JP5423666B2 - 溶融ガラスの減圧脱泡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、連続的に供給される溶融ガラスから気泡を除去するための溶融ガラスの減圧脱泡装置に関する。
従来より、成形されたガラス製品の品質を向上させるために、溶解炉で原料を溶解した溶融ガラスを成形装置で成形する前に、溶融ガラス内に発生した気泡を除去する清澄工程が利用されている。
この清澄工程では、減圧雰囲気内に溶融ガラスを導入し、この減圧雰囲気下、連続的に流れる溶融ガラス流内の気泡を大きく成長させて溶融ガラス内に含まれる気泡を浮上させ、溶融ガラス表面で気泡を破泡させて除去し、その後減圧雰囲気から排出する減圧脱泡方法が知られている。
このような清澄工程において、溶融ガラス流内での気泡の成長を促進するため、または気泡を破泡させるため、様々な手法が提案されている。
特許文献1には、清澄操作の性能特性を改良するため、さまざまな清澄促進剤をガラス化可能物質、すなわち、ガラス原料、に含めることが提案されている。また、特許文献1には、減圧条件下での清澄の間に気泡の成長に影響する要素として、溶融体物質上のガスの性質、すなわち、溶融ガラス上のガスの性質を挙げている。
また、特許文献2には、溶融ガラスが清澄チャンバ中の減圧に遭遇することで発生した泡沫を破壊する泡沫破壊手段が開示されている。泡沫破壊手段としては、気泡を広げ、破裂させるための機械的回転体の使用や、泡沫へジェット流を衝突させることが開示されている。
特表2001−515453号公報 特開2003−89529号公報
特許文献1には、溶融ガラス上のガスの性質を変える方法として、空気の分圧の選択、窒素タイプの不活性ガスを富化した雰囲気の選択、および窒素タイプの不活性ガスの分圧の選択を挙げているが、溶融ガラス上のガスがどのような性質であれば、気泡の成長が促進させるかという点は全く示していない。また、減圧条件で清澄を行っている際、溶融ガラスからの揮発ガス成分および溶融ガラスに含まれる気泡のガス成分がさかんに放出されるため、選択した空気の分圧および選択した窒素タイプの不活性ガスの分圧は容易に低下してしまうという問題がある。また、選択した窒素タイプの不活性ガスを富化した雰囲気から、雰囲気のガス組成が容易に変化してしまうという問題がある。
また特許文献2に記載の方法は、清澄チャンバ内で発生する泡沫の破壊という点では必ずしも十分ではなかった。すなわち、機械的回転体やジェット流の使用は、溶融ガラス上に既に存在している泡沫を破壊することはできるが、溶融ガラス流に乱れを生じる結果、新たな気泡の発生原因となる。また、清澄チャンバ内において、泡沫を局所的に破壊することはできるが、機械的回転体やジェット流よりも下流側で新たに発生した泡沫を破壊することはできない。また、機械的回転体の使用は溶融ガラスの汚染源となるおそれがあるし、ジェット流の使用は溶融ガラスの温度を低下させてガラスの品質を低下させるおそれがある。
また、理論上は、溶融ガラス上方の雰囲気の減圧度を高めるほど(雰囲気の絶対圧を低くするほど)、減圧脱泡の効果が向上し、溶融ガラス流内の気泡が減少するはずである。しかし、実際には、雰囲気の減圧度(雰囲気の絶対圧)がある段階に達すると、気泡の生成速度が破泡による気泡消滅速度を上回り、溶融ガラス表面で泡層が肥大化することにより、減圧脱泡能力が低下してしまう。このような現象を過減圧による泡層の肥大化という。結果として、溶融ガラス流内の気泡がかえって増加する。したがって、減圧脱泡の効果を十分発揮できる雰囲気の減圧度(雰囲気の絶対圧)の範囲はかなり狭く、大気圧の変動等の外的要因によっても減圧脱泡の効果が影響されることが問題となっていた。
上記した従来技術の問題点を解決するため、本発明は、溶融ガラスの減圧脱泡の効果に優れた減圧脱泡装置、より具体的には、過減圧による泡層の肥大化によって減圧脱泡の効果が低下することが防止された溶融ガラスの減圧脱泡装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、溶融ガラス表面で気泡が破泡することによって発生したガス成分が、減圧脱泡槽内を流通する溶融ガラスの上方に滞留することによって減圧脱泡の効果が低下することを見出した。以下、本明細書において、溶融ガラス表面で気泡が破泡することによって発生したガス成分のことを「溶融ガラスからのガス成分」とし、溶融ガラスからのガス成分が減圧脱泡槽内を流通する溶融ガラスの上方に滞留することを「溶融ガラスからのガス成分の滞留」とする。
溶融ガラスからのガス成分が滞留すると、溶融ガラス上方の雰囲気
(減圧脱泡槽内部の溶融ガラスの上部空間)で溶融ガラスからのガス成分の分圧が高くなるので、溶融ガラス表面に浮上した気泡が破泡しにくくなり、減圧脱泡の効果が低下すると考えられる。
また、本発明者らは、溶融ガラスからのガス成分の滞留を解消することにより、溶融ガラス表面の破泡速度が高まり、過減圧による泡層の肥大化を抑制することができることを見出した。
本発明は、上記した本発明者らの知見に基づいてなされたものであり、内部の気圧が大気圧未満に設定され、供給された溶融ガラス中の泡を浮上及び破泡させる減圧脱泡槽と、前記減圧脱泡槽に接続され、脱泡処理前の溶融ガラスを吸引上昇させて該減圧脱泡槽に導入する上昇管と、前記減圧脱泡槽に接続され、脱泡処理後の溶融ガラスを該減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管と、を具備する溶融ガラスの減圧脱泡装置において、
少なくとも2つの接続管により前記減圧脱泡槽と接続される中空構造の雰囲気制御部を有し、前記雰囲気制御部には該雰囲気制御部内を排気して減圧するための排気口が設けられており、前記雰囲気制御部には、少なくとも1つの前記接続管との関係で下記(1)及び(2)を満たす第1のガス供給管が設けられていることを特徴とする溶融ガラスの減圧脱泡装置(以下、「本発明の減圧脱泡装置」とする。)を提供する。
(1)前記雰囲気制御部と前記接続管とがなす開口部を、前記接続管の管軸方向に沿って前記雰囲気制御部内部へと延ばした仮想領域を、前記第1のガス供給管から供給されるガス流が横切る。
(2)前記第1のガス供給管の先端から該ガス供給管の管軸に沿って延ばした仮想線が、前記雰囲気制御部と前記接続管とがなす開口部を通過しない。
本発明の減圧脱泡装置において、前記接続管の数をXとするとき、前記第1のガス供給管の数がX−1以下(但し、前記第1のガス供給管の数は1以上)であることが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置において、前記第1のガス供給管から供給されるガス流が、水蒸気濃度60mol%以下の低水分ガス流であることが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置において、前記減圧脱泡槽内の溶融ガラスの上部空間に水蒸気濃度60mol%以下の低水分ガスを供給する第2のガス供給管がさらに設けられていることが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置では、第1のガス供給管から仮想領域を横切るようにガス流を供給することで生じるベンチュリ効果により雰囲気制御部と減圧脱泡槽との間に圧力差が生じ、この圧力差によって雰囲気制御部と減圧脱泡槽とを循環するガス流が生じる。このガス流によって、溶融ガラスからのガス成分の滞留を解消することができる。溶融ガラスからのガス成分の滞留が解消されることによって、減圧脱泡の効果の低下が防止される。
