触面圧を考慮して設定される。
次に、上記構成における作動を図5等に基づいて説明する。電動機部20のステータコイル212に電力が供給されてロータ22および駆動軸25が回転すると、可動スクロール11が駆動軸25の回転中心を中心として公転運動(旋回)する。これにより、図2に示す可動スクロール歯部112と固定スクロール歯部122との間に形成された三日月状の作動室15が外周側から中心側へ容積を減少させながら移動する。
このとき、外周側に位置する作動室15に対して冷媒および貯油室35の潤滑油が供給される。具体的には、圧縮機外部の冷媒がハウジング30の冷媒吸入口36および固定スクロール基板部121の冷媒吸入通路128を通じて作動室15に供給されると同時に、図5の矢印A1、A2、A3のように貯油室35の潤滑油がパイプ182、区画部材18の貫通孔181および固定スクロール基板部121の冷媒吸入通路128を通じて作動室15に供給される。
作動室15に供給された冷媒は、作動室15の容積の減少に伴って圧縮される。作動室15で圧縮された冷媒は、図5の矢印A4、A5のように固定スクロール12の吐出室124および冷媒吐出通路54を通じてハウジング30外部に吐出され、次いで図5の矢印A6のように冷媒配管48を通じて油分離器40の冷媒流入口47に流入する。
油分離器40の冷媒流入口47に流入した冷媒は、図5の矢印A7のように油分離器40内の円筒状空間423に導入される。そして、円筒状空間423において冷媒に旋回流れを生じさせ、冷媒の旋回流れによって生じる遠心力の作用によって、冷媒から潤滑油が分離される。
潤滑油が分離された冷媒は、油分離器40の冷媒吐出口45から、圧縮機の吐出冷媒として吐出される。一方、冷媒から分離された潤滑油は、図5の矢印A8のように重力によって油分離器40内部を流下して油分離器40内の下部に貯められる。油分離器40内に貯められた潤滑油は、図5の矢印A9、A10、A11、A12、A13のように駆動軸25の給油通路251に間欠的に供給される。
具体的には、上述のごとく可動スクロール11の公転運動に伴って可動スクロール11の可動側給油通路114が固定スクロール12の固定側給油通路127と間欠的に連通することによって、油分離器40内に貯められた潤滑油が、油配管46、配管接続部材34、固定側給油通路127、および可動側給油通路114を通じて、可動スクロール11のボス部113と駆動軸25の偏心部253との間の隙間に導入され、次いで駆動軸25の下端部側から駆動軸25の内部の給油通路251に流入する。
なお、可動側給油通路114が固定側給油通路127と連通していない場合には、駆動軸25の給油通路251への潤滑油の供給が遮断される。
ここで、給油通路部材50は、油分離器40内の圧力、換言すれば作動室15で圧縮された高圧冷媒の圧力により可動スクロール11側に押圧される。これにより、給油通路部材50の上端面が可動スクロール12の下面(摺動面)に押し当てられる。
このため、固定側給油通路127からの潤滑油が、固定スクロール12と可動スクロール11との間の僅かな間隙に漏れ出すことなく、給油通路部材50内の給油孔501を流れて可動側給油通路114に流入することができるので、駆動軸25の給油通路251への潤滑油の供給を確実に行うことができる。
駆動軸25の給油通路251に供給された潤滑油は、図5の矢印A14、A15、A16、A17のように駆動軸25の貫通孔255、256、257を通じて駆動軸25と軸受部291との間、および駆動軸25と軸受部材27との間に供給される。これにより、駆動軸25の摺動部(潤滑対象部位)で潤滑性を良好に維持できる。
駆動軸25と軸受部291との間に供給された潤滑油は、重力によってミドルハウジング29の中心孔を流下し、2枚のスラストプレート13、14の間に供給される。これにより、スラストプレート13、14同士の摺動部で潤滑性を良好に維持できる。
2枚のスラストプレート13、14の間に供給された潤滑油は、可動スクロール基板部111の外周側に形成された隙間(ミドルハウジング29の内周面との隙間)を流下し、次いで固定スクロール基板部121を上下方向に貫通する油流下通路(図示せず)を流下して、図5の矢印A18のようにハウジング30内の最下部に形成された貯油室35に至る。
本実施形態によると、給油通路部材50の頭部503および収容部51の拡大収容部512に二面幅形状を形成することによって給油通路部材50の回り止めがなされているので、給油通路部材50の自転による可動スクロール11の異常摩耗を防止することができる。
ここで、給油通路部材50の自転による可動スクロール11の異常摩耗の推定メカニズムを図6に基づいて説明する。
