JP7022902B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本開示は、スクロール圧縮機に関する。
近年、圧縮容器内に仕切板を設けるとともに、当該仕切板で仕切られた低圧側の室に、固定スクロール及び旋回スクロールを有する圧縮要素と、当該旋回スクロールを旋回駆動する電動要素と、が配置された密閉型スクロール圧縮機が知られている。そして、この種の密閉型スクロール圧縮機では、冷媒吸入管から吸入された冷媒が圧縮要素で圧縮され、当該圧縮要素で圧縮された冷媒が、固定スクロールの吐出ポートを介して、仕切板で仕切られた高圧側の室に吐出される(例えば、特許文献1参照)。
図10は、特許文献1に記載されたスクロール圧縮機を示している。冷媒は、冷媒吸入管200を介して密閉容器内の低圧空間201に導入される。その際、このスクロール圧縮機では、冷媒は、冷媒吸入管200の開口と対向する部分に設けられた整流板202に衝突することで、分流される。そして、導入された冷媒のうちの一部の冷媒で電動要素が冷却されるとともに、残りの冷媒が圧縮要素に吸入されて、圧縮される。
しかしながら、上記従来の構成では、整流板202によって冷媒が分流される際、整流板202に衝突して分流された後の冷媒の流れの向きは、回転軸と平行(図10では上下方向)になる。そのため、整流板202から電動要素側の反対側へ流出した冷媒は、仕切板203に衝突する。仕切板203は、高圧空間204と接しているため、高温である。従って、冷媒は、仕切板203に接触することで加熱されるため、圧縮機構部205に吸入される冷媒密度が低下して体積効率が低下するという課題がある。
特開平4-255595号公報
本開示は、上述のような問題を解決するもので、吸入された冷媒が加熱されることによる体積効率の低下を防止して、高効率なスクロール圧縮機を提供する。
具体的には、本開示に係るスクロール圧縮機は、吸入管から吸入された冷媒の一部が、当該整流板に衝突することなく圧縮機構部側に流れ、吸入管から吸入された冷媒の残りが、当該整流板に衝突して電動機側に分流されるように、整流板が構成されている。
これにより、整流板によって、電動機を冷却するのに必要な量の冷媒を電動機側に流出させつつ、残りの冷媒は、直接圧縮機構部側に流出させることができる。従って、吸入された冷媒が仕切板で加熱されることによる、圧縮機の効率の低下を防ぐことができる。
本開示の実施の形態1に係るスクロール圧縮機を縦方向に切断した断面図 同実施の形態1に係るスクロール圧縮を、吸入管の軸中心から見たときの、縦方向に切断した断面図 同実施の形態1に係るスクロール圧縮機の旋回スクロールの側面図 図2Aにおける旋回スクロールを図2AのX-X線で切断した断面図 本開示の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の固定スクロールの底面図 同実施の形態1に係る固定スクロールを斜め上から見た分解斜視図 同実施の形態1に係るスクロール圧縮機の主軸受を斜め上から見た斜視図 同実施の形態1に係るスクロール圧縮機の自転抑制部材の平面図 同実施の形態1に係るスクロール圧縮機の要部の断面図 同実施の形態1に係るスクロール圧縮機の要部の断面を示す斜視図 本開示の実施の形態2に係るスクロール圧縮機を縦方向に切断した断面図 同実施の形態2に係るスクロール圧縮機を、吸入管の軸中心から見たときの、縦方向に切断した断面図 従来のスクロール圧縮機を縦方向に切断した断面図
本開示の一態様に係るスクロール圧縮機は、密閉容器と、密閉容器内を高圧空間及び低圧空間に区画する仕切板と、仕切板に隣接する固定スクロールと、固定スクロールに噛み合わされて、固定スクロールとともに圧縮室を形成する旋回スクロールと、旋回スクロールを駆動する電動機と、旋回スクロールの自転を防止する自転抑制部材と、旋回スクロールを支持する主軸受と、低圧空間に向けて開口する開口部を有する吸入管と、吸入管から密閉容器内に吸入された冷媒を分流する整流板と、を有する。固定スクロール、旋回スクロール及び自転抑制部材を含む圧縮機構部、電動機、整流板並びに主軸受が、低圧空間に配置され、固定スクロール及び旋回スクロールが、仕切板と主軸受との間に配置される。整流板は、吸入管から吸入された冷媒の一部が、整流板に衝突することなく圧縮機構部側に流れ、吸入管から吸入された冷媒の残りが、整流板に衝突して電動機側に分流されるように構成されている。
これにより、整流板によって、電動機を冷却するのに必要な量の冷媒を電動機側に流出させつつ、残りの冷媒は、直接圧縮機構部側に流出させることができる。従って、吸入された冷媒が仕切板で加熱されることによる、圧縮機の効率の低下を防ぐことができる。
本開示の他の一態様に係るスクロール圧縮機は、圧縮機構部は、吸入管から吸入された冷媒の少なくとも一部が吸入される吸入部を有し、吸入管の開口部の開口面積をA、吸入管の軸中心方向から見たときの開口部の開口と整流板との重複部分の面積をBとすると、A>Bであり、かつ、当該重複部分は、整流板における、圧縮機構部の吸入部側に位置する構成であってもよい。
この構成によれば、吸入管から導入された冷媒は、整流板によって分流される。この際、電動機側には、電動機の冷却に必要な量の冷媒が分流され、残りの冷媒は、直接圧縮機構部の吸入部側に流出されるため、比較的高温になった仕切板に冷媒が衝突することが回避される。このため、吸入された冷媒は、仕切板によって加熱されることなく直接、固定スクロールの吸入部から吸入され。これにより、冷媒が加熱されることによる冷媒密度の低下を抑制し、スクロール圧縮機の効率を向上させることができる。
