JP2006252967A - 燃料電池用固体高分子電解質膜、および、これを用いた燃料電池 - Google Patents

燃料電池用固体高分子電解質膜、および、これを用いた燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 プロトン伝導性を確保しつつ機械的強度を向上させた固体高分子電解質膜を提供することを目的とする。
【解決手段】 燃料電池用固体高分子電解質膜100であって、
前記燃料電池用固体高分子電解質膜100の少なくとも片面に、導電性ナノ繊維を含む補強材101が配置されてなる燃料電池用固体高分子電解質膜100により上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃料電池用固体高分子電解質膜に関し、より詳細には、機械的強度に優れる燃料電池用固体高分子電解質膜に関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動し高出力密度が得られる燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムである。燃料電池には、固体高分子型燃料電池(PEFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)などがある。なかでも、固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動して高出力密度が得られることから、電気自動車用電源として期待されている。
固体高分子型燃料電池の構成は、一般的には、膜−電極接合体(以下、単に「MEA」とも記載する。)をセパレータで挟持した構造となっている。MEAは、固体高分子電解質膜が一対の電極触媒層およびガス拡散層により挟持されてなるものである。
電極触媒層は、固体高分子電解質と導電性担体に触媒粒子が担持されてなる電極触媒との混合物により形成された多孔性のものである。また、ガス拡散層は、カーボンクロスなどのガス拡散基材表面にカーボン粒子および撥水剤などからなるカーボン撥水層が形成されてなるものが用いられている。
固体高分子型燃料電池では、以下のような電気化学的反応が進行する。まず、燃料極(アノード)側電極触媒層に供給された燃料ガスに含まれる水素は、電極触媒により酸化されてプロトンおよび電子となる。次に、生成したプロトンは、燃料極側電極触媒層に含まれる固体高分子電解質、さらに燃料極側電極触媒層と接触している固体高分子電解質膜を通り、空気極(カソード)側電極触媒層に達する。また、燃料極側電極触媒層で生成した電子は、燃料極側電極触媒層を構成している導電性担体、さらに燃料極側電極触媒層の固体高分子電解質膜と異なる側に接触しているガス拡散層、セパレータおよび外部回路を通して空気極側電極触媒層に達する。そして、空気極側電極触媒層に達したプロトンおよび電子は、電極触媒によりカソード側に供給されている酸化剤ガスに含まれる酸素と反応し水を生成する。燃料電池では、上述した電気化学的反応を通して、電気を外部に取り出すことが可能となる。
固体高分子型燃料電池に用いられる固体高分子電解質膜は、高いプロトン伝導性、および、電極に挟まれたセパレータとしての機能などを有することが求められる。また、従来の固体高分子電解質膜は、電池の内部抵抗を小さくし、出力をより高くするという観点から、薄膜化、スルホン酸基濃度の増加などが試みられている。
しかしながら、スルホン酸基濃度の著しい増加は固体高分子電解質膜の耐久性を低下させる等の問題が生じる。一方、厚さの低減は、固体高分子電解質膜自体の機械的強度を低下させ、固体高分子電解質膜の製造時や長期運転時などにおいてピンホール等が発生し易くなる問題が生じる。ピンホールの発生は、プロトン伝導性の低下だけでなく、燃料ガスおよび酸化剤ガスの対極へのガスリークを招き、電池出力の低下につながる。
そこで、特許文献1には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換層の2層以上の積層体からなり、前記陽イオン交換層の1層以上はフィブリル状のフルオロカーボン重合体からなる補強材で補強されており、前記陽イオン交換層の1層以上は実質的に補強材で補強されていない固体高分子電解質膜が開示されている。前記特許文献1によれば、補強材としてPTFEなどからなる多孔体やフィブリルを用いることにより、固体高分子電解質膜の機械的強度を向上することが可能となる。
特開2002−25583号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の固体高分子電解質膜では、機械的強度は向上するものの、十分なプロトン伝導性が得られない恐れがあった。これは、固体高分子電解質膜の補強材として、絶縁体であり、プロトン伝導性を有していないPEFEなどを用いており、かような補強材を固体高分子電解質膜中に配置していることが原因であると考えられる。
固体高分子型燃料電池は、実用化に当たって、長期に亘って高い発電性能を維持することが所望されている。従って、固体高分子電解質膜には、機械的強度だけでなく、プロトン伝導性にも優れていることが必要である。
そこで、本発明は、プロトン伝導性を確保しつつ機械的強度を向上させた固体高分子電解質膜を提供することを目的とする。
本発明者は、固体高分子電解質膜の耐久性に関して種々の検討を行った結果、補強材として導電性ナノ繊維を用い、導電性ナノ繊維を固体高分子電解質膜の外側に配置することにより上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、燃料電池用固体高分子電解質膜であって、前記燃料電池用固体高分子電解質膜の少なくとも片面に、導電性ナノ繊維を含む補強材が配置されてなる燃料電池用固体高分子電解質膜である。
本発明では、補強材として導電性ナノ繊維を用い、この補強材を固体高分子電解質膜の外側に配置して補強することにより、プロトン伝導性を低下させることなく固体高分子電解質膜を補強して機械的強度を向上させることができる。
