JP5287992B2 - 糸巻取装置 - Google Patents
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Description
本発明は、給糸ボビンから解舒した紡績糸をパッケージとして巻き取る糸巻取装置に関する。
紡績機などで生産された糸は、給糸ボビンに巻き付けられて糸巻取装置へ搬送される。そして、糸巻取装置においては、搬送された複数の給糸ボビンの糸が所定の糸継装置によって繋ぎ合わされて所定長のパッケージが生成される。この種の糸継装置を備える糸巻取装置において、巻取ボビン側の糸端を捕捉して糸継装置に導くサクションアームと、給糸ボビン側の糸端を捕捉して糸継装置に導くための中継ぎパイプとを備えた糸巻取装置の構成が従来から知られている。
このような糸巻取装置においては、巻取作業中に糸切れや糸切断などが発生した場合、上糸は、慣性回転する巻取ボビン側に巻き取られ、下糸は適宜のトラップ手段に保持される。そして、糸継作業が以下のように行われる。すなわち、回転を停止した巻取ボビンを逆回転させ、解舒される上糸の糸端をサクションアームの先端で吸引することによって捕捉し、これを糸継装置へ導く。また、これとほぼ同時に、トラップ手段に保持されている下糸の糸端を中継ぎパイプの先端で吸引することによって捕捉し、下糸を給糸ボビンから解舒させつつ糸継装置へ導く。その後は、上糸と下糸の糸端を糸継装置で糸継し、巻取作業が開始される。
一方、給糸ボビンの糸がすべて巻取ボビンに巻き取られ、新しい給糸ボビンが供給された場合には、回転を停止した巻取ボビンを逆回転させ、解舒される上糸の糸端をサクションアームの先端で吸引することにより捕捉し、これを糸継装置に導く。また、これとほぼ同時に、新しい給糸ボビン側の糸(下糸)の糸端を空気流によって吹き上げるとともに、これを中継ぎパイプの先端で吸引することによって捕捉し、下糸を解舒させつつ糸継装置に導く。その後は、上糸と下糸との糸端を糸継装置で糸継し、巻取作業を再開する。
なお、上述した巻取ボビンの停止は、糸巻取装置が備えるリフトアップ機構及びパッケージブレーキ機構によって行われる。リフトアップ機構は、クレードルを上昇させて、巻取ボビンを巻取駆動部から離間させる。パッケージブレーキ機構は、リフトアップ機構によってクレードルが上昇するのと同時に、クレードルに把持された巻取ボビンの回転を停止させる。これによって、巻取ボビンの回転が停止し、巻取作業が中断される。
また、上記の糸巻取装置と目的は異なるが、複数の色のパッケージから1つのパッケージを生成するためのワインダが例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のワインダは、糸の長手方向に種々の色糸や糸種をそれぞれ所定長さに測長しながら連続的に巻成する巻糸パッケージを製造するように構成されている。具体的には、このワインダは、複数の色の異なるパッケージや複数の糸種の異なるパッケージから少なくとも1本の糸を選択装置によって選択し、糸継装置により糸継するとともに、糸の測長と貯留を同時に行う糸貯留装置を経由して連続的にパッケージに巻成する。
さらに、糸切れが発生したときに巻取作業を中断させることなく巻き取りを行う糸巻取方法及び装置が特許文献2に記載されている。特許文献2に記載されたこの装置は、ボビンから巻き出された糸を貯留し、糸切れが発生したときには、糸継作業が完了するまで貯留された糸を使用して巻き取りを継続することが記載されている。
パッケージの巻取速度の高速化は、生産効率向上のため従来から求められているところである。しかし、巻取速度を高速化すれば、走行する糸への負担が増大し、糸切れが頻発してしまう。糸切れが発生した場合、パッケージから糸を引き出して給糸ボビン側の糸と糸継を行う必要があるが、糸継作業においてパッケージを逆回転させるパッケージ側の糸を捕捉する際に、サクションアームの吸引力によってパッケージの表面部分が引っ張られて綾乱れが発生することもあった。また、糸継作業中は、パッケージを逆回転させるために巻取作業が中断されるので、巻取速度だけ高速化しても、生産効率の効果的な向上には必ずしもつながらない。さらに、高速回転しているパッケージを急停止させ、糸継作業後にパッケージを停止前の回転速度まで再加速させるルーチンを巻取作業が中断されるたびに繰り返し行うこととなるため、消費電力も大きなものとなる。
