JP5428190B2 - 包装用フィルムおよび包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアミドフィルムからなるフィルム基材がベースフィルムとして用いられていて、ガスバリア性、耐ピンホール性、耐突き刺し性等に優れる包装用のフィルム積層部材であり、特に、ボイル処理が施されたとしてもガスバリア性の劣化が少なく、耐ピンホール性、耐突き刺し性にも優れ、惣菜の包装に好適に用いられる包装用フィルムと、この包装用フィルムを用いて作製される包装用の収納体内に惣菜が収納されていることを特徴とする包装体に関する。
食品等の製品を収納した包装体の流通販売過程における温度変化、あるいは包装体内の湿気や酸素等の変化による製品の品質低下は、販売上の損失となるだけではなく、食品衛生の面からも大きな問題となる。従って、食品等を収納する包装体やこの包装体の作製に用いられる包装用フィルムは、温度変化を受け難く、しかも湿気、酸素等が透過し難く、収納する製品の品質を低下させ難いものであることが要求される。最近は、食品の流通形態や包装形体等が従来と比べて大幅に変わってきており、叙述のような要望はますます高くなってきている。
例えば、食品の包装においては、食品成分の蛋白質や油脂等の酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが重要であり、そのため、ガスバリア性の良好な包装部材を用いて空気や湿気等の透過を遮断するようにして包装することが望まれる。ガスバリア性の良好な包装部材で食品を包装すれば、その香気が保持されると共に水分等の浸入も阻止されるので、収納されている食品が乾燥食品である場合は、その吸湿劣化が抑制され、水分を含む食品である場合は水分の揮発による変質や固化が抑制され、包装時の新鮮な風味や瑞々しさ等を長時間維持して食品を収納することが可能となる。
一方、近年の小家族化の傾向に対応し、惣菜等の食品を少量に分けて個包装して販売することが多くなっている。惣菜の個包装には、軽量化が可能で、商品(食品)の見栄えも良く、使用後の焼却が容易な透明小袋が適しており、惣菜の個包装に盛んに使用されるようになっている。
惣菜を収納する袋を構成する包装部材は、包装する惣菜が保存中に酸化されて色が変色したり、味が変わらないようにガスバリア性を有している必要があり、しかも、包装に際してはボイル殺菌処理が施されることが多いため、ボイル殺菌処理耐性を有していることも望まれる。
また、煮しめや筑前煮のような固形物や重量物を多く含む惣菜は、それらが包装部材を傷つけてピンホールが生じることが危惧されるため、耐ピンホール耐性や耐突き刺し性を有していることも必要であり、ポリアミドフィルムをベースフィルムとして用いた包装部材が多く用いられている。例えば、ガスバリア性フィルムとしてポリエステルフィルムを用い、耐突き刺し性に優れるナイロンフィルムとシーラントフィルムとの3層構成にしたものや、ガスバリア性ナイロンフィルムを用い、シーラントフィルムとの2層構成にしたものである。
一方、ボイル殺菌処理が可能なガスバリア性ナイロンフィルムを用いたものとして、ガスバリア性ナイロンフィルムの上にアルミニウムの蒸着薄膜を設けた包装部材があるが、透明性が低く包装されている内容物の視認が出来ず、商品の見栄えも悪い。また、ポリ塩化ビニリデンからなるフィルムを用いたものはバリア性が不十分であり、包装されている
商品が品質低下を起こさないで保存できる期間が短くなってしまう。さらに、エチレン・ビニルアルコール共重合体からなるフィルムを用いたものは、高湿度下において酸素ガスバリア性の低下が著しく、これも保存できる期間が短くなるという問題点がある。
他方、ガスバリア性が高く、保存環境によってガスバリア性が変わらないよう、ガスバリア層として酸化ケイ素やアルミニウム等からなる蒸着薄膜を設けた蒸着フィルムも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、このようなガスバリア性の蒸着フィルムを用いて作製された包装袋に固形物を多く含む惣菜を充填、包装した場合には、蒸着薄膜の被膜が脆いため、過酷に取り扱った場合に蒸着薄膜層が傷ついたり、破壊されることがあり、ガスバリア性が大きく低下することがある。
この蒸着フィルムの脆さを克服するために、その蒸着薄膜の上に保護層を設けることも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、このガスバリア性フィルムはボイル処理に対する耐性が低く、バリア性や密着性がボイル処理後に低下することがある。これ以外に、ボイル処理が施されたとしてもバリア性や密着性の低下が起き難いナイロン系のバリアフィルムを用いたものも提案されているが、いずれも惣菜の保存性や充填適性、取り出し性を積極的に改良したものではない。
