JP5394856B2 - 衝撃吸収ロープ及び衝撃吸収ロープの製造方法 - Google Patents
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Description
かかる防護体は、一般に防護ネットと、該防護ネットが取り付けられた支柱と、該支柱を固定する支持具とから構成される。
また、軽量である合成繊維からなる網(防護ネット)を用いた防護体が知られている(例えば、特許文献5参照)。かかる防護体においては、支持具として、控ロープが用いられている。
また、上記防護体の施工場所が、崖や斜面等の足場が悪いところが多いため、重機や大掛かりな設備の使用には制限があり、施工性や安全性にも問題がある。
ところが、合成繊維からなる網は、金属製の防護ネットより機械的強度が低いために、落石等の衝撃で破損しやすい欠点がある。なお、この破損を抑制するために、落石等の衝撃を吸収する緩衝部材を設ける場合があるが、かかる緩衝部材は、一般に大型の金属製であるため、結果的に、重量が大きくなり、施工等の問題が生じる。
したがって、上記衝撃吸収ロープは、軽量でありながら、機械的強度に優れると共に衝撃吸収性にも優れるものである。
また、上記衝撃吸収ロープは、過剰な衝撃を受けた場合において永久変形を起すため、その交換時期の判断を容易に行うことが可能である。
これらのことにより、上記衝撃吸収ロープは、石、土砂、雪等の落下物が道路や建物に落下するのを防止する防護体の防護ネットの補強や防護ネットを支持する支持ロープ等に好適に用いられる。
かかる衝撃吸収ロープは、直径が10〜40mmであるので、機械的強度(以下単に「強度」ともいう。)と取扱い性のバランスがよい。なお、より好ましくは、直径が15〜30mmである。
強度が30kN未満であると、強度が上記範囲内にある場合と比較して、衝撃を吸収することはできても衝撃に耐えられず破断する場合があり、強度が100kNを超えると、強度が上記範囲内にある場合と比較して、ロープの直径が40mm以上となるために重くなり、防護体施工時の作業性が悪くなる。
通常の高強度繊維ロープのように伸度が50%未満であると、伸度が上記範囲内にある場合と比較して、衝撃力をロープ伸張により必ずしも十分に吸収することができない。また、伸度が300%を超えると、伸度が上記範囲内にある場合と比較して、衝撃吸収ロープが衝撃吸収性能を発現する前に防護体の他の部位に衝撃力が及ぶおそれがある。
衝撃荷重が16kNを超えると、衝撃荷重が上記範囲内にある場合と比較して、衝撃を十分に吸収できない。すなわち、衝撃吸収性能が低い衝撃吸収ロープを落石等の防護体に用いた場合には、落石等による衝撃がそのまま支持体に掛かる形となり、防護体の倒壊を招くおそれがある。
ここで、20%伸張時からの回復率とは、引張試験機で糸を20%伸張し、引張試験機から糸を取り外して16時間放置した後、伸長時からの回復率を算出した値である。
回復率が50%未満であると、回復率が上記範囲内にある場合と比較して、伸張回復性能が不十分であり、回復率が100%を超えると、回復率が上記範囲内にある場合と比較して、伸張前の長さより繊維が縮むので、衝撃吸収ロープの寸法安定性が低下する。
かかるポリアミド繊維としては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
衝撃吸収ロープは屋外で使用されることが大半であるため、ポリアミド繊維がナイロン6又はナイロン66であると、耐候性に優れる。また、ナイロン6又はナイロン66は、これに加えて汎用性に優れるので、安価で長期間使用することが可能となる。
例えば、ポリアミド繊維の伸度は50〜200%である。
伸度が50%未満であると、衝撃力をロープ伸長により吸収することが不十分となり、伸度が200%を超えると、衝撃吸収ロープが衝撃吸収性能を発現する前に防護体の他の部位に衝撃力が及ぶおそれがある。
ここで、タフネスとは、伸度(%)×強度(cN/dtex)で表される値である。
タフネスが200%・cN/dtex未満であると、衝撃に耐えきれず衝撃吸収ロープが破断する場合があり、タフネスが400%・cN/dtexを超えると、衝撃吸収ロープが衝撃吸収性能を発現する前に防護体の他の部位に衝撃力が及ぶおそれがある。