本発明の第一は、燃料電池用固体高分子電解質膜であって、前記燃料電池用固体高分子電解質膜の少なくとも片面に、導電性ナノ繊維を含む補強材が配置されてなる燃料電池用固体高分子電解質膜(以下、単に「固体高分子電解質膜」とも記載する)である。
まず、本発明の固体高分子電解質膜の断面模式図を図1に示す。本発明の固体高分子電解質膜100は、図1に示すように、固体高分子電解質膜100中ではなく、固体高分子電解質膜100の少なくとも片面上に、導電性ナノ繊維を含む補強材101が配置される。このように、前記導電性ナノ繊維を含む補強材が固体高分子電解質膜の外側に配置されることにより、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性を確保しつつ機械的強度を向上させることが可能となる。
本発明において、補強材に用いられる導電性ナノ繊維としては、直径が1000nm以下とナノメーターサイズの直径を有する繊維を用いる。このように導電性ナノ繊維がナノメーターサイズの直径を有することでMEAなどを組立てた際に、固体高分子電解質膜と電極触媒層との接触性が高くプロトン伝導経路を確保することができる。前記導電性ナノ繊維の直径は、固体高分子電解質膜の所望する強度が得られるように適宜決定すればよいが、より好ましくは500nm以下とするのがよい。
また、前記固体高分子電解質膜を用いてMEAなどを組立てた際に電気抵抗を低下させて発電性能を向上させるために、前記導電性ナノ繊維は、導電性を有しているのがよい。具体的には、前記導電性ナノ繊維の電気抵抗が、好ましくは10mΩ・cm以下、より好ましくは2mΩ・cm以下のものを用いるのがよい。
前記導電性ナノ繊維は、具体的には、高い導電性が得られることから、カーボンナノ繊維が好ましく挙げられる。前記カーボンナノ繊維としては、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カーボンシルクなどが好ましく挙げられる。
前記カーボンナノ繊維とは上記した所定の直径を有する繊維状カーボン材料からなるものである。前記カーボンナノチューブとは上記した所定の直径を有し、繊維中心に空洞を有するチューブ状カーボン材料からなるものである。前記カーボンナノチューブは、特に制限されないが、グラファイトを円筒状に丸めたような構造を有し、前記円筒が一層の単層カーボンナノチューブ(SWNTs)と、前記円筒が同心円状に多層化した多層カーボンナノチューブ(MWNT)と、が挙げられる。また、前記カーボンナノホーンとは、単層グラファイトからなり、上記した所定の直径を有する円錐構造の集合体からなるものである。
前記カーボンナノ繊維として上記で列挙したもののうち、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カーボンシルクなどは、黒鉛化度が高いカーボン材料からなり、耐食性に優れるため好ましく用いられる。
さらに、前記カーボンナノ繊維として上記で列挙したもののうち、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどのチューブ状のものを用いるのが特に好ましい。これらのチューブ状のカーボンナノ繊維は、水素を吸蔵することができる。水素は、還元性を有するため、白金イオンなどを還元析出することができる。また、燃料電池の運転時では、燃料ガスとして水素ガスが供給される。従って、固体高分子電解質膜の補強材としてチューブ状のカーボンナノ繊維を用いれば、供給された水素ガスを前記カーボンナノ繊維に吸蔵することができ、これにより電極触媒層から溶出した白金イオンなどの触媒粒子成分を捕捉して微粒子状の触媒粒子として前記カーボンナノ繊維表面に還元析出させることができる。さらに、チューブ状のカーボンナノ繊維を固体高分子電解質膜の空気極側の面に配置することにより、燃料極側電極触媒層からクロスオーバーしてきた水素ガスを空気極側電極触媒層に侵入する前に前記カーボンナノ繊維内に吸蔵することができ、白金イオンなどの触媒粒子成分を還元析出させる機能だけでなく、クロスオーバーガスによる固体高分子の劣化を抑制する機能を固体高分子電解質膜に付与することが可能となる。
前記導電性ナノ繊維としてカーボンナノチューブなどのチューブ状のものを用いた場合には、前記導電性ナノ繊維の内径は500nm以下、特に100〜300nmのものを用いるのが好ましい。
前記導電性ナノ繊維は長さが短すぎると固体高分子電解質膜に刺さる等して固体高分子電解質膜を破損させる恐れがあるため、導電性ナノ繊維の長さは、10μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上とするのがよい。
本発明の固体高分子電解質膜に用いられる前記補強材は、上述した導電性ナノ繊維を含む。前記補強材の長さは、用いる固体高分子電解質膜の大きさ、機械的強度を考慮して適宜決定すればよいが、100μm以上、好ましくは1cm以上とするのが望ましい。
前記補強材は、所望する長さが得られるのであれば単独の導電性ナノ繊維のみからなってもよく、複数の導電性ナノ繊維の集合体からなるものであってもよい。例えば、導電性ナノ繊維を、絡み合わせる等して集合体としたものを補強材として用いることができる。導電性ナノ繊維を集合体として用いることにより、長さが短い導電性ナノ繊維であっても絡み合わせるなどにより全体として所望する長さを有するように調整して補強材として用いることができる。また、異なる特性を有する導電性ナノ繊維を集合体とすることで、種々の特性を兼ね備えた補強材とすることも可能である。
前記補強材は、本発明の固体高分子電解質膜の少なくとも片面に配置されればよい。具体的には、MEAなどを組立てた際に、固体高分子電解質膜の電極触媒層と接し得る面に前記補強材が配置されるのが望ましい。また、補強材にPt捕捉機能を持たせた際には、固体高分子電解質膜中へのPt溶出抑制効果が得られることから、固体高分子電解質膜の空気極側電極触媒層と接し得る面に前記補強材が配置されるのが望ましく、より高い機械的強度を得るためには固体高分子電解質膜の電極触媒層と接し得る両面に前記補強材が配置されるのがより望ましい。
