JP4024093B2 - 衝撃吸収性繊維ロープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビルディングや鉄塔等の建築工事あるいは電気工事など高所作業を行う場合に使用する安全ロープとして好適な衝撃吸収性繊維ロープに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルディングや鉄塔等の建築工事あるいは電気工事など高所作業を行う場合、作業者は安全帯を着用し、安全ロープでその先端を固定し、転落災害対策を講じている。この安全帯・安全ロープは落下衝撃に耐える強度が必要であるが、一方、安全帯が人体に与える落下阻止衝撃は極めて大きく、人体がその衝撃に耐え得るかどうかも、安全装具性能として考慮しなければならない。米国の衝撃に対する生体実験から、人体は4000ポンド(18000N)の衝撃を受けると、ほとんど内臓に障害を起こし、死に至るという結果が判明し、人体が受ける落下衝撃は2000ポンド(9000N)を限度とするように安全装具は設計されなければならないという結論が導かれた。すなわち、安全帯・安全ロープは一定限度以上の強力性能が必要であり、かつ落下に伴う強い衝撃を吸収する性能も極めて重要な必要特性として具備しなければならない。
【0003】
このような課題を解決するために、特開平6−306783号公報では、高収縮性ポリエステル繊維またはナイロン繊維を用いたロープに制限熱収縮処理を施し、衝撃吸収性能の向上を図った繊維ロープが提案されている。このような処理を施されたポリエステル繊維(主としてポリエチレンテレフタレート繊維)あるいはナイロン繊維からなるロープは、確かに、作成初期においてはある程度の衝撃吸収性能を示すが、繰り返し伸張を受けるとロープ強力および衝撃吸収性能が低下してくるという欠点があった。しかも、実際の使用現場における安全ロープには、緊急時のみ伸張変形が加わるのでは無く、収納や持ち運び時に手摺や突起物に引っかかかるなどの伸長変形を頻繁に受けるのが常である。また、実際に落下阻止に遭遇した安全ロープでも通常は、工事が終了すると保管され、別の工事現場でも再使用される事が多い。そのため、衝撃吸収性繊維ロープは、数回の落下衝撃を受けることも多く、ロープ強力および衝撃吸収性能がその都度低下するという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、落下衝撃荷重による作業者が受けるダメージを低減できる、衝撃吸収性に優れ、繰り返し使用での強力低下および衝撃吸収性能劣化の少ない高所作業用安全ロープに最適な衝撃吸収性繊維ロープを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、上記課題は「直径10〜50mmの繊維ロープであって、該繊維ロープを構成する繊維が固有粘度0.7〜1.2、強度4〜7cN/dtex、伸度30〜50%及び伸張弾性回復率85%以上のポリトリメチレンテレフタレート繊維である衝撃吸収性繊維ロープとする」ことにより達成されることを見出した。さらには、繊維ロープにつないだ75kgの砂袋を2.5mの高さから落下させた時の繊維ロープにかかる最大衝撃荷重が9000N以下であることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の衝撃吸収性繊維ロープは、固有粘度0.7〜1.2、強度4〜7cN/dtex、伸度30〜50%及び伸張弾性回復率85%以上の特性を有するポリトリメチレンテレフタレート繊維から主に構成されている必要がある。ただし本発明の繊維ロープは、100%ポリトリメチレンテレフタレート繊維のみからなる必要は無く、その一部にポリトリメチレンテレフタレート繊維以外の繊維成分等を含んでいても良い。
【0007】
本発明の繊維ロープを構成する繊維成分であるポリトリメチレンテレフタレートとは、主たる繰り返し単位をトリメチレンテレフタレートとするポリエステルであって、本発明の目的を阻害しない範囲内、例えば全酸成分を基準として5モル%以下で第三成分を共重合していてもよい。好ましく用いられる第三成分としては、例えばイソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、金属スルホイソフタル酸などの酸性分や、1、4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール成分など、各種のものを用いることができ、紡糸安定性などを考慮して適宜選択すればよい。
【0008】