特開平6−238836号公報 特開平11−262986号公報
本発明は以上のような状況に鑑みなされたものであり、ポリアミドフィルムからなるフィルム基材をベースフィルムとして用いられていて、ガスバリア性、耐ピンホール性、耐突き刺し性等に優れる包装用のフィルム積層部材であり、特に、ボイル殺菌処理が施されたとしてもガスバリア性の劣化が少なく、耐ピンホール性、耐突き刺し性にも優れ、惣菜の収納に好適に用いられる包装用フィルムと、この包装用フィルムを用いて作製される包装用容器内に惣菜が収納されている包装体を提供するものである。
以上のような課題を達成するためになされ、請求項1に記載の発明は、ポリアミドフィルムからなるフィルム基材の少なくとも片面に、少なくともアクリルポリオールとトリイジルイソシアネートとを含むアンカーコート層、無機化合物からなる蒸着薄膜層、Si(ORおよびRSi(OR(R、RはCH、C、COCH等の加水分解性基、Rは有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を主成分とするガスバリア性被覆溶液からなる薄膜の加熱乾燥被膜であるガスバリア性被膜層、シール層がこの相対的順序で少なくとも積層されてなる積層部材であり、90℃、30分間のボイル処理後の最大収縮率が3%以下、突き刺し強度が8N以上であり、前記シール層が、ポリオレフィン系樹脂からなり、シール温度が110℃〜145℃であることを特徴とする包装用フィルムである。
また、請求項2に記載の発明は、前記シール層が、未延伸ポリプロピレン樹脂からなり、シール温度が145℃であることを特徴とする請求項1記載の包装用フィルムである。
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の包装用フィルムからなり、惣菜が収納されていることを特徴とする包装体である。
本発明によれば、ポリアミドフィルムからなるフィルム基材の少なくとも片面に、アン
カーコート層、無機化合物からなる蒸着薄膜層、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R3はCH3、C25、C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を主成分とするガスバリア性被覆溶液からなる薄膜の加熱乾燥被膜であるガスバリア性被膜層がこの相対的順序で少なくとも積層されているため、ガスバリア性と密着性に優れ、90℃、30分間のボイル処理後の最大収縮率が3%以下であるため、ボイル殺菌処理が施されたとしてもバリア性の劣化が殆どなく、しかも突き刺し強度が8N以上あるため、内容物によってピンホール等が発生し難く、固形物である惣菜の充填適性にも優れている。また、ガスバリア性被膜層面にシール温度が90℃以上のポリオレフィン系樹脂からなるシール層が積層されたものは、惣菜を充填してボイル殺菌処理する際の熱によるシーラントの融着がなく、内容物の取り出し性が損なわれることがない。
以下、本発明を図面を用いてさらに詳細に説明する。
図1は本発明の包装用フィルムの概略の断面構成を示している。この包装用フィルムは、大略的には、ポリアミドフィルムからなるフィルム基材1の一方の面上に、易接着層7、アンカーコート層2、無機化合物からなる蒸着薄膜層3、ガスバリア性被膜層4、接着剤層5、シール層6がこの相対的順序で積層されてなるものである。
フィルム基材1は、プラスチック材料からなるフィルムの中で柔軟性に優れ、耐突き刺し性や耐衝撃性等にも優れるポリアミドフィルムからなるが、その中では延伸された透明なナイロン樹脂フィルムが好適に用いられる。具体的には、ε−カプロラクタムの開環重合反応で得られるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸塩との縮重合反応で得られるナイロン66、メタキシレンジアミンとアジピン酸を縮重合して得られるMXD6ナイロン、ナイロン11、ナイロン12等からなる汎用のフィルムを使用することができる。延伸方法としては、二軸延伸方法でも逐次延伸方法でもかまわない。また、厚みは成膜性及び経済性等の観点から12〜25μm程度の範囲にあることが好ましい。また、このフィルム基材には、種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤等が含有されていてもよく、また、その表面に前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理等が施されていてもよく、さらには薬品処理、溶剤処理等が施されていてもよい。
