JP5384139B2 - 農事用空気調和装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、植物栽培用ハウスが大きくなるほど、ハウス内の温度分布を均一にするには、より多くのダクトが必要となる。このため、ハウス内にはダクトが縦横無尽に張り巡ることとなり、ダクトが邪魔になって作業性の低下を招くという問題や、植物の作付面積がダクトによって減じられることで収穫高が減少するという問題がある。
これを解消するために、ハウスの外側に設置され、室外熱交換器及び圧縮機を収容する室外機と、ハウスの内側に設置され、室外機と冷媒配管によって空調運転可能に接続される室内機とを備え、この室内機が本体後面のほぼ全面に亘って表出する室内熱交換器と、プロペラファン型の送風ファンとを有し、この送風ファンを駆動して、本体後面から空気を吸い込み、本体前面から空調後の調和空気を放出させることにより、当該送風ファンの大きな風量を利用して、ダクトを設けずにハウス内の温度分布の均一化を図る技術が模索されている。
上記した構成では、植物栽培用ハウス内に室内機を備え、この室内機の本体後面側、すなわち空気吸い込み側に樹脂シートが配置されているため、空調運転時に送風ファンにより樹脂シートが本体の後面開口に密着し、送風量が著しく低下することが想定された。
そこで、本発明は、室内機から吹き出される送風量の低下を防止する農事用空気調和装置を提供することを目的とする。
この構成によれば、樹脂シートの下縁部が傾斜部に案内されて降下することにより、この樹脂シートを閉塞防止ガードよりも背面側に確実に案内することができる。
図1は、植物等の栽培に用いられるビニールハウス(植物栽培用ハウス)1内に本実施形態に係る農事用空調機(農事用空気調和装置)6を設置した状態を示す概要図である。
ビニールハウス1は、外側空間2と内側空間3とを仕切る外壁4によって温室として区画されており、その内部を所定の温度に維持することで植物5の栽培を促進させる。この外壁4には、断熱性に優れた合成樹脂等が使用される。
この室外機10は、図2に示すように、略直方体箱形状のユニットケース11を備えている。このユニットケース11は、底板12、天板13、左側前面パネル14a、右側前面パネル14b、及び、外板15によって構成されている。左側前面パネル14aの内側には、後述する2つの送風ファン34、34が上下に並設されており、このパネル14aの前面には、送風ファン34、34の各々に対応する前面開口部(吹出口として機能する開口部)16、16が形成され、この前面開口部16、16は、ファンガード17、17で覆われている。
このように室外熱交換器32をユニットケース11の左側面及び背面から露出(表出)させることで、外気との接触面積を広く確保し、熱交換率を高めることができる。また、本構成では、室外熱交換器32をユニットケース11のケース高さと略同高さに形成しており、これにより、ユニットケース11の左側面及び背面にて上下に渡って室外熱交換器を露出させ、ユニットケース11全体に占める熱交換面積をより広く確保することができる。
すなわち、送風ファン34、34を駆動した場合、ユニットケース11の背面開口部18から外気が吸い込まれ、室外熱交換器32を通過して熱交換され、この熱交換された空気が、ユニットケース11の前面開口部16、16から各々排出される。本構成では、送風ファン34、34を上下に配置したため、上方の送風ファン34により上方空気の強制排気を行い、下方の送風ファン34により下方空気の強制排気を行うことで、室外熱交換器32における熱交換が強制的に促進され、さらに、機械室40に収容される圧縮機41や電源トランス48等から発せられる熱が、室外機10の外部へ放出される。また、これらの送風ファン34は、プロペラファン型が適用され、モータ容量が同一の場合のシロッコファンと比較して送風能力を高くすることができる。
図4は、農事用空調機6に使用される室内機50を示す図である。また、図5は室内機50の平面図である。
