JP5385897B2 - 膜電極接合体、燃料電池および燃料電池システム - Google Patents

膜電極接合体、燃料電池および燃料電池システム Download PDF

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Description

本発明は、水素と酸素の電気化学反応により発電する燃料電池に関する。
近年、エネルギー変換効率が高く、かつ、発電反応により有害物質を発生しない燃料電池が注目を浴びている。こうした燃料電池の一つとして、100℃以下の低温で作動する固体高分子形燃料電池が知られている。
固体高分子形燃料電池は、電解質膜である固体高分子膜を燃料極と空気極との間に配した基本構造を有し、燃料極に水素を含む燃料ガス、空気極に酸素を含む酸化剤ガスを供給し、以下の電気化学反応により発電する装置である。
燃料極:H→2H+2e ・・・(1)
空気極:1/2O+2H+2e→HO ・・・(2)
アノードおよびカソードは、それぞれ触媒層とガス拡散層が積層した構造からなる。各電極の触媒層が固体高分子膜を挟んで対向配置され、燃料電池を構成する。触媒層は、触媒を担持した炭素粒子がイオン交換樹脂により結着されてなる層である。ガス拡散層は酸化剤ガスや燃料ガスの通過経路となる。
アノードにおいては、供給された燃料中に含まれる水素が上記式(1)に示されるように水素イオンと電子に分解される。このうち水素イオンは固体高分子電解質膜の内部を空気極に向かって移動し、電子は外部回路を通って空気極に移動する。一方、カソードにおいては、カソードに供給された酸化剤ガスに含まれる酸素が燃料極から移動してきた水素イオンおよび電子と反応し、上記式(2)に示されるように水が生成する。このように、外部回路では燃料極から空気極に向かって電子が移動するため、電力が取り出される(特許文献1参照)。
家庭用固体高分子形燃料電池システムの簡素化、低コスト化を行うにあたって、発電部である膜電極接合体には、加湿温度、電池温度の温度揺らぎへのロバスト性、耐久性が要求される。現在のMEAでは加湿温度の揺らぎ、セル温度の揺らぎが起こると電圧の変動も起こる。また、電圧低下率が従来の低加湿連続運転に対して高くなることが確認されている。これらの問題の解決法の一つとして、特許文献2では、メソポーラスシリカなどの調湿剤を電解質膜と触媒層との界面、触媒層とガス拡散層との界面、ガス拡散層の外側などに層状に配置している。この調湿層によって、燃料電池内部の湿度が一定に保たれ、固体高分子電解質膜が適度に加湿され、さらなる調湿用補助装置を必要としない燃料電池が考案されている。
特開2002−203569号公報 特開2002−270199号公報
特許文献2に記載の燃料電池では、実際に反応が起こる触媒層から離れた箇所で調湿が起こるために、局所的な領域、例えば触媒層内部などで起こる温度揺らぎに対して調湿剤としての迅速な効果が期待できない。また、調湿剤を層状に入れた場合には、調湿剤が絶縁体であるために調湿剤を銀ペーストなどと混合して導電性を担保する必要がある。この場合、これがガス拡散性を阻害する、あるいは銀ペーストが溶出してしまうなどの問題があった。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、導電性やガス拡散性を阻害することなく燃料電池の触媒層を調湿する技術の提供にある。
本発明のある態様は膜電極接合体である。当該膜電極接合体は、電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、電解質膜の他方の面に設けられたカソードと、を備え、アノードおよびカソードのうち少なくとも一方は、所定の相対湿度領域において相対湿度が増加するにつれて水吸着量が急激に上昇するメソポーラス調湿剤を含む触媒層を有することを特徴とする。
この態様によれば、温度揺らぎなどによって局所的に触媒層が乾燥状態に移行する場合には、触媒層内のイオン伝導体近傍にあるメソポーラス調湿剤が吸水していた水を大量に放出することによって乾燥状態を抑制することができる。逆に、発電により局所的に生成水が生成した場合には、メソポーラス調湿剤が余分な生成水を吸収することによりフラッディングが抑制される。メソポーラス調湿剤の吸水量が急激に変化する相対湿度の範囲を、燃料電池が温度揺らぎを起こすことにより変化しやすい相対湿度の範囲に合わせることにより、上述した効果がより一層発揮される。
上記態様の膜電極接合体において、メソポーラス調湿剤がメソポーラスシリカであってもよい。この場合、メソポーラスシリカの平均細孔径が1〜15nmであってもよい。
また、上記態様の膜電極接合体において、触媒層に低加湿の反応ガスが供給される場合に、反応ガスの流れの上流側に添加されるメソポーラスシリカの平均細孔径が反応ガスの流れの下流側に添加されるメソポーラスシリカの平均細孔径に比べて小さくてもよい(構成1)。
また、上記態様の膜電極接合体において、触媒層に低加湿の反応ガスが供給される膜電極接合体であって、反応ガスの流れの上流側に添加されるメソポーラスシリカの上流側の触媒層に対する添加量が反応ガスの流れの下流側に添加されるメソポーラスシリカの下流側の触媒層に対する添加量に比べて大きくてもよい(構成2)。
