JP2016211455A - 圧縮機 - Google Patents

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遊 杉本
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忠資 堀田
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Abstract

【課題】潤滑油の圧力の脈動が絞り流路から油分離器側に伝搬することを抑制する。
【解決手段】圧縮機において固定側給油流路127と可動側給油流路114とは、可動スクロール11の公転運動に伴って間欠的に連通して、この連通に伴って油分離器の出口からの潤滑油がリターンパイプ34の絞り流路34b、固定側給油流路127、および可動側給油流路114を通して、潤滑対象部位等に供給される。リターンパイプ34は、流路130、131を備える絞り流路34bを備える。脈動は流路130を通過して流路131に進行すると、流路131において、脈動が径方向外側に分散しながら、油配管側に伝搬する。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧縮機に関するものである。
従来のヒートポンプ式の給湯器用圧縮機では、固定スクロールに対して可動スクロールが旋回することにより、潤滑油を含む冷媒を吸入して圧縮して吐出する圧縮機構と、圧縮機構から吐出される高圧流体から潤滑油を分離するとともに、潤滑油が除かれた高圧流体を吐出する油分離器とを備える(例えば、特許文献1参照)。
このものにおいては、固定スクロールおよび可動スクロールのそれぞれには、油分離器から出た潤滑油を軸受け等の潤滑対象部位に導くための給油流路が形成されている。そして、固定スクロールの給油流路と可動スクロールの給油流路とは、可動スクロールの旋回に伴って互いに間欠的に連通して、この連通に伴って
潤滑対象部位側の圧力と油分離器側の圧力との圧力差によって、油分離器からの潤滑油が固定スクロールの給油流路、および可動スクロールの給油流路を通して潤滑対象部位に供給される。これにより、潤滑油によって潤滑対象部位を潤滑することができる。
特開2009−243373号公報
上記給湯器用圧縮機では、固定スクロールの給油流路と可動スクロールの給油流路とは、可動スクロールの旋回に伴って互いに間欠的に連通する。このため、潤滑油の圧力が間欠的に変動する脈動が生じる。
間欠的に供給する際に、給油流路以外への漏れを抑制する機構(間欠ピン等)を有する場合は、潤滑油の圧力が間欠的に変動する脈動が大きくなりやすい。この脈動は、可動スクロール側から潤滑油流路を通して油分離器に伝搬して油分離器を振動させる。すなわち、“いわゆるウォータハンマー現象”により油分離器を振動させることになる。この振動が可動スクロール等の作動音に影響して給湯器の騒音の要因になる恐れがある。
このような騒音の問題は、固定スクロールの給油流路と可動スクロールの給油流路とが間欠的に連通して、圧力差によって油分離器からの潤滑油を潤滑対象部位に供給するものであるならば、給湯器用圧縮機以外の圧縮機でも生じる可能性がある。
本発明は上記点に鑑みて、潤滑油の圧力の脈動が油分離器に伝搬することを抑えるようにした圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、固定部材(12)と、固定部材に対して変位する可動部材(11)とを有し、可動部材が固定部材に対して変位することにより、潤滑油を含む流体を吸入して圧縮して高圧流体を吐出する圧縮機構(10)と、
圧縮機構から吐出される高圧流体から潤滑油を分離して、潤滑油が除かれた高圧流体を吐出する油分離器(40)と、を備え、
固定部材および可動部材のそれぞれには、油分離器から出た潤滑油を潤滑対象部位に導く給油流路(114、127)が形成され、
油分離器と可動部材の給油流路との間に配置されて、油分離器から可動部材の給油流路に向けて流れる潤滑油の流れを絞る絞り流路(34b)を形成する絞り流路形成部材(34)を備え、
固定部材の給油流路は、絞り流路の流路断面積よりも大きな流路断面積を有し、
固定部材の給油流路と可動部材の給油流路とは、可動部材の変位に伴って間欠的に連通して、この連通に伴って潤滑対象部位側の圧力と高圧流体の圧力との圧力差によって油分離器からの潤滑油が絞り流路、固定部材の給油流路、および可動部材の給油流路を通して潤滑対象部位に供給される圧縮機であって、
絞り流路は、互いに流路断面積が相違し、かつそれぞれ連通する複数の流路(130、131、・・・150、151a)を備え、複数の流路が流れ方向に並べられて絞り流路が構成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、固定部材の給油流路の流路断面積よりも絞り流路の流路断面積の方が小さい。このため、固定部材の給油流路と可動部材の給油流路とが間欠的に連通することに伴って潤滑油の圧力の脈動が発生しても、この脈動が固定部材の給油流路から絞り流路に伝搬することが抑制される。これに加えて、複数の流路が流れ方向に並べられて絞り流路が構成されているので、絞り流路から脈動が油分離器に伝搬するが抑制される。
以上により、潤滑油の圧力の脈動が油分離器に伝搬することを抑えることができる。
但し、本明細書では、流路断面積は、流路において流れ方向に直交する方向の断面の面積である。
具体的には、絞り流路は、次のように構成されている。すなわち、請求項2に記載の発明では、絞り流路は、複数の流路としての第1、第2の流路(130、131)と、第1、第2の流路を接続する接続部(132)と、を備え、第1の流路の流路断面積は、第2の流路の流路断面積よりも大きくなっており、第1流路(131)は、第2の流路(130)に対して流れ方向の上流側に配置されていることを特徴とする。
これにより、第2の流路から第1の流路に伝搬した脈動は、第1の流路において径方向の外側に分散しながら、油分離器側に伝搬する。このため、脈動が第1の流路から油分離器に伝搬することを抑えることができる。
ここで、径方向とは、流路において、その流れ方向に直交する方向のことである。本明細書において、流路の断面が円形であることを限定するものではなく、流路の断面は、円形以外の各種の形状にしてもよい。
請求項4に記載の発明では、絞り流路は、複数の流路としての第1、第2の流路(130a、131a)と、第1、第2の流路を接続する接続部(132a)と、を備え、
第1の流路(130a)の流路断面積は、第2の流路(131a)の流路断面積よりも大きくなっており、
第1の流路は、第2の流路に対して流れ方向の下流側に配置されていることを特徴とする。
これにより、第1の流路の流路断面積は、第2の流路の流路断面積よりも大きくなっているので、第1の流路から第2の流路に脈動が伝搬することが抑制される。このため、脈動が油分離器に伝搬することを抑えることができる。
請求項12に記載の発明では、固定部材(12)と、固定部材に対して変位する可動部材(11)とを有し、可動部材が固定部材に対して変位することにより、潤滑油を含む流体を吸入して圧縮して高圧流体を吐出する圧縮機構(10)と、
圧縮機構から吐出される高圧流体から潤滑油を分離して、潤滑油が除かれた高圧流体を吐出する油分離器(40)と、を備え、
固定部材および可動部材のそれぞれには、油分離器から出た潤滑油を潤滑対象部位に導く給油流路(114、127)が形成され、
油分離器と可動部材の給油流路との間に配置されて、油分離器から可動部材の給油流路に向けて流れる潤滑油の流れを絞る絞り流路(34b)を形成する絞り流路形成部材(34)を備え、
固定部材の給油流路は、絞り流路の流路断面積よりも大きな流路断面積を有し、
固定部材の給油流路と可動部材の給油流路とは、可動部材の変位に伴って間欠的に連通して、この連通に伴って潤滑対象部位側の圧力と高圧流体の圧力との圧力差によって油分離器からの潤滑油が絞り流路、固定部材の給油流路、および可動部材の給油流路を通して潤滑対象部位に供給される圧縮機であって、
絞り流路は、油分離器側から固定部材の給油流路側に近づくほど流路断面積が徐々に小さくなるように形成されて油分離器からの潤滑油を固定部材の給油流路側に導くテーパ部(151)を備えることを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、固定部材の給油流路の流路断面積よりも絞り流路の流路断面積の方が小さい。このため、固定部材の給油流路と可動部材の給油流路とが間欠的に連通することに伴って潤滑油の圧力の脈動が発生しても、この脈動が固定部材の給油流路から絞り流路に伝搬することが抑制される。これに加えて、テーパ部は、固定部材の給油流路から油分離器に近づくほど流路断面積が徐々に大きくなるように形成されている。このため、テーパ部において、径方向の外側に分散しながら、油分離器側に伝搬する。これにより、脈動が油分離器に伝搬することを抑えることができる。
ここで、径方向とは、テーパ部において、その流れ方向に直交する方向のことである。但し、本明細書において、流路の断面が円形であることを限定するものではなく、テーパ部の断面は、円形以外の各種の形状にしてもよい。
