JP5375967B2 - 糸巻取装置 - Google Patents
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Description
本発明は、糸巻取装置に関する。
糸巻取装置においては、給糸ボビンに巻かれた紡績糸の欠陥を除去しつつ、多数の給糸ボビンの紡績糸をつなぎ合わせることでコーンやチーズ状のパッケージに巻き返している。
この糸巻取装置による巻き返しは、給糸ボビンから解舒される紡績糸に張力を付与しつつ、この紡績糸を多数の糸ガイドなどを経て綾振ドラムによって回転するパッケージに綾振りしながら巻き取り、前記給糸ボビンが空になると新たな給糸ボビンを供給するボビンチェンジを行った後、糸継ぎし、所定形状のパッケージになるまで前記ボビンチェンジを繰り返しながら、巻き取りを続ける構成になっている。このように糸巻取装置は複数の給糸ボビンの紡績糸をつなぎ合わせて一つのパッケージにするものである。
上記の糸巻取装置においては、ボビンチェンジ時や糸切れ時、糸切断時の際、一度巻き取ったパッケージを回転停止及び逆回転し、一定量の紡績糸をパッケージから引き出した後に糸継ぎが行われ、その後、パッケージを正回転させて巻き取りを再開している。このように正回転、回転停止及び逆回転が繰り返されることにより巻き上げられるパッケージの一部の糸層が乱れてしまうことがあった。また、上記のボビンチェンジ時や糸切れ時、糸切断時の際、パッケージ側の糸端は一旦、パッケージに巻き取られることとなるが、この糸端がパッケージの端面から落ちて絡まり、オペレータによる特別な作業が必要となることがあった。
この種の技術として、特許文献1には、糸を緯糸として処理する織機等の糸消費機械に糸を供給するプロセスにおいて、糸を予め貯留しておく作用を行うのに使用される供給装置が開示されている。しかし、この供給装置に貯留される糸はそもそも糸巻取装置によって糸欠点(糸欠陥)が既に除去されたものであるから、糸継ぎという概念が存在せず、後述する本願の課題解決手段における糸貯留部との間で機能が全く異なる。
また、特許文献2には、繊維機械等に連続糸巻き取りのための糸巻取機のマガジンへの糸の送りを空気制御することに関する技術が開示されている。しかし、この文献におけるマガジンは、上流側の糸張力の変動が下流側へ伝わらないようにするために糸を弛ませておく程度のものであって、上記特許文献1と同様、機能の面で、後述する本願の課題解決手段における糸貯留部との間で全く異なっている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本願発明の観点によれば、以下のように構成される、糸巻取装置が提供される。即ち、糸巻取装置は、給糸ボビンから紡績糸を解舒する給糸部と、この紡績糸をパッケージとして巻き取る巻取部と、前記給糸部と前記巻取部の間に設けられ、紡績糸を巻き付けて貯留する糸貯留体を備えた糸貯留部と、前記給糸部側の紡績糸の糸端と、前記糸貯留部側の紡績糸の糸端とを繋ぐ糸継作業を行う糸継部と、前記糸継部によって糸継作業を行う際に、前記糸貯留体に巻きつけられた紡績糸の糸端を前記給糸部側に引き出す糸端引出機構と、を備える。
このように、前記給糸ボビンのボビンチェンジ時、糸切断時、又は糸切れ時にも前記巻取部による紡績糸の巻き取りを継続できるように十分な糸量の紡績糸を貯留することが可能な糸貯留部を前記糸継部と前記巻取部の間に設けることで、前記給糸ボビンのボビンチェンジ時、糸切断時、又は糸切れ時にも前記巻取部による紡績糸の巻き取りを継続することができるようになる。即ち、前記給糸ボビンのボビンチェンジ時、糸切断時、又は糸切れ時に糸継ぎを行う際、前記巻取部には前記糸貯留部から紡績糸を継続して供給することができるし、上記の「前記巻取部側の紡績糸」は、前記パッケージから引き出すことに代えて前記糸端引出機構の作動によって前記糸貯留部から引き出せばよい。従って、パッケージから紡績糸を引き出すためにパッケージの正回転、回転停止及び逆回転を繰り返すことによりパッケージの糸層が乱れてしまう問題が解消されると共に、前記糸継部からみた前記巻取部側の紡績糸の糸端が前記糸貯留部内に留まることになるからオペレータによる上記の特別な作業が必要となることはない。
更には、以下のような効果も奏される。即ち、パッケージの正回転、回転停止及び逆回転を繰り返す回数が減るので、その分、消費電力の削減に優れると共に、ブレーキ力の比較的弱い簡素な構造のブレーキ機構も適用することができるようになる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸端引出機構は、空気流によって前記糸貯留体に巻きつけられた紡績糸の糸端を前記給糸部側に引き出す。以上の構成によると、空気流によって糸端を引き出すので、他の糸にダメージを与えることなく糸端を引き出すことができる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸端引出機構は、内部に紡績糸が走行可能な糸経路を有し、前記糸貯留体の所定の巻付位置に前記給糸部側の紡績糸を案内する糸案内部を備えている。以上の構成によると、糸引出機構が糸案内部を一体的に備えることにより、糸巻取時の糸案内作業と、糸継作業時の糸引出作業とを最適な場所で実施することができる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸案内部により紡績糸が案内される糸貯留体の前記所定の巻付位置と、前記糸端引出機構が、空気流によって前記糸貯留体に巻きつけられた紡績糸の糸端を前記給糸部側に引き出す位置とは、前記糸貯留体の回転軸方向において同じ位置である。以上の構成によると、糸貯留体の回転軸方向において同じ位置で巻付と、糸端の引き出しとが行われるので、切断された糸端は、巻き付け位置に存在しているので、糸端を確実に引き出すことができる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸貯留体側から前記給糸部側へ向かって流れる気体流を前記糸案内部に発生させるための気体流発生部、を更に備えている。前記糸貯留部は、前記糸案内部を前記糸貯留体の巻付中心軸まわりに回転させる駆動部を更に備え、前記糸端引出機構によって前記糸貯留体の外周上にある紡績糸の糸端が前記糸継部側に引き出される際に前記糸案内部が貯留時とは逆方向に回転するように前記駆動部を制御する制御部を更に設けた。以上の構成によれば、前記糸継部による糸継ぎの際、前記糸貯留体の外周上にある紡績糸の糸端は上記気体流によって前記糸案内部の上記糸経路内に吸い込まれ、前記給糸部側へ向かって引き出される。このように前記糸案内部に、前記糸貯留体の外周上に前記給糸部側の紡績糸を案内する役割と、前記糸端引出機構の一部を構成する役割と、を兼ねさせることで、簡素な構成の糸巻取装置が実現される。また、糸貯留時の糸道と糸継時の糸道が同じ糸道であるから、糸継ぎが完了した時点で既に紡績糸は糸貯留時の糸道にセットされることとなり、従って、糸継ぎ後、速やかに糸貯留を再開することができる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、記糸貯留部は、前記糸案内部を前記糸貯留体の巻付中心軸まわりに回転させる駆動部を更に備え、前記糸端引出機構によって前記糸貯留体の外周上にある紡績糸の糸端が前記糸継部側に引き出される際に前記糸案内部が貯留時とは逆方向に回転するように前記駆動部を制御する制御部を更に設けた。以上の構成によれば、前記糸貯留体の外周上にある紡績糸の糸端が、前記糸案内部の糸経路内に一層、吸い込まれ易くなる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸貯留部に貯溜されている紡績糸の糸端が、前記給糸部側に引き出されたことを検出可能な引出検出部を更に備えた。
即ち、前記糸端引出機構による上記の引き出しが成功したか否かが明らかでないと、時間的なマージンを見込むことで、前記糸端引出機構による上記の引き出しを成功させるようになる。この発想に対し、上記の引出検出部を設けたことで、前記糸端引出機構による上記の引き出しが成功したことを知ることができ、もって、紡績糸の糸端を前記糸貯留部から前記給糸部側に引き出すために要する時間を短縮することができるようになる。
また、上記の効果は、次のような別の効果も連鎖的に発揮される。即ち、上記の引き出しに要する時間が短縮されれば、前記糸貯留部による紡績糸の貯留を中断する時間を短くすることができ、この点、一回の糸継ぎで、前記糸貯留部に貯留されている紡績糸の貯留量の消費を抑えることができる。従って、糸継ぎ時における前記糸貯留部の紡績糸の欠乏を回避し易くなる。また、貯留可能な紡績糸の貯留量が少ない、コンパクトな糸貯留部を採用する余地が生まれ、このことは、糸巻取装置自体のコンパクト化に大きく寄与する。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記引出検出部は前記糸貯留部に設けられている。このように前記の引出検出部を前記糸貯留部に設けることで、前記糸貯留部に貯留されている紡績糸の糸端が上記糸端引出機構によって前記給糸部側に引き出されたことを、この糸端が実際に前記糸継部に受け渡される前に、いち早く検出することができる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸貯留部は、前記給糸ボビンのボビンチェンジの開始時から前記糸継部の糸継動作が少なくとも1回実行されるまでの間、通常の巻取速度で前記巻取部が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される。以上の構成によれば、前記給糸ボビンのボビンチェンジの開始時から前記糸継部が糸継ぎを完了させるまでの間、前記巻取部による通常の巻取速度での巻き取りを継続することができる。従って、高い生産性の糸巻取装置が実現する。なお、仮に、前記巻取部による通常の巻取速度が1200[m/min]であるとし、前記ボビンチェンジの開始時から前記糸継部が糸継ぎを完了させるまでの間に6[sec]要するとすると、上記の解決手段によれば、前記糸貯留部は、120[m]もの糸量を貯留可能に構成されることとなる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記給糸部から供給される紡績糸の糸欠陥を検出可能な糸欠陥検出部と、検出した糸欠陥よりも上流側の糸を切断する切断装置と、を更に備え、前記糸貯留部は、前記糸欠陥検出部によって糸欠陥が検出されたときに前記切断装置が実行する糸切断から前記糸継部の糸継動作が少なくとも1回実行されるまでの間、通常の巻取速度で前記巻取部が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される。以上の構成によれば、前記糸欠点検出部によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時から前記糸継部が糸継ぎを完了させるまでの間に前記巻取部による通常の巻取速度での巻き取りを継続することができる。従って、高い生産性の糸巻取装置が実現する。なお、仮に、前記巻取部による通常の巻取速度が1200[m/min]であるとし、前記糸切断時から前記糸継部が糸継ぎを完了させるまでの間に3[sec]要するとすると、上記の解決手段によれば、前記糸貯留部は、60[m]もの糸量を貯留可能に構成されることとなる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸貯留部は、前記糸貯留部は、糸切れ発生時から前記糸継部による糸継動作が少なくとも1回実行されるまでの間、通常の巻取速度で前記巻取部が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される通常の巻取速度で前記巻取部が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される。以上の構成によれば、糸切れ時から前記糸継部が糸継ぎを完了させるまでの間に前記巻取部による通常の巻取速度での巻き取りを継続することができる。従って、高い生産性の糸巻取装置が実現する。なお、仮に、前記巻取部による通常の巻取速度が1200[m/min]であるとし、前記糸切れ時から前記糸継部が糸継ぎを完了させるまでの間に3[sec]要するとすると、上記の解決手段によれば、前記糸貯留部は、60[m]もの糸量を貯留可能に構成されることとなる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸貯留部は、前記巻取部が紡績糸を巻き取る際の通常の巻取速度よりも速い糸速で紡績糸を貯留可能に構成されている。即ち、前記糸継部による糸継ぎの際、前記糸貯留部による紡績糸の貯留が中断し、この糸貯留部に貯留されている紡績糸が前記巻取部に巻き取られることで、前記糸貯留部による紡績糸の貯留量は一時的に減少する。そこで、以上の構成によれば、前記糸貯留部による紡績糸の貯留の再開後、上記貯留量を中断前のレベルまで回復させることができる。従って、前記糸貯留部による紡績糸の上記貯留量を必要最低限(例えば、糸継ぎ3回分)に留めることができ、もって、コンパクトな糸貯留部が実現される。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸貯留部には、紡績糸の貯留量を検出する貯留量検出部が設けられ、この貯留量検出部によって検出される貯留量が所定値以下になったことを検出した場合、前記巻取部が紡績糸を巻き取る巻取速度を減速させる制御部を更に備える。以上の構成によれば、簡素な制御で、前記糸貯留部における紡績糸の貯留量が尽きるのを回避できる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記制御部は、パッケージの糸層に乱れが生じない程度に穏やかに上記巻取速度を減速させる。即ち、上記巻取速度を減速させると、その減速の態様によっては、パッケージの糸層に乱れが生じる虞がある。そこで、前記制御部を上記の通りに構成することで、パッケージの糸層に乱れが生じるのを抑制することができる。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、記糸貯留体は、前記給糸部側の第一端と、前記巻取部側の第二端を有し、この第一端から第二端に向かって外周が短くなるように形成されることにより第一端から第二端に渡る傾斜部が形成され、前記糸案内部は、前記糸貯留体の外周上の前記第一端側に前記給糸部側の紡績糸を案内する。以上の構成によれば、前記糸貯留体の外周上の前記第一端側に前記給糸部側の紡績糸が巻き付けられ、この巻き付けられた紡績糸は、前記糸貯留体の外周上を上記の第一端から第二端側に向かって巻き付け力によって自発的に移動しようとする。従って、前記糸案内部による紡績糸の上記案内位置における紡績糸同士の重なりが禁止され、もって、前記糸貯留体上での紡績糸の円滑な解舒が実現される。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前前記糸貯留体の外周の、前記傾斜部は少なくとも2種類の傾きで構成され、上記第一端側の傾斜は、上記第二端側の傾斜と比較して大きく設定される。以上の形状によれば、前記糸貯留体の外周上の前記第一端側に巻き付けられた紡績糸は、巻き付け直後速やかに上記第二端側へと移動を開始し、やがて傾斜が緩くなると、この移動がし難くなる。この結果、紡績糸は前記糸貯留体の外周上に密に並べられ、もって、前記糸貯留体上での紡績糸の円滑な解舒性と、高い貯留量と、が同時に実現される。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸貯留体は、前記給糸部側の第一端と、前記巻取部側の第二端を有する。前記糸貯留部は、前記糸貯留体の外周上に巻き付けられた紡績糸を前記第一端から前記第二端に向かって強制的に搬送する搬送部を更に備える。前記糸案内部は、前記糸貯留体の外周上の前記第一端側に前記給糸部側の紡績糸を案内する。以上の構成によれば、前記糸貯留体の外周上の前記第一端側に紡績糸が巻き付けられ、この巻き付けられた紡績糸は、前記糸貯留体の外周上を上記の第一端から第二端側に向かって強制的に移動させられる。従って、前記糸案内部による紡績糸の上記案内位置における紡績糸同士の重なりが禁止され、もって、前記糸貯留体上での紡績糸の円滑な解舒が実現される。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸貯留部が、複数のローラと、前記複数のローラに紡績糸を巻き付ける糸巻付機構と、前記複数のローラのうちの少なくとも1つを駆動ローラとして回転させるローラ駆動モータと、を備えており、前記複数のローラは、仮想円周上にその軸が位置するように、並べて回転可能に配置され、各々のローラの回転軸が前記仮想円周の周方向に傾斜して配置されている。以上の構成によれば、紡績糸が巻き付けられる複数のローラが傾斜して配置されているため、ローラを回転させると、糸巻付機構によりローラに巻き付けられた紡績糸は、順次搬送されて仮想円周に囲まれる面と直交する方向(以下、送り方向とする)に移動する。このとき、ローラにより紡績糸を搬送しているため、紡績糸にかかる負担(摩擦力)が小さく、糸の品質低下が低減される。