この点、特許文献1に記載の巻糸パッケージは、糸に貯留部を設ける構成によって連続して糸を巻き取る構成を実現している。しかし、特許文献1のワインダは、本発明の対象とする糸欠点除去機構を有する糸巻取装置によって巻き取られた複数のパッケージを使用して更なるパッケージを巻き取るための構成であり、糸欠点を除去する構成を備えていない。そのため、糸欠点の含まれる給糸ボビンを巻き取る場合、糸欠点を含んだ部分がそのままパッケージに巻き取られてしまうことになる。また、糸継装置の構成上、糸欠点を除去することは困難である。
また、特許文献2に記載の糸巻取方法及び装置は、糸を貯留する貯留容器を設けることによって、糸切れが発生した際にもパッケージの巻取作業を継続している。この糸巻取方法及び装置においては、糸切れや欠点除去作業が発生したときに、パッケージの巻取作業を継続するために貯留された糸を枯渇させることなく効率よく欠点除去及び糸継を行うことが重要である。しかし、特許文献2には、パッケージの巻取作業を継続しつつ、糸継、欠点除去を行うことに関する具体的な記載がない。また、糸を整列させて貯留させる機構を有していないので、糸の絡まりが発生する懸念がある。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パッケージの巻き始めから巻き終わりまで連続的に糸を巻き取ることが可能な糸巻取装置を提供することである。
第1の発明に係る糸巻取装置は、給糸ボビンから紡績糸を解舒する給糸部と、この紡績糸をパッケージとして巻き取る糸巻取部と、前記給糸部と前記糸巻取部との間に設けられており、紡績糸を貯留する糸貯留部と、記給糸部側の紡績糸の糸端と、前記糸貯留部側の紡績糸の糸端とを繋ぐ糸継作業を行う糸継部と、を備えており、前記糸貯留部が、回転することにより給糸ボビンから巻き上げた紡績糸を、巻き付けて貯留する回転貯留ドラムと、前記回転貯留ドラムを両方向に回転させるモータと、を備えたことを特徴とするものである。
これによると、給糸部と糸巻取部との間に糸貯留部が設けられており、糸貯留部に貯留された紡績糸を糸巻取部に巻き取らせるとともに、この間に糸継を行うことができるため、糸巻取作業を中断することなく連続的に行うことができる。
また、糸継時には、回転貯留ドラムを、紡績糸の巻き付け時と逆に回転させることにより、回転貯留ドラムに巻き付けられた紡績糸を給糸部側に引き出すことができる。
第2の発明に係る糸巻取装置は、第1の発明に係る糸巻取装置であって、前記巻取部の巻取動作と前記モータの駆動とを制御する制御部を更に備え、前記制御部は、給糸ボビンから紡績糸を解舒して、パッケージを巻き取る通常巻取動作時には、前記糸巻取部による巻取り動作と、前記モータにより前記回転貯留ドラムを巻き上げ方向に回転させて糸を貯留させる貯留動作とを実行させ、前記糸継部の糸継動作が実行される時には、前記モータにより前記回転貯留ドラムを巻き上げ方向とは逆に回転させて紡績糸を糸継部側に引き出す引出動作と、を実行させる制御モードを有することを特徴とするものである。
これによると、糸継部の糸継動作が実行される時には、モータにより回転貯留ドラムを巻き上げ方向とは逆に回転させて紡績糸を糸継部側に引き出すことが出来るので、糸を確実に糸継ぎ部に引き出すことができる。
第3の発明に係る糸巻取装置は、第2の発明に係る糸巻取装置であって、前記制御部は、前記制御モードにおいて、前記糸継部の糸継動作が実行される時に、糸巻取部による巻取り動作と、前記モータにより前記回転貯留ドラムを巻き上げ方向とは逆に回転させて紡績糸を糸継部側に引き出す引出動作と、を同時に実行させることを特徴とするものである。
これによると、糸巻取部による巻取り動作と、前記モータにより前記回転貯留ドラムを巻き上げ方向とは逆に回転させて紡績糸を糸継部側に引き出す引出動作とを同時に実行させることにより巻取り動作と、糸継を同時に実行することができる。
第4の発明に係る糸巻取装置は、第1〜3のいずれかの発明に係る糸巻取装置であって、前記回転貯留ドラムに、前記給糸部から解舒された紡績糸を案内する案内部材を更に備えた事を特徴とするものである。
これによると、案内部材により回転貯留ドラムにおける紡績糸が巻き付けられる位置を簡単に調整することができる。