また、後述するアンカーコート層2との密着性をより向上させるため、さらには物理的なストレスがかかる形状ないし構造の包装体の構成部材として用いる場合があることを考慮して、このフィルム基材の片面もしくは両面には易接着層を設けておくことが望ましい。図2にはフィルム基材1の上に易接着層7を設けた例が示してある。
この易接着層7は、製造コストを考慮して、例えば、フィルム基材となるポリアミドフィルムを延伸成膜する時に易接着樹脂の層を塗工して形成することが望ましい。この易接着層7は、包装部材として用いられる時の煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌処理等に対する耐性を考慮すると、耐水性のあるポリウレタン樹脂および/またはポリエステル樹脂を主成分とする易接着剤からなるものがより望ましい。
このポリウレタン樹脂および/またはポリステル樹脂を主成分とする易接着剤としては、例えば、水性ポリウレタン系樹脂とメラミン系架橋剤からなるものでもよいし、ポリエステルポリオールとイソシアネート架橋剤からなるものでもよい。
フィルム基材1上の易接着層7の上に積層されているアンカーコート層2は、その上にさらに積層される無機化合物からなる蒸着薄膜層3が均一な厚みで成膜され、それによっ
て所期のガスバリア性が十分に確保され、また密着性も飛躍的に向上し、延いては煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌等が施された場合にガスバリア性が低下せず、デラミネーションも発生し難いようにするために設ける薄膜層である。
このアンカーコート層2の構成素材としては、アクリルポリオールやポリビニルアセタール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール等のポリオール類とイソシアネート化合物との2液反応によって得られる有機高分子、またはポリイソシアネート化合物および水との反応によりウレア結合を有する有機化合物、ポリエチレンイミンまたはその誘導体、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール、また有機変性コロイダルシリカのような無機シリカ、シランカップリング剤およびその加水分解物のような有機シラン化合物等を主成分とするアンカーコート液が挙げられる。上記主成分の中では、特にアクリルポリオールとイソシアネート化合物と、シランカップリング剤の組み合わせになるものが好ましい。
このアンカーコート層2は、一般的には乾燥後の厚みが0.005〜5μm程度の範囲になるようにコーティングによって設けることが望ましい。より好ましくは0.01〜1μm程度の範囲にあればよい。0.005μm未満の場合は塗工技術の点から均一な塗膜が得られ難く、逆に5μmを越える場合は、厚みを増やすことによる効果が期待されず、不経済となる。
このような構成のアンカーコート層2の上に設けられている無機化合物からなる蒸着薄膜層3は、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、マグネシウム等の酸化物、窒化物、弗化物の単位あるいはそれらの複合物等からなる蒸着薄膜で、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法等の真空プロセスにより形成される。特にこれらの構成材料の中で酸化アルミニウムは、その蒸着薄膜が無色透明であり、しかも煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌等が施された場合、処理前に有していたガスバリア性等が低下することがなくなり、広範囲の包材用途への展開が可能となる。
蒸着薄膜層3の適正な厚みは、用途によって異なるが、数十Åから5000Åの範囲にあることが望ましい。50Å未満の厚みでは薄膜の連続性に問題が生じることがあり、また5000Åを超えるとクラックが発生し易くなり、可撓性が低下する。好ましくは50〜3000Å程度の範囲にあればよい。
このような蒸着薄膜層3の上に積層するガスバリア性被膜層4は、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R3はCH3、C25、C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を主成分とするガスバリア性被覆溶液からなる薄膜の加熱乾燥被膜である。