上記の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記糸貯留部が、回転することにより、紡績糸が巻き付けられる回転貯留ドラムと、前記回転貯留ドラムを両方向に回転させるモータと、前記回転貯留ドラムに、前記給糸部側から紡績糸を案内する案内部材とを備えている。以上の構成によると、糸継時には、回転貯留ドラムを、紡績糸の巻き付け時と逆に回転させることにより、回転貯留ドラムに巻き付けられた紡績糸を給糸部側に引き出すことができる。
上述の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、前記給糸部には、給糸ボビンの芯管に被さる規制部材を給糸ボビンからの紡績糸の解舒と連動して下降させることにより、給糸ボビンから紡績糸の解舒を補助する糸解舒補助装置が設けられている。以上の構成によると、給糸ボビンと巻取部との間に糸貯留部を配置して糸のテンション伝達を遮断することにより、給糸ボビンの解舒テンション部分に巻取部のトラバース変動によるテンション変動が伝わることを防止することができる。さらに給糸ボビンに解舒補助装置を取り付けることにより、給糸ボビンからの糸解舒を安定して行うことができるので、糸切れを防止しさらに給糸ボビンからの解舒速度を速くすることができる。よって、給糸ボビンからの解舒効率を向上させることができる。
<第一実施形態>
以下、図面を参照しつつ、本願発明の第一実施形態に係る糸巻取装置について説明する。オートワインダ1(繊維機械)は、図1に示す巻取ユニット2(糸巻取装置)を紙面左右方向に例えば60錘など多数で並べて構成されている。
以下、図面を参照しつつ、本願発明の第一実施形態に係る糸巻取装置について説明する。オートワインダ1(繊維機械)は、図1に示す巻取ユニット2(糸巻取装置)を紙面左右方向に例えば60錘など多数で並べて構成されている。
各巻取ユニット2は、給糸ボビンBから紡績糸Yを解舒して供給する給糸部3と、この給糸部3から供給される紡績糸Yの糸欠点(糸欠陥)を検出可能なヤーンクリアラ4(糸欠点検出部)と、この紡績糸YをパッケージPとして巻き取る巻取部5と、給糸部3と巻取部5の間に設けられ、上記給糸ボビンBのボビンチェンジ時、ヤーンクリアラ4によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時又は糸切れ時に、給糸部3側の紡績糸Yと巻取部5側の紡績糸Yを糸継ぎする糸継部6と、を主たる構成として備えている。そして、各巻取ユニット2には、糸継部6と巻取部5の間に、糸継部6による糸継ぎの際も巻取部5による紡績糸Yの巻き取りを継続できるように、糸継部6による糸継ぎの間に巻取部5に巻き取られる糸量以上で紡績糸Yを貯留可能なアキュムレータ7(糸貯留部)が設けられている。図1には、巻取ユニット2の上記各構成部品を支持するフレーム8が示され、このフレーム8には、各構成物品を制御するための制御部9(図3も併せて参照。)が収容されている。
上記の給糸部3は、図示しないマガジン(給糸ボビン保持部)から給糸ボビンBを受け取り、この給糸ボビンBを好適な姿勢で支持するペグ10と、給糸ボビンBからの紡績糸Yの解舒を補助する糸解舒補助装置11と、糸解舒補助装置11と糸継部6との間における紡績糸Yの存在を検出するためのヤーンフィーラ12と、から構成されている。このヤーンフィーラ12は、上記の制御部9と電気的に接続されており、紡績糸Yを検出できないとき、制御部9へ空ボビン信号を送信するようになっている。
上記のヤーンクリアラ4は、紡績糸Yのスラブや異物などの糸欠点を検出するものであって、紡績糸Yの質量を基準値と比較することで糸欠点を検出する静電容量式と、紡績糸Yの直径を基準値と比較することで糸欠点を検出する光電式と、の何れかを選択できる。このヤーンクリアラ4は、上記静電容量式又は光電式による検出結果(例えば出力電圧値など)に基づいて紡績糸Yの糸欠点の長さと太さを演算する糸欠点演算部4bを備える。そして、ヤーンクリアラ4には紡績糸Yを切断するためのカッター4a(切断装置)が付設されている。カッター4aはヤーンクリアラ4から糸切断信号を受信すると直ちに紡績糸Yを切断する。この構成で、紡績糸Yの糸欠点をヤーンクリアラ4が検出すると、糸欠点演算部4bは、この糸欠点が続いている長さを積算し始めると共に、この糸欠点の太さを演算して取得する。ヤーンクリアラ4は、糸欠点演算部4bの演算結果(糸欠点の長さ及び太さ)を種々の観点から総合的に評価し、別途オペレータが設定した評価基準範囲から上記演算結果が外れたと判断した場合は、カッター4aに糸切断信号を送信することで紡績糸Yを切断すると共に、糸欠点検出信号を制御部9に送信する。この糸欠点検出信号には、糸欠点演算部4bが積算した糸欠点の長さ情報と、糸欠点演算部4bが演算した糸欠点の太さ情報に基づいて判定した糸欠点の種別情報が含まれている。制御部9は、ヤーンクリアラ4から取得した糸欠点の長さ情報と種別情報をRAMに保存する。また、上記のヤーンクリアラ4は、糸欠点演算部4bが演算した糸欠点の太さ情報に基づいて紡績糸Yの糸切れを検出できるように構成されており、ヤーンクリアラ4は、紡績糸Yの糸切れを検出すると制御部9に対して糸切れ信号を送信する。
上記の巻取部5は、巻取ボビンBfを把持するクレードル13と、紡績糸Yをトラバースさせる綾振ドラム14と、を備える。上記のクレードル13は、パッケージPの綾振ドラム14に対する接触状態と非接触状態との間で切り替えられるように揺動自在に構成されており、パッケージPの巻き太りに応じてクレードル13が回動することで、パッケージPと綾振ドラム14との好適な接触状態が得られるようになっている。上記のクレードル13には巻取ボビンBfの回転にブレーキ力を作用させるパッケージブレーキ15(図3参照)が設けられており、綾振ドラム14には綾振ドラム14を回転させる駆動源としての綾振ドラムモータ16(図3参照)が接続されている。これら、パッケージブレーキ15と綾振ドラムモータ16は、図3に示すように制御部9に電気的に接続されており、もって、制御部9は、巻取部5が紡績糸Yを巻き取る巻取速度Vaを自在に増減できるようになっている。
図1に示すように巻取ユニット2には更に、糸端引出機構Wが設けられている。この糸端引出機構Wは、上記給糸ボビンBのボビンチェンジ時、ヤーンクリアラ4によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時又は糸切れ時に、換言すれば糸継部6による糸継ぎが必要となった際に、アキュムレータ7に巻き込まれた紡績糸Yの糸端を糸継部6側に引き出すものである。詳しくは後述する。
上記の糸継部6は、給糸部3側の紡績糸Yと巻取部5側の紡績糸Yとの糸継ぎ作業を実行する糸継実行部17と、巻取部5側の紡績糸Yを糸端引出機構Wから受け取って糸継実行部17にセットする上側中継ぎパイプ18(上側糸端案内部)と、給糸部3側の紡績糸Yを糸継実行部17にセットする下側中継ぎパイプ19(下側糸端案内部)と、から構成されている。上記の上側中継ぎパイプ18は、軸18a周りに回動可能に支持され、図2に示す負圧源20から負圧が供給されており、その先端には、紡績糸Yを吸引するための吸引口18bが形成されている。更に、この吸引口18bには、吸引口18bを閉塞することで吸引口18bに吸い込まれた紡績糸Yをクランプする略示のクランプ部18cが設けられている。そして、この上側中継ぎパイプ18を回動させる駆動源としての上パイプモータ21(図3参照)は制御部9に電気的に接続されており、もって、制御部9は、上側中継ぎパイプ18を自在に回動できるようになっている。同様に、上記の下側中継ぎパイプ19は、軸19a周りに回動可能に支持され、図2に示す負圧源20から負圧が供給されており、その先端には吸引口19bが形成され、この吸引口19bにはクランプ部19cが設けられている。そして、この下側中継ぎパイプ19を回動させる駆動源としての下パイプモータ22(図3参照)は制御部9に電気的に接続されており、もって、制御部9は、下側中継ぎパイプ19を自在に回動できるようになっている。また、糸継実行部17には、糸継ぎを実行するための駆動源としてのスプライサモータ23が設けられており、このスプライサモータ23(図3参照)も制御部9に電気的に接続され、もって、制御部9は、糸継実行部17による糸継ぎ作業を自在に開始できるようになっている。
図1に示すように、ヤーンフィーラ12と糸継部6の間には、紡績糸Yに対して所望の張力を付与するためのゲート式テンサー24が設けられ、アキュムレータ7と巻取部5の間には、紡績糸Yの上流から下流に向かって順に、紡績糸Yに対して所望の張力を付与するためのゲート式テンサー25と、紡績糸Yに対してワックスを塗布するワキシング装置26と、が設けられている。
以上の構成で、給糸ボビンBから解舒された紡績糸Yは、糸解舒補助装置11と、ヤーンフィーラ12と、ゲート式テンサー24と、ヤーンクリアラ4と、を順に経由してアキュムレータ7に貯留されるようになっており、また、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yは、ゲート式テンサー25と、ワキシング装置26と、を順に経由して綾振ドラム14で綾振られながら巻取部5にてパッケージPとして巻き取られるようになっている。そして、上記給糸ボビンBのボビンチェンジ時、ヤーンクリアラ4によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時又は糸切れ時は、アキュムレータ7から見て給糸部3側の紡績糸Yはアキュムレータ7に一旦巻き込まれ、その後の糸継ぎ時には、前述の糸端引出機構Wによって、アキュムレータ7に巻き込まれている紡績糸Yの糸端が糸継部6側に引き出されるようになっている。
次に、図2を参照しつつ、アキュムレータ7の構成を詳細に説明する。
本実施形態においてアキュムレータ7は、紡績糸Yが外周上に巻き付けられる円筒状に形成された糸貯留体27と、内部に紡績糸Yが走行可能な糸経路28を有し、糸貯留体27の軸Cまわりに回転可能であって、この糸貯留体27の外周上に給糸部3側の紡績糸Yを案内するための巻付アーム29(糸案内部)と、この巻付アーム29を糸貯留体27の軸Cまわりに回転させる巻付アームモータ30(駆動部)と、を主たる構成として備える。
上記の糸貯留体27は、給糸部3側の第一端31と、巻取部5側の第二端32と、を有し、この第一端31から第二端32に向かって外周が先細る筒体として構成され、この糸貯留体27の外周には、軸Cと平行に延びる溝33が周方向において等間隔となるように形成されている。詳しくは、図4(a)に示すように、糸貯留体27の外周のうち第一端31側である下端部34の傾斜αは、上記第二端32側である上端部35の傾斜βと比較して大きく設定されている。具体的には、下端部34の傾斜αは軸Cに対して2〜60°の間で緩やかに変化しており、上端部35の傾斜βは軸Cに対して2°と設定され、下端部34と上端部35は滑らかに接続している。そして、図2に示すように上記の糸貯留体27は巻付アームモータ30の出力軸36の先端(上端)に略示の軸受を介して支持されており、この糸貯留体27の第一端31側に固着した第一マグネット支持体37に貼着したマグネット38と、巻付アームモータ30に設けた第二マグネット支持体39に貼着したマグネット40と、の間の磁気的結合力によって巻付アームモータ30に対する糸貯留体27の回転が規制されるようになっている。
上記の巻付アーム29は、出力軸36の外周面に連結されており、出力軸36の外周面から径方向外側へ延びる直線部41と、第一マグネット支持体37を迂回して糸貯留体27の下端部34近傍に至る湾曲部42と、から構成されており、湾曲部42の先端には、下端部34と対向する開口43が形成されている。この構成で、巻付アーム29は、前述の第一マグネット支持体37と第二マグネット支持体39との間で、糸貯留体27の軸Cまわりに回転可能となっており、このように巻付アーム29が糸貯留体27の軸Cまわりで平面視で時計回りに回転することで、巻付アーム29の糸経路28内に導かれた給糸部3側の紡績糸Yが糸貯留体27の外周上に巻き付けられるようになっている。更に詳しくは、巻付アーム29の開口43が糸貯留体27の第一端31側の下端部34に対向するようになっていることで、給糸部3側の紡績糸Yは、巻付アーム29によって糸貯留体27の外周上の第一端31側の下端部34に案内され、そこに巻き付けられるようになっている。この巻付アーム29の糸経路28は、上記の出力軸36の内部に形成された流路44と連通している。また、巻付アーム29と出力軸36を挟んで反対側には、出力軸36と一体形成されたバランサー45が設けられている。
巻付アームモータ30は、本実施形態においてDCブラシレスモータであって、制御部9に電気的に接続され、もって、制御部9は、巻付アーム29の回転速度、即ち、糸貯留体27へ巻き付けられる紡績糸Yの糸速としての巻付速度Vbを自在に制御できるようになっている。
この巻付アームモータ30のヤーンクリアラ4側には、出力軸36の流路44と連通する糸流路46と、この糸流路46に開口すると共に巻付アーム29側から上側中継ぎパイプ18側へ向かって傾斜して形成される吹下流路47と、を有する吹下ノズル48が設けられている。そして、吹下流路47には接続パイプ49と接続パイプ50を介して圧力空気源51が接続されており、接続パイプ49と接続パイプ50の間には制御部9に電気的に接続された電磁弁52が設けられている。この構成で、制御部9が電磁弁52を開き圧力空気源51の圧力空気が接続パイプ50と接続パイプ49、吹下流路47を順に経由して糸流路46に吐出されると、巻付アーム29の糸経路28、巻付アームモータ30の出力軸36の流路44、及び、吹下ノズル48の糸流路46には、糸貯留体27側から上側中継ぎパイプ18側へ向かう空気流が形成されるようになっている。本実施形態において、巻付アーム29の上記糸経路28内に前記糸貯留体27側から前記糸継部6側へ向かって流れる空気流(気体流)を発生させるための空気流発生部X(気体流発生部)は、少なくとも、吹下ノズル48と、圧力空気源51と、を含んで構成されている。また、前述の糸端引出機構Wは、上記の巻付アーム29と、空気流発生部Xと、を含んで構成されている。即ち、糸端引出機構Wは、空気流発生部Xによって巻付アーム29内に形成された空気流によって、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端を吸い込み、糸継部6側(給糸部3側)に引き出すようになっている。詳しくは、糸端引出機構Wは、空気流発生部Xによって巻付アーム29内に形成された空気流によって、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端を吸い込み、この吸い込みを継続したまま巻付アーム29を貯留時とは逆方向に回転させつつ、糸貯留体27の外周上の紡績糸Yを巻付アーム29の糸経路28を介して糸継部6側に引き出すように構成されている。
このように、本実施の形態では、空気流によって糸端が引き出されるため、糸Yにダメージを与えることなく糸端を引き出すことができる。また、本実施の形態では、糸貯留体27の軸方向において同じ位置で、糸Yの巻付と糸端の引き出しとが行われるので、切断された糸端は、巻付位置に存在しているので、糸端を確実に引き出すことができる。
また、上記の巻付アームモータ30には、巻付アーム29の回転角度を検出可能なロータリエンコーダ53(回転角度検出部)が設けられており、このロータリエンコーダ53は制御部9と電気的に接続されている。そして、ロータリエンコーダ53は、巻付アーム29の回転角度に応じた角度信号を制御部9に送信するようになっている。また、上記の吹下ノズル48の下端には、アキュムレータ7に巻き込まれている紡績糸Yの糸端が糸端引出機構Wによって実際に糸継部6側に引き出されたことを検出可能な引出センサ54(引出検出部)が設けられている。この引出センサ54は、制御部9と電気的に接続されており、紡績糸Yの糸端が糸継部6側に引き出されたことを検出すると、引出検出信号を制御部9に送信するようになっている。本実施形態における引出センサ54は、巻取ユニット2全体でみたとき、アキュムレータ7の巻付アームモータ30に吹下ノズル48を介して設置されている点で、アキュムレータ7に設けられていると言える。