第5の発明に係る糸巻取装置は、第4の発明に係る糸巻取装置であって、前記回転貯留ドラムは、前記案内部材により紡績糸が案内される箇所に、テーパ部が形成されており、前記テーパ部は、紡績糸が貯留される方向に向かうほどその径が小さくなっており、前記案内部材は、前記テーパ部に紡績糸を案内することにより紡績糸を前記回転貯留ドラムの表面上に巻き上げた順に並べて貯留することを特徴とするものである。
これによると、テーパ部に案内された紡績糸は、回転貯留ドラムの回転によってそのテーパ部に巻き付けられるとともに、先に巻き付けられた糸層が、後に巻き付けられた紡績糸によって押されることで、テーパ部の傾斜面に沿って糸解舒側に移動する。この作用により、紡績糸は、回転貯留ドラムに順次貯留されていくため、案内部材は、紡績糸をテーパ部の一点に案内することができるものであればよく、回転貯留ドラムの位置や向きに関わらず、比較的容易に配置することができる。したがって、糸巻取装置の空きスペースなどに応じて、比較的自由に回転貯留ドラムを配置することができる。さらに、紡績糸を整列させて貯留しているので、糸貯留部において糸が絡まって糸の巻取が中断されることがない。
第6の発明に係る糸巻取装置は、第5の発明に係る糸巻取装置であって、前記糸貯留部が、糸継作業の際に、前記回転貯留ドラム上にある紡績糸の糸端を捕捉する糸端捕捉手段をさらに備えていることを特徴とするものである。
これによると、案内部材によりテーパ部に案内される際の紡績糸の移動方向は、回転貯留ドラムの糸解舒側から糸巻き付け側に向かう方向となる。すなわち、糸切れ時、糸欠点発生時及び給糸ボビンチェンジ時に、紡績糸の糸端が、案内部材から貯留ドラムに向けて移動するときの慣性によって、回転貯留ドラムの糸巻き付け側から糸解舒側に移動してしまうことがない。したがって、紡績糸の糸端が、確実に回転貯留ドラムの糸巻き付け側に設けられたテーパ部近傍に留めることとなり、糸端捕捉手段により、切れた紡績糸の糸端を確実に捕捉することができる。
第7の発明に係る糸巻取装置は、第6の発明に係る糸巻取装置であって、前記案内部材が管状の部材であり、前記糸端捕捉手段が、前記案内部材の内部空間に、前記回転貯留ドラム側から前記給糸部側に向かう空気流を発生させることを特徴とするものである。
これによると、糸端捕捉手段により、管状の案内部材の内部空間に回転貯留ドラムから給糸部に向かって流れる気流を発生させると、上記内部空間の気圧が大きく下がるため、紡績糸の糸端が強く吸引され、これにより、紡績糸の糸端を確実に捕捉することができる。
第8の発明に係る糸巻取装置は、前記糸貯留部が、貯留された紡績糸の量を検出する貯留量検出手段と、前記モータの回転速度を制御する回転速度制御手段とをさらに備えており、前記回転速度制御手段は、貯留量検出手段により検出された紡績糸の貯留量に応じて、前記回転貯留ドラムの所定の途中位置よりも前記テーパ部側の貯留領域にのみ、紡績糸が巻き付けられるように前記モータの回転速度を制御することを特徴とすることを特徴とするものである。
これによると、回転貯留ドラムの所定の途中位置よりも糸解舒側(糸巻取部により糸が引き出されて解舒される側)の部分には紡績糸が巻き付けられないため、回転貯留ドラムに巻き付けられた紡績糸は、回転貯留ドラムから解舒されて糸巻取部に向けて走行する際に、回転貯留ドラムの当該部分の表面上を転がりながら走行し、これにより紡績糸の毛羽が寝かされる。
第9の発明に係る糸巻取装置は、第1〜第8のいずれかの発明に係る糸巻取装置であって、前記糸貯留部が、前記回転貯留ドラムの前記糸巻取部により紡績糸が巻き出される側の端部の表面との間で紡績糸を挟むことによって、前記紡績糸に抵抗を付与する抵抗付与手段をさらに備えていることを特徴とするものである。
これによると、抵抗付与手段により紡績糸に抵抗が付与されると、紡績糸に張力が付与されることとなるため、この張力によって、糸貯留部から糸巻取部に向けて走行する紡績糸が膨らんでしまう(バルーンが発生してしまう)のを防止することができる。また、紡績糸が、抵抗付与手段と回転貯留ドラムとに挟まれた状態で走行するため、紡績糸の毛羽が寝かされる。
第10の発明に係る糸巻取装置は、第9の発明に係る糸巻取装置であって、前記抵抗付与手段が、前記回転貯留ドラムと一体的に回転することを特徴とするものである。
これによると、抵抗付与手段が回転貯留ドラムに対して移動しないので、抵抗付与手段が回転貯留ドラムの表面と擦れて磨耗してしまうのを防止することができる。