さらに、前記補強材は、固体高分子電解質膜の少なくとも片面に規則的に配置させるのが望ましい。「規則的に配置させる」とは、前記補強材を等間隔に固体高分子電解質膜の前記補強材を配置する面全体に一定の規則性を持たせて配置させることをいう。これにより、導電性ナノ繊維などを含む補強材の使用量を低減させて固体高分子電解質膜の機械的強度を効率的に向上させることが可能となる。
具体的には、図2に示すように補強材101を等間隔かつ平行に配置させる、図3に示すように補強材101を格子状に配置させる、または、図4に示すように補強材101を格子状に配置させたものにさらに垂直に配置させるなどして、固体高分子電解質膜100の少なくとも片面に規則的に補強材を配置させるのが望ましい。
また、固体高分子電解質膜の両面に補強材を配置する場合、各面で補強材を異なるパターンで配置してより効率的に固体高分子電解質膜の機会的強度の向上を図ってもよい。例えば、図5に示すように、固体高分子電解質膜100の一方の面に補強材101aを平行に配置させ(図5(a))、これとは反対の向きで他方の面に補強材101bを平行に配置させる(図5(b))のが好ましい。このように補強材を配置することで、全体として補強材101aおよび101bを格子状に配置することができ(図5(c))、補強材の少ない使用量であっても固体高分子電解質膜の高い機械的強度が得られる。この他にも、固体高分子電解質膜の一方の面に補強材を格子状に配置し、他方の面に補強材を垂直に配置するなどして、全体として補強材が格子状に配置させたものにさらに垂直に配置させたパターンとなるようにしてもよい。
補強材として導電性ナノ繊維を配置する量は、多くすることで固体高分子電解質膜の強度の向上が図れるが、多くなり過ぎるとMEAを組み立てた際に固体高分子電解質膜と電極触媒層との接触性が低下して十分な発電性能が得られない恐れがある。そこで、導電性ナノ繊維は、固体高分子電解質膜の面積に対して、好ましくは0.1〜1.0mg/mm、より好ましくは0.1〜0.5mg/mmとするのがよい。これは、固体高分子電解質膜に配置された導電性ナノ繊維の量(mg)を、固体高分子電解質膜の導電性ナノ繊維が配置された面の面積(mm)で除した値とする。
固体高分子電解質膜の少なくとも片面に配置された補強材は、固体高分子電解質で被覆されているのが望ましい。これにより、MEAを組立てた際に固体高分子電解質膜と電極触媒層と間のプロトン伝導性を高く維持することができ十分な発電性能を有するMEAが得られるだけでなく、固体高分子電解質がバインダーとしての役割を果たすことができ導電性ナノ繊維同士を結着させて補強材の安定性を向上させることが可能となる。
補強材が少なくとも片側に配置された固体高分子電解質膜は、補強材が固体高分子電解質で被覆されずにそのまま燃料電池用MEAなどに用いてもよい。かような固体高分子電解質膜を用いてMEAとする際に、前記固体高分子電解質膜を電極触媒層およびガス拡散層をそれぞれ二枚用いて挟持した後にホットプレスなどすることにより、固体高分子電解質膜および/または電極触媒層に含まれる固体高分子電解質の一部が前記補強材を被覆することができる。しかしながら、プロトン伝導性、導電性ナノ繊維同士の結着性などをより向上させるために、補強材は予め固体高分子電解質で被覆されているのが望ましい。この時、前記補強材は、少なくとも一部が固体高分子電解質で被覆されていればよいが、完全に固体高分子電解質で被覆されているのがより望ましい。
また、補強材を被覆する固体高分子電解質は、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性などを考慮して適宜選択して用いることができ、固体高分子電解質膜と同じものを用いてもよく、異なるものを用いてもよい。補強材を被覆する固体高分子電解質として具体的には、後述する固体高分子電解質膜に用いられる固体高分子電解質として列挙するものと同様のものが挙げられる。
補強材には、電極触媒層に用いられる電極反応を促進させる触媒粒子が担持されていてもよい。従来のMEAでは、発電に使われなかった燃料ガスまたは酸化剤ガスが固体高分子電解質膜を透過(クロスオーバー)して、対極の電極触媒層内で化学反応によりラジカルを生成して固体高分子を劣化させる恐れがあった。しかしながら、補強材に前記触媒粒子を担持させることで、固体高分子電解質膜と電極触媒層との界面に前記触媒粒子を配置することができ、固体高分子電解質膜をクロスオーバーしたガスを対極の電極触媒層に入る前に前記触媒粒子により反応させて水とすることにより固体高分子の劣化を防止することができる。
前記触媒粒子として、具体的には、水素の酸化反応および/または酸素の還元反応を促進させる触媒粒子であれば特に制限されず、白金の他に、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、およびバナジウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属と白金との合金などが好ましく挙げられる。また、前記触媒粒子は、白金単独で用いてもよいが、前記触媒粒子の安定性や活性を高めるために白金を主成分とする合金などとして用いてもよい。
補強材に担持させる触媒粒子の平均粒径は、1〜20nm、好ましくは1〜10nmとするのがよい。目的とするクロスオーバーによる劣化の抑制効果を得るためには、上記範囲とするのが望ましい。なお、「触媒粒子の平均粒径」は、X線回折における触媒粒子の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径あるいは透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒粒子径の平均値により測定することができる。
前記触媒粒子の担持量は、補強材に用いられる導電性ナノ繊維の全量に対して、5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%とするのがよい。担持量が少なすぎると所望するクロスオーバーによる劣化の抑制効果が得られない恐れがあり、担持量が多すぎても製造コストを増加させる恐れがある。
