JP5376214B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ブラシレスモータを駆動するためのモータ制御装置に関する。ブラシレスモータは、たとえば、車両用操舵装置の駆動源として使用可能である。車両用操舵装置の一例は、電動パワーステアリング装置である。
ブラシレスモータを駆動制御するためのモータ制御装置は、一般に、ロータの回転角を検出するための回転角センサの出力に応じてモータ電流の供給を制御するように構成されている。回転角センサとしては、一般的には、ロータ回転角(電気角)に対応した正弦波信号および余弦波信号を出力するレゾルバが用いられる。しかし、レゾルバは、高価であり、配線数が多く、また、設置スペースも大きい。そのため、ブラシレスモータを備えた装置のコスト削減および小型化が阻害されるという課題がある。
そこで、回転角センサを用いることなくブラシレスモータを駆動するセンサレス駆動方式が提案されている。センサレス駆動方式は、ロータの回転に伴う誘起電圧を推定することによって、磁極の位相(ロータの電気角)を推定する方式である。ロータ停止時および極低速回転時には、誘起電圧を推定できないので、別の方式で磁極の位相が推定される。具体的には、ステータに対してセンシング信号を注入し、このセンシング信号に対するモータの応答が検出される。このモータ応答に基づいて、ロータ回転位置が推定される。
特開2007-267549号公報
上記のセンサレス駆動方式は、誘起電圧やセンシング信号を用いてロータの回転位置を推定し、その推定によって得られた回転位置に基づいてモータを制御するものである。しかし、この駆動方式は、いずれの用途にも適しているわけではなく、たとえば、車両の舵取り機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置の駆動源として用いられるブラシレスモータの制御に適用するための手法は未だ確立されていない。そのため、別の方式によるセンサレス制御の実現が望まれている。
そこで、この発明の目的は、回転角センサを用いない新たな制御方式でモータを制御することができるモータ制御装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、ロータ(50)と、このロータに対向するステータ(55)とを備えたモータ(3)を制御するためのモータ制御装置(5)であって、制御上の回転角である制御角(θ)に従う回転座標系の軸電流値(Iγ )で前記モータを駆動する電流駆動手段(31〜36)と、前記モータによって駆動される駆動対象に作用させるべき、モータトルク以外のトルクの指示値としての指示トルクを設定する指示トルク設定手段(21)と、前記モータによって駆動される前記駆動対象に加えられる、モータトルク以外のトルクを検出するためのトルク検出手段(1)と、前記指示トルク設定手段によって設定される指示トルクと前記トルク検出手段によって検出される検出トルクとの偏差であるトルク偏差を算出し、当該トルク偏差に対する比例積分演算を行うことによって、前記制御角に加算すべき加算角(α)を演算する加算角演算手段(22,23)と、所定の演算周期毎に、前記加算角演算手段によって演算された加算角を制御角の前回値に加算することによって、制御角の今回値を求める制御角演算手段(26)と、前記トルク検出手段の検出トルクの絶対値が所定の上限値以上となるとモータ制御態様を変更するための変更手段(27,28,29,30,40,41)とを含前記変更手段によるモータ制御態様の変更が、前記比例積分演算における制御ゲインの変更を含む、モータ制御装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、制御角に従う回転座標系(γδ座標系。以下「仮想回転座標系」といい、この仮想回転座標系の座標軸を「仮想軸」という。)の軸電流値(以下「仮想軸電流値」という。)によってモータが駆動される一方で、制御角は、演算周期毎に加算角を加算することによって更新される。これにより、制御角を更新しながら、すなわち、仮想回転座標系の座標軸(仮想軸)を更新しながら、仮想軸電流値でモータを駆動することによって、必要なトルクを発生させることができる。こうして、回転角センサを用いることなく、モータから適切なトルクを発生させることができる。
さらに、この発明では、駆動対象に加えられる、モータトルク以外のトルクがトルク検出手段によって検出される。その検出トルクの絶対値が所定の上限値以上となると、モータ制御態様が変更される。したがって、検出トルクが大きくなって制御が不安定になるおそれがあるときには、制御態様を変更することにより、制御の安定化を図ることができる。
とえば、検出トルクが飽和していなければ通常のモータ制御態様とされ、検出トルクが飽和すると通常のモータ制御態様とは異なる制御態様に変更される。これにより、検出トルクが飽和し、制御異常の兆候が現れたときには、モータ制御態様を変更することができる。その結果、制御異常状態に陥ることを抑制したり、制御異常状態からの早期復帰を促したりすることができる。
検出トルクの飽和とは、具体的には、検出トルクの絶対値が所定の上限値(Tmax)以上となることをいう。この場合の上限値は、トルク検出手段の仕様に応じて定めることができる。すなわち、トルク検出手段の出力信号において信頼性のある出力信号範囲の境界値に応じて前記上限値を設定すればよい。
前記変更手段(28)は、前記加算角演算手段の比例積分演算における制御ゲインを変更する。これにより、検出トルクに応じて加算角演算手段の制御ゲインが適切に変更されることにより、制御の安定化を図ることができる。
この発明では、加算角演算手段は、検出トルクを指示トルクに近づけるように加算角を演算するフィードバック制御手段(22,23)を構成している。そして、前記変更手段は、前記フィードバック制御手段のゲインを変更することになる。たとえば、検出トルクが飽和したときに、前記フィードバック制御手段のゲインを減少補正することによって、制御の安定化を図ることができる。
請求項記載の発明は、制御角の前回値に加算される加算角を制限する加算角制限手段(24)をさらに含み、前記変更手段(27)によるモータ制御態様の変更が、前記比例積分演算における制御ゲインの変更に代えて、前記加算角制限手段の制限値(ωmax変更を含む、請求項記載のモータ制御装置である。
この構成によれば、加算角に適切な制限を加えることによって、実際のロータの回転に比して過大な加算角が制御角に加算されることを抑制できる。これにより、適切にモータを制御することができる。一方、たとえば、検出トルクが飽和したときには、前記制限値が変更される。一定の制限値で加算角を制限すると、制御角が有限個の値を循環的にとる状態となるおそれがあり、制御角を適値に収束させることが困難な状況に陥る可能性がある。そこで、たとえば、検出トルクが飽和したりして、制御異常の兆候が現れたときに、制限値を既定値から変更することで、制御角の適値への収束を促すことができる。より具体的には、前記制限値は予め定める既定値から、この既定値よりも小さな値に変更されてもよい。制限値が大きく設定されていると、制御角の変化幅が大きいから、制御角が適値を飛び越えて変化し、その結果、制御角を適値に収束させることが困難になるおそれがある。そこで、制御異常の兆候が現れたときに、制限値を既定値よりも小さな値に変更することで、制御角の適値への収束を効果的に促すことができる。
