JP4058935B2 - 減圧脱泡装置 - Google Patents

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    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
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    • C03B5/2252Refining under reduced pressure, e.g. with vacuum refiners

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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続的に供給される溶融ガラスから気泡を除去するための溶融ガラスの減圧脱泡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、成形されたガラス製品の品質を向上させるために、図3に示すように、溶融炉で溶融した溶融ガラスを成形装置で成形する前に溶融ガラス内に発生した気泡を除去する減圧脱泡装置が提案されている。
【0003】
図3に示す減圧脱泡装置110は、溶解槽112内の溶融ガラスGを減圧脱泡処理して、次の処理槽に連続的に供給するプロセスに用いられるものであって、減圧脱泡する際には、真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジング114内に設けられ、減圧ハウジング114と共に減圧される減圧脱泡槽116と、その両端部に、下方に向かって垂直に取り付けられた上昇管118および下降管120が配置されている。上昇管118の下端は、溶解槽112に連通する上流案内ピット122の溶融ガラスG内に浸漬されており、下降管120の下端は、同様に、次の処理槽(図示せず)に連通する下流案内ピット124の溶融ガラスG内に浸漬されている。
【0004】
そして、減圧脱泡槽116は、図示しない真空ポンプによって吸引口114cから真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジング114内におおむね水平に設けられ、減圧ハウジング114と共に、減圧ハウジング114と連通する吸引孔116aおよび116bを介して減圧脱泡槽116の内部が1/3〜1/20気圧に減圧されている。そのため、上流案内ピット122内の脱泡処理前の溶融ガラスGは吸引上昇されて、上昇管118を上昇し、減圧脱泡槽116に導入され、減圧脱泡槽116内を流れつつ減圧脱泡処理が行われた後、下降管120によって下降されて下流案内ピット124に導出される。
【0005】
減圧ハウジング114は、金属製、例えばステンレス製または耐熱鋼製のケーシングであり、外部から真空ポンプ(図示せず)等によって真空吸引されて内部が減圧され、内部に設けられた減圧脱泡槽116内を所定の圧力、例えば1/20〜1/3気圧に減圧して維持する。
【0006】
また、減圧脱泡槽116内では、所定の高さまで充たされた溶融ガラスGの上部に上部空間116sが形成される。上部空間116sは、真空ポンプ(図示せず)によって減圧された空間で、溶融ガラスGの液表面に浮上して破泡した気泡内のガス成分を、減圧空間である上部空間116sから真空ポンプ(図示せず)によって吸引口114cを通して吸引する。そのため、減圧脱泡槽116内の溶融ガラスGが上部空間116sと接触する面積が大きいほど減圧脱泡効果が大きくなる。
【0007】
減圧ハウジング114内の減圧脱泡槽116、上昇管118および下降管120の周囲には、これらを断熱被覆する耐火物製煉瓦などの断熱材126が配設されている。
【0008】
また、図3に示す公知の減圧脱泡装置110において、本出願人の出願に係る特開平11−240725号公報に開示されているように、減圧脱泡槽116を緻密質耐火物製レンガ、特に電鋳耐火物製レンガで構成することによって、装置の大型化、脱泡処理量の大流量化を図ることが考えられる。
【0009】
しかし、溶融ガラスの大流量化を図り、所望の減圧脱泡処理を行うには、各種の要因変動(例えば脱泡処理を行う溶融ガラスGの流量の変動や溶解炉内の溶融ガラスGの温度低下によって生じる溶融ガラスG内に溶存するガス成分の濃度の変動や減圧された減圧脱泡槽の圧力の変動等の各種の要因の変動)を考慮して、減圧脱泡槽116の幅や全長、上昇管118や下降管120の径を大きくする必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、減圧脱泡槽116の流路の幅や全長、上昇管118や下降管120の流路の径を大きくすることにより、装置が大型化し、必要な耐火煉瓦等も必然的に多くなり、コストがかかるという問題がある。