請求項14に記載の発明では、固定部材(12)と、固定部材に対して変位する可動部材(11)とを有し、可動部材が固定部材に対して変位することにより、潤滑油を含む流体を吸入して圧縮して高圧流体を吐出する圧縮機構(10)と、
圧縮機構から吐出される高圧流体から潤滑油を分離して、潤滑油が除かれた高圧流体を吐出する油分離器(40)と、を備え、
固定部材および可動部材のそれぞれには、油分離器から出た潤滑油を潤滑対象部位に導く給油流路(114、127)が形成され、
油分離器と可動部材の給油流路との間に配置されて、油分離器から可動部材の給油流路に向けて流れる潤滑油の流れを絞る絞り流路(34b)を形成する絞り流路形成部材(34)を備え、
固定部材の給油流路は、絞り流路の流路断面積よりも大きな流路断面積を有し、
固定部材の給油流路と可動部材の給油流路とは、可動部材の変位に伴って間欠的に連通して、この連通に伴って潤滑対象部位側の圧力と高圧流体の圧力との圧力差によって油分離器からの潤滑油が絞り流路、固定部材の給油流路、および可動部材の給油流路を通して潤滑対象部位に供給される圧縮機であって、
絞り流路は、油分離器側から固定部材の給油流路側に近づくほど流路断面積が徐々に大きくなるように形成されて油分離器からの潤滑油を固定部材の給油流路側に導くテーパ部(150a)を備えることを特徴とする。
請求項14に記載の発明によれば、固定部材の給油流路の流路断面積よりも絞り流路の流路断面積の方が小さい。このため、固定部材の給油流路と可動部材の給油流路とが間欠的に連通することに伴って潤滑油の圧力の脈動が発生しても、この脈動が固定部材の給油流路から絞り流路に伝搬することが抑制される。これに加えて、テーパ部は、固定部材の給油流路側から油分離器側に近づくほど流路断面積が徐々に小さくなる。このため、テーパ部において油分離器側に脈動が伝搬することが抑制される。これにより、脈動が油分離器に伝搬することを抑えることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における圧縮機の模式的な断面図である。 図1の部分拡大断面図である。 図2の部分拡大断面図である。 給油流路部材の平面図である。 給油流路部材の断面図である。 図1のリターンパイプ単体の拡大断面図である。 図1の圧縮機における潤滑油の循環経路を示す断面図である。 比較例であるリターンパイプ単体の拡大断面図である。 絞り率と脈動の低減効果の関係を示すグラフである。 絞り率と振動の抑制効果の関係を示すグラフである。 絞り率と潤滑油の流量の関係を示すグラフである。 絞り率と音の低減効果の関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態におけるリターンパイプ単体の拡大断面図である。 本発明の第3実施形態におけるリターンパイプ単体の拡大断面図である。 本発明の第4実施形態におけるリターンパイプ単体の拡大断面図である。 本発明の第5実施形態におけるリターンパイプ単体の拡大断面図である。 本発明の第6実施形態におけるリターンパイプ単体の拡大断面図である。 本発明の第7実施形態におけるリターンパイプ単体の拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明の圧縮機を給湯機用のヒートポンプサイクル(図示せず)に適用したものである。
ヒートポンプサイクルは、圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧器、蒸発器および気液分離器等を順次配管で接続した蒸気圧縮式の冷凍サイクルである。水冷媒熱交換器は、圧縮機の冷媒吐出口から吐出された冷媒と給湯水とを熱交換して給湯水を加熱する。減圧器は水冷媒熱交換器から流出した冷媒を減圧する。蒸発器は外気から吸熱して、減圧器で減圧された冷媒を蒸発させる。気液分離器は、蒸発器から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離して余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるとともに、気相冷媒を圧縮機の冷媒吸入口に供給する。なお、気液分離器は必須のものではない。
本実施形態のヒートポンプサイクルは超臨界冷凍サイクルを構成している。具体的には、ヒートポンプサイクルの冷媒(流体)として二酸化炭素を採用し、圧縮機から吐出された高圧冷媒(高圧流体)の圧力を冷媒の臨界圧力以上にしている。冷媒には、潤滑対象部位である軸受け27、291等の摺動部を潤滑する潤滑油が含まれている。
図1は圧縮機の模式的な断面図であり、図2は図1の部分拡大断面図である。図1、図2中の上下の矢印は、圧縮機の設置状態における上下方向を示している。
圧縮機は、スクロール型の電動圧縮機であり、冷媒(流体)を圧縮する圧縮機構部10と、圧縮機構部10を駆動する電動機部20とを上下方向(縦方向)に配置した縦置きタイプになっている。具体的には、圧縮機構部10が電動機部20の下方側に配置されている。
圧縮機構部10および電動機部20はハウジング30に収容されている。ハウジング30の外側には、圧縮機構部10で圧縮された冷媒から潤滑油を分離する油分離器40が配置されている。ハウジング30および油分離器40は共に、上下方向に延びる縦長形状を有しており、油分離器40はハウジング30にブラケットを介して固定されている。
ハウジング30は、上下方向に延びる筒状部材31と、筒状部材31の上端部を塞ぐ上蓋部材32と、筒状部材31の下端部を塞ぐ下蓋部材33とが接合されて構成された密閉容器である。
具体的には、筒状部材31は鉄にて円筒状に形成されており、上蓋部材32および下蓋部材33は共に、鉄にて椀状に形成されている。上蓋部材32および下蓋部材33は、筒状部材31の内部に圧入されてから筒状部材31に対して溶接にて気密的に接合されている。
電動機部20は、三相交流同期モータを構成するものであって、固定子をなすステータ21と、回転子をなすロータ22とを有している。ステータ21は、全体として上下方向に延びる略円筒形状を有しており、ハウジング30の筒状部材31に固定されている。具体的には、ステータ21は、ステータコア211と、ステータコア211に巻き付けられたステータコイル212とを有している。
ステータコイル212に対する三相交流電力の供給は給電端子23を介して行われる。給電端子23はハウジング30の上端部に配置されている。具体的には、給電端子23を貫通させた給電端子固定板24が、ハウジング30の上蓋部材32の中央部に形成された貫通孔を塞ぐように固定されている。
ロータ22は、永久磁石を含んで構成されており、ステータ21の径方向内側に配置されている。ロータ22は上下方向に延びる円筒形状を有しており、ロータ22の中心孔には、上下方向に延びる駆動軸25が固定されている。ステータコイル212に三相交流電力が供給されるとロータ22に回転磁界が与えられてロータ22に回転力が発生し、駆動軸25がロータ22と一体に回転する。
駆動軸25は、軸方向に延びる給油流路251を有する円筒状に形成されている。給油流路251は、上記潤滑対象部位に潤滑油を供給する給油流路である。給油流路251は、駆動軸25の下端面にて開口している。給油流路251は、駆動軸25の上端面においては閉塞部材26で閉塞されている。
駆動軸25の下端側部位(圧縮機構部10側の部位)は、ロータ22よりも下方側に突出している。駆動軸25のうちロータ22よりも下方側に突出している部位には、水平方向(軸方向と直交する方向)に突出する鍔部252が形成されている。鍔部252にはバランスウェイト254が設けられている。なお、ロータ22の上下方向両側にもバランスウェイト221、222が設けられている。
駆動軸25の上端側部位(圧縮機構部10と反対側の部位)は、ロータ22よりも上方側に突出している。駆動軸25のうちロータ22よりも上方側に突出している部位は、軸受け27によって回転自在に支持されている。
軸受け27は、介在部材28を介してハウジング30の筒状部材31に固定されている。介在部材28は、水平方向に拡がる環状板の外周部を下方側に向かって屈曲させた形状を有しており、その最外周面がハウジング30の筒状部材31に固定されている。
軸受け27の上端部には水平方向に突出する鍔部271が形成されており、鍔部271が介在部材28上に載せられている。そして、軸受け27の鍔部271と介在部材28とがボルト(図示せず)によって締結固定されている。これにより、介在部材28に対する軸受け27の水平方向位置(軸方向と直交する方向の位置)を調整可能にして、駆動軸25の軸線の位置調整を可能にしている。
駆動軸25のうちロータ22と鍔部252との間の部位は、ミドルハウジング29に構成された軸受け291によって回転自在に支持されている。ミドルハウジング29は、上方側から下方側に向かって階段状に外径および内径が拡大する円筒形状を有しており、その最外周面がハウジング30の筒状部材31に当接した状態で固定されている。