前記既定値は、たとえば、次式によって定められた値であってもよい。ただし、次式における「最大ロータ角速度」とは、電気角でのロータ角速度の最大値である。
既定値=最大ロータ角速度×演算周期
たとえば、モータの回転を所定の減速比の減速機構を介して車両用操舵装置の操舵軸に伝達している場合には、最大ロータ角速度は、最大操舵角速度(操舵軸の最大回転角速度)×減速比×極対数で与えられる。「極対数」とは、ロータが有する磁極対(N極とS極との対)の数である。
請求項記載の発明は、前記変更手段(29)によるモータ制御態様の変更が、前記比例積分演算における制御ゲインの変更に代えて、前記比例積分演算における積分項の初期化を含む、請求項記載のモータ制御装置である。この構成によれば、操舵トルクに応じて加算角演算手段が初期化(比例積分演算の積分項が初期化)されることにより、制御の安定化を図ることができる。たとえば、検出トルクが飽和し、したがって、前記加算角が大きな値になって制御異常を来していると考えられるときに、加算角演算手段を初期化することによって、制御異常からの早期復帰を促すことができる。具体的には、前記フィードバック制御手段は、積分制御を含むフィードバック制御演算である比例積分演算(比例積分制御、比例積分微分制御など)を行、前記変更手段は、積分を初期化(零にリセット)する。また、前記変更手段は、積分値に加えて加算角も初期化(零にリセット)するものであってもよい。具体的には、比例項および積分項をいずれも初期化(零にリセット)することによって、加算角および積分値を初期化できる。
請求項記載の発明は、前記変更手段(30)によるモータ制御態様の変更が、前記比例積分演算における制御ゲインの変更に代えて、前記軸電流値変更を含む、請求項記載のモータ制御装置である。この構成によれば、操舵トルクに応じてモータに供給される軸電流値が変更されることにより、制御の安定化を図ることができる。たとえば、検出トルクが飽和し、したがって、モータトルクが不足していると考えられるときに、軸電流値が増加補正される。これにより、モータ発生トルクが大きくなるから、それに応じて検出トルクが小さくなる。よって、制御の安定化を図ることができる。
軸電流値は、必ずしも増加補正する必要はなく、減少補正することによっても、制御異常からの復帰を促進することができる。たとえば、検出トルクが飽和していて、加算角の絶対値が前記既定値に達している場合を想定する。このとき、前述のとおり、制御角が限定された数個の値を循環的にとり、その結果、制御角を適値へと収束させることが困難になるおそれがある。そこで、軸電流を増加または減小補正すると、必要なモータトルクと制御角の適値との関係が変動する。これにより、制御角が適値へと収束しやすくなり、制御異常からの復帰を促して、制御の安定化を図ることができる。
請求項記載の発明は、前記変更手段(40)によるモータ制御態様の変更が、前記比例積分演算における制御ゲインの変更に代えて、前記制御角に所定値を加算して新たな制御角を設定することを含む、請求項1または記載のモータ制御装置である。この構成によれば、検出トルクに応じて制御角を新たに設定する動作が行われる。たとえば、検出トルクが飽和し、したがって、制御角が不適正な値をとり続けていると考えられるときに、制御角を強制的に変更して、制御の安定化を図ることができる。とくに、加算角が一定値をとり続ける場合に、制御角が有限個の複数の値を循環的にとる場合がある。このような状況では、必要なトルクに応じた適値を飛び越えて制御角が変化する状態が継続するおそれがあり、したがって、制御角を適値に近い値とすることができなくなる可能性がある。そこで、強制的に制御角をシフトすると、制御角が適値に近似した値をとる可能性が高まり、それに応じて、制御角を必要トルクに応じた適値へと収束させやすくなる。こうして、制御異常からの復帰を促すことができる。
請求項6に記載されているように、前記モータは、車両の舵取り機構(2)に駆動力を付与するものであってもよい。この場合に、前記トルク検出手段は、前記車両の操向のために操作される操作部材(10)に加えられる操舵トルクを検出するものであってもよい。また、前記指示トルク設定手段は、操舵トルクの目標値としての指示操舵トルクを設定するものであってもよい。この場合、前記加算角演算手段は、前記指示トルク設定手段によって設定される指示トルクと前記トルク検出手段によって検出される操舵トルクとの偏差に応じて前記加算角を演算する。
この構成によれば、指示操舵トルクが設定され、この指示操舵トルクと操舵トルク(検出値)との偏差に応じて前記加算角が演算される。これにより、操舵トルクが当該指示操舵トルクとなるように加算角が定められ、それに応じた制御角が定められることになる。したがって、指示操舵トルクを適切に定めておくことによって、モータから適切な駆動力を発生させて、これを舵取り機構に付与することができる。すなわち、ロータの磁極方向に従う回転座標系(dq座標系)の座標軸と前記仮想軸とのずれ量(負荷角)が指示操舵トルクに応じた値に導かれる。その結果、適切なトルクがモータから発生され、運転者の操舵意図に応じた駆動力を舵取り機構に付与できる。
前記モータ制御装置は、前記操作部材の操舵角を検出する操舵角検出手段(4)をさらに含み、前記指示トルク設定手段は、前記操舵角検出手段によって検出される操舵角に応じて指示操舵トルクを設定するものであることが好ましい。この構成によれば、操作部材の操舵角に応じて指示操舵トルクが設定されるので、操舵角に応じた適切なトルクをモータから発生させることができ、運転者が操作部材に加える操舵トルクを操舵角に応じた値へと導くことができる。これにより、良好な操舵感を得ることができる。
前記指示トルク設定手段は、前記車両の車速を検出する車速検出手段(6)によって検出される当該車速に応じて指示操舵トルクを設定するものであってもよい。この構成によれば、車速に応じて指示操舵トルクが設定されるので、いわゆる車速感応制御を行うことができる。その結果、良好な操舵感を実現できる。たとえば、車速が大きいほど、すなわち、高速走行時ほど指示操舵トルクを小さく設定することより、すぐれた操舵感が得られる。
請求項7記載の発明は、前記指示トルク設定手段は、前記車両の車速および前記操作部材の操舵角に基づいて指示操舵トルクを設定するものである、請求項6記載のモータ制御装置である。
