JP5296721B2 - 合成繊維製ネット - Google Patents

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Description

本発明は、落石防止ネットのように紫外線に晒された状態で強度を維持することが要求される合成繊維製ネットに関するものである。
山地、森林帯の斜面の石や土砂の落下を防止するために落石防止用のネットが敷設される。この落石防止用ネットは強度の面から、高い耐候性と強度を有する網として主に金網が用いられている。しかし金網は、重いため斜面地を引き上げるには労力を要し、また不安定な地盤には敷設できない。さらには剛性が高いために作業性が悪く、また地面や石等の形状になじみにくいので局所的にこれらに接した部分に応力が集中して破断しやすい。加えて、錆びて切れた網の先端が危険である等の欠点を有する。錆びによる欠点を補うために金属素線を樹脂で被覆した樹脂被覆金網も開発されているが、生産に特殊な設備を要するためコスト面で不利となっている。また金属性ワイヤーを用いた高い耐候性と強度を有する網が上市されているが、材料費が高く、また網状にするためにワイヤーの交差部分の全てに結束具をつける必要があるなど敷設に手間がかかるという欠点がある。
強度がさほど必要の無い斜面地には、金網に代えて軽量な合成繊維製のネットが利用される。しかしながら、合成繊維製のネットは太陽光に含まれる紫外線による劣化に対応せねばならず、例えば特許文献1には銅化合物とカーボンブラックまたはチタンブラックをポリアミド繊維に微分散し、酸化防止、紫外線吸収効果を付与した網が記載されている。
一方、分子結合の構造を工夫することにより強度を高めたポリエチレン単糸繊維が、特許文献2により知られている。この繊維は強度が強く、スチール製の金網を超える強度を有している。しかしながら、このような繊維は添加剤が加えられると分子構造そのものに影響を受けるため、耐候性を高めるための添加剤を加えた場合、本来の強度を保持することができない。近年、添加剤を用いることなく耐候性を高めた合成繊維製の網として合成繊維を樹脂で被覆した材料からなる網も上市されているが、生産に特殊な設備を要するためコスト面で不利となっている。
特開平9−78417号公報 特公昭64−8732号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされたもので、金網に匹敵する強度を有する一方、耐候性を具備し、軽量で作業性の優れた合成繊維製ネットを得ることを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、濃度の薄い樹脂溶液を紡糸金口から押し出し、得られたフィラメントを溶剤中のポリマーの膨潤点以下に冷却し、さらにポリマー融点の温度にまで加熱して引き伸ばすことにより得られる高強度合成繊維を撚糸し、一方ポリエチレンを加熱溶融させて紡糸金口から押し出して引き伸ばした耐候性合成繊維を撚糸し、前記耐候性合成繊維の撚糸が他方の前記高強度合成繊維の撚糸を螺旋状に被覆したことを特徴とする。
このようにして得られた高強度合成繊維は、鎖状巨大分子が長さ方向に配向しているため、殆ど延びることがなく、強靭な引っ張り強さを有する。一方、耐候性合成繊維は、側鎖を大量に有していることに起因して、紫外線が当たってもそのエネルギーが側鎖の分解に専ら消費されるため鎖状分子に影響を与えにくい。繊維自体の分子の配向を制御し耐候性を高めた繊維を側鎖を大量に有する分子からなる繊維で螺旋状に包囲した網糸を用いた合成繊維製ネットは、金属材料を用いた網に比べて軽いため、人力で運搬することができ、また不安定な地盤の上にも敷設可能である。さらに剛性が低いため、作業性が良く、また斜面や凹凸になじみ易いため落石の衝撃低減に効果がある。また当然ながら錆びて切れることが無い。さらには生産に特殊な設備を要せず、合成繊維や金属素線を樹脂で被覆した材料を用いた網に比べてコスト的にも優位である。