また、溶融ガラスからのガス成分の滞留が解消されることによって、過減圧による泡層の肥大化が発生しにくくなる。この結果、減圧脱泡槽内の減圧度をより高くすることができ、減圧脱泡の効果を向上させることができる。
第1のガス供給管から供給するガスとして水蒸気濃度60mol%以下の低水分ガスを用いた場合、溶融ガラスからのガス成分の滞留が解消される効果に加えて、減圧脱泡槽内の溶融ガラス上方の雰囲気で、水蒸気濃度が低減する効果が期待される。該雰囲気の水蒸気濃度が低減されることによって、減圧脱泡槽内の溶融ガラス表面の泡層が肥大化して突沸が生じることを防止でき、減圧脱泡の効果をさらに向上させることができる。
また、該雰囲気の水蒸気濃度が低減されることによって、溶融ガラス中の揮散しやすい特定成分、例えば、B、Cl、F、S等の揮散を抑制することができ、これらの成分の揮散によるガラス組成の変化を抑制することができる。
本発明の減圧脱泡装置の一構成例を示す断面図。 減圧脱泡装置10の仮想領域19の付近を示した部分拡大図。 図2と同様の部分拡大図。 図2と同様の部分拡大図。 図2と同様の部分拡大図。 図2と同様の部分拡大図。 図2と同様の部分拡大図。 本発明の減圧脱泡装置の別の一構成例を示す断面図。
符号の説明
10,10´:減圧脱泡装置
11:減圧脱泡槽
12:上昇管
13:下降管
14:雰囲気制御部
15,16:接続管
17:排気口
18:開口部
19:仮想領域
20:第1のガス供給管
21:仮想線
24:第2のガス供給管
100,120:ガス流
140:低水分ガス
200:溶解槽
220:上流ピット
240:下流ピット
G:溶融ガラス
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の減圧脱泡装置の一構成例を示す断面図である。図1に示す減圧脱泡装置10は、円筒形状をした減圧脱泡槽11を有する。減圧脱泡槽11は、内部の気圧が大気圧未満に設定されており、供給された溶融ガラスG中の泡を浮上及び破泡させる。減圧脱泡槽11には、上昇管12および下降管13が接続されている。上昇管12は、脱泡処理前の溶融ガラスGを吸引上昇させて該減圧脱泡槽11に導入する溶融ガラスGの導入手段である。このため、上昇管12の下端部は、上流ピット220内の溶融ガラスGに浸漬されている。上流ピット220には、溶解槽200から溶融ガラスGが供給される。一方、下降管13は、脱泡処理後の溶融ガラスGを該減圧脱泡槽11から下降させて導出する溶融ガラスGの導出手段である。このため、下降管13の下端部は、下流ピット240内の溶融ガラスGに浸漬されている。下流ピット240内の溶融ガラスGは、後工程の処理槽(図示していない)へと導出される。
以下、本明細書において、「上流」および「下流」と言った場合、減圧脱泡装置10を流通する溶融ガラスGの流動方向における上流および下流を意味する。
なお、図示していないが、減圧脱泡槽11は、通常、減圧ハウジング内に収容されており、減圧ハウジングを減圧吸引することにより、減圧脱泡槽11内部の気圧を大気圧未満の減圧状態に保持する。一方、減圧脱泡槽11が減圧ハウジング内に収容されていない場合、減圧脱泡槽11の溶融ガラスGの上部空間を、減圧ポンプ等を用いて減圧吸引することで、減圧脱泡槽11内部の気圧を大気圧未満の減圧状態に保持する。
本発明の減圧脱泡装置10は、少なくとも2つの接続管15,16により減圧脱泡槽11と接続される雰囲気制御部14を有している。雰囲気制御部14は、内部が中空構造であり、該雰囲気制御部14内を排気して減圧するための排気口17が設けられている。雰囲気制御部14は、該雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間と、を循環するガス流120の経路をなす。したがって、本発明の減圧脱泡装置10では、排気口17から雰囲気制御部14内を排気して減圧することによって、減圧脱泡槽11内部の気圧を大気圧未満の減圧状態に保持する。減圧脱泡装置10が減圧ハウジングを有する場合、減圧ハウジングを減圧吸引することにより、排気口17から雰囲気制御部14内が排気され減圧されることによって、減圧脱泡槽11内部の気圧が大気圧未満の減圧状態に保持される。一方、減圧脱泡槽11が減圧ハウジングを有しない場合、排気口17から雰囲気制御部14内を、減圧ポンプ等を用いて排気して減圧することによって、減圧脱泡槽11内部の気圧を大気圧未満の減圧状態に保持する。
ここで、雰囲気制御部14は、該雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間と、を循環するガス流120の経路をなすため、接続管15,16は、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの液面よりも上方で減圧脱泡槽11と接続する必要がある。このため、図1に示すように、雰囲気制御部14を減圧脱泡槽11の上方に配置することは好ましい態様である。但し、接続管15,16が減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの液面よりも上方で減圧脱泡槽11と接続されるのであれば、雰囲気制御部14を減圧脱泡槽11の側方に配置してもよい。
また、該雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間と、を循環するガス流120の経路を形成するため、接続管15,16は、少なくとも2本必要である。なお、図1に示す減圧脱泡装置10では、2本の接続管15,16で減圧脱泡槽11と雰囲気制御部14とを接続しているが、3本以上の接続管で減圧脱泡槽11と雰囲気制御部14とを接続してもよい。
また、減圧脱泡槽11に流入するガス流120の温度が低いと、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGに悪影響をおよぼすおそれがあるため、雰囲気制御部14、および接続管15,16は、加熱機構を有することが好ましい。但し、雰囲気制御部14、および、全ての接続管15,16に加熱機構を設けることは必ずしも必要ではなく、少なくとも、減圧脱泡槽11にガス流120が流入する側の接続管(図1の場合、接続管15)に加熱機構を設ければ、減圧脱泡槽11に温度が低いガス流120が流入して、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGに悪影響をおよぼすおそれを解消することができる。
本発明の減圧脱泡装置10には、雰囲気制御部14内にガスを供給する第1のガス供給管20が設けられている。ここで、第1のガス供給管20は、少なくとも1つの接続管(図1の場合、接続管16)との関係で下記(1)、(2)を満たす。
