JP5392562B2 - ハンマドリル - Google Patents
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Description
本発明はハンマドリルに関し、特に軽量化が要求されるハンマドリルに関する。
従来からドリルビットを回転させると共にドリルビットに打撃力を加えるハンマドリルが知られている。ハンマドリルは打撃力を発生させるために、モータと、シリンダと、シリンダ内に配置されたピストンと、モータの回転力をピストンの往復運動に変換する運動変換機構と、ピストンにより駆動される打撃子とを備えている。
ピストンは、略円筒状部と、略円筒状部の軸方向一端に接続され略円筒状部の軸方向一端を閉塞する蓋部とを有しており、運動変換機構に連結されている。運動変換機構により、ピストンは略円筒状部の軸方向に往復運動する。
打撃子は、円筒状ピストン内を円筒状ピストンの軸方向へ摺動可能に設けられている。打撃子は、蓋部の内面及び略円筒状部の内周面と協働して空気室を画成する。このようなハンマドリルは、例えば特開2004−114251号公報(特許公報1)に記載されている。同公報記載のハンマドリルでは、軽量化を図るためにピストンは樹脂により構成されている。
しかし、前述したような従来のハンマドリルでは、ピストンを往復運動させることにより生ずる空気室内の空気の圧力変化により打撃子を往復運動させており、ピストンの蓋部に対向する打撃子の端面が当該蓋部に近接したときに空気室内の空気が圧縮され、空気室内の空気の内圧が高くなる。
前述のように、ピストンは樹脂により構成されているため、この内圧により、蓋部に接続されている略筒状部の部分は、略筒状部の半径方向外方へ膨張し、当該膨張した部分がシリンダの内周面と接触して磨耗が増大し、最終的には破損するという問題が生ずる。このようなことが生ずるのは、樹脂はアルミ材に比べてヤング率が小さいためである。ここで、膨張の低減を図るためにピストンの肉厚を厚くすると、ピストン重量が重くなり、軽量化を図るために樹脂化した意味がなくなる。
そこで、本発明は、軽量化を図ることができ、ピストンが空気室の内圧に耐えうるハンマドリルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、モータと、該モータの回転力を往復運動に変換する運動変換機構と、略円筒状部と該略円筒状部の軸方向一端に接続され該略円筒状部の軸方向一端を閉塞する蓋部とを有し、該運動変換機構に連結され該略円筒状部の軸方向に往復運動する円筒状ピストンと、該円筒状ピストン内において該略円筒状部の軸方向へ該円筒状ピストンの内周面に摺動可能に設けられ、該蓋部の内面及び該略円筒状部の内周面と協働して空気室を画成する打撃子とを備え、該円筒状ピストンを往復運動させることにより生ずる該空気室内の空気の圧力変化により該打撃子を往復運動させるハンマドリルにおいて、該略円筒状部に接続された該蓋部の内面の部分には、該略円筒状部の軸方向へ窪んだ応力分散凹部が形成されているハンマドリルを提供している。
略円筒状部に接続された蓋部の内面の部分には、略円筒状部の軸方向へ窪んだ応力分散凹部が形成されているため、円筒状ピストンを樹脂で構成した場合であっても、空気室内の空気の圧力変化により空気室を画成している略円筒状部の部分が膨張することを防止することができる。このため、略円筒状部の当該膨張した部分がシリンダの内周面と摺動して摩耗し破損するといった不具合が生ずることを防止し、且つ軽量化が図られたハンマドリルとすることができる。
ここで、該応力分散凹部は、該蓋部の全周に渡って形成され、該略円筒状部の軸心を含む平面で切った断面形状が円弧状をなしていることが好ましい。
応力分散凹部は、蓋部の全周に渡って形成され、略円筒状部の軸心を含む平面で切った断面形状が円弧状をなしているため、空気室内の空気の圧力変化による応力をより効果的に分散させることができ、空気室内の空気の圧力変化により空気室を画成している略円筒状部の部分が膨張することを、より確実に防止することができる。
また、該略円筒状部の内径は該略円筒状部の軸方向における任意の位置において一定であり、該略円筒状部は、軸方向一端寄りの部分をなす厚肉部と軸方向他端寄りの部分をなす薄肉部とを有し、該空気室は該厚肉部の部分の該略円筒状部の内周面と該蓋部の内面と打撃子とにより画成されることが好ましい。
