JP5398256B2 - 光電変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は光電変換装置に関するものであり、特に、色素増感型太陽電池として好適に用いられる光電変換装置に関するものである。
太陽電池には、バルク型結晶系のシリコン太陽電池、または、非晶質のシリコン薄膜を用いてなる薄膜型アモルファスシリコン系太陽電池等の様々な形態がある。また、シリコン原料の削減を目的とし、このようなシリコンを利用しない次世代太陽電池として、色素増感型太陽電池が注目されている。
このような色素増感型太陽電池としては、増感色素が坦持された半導体から成る第1の電極と、この第1の電極と対向するように配置された第2の電極と、これら一対の電極間に注入された電解質と、を備えたものがある。この電解質は、外部に漏れないように、機密性の高い電解質室に収納されている。このような電解質室は、第1の電極と第2の電極との間に、枠状のガラスフリットを介在させ、レーザー加熱によりガラスフリットを熔融させることによって形成される(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−172048号公報
しかしながら、特許文献1に開示された色素増感型太陽電池は、半導体層の厚みが10μm以上必要である。このような厚みの半導体層を収納できる電解質室を形成するためには、ガラスフリットの厚みも10μm以上必要となる。このようにガラスフリットの厚みが大きくなると、レーザー加熱によって熔融するガラスフリットの体積が大きくなり、ガラスフリットの熱歪が大きくなる。その結果、ガラスフリットが剥離したり、基板が割れたりする可能性があり、気密性を長期間、維持することが困難になる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、長期間、気密性を維持することが可能な信頼性の高い光電変換装置を得ることである。
本発明の一態様は、第1の主面を有する透光性基板と、前記第1の主面に対向する第2の主面を有する支持基板と、前記第1の主面と前記第2の主面との間に設けられた光電変換体と、該光電変換体を取り囲むとともに前記透光性基板と前記支持基板とを接合する側壁部とを備えている。また、側壁部は、前記透光性基板または前記支持基板の少なくとも一方に設けられた枠部と、該枠部に積層された、前記枠部よりも吸収係数の大きい接合部とを具備している。第1の主面を有する透光性基板と、前記第1の主面に対向する第2の主面を有する支持基板と、前記第1の主面と前記第2の主面との間に設けられた色素増感型の光電変換体と、該光電変換体を取り囲むとともに前記透光性基板と前記支持基板とを接合する側壁部とを備えている。また、側壁部は、前記透光性基板または前記支持基板の少なくとも一方に設けられた枠部と、該枠部に積層された、前記枠部よりもレーザー光に対する吸収係数の大きい接合部とを具備している。さらに、前記枠部の軟化点は、前記枠部が設けられた前記透光性基板または前記枠部が設けられた前記支持基板の軟化点よりも低く、前記接合部に前記レーザー光が照射されることによって前記透光性基板および前記支持基板が前記側壁部を介して接合されている。
このように、側壁部が、枠部と、枠部よりも吸収係数の大きい接合部とを具備しているので、例えば、レーザーで加熱して、透光性基板と支持基板とを接合する際、側壁部における接合部を選択的に熔融させることができる。それにより、熔融部分の体積を小さくすることができ、熱歪を抑制することができる。その結果、剥離や破損が生じるのを抑制し、気密性を長期間、維持することができる。
他の態様において、前記枠部は、前記透光性基板および前記支持基板のそれぞれに設けられている。
他の態様において、前記接合部の軟化点は、前記枠部の軟化点よりも低い。
他の態様において、前記接合部は光吸収体を含む。
他の態様において、前記接合部における前記光電変換体側の内面と前記光電変換体とは反対側の外面との距離は、前記枠部における前記光電変換体側の内面と前記光電変換体とは反対側の外面との距離よりも小さい。
他の態様において、前記枠部は前記透光性基板に設けられており、前記第1の主面に電極が形成されているとともに該電極が前記枠部と前記透光性基板との界面に延出している。
他の態様において、前記枠部は前記支持基板に設けられており、前記第2の主面に電極が形成されているとともに該電極が前記枠部と前記透光性基板との界面に延出している。
本発明の光電変換装置によれば、透光性基板と支持基板とを側壁部を介して接合する際、剥離や破損が生じるのを抑制し、気密性を長期間、維持することができる。
以下に、本発明の光電変換装置に係る実施の形態について模式的に示した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の光電変換装置に係る第1の実施形態を示した断面図である。光電変換装置Xは、一主面同士が対向するように配置された一対の基板(以下、第1の基板1、第2の基板8とする)を具備する。また、第1の基板1および第2の基板8の一主面には、それぞれ第1の電極2および第2の電極7が形成されている。
また、光電変換装置Xは、第1の基板1と第2の基板8の一主面間における間隙内に電解質3が配されている。言い換えれば、電解質3は、第1の電極2と第2の電極7との間に挟まれるように配されている。この電解質3は、外部への漏れを防止すべく、周囲が枠部6とこの枠部6よりも吸収係数の大きい接合部5で覆われている。そして、枠部6と接合部5とで側壁部を構成しており、この側壁部が第1の基板1と第2の基板8とを接合している。また、第1の電極2上には、色素が坦持された半導体層4が形成されている。この半導体層4と電解質3とで光電変換体を構成している。