また、補強材は、白金イオンを還元して析出させる機能を有するのが望ましい。これにより、燃料電池の運転中に電極触媒層から溶出した白金イオンを析出させて電極反応を促進させる触媒として再利用することができるとともに、固体高分子電解質膜中で白金イオンが析出することによる固体高分子電解質膜の性能低下を防止することができる。
また、還元・析出させる対象は、白金イオンに特に制限されず、電極反応を促進させるものとして電極触媒層に用いられる触媒粒子から溶出し得るイオンであればよい。例えば、水素の酸化反応または酸素の還元反応を促進させる触媒粒子として上記で列挙したもののイオンなどが挙げられる。
白金イオンを還元して析出させる機能を有する補強材として、具体的には、還元性の表面官能基を有する補強材が好ましく挙げられる。還元性の表面官能基により、電極触媒から溶出した白金イオンなどの触媒粒子成分を還元して前記補強材表面に析出させることができる。
前記表面官能基としては、還元性を有しており、溶出した触媒粒子成分を還元析出することが可能であれば特に限定されない。例えば、カルボキシル基(−COOH)、フェノール基(−OH)、ケトン基(>C=O)等が挙げられる。かような表面官能基は、触媒粒子成分の捕捉能および還元能が高いため、還元析出した触媒粒子を微粒子状態で補強材表面に固定することができる。なかでも、カルボキシル基は、末端に容易に解離する水素イオン(H)が存在し、触媒粒子成分の還元性能が高いため、好ましく用いられる。
前記補強材が有する表面官能基の量としては、得られる固体高分子電解質膜が所望する特性を示すように適宜決定すればよいが、100〜2000μmol/g、300〜1000μmol/g程度とするのが好ましい。表面官能基の量が100μmol/g未満であると期待するほどの効果が得られない恐れがあり、2000μmol/gを超えると補強材と水との親和性が大きく変わってしまう恐れがある。本発明において、補強材が有する表面官能基を定量分析するには、昇温脱離スペクトル装置(TPD)や酸・塩基滴定を用いる。
白金イオンを還元して析出させる機能を有する補強材として、上述したものの他にも、白金イオンを還元して析出させる機能を有するトラップ材が担持されてなる補強材が好ましく挙げられる。これによっても、溶出した白金イオンを還元してトラップ材表面に白金粒子を析出させることができ、補強材に白金イオンを還元して析出させる機能を付与することができる。
前記トラップ材としては、還元性化合物および/または水素吸蔵材料などが好ましく挙げられる。
還元性化合物としては、還元性を有しており、溶出した白金イオンなどを還元析出することが可能であれば特に限定されないが、例えば、次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、シュウ酸などが挙げられる。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。前記還元性化合物は、白金イオンの還元析出が容易に起こり易いため、触媒粒子成分の捕集効率が高く、還元析出した触媒粒子を微粒子状態で担体表面に固定することができる。
次に、水素吸蔵材料によっても、補強材に白金イオンを析出させる機能を付与することができる。このように水素吸蔵性を有する材料を補強材に担持させれば、チューブ状の導電性ナノ繊維を用いた場合と同様の効果が得られる。すなわち、外部から供給された水素ガスを水素吸蔵材料に吸蔵することができ、電極触媒層から溶出した白金イオンなどを導電性ナノ繊維表面に還元析出させるだけでなく、クロスオーバーガスによる固体高分子の劣化を抑制することも可能となる。また、チューブ状の導電性ナノ繊維に前記水素吸蔵材料を担持させた場合には、上記効果をさらに高めることができる。
水素吸蔵材料として、具体的には、Ti−Ni系合金、LaNiに代表されるLaまたはMm(ミッシュメタル:希土類元素の混合物)−Ni系合金などのAB型合金;Ti−Mn系、Ti−Cr系、Zr−Mn系のAB型合金などの水素吸蔵合金が挙げられる。かような材料は、水素吸蔵性を有するだけでなく、電子伝導性も有するため好ましく用いられる。
前記トラップ材の形状は、粒子状、楕円状、立方体状などのいずれの形状を有していていてもよいが、補強材への担持のし易さ、扱い易さなどを考慮すると粒子状を有しているのが好ましい。この場合、前記トラップ材は、特に制限されないが、平均粒子径が好ましくは100nm以下、より好ましくは5〜50nm程度のものを用いるのがよい。
また、前記トラップ材の担持量は、固体高分子電解質膜が所望する特性を示すように適宜決定すればよいが、導電性ナノ繊維の全量に対して、5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%程度とするのが好ましい。還元性化合物の量が5質量t%を未満であると期待するほどの効果が得られない恐れがあり、30質量%を超えると電極反応を阻害する恐れがある。導電性ナノ繊維表面に導入された還元性化合物を定量分析するには、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)を用いて行うことができる。
次に、本発明に用いられる固体高分子電解質膜の材質は、特に制限されず、従来公知のものであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、ポリマー骨格の全部又は一部がフッ素化されたフッ素系ポリマーであってイオン交換基を備えた固体高分子電解質、または、ポリマー骨格にフッ素を含まない炭化水素系ポリマーであってイオン交換基を備えた固体高分子電解質、などが挙げられる。
前記イオン交換基としては、特に制限されないが、−SOH、−COOH、−PO(OH)、−POH(OH)、−SONHSO−、−Ph(OH)(Phはフェニル基を表す)等の陽イオン交換基、−NH、−NHR、−NRR’、−NRR’R’’、−NH 等(R、R’、R’’は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等を表す)等の陰イオン交換基などが挙げられる。