更に、アキュムレータ7には、紡績糸Yの貯留量を検出するための貯留上限センサ55、貯留下限センサ56、貯留最下限センサ57が設けられている。これらのセンサ55〜57は、アキュムレータ7をフレーム8に固定するためのアキュムレータ取付フレーム58に支持されており、夫々、図3に示すように制御部9に電気的に接続されている。貯留上限センサ55は、アキュムレータ7の貯留量Mが300mとなったときの、糸貯留体27の外周上に巻き付けられた紡績糸Yの束の上端に対向する位置に位置決めされている。同様に、貯留下限センサ56は、アキュムレータ7の貯留量Mが200mとなったときの紡績糸Yの束の上端に対向する位置に位置決めされている。同様に、貯留最下限センサ57は、アキュムレータ7の貯留量Mが40mとなったときの紡績糸Yの束の上端に対向する位置に位置決めされている。この構成で、貯留上限センサ55は、対向する位置における紡績糸Yの存在を検出している間、制御部9に、貯留量上限信号を送信する。同様に、貯留下限センサ56は、対向する位置における紡績糸Yの存在を検出している間、制御部9に、貯留量下限信号を送信する。同様に、貯留最下限センサ57は、対向する位置における紡績糸Yの存在を検出している間、制御部9に、貯留量最下限信号を送信するようになっている。本実施形態において、アキュムレータ7における紡績糸Yの貯留量を検出する貯留量検出部は、貯留上限センサ55と、貯留下限センサ56と、貯留最下限センサ57と、を含んで構成される。
ここで、300mというのは、後述する糸継を例えば3回(少なくとも1回)繰り返す間に、巻取部6で巻き取られる糸Yの長さ以上の長さであり、後述するように、糸継を行っている間に巻取部6における糸Yの巻取を継続したときにも、アキュムレータ7において糸Yの糸欠乏が生じにくいようになっている。
次に、巻取ユニット2の制御部9の構成を説明する。即ち、図3に示す制御部9は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するための上記のRAM(Random Access Memory)と、を備えている。そして、ROMに記憶された上記制御プログラムがCPUに読み込まれCPU上で実行されることで、制御プログラムは、CPUなどのハードウェアを、綾振ドラムモータ制御部60、巻付アームモータ制御部61、引出糸長演算部63、上パイプ制御部64、として機能させるようになっている。
綾振ドラムモータ制御部60は、上記の貯留量検出部によって検出される貯留量が所定値を下回ったら、前記巻取部5が紡績糸Yを巻き取る巻取速度Vaを減速させるようになっている。具体的には、綾振ドラムモータ制御部60は、貯留下限センサ56からの貯留量下限信号の受信が途絶えると、パッケージPの糸層に乱れが生じない程度に穏やかに上記巻取速度Vaを減速させる。更に、綾振ドラムモータ制御部60は、貯留最下限センサ57からの貯留量最下限信号の受信が途絶えると、巻取速度Vaを速やかに減速させ巻取部5による巻き取りを停止させる。このように綾振ドラムモータ制御部60は、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留量が少なくなると巻取速度Vaを減速させ、更にアキュムレータ7の紡績糸Yの貯留量が極少となると巻取部5による巻き取りを停止させるようになっており、もって、アキュムレータ7における紡績糸Yの糸欠乏が未然に防止されるようになっている。
巻付アームモータ制御部61は、糸端引出機構Wによって糸貯留体27の外周上にある紡績糸Yの糸端が糸継部6側に引き出される際に巻付アーム29が貯留時とは逆方向に回転するように巻付アームモータ30を制御するものである。
引出糸長演算部63は、引出センサ54が紡績糸Yを検出した時点からの、ロータリエンコーダ53によって検出される巻付アーム29の回転角度に基づいて、糸端引出機構Wによってアキュムレータ7から糸継部6側に引き出された紡績糸Yの糸長としての引出糸長を演算するものである。即ち、引出糸長演算部63は、予めROMに記憶されている糸貯留体27の直径φと、引出センサ54が紡績糸Yを検出した時点からの巻付アーム29の回転角度に基づいて、引出糸長を演算し、演算結果たる引出糸長をRAMに保存する。
上パイプ制御部64は、糸欠点検出信号から取得した糸欠点長さと、引出糸長演算部63によって演算された引出糸長と、を比較し、引出糸長が糸欠点長さに到達したら、上側中継ぎパイプ18をクランプ状態のまま旋回させて、巻取部5側の紡績糸Yを糸継実行部17に案内し、セットするようになっている。
次に、巻取ユニット2の作動を、図4〜15を参照しつつ説明する。
(巻取開始時)
図1に示すオートワインダ1のオペレータは、給糸ボビンBから紡績糸Yを解舒して、この紡績糸Yを糸解舒補助装置11、ヤーンフィーラ12、ヤーンクリアラ4、アキュムレータ7、ゲート式テンサー25、ワキシング装置26にセットし、巻取ボビンBfに固定する。アキュムレータ7における紡績糸Yの糸道は、図2に示す通りである。即ち、オペレータは、紡績糸Yを、引出センサ54と、吹下ノズル48の糸流路46と、出力軸36の流路44と、巻付アーム29の糸経路28と、に順に通す。この状態で、オペレータは、巻付アーム29の開口43側で紡績糸Yを引き出して、糸貯留体27に例えば5〜20回程度、巻き付け、ワキシング装置26にセットする。なお、図2における紡績糸Yは説明の都合上、太く描かれているが、実際には糸貯留体27上には常時、600巻きくらいの紡績糸Yの束が貯留されるようになっている。
図1に示すオートワインダ1のオペレータは、給糸ボビンBから紡績糸Yを解舒して、この紡績糸Yを糸解舒補助装置11、ヤーンフィーラ12、ヤーンクリアラ4、アキュムレータ7、ゲート式テンサー25、ワキシング装置26にセットし、巻取ボビンBfに固定する。アキュムレータ7における紡績糸Yの糸道は、図2に示す通りである。即ち、オペレータは、紡績糸Yを、引出センサ54と、吹下ノズル48の糸流路46と、出力軸36の流路44と、巻付アーム29の糸経路28と、に順に通す。この状態で、オペレータは、巻付アーム29の開口43側で紡績糸Yを引き出して、糸貯留体27に例えば5〜20回程度、巻き付け、ワキシング装置26にセットする。なお、図2における紡績糸Yは説明の都合上、太く描かれているが、実際には糸貯留体27上には常時、600巻きくらいの紡績糸Yの束が貯留されるようになっている。
(通常巻取時)
この状態で、図8に示すように巻取ユニット2の電源を投入すると(S300)、制御部9は、巻取部5による紡績糸Yの巻取速度Vaが1200m/minとなるように綾振ドラム14の回転を開始させると共に、アキュムレータ7による紡績糸Yの巻付速度Vbが1500m/minとなるように巻付アーム29の回転を開始させる(S310)。すると、図1や図2に示すように、糸貯留体27の外周上に巻き付けられた紡績糸Yの束は、上端から順に巻取部5によって解舒され、綾振ドラム14によって綾振られながらパッケージPに巻き取られていく。これと同時に、給糸部3側の紡績糸Yは、図2に示すように巻付アーム29によって糸貯留体27の下端部34に案内されると共に、巻付アーム29が糸貯留体27の軸Cまわりで平面視で時計回りに回転することで、糸貯留体27の第一端31側の下端部34に巻き付けられていく。詳しくは、図4(a)に示すように、巻付アーム29による紡績糸Y1の案内位置Aは下端部34と対向するように定められており、この案内位置Aに案内され、下端部34に巻き付いた紡績糸Y1には、符号Fで示す巻き付け力Fが糸貯留体27の軸Cに近づく方向に発生する。この巻き付け力Fは、下端部34の鋭い傾斜αとの係合によって符号f1で示す分力としての駆け上がり力f1を発生させ、この駆け上がり力f1によって紡績糸Y1は、図4(b)において太線矢印で示すように糸貯留体27の外周上を第一端31側から第二端32側へ向かって自発的に移動しようとする。従って、図4(c)に示すように、巻付アーム29による紡績糸Y1の案内位置Aが下端部34と対向するように固定されていても、この案内位置Aに案内された紡績糸Y1はその都度、第一端31側から第二端32側へ向かって移動するので、この案内位置Aにおける紡績糸Y1、Y0同士の重なりが禁止され、もって、糸貯留体27上での紡績糸Y3の円滑な解舒が実現されている。ここで、第一端31側の下端部34の傾斜αは、第二端32側の上端部35の傾斜βと比較して大きく設定されている。従って、糸貯留体27の外周上の前記第一端31側の下端部34に対向する案内位置Aに巻き付けられた紡績糸Y1は、巻き付け直後速やかに上記第二端32側へと移動を開始し、やがて上端部35に至って傾斜が緩くなると、この移動がし難くなる。一方、既に糸貯留体27の外周上に巻き付けられている紡績糸Y2は、下端部34と上端部35の境界に留まっている。従って、僅かな駆け上がり力f1が残された紡績糸Y1は、この紡績糸Y2に当接し、図4(c)に示すように紡績糸Y2と紡績糸Y3を第二端32側へ向かって押し上げ、この結果、紡績糸Y1〜Y3は前記糸貯留体27の外周上に密に並べられることとなり、もって、前記糸貯留体27上での紡績糸Yの円滑な解舒性と、高い貯留量と、が同時に実現される。
この状態で、図8に示すように巻取ユニット2の電源を投入すると(S300)、制御部9は、巻取部5による紡績糸Yの巻取速度Vaが1200m/minとなるように綾振ドラム14の回転を開始させると共に、アキュムレータ7による紡績糸Yの巻付速度Vbが1500m/minとなるように巻付アーム29の回転を開始させる(S310)。すると、図1や図2に示すように、糸貯留体27の外周上に巻き付けられた紡績糸Yの束は、上端から順に巻取部5によって解舒され、綾振ドラム14によって綾振られながらパッケージPに巻き取られていく。これと同時に、給糸部3側の紡績糸Yは、図2に示すように巻付アーム29によって糸貯留体27の下端部34に案内されると共に、巻付アーム29が糸貯留体27の軸Cまわりで平面視で時計回りに回転することで、糸貯留体27の第一端31側の下端部34に巻き付けられていく。詳しくは、図4(a)に示すように、巻付アーム29による紡績糸Y1の案内位置Aは下端部34と対向するように定められており、この案内位置Aに案内され、下端部34に巻き付いた紡績糸Y1には、符号Fで示す巻き付け力Fが糸貯留体27の軸Cに近づく方向に発生する。この巻き付け力Fは、下端部34の鋭い傾斜αとの係合によって符号f1で示す分力としての駆け上がり力f1を発生させ、この駆け上がり力f1によって紡績糸Y1は、図4(b)において太線矢印で示すように糸貯留体27の外周上を第一端31側から第二端32側へ向かって自発的に移動しようとする。従って、図4(c)に示すように、巻付アーム29による紡績糸Y1の案内位置Aが下端部34と対向するように固定されていても、この案内位置Aに案内された紡績糸Y1はその都度、第一端31側から第二端32側へ向かって移動するので、この案内位置Aにおける紡績糸Y1、Y0同士の重なりが禁止され、もって、糸貯留体27上での紡績糸Y3の円滑な解舒が実現されている。ここで、第一端31側の下端部34の傾斜αは、第二端32側の上端部35の傾斜βと比較して大きく設定されている。従って、糸貯留体27の外周上の前記第一端31側の下端部34に対向する案内位置Aに巻き付けられた紡績糸Y1は、巻き付け直後速やかに上記第二端32側へと移動を開始し、やがて上端部35に至って傾斜が緩くなると、この移動がし難くなる。一方、既に糸貯留体27の外周上に巻き付けられている紡績糸Y2は、下端部34と上端部35の境界に留まっている。従って、僅かな駆け上がり力f1が残された紡績糸Y1は、この紡績糸Y2に当接し、図4(c)に示すように紡績糸Y2と紡績糸Y3を第二端32側へ向かって押し上げ、この結果、紡績糸Y1〜Y3は前記糸貯留体27の外周上に密に並べられることとなり、もって、前記糸貯留体27上での紡績糸Yの円滑な解舒性と、高い貯留量と、が同時に実現される。
給糸部3から巻取部5に至るまで紡績糸Yが繋がった状態で紡績糸YがパッケージPに巻き取られる通常巻取時、制御部9は、図8に示すように、糸切れ信号の受信の有無を確認し(S320)、糸欠点検出信号の受信の有無を確認し(S330)、空ボビン信号の受信の有無を確認し(S340)、貯留量上限信号の受信の有無を確認している(S350)。制御部9は、糸切れ信号を受信したら(S320:YES)、図9に示す制御フローを実行してから(S325)、図8の制御フローに復帰するようになっている。同様に、制御部9は、糸欠点検出信号を受信したら(S330:YES)、図11に示す制御フローを実行してから(S335)、図8の制御フローに復帰するようになっており、空ボビン信号を受信したら(S340:YES)、図12に示す制御フローを実行してから(S345)、図8の制御フローに復帰するようになっている。
また、巻取開始からしばらくは、巻付速度Vbが巻取速度Vaよりも上回っているので、アキュムレータ7の貯留量Mは、増加していき、やがて、貯留量Mが300mに至ると、貯留上限センサ55は制御部9に貯留量上限信号を送信する。制御部9は、図8に示すように貯留上限センサ55から貯留量上限信号を受信すると(S350:YES)、巻付速度Vbを1500m/minから1200m/minへと変更する(S360)。これにより、巻取速度Vaと巻付速度Vbが一致し、アキュムレータ7の貯留量Mは、一定となる。
(糸切れ時)
紡績糸Yが図1に示すゲート式テンサー24で糸切れしたとする。この場合、ゲート式テンサー24よりも下流側の紡績糸Yは、すべて糸貯留体27に巻き付けられ、紡績糸Yの糸端は糸貯留体27の下端部34の外周上に巻き付けられた状態となる。これと同時に、ヤーンクリアラ4は糸切れを検出し、制御部9へ糸切れ信号を送信する。図8に示すように制御部9は、ヤーンクリアラ4から糸切れ信号を受信すると(S320:YES)、図9に示す制御フローを実行する(S325)。即ち、制御部9は、図10に示す糸欠乏防止のための制御フロー(詳しくは、後述する。)を公知のマルチタスク技術で並行して実行しつつ(S400)、先ず、巻付アーム29の回転を停止させる(S410)。次に、制御部9は、図5に示す電磁弁52を開状態へと切り替えることで、符号a及びbで示す太線矢印のように、巻付アーム29の糸経路28などに、糸貯留体27側から上側中継ぎパイプ18側へ向かう空気流を形成する(S420)。これと同時に、制御部9は、図5に示す上側中継ぎパイプ18を若干回動させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを閉塞状態から開放状態へと切り替え、これにより、符号c及びdで示す太線矢印のように、上側中継ぎパイプ18に、吸引口18b側から負圧源20側へ向かう空気流を形成する(S420)。次に、巻付アームモータ制御部61は、巻付アーム29が貯留時とは逆方向に、即ち、図5で平面視で反時計回りに低速で回転するように巻付アームモータ30を制御し(S430)、引出センサ54からの引出検出信号の受信待ち状態となる(S440:NO)。すると、下端部34上に存在する紡績糸Yの糸端は、巻付アーム29の開口43に吸い込まれ、図6に示すように巻付アーム29の糸経路28などを経由して上側中継ぎパイプ18の吸引口18bに至る。このとき、紡績糸Yが引出センサ54を通過するので、引出センサ54は、制御部9に、引出検出信号を送信する。図9に示すように、引出センサ54から引出検出信号を受信すると(S440:YES)、制御部9は、巻付アーム29の低速回転を継続したまま、上側中継ぎパイプ18を若干旋回させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを開放状態から閉塞状態へと切り替えると共にクランプ部18cによって紡績糸Yをクランプさせ、更に上から下へ向かって上側中継ぎパイプ18を旋回させることで、アキュムレータ7から引き出した紡績糸Yをアキュムレータ7よりも給糸部3側にある糸継部6の糸継実行部17に案内する(S450)。このとき、上側中継ぎパイプ18の旋回によってアキュムレータ7から紡績糸Yが概ね60cm程度、新たに引き出されることとなるが、このときに紡績糸Yがクランプ部18cと糸貯留体27との間で糸切れしないように、制御部9は、上側中継ぎパイプ18の旋回を巻付アーム29の回転と同期させる。上側中継ぎパイプ18による紡績糸Yの糸継実行部17への案内が完了したら(S450)、制御部9は、巻付アーム29の回転を停止させる(S460)。一方で、図1に示す下側中継ぎパイプ19は、上側中継ぎパイプ18と同様に、ヤーンフィーラ12の周辺に存在する紡績糸Yの糸端を吸引捕捉し、この紡績糸Yを糸継実行部17に案内する。そして、アキュムレータ7側の紡績糸Yと給糸部3側の紡績糸Yが糸継実行部17にセットされたら、制御部9は、図3に示すスプライサモータ23を駆動して、糸継実行部17による糸継ぎ作業を実行する(S470)。そして、制御部9は、図2に示すように巻付アーム29の平面視時計回りの回転を開始させ(S480)、図5の糸切れ状態から図2の通常巻取状態へと復帰する(S490)。なお、このときの巻付アーム29の回転数は、巻付速度Vbが1500m/minとなるように設定される(S480)。