この発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。 モータの構成を説明するための図解図である。 前記電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。 操舵角に対する指示操舵トルクの特性例を示す図である。 操舵トルクリミッタの働きを説明するための図である。 γ軸指示電流値の設定例を示す図である。 加算角リミッタの働きを説明するためのフローチャートである。 操舵トルク監視部および制限値変更部による処理を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を説明するためのブロック図である。 操舵トルク監視部およびゲイン変更部による処理を説明するためのフローチャートである。 この発明の第3の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を説明するためのブロック図である。 操舵トルク監視部および初期化部による処理を説明するためのフローチャートである。 この発明の第4の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を説明するためのブロック図である。 操舵トルク監視部および指示電流値補正部の動作例を説明するためのフローチャートである。 操舵トルク監視部および指示電流値補正部の他の動作例を説明するためのフローチャートである。 この発明の第5の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を説明するためのブロック図である。 操舵トルク監視部、制御角補正部および加算角リセット部による処理を説明するためのフローチャートである。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置(車両用操舵装置の一例)の電気的構成を説明するためのブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、車両を操向するための操作部材としてのステアリングホイール10に加えられる操舵トルクTを検出するトルクセンサ1と、車両の舵取り機構2に減速機構7を介して操舵補助力を与えるモータ3(ブラシレスモータ)と、ステアリングホイール10の回転角である操舵角を検出する舵角センサ4と、モータ3を駆動制御するモータ制御装置5と、当該電動パワーステアリング装置が搭載された車両の速度を検出する車速センサ6とを備えている。
モータ制御装置5は、トルクセンサ1が検出する操舵トルク、舵角センサ4が検出する操舵角および車速センサ6が検出する車速に応じてモータ3を駆動することによって、操舵状況および車速に応じた適切な操舵補助を実現する。
モータ3は、この実施形態では、三相ブラシレスモータであり、図2に図解的に示すように、界磁としてのロータ50と、このロータ50に対向するステータ55に配置されたU相、V相およびW相のステータ巻線51,52,53とを備えている。モータ3は、ロータの外部にステータを対向配置したインナーロータ型のものであってもよいし、筒状のロータの内部にステータを対向配置したアウターロータ型のものであってもよい。
各相のステータ巻線51,52,53の方向にU軸、V軸およびW軸をとった三相固定座標(UVW座標系)が定義される。また、ロータ50の磁極方向にd軸(磁極軸)をとり、ロータ50の回転平面内においてd軸と直角な方向にq軸(トルク軸)をとった二相回転座標系(dq座標系。実回転座標系)が定義される。dq座標系は、ロータ50とともに回転する回転座標系である。dq座標系では、q軸電流のみがロータ50のトルク発生に寄与するので、d軸電流を零とし、q軸電流を所望のトルクに応じて制御すればよい。ロータ50の回転角(ロータ角)θは、U軸に対するd軸の回転角である。dq座標系は、ロータ角θに従う実回転座標系である。このロータ角θを用いることによって、UVW座標系とdq座標系との間での座標変換を行うことができる。
一方、この実施形態では、制御上の回転角を表す制御角θが導入される。制御角θは、U軸に対する仮想的な回転角である。この制御角θに対応する仮想的な軸をγ軸とし、このγ軸に対して90°進んだ軸をδ軸として、仮想二相回転座標系(γδ座標系。仮想回転座標系)を定義する。制御角θがロータ角θに等しいとき、仮想回転座標系であるγδ座標系と実回転座標系であるdq座標系とが一致する。すなわち、仮想軸としてのγ軸は実軸としてのd軸と一致し、仮想軸としてのδ軸は実軸としてのq軸と一致する。γδ座標系は、制御角θに従う仮想回転座標系である。UVW座標系とγδ座標系との座標変換は、制御角θを用いて行うことができる。
制御角θとロータ角θとの差を負荷角θ(=θ−θ)と定義する。
制御角θに従ってγ軸電流Iγをモータ3に供給すると、このγ軸電流Iγのq軸成分(q軸への正射影)がロータ50のトルク発生に寄与するq軸電流Iとなる。すなわち、γ軸電流Iγとq軸電流Iとの間に、次式(1)の関係が成立する。
=Iγ・sinθ …(1)
再び図1を参照する。モータ制御装置5は、マイクロコンピュータ11と、このマイクロコンピュータ11によって制御され、モータ3に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)12と、モータ3の各相のステータ巻線に流れる電流を検出する電流検出部13とを備えている。
電流検出部13は、モータ3の各相のステータ巻線51,52,53に流れる相電流I,I,I(以下、総称するときには「三相検出電流IUVW」という。)を検出する。これらは、UVW座標系における各座標軸方向の電流値である。
マイクロコンピュータ11は、CPUおよびメモリ(ROMおよびRAMなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、操舵トルクリミッタ20と、指示操舵トルク設定部21と、トルク偏差演算部22と、PI(比例積分)制御部23と、加算角リミッタ24と、操舵トルク監視部25と、制御角演算部26と、制限値変更部27と、指示電流値生成部31と、電流偏差演算部32と、PI制御部33と、γδ/UVW変換部34と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部35と、UVW/γδ変換部36とが含まれている。
指示操舵トルク設定部21は、舵角センサ4によって検出される操舵角と、車速センサ6によって検出される車速とに基づいて、指示操舵トルクTを設定する。たとえば、図4に示すように、操舵角が正の値(右方向へ操舵した状態)のとき指示操舵トルクTは正の値(右方向へのトルク)に設定され、操舵角が負の値(左方向へ操舵した状態)のとき指示操舵トルクTは負の値(左方向へのトルク)に設定される。そして、操舵角の絶対値が大きくなるに従って、その絶対値が大きくなるように(図4の例では非線型に大きくなるように)指示操舵トルクTが設定される。ただし、所定の上限値(正の値。たとえば、+6Nm)および下限値(負の値。たとえば−6Nm)の範囲内で指示操舵トルクTの設定が行われる。また、指示操舵トルクTは、車速が大きいほど、その絶対値が小さくなるように設定される。すなわち、車速感応制御が行われる。