第11の発明に係る糸巻取装置は、第10の発明に係る糸巻取装置であって、前記抵抗付与手段が、前記回転貯留ドラムの糸解舒側端部に取り付けられたゴム製の環状部材であることを特徴とするものである。
これによると、抵抗付与手段を簡単に構成することができる。
第12の発明に係る糸巻取装置は、第2〜11のいずれかの発明に係る糸巻取装置であって、前記制御モード実行時において、前記糸貯留部は、前記糸継部の糸継動作が少なくとも1回実行されるまでの間、糸巻取部による巻取り動作を継続するために必要な量の紡績糸を貯留可能に構成されている事を特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載の糸巻取装置。
これによると、少なくとも1回の糸継ぎ作業の間は、巻き取作業を止めずに継続させることができる。
第13の発明に係る糸巻取装置は、第1〜12のいずれかの発明に係る糸巻取装置であって、前記給糸部には、給糸ボビンの芯管に被さる規制部材を給糸ボビンからの紡績糸の解舒と連動して下降させることにより、給糸ボビンから紡績糸の解舒を補助する糸解舒補助装置が設けられていることを特徴とするものである。
これによると、給糸ボビンと巻取部との間に糸貯留部を配置して糸のテンション伝達を遮断する事により、給糸ボビンの解舒テンション部分に巻取部のトラバース変動によるテンション変動が伝わることを防止することができる。さらに給糸ボビンに解舒補助装置を取り付ける事により、給糸ボビンからの糸解舒を安定して行うことができるので、糸切れを防止しさらに給糸ボビンからの解舒速度を速くすることができる。よって、給糸ボビンからの解舒効率を向上させることができる。
本発明によれば、給糸部と糸巻取部との間に糸貯留部が設けられているため、糸貯留部に貯留された紡績糸を糸巻取部に巻き取らせるとともに、この間に糸継を行うことができるため、糸巻取作業を中断することなく連続的に行うことができる。
さらに、糸継時には、回転貯留ドラムを、紡績糸の巻き付け時と逆に回転させることにより、回転貯留ドラムに巻き付けられた紡績糸を給糸部側に引き出すことができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る自動ワインダを構成する巻取ユニットの概略構成図である。自動ワインダは、図1に示す巻取ユニット2(糸巻取装置)が紙面左右方向に多数並べて構成されている。各巻取ユニット2は、それぞれ、給糸部5、巻取部6、糸欠点検出部7、糸継部8及び糸貯留部9を備えている。
給糸部5は、給糸ボビン21を保持するための給糸ボビン保持部60と、糸解舒補助装置12と、第1テンサ41とを備えている。また、給糸部5は新たな給糸ボビン21を給糸ボビン保持部60に供給するための図示しないボビン供給装置をさらに備えている。このボビン供給装置には、マガジン式の供給装置やトレイ式の供給装置などがある。この給糸部5は、巻取ユニット10にセットされている給糸ボビン21から紡績糸Y(以下、単に糸Yとする)がすべて引き出されると、給糸ボビン保持部60に保持されている空ボビンを排出し、ボビン供給装置が新たな給糸ボビン21を順次給糸ボビン保持部60に供給する。
糸解舒補助装置12は、給糸ボビン21の芯管に被さる規制部材40を給糸ボビン21からの糸Yの解舒と連動して下降させることにより、給糸ボビン21から糸Yの解舒を補助するものである。規制部材40は、給糸ボビン21から解舒された糸Yの回転と遠心力によって給糸ボビン21上部に形成されたバルーンに接触し、当該バルーンに適切なテンションを付与することによって糸Yの解舒を補助する。規制部材40の下方近傍には、給糸ボビン21のチェース部を検出するための図示しないセンサが備えられており、このセンサがチェース部の下降を検出すると、それに追従して規制部材40を例えば図示しないエアシリンダによって下降させることができる。
糸解舒保持装置12の近傍には、糸Yの有無を検知可能なヤーンフィーラ37が設けられている。このヤーンフィーラ37は、給糸ボビン21から引き出される糸Yがなくなったことを検出して、制御部109に空ボビン信号を送信できるように構成されている。