本発明の他の態様は、燃料電池である。当該燃料電池は、上述したいずれかの態様の膜電極接合体を有することを特徴とする。
本発明の他の態様は、燃料電池システムである。当該燃料電池システムは、燃料ガスおよび酸化剤のうち、少なくとも一方が低加湿状態で燃料電池に供給される燃料電池システムであって、燃料電池は、上記構成1または2に記載の膜電極接合体を有することを特徴とする。この態様によれば、断熱部材の簡素化、制御ユニットの簡素化などによる燃料電池システムの低コスト化にともない、燃料電池の温度揺らぎを原因とする一時的な低加湿状態が生じた場合であっても、燃料電池を安定的に運転させることができる。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、導電性やガス拡散性を阻害することなく燃料電池の触媒層を調湿することができる。
実施の形態に係る膜電極接合体を有する燃料電池の構造を模式的に示す斜視図である。 図1のA−A線上の断面図である。 メソポーラスシリカおよび通常のシリカゲルにおける吸水量と相対湿度との関係を示すグラフである。 実施例3に係る膜電極接合体が用いられる燃料電池システムの概要を示す図である。 実施例3または実施例4に係る膜電極接合体を有する燃料電池の断面図である。 実施例4に係る膜電極接合体が用いられる燃料電池システムの概要を示す図である。 実施例5に係る膜電極接合体が用いられる燃料電池システムの概要を示す図である。 実施例5に係る膜電極接合体を有する燃料電池の断面図である。 実施例6に係る膜電極接合体が用いられる燃料電池システムの概要を示す図である。 実施例6に係る膜電極接合体を有する燃料電池の断面図である。 実施例1における運転時間の推移に伴う単セル電圧値の変化を示す図である。 実施例2における運転時間の推移に伴う単セル電圧値の変化を示す図である。 実施例3における運転時間の推移に伴う単セル電圧値の変化を示す図である。 実施例4における運転時間の推移に伴う単セル電圧値の変化を示す図である。 実施例5における運転時間の推移に伴う単セル電圧値の変化を示す図である。 実施例6における運転時間の推移に伴う単セル電圧値の変化を示す図である。
符号の説明
10 燃料電池、20 固体高分子電解質膜、22 アノード、24 カソード、26,30 触媒層、28,32 ガス拡散層、50 膜電極接合体、100 燃料電池システム
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る膜電極接合体を有する燃料電池10の構造を模式的に示す斜視図である。図2は、図1のA−A線上の断面図である。燃料電池10は、平板状の膜電極接合体50を備え、この膜電極接合体50の両側にはセパレータ34およびセパレータ36が設けられている。この例では一つの膜電極接合体50のみを示すが、セパレータ34やセパレータ36を介して複数の膜電極接合体50を積層して燃料電池スタックが構成されてもよい。膜電極接合体50は、固体高分子電解質膜20、アノード22、およびカソード24を有する。
アノード22は、触媒層26、およびガス拡散層28からなる積層体を有する。一方、カソード24は、触媒層30およびガス拡散層32からなる積層体を有する。アノード22の触媒層26とカソード24の触媒層30は、固体高分子電解質膜20を挟んで対向するように設けられている。
アノード22側に設けられるセパレータ34にはガス流路38が設けられている。燃料供給用のマニホールド(図示せず)から燃料ガスがガス流路38に分配され、ガス流路38を通じて膜電極接合体50に燃料ガスが供給される。同様に、カソード24側に設けられるセパレータ36にはガス流路40が設けられている。
酸化剤供給用のマニホールド(図示せず)から酸化剤ガスがガス流路40に分配され、ガス流路40を通じて膜電極接合体50に酸化剤ガスが供給される。具体的には、燃料電池10の運転時、燃料ガス、たとえば水素ガスを含有する改質ガスがガス流路38内をガス拡散層28の表面に沿って上方から下方へ流通することにより、アノード22に燃料ガスが供給される。
一方、燃料電池10の運転時、酸化剤ガス、たとえば、空気がガス流路40内をガス拡散層32の表面に沿って上方から下方へ流通することにより、カソード24に酸化剤ガスが供給される。これにより、膜電極接合体50内で反応が生じる。ガス拡散層28を介して触媒層26に水素ガスが供給されると、ガス中の水素がプロトンとなり、このプロトンが固体高分子電解質膜20中をカソード24側へ移動する。このとき放出される電子は外部回路に移動し、外部回路からカソード24に流れ込む。一方、ガス拡散層32を介して触媒層30に空気が供給されると、酸素がプロトンと結合して水となる。この結果、外部回路においてはアノード22からカソード24に向かって電子が流れることとなり、電力を取り出すことができる。