操舵トルクリミッタ20は、トルクセンサ1の出力を所定の上限飽和値+Tmax(+Tmax>0。たとえば+Tmax=7Nm)と下限飽和値−Tmax(−Tmax<0。たとえば−Tmax=−7Nm)との間に制限する。具体的には、操舵トルクリミッタ20は、図5に示すように、上限飽和値+Tmaxと下限飽和値−Tmaxの間では、トルクセンサ1の検出操舵トルクTをそのまま出力する。また、操舵トルクリミッタ20は、トルクセンサ1の検出操舵トルクTが上限飽和値+Tmax以上であれば、上限飽和値+Tmaxを出力する。そして、操舵トルクリミッタ20は、トルクセンサ1の検出操舵トルクTが下限飽和値−Tmax以下であれば、下限飽和値−Tmaxを出力する。飽和値+Tmaxおよび−Tmaxは、トルクセンサ1の出力信号が安定な領域(信頼性のある領域)の境界を画定するものである。つまり、トルクセンサ1の出力信号は、上限飽和値Tmaxを超える区間、および下限飽和値−Tmaxを下回る区間では不安定であり、実際の操舵トルクに対応しなくなる。換言すれば、飽和値+Tmax,−Tmaxは、トルクセンサ1の出力特性に応じて定められる。
トルク偏差演算部22は、指示操舵トルク設定部21によって設定される指示操舵トルクTとトルクセンサ1によって検出され、操舵トルクリミッタ20による制限処理を受けた操舵トルクT(以下、区別するために「検出操舵トルクT」という。)との偏差(トルク偏差)ΔT(=T−T)を求める。PI制御部23は、このトルク偏差ΔTに対するPI演算を行う。すなわち、トルク偏差演算部22およびPI制御部23によって、検出操舵トルクTを指示操舵トルクTに導くためのトルクフィードバック制御手段が構成されている。PI制御部23は、トルク偏差ΔTに対するPI演算を行うことで、制御角θに対する加算角αを演算する。したがって、前記トルクフィードバック制御手段は、加算角αを演算する加算角演算手段を構成している。
加算角リミッタ24は、PI制御部23によって求められた加算角αに対して制限を加える加算角制限手段である。より具体的には、加算角リミッタ24は、所定の上限値UL(正の値)と下限値LL(負の値)との間の値に加算角αを制限する。上限値ULおよび下限値LLは、所定の制限値ωmax(ωmax>0。たとえばωmax=45度)に基づいて定められる。この所定の制限値ωmaxは、たとえば、最大操舵角速度に基づいて定められる。最大操舵角速度とは、ステアリングホイール10の操舵角速度として想定され得る最大値であり、たとえば、800deg/sec程度である。
最大操舵角速度のときのロータ50の電気角の変化速度(電気角での角速度。最大ロータ角速度)は、次式(2)のとおり、最大操舵角速度と、減速機構7の減速比と、ロータ50の極対数との積で与えられる。極対数とは、ロータ50が有する磁極対(N極とS極との対)の個数である。
最大ロータ角速度=最大操舵角速度×減速比×極対数 …(2)
制御角θの演算間(演算周期)におけるロータ50の電気角変化量の最大値(ロータ角変化量最大値)は、次式(3)のとおり、最大ロータ角速度に演算周期を乗じた値となる。
ロータ角変化量最大値=最大ロータ角速度×演算周期
=最大操舵角速度×減速比×極対数×演算周期 …(3)
このロータ角変化量最大値が一演算周期間で許容される制御角θの最大変化量である。そこで、前記ロータ角変化量最大値を制限値ωmaxの既定値とすればよい。この制限値ωmaxを用いて、加算角αの上限値ULおよび下限値LLは、それぞれ次式(4)(5)で表すことができる。
UL=+ωmax …(4)
LL=−ωmax …(5)
加算角リミッタ24による制限処理後の加算角αが、制御角演算部26の加算器26Aにおいて、制御角θの前回値θ(n-1)(nは今演算周期の番号)に加算される(Z−1は信号の前回値を表す)。ただし、制御角θの初期値は予め定められた値(たとえば零)である。
制御角演算部26は、制御角θの前回値θ(n-1)に加算角リミッタ24から与えられる加算角αを加算する加算器26Aを含む。すなわち、制御角演算部26は、所定の演算周期毎に制御角θを演算する。そして、前演算周期における制御角θを前回値θ(n-1)とし、これを用いて今演算周期における制御角θである今回値θ(n)を求める。
操舵トルク監視部25は、検出操舵トルクTが飽和値+Tmaxまたは−Tmaxであるかどうか、すなわち飽和状態かどうかを監視する。検出操舵トルクTが飽和状態である場合、操舵トルク監視部25は、制御異常が発生しているものとして、このことを制限値変更部27に通知する。
たとえば、操舵トルクリミッタ20は、トルクセンサ1の出力が飽和値+Tmax以上または−Tmax以下となると、このことを操舵トルク監視部25に通知してもよい。この通知に基づいて、操舵トルク監視部25は、検出操舵トルクTが飽和状態かどうかを判断してもよい。つまり、操舵トルク監視部25は、操舵トルクリミッタ20の作動状態に基づいて、検出操舵トルクTが飽和状態かどうかを判断するものであってもよい。むろん、操舵トルク監視部25は、操舵トルクリミッタ20が生成する制限後の検出操舵トルクTを監視するものであってもよいし、操舵トルクリミッタ20による制限前の検出操舵トルクTを監視するものであってもよい。また、操舵トルク監視部25は、制限前または制限後の検出操舵トルクTを、上限飽和値+Tmaxよりも若干小さな上限しきい値、および下限飽和値−Tmaxよりも若干大きな下限しきい値と比較するものであってもよい。この場合、操舵トルク監視部25は、検出操舵トルクTが、上限しきい値以上であるか、または下限しきい値以下であるときに、検出操舵トルクTが飽和状態であると判定すればよい。
制限値変更部27は、加算角リミッタ24の制限値ωmaxを既定値(たとえば45度)から、この既定値よりも小さな値(たとえば5度)に変更するものである。具体的には、操舵トルク監視部25によって検出操舵トルクTが飽和状態であると判断されると、制限値変更部27は、制限値ωmaxを既定値よりも小さな値に変更する。
指示電流値生成部31は、制御上の回転角である前記制御角θに対応する仮想回転座標系であるγδ座標系の座標軸(仮想軸)に流すべき電流値を指示電流値として生成するものである。具体的には、γ軸指示電流値Iγ およびδ軸指示電流値Iδ (以下、これらを総称するときには「二相指示電流値Iγδ 」という。)を生成する。指示電流値生成部31は、γ軸指示電流値Iγ を有意値とする一方で、δ軸指示電流値Iδ を零とする。より具体的には、指示電流値生成部31は、トルクセンサ1によって検出される検出操舵トルクTに基づいてγ軸指示電流値Iγ を設定する。
検出操舵トルクTに対するγ軸指示電流値Iγ の設定例は、図6に示されている。検出操舵トルクTが零付近の領域には不感帯NRが設定されている。γ軸指示電流値Iγ は、不感帯NRの外側の領域で急峻に立ち上がり、所定のトルク以上でほぼ一定値となるように設定される。これにより、運転者がステアリングホイール10を操作していないときには、モータ3への通電が停止され、不必要な電力消費が抑制される。
電流偏差演算部32は、指示電流値生成部31によって生成されるγ軸指示電流値Iγ に対するγ軸検出電流Iγの偏差Iγ −Iγと、δ軸指示電流値Iδ (=0)に対するδ軸検出電流Iδの偏差Iδ −Iδとを演算する。γ軸検出電流Iγおよびδ軸検出電流Iδは、UVW/γδ変換部36から偏差演算部32に与えられるようになっている。