本実施例の合成繊維製ネットの構造を示す図である。 紫外線に曝された繊維の強度を測定した図である。
図1Aにおいて、合成繊維製ネット1は、2本の綱糸2を互いに撚った状態で縦横に延在させている。図中交差点cは、網糸を緩めた状態を示しているが、各交差点cおいては、縦の網糸2c、2dの撚による連続した2箇所のループc1、c2に縦の網糸2a、2bを夫々通過せることにより、無結節網を構成している。各網糸2は、芯3とこれを納める鞘4の2重構造となっている。
図1Bは、その構造を拡大したものである。芯3は多数の芯繊維束6を撚り合わせたものである。芯繊維束6は芯繊維7の撚糸である。芯繊維7は長繊維である。
一方、鞘4は、多数の鞘繊維束8により構成されている。夫々の鞘繊維束8は、芯3を中心にして撚られて、多数の鞘繊維束8全体により芯3を隙間無く螺旋状に包囲している。各鞘繊維束8は、鞘繊維9の撚糸である。鞘繊維9も芯繊維7と同様に、長繊維である。
芯繊維7は、ポリエチレン製であり鎖状巨大分子が長さ方向に配向した構造を持ち、かつ側鎖を殆ど持たない。このような芯繊維7は、濃度の薄いポリエチレン溶液を紡糸金口から押し出し、得られたフィラメントを冷却浴(水浴)を通して溶剤中のポリマーの膨潤点以下に冷却して得られたゲル状のフィラメントをポリマー融点の温度にまで加熱し大きく引き伸ばすことにより得られる。このようにして得られた芯繊維7は、鎖状巨大分子が長さ方向に配向しているため、殆ど延びることがなく、強靭な引っ張り強さを有する。このように鎖状巨大分子が長さ方向に配向した繊維として、例えば、東洋紡績株式会社製の「ダイニーマ」(商標登録第4910466号)は、直径12μmの一本のフィラメントの引っ張り強さ26〜36cN/dtexを有しており、低圧法により得られるポリエチレン繊維の強度(4.4〜7.9cN/dtex)を遥かに上回り、断面積当たりのスチールの強度を上回る高強力合成繊維である。
一般にこのような鎖状巨大分子が長さ方向に配向した繊維は、紫外線により強度が低下しやすい。これは側鎖が少ないことから、紫外線の持つエネルギーが直接に鎖状巨大分子の結合を破壊して強度の低下が進むと考えられている。
一方、鞘繊維9は、ポリエチレンを加熱溶融させて紡糸金口から押し出して引き伸ばした繊維である。この繊維は、芯繊維7と比べ側鎖を大量に有しており、かつ鎖状分子も長さ方向に配向したものではないため、芯繊維7よりも弾力性に富むが、強度は低い。この鞘繊維9は、側鎖を大量に有していることに起因して、紫外線が当たってもそのエネルギーは側鎖の分解に専ら消費され、鎖状分子に影響を与えにくいことが分かった。よって、高強力合成繊維である芯繊維7に対して、鞘繊維9は耐候性合成繊維ということができる。
図2は、芯繊維束6と鞘繊維束8との強度保持率を暴露月数により比較した図である。図に示すように、芯繊維束6は紫外線に暴露されると急速にその強度を落とす。これに対して、側鎖の多い鞘繊維束8の強度低下率は低い。
網糸2は、芯3が鞘4で包囲されているため、屋外において紫外線に暴露されることが無い。一方、鞘4は紫外線により強度は低下することになるが、その低下率は低く、芯3を包囲する強度としては十分である。また、鞘4は芯3よりも弾力性が高く、落石において引っ張り力が加わったときには殆ど延びない芯3が落石等による負荷を専ら受け止める。よって、鞘4はその強度が紫外線により低下したとしても、落石に耐えるネット1の強度としては影響を与えない。
以下、実施例を示す。
[落錘衝撃実験]
本発明の合成繊維性ネットが、規定の高さから落とした規定の重量の錘を捕捉出来るか否かを確かめるための落錘衝撃実験を実施した。
「引張強度試験」