略円筒状部の内径は略円筒状部の軸方向における任意の位置において一定であり、略円筒状部は、軸方向一端寄りの部分をなす厚肉部と軸方向他端寄りの部分をなす薄肉部とを有し、空気室は厚肉部の部分の該略円筒状部の内周面と蓋部の内面と打撃子とにより画成されるため、空気室を画成する略円筒状部の部分を強化することができ、空気室内の空気の圧力変化により空気室を画成している略円筒状部の部分が膨張することを、より確実に防止することができる。
また、略円筒状をなすシリンダを備え、該円筒状ピストンの薄肉部は該シリンダ内において該シリンダの軸方向へ移動可能であり、該円筒状ピストンの厚肉部は該移動により該シリンダの軸方向一端部内と該一端部外とを出入り可能であり、該シリンダの軸方向一端部は、内径が該厚肉部の外径よりも大きい内径拡大部を有することが好ましい。
シリンダの軸方向一端部は、内径が厚肉部の外径よりも大きい内径拡大部を有するため、円筒状ピストンの厚肉部がシリンダの軸方向一端部内と一端部外とを出入りする際に、厚肉部がシリンダの内周面に当接することを防止することができる。
また、該内径拡大部よりも該シリンダの他端部寄りの部分は、内径が該円筒状ピストンの薄肉部の外径と略同一である内周面縮径部を有することが好ましい。
内径拡大部よりもシリンダの他端部寄りの部分は、内径が円筒状ピストンの薄肉部の外径と略同一である内周面縮径部を有するため、シリンダの軸方向一端部が内径拡大部を有している場合であっても、内径拡大部よりもシリンダの他端部寄りの部分が円筒状ピストンの薄肉部と摺動することができるため、シリンダは常に円筒状ピストンを支持することができ、円筒状ピストンがシリンダから外れてしまうことを防止することができる。
また、該円筒状ピストンは樹脂製であることが好ましい。円筒状ピストンは樹脂製であるため、ハンマドリルの軽量化を図ることができる。
以上より本発明は、軽量化を図ることができ、ピストンが空気室の内圧に耐えうるハンマドリルを提供することができる。
本発明によるハンマドリルの実施の形態について図1乃至図8を参照しながら説明する。ハンマドリル1は、互いに接続されたハンドル部10及びモータケーシング20と、ギヤケーシング30とを有するケーシング部2を外殻として有している。
ハンドル部10は、モータケーシング20の一端部から延出しており、ギヤケーシング30は、モータケーシング20の他端部に接続されている。ハンドル部10には、電源ケーブル11が取り付けられ、またスイッチ機構12が内蔵されている。スイッチ機構12には、ハンマドリル1の使用者が操作可能なトリガ13が機械的に接続されている。電源ケーブル11によりスイッチ機構12は図示せぬ外部電源に接続される。トリガ13を操作することにより、スイッチ機構12と電源との接続/遮断が切換えられる。
ここで、ハンマドリル1において、ケーシング部2の長手方向たる図1の左右方向においてハンドル部10が設けられている側を後側と定義し、長手方向反対側を前側と定義する。またハンドル部10のケーシング部2からの延出方向、即ち前後方向と略直交する方向たる図1の下側を下側と定義し、図1の上側を上側と定義する。
ハンドル部10及びモータケーシング20は樹脂成型されて構成されており、これらは一体成型されている。モータケーシング20内には電動モータ21が収納されている。電動モータ21は駆動軸である出力軸部22を備え、回転駆動力を出力する。出力軸部22は、後述のベアリング31Aにより軸支され、その前側先端がギヤケーシング30内に位置している。また出力軸部22のギヤケーシング30内に位置している前側先端部分には、出力軸部22と一体回転する第一ギヤ22Bが設けられている。
ギヤケーシング30の内部にはインナカバ31が設けられている。インナカバ31は、ナイロン等の一般的にエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂を基材として構成されており、モータケーシング20に接続される基部32と、基部32から前側へ向けて延出するシリンダ部支持部33とを備えている。またインナカバ31は一体成形されて構成されている。