まず、図6(a)に示すように、可動スクロール11が公転運動(旋回)して給油通路部材50と摺動することによって、可動スクロール11の摺動面が徐々に摩耗して窪む。この摩耗の進行により可動スクロール11の摺動面にある程度の段差ができると、この段差が給油通路部材50に回転方向の力を作用させることとなる。
このとき、給油通路部材50に回り止めがなされていない場合には、給油通路部材50が自転する。この自転によって、図6(b)に示すように給油通路部材50自身がテーパー状に摩耗するとともに、可動スクロール11の摺動面がすり鉢状に異常摩耗してしまうと推定される。
この点、本実施形態では、給油通路部材50の頭部503に形成された非同心円部503aによって給油通路部材50の回り止めがなされるので、給油通路部材50の自転を防止でき、ひいては可動スクロール11の異常摩耗を防止することができる。
また、給油通路部材50の非同心円部503aは頭部503に形成されているので、給油通路部材50の円柱部502および固定側給油通路127の円柱収容部511に回り止め形状を形成する必要がない。
このため、円柱部502を円柱収容部511に液密状態で嵌め合わすために要求される加工精度の確保が非常に容易であるので、円柱部502と円柱収容部511との間の隙間からの潤滑油の漏れを確実に防止できる。
因みに、給油通路部材50には、頭部503から可動スクロール11側に突出する凸部504が形成されており、この凸部504が可動スクロール11と摺動するようになっているので、給油通路部材50と可動スクロール11との接触面圧を適切に設定することができる。
すなわち、給油通路部材50と可動スクロール11との接触面圧を適切に設定しようとすると、所望の接触面圧に応じて給油通路部材50と可動スクロール11との摺動面積を設定する必要がある。
しかるに、頭部503が直接的に可動スクロール11と摺動する場合には、頭部503の形状によって給油通路部材50と可動スクロール11との摺動面積が一義的に決まってしまい、給油通路部材50と可動スクロール11との接触面圧も一義的に決まってしまう。
この点、本実施形態では、頭部503の形状にかかわらず凸部504の形状を設定することによって給油通路部材50と可動スクロール11との摺動面積を適切に設定することができ、ひいては給油通路部材50と可動スクロール11との接触面圧を適切に設定することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、給油通路部材50の頭部503に直線形状の非同心円部503aが2つ形成されているが、本第2実施形態では、図7に示すように、直線形状の非同心円部503aが1つのみ形成されている。
本実施形態においても、頭部503および拡大収容部512は、L1>L2の関係を満たす形状になっている。したがって、上記第1実施形態と同様に、給油通路部材50の回り止めがなされるので、可動スクロール11の異常摩耗を防止することができる。
(第3実施形態)
上記第1、第2実施形態では、給油通路部材50の非同心円部503aが直線形状を有しているが、本第3実施形態では、図8に示すように、非同心円部503bは、円柱部502に対して偏心した偏心形状を有している。これに伴って、固定側給油通路127の拡大収容部512も円柱部502に対して偏心した偏心形状を有している。なお、給油通路部材50の凸部504は、円柱部502に対して同心円状に形成されている。
本実施形態においても、頭部503および拡大収容部512は、L1>L2の関係を満たす形状になっている。したがって、上記第1、第2実施形態と同様に、給油通路部材50の回り止めがなされるので、可動スクロール11の異常摩耗を防止することができる。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では、給油通路部材50の頭部503が円柱部502に対して径方向に拡大され、頭部503に非同心円部503aが形成されていることによって給油通路部材50の回り止めが行われるようになっているが、円柱部502に対して径方向に拡大された頭部503を必ずしも形成する必要はなく、例えば円柱部502の側面に形成された突起によって非同心円部を構成してもよい。
(2)上述の各実施形態では、固定スクロール12側から可動スクロール11側に向けて潤滑油を導くようにしているが、これとは逆に、可動スクロール11側から固定スクロール12側に向けて潤滑油を導くようにしてもよい。この場合には、可動スクロール11に給油通路部材50を配置し、作動室15で圧縮された高圧冷媒の圧力によって固定スクロール12側に押圧するようにすればよい。
(3)上述の各実施形態では、油分離器40はハウジング30の外側に配置されているが、油分離器40はハウジング30の内部に収容されていてもよい。