【0011】
また、減圧脱泡槽116に流入する溶融ガラスGに含まれる泡数が急激に増加した場合、脱泡しきれない気泡が溶融ガラスG内に残存したまま下降管へと流れ、製品となったガラス内に気泡が残存してしまう問題点がある。また、残存した気泡が溶融ガラスGの表面で盛り上がり、盛り上がった気泡が減圧脱泡槽116の天井に付着し、揮発物が固化し結晶となったものが溶融ガラスG内に混入し、小さい不透明物が製品であるガラス内に残存し、いわゆる石物という欠点となる問題点がある。また、前記揮発物が高温の溶融ガラスG内で溶解されたとしても、溶融ガラスG内で均一に拡散することはないため、部分的に溶融ガラスGの組成を変化させ、製品となったガラスの組成によって部分的に屈折率を変化させ透視像を歪ませるいわゆるリームの悪化に繋がるといった問題点がある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、コストを最小限に抑え、減圧脱泡槽に流入する溶融ガラスに含まれる泡数が急激に増加した場合でも、大流量の溶融ガラスの減圧脱泡処理を可能とし、泡、石物、リームといった欠点が発生しない溶融ガラスを得ることのできる溶融ガラスの減圧脱泡装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジングと、
前記減圧ハウジング内に設けられ、溶融ガラスが流れて減圧脱泡を行う減圧脱泡槽と、
前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡前の溶融ガラスを吸引上昇させて前記減圧脱泡槽に導入する上昇管と、
前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡された溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管とを具備し、
前記上昇管の上端部における流路の横断面の面積が、前記上昇管の下端部における流路の横断面の面積よりも大きく、前記上昇管の上端部における流路の横断面の面積が、前記上昇管の下端部における流路の横断面の面積の1.1〜9.0倍であることを特徴とする減圧脱泡装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、前記上昇管の流路の途中に臨界部を設け、前期上端部における流路の横断面の面積が前記臨界部における流路の横断面の面積よりも大きい構造を持つ上昇管を有する減圧脱泡装置であって、前記上端部から前記臨界部までの距離は、前記上端部から前記下端部までの距離の0.05〜0.5倍である前記減圧脱泡装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の態様の溶融ガラスの減圧脱泡装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0016】
図1に、本発明の減圧脱泡装置の一実施例を示す概略断面図を示す。図1に示すように、減圧脱泡装置10は、溶解槽20内の溶融ガラスGを減圧脱泡処理して、図示しない次の作業槽、例えば、フロートバスなどの板材の成形を行う作業槽や瓶などを成形する作業槽などに連続的に供給するプロセスに用いられるもので、基本的に、減圧ハウジング12、減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18を有する。
【0017】
減圧ハウジング12は、減圧脱泡槽14の気密性を確保するためのものであり、略門型に形成され、本体部12aと、上昇管収容部12bと、下降管収容部12cとを有する。この減圧ハウジング12は、減圧脱泡槽14に必要とされる気密性および強度を有するものであれば、その材質、構造は特に限定されるものではないが、金属製、特にステンレス製とするのが好ましい。このような減圧ハウジング12は、外部から真空ポンプ(図示せず)等によって真空吸引され、内部が減圧され、内設される減圧脱泡槽14内を所定の圧力、例えば1/20〜1/3気圧の減圧状態に維持するように構成される。
【0018】
減圧ハウジング12の本体部12a内には減圧脱泡槽14が設けられる。また、減圧脱泡槽14の左端部には上昇管16が連通され、減圧脱泡槽14の右端部には下降管18が連通される。なお、上昇管16および下降管18の主要部分はそれぞれ減圧ハウジング12の上昇管収容部12b、下降管収容部12c内に収容され、上昇管16および下降管18の下端部分は減圧ハウジング12外に延出するようにして設けられる。
【0019】