本開示の他の一態様に係るスクロール圧縮機は、整流板における、開口部の開口との重複部分に、孔部が設けられた構成であってもよい。
この構成によれば、孔部を設けるという簡単な構成により、冷媒が加熱されることによる冷媒密度の低下を抑制して、スクロール圧縮機の効率を向上させることができる。従って、吸入管及び整流板の位置を、従来のスクロール圧縮機から変更する必要がない。
本開示の他の一態様に係るスクロール圧縮機は、整流板が、吸入管の軸中心方向から見たときの吸入管の開口部の左右部分を覆うように設けられていてもよい。
この構成によれば、吸入管から吸入された冷媒が、開口部の開口から開口の左右方向、すなわち密閉容器の周方向へ分流されるのを抑制して、圧縮機構部側及び電動機側へ冷媒を効率よく流出させることができ、さらに効率よく冷媒を圧縮機構部の吸入部へと導くことができる。よって、冷媒の仕切板への接触をより少なくして冷媒密度の低下を抑制し、スクロール圧縮機の効率を向上することができる。
本開示の他の一態様に係るスクロール圧縮機は、吸入管は、吸入管の軸中心方向から見たときに、開口部の開口の少なくとも一部が、圧縮機構部の吸入部と重複するように構成されていてもよい。
この構成によれば、吸入管から吸入された冷媒は、吸入管の開口部に対して直線的な位置に配置された、圧縮機構部の吸入部から吸入される。このため、冷媒の仕切板への接触をより少なくして冷媒密度の低下を抑制し、スクロール圧縮機の効率を向上することができる。
本開示の他の一態様に係るスクロール圧縮機は、吸入管の開口部の直径をdとすると、吸入管と整流板との距離は、d/2より大きくdより小さく構成されていてもよい。
この構成によれば、整流板と密閉容器内壁面との間を流れる冷媒の圧力損失を低減することができるため、整流板による分流の効果を大きくすることができる。従って、スクロール圧縮機の効率を向上することができる。
本開示の他の一態様に係るスクロール圧縮機は、吸入管の軸中心方向から見たときの開口部の開口と整流板との重複部分の面積Bが、開口部の開口面積Aの30%より大きく70%より小さくなるように構成されていてもよい。
この構成によれば、圧縮機側及び電動機側のそれぞれに対して冷媒を適量に分流することができ、効率よく電動機の冷却を行いつつ、圧縮機構部の効率を向上することができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態によって本開示が限定されるものではない。
(実施の形態1)
[1.スクロール圧縮機の全体構成]
図1Aは、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機を縦方向に切断した断面図である。また、図1Bは、同実施の形態1に係るスクロール圧縮を、吸入管の軸中心から見たときの、縦方向に切断した断面図である。
圧縮機1は、図1A及び図1Bに示すように、上下方向に長い、円筒状の密閉容器10を、外殻として備えている。なお、本明細書において、上下方向とは、各図におけるZ軸方向(電動機の回転軸方向)である。
圧縮機1は、密閉容器10の内部に、冷媒を圧縮するための圧縮機構部170と、圧縮機構部170を駆動するための電動機80と、を備えた密閉型スクロール圧縮機である。圧縮機構部170は、少なくとも、固定スクロール30、旋回スクロール40、主軸受60及び自転制御部材であるオルダムリング90で構成される。
密閉容器10内の上方には、密閉容器10の内部を上下に仕切る仕切板20が設けられている。仕切板20は、密閉容器10の内部の空間を、高圧空間11と低圧空間12とに区画している。高圧空間11は、圧縮機構部170で圧縮された後の高圧の冷媒で満たされる空間であり、低圧空間12は、圧縮機構部170で圧縮される前の低圧の冷媒で満たされる空間である。低圧空間12の底部には、潤滑油が貯留される油溜まり15が形成されている。
密閉容器10には、密閉容器10の外部と低圧空間12とを連通させる冷媒吸入管(以下、吸入管)13、及び、密閉容器10の外部と高圧空間11とを連通させる冷媒吐出管14が接続されている。
圧縮機1には、吸入管13を介して、密閉容器10の外部に設けられた冷凍サイクル回路(図示せず)から、低圧空間12に低圧の冷媒が導入される。また、圧縮機構部170で圧縮された高圧の冷媒は、高圧空間11に導入され、その後、高圧空間11から冷媒吐出管14を介して、冷凍サイクル回路に吐出される。
また、密閉容器10内には、次に説明するように、吸入管13から吸入された冷媒を分流する整流板160が設けられている。
[2.整流板の構成]
密閉容器10の内壁面には、吸入管13の密閉容器内側開口部(以下、開口部)13aと対向するように整流板160が取り付けられている。整流板160は、上部の仕切板20側が閉塞されている。すなわち、整流板160は、吸入管13から吸入された冷媒が、鉛直方向の上側から流出しないように構成されている。整流板160及び吸入管13は、吸入管13から吸入された冷媒の一部が整流板160に衝突することなく圧縮機構部170側に流れ、吸入管13から吸入された冷媒の残りが整流板160に衝突して電動機80側に分流されるように構成されている。
具体的には、図1Bに示すように、吸入管13の開口部13aの開口面積をA、吸入管13の軸中心方向から見たときの吸入管13の開口部13aの開口と整流板160との重複部分の面積をBとすると、A>Bであり、かつ、当該重複部分は、整流板160における、圧縮機構部170の吸入部(本実施の形態では、固定スクロール30の吸入部38)側に設けられている。