ここで、沸水収縮率とは、JIS L1013における熱水収縮率:枷収縮率A法に準拠して測定した値である。
本実施形態に係る衝撃吸収ロープは、屋外で利用することが大半であり、雨水に晒されたり、温度変化が大きい場所で使用されることも多い。例えば、衝撃吸収ロープが水に濡れた場合、乾燥してもロープ内部に気泡や水が残留してロープが伸びやすいことから、湿熱下でロープが収縮することは寸法安定性に繋がることとなる。なお、沸水収縮率が5%未満であると、上記のような屋外使用で伸びたロープの回復に影響が及び、寸法安定性が悪いものとなり、沸水収縮率が8%を超えると、衝撃吸収ロープを使用する際に、熱によりポリアミド繊維が収縮し、衝撃吸収ロープ内部の繊維密度が高まるため、有効な伸度が得られなくなり、ひいては、性能変化を起こすおそれがある。
軟化点が150℃未満であると、軟化点が上記範囲内にある場合と比較して、衝撃が加わった際の衝撃吸収ロープ同士、又は、他の部材や落石等との間の摩擦により、性能変化を起こすおそれがある。
また、ポリアミド繊維は、マルチフィラメントが更に撚り合わされたものであることが好ましい。この場合、機械的強度が極めて向上する。
分子量の目安となる上記ポリマーチップの固有粘度は0.6〜1.2dl/gのものが好適に用いられる。
ここで、固有粘度とは、ポリマーの特定良溶媒下での無限希釈における極限粘度を意味する。具体的には、オルソクロロフェノール100mlに対して、糸1.2gの割合で温度100℃で溶解し、オストワルド粘度計を用いて35℃の恒温槽内で測定した値で示される。
固有粘度が0.6dl/g未満であると、固有粘度が上記範囲内にある場合と比較して、分子量が小さくなり過ぎ、十分な強度のポリアミド繊維が得られず、固有粘度が1.2dl/gを超えると、固有粘度が上記範囲内にある場合と比較して、分子量が大きくなり過ぎ、後述する紡糸がし難くなる。
そして、溶融したポリマーを所定の紡糸口金から押出し、適宜温度調節された冷却ゾーンを500〜3000m/分の速度で引き取り、未延伸糸とする。なお、冷却ゾーンは数段に分けられ、室温から300℃程度の温度範囲で設定される。
また、ポリアミド繊維の伸度と乾熱収縮率を調整するために、延伸時の予熱温度は60〜100℃、熱セット温度は約150〜240℃に設定することが好ましい。
通常、高強度糸を製造する場合には、延伸倍率は3.0〜5.0倍とするが、本発明のポリアミド繊維に必要な特性は、伸度とタフネスであることから、1.0〜3.5倍、より好ましくは1.0〜2.5倍の延伸倍率に調整される。
また、かかる合糸の少なくとも1回は、その前に撚りを掛けた方向と逆方向に撚りを掛けるものであることが好ましい。
この場合、得られる衝撃吸収ロープの機械的強度が更に向上する。
ここで、図1を用いて、本実施形態に係る衝撃吸収ロープの製造方法をより具体的に説明すると、まず、0.5〜20dtexの単糸が、100〜1000本の束(ヤーン)となっているポリアミド繊維1を2〜5本撚り合わせてリングヤーンS1を作製し、得られたリングヤーンS1を複数本撚り合わせてロープヤーンS2を作製する。この際、ロープヤーンS2の撚方向はリングヤーンS1作製時と逆方向とする。
このとき、リングヤーンS1の繊度は、1000〜15000dtexであることが好ましく、単糸数としては、200〜5000本であることが好ましい。また、ロープヤーンS2は、3〜7本のリングヤーンS1からなるものであることが好ましい。
このとき、ストランドヤーンS3は10〜50本のロープヤーンS2からなるものであることが好ましく、生ロープS4としては2〜5本のストランドヤーンS3からなるものであることが好ましい。
この場合、衝撃吸収ロープの寸法安定性が増すという利点がある。
このとき、熱処理は、80〜100℃の温度で1〜10分行うことが好ましい。
また、撚数が高くなるとロープが締まって硬くなる傾向がある。ロープが硬くなりすぎると取扱いにくくなることから、各ヤーンの撚数には適当な範囲がある。
一般に、同じ撚数でも太いヤーン、ロープの方が細いヤーン、ロープよりも撚りが、きつくなる傾向がある。したがって、各ヤーンの撚数は内層ほど高く、外層ほど低く設定することが好ましい。すなわち、リングヤーンS1、ロープヤーンS2、ストランドヤーンS3、生ロープS4の順に撚数を減少させることが好ましい。