UVW/γδ変換部36は、電流検出部13によって検出されるUVW座標系の三相検出電流IUVW(U相検出電流I、V相検出電流IおよびW相検出電流I)をγδ座標系の二相検出電流IγおよびIδ(以下総称するときには「二相検出電流Iγδ」という。)に変換する。これらが電流偏差演算部32に与えられるようになっている。UVW/γδ変換部36における座標変換には、制御角演算部26で演算される制御角θが用いられる。
PI制御部33は、電流偏差演算部32によって演算された電流偏差に対するPI演算を行うことにより、モータ3に印加すべき二相指示電圧Vγδ (γ軸指示電圧Vγ およびδ軸指示電圧Vδ )を生成する。この二相指示電圧Vγδ が、γδ/UVW変換部34に与えられる。
γδ/UVW変換部34は、二相指示電圧Vγδ に対して座標変換演算を行うことによって、三相指示電圧VUVW を生成する。三相指示電圧VUVW は、U相指示電圧V 、V相指示電圧V およびW相指示電圧V からなる。この三相指示電圧VUVW は、PWM制御部35に与えられる。
PWM制御部35は、U相指示電圧V 、V相指示電圧V およびW相指示電圧V にそれぞれ対応するデューティのU相PWM制御信号、V相PWM制御信号およびW相PWM制御信号を生成し、駆動回路12に供給する。
駆動回路12は、U相、V相およびW相に対応した三相インバータ回路からなる。このインバータ回路を構成するパワー素子がPWM制御部35から与えられるPWM制御信号によって制御されることにより、三相指示電圧VUVW に相当する電圧がモータ3の各相のステータ巻線51,52、53に印加されることになる。
電流偏差演算部32およびPI制御部33は、電流フィードバック制御手段を構成している。この電流フィードバック制御手段の働きによって、モータ3に流れるモータ電流が、指示電流値生成部31によって設定される二相指示電流値Iγδ に近づくように制御される。
図3は、前記電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。ただし、説明を簡単にするために、加算角リミッタ24の機能は省略してある。
指示操舵トルクTと検出操舵トルクTとの偏差(トルク偏差)ΔTに対するPI制御(Kは比例係数、Kは積分係数、1/sは積分演算子である。)によって、加算角αが生成される。この加算角αが制御角θの前回値θ(n-1)に対して加算されることによって、制御角θの今回値θ(n)=θ(n-1)+αが求められる。このとき、制御角θとロータ50の実際のロータ角θとの偏差が負荷角θ=θ−θとなる。
したがって、制御角θに従うγδ座標系(仮想回転座標系)のγ軸(仮想軸)にγ軸指示電流値Iγ に従ってγ軸電流Iγが供給されると、q軸電流I=Iγsinθとなる。このq軸電流Iがロータ50の発生トルクに寄与する。すなわち、モータ3のトルク定数Kをq軸電流I(=Iγsinθ)に乗じた値が、アシストトルクT(=K・Iγsinθ)として、減速機構7を介して、舵取り機構2に伝達される。このアシストトルクTを舵取り機構2からの負荷トルクTから減じた値が、運転者がステアリングホイール10に与えるべき操舵トルクTである。この操舵トルクTがフィードバックされることによって、この操舵トルクTを指示操舵トルクTに導くように系が動作する。つまり、検出操舵トルクTを指示操舵トルクTに一致させるべく、加算角αが求められ、それに応じて制御角θが制御される。
このように制御上の仮想軸であるγ軸に電流を流す一方で、指示操舵トルクTと検出操舵トルクTとの偏差ΔTに応じて求められる加算角αで制御角θを更新していくことにより、負荷角θが変化し、この負荷角θに応じたトルクがモータ3から発生するようになっている。これにより、操舵角および車速に基づいて設定される指示操舵トルクTに応じたトルクをモータ3から発生させることができるので、操舵角および車速に対応した適切な操舵補助力を舵取り機構2に与えることができる。すなわち、操舵角の絶対値が大きいほど操舵トルクが大きく、かつ、車速が大きいほど操舵トルクが小さくなるように、操舵補助制御が実行される。
このようにして、回転角センサを用いることなくモータ3を適切に制御して、適切な操舵補助を行うことができる電動パワーステアリング装置を実現できる。これにより、構成を簡単にすることができ、コストの削減を図ることができる。
図7は、加算角リミッタ24の働きを説明するためのフローチャートである。加算角リミッタ24は、PI制御部23によって求められた加算角αを上限値ULと比較し(ステップS1)、加算角αが上限値ULを超えている場合(ステップS1:YES)には、上限値ULを加算角αに代入する(ステップS2)。したがって、制御角θに対して上限値UL(=+ωmax)が加算されることになる。
PI制御部23によって求められた加算角αが上限値UL以下であれば(ステップS1:NO)、加算角リミッタ24は、さらに、その加算角αを下限値LLと比較する(ステップS3)。そして、その加算角αが下限値未満であれば(ステップS3:YES)、下限値LLを加算角αに代入する(ステップS4)。したがって、制御角θに対して下限値LL(=−ωmax)が加算されることになる。
PI制御部23によって求められた加算角αが下限値LL以上上限値UL以下(ステップS3:NO)であれば、その加算角αがそのまま制御角θへの加算のために用いられる。
このようにして、加算角αを上限値ULと下限値LLとの間に制限することができるので、制御の安定化を図ることができる。より具体的には、電流不足時や制御開始時に制御不安定状態(アシスト力が不安定な状態)が発生しても、この状態から安定な制御状態への遷移を促すことができる。
図8は、制限値ωmaxの変更を説明するためのフローチャートである。操舵トルク監視部25が検出操舵トルクTの飽和を検知し、それに応じて異常発生を通知すると(ステップS11:YES)、制限値変更部27は、制限値ωmaxをその既定値(たとえば45度)から、それよりも小さな値(たとえば5度)に変更する(ステップS12)。これにより、制御角θが小刻みに変動するので、適値に近似した値をとることができるから、適値への収束を促すことができる。制限値ωmaxを一定時間(たとえば、100ミリ秒)だけ小さな値に変更した後には(ステップS13:YES)、制限値ωmaxは既定値へと戻される(ステップS14)。
制限値ωmaxの既定値を小さな値に設定しておくと、ステアリングホイール10が高速に操作されたときに、制御角θを追随させることができなくなるおそれがある。したがって、最大操舵角速度に対して制御角θを良好な応答性で追随させることができるように制限値ωmaxの既定値を比較的大きな値としておく一方で、異常発生時において、一時的に制限値ωmaxを小さな値に変更する構成とする方がよい。