(1)雰囲気制御部14と接続管16とがなす開口部18を、接続管16の管軸方向に沿って雰囲気制御部14内部へと延ばした仮想領域19(図1の場合、雰囲気制御部14内において開口部18の上方の領域)を、第1のガス供給管20から供給されるガス100が横切る。
(2)第1のガス供給管20の先端から該ガス供給管20の管軸に沿って延ばした仮想線21(図5参照)が、雰囲気制御部14と接続管16とがなす開口部18を通過しない。
以下、(1)、(2)を満たすことが必要な理由について説明する。
第1のガス供給管20から、開口部18上方の仮想領域19を横切るようにガス流100を供給すると、ベルヌーイ則(式(1))にしたがって第1のガス供給管20の出口付近の圧力が低下し、ベンチュリ効果が生じる。
p/ρ+v2/2g+z=const (1)
p:第1のガス供給管20の出口周辺の圧力(Pa)、ρ:ガス流100の密度(kg/m)、g:重力加速度(m/s)、v:ガス流100の流速(m/s)、z:雰囲気制御部14内における第1のガス供給管20の出口部の高さ(雰囲気制御部底面からの高さ)(m)
この結果、減圧脱泡槽11との間に圧力勾配が生じ、開口部18付近の圧力が減圧脱泡槽11に比べて圧力が低くなる圧力差が生じる。この圧力差によって、開口部18付近の圧力(すなわち、接続管16側の圧力)が低くなり、雰囲気制御部14と接続管15とがなす開口部から減圧脱泡槽11を通って開口部18に至る領域に圧力勾配が生じる。この結果、雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上方空間と、を循環するガス流(以下、「雰囲気制御部と減圧脱泡槽とを循環するガス流」という。)120が生じる。
ここで、雰囲気制御部と減圧脱泡槽とを循環するガス流120を生じさせるのに十分な圧力差を生じさせるのに必要なガス流100の流速vは、ガス流100の密度ρ、雰囲気制御部14内における第1のガス供給管20の出口部の高さz、および開口部18の面積Aによっても異なるが、ガス流100の流速vが下記式(2)を満たせば、雰囲気制御部と減圧脱泡槽とを循環するガス流120を生じさせるのに十分な圧力差が生じることとなる。
v > A/0.031× [5.487×10-6×(1/56.353−1/ρ)+19.6×(0.163−z)+7.52 ] 1/2 (2)
ガス流100の流速vは、下記式(3)を満たすことがより好ましく、下記式(4)を満たすことがさらに好ましい。
v > A/0.031× [5.487×10-6×(1/56.353−1/ρ)+19.6×(0.163−z)+8.42 ]1/2 (3)
v > A/0.031× [5.487×10-6×(1/56.353−1/ρ)+19.6×(0.163−z)+9.82 ]1/2 (4)
雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11と、を循環するガス流120が生じる結果、溶融ガラスGからのガス成分の滞留を解消する。すなわち、溶融ガラスGからのガス成分は滞留することなく、ガス流120によって雰囲気制御部14へと運ばれる。雰囲気制御部14に運ばれた溶融ガラスGからのガス成分は、排気口17から外部に放出される。雰囲気制御部14に運ばれた溶融ガラスGからのガス成分の一部が、ガス流120によって運ばれて減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上方空間に戻る場合もあるが、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11と、を循環するガス流120が存在すること、および、溶融ガラスGからのガス成分はガス流120によって希釈されていることから、溶融ガラスGからのガス成分の滞留のリスクは最小限に抑えられている。なお、溶融ガラスGからのガス成分がガス流120によって希釈されることにより、溶融ガラスGからのガス成分が冷却される過程で減圧脱泡装置10内に付着したり、排気口17から放出された後、系内に付着することが防止される。
溶融ガラスGからのガス成分が滞留すると、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスG上方の雰囲気において、溶融ガラスGからのガス成分の分圧が高くなるので、溶融ガラスG表面に浮上した気泡が破泡しにくくなり減圧脱泡の効果が低下すると考えられる。
本発明の減圧脱泡装置10では、溶融ガラスGからのガス成分の滞留が解消されることにより、減圧脱泡の効果の低下が起こらず、減圧脱泡の効果に優れている。
また、溶融ガラスGからのガス成分が滞留すると、過減圧による泡層の肥大化が起こり、減圧脱泡の効果が大幅に低下してしまうが、本発明の減圧脱泡装置10では、溶融ガラスGからのガス成分の滞留が解消されるため、減圧脱泡槽11の減圧度を従来よりも高くしても過減圧による泡層の肥大化が抑制できるようになる。したがって、減圧脱泡槽11の減圧度を従来よりも高くすることができ(減圧脱泡槽11の絶対圧を従来よりも低くすることができ)、減圧脱泡の効果をより高めることができる。
図1に示すように、雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11と、を循環するガス流120が生じた際、接続管16は、ガス流120を減圧脱泡槽11から導出するガス流導出管をなし、接続管15は、ガス流120を減圧脱泡槽11に導入するガス流導入管をなす。したがって、図1に示す減圧脱泡装置10のように、2本の接続管15,16を有する場合、いずれか一方の接続管との関係で上記(1),(2)を満たす第1のガス供給管を設ける必要があり、他方の接続管との関係では上記(1),(2)を満たす第1のガス供給管を設けてはならない。一方、減圧脱泡装置が3本以上の接続管を有する場合、2本以上の接続管との関係で上記(1),(2)を満たす第1のガス供給管を設けてもよいが、少なくとも1本の接続管との関係では上記(1),(2)を満たす第1のガス供給管を設けてはならない。
すなわち、本発明の減圧脱泡装置において、接続管の数をXとするとき、第1のガス供給管の数がX−1以下(但し、第1のガス供給管の数は1以上)とする必要がある。
開口部18付近の圧力が減圧脱泡槽11に比べて圧力が低くなる圧力差を生じさせるためには、第1のガス供給管20から供給されるガス流100が仮想領域19を横切る必要である。図1では、第1のガス供給管20の先端が仮想領域19内に位置しており、該仮想領域19を横切るように、上流方向に向けてガス流100を供給する。図2は、減圧脱泡装置10の仮想領域19の付近を示した部分拡大図であり、第1のガス供給管20の先端の位置が図1とは異なる。図2では、第1のガス供給管20の先端が仮想領域19よりも下流側に位置しており、上流方向に向けてガス流100を供給する。仮想領域19を横切るように、上流方向に向けてガス流100を供給する。ガス流100の流速が十分大きく、仮想領域19を横切るようにガス流100を供給できるのであれば、このような配置であってもよい。