そうすると、衝撃が与えられたときに機械的強度を維持しつつ、衝撃吸収ロープ10が有効に伸張して衝撃を吸収する。
撚数が70より低いと、撚数が上記範囲内にある場合と比較して、伸度が不十分となり、撚数が150より高いと、撚数が上記範囲内にある場合と比較して、強度が低くなってタフネスが不十分となる。
撚数が60より低いと、撚数が上記範囲内にある場合と比較して、同様に伸度が不十分となり、撚数が130より高いと、撚数が上記範囲内にある場合と比較して、タフネスが不十分となる。
撚数が20より低いと、撚数が上記範囲内にある場合と比較して、同様に伸度が不十分となり、撚数が100より高いと、撚数が上記範囲内にある場合と比較して、タフネスが不十分となる。
撚数が10より低いと、撚数が上記範囲内にある場合と比較して、ストランドヤーンS3の収束性が悪くなり、撚数が40T/mより高いと、撚数が上記範囲内にある場合と比較して、衝撃吸収ロープ10が硬くなりすぎて取り扱いにくくなる。
また、最外層の生ロープS4については、硬くなりすぎることを防止するために撚係数は0.5〜2にすることが好ましい。
この場合、撚戻りが抑制される。また、衝撃吸収ロープに適度の腰を付与でき、取り扱い性が向上する。
このとき、ストランドヤーンに占める樹脂を含浸させたロープヤーンの割合は1/3〜1/2とすることが好ましい。
特に、衝撃吸収ロープを屋外で使用する場合には、顔料や紫外線吸収剤を配合することや樹脂を被覆することが有効である。また、ポリアミド繊維を撚糸して衝撃吸収ロープとする場合に油剤を付与すると、摩擦による毛羽や糸切れが抑制できて効果的である。このような各種の添加剤には特に制限はなく、適宜有効と考えられるものを用いればよい。
図2は、本発明に係る防護体の実施形態の一例を示す正面図である。
図2に示すように、本実施形態に係る防護体20は、網目状の合成繊維からなる防護ネット11と、該防護ネット11の周縁に設けられた周縁ロープ12と、防護ネット11を支持する支持ロープ13と、防護ネット11の両側に配置され、支持ロープ13が取り付けられた支柱15と、該支柱15を支持する支持具17とから構成される。
また、上記防護体20においては、支柱15に支持され、防護ネット11の裏面に直線状に取り付けられた3本の補助ロープ18を備える。
また、上記防護体20においては、補助ロープ18が取り付けられているので、落下物により局所的に防護ネット11が伸びて破断するのが抑制され、落下物による衝撃は補助ロープ18によっても吸収される。なお、かかる補助ロープ18は、防護ネット11の網目に交互に通してもよく、網目を通さず、防護ネット11の下面に接するように防護ネット11と平行に配置してもよい。
したがって、落石等の衝撃を吸収することができるので、防護体20の部材の破損が抑制される。
また、上記防護体20は、施工が容易であり、重機や専用設備が不要である。また、崖や斜面等の足場が悪いところであっても、施工が可能である。
ここで、本発明の衝撃吸収ロープは機械的特性や衝撃吸収性の他、軽量という特徴も有するので、金属製ネットよりも一般に軽量な有機繊維製ネットと組み合わせることにより、その特徴が更に活かせ、施工性や安全性に効果を発揮する。
防護ネット11の形状、網目の大きさ(目合い)、太さには限定はなく、設置される場所で予想される落石等の規模に応じて、適宜決定してよい。
例えば、コンクリート製支柱、コンクリートと鋼管で構成される構造体を基礎コンクリートや地中に埋設したもの等が挙げられる。また、落石の規模が比較的低いと予想される場合には、自然の立木を支柱として利用してもよい。
防護体20は、軽量であるために、支持具17を必ずしも頑強なものにする必要はないが、安全性向上の観点から、ワイヤーロープ等のように頑強なものとしてもよい。
かかる緩衝具としては、繊維製のロープを用いることが好ましい。
ロープ用の繊維としてはポリアミド繊維、ポリエステル繊維、塩化ビニル繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維や麻等の天然繊維等が挙げられる。
また、上述した衝撃吸収ロープを用いているので、落石等の衝撃を吸収することができ、防護体20の部材の破損が抑制される。