固体高分子電解質膜20は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示し、アノード22およびカソード24の間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。固体高分子電解質膜20は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、たとえば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などがあげられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。固体高分子電解質膜20の典型的な膜厚は50μmである。
アノード22を構成する触媒層26は、イオン伝導体(イオン交換樹脂)と、合金触媒を担持した炭素粒子すなわち触媒担持炭素粒子とから構成される。触媒層26の典型的な膜厚は20μmである。イオン伝導体は、合金触媒を担持した炭素粒子と固体高分子電解質膜20とを接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。イオン伝導体は、固体高分子電解質膜20と同様の高分子材料から形成されてよい。また、触媒層26に四フッ化エチレン樹脂(PTFE)などの撥水性の結着剤が添加されていてもよい。これにより、触媒層26の撥水性を高めることができる。
触媒層26に用いられる合金触媒は、たとえば、白金と貴金属とからなる。この合金触媒に用いられる貴金属として、たとえば、ルテニウム、パラジウムなどが挙げられる。また、合金触媒を担持する炭素粒子として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノオニオンなどが挙げられる。
アノード22を構成するガス拡散層28は、アノードガス拡散基材、およびアノードガス拡散基材に塗布された微細孔層を有する。アノードガス拡散基材は、電子伝導性を有する多孔体で構成されることが好ましく、たとえばカーボンペーパー、カーボンの織布または不織布などを用いることができる。
アノードガス拡散基材に塗布された微細孔層は、導電性粉末と撥水剤とを混練して得られるペースト状の混練物である。導電性粉末としては、たとえば、カーボンブラックを用いることができる。また、撥水剤としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)などのフッ素系樹脂を用いることができる。なお、撥水剤は結着性を有することがこのましい。ここで、結着性とは、粘りの少ないものやくずれやすいものをつなぎ合わせ、粘りのあるもの(状態)にすることができる性質をいう。撥水剤が結着性を有することにより、導電性粉末と撥水剤とを混練することにより、ペーストを得ることができる。
カソード24を構成する触媒層30は、イオン伝導体(イオン交換樹脂)と、触媒を担持した炭素粒子すなわち触媒担持炭素粒子とから構成される。イオン伝導体は、触媒を担持した炭素粒子と固体高分子電解質膜20を接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。イオン伝導体は、固体高分子電解質膜20と同様の高分子材料から形成されてよい。担持される触媒として、たとえば白金または白金合金を用いることができる。白金合金に用いられる金属として、コバルト、ニッケル、鉄、マンガン、イリジウムなどが挙げられる。また触媒を担持する炭素粒子には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノオニオンなどがある。
触媒層30は、メソポーラス調湿剤を有する。メソポーラス調湿剤は、所定の相対湿度領域において急激な立ち上がり、すなわち、相対湿度が上がるにつれて吸水量が急激に上昇する特性を有することを特徴とする。言い換えると、メソポーラス調湿剤は、所定の相対湿度領域において、相対湿度が上昇するにつれて吸水量が急激に増加し、周囲の水を吸水する。逆に、所定の相対湿度領域において、相対湿度が減少するにつれて吸水量が急激に減少し、保持していた水を放出する。
温度揺らぎなどによって局所的に触媒層30が乾燥状態へと移行しそうな場合に、触媒層30内のイオン伝導体近傍にあるメソポーラス調湿剤が吸水していた水を大量に放出することによって、乾燥状態を抑制することができる。逆に、水を放出したメソポーラス調湿剤は、湿潤状態になると再び吸水を行うため、触媒層30の湿潤雰囲気を一定に保つことが可能になる。
メソポーラス調湿剤としては、メソポーラスシリカが好適である。具体的には、メソポーラスシリカとして、太陽化学製のTMPS(登録商標)を用いることができる。TMPSは、界面活性剤のミセルを鋳型として合成される、ハニカム構造の均一なメソポアを有するシリカ多孔体(メソポーラスシリカ)である。メソポアとは、細孔直径が2〜50nmを微細な細孔を指す。ただし、メソポアは、従来のゼオライト(孔径:1nm未満)に比べて孔径が大きい。TMPSは、大きな比表面積(〜1500m/g)と細孔容積(約1cm/g)を有する。