紡績糸Yが図1に示すゲート式テンサー24で糸切れしたとする。この場合、ゲート式テンサー24よりも下流側の紡績糸Yは、すべて糸貯留体27に巻き付けられ、紡績糸Yの糸端は糸貯留体27の下端部34の外周上に巻き付けられた状態となる。これと同時に、ヤーンクリアラ4は糸切れを検出し、制御部9へ糸切れ信号を送信する。図8に示すように制御部9は、ヤーンクリアラ4から糸切れ信号を受信すると(S320:YES)、図9に示す制御フローを実行する(S325)。即ち、制御部9は、図10に示す糸欠乏防止のための制御フロー(詳しくは、後述する。)を公知のマルチタスク技術で並行して実行しつつ(S400)、先ず、巻付アーム29の回転を停止させる(S410)。次に、制御部9は、図5に示す電磁弁52を開状態へと切り替えることで、符号a及びbで示す太線矢印のように、巻付アーム29の糸経路28などに、糸貯留体27側から上側中継ぎパイプ18側へ向かう空気流を形成する(S420)。これと同時に、制御部9は、図5に示す上側中継ぎパイプ18を若干回動させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを閉塞状態から開放状態へと切り替え、これにより、符号c及びdで示す太線矢印のように、上側中継ぎパイプ18に、吸引口18b側から負圧源20側へ向かう空気流を形成する(S420)。次に、巻付アームモータ制御部61は、巻付アーム29が貯留時とは逆方向に、即ち、図5で平面視で反時計回りに低速で回転するように巻付アームモータ30を制御し(S430)、引出センサ54からの引出検出信号の受信待ち状態となる(S440:NO)。すると、下端部34上に存在する紡績糸Yの糸端は、巻付アーム29の開口43に吸い込まれ、図6に示すように巻付アーム29の糸経路28などを経由して上側中継ぎパイプ18の吸引口18bに至る。このとき、紡績糸Yが引出センサ54を通過するので、引出センサ54は、制御部9に、引出検出信号を送信する。図9に示すように、引出センサ54から引出検出信号を受信すると(S440:YES)、制御部9は、巻付アーム29の低速回転を継続したまま、上側中継ぎパイプ18を若干旋回させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを開放状態から閉塞状態へと切り替えると共にクランプ部18cによって紡績糸Yをクランプさせ、更に上から下へ向かって上側中継ぎパイプ18を旋回させることで、アキュムレータ7から引き出した紡績糸Yをアキュムレータ7よりも給糸部3側にある糸継部6の糸継実行部17に案内する(S450)。このとき、上側中継ぎパイプ18の旋回によってアキュムレータ7から紡績糸Yが概ね60cm程度、新たに引き出されることとなるが、このときに紡績糸Yがクランプ部18cと糸貯留体27との間で糸切れしないように、制御部9は、上側中継ぎパイプ18の旋回を巻付アーム29の回転と同期させる。上側中継ぎパイプ18による紡績糸Yの糸継実行部17への案内が完了したら(S450)、制御部9は、巻付アーム29の回転を停止させる(S460)。一方で、図1に示す下側中継ぎパイプ19は、上側中継ぎパイプ18と同様に、ヤーンフィーラ12の周辺に存在する紡績糸Yの糸端を吸引捕捉し、この紡績糸Yを糸継実行部17に案内する。そして、アキュムレータ7側の紡績糸Yと給糸部3側の紡績糸Yが糸継実行部17にセットされたら、制御部9は、図3に示すスプライサモータ23を駆動して、糸継実行部17による糸継ぎ作業を実行する(S470)。そして、制御部9は、図2に示すように巻付アーム29の平面視時計回りの回転を開始させ(S480)、図5の糸切れ状態から図2の通常巻取状態へと復帰する(S490)。なお、このときの巻付アーム29の回転数は、巻付速度Vbが1500m/minとなるように設定される(S480)。
(糸欠点検出時)
図8に示す通常巻取時において、ヤーンクリアラ4から糸欠点検出信号を受信すると(S330:YES)、制御部9は、図11に示す制御フローを実行する(S335)。即ち、制御部9は、図10に示す糸欠乏防止のための制御フローを公知のマルチタスク技術で並行して実行しつつ(S500)、巻付アーム29の回転を停止させ(S530)、糸切れ時と同様に、電磁弁52や上パイプモータ21を制御して、図5の符号a及びb、c、dで示す太線矢印のように、糸経路28などに空気流を形成する(S540)。次に、巻付アームモータ制御部61は、巻付アーム29が貯留時とは逆方向に、即ち、図5で平面視で反時計回りに低速で回転するように巻付アームモータ30を制御し(S550)、引出センサ54からの引出検出信号の受信待ち状態となる(S560:NO)。すると、下端部34上に存在する紡績糸Yの糸端は、巻付アーム29の開口43に吸い込まれ、図6に示すように巻付アーム29の糸経路28などを経由して上側中継ぎパイプ18の吸引口18bに至る。このとき、紡績糸Yが引出センサ54を通過するので、引出センサ54は、制御部9に、引出検出信号を送信する。図11に示すように、引出センサ54から引出検出信号を受信すると(S560:YES)、引出糸長演算部63は、引出センサ54が紡績糸Yを検出した時点からの、ロータリエンコーダ53によって検出される前記巻付アーム29の回転角度を取得し(S570)、この回転角度に基づいて前記の引出糸長を演算する(S580)。そして、上パイプ制御部64は、糸欠点検出信号から取得した糸欠点の長さと、引出糸長演算部63によって演算された引出糸長と、を比較する(S590)。そして、上パイプ制御部64は、引出糸長が糸欠点長さに到達するまで待機し(S590:NO)、図7に示すように到達したら(S590:YES)、制御部9は、巻付アーム29の低速回転を継続したまま、上側中継ぎパイプ18を若干旋回させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを開放状態から閉塞状態へと切り替えると共にクランプ部18cによって紡績糸Yをクランプさせ、更に上から下へ向かって上側中継ぎパイプ18を旋回させることで、アキュムレータ7から引き出した紡績糸Yを糸継部6の糸継実行部17に案内する(S600)。図7の符号Y6で示す二点鎖線は、糸欠点のある紡績糸をイメージしたものである。このとき、上側中継ぎパイプ18の旋回によってアキュムレータ7から紡績糸Yが概ね60cm程度、新たに引き出されることとなるが、このときに紡績糸Yがクランプ部18cと糸貯留体27との間で糸切れしないように、制御部9は、上側中継ぎパイプ18の旋回を巻付アーム29の回転と同期させる。上側中継ぎパイプ18による紡績糸Yの糸継実行部17への案内が完了したら(S600)、制御部9は、巻付アーム29の回転を停止させる(S610)。一方で、図1に示す下側中継ぎパイプ19は、上側中継ぎパイプ18と同様に、ヤーンフィーラ12の周辺に存在する紡績糸Yの糸端を吸引捕捉し、この紡績糸Yを糸継実行部17に案内する。そして、アキュムレータ7側の紡績糸Yと給糸部3側の紡績糸Yが糸継実行部17にセットされたら、制御部9は、図3に示すスプライサモータ23を駆動して、糸継実行部17による糸継ぎ作業を実行する(S620)。そして、制御部9は、図2に示すように巻付アーム29の平面視時計回りの回転を開始させ(S630)、図5の糸切れ状態から図2の通常巻取状態へと復帰する(S640)。なお、このときの巻付アーム29の回転数は、巻付速度Vbが1500m/minとなるように設定される(S630)。
図8に示す通常巻取時において、ヤーンクリアラ4から糸欠点検出信号を受信すると(S330:YES)、制御部9は、図11に示す制御フローを実行する(S335)。即ち、制御部9は、図10に示す糸欠乏防止のための制御フローを公知のマルチタスク技術で並行して実行しつつ(S500)、巻付アーム29の回転を停止させ(S530)、糸切れ時と同様に、電磁弁52や上パイプモータ21を制御して、図5の符号a及びb、c、dで示す太線矢印のように、糸経路28などに空気流を形成する(S540)。次に、巻付アームモータ制御部61は、巻付アーム29が貯留時とは逆方向に、即ち、図5で平面視で反時計回りに低速で回転するように巻付アームモータ30を制御し(S550)、引出センサ54からの引出検出信号の受信待ち状態となる(S560:NO)。すると、下端部34上に存在する紡績糸Yの糸端は、巻付アーム29の開口43に吸い込まれ、図6に示すように巻付アーム29の糸経路28などを経由して上側中継ぎパイプ18の吸引口18bに至る。このとき、紡績糸Yが引出センサ54を通過するので、引出センサ54は、制御部9に、引出検出信号を送信する。図11に示すように、引出センサ54から引出検出信号を受信すると(S560:YES)、引出糸長演算部63は、引出センサ54が紡績糸Yを検出した時点からの、ロータリエンコーダ53によって検出される前記巻付アーム29の回転角度を取得し(S570)、この回転角度に基づいて前記の引出糸長を演算する(S580)。そして、上パイプ制御部64は、糸欠点検出信号から取得した糸欠点の長さと、引出糸長演算部63によって演算された引出糸長と、を比較する(S590)。そして、上パイプ制御部64は、引出糸長が糸欠点長さに到達するまで待機し(S590:NO)、図7に示すように到達したら(S590:YES)、制御部9は、巻付アーム29の低速回転を継続したまま、上側中継ぎパイプ18を若干旋回させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを開放状態から閉塞状態へと切り替えると共にクランプ部18cによって紡績糸Yをクランプさせ、更に上から下へ向かって上側中継ぎパイプ18を旋回させることで、アキュムレータ7から引き出した紡績糸Yを糸継部6の糸継実行部17に案内する(S600)。図7の符号Y6で示す二点鎖線は、糸欠点のある紡績糸をイメージしたものである。このとき、上側中継ぎパイプ18の旋回によってアキュムレータ7から紡績糸Yが概ね60cm程度、新たに引き出されることとなるが、このときに紡績糸Yがクランプ部18cと糸貯留体27との間で糸切れしないように、制御部9は、上側中継ぎパイプ18の旋回を巻付アーム29の回転と同期させる。上側中継ぎパイプ18による紡績糸Yの糸継実行部17への案内が完了したら(S600)、制御部9は、巻付アーム29の回転を停止させる(S610)。一方で、図1に示す下側中継ぎパイプ19は、上側中継ぎパイプ18と同様に、ヤーンフィーラ12の周辺に存在する紡績糸Yの糸端を吸引捕捉し、この紡績糸Yを糸継実行部17に案内する。そして、アキュムレータ7側の紡績糸Yと給糸部3側の紡績糸Yが糸継実行部17にセットされたら、制御部9は、図3に示すスプライサモータ23を駆動して、糸継実行部17による糸継ぎ作業を実行する(S620)。そして、制御部9は、図2に示すように巻付アーム29の平面視時計回りの回転を開始させ(S630)、図5の糸切れ状態から図2の通常巻取状態へと復帰する(S640)。なお、このときの巻付アーム29の回転数は、巻付速度Vbが1500m/minとなるように設定される(S630)。
(ボビンチェンジ時)
ところで、給糸ボビンBが空になったとする。この場合、ゲート式テンサー24よりも下流側の紡績糸Yは、すべて糸貯留体27に巻き付けられ、紡績糸Yの糸端は糸貯留体27の下端部34の外周に巻き付けられた状態となる。これと同時に、ヤーンフィーラ12は制御部9へ空ボビン信号を送信する。図8に示すように制御部9は、ヤーンフィーラ12から空ボビン信号を受信すると(S340:YES)、図12に示す制御フローを実行する(S345)。即ち、制御部9は、図10に示す糸欠乏防止のための制御フローを公知のマルチタスク技術で並行して実行しつつ(S700)、現在の給糸ボビンBを排出して新たな給糸ボビンBをペグ10に装填し、この給糸ボビンBの紡績糸Yを案内し、下側中継ぎパイプ19に捕捉吸引可能な状態としておき(S710)、これと前後して巻付アーム29の回転を停止させる(S720)。次に、制御部9は、糸切れ時と同様に、電磁弁52や上パイプモータ21を制御して、図5の符号a及びb、c、dで示す太線矢印のように、糸経路28などに空気流を形成する(S730)。次に、巻付アームモータ制御部61は、巻付アーム29が貯留時とは逆方向に、即ち、図5で平面視で反時計回りに低速で回転するように巻付アームモータ30を制御し(S740)、引出センサ54からの引出検出信号の受信待ち状態となる(S750:NO)。すると、下端部34上に存在する紡績糸Yの糸端は、巻付アーム29の開口43に吸い込まれ、図6に示すように巻付アーム29の糸経路28などを経由して上側中継ぎパイプ18の吸引口18bに至る。このとき、紡績糸Yが引出センサ54を通過するので、引出センサ54は、制御部9に、引出検出信号を送信する。図12に示すように、引出センサ54から引出検出信号を受信すると(S750:YES)、制御部9は、巻付アーム29の低速回転を継続したまま、上側中継ぎパイプ18を若干旋回させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを開放状態から閉塞状態へと切り替えると共にクランプ部18cによって紡績糸Yをクランプさせ、更に上から下へ向かって上側中継ぎパイプ18を旋回させることで、アキュムレータ7から引き出した紡績糸Yを糸継部6の糸継実行部17に案内する(S760)。このとき、上側中継ぎパイプ18の旋回によってアキュムレータ7から紡績糸Yが概ね60cm程度、新たに引き出されることとなるが、このときに紡績糸Yがクランプ部18cと糸貯留体27との間で糸切れしないように、制御部9は、上側中継ぎパイプ18の旋回を巻付アーム29の回転と同期させる。上側中継ぎパイプ18による紡績糸Yの糸継実行部17への案内が完了したら(S760)、制御部9は、巻付アーム29の回転を停止させる(S770)。一方で、図1に示す下側中継ぎパイプ19は、上側中継ぎパイプ18と同様に、ヤーンフィーラ12の周辺に存在する紡績糸Yの糸端を吸引捕捉し、この紡績糸Yを糸継実行部17に案内する。そして、アキュムレータ7側の紡績糸Yと給糸部3側の紡績糸Yが糸継実行部17にセットされたら、制御部9は、図3に示すスプライサモータ23を駆動して、糸継実行部17による糸継ぎ作業を実行する(S780)。そして、制御部9は、図2に示すように巻付アーム29の平面視時計回りの回転を開始させ(S790)、図5の糸切れ状態から図2の通常巻取状態へと復帰する(S800)。なお、このときの巻付アーム29の回転数は、巻付速度Vbが1500m/minとなるように設定される(S790)。
ところで、給糸ボビンBが空になったとする。この場合、ゲート式テンサー24よりも下流側の紡績糸Yは、すべて糸貯留体27に巻き付けられ、紡績糸Yの糸端は糸貯留体27の下端部34の外周に巻き付けられた状態となる。これと同時に、ヤーンフィーラ12は制御部9へ空ボビン信号を送信する。図8に示すように制御部9は、ヤーンフィーラ12から空ボビン信号を受信すると(S340:YES)、図12に示す制御フローを実行する(S345)。即ち、制御部9は、図10に示す糸欠乏防止のための制御フローを公知のマルチタスク技術で並行して実行しつつ(S700)、現在の給糸ボビンBを排出して新たな給糸ボビンBをペグ10に装填し、この給糸ボビンBの紡績糸Yを案内し、下側中継ぎパイプ19に捕捉吸引可能な状態としておき(S710)、これと前後して巻付アーム29の回転を停止させる(S720)。次に、制御部9は、糸切れ時と同様に、電磁弁52や上パイプモータ21を制御して、図5の符号a及びb、c、dで示す太線矢印のように、糸経路28などに空気流を形成する(S730)。次に、巻付アームモータ制御部61は、巻付アーム29が貯留時とは逆方向に、即ち、図5で平面視で反時計回りに低速で回転するように巻付アームモータ30を制御し(S740)、引出センサ54からの引出検出信号の受信待ち状態となる(S750:NO)。すると、下端部34上に存在する紡績糸Yの糸端は、巻付アーム29の開口43に吸い込まれ、図6に示すように巻付アーム29の糸経路28などを経由して上側中継ぎパイプ18の吸引口18bに至る。このとき、紡績糸Yが引出センサ54を通過するので、引出センサ54は、制御部9に、引出検出信号を送信する。図12に示すように、引出センサ54から引出検出信号を受信すると(S750:YES)、制御部9は、巻付アーム29の低速回転を継続したまま、上側中継ぎパイプ18を若干旋回させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを開放状態から閉塞状態へと切り替えると共にクランプ部18cによって紡績糸Yをクランプさせ、更に上から下へ向かって上側中継ぎパイプ18を旋回させることで、アキュムレータ7から引き出した紡績糸Yを糸継部6の糸継実行部17に案内する(S760)。このとき、上側中継ぎパイプ18の旋回によってアキュムレータ7から紡績糸Yが概ね60cm程度、新たに引き出されることとなるが、このときに紡績糸Yがクランプ部18cと糸貯留体27との間で糸切れしないように、制御部9は、上側中継ぎパイプ18の旋回を巻付アーム29の回転と同期させる。上側中継ぎパイプ18による紡績糸Yの糸継実行部17への案内が完了したら(S760)、制御部9は、巻付アーム29の回転を停止させる(S770)。一方で、図1に示す下側中継ぎパイプ19は、上側中継ぎパイプ18と同様に、ヤーンフィーラ12の周辺に存在する紡績糸Yの糸端を吸引捕捉し、この紡績糸Yを糸継実行部17に案内する。そして、アキュムレータ7側の紡績糸Yと給糸部3側の紡績糸Yが糸継実行部17にセットされたら、制御部9は、図3に示すスプライサモータ23を駆動して、糸継実行部17による糸継ぎ作業を実行する(S780)。そして、制御部9は、図2に示すように巻付アーム29の平面視時計回りの回転を開始させ(S790)、図5の糸切れ状態から図2の通常巻取状態へと復帰する(S800)。なお、このときの巻付アーム29の回転数は、巻付速度Vbが1500m/minとなるように設定される(S790)。