第1テンサ41は、走行する糸Yに所定のテンションを付与するものである。この第1テンサ41としては、例えば、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置するゲート式のものを用いることができる。可動側の櫛歯は、櫛歯同士がかみ合わせ状態又は開放状態になるように、図示しないロータリ式のソレノイドにより回動することができる。この第1テンサ41によって、後述のアキュムレータ61に貯留される糸Yに一定のテンションを付与し、アキュムレータ61において糸Yを整然と巻き付けて貯留することができる。
巻取部6は、巻取ボビン22を保持可能に構成された図示しないクレードルと、糸Yをトラバースさせるとともに巻取ボビン22を回転させるための巻取ドラム24と、第2テンサ42とを備える。クレードルは、巻取ドラム24に対し近接又は離間する方向に揺動可能に構成されており、これにより、パッケージ30が巻取ドラム24に対して接触又は離間される。また、図1に示すように巻取ドラム24の外周面には、螺旋状の綾振溝27が形成されており、この綾振溝27によって糸Yをトラバースさせるように構成している。
巻取ドラム24は、回転駆動することによって、当該巻取ドラム24に対向して配置される巻取ボビン22を駆動する。この巻取ドラム24は、巻取ドラムモータ116(図3参照)の出力軸に連結されており、この巻取ドラムモータ116は、制御部109からの運転信号を受けて運転及び停止がなされる。
第2テンサ42は、糸貯留部9の後述するアキュムレータ61から糸Yが解舒された糸Yがパッケージに巻き取られる際のテンションを制御するものである。これによって、アキュムレータ61から引き出された糸Yは、適宜のテンションが付与された状態で巻取ボビン22に巻き取られることになる。第2テンサ42は、第1テンサ41と同様に、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置するゲート式のものを用いることができる。
糸欠点検出部7は、糸欠点を検出するためのヤーンクリアラ15を備える。ヤーンクリアラ15は、糸Yの太さを適宜のセンサで監視することで欠点を検出するように構成されており、このヤーンクリアラ15のセンサからの信号を処理することで、スラブや異物等の糸欠点を検出可能に構成されている。なお、ヤーンクリアラ15は、単に糸Yの有無を検知するセンサとしても機能させることができる。また、ヤーンクリアラ15には、糸欠点検出時に、糸欠点の上流側の糸を切断するためのカッターが備えられている。
また、第2テンサ42の下流側には走行中の糸Yにワックス付けをするためのワキシング装置17が配置されている。また、ワキシング装置17の下流側には、図示しない吸引部が備えられている。この吸引部は、適宜の負圧源に接続され、ワックスの滓や糸屑などを吸引除去することができる。
糸継部8は、糸継作業を行うスプライサ装置14と、下糸案内パイプ25と、上糸案内パイプ26とを備えている。
スプライサ装置14は、糸切れ時、糸欠点発生時、ボビンチェンジ時などに、給糸ボビン21側の下糸と、パッケージ30側の上糸とを糸継するものである。スプライサ装置14としては、機械式のものや、圧縮空気等の流体を用いるもの等を使用することができる。
下糸案内パイプ25は、スプライサ装置14の下方に位置する軸25aを中心として回動可能に支持されているとともに、下パイプモータ122(図4参照)により回動させることができるようになっている。また、下糸案内パイプ25の先端には、吸引口25bが設けられており、吸引口25bには、図示しないクランプ部が設けられている。さらに、下糸案内パイプ25には、図示しない負圧源が接続されていることによって、負圧が供給されており、これにより、吸引口25bに糸Yを吸引するための吸引流が発生する。
上糸案内パイプ26は、スプライサ装置14の上方に位置する軸26aを中心として回動可能に支持されているとともに、上パイプモータ121(図3参照)により回動させることができるようになっている。また、上糸案内パイプ26の先端には、吸引口26bが設けられており、吸引口26bには、クランプ部26c(図2参照)が設けられている。さらに、上糸案内パイプ26には、負圧源120(図2参照)が接続されていることによって、負圧が供給されており、これにより、吸引口26bに糸Yを吸引するための吸引流が発生する。