本発明者等は、このようなポリトリメチレンテレフタレートからなり、限定された特性を付与したポリトリメチレンテレフタレート繊維を使用した繊維ロープは、驚くべきことに、従来のポリエチレンテレフタレート繊維を使った繊維ロープに比較してより優れた衝撃吸収性能を有し、かつ繰り返し使用での強力低下および衝撃吸収性能劣化が際立って少ないことを見出した。トリメチレンテレフタレート繊維が繰り返し使用における強力および衝撃吸収性能保持効果のメカニズムは明確ではないが、ポリトリメチレンテレフタレート繊維はポリエチレンテレフタレート繊維に比較し、よりソフトで弾性に富んでいる物性が関係しているのではないかと想定される。
【0009】
本発明で用いられるポリトリメチレンテレフタレート繊維の固有粘度は0.7〜1.2、より好ましくは0.8〜1.0とする必要がある。固有粘度が0.7未満の場合、強度4cN/dtex以上、伸度30%以上を同時に満足する繊維物性が得られず、ロープ強力が不足したり、繊維の伸張不足によってロープの衝撃吸収性能が低くなったりする。固有粘度が1.2を超える場合は、伸度30〜50%を満たし、強度7cN/ctex以下となる繊維物性が得られず、ロープの最大衝撃荷重が増加する傾向にある。また、紡糸・延伸工程での糸切れが多くなり、安定してポリトリメチレンテレフタレート繊維を製造することが困難となる。
【0010】
本発明の繊維ロープを構成するポリトリメチレンテレフタレート繊維の強度は4〜7cN/dtex、好ましくは4.5〜6.5cN/dtex、である。強度が4cN/dtexよりも低い場合には、ロープ強力が不足し、安全ロープとして使用できなくなる。強度が7cN/dtexを超える場合は、ロープの最大衝撃荷重が増加する傾向にあり、安全ロープとしての使用に適しない。
【0011】
ポリトリメチレンテレフタレート繊維の伸度は、30%〜50%、好ましくは35〜45%、である。伸度が30%未満では、落下エネルギーをロープ伸張により吸収することが出来なくなる。一方伸度が50%以上では、強度を4〜7cN/dtexとすることができなくなる。
【0012】
また、本発明の繊維ロープを構成するポリトリメチレンテレフタレート繊維の伸長弾性回復率は85%以上、好ましくは87%以上である。実際の使用現場における安全ロープには、緊急時のみ伸張変形が加わるのでは無く、収納や持ち運び時に手摺や突起物に引っかかかるなどの伸長変形を頻繁に受けるのが常である。また、実際に落下阻止に遭遇した安全ロープでも、通常は工事が終了すると保管され、別の工事現場で再使用されるため、数回の落下衝撃を受けることが常である。ポリトリメチレンテレフタレート繊維の伸長弾性回復率が85%未満の場合は、このような繰り返しの伸張変形あるいは衝撃に対して初期のロープ特性(強力および衝撃吸収性)を維持することができなくなる。
【0013】
また、本発明に用いるポリトリメチレンテレフタレート繊維の単糸繊度は5〜15dtexの範囲が好ましく、撚り合わせ前の総繊度が1000〜1500dtexである場合、安全ロープ用衝撃吸収性繊維ロープなどに特に好適に用いられる。繊維断面形状は、特に規定する必要はないが、円形断面が強度、製糸安定性などの面から好ましい。
【0014】
本発明の衝撃吸収性繊維ロープは、上記のようなポリトリメチレンテレフタレート繊維から主に構成された繊維ロープであり、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を複数本撚り合わせてなるものである。本発明の衝撃吸収性繊維ロープは、その直径が10〜50mmのものである必要があり、さらに好ましくは10〜20mmの繊維ロープである。繊維ロープ直径が10mm未満であると、強度が不足し、安全ロープ等の用途に使用することができない。また、50mmより太い繊維ロープの場合には、本発明の繊維を用いずとも、衝撃吸収性を向上させることができる。
【0015】
さらに本発明の繊維ロープは、繊維ロープにつないだ75kgの砂袋を2.5mの高さから落下させた時の繊維ロープにかかる最大衝撃荷重が9000N以下であることが好ましい。さらには最大衝撃荷重が3000〜6000Nの範囲であることが好ましい。このように最大衝撃荷重が9000N以下である場合には、安全ロープとして基本的衝撃吸収性能を有している。繊維ロープの最大衝撃荷重が9000Nを超えると、人体が耐え得る衝撃荷重の限界値に近づくので、安全ロープ用途等での衝撃吸収性繊維ロープとしての使用が困難となる。
【0016】
また、落下衝撃に対してロープの切断が発生しないためには、最大衝撃荷重測定後の残存強力が15000N以上であることが好ましい。繊維ロープの太さにもよるが、最も好ましい残存強力は、18000〜30000Nの範囲であることである。また、この残存強力は、最大衝撃荷重測定を繰返しても低下しないことが重要であり、好ましくは、1回目の最大衝撃荷重測定後の残存強力に対して、30回目の最大衝撃荷重測定後の残存強力の維持率が90%以上、さらには95%以上であることが好ましい。なお、ここでいう最大衝撃荷重測定とは、先に述べた、75kgの砂袋を2.5mの高さから落下させ、繊維ロープにかかる荷重の最大値を測定することである。