なお、図1Bにおいて、開口部13aの開口は、縦線で示された、円形の領域である。また、重複部分は、縦線及び横線の両方の線で示された、上記円形のうちの一部の領域である。
そして、本実施の形態では、図1Bに示すように、整流板160は、吸入管13の開口部13aの左右部分(密閉容器10の周方向における端部)を覆うように構成されている。
さらに、整流板160は、吸入管13の開口部13aの開口の少なくとも一部が、吸入管13の軸中心方向から見たときに、固定スクロール30の吸入部38と重複するように構成されている。
また、吸入管13の開口部13aの直径をdとしたとき、吸入管13と整流板160との距離は、d/2より大きくdより小さい。
さらに、吸入管13の開口部13aの開口と整流板160とが重なる重複部分の面積Bは、吸入管13の開口部13aの開口面積Aの30%より大きく70%より小さい範囲となるように構成されている。
[3.圧縮機構部の構成]
図1Aに示すように、圧縮機1は、密閉容器10内の低圧空間12に、圧縮機構部170を備えている。圧縮機構部170は、固定スクロール30と、旋回スクロール40と、有する。
固定スクロール30は、非旋回スクロールである。固定スクロール30は、仕切板20の下方において、仕切板20と隣接して配置されている。旋回スクロール40は、固定スクロール30の下方に、固定スクロール30と噛み合わされて、配置されている。
固定スクロール30は、円板状の固定スクロール端板31と、固定スクロール端板31の下面に立設された渦巻状の固定渦巻きラップ32とを備えている。
旋回スクロール40は、円板状の旋回スクロール端板41と、旋回スクロール端板41の上面に設けられた渦巻状の旋回渦巻きラップ42と、下方ボス部43と、を備えている。下方ボス部43は、旋回スクロール端板41の下面の略中央に形成された、円筒状の突起である。
旋回スクロール40の旋回渦巻きラップ42と固定スクロール30の固定渦巻きラップ32とが噛み合わさることで、旋回スクロール40と固定スクロール30との間に、圧縮室50が形成される。圧縮室50は、旋回渦巻きラップ42の内壁(後述する)側と、外壁(後述する)側とに形成される。
固定スクロール30及び旋回スクロール40の下方には、旋回スクロール40を支持する主軸受60が設けられている。主軸受60は、主軸受60の上面の略中央に設けられたボス収容部62と、ボス収容部62の下方に設けられた軸受部61と、を備えている。ボス収容部62は、下方ボス部43を収納するため凹部である。軸受部61の上部はボス収容部62として開口しており、軸受部61の下部は貫通孔として低圧空間12に開口している。
主軸受60は、主軸受60の上面で旋回スクロール40を支持するとともに、軸受部61で回転軸70を軸支する。
回転軸70は、図1A及び図1Bに示すように、上下方向を軸とする。回転軸70の一端側は、軸受部61により軸支され、他端側は、副軸受16で軸支される。
副軸受16は、低圧空間12の下方、望ましくは、油溜まり15内に設けられる。回転軸70の上端には、回転軸70の軸心に対して偏心した偏心軸71が設けられている。
偏心軸71は、スイングブッシュ78及び旋回軸受79を介して、下方ボス部43に摺動自在に挿入されている。下方ボス部43は、偏心軸71によって、旋回駆動される。
回転軸70の内部には、潤滑油が通過する油路72が形成されている。油路72は、回転軸70の軸方向に形成された貫通孔である。油路72の一端は、回転軸70の下端に設けられた吸込口73として、油溜まり15内に開口している。吸込口73の上部には、吸込口73から油路72に潤滑油を汲み上げるパドル74が設けられている。
回転軸70は、電動機80に連結されている。電動機80は、主軸受60と副軸受16との間に配置されている。電動機80は、密閉容器10に固定されたステータ81と、ステータ81の内側に配置されたロータ82と、を備えている。
回転軸70は、ロータ82に固定されている。回転軸70は、ロータ82の上方に設けられたバランスウェイト17aと、下方に設けられたバランスウェイト17bと、を備えている。バランスウェイト17aとバランスウェイト17bとは、平面視において、回転軸70の周方向に互いに180°ずれた位置に配置されている。
回転軸70は、バランスウェイト17a及びバランスウェイト17bによる遠心力と、旋回スクロール40の公転運動により発生する遠心力とで、バランスを取って回転する。なお、バランスウェイト17a及びバランスウェイト17bは、ロータ82に設けられてもよい。
旋回スクロール40と主軸受60との間には、自転抑制部材であるオルダムリング90が設けられている。オルダムリング90は、旋回スクロール40の自転を防止する。これにより、旋回スクロール40は自転することなく、固定スクロール30に対して旋回運動をする。
固定スクロール30、旋回スクロール40、電動機80、オルダムリング90及び主軸受60は、低圧空間12に配置されている。また、固定スクロール30及び旋回スクロール40は、仕切板20と主軸受60との間に配置されている。
仕切板20及び主軸受60は、密閉容器10に固定されている。固定スクロール30及び旋回スクロール40のいずれか一方には、弾性体(図示せず)が設けられている。そして、固定スクロール30及び旋回スクロール40のうち、少なくとも弾性体が設けられた一方は、仕切板20と主軸受60との間の少なくとも一部の区間において、軸方向に移動可能に設けられている。上記少なくとも一部の区間とは、例えば、仕切板20と旋回スクロール40との間、又は、固定スクロール30と主軸受60との間である。