(4)上述の各実施形態では、圧縮機構部10と電動機部20とを上下方向(縦方向)に配置した縦置きタイプの圧縮機に本発明を適用しているが、圧縮機構部10と電動機部20とを水平方向(横方向)に配置した横置きタイプの圧縮機にも本発明を適用可能である。
(5)上述の各実施形態では、ヒートポンプサイクルが超臨界冷凍サイクルを構成しており、冷媒として二酸化炭素を採用しているが、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上とならない亜臨界冷凍サイクルを構成していてもよく、フロン系冷媒や炭化水素系冷媒等の冷媒を採用してもよい。
(6)上述の各実施形態では、ヒートポンプサイクルに本発明の圧縮機を適用しているが、種々の冷凍サイクルに本発明の圧縮機を広く適用可能である。
(7)上述の各実施形態では、本発明をスクロール型の圧縮機に適用した例を示したが、これに限定されることなく、固定部材に対する可動部材の変位によって流体を圧縮する圧縮機、例えばレシプロ型圧縮機やロータリ型圧縮機等に広く本発明を適用可能である。
10 圧縮機構
11 可動スクロール(可動部材、他方の部材)
12 固定スクロール(固定部材、一方の部材)
50 給油通路部材
114 可動側給油通路(給油通路)
127 固定側給油通路(給油通路)
501 給油孔
502 円柱部
503 頭部
503a 非同心円部
511 円柱収容部
512 拡大収容部

Claims (6)

  1. 固定部材(12)、および前記固定部材(12)に対して変位する可動部材(11)を有し、前記固定部材(12)および前記可動部材(11)によって流体を圧縮する圧縮機構部(10)を備え、
    前記固定部材(12)および前記可動部材(11)の各々には、潤滑油を潤滑対象部位に導く給油通路(127、114)が形成され、
    前記固定部材(12)および前記可動部材(11)の前記給油通路(127、114)は、前記可動部材(11)の変位に伴って互いに間欠的に連通するように構成され、
    前記固定部材(12)および前記可動部材(11)のうち一方の部材(12)の前記給油通路(127)には、前記潤滑油が流通する給油孔(501)を有し且つ前記圧縮機構(10)で圧縮された前記流体の圧力により他方の部材(11)側に押圧される給油通路部材(50)が収容され、
    前記給油通路部材(50)は、外形が前記給油孔(501)に沿って円柱状に延びる円柱部(502)を有し、
    前記一方の部材(12)の前記給油通路(127)は、前記円柱部(502)がその軸方向に移動可能に挿入される円柱収容部(511)を有し、
    前記円柱部(502)および前記円柱収容部(511)の断面形状は正円であり、
    さらに前記給油通路部材(50)は、前記円柱部(502)に対して非同心円状に形成された非同心円部(503a)を有し、
    前記非同心円部(503a)によって前記給油通路部材(50)の回り止めが行われることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記給油通路部材(50)は、前記円柱部(502)よりも前記他方の部材(11)側に位置し且つ外形が前記円柱部(502)に対して径方向に拡大された頭部(503)を有し、
    前記一方の部材(12)の前記給油通路(127)は、前記頭部(503)が収容される拡大収容部(512)を有し、
    前記非同心円部(503a)は、前記頭部(503)に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記非同心円部(503a)は、直線形状を有していることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記非同心円部(503a)は、二面幅形状を有していることを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
  5. 前記非同心円部(503a)は、前記円柱部(502)に対して偏心した偏心形状を有していることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  6. 前記給油通路部材(50)は、前記頭部(503)から前記他方の部材(11)側に突出し且つ前記他方の部材(11)と摺動する凸部(504)を有しており、
    前記凸部(504)は、前記他方の部材(11)と前記給油通路部材(50)との接触面圧が適切となるように設定された摺動面積を有していることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の圧縮機。
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