駆動軸25のうちロータ22よりも下方側の部位はミドルハウジング29の内部に位置しており、ミドルハウジング29のうち内径の最も小さい上方側部位が軸受け291を構成している。
ミドルハウジング29の上下方向中間部、すなわち軸受け291よりも内径が拡大されている部位には、駆動軸25の鍔部252およびバランスウェイト254が収容されている。
図2に示すように、ミドルハウジング29のうち内径が最も大きい下方側部位には、圧縮機構部10の可動部材をなす可動スクロール11が収容されている。可動スクロール11の下方側には、圧縮機構部10の固定部材をなす固定スクロール12が配置されている。
可動スクロール11および固定スクロール12は、円板状の基板部111、121を有している。両基板部111、121は互いに上下方向に対向するように配置されている。
可動スクロール基板部111の中心部には、駆動軸25の下端部253が挿入される円筒状のボス部113が形成されている。駆動軸25の下端部253は、駆動軸25の回転中心に対して偏心した偏心部になっている。したがって、可動スクロール11には、駆動軸25の偏心部253が挿入されていることになる。
可動スクロール11およびミドルハウジング29には、可動スクロール11が偏心部253周りに自転することを防止する自転防止機構(図示せず)が設けられている。このため、駆動軸25が回転すると、可動スクロール11は偏心部253周りに自転することなく、駆動軸25の回転中心を公転中心として公転運動(旋回)する。
可動スクロール11とミドルハウジング29との間には、2枚のスラストプレート13、14が上下方向に積層されている。上方側(ミドルハウジング29側)のスラストプレート13はミドルハウジング29に固定されている。上方側のスラストプレート13のミドルハウジング29に対する位置決めは、位置決めピン131Aによって行われている。
下方側(可動スクロール11側)のスラストプレート14は、可動スクロール11に固定されて、可動スクロール11と一体的に回転する。下方側のスラストプレート14のミドルハウジング29に対する位置決めは、位置決めピン141Aによって行われている。
可動スクロール11には、基板部111から固定スクロール12側に向かって突出する渦巻き状の歯部112が形成されている。一方、固定スクロール12の基板部121は、ハウジング30の筒状部材31に固定されており、固定スクロール基板部121の上面(可動スクロール11側の面)には、可動スクロール11の歯部112と噛み合う渦巻き状の歯部122が形成されている。具体的には、固定スクロール基板部121の上面に渦巻き状の溝部が形成されており、渦巻き状の溝部の側壁が渦巻き状の歯部122を構成している。
両スクロール11、12の歯部112、122同士が噛み合って複数箇所で接触することによって、三日月状の作動室15が複数個形成される。なお、図1では図示の都合上、複数個の作動室15のうち1つの作動室のみに符号を付しており、他の作動室については符号を省略している。
作動室15は、可動スクロール11が公転運動することによって外周側から中心側へ容積を減少させながら移動する。作動室15には、冷媒供給流路36、128を通じて冷媒が供給されるようになっており、作動室15の容積が減少することによって作動室15内の冷媒が圧縮される。
作動室15に冷媒を供給する冷媒供給流路36、128は、具体的には、ハウジング30の筒状部材31に形成された冷媒吸入口36と、固定スクロール基板部121の内部に形成された冷媒吸入流路128とで構成されている。冷媒吸入口36には配管接続部材37が固定されており、配管接続部材37には図1に示す冷媒配管38が接続されている。固定スクロール基板部121の冷媒吸入流路128は、固定スクロール基板部121の渦巻き状の溝部のうち最外周側の部位と連通している。
図2に示すように、可動スクロール歯部112および固定スクロール歯部122には、作動室15の気密性を確保するためのチップシール16、17が装着されている。チップシール16、17は、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)などの樹脂材料にて、歯部112、122の渦巻き方向に沿って延びる角柱状に形成されている。
可動スクロール11側のチップシール16は、可動スクロール歯部112の下面(固定スクロール基板部121側の面)に形成されたチップシール溝に嵌め込まれている。固定スクロール12側のチップシール17は、固定スクロール歯部122の上面(可動スクロール基板部111側の面)に形成されたチップシール溝に嵌め込まれている。
可動スクロール側チップシール16は、固定スクロール基板部121の渦巻き状の溝部の底面(摺動面)に密着して摺動し、固定スクロール側チップシール17は可動スクロール基板部111の下面(摺動面)に密着して摺動する。これにより、作動室15の気密性を確保して、作動室15から冷媒が洩れることを防止する。
固定スクロール基板部121の中心部には、作動室15で圧縮された冷媒が吐出される吐出孔123が形成されている。固定スクロール基板部121内において吐出孔123の下方側には、吐出孔123と連通する吐出室124が形成されている。吐出室124は、固定スクロール12の下面に形成された凹部125と、固定スクロール12の下面に固定された区画部材18とによって区画形成されている。
吐出室124には、作動室15への冷媒の逆流を防止する逆止弁をなすリード弁(図示せず)と、リード弁の最大開度を規制するストッパ19とが配置されている。
吐出室124の冷媒は、固定スクロール基板部121内に形成された冷媒吐出流路54と、ハウジング30の筒状部材31に形成された冷媒吐出口(図示せず)とを通じてハウジング30外部へ吐出されるようになっている。
ハウジング30の冷媒吐出口(図示せず)は、図1に示す油分離器40の冷媒流入口47に、冷媒配管48を介して接続されている。油分離器40は、ハウジング30から吐出された圧縮冷媒から潤滑油を分離し、分離された潤滑油をハウジング30内に戻す役割を果たす。
油分離器40は、上下方向に延びる筒状部材41と、筒状部材41の上端部を塞ぐ上蓋部材42と、筒状部材41の下端部を塞ぐ下蓋部材43とを有している。筒状部材41は鉄にて円筒状に形成されており、上蓋部材42および下蓋部材43は共に鉄にて形成されている。上蓋部材42および下蓋部材43は、筒状部材41内に圧入されてから筒状部材41に対して溶接にて気密的かつ液密的に接合されている。
油分離器40の筒状部材41は、ハウジング30の筒状部材31に対して、鉄で形成されたブラケット44を介して溶接で接合されている。これにより、油分離器40がハウジング30に固定されることとなる。
上蓋部材42は、外筒部材421と内筒部材422とで構成された二重筒構造になっている。外筒部材421および内筒部材422は上下方向に延びる円筒状の部材であり、内筒部材422は、外筒部材421のうち上方側の部位の内部に挿入されている。
外筒部材421と内筒部材422との間には、上下方向に延びる円筒状空間43が形成されている。円筒状空間43には、油分離器40の冷媒流入口47から流入した冷媒が導入される。油分離器40の冷媒流入口47は、外筒部材421のうち円筒状空間43の側方部位に形成されている。
円筒状空間43の上部は内筒部材422によって閉塞されている。具体的には、内筒部材422の上端部が残余の部位よりも拡径されていて、外筒部材421の内周面に気密状態で固定されている。
外筒部材421の上端開口部45は、潤滑油が分離された冷媒を油分離器40外部(換言すれば圧縮機外部)に吐出する冷媒吐出口を構成している。この冷媒吐出口45には、冷媒配管49が接続されている。
油分離器40のうち下方側部位は、冷媒から分離された潤滑油を貯める貯油タンクとしての役割を果たす。油分離器40の下蓋部材43には、貯められた潤滑油を油分離器40外部に流出させる油流出口431が形成されている。
油流出口431には、油配管46が接続されている。油配管46は、油流出口431から可動側給油流路114に潤滑油を導く給油流路46aを備えるものである。油配管46は、リターンパイプ34に接続されている。油配管46は、リターンパイプ34の軸方向一方側を径方向外側から覆うように形成されている。このことにより、油配管46のうちリターンパイプ34側は、リターンパイプ34の入口に近づくにつれて給油流路46aの流路断面積が大きくなるテーパ部を形成している。本明細書において、流路断面積とは、流路において潤滑油の流れ方向に直交する断面の面積のことである。
リターンパイプ34のうち軸方向に中央側には径方向外側に突起するフランジ部34aが設けられている。リターンパイプ34のフランジ部34aがハウジング30の筒状部材31に対して溶接等により固定されている(図5参照)。
リターンパイプ34は、ハウジング30の筒状部材31に形成された油導入口39を貫通し、固定スクロール基板部121の側面に形成された挿入穴126に挿入されている。リターンパイプ34は、その軸方向に連通する絞り流路34bを備える。本実施形態の絞り流路34bのうち流れ方向に直交する断面は円形になっている。