本発明の減圧脱泡装置10においては、減圧脱泡槽14、上昇管16および下降管18は緻密質電鋳耐火物が用いられることが好ましい。すなわち、減圧脱泡装置10における溶融ガラスGと直接接触する主要部分を緻密質電鋳耐火物である電鋳耐火物製煉瓦を組み上げて形成することにより、従来から用いられてきた貴金属(例えば、白金)や貴金属合金製のもの(例えば、白金−ロジウム合金)よりも、コストを大幅に低減し、よって所望の形状で、かつ、所望の厚さに設計することができる。その結果、減圧脱泡装置10の大容量化が実現するとともに、より高温での減圧脱泡処理も行えるようになる。
【0020】
電鋳耐火物製煉瓦としては、耐火原料を電気溶融した後、所定形状に鋳込み成形したものであれば特に限定されず、従来公知の各種の電鋳耐火物製煉瓦を使用すればよい。中でも、耐蝕性が高く、素地からの発泡も少ない点で、アルミナ(Al)系電鋳耐火物製煉瓦、ジルコニア(ZrO)系電鋳耐火物製煉瓦、アルミナ−ジルコニア−シリカ(Al−ZrO−SiO)系電鋳耐火物製煉瓦等が好適に例示され、具体的には、溶融ガラスGの温度が1300℃以下の場合はマースナイト(MB)を、1300℃以上の場合はZB−X950、ジルコナイト(ZB)(いずれも旭硝子(株)製)等を用いるのが好ましい。
【0021】
本実施例では緻密質電鋳耐火物を用いるが、緻密質電鋳耐火物に制限されず、緻密質焼成耐火物を用いてもよい。
【0022】
緻密質焼成耐火物として用いられる緻密質焼成耐火物製煉瓦としては、緻密質アルミナ系耐火物製煉瓦、緻密質ジルコニア−シリカ系耐火物製煉瓦、および緻密質アルミナ−ジルコニア−シリカ系耐火物製煉瓦の少なくとも1種の緻密質焼成耐火物製煉瓦であることが好ましい。
【0023】
また、上昇管16の下端であって、溶解槽20の上流に位置する上流案内ピット22内の溶融ガラスGに浸漬させる部分や、下降管18の下端であって下流案内ピット24内の溶融ガラスGに浸漬させる部分については、特に溶融ガラスGと大気との界面が存在することから、この界面近傍においては反応性に富み、特に電鋳耐火物では界面部分や目地部分の劣化が進行しやすい。従って、上昇管16の下端部および下降管18の下端部近傍は、白金または白金合金で作製されるのが好ましい。
【0024】
減圧脱泡槽14の周囲には減圧脱泡槽14を被覆する断熱用の断熱材26が設けられ、上昇管16および下降管18の周囲にもそれぞれを被覆する断熱材26が設けられる。
【0025】
断熱材26としては、公知の種々の定型煉瓦やキャスタブル煉瓦を使用すればよく、特に限定されない。このように配設された断熱材26は、その外側が減圧ハウジング12に覆われることにより減圧ハウジング12内に収容される。
【0026】
なお、減圧ハウジング12の外壁面の温度は、断熱材26によってできるだけ減圧ハウジング12に伝達される熱を遮断して、できるだけ低温、例えば100℃程にするのが好ましい。
【0027】
ここで、本発明の特徴である、減圧脱泡装置10の脱泡機構と上昇管16の流路形状について説明する。
【0028】
溶融ガラス内に含まれる気泡は、大気圧ではある一定の泡径を有している。この溶融ガラスがさらされている圧力を下げていく(減圧していく)と、ボイルシャルルの法則により圧力に反比例して泡径が大きくなる。しかし、ある圧力を超えてさらに減圧された場合、ボイルシャルルの法則を外れ、気泡が急激に大きくなることを本願発明者は新たに見出した。この現象をさらに図5を用いて説明する。
【0029】
図5は、表1に記載された組成を持つ溶融ガラスを用いて、溶融ガラスがさらされている圧力の低下による、溶融ガラス中の気泡の泡径の変化を表した図であり、溶融ガラスの温度は1320℃である。
【0030】
【表1】
Figure 0004058935
【0031】
図5において、縦軸は気泡の泡径を示し、横軸は減圧度、つまり溶融ガラスがさらされている圧力と大気圧との差を示しており、減圧度が0(ゼロ)(mmHg)とは溶融ガラスがさらされている圧力は大気圧であることを示し、減圧度が700(mmHg)とは溶融ガラスがさらされている圧力は大気圧よりも700(mmHg)減圧されていることを示している。実線は、ボイルシャルルの法則に従う場合における理論上の気泡の泡径と減圧度との関係を示しており、大気圧における初期の泡径が0.2(mm)である気泡を減圧していくことにより、泡径が徐々に大きくなっていく様子が見て取れる。
【0032】
これに対し、黒い三角の点は、実際の溶融ガラス中の気泡の泡径と減圧度との関係を示しており、初期の泡径が0.2(mm)である気泡が、減圧度が300(mmHg)を超える頃からボイルシャルルの法則を外れて、ボイルシャルルの法則から計算される泡径よりも大きくなっていくことがわかる。このボイルシャルルの法則を外れる時の減圧度を臨界圧力といい、この臨界圧力の値は溶融ガラスの種類によって異なる。このように、溶融ガラス中の気泡が、減圧度を下げることによりボイルシャルルの法則を外れ、大きくなっていくというこの現象は、減圧するに従い、溶融ガラス中のなんらかのガス成分が気泡中に拡散しているために起こると考えられる。また、気泡が前記臨界圧力以下となる圧力に長くさらされるほど泡径が大きくなり、泡径が大きくなるとともに、気泡の浮上速度は上昇し、溶融ガラス表面で破泡しやすくなる。