また、第2の基板8および第2の電極7には、外部から電解質3を注入するための注入孔9が形成されている。そして、光電変換装置Xは、電解質5が外部に漏れるのを防止すべく、第2の基板8の他主面側において、注入孔9を塞ぐ封孔部材10が設けられている。この封孔部材10は、さらに保護部材11で覆われている。ここで、電解質3が流動性の低いゲル状あるいは擬固体の場合、注入孔9からの注入は困難なため、第1の基板1と第2の基板8を封着する前に、半導体層4の上に電解質3を形成した後、第2の基板8により第1の基板1との封着および電解質3との接合を形成してもよい。
そして、本発明の第1の実施形態に係る光電変換装置Xでは、太陽光を十分吸収するために半導体層4の厚みを10μm以上とするのが好ましい。この場合、第1の電極2と第2の電極7の電極間隔は10μm以上必要となるが、本構成により、気密性を長期間、維持することができる。つまり、第1の基板1と第2の基板8とを、レーザーで加熱して接合する際、側壁部における接合部5を選択的に熔融させることができる。それにより、熔融部分の体積を小さくすることができ、熱歪を抑制することができる。その結果、剥離や破損が生じるのを抑制することができる。また、枠部6で第1および第2の基板間隔を確保しながら、薄い接合部5をレーザーにより局所加熱することができるため、第1および第2の基板が歪んで接合されるのを抑制することもできる。
光電変換装置Xは、例えば、以下のようにして作成される。まず、第2の電極7上に、ガラスフリットからなるペーストを印刷し、これを熱焼成することにより、枠部6を形成する。その後、枠部6上に枠部6よりも吸収係数の大きいガラスフリットからなるペーストを印刷し、熱焼成することにより、接合部5を形成する。そして、第2の電極7に第1の電極2が対向するように、第1の電極2を接合部5に接触させる。
あるいは、第2の電極7上にガラスフリットからなるペーストを印刷し、熱焼成することにより、枠部6を形成する。一方、第1の電極2上に、枠部6よりも低軟化点のガラスフリットからなるペーストを印刷し、熱焼成することにより、接合部5を形成する。そして、枠部6と接合部5を接触させてもよい。
その後、第1の基板1および第1の電極2を透過できるレーザー光を接合部5に照射することによって、接合部5を加熱して熔融させる。その後、接合部5を冷却することにより、第1の電極2と第2の電極7とが封着、言い換えれば、第1の基板1と第2の基板8とが封着される。
例えば、第1の電極2と第2の電極7の電極間隔として50μmが必要な場合、膜厚が40μmの枠部6と、膜厚が10μmの接合部5とからなる側壁部とする。そして、この側壁部をレーザーで加熱すると、接合部5を選択的に熔融させて封着することができる。そのため、膜厚50μmの接合部5を用いた場合に比べ、レーザー加熱時の熱量を低減でき、熱歪や熱応力等を抑制することができる。その結果、第1基板、第2の基板、あるいは側壁部の割れや剥離を抑制でき、電解液3を良好に封止し、外界の水分や酸素の電解液3への浸入を抑制することができる。
以下に、上述した本発明の第1の実施形態に係る光電変換装置を構成する部材の詳細を示す。
<第1および第2の基板>
第1の基板1は、主として光が入射される側に設けられ、光電変換体で吸収される光を透過することのできる透光性基板から成る。ここで透光性とは、半導体層4と電解質3とを含む光電変換体で吸収される光のうち、いずれかの波長における透過率が10%以上のものをいう。光電変換効率を高めるという観点からは、上記透過率が80%以上であることが好ましい。また、第1の基板1は第1の主面を有する。第1の基板1は、第1の主面上に形成された第1の電極2を支持するものである。
この第1の基板1の材質としては、例えば、可視光に対して透光性を有するものが用いられる。好ましくは、青板ガラス、白板ガラス、無アルカリガラス等のガラス材料、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の樹脂材料が挙げられる。また、降雹対応として強化ガラスを用いてもよい。
第2の基板8は、第2の主面を有しており、第2の主面上で第2の電極7を支持する支持基板である。この第2の基板8は、第1の基板1と同様に透光性を有する材質で構成されていれば、光の入射面(受光面)をより拡大し、光電変換効率を高めることができる。また、この第2の基板8は、光の入射側に位置していなくとも良いため、透光性が小さいものであってもよい。第2の基板8の材質としては、支持基板として機能できるものであればどのような材質のものでもよいが、導電性を有する金属材料であれば、第2の基板8自体が電極として作用するため、第2の電極7は不要となり、部品点数を低減できる。このような導電性を有する金属材料としては、例えば、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケル、タングステン、ステンレスまたはアルミニウム合金等の金属材料が挙げられる。また、第2の基板8は、電解質3に対する耐食性を向上させるという観点から、チタン、ニッケルまたはタングステンで構成すると好適である。この場合、第2の基板8の上に図示しない後述する触媒層を設けると、電解質3への電荷移動を効率良く行なうこともできる。
また、第2の基板8には、電解質3を外部から注入するための注入孔9が形成されている。この注入孔9は、電解質3を第1および第2の基板の間に注入できる大きさであれば、形状等は特に限定されるものではない。注入孔9は、例えば、横断面形状が円形状、楕円形、または四角形等の多角形等であってもよい。注入孔9の大きさとしては、例えば、横断面形状が円形状であれば、直径が0.1〜3mm程度がよい。また、本実施の形態では、注入孔9が1つしか設けられていないが、複数個あってもよい。さらに、本実施の形態では、第2の基板8に注入孔9が設けられているが、第1の基板1のみに設けてもよく、また、第1および第2の基板それぞれに設けてもよい。なお、注入孔9は、電解質3を注入するだけでなく、電解質3の排出、色素溶液の注入、または色素溶液の排出等にも使用可能である。