本実施の形態では、固定スクロール30は、主軸受60に設けられた柱状部材100に対して、軸方向(図1における上下方向)に移動可能に設けられている。柱状部材100は、下端部が軸受側孔部102に挿入されて固定される一方、上端部がスクロール側孔部101に摺動自在に挿入されている。
柱状部材100は、固定スクロール30の自転及び半径方向の動きを規制するとともに、固定スクロール30の軸方向の動きを許容する。つまり、固定スクロール30は、柱状部材100によって主軸受60で支持され、仕切板20と主軸受60との間の一部の区間、より詳細には、仕切板20と旋回スクロール40との間で軸方向に移動可能に設けられている。
柱状部材100は、複数設けられており、周方向に所定の間隔をあけて配置されている。望ましくは、複数の柱状部材100は、周方向に略均等に配置される。
なお、柱状部材100は、固定スクロール30に設けられてもよい。つまり、柱状部材100は、下端部が軸受側孔部102に摺動自在に挿入される一方、上端部がスクロール側孔部101に挿入され固定されていてもよい。
[4.動作及び作用]
以上のように構成された圧縮機1について、次にその動作及び作用を説明する。
電動機80が駆動されると、ロータ82とともに回転軸70が回転する。旋回スクロール40は、偏心軸71及びオルダムリング90によって、自転することなく回転軸70の中心軸を中心に旋回運動する。これによって、圧縮室50の容積が縮小し、圧縮室50の冷媒が圧縮される。
冷凍サイクル回路中の冷媒は、吸入管13から低圧空間12に導入される。そして、低圧空間12に導入された冷媒は、整流板160に衝突し、分流される。
本実施の形態では、吸入管13及び整流板160は、図1Bに示すように、吸入管13の開口部13aの面積をA、吸入管13の軸中心から見たときの開口部13aの開口と整流板160との重複部分の面積をBとすると、A>Bであり、かつ、当該重複部分は、整流板160における、固定スクロール30の吸入部38側に設けられている。
従って、吸入管13から導入された冷媒は、整流板160における当該重複部分に衝突してその一部が電動機80側に分流されるとともに、残りは吸入管13の開口部13aを通過して、直接、圧縮機構部170側に流れる。すなわち、電動機80側には、電動機80の冷却に必要な量の冷媒だけが分流され、当該残りの冷媒は、直接、圧縮機構部170における固定スクロール30の吸入部38側へ流出する。換言すると、当該残りの冷媒は、比較的高温になった仕切板20への衝突が抑制されつつ、圧縮機構部170の吸入部38側に流れ、吸入部38から吸入される。そのため、吸入管13から吸入された冷媒が、仕切板20によって加熱されることを回避し、冷媒が加熱されることによる冷媒密度の低下を抑制することができる。これにより、スクロール圧縮機の効率を向上することができる。
また、本実施の形態では、整流板160は、吸入管13の軸中心方向から見たときの、吸入管13の開口部13aの左右部分(開口部13aにおける、密閉容器10の周方向の部分)を覆うように設けられている。
これにより、吸入管13から吸入された冷媒が、吸入管13の開口部13aから左右方向、すなわち密閉容器10の周方向に分流されるのを抑制して、圧縮機構部170側及び電動機80側へ効率よく分流することができる。従って、冷媒は、さらに効率よく圧縮機構部170の吸入部38へと導かれる。よって、冷媒の仕切板20との接触をより少なくして、冷媒密度の低下を抑制し、スクロール圧縮機の効率を向上することができる。
また、本実施の形態では、吸入管の軸中心方向から見たときに、吸入管13の開口部13aの開口の少なくとも一部が、固定スクロール30の吸入部38と重複するように構成されている。
これによって、吸入管13の開口部13aの開口の当該一部を流れる吸入冷媒は、直線的に圧縮機構部170の吸入部38に向かう。従って、冷媒を、圧縮機構部170の吸入部38に、さらに効率よく、直接吸入させることができる。よって、冷媒が仕切板20と接触することを回避して、冷媒密度の低下を抑制し、スクロール圧縮機の効率を向上することができる。
また、本実施の形態では、吸入管13の開口部13aの直径をdとすると、吸入管13と整流板160との距離は、d/2より大きくdよち小さい範囲内である。
吸入管13と整流板160との距離がd/2より大きく構成されることにより、整流板160内(整流板160と密閉容器10の内壁面との間)での冷媒の圧力損失を低減できる。また、吸入管13と整流板160との距離がdより小さく構成されることにより、吸入された冷媒が、整流板160によって電動機80側へ分流されやすくなる。つまり、整流板160と密閉容器10の内壁面との間を流れる冷媒の圧力損失を低減することができるため、電動機80側及び圧縮機構部170側への冷媒の分流が効率的に行われる。よって、スクロール圧縮機の効率を向上することができる。
また、本実施の形態では、吸入管13の開口部13aと整流板160との重複部分の面積Bは、吸入管13の開口部13aの開口面積Aの30%より大きく70%より小さい範囲内である。
当該重複部分の面積Bが、冷媒吸入管13の開口部13aの開口面積Aの30%より大きく構成されることにより、電動機80側へ分流される冷媒の量を適切な量に確保することができ、電動機80を良好に冷却することができる。
また、当該重複部分の面積Bが吸入管13の開口部13aの開口面積Aの70%より小さく構成されることにより、圧縮機構部170側へ分流される冷媒の量も適切な量に確保でき、圧縮機構部170による圧縮を良好に行うことができる。