【0017】
このような本発明の繊維ロープを構成するポリトリメチレンテレフタレート繊維は、例えば以下の方法で製造することができる。
すなわち、ポリトリメチレンテレフタレート重縮合工程で所望の共重合成分を所定量添加して固有粘度が0.5〜0.6のポリトリメチレンテレフタレートを得る。次いで、ペレット状に細断したポリトリメチレンテレフタレート(以下ポリトリメチレンテレフタレートチップと称する)を常法で固相重合し、固有粘度0.7〜1.5のポリトリメチレンテレフタレートチップを得る。
【0018】
次に、得られたポリトリメチレンテレフタレートチップを常法で乾燥する。なお、乾燥前に、必要に応じて例えば着色剤、艶消剤、紫外線吸収剤等の添加剤が予め配合されたマスターチップを該ポリトリメチレンテレフタレートチップに混合しても良い。乾燥されたポリトリメチレンテレフタレートチップを通常の溶融紡糸機にて溶融し、紡糸口金を通じて吐出し、吐出ポリマー糸条を融点以上の温度に加熱された雰囲気温度中を通過せしめた後、冷却風にて冷却固化せしめ、適量の油剤を付与し、500〜1000m/分の速度で引き取る。
【0019】
次に、得られた未延伸糸をガラス転移点以上の温度で予熱し、未延伸糸の紡糸引き取り速度に応じた延伸倍率(3.0〜5.0倍)で延伸し、次いで120〜200℃の温度で熱セットをして巻き取りポリトリメチレンテレフタレート繊維を得る。紡糸引き取り時、パッケージ状に未延伸糸を巻き取り、別途延伸しても良いが、紡糸引き取りしつつ、連続して延伸操作を行う紡糸・直延伸方式がより好ましい。
【0020】
このようにして得られたポリトリメチレンテレフタレート繊維は、数段階の撚りかけ、撚り合わせ工程を経て、本発明の衝撃吸収性繊維ロープとなる。例えば、2本〜8本をS撚あるいはZ撚りをかけて撚り合わせてリングヤーンとなす。次いで、該リングヤーン2〜4本をS撚あるいはZ撚りをかけて撚り合わせてロープヤーンとなし、さらに該ロープヤーン10〜30本をS撚あるいはZ撚りをかけて撚り合わせてロープストランドとなし、さらに該ロープストランド2〜4本をS撚あるいはZ撚りをかけて撚り合わせて繊維ロープとなす。各段階における撚数は繊維の総繊度、安全ロープの規格等に応じて適宜調整する。得られた繊維ロープは通常、120〜170℃で2〜5分間定長熱セットされて、安全ロープ等に使用可能な衝撃吸収性繊維ロープとなる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
【0022】
(1)固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定した。
【0023】
(2)強度、伸度
繊維試料をJIS−L1013の方法により引張試験を行い、破断時の強度、伸度を測定した。
【0024】
(3)弾性回復率
JIS−L1013の定義による伸長弾性率の測定方法に準拠して行った。繊維を、20℃、65%RHの温湿度管理された部屋で24時間放置後、引張試験機により糸長20cm、引張り速度2cm/分で10%伸長後、直ちに除重し、元のつかみ間隔に戻した後、直ちに2cm/分の引張り速度で引張った。そして、下記式により弾性回復率を求めた。
弾性回復率(%)=(L−L1)/L×100
L:10%伸長時の伸び(mm、ここでは20mm)
L1:第1回目引張り後の残留ひずみ(mm)
【0025】
(4)最大衝撃荷重
75kgの砂袋を2.5mの高さから落下させ、繊維ロープにかかる荷重の最大値をオシログラフにより測定した。
【0026】
(5)最大衝撃荷重測定後の残存強力と残存強力維持率
上記衝撃試験を行った後の繊維ロープを(株)東京試験機製作所の引っ張り試験機を用いて測定した切断時の強力を残存強力とした。
また、最大衝撃荷重試験を連続して30回繰り返して行い、残存最大衝撃荷重値を測定すると共に、衝撃1回目と30回終了後の残存強力より残存強力維持率(%)を求めた。
【0027】
[実施例1]
固有粘度0.6のポリトリメチレンテレフタレートチップを減圧下、180℃で固相重合を行い、固有粘度0.88のチップを得た。このチップを280℃の温度で溶融し、孔径0.6mmの紡糸孔を有する口金から吐出した。吐出された糸条は口金下に設けられた長さ300mm、温度300℃の加熱雰囲気を通過させた後、長さ500mmにわたって25℃、6Nm3/分の冷却風で冷却固化させ、油剤を付与し、800m/分の速度で引き取った。次に、未延伸糸を一旦巻き取ることなく、70℃加熱ローラーで予熱した後、延伸倍率3.8倍で延伸し、180℃で熱セットを行って、表1に示す特性のポリトリメチレンテレフタレート繊維(1100dtex/96fil.)を得た。