基部32は、前後方向と直交する板状に構成されている。基部32には、図7に示すように、略中央部分に出力軸部22が挿通される孔32aが形成されており、四隅にモータケーシング20に接続される図示せぬネジを通す孔31a(図6)が形成されている。また、基部32のモータケーシング20と接続される面には、出力軸部22軸支するベアリング31Aが配置されるための孔32aが形成されている。また、ギヤケーシング30側の面には、後述の中間軸部41を軸支するベアリング41Bが配置される孔32bが形成されている。
シリンダ部支持部33の延出端には、ジュラルミン(JIS A7075)よりも硬度の低いADC12等のアルミニウム合金、又は、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の樹脂材からなる軸受保持部35が設けられている。軸受保持部35は環状をなしている。軸受保持部35のシリンダ部支持部33側端部はフック状部35A(図7)を有しており、フック状部35Aは、シリンダ部支持部33の延出端に形成された被フック状部33Cに係合している。この係合により軸受保持部35は、シリンダ部支持部33の延出端に固定されている。
軸受保持部35の内周面には、図5及び図7に示すように、焼結材により構成された環状のメタル軸受34が、かしめにより固定されて設けられている。図5に示すように、シリンダ部支持部33のメタル軸受34と基部32との間の部分は、前後方向と直交する断面が半円弧と半円弧の両端から略平行に延出される一対の辺とから規定される略U字状を成しており、略U字状の内側には、下側へ向けて開口する空間33aが形成されている。
図7に示すように、メタル軸受34の内面には軸受内面34Aが規定され、シリンダ部支持部33の内面には支持部内面33Aが規定されている。シリンダ部支持部33及びメタル軸受34をメタル軸受34の中心軸を通り前後方向と平行な断面で切断した場合に、軸受内面34Aは支持部内面33Aよりメタル軸受34の中心軸に近接するよう突出して構成されている。軸受内面34Aは、シリンダ部支持部33の内周面に前述のようにかしめによりメタル軸受34が固定された後の後加工により、高い精度で規定されている。
また、出力軸部22が挿通される孔32aを画成している基部32の部分にはベアリング支持環状部32A(図7)が設けられている。より具体的には、ベアリング支持環状部32Aの内周面は孔32aのモータケーシング20側の部分を画成しており、後述のベアリング31Aがベアリング支持環状部32Aの内周面と出力軸部22との間に配置され保持される。ベアリング支持環状部32Aは、ADC12等のアルミニウム合金、又は、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の樹脂材により構成されている。
図1に示すように、ギヤケーシング30内のインナカバ31の下方には、後述の回転伝達機構を収容する減速室40aが画成されている。減速室40a内には中間軸部41が配置されている。中間軸部41は、出力軸部22と平行に配置されており、ベアリング41B等を介してギヤケーシング30とインナカバ31とにより、その軸心を中心に回転可能に支承されている。また、ギヤケーシング30の、後述する工具保持部15近傍には、サイドハンドル16が設けられている。
中間軸部41の後端部となる電動モータ21側の端部には、第一ギヤ22Bと噛合する第二ギヤ41Aが中間軸部41に同軸固定されている。中間軸部41の第二ギヤ41Aよりも前側には中間軸部41と共回りし、かつ中間軸部41の軸方向に摺動可能なクラッチ42が配置されている。またクラッチ42よりも前側には、後述の第四ギヤ44Aと噛合可能な第三ギヤ43Aが設けられている。
ギヤケーシング30内の中間軸部41の前側であって上側近傍の位置には、シリンダ44が設けられている。シリンダ44はその軸心が中間軸部41と平行に延び、インナカバ31におけるシリンダ部支持部33のメタル軸受34と、ギヤケーシング30におけるベアリング40Dとにより回転可能に支承されている。シリンダ44の外周であって第三ギヤ43A近傍には第四ギヤ44Aがシリンダ44と同軸回転可能に固定されている。第三ギヤ43Aと第四ギヤ44Aとの噛合により、シリンダ44はその軸心を中心として回転可能である。