絞り流路34bの入口は、油配管46の給油流路46aに連通している。絞り流路34bは、油流出口431から油配管46を通して可動側給油流路114に向けて流れる潤滑油の流れを絞るための流路である。絞り流路34bの出口は、固定側給油流路127に連通している。
なお、本実施形態では、固定側給油流路127のうちリターンパイプ34の出口側には、潤滑油を濾過するフィルタ127aが配置されている。リターンパイプ34の絞り流路34bの詳細については後述する。
固定スクロール基板部121の内部には、油分離器40からの潤滑油が流れる固定側給油流路127が形成されている。固定側給油流路127は、L字状に屈曲している。固定側給油流路127のうちリターンパイプ34側の流路断面積は、絞り流路34bの流路断面積よりも大きくなっている。
可動スクロール基板部111の内部には、固定側給油流路127と間欠的に連通する可動側給油流路114が形成されている。
固定側給油流路127の一端部は挿入穴126に連通している。固定側給油流路127の他端部は固定スクロール基板部121の上面(可動スクロール基板部111側の面)に開口している。
可動側給油流路114の一端部は、固定側給油流路127の他端部と対向するように、可動スクロール基板部111の下面(固定スクロール基板部121側の面)に開口している。
これにより、可動スクロール11の公転運動に伴って可動側給油流路114の一端部が固定側給油流路127の他端部と重なったりずれたりすることとなるので、可動側給油流路114が固定側給油流路127と間欠的に連通する。
固定側給油流路127のうち可動スクロール11側の端部には、筒状の間欠ピン50が収納されている。具体的には、図2に示すように、間欠ピン50は、固定側給油流路127に形成された収容部51に収容されている。
間欠ピン50は、油分離器40内の圧力、換言すれば作動室15で圧縮された高圧冷媒の圧力により可動スクロール11側に押圧される。これにより、間欠ピン50の上端面が可動スクロール11の下面(摺動面)に押し当てられる。
このため、固定側給油流路127からの潤滑油が、固定スクロール12と可動スクロール11との間の僅かな間隙に漏れ出すことなく、間欠ピン50の内部を流れて可動側給油流路114に流入することができる。
可動側給油流路114の他端部(固定側給油流路127と反対側の端部)は、可動スクロール11のボス部113の内面最下部に開口している。このため、可動側給油流路114が固定側給油流路127と連通すると、油分離器40からの潤滑油がボス部113と駆動軸25の偏心部253との間の隙間に導入され、次いで駆動軸25の下端部側から駆動軸25の給油流路251に流入する。
駆動軸25には、給油流路251から可動スクロール11のボス部113に向かって径方向外側に延びる貫通孔255が形成されている。また、駆動軸25には、図1に示すように、給油流路251からミドルハウジング29の軸受け291に向かって径方向外側に延びる貫通孔256と、給油流路251から軸受け27に向かって径方向外側に延びる貫通孔257とが形成されている。
このため、給油流路251に流入した潤滑油は、これら貫通孔255、256、257を通じて駆動軸25とボス部113との間、駆動軸25と軸受け291との間、および駆動軸25と軸受け27との間の各摺動部(潤滑対象部位)に供給される。
駆動軸25と軸受け291との間に供給された潤滑油は、重力によってミドルハウジング29の中心孔を流下し、2枚のスラストプレート13、14の間に供給される。2枚のスラストプレート13、14の間に供給された潤滑油は、可動スクロール基板部111の外周側に形成された隙間(ミドルハウジング29の内周面との隙間)を流下し、次いで固定スクロール基板部121を上下方向に貫通する油流下流路(図示せず)を流下して、ハウジング30内の最下部に形成された貯油室35に至る。
貯油室35は、固定スクロール12および区画部材18の下方側に形成されている。区画部材18には、上下方向に貫通する貫通孔181が形成されている。貫通孔181は、固定スクロール基板部121の冷媒吸入流路128と連通している。貫通孔181には、貯油室35に貯められた潤滑油を吸い上げるパイプ182が下方側(貯油室35側)から挿入されている。
貯油室35の潤滑油は、パイプ182、区画部材18の貫通孔181、および固定スクロール基板部121の冷媒吸入流路128を通じて作動室15に供給される。
図3は、図2のうち間欠ピン50の近傍部位を更に拡大して示す拡大断面図である。間欠ピン50には、潤滑油が流通する給油孔501が形成されている。給油孔501は、潤滑油の流量が適切になるよう、オリフィス状に形成されている。
間欠ピン50は、外形が給油孔501に沿って円柱状(正円柱状)に延びる円柱部502と、円柱部502よりも可動スクロール11側に位置し且つ外形が円柱部502に対して径方向に拡大された頭部503とを有している。
固定側給油流路127の収容部51は、円柱部502に対応する円柱穴状(正円柱穴状)に形成され且つ円柱部502がその軸方向に移動可能に挿入される円柱収容部511と、頭部503が収容される拡大収容部512とを有している。
円柱部502と円柱収容部511との間の隙間から潤滑油が漏れないよう、円柱部502は円柱収容部511に液密状態で嵌め合わされている。すなわち、円柱部502および円柱収容部511には高い加工精度が要求される。このような加工精度上の理由から、円柱部502と円柱収容部511の断面形状は正円になっている。
図4A、図4Bは、間欠ピン50の平面図および断面図である。なお、図4A、図4Bでは、図示の都合上、固定側給油流路127の収容部51を二点鎖線で示している。
頭部503は、円柱部502に対して非同心円状に形成された非同心円部503aを有しており、この非同心円部503aによって間欠ピン50の回り止めが行われるようになっている。以下、このことを具体的に説明する。
非同心円部503aは直線形状を有している。より具体的には、非同心円部503aは2つ形成されており、2つの非同心円部503aは、互いに平行な2つの面を構成している。換言すれば、非同心円部503aは二面幅形状を有している。
頭部503のうち2つの非同心円部503a以外の部位は、円柱部502と同心の円弧形状を有している。収容部51の拡大収容部512も、間欠ピン50の頭部503と同様に、二面幅形状の非同心円部を有している。
ここで、頭部503の周縁部のうち円柱部502の中心から最も離れた部位と、円柱部502の中心502cとの間の径方向距離をL1とする。また、拡大収容部512の周縁部のうち円柱部502の中心から最も近い部位と、円柱部502の中心502cとの間の径方向距離をL2とする。
頭部503および拡大収容部512は、これらの距離L1、L2がL1>L2の関係を満たす形状になっている。したがって、間欠ピン50が収容部51に対して回転しようとすると、頭部503のうち円弧形状の部分が収容部51のうち二面幅形状の部分と干渉する。その結果、間欠ピン50の回り止めがなされることとなる。
さらに、間欠ピン50は、頭部503から可動スクロール11側に突出し且つ可動スクロール11に対して摺動する凸部504を有している。凸部504は平面形状が正円形状になっている。凸部504の面積(摺動面積)は、可動スクロール11との接触面圧を考慮して設定される。
次に、本実施形態のリターンパイプ34について図5を参照して説明する。
リターンパイプ34の絞り流路34bは、その断面が円形に形成されている。絞り流路34bの径方向寸法が油配管46の給油流路46aの径方向寸法よりも小さくなっている。リターンパイプ34の絞り流路34bの流路断面積は、油配管46の給油流路46aの流路断面積よりも小さくなっている。油配管46の給油流路46aは、その断面が円形に形成されている。
具体的には、絞り流路34bは、流路130、131、およびテーパ部132とから構成されている。流路130、131は、潤滑油の流れ方向(以下、単に流れ方向という)に並べられている。流路131は、流路130に対して流れ方向上流側に配置されている。流路131の径方向寸法は、流路130の径方向寸法よりも大きい。すなわち、流路131の流路断面積は、流路130の流路断面積よりも大きくなっている。
テーパ部132は、流路130、131の間に配置されて、流路130、131を接続している。テーパ部132は、流路131から流路130に向けて徐々に流路断面積が小さくなっている。
但し、絞り流路34bの最小流路断面積は、潤滑対象部位への潤滑油の流量が必要流量を満たすために、間欠ピン50の給油孔501の最小流路断面積よりも大きくなっている。絞り流路34bの最小流路断面積は、絞り流路34bの流路断面積のうち最小となる断面積である。給油孔501の最小流路断面積は、給油孔501の流路断面積のうち最小となる断面積である。
次に、上記構成における作動を図6等に基づいて説明する。電動機部20のステータコイル212に三相交流電力が供給されてロータ22および駆動軸25が回転すると、可動スクロール11が駆動軸25の回転中心を中心として公転運動(旋回)する。これにより、図2に示す可動スクロール歯部112と固定スクロール歯部122との間に形成された三日月状の作動室15が外周側から中心側へ容積を減少させながら移動する。