本発明の合成繊維性ネットを用いた引張強度試験を実施した。定速緊張型引張試験機のつかみ具間隔を50cmに設定し、ネットから1節1脚の試験片を切り出してつかみ具にセットし、15cm/minの引張速度で引張強さと伸び率を測定した。
上記実施例においては、芯繊維7としてポリエチレンを材料としたが、鎖状巨大分子が長さ方向に配向した繊維の材料として、ポリアミド、ポリエステルを使用することができる。上記実施例においては、芯繊維7は、合成繊維製ネット1を端から端まで連続した長さを有する長繊維を利用した。また、鞘繊維9としてポリエチレンを材料としたが、ポリエステル、ナイロンを使用することができる。また、鞘繊維9も芯繊維7と同様に、合成繊維製ネット1を端から端まで連続した長さを有する長繊維を利用したが、短繊維であっても良い。鞘繊維9は、耐候性を高めるために、カーボンブラックを添加してもよい。鞘繊維9は、基本的には、強度には関係が無いためである。
芯繊維7及び鞘繊維9の繊度および本数は、上記実施例以外でも撚糸とすることができるものであれば、使用に差し支えはない。また撚糸をさらに数本〜十数本撚合わせてより太い撚糸にしてもよい。撚の方向および撚回数は任意に決めることができる。
鞘繊維束8が芯繊維束6を覆うように互いの位置を調整しながら撚合わせて網糸を作製する。芯繊維束6と鞘繊維束8との撚合わせは既存の合糸機を使用することができる。鞘繊維束8による芯繊維束6の被覆率は90〜100%とする。耐候性を高めたい場合は、鞘繊維9の割合を多くして厚い層になるようにする。強度を高めたい場合は、芯繊維7の割合を多くして厚い層になるようにする。
合糸機により撚合わせた網糸2を組網機にセットして合成繊維製ネット1を織る。網の目合は網糸2が太い場合、小さい目合の網を編むことは困難となるが、最大目合には制限はなく、網糸2の太さは、対象物の大きさや設置環境等により任意に決めることができる。
合成繊維製ネット1には耐候性を高めるためあるいは防汚を目的とした樹脂加工をしてもよく、また、網には正確な網目サイズにするため、熱延伸や熱収縮を製造工程に入れることができる。
上記実施例においては、合成繊維製ネット1は無結節網としたが、有結節網でも無結節網でもよい。一般的には、強度的には無結節網が有利である。理由は繊維の強度をそのまま網の強度とすることができ、縦横の強度差がなく、軽く、収納時に嵩張らないからである。
無結節網には貫通型無結節網、千鳥型無結節絹、亀甲型無結節網、ラッセル網、織網、二子撚網、三子撚網などが含まれる。また、有結節網には本目網や蛙又網、二重蛙又網が含まれる。
獣害を防止するために金属線を網糸2に仕込むこともできる。高強度合成繊維を耐候性合成繊維で螺旋状にカバーした網を用いた合成繊維製ネットは、重量が軽く、しなやかなため設置の際の作業性が良い。また、設置面の起伏に追従するため、軟弱な地盤にも設置できる。鞘繊維9には、着色剤を添加できるため、色を自由に選ぶことできる。合成繊維製ネットの太さや目合を容易に調整することも可能である。
1 網
2 網糸
3 芯
4 鞘
7 芯繊維
9 鞘繊維

Claims (3)

  1. 濃度の薄い樹脂溶液を紡糸金口から押し出し、得られたフィラメントを溶剤中のポリマーの膨潤点以下に冷却し、さらにポリマー融点の温度にまで加熱して引き伸ばすことにより得られる高強度合成繊維を撚糸し、一方ポリエチレンを加熱溶融させて紡糸金口から押し出して引き伸ばした耐候性合成繊維を撚糸し、前記耐候性合成繊維の撚糸が他方の前記高強度合成繊維の撚糸を螺旋状に被覆したことを特徴とする合成繊維製ネット。
  2. 前記高強度合成繊維および前記耐候性合成繊維が長繊維である請求項1に記載の合成繊維製ネット。
  3. 前記高強度合成繊維および前記耐候性合成繊維を構成する樹脂はポリエチレンである
    請求項1に記載の合成繊維製ネット。
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