図3は、メソポーラスシリカおよび通常のシリカゲルにおける吸水量と相対湿度との関係を示すグラフである。図3では、メソポーラスシリカとして、平均細孔径が1.5nmのTMPS−1.5および平均細孔径が4.0nmのTMPS−4が例示されている。図3に示すように、メソポーラスシリカは、通常のシリカゲルと比較して所定の相対湿度の領域における吸水量の変化が急激である。この現象は、メソポーラスシリカが同一サイズの細孔を有することに起因すると推測される。具体的には、TMPS−1.5は、相対湿度が30〜40%の範囲において、相対湿度の増加につれて水吸水量が急激に上昇する。また、TMPS−4は、相対湿度が70〜85%の範囲において、相対湿度の増加につれて水吸水量が急激に上昇する。このような水吸水量の急激な上昇は、シリカゲルにない特性である。このため、メソポーラスシリカは、シリカゲルに比べて調湿効果が大きい。また、メソポーラスシリカでは、平均細孔径を変えることにより、水吸水量が急激に上昇する相対湿度の範囲を調節することができる。また、メソポーラスシリカを調湿剤と用いる場合には、ペースト材を要しないため、溶出物の影響が少なく、メソポーラスシリカの添加量を調整することにより絶縁性の問題を解消することができる。
メソポーラスシリカの添加量および細孔径は、燃料電池の発電状態に応じて調節することが望ましい。たとえば、セル温度80℃で加湿ガス温度が71〜76℃の間を揺らいでいる条件で燃料電池システムが稼働しており、0.3A/cmの電流密度を取った場合には、セル内の相対湿度は加湿温度71℃で相対湿度70〜100%、加湿温度76℃で相対湿度85〜100%となる。このような場合には、図3に示した平均細孔径が4.0nmのメソポーラスシリカ(太陽化学製、TMPS−4)を触媒層に添加することが望ましい。
メソポーラスシリカの添加量は、単位面積当たりの水生成量、および外部から供給される水蒸気が、加湿温度71℃にて約4mg/min/cmであることを考慮すると、1〜480mg/cmが好ましく、40〜240mg/cmがより好ましい。
また、メソポーラスシリカの平均粒径は、触媒層30の厚みが20〜100μmである場合には、15nm〜10μm以下であることが好ましく、触媒層30の厚みが20μmより薄い場合には、15nm〜1μmが好ましい。好ましい粒径の範囲は、メソポーラスシリカの細孔系によって異なる。平均細孔径が1.5nmのメソポーラスシリカの場合には、平均粒径は15〜150nmが好ましい。また、平均細孔径が4nmのメソポーラスシリカの場合には、平均粒径は40〜400nmが好ましい。数十nm程度のメソポーラスシリカは、たとえば、特開2006−069824号公報に記載の手法により作製可能である。
カソード24を構成するガス拡散層32は、カソードガス拡散基材、およびカソードガス拡散基材に塗布された微細孔層を有する。カソードガス拡散基材は、電子伝導性を有する多孔体で構成されることが好ましく、たとえばカーボンペーパー、カーボンの織布または不織布などを用いることができる。
カソードガス拡散基材に塗布された微細孔層は、導電性粉末と撥水剤とを混練して得られるペースト状の混練物である。導電性粉末としては、たとえば、カーボンブラックを用いることができる。また、撥水剤としては、四フッ化エチレン樹脂などのフッ素系樹脂を用いることができる。なお、撥水剤は結着性を有することがこのましい。撥水剤が結着性を有することにより、導電性粉末と撥水剤とを混練することにより、ペーストを得ることができる。
以上説明した膜電極接合体50または燃料電池10によれば、温度揺らぎなどによって局所的に触媒層30が乾燥状態に移行する場合には、触媒層30内のイオン伝導体近傍にあるメソポーラス調湿剤が吸水していた水を大量に放出することによって乾燥状態を抑制することができる。逆に、発電により局所的に生成水が生成した場合には、メソポーラス調湿剤が余分な生成水を吸収することによりフラッディングが抑制される。メソポーラス調湿剤の吸水量が急激に変化する相対湿度の範囲を、燃料電池10が温度揺らぎを起こすことにより変化しやすい相対湿度の範囲に合わせることにより、上述した効果がより一層発揮される。
なお、上述の実施の形態では、カソード24を構成する触媒層30にのみメソポーラス調湿剤が添加されているが、アノード22を構成する触媒層26にのみメソポーラス調湿剤が添加されていてもよく、カソード24を構成する触媒層30およびアノード22を構成する触媒層26の両方にメソポーラス調湿剤が添加されていてもよい。
(膜電極接合体の作製方法)
ここで、本実施の形態の膜電極接合体の作製方法について説明する。以下の作製方法では、カソード24の触媒層30およびアノード22の触媒層26の両方にメソポーラス調湿剤としてメソポーラスシリカが添加されている構成を例示する。
<カソード触媒スラリー作製>
カソード触媒として、白金担持カーボン(TEC10E50E、田中貴金属工業株式会社)を用い、イオン伝導体として、ナフィオン(登録商標)溶液(DE2021 20質量%)を用いる。白金担持カーボン5gに対し、10mLの超純水を添加し撹拌した後に、15mLエタノールおよびメソポーラスシリカを添加する。メソポーラスシリカの添加量、細孔径は燃料電池の発電状態に応じて調節される。