<第1および第2の電極>
第1の電極2は、半導体層4で発電された電流を、光電変換装置の外面側へ取りだす機能を有し、第1の基板1の第1の主面に設けられている。この第1の電極2は、第1の基板1の第1の主面とは反対側の主面(以下、第1の基板1の他主面という)側から光が入射されるため、可視光に対して透光性を有するほうが好ましい。
第1の電極2の材質としては、例えば、ITO(錫ドープインジウム酸化物:酸化インジウム錫)層、FTO(フッ素ドープ錫酸化物)層、または酸化錫層で形成される。また、第1の電極2の厚みは、製造の簡易さ、および適度なシート抵抗とするという観点から、0.3〜2μm程度がよい。このような第1の電極3は、例えば、CVD法、スパッタリング法、またはスプレー法等によって層状に形成される。
第2の電極7は、電解質3に電荷を渡すためのものであり、第2の基板8の第2の主面に設けられている。この第2の電極7の材質としては、第2の基板8も受光部として利用するのであれば、第1の電極2と同じ材料、即ち、上述した透光性を有する材料を用いればよい。一方、第2の基板8から光を受光しないのであれば、第2の電極7は、透光性材料で構成しなくてもよく、例えば、チタン、ニッケルまたはタングステン等の金属材料で構成してもよい。
また、第2の電極7は、電解質3との接触面にPt、Pd、Ru、Os、Rh、またはIr等や、カーボン、PEDOT:TsO(ポリエチレンジオキシチオフェン−トルエンスルフォネート)等から成る図示していない触媒層を形成すれば、電解質3への電荷移動を効率良く行うことができる。
<電解質>
電解質3は、第2の電極7から受けとった電荷を半導体層4に坦持された色素に渡す機能を有している。この電解質3は、注入孔9から注入できる状態のものであればよく、例えば、液状(電解液)、ゲル状等を用いることができ、注入後に固体になるようなものであってもよい。また、第1の基板1あるいは第2の基板8上に電解質3を直接塗布した後、対面の基板により真空封止しても良い。
電解質3は、例えば、ヨウ素/ヨウ化物塩、臭素/臭化物塩、コバルト錯体、またはフェロシアン化カリウム等が挙げられる。なお、「ヨウ素/ヨウ化物塩」という表記は、電解質の化学反応によってヨウ素とヨウ化物塩の含有率が変化するものであることを意味する。
電解質3は、液状の場合、溶媒をマトリックスとすることができる。溶媒としては、分子液体、イオン液体、または常温熔融塩が用いられる。分子液体としては、アセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、γ-ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、またはジメチルスルホキシド等が用いられる。イオン液体としては、ヘキシルメチルイミダゾリウムヨウ化物(HMImI)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(EMI−TFSI)等が用いられる。
また、電解質3は、注入時に液状またはゲル状であり、注入後に固体となるものの場合、固体電解質、導電性ポリマー、または有機分子電子輸送剤等が用いられる。固体電解質としては、ゲル電解質またはポリマー電解質等が用いられる。例えば、ゲル電解質のゲル化剤としてポリ(ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体(PVdF−HFP)等を用いればよい。導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン、ポリピロール、またはポリフェニレンビニレン等が用いられる。有機分子電子輸送剤としては、フラーレン誘導体、ペンタセン誘導体、ペリレン誘導体、またはトリフェニルジアミン誘導体等が用いられる。また、電解質3の厚み、即ち、第1の基板1の第1の主面と第2の基板8の第2の主面との間の距離は、1〜500μm程度がよい。
<側壁部>
側壁部は、第1の基板1(透光性基板)と第2の基板8(支持基板)とを接合しており、第1の基板1、第2の基板8および側壁部によって、光電変換体を収納する収納空間が形成される。また、側壁部は、第1の基板1または第2の基板8の少なくとも一方に設けられた枠部6と、枠部6上に積層された接合部5とを具備している。また、接合部5は、枠部6よりも吸収係数が大きい。
なお、本発明において、「接合部5は、枠部6よりも吸収係数が大きい」というのは、特定の波長における接合部5の吸収係数が、枠部6よりも大きくなっていればよいことを意味する。この特定の波長に発光波長を有するレーザー光を用いることにより、接合部5を選択的に加熱することができる。接合部5をより選択的に、かつ効率よくレーザーで加熱するという観点からは、エキシマレーザーやCOレーザー等の波長を含む180nm〜10.6μmの波長範囲での接合部5の吸収係数が枠部6よりも大きくなっているのがよい。より好ましくは、枠部6等の部材の損傷を抑制するという観点からは、青色レーザーやYAGレーザーの波長を含む350nm〜1500nmであるのが好ましい。吸収係数は、紫外可視分光光度計等により吸光度を測定し、この吸光度、濃度および通過距離より求めることができる。なお、測定対象の厚み等の条件を同じにすれば、吸収係数の代わりに吸光度あるいは吸収率で評価することも可能である。