糸貯留部9は、パッケージ30に巻き取られる前の糸Yを貯留するためのアキュムレータ61を備える。図2は、アキュムレータ61の概略構成図である。
図2に示すように、アキュムレータ61は、回転貯留ドラム71、回転貯留ドラムモータ72、糸案内部材73、吹下ノズル74、糸経路形成部材75などを備えている。
回転貯留ドラム71は、軸Cを中心として回転可能なドラムであり、後述するように、回転貯留ドラム71に糸Yが巻き付けられることで、糸Yが貯留される。また、回転貯留ドラム71は、その両端部が、それぞれ、反対側の端部に近づくほどその径が小さくなったテーパ部71a、71bとなっているとともに、テーパ部71aとテーパ部71bとの間の部分が、その径がほぼ一定となったストレート部71cとなっている。
さらに、回転貯留ドラム71の図2における右上端部(糸解舒側端部)、厳密にはストレート部71cの右上端部には、例えば、輪ゴム、Oリングなどのゴム製の環状部材81(抵抗付与手段)が巻き付けられている。これにより、回転貯留ドラム71が回転すると、環状部材81が回転貯留ドラム71と一体的に回転する。また、前述したように、回転貯留ドラム71の右上端部がテーパ部71bとなっていることにより、環状部材81が回転貯留ドラム71から右上方に抜け落ちてしまうことが防止されている。
回転貯留ドラムモータ72は、DCブラシレスモータ、ステッピングモータ、サーボモータなどの位置制御可能なモータであり、回転貯留ドラム71を両方向に回転させる。また、回転貯留ドラムモータ72には、ロータリエンコーダ153が取り付けられており、ロータリエンコーダ153は、回転貯留ドラムモータ72の回転角度に応じた角度信号を制御部109に送信する。
糸案内部材73は、直線状に延びたパイプ(管状の部材)であって、図2における左上端部が、テーパ部71aと対向するように配置されている。これにより、給糸部5側から糸案内部材73まで走行してきた糸Yは、糸案内部材73によってテーパ部71aに案内される。このように、本実施の形態では、このように、糸Yを糸案内部材73によってテーパ部71aに案内するため、回転貯留ドラム71の糸Yが巻き付けられる位置を簡単に調整することができる。
吹下ノズル74(糸端捕捉手段)は、糸案内部材73の図中右側に配置されており、糸案内部材73の内部空間と接続された糸流路146と、この糸流路146に開口するとともに、糸流路146に対して傾斜して形成される吹下流路147とを有している。
吹下流路147には接続パイプ149と接続パイプ150を介して圧力空気源151が接続されており、接続パイプ149と接続パイプ150の間には制御部109に電気的に接続された電磁弁152が設けられている。
糸経路形成部材75は、糸経路128を形成するものであり、上糸案内パイプ26の吸引口26bと、吹下ノズル74との間に配置されている。糸経路128は、上糸案内パイプ26の吸引口26bのすぐ上方に位置しているその下端からほぼ真上に延びているとともに、その上端部において、図2の左上方に曲がって、その上端が、吹下ノズル74の糸流路146の右下端部と対向している。
そして、このような、糸案内部材73、吹下ノズル74及び糸経路形成部材75の構成により、制御部109が電磁弁152を開き、圧力空気源151の圧力空気が接続パイプ150と接続パイプ149、吹下流路147を順に経由して糸流路146に吐出されると、糸案内部材73の内部空間、糸流路146、糸経路128には、回転貯留ドラム71側から上糸案内パイプ26側へ向かう空気流が形成されるようになっている。そして、この空気流によって、回転貯留ドラム71に巻きつけられている糸Yの糸端を吸い込んで捕捉するとともに、糸継部8側に引き出すことができるようになっている。
このとき、糸案内部材73が、その両端においてのみ開口する内部空間を有するパイプであるため、吹下ノズル74により糸案内部材73の内部空間に空気流を発生させると、糸案内部材73の内部空間においては、内部の空気が吸引されることで、その気圧が大きく低下する。これにより、糸Yの糸端を強く吸引することができ、糸Yの糸端を確実に捕捉することができる。
また、上記の糸経路形成部材75の下端には、アキュムレータ61に巻き込まれている糸Yの糸端が実際に糸継部8側に引き出されたことを検出可能な引出センサ154が設けられている。この引出センサ154は、制御部109と電気的に接続されており、糸Yの糸端が糸継部8側に引き出されたことを検出すると、引出検出信号を制御部109に送信するようになっている。