【0033】
この原理を減圧脱泡槽に応用すると、上昇管の上端部における流路の横断面の面積を、上昇管の下端部における流路の横断面の面積よりも大きくすることにより、気泡が臨界圧力以下となる圧力に長くさらされることとなり、脱泡性能の向上が達成される。なお、流路の横断面とは、溶融ガラスが流れる方向と垂直な流路の断面をいい、上昇管の上端部とは、上昇管と減圧脱泡槽の底面とが連結した部分をいい、上昇管の下端部とは、上昇管の最下の部分をいう。以下、この原理を応用した減圧脱泡槽について、具体的に説明する。
【0034】
図4は、図3の上昇管118における従来の気泡の脱泡機構を示す模式図であり、図3の減圧脱泡装置110の上昇管118側における溶融ガラスGが流れる流路状態を表したものである。
【0035】
図4において、溶融ガラスGは気泡140aとともに、上流案内ピット122から上昇管118へ流れていき、サイフォンの原理により、上昇管118の流路を上昇していく。一方、溶融ガラスGの流れに伴い、気泡140aも上昇管118の流路を上昇していき、溶融ガラスGがさらされている圧力は上昇管16の下端部16dから上に行くに従い低くなるため、ボイルシャルルの法則により、気泡140aから気泡140b、気泡140cと泡径は大きくなっていく。さらに、溶融ガラスGが上昇するに伴い、気泡が受ける圧力が臨界圧力を超えてさらに下がることにより、気泡はボイルシャルルの法則を外れさらに大きくなる。
【0036】
しかし、図4のとおり、上昇管118における流路の横断面の面積が上端部118cから下端部118dまで等しくなっている場合、流路中に気泡が大きくなる空間を持つことができないため、気泡140g、気泡140hに表されたとおり気泡が充分に大きくなることができない。そのため、減圧脱泡槽116に流入する泡数が急激に増加した場合、脱泡しきれない泡が溶融ガラス内に残存したり、減圧脱泡槽116の溶融ガラス表面に気泡が破泡せず盛り上がり、気泡140nのとおり、減圧脱泡槽116の天井に付着し、石物やリームを発生させる可能性がある。
【0037】
また、大きくなった泡が、お互いに合体して巨大な泡が発生した場合、巨大な泡は非常に大きい浮力を持っているため、周囲の気泡と比して速い速度で泡が浮上し、溶融ガラスGの単位時間当たり流量が安定しないという問題点があることが明らかとなった。
【0038】
これに対し、図2は、図1の上昇管16における本発明の気泡の脱泡機構を示す模式図であり、図1の減圧脱泡槽14の上昇管16側における溶融ガラスGが流れる流路状態を表したものである。図2においては、上昇管16の流路の途中に臨界部16bを設け、上昇管16の下端部16dから臨界部16bまでの流路の横断面の面積は一定であるが、臨界部16bから上端部16cまでの流路の横断面の面積は、臨界部16bから上端部16cに向かって徐々に大きくなる構造となっている。なお、溶融ガラスGがさらされている圧力は、上昇管16の下端部16dから上に行くに従い低くなっていく。よって、上昇管16の流路の途中に、溶融ガラスGが受ける圧力が臨界圧力となる場所が存在し、前記場所よりも臨界部16bが下方にあることが、減圧脱泡性能を向上させることができ好ましい。
【0039】
このような構造を持つ上昇管16の流路を溶融ガラスGが流れる場合、溶融ガラスGが受ける圧力は、溶融ガラスGが上昇管16内の流路を上昇するに従い低下していくため、溶融ガラスG内の気泡40aは気泡40b、気泡40cと、ボイルシャルルの法則に従い大きくなっていく。その後、臨界部16bを過ぎた後は、泡径はボイルシャルルの法則を外れ、急激に大きくなるが、図2の上昇管16においては、気泡40g、気泡40hのとおり、気泡が流路中に大きくなる空間を持つことができるため、気泡が容易に大きくなることができ、気泡40kのような大きい泡径を持つ気泡となるため、溶融ガラスG表面で破泡しやすくなる。このことにより、減圧脱泡性能を向上させることができ、溶融ガラスG内に気泡が残存しにくくなる。また、気泡が大きくなることによって、破泡しやすくなるため、気泡が減圧脱泡槽14の天井に付着しにくくなるという効果も得られ、石物やリームといった欠点の発生を抑制することができる。
【0040】
また、図2の構造とすることにより、臨界部16b〜上端部16cを流れる溶融ガラスGの流速を下げることができる。これにより、臨界圧力以下となる状況に長い間泡をさらすことができ、減圧脱泡性能を向上させることができる。また、溶融ガラスGが流れる空間を広く取ることができるため、大きくなった泡がお互いに合体して巨大な泡が発生しにくくなり、溶融ガラスGの単位時間当たり流量を安定させることができる。