次に、糸欠乏防止のための制御フローについて説明する。この制御フローにおいては、図10に示すように、貯留下限センサ56からの貯留量下限信号の受信が途絶えると(S900:NO)、巻取速度Vaが500m/minを下回るまで(S910:YES)、パッケージPの糸層に乱れが生じない程度に穏やかに、例えば0.5秒毎に100m/minずつ、上記巻取速度Vaを減速させる(S920)。このように綾振ドラムモータ制御部60は、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留量が少なくなると、巻取速度Vaを減速させるようにしており、もって、アキュムレータ7における紡績糸Yの糸欠乏が未然に防止されるようになっている。また、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留が再開したら(S960:YES)、制御部9は、巻取速度Vaが1200m/minに至るまで(S970:NO)、パッケージPの糸層に乱れが生じない程度に穏やかに、例えば0.5秒毎に100m/minずつ、上記巻取速度Vaを増速させる(S980)。そして、巻取速度Vaが1200m/minに至ったら(S970:YES)、制御部9は、糸欠乏防止のための図13の制御フローを終了する(S990)。一方で、貯留最下限センサ57からの貯留量最下限信号の受信が途絶えると(S930:NO)、巻取速度Vaがゼロとなるまで(S940:YES)、巻取速度Vaを速やかに、例えば0.5秒毎に800m/minずつ、減速させ、巻き取りを停止させる(S950)。この制御は、糸欠乏を巻取中止によって防ぐものである。
(まとめ)
(技術事項1)
以上説明したように本実施形態において巻取ユニット2は、例えば図1に示すように、以下のように構成されている。即ち、給糸ボビンBから紡績糸Yを解舒して供給する給糸部3と、この給糸部3から供給される紡績糸Yの糸欠点を検出可能なヤーンクリアラ4と、この紡績糸YをパッケージPとして巻き取る巻取部5と、前記の給糸部3と巻取部5の間に設けられ、前記給糸部3側の紡績糸Yと前記巻取部5側の紡績糸Yを糸継ぎする糸継部6と、を備える。前記糸継部6と前記巻取部5の間で、前記糸継部6による糸継ぎの間に前記巻取部5に巻き取られる糸量以上で、紡績糸Yを貯留可能なアキュムレータ7と、前記糸継部6による糸継ぎの際に、アキュムレータ7に巻き込まれた紡績糸Yの糸端を前記糸継部6側(給糸部3側)に引き出す糸端引出機構Wと、を設けた。
(技術事項1)
以上説明したように本実施形態において巻取ユニット2は、例えば図1に示すように、以下のように構成されている。即ち、給糸ボビンBから紡績糸Yを解舒して供給する給糸部3と、この給糸部3から供給される紡績糸Yの糸欠点を検出可能なヤーンクリアラ4と、この紡績糸YをパッケージPとして巻き取る巻取部5と、前記の給糸部3と巻取部5の間に設けられ、前記給糸部3側の紡績糸Yと前記巻取部5側の紡績糸Yを糸継ぎする糸継部6と、を備える。前記糸継部6と前記巻取部5の間で、前記糸継部6による糸継ぎの間に前記巻取部5に巻き取られる糸量以上で、紡績糸Yを貯留可能なアキュムレータ7と、前記糸継部6による糸継ぎの際に、アキュムレータ7に巻き込まれた紡績糸Yの糸端を前記糸継部6側(給糸部3側)に引き出す糸端引出機構Wと、を設けた。
このように、前記糸継部6による糸継ぎの際も前記巻取部5による紡績糸Yの巻き取りを継続できるように十分な糸量の紡績糸Yを貯留することが可能なアキュムレータ7を前記糸継部6と前記巻取部5の間に設けることで、前記給糸ボビンのボビンチェンジ時、糸切断時、又は糸切れ時に糸継ぎを行う際も前記巻取部5による紡績糸Yの巻き取りを継続することができるようになる。即ち、糸継ぎの際、前記巻取部5にはアキュムレータ7から紡績糸Yを継続して供給することができるし、上記の「前記巻取部5側の紡績糸Y」は、図5や図6に示すように、前記パッケージPから引き出すことに代えて前記糸端引出機構Wの作動によってアキュムレータ7から引き出せばよい。従って、パッケージPから紡績糸Yを引き出すためにパッケージPの正回転、回転停止及び逆回転を繰り返すことによりパッケージPの糸層が乱れてしまう問題が解消されると共に、前記糸継部6からみた前記巻取部5側の紡績糸Yの糸端がアキュムレータ7内に留まることになるからオペレータによる前述した特別な作業が必要となることはない。
更には、以下のような効果も奏される。即ち、パッケージPの正回転、回転停止及び逆回転を繰り返す回数が減るので、その分、消費電力の削減に優れると共に、ブレーキ力の比較的弱い簡素な構造のブレーキ機構も適用することができるようになる。
(技術事項2)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、糸端引出機構Wは、空気流によって糸貯留体27に巻きつけられた糸Yの糸端を給糸部3側に引き出す。以上の構成によると、空気流によって糸端を引き出すので、他の糸にダメージを与えることなく糸端を引き出すことができる。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、糸端引出機構Wは、空気流によって糸貯留体27に巻きつけられた糸Yの糸端を給糸部3側に引き出す。以上の構成によると、空気流によって糸端を引き出すので、他の糸にダメージを与えることなく糸端を引き出すことができる。
(技術事項3)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成される。即ち、糸端引出機構Wは、内部に糸Yが走行可能な糸経路を有し、糸貯留体27の所定の巻付位置に給糸部3側の糸Yを案内する糸案内部を備えている。以上の構成によると、糸引出機構Wが糸案内部を一体的に備えることにより、糸巻取時の糸案内作業と、糸継作業時の糸引出作業とを最適な場所で実施することができる。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成される。即ち、糸端引出機構Wは、内部に糸Yが走行可能な糸経路を有し、糸貯留体27の所定の巻付位置に給糸部3側の糸Yを案内する糸案内部を備えている。以上の構成によると、糸引出機構Wが糸案内部を一体的に備えることにより、糸巻取時の糸案内作業と、糸継作業時の糸引出作業とを最適な場所で実施することができる。
(技術事項4)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ7は、紡績糸Yが外周上に巻き付けられる糸貯留体27と、内部に紡績糸Yが走行可能な糸経路28を有し、上記糸貯留体27の軸Cまわりに回転可能であって、この糸貯留体27の外周上に前記給糸部3側の紡績糸Yを案内するための巻付アーム29と、巻付アーム29に前記糸貯留体27側から前記糸継部6側へ向かって流れる空気流を発生させるための空気流発生部Xと、を備える。前記の糸端引出機構Wは、上記の巻付アーム29と空気流発生部Xを含んで構成されている。以上の構成によれば、前記糸継部6による糸継ぎの際、前記糸貯留体27の外周上にある紡績糸Yの糸端は上記空気流によって巻付アーム29の上記糸経路28内に吸い込まれ、前記糸継部6側へ向かって引き出される。このように巻付アーム29に、前記糸貯留体27の外周上に前記給糸部3側の紡績糸Yを案内する役割と、前記糸端引出機構Wの一部を構成する役割と、を兼ねさせることで、簡素な構成の巻取ユニット2が実現される。また、糸貯留時の糸道と糸継時の糸道が同じ糸道であるから、糸継ぎが完了した時点で既に紡績糸Yは糸貯留時の糸道にセットされることとなり、従って、糸継ぎ後、速やかに糸貯留を再開することができる。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ7は、紡績糸Yが外周上に巻き付けられる糸貯留体27と、内部に紡績糸Yが走行可能な糸経路28を有し、上記糸貯留体27の軸Cまわりに回転可能であって、この糸貯留体27の外周上に前記給糸部3側の紡績糸Yを案内するための巻付アーム29と、巻付アーム29に前記糸貯留体27側から前記糸継部6側へ向かって流れる空気流を発生させるための空気流発生部Xと、を備える。前記の糸端引出機構Wは、上記の巻付アーム29と空気流発生部Xを含んで構成されている。以上の構成によれば、前記糸継部6による糸継ぎの際、前記糸貯留体27の外周上にある紡績糸Yの糸端は上記空気流によって巻付アーム29の上記糸経路28内に吸い込まれ、前記糸継部6側へ向かって引き出される。このように巻付アーム29に、前記糸貯留体27の外周上に前記給糸部3側の紡績糸Yを案内する役割と、前記糸端引出機構Wの一部を構成する役割と、を兼ねさせることで、簡素な構成の巻取ユニット2が実現される。また、糸貯留時の糸道と糸継時の糸道が同じ糸道であるから、糸継ぎが完了した時点で既に紡績糸Yは糸貯留時の糸道にセットされることとなり、従って、糸継ぎ後、速やかに糸貯留を再開することができる。
(技術事項5)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ7は、巻付アーム29を前記糸貯留体27の軸Cまわりに回転させる巻付アームモータ30を更に備える。前記糸端引出機構Wによって前記糸貯留体27の外周上にある紡績糸Yの糸端が前記糸継部6側に引き出される際に巻付アーム29が貯留時とは逆方向に回転するように巻付アームモータ30を制御する巻付アームモータ制御部61を更に設けた。以上の構成によれば、前記糸貯留体27の外周上にある紡績糸Yの糸端が、巻付アーム29の糸経路28内に一層、吸い込まれ易くなる。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ7は、巻付アーム29を前記糸貯留体27の軸Cまわりに回転させる巻付アームモータ30を更に備える。前記糸端引出機構Wによって前記糸貯留体27の外周上にある紡績糸Yの糸端が前記糸継部6側に引き出される際に巻付アーム29が貯留時とは逆方向に回転するように巻付アームモータ30を制御する巻付アームモータ制御部61を更に設けた。以上の構成によれば、前記糸貯留体27の外周上にある紡績糸Yの糸端が、巻付アーム29の糸経路28内に一層、吸い込まれ易くなる。
(技術事項6)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されることが好ましい。即ち、アキュムレータ7は、前記給糸ボビンBのボビンチェンジの開始時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に通常の巻取速度Vaで前記巻取部5が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される。以上の構成によれば、前記給糸ボビンBのボビンチェンジの開始時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間、前記巻取部5による通常の巻取速度Vaでの巻き取りを継続することができる。従って、高い生産性の巻取ユニット2が実現する。なお、仮に、前記巻取部5による通常の巻取速度Vaが1200[m/min]であるとし、前記ボビンチェンジの開始時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に6[sec]要するとすると、上記の解決手段によれば、アキュムレータ7は、120[m]もの糸量を貯留可能に構成されることとなる。なお、綿番手30の紡績糸を対象とした本実施形態に係るアキュムレータ7は、300mもの糸量を貯留可能に構成されている。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されることが好ましい。即ち、アキュムレータ7は、前記給糸ボビンBのボビンチェンジの開始時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に通常の巻取速度Vaで前記巻取部5が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される。以上の構成によれば、前記給糸ボビンBのボビンチェンジの開始時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間、前記巻取部5による通常の巻取速度Vaでの巻き取りを継続することができる。従って、高い生産性の巻取ユニット2が実現する。なお、仮に、前記巻取部5による通常の巻取速度Vaが1200[m/min]であるとし、前記ボビンチェンジの開始時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に6[sec]要するとすると、上記の解決手段によれば、アキュムレータ7は、120[m]もの糸量を貯留可能に構成されることとなる。なお、綿番手30の紡績糸を対象とした本実施形態に係るアキュムレータ7は、300mもの糸量を貯留可能に構成されている。
(技術事項7)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されることが好ましい。即ち、アキュムレータ7は、ヤーンクリアラ4によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に通常の巻取速度Vaで前記巻取部5が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される。以上の構成によれば、ヤーンクリアラ4によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に前記巻取部5による通常の巻取速度Vaでの巻き取りを継続することができる。従って、高い生産性の巻取ユニット2が実現する。なお、仮に、前記巻取部5による通常の巻取速度Vaが1200[m/min]であるとし、前記糸切断時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に3[sec]要するとすると、上記の解決手段によれば、アキュムレータ7は、60[m]もの糸量を貯留可能に構成されることとなる。なお、綿番手30の紡績糸を対象とした本実施形態に係るアキュムレータ7は、300mもの糸量を貯留可能に構成されている。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されることが好ましい。即ち、アキュムレータ7は、ヤーンクリアラ4によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に通常の巻取速度Vaで前記巻取部5が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される。以上の構成によれば、ヤーンクリアラ4によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に前記巻取部5による通常の巻取速度Vaでの巻き取りを継続することができる。従って、高い生産性の巻取ユニット2が実現する。なお、仮に、前記巻取部5による通常の巻取速度Vaが1200[m/min]であるとし、前記糸切断時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に3[sec]要するとすると、上記の解決手段によれば、アキュムレータ7は、60[m]もの糸量を貯留可能に構成されることとなる。なお、綿番手30の紡績糸を対象とした本実施形態に係るアキュムレータ7は、300mもの糸量を貯留可能に構成されている。