つまり、電動機80の冷却を良好に行いつつ圧縮機構部170による冷媒の圧縮も良好に行うことができる。そして、吸入管13から吸入された冷媒は、比較的高温になった仕切板20に衝突して加熱されることなく、直接、圧縮機構部170の吸入部38から吸入されるため、圧縮機構部170における冷媒の圧縮効率を向上することができる。
そして、圧縮室50で圧縮された冷媒は、高圧空間11を経由して、冷媒吐出管(吐出管)14から吐出される。
また、油溜まり15に貯留された潤滑油は、回転軸70の回転によって、吸込口73からパドル74に沿って、油路72の上方へと汲み上げられる。
汲み上げられた潤滑油は、第1給油口75、第2給油口76及び第3給油口77から、軸受部61、副軸受16及びボス収容部62にそれぞれ供給される。また、ボス収容部62まで汲み上げられた潤滑油は、主軸受60と旋回スクロール40との摺動面に導かれるとともに、返送経路63(図5参照)を通じて排出されて、再び油溜まり15に戻る。
[5.圧縮機の詳細構成]
圧縮機1の詳細な構成について、さらに説明する。
図2Aは、本実施の形態に係るスクロール圧縮機の旋回スクロールの側面図である。図2Bは、図2Aにおける旋回スクロールを図2AのX-X線で切断した断面図である。
図2Aに示す旋回渦巻きラップ42は、旋回スクロール端板41の中心側に位置する始端42aを巻き始めとし、外周側に位置する終端42bに向けて徐々に半径を拡大する、インボリュート曲線状の断面を有する壁である(図2B参照)。旋回渦巻きラップ42は、所定の高さ(上下方向の長さ)及び所定の壁厚(旋回渦巻きラップ42の径方向の長さ)を有する。
旋回スクロール端板41の下面の両端には、外周側から中心側へ向かう方向に長く構成された、一対の第1のキー溝91が設けられている(図2B参照)。
図3は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機の固定スクロールの底面図である。図4は、同固定スクロールを斜め上から見た分解斜視図である。
図3に示すように、固定渦巻きラップ32は、固定スクロール端板31の中心側に位置する始端32aを巻き始めとし、外周側に位置する終端32cに向けて徐々に半径を拡大する、インボリュート曲線状の断面を有する壁である。固定渦巻きラップ32は、旋回渦巻きラップ42と等しい所定の高さ(上下方向の長さ)、及び所定の壁厚(固定渦巻きラップ32の径方向の長さ)を有する。
固定渦巻きラップ32は、始端32aから中間部32bにかけては、内壁(中心側の壁面)及び外壁(外周側の壁面)を備え、中間部32bから終端32cにかけては、内壁のみを備えている。
図3及び図4に示すように、固定スクロール端板31の略中心部には、第1吐出ポート35が形成されている。また、固定スクロール端板31には、バイパスポート36及び中圧ポート37が形成されている。バイパスポート36は、第1吐出ポート35の近傍で、圧縮完了直前の高圧圧力の冷媒が存在する領域に配置されている。
バイパスポート36は、3つの小孔を1セットとして、旋回渦巻きラップ42(図2B参照)の外壁側に形成される圧縮室50と連通するバイパスポート36、及び、旋回渦巻きラップ42の内壁側に形成される圧縮室50と連通するバイパスポート36の2セットが設けられている。中圧ポート37は、中間部32b近傍で、圧縮途中の中間圧力の冷媒が存在する領域に配置されている。
図4に示すように、固定スクロール30の外周部には、周壁33から外周側に突出する一対の第1フランジ34a、及び、一対の第2フランジ34bが設けられている。第1フランジ34a及び第2フランジ34bは、固定スクロール端板31よりも下方(旋回スクロール40側)に設けられている。第2フランジ34bは、第1フランジ34aよりも下方に設けられ、第2フランジ34bの下面(旋回スクロール40側の面)は、固定渦巻きラップ32の先端面と略同一平面上に位置している。
一対の第1フランジ34aのそれぞれは、回転軸70における周方向に、所定の間隔をあけて、ほぼ均等に配置されている。また、一対の第2フランジ34bのそれぞれは、回転軸70における周方向に、所定の間隔をあけて、ほぼ均等に配置されている。
固定スクロール30の周壁33には、冷媒を圧縮室50に取り込むための吸入部38が形成されている。
また、第1フランジ34aには、柱状部材100(図1参照)の上端部が挿入される、スクロール側孔部101が設けられている。スクロール側孔部101は、一対の第1フランジ34aに、それぞれ1つずつ設けられている。2つのスクロール側孔部101は、周方向に所定の間隔をあけて配置されている。望ましくは、2つのスクロール側孔部101は、周方向に均等に配置される。なお、スクロール側孔部101は、貫通孔でなくてもよく、下面側から窪む凹部であってもよい。
スクロール側孔部101は、連通孔(図示せず)によって、固定スクロール30の外部、つまり、低圧空間12と連通している。
第2フランジ34bには、第2のキー溝92が設けられている(図3参照)。第2のキー溝92は、一対の第2フランジ34bにそれぞれ1つずつ設けられた、外周側から中心側へ向かう方向に長く構成された、一対の溝である。
図4に示すように、固定スクロール30の上面(仕切板20側の面)には、中央に上方ボス部39が設けられている。上方ボス部39は、固定スクロール30の上面から突出する円柱状の突起である。第1吐出ポート35及びバイパスポート36は、上方ボス部39の上面に開口する。上方ボス部39の上面側には、上方ボス部39と仕切板20との間に、吐出空間30Hが形成されている(後述する図7参照)。第1吐出ポート35及びバイパスポート36は、吐出空間30Hと連通する。