このとき、外周側に位置する作動室15に対して冷媒および貯油室35の潤滑油が供給される。具体的には、圧縮機外部の冷媒がハウジング30の冷媒吸入口36および固定スクロール基板部121の冷媒吸入流路128を通じて作動室15に供給されると同時に、図6の矢印A1、A2、A3のように貯油室35の潤滑油がパイプ182、区画部材18の貫通孔181および固定スクロール基板部121の冷媒吸入流路128を通じて作動室15に供給される。
作動室15に供給された冷媒は、作動室15の容積の減少に伴って圧縮される。作動室15で圧縮された冷媒は、図6の矢印A4、A5のように固定スクロール12の吐出室124および冷媒吐出流路54を通じてハウジング30外部に吐出され、次いで図6の矢印A6のように冷媒配管48を通じて油分離器40の冷媒流入口47に流入する。
油分離器40の冷媒流入口に流入した冷媒は、図6の矢印A7のように油分離器40内の円筒状空間43に導入される。そして、円筒状空間43において冷媒に旋回流れを生じさせ、冷媒の旋回流れによって生じる遠心力の作用によって、冷媒から潤滑油が分離される。
潤滑油が分離された冷媒は、油分離器40の冷媒吐出口45から、圧縮機の吐出冷媒として吐出される。一方、冷媒から分離された潤滑油は、図6の矢印A8のように重力によって油分離器40内部を流下して油分離器40内の下部に貯められる。油分離器40内に貯められた潤滑油は、図6の矢印A9、A10、A11、A12、A13のように、駆動軸25の給油流路251に間欠的に供給される。
具体的には、上述のごとく、可動スクロール11の公転運動に伴って可動スクロール11の可動側給油流路114が固定スクロール12の固定側給油流路127と間欠的に連通する。このとき、油分離器40内部の高圧圧力とハウジング30のうち軸受け27、291側の低圧圧力との差圧によって、油分離器40内に貯められた潤滑油が、油配管46の給油流路46a、リターンパイプ34の絞り流路34b、固定側給油流路127、および可動側給油流路114を通じて、可動スクロール11のボス部113と駆動軸25の偏心部253との間の隙間に導入され、次いで駆動軸25の下端部側から駆動軸25の内部の給油流路251に流入する。
なお、可動側給油流路114が固定側給油流路127と連通していない場合には、駆動軸25の給油流路251への潤滑油の供給が遮断される。
ここで、間欠ピン50は、油分離器40内の圧力、換言すれば作動室15で圧縮された高圧冷媒の圧力により可動スクロール11側に押圧される。これにより、間欠ピン50の上端面が可動スクロール11の下面(摺動面)に押し当てられる。
このため、固定側給油流路127からの潤滑油が、固定スクロール12と可動スクロール11との間の僅かな間隙に漏れ出すことなく、間欠ピン50内の給油孔501を流れて可動側給油流路114に流入することができるので、駆動軸25の給油流路251への潤滑油の供給を確実に行うことができる。
駆動軸25の給油流路251に供給された潤滑油は、図6の矢印A14、A15、A16、A17のように駆動軸25の貫通孔255、256、257を通じて駆動軸25と軸受け291との間、および駆動軸25と軸受け27との間に供給される。これにより、駆動軸25の摺動部(潤滑対象部位)で潤滑性を良好に維持できる。
駆動軸25と軸受け291との間に供給された潤滑油は、重力によってミドルハウジング29の中心孔を流下し、2枚のスラストプレート13、14の間に供給される。これにより、スラストプレート13、14同士の摺動部で潤滑性を良好に維持できる。
2枚のスラストプレート13、14の間に供給された潤滑油は、可動スクロール基板部111の外周側に形成された隙間(ミドルハウジング29の内周面との隙間)を流下し、次いで固定スクロール基板部121を上下方向に貫通する油流下流路(図示せず)を流下して、図6の矢印A18のようにハウジング30内の最下部に形成された貯油室35に至る。
ここで、上述の如く、可動スクロール11の公転運動に伴って可動スクロール11の可動側給油流路114が固定スクロール12の固定側給油流路127と間欠的に連通する。
これに伴い、潤滑油の圧力が間欠的に変動する脈動が生じる。この脈動は、可動スクロール11の可動側給油流路114側から固定側給油流路127に伝搬する。
ここで、給油流路46aの流路断面積は、絞り流路34bの流路断面積よりも大きい。固定側給油流路127のうち絞り流路34b側の流路断面積は、絞り流路34bの流路断面積よりも大きい。このため、固定側給油流路127から絞り流路34bに脈動が絞り流路34b内に伝搬することが抑制される。
これに加えて、流路131の流路断面積は、流路130の流路断面積よりも大きい。このため、固定側給油流路127から絞り流路34bに伝搬した脈動は、流路130を通過して流路131に進行する。この際、流路131において、脈動は、流路131において径方向外側に分散しながら、油配管46の給油流路46a側に伝搬する。このため、流路131において、脈動は、油配管46の給油流路46a側に伝搬することが抑制される。
以上説明した本実施形態によれば、圧縮機は、固定スクロール12に対して可動スクロール11が公転運動することにより、潤滑油を含む冷媒を吸入して圧縮して高圧流体を吐出する圧縮機構部10を備える。油分離器40は、圧縮機構部10から吐出される高圧冷媒から潤滑油を分離して、この分離された潤滑油を溜めるとともに、潤滑油が分離された高圧冷媒を吐出する。固定スクロール12には、油分離器40から出た潤滑油を潤滑対象部位に導く固定側給油流路127が形成されている。可動スクロール11には、油分離器40から出た潤滑油を潤滑対象部位に導く可動側給油流路114が形成されている。固定側給油流路127と可動側給油流路114とは、可動スクロール11の公転運動に伴って間欠的に連通して、この連通に伴って油分離器40の出口からの潤滑油が固定側給油流路127、可動側給油流路114を通して潤滑対象部位に供給される。
リターンパイプ34は、油分離器40の出口と可動側給油流路114の入口との間に配置されて、油分離器40の出口から可動スクロール11の可動側給油流路114の入口に向けて流れる潤滑油の流れを絞る絞り流路34bを備える。絞り流路34bの流路断面積は、給油流路46aの流路断面積よりも小さい。固定側給油流路127は、絞り流路34bおよび可動側給油流路114の入口との間に配置されて、絞り流路34bの流路断面積よりも大きな流路断面積を有する。
リターンパイプ34の絞り流路34bは、流路130、131を備える。流路130の流路断面積は、流路131の流路断面積よりも小さい。すると、流路130を通過して流路131に進行すると、脈動(すなわち、脈動エネルギ)が、流路131において径方向外側に分散しながら油配管46側に進行する。このため、図7のリターンパイプ34Aを用いる場合に比べて、流路131において脈動が油配管46の給油流路46a側に伝搬することが抑制される。これにより、潤滑油の圧力の脈動が絞り流路34bから油分離器40側に伝搬することを抑制することができる。
なお、図7のリターンパイプ34Aは、流路断面積が流れ方向に亘って一定になる絞り流路34bを備える。
本実施形態では、絞り流路34bのうち流路130、131の間にテーパ部132が設けられている。
ここで、流路130、131の間にテーパ部132が設けられていなく、段差が設けられている場合には、流路130、131の間の段差に潤滑油が衝突した際に発生する渦流抵抗により、潤滑油の流れが更に絞れられる。このため、潤滑油の流れの乱れを発生させることになる。
これに対して、本実施形態では、上述の如く、流路130、131の間にテーパ部132が設けられているので、渦流抵抗が起因して潤滑油の流れの乱れを発生させることを未然に抑えることができる。すなわち、絞り流路34bにおいて流路131からテーパ部132を通して流路130に潤滑油が流れる際に、緩やかに潤滑油を絞ることができる。このため、潤滑対象部位に対して油分離器40から潤滑油を安定して供給することができる。
次に、本実施形態の具体的な効果について図8〜図11を参照して説明する。
図8〜図11は、横軸は絞り率である。絞り率は、リターンパイプ34Aの絞り流路34bの流路断面積Saを1としたときの流路130の流路断面積Sbの断面積比を絞り率(=Sb/Sa)としている。本実施形態の流路131の流路断面積をリターンパイプ34Aの絞り流路34bの流路断面積Saと同一にしている。
図8の縦軸は、脈動の低減効果、図9の縦軸は振動の抑制効果、図10の縦軸は潤滑油の流量、図11の縦軸は音の低減効果を示す。