検出操舵トルクTが飽和状態のときとは、運転者がステアリングホイール10に加える操舵トルクの大きさが大きいときである。つまり、指示操舵トルクTに対してシステムが追従できず、制御異常に至っているか、または制御異常の兆候が現れているときである。このとき、トルク偏差ΔTの絶対値は大きくなっており、それに応じて加算角αの絶対値が大きな値となっていて、この加算角αの絶対値が制限値ωmaxを超えていると考えられる。この状況では、加算角αの絶対値は制限値ωmaxに制限されるので、制御角θは制御周期毎に制限値ωmaxずつ変化することになる。したがって、制御角θの変化幅が大きいために、制御角θは適値を飛び越えて変化し、制御角θを適値に収束させるまでの時間が長くなる。そのために、制御異常からの復帰が遅くなる。とくに、制限値ωmaxを45度のように360度の約数に設定している場合には、制御角θは制限値ωmaxの変化幅で循環的に変化することになり、適値へと収束させることが一層困難である。
そこで、この実施形態では、検出操舵トルクTが飽和状態となると、制限値ωmaxを一時的に既定値よりも小さな値とし、制御角θが小刻みに変化するようにしている。これにより、制御角θが適値の近傍の値をとる可能性を高めることができ、その結果、前述のような異常状態を脱して、制御角θを適値へと収束させることができる。こうして、操舵補助力が不安定な状態から速やかに脱することができるので、操舵感を向上することができる。
図9は、この発明の第2の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を説明するためのブロック図である。この図9において、前述の図1に示された各部の対応部分には同一参照符号を付して示す。
この実施形態では、PI制御部23のゲインを変更するゲイン変更部28が備えられている。操舵トルク監視部25は、検出操舵トルクTが飽和状態になると、ゲイン変更部28に対して制御異常の発生を通知する。この通知を受けて、ゲイン変更部28はPI制御部23のゲインを減少補正する。
PI制御部23は、比例要素23aと、積分要素23bと、加算器23cとを備えている。ただし、Kは比例ゲイン、Kは積分ゲイン、1/sは積分演算子である。比例要素23aおよび積分要素23bの演算結果が加算器23cで加算されることによって、加算角αが求められる。ゲイン変更部28は、必要時に、比例要素23aのゲイン(比例ゲイン)Kと、積分要素23bのゲイン(積分ゲイン)Kとを減少補正する。
図10は、操舵トルク監視部25およびゲイン変更部28による処理を説明するためのフローチャートである。操舵トルク監視部25は、検出操舵トルクTが飽和状態かどうかを判断する(ステップS21)。検出操舵トルクTが飽和状態であるとき、操舵トルク監視部25は、ゲイン変更部28に対して異常発生を通知する。これを受けて、ゲイン変更部28は、加算角αの演算のためのゲイン、すなわち、PI制御部23のゲイン(比例ゲインおよび積分ゲイン)を減少補正する(ステップS22)。ゲインを一定時間(たとえば、100ミリ秒)だけ小さな値に変更した後には(ステップS23:YES)、ゲインは既定値へと戻される(ステップS24)。ステップS21での判断が否定されれば、PI制御部23のゲインの補正は行わず、ゲインは既定値に保持される。
PI制御部23のゲインが減少補正されることによって、このPI制御部23によって演算される加算角αの絶対値が小さくなる。これにより、加算角αが加算角リミッタ24による制限を受け続ける異常状態から脱することができ、制御角θは制限値ωmaxよりも小さな変化量で変化していく。これにより、制御角θを小刻みに変化させることができるので、その適値への収束を促すことができる。
なお、PI制御部23に代えて、PID(比例・積分・微分)演算部を用いて加算角αを求める構成とすることもできる。この場合でも、異常発生時におけるゲインの減少補正は、比例ゲインおよび積分ゲインに対して行えばよい。
図11は、この発明の第3の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を説明するためのブロック図である。この図11において、前述の図1に示された各部の対応部分には同一参照符号を付して示す。
この実施形態では、操舵トルク監視部25が検出操舵トルクの飽和を検出して異常発生を通知すると、これを受けて初期化処理を実行する初期化部29が備えられている。
図12は、操舵トルク監視部25および初期化部29の動作を説明するためのフローチャートである。操舵トルク監視部25が検出操舵トルクTの飽和を検知し(ステップS31)、それに応じて異常発生を通知すると、初期化部29は、予め定められた初期化処理を行う。この初期化処理は、この実施形態では、(a)PI制御部23における積分値(トルクフィードバック制御の積分項)のリセット(積分項を零にする)、(b)PI制御部23が演算する加算角αのリセット(加算角αを零にする)、(c)制御角演算部26における前回値(前演算周期における制御角θ)のリセット(前回値を零にする)、および(d)PI制御部33における積分値(電流フィードバック制御の積分項)のリセット(積分項を零にする)を含む。加算角αのリセットは、PI制御部23における比例項および積分項をリセットすることで達成でき、この場合、PI制御部23の積分項も同時にリセットされることになる。
このような初期化処理が行われることによって、加算角αが加算角リミッタ24による制限処理を受け続けている状態を速やかに脱して、制御を再開することができる。これにより、制御角θの適値への収束を促すことができる。
なお、前記 (a)〜(d)のリセット処理の全てを行うことが最も好ましいが、少なくとも(a)の処理を行うことが好ましく、これに(b)(c)(d)のリセット処理のうちの1つまたは2つ以上を任意に組み合わせることができる。さらに、少なくとも(a)および(b)の処理を行うことがより好ましく、これに(c)(d)のうちの1つまたは両方を任意に組み合わせることができる。また、少なくとも(a)(b)(c)の処理を行えばさらに好ましく、これに(d)の処理を任意に組み合わせることができる。
図13は、この発明の第4の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を説明するためのブロック図である。この図13において、前述の図1に示された各部の対応部分には同一参照符号を付して示す。
この実施形態では、操舵トルク監視部25が検出操舵トルクTの飽和を検知し、それに応じて異常発生を通知したときに、これを受けて指示電流値を補正する指示電流値補正部30が備えられている。指示電流値補正部30は、この実施形態では、γ軸指示電流値Iγ を補正する。
図14は、操舵トルク監視部25および指示電流値補正部30の動作例を説明するためのフローチャートである。操舵トルク監視部25が検出操舵トルクTの飽和状態を検知し、異常発生を通知すると(ステップS41)、指示電流値補正部30は、γ軸指示電流値Iγ を補正する。具体的には、指示電流値補正部30は、γ軸指示電流値Iγ を通常電流値と異常時電流値との間の値に補正する。異常時電流値は、通常電流値とは異なる電流値であり、通常電流値よりも大きな値であってもよいし、通常電流値よりも小さな値であってもよい。
検出操舵トルクTの飽和が通知されると、指示電流値補正部30は、現在のγ軸指示電流値Iγ が異常時電流値かどうかを判断する(ステップS42)。異常時電流値でなければ(ステップS42:NO)、指示電流値補正部30は、γ軸指示電流値Iγ を異常時電流値に向けて一定値だけ変化させる(ステップS43)。この動作が所定の演算周期毎に繰り返されることより、γ軸指示電流値Iγ は、通常電流値から異常時電流値に向けて徐々に変化していくことになる。γ軸指示電流値Iγ が異常時電流値に達すると(ステップS42:YES)、γ軸指示電流値Iγ のそれ以上の補正はされなくなる。