また、図1の減圧脱泡装置10では、雰囲気制御部14の上方から挿入した第1のガス供給管20の先端を上流方向に湾曲させることで、該仮想領域19を横切るように、上流方向に向けてガス流100を供給しているが、雰囲気制御部14の下流側端面から水平方向に第1のガス供給管を挿入して、該仮想領域19を横切るように、上流方向に向けてガス流100を供給してもよい。
一方、図3は、図2と同様の部分拡大図であるが、先端が仮想領域19よりも下流側に位置する第1のガス供給管20から下流方向に向けてガス流100を供給する。この場合、ガス流100が仮想領域19を横切らないので、上記(1)を満たさず、開口部18付近の圧力が減圧脱泡槽11に比べて圧力が低くなる圧力差を生じさせることができない。図3と同様の配置であっても、第1のガス供給管20の先端が仮想領域19よりも上流側に位置し、下流方向に向けてガス流100を供給した場合、ガス流100が仮想領域19を横切るので、上記(1)を満たし、開口部18付近の圧力が減圧脱泡槽11に比べて圧力が低くなる圧力差を生じさせることができる。
また、図4は、図2と同様の部分拡大図であるが、第1のガス供給管20の先端の向きが図2とは異なり、斜め下方を向いている。この場合、第1のガス供給管20から供給されるガス流100が仮想領域19よりも手前側(下流側)の雰囲気制御部14の底部に向けて供給されることになるので、ガス流100が仮想領域19を横切らず、上記(1)を満たさず、開口部18付近の圧力が減圧脱泡槽11に比べて圧力が低くなる圧力差を生じさせることができない。
開口部18付近の圧力が減圧脱泡槽11に比べて圧力が低くなる圧力差を生じさせるためには、第1のガス供給管20から供給されるガス流120が仮想領域19を横切る必要があり、ガス流100が接続管16へと吹き込んではならない。このため、ガス供給管20の先端から該ガス供給管20の管軸に沿って延ばした仮想線21が、開口部18を通過しないように、第1のガス供給管20を配置する必要がある。図5は、図2と同様、図1に示す減圧脱泡装置10の仮想領域19付近の部分拡大図である。図5では、仮想線21が、上流方向に向けて水平方向に延びており、開口部18を通過せず、上記(2)を満たす。
図6は、図5と同様の部分拡大図であるが、第1のガス供給管20の先端の向きが図5とは異なり、仮想線21が斜め下方を向いており、開口部18を通過するため、上記(2)を満たさない。
図7は、図6と同様の部分拡大図であり、仮想線21が斜め下方を向いているが、雰囲気制御部14内における第1のガス供給管20の高さが図6のガス供給管20とは異なるため、仮想線21が開口部18を通過せず、上記(2)を満たす。これと同様に、仮想線21が斜め下方を向く場合であっても、仮想線21が斜め下方を向く角度が図6のガス供給管20に比べて小さく、開口部18を通過しない場合も上記(2)を満たす。
本発明の減圧脱泡装置は、上記(1)、(2)を満たすように第1のガス供給管を配置すればよく、図示した態様、および、上記で説明した態様に限定されない。図示した態様、および、上記で説明した態様では、ガス流100の供給方向が上流方向または下流方向であったが、ガス流100の供給方向は、これら以外の方向、例えば、図面の手前方向または奥方向であってもよい。この場合、開口部18に対して図面の奥側または手前側に第1のガス供給管20を配置して、仮想領域19を横切るように、図面手前方向または奥方向にガス流100を供給する。
また、図示した態様では、水平方向または斜め下方に向けてガス流100を供給しているが、斜め上方に向けてガス流を供給してもよい。但し、開口部18付近の圧力が減圧脱泡槽11に比べて圧力が低くなる圧力差を効果的に生じさせるためには、ガス流100の供給方向は、接続管16の管軸に直交する方向、すなわち、水平方向であることが好ましい。但し、この場合、厳密な意味で接続管16の管軸に直交する方向にガス流100を供給することは必ずしも必要ではなく、接続管16の管軸に略直交する方向にガス流100を供給すればよい。ここで接続管16の管軸に略直交する方向とは、該管軸に直交する方向を0度とした場合、±45度の範囲であることが好ましく、±25度の範囲であることがより好ましく、±15度の範囲であることがさらに好ましい。
また、図示した態様では、下流側の接続管16をガス流導出管とし、上流側の接続管15をガス流導入管としているが、上流側の接続管15をガス流導出管とし、下流側の接続管16をガス流導入管としてもよい。この場合、接続管15との関係で上記(1),(2)を満たす第1のガス供給管を設ける。
また、接続管の数が3本以上の場合、ガス流導出管をなす接続管およびガス流導入管をなす接続管の配置は適宜選択することができる。例えば、図1に示す減圧脱泡装置において、上流側の接続管15と、下流側の接続管16と、の間に第3の接続管を設けた場合、接続管15,16との関係で上記(1),(2)を満たす第1のガス供給管を設けて、接続管15,16をガス流導出管とし、第3の接続管をガス流導入管としてもよい。または、第3の接続管との関係で上記(1),(2)を満たす第1のガス供給管を設けて、第3の接続管をガス流導出管とし、接続管15,16をガス流導入管としてもよい。
また、雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11と、を循環するガス流120の方向は、図示した態様に限定されず、図示した態様とは反対方向であってもよい。例えば、上流側の接続管15をガス流導出管、下流側の接続管16をガス流導入管とした場合、雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11と、を循環するガス流の方向は図示した態様とは反対方向となる。
また、図示した態様では、2本の接続管の位置関係が上流側および下流側であるが、接続管の位置関係はこれに限定されない。例えば、2本の接続管の位置関係を図面手前側および奥側にしてもよい。この場合、雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11と、を循環するガス流の方向は、図示した態様でのガス流120の方向と直交する方向(雰囲気制御部14内におけるガス流の方向、および、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上方におけるガス流の方向が、それぞれ、図面手前側および奥側、または、図面奥側および手前側)となる。この場合、減圧脱泡槽11内におけるガス流120の方向が、溶融ガラスGの移動方向と直交する方向になる。図示した態様のように、減圧脱泡槽11が溶融ガラスGの流動方向に長い形状である場合、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上方におけるガス流120の方向は、溶融ガラスGの移動方向と同一方向または反対方向であることが、溶融ガラスGからのガス成分の滞留を解消させるうえで好ましいが、減圧脱泡槽が縦横方向における長さに有意な差が無い形状(例えば、減圧脱泡槽の平面形状が正方形、六角形、八角形等の形状)の場合、減圧脱泡槽11内におけるガス流120の方向が、溶融ガラスGの移動方向と直交する方向であっても、溶融ガラスGからのガス成分の滞留を解消することができる。