この触媒分散溶液について、超音波スターラーを用いて1時間超音波撹拌分散を行う。所定のナフィオン溶液を等量の超純水で希釈を行い、ガラス棒で3分間撹拌する。この後、超音波洗浄器を用いて1時間超音波分散を行い、ナフィオン水溶液を得る。その後、ナフィオン水溶液をゆっくりと触媒分散液中に滴下する。滴下中は、超音波スターラーを用いて連続的に撹拌を行う。ナフィオン水溶液滴下終了後、1−プロパノールと1−ブタノールの混合溶液10g(重量比1:1)の滴下を行い、得られた溶液を触媒スラリーとする。混合中は、すべて水温が約60℃になるように調整し、エタノールを蒸発、除去する。
<カソード作製>
上記の方法で作製した触媒スラリーをスクリーン印刷(150メッシュ)によって、バルカンXC72によって作製した微細孔層付きのガス拡散層に塗布し、80℃、3時間の乾燥および180℃、45分の熱処理を行う。
<アノード触媒スラリーの作製>
アノード触媒層用の触媒スラリーの作製方法は、触媒として白金ルテニウム担持カーボン(TEC61E54、田中貴金属工業株式会社)を使用する点を除き、カソード触媒スラリーの作製方法と同様である。イオン伝導体として、ナフィオンを用いる。
<アノード作製>
上記の方法で作製したアノード触媒スラリーを順にスクリーン印刷(150メッシュ)によって、バルカンXC72によって作製した微細孔層付きのガス拡散層に塗布し、80℃、3時間の乾燥および180℃、45分の熱処理を行う。
<膜電極接合体の作製>
上記の方法で作製したアノードとカソードとの間に固体高分子電解質膜を狭持した状態でホットプレスを行う。固体高分子電解質膜としてナフィオンを用いる。170℃、200秒の接合条件でアノード、固体高分子電解質膜、およびカソードをホットプレスすることによって膜電極接合体を作製する。
(実施例1)
上述した膜電極接合体の製造方法にしたがって実施例1に係る膜電極接合を作製した。メソポーラスシリカとして図3に示した平均細孔径が4.0nmで平均粒径3.0μmのTMPS−4−1を用いた。メソポーラスシリカの添加量は、120mg/cmとした。実施例1に係る膜電極接合体を用いて、25cm2の単セルによる温度揺らぎ耐久試験を行った。発電条件は、下記のとおりである。
電流密度:0.3A/cm
アノードガス:水素
カソードガス:空気
燃料利用率:75%
空気利用率:55%
セル温度80℃にて、加湿温度をアノード、カソードともに71℃から76℃の間を、1サイクルあたり1時間程度で変化させた。4000時間の耐久試験のセル電圧値(V)を表1および図11に示した。メソポーラスシリカを添加させたセルは4000時間後の電圧低下が0.042Vで、メソポーラスシリカを添加しないセルの4000時間後の電圧低下の0.066Vと比較して電圧低下が抑制されていることが確認された。また、比較として、シリカ粒子(HPS−1000、東亞合成社製 平均粒径1.5μm)を同量添加したセル(添加量:120mg/cm)においても、4000時間後の電圧低下は0.057Vであり、電圧変動および電圧低下時において、メソポーラスシリカの優位性が見られた。
Figure 0005385897
(実施例2)
上述した膜電極接合体の製造方法にしたがって実施例2に係る膜電極接合を作製した。極端な低加湿条件である、アノードガス、カソードガスともに53〜60℃の加湿条件においては、セル内の相対湿度は加湿温度53℃でRH30〜100%、加湿温度60℃で42〜100%の間となる。そこで、本実施例では、極端な低加湿条件に適したメソポーラス調湿剤として、図3に示した平均細孔径が1.5nmのメソポーラスシリカ(太陽化学製、TMPS−1.5−1)と平均細孔径が4.0nmのメソポーラスシリカ(太陽化学製、TMPS−4−1)を混合して用いた。本実施例で用いたメソポーラスシリカでは、TMPS−1.5−1の粒径は2μmであり、TMPS−4−1の粒径は3μmである。添加量は、TMPS−1.5−1、TMPS−4−1ともに、60mg/cmで合計120mg/cmとした。
実施例2に係る膜電極接合体を用いて、25cm2の単セルによる温度揺らぎ耐久試験を行った。発電条件は、下記のとおりである。
電流密度:0.3A/cm
アノードガス:水素
カソードガス:空気
燃料利用率:75%
空気利用率:55%
セル温度80℃にて、加湿温度をアノード、カソードともに53℃から60℃の間を、1サイクルあたり1時間程度で変化させた。4000時間の耐久試験のセル電圧値(V)を表2および図12に示した。メソポーラスシリカを添加させたセルは4000時間後の電圧低下は0.049Vで、メソポーラスシリカを添加しないセルの4000時間後の電圧低下の0.189Vと比較して電圧低下が抑制されていることが確認された。
Figure 0005385897
なお、本実施例では、TMPS−1.5とTMPS−4の混合物を用いたが、TMPS−1.5のみを用いても同様の効果が得られる。メソポーラスシリカの特徴としては、細孔径が大きいほど、対応する吸水量の大幅な変動が起こる領域が高くなる傾向があるので、セル温度・加湿温度揺らぎ条件に応じた調湿材の設計を行うことが可能である。
(実施例3)
図4は、実施例3に係る膜電極接合体が用いられる燃料電池システムの概要を示す図である。
改質器110に、天然ガス、LPGなどの炭化水素系ガスが改質用の原燃料として供給される。また、改質器110には、水処理が施された上水が改質用水として供給され、外部から空気が供給される。改質器110は、原燃料と改質用水を用いて原燃料の水蒸気改質を行い、水素ガスリッチな改質ガスを生成する。