前記フッ素系ポリマーであってイオン交換基を備えた固体高分子電解質として、具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−g−ポリスチレンスルホン酸系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン−g−ポリスチレンスルホン酸系ポリマーなどが好適な一例として挙げられる。
前記炭化水素系ポリマーであってイオン交換基を備えた固体高分子電解質として、具体的には、ポリサルホンスルホン酸系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトンスルホン酸系ポリマー、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸系ポリマー、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸系ポリマー、架橋ポリスチレンスルホン酸系ポリマー、ポリエーテルサルホンスルホン酸系ポリマー等が好適な一例として挙げられる。
固体高分子電解質膜の材質は、高いイオン交換能を有し、化学的耐久性・力学的耐久性、などに優れることから、前記フッ素系ポリマーであってイオン交換基を備えた固体高分子電解質を用いるのが好ましく、なかでも、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)がより好ましい。
固体高分子電解質膜の厚さは、得られる固体高分子電解質膜のプロトン伝導性、機械的強度などを考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは5〜300μm、より好ましくは10〜200μm、特に好ましくは15〜150μmとするのがよい。製膜時の強度や耐久性の観点から5μm以上であることが好ましく、プロトン伝導性の観点から300μm以下であることが好ましい。
以下に、本発明の固体高分子電解質膜の片面に導電性ナノ繊維を含む補強材を配置する方法を説明する。なお、下記方法は本発明の好ましい一実施形態を示すものであり、固体高分子電解質膜の片面に補強材を配置する方法が下記方法に限定されるわけではない。
固体高分子電解質膜の片面に補強材を配置するには、スクリーンプリント法、ドクターブレード法、ダイコーター法、スプレー法などを用いることもできる。なかでも、簡易な方法で所望のパターンに配置できることからスクリーンプリント法、スプレー法が好ましく用いられる。
スクリーンプリント法とは、印刷する基材の上に、開口部の有無でパターンが形成されたスクリーンを置き、その開口部を利用して、開口部だけにスキージなどを用いてペーストを付着させる印刷方法をいう。
本発明では、前記ペーストとして少なくとも導電性ナノ繊維を含むものを用いる。前記ペーストに用いられる溶媒としては、水、低級アルコール、グリコール類などの一般的なものであれば特に制限なく用いられる。前記ペーストにおける導電性ナノ繊維の含有量は、ペーストの全質量に対して、5〜50質量%程度とすればよい。
前記ペーストを塗布する際に用いられるスクリーンは、図2〜4などに示されるように固体高分子電解質膜の所望する位置に導電性ナノ繊維が配置されるように、公知の方法により開口部が形成されたものを用いればよい。前記スクリーンに用いられる材質としては、特に制限されないが、ポリエチレンなどを用いればよい。
ペーストを塗布する基材としては、特に制限されないが、PETフィルム、PTFEフィルムなどを用いればよい。また、前記基材は、固体高分子電解質膜や電極触媒層に用いられる固体高分子電解質であるパーフルオロ系高分子、ハイドロカーボン系高分子などを粘着剤として予めコーティングされたものを用いてもよい。これにより、塗布性が向上する。
塗布した前記スラリーの乾燥は、特に制限されないが、大気雰囲気下または不活性雰囲気下、20〜80℃で1〜10時間程度行えばよい。これにより、基材上に所定のパターンで導電性ナノ繊維からなる補強材を配置することが可能となる。
次に、補強材が配置された前記基材を、固体高分子電解質膜に積層させた後にホットプレスなどすることにより補強材を固体高分子電解質膜上に転写し、前記基材のみを剥がす。これにより、片面に導電性ナノ繊維を含む補強材が配置された固体高分子電解質膜が得られる。前記ホットプレスは、特に制限されないが、好ましくは110〜170℃で、1〜5MPaのプレス圧力で、3〜10分、行うのがよい。
また、上述の通りにして固体高分子電解質膜の補強材が配置された面に、固体高分子電解質溶液を塗布および乾燥させることにより、前記補強材表面を固体高分子電解質で被覆することができる。前記固体高分子電解質溶液は、水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなどの溶媒に固体高分子電解質を分散させるなどすることにより調製できる。前記固体高分子電解質溶液を塗布する方法としては、フローコーティング法、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法などを用いて行えばよい。塗布した前記固体高分子電解質溶液を乾燥させるには、特に制限されず、公知の方法を用いて行えばよい。
また、スクリーンプリントする際に用いるペーストに、導電性ナノ繊維および溶媒の他に、固体高分子電解質を混合することにより、基材上に固体高分子電解質で被覆された導電性ナノ繊維を所望のパターンで配置することが可能となる。この時、前記ペーストの塗布および乾燥方法は上記と同様である。前記ペーストにおける固体高分子電解質の含有量は、ペーストの全重量に対して、5〜30質量%程度とすればよい。
また、前記ペーストは、スクリーンプリント法により固体高分子電解質膜に直接塗布することも可能である。これにより転写工程などを省略することができる。