開口部18付近の圧力が減圧脱泡槽11に比べて圧力が低くなる圧力差を生じさせるうえで、第1のガス供給管20から供給するガス流100の成分は特に限定されない。但し、ガス流100の成分は、溶融ガラスGや製造されるガラス製品、およびガラス製造設備、特に減圧脱泡装置に悪影響を及ぼすものではないことが好ましい。したがって、ガス流100の成分には、腐食性、爆発性のガスを含まないことが好ましい。
第1のガス供給管20から供給するガス流100として、水蒸気濃度60mol%以下の低水分ガスを用いた場合、溶融ガラスGからのガス成分の滞留を解消する効果に加えて、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスG上方の雰囲気の水蒸気濃度を低減する効果が期待されることから好ましい。
ガス流100として用いる低水分ガスは、水蒸気濃度が60mol%以下である限り特に限定されない。このような低水分ガスの具体例としては、大気、乾燥空気、N2やArのような不活性ガス等が挙げられる。ガス流100として、これら低水分ガスのうち1種類を用いてもよく、複数種類の低水分ガスの混合ガスを用いてもよい。
ガス流100として低水分ガスを用いる場合、水蒸気濃度50mol%以下であることが好ましく、40mol%以下であることがより好ましく、30mol%以下であることがさらに好ましく、25mol%以下であることがさらに好ましく、20mol%以下であることがさらに好ましく、15mol%以下であることがさらに好ましく、10mol%以下であることがさらに好ましく、5mol%以下であることが特に好ましい。
減圧脱泡槽11内の溶融ガラスG上方の雰囲気の水蒸気濃度は、60mol%以下に低減されることが好ましい。該雰囲気の水蒸気濃度を60mol%以下とすることにより、減圧脱泡槽内の溶融ガラス表面の泡層が肥大化して突沸が生じることを防止でき、減圧脱泡の効果をさらに向上させることができる。
また、該雰囲気の水蒸気濃度が低いほど溶融ガラス表面の泡層が薄くなる傾向があるので、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスG上方の雰囲気の水蒸気濃度は50mol%以下であることが好ましく、40mol%以下であることがより好ましい。そして、水蒸気濃度が30mol%以下であると、泡層が更に薄くなる傾向があるので好ましい。
また、該雰囲気の水蒸気濃度が低いと、ガラス組成によっては、1つ1つの気泡が収縮又は破泡する場合があり、これにより泡層は更に薄くなるので好ましい。具体的には、溶融ガラスがボロシリケートガラスの場合、水蒸気濃度が30mol%以下であると、気泡が顕著に収縮する傾向がある。なお、ここでいうボロシリケートガラスは例えば次のような組成である。
組成の範囲:SiO2:55〜74、Al23:10〜20、B23:5〜12、Al23/B23:1.5〜3、MgO:0〜5、CaO:0〜5、SrO:0〜12、BaO:0〜12、SrO+BaO:6〜12(単位は質量%)。
更に、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスG上方の雰囲気の水蒸気濃度が低いと、減圧脱泡を経て製造されるガラス製品に欠陥とみなされる程度の大きさの気泡が残存し難くなるので好ましい。該雰囲気の水蒸気濃度が更に低くなると、減圧脱泡を経て製造されるガラス製品に欠陥が生じる確率が更に低くなるので、25mol%以下であることがより好ましく、20mol%以下であることがより好ましく、15mol%以下であることがより好ましく、10mol%以下であることがより好ましく、5mol%以下であることが更に好ましい。
また、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスG上方の雰囲気の水蒸気濃度を60mol%以下とすることで、溶融ガラスG中の特定の成分(ホウ素等)の揮散を抑制することができる。ホウ素等の成分の揮発を抑制することにより、ホウ素等の組成変動を防止できるとともに、組成変動に起因する平坦度の悪化を抑制することができる。
また、揮発のしやすい他の成分、例えば、Cl、F、Sなどの揮散を抑制することもできるため、これらの成分の組成変動を防止できるとともに、組成変動に起因する平坦度の悪化を抑制することができる。
これらCl、F、Sなどの成分の揮散は、雰囲気中の水分に大きく影響を受けていると考えられる。例えば、FはHFとして、SはH2SO4として揮散すると考えられる。よって、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスG上方の雰囲気の水蒸気濃度をある一定の値以下とすることで、上記成分の揮発、および、それに伴う上記成分の組成変動を抑えることができると考えられる。
また、ガラスの特性は、その用途によって非常に細かい規格が存在し、その規格に適合するように非常に詳細にわたりガラスの組成が決められている。例えば、ホウ素の含有量についても当然規格が存在するが、従来の方法では、ホウ素が揮散するためより多くのホウ素を原料として用いる必要があった。また、従来では、ホウ素の揮散する量は条件によってまちまちであり、場合によっては、ホウ素の含有量の規格を外れる可能性があった。本発明の減圧脱泡装置では、ホウ素の揮散を抑制することにより、これらの問題点を解消することができ、有用である。
この点からも、本発明の減圧脱泡装置は、通常のガラスは言うに及ばず、特にボロシリケートガラスを減圧脱泡する場合に好ましく用いることができるといえる。
ガス流100として用いる低水分ガスは、酸素濃度が空気中の酸素濃度よりも低いガスであることが好ましい。この酸素濃度は、15体積%以下であることがより好ましく、10体積%以下であることがより好ましく、5体積%以下であることがより好ましい。また、ガス流100として用いる低水分ガスは、酸素を含まない気体、例えばN2ガス、Arガス、CO2等であることが好ましい。
減圧脱泡槽11は、溶融ガラスGの導管であるため、耐熱性及び溶融ガラスに対する耐食性に優れた材料を用いる必要があり、白金又は白金合金が広く用いられている。ガス流100として用いる低水分ガスとして、空気中の酸素濃度よりも酸素濃度が低いガスを用いることにより、減圧脱泡槽の材質として白金及び白金合金を用いている場合に、その白金の酸化を抑制し、減圧脱泡槽の寿命を延ばし、更に、ガラス製品において、この白金由来の欠陥の生成を抑制することができるので好ましい。
白金合金の具体例としては、白金−金合金、白金−ロジウム合金が挙げられる。また、減圧脱泡槽に用いられる耐熱性及び溶融ガラスに対する耐食性に優れた材料の他の例としては、セラミックス系の非金属無機材料、緻密質耐火物が挙げられる。緻密質耐火物の具体例としては、例えば、アルミナ系電鋳耐火物、ジルコニア系電鋳耐火物、アルミナ−ジルコニア−シリカ系電鋳耐火物等の電鋳耐火物、並びに緻密質アルミナ系耐火物、緻密質ジルコニア−シリカ系耐火物及び緻密質アルミナ−ジルコニア−シリカ系耐火物等の緻密質焼成耐火物が挙げられる。
なお、図1に示す減圧脱泡装置10において、減圧脱泡槽11と同様に、溶融ガラスGの導管をなす上昇管12及び下降管13の材料としても、白金若しくは白金合金、または緻密質耐火物が用いられる。