(技術事項8)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ7は、糸切れ時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に通常の巻取速度Vaで前記巻取部5が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される。以上の構成によれば、糸切れ時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に前記巻取部5による通常の巻取速度Vaでの巻き取りを継続することができる。従って、高い生産性の巻取ユニット2が実現する。なお、前記巻取部5による通常の巻取速度Vaは1200[m/min]であり、前記糸切れ時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に3[sec]要するので、上記の解決手段によれば、アキュムレータ7は、60[m]もの糸量を貯留可能に構成されることとなる。そして、綿番手30の紡績糸を対象とした上記実施形態では、アキュムレータ7は、300mもの糸量を貯留可能に構成されている。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ7は、糸切れ時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に通常の巻取速度Vaで前記巻取部5が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される。以上の構成によれば、糸切れ時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に前記巻取部5による通常の巻取速度Vaでの巻き取りを継続することができる。従って、高い生産性の巻取ユニット2が実現する。なお、前記巻取部5による通常の巻取速度Vaは1200[m/min]であり、前記糸切れ時から前記糸継部6が糸継ぎを完了させるまでの間に3[sec]要するので、上記の解決手段によれば、アキュムレータ7は、60[m]もの糸量を貯留可能に構成されることとなる。そして、綿番手30の紡績糸を対象とした上記実施形態では、アキュムレータ7は、300mもの糸量を貯留可能に構成されている。
(技術事項9)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、例えば、図8のS310に示すように、アキュムレータ7は、前記巻取部5が紡績糸Yを巻き取る際の通常の巻取速度Vaよりも速い糸速(巻付速度Vb)で紡績糸Yを貯留可能に構成されている。即ち、前記糸継部6による糸継ぎの際、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留が中断し、このアキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yが前記巻取部5に巻き取られることで、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留量Mは一時的に減少する。そこで、以上の構成によれば、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留の再開後、上記貯留量Mを中断前のレベルまで回復させることができる。従って、アキュムレータ7による紡績糸Yの上記貯留量Mを必要最低限(例えば、糸継ぎ3回分)に留めることができ、もって、コンパクトなアキュムレータ7が実現される。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、例えば、図8のS310に示すように、アキュムレータ7は、前記巻取部5が紡績糸Yを巻き取る際の通常の巻取速度Vaよりも速い糸速(巻付速度Vb)で紡績糸Yを貯留可能に構成されている。即ち、前記糸継部6による糸継ぎの際、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留が中断し、このアキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yが前記巻取部5に巻き取られることで、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留量Mは一時的に減少する。そこで、以上の構成によれば、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留の再開後、上記貯留量Mを中断前のレベルまで回復させることができる。従って、アキュムレータ7による紡績糸Yの上記貯留量Mを必要最低限(例えば、糸継ぎ3回分)に留めることができ、もって、コンパクトなアキュムレータ7が実現される。
(技術事項10)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、例えば図2や図3に示すように、アキュムレータ7には、紡績糸Yの貯留量Mを検出する貯留量検出部(貯留上限センサ55、貯留下限センサ56、貯留最下限センサ57)が設けられる。例えば図10に示すように、この貯留量検出部によって検出される貯留量Mが所定値を下回ったら、前記巻取部5が紡績糸Yを巻き取る巻取速度Vaを減速させる綾振ドラムモータ制御部60を更に備える。以上の構成によれば、簡素な制御で、アキュムレータ7における紡績糸Yの貯留量Mが尽きるのを回避できる。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、例えば図2や図3に示すように、アキュムレータ7には、紡績糸Yの貯留量Mを検出する貯留量検出部(貯留上限センサ55、貯留下限センサ56、貯留最下限センサ57)が設けられる。例えば図10に示すように、この貯留量検出部によって検出される貯留量Mが所定値を下回ったら、前記巻取部5が紡績糸Yを巻き取る巻取速度Vaを減速させる綾振ドラムモータ制御部60を更に備える。以上の構成によれば、簡素な制御で、アキュムレータ7における紡績糸Yの貯留量Mが尽きるのを回避できる。
(技術事項11)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、綾振ドラムモータ制御部60は、例えば図10に示すように、パッケージPの糸層に乱れが生じない程度に穏やかに上記巻取速度Vaを減速させる。即ち、上記巻取速度Vaを減速させると、その減速の態様によっては、パッケージPの糸層に乱れが生じる虞がある。そこで、綾振ドラムモータ制御部60を上記の通りに構成することで、パッケージPの糸層に乱れが生じるのを抑制することができる。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、綾振ドラムモータ制御部60は、例えば図10に示すように、パッケージPの糸層に乱れが生じない程度に穏やかに上記巻取速度Vaを減速させる。即ち、上記巻取速度Vaを減速させると、その減速の態様によっては、パッケージPの糸層に乱れが生じる虞がある。そこで、綾振ドラムモータ制御部60を上記の通りに構成することで、パッケージPの糸層に乱れが生じるのを抑制することができる。
(技術事項12)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、例えば図2に示すように、前記糸貯留体27は、前記給糸部3側の第一端31と、前記巻取部5側の第二端32を有し、この第一端31から第二端32に向かって外周が先細るように形成される。巻付アーム29は、前記糸貯留体27の外周上の前記第一端31側に前記給糸部3側の紡績糸Yを案内する。以上の構成によれば、前記糸貯留体27の外周上の前記第一端31側に前記給糸部3側の紡績糸Yが巻き付けられ、この巻き付けられた紡績糸Yは、図4に示すように、前記糸貯留体27の外周上を上記の第一端31から第二端32側に向かって巻き付け力Fによって自発的に移動しようとする。従って、前記巻付アーム29による紡績糸Yの上記案内位置Aにおける紡績糸Y同士の重なりが禁止され、もって、前記糸貯留体27上での紡績糸Yの円滑な解舒が実現される。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、例えば図2に示すように、前記糸貯留体27は、前記給糸部3側の第一端31と、前記巻取部5側の第二端32を有し、この第一端31から第二端32に向かって外周が先細るように形成される。巻付アーム29は、前記糸貯留体27の外周上の前記第一端31側に前記給糸部3側の紡績糸Yを案内する。以上の構成によれば、前記糸貯留体27の外周上の前記第一端31側に前記給糸部3側の紡績糸Yが巻き付けられ、この巻き付けられた紡績糸Yは、図4に示すように、前記糸貯留体27の外周上を上記の第一端31から第二端32側に向かって巻き付け力Fによって自発的に移動しようとする。従って、前記巻付アーム29による紡績糸Yの上記案内位置Aにおける紡績糸Y同士の重なりが禁止され、もって、前記糸貯留体27上での紡績糸Yの円滑な解舒が実現される。
(技術事項13)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、例えば図4に示すように、前記糸貯留体27の外周の、上記第一端31側の傾斜αは、上記第二端32側の傾斜βと比較して大きく設定される。以上の形状によれば、前記糸貯留体27の外周上の前記第一端31側に巻き付けられた紡績糸Yは、巻き付け直後速やかに上記第二端32側へと移動を開始し、やがて傾斜が緩くなると、この移動がし難くなる。この結果、紡績糸Yは前記糸貯留体27の外周上に密に並べられ、もって、前記糸貯留体27上での紡績糸Yの円滑な解舒性と、高い貯留量と、が同時に実現される。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、例えば図4に示すように、前記糸貯留体27の外周の、上記第一端31側の傾斜αは、上記第二端32側の傾斜βと比較して大きく設定される。以上の形状によれば、前記糸貯留体27の外周上の前記第一端31側に巻き付けられた紡績糸Yは、巻き付け直後速やかに上記第二端32側へと移動を開始し、やがて傾斜が緩くなると、この移動がし難くなる。この結果、紡績糸Yは前記糸貯留体27の外周上に密に並べられ、もって、前記糸貯留体27上での紡績糸Yの円滑な解舒性と、高い貯留量と、が同時に実現される。
(技術事項14)
また、上記実施形態において巻取ユニット2は、以下のように構成されている。即ち、前記糸継部6と前記巻取部5の間で紡績糸Yを貯留可能なアキュムレータ7を設けた。前記糸継部6による糸継ぎの際に、アキュムレータ7に巻き込まれた紡績糸Yの糸端を前記糸継部6側に引き出す糸端引出機構Wを設けた。アキュムレータ7に巻き込まれている紡績糸Yの糸端が上記糸端引出機構Wによって実際に前記糸継部6側に引き出されたことを検出可能な引出センサ54を更に設けた。
また、上記実施形態において巻取ユニット2は、以下のように構成されている。即ち、前記糸継部6と前記巻取部5の間で紡績糸Yを貯留可能なアキュムレータ7を設けた。前記糸継部6による糸継ぎの際に、アキュムレータ7に巻き込まれた紡績糸Yの糸端を前記糸継部6側に引き出す糸端引出機構Wを設けた。アキュムレータ7に巻き込まれている紡績糸Yの糸端が上記糸端引出機構Wによって実際に前記糸継部6側に引き出されたことを検出可能な引出センサ54を更に設けた。
即ち、前記糸端引出機構Wによる上記の引き出しが成功したか否かが明らかでないと、時間的なマージンを見込むことで、前記糸端引出機構Wによる上記の引き出しを成功させるようになる。この発想に対し、上記の引出センサ54を設けたことで、前記糸端引出機構Wによる上記の引き出しが成功したことを知ることができ、もって、紡績糸Yの糸端をアキュムレータ7から前記糸継部6側に引き出すために要する時間を短縮することができるようになる。
また、上記の効果は、次のような別の効果も連鎖的に発揮される。即ち、上記の引き出しに要する時間が短縮されれば、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留を中断する時間を短くすることができ、この点、一回の糸継ぎで、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの貯留量Mの消費を抑えることができる。従って、糸継ぎ時におけるアキュムレータ7の紡績糸Yの欠乏を回避し易くなる。また、貯留可能な紡績糸Yの貯留量が少ない、コンパクトなアキュムレータ7を採用する余地が生まれ、このことは、巻取ユニット2自体のコンパクト化に大きく寄与する。
(技術事項15)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、例えば図2に示すように、前記の引出センサ54は、アキュムレータ7に設けた。このように前記の引出センサ54をアキュムレータ7に設けることで、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端が上記糸端引出機構Wによって前記糸継部6側に引き出されたことを、この糸端が実際に前記糸継部6に受け渡される前に、いち早く検出することができる。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、例えば図2に示すように、前記の引出センサ54は、アキュムレータ7に設けた。このように前記の引出センサ54をアキュムレータ7に設けることで、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端が上記糸端引出機構Wによって前記糸継部6側に引き出されたことを、この糸端が実際に前記糸継部6に受け渡される前に、いち早く検出することができる。
(技術事項16)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ7は、紡績糸Yが外周上に巻き付けられる糸貯留体27と、内部に紡績糸Yが走行可能な糸経路28を有し、上記糸貯留体27の軸Cまわりに回転可能であって、この糸貯留体27の外周上に前記給糸部3側の紡績糸Yを案内するための巻付アーム29と、巻付アーム29を前記糸貯留体27の軸Cまわりに回転させる巻付アームモータ30と、を備える。前記糸端引出機構Wは、巻付アーム29を貯留時とは逆方向に回転させつつ、前記糸貯留体27の外周上の紡績糸Yを巻付アーム29の糸経路28を介して前記糸継部6側に引き出すように構成される。上記の巻付アーム29の回転角度を検出可能なロータリエンコーダ53を設けた。前記引出センサ54が紡績糸Yを検出した時点からの、ロータリエンコーダ53によって検出される巻付アーム29の回転角度に基づいて、前記糸端引出機構Wによってアキュムレータ7から前記糸継部6側に引き出された紡績糸Yの糸長を演算する引出糸長演算部63を更に備える。上記のように引出糸長演算部63を設けることで、前記糸貯留体27の外周上の紡績糸Yのうち所望の糸長を過不足なく引き出すことができるようになる。従って、例えば、図11に示すように、ヤーンクリアラ4によって検出された糸欠点長さに相当する糸長分だけ前記糸貯留体27から引き出すことが可能となる。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ7は、紡績糸Yが外周上に巻き付けられる糸貯留体27と、内部に紡績糸Yが走行可能な糸経路28を有し、上記糸貯留体27の軸Cまわりに回転可能であって、この糸貯留体27の外周上に前記給糸部3側の紡績糸Yを案内するための巻付アーム29と、巻付アーム29を前記糸貯留体27の軸Cまわりに回転させる巻付アームモータ30と、を備える。前記糸端引出機構Wは、巻付アーム29を貯留時とは逆方向に回転させつつ、前記糸貯留体27の外周上の紡績糸Yを巻付アーム29の糸経路28を介して前記糸継部6側に引き出すように構成される。上記の巻付アーム29の回転角度を検出可能なロータリエンコーダ53を設けた。前記引出センサ54が紡績糸Yを検出した時点からの、ロータリエンコーダ53によって検出される巻付アーム29の回転角度に基づいて、前記糸端引出機構Wによってアキュムレータ7から前記糸継部6側に引き出された紡績糸Yの糸長を演算する引出糸長演算部63を更に備える。上記のように引出糸長演算部63を設けることで、前記糸貯留体27の外周上の紡績糸Yのうち所望の糸長を過不足なく引き出すことができるようになる。従って、例えば、図11に示すように、ヤーンクリアラ4によって検出された糸欠点長さに相当する糸長分だけ前記糸貯留体27から引き出すことが可能となる。
また、以上に説明した糸巻取ユニット2では、給糸ボビンBと巻取部5との間にアキュムレータ7を配置して糸Yのテンション伝達を遮断することにより、給糸ボビン21の解舒テンション部分に巻取部5のトラバース変動によるテンション変動が伝わることを防止することができる。さらに、給糸ボビンBに解舒補助装置11を取り付けることにより、給糸ボビンBからの糸解舒を安定して行うことができるので、糸切れが防止されて、さらに給糸ボビンBからの解舒速度を速くすることができる。よって、給糸ボビンBからの解舒効率を向上させることができる。
(技術事項17)
また、上述の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、給糸部3には、給糸ボビンBの芯管に被さる規制部材を給糸ボビンBからの糸Yの解舒と連動して下降させることにより、給糸ボビンBから糸Yの解舒を補助する糸解舒補助装置11が設けられている。以上の構成によると、給糸ボビンBと巻取部3との間にアキュムレータ7を配置して糸のテンション伝達を遮断することにより、給糸ボビンBの解舒テンション部分に巻取部のトラバース変動によるテンション変動が伝わることを防止することができる。さらに給糸ボビンBに解舒補助装置11を取り付けることにより、給糸ボビンBからの糸解舒を安定して行うことができるので、糸切れを防止しさらに給糸ボビンからの解舒速度を速くすることができる。よって、給糸ボビンBからの解舒効率を向上させることができる。