また第四ギヤ44Aとシリンダ44との間には、遮断機構が介在している。遮断機構は、シリンダ44の第四ギヤ44A近傍位置に設けられた鍔部44Bと、第四ギヤ44を挟んで鍔部44Bの反対側に設けられて第四ギヤ44Aを鍔部44Bに付勢するバネ44Cとから構成されている。通常回転時では、バネ44Cにより第四ギヤ44Aを鍔部44Bに付勢し、第四ギヤ44Aとシリンダ44とを一体に回転させる。図示せぬ先端工具が図示せぬ被削材に食い込む等の急激な回転の変化があったときには、バネ44Cの付勢力に抗して第四ギヤ44Aが後方へ動くことによりシリンダ44に対して第四ギヤ44Aが空転し、急激な回転の変化の伝達を遮断することができるように構成されている。
シリンダ44の前部には図示せぬ先端工具の装着箇所となる工具保持部15が設けられている。工具保持部15では、シリンダ44の後述の前端の開口から後述するシリンダ44の空間44a内に図示せぬ先端工具を挿入可能となっており後述の空間44a内に挿入された先端工具を固定可能である。
シリンダ44は、内部に空間44aが画成されており、空間44aはシリンダ44の前端及び後端でそれぞれ開口している。シリンダ44の軸方向一端部たる後端部は、図3に示すように内径が大きい内径拡大部44Dを有しており、内径拡大部44Dよりもシリンダ44の他端部寄り、即ち前端部寄りの部分は、内径拡大部44Dよりも内径の小さな内周面縮径部44Eを有している。さらに内周面縮径部44Eよりも前端部寄りの部分は、内周面縮径部44E(図2等)よりも内径の小さな小内径部44Fを有している。シリンダ44内にはピストン54が、シリンダ44の内周面縮径部44Eの内周面に対してシリンダ44の軸方向及び周方向へ摺動可能に設けられている。シリンダ44後端の開口部分においてはピストン54の一端部が、空間44aよりも後方の空間44a外方から空間44a内へと出入り可能である。
ピストン54は、図4(a)に示すように筒部54Aと蓋部54Cと接続部54Bとから一体に構成されており、ADC12等のアルミニウム合金、又は、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の樹脂材からなる。筒部54Aは略円筒状部に相当する。筒部54Aは前端が開口し後端が蓋部54Cにより閉塞された略円筒状をなしており、筒部54Aの内周面と蓋部54Cの内面とは一体接続されている。また、筒部54Aの周面には複数の空気孔54bが形成されている。筒部54Aの内周面と蓋部54Cの内面と後述の打撃子56(図1等)とにより空気室54a(図1等)が画成されている。筒部54Aの内径は24mm程度である。
ピストン54の筒部54Aの内周面に接続された蓋部54Cの内面の部分には、筒部54Aの軸方向へ窪んだ応力分散凹部54cが形成されている。応力分散凹部54cは、図4(b)に示すように蓋部54Cの全周に渡って形成されており、筒部54Aの軸心を含む平面で切った断面形状が、図4(c)に示すように円弧状をなしている。
より詳細には、図4(c)に示すように、筒部54Aの内周面に続く略1/4の円弧R1と当該円弧R1に続く略1/4の円弧R2とにより、略半円形状の応力分散凹部54cが形成されており、円弧R1の半径は2mm程度、円弧R2の半径は1mm程度である。また、円弧R1と筒部54Aの内周面との接続位置と、蓋部54Cの内面との距離Aは0.8mm程度である。蓋部54Cに対向する後述の打撃子56の端面と打撃子56の周面との接続部分にはC面加工が施されているため、図3(a)に示すように打撃子56がもっとも後方に移動したときに、円弧R1と筒部54Aの内周面との接続位置がこのような位置であっても後述の打撃子56の移動の妨げとはならない。なお、図4(c)においては、説明の便宜上円弧R1、円弧R2、距離Aを大きく図示している。
また、図4(a)に示すように、筒部54Aの内径は筒部54Aの軸方向における任意の位置において一定である。筒部54Aの一部であって空気孔54bが形成されている位置から蓋部54Cに接続された筒部54Aの一端部に至るまでの部分は、空気孔54bが形成されている位置から筒部54Aの他端部に至るまでの部分よりも厚い厚肉部54Dをなす。空気室54aは厚肉部54Dの内周面と蓋部54Cの内面と後述の打撃子56とにより画成されている。空気孔54bが形成されている位置から筒部54Aの他端部に至るまでの部分は薄肉部54Eをなす。厚肉部54Dの厚さは2.0mm程度であり、薄肉部54Eの厚さは1.5mm程度である。