また、固定スクロール30の上面には、上方ボス部39の外周側に、リング状凸部310が設けられている。上方ボス部39及びリング状凸部310によって、固定スクロール30の上面には凹部が形成される。この凹部は、中圧空間30Mを形成する(後述する図7参照)。中圧ポート37は、固定スクロール30の上面(凹部の底面)に開口し、中圧空間30Mと連通する。
中圧ポート37の孔径は、旋回渦巻きラップ42の壁厚より小さい。これにより、旋回渦巻きラップ42の内壁側に形成される圧縮室50と、旋回渦巻きラップ42の外壁側に形成される圧縮室50との連通が防止される。
上方ボス部39の上面には、バイパスポート36を開閉可能とするバイパス逆止弁121と、バイパス逆止弁121の過度な変形を防止するバイパス逆止弁ストップ122と、が設けられている。バイパス逆止弁121としてリードバルブを用いられることで、高さを小さくできる。また、バイパス逆止弁121として、V字型のリードバルブを用いられることで、旋回渦巻きラップ42の外壁側に形成される圧縮室50と連通するバイパスポート36と、旋回渦巻きラップ42の内壁側に形成される圧縮室50と連通するバイパスポート36とを、1つのリードバルブで開閉することができる。
固定スクロール30の上面(凹部の底面)には、中圧ポート37を開閉可能とする中圧逆止弁(図示せず)と、中圧逆止弁の過度な変形を防止する中圧逆止弁ストップ(図示せず)とが設けられている。中圧逆止弁として、リードバルブを用いることで高さ方向の大きさをコンパクトにできる。また、中圧逆止弁は、ボールバルブ及びバネによって構成することもできる。
図5は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機の主軸受を斜め上から見た斜視図である。
図5に示すように、主軸受60の外周部には、柱状部材100(図1参照)の下端部が挿入される軸受側孔部102が設けられている。軸受側孔部102は、周方向に所定の間隔をあけて、2つ設けられている。望ましくは、2つの軸受側孔部102は、周方向に均等に配置される。なお、軸受側孔部102は、貫通孔でなくてもよく、上面側から窪む凹部であってもよい。
主軸受60には、返送経路63が形成されている。返送経路63は、一端がボス収容部62に開口し、他端が主軸受60の下面に開口する。なお、返送経路63の一端は、主軸受60の上面に開口してもよい。また、返送経路63の他端は、主軸受60の側面に開口してもよい。
返送経路63は、軸受側孔部102とも連通している。従って、軸受側孔部102には、返送経路63によって、潤滑油が供給される。
図6は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機の自転抑制部材であるオルダムリングを示す平面図である。
図6に示すように、オルダムリング90は、略円環状のリング部95と、リング部95の上面から突出する、一対の第1のキー93及び一対の第2のキー94を備えている。第1のキー93及び第2のキー94は、2つの第1のキー93を結ぶ直線と、2つの第2のキー94を結ぶ直線とが直交するように設けられている。
第1のキー93は、旋回スクロール40の第1のキー溝91(図2B参照)と係合し、第2のキー94は、固定スクロール30の第2のキー溝92(図3参照)と係合する。これによって、旋回スクロール40は、自転することなく、固定スクロール30に対して旋回運動をすることが可能となる。
本実施の形態では、回転軸70の軸方向に、上方から、固定スクロール30、旋回スクロール40及びオルダムリング90の順に配置されている(図1参照)。このため、第1のキー93及び第2のキー94は、リング部95における同一平面に形成されている。これにより、オルダムリング90の作成時に、第1のキー93及び第2のキー94を、同一方向から加工することが可能となり、加工装置からオルダムリング90を脱着する回数を減らすことができる。このため、オルダムリング90の加工精度の向上及び加工費の削減を図ることができる。
図7は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機の要部の断面図である。図8は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機の要部の断面を示す斜視図である。
図7に示すように、仕切板20の中心部には、第2吐出ポート21が設けられている。仕切板20の上面には、第2吐出ポート21を開閉可能とする吐出逆止弁131と、吐出逆止弁131の過度な変形を防止する吐出逆止弁ストップ132と、が設けられている。
仕切板20と固定スクロール30との間には、吐出空間30Hが形成される。吐出空間30Hは、第1吐出ポート35及びバイパスポート36によって圧縮室50と連通し、第2吐出ポート21によって高圧空間11と連通する。
吐出空間30Hは、第2吐出ポート21を介して高圧空間11と連通しているため、固定スクロール30の上面側には背圧が加わる。つまり、吐出空間30Hに高圧圧力が加わることで、固定スクロール30は、旋回スクロール40に押し付けられる。このため、固定スクロール30と旋回スクロール40との隙間を無くすことができ、圧縮機1によって高効率な運転が行われる。
吐出逆止弁131の板厚は、バイパス逆止弁121の板厚より大きい。これによって、吐出逆止弁131が、バイパス逆止弁121より先に開くことを防止できる。
第2吐出ポート21の容積は、第1吐出ポート35の容積より大きい。これによって、圧縮室50から吐出される冷媒の圧力損失を低減することができる。