ここで、枠部6が第1の基板1または第2の基板8の少なくとも一方に設けられているというのは、枠部6が第1の基板1に直接設けられている場合、枠部6が第2の基板8に直接設けられている場合、枠部6が第1の電極2を介して第1の基板1に設けられている場合、または枠部6が第2の電極7を介して第2の基板8に設けられている場合を含む。
枠部6は、第1の基板1または第2の基板8と一体に形成されていてもよく、別部材を第1の基板1または第2の基板8に接合することにより形成されていてもよい。枠部6が第1の基板1または第2の基板8と一体に形成されている場合、例えば、基板の主面の中央部を、切削加工またはエッチング加工等により凹状に形成することにより、枠部6を形成することができる。この場合、枠部6と第1または第2の基板との接合界面がないので、光電変換装置の機械的強度を高めることができる。また、基板に別部材を接合することにより、枠部6を設けた場合、容易に枠部6を形成することができ、工程を簡略化できる。
枠部6は第1の基板1に設けられていてもよく、第2の基板8に設けられていてもよく、あるいは第1の基板1および第2の基板8の両方に設けられていてもよい。
枠部6は、電解質3に対する気密性が高く、耐食性が高い材料であり、ガラス材料あるいは樹脂材料等が用いられる。ガラス材料としては、鉛ガラス、ビスマス酸塩系ガラス、ホウ珪酸塩系ガラス、リン酸系ガラス、亜鉛ホウ珪酸塩系ガラス、SiO−BiO−MO系ガラス(SiO、Biおよびその他の金属酸化物を組成とするガラスを含む)、BO−BiO−MO系ガラス(B、Biおよびその他の金属酸化物を組成とするガラスを含む)、SiO−CaO−Na(K)O−MO系ガラス(SiO、CaO、Na(K)Oおよびその他の金属酸化物を組成とするガラスを含む)、またはPO−MgO系ガラス(P、MgOおよびその他の金属酸化物を組成とするガラスを含む)などが挙げられる。また、枠部6に第1または第2の基板との熱膨張調整あるいはレオロジ調整として、アルミナ、シリコンカーバイト等の結晶性酸化物を含めてもよい。
また、枠部6に用いられる樹脂材料としては、ポリエチレン、変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、フッ素樹脂、ブチル樹脂、エポキシ樹脂、またはアクリレート樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂材料は、機械的強度を高めるという観点から、必要に応じてフィラー等を含有させてもよい。
接合部5は枠部6上に積層されている。接合部5は図1のように枠部6と第1の基板1との間、図2のように枠部6同士の間、あるいは第2の基板8と枠部6との間のいずれに設けられていてもよい。
接合部5は、光照射により全部あるいは部分的に熔解し、接着作用を有するものである。光照射により接着作用を有するものとしては、照射された光を熱に変換し、この熱により軟化するもの、照射された光を熱に変換し、この熱により硬化するもの、または、照射された光により硬化するものが挙げられる。
接合部5は、枠部6よりも吸収係数が大きい。これにより、接合部5に対して、選択的に光を吸収させて接着作用を促進することができる。このような選択的な接着作用を促進させるという観点からは、接合部5の吸収係数は枠部6の吸収係数の10倍以上であるのが好ましい。
接合部5は、枠部6と同様、気密性が高く、電解質3に対する耐食性が高い材料であり、金属材料、ガラス材料あるいは樹脂材料等が用いられる。このようなガラス材料および樹脂材料については、上述の枠部6で用いられる材料を用いることができる。
また、接合部5は、レーザー光等の光を効率よく吸収できるように、光吸収体を含めてもよい。光吸収体としては、例えば、接合部5が金属材料の場合、インジウム、亜鉛、ガリウム、銀、錫、アルミニウム、鉛、ビスマス、銅、またはアンチモン等の材料が挙げられ、これらの単体、または2種以上の化合物あるいは混合物として用いられる。また、接合部5がガラス材料の場合、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、銅、または炭素等の材料が挙げられ、これらの単体、酸化物、またはこれら2種以上の化合物、混合物として用いられる。また、接合部5が樹脂材料の場合、フタロシアニン、ポルフィリン、シアニン、ポリメチン、カーボンブラック、酸化チタン、または酸化クロム等の色素や顔料等の材料が挙げられ、これらの単体、またはこれら2種以上の混合物として用いられる。接合部5が光吸収体を含む場合、効率よくレーザー光を吸収できるため、接合部5を発熱させて熔融させることが容易になる。その結果、レーザーによる照射エネルギー量を低減でき、または、レーザー光源を小さくでき、消費電力を低減できる。あるいは、レーザー走査速度を高めることができ、製造コストを低減することができる。また、接合部5の吸収係数を高めることができるため、レーザーによる照射エネルギー量を低減でき、熱量を低減できるため、熱歪を抑制し、歩留りよく封止することができる。また、接合部5の吸収係数を高めることができるため、接合部5の厚みを薄くしても、接合部5だけで光を吸収することができ、光照射方向に対し下部の材料が光照射により加熱され難く、下部材料への熱損傷を抑制できる。
枠部6および接合部5は、ともに熱により軟化する材料であることが好ましい。このような構成により、接合部5をレーザー光等の光を照射して選択的に軟化させた際、その熱で枠部6の表面部分もある程度軟化させることができる。その結果、接合部5と枠部6との界面において歪が生じて破損することを抑制できる。