また、上述の糸巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、給糸部3には、給糸ボビンBの芯管に被さる規制部材を給糸ボビンBからの糸Yの解舒と連動して下降させることにより、給糸ボビンBから糸Yの解舒を補助する糸解舒補助装置11が設けられている。以上の構成によると、給糸ボビンBと巻取部3との間にアキュムレータ7を配置して糸のテンション伝達を遮断することにより、給糸ボビンBの解舒テンション部分に巻取部のトラバース変動によるテンション変動が伝わることを防止することができる。さらに給糸ボビンBに解舒補助装置11を取り付けることにより、給糸ボビンBからの糸解舒を安定して行うことができるので、糸切れを防止しさらに給糸ボビンからの解舒速度を速くすることができる。よって、給糸ボビンBからの解舒効率を向上させることができる。
<第二実施形態>
次に、図13に基づいて、本願発明の第二実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は割愛する。
次に、図13に基づいて、本願発明の第二実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は割愛する。
上記第一実施形態では、図2に示すように、引出センサ54はアキュムレータ7に設けた。これに対し、本実施形態では、図13に示すように、引出センサ54を糸継部6に設けている。具体的には、引出センサ54を糸継部6の上側中継ぎパイプ18に設けている。
(まとめ)
(技術事項18)
以上説明したように、本実施形態において巻取ユニット2は、以下のように構成されている。即ち、前記の引出センサ54は、前記糸継部6に設けた。このような配置によれば、前記の引出センサ54は、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端が上記糸端引出機構Wによって前記糸継部6側に引き出されたことを検出できるのに加えて、前記糸端引出機構Wから前記糸継部6への紡績糸Yの正常な受け渡しが行われたことも併せて検出可能となる。
(技術事項18)
以上説明したように、本実施形態において巻取ユニット2は、以下のように構成されている。即ち、前記の引出センサ54は、前記糸継部6に設けた。このような配置によれば、前記の引出センサ54は、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端が上記糸端引出機構Wによって前記糸継部6側に引き出されたことを検出できるのに加えて、前記糸端引出機構Wから前記糸継部6への紡績糸Yの正常な受け渡しが行われたことも併せて検出可能となる。
(技術事項19)
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、前記糸継部6は、前記給糸部3側の紡績糸Yと前記巻取部5側の紡績糸Yとの糸継ぎ作業を実行する糸継実行部17と、前記巻取部5側の紡績糸Yを前記糸端引出機構Wから受け取って上記の糸継実行部17にセットする上側中継ぎパイプ18と、を含んで構成される。前記の引出センサ54は、上記の上側中継ぎパイプ18に設けた。このように、前記糸継部6を構成する部材のうち、最初に紡績糸Yの受け取る部材に前記の引出センサ54を設けることが合理的である。
また、上記の巻取ユニット2は、更に、以下のように構成されている。即ち、前記糸継部6は、前記給糸部3側の紡績糸Yと前記巻取部5側の紡績糸Yとの糸継ぎ作業を実行する糸継実行部17と、前記巻取部5側の紡績糸Yを前記糸端引出機構Wから受け取って上記の糸継実行部17にセットする上側中継ぎパイプ18と、を含んで構成される。前記の引出センサ54は、上記の上側中継ぎパイプ18に設けた。このように、前記糸継部6を構成する部材のうち、最初に紡績糸Yの受け取る部材に前記の引出センサ54を設けることが合理的である。
<第三実施形態>
次に、図14に基づいて、本願発明の第三実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は割愛する。
次に、図14に基づいて、本願発明の第三実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は割愛する。
上記第一実施形態では、図2に示すように、引出センサ54をアキュムレータ7に設けた。これに対し、本実施形態では、上記のヤーンクリアラ4を引出センサ54として利用する。詳しくは、図6に示すように上側中継ぎパイプ18が糸端引出機構Wから紡績糸Yの糸端を受け取り、図14に示すように上側中継ぎパイプ18が上から下へ旋回し、アキュムレータ7側の紡績糸Yが糸継部6の糸継実行部17にセットされて糸継部6による糸継ぎが行われる際、巻取部5側の紡績糸Yは、ヤーンクリアラ4によってその存在が検出可能となっている。換言すれば、通常巻取時における糸継実行部17とアキュムレータ7の間の紡績糸Yの糸道と、糸継ぎ時における糸継実行部17とアキュムレータ7の間の紡績糸Yの糸道は、重複した関係となっている。従って、糸端引出機構Wが所定時間、糸貯留体27の外周上に巻き付けられた紡績糸Yの糸端の引き出しを試行し、アキュムレータ7からの紡績糸Yの引き出しに成功したか否かに拘わらず、上側中継ぎパイプ18の旋回を実行すれば、ヤーンクリアラ4の出力信号を監視することにより、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端が糸端引出機構Wによって実際に糸継部6側に引き出されたか否かを検出することができる。
(まとめ)
(技術事項20)
以上説明したように、本実施形態において巻取ユニット2は、以下のように構成されている。即ち、前記糸継部6による糸継ぎが行われる際、前記巻取部5側の紡績糸Yは前記ヤーンクリアラ4によってその存在が検出可能となっている。このヤーンクリアラ4を前記の引出センサ54として利用する。
(技術事項20)
以上説明したように、本実施形態において巻取ユニット2は、以下のように構成されている。即ち、前記糸継部6による糸継ぎが行われる際、前記巻取部5側の紡績糸Yは前記ヤーンクリアラ4によってその存在が検出可能となっている。このヤーンクリアラ4を前記の引出センサ54として利用する。
<第四実施形態>
次に、本願発明の第四実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は割愛する。
次に、本願発明の第四実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は割愛する。
上記第一実施形態では、図4(a)に示すように、糸貯留体の第二端側の上端部には、傾斜βが付与されていた。これに対し、本実施形態に係る糸貯留体の第二端側の上端部には、傾斜が付与されていない。
また、本実施形態に係る糸貯留体は、円周上に所定の間隔を空けて並べられた複数の梁部材と、隣り合う一対の梁部材の間に配置された糸貯留体の径方向に進退自在な揺動部材と、を備えて構成されている。揺動部材は、例えば偏心カムとカムモータとから構成される揺動機構を備える。この揺動機構の作動により、上端部上の紡績糸Yの束Yは、隣り合う紡績糸Y同士の接触の有無に拘わらず、概ね隣り合う紡績糸Yの離間距離を一定に保った状態で、第二端側に向かって搬送される。
なお、本実施形態において、前記糸貯留体の外周上に巻き付けられた紡績糸Yを前記第一端から前記第二端に向かって強制的に搬送する搬送部は、円周上に所定の間隔を空けて並べられた複数の梁部材と、隣り合う一対の梁部材の間に配置され、糸貯留体の径方向に進退自在な揺動部材と、揺動部材を上記の作動状態と非作動状態との間で行き来するように揺動させる揺動機構と、によって構成した。
(まとめ)
(技術事項21)
以上説明したように本実施形態において巻取ユニットは、以下のように構成されている。即ち、前記糸貯留体は、前記給糸部側の第一端と、前記巻取部側の第二端を有する。アキュムレータは、前記糸貯留体の外周上に巻き付けられた紡績糸Yを前記第一端から前記第二端に向かって強制的に搬送する搬送部を更に備える。巻付アームは、前記糸貯留体の外周上の前記第一端側に前記給糸部側の紡績糸Yを案内する。以上の構成によれば、前記糸貯留体の外周上の前記第一端側に紡績糸Yが巻き付けられ、この巻き付けられた紡績糸Yは、前記糸貯留体の外周上を上記の第一端から第二端側に向かって強制的に移動させられる。従って、巻付アームによる紡績糸Yの上記案内位置における紡績糸Y同士の重なりが禁止され、もって、前記糸貯留体上での紡績糸Yの円滑な解舒が実現される。
(技術事項21)
以上説明したように本実施形態において巻取ユニットは、以下のように構成されている。即ち、前記糸貯留体は、前記給糸部側の第一端と、前記巻取部側の第二端を有する。アキュムレータは、前記糸貯留体の外周上に巻き付けられた紡績糸Yを前記第一端から前記第二端に向かって強制的に搬送する搬送部を更に備える。巻付アームは、前記糸貯留体の外周上の前記第一端側に前記給糸部側の紡績糸Yを案内する。以上の構成によれば、前記糸貯留体の外周上の前記第一端側に紡績糸Yが巻き付けられ、この巻き付けられた紡績糸Yは、前記糸貯留体の外周上を上記の第一端から第二端側に向かって強制的に移動させられる。従って、巻付アームによる紡績糸Yの上記案内位置における紡績糸Y同士の重なりが禁止され、もって、前記糸貯留体上での紡績糸Yの円滑な解舒が実現される。
また、上記の構成によれば、糸貯留体の上端部上の紡績糸Yの束Y2は、概ね隣り合う紡績糸Yの離間距離を一定に保った状態で第二端側に向かって搬送されることとなるので、この点、アキュムレータの紡績糸Yの貯留量Mをより正確に検知することが可能となる。
<第五実施形態>
次に、図15に基づいて、本願発明の第五実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は割愛する。
次に、図15に基づいて、本願発明の第五実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は割愛する。
本実施形態では、第一実施形態において、アキュムレータ7の代わりにアキュムレータ161が設けられている。アキュムレータ161は、糸貯留体としての6本のローラ171、基材172、回動板173、3つの巻付補助部材174と、アキュムレータ7と同様の巻付アーム29及び巻付アームモータ30等を有している。
基材172は、略円形の板状体であり、巻付アームモータ30の出力軸36の先端(上端)に図示しない軸受けを介して支持されており、第1マグネット支持体137の上面に配置されている。6本のローラ171は、基材72の上面に円周(仮想円周の周方向、以下、仮想円周方向とする)に沿って配置されており、その下端が基材172の上面に枢支されているとともに、その上端が回動板173に支持されている。回動板173は、巻付アームモータ76の回転軸Cを中心として回動可能となっており、回動板173を回動させると、回動板73に支持されたローラ171の上端は、仮想円周方向に互いに同じ中心角に相当する距離だけ移動する。そして、回動板173を回動させることによって、ローラ171の上端を周方向に移動させると、ローラ171は、仮想円周方向に傾斜する。
また、回動板173には、その外周面を取り囲むようにゴムリング181が配置されており、ローラ171に巻き付けられた糸Yは回動板173とゴムリング181との間の隙間を通って、巻取部5に向けて搬送される。
また、ローラ171の下面にはプーリ182が取り付けられており、プーリ182は、巻付アームモータ30の回転を所定の減速比で減速して伝達する減速機177、減速機177に接続されたプーリ178a、プーリ178aに接続されたプーリ178b、プーリ182に接続されたプーリ178c、及び、プーリ178bとプーリ178cとを連結するシャフト179を介して巻付アームモータ30の出力軸36に接続されている。これにより、巻付アームモータ30が回転すると、その回転が、減速機177、プーリ178a〜178c及びシャフト179を介してプーリ182に伝達され、これにより、プーリ182が取り付けられたローラが回転する。
すなわち、本実施の形態では、巻付アームモータ30が、ローラ171を回転させるためのローラ駆動モータを兼ねている。なお、本実施の形態では、ローラ171のすべてが巻付アームモータ30により回転される駆動ローラであってもよいし、一部のローラ171のみが駆動ローラであり、他のローラは従動ローラであってもよい。
3つの巻付補助部材174は、ローラ171の下端部を取り囲むように、互いに約120°ずつ離隔して基材172に取り付けられている。巻付補助部材174は、隣接するローラ171の間に位置する部分に、ローラ171の外周面同士を滑らかに繋ぐための巻付補助面174aを有しており、ローラ171の下端部と巻付補助面174aとは、周方向に沿ってほぼ連続して延びた面を形成している。また、巻付補助面174aは、上方の部分ほど径方向の内側にくるように傾斜している。
そして、本実施形態においては、巻付アームモータ30により巻付アーム29を平面視で反時計回りに回転させると、図15に示すように、糸Yが、巻付アーム29によってローラ171の下端部に案内されるとともに、ローラ171の下端部に巻き付けられていく。
このとき、ローラ171は、互いに離隔して配置されているが、前述したように、ローラ171の下端部を囲むように巻付補助部材174が配置されており、ローラ171の下端部と巻付補助面174aとが、周方向に沿ってほぼ連続して延びた面を形成しているため、糸Yは、ローラ171と巻付補助面174aとにまたがって巻き付けられることとなる。したがって、ローラ171にスムーズに糸Yを巻き付けることができる。
また、このとき、ローラ171も回転し、巻付アーム29によりローラ171に巻き付けられた糸Yは、ローラ171によって搬送される。ここで、前述したように、ローラ171が仮想円周方向に傾斜しているため、ローラ171に搬送された糸Yは、上方(送り方向)に移動する。このように、本実施の形態では、糸Yは、ローラ171に搬送されることによって上方に移動するため、糸Yにかかる負担(摩擦力)が小さくなる。また、このとき、糸Yがローラ171上を搬送されることにより、糸Yの毛羽が寝かされる。
さらに、このとき、ローラ171の下端部及び巻付補助部材174にまたがって巻き付けられた状態の糸Yは、ローラ171の回転によって上方に移動するのに加えて、巻付補助部材174の巻付補助面174aの傾斜に沿って上方に移動する。
(まとめ)
(技術事項22)
以上説明したように、本実施形態において巻取ユニット2は、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ161が、複数のローラ171と、複数のローラ171に糸Yを巻き付ける糸巻付機構と、複数のローラ171のうちの少なくとも1つを駆動ローラとして回転させるローラ駆動モータとしての巻付アームモータ30、を備えており、複数のローラ171は、仮想円周上にその軸が位置するように、並べて回転可能に配置され、各々のローラ171の回転軸が前記仮想円周の周方向に傾斜して配置されている。以上の構成によれば、紡績糸が巻き付けられる複数のローラ171が傾斜して配置されているため、ローラ171を回転させると、糸巻付機構によりローラ171に巻き付けられた紡績糸は、順次搬送されて上記送り方向に移動する。このとき、ローラ171により糸Yを搬送しているため、糸Yにかかる負担(摩擦力)が小さく、糸Yの品質低下が低減される。
(技術事項22)
以上説明したように、本実施形態において巻取ユニット2は、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ161が、複数のローラ171と、複数のローラ171に糸Yを巻き付ける糸巻付機構と、複数のローラ171のうちの少なくとも1つを駆動ローラとして回転させるローラ駆動モータとしての巻付アームモータ30、を備えており、複数のローラ171は、仮想円周上にその軸が位置するように、並べて回転可能に配置され、各々のローラ171の回転軸が前記仮想円周の周方向に傾斜して配置されている。以上の構成によれば、紡績糸が巻き付けられる複数のローラ171が傾斜して配置されているため、ローラ171を回転させると、糸巻付機構によりローラ171に巻き付けられた紡績糸は、順次搬送されて上記送り方向に移動する。このとき、ローラ171により糸Yを搬送しているため、糸Yにかかる負担(摩擦力)が小さく、糸Yの品質低下が低減される。
<第六実施形態>
次に、図16に基づいて、本願発明の第六実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は割愛する。
次に、図16に基づいて、本願発明の第六実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は割愛する。