検出操舵トルクTが飽和状態でないときは(ステップS41:NO)、指示電流値補正部30は、現在のγ軸指示電流値Iγ が通常電流値かどうかを判断する(ステップS44)。通常電流値でなければ(ステップS44:NO)、指示電流値補正部30は、γ軸指示電流値Iγ を通常電流値に向けて一定値だけ変化させる(ステップS45)。この動作が演算周期毎に繰り返されることにより、γ軸指示電流値Iγ は、通常電流値に向けて徐々に変化していくことになる。γ軸指示電流値Iγ が通常電流値に達すると(ステップS44:YES)、γ軸指示電流値Iγ のそれ以上の補正はされなくなる。
このようにγ軸指示電流値Iγ が補正されることにより、制御角θが制限値ωmaxの既定値の変化幅で演算周期毎に変化している状態であっても、検出操舵トルクTが飽和状態のときには、モータ3の発生トルクは通常時とは異なる値をとる。そのため、必要なアシストトルクに対応する負荷角θが、通常電流値のときとは異なる値となる。その結果、制御角θが制限値ωmaxの既定値の変化幅で変化していても、制御角θが適値をとる確率を高めることができる。こうして、制御角θが適値へと収束しやすくなるので、加算角αが継続的に加算角リミッタ24による制限を受ける異常状態から脱することができる。
また、γ軸指示電流値Iγ は通常電流値と異常時電流値との間で徐々に変化するので、アシストトルクが急変することがない。これにより、運転者に与える違和感を低減できるから、操舵フィーリングを損なわない。
図15は、操舵トルク監視部25および指示電流値補正部30の別の動作例を説明するためのフローチャートである。この図15において、前述の図14に示されたステップに対応するステップには同一参照符号を付して示す。
操舵トルク監視部25は、検出操舵トルクTの飽和状態を検知すると(ステップS41)、さらに、検出操舵トルクTの飽和がモータ電流の不足によるものかどうかを判断する(ステップS46)。そして、モータ電流の不足のために、検出操舵トルクTの飽和が生じていると判断した場合には(ステップS46:YES)、操舵トルク監視部25は、指示電流値補正部30に対して異常発生を通知する。これに応じて、指示電流値補正部30は、γ軸指示電流値Iγ を補正する。具体的には、指示電流値補正部30は、γ軸指示電流値Iγ を通常電流値から異常時電流値へと変更する。たとえば、通常電流値は20アンペアであり、異常時電流値は40アンペアであってもよい。
より詳細に説明すると、異常発生の通知を受けて、指示電流値補正部30は、現在のγ軸指示電流値Iγ が異常時電流値かどうかを判断する(ステップS42)。異常時電流値でなければ(ステップS42:NO)、指示電流値補正部30は、γ軸指示電流値Iγ を異常時電流値に変更する(ステップS47)。図14の動作例とは異なり、この動作例では、γ軸指示電流値Iγ は、通常電流値から一気に異常時電流値に変更される。これより、制御異常からの早期復帰が図られる。
検出操舵トルクTが飽和状態でないときは(ステップS41:NO)、指示電流値補正部30は、現在のγ軸指示電流値Iγ が通常電流値かどうかを判断する(ステップS44)。通常電流値であれば(ステップS44:YES)、当該制御周期では以下の処理を行わない。一方、通常電流値でなければ(ステップS44:NO)、指示電流値補正部30は、さらに、現在のγ軸指示電流値Iγ が中間電流値かどうかを判断する(ステップS48)。中間電流値とは、通常電流値と異常時電流値との間の値である。たとえば、通常電流値が20アンペアであり、異常時電流値が40アンペアである場合、中間電流値は、30アンペアであってもよい。γ軸指示電流値Iγ が中間電流値でなければ(ステップS48:NO)、現在のγ軸指示電流値Iγ は異常時電流値である。そこで、指示電流値補正部30は、γ軸指示電流値Iγ を異常時電流値から中間電流値へと変更する(ステップS49)。γ軸指示電流値Iγ が中間電流値であれば(ステップS48:YES)、ステップS49の処理は省かれる。
指示電流値補正部30は、さらに、γ軸指示電流値Iγ が中間電流値に変更されてから一定時間(たとえば0.005秒)が経過したかどうかを判断する(ステップS50)。この一定時間の経過前であれば(ステップS50:NO)、当該制御周期での処理を終える。γ軸指示電流値Iγ が中間電流値に変更されてから当該一定時間が経過すると(ステップS50:YES)、指示電流値補正部30は、γ軸指示電流値Iγ を通常電流値に変更する(ステップS51)。こうして、γ軸指示電流値Iγ は、異常時電流値から通常電流値へと段階的に戻されるから、操舵フィーリングの悪化を抑制できる。
このように、電流不足による制御異常時に、γ軸指示電流値Iγ が異常時電流値へと増加補正されることにより、制御角θが制限値ωmaxの既定値の変化幅で演算周期毎に変化している状態であっても、検出操舵トルクTが飽和状態のときには、モータ3の発生トルクは通常時とは異なる値をとる。しかも、γ軸指示電流値Iγ が大きくなるため、必要なアシストトルクを得やすくなるので、制御角θが適値へとさらに収束しやすくなるから、加算角αが継続的に加算角リミッタ24による制限を受ける異常状態から脱することができる。
制御異常の原因がモータ電流の不足によるものかどうかの判断(ステップS46)は、たとえば、γ軸指示電流値Iγ とγ軸検出電流γとの差|Iγ −Iγ|を用いて行うことができる。この差|Iγ −Iγ|が所定のしきい値よりも小さい場合は、モータ電流が不足していると判定できる。また、当該差|Iγ −Iγ|が前記しきい値以上であれば、高速操舵により逆起電力が生じ、それによって、モータ3に電流を流すことができない状態であると判定できる。このような場合(ステップS46:NO)には、高速操舵時に適した他のモータ駆動手法に切り換えてモータ3の駆動制御を行うことにより、制御異常からの復帰を図ることができる。高速操舵時に適したモータ駆動手法の例としては、外乱オブザーバ法等を用いてモータ3の誘起電圧を推定し、これから、モータ3の回転角を推定し、この推定された回転角を用いてモータ3を制御する手法を挙げることができる。
図16は、この発明の第5の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を説明するためのブロック図である。この図16において、前述の図1に示された各部の対応部分には同一参照符号を付して示す。
この実施形態では、制御角補正部40および加算角リセット部41が備えられている。制御角補正部40は、操舵トルク監視部25が検出操舵トルクTの飽和を検知し、それに応じて異常発生を通知したときに、これを受けて制御角θを補正する。加算角リセット部41は、操舵トルク監視部25からの異常発生の通知を受けて、PI制御部23の演算(とくに積分項)をリセットし、加算角αを一定値(たとえば零)にリセットする。制御角補正部40は、この実施形態では、制御角θに対して一定の補正値Δθを加算(または減算)することによって、制御角θを補正する。補正値Δθの加算は、制御角演算部26の加算器26Bにおいて行われる。