特に、枠部6および接合部5は、ともにガラス材料を主成分とすることが好ましい。これにより、封止性および耐久性をともに高めることができる。このような枠部6および接合部5は、ガラスフリットのペーストを印刷法により、またはディスペンサー等を用いて塗布した後、熱焼成して形成される。なお、接合部5については、レーザー吸収成分とガラス成分を含むガラスフリットであることが好ましい。このレーザー吸収成分は、レーザー光を選択的に吸収し、そのエネルギーを熱に変換することでガラスフリットを効率よく熔融し、焼結させる役割を担う。このレーザー吸収成分は、ガラスフリットを成すマトリックスの一部として熔融されていることが好ましいが、マトリックス中に偏析していてもよい。また、ガラスフリットの熱膨張係数は、第1の基板1あるいは第2の基板8の熱膨張係数と近く、あるいは1〜20%低くなるようにすれば、クラック等の不具合の発生を低減することができる。
接合部5の軟化点(あるいは融点)は、枠部6の軟化点(あるいは融点)よりも低い方がよい。好ましくは、枠部6と接合部5の軟化点(あるいは融点)の差が50℃以上であるのが好ましい。これにより、接合部5の加熱による軟化をより選択的に促進でき、枠部6の熱歪を低減できる。より好ましくは、枠部6と接合部5の軟化点(あるいは融点)の差が50〜100℃の範囲であるのが好ましい。これにより、枠部6の大部分については熱歪を低減し、かつ、枠部6の接合部5との界面部分については、ある程度軟化して接合部5との界面での応力を緩和することができる。その結果、側壁部の熱歪をより低減することができる。例えば、枠部6の軟化点は400℃〜600℃であり、接合部5の軟化点は300℃〜500℃が良い。なお、枠部6および接合部5は、材料組成比により軟化点を調整することができる。
なお、本発明において軟化点とは、昇温させたときに変形流動が開始する温度のことをいう。軟化点の測定は熱機械測定により測定することができる。熱機械測定としては、例えば、熱膨張(TMA)方式または貫入法が挙げられる。貫入法では粘度η(dPa・s)がlogη=7.6のときが軟化点となる。
枠部6の軟化点(あるいは融点)は、それが設けられた第1または第2の基板の軟化点(あるいは融点)よりも低い。好ましくは、第1または第2の基板と、それに設けられた枠部6の軟化点(あるいは融点)の差が200℃以上であるのが好ましい。これにより、枠部6を加熱して第1または第2の基板に接合する際、第1または第2の基板の変形や熱歪を低減できる。
また、第1または第2の基板と、それに設けられた枠部6と、接合部5の各軟化点(あるいは各融点)は、順に減少するように構成されていることが好ましい。これにより、光電変換装置全体としての変形を抑制できる。
枠部6と接合部5との界面は、各々の材料が拡散あるいは混合していることが好ましい。これにより、界面の強度が増加し、封止性を高めることができる。このような構成は、接合部5をレーザー等で軟化する際、枠部6の接合部5との界面部分についても同時に軟化するように材料、加熱条件を調整することにより、形成できる。
接合部5は、枠部6よりも幅が小さいことが好ましい。ここで幅とは、接合部5または枠部6の、半導体層4側の内面と、外側の外面との距離をいう。このような構成により、
加熱領域、熔融領域、および封着領域を低減でき、第1の基板1、第2の基板8および側壁部自身の熱歪が低減できる。枠部6と接合部5との位置合せも容易になる。その結果、接合部5の剥離や基板の割れを抑制することができる。好ましくは、封止性の向上と熱歪の抑制とを両立するという観点からは、接合部5の幅は、枠部6の幅の0.1〜1.0倍であるのがよい。
枠部6と接合部5とを介して第1の基板1と第2の基板8とを接合する方法は、図1の構成の場合、例えば、以下のような方法が用いられる。まず、ガラスフリットのペーストを第2の基板8上に塗布した後、熱焼成して枠部6を形成する。次にガラスフリットのペーストを上記枠部6上あるいは第1の基板1上に塗布した後、熱焼成して接合部5を形成する。次に接合部5が枠部6と第1の基板1とに挟まれる様に、第1の基板1と第2の基板8とを対向配置する。そして、例えば、YAGレーザーまたは半導体レーザー等のレーザー光を、第1の基板1を通して、接合部5あるいは接合部5周辺に照射し、当該接合部5を選択的に熔融させ、当該接合部5により第1の基板1と第2の基板8とを接合する。
また、図2の構成の場合、例えば、以下のような方法が用いられる。まず、第2の基板8上に第1の枠部6を形成し、さらにこの枠部6上に接合部5を形成する。また、第1の基板1上にも枠部6を形成する。次に、この第1の基板1と第2の基板8とを、接合部5がそれぞれの枠部6の間に挟まれるように配置する。そして、レーザー光を、第1の基板1および枠部6を通して、接合部5に照射し、接合部5を加熱し、熔融させることにより、枠部6と接合部5を封着させ、第1の基板1と第2の基板8とを封着する。なお、上記説明は、レーザー光を、第1の基板1、枠部6を通して接合部5に照射する場合であるが、レーザー光を、第2の基板8、枠部6を通して接合部5に照射してもよい。
また、ここで用いるレーザーはガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、または色素レーザー等が用いられる。レーザー光(ビーム)の照射は、第1または第2の基板を走査しながら行なってもよく、あるいはレーザー光(ビーム)を走査しながら行なってもよい。
枠部6は、図1に示すように、第2の基板8に設けられている場合、第2の主面に形成された第2の電極7が、枠部6と第2の基板8との界面に延出していることが好ましい。すなわち、第2の基板8の第2の主面に第2の電極7を形成し、この第2の電極7の上に枠部6が形成されている。このような構成により、第2の電極7が枠部6によって保護されることとなるため、接合部5を加熱して第1の基板1と第2の基板8とを接合する際、第2の電極7に熱応力が伝わるのを抑制できる。その結果、第2の電極7の導通信頼性を高めることができる。