固体高分子電解質膜の片面に補強材を配置するには、上記方法の他、導電性ナノ繊維を予めシート状に成形したものを固体高分子電解質膜の片面に配置する方法なども用いられる。その後に、固体高分子電解質溶液を、前記固体高分子電解質膜の前記前記導電性ナノ繊維からなる補強材が配置された面に塗布および乾燥させることにより、前記補強材を固体高分子電解質で被覆することができる。
本発明において、補強材は還元性の表面官能基を有するのが望ましい。従って、予め還元性表面官能基を有する導電性ナノ繊維を補強材として用いるのが好ましい。前記還元性表面官能基を有する導電性ナノ繊維の作製方法としては、特に限定されず、導電性ナノ繊維表面を酸化処理する公知の各種技術を用いればよい。酸化処理は、例えば、過マンガン酸カリウム、硝酸、塩素酸塩、過硫酸塩、過硼酸塩、過炭酸塩、過酸化水素などを含む強酸化性水溶液による液相法;オゾン、窒素酸化物、空気、酸素などによる気相法;低温プラズマによる方法などが挙げられる。なかでも、導電性ナノ繊維表面を均一に酸化し、かつ、表面官能基として好適に用いられるカルボキシル基を多く導入できることから、液相法による酸化処理を用いることが好ましい。
液相法による酸化処理として、具体的には、前記強酸化性水溶液にカーボンナノチューブなどの導電性ナノ繊維を入れて攪拌混合することにより行われる。前記強酸化性水溶液に前記導電性ナノ繊維を添加した後は、ホモジナイザー、超音波分散装置等の適当な分散手段により溶液中に導電性ナノ繊維を十分に分散させてもよく、これらの分散手段は適宜組み合わせてもよい。
次に、前記強酸化性水溶液により表面が酸化処理された前記導電性ナノ繊維を、吸引瀘過などの瀘別手段など公知の手段を用いて、濾取し、乾燥することにより、前記還元性表面官能基を有する導電性ナノ繊維を得ることができる。乾燥方法としては、真空乾燥、自然乾燥、ロータリーエバポレーター、沿送風乾燥機による乾燥など、公知の方法を用いればよく特に限定されない。乾燥時間などは、使用する方法に応じて適宜決定すればよい。
また、本発明においては、補強材に、水素の酸化反応または酸素の還元反応を促進させる触媒粒子、もしくは、還元性化合物または水素吸蔵材料などのトラップ材が担持されているのが望ましい。従って、前記触媒粒子または前記トラップ材などが予め担持された導電性ナノ繊維を補強材に用いるのがよい。
まず、前記触媒粒子を導電性ナノ繊維に担持させるには、特に制限されないが、触媒化合物溶液に、導電性ナノ繊維を浸漬させた後、還元剤などを添加する方法が挙げられる。かような方法によれば、導電性ナノ繊維に触媒粒子を高分散担持することができ、触媒粒子の凝集を抑制することができる。
前記触媒化合物溶液とは、触媒粒子を構成する元素を含む化合物(単に「触媒化合物」ともいう)を含む溶液のことである。具体的には、触媒粒子としてPtを用いる場合には、例えば、塩化白金酸、塩化アンミン白金、ジニトロジアンミン白金などの触媒化合物を含有する溶液を用いることができる。白金合金とするには、前記溶液に白金の他に所望する触媒粒子の硝酸塩、塩化物、硫酸塩などの化合物を分散させればよい。また、触媒化合物を添加する溶媒としては、水、および/または、エタノール、メタノールなどのアルコール類などを用いることができる。また、触媒化合物溶液における触媒粒子濃度などは、所望する触媒粒子担持量が得られるように適宜決定すればよい。
還元剤としては、触媒化合物を還元できるものであれば特に限定されず、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノール、水素、エチレン、一酸化炭素などを用いることができる。前記還元剤を添加することにより、導電性繊維上に触媒化合物を触媒粒子として担持させることができる。上述の触媒化合物溶液に導電性繊維を浸漬させた後、前記還元剤を適量加え、還流反応装置などを用いて60〜100℃に加熱し、その後、室温まで放冷することにより触媒粒子の還元担持を行う。
上述の通りにして、導電性ナノ繊維上に担持された触媒粒子を合金化させる場合には、さらに焼成を行うのが好ましい。また、焼成前に必要に応じて乾燥を行ってもよい。
触媒粒子の還元担持後の導電性ナノ繊維の乾燥方法としては、真空乾燥、自然乾燥、ロータリーエバポレーター、沿送風乾燥機による乾燥など、公知の方法を用いればよく特に限定されない。乾燥時間などは、使用する方法に応じて適宜決定すればよい。
また、合金化させる場合などの焼成方法としては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気中、または、水素などの還元雰囲気中で、焼成温度300〜1000℃、好ましくは300〜700℃の範囲で、1〜6時間程度、行えばよい。
導電性ナノ繊維に触媒粒子を担持させる方法として、還元剤を用いる上述した方法の他、含浸法、共沈法、競争吸着法、マイクロエマルジョン(逆ミセル法)などの方法を適用することができる。触媒粒子を高分散させて導電性ナノ繊維に強固に担持させることができる観点からは、還元剤を用いる方法、マイクロエマルジョン(逆ミセル法)などが好ましく用いられる。また、スパッタ、蒸着などのPVD法を用いて触媒粒子を担持させてもよい。
次に、前記トラップ材を導電性ナノ繊維表面に担持させる方法は、特に限定されないが、例えば、前記トラップ材を含む溶液に導電性ナノ繊維を添加して攪拌混合することにより、導電性ナノ繊維表面に前記溶液を含浸させる方法などが挙げられる。
前記トラップ材を含む溶液として、具体的には、前記トラップ材を、水、アルコール、またはこれらの混合物に溶解または分散させたものなどが挙げられる。
前記トラップ材を含む溶液に導電性ナノ繊維を添加した後は、ホモジナイザー、超音波分散装置等の適当な分散手段により溶液中に導電性ナノ繊維を十分に分散させてもよく、これらの分散手段は適宜組み合わせてもよい。その後、前記溶液を含浸された導電性ナノ繊維を、吸引瀘過などの瀘別手段などの公知の手段を用いて、濾取し、乾燥することにより、前記トラップ材を担持させた導電性ナノ繊維を得ることができる。乾燥方法としては、真空乾燥、自然乾燥、ロータリーエバポレーター、沿送風乾燥機による乾燥など、公知の方法を用いればよく特に限定されない。乾燥時間などは、使用する方法に応じて適宜決定すればよい。