また、第2吐出ポート21の流入側にテーパが形成されてもよい。これによって、より圧力損失を低減できる。
仕切板20の下面には、第2吐出ポート21の周りに、円環状に突出する突出部22が設けられている。突出部22には、後述の閉塞部材150の一部が挿入される、複数の孔部221が設けられている。
図7及び図8に示すように、突出部22には、第1シール部材141と、第2シール部材142と、が設けられている。第1シール部材141は、突出部22から仕切板20の中心側に向けて突出する、リング状のシール部材である。第1シール部材141の先端は、上方ボス部39の側面に接している。つまり、第1シール部材141は、仕切板20と固定スクロール30との間であって、吐出空間30Hの外周に位置する隙間に配置されている。
第2シール部材142は、突出部22から仕切板20の外周側に向けて突出する、リング状のシール部材である。第2シール部材142は、第1シール部材141の外側に配置されている。第2シール部材142の先端は、リング状凸部310の内側面に接している。つまり、第2シール部材142は、仕切板20と固定スクロール30との間であって、中圧空間30Mの外周に位置する隙間に配置されている。
換言すると、第1シール部材141及び第2シール部材142によって、仕切板20と固定スクロール30との間には、吐出空間30H及び中圧空間30Mが形成される。吐出空間30Hは、上方ボス部39の上面側に形成される空間であり、中圧空間30Mは、上方ボス部39の外周側に形成される空間である。
第1シール部材141は、吐出空間30Hと中圧空間30Mとを区画するシール部材であり、第2シール部材142は、中圧空間30Mと低圧空間12とを区画するシール部材である。
第1シール部材141及び第2シール部材142としては、例えばフッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレンが、シール性及び組み立て性の面において適している。さらに、第1シール部材141及び第2シール部材142として、フッ素樹脂に繊維材を混合させたものが用いられることで、シールの信頼性が向上する。
第1シール部材141及び第2シール部材142は、閉塞部材150と突出部22との間に挟み込まれている。このため、仕切板20に、第1シール部材141、第2シール部材142及び閉塞部材150が組み付けられた後に、これを密閉容器10内に配置させることができる。これによって、圧縮機1の部品点数を少なくできるとともに、圧縮機1の組み立てが容易となる。
より詳細には、閉塞部材150は、仕切板20の突出部22に対向するように配置されるリング状部151と、リング状部151の一面から突出する複数の突出部152と、を有する。
第1シール部材141の外周側は、リング状部151の上面の内周側の部分と突出部22の下面とで挟み込まれる。また、第2シール部材142の内周側は、リング状部151の上面の外周側の部分と突出部22の下面とで挟み込まれる。
つまり、リング状部151は、第1シール部材141及び第2シール部材142を介して、仕切板20の突出部22の下面に対向している。
複数の突出部152は、突出部22に形成された複数の孔部221に挿入されている。そして、突出部152の上端は、リング状部151が突出部22の下面に押圧された状態となるように、かしめられている。つまり、突出部152の上端を平板状に変形させることで、リング状部151が突出部22の下面に押圧された状態となるように、閉塞部材150が仕切板20に固定されている。閉塞部材150は、アルミニウム材により形成されることで、容易にかしめられる。
仕切板20に第1シール部材141及び第2シール部材142が取り付けられた状態において、第1シール部材141の内周部は、リング状部151から仕切板20の中心側に向けて突出し、第2シール部材142の外周部は、リング状部151から仕切板20の外周側に向けて突出する。
そして、第1シール部材141及び第2シール部材142が取り付けられた仕切板20が、密閉容器10内に装着されることで、第1シール部材141の内周側の部分は、固定スクロール30の上方ボス部39の外周面に押圧され、第2シール部材142の外周側の部分は、固定スクロール30のリング状凸部310の内周面に押圧される。
中圧空間30Mは、中圧ポート37によって、圧縮室50における、圧縮途中の中間圧力の冷媒が存在する領域と連通している。このため、中圧空間30Mの圧力は、吐出空間30Hの圧力より低く、低圧空間12の圧力よりも高い。
このように、仕切板20と固定スクロール30との間に、吐出空間30Hに加えて、中圧空間30Mが形成されることで、固定スクロール30の旋回スクロール40への押し付け力の調整が容易となる。
また、中圧空間30Mは、第1シール部材141及び第2シール部材142によって形成されるため、吐出空間30Hから中圧空間30Mへの冷媒の漏れ、及び、中圧空間30Mから低圧空間12への冷媒の漏れを低減することができる。
(実施の形態2)
図9Aは、本実施の形態に係るスクロール圧縮機を縦方向に切断した断面図である。また、図9Bは、本実施の形態に係るスクロール圧縮機を、吸入管の軸中心から見たときの、縦方向に切断した断面図である。
本実施の形態では、図9Bに示すように、吸入管13の軸中心方向から見たときの、整流板160における、吸入管13の開口部13aと整流板160との重複部分に、孔部160aが設けられている。
その他の構成は、図1で示した実施の形態1に係る圧縮機1と同じであるので、図1で説明した構成と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