改質器110で生成された改質ガスは、CO変成器120に供給され、シフト反応によりCOが水素に変成され、CO濃度が0.5%以下に低減される。さらに、CO除去器130において、CO選択除去触媒を用いたCO酸化反応によりCO濃度が10ppm程度にまで低減される。CO除去器130によりCO濃度が低減された改質ガスは、燃料ガスとしてアノード22に供給され、燃料電池10での発電に使用される。すなわち、本実施例では、改質ガスはバブラーを経由せずに燃料電池10に供給される。
一方、酸化剤として用いられる空気は、全熱交換器160においてカソード24から排出された反応済みの空気との熱交換により加湿および加温された後、バブラー170に供給される。バブラー170において、空気が所定の湿度に加湿される。バブラー170で加湿された空気はカソード24に供給され、改質ガスに含まれる水素との電気化学反応に用いられる。反応済みの空気は、全熱交換器160において未反応の空気と熱交換した後、排気される。
燃料電池10の各セルは冷却水によって冷却される。本実施例では、バブラー170の加湿用水の一部が冷却水として用いられ、燃料電池10に供給される。燃料電池10の各セルの冷却に用いられた冷却水はバブラー170に戻され、空気との熱交換に用いられる。
図4に示した燃料電池システムにおいて、改質ガスは、Steam/Carbon比(S/C比)2.7で安定時56℃加湿で供給された。しかし、実際にはガス供給圧力に変動が生じるため、改質ガスの温度は51〜60℃の間で揺らいだ。本実施例では、セル温度を80℃(スタックの冷却水入口温度で規定)としたので、アノード入口ガスの相対湿度の変化幅は24〜42%となった。空気の温度は電池温度から−5〜0℃であるので、75〜80℃となり、空気の相対湿度は81〜100%であった。冷却水がバブラー170で熱交換しているため、セル温度とバブラー170のタンク温度とが正の相関を有する。
図5は、実施例3に係る膜電極接合体50を有する燃料電池10の断面図である。改質ガスは矢印39の方向にガス流路38を流れる。また、空気は矢印41の方向にガス流路40を流れる。本実施例では、アノード22の触媒層26のうち、改質ガスの入口側(上流側)50%の領域に位置する触媒層26aに平均細孔径が1.5nmのメソポーラスシリカ(TMPS−1.5−2)を添加した。また、アノード22の触媒層26のうち、改質ガスの出口側(下流側)50%の領域に位置する触媒層26bに平均細孔径が4.0nmのメソポーラスシリカ(TMPS−4−2)を添加した。カソード24の触媒層30にはメソポーラスシリカは添加していない。本実施例で用いたTMPS−1.5−2およびTMPS−4−2の粒径は、それぞれ、150nm、400nmである。TMPS−1.5−2の添加量は、触媒層26aの触媒、触媒担体およびイオン伝導体の総量に対して5質量%とした。同様に、TMPS−4−2の添加量は、触媒層26bの触媒、触媒担体およびイオン伝導体の総量に対して5質量%とした。
4000時間の耐久試験でのセル電圧値(V)を表3および図13に示した。メソポーラスシリカを添加させたセルは4000時間後の電圧低下は0.042Vで、メソポーラスシリカを添加しないセルの4000時間後の電圧低下の0.129Vと比較して電圧低下が抑制され、電圧特性および電圧変動の安定性も向上していることが確認された。
Figure 0005385897
このような効果は以下のようなメカニズムによって生じると推察される。すなわち、図3に示すように、温度揺らぎによって相対湿度が40%から30%に変化した場合にはTMPS−1.5が急激に水を放出し、固体高分子電解質膜20を加湿してプロトン伝導の低下を抑制する。一方、温度揺らぎによって加湿温度が上昇した場合には、TMPS−1.5が水を蓄える。また、TMPS−4は相対湿度が70%から85%に変わった場合に、急激に水を吸着する性質がある。ガス流路38の入口側では相対湿度が24〜40%だった改質ガスは、反応による生成水によって加湿温度が上昇し、ガス流路38の出口側に近づくにつれてより高加湿になるので、触媒層26bでは、平均細孔径が1.5nmのTMPS−1.5よりも平均細孔径が4.0nmのTMPS−4を添加することにより、ガス流路38の下流側での加湿温度の揺らぎに対応した膜電極接合体50を得ることができる。
以上説明した実施例3の燃料電池システムでは、温度揺らぎに対応した膜電極接合体50を用いているため、アノード22に供給される改質ガスを加湿するためのバブラー等を用いることなく、燃料電池10を安定的に運転させることができる。このため、燃料電池システム100のコスト低減を図ることが可能となる。
(実施例4)
図6は、実施例4に係る膜電極接合体50が用いられる燃料電池システム100の概要を示す図である。
本実施例では、CO除去器130で生成された改質ガスは、全熱交換器160においてカソード24から排出された反応済みの空気との熱交換により加湿および加温された後、アノード22に供給される。一方、空気は全熱交換機を介さず直にバブラー170に供給される。バブラー170で加湿された空気はカソード24に供給され、改質ガスに含まれる水素との電気化学反応に用いられる。反応済みの空気は、全熱交換器160において未反応の改質ガスと熱交換した後、排気される。