さらに、アキュムレータ61には、糸Yの貯留量を検出するための貯留上限センサ155、貯留下限センサ156、貯留最下限センサ157が設けられている。貯留上限センサ155、貯留下限センサ156及び貯留最下限センサ157は、それぞれ、アキュムレータ61における糸Yの貯留量が300m、200m及び40mとなったときの、回転貯留ドラム71に巻き付けられた糸Yの束の上端に対向する位置に位置決めされている。
ここで、300mというのは、後述する糸継を例えば3回(少なくとも1回)繰り返す間に、巻取部5で巻き取られる紡績糸Yの長さ以上の長さであり、後述するように、糸継を行っている間に巻取部5における紡績糸Yの巻取を継続したときにも、アキュムレータ7において紡績糸Yの糸欠乏が生じにくいようになっている。
そして、この構成で、貯留上限センサ155、貯留下限センサ156及び貯留最下限センサ157は、対向する位置における糸Yの存在を検出している間、制御部109に、それぞれ、貯留量上限信号、貯留量下限信号、及び、貯留量最下限信号を送信するようになっている。
なお、貯留上限センサ155と対向する、回転貯留ドラム71に300mの糸Yが巻き付けられたときの糸Yの右上端は、回転貯留ドラム71の右上端部ではなく、例えば回転貯留ドラム71の略中央部など、回転貯留ドラム71の所定の途中位置に位置している。
次に、巻取ユニット2の制御部109の構成を説明する。即ち、図3に示す制御部109は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するための上記のRAM(Random Access Memory)と、を備えている。そして、ROMに記憶された上記制御プログラムがCPUに読み込まれCPU上で実行されることで、制御プログラムは、CPUなどのハードウェアを、巻取ドラムモータ制御部160、回転貯留ドラムモータ制御部161、引出糸長演算部163、上パイプ制御部164として機能させるようになっている。
巻取ドラムモータ制御部160は、巻取ドラムモータ116の回転速度を制御するものであり、上記の貯留量検出部によって検出される貯留量が所定値を下回ったら、前記巻取部6が糸Yを巻き取る巻取速度Vaを減速させる。
具体的には、巻取ドラムモータ制御部160は、貯留下限センサ156からの貯留量下限信号の受信が途絶えると、パッケージ30の糸層に乱れが生じない程度に穏やかに上記巻取速度Vaを減速させる。さらに、巻取ドラムモータ制御部160は、貯留最下限センサ157からの貯留量最下限信号の受信が途絶えると、巻取速度Vaを速やかに減速させ巻取部6による巻き取りを停止させる。
このように巻取ドラムモータ制御部160は、アキュムレータ61における糸Yの貯留量が少なくなると巻取速度Vaを減速させ、さらにアキュムレータ61の糸Yの貯留量が極少となると巻取部6による巻き取りを停止させるようになっており、もって、アキュムレータ61における糸Yの糸欠乏が未然に防止されるようになっている。
回転貯留ドラムモータ制御部161は、回転貯留ドラムモータ72の回転方向を制御するものであり、回転貯留ドラム71に糸Yを巻き付ける際には、回転貯留ドラム71が一方向に回転するように回転貯留ドラムモータ72を制御し、回転貯留ドラム71上にある糸Yの糸端が糸継部8側に引き出される際に、回転貯留ドラム71に糸を巻き付ける際とは逆方向に回転するように回転貯留ドラムモータ72を制御する。また、回転貯留ドラムモータ制御部161(回転速度制御手段)は、後述するように、回転貯留ドラムモータ72の回転速度の制御も行う。
引出糸長演算部163は、引出センサ154が糸Yを検出した時点からの、ロータリエンコーダ153によって検出される回転貯留ドラムモータ72の回転角度に基づいて、アキュムレータ61から糸継部8側に引き出された糸Yの糸長としての引出糸長を演算するものである。
上パイプ制御部164は、糸欠点検出信号から取得した糸欠点長さと、引出糸長演算部163によって演算された引出糸長と、を比較し、引出糸長が糸欠点長さに到達したら、上糸案内パイプ26をクランプ状態のまま旋回させて、巻取部6側の糸Yをスプライサ装置14に案内し、セットするようになっている。
次に、巻取ユニット2の動作について図4〜図7を用いて説明する。