上記構成によれば、吸入管13から吸入された冷媒の一部は、整流板160の孔部160aを通って、圧縮機構部170における固定スクロール30の吸入部38の方向へ分流される。また、残りの冷媒は、整流板160の孔部160a以外の部分に衝突して電動機80側へと分流される。
従って、上記孔部160aの大きさを、実施の形態1で説明した、開口面積Aと重複部分の面積Bとの関係が満たされるようすれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。これによって、吸入管13と整流板160との位置関係について、例えば上下にずらす等の変更を加えることなく、既存の圧縮機の構成に対して孔を加えるという簡単な加工によって、実施の形態1と同様に、冷媒密度の低下を抑制し、圧縮機の効率を向上することができる。
以上述べたように、本開示は、電動機に対する冷却性能を確保しつつ、仕切板において吸入された冷媒が加熱されることによる、圧縮効率の低下を防ぐことができる。従って、効率の高いスクロール圧縮機を提供することができる。よって、給湯機、温水暖房装置、空気調和装置等の冷凍サイクル装置の圧縮機として幅広く適用することができる。
1 圧縮機
10 密閉容器
11 高圧空間
12 低圧空間
13 冷媒吸入管(吸入管)
13a 密閉容器内側開口部(開口部)
14 冷媒吐出管(吐出管)
16 副軸受
17a バランスウェイト
17b バランスウェイト
20 仕切板
21 第2吐出ポート
22 突出部
30 固定スクロール
30H 吐出空間
30M 中圧空間
31 固定スクロール端板
32 固定渦巻きラップ
32a 始端
32b 中間部
32c 終端
33 周壁
34a フランジ
34b フランジ
35 第1吐出ポート
36 バイパスポート
37 中圧ポート
38 吸入部
39 上方ボス部
40 旋回スクロール
42 旋回渦巻きラップ
42a 始端
42b 終端
43 下方ボス部
50 圧縮室
60 主軸受
61 軸受部
62 ボス収容部
63 返送経路
70 回転軸
71 偏心軸
72 油路
73 吸込口
74 パドル
75 給油口
76 給油口
77 給油口
80 電動機
81 ステータ
82 ロータ
90 自転抑制部材(オルダムリング)
91 キー溝
92 キー溝
93 第1のキー
94 キー
100 柱状部材
101 スクロール側孔部
102 軸受側孔部
121 バイパス逆止弁
122 バイパス逆止弁ストップ
131 吐出逆止弁
132 吐出逆止弁ストップ
141 シール部材
142 シール部材
150 閉塞部材
151 リング状部
152 突出部
160 整流板
160a 孔部
170 圧縮機構部
221 孔部

Claims (5)

  1. 密閉容器と、
    前記密閉容器内を高圧空間及び低圧空間に区画する仕切板と、
    前記仕切板に隣接する固定スクロールと、
    前記固定スクロールに噛み合わされて、前記固定スクロールとともに圧縮室を形成する旋回スクロールと、
    前記旋回スクロールを駆動する電動機と、
    前記旋回スクロールの自転を防止する自転抑制部材と、
    前記旋回スクロールを支持する主軸受と、
    前記低圧空間に向けて開口する開口部を有する吸入管と、
    前記吸入管から前記密閉容器内に吸入された冷媒を分流する整流板と、を有し、
    前記固定スクロール、前記旋回スクロール及び前記自転抑制部材を含む圧縮機構部、前記電動機、前記整流板並びに前記主軸受が、前記低圧空間に配置され、
    前記固定スクロール及び前記旋回スクロールが、前記仕切板と前記主軸受との間に配置された、スクロール圧縮機であって、
    前記整流板は、前記吸入管から吸入された前記冷媒の一部が、前記整流板に衝突することなく前記圧縮機構部側に流れ、前記吸入管から吸入された前記冷媒の残りが、前記整流板に衝突して前記電動機側に分流されるように構成され、
    前記圧縮機構部は、前記吸入管から吸入された前記冷媒の少なくとも一部が吸入される吸入部を有し、
    前記開口部の開口面積をA、前記吸入管の軸中心方向から見たときの前記開口部の開口と前記整流板との重複部分の面積をBとすると、A>Bであり、かつ、前記重複部分は、前記整流板における前記吸入部側に位置し、
    前記吸入管は、前記吸入管の軸中心方向から見たときに、前記開口部の開口の少なくとも一部が、前記吸入部と重複するように構成された、
    スクロール圧縮機。
  2. 前記整流板における前記重複部分に孔部が設けられた、
    請求項に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記整流板は、前記吸入管の軸中心方向から見たときの前記開口部の左右部分を覆うように設けられた、
    請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記開口部の直径をdとすると、前記吸入管と前記整流板との距離は、d/2より大きくdより小さい、
    請求項2又は請求項3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記重複部分の面積Bは、前記開口部の開口面積Aの30%より大きく70%より小さい、
    請求項2~のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
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