本発明の包装用フィルムの一部を構成するガスバリア性被膜層4は、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R3はCH3、C25、C24OCH3等の加水分解性基)が反応して耐水性のネットワークを作ると供に、水酸基を有する水溶性高分子とも水素結合を有するため、耐水性とバリア性の高い被膜を作ることができる。
ガスバリア性被膜層4を構成するガスバリア性被覆溶液には、隣接する層との密着性や濡れ性、収縮によるクラック発生防止等を考慮して、イソシアネート化合物、コロイダルシリカやスメクタイト等の粘土鉱物、安定化剤、着色剤、粘度調整剤等の公知の添加剤等を、ガスバリア性や耐水性を阻害しない範囲で添加することができる。
乾燥後の厚みは特に限定されるものではないが、50μmを越えるとクラックが生じ易くなる可能性があるため、0.01〜50μm程度とすることが望ましい。
ガスバリア性被膜層4の形成方法としては、通常のコーティング方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が採用できる。
ガスバリア性被覆溶液からなる薄膜の乾燥法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射等を薄膜に対して行い、薄膜に熱をかけて水分子をとばす方法であればいずれの方法でもよい。また、このような乾燥方法を2つ以上組み合わせて行ってもかまわない。
このようなガスバリア性被膜層4の上に接着剤層5を介して積層されているのがシール層6である。このシール層6は、本発明の包装用フィルムを用い袋状包装体等の包装体を形成する際に接着部となるように設けるものであり、例えばポリオレフィン系樹脂により形成される。
ポリオレフィン系樹脂として、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂の中では、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマーから選ばれる少なくとも1種類の樹脂が好ましく用いられる。このような樹脂からなるフィルムは柔軟性が良好で、作業性が良く、収納製品の充填適性も良好である。
惣菜に対するボイル殺菌は100℃未満で行われるため、シール層6が熱融着して惣菜の取り出し適性が悪くならないように、シール層6のシール温度はボイル殺菌の温度より高い必要がある。より具体的には、90℃以上、好ましくは90℃から120℃、特に好ましくは90℃から100℃程度であればよい。このシール温度は、シール圧2Kg/m2で2秒間シールしたシール部分の強度を測定した際、2N/mmの強度を示す時の温度とした。
シール層6の厚みは包装用フィルムの用途に応じて決められるが、一般的には15〜200μm程度の範囲にあればよい。
また、このシール層6は、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いて貼り合わせを行うドライラミネート法や無溶剤接着剤を用いて貼り合わせを行うノンソルベントドライラミネート法、さらには溶融押し出しラミラミネート法等のいずれも公知の積層方法により形成することができる。シール層6の積層は接着剤層5を介して行ってもよい。
以上、本発明に係る包装用フィルムの基本的な構成を説明したが、本発明の包装用フィルムは90℃、30分間のボイル殺菌処理後の最大収縮率が3%以下で、突き刺し強度が8N以上である必要がある。
ボイル殺菌処理後の収縮率の測定に当たっては、フィルムの流れ方向と、その90°直角の向きをフィルム幅方向とし、90℃、30分間のボイル処理後の収縮率を測定して収縮率の大きい方を最大収縮率とした。収縮率の計算方法は、ボイル前の測定長(A)とボイル後の測定長(B)で以下のように算出した。
収縮率(%)=(A−B)/A×100
90℃、30分間のボイル処理は一般的なボイル処理の条件であり、このときの収縮率がボイル処理前と比較して3%を超えると、蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層が収縮に追従できずバリア性が大きく劣化してしまう。このためボイル処理後の最大収縮率はフィルムの流れ方向および幅方向のどちらも3%以下、より好ましくは2%以下であることが好ましい。
惣菜の代表的なものとしては、煮しめや筑前煮等が挙げられるが、これらの惣菜中には竹の子や人参、蓮根等の硬く、角のあるものが含まれ、これらが包装用フィルムにダメージを与え、包装袋等の包装体にピンホールを生じさせる恐れがある。このため包装用フィルムには柔軟性が要求されると共に、ピンホールの発生を防ぐため、包装用フィルムの突き刺し強度が8N以上である必要がある。8N未満では耐ピンホール性が優れず、包装中あるいは包装体を輸送する際にピンホールが生じてしまう。