本発明の第二は、上述した本発明の第一の固体高分子電解質膜を用いた燃料電池用MEA(以下、単に「MEA」とも記載する)である。
本発明の第一の固体高分子電解質膜は、少なくとも片面に導電性ナノ繊維を含む補強材が配置されることにより、プロトン伝導性を確保しつつ優れた機械的強度を有する。さらに、好ましくは前記導電性ナノ繊維に触媒粒子、トラップ材などを担持することにより、電極触媒層内の固体高分子へのラジカルアタック、触媒金属の溶出などの劣化を防止することが可能となる。従って、前記固体高分子電解質膜によれば長期に亘って高い発電性能を発揮することができ、耐久性および発電性能に優れるMEAを提供することが可能となる。
MEAの構成としては、固体高分子電解質膜の両側に、燃料極側電極触媒層および燃料極側ガス拡散層を有する燃料極側ガス拡散電極と、空気極側電極触媒層および空気極側ガス拡散層を有する空気極側ガス拡散電極とが、それぞれ対向して配置された構成など、従来公知のものであれば特に制限されない。
本発明のMEAは、固体高分子電解質膜として、本発明の第一の固体高分子電解質膜を用いたことを特徴とするものである。従って、MEAは、本発明の第一の固体高分子電解質膜を用いる以外は、特に限定されることはなく従来公知の各種技術を適宜参照すればよく、燃料極および空気極における電極触媒層およびガス拡散層に関する詳細な説明はここでは省略する。
本発明の第三は、上述した本発明の第二のMEAを用いた燃料電池である。上述した本発明のMEAによれば、優れた発電性能を長期に亘って発揮することができる燃料電池を提供することが可能となる。これにより、移動体用電源、定置用電源として信頼性の高い燃料電池が得られる。なかでも、固体高分子電解質膜が機械的強度に優れることから、本発明による燃料電池は、自動車などの車両等の移動体用電源として用いるのが好ましい。
燃料電池の構造は、特に限定されず、MEAをセパレータなどで挟持した構造などが挙げられる。
セパレータは、空気と燃料ガスとを分離する機能を有するものであり、従来一般的なものであれば特に制限なく用いることができる。前記セパレータとしては、緻密カーボングラファイト、炭素板等のカーボン製や、ステンレス等の金属製のものなど、従来公知のものを特に制限なく用いることができる。また、空気と燃料ガスの流路を確保するためにガス流通溝が形成されてもよく、従来公知の技術を適宜利用することができる。セパレータの形状は、特に限定されず、得られる燃料電池の出力特性などを考慮して適宜決定すればよい。
さらに、燃料電池が所望する電圧等を得られるように、セパレータを介してMEAを複数積層して直列に繋いだスタックを形成してもよい。燃料電池の形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)カーボンナノ繊維の配置
カーボンナノ繊維(昭和電工製、VGCF、直径100nm、長さ10μm)を、精製水に添加し、前記カーボンナノ繊維を10質量%含む混合液を得た。Nafion(登録商標)/n−プロピルアルコール溶液(デュポン社製、Nafion5wt%含有)をスプレーコーティングしたPETフィルム(厚さ0.1mm)からなる基材上に、前記混合液を、所定のパターンで開口部が形成されたスクリーンを用いたスクリーンプリントにより塗布し、30℃で、2時間乾燥させた。これにより、図2に示すように、前記カーボンナノ繊維を前記基材上に50μmの間隔で平行に貼り付けた。
次に、前記補強材が貼り付けられた基材を二枚用いて、固体高分子電解質膜(Nafion(登録商標)111、大きさ80mm×80mm、厚さ25μm)の両面に配置した後、2.0MPaの圧力で、130℃、5分間ホットプレスした後に前記基材のみを剥がすことにより、両面に前記補強材が配置された固体高分子電解質膜を得た。この時、図5(c)に示すように固体高分子電解質膜の両面で、カーボンナノ繊維を含む補強材のパターンの向きが逆になるようにし、固体高分子電解質膜の片面におけるカーボンナノ繊維量は0.2mg/mmであった。
(2)電極触媒層の作製
白金担持カーボン(田中貴金属工業株式会社製 TEC10E50E、白金含量46.5wt%)と、Nafion(登録商標)/n−プロピルアルコール溶液(デュポン社製、Nafion5wt%含有)と、純水と、イソプロピルアルコールと、を質量比で1:0.5:2.5:1として、25℃で保持するよう設定したウォーターバス中のガラス容器にてホモジナイザーを用いて3時間混合分散することで、触媒インクを調製した。次に、前記触媒層インクを、テフロンシート上にスクリーンプリンターを用いて塗布し、大気中で30℃で2時間乾燥させることにより、テフロンシート上に電極触媒層(面積1cmあたりの白金重量0.40mg)を作製した。
(3)ガス拡散層の作製
カーボンペーパ(東レ株式会社製 カーボンペーパTGP−H−060、厚さ190μm)を50mm角に打ち抜いた基材を準備した。この基材を、PTFEのフッ素系水性ディスパージョン溶液(ダイキン工業社製 ポリフロンD−1E、PTFE60wt%含有)を純水で所定の濃度に調整した溶液中に5分浸漬させた後、オーブン内にて60℃、30分間乾燥させることにより、前記基材中にPTFEを分散させた。このとき、PTFE含有量は25wt%であった。これにより、撥水処理された基材を得た。
続いて、カーボンブラック(CABOT社製 VULCAN(登録商標) XC−72R)5.4gと、上記で用いたのと同じPTFEのフッ素系水性ディスパージョン溶液1.0gと、水29.6gとを、ホモジナイザーにて3時間混合分散し、スラリーを調製した。このスラリーを、先に作製した撥水処理基材の一方の面にバーコーターにより均一に塗布し、オーブン内にて60℃、1時間乾燥させた後、さらにマッフル炉にて350℃、1時間熱処理を行った。これにより、前記撥水処理基材上にカーボン粒子層が形成されたガス拡散層を得た。
(4)MEAおよび評価用単セルの作製