リターンパイプ34Aの絞り流路34bの流路断面積を100%とし、流路131の流路断面積を100%とし、流路130の流路断面積を30%とする断面積比とする絞り流路34bを設けると、リターンパイプ34Aを用いる場合に比べて脈動の伝播を約15%低減ができる(図8参照)。振動は約60%抑制でき(図9参照)、潤滑油の流量ついても、リターンパイプ34Aを用いた場合に比べて安定した同等の量の潤滑油を軸受け27、291等に供給ができる(図10参照)。振動低減により騒音レベルについても約5%の低下が見込まれる(図11参照)。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、リターンパイプ34の絞り流路34bのうち下流側流路の流路断面積を上流側流路の流路断面積よりも小さくした例について説明したが、これに代えて、絞り流路34bにおいて下流側流路の流路断面積を上流側流路の流路断面積よりも大きくした第2実施形態について説明する。
図12に本発明の第2実施形態のリターンパイプ34の断面図を示す。
本実施形態のリターンパイプ34の絞り流路34bは、流路130a、131a、およびテーパ部132から構成されている。
流路130aは、流路131aに対して流れ方向下流側に配置されている。流路130aの流路断面積は、流路131aの流路断面積よりも大きい。テーパ部132aは、流路130a、131aの間に配置されて、流路130、131を接続している。テーパ部132aは、流路130aから流路131aに近づくほど徐々に流路断面積が小さくなっている。
このように構成されている本実施形態では、可動スクロール11の公転運動に伴って可動スクロール11の可動側給油流路114が固定スクロール12の固定側給油流路127と間欠的に連通すると、潤滑油の圧力が間欠的に変動する脈動が生じる。この脈動が固定側給油流路127から絞り流路34bの流路130に脈動が伝搬しても、この脈動が流路130から流路131a内に伝搬することが抑制される。これにより、潤滑油の圧力の脈動(すなわち、脈動エネルギ)が絞り流路34bから油分離器40側に伝搬することを抑制することができる。
本実施形態では、流路130aの流路断面積が流路131aの流路断面積が大きく、かつ流路130a、131aの間にテーパ部132aが設けられている。このため、流路131a→テーパ部132a→流路130a→固定側給油流路127の順に流路断面積が徐々に大きくなる。すなわち、流路131aから固定側給油流路127に向かうにつれて流路断面積が緩やかに大きくなる。このため、潤滑油が絞り流路34b側から固定側給油流路127側に流れる際に、圧力が徐々に低くなる。このため、潤滑油に気泡の発生が抑えられる。これにより、気泡によって潤滑油の流通の妨げになる恐れも少ない。
(第3実施形態)
上記第1、第2の実施形態では、リターンパイプ34の絞り流路34bを流路断面積が互いに相違する2つの流路によって構成した例について説明したが、これに代えて、流路断面積が互いに相違する3つの流路によって絞り流路34bを構成した本第3実施形態について説明する。
図13に本発明の第3実施形態のリターンパイプ34の断面図を示す。
本実施形態のリターンパイプ34の絞り流路34bは、流路140、141、142、およびテーパ部143、144から構成されている。
流路140、141、142は、流れ方向に並べられている。流路140は、流路141に対して流れ方向下流側に配置されている。流路141は、流路142に対して流れ方向下流側に配置されている。
流路140の流路断面積は、流路141の流路断面積に比べて小さい。流路141の流路断面積は、流路143の流路断面積に比べて小さい。このため、流路140から流路142に近づくほど流路断面積が徐々に大きくなる。
テーパ部143は、流路140、141の間に配置されて、流路140、141を接続している。テーパ部143は、流路141から流路140に近づくほど流路断面積が徐々に小さくなる。テーパ部144は、流路141、142の間に配置されて、流路141、142を接続している。テーパ部144は、流路142から流路141に近づくほど流路断面積が徐々に小さくなる。このため、流路142→テーパ部144→流路141→テーパ部143→流路140の順に流路断面積が緩やかに小さくなる。
このように構成される本実施形態では、可動スクロール11の公転運動に伴って可動スクロール11の可動側給油流路114が固定スクロール12の固定側給油流路127と間欠的に連通すると、潤滑油の圧力が間欠的に変動する脈動が生じる。この脈動が固定側給油流路127を通して絞り流路34bに伝搬されると、脈動は、径方向外側に分散しながら、流路140から流路141を通して流路143に伝搬する。このため、流路141、142では脈動が油配管46の給油流路46a側に伝搬することが抑制される。これにより、潤滑油の圧力の脈動(すなわち、脈動エネルギ)が絞り流路34bから油分離器40側に伝搬することを抑制することができる。
本実施形態では、上述の如く、テーパ部143は、流路140、141の間に配置されている。テーパ部144は、流路141、142の間に配置されている。このため、上記第1実施形態と同様に、渦流抵抗により潤滑油の流れを必要以上に絞りことを抑制することができる。
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、絞り流路34bにおいて、下流側の流路の流路断面積を上流側の流路の流路断面積よりも小さくした例について説明したが、これに代えて、絞り流路34bにおいて、下流側の流路の流路断面積を上側側の流路の流路断面積よりも大きくした本第4実施形態について説明する。
図14に本発明の第4実施形態のリターンパイプ34の断面図を示す。
本実施形態のリターンパイプ34の絞り流路34bは、流路140a、141a、142a、およびテーパ部143a、144aから構成されている。
流路140a、141a、142aは、流れ方向に並べられている。流路140aは、流路141aに対して流れ方向下流側に配置されている。流路141aは、流路142aに対して流れ方向下流側に配置されている。
流路140aの流路断面積は、流路141aの流路断面積に比べて大きい。流路141aの流路断面積は、流路142aの流路断面積に比べて大きい。このため、流路140aから流路142aに近づくにつれて流路断面積が徐々に小さくなる。
テーパ部143aは、流路140a、141aの間に配置されて、流路140a、141aを接続する。テーパ部143aは、流路流路141aから流路140aに近づくほど流路断面積が徐々に大きくなる。テーパ部144aは、流路流路141a、142aの間に配置されて、流路流路141a、142aを接続する。テーパ部144aは、流路流路142aから流路流路141aに近づくほど流路断面積が徐々に大きくなる。
以上により、流路142a→テーパ部144a→流路141a→テーパ部143a→流路140aの順に徐々に流路断面積が徐々に大きくなる。
このように構成される本実施形態では、可動スクロール11の可動側給油流路114が固定スクロール12の固定側給油流路127と間欠的に連通して、潤滑油の圧力が間欠的に変動する脈動が生じる。この脈動が固定側給油流路127を通して絞り流路34bの流路140aに伝搬しても、脈動は、流路140aから流路141aに伝搬することが抑制される。さらに、流路141aからの脈動は、流路142aに伝搬することが抑制される。これにより、潤滑油の圧力の脈動(すなわち、脈動エネルギ)が絞り流路34bから油分離器40側に伝搬することを抑制することができる。
本実施形態では、上述の如く、流路142a→テーパ部144a→流路141a→テーパ部143a→流路140aの順に徐々に流路断面積が徐々に大きくなる。このため、潤滑油が絞り流路34bを流れる際に、圧力が徐々に低くなる。このため、潤滑油に気泡の発生が抑えられる。これにより、気泡によって潤滑油の流通の妨げになる恐れも少ない。
(第5実施形態)
本第5実施形態のリターンパイプ34の絞り流路34bは、上記第1実施形態の絞り流路34bと上記第2実施形態の絞り流路34bとを組み合わせて構成されている。
図15に本発明の第5実施形態のリターンパイプ34の断面図を示す。
本実施形態のリターンパイプ34の絞り流路34bは、流路130、130a、131、およびテーパ部132、132aから構成されている。
流路130aは、流路130に対して流れ方向下流側に配置されている。流路130は、流路131に対して流れ方向下流側に配置されている。流路130a、131の流路断面積は、流路130の流路断面積よりも大きい。
テーパ部132は、流路131、130の間に配置されて、流路131、130を接続している。テーパ部132は、流路131から流路130に近づくほど流路断面積が徐々に小さくなっている。テーパ部132aは、流路130、130aの間に配置されて、流路130、130aを接続している。テーパ部132aは、流路130から流路130aに近づくほど流路断面積が徐々に大きくなっている。
このように構成される本実施形態では、流路131の流路断面積は、流路130の流路断面積よりも大きい。このため、上記第1実施形態と同様、脈動が流路130から流路131に伝搬すると流路131において、脈動が径方向外側に分散しながら、進行する。このため、流路131では脈動が油配管46の給油流路46a側に伝搬することが抑制される。
さらに、流路130aの流路断面積は、流路130の流路断面積よりも大きい。上記第2実施形態と同様、脈動が流路130aに伝搬しても、流路130に伝搬することが抑制される。