突き刺し強度とは、固定した試料面に直径1mm、先端形状0.5mmRの針を50mm/分の速度で突き刺し、針が貫通するときの試料強度(N)である(JIS Z1707)。測定は、内容物によるダメージを考慮し、包装する際に内面側に位置するシール面から針を突き刺して行った。
前記したガスバリア性被膜層4上には必要に応じて、印刷層を積層しておいてもよく、接着剤を介して複数の樹脂層を積層しておいてもよい。さらに、フィルム基材1の反対面にも、印刷層、シール層、さらには接着剤を介して複数の樹脂層が積層されている積層シート等が積層された構成であってよい。
以下、本発明の包装用フィルムを実施例を挙げてさらに説明する。
まず、以下のようにしてアンカーコート液を調製した。
(アンカーコート液の調製)
アクリルポリオールとトリイジルイソシアネートをアクリルポリオールのOH基に対し、NCO基が等量となるように加え、全固形分が5w%になるよう酢酸エチルで希釈し、さらにこれにβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを全固形分に対して5wt%となるように添加して混合し、アンカーコート液とした。
次に、以下のようにして(A液)、(B液)、(C液)を調整すると共に、ガスバリア性被覆溶液を調製した。
(A液の調整)
テトラエトキシシラン(Si(OC254;以下TEOSとする)17.9gとメタノール10gに塩酸(0.1N)72.1gを加え、30分間攪拌し加水分解させ、固形分(TEOSのSiO2固形分(換算値))5%の加水分解溶液(A液)とした。
(B液の調整)
ポリビニルアルコールのPVA固形分5%、水/メタノール=95/5(重量比)水溶液。
(C液の調整)
1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートをそのR2Si(OH)3固形分(換算値)が5%となるように、水/IPA=1/1溶液で調整し、加水分解溶液(C液)とした。
(ガスバリア性被膜溶液の調整)
A液、B液、C液を70対20対10(重量比)で混ぜ合わせてガスバリア性被膜溶液とした。
基材フィルムとして、片面がコロナ処理された厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)、エンブレムONM)を使用し、グラビアコート機を用いてそのコロナ処理面にアンカーコート液の薄膜を塗布し、乾燥させ、乾燥厚みが0.1μmの被膜からなるアンカーコート層を積層した。次に、このアンカーコート層上に真空蒸着装置で厚み2nmの酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層を積層した。さらに、再度グラビアコート機を用いて前記工程で成膜された蒸着薄膜層の上にガスバリア性被覆溶液からなる薄膜を塗布し、加熱乾燥させ、厚み0.2μmのガスバリア性被膜層を積層した。さらに、このガスバリア性被膜層面にドライラミネート機を用いて、ポリウレタン系接着剤を塗布し、厚み60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムからなるシール層(シール温度110℃)を積層し、本発明の実施例1に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムを得た。
未延伸ポリプロピレン(シール温度125℃)を用いて厚み40μmのシール層を設けた以外は実施例1と同様にして、本発明の実施例2に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムを得た。
未延伸ポリプロピレン(シール温度145℃)を用いて厚み70μmのシール層を設けた以外は実施例1と同様にして、本発明の実施例3に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムを得た。
基材フィルムとして収縮率の高いナイロンフィルム(ボイルの後の最大収縮率4.2%)を使用した以外は実施例1と同様にして、比較のための実施例4に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムを得た。
基材フィルムとして厚みが12μmのPETフィルム(東レフィルム加工製 P60)を使用した以外は実施例1と同様にして、比較のための実施例5に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムを得た。