さらに、上述した衝撃吸収ロープが軽く作業性に優れているため、落石等で損傷したロープを交換することが容易であり、損傷しているかどうかも永久変形がどの程度生じているかにより容易に確認可能であるため、適宜のメンテナンスと早めの部材交換が可能である。よって、高いレベルで防護体20の性能を維持することができる。
伸度が100%、タフネスが350%・cN/dtex、繊度が1400dtexのポリアミド繊維3本をS撚方向に120T/mで撚り合わせてリングヤーンとし、このリングヤーン4本をZ撚方向に110T/mで撚り合わせてロープヤーンを作製した。さらに得られたロープヤーン30本をS撚方向に50T/mで撚り合わせてロープストランドを作製した。この時ロープヤーンには、あらかじめポリエステル系の樹脂を乾燥後重量で1重量%となるように含浸させた。このロープストランド3本をZ撚方向に20T/mで撚り合わせて繊維ロープとした。これを80℃で予熱し、100℃で熱処理して直径20mmのロープAを得た。
伸度が50%、タフネスが250%・cN/dtex、繊度が1400dtexのポリアミド繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、直径20mmのロープBを得た。
伸度が20%、タフネスが182%・cN/dtex、繊度が1400dtexのポリアミド繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、直径20mmのロープCを得た。
帝人ファイバー社製のポリエステル繊維(P949ML、繊度2110dtex)3本を撚り合わせてリングヤーンとしたこと以外は実施例1と同様にして、直径22mmのロープDを得た。
大綱社製の金属ワイヤーロープ(6×7(JIS規格品)、10mm径、強力52kN)をロープEとして用いた。
ロープヤーン150本を撚り合わせてロープストランドを作製したこと以外は実施例1と同様にして、直径44mmのロープFを得た。
実施例1,2及び比較例1,2で得られたロープA〜Dを次の測定方法に基づいて評価した。
A&D社製のテンシロン試験機を用いて、JIS L 2707(ポリエステルロープ)に準拠して測定した。得られた結果を表1に示す。
JIS L 1013における熱水収縮率:枷収縮率A法に準拠し測定した。すなわち検尺機で糸を10回転巻き取り、枷を作製する(n数は3)。そして、糸繊度(dtex)×(9/10)×20×1/30の初荷重(g)をかけて枷の長さを読み取る。なお、これは総繊度(de)の(1/30)荷重に該当する。次に、枷をガーゼに巻いて、沸騰水中で30分間処理した後に取り出す。枷を乾燥後に実験室・室温下で1晩放置し、その後、沸騰水処理前と同荷重をかけて枷の長さを再度測定する。そして、これらの差から収縮率を算出した。得られた結果を表1に示す。なお、表1中、ロープ構成糸特性とは、加工後のロープA〜Dを分解し、構成する糸の特性を測定したものである。
糸にマジックで一定長(100mm)の印を付ける。室温下、引張試験機で糸を20%伸張する(100→120mm)。引張試験機から糸を取り外し、実験室・室温下で1晩(16時間)放置する。上記一定長(100mm)の長さを再測定し、伸長時からの回復率を算出した。
安定した場所に水平に固定した架台の下部にひずみ計を設置する。ひずみ計にさつま結び等を用いてロープA〜Dの一方の端部をしっかり固定する。ロープA〜Dの他方の端部に2tの重錘を同様に固定する。ロープA〜Dの試験長は10mに調整する。ロープA〜Dがひずみ計から自然に垂れ下がった高さから、クレーン等を用いて重錘を1m持ち上げて落下させる(エネルギー量20kJ)。その際にひずみ計で計測された値を衝撃荷重とした。得られた結果を表1に示す。表中、ロープ伸びの「初期」は直後の、「最終」は室内にて室温(25℃)にて一晩(16時間)放置後にロープの伸び(%)を測定したものである。
図3の(a)及び(b)は、衝撃テストの概要を示す図である。
図3に示すように、3m×2mサイズのポリエステル製ネット21を地面と水平になるように配置し、最外部の網目にロープA〜Dを周縁ロープ22として通した。
そして、ポリエステル製ネット21の四隅にあたる部位の周縁ロープ22をひずみ計23を通じて架台25に固定した。