図17は、操舵トルク監視部25、制御角補正部40および加算角リセット部41による処理を説明するためのフローチャートである。操舵トルク監視部25は、検出操舵トルクTが飽和状態であるかどうかを判断する(ステップS61)。飽和状態であると判断すると、操舵トルク監視部25は、制御角補正部40および加算角リセット部41に対して異常発生を通知する。これを受けて、制御角補正部40は、制御角演算部26における制御角θに対して所定値Δθを加算(または減算)する補正を行う(ステップS62)。また、加算角リセット部41は、加算角αをリセットする(ステップS63)。検出操舵トルクTが飽和状態でなければ(ステップS61:NO)、制御角θの補正および加算角αのリセットは行われない。
前述のとおり、検出操舵トルクTが飽和するときとは、加算角αが加算角リミッタ24による制限処理を受ける状態が継続している場合である。この場合、演算周期毎に制御角θが制限値ωmaxだけ変化することになるから、変化量が大きい。そのうえ、一定の制限値ωmaxずつ制御角θが変化するため、制御角θは有限個の値を循環的にとる状態となる。とくに、制限値ωmaxが360度の約数(たとえば45度)である場合には、制御角θは少数の値を循環的に取ることになる。このような状態では、制御角θは、検出操舵トルクTを指示操舵トルクTに近づけるための適値に近い値をとることができなくなるおそれがある。すなわち、制御角θは適値を飛び越えて変動し続ける。
そこで、この実施形態では、検出操舵トルクTが飽和状態のときに、前述のような異常状態が発生していると判断し、制御角θを所定値Δθだけ強制的にずらすようにしている。これにより、制御角θが適値の近傍の値をとる可能性を高めることができ、その結果、前述のような異常状態を脱して、制御角θを適値へと収束させることができる。しかも、この実施形態では、加算角αをリセットすることとしているから、制御角θの変動幅を小さくすることができるから、制御角θをより一層効果的に適値へと収束させることができる。こうして、操舵補助力が不安定な状態から速やかに脱することができるので、操舵感を向上することができる。
なお、この実施形態において、検出操舵トルクTの飽和時における加算角αのリセットは、必ずしも必要ではなく、制御角θの補正だけでも、一定の効果を得ることができる。
以上、この発明の5つの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、回転角センサを備えずに、専らセンサレス制御によってモータ3を駆動する構成について説明したが、レゾルバ等の回転角センサを備え、この回転角センサの故障時に前述のようなセンサレス制御を行う構成としてもよい。これにより、回転角センサの故障時にもモータ3の駆動を継続できるから、操舵補助を継続できる。
この場合、回転角センサを用いるときには、指示電流値生成部31において、操舵トルクおよび車速に応じて、所定のアシスト特性に従ってδ軸指示電流値Iδ を発生させるようにすればよい。
さらに、前述の実施形態では、電動パワーステアリング装置にこの発明が適用された例について説明したが、この発明は、電動ポンプ式油圧パワーステアリング装置のためのモータの制御や、パワーステアリング装置以外にも、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)システム、可変ギヤレシオ(VGR)ステアリングシステムその他の車両用操舵装置に備えられたブラシレスモータの制御のために用いることができる。むろん、車両用操舵装置に限らず、他の用途のモータの制御のためにも本発明のモータ制御装置を適用できる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…トルクセンサ、3…モータ、5…モータ制御装置、11…マイクロコンピュータ、26…制御角演算部、50…ロータ、51,52,52…ステータ巻線、55…ステータ

Claims (7)

  1. ロータと、このロータに対向するステータとを備えたモータを制御するためのモータ制御装置であって、
    制御上の回転角である制御角に従う回転座標系の軸電流値で前記モータを駆動する電流駆動手段と、
    前記モータによって駆動される駆動対象に作用させるべき、モータトルク以外のトルクの指示値としての指示トルクを設定する指示トルク設定手段と、
    前記モータによって駆動される前記駆動対象に加えられる、モータトルク以外のトルクを検出するためのトルク検出手段と、
    前記指示トルク設定手段によって設定される指示トルクと前記トルク検出手段によって検出される検出トルクとの偏差であるトルク偏差を算出し、当該トルク偏差に対する比例積分演算を行うことによって、前記制御角に加算すべき加算角を演算する加算角演算手段と、
    所定の演算周期毎に、前記加算角演算手段によって演算された加算角を制御角の前回値に加算することによって、制御角の今回値を求める制御角演算手段と、
    前記トルク検出手段の検出トルクの絶対値が所定の上限値以上となるとモータ制御態様を変更するための変更手段と
    を含
    前記変更手段によるモータ制御態様の変更が、前記比例積分演算における制御ゲインの変更を含む、
    モータ制御装置。
  2. 制御角の前回値に加算される加算角を制限する加算角制限手段をさらに含み、
    前記変更手段によるモータ制御態様の変更が、前記比例積分演算における制御ゲインの変更に代えて、前記加算角制限手段の制限値変更を含む、請求項記載のモータ制御装置。
  3. 前記変更手段によるモータ制御態様の変更が、前記比例積分演算における制御ゲインの変更に代えて、前記比例積分演算における積分項の初期化を含む、請求項記載のモータ制御装置。
  4. 前記変更手段によるモータ制御態様の変更が、前記比例積分演算における制御ゲインの変更に代えて、前記軸電流値変更を含む、請求項記載のモータ制御装置。
  5. 前記変更手段によるモータ制御態様の変更が、前記比例積分演算における制御ゲインの変更に代えて、前記制御角に所定値を加算して新たな制御角を設定することを含む、請求項1または記載のモータ制御装置。
  6. 前記モータは、車両の舵取り機構に駆動力を付与するものであり、
    前記トルク検出手段は、前記車両の操向のために操作される操作部材に加えられる操舵トルクを検出するものであり、
    前記指示トルク設定手段は、前記操作部材の操舵角に基づいて、操舵トルクの目標値としての指示操舵トルクを設定するものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  7. 前記指示トルク設定手段は、前記車両の車速および前記操作部材の操舵角に基づいて指示操舵トルクを設定するものである、請求項6記載のモータ制御装置。
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