特に第2の基板8の第2の主面を平坦面とし、この平坦面に第2の電極7を形成した後、枠部6を形成するのが好ましい。これにより、第2の電極7をCVD法、スパッタリング法、またはスプレー法等によって層状に形成する際に屈曲面がないため、第2の電極7の断線や高抵抗化を抑制できる。
枠部6は、第1の基板1に設けられている場合、第1の主面に形成された第1の電極2が、枠部6と第1の基板1との界面に延出していることが好ましい。すなわち、第1の基板1の第1の主面に第1の電極2を形成し、この第1の電極2の上に枠部6が形成されている。このような構成により、第1の電極2が枠部6によって保護されることとなるため、接合部5を加熱して第1の基板1と第2の基板8とを接合する際、第1の電極2に熱応力が伝わるのを抑制できる。その結果、第1の電極2の導通信頼性を高めることができる。
特に第1の基板1の第1の主面を平坦面とし、この平坦面に第1の電極2を形成した後、枠部6を形成するのが好ましい。これにより、第1の電極2をCVD法、スパッタリング法、またはスプレー法等によって層状に形成する際に屈曲面がないため、第1の電極2の断線や高抵抗化を抑制できる。
また、枠部6を絶縁体の場合、接合部5に金属を用いても第1の電極2と第2の電極7は導通することなく、封止することができる。
<半導体層>
半導体層4は、色素を気孔内に担持する機能を有する多孔質体で構成されている。このように多孔質の半導体層4は、表面積が大きく、図示していない色素をより多く担持(吸着)させることができるため、効率良く光を吸収して光電変換効率の向上に寄与する。
このような多孔質の半導体層4の材料としては、例えば、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、ニオブ(Nb)、インジウム(In)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、バナジウム(V)、またはタングステン(W)等の金属の少なくとも1種の金属酸化物半導体がよい。また、半導体層4は、窒素(N)、炭素(C)、弗素(F)、硫黄(S)、塩素(Cl)、またはリン(P)等の非金属元素の1種以上を含有していてもよい。特に、酸化チタンは、電子エネルギーバンドギャップが可視光のエネルギーより大きい2〜5eVの範囲にあり、好ましい。また、多孔質の半導体層は、電子エネルギー準位においてその伝導帯が色素の伝導帯よりも低いn型半導体がよい。
また、半導体層4は、多孔質体であるため、内部に微細な空孔(空孔径が好ましくは10〜40nm程度のもの)を多数有している。また、半導体層4の厚みは、光電変換作用を最適化するという観点から、1〜50μmがよく、より好適には10〜30μmがよい。また、半導体層4と第1の電極2との間に、酸化チタンや酸化ニオブ等のn型酸化物半導体の極薄(厚み200nm程度)の緻密層を挿入するとよく、逆電流を抑制する効果がある。
色素は、例えば、遷移金属錯体、多核錯体、ルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、フタロシアニン、ポルフィリン、多環芳香族化合物、またはキサンテン系のものが好ましい。遷移金属錯体としては、ルテニウム−トリス型、ルテニウム−ビス型、オスミウム−トリス型、またはオスミウム−ビス型等が挙げられる。キサンテン系としては、ローダミンB等が挙げられる。
多孔質の半導体層4に色素を吸着させるためには、色素に少なくとも1個以上のカルボキシル基、スルホニル基、ヒドロキサム酸基、アルコキシ基、アリール基、またはホスホリル基等を置換基として有することが有効である。ここで、置換基は色素自体を多孔質の半導体層4に強固に化学吸着させることができ、励起状態の増感色素から多孔質の半導体層4へ容易に電荷移動できるものであればよい。
半導体層4に色素を吸着させる方法としては、例えば、第1の基板1上に形成された半導体層4を、色素を溶解した溶液に浸漬する方法が挙げられる。半導体層4に色素を吸着させる際、色素を溶解させる溶液の溶媒としては、例えば、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル等のエーテル類、または、アセトニトリル等の窒素化合物等を1種または2種以上混合したものが挙げられる。溶液中の色素の濃度は5×10-5〜2×10-3mol/l(l(リットル):1000cm3)程度が好ましい。
半導体層4は、図1では透光性基板である第1の基板1側に形成しているが、第2の基板8側に形成してもよい。この場合、光が第1の基板1、第1の電極2、および電解質3を透過して半導体層4に入射される。また、この配置の場合、図示していない触媒層は第1の基板1の第1の電極2の表面に形成すればよい。これにより、電解質3への電荷移動が効率良く行うことができる。
<封孔部材と保護部材>
封孔部材10および保護部材11は、第1の基板1および第2の基板8の間に封入された電解質3が外部に漏れるのを防ぐための部材である。この保護部材11は、注入孔9を塞ぐように、第2の基板8の他主面と封孔部材10により接着される。