ピストン54の薄肉部54Eの外径は、当該ピストン54の薄肉部54Eの外周面がシリンダ44の内周面縮径部44Eと摺動可能となるように、シリンダ44の内周面縮径部44Eの内径と略同一である。また、ピストン54の厚肉部54Dの外径は、当該ピストン54の厚肉部54Dの外周面がシリンダ44の内径拡大部44Dと対向可能であり、厚肉部54Dの部分がシリンダ44の内径拡大部44Dにより画成されている空間44aの部分内に収容可能となるように、シリンダ44の内径拡大部44Dの内径よりも小さい。接続部54Bは筒部54Aの後端側に設けられており、後述の腕部52Aと連結されている。
ピストン54の空気室54a内には、打撃子56が往復摺動可能に配置されている。打撃子56は、ピストン54が後側から前側へと移動した際に、空気室54a内の圧縮された空気の圧力により、前側へと移動可能に構成されている。またシリンダ44の空間44a内において、ピストン54と工具保持部15との間の部分には中間子57が設けられている。中間子57は、その後端が打撃子56に当接可能であり、前端が工具保持部15に保持された図示せぬ先端工具に当接可能である。中間子57は、シリンダ44の小内径部44F(図3)に摺動可能に配置されている。打撃子56が中間子57を打撃した際に、その打撃力は中間子57を介して図示せぬ先端工具に加えられる。
中間軸部41の前後方向において、第二ギヤ41Aとクラッチ42との間には、カム部51が設けられている。カム部51は略半球状に構成されており、中間軸部41とは通常非接続となっており、非接続の状態では中間軸部41に対してカム部51は相対的に回転可能である。後述のチェンジレバ45によりクラッチ42が中間軸部41に沿って後方へ移動させられることによりカム部51と係合し、クラッチ42とカム部51とが連結された状態となり、カム部51が中間軸部41と供回りするように構成されている。
カム部51は表面に中間軸部41の軸と交差する方向に球面外周全周に亘る溝51aが形成されている。またカム部51には運動変換部材52が設けられている。運動変換部材52は、略環状に構成され、環状の内部に複数のボール52Bを備え、このボール52Bが溝51aと係合してカム部51に取り付けられている。運動変換部材52の上方に位置する部分からは腕部52Aが延出しており、腕部52Aはインナカバ31の空間33a内に挿入され、ピストン54の後部たる接続部54Bと連結されている。このカム部51と運動変換部材52とボール52Bとから運動変換機構が構成される。
ギヤケーシング30の下部であってクラッチ42近傍位置には、チェンジレバ45が設けられている。チェンジレバ45は、ハンマドリル1の使用者によって操作されることによりクラッチ42を前後に移動させ、クラッチ42とカム部51との連結/非連結を切換える。
上記構成のハンマドリル1において使用者が作業をする場合には、先ずチェンジレバ45により、図示せぬ先端工具を回転駆動するか、回転・打撃駆動するか選択する。
図示せぬ先端工具を回転・打撃駆動する場合には、クラッチ42とカム部51とを連結する。そしてトリガ13を引き、電動モータ21に電力を供給することにより、シリンダ44を回転させる。このことにより、シリンダ44の先端に取り付けられた図示せぬ先端工具はシリンダ44と一緒に回転する。また、カム部51により、回転運動を往復運動に変換することにより、ピストン54が前後に往復し、図示せぬ先端工具に打撃力が加えられる。
筒部54Aの内周面に接続された蓋部54Cの内面の部分には、筒部54Aの軸方向へ窪んだ応力分散凹部54cが形成されているため、ピストン54が樹脂で構成されていても、空気室54a内の空気の圧力により空気室54aを画成している筒部54Aの部分が膨張することを防止することができる。このため、筒部54Aの当該膨張した部分がシリンダ44の内周面と摺動して摩耗し破損するといった不具合が生ずることを防止し、且つ軽量化が図られたハンマドリル1とすることができる。
また、応力分散凹部54cは、蓋部54Cの全周に渡って形成され、筒部54Aの軸心を含む平面で切った断面形状が円弧状をなしているため、空気室54a内の空気の圧力による応力をより効果的に分散させることができ、空気室54a内の空気の圧力により空気室54aを画成している筒部54Aの部分が膨張することを、より確実に防止することができる。