室内機50は、上述した室外機10(すなわち、汎用の空調機に使用される室外機と同一の室外機)と使用可能な部品の共通化(少なくとも主要部品である、室内熱交換器52(室外熱交換器32と同一)、ユニットケース11、ファンモータ33、送風ファン34が同一)が図られたものであり、その外観構成及び外観形状は室外機10(図2参照)と略同じである。以下の説明では、室内機50に使用される部品であって室外機10の部品と同じ部品については同一の符号を付して説明する。
すなわち、室内熱交換器52が、ユニットケース11の左側面及び背面から露出することで、ハウス1内の室内空気との接触面積を広く確保し、熱交換効率を高めることができると共に、室内機50の空気吸込口(=背面開口部18)を広く確保することができる。また、室内熱交換器52と室外熱交換器32とが共通で同一形状かつ同一サイズとなるため、室内と室外とで熱交換量のバランスをとりやすくなり、エネルギー消費効率の向上に有利なレイアウトにすることができる。
これら2個のファンモータ33、33は、それぞれ電装ボックス56から電源供給を受けて回転し、送風ファン34、34を駆動する。この送風ファン34、34を駆動した場合には、ユニットケース11の背面開口部18から外気が吸い込まれ、室内熱交換器52を通過して熱交換され、この熱交換された空気(調和空気とも言う)が、ユニットケース11の前面開口部16、16から各々排出される。この室内機50でも、送風ファン34、34を上下に配置したため、室内熱交換器52における熱交換を効率よく行うことができ、また、ユニット内の通風路を直線にでき、かつ、送風ファン34、34をプロペラファン型としているため、モータ容量が同一の場合のシロッコファンと比較して送風能力を高くすることができる。
また、下面や前面から空気を吸い込んで前面から吹き出す構造では、室内熱交換器の熱交換面積を大きくすることが困難である。すなわち、ユニットケースの外側に熱交換器を表出させる構造と異なり、ユニットケース内に室内熱交換器を内包するようにしなければならないため、熱交換器が小さくなってしまう。換言すれば、同一の熱交換面積を確保するためには、ユニットケースの外形状を大きくしなければならず、かつ、大きくするために農事用空調機6としての専用設計が必要となる。
さらに、送風ファンも、居室空間に設置するシロッコファンのように静音のものを使用しなくてもよく、音が多少大きくても多くの空気を吸い込み/吹き出すことのできる送風ファン34を使用することが得策である。
さらにまた、室外機は防水構造で構成されているため、防水構造にするための専用設計を必要とせず、散水等によって室内機50に水がかかっても問題はない。
これらシート61A〜61Cの下縁部63A〜63Cには、それぞれ重石が設けられ、シート61A〜61Cを下方に引き出した際に、当該シート61A〜61Cが風に煽られないようになっている。
閉塞防止ガード70は、ワイヤ等の線材を平面視で略台形状に折り曲げて形成され、ユニットケース11の異なる高さ位置に略等間隔で配置される複数(本実施形態では5つ)の横枠部材71A〜71Eと、これら横枠部材71A〜71Eを連結する複数(本実施形態では9つ)の縦枠部材72A〜72Iとを備えて構成される。これら横枠部材71A〜71Eと縦枠部材72A〜72Iとは、例えば、溶接等により連結されて、ユニットケース11を囲う枠体を構成し、閉塞防止ガード70の強度が保持される。本構成では、横枠部材71A〜71Eと縦枠部材72A〜72Iとを組み合わせて閉塞防止ガード70を形成しているため、この閉塞防止ガード70自体が背面開口部18を塞ぐことはなく、この背面開口部18の開口面積を狭めることがないとともに、当該閉塞防止ガード70の軽量化を図ることができる。
前辺部81Aの端部81A1には、それぞれブラケット(不図示)が設けられ、このブラケットを介して、横枠部材71A(閉塞防止ガード70)がユニットケース11にねじ止めされる。
これによれば、ユニットケース11の幅方向に移動するものが斜辺部83A、84Aに当接すると、この斜辺部83A、84Aによってユニットケース11の背面側に案内される。このため、ビニールシートが、例えばカーテンのように、レールに沿って横方向にスライドさせることにより、開口を開閉するものである場合、このビニールシートの先端部が内側空間3に引き寄せられたとしても、当該ビニールシートは、斜辺部83A、84Aに案内されてユニットケース11の背面側に導かれ、ビニールシートを確実に閉めることができる。