このポリエステル製ネット21の中心部に上方2mの高さより1tの重錘26を落下させた(エネルギー量20kJ)。このときのロープA〜Dの状態を観察し、ひずみ計23にかかる荷重を計測した。得られた結果を表1に示す。表中、ロープ伸びの「初期」は直後の、「最終」は室内にて室温(25℃)にて一晩(16時間)放置後にロープの伸び(%)を測定したものである。
実施例1のロープAは、軽量であるばかりではなく柔軟で扱い易く作業性に優れたものであった。このロープの20%伸長時からの回復率は75%であった。
また、衝撃荷重テストや衝撃テストの実施直後は、ロープは長さが17〜32%伸びていたが、その後伸張回復して最終的な永久変形は7〜14%であった。ロープには切断もなく、耐衝撃性に優れたものであった。
また、衝撃荷重テストや衝撃テストの実施直後は、ロープは長さが10〜20%伸びていたが、その後伸張回復して最終的な永久変形は5〜8%であった。ロープには切断もなく、耐衝撃性に優れたものであった。
また、実施例1,2のロープよりも強力が高いにもかかわらず、衝撃荷重テストを行った結果、ひずみ計で計測された荷重は加えた衝撃荷重とさほど変わらず、衝撃力をあまり吸収していなかった。
さらに、このロープを用いて衝撃テストを行った結果、衝撃が緩和されることなくポリエステル製ネットに伝わり、ネットが破断した。
また、衝撃荷重テストや衝撃テストの実施直後は、ロープは長さが15〜22%伸びていた。伸張回復後の最終的な永久変形は14〜21%であり、十分な伸長回復性能を有するものではなかった。
10・・・衝撃吸収ロープ
11・・・防護ネット
12,22・・・周縁ロープ
13・・・支持ロープ
15・・・支柱
17・・・支持具
18・・・補助ロープ
20・・・防護体
21・・・ポリエステル製ネット
23・・・ひずみ計
25・・・架台
26・・・重錘
S1・・・リングヤーン
S2・・・ロープヤーン
S3・・・ストランドヤーン
S4・・・生ロープ
Claims (11)
- ポリアミド繊維を撚り合わせてなる直径10〜40mmの衝撃吸収ロープであって、
前記ポリアミド繊維の伸度が50〜200%、タフネスが200〜400%・cN/dtex、沸水収縮率が5〜8%である衝撃吸収ロープ。 - 20%伸張時からの回復率が50〜100%である請求項1記載の衝撃吸収ロープ。
- 前記ポリアミド繊維が0.5〜20dtexの単糸100〜1000本から構成されるマルチフィラメントである請求項1記載の衝撃吸収ロープ。
- 前記マルチフィラメントが更に撚り合わされている請求項3記載の衝撃吸収ロープ。
- 前記ポリアミド繊維がナイロン6又はナイロン66である請求項1〜4のいずれか一項に記載の衝撃吸収ロープ。
- 強度が30〜100kN、伸度が50〜300%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の衝撃吸収ロープ。
- 長さを10mとし、一端を固定して長手方向の他端に20kJの衝撃力を付与した場合、一端が受ける衝撃荷重が16kN以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の衝撃吸収ロープ。
- 落下物を受け止める防護体に用いられる請求項1〜7のいずれか一項に記載の衝撃吸収ロープ。
- 伸度が50〜200%、タフネスが200〜400%・cN/dtex、沸水収縮率が5〜8%、20%伸張時からの回復率が50〜100%のポリアミド繊維を撚り合わせ、直径10〜40mmとする衝撃吸収ロープの製造方法。
- 前記ポリアミド繊維を複数回の合糸を経て撚り合わせたものであり、
該合糸の少なくとも1回は、その前に撚りを掛けた方向と逆方向に撚りを掛けるものである請求項9記載の衝撃吸収ロープの製造方法。 - 伸度が50〜200%、タフネスが200〜400%・cN/dtex、沸水収縮率が5〜8%であるポリアミド繊維を撚り合わせてリングヤーンを作製し、該リングヤーンを複数本撚り合わせてロープヤーンを作製し、該ロープヤーン複数本をロープヤーンの撚方向と逆方向に撚り合わせてストランドヤーンを作製し、ストランドヤーン複数本をストランドヤーンの撚方向と逆方向に撚り合わせて生ロープとし、生ロープを熱処理することによって直径10〜40mmとする衝撃吸収ロープの製造方法。
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