封孔部材10は、電解質3に対する耐食性が高い材料であり、金属材料、樹脂材料あるいはガラス材料が用いられる。金属材料としては、インジウム、亜鉛、ガリウム、銀、錫、アルミニウム、鉛、ビスマス、銅、アンチモン等の材料が挙げられ、これらの単体、または2種以上の化合物あるいは混合物として用いられる。樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、フッ素樹脂、ブチル樹脂、エポキシ樹脂、またはアクリレート樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂材料は、機械的強度を高めるという観点から、必要に応じてフィラー等を含有させてもよい。また、ガラス材料としては、第2の基板8より軟化点が低いガラスが用いられ、例えば、鉛ガラス、ビスマス酸塩系ガラス、ホウ珪酸塩系ガラス、リン酸系ガラス、亜鉛ホウ珪酸塩系ガラス、SiO−BiO−MO系ガラス(SiO、Biおよびその他の金属酸化物を組成とするガラスを含む)、BO−BiO−MO系ガラス(B、Biおよびその他の金属酸化物を組成とするガラスを含む)、SiO−CaO−Na(K)O−MO系ガラス(SiO、CaO、Na(K)Oおよびその他の金属酸化物を組成とするガラスを含む)、またはPO−MgO系ガラス(P、MgOおよびその他の金属酸化物を組成とするガラスを含む)などが挙げられる。封孔部材10に用いられるガラス材料の軟化点は300℃〜600℃が良い。封孔部材10に用いられるガラス材料は材料組成比により軟化点を調整することができる。
封孔部材10に用いられるガラス材料は、レーザー光を効率よく吸収できるよう光吸収剤を含めてもよい。これにより、レーザー光により、封孔部材10を発熱させ、その熱で封孔部材10を熔融させることができ、封孔部材10による注入孔9の封止を容易に行なうことができる。このような光吸収剤としては、例えば、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、銅、または炭素等の材料が挙げられ、これらの単体、酸化物、またはこれら2種以上の化合物として用いられる。
また、封孔部材10のガラスフリット自身がレーザー光に対し光吸収能がある場合、単独で使用でもよい。材質としては、レーザー吸収成分とガラス成分を含むガラスフリットであることが好ましい。このレーザー吸収成分は、レーザー光を選択的に吸収し、そのエネルギーを熱に変換することでガラスフリットを効率よく熔融し、焼結させる役割を担う。このレーザー吸収成分は、ガラスフリットを成すマトリックスの一部として熔融されていることが好ましいが、マトリックス中に偏析していてもよい。また、ガラスフリットの熱膨張係数は、第2の基板8の熱膨張係数と近くあるいは1〜20%低くなるようにすれば、クラック等の不具合の発生を低減することができる。
また、保護部材11は封孔部材10の封止作用をさらに高めるためのものであり、封孔部材10と同様の材料のものを、フィルム状にしたもの等が用いられる。
なお、図1の、本発明の光電変換装置に係る第1の実施形態を示した断面図では、封孔部材10、保護部材11および注入孔9を設けたが、封孔部材10、保護部材11および注入孔9を設けずに、電解質3を第1または第2の基板上に塗布し、第1の基板1、第2の基板8、枠部6、および接合部5により封止してもよい。また、粘度の高い電解質3、あるいは擬固体の電解質3を印刷法により、第1または第2の基板上に塗布した後、第1の基板1、第2の基板8、枠部6、および接合部5により封止してもよい。
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
図2は、本発明の光電変換装置に係る第2の実施形態を示した断面図である。第1の実施形態と同じ構成部分については同じ符号を用いており、その説明を省略する。第2の実施形態の光電変換装置X’は、接合部5の上下を枠部6で積層する点で第1の実施形態の光電変換装置Xと相違する。
光電変換装置X’では、側壁部の構造を上下対称にすることにより、側壁部周辺の応力を対称にでき、封止の信頼性を向上することができる。また、接合部5と枠部6とを同種の材料で構成することにより、接合部5の上下の枠部6に対する濡れ性がよくなり、封止の信頼性を向上することができる。また、接合部5に金属を用い、そして第1の基板1上あるいは第2の基板8上の各々に複数の第1の電極2あるいは第2の電極7を配設する場合、金属の接合部5により短絡する場合があるので、枠部6は絶縁層として機能する。
図3は、本発明の光電変換装置に係る第3の実施形態を示した断面図である。第1の実施形態と同じ構成部分については同じ符号を用いており、その説明を省略する。第3の実施形態の光電変換装置X’’は、枠部6と接合部5の内側に樹脂材12を設ける点で第1の実施形態の光電変換装置Xと相違する。
光電変換装置X’’では、電解質3が枠部6と接合部5に直接接触しなくてもよいので、枠部6と接合部5が電解質3により腐食し、封止性が劣化することを抑制し、光電変換装置の特性劣化を抑制できる。また、樹脂材12の接着力および応力吸収により、枠部6と接合部5の強度の劣化を抑制し、封止性が劣化することを抑制し、光電変換装置の特性劣化を抑制できる。また、樹脂材12により電解質3の漏洩、外界の水分の侵入、および外界の酸素の浸入を抑制し、光電変換装置の特性劣化を抑制できる。
樹脂材12は、電解質3に対する耐食性が高い材料である。樹脂材12としては、例えば、ポリエチレン、変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、フッ素樹脂、ブチル樹脂、エポキシ樹脂、または、アクリレート樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂材料は、機械的強度を高めるという観点から、必要に応じてフィラー等を含有させてもよい。
本実施の形態の光電変換装置の実施例について以下に説明する。図1の構成の光電変換装置Xを以下のようにして作製した。
<色素増感型太陽電池の作製>
第1の基板1として、シート抵抗10Ω/□(スクエア)のSnO2:F層(FドープSnO2層(FTO層))から成る透明導電層(第1の電極2)がレーザアブレーション法によりパターン形成されたソーダライムガラス基板(透光性基板1)を準備した。