【0041】
上昇管16の流路の横断面形状は、円形状のみならず楕円形状や矩形状であってもよい。また、上昇管16の流路の横断面の面積を下端部16dから徐々に大きくしてもよいし、階段状に大きくしてもよい。
【0042】
また、上昇管16の上端部16cから下端部16dまでの距離は2〜5mが好ましく、また、上端部16cから臨界部16bまでの距離は、上端部16cから下端部16dまでの距離の0.05〜0.5倍であることにより、減圧脱泡性能を向上させることができ好ましい。
【0043】
上端部16cの流路の横断面の面積は、減圧脱泡槽14の流路の幅によっても変動するが、減圧脱泡性能を向上させるために、下端部16dの流路の横断面の面積の1.1〜9.0倍とする。前記面積比は1.5〜4.0倍である特に好ましい。また、本発明の減圧脱泡槽の単位時間当たりの溶融ガラスの流量は、減圧脱泡槽の大きさによって変動するが、1.5〜350トン/日である。
【0044】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0045】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、上昇管の上端部における流路の横断面の面積を、上昇管の下端部における流路の横断面の面積よりも大きくすることにより、流路中に気泡が大きくなる空間を持つことができるため、気泡が容易に大きくなることができ、減圧脱泡性能を向上させることができる。また、気泡が大きくなることによって、気泡が破泡しやすくなるため、泡が減圧脱泡槽の天井に付着しにくくなるという効果も得られ、泡、石物、リームといった不良が発生しにくい溶融ガラスを得ることができる。また、流路中に気泡が大きくなる空間を持つことができるため、大きくなった泡がお互いに合体して巨大な泡が発生しにくくなり、溶融ガラスGの単位時間当たり流量を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の減圧脱泡装置の一実施例を示す概略断面図。
【図2】図1の上昇管における気泡の脱泡機構を示す模式図。
【図3】従来の減圧脱泡装置の一実施例を示す概略断面図。
【図4】図3の上昇管における気泡の脱泡機構を示す模式図。
【図5】減圧下における泡径変化を表した図。
【符号の説明】
10、110:減圧脱泡装置
12、114:減圧ハウジング
14、116:減圧脱泡槽
12a:本体部
12b:上昇管収容部
12c:下降管収容部
114c:吸引口
116a、116b:吸引孔
116s:上部空間
16、118:上昇管
16b:臨界部
16c:上端部
16d:下端部
18、120:下降管
20、112:溶解槽
22、122:上流案内ピット
24、124:下流案内ピット
26、126:断熱材
40a〜40k:気泡
140a〜140n:気泡
G:溶融ガラス

Claims (5)

  1. 真空吸引されて内部が減圧される減圧ハウジングと、
    前記減圧ハウジング内に設けられ、溶融ガラスが流れて減圧脱泡を行う減圧脱泡槽と、
    前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡前の溶融ガラスを吸引上昇させて前記減圧脱泡槽に導入する上昇管と、
    前記減圧脱泡槽に連通して設けられ、減圧脱泡された溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から下降させて導出する下降管とを具備し、
    前記上昇管の上端部における流路の横断面の面積が、前記上昇管の下端部における流路の横断面の面積よりも大きく、
    前記上昇管の上端部における流路の横断面の面積が、前記上昇管の下端部における流路の横断面の面積の1.1〜9.0倍である
    ことを特徴とする減圧脱泡装置。
  2. 前記上昇管の上端部における流路の横断面の面積が、前記上昇管の下端部における流路の横断面の面積の1.5〜4.0倍である請求項1に記載の減圧脱泡装置。
  3. 前記上昇管の流路の途中に臨界部を設け、前期上端部における流路の横断面の面積が前記臨界部における流路の横断面の面積よりも大きい構造を持つ上昇管を有する減圧脱泡装置であって、前記上端部から前記臨界部までの距離は、前記上端部から前記下端部までの距離の0.05〜0.5倍である請求項1または請求項2に記載の減圧脱泡装置。
  4. 前記上昇管の流路の横断面の面積を下端部から徐々に大きくした請求項1または請求項2に記載の減圧脱泡装置。
  5. 前記上昇管の流路の横断面の面積を下端部から階段状に大きくした請求項1または請求項2に記載の減圧脱泡装置。
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