バリア性ナイロンフィルムとして塩化ビニリデンコートバリアナイロンフィルム(ユニチカ製 DCR)を使用し、このガスバリア性被膜層面にドライラミネート機を用いて、ポリウレタン系接着剤を塗布し、厚み60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムからなるシール層(シール温度110℃)を積層し、比較のための実施例6に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムを得た。
EVA(7%VA)(シール温度80℃)を用いてシール層を厚み40μmで設けた以外は実施例1と同様にして、比較のための実施例7に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムを得た。
(評価)
得られた包装用フィルムの突き刺し強度(JIS Z1707)を測定した。また、得られた包装用フィルムで四方パウチ(包装体)を作成し、そこに筑前煮を充填した後、90℃、30分間のボイル処理(煮沸処理)を施し、しかる後、中身を取り出して、取り出し適性を確認した。ボイル処理後の熱融着がなく、取り出しに問題がないものを○、熱融着があるものを×とした。
また、中身を取り出した四方パウチ(包装体)を構成する包装用フィルムの、ボイル処理後の流れ方向と幅方向の収縮率および、ボイル処理後の酸素透過度を測定した。酸素透過度は、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 OXTRAN10/50)を用いて、30℃、相対湿度70%中の雰囲気下で測定した。またこれらとは別に、得られた包装用フィルムからなる四方パウチ(包装体)を30個作製し、そのそれぞれに筑前煮を入れて90℃、30分間のボイル処理をした。そして、ボイル処理したパウチを段ボール箱に2行×5段で計10袋梱包したものを3箱用意した。続いて、3箱のパウチ梱包段ボール箱をJIS振動試験(JIS Z0232)に基づき、トラック輸送距離2000Kmに相当する振動試験を実施した。試験終了後、30℃、相対湿度70%中の雰囲気下に1ヶ月間保存した。そして、保存後の筑前煮の色を目視で確認し、各段ボール箱において保存前と比べてほとんど変化がないものを○、1個でも褐色に変色したものを×とした。
Figure 0005428190
表1から明らかなように、実施例4に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムは、ボイル処理後の収縮率が大きいため、酸素透過度が高く、バリア性が低い。また実施例6に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムも同様にバリア性が低く、筑前煮の色も保存中に変色が見られた。また実施例5、7に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムでは、突き刺し強度が低いため振動試験中にピンホールが開いたものがあり、30個の検体中、数個に変色が見られた。また実施例7に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムでは保存後に筑前煮を取り出す際、一部熱融着が認められた。これに対し、実施例1、2、3に係る惣菜包装用ナイロン系包装用フィルムはガスバリア性が保存前後で高いため、保存後の筑前煮の変色もみられず、またシール層の融着もないため筑前煮も取り出し易かった。
本発明に係る包装用フィルムの概略の断面構成を示す説明図である。
符号の説明
1…フィルム基材
2…アンカーコート層
3…蒸着薄膜層
4…ガスバリア性被膜層
5…接着剤層
6…シール層
7…易接着層

Claims (3)

  1. ポリアミドフィルムからなるフィルム基材の少なくとも片面に、少なくともアクリルポリオールとトリイジルイソシアネートとを含むアンカーコート層、無機化合物からなる蒸着薄膜層、Si(ORおよびRSi(OR(R、RはCH、C、COCH等の加水分解性基、Rは有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を主成分とするガスバリア性被覆溶液からなる薄膜の加熱乾燥被膜であるガスバリア性被膜層、シール層がこの相対的順序で少なくとも積層されてなる積層部材であり、90℃、30分間のボイル処理後の最大収縮率が3%以下、突き刺し強度が8N以上であり、前記シール層が、ポリオレフィン系樹脂からなり、シール温度が110℃〜145℃であることを特徴とする包装用フィルム。
  2. 前記シール層が、未延伸ポリプロピレン樹脂からなり、シール温度が145℃であることを特徴とする請求項1記載の包装用フィルム。
  3. 請求項1または2記載の包装用フィルムからなり、惣菜が収納されていることを特徴とする包装体。
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