本実施例の燃料電池システム100では、改質ガスの加湿温度はセル温度から−2〜−10℃となる。本実施例では、セル温度を80℃にて燃料電池10を運転したので、改質ガスの加湿温度は70〜78℃となり、アノード22には相対湿度66〜92%の改質ガスが供給された。また、カソード24に供給される空気の加湿温度はセル温度から−5〜0℃となるので、空気の加湿温度は75〜80℃となり、カソード24に相対湿度81〜100%の空気が供給された。
本実施例の場合には、図5に示す触媒層26aにメソポーラスシリカ(TMPS−4−2、平均粒径:400nm)を添加し、触媒層26bにはメソポーラスシリカを添加しなかった。カソード24の触媒層30にもメソポーラスシリカは添加しなかった。TMPS−4−2の添加量は触媒層26aの触媒、触媒担体およびイオン伝導体の総量に対して5質量%とした。
4000時間の耐久試験のセル電圧値(V)を表4および図14に示した。メソポーラスシリカを添加させたセルは4000時間後の電圧低下は0.038Vで、メソポーラスシリカを添加しないセルの4000時間後の電圧低下の0.067Vと比較して電圧低下が抑制され、電圧特性および電圧変動の安定性も向上していることが確認された。
Figure 0005385897
以上説明した実施例4の燃料電池システムでは、温度揺らぎに対応した膜電極接合体50を用いているため、バブラ−を用いることなく全熱交換器160で加湿および加温された改質ガスを用いて燃料電池10を安定的に運転させることができる。このため、燃料電池システム100のコスト低減を図ることが可能となる。
(実施例5)
図7は、実施例5に係る膜電極接合体50が用いられる燃料電池システム100の概要を示す図である。
本実施例では、CO除去器130で生成された改質ガスは、バブラー170において燃料電池10から排出された冷却水を用いて加湿および加温された後、アノード22に供給される。一方、全熱交換器160によって加湿および加温された空気はバブラーを介さずカソード24に供給され、改質ガスに含まれる水素との電気化学反応に用いられる。反応済みの空気は、全熱交換器160において未反応の空気と熱交換した後、排気される。
本実施例の燃料電池システム100では、改質ガスの加湿温度はセル温度から−5〜−1℃となる。本実施例では、セル温度を85℃にて燃料電池10を運転したので、改質ガスの加湿温度は80〜84℃となり、アノード22に相対湿度81〜96%の改質ガスが供給された。カソード24は生成水と、アノード22側から固体高分子電解質膜20を透過した移動水のみで加湿される。このため、カソード24に供給される空気の加湿温度はセル温度から−10〜−2℃となる。本実施例では、空気の加湿温度は75〜83℃となり、カソード24に相対湿度53〜75%の空気が供給された。
図8は、実施例5に係る膜電極接合体50を有する燃料電池10の断面図である。改質ガスは矢印39の方向にガス流路38を流れる。また、空気は矢印41の方向にガス流路40を流れる。本実施例では、カソード24の触媒層30にのみメソポーラスシリカを添加し、アノード22の触媒層26にはメソポーラスシリカを添加しなかった。具体的には、カソード24の触媒層30のうち、空気の入口側(上流側)50%の領域に位置する触媒層30aに平均細孔径が4.0nmのメソポーラスシリカ(TMPS−4−2、平均粒径400nm)を添加した。触媒層30aにおけるTMPS−4−2の添加量は、触媒層30aの触媒、触媒担体およびイオン伝導体の総量に対して3質量%とした。また、カソード24の触媒層30のうち、空気の出口側(下流側)50%の領域に位置する触媒層30bにもTMPS−4−2を添加したが、触媒層30bにおけるTMPS−4−2の添加量は、触媒層30bの触媒、触媒担体およびイオン伝導体の総量に対して0.5質量%とした。
4000時間の耐久試験のセル電圧値(V)を表5および図15に示した。メソポーラスシリカを添加させたセルは4000時間後の電圧低下は0.037Vで、メソポーラスシリカを添加しないセルの4000時間後の電圧低下の0.059Vと比較して電圧低下が抑制され、電圧特性および電圧変動の安定性も向上していることが確認された。
Figure 0005385897
以上説明した実施例5の燃料電池システムでは、温度揺らぎに対応した膜電極接合体50を用いているため、カソード24に供給される空気を加湿するためのバブラー等を用いることなく、燃料電池10を安定的に運転させることができる。このため、燃料電池システム100のコスト低減を図ることが可能となる。
(実施例6)
図9は、実施例6に係る膜電極接合体50が用いられる燃料電池システム100の概要を示す図である。
本実施例では、CO除去器130によりCO濃度が低減された改質ガスは、バブラーを経由せずに燃料電池10に供給される。同様に、全熱交換器160によって加湿および加温された空気はバブラーを経由せずに燃料電池10に供給される。燃料電池10のセルの冷却に用いられた冷却水は、貯湯槽190において熱交換することにより、熱回収される。