雰囲気制御部14、接続管15,16、および第1のガス供給管20は、溶融ガラスGの導管ではないので、その材料は特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、白金、白金合金等の金属材料、セラミックス、アルミナ等の耐火性・耐腐食性材料を用いることができる。
なお、本発明の減圧脱泡装置10において、雰囲気制御部14と、減圧脱泡槽11と、を循環するガス流120を生じさせる目的は、溶融ガラスGからのガス成分の滞留を解消できればよいので、減圧脱泡の実施中、常時ガス流120を生じさせておく必要は必ずしもない。したがって、溶融ガラスGからのガス成分の滞留を解消できる限り、減圧脱泡の実施中、定期的にガス流120を生じさせるのでもよく、例えば、1時間毎に1〜30秒程度の割合でガス流120を生じさせるのでもよい。なお、定期的にガス流120を生じさせるためには、第1のガス供給管20から定期的にガス流100を供給すればよい。
本発明の減圧脱泡装置10では、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスG上方の雰囲気の水蒸気濃度を低減するため、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間に水蒸気濃度60mol%以下の低水分ガス140を供給する第2のガス供給管を設けてもよい。
図8は、本発明の減圧脱泡装置の別の一構成例を示す断面図である。図8に示す減圧脱泡装置10'では、ガス流導入管をなす接続管15から第2のガス供給管24が挿入されており、該第2のガス供給管24の先端が減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間に位置している。なお、第2のガス供給管24から供給する水蒸気濃度60mol%以下の低水分ガスの具体例については、ガス流100として供給する低水分ガスについて記載したのと同様である。
なお、第2のガス供給管は、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間に水蒸気濃度60mol%以下の低水分ガスを供給できればよく、図8に示す態様に限定されない。例えば、ガス流導出管をなす接続管16から減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間に第2のガス供給管を挿入してもよい。また、接続管15,16以外の部分、例えば、減圧脱泡槽11の上流側または下流側の端面から、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間に第2のガス供給管を挿入してもよい。但し、図8に示す態様のように、低水分ガス140の供給方向は、ガス流120(図1参照)を阻害しない方向にすることが減圧脱泡槽11内でガス流に乱れを生じさせないことから好ましい。
また、第2のガス供給管24の出口側の位置は、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間に水蒸気濃度60mol%以下の低水分ガスを供給できればよく、図8に示す態様に限定されない。例えば、図8に示す態様では、第2のガス供給管24の先端が、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間に位置しているが、第2のガス供給管24の先端が接続管15内にあってもよく、接続管15上方の雰囲気制御部14内にあってもよい。
本発明の減圧脱泡装置は、上記以外の構造を有していてもよい。例えば、溶融ガラスGの表面(液面)近くにガス流120を形成するため、減圧脱泡槽11の天井部の内側にガス流120を下方に誘導するための邪魔板を設けてもよい。
本発明の減圧脱泡装置10の各構成要素の寸法は、必要に応じて適宜選択することができる。減圧脱泡槽11の寸法は、減圧脱泡槽11が白金製若しく白金合金製、又は緻密質耐火物製であるかによらず、使用する減圧脱泡装置や、減圧脱泡槽11の形状に応じて適宜選択することができる。図1に示すような円筒形状の減圧脱泡槽11の場合、その寸法の一例は以下の通りである。
水平方向における長さ:1〜20m
内径:0.2〜3m(断面円形)
減圧脱泡槽11が白金製若しくは白金合金製である場合、肉厚は4mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.2mmである。
減圧脱泡槽は、断面円形の円筒形状のものに限定されず、断面形状が楕円形や半円形状の略円筒形状のものや、断面が矩形の筒形状のものであってもよい。
上昇管12及び下降管13は、白金製若しくは白金合金製、又は緻密質耐火物製であるかによらず、使用する減圧脱泡装置に応じて適宜選択することができる。例えば、図1に示す減圧脱泡装置10の場合、上昇管12及び下降管13の寸法の一例は以下の通り。
内径:0.05〜0.8m、より好ましくは0.1〜0.6m
長さ:0.2〜6m、より好ましくは0.4〜4m
上昇管12及び下降管13が白金製若しくは白金合金製である場合、肉厚は0.4〜5mmであることが好ましく、より好ましくは0.8〜4mmである。
雰囲気制御部14、接続管15,16の寸法は、使用する減圧脱泡装置、特に減圧脱泡槽に応じて適宜することができるが、その一例は以下の通りである。
雰囲気制御部
内径:0.1〜3m、より好ましくは0.1〜2m
長さ:0.8〜22m、より好ましくは1〜20m
接続管
内径:0.05〜0.5m、より好ましくは0.05〜0.3m
長さ:0.1〜1m、より好ましくは0.1〜0.8m
第1のガス供給管内径
内径:3 〜50mm、より好ましくは5 〜 20 mm
雰囲気制御部14、接続管15,16の肉厚は、構成材料によっても異なるが、ステンレス鋼製である場合、それぞれ以下であることが好ましい。
雰囲気制御部
0.5〜2mm、より好ましくは0.5〜1.5mm
接続管
0.5〜2mm、より好ましくは0.5〜1.5mm
第2のガス供給管内径
内径:3 〜50mm、より好ましくは5 〜 20 mm
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例では、Fluentを用いて減圧脱泡槽内の溶融ガラスGの上部空間での気流解析を行い、第1のガス供給管から仮想領域にガス流を供給することによるベンチュリ効果、および、ベンチュリ効果によって生じる雰囲気制御部と、減圧脱泡槽内の溶融ガラスの上部空間と、を循環するガス流による溶融ガラスからのガス成分の滞留の解消を評価した。なお、減圧脱泡装置としては、図8に示す減圧脱泡装置10のように、下流側の接続管16との開口部18上方の仮想領域19に第1のガス供給管20からガス流100を供給し、上流側の接続管15から減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間に挿入された第2のガス供給管24から低水分ガス140を供給するものをモデルとして使用した。または図8とは異なり、上流側の接続管15の上方に第1のガス供給管20を設置してガス流100を供給し、下流側の接続管16から減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間に挿入された第2のガス供給管24から低水分ガス140を供給するものをモデルとして使用した。なお、ガス流100および低水分ガス140は、いずれもN2を供給するものとしてモデル化した。