本実施形態では、第一実施形態において、アキュムレータ7の代わりにアキュムレータ261が設けられている。アキュムレータ261は、回転貯留ドラム271、回転貯留ドラムモータ272、糸案内部材273、吹下ノズル274、糸経路形成部材275などを備えている。
回転貯留ドラム271は、回転貯留ドラムモータ272により、軸Eを中心として回転されるドラムであり、その両端部が、それぞれ、反対側の端部に近づくほどその径が小さくなったテーパ部271a、271bとなっているとともに、テーパ部271aとテーパ部271bとの間の部分が、その径がほぼ一定となったストレート部271cとなっている。
糸案内部材273は、直線状に延びたパイプであって、図16における左上端部が、テーパ部271aと対向するように配置されている。これにより、給糸部3側から糸案内部材273まで走行してきた糸Yは、糸案内部材273によってテーパ部271aに案内される。
吹下ノズル274は、糸案内部材273の右端に取り付けられている。吹下ノズル274は、吹下ノズル74(図2参照)と同様の構成を有するものであって、糸流路46(図2参照)と同様の糸流路246と、吹下流路47(図2参照)と同様、接続パイプ49、50を介して圧力空気源51が接続された吹下流路247とを有している。そして、糸流路246の図中左上端部が、糸案内部材273の内部空間に接続されている。
糸経路形成部材275は、糸経路228を形成するものであり、上糸案内パイプ18の吸引口18bと、吹下ノズル274との間に配置されている。糸経路228は、上糸案内パイプ18の吸引口18bのすぐ上方に位置しているその下端からほぼ真上に延びているとともに、その上端部において、図16の左上方に曲がって、その上端が、糸流路246の右下端部と対向している。また、糸経路形成部材275の下端に糸引出センサ54が設けられている。
そして、アキュムレータ261においては、糸案内部材273により、糸Yをテーパ部271aに案内すると、糸Yは、回転貯留ドラム271の回転によりテーパ部271aに巻き付けられるとともに、テーパ部271aの斜面に沿って右上方に移動することで、回転貯留ドラム271に貯留されていく。
このように、本実施の形態では、テーパ部271aの一点にYを案内するだけで、糸Yが回転貯留ドラム271に貯留されていくため、糸案内部材273は、テーパ部271aの一点に糸Yを案内することができるものであればよく、回転貯留ドラム271の位置や向きに関わらず、比較的容易に配置することができる。したがって、巻取ユニット2の空きスペースなどに応じて、比較的自由に回転貯留ドラム271を配置することができる。
また、糸切れ時、糸欠陥発生時、給糸ボビンチェンジ時には、電磁弁52を開放状態へと切り替えることで、糸案内部材273の内部空間、糸経路228などに、回転貯留ドラム271側から上糸案内パイプ18側へ向かう空気流を形成するとともに、回転貯留ドラム271を糸Yの巻き付け時とは逆方向に回転させることにより、回転貯留ドラム271上に存在する糸Yの糸端が、糸案内部材273の開口に吸い込まれ、糸経路228などを経由して上糸案内パイプ18の吸引口18bに引き出される。
ここで、前述したように、糸案内部材273が、テーパ部271aに糸Yを案内しているため、糸案内部材273から回転貯留ドラム71に案内される糸Yの移動方向は、回転貯留ドラム271の軸方向に関しては、その右上端側から左下端側に向かう方向となる。そのため、テーパ部271aに案内された糸Yが、糸案内部材273から回転貯留ドラム271に移動するときの慣性によって、回転貯留ドラム271の右上端側に移動してしまうことがない。したがって、糸切れ時、糸欠陥発生時、給糸ボビンチェンジ時には、糸Yの糸端は、確実に回転貯留ドラム271のテーパ部271a近傍、厳密には、ストレート部271cの左下端部上にくることとなり、これにより、確実に糸案内部材273の開口から糸Yを吸い込むことができる。
(技術事項23)
以上説明したように、本実施形態において巻取ユニット2は、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ261が、回転することにより、糸Yが巻き付けられる回転貯留ドラム271と、回転貯留ドラム271を両方向に回転させるモータ272と、回転貯留ドラム271に、給糸部3側から糸Yを案内する糸案内部材273と、を備えている。以上の構成によると、糸継時には、回転貯留ドラム271を、糸Yの巻き付け時と逆に回転させることにより、回転貯留ドラム271に巻き付けられた糸Yを給糸部3側に引き出すことができる。
以上説明したように、本実施形態において巻取ユニット2は、以下のように構成されている。即ち、アキュムレータ261が、回転することにより、糸Yが巻き付けられる回転貯留ドラム271と、回転貯留ドラム271を両方向に回転させるモータ272と、回転貯留ドラム271に、給糸部3側から糸Yを案内する糸案内部材273と、を備えている。以上の構成によると、糸継時には、回転貯留ドラム271を、糸Yの巻き付け時と逆に回転させることにより、回転貯留ドラム271に巻き付けられた糸Yを給糸部3側に引き出すことができる。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
(第一変形例)
上記第四実施形態において搬送部は、円周上に所定の間隔を空けて並べられた複数の梁部材と、隣り合う一対の梁部材の間に配置され、糸貯留体の径方向に進退自在な揺動部材と、揺動部材を上記の作動状態と非作動状態との間で行き来するように揺動させる揺動機構と、によって構成した。しかし、これに代えて、上記の搬送部は、隣り合う一対の梁部材の間に配置され、梁部材の長手方向に沿って走行するベルト体を設けた構成であってもよい。
上記第四実施形態において搬送部は、円周上に所定の間隔を空けて並べられた複数の梁部材と、隣り合う一対の梁部材の間に配置され、糸貯留体の径方向に進退自在な揺動部材と、揺動部材を上記の作動状態と非作動状態との間で行き来するように揺動させる揺動機構と、によって構成した。しかし、これに代えて、上記の搬送部は、隣り合う一対の梁部材の間に配置され、梁部材の長手方向に沿って走行するベルト体を設けた構成であってもよい。
(第二変形例)
(技術事項24)
また、上記第二実施形態において引出センサ54は上側中継ぎパイプ18に設けることとした。しかし、これに代えて、引出センサ54は、アキュムレータ7と糸継部6との間に設ける構成も考えられる。
(技術事項24)
また、上記第二実施形態において引出センサ54は上側中継ぎパイプ18に設けることとした。しかし、これに代えて、引出センサ54は、アキュムレータ7と糸継部6との間に設ける構成も考えられる。
(第三変形例)
更に、上記第一実施形態においては、糸切れ時、糸欠点検出時、ボビンチェンジ時において下流側の紡績糸Yは、全て糸貯留体27に巻き付けられた状態となっている。しかし、糸切れ時、糸欠点検出時、ボビンチェンジ時において、その発生を事前に検知し下流側の紡績糸Yが糸貯留体27に全て巻き付けられる前に巻付アーム29の駆動を停止させる形態を実施することもできる。例えば、糸欠点検出時には、カッター4aが紡績糸Yを切断すると同時に巻付アーム29の駆動を停止させる。また、ボビンチェンジ時においては、糸解舒補助装置11に給糸ボビンBの残糸量を検出するセンサを取り付けて、給糸ボビンBの残糸量を監視する。そして、給糸ボビンBの空状態の発生を事前に検知し下流側の紡績糸Yが糸貯留体27に全て巻き付けられる前に巻付アーム29の駆動を停止させる形態を実施することもできる。
更に、上記第一実施形態においては、糸切れ時、糸欠点検出時、ボビンチェンジ時において下流側の紡績糸Yは、全て糸貯留体27に巻き付けられた状態となっている。しかし、糸切れ時、糸欠点検出時、ボビンチェンジ時において、その発生を事前に検知し下流側の紡績糸Yが糸貯留体27に全て巻き付けられる前に巻付アーム29の駆動を停止させる形態を実施することもできる。例えば、糸欠点検出時には、カッター4aが紡績糸Yを切断すると同時に巻付アーム29の駆動を停止させる。また、ボビンチェンジ時においては、糸解舒補助装置11に給糸ボビンBの残糸量を検出するセンサを取り付けて、給糸ボビンBの残糸量を監視する。そして、給糸ボビンBの空状態の発生を事前に検知し下流側の紡績糸Yが糸貯留体27に全て巻き付けられる前に巻付アーム29の駆動を停止させる形態を実施することもできる。
このように、紡績糸Yが糸貯留体27に全て巻き付けられる前に巻付アーム29の駆動を停止させることにより、紡績糸Yの糸端はアキュムレータ7の吹下ノズル48の下方に垂れ下がった状態で停止させることができる。
よって、上側中継ぎパイプ18は、アキュムレータ7の下方に垂れ下がった状態の糸端を捕捉することができるので、糸端引出機構Wによる紡績糸Yの引き出し工程を削減することが可能となり、糸継ぎ作業の効率が上がる。この形態においては、吹下ノズル48の下端に引出センサ54が設けられているので、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端が、上側中継ぎパイプ18により受け取れる位置で停止している状態、つまり糸端がアキュムレータ7の下方に垂れ下がった状態で確実に停止した状態を検知することが可能となっている。もって、紡績糸Yの糸端を前記糸貯留部から前記糸継部側に引き出すために要する時間を短縮することができるようになる。
(第四変形例)
また、上記実施形態において糸端引出機構Wは、空気流発生部Xによって巻付アーム29内に形成された空気流によって、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端を吸い込み、糸継部6側(給糸部3側)に引き出す機構としたが、糸端引出機構Wはこれに限られず、ロボットアームのような操作可能な腕部材でアキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端を掴み出すようにする事も可能である。
また、上記実施形態において糸端引出機構Wは、空気流発生部Xによって巻付アーム29内に形成された空気流によって、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端を吸い込み、糸継部6側(給糸部3側)に引き出す機構としたが、糸端引出機構Wはこれに限られず、ロボットアームのような操作可能な腕部材でアキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端を掴み出すようにする事も可能である。
Claims (20)
- 給糸ボビンから紡績糸を解舒する給糸部と、
この紡績糸をパッケージとして巻き取る巻取部と、
前記給糸部と前記巻取部の間に設けられ、紡績糸を巻き付けて貯留する糸貯留体を備えた糸貯留部と、
前記給糸部側の紡績糸の糸端と、前記糸貯留部側の紡績糸の糸端とを繋ぐ糸継作業を行う糸継部と、
前記糸継部によって糸継作業を行う際に、前記糸貯留体に巻きつけられた紡績糸の糸端を前記給糸部側に引き出す糸端引出機構と、
を設けたことを特徴とする、糸巻取装置。 - 請求項1に記載の糸巻取装置であって、前記糸端引出機構は、空気流によって前記糸貯留体に巻きつけられた紡績糸の糸端を前記給糸部側に引き出すことを特徴とする糸巻取装置。
- 請求項2に記載の糸巻取装置であって、前記糸端引出機構は、内部に紡績糸が走行可能な糸経路を有し、前記糸貯留体の所定の巻付位置に前記給糸部側の紡績糸を案内する糸案内部を備えていることを特徴とする、糸巻取装置。
- 請求項3に記載の糸巻取装置であって、
前記糸案内部により紡績糸が案内される糸貯留体の前記所定の巻付位置と、
前記糸端引出機構が、空気流によって前記糸貯留体に巻きつけられた紡績糸の糸端を前記給糸部側に引き出す位置とは、前記糸貯留体の回転軸方向において同じ位置であることを特徴する、糸巻取装置。 - 請求項3又は4に記載の糸巻取装置であって、
前記糸貯留体側から前記給糸部側へ向かって流れる気体流を前記糸案内部に発生させるための気体流発生部、
を更に備えていることを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項5に記載の糸巻取装置であって、前記糸案内部は、上記糸貯留体の巻付中心軸まわりに回転可能であって、この糸貯留体の外周上に前記給糸部側の紡績糸を案内し、
前記の糸端引出機構は、上記の糸案内部と気体流発生部を含んで構成されている、ことを特徴とする、糸巻取装置。 - 請求項6に記載の糸巻取装置であって、前記糸貯留部は、前記糸案内部を前記糸貯留体の巻付中心軸まわりに回転させる駆動部を更に備え、前記糸端引出機構によって前記糸貯留体の外周上にある紡績糸の糸端が前記糸継部側に引き出される際に前記糸案内部が貯留時とは逆方向に回転するように前記駆動部を制御する制御部を更に設けた、ことを特徴とする、糸巻取装置。
- 請求項1〜7の何れかに記載の糸巻取装置であって、前記糸貯留部に巻き付けられた紡績糸の糸端が、前記給糸部側に引き出されたことを検出可能な引出検出部を更に備えた、ことを特徴とする、糸巻取装置。
- 請求項8に記載の糸巻取装置であって、前記引出検出部は前記糸貯留部に設けられている、ことを特徴とする、糸巻取装置。
- 請求項1〜9の何れかに記載の糸巻取装置であって、前記糸貯留部は、前記給糸ボビンのボビンチェンジの開始時から前記糸継部の糸継動作が少なくとも1回実行されるまでの間、通常の巻取速度で前記巻取部が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される、ことを特徴とする、糸巻取装置。
- 請求項1〜9の何れかに記載の糸巻取装置であって、前記給糸部から供給される紡績糸の糸欠陥を検出可能な糸欠陥検出部と、検出した糸欠陥よりも上流側の糸を切断する切断装置と、を更に備え、前記糸貯留部は、前記糸欠陥検出部によって糸欠陥が検出されたときに前記切断装置が実行する糸切断から前記糸継部の糸継動作が少なくとも1回実行されるまでの間、通常の巻取速度で前記巻取部が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される、ことを特徴とする、糸巻取装置。
- 請求項1〜9の何れかに記載の糸巻取装置であって、前記糸貯留部は、糸切れ発生時から前記糸継部による糸継動作が少なくとも1回実行されるまでの間、通常の巻取速度で前記巻取部が巻き取る糸量以上の糸量を貯留可能に構成される、ことを特徴とする、糸巻取装置。
- 請求項1〜12の何れかに記載の糸巻取装置であって、前記糸貯留部は、前記巻取部が紡績糸を巻き取る際の通常の巻取速度よりも速い糸速で紡績糸を貯留可能に構成されている、ことを特徴とする、糸巻取装置。
- 請求項1〜6の何れかに記載の糸巻取装置であって、前記糸貯留部には、紡績糸の貯留量を検出する貯留量検出部が設けられ、この貯留量検出部によって検出される貯留量が所定値以下になったことを検出した場合、前記巻取部が紡績糸を巻き取る巻取速度を減速させる制御部を更に備える、ことを特徴とする、糸巻取装置。
- 請求項14に記載の糸巻取装置であって、前記制御部は、パッケージの糸層に乱れが生じないように上記巻取速度を減速させる、ことを特徴とする、糸巻取装置。
- 請求項5又は6に記載の糸巻取装置であって、前記糸貯留体は、前記給糸部側の第一端と、前記巻取部側の第二端を有し、この第一端から第二端に向かって外周が短くなるように形成されることにより第一端から第二端に渡る傾斜部が形成され、前記糸案内部は、前記糸貯留体の外周上の前記第一端側に前記給糸部側の紡績糸を案内する、ことを特徴とする糸巻取装置。
- 請求項16に記載の糸巻取装置であって、前記糸貯留体の外周の、前記傾斜部は少なくとも2種類の傾きで構成され、上記第一端側の傾斜は、上記第二端側の傾斜と比較して大きく設定される、ことを特徴とする糸巻取装置。
- 請求項5〜15に記載の糸巻取装置であって、前記糸貯留部が、複数のローラと、前記複数のローラに紡績糸を巻き付ける糸巻付機構と、前記複数のローラのうちの少なくとも1つを駆動ローラとして回転させるローラ駆動モータと、を備えており、前記複数のローラは、仮想円周上にその軸が位置するように、並べて回転可能に配置され、各々のローラの回転軸が前記仮想円周方向に傾斜して配置されていることを特徴とする糸巻取装置。
- 請求項5、16又は17に記載の糸巻取装置であって、前記糸貯留部が、回転することにより、紡績糸が巻き付けられる回転貯留ドラムと、前記回転貯留ドラムを両方向に回転させるモータと、前記回転貯留ドラムに、前記給糸部側から紡績糸を案内する案内部材とを備えたことを特徴とする糸巻取装置。
- 請求項1〜19に記載の糸巻取装置であって、前記給糸部には、給糸ボビンの芯管に被さる規制部材を給糸ボビンからの紡績糸の解舒と連動して下降させることにより、給糸ボビンから紡績糸の解舒を補助する糸解舒補助装置が設けられていることを特徴とする糸巻取装置。
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