本実施例の燃料電池システム100では、実施例3と同様に、アノード22に供給される改質ガスの加湿温度は51〜60℃の間で揺らいだ。また、カソード24に供給される空気の加湿温度はセル温度から−10〜−2℃となる。本実施例では、セル温度を80℃にて燃料電池10を運転したので、空気の加湿温度は70〜78℃となり、アノード22に相対湿度27〜41%の改質ガスが供給され、カソード24に相対湿度66〜92%の空気が供給された。
図10は、実施例6に係る膜電極接合体50を有する燃料電池10の断面図である。改質ガスは矢印39の方向にガス流路38を流れる。また、空気は矢印41の方向にガス流路40を流れる。この場合には、アノード22の触媒層26のうち、改質ガスの入口側(上流側)60%の領域に位置する触媒層26aに平均細孔径が1.5nmのメソポーラスシリカ(TMPS−1.5−2、平均粒径150nm)を添加した。また、アノード22の触媒層26のうち、改質ガスの出口側(下流側)40%の領域に位置する触媒層26bに平均細孔径が4.0nmのメソポーラスシリカ(TMPS−4−2、平均粒径400nm)を添加した。TMPS−1.5−2の添加量は、触媒層26aの触媒、触媒担体およびイオン伝導体の総量に対して8質量%とした。同様に、TMPS−4−2の添加量は、触媒層26bの触媒、触媒担体およびイオン伝導体の総量に対して5質量%とした。また、カソード24の触媒層30には、平均細孔径が4.0nmのメソポーラスシリカ(TMPS−4−3、平均粒径200nm)を添加した。触媒層30に添加されるTMPS−4−3の添加量は、触媒層30の触媒、触媒担体およびイオン伝導体の総量に対して3質量%とした。本実施例では、触媒層30全体にTMPS−4−3を添加した。これは、本実施例の燃料電池システム100では、アノード22およびカソード24ともに低加湿になるため、カソード24の水がアノード22へと濃度拡散により移動する量が増え、カソード24の出口側領域でも相対湿度が100%にならない箇所ができるためである。
4000時間の耐久試験のセル電圧値(V)を表6および図16に示した。メソポーラスシリカを添加させたセルは4000時間後の電圧低下は0.040Vで、メソポーラスシリカを添加しないセルの4000時間後の電圧低下0.115Vと比較して電圧低下が抑制され、電圧特性および電圧変動の安定性も向上していることが確認された。
Figure 0005385897
以上説明した実施例6の燃料電池システムでは、温度揺らぎに対応した膜電極接合体50を用いているため、アノード22に供給される改質ガスを加湿するためのバブラーおよびカソード24に供給される空気を加湿するためのバブラーをともに用いることなく、燃料電池10を安定的に運転させることができる。このため、燃料電池システム100のさらなるコスト低減を図ることが可能となる。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
本発明によれば、導電性やガス拡散性を阻害することなく燃料電池の触媒層を調湿することができる。

Claims (7)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、
    前記電解質膜の他方の面に設けられたカソードと、
    を備え、
    前記アノードおよび前記カソードのうち少なくとも一方は、所定の相対湿度領域において相対湿度が10%増加すると水吸着量が10重量%以上上昇するメソポーラス調湿剤を含む触媒層を有することを特徴とする膜電極接合体。
  2. 前記メソポーラス調湿剤がメソポーラスシリカであることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 前記メソポーラスシリカの平均細孔径が1〜15nmであることを特徴とする請求項2に記載の膜電極接合体。
  4. 前記触媒層に低加湿の反応ガスが供給される膜電極接合体であって、反応ガスの流れの上流側に添加されるメソポーラスシリカの平均細孔径が反応ガスの流れの下流側に添加されるメソポーラスシリカの平均細孔径に比べて小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  5. 前記触媒層に低加湿の反応ガスが供給される膜電極接合体であって、反応ガスの流れの上流側に添加されるメソポーラスシリカの上流側の前記触媒層に対する添加量が反応ガスの流れの下流側に添加されるメソポーラスシリカの下流側の前記触媒層に対する添加量に比べて大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の膜電極接合体を有することを特徴とする燃料電池。
  7. 燃料ガスおよび酸化剤のうち、少なくとも一方が低加湿状態で燃料電池に供給される燃料電池システムであって、
    前記燃料電池は、請求項4または5に記載の膜電極接合体を有することを特徴とする燃料電池システム。
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