モデルとして使用した減圧脱泡装置10の各部の寸法は以下の通りである。
減圧脱泡槽11:全長10m、内径1m(断面半円形状)
雰囲気制御部14:全長10m、内径2m(円筒形状)
接続管15,16:全長0.8m、内径0.3m(円筒形状)
接続管15,16は、それぞれ、減圧脱泡槽11の天井部、より具体的には、減圧脱泡槽11の上流側端部から0.1mの位置、および、下流側端部から0.1mの位置に設けた。
排気口17:内径0.05m(円筒形状)、雰囲気制御部14の長手方向における中央となる位置の天井部に設けた。
第1のガス供給管20:図8とは異なり、雰囲気制御部14の下流端中央から内径φ5mmの円形のステンレス製ノズルを水平方向に挿入した。第1のガス供給管20を下流側または上流側のいずれに設置する場合とも、第1のガス供給管の先端の位置は開口部18よりも下流側5mm、雰囲気制御部14の底面から高さ10mmの位置とした。
第2のガス供給管24:内径φ15mmの円形のステンレス製ノズルを雰囲気制御部14の天井部から接続管15を経由して減圧脱泡槽11の溶融ガラスGの上部空間に挿入。第2のガス供給管の先端の位置は減圧脱泡槽11の上部壁面から10mm下の位置とした。
減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGの上部空間内の圧力、および、雰囲気制御部14内が、圧力350mmHg、温度1400℃で一定の場合について解析を行った。
気流解析には、非反応化学種の輸送モデル、標準k−εモデル、標準壁関数を採用した。入口拡散、拡散エネルギについては考慮せず、その他の設定パラメータはデフォルト値を使用した。気流解析の流体物性は、Fluentデータベース内のN2および揮散H2Oからなる混合物の値(下記)を用いた。
粘度:1.72×10-5[kg/m・s]
熱伝導率:0.0454[W/m・K]
質量拡散係数:2.88×10-5[m2/s]
密度:ρ=pMw/RT(非圧縮性理想気体方程式)
比熱:cp=Σiip,i(化学種による比熱の質量分率平均式)[J/kg・K]
減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGからは、SO3、O2、B23、H2O等、複数のガスが揮散すると考えられるが、本解析では便宜上H2Oのみ2.00NL/minで揮散すると仮定した。
以下、本明細書において、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGから揮散するガスを単に「揮散ガス」とする。
減圧脱泡槽11内での溶融ガラスGの動きは考慮せず、揮散ガスおよび第2のガス供給管から供給するN2は速度境界条件により定義した。
気流解析では、減圧脱泡槽11内の溶融ガラスGからの揮散ガスの濃度として、溶融ガラスG上方の雰囲気の揮散ガスの平均濃度(以下、「溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度」という場合もある。)を評価した。なお、溶融ガラスGの液面近傍(溶融ガラスの液面から5mm上方)での揮散ガス濃度を評価指標とした。
また、雰囲気制御部14と、接続管15と、の開口部付近の圧力、および、雰囲気制御部14と、接続管16と、の開口部18付近の圧力(以下、前者を「上流側開口部圧力」、後者を「下流側開口部圧力」という場合もある。)を評価した。
また、減圧脱泡槽11から接続管15を介して雰囲気制御部14へと排出されるガスの量、および、減圧脱泡槽11から接続管16を介して雰囲気制御部14へと排出されるガスの流量(以下、前者を「上流側排出流量」、後者を「下流側排出流量」という場合もある。)を評価した。
(実施例1,2,3,4,5、比較例1)
実施例1では、第1のガス供給管20を下流側の接続管16の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量2NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例2では、第1のガス供給管20を下流側の接続管16の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量10NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例3では、第1のガス供給管20を下流側の接続管16の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量15NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例4では、第1のガス供給管20を下流側の接続管16の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量50NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例5では、第1のガス供給管20を上流側の接続管15の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量15NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例6では、内径φ20 mmの第1のガス供給管20を、下流側の接続管15の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量50NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例7では、内径φ5 mmの第1のガス供給管20を、内径φ0.2mの上流側の接続管15の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量2NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
比較例1では、第1のガス供給管20からガス流100を供給せずに、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
なお、実施例1〜7における溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度は、比較例1における揮散ガスの平均濃度を100とした場合の相対値として示した。また、上流側開口部圧力(Pa)及び下流側開口部圧力(Pa)の値は、減圧脱泡槽11内の基準圧力(46,662Pa=350mmHg)との差で示した。また、上流側開口部圧力(Pa)と下流側開口部との圧力差(第1のガス供給管20を有してない側の開口部圧力(Pa))−第1のガス供給管20を有する側の開口部圧力(Pa))も示した。