以上により、潤滑油の圧力の脈動(すなわち、脈動エネルギ)が絞り流路34bから油分離器40側に伝搬することを抑制することができる。すなわち、上記第1、第2の実施形態の双方の効果を発揮することができる
(第6実施形態)
上記第1実施形態では、リターンパイプ34において2つの流路とテーパ部とによって絞り流路34bを構成した例について説明したが、これに代えて、絞り流路34bにおいて1つの流路とテーパ部とによって絞り流路34bを構成した第6実施形態について説明する。
図16に本発明の第6実施形態のリターンパイプ34の断面図を示す。
本実施形態のリターンパイプ34の絞り流路34bは、流路150およびテーパ部151から構成されている。
流路150は、テーパ部151に対して流れ方向下流側に配置されている。流路150は、テーパ部151からの潤滑油を固定側給油流路127に導く。テーパ部151は、リターンパイプ34の入口34cおよび流路150の間に配置されている。テーパ部151は、流路150から入口34c(すなわち、給油流路46a側)に近づくほど流路断面積が大きくなるように形成されている。テーパ部151は、油配管46の給油流路46aからの潤滑油を固定側給油流路127側に導く。
このため、脈動は、固定側給油流路127から絞り流路34bの流路150を通してテーパ部151に進行すると、テーパ部151においては、脈動が径方向外側に分散しながら、油配管46の給油流路46a側に伝搬する。このため、流路131において、脈動が油配管46の給油流路46a側に伝搬することが抑制される。
本実施形態では、テーパ部151は、油配管46の給油流路46aから流路150に流れる潤滑油の流れを緩やかに絞る。このため、給油流路46aから流路150に潤滑油が流れる際に渦流抵抗が起因して潤滑油の流れの乱れを発生させることを未然に抑えることができる。
(第7実施形態)
上記第6実施形態では、絞り流路34bにおいて、流路150に対して流れ方向上流側にテーパ部151を設けた例について説明したが、これに代えて、図17に示すように、絞り流路34bにおいて、流路151aに対して流れ方向下流側にテーパ部150aを設けた第6実施形態について説明する。
図17は、本発明の第7実施形態のリターンパイプ34の断面図である。
本実施形態のリターンパイプ34の絞り流路34bでは、テーパ部150aは、リターンパイプ34の出口34dおよび流路151aの間に配置されている。
テーパ部150aは、流路151aから流路断面積が出口34dに近づくほど徐々に大きくなるように形成されている。流路151aは、油配管46の給油流路46aからの潤滑油をテーパ部150aに導く。
このように構成されている本実施形態では、テーパ部150aは、出口34d(すなわち、固定側給油流路127側)から流路151aに近づくほど流路断面積が徐々に小さくなるように形成されている。このため、脈動は、固定側給油流路127から絞り流路34bのテーパ部150aに進行すると、テーパ部151において流路151a側に脈動が進行することが抑制される。これにより、潤滑油の圧力の脈動(すなわち、脈動エネルギ)が絞り流路34bから油分離器40側に伝搬することを抑制することができる。
本実施形態では、テーパ部150aは、上述の如く、流路151aから固定側給油流路127に近づくほど流路断面積が徐々に大きくなる。このため、潤滑油に気泡の発生が抑えられる。これにより、気泡によって潤滑油の流通の妨げになる恐れも少ない。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では、間欠ピン50を設けた例について説明したが、必ずしも、間欠ピン50を用いる必要がない。
上述の各実施形態では、間欠ピン50の頭部503が円柱部502に対して径方向に拡大され、頭部503に非同心円部503aが形成されていることによって間欠ピン50の回り止めが行われるようになっているが、円柱部502に対して径方向に拡大された頭部503を必ずしも形成する必要はなく、例えば円柱部502の側面に形成された突起によって非同心円部を構成してもよい。
(2)上述の各実施形態では、固定スクロール12側から可動スクロール11側に向けて潤滑油を導くようにしているが、これとは逆に、可動スクロール11側から固定スクロール12側に向けて潤滑油を導くようにしてもよい。この場合には、可動スクロール11に間欠ピン50を配置し、作動室15で圧縮された高圧冷媒の圧力によって固定スクロール12側に押圧するようにすればよい。
(3)上述の各実施形態では、油分離器40はハウジング30の外側に配置されているが、油分離器40はハウジング30の内部に収容されていてもよい。
(4)上述の各実施形態では、圧縮機構部10と電動機部20とを上下方向(縦方向)に配置した縦置きタイプの圧縮機に本発明を適用しているが、圧縮機構部10と電動機部20とを水平方向(横方向)に配置した横置きタイプの圧縮機にも本発明を適用可能である。
(5)上述の各実施形態では、ヒートポンプサイクルが超臨界冷凍サイクルを構成しており、冷媒として二酸化炭素を採用しているが、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上とならない亜臨界冷凍サイクルを構成していてもよく、フロン系冷媒や炭化水素系冷媒等の冷媒を採用してもよい。
(6)上述の各実施形態では、リターンパイプ34において本発明に係る絞り流路34bを設けた例について説明したが、これに限らず、油分離器40と可動側給油流路114との間の潤滑油流路であるならば、リターンパイプ34以外の部位に本発明に係る絞り流路34bを設けてもよい。
(7)上述の各実施形態では、リターンパイプ34において本発明に係る絞り流路34bの断面を円形にした例について説明したが、これに限らず、絞り流路34bの断面を円形以外の各種の形状にしてもよい。絞り流路34bの断面とは、絞り流路34bのうち流れ方向に対する直交する断面である。
(8)上述の各実施形態では、ヒートポンプサイクルに本発明の圧縮機を適用しているが、種々の冷凍サイクルに本発明の圧縮機を広く適用可能である。
(9)上述の各実施形態では、本発明をスクロール型の圧縮機に適用した例を示したが、これに限定されることなく、機構内の体積の変化により圧力を与える容積式圧縮機、例えばレシプロ型圧縮機やロータリ型圧縮機等に広く本発明を適用可能である。
(10)上記第6実施形態では、流路150およびテーパ部151によって絞り流路34bを構成した例について説明したが、これに限らず、流路150およびテーパ部151のうちテーパ部151によって絞り流路34bを構成してもよい。
(11)上記第6実施形態では、流路150から入口34cに近づくほど流路断面積が大きくなるようにテーパ部151を形成した例について説明したが、これに代えて、テーパ部151は、流路150から入口34cに近づくほど流路断面積が小さくなるように形成してもよい。
(12)上記第7実施形態では、テーパ部150aおよび流路151aによって絞り流路34bを構成した例について説明したが、これに代えて、テーパ部150aおよび流路151aのうちテーパ部150aによって絞り流路34bを構成してもよい。
(13)上記第7実施形態では、流路151aから流路断面積が出口34dに近づくほど徐々に大きくなるようにテーパ部150aを形成した例について説明したが、これに代えて、流路151aから流路断面積が出口34dに近づくほど徐々に小さくなるようにテーパ部150aを形成してもよい。
(14) なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
10 圧縮機構
11 可動スクロール(可動部材)
12 固定スクロール(固定部材)
20 電動機部
34 リターンパイプ(絞り流路形成部材)
34b 絞り流路
40 油分離器
114 可動側給油流路(給油流路)
127 固定側給油流路(給油流路、下流側流路)
130、130a、131、131a 流路
132、132a テーパ部(接続部)
140、141、142 流路
140a、141a、142a 流路
150、150a 導入流路
151、150a テーパ部

Claims (13)

  1. 固定部材(12)と、前記固定部材に対して変位する可動部材(11)とを有し、前記可動部材が前記固定部材に対して変位することにより、潤滑油を含む流体を吸入して圧縮して高圧流体を吐出する圧縮機構(10)と、
    前記圧縮機構から吐出される高圧流体から前記潤滑油を分離して、前記潤滑油が除かれた前記高圧流体を吐出する油分離器(40)と、を備え、
    前記固定部材および前記可動部材のそれぞれには、前記油分離器から出た前記潤滑油を潤滑対象部位に導く給油流路(114、127)が形成され、
    前記油分離器と前記可動部材の前記給油流路との間に配置されて、前記油分離器から前記可動部材の前記給油流路に向けて流れる前記潤滑油の流れを絞る絞り流路(34b)を形成する絞り流路形成部材(34)を備え、
    前記固定部材の前記給油流路は、前記絞り流路の流路断面積よりも大きな流路断面積を有し、