横枠部材71B〜71Eは、横枠部材71Aと同一の形状、大きさを有するものであるため、これら横枠部材71B〜71Eについては、横枠部材71Aの各部位と同様の符号を付して説明を省略する。
また、本実施形態では、横枠部材71A〜71Eの背辺部82A〜82Eに配置され、ユニットケース11の両側部に位置する一対の縦枠部材72D、72Fは、最上段の横枠部材71A及びユニットケース11の天板13よりも上方に延びるガイド部86を備える。このガイド部86は、ユニットケース11の前面側から背面側に向けて下方に傾斜する傾斜部86Aを備え、本実施形態では、図6に示すように、U字を逆さまとした形状を有する。傾斜部86Aの頂点87(最高位置)は、図6に示すように、ビニールシート61を上方に巻き上げた際に、各シート61A〜61Cの下縁部63A〜63Cよりも、高さHだけ上方に位置するように形成されている。
この構成によれば、縦枠部材72D、72Fは、この縦枠部材72D、72Fの頂点87、87が、ビニールシート61を巻き上げた際に、このビニールシート61の各シート61A〜61Cの下縁部63A〜63Cよりも上方に延在するガイド部86を備えるため、このガイド部86がビニールシート61の内側空間3側への移動を防止する。このため、ビニールシート61はガイド部86を越えることがなく、当該ビニールシート61がユニットケース11の天板13上に引き降ろされることが防止される。
更に、このガイド部86は、ユニットケース11の前面側から背面側に向けて下方に傾斜する傾斜部86Aを備えるため、ビニールシート61の各シート61A〜61Cの下縁部63A〜63Cが、この傾斜部86Aに案内されて降下することにより、当該ビニールシート61を閉塞防止ガード70の背面側に確実に案内することができる。
また、横枠部材の斜辺部は、一方にのみ設けても良いし、ビニールシートを横方向にスライドさせる機構を採用しない場合には設けなくても良い。
なお、この場合において、レシーバタンクを設置する場合には、圧縮機41及びアキュムレータ44が設置されていない室内機50側に配置することで、室内機50内のスペースを有効に利用することができる。
また、本実施形態では、ビニールハウス1の中に、2台の室内機50を配置したが、これに限らず、ビニールハウス1の容積が小さい場合には、一台の室内機50だけ設置する構成としてもよく、ビニールハウス1の容積が大きい場合には、多数台の室内機50(この場合、室外機10も多数台)を設置する構成としてもよい。
2 外側空間
3 内側空間
4 外壁
5 植物
6 農事用空調機(農事用空気調和装置)
7 冷媒配管
10 室外機
11 ユニットケース
16 前面開口部
18 背面開口部
32 室外熱交換器
34 送風ファン
50 室内機
52 室内熱交換器
61 ビニールシート(樹脂シート)
63A 下縁部
70 閉塞防止ガード
71A〜71E 横枠部材
72A〜71I 縦枠部材
81A 前辺部
82A 背辺部
83A 斜辺部
86 ガイド部
86A 傾斜部
87 頂点
81A1 端部
Claims (2)
- 植物栽培用ハウス内に設置された室内機と、この室内機に冷媒配管で接続された室外機とを備え、前記室内機は、送風ファン及び室内熱交換器を収容するケースを備え、このケースの背面には、前記室内熱交換器を露出させる背面開口部が形成され、前記ケースの前面には、前記送風ファンにより前記背面開口部から吸い込んで前記室内熱交換器を通過した調和空気を吹き出す前面開口部が形成され、
前記背面開口部には、当該背面開口部と前記ハウスの樹脂シートとの間に延在し、この樹脂シートが前記背面開口部を塞ぐことを防止する閉塞防止ガードが設けられ、前記閉塞防止ガードは、前記背面開口部から離間して配置された複数の横枠部材と、これら横枠部材を連結する縦枠部材とを備えて構成されることを特徴とする農事用空気調和装置。 - 前記縦枠部材は、前記樹脂シートを上方に巻き上げた際に、当該樹脂シートの下縁部より上方に延在し、前記ケースの前面から背面に向けて下方に傾斜する傾斜部を備えることを特徴とする請求項1に記載の農事用空気調和装置。
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