結果を下記表1に示す。なお、実施例1〜7の結果は、ガス流100の供給開始後、定常状態に至った時点での値である。
Figure 0005423666
(実施例8〜13、比較例2)
実施例8では、第1のガス供給管20を下流側の接続管16の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量5NL/minで供給し、第2のガス供給管24を上流側の接続管15の上部に設置し低水分ガス140としてN2を体積流量10NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例9では、第1のガス供給管20を下流側の接続管16の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量10NL/minで供給し、第2のガス供給管24を上流側の接続管15の上部に設置し低水分ガス140としてN2を体積流量10NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例10では、第1のガス供給管20を下流側の接続管16の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量50NL/minで供給し、第2のガス供給管24を上流側の接続管15の上部に設置し低水分ガス140としてN2を体積流量10NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例11では、第1のガス供給管20を上流側の接続管15の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量10NL/minで供給し、第2のガス供給管24を下流側の接続管16の上部に設置し低水分ガス140としてN2を体積流量10NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例12では、内径φ20mmの第1のガス供給管20を、上流側の接続管15の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量50NL/minで供給し、第2のガス供給管24を下流側の接続管16の上部に設置し低水分ガス140としてN2を体積流量15NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
実施例13では、内径φ5 mmの第1のガス供給管20を、内径φ0.2mの上流側の接続管15の上部に設置しガス流100としてN2を体積流量15NL/minで供給し、第2のガス供給管24を下流側の接続管16の上部に設置し低水分ガス140としてN2を体積流量10NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
比較例2では、第1のガス供給管20は設置せず、第2のガス供給管24を上流側の接続管15の上部に設置し低水分ガス140としてN2を体積流量15NL/minで供給して、溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度、上流側開口部圧力、下流側開口部圧力、上流側排出流量および下流側排出流量を評価した。
なお、実施例8〜13における溶融ガラスG上方の揮散ガスの平均濃度は、比較例1における揮散ガスの平均濃度を100とした場合の相対値として示した。また、上流側開口部圧力(Pa)及び下流側開口部圧力(Pa)の値は、減圧脱泡槽11内の基準圧力(46,662Pa=350mmHg)との差で示した。また、上流側開口部圧力(Pa)と下流側開口部との圧力差(上流側開口部圧力(Pa)−下流側開口部圧力(Pa))も示した。
結果を下記表2に示す。なお、実施例8〜13の結果は、ガス流100の供給開始後、定常状態に至った時点での値である。
Figure 0005423666
本発明は、気泡を含まない高品質の各種ガラス製品の製造に利用でき、特にボロシリケートガラスの減圧脱泡に好適である。
なお、2008年2月29日に出願された日本特許出願2008−50110号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (5)

  1. 内部の気圧が大気圧未満に設定され、供給された溶融ガラス中の泡を浮上及び破泡させる減圧脱泡槽と、前記減圧脱泡槽に接続され、脱泡処理前の溶融ガラスを吸引上昇させて該減圧脱泡槽に導入する上昇管と、前記減圧脱泡槽に接続され、脱泡処理後の溶融ガラスを該減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管と、を具備する溶融ガラスの減圧脱泡装置において、
    少なくとも2つの接続管により前記減圧脱泡槽と接続される中空構造の雰囲気制御部を有し、前記雰囲気制御部には該雰囲気制御部内を排気して減圧するための排気口が設けられており、前記雰囲気制御部には、少なくとも1つの前記接続管との関係で下記(1)及び(2)を満たす第1のガス供給管が設けられていることを特徴とする溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    (1)前記雰囲気制御部と前記接続管とがなす開口部を、前記接続管の管軸方向に沿って前記雰囲気制御部内部へと延ばした仮想領域を、前記第1のガス供給管から供給されるガス流が横切る。
    (2)前記第1のガス供給管の先端から該ガス供給管の管軸に沿って延ばした仮想線が、前記雰囲気制御部と前記接続管とがなす開口部を通過しない。
  2. 前記接続管の数をXとするとき、前記第1のガス供給管の数がX−1以下(但し、前記第1のガス供給管の数は1以上)であることを特徴とする請求項1に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  3. 前記第1のガス供給管から供給されるガス流が、水蒸気濃度60mol%以下の低水分ガス流であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  4. 前記減圧脱泡槽内の溶融ガラスの上部空間に水蒸気濃度60mol%以下の低水分ガスを供給する第2のガス供給管がさらに設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  5. 請求項1〜4に記載の減圧脱泡装置を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法であって、下記式を満たすように前記第1のガス供給管からガス流を供給する溶融ガラスの減圧脱泡方法。
    v > A/0.031× [5.487×10-6×(1/56.353−1/ρ)+19.6×(0.163−z)+7.52 ] 1/2
    v:第1のガス供給管のガス流の流速(m/s)
    ρ:第1のガス供給管のガス流の密度(kg/m
    z:雰囲気制御部内における第1のガス供給管の出口部の高さ(m)
    A:開口部の面積(m
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