また、筒部54Aの内径は筒部54Aの軸方向における任意の位置において一定であり、筒部54Aは厚肉部54Dと薄肉部54Eとを有し、空気室54aは厚肉部54Dの内周面と蓋部54Cの内面と打撃子56とにより画成されるため、空気室54aを画成する筒部54Aの部分を強化することができ、空気室54a内の空気の圧力により空気室54aを画成している筒部54Aの部分が膨張することを、より確実に防止することができる。
また、シリンダ44の後部は、内径が厚肉部54Dの外径よりも大きい内径拡大部44Dを有するため、ピストン54の厚肉部54Dがシリンダ44の後部内と当該後部外とを出入りする際に、厚肉部54Dがシリンダ44の内周面に当接することを防止することができる。
また、内径拡大部44Dよりも前方の内周面縮径部44Eの内径は、ピストン54の薄肉部54Eの外径と略同一であるため、シリンダ44の後部が内径拡大部44Dを有していても、内周面縮径部44Eがピストン54の薄肉部54Eと摺動することができるため、シリンダ44は常にピストン54を支持することができ、ピストン54がシリンダ44から外れてしまうことを防止することができる。また、ピストン54は樹脂製であるため、ハンマドリル1の軽量化を図ることができる。
本発明のハンマドリルは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本実施の形態によるハンマドリル1のようにシリンダ44を有する構成のハンマドリルに限定されず、シリンダ44を有していない構成のハンマドリルに応用してもよい。
本発明のハンマドリルは、軽量化が要求されるハンマドリルの分野において特に有用である。
1・・ハンマドリル 21・・電動モータ 22・・出力軸部 31・・インナカバ 34・・メタル軸受 44D・・内径拡大部 51・・カム部 52・・運動変換部材 52B・・ボール 54・・ピストン 54A・・筒部 54B・・接続部 54C・・蓋部 54a・・空気室 54c・・応力分散凹部 56・・打撃子
Claims (6)
- モータと、
該モータの回転力を往復運動に変換する運動変換機構と、
略円筒状部と該略円筒状部の軸方向一端に接続され該略円筒状部の軸方向一端を閉塞する蓋部とを有し、該運動変換機構に連結され該略円筒状部の軸方向に往復運動する円筒状ピストンと、
該円筒状ピストン内において該略円筒状部の軸方向へ該円筒状ピストンの内周面に摺動可能に設けられ、該蓋部の内面及び該略円筒状部の内周面と協働して空気室を画成する打撃子とを備え、
該円筒状ピストンを往復運動させることにより生ずる該空気室内の空気の圧力変化により該打撃子を往復運動させるハンマドリルにおいて、
該略円筒状部に接続された該蓋部の内面の部分には、該略円筒状部の軸方向へ窪んだ応力分散凹部が形成されていることを特徴とするハンマドリル。 - 該応力分散凹部は、該蓋部の全周に渡って形成され、該略円筒状部の軸心を含む平面で切った断面形状が円弧状をなしていることを特徴とする請求項1記載のハンマドリル。
- 該略円筒状部の内径は該略円筒状部の軸方向における任意の位置において一定であり、
該略円筒状部は、軸方向一端寄りの部分をなす厚肉部と軸方向他端寄りの部分をなす薄肉部とを有し、該空気室は該厚肉部の部分の該略円筒状部の内周面と該蓋部の内面と打撃子とにより画成されることを特徴とする請求項1記載のハンマドリル。 - 略円筒状をなすシリンダを備え、該円筒状ピストンの薄肉部は該シリンダ内において該シリンダの軸方向へ移動可能であり、該円筒状ピストンの厚肉部は該移動により該シリンダの軸方向一端部内と該一端部外とを出入り可能であり、
該シリンダの軸方向一端部は、内径が該厚肉部の外径よりも大きい内径拡大部を有することを特徴とする請求項3記載のハンマドリル。 - 該内径拡大部よりも該シリンダの他端部寄りの部分は、内径が該円筒状ピストンの薄肉部の外径と略同一である内周面縮径部を有することを特徴とする請求項4記載のハンマドリル。
- 該円筒状ピストンは樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一記載のハンマドリル。
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