    前記固定部材の前記給油流路と前記可動部材の前記給油流路とは、前記可動部材の変位に伴って間欠的に連通して、この連通に伴って前記潤滑対象部位側の圧力と前記高圧流体の圧力との圧力差によって前記油分離器からの前記潤滑油が前記絞り流路、前記固定部材の前記給油流路、および前記可動部材の前記給油流路を通して前記潤滑対象部位に供給される圧縮機であって、
    前記絞り流路は、互いに流路断面積が相違し、かつそれぞれ連通する複数の流路(130、131、・・・150、151a)を備え、前記複数の流路が前記流れ方向に並べられて前記絞り流路が構成されていることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記絞り流路は、前記複数の流路としての第1、第2の流路(130、131)と、前記第1、第2の流路を接続する接続部(132)と、を備え、
    前記第1の流路の流路断面積は、前記第2の流路の流路断面積よりも大きくなっており、
    前記第1流路(131)は、前記第2の流路(130)に対して前記流れ方向の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記接続部(132)は、前記第1流路(131)から前記第2の流路(130)に向けて前記流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記絞り流路は、前記複数の流路としての第1、第2の流路(130a、131a)と、前記第1、第2の流路を接続する接続部(132a)と、を備え、
    前記第1の流路(130a)の流路断面積は、前記第2の流路(131a)の流路断面積よりも大きくなっており、
    前記第1の流路は、前記第2の流路に対して前記流れ方向の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  5. 前記接続部(132a)は、前記第1の流路から前記第2の流路に向けて前記流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の圧縮機。
  6. 前記絞り流路は、前記複数の流路としての第1、第2、第3の流路(130a、130、131)を備え、
    前記第1、第3の流路(130a、131)の間に前記第2の流路(130)が配置されており、
    前記第1、第3の流路の前記流路断面積は、前記第2の流路の前記流路断面積よりも大きくなっており、
    前記絞り流路は、前記第1、第3の流路を接続する第1接続部(132a)と前記第3、第2の流路を接続する第2接続部(132)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  7. 前記第1接続部(132a)は、前記第1流路から前記第2の流路に向けて前記流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成されており、
    前記第2接続部は、前記第3流路から前記第2の流路に向けて前記流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の圧縮機。
  8. 前記絞り流路は、前記複数の流路としての第1、第2、第3の流路(140、141、142)を備え、
    前記第1の流路(142)の流路断面積は、前記第2の流路の流路断面積よりも大きくなっており、
    前記第2の流路の前記流路断面積(141)は、前記第3の流路(140)の流路断面積よりも大きくなっており、
    前記第1の流路は、前記第3の流路に対して前記流れ方向上流側に配置されており、
    前記第1、第3の流路(142、140)の間に前記第2の流路(141)が配置されており、
    前記絞り流路は、前記第1、第2の流路を接続する第1接続部(144)と前記第2、第3の流路を接続する第2接続部(143)とを形成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  9. 前記第1接続部(144)は、前記第1流路(142)から前記第2の流路(141)に向けて前記流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成されており、
    前記第2接続部(143)は、前記第2流路(141)から前記第3の流路(140)に向けて前記流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の圧縮機。
  10. 前記絞り流路は、前記複数の流路としての第1、第2、第3の流路(140a、141a、142a)を備え、
    前記第1の流路(140a)の流路断面積は、前記第2の流路の流路断面積よりも大きくなっており、
    前記第2の流路(141a)の流路断面積は、前記第3の流路(142a)の流路断面積よりも大きくなっており、
    前記第1の流路は、前記第3の流路に対して前記流れ方向下流側に配置されており、
    前記第1、第3の流路の間に前記第2の流路が配置されており、
    前記絞り流路は、前記第1、第2の流路を接続する第1接続部(143a)と前記第2、第3の流路を接続する第2接続部(144a)とを形成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  11. 前記第1接続部は、前記第1流路から前記第2の流路に向けて前記流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成されており、
    前記第2接続部は、前記第2流路から前記第3の流路に向けて前記流路断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の圧縮機。
  12. 固定部材(12)と、前記固定部材に対して変位する可動部材(11)とを有し、前記可動部材が前記固定部材に対して変位することにより、潤滑油を含む流体を吸入して圧縮して高圧流体を吐出する圧縮機構(10)と、
    前記圧縮機構から吐出される高圧流体から前記潤滑油を分離して、前記潤滑油が除かれた前記高圧流体を吐出する油分離器(40)と、を備え、
    前記固定部材および前記可動部材のそれぞれには、前記油分離器から出た前記潤滑油を潤滑対象部位に導く給油流路(114、127)が形成され、
    前記油分離器と前記可動部材の前記給油流路との間に配置されて、前記油分離器から前記可動部材の前記給油流路に向けて流れる前記潤滑油の流れを絞る絞り流路(34b)を形成する絞り流路形成部材(34)を備え、
    前記固定部材の前記給油流路は、前記絞り流路の流路断面積よりも大きな流路断面積を有し、
    前記固定部材の前記給油流路と前記可動部材の前記給油流路とは、前記可動部材の変位に伴って間欠的に連通して、この連通に伴って前記潤滑対象部位側の圧力と前記高圧流体の圧力との圧力差によって前記油分離器からの前記潤滑油が前記絞り流路、前記固定部材の前記給油流路、および前記可動部材の前記給油流路を通して前記潤滑対象部位に供給される圧縮機であって、
    前記絞り流路は、前記油分離器側から前記固定部材の前記給油流路側に近づくほど前記流路断面積が徐々に小さくなるように形成されて前記油分離器からの前記潤滑油を前記固定部材の前記給油流路側に導くテーパ部(151)を備えることを特徴とする圧縮機。
  13. 固定部材(12)と、前記固定部材に対して変位する可動部材(11)とを有し、前記可動部材が前記固定部材に対して変位することにより、潤滑油を含む流体を吸入して圧縮して高圧流体を吐出する圧縮機構(10)と、
    前記圧縮機構から吐出される高圧流体から前記潤滑油を分離して、前記潤滑油が除かれた前記高圧流体を吐出する油分離器(40)と、を備え、
    前記固定部材および前記可動部材のそれぞれには、前記油分離器から出た前記潤滑油を潤滑対象部位に導く給油流路(114、127)が形成され、
    前記油分離器と前記可動部材の前記給油流路との間に配置されて、前記油分離器から前記可動部材の前記給油流路に向けて流れる前記潤滑油の流れを絞る絞り流路(34b)を形成する絞り流路形成部材(34)を備え、
    前記固定部材の前記給油流路は、前記絞り流路の流路断面積よりも大きな流路断面積を有し、
    前記固定部材の前記給油流路と前記可動部材の前記給油流路とは、前記可動部材の変位に伴って間欠的に連通して、この連通に伴って前記潤滑対象部位側の圧力と前記高圧流体の圧力との圧力差によって前記油分離器からの前記潤滑油が前記絞り流路、前記固定部材の前記給油流路、および前記可動部材の前記給油流路を通して前記潤滑対象部位に供給される圧縮機であって、
    前記絞り流路は、前記油分離器側から前記固定部材の前記給油流路側に近づくほど前記流路断面積が徐々に大きくなるように形成されて前記油分離器からの前記潤滑油を前記固定部材の前記給油流路側に導くテーパ部(150a)を備えることを特徴とする圧縮機。
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