次に、透明導電層2上に電解質を含む光電変換体の一部である図示していない多孔質の酸化チタンから成る半導体層4を形成した。多孔質の半導体層は以下のようにして形成した。まず、酸化チタン(TiO2)のアナターゼ粉末にアセチルアセトンを添加した後、脱イオン水とともに混練し、界面活性剤で安定化させた酸化チタンのペーストを作製した。作製したペーストをスクリーン印刷法によって、FTO層から成る透明導電層2上にパターン印刷し、大気中において500℃で30分焼成し、多孔質の半導体層4を形成した。
次に、ブラックダイ色素(Ru錯体)(ソラロニクス社製、製品名「ブラックダイ」)を溶解させたエタノール溶液に、上記半導体層4を形成した第1の基板1を浸漬し、半導体層4に図示しない色素を吸着させた。その後、純エタノール溶液により余分な色素を洗浄し、乾燥させた。
一方、対極の支持基板8として、図示していないPt層(第2の電極7)を厚み5nmとしてスパッタリング法によって形成させたソーダライムガラス基板を準備した。また、支持基板8には予め色素循環用および電解液注入用の注入孔9を設けた。
次に、上記電極7上にホウ珪酸塩系ガラスのガラスフリットからなるペーストをスクリーン印刷法によりパターン印刷し、大気中において500℃で30分焼成し、枠部6を形成した。次に、枠部6上にビスマス酸塩系ガラスのガラスフリットからなるペーストをスクリーン印刷法によりパターン印刷し、大気中において450℃で30分焼成し、接合部5を形成した。
次に、上記多孔質半導体層(TiO2)を形成させた透光性基板1と電極7を形成させた支持基板8の電極面を互いに対面させ、接合部5と透明電極2を密着させ、透明基板1を通して、半導体レーザー光を接合部5に照射し、加熱し、接合部5と透明電極2を封着させた。
次に、注入孔9より、沃素(I2)と、沃化リチウム(LiI)と、イミダゾリウム塩およびイミダゾール等の添加剤とを含むメトキシプロピオニトリル溶液を注入し、電解質3を形成させた。
次に、ソーダライムガラス基板の保護部材11上に、ガラスフリットからなるペーストをスクリーン印刷法によりパターン印刷し、大気中において500℃で30分焼成し、封孔部材10を形成した。次に、注入孔9を封止するように封孔部材10と支持基板8の他主面を密着させ、ソーダライムガラス基板の保護部材11を通して、半導体レーザー光を封孔部材10に照射し、加熱し、封孔部材10と支持基板8を封着させ、光電変換装置Xを形成した。
85℃、85%RHにおいて、上記実施例の光電変換装置Xは1000時間でも電解液の漏洩が発生せず、光電変換特性が維持できた。
本発明に係る光電変換装置の第1の実施の形態を示す断面図である。 本発明に係る光電変換装置の第2の実施の形態を示す断面図である。 本発明に係る光電変換装置の第3の実施の形態を示す断面図である。
符号の説明
X、X’、X’’:光電変換装置
1:第1の基板
2:第1の電極
3:電解質
4:半導体層
5:接合部
6:枠部
7:第2の電極
8:第2の基板
9:注入孔
10:封孔部材
11:保護部材
12:樹脂材

Claims (7)

  1. 第1の主面を有する透光性基板と、
    前記第1の主面に対向する第2の主面を有する支持基板と、
    前記第1の主面と前記第2の主面との間に設けられた色素増感型の光電変換体と、
    該光電変換体を取り囲むとともに前記透光性基板と前記支持基板とを接合する側壁部とを備え、
    該側壁部は、前記透光性基板または前記支持基板の少なくとも一方に設けられた枠部と、該枠部に積層された、前記枠部よりもレーザー光に対する吸収係数の大きい接合部とを具備しており、
    前記枠部の軟化点は、前記枠部が設けられた前記透光性基板または前記枠部が設けられた前記支持基板の軟化点よりも低く、
    前記接合部に前記レーザー光が照射されることによって前記透光性基板および前記支持基板が前記側壁部を介して接合されていることを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記枠部は、前記透光性基板および前記支持基板のそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記接合部の軟化点は、前記枠部の軟化点よりも低いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光電変換装置。
  4. 前記接合部は、光吸収体を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の光電変換装置。
  5. 前記接合部における前記光電変換体側の内面と前記光電変換体とは反対側の外面との距離は、前記枠部における前記光電変換体側の内面と前記光電変換体とは反対側の外面との距離よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の光電変換装置。
  6. 前記枠部は前記透光性基板に設けられており、前記第1の主面に電極が形成されているとともに該電極が前記枠部と前記透光性基板との界面に延出していることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の光電変換装置。
  7. 前記枠部は前記支持基板に設けられており、前記第2の主面に電極が形成されているとともに該電極が前記枠部と前記透光性基板との界面に延出していることを特徴とする請求
    項1乃至請求項のいずれかに記載の光電変換装置。
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