【0028】
得られたポリトリメチレンテレフタレート繊維3本をS撚、撚数80回/mで撚り合わせてリングヤーンとし、リングヤーン3本をZ撚、撚数80回/mで撚り合わせてロープヤーンを作成し、得られたロープヤーン21本をS撚、撚数16回/mで撚り合わせてロープストランドを作成し、得られたロープストランド3本をS撚、撚数23回/mで撚り合わせた。得られた繊維ロープは150℃で3分間定長熱セットし、直径14mmのロープとした。得られたポリトリメチレンテレフタレート繊維ロープは表1から明らかなように、優れた初期衝撃吸収性能(最大衝撃荷重5880N以下)を有し、かつ繰り返し衝撃を受けても、残存強力低下が少なく、衝撃吸収性能も高いレベルを維持していた。
【0029】
[比較例1]
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレートチップを減圧下、230℃で固相重合を行い、固有粘度0.97のチップを得た。このチップを305℃の温度で溶融し、孔径0.6mmの紡糸孔を有する口金から吐出した。吐出された糸条は口金下に設けられた長さ300mm、温度350℃の加熱雰囲気を通過させた後、長さ500mmにわたって25℃、7Nm3/分の冷却風で冷却固化させ、油剤を付与し、600m/分の速度で引き取った。次に、未延伸糸を一旦巻き取ることなく、90℃加熱ローラーで予熱した後、延伸倍率4.0倍で延伸し、200℃で熱セットを行って表1に示す特性のポリエチレンテレフタレート繊維(1100dtex/96fil.)を得た。
【0030】
使用した繊維以外は実施例1と同様にして繊維ロープを得た。得られたポリトリメチレンテレフタレート繊維ロープは表1から明らかなように、初期の衝撃吸収性能が劣り、また繰り返し衝撃により、残存強力が大幅に低下し、衝撃吸収性能の劣化も認められた。
【0031】
【表1】
【0032】
[実施例2〜3、比較例2〜4]
固相重合後のチップの固有粘度、紡糸温度、紡糸速度および延伸倍率を各々表2に示すように変更した以外は実施例1と同じ方法、条件様で紡糸・延伸を行い表2に示す特性のポリトリメチレンテレフタレート繊維(1100dtex/96fil.)を得た。なお、紡糸速度・延伸倍率に応じてポリトリメチレンテレフタレート繊維の総繊度が1100dtexとなるようにポリマー吐出量を調整した。得られたポリトリメチレンテレフタレート繊維を実施例1と同じ方法、条件でロープとした。
【0033】
表2から明らかなように、本発明の範囲内の特性を有するポリトリメチレンテレフタレート繊維を使用した実施例2および3のロープは、何れも、優れた初期衝撃吸収性能(最大衝撃荷重6000N以下)を有し、かつ繰り返し衝撃を受けても、残存強力低下が少なく、衝撃吸収性能も高いレベルを維持していた。ポリトリメチレンテレフタレート繊維の固有粘度および強度が本発明の範囲を下回る比較例2のロープは、初期衝撃残存強力が低く、安全ロープとして使用できる性能を有していなかった。ポリトリメチレンテレフタレート繊維の固有粘度および強度が本発明の範囲を上回る比較例3のロープは、初期の衝撃吸収性能が劣り、安全ロープとして使用できる性能を有していなかった。また、紡糸・延伸工程で断糸が頻発し、安定してポリトリメチレンテレフタレート繊維を製造することが困難であった。ポリトリメチレンテレフタレート繊維の伸張弾性回復率が本発明の範囲を下回る比較例4のロープは、繰り返し衝撃により、残存強力が安全ロープ許容限界以下に低下し、かつ衝撃吸収性能の劣化も認められた。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、落下衝撃荷重による作業者が受けるダメージを低減できる、衝撃吸収性に優れ、繰り返し使用での強力低下および衝撃吸収性能劣化の少ない高所作業用安全ロープに最適な衝撃吸収性繊維ロープを提供する。
Claims (2)
- 直径10〜50mmの繊維ロープであって、該繊維ロープを構成する繊維が固有粘度0.7〜1.2、強度4〜7cN/dtex、伸度30〜50%及び伸張弾性回復率85%以上のポリトリメチレンテレフタレート繊維であることを特徴とする衝撃吸収性繊維ロープ。
- 繊維ロープにつないだ75kgの砂袋を2.5mの高さから落下させた時の繊維ロープにかかる最大衝撃荷重が9000N以下である請求項1記載の衝撃吸収性繊維ロープ。
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