上記(2)で作製した電極触媒層2枚を、上記(1)で作製した固体高分子電解質膜の両側に配置した後、ホットプレス法により130℃、2.0MPaで10分間ホットプレスした後にテフロンシートを剥がして接合体とした。先に作製したガス拡散層2枚を用いてカーボン粒子層を内側にして前記接合体を挟持することによりMEAを作製した。これをカーボンセパレータ、集電板で挟み、評価用セルとした。
(実施例2)
実施例1の(1)と同様にして、固体高分子電解質膜の両面にカーボンナノ繊維を含む補強材を配置した。次に、Nafion(登録商標)/イソプロピルアルコール溶液(デュポン社製、Nafion5wt%含有)を、前記固体高分子電解質膜の片面にNafionの量が0.2mg/cmとなるように塗布し、80℃で、1時間乾燥させることにより、前記補強材をNafion(登録商標)でコーティングした。これと同様にして、前記固体高分子電解質膜の他方の面の前記補強材をNafion(登録商標)でコーティングした。
上記の通りにして、Nafion(登録商標)でコーティングされた導電性ナノ繊維が両面に配置された固体高分子電解質膜を用いる以外は、実施例1と同様にして評価用単セルを組立てた。
(実施例3)
カーボンナノ繊維(昭和電工製、VGCF、直径100nm、長さ10μm)10gを、濃度1mol/lの過マンガン酸カリウム水溶液500mlに添加し、60℃で3時間攪拌混合することで、カーボンナノ繊維表面の酸化処理を行った。その後、カーボンナノ繊維をろ別し、蒸留水で十分洗浄し、真空乾燥器にて80℃で3時間乾燥することにより酸化処理カーボンナノ繊維を得た。前記酸化処理カーボンナノ繊維の表面には、主としてカルボキシル基が800μmol/g導入されていた。
前記酸化処理カーボンナノ繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様にして評価用単セルを組立てた。
(比較例1)
固体高分子電解質膜の両側にカーボンナノ繊維を配置しなかった以外は、実施例1と同様にして評価用単セルを組立てた。
(評価)
上記実施例1〜3および比較例1で作製した各評価用単セルを用いて、下記に示す手順に従って、耐久性を評価した。
各評価用単セルのアノード側に燃料として水素を供給し、カソード側には空気を供給した。両ガスとも供給圧力は大気圧とし、水素は60℃、空気は55℃で飽和加湿し、燃料電池本体の温度は70℃に設定し、水素利用率は70%、空気利用率は40%として、電流密度1A/cmで10分間運転を続けた。発電を停止する場合には取り出す電流密度をゼロにした後、アノードはエアーパージをして水素を排出した後に出口側を大気開放とし、カソードも同様に出口側を大気開放とした。このとき燃料電池本体の温度制御は行わず、停止時間は10分とした。発電停止時、実験環境は室温が20〜25℃、湿度は40〜60%RHであった。停止後、運転を再開する場合には、再び上記条件でセルにガスを導入し、発電を行った。この運転−停止サイクルを繰り返すことによって、0.4V以上の発電電圧が得られるまでのサイクル数を測定することにより、各評価用単セルの耐久性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2006252967
本発明の固体高分子電解質膜によれば、発電性能および耐久性に優れる燃料電池を提供することが可能となる。
片面に導電性ナノ繊維を含む補強材が配置された本発明の固体高分子電解質膜の断面模式図を示す。 本発明の固体高分子電解質膜における補強材の配置パターンを模式的に示す。 本発明の固体高分子電解質膜における補強材の配置パターンを模式的に示す。 本発明の固体高分子電解質膜における補強材の配置パターンを模式的に示す。 図5(a)は本発明の固体高分子電解質膜の片面における補強材の配置パターンを模式的に示し、図5(b)は前記固体高分子電解質膜の他方の面における補強材の配置パターンを模式的に示し、図5(c)は前記固体高分子電解質膜の両面を併せた補強材の配置パターンを模式的に示す。
符号の説明
100…固体高分子電解質膜、
101,101a,101b…導電性ナノ繊維。

Claims (11)

  1. 燃料電池用固体高分子電解質膜であって、
    前記燃料電池用固体高分子電解質膜の少なくとも片面に、導電性ナノ繊維を含む補強材が配置されてなる燃料電池用固体高分子電解質膜。
  2. 前記導電性ナノ繊維が、カーボンナノ繊維である請求項1記載の燃料電池用固体高分子電解質膜。
  3. 前記補強材は、前記燃料電池用固体高分子電解質膜の少なくとも片面に規則的に配置される請求項1または2記載の燃料電池用固体高分子電解質膜。
  4. 前記補強材は、固体高分子電解質で被覆されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用固体高分子電解質膜。
  5. 前記補強材は、水素の酸化反応および/または酸素の還元反応を促進させる触媒粒子が担持されてなる請求項1〜4のいずれかに燃料電池用固体高分子電解質膜。
  6. 前記補強材は、白金イオンを還元して析出させる機能を有する請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用固体高分子電解質膜。
  7. 前記補強材は、還元性の表面官能基を有する請求項1〜6記載の燃料電池用電極。
  8. 前記補強材は、白金イオンを還元して析出させる機能を有するトラップ材が担持されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池用固体高分子電解質膜。
  9. 前記トラップ材が、還元性化合物、および/または、水素吸蔵材料である請求項8記載の燃料電池用固体高分子電解質膜。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の燃料電池用固体高分子電解質膜を用いた燃料電池用MEA。
  11. 請求項10記載の燃料電池用MEAを用いた燃料電池。
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