自動ワインダ(巻取ユニット2)のオペレータは、給糸ボビン21から糸Yを解舒して、この糸Yを糸解舒補助装置12、ヤーンフィーラ37、第1テンサ41、ヤーンクリアラ15、アキュムレータ61、第2テンサ42、ワキシング装置17にセットし、巻取ボビン22に固定する。アキュムレータ61における糸Yの糸道は、図2に示す通りである。すなわち、オペレータは、糸Yを、引出センサ154と、糸経路形成部材75の糸経路128、吹下ノズル74の糸流路146と、糸案内部材73の内部流路に順に通す。この状態で、オペレータは、糸案内部材73の回転貯留ドラム71と対向する開口から糸Yを引き出して、回転貯留ドラム71に例えば5〜20回程度巻き付け、さらに、回転貯留ドラム71と環状部材81との間を通し、回転貯留ドラム71の右上方に配置された糸ガイド82にセットしてから、第2テンサ42にセットする。なお、図2における糸Yは説明の都合上、太く描かれているとともに、その巻付間隔も大きくなっているが、実際には回転貯留ドラム71には常時、小さい巻付間隔で600巻き程度巻き付けられた糸Yの束が貯留されるようになっている。
(通常巻取時)
この状態で、図4に示すように、巻取ユニット2の電源を投入すると(S300)、制御部109(回転貯留ドラムモータ制御部161)は、巻取部6による糸Yの巻取速度Vaが、例えば1200m/minとなるように巻取ドラム24の回転を開始させるとともに、回転貯留ドラム71における糸Yの巻付速度Vbが、例えば、1500m/minとなるように回転貯留ドラムモータ72の回転を開始させる(S310)。
この状態で、図4に示すように、巻取ユニット2の電源を投入すると(S300)、制御部109(回転貯留ドラムモータ制御部161)は、巻取部6による糸Yの巻取速度Vaが、例えば1200m/minとなるように巻取ドラム24の回転を開始させるとともに、回転貯留ドラム71における糸Yの巻付速度Vbが、例えば、1500m/minとなるように回転貯留ドラムモータ72の回転を開始させる(S310)。
すると、回転貯留ドラム71に巻き付けられた糸Yは、右上端から順に巻取部6によって解舒され、巻取ドラム24によって綾振られながらパッケージ30に巻き取られていく。
このとき、糸Yは、回転貯留ドラム71の表面と環状部材81との間を、これらに挟まれた状態で通過するため、糸Yの毛羽が寝かされる。また、糸Yが回転貯留ドラム71の表面と環状部材81との間に挟まれている(抵抗が付与されている)ことにより、糸Yには張力が付与される。そして、この張力により、回転貯留ドラム71から解舒されて巻取部6に向けて走行する糸Yが膨らんでしまう(バルーンが発生してしまう)のを防止することができる。また、このとき、回転貯留ドラム71に巻き付けられた環状部材81は、回転貯留ドラム71と一体的に回転するため、環状部材81が回転貯留ドラム71に対して移動することがなく、これにより、環状部材81が回転貯留ドラム71と擦れて磨耗してしまうことがない。
また、これと同時に、給糸部5側の糸Yは、図2に示すように糸案内部材73によって回転貯留ドラム71のテーパ部71aに案内され、回転貯留ドラム71が軸Cを中心として一方向に回転することで、案内された糸Yが、テーパ部71aに巻き付けられていく。
さらに、テーパ部71aに巻き付けられた糸Yは、順次テーパ部71aの表面に沿って軸Cとほぼ平行に右上方に移動する。そして、これにより、糸Yは回転貯留ドラム71に貯留されていく。
このように、本実施の形態では、テーパ部71aに案内された糸Yが、回転貯留ドラム71の回転によってテーパ部71aに巻き付けられるとともに、テーパ部71aの表面に沿って右上方にすべるように移動することで、先に巻かれた糸Yが、新たに巻かれた糸Yに押し上げられて、回転貯留ドラム71に順次貯留されていく。したがって、糸案内部材73は、テーパ部71aの一点に糸Yを案内することができるものであればよく、回転貯留ドラム71の位置や向きに関わらず、比較的容易に配置することができる。したがって、巻取ユニット2の空きスペースなどに応じて、比較的自由に回転貯留ドラム71を配置することができる。
また、本実施の形態とは異なり、回転貯留ドラム71の代わりに固定された貯留ドラムが設けられているとともに、この貯留ドラムに糸Yを巻き付けるための機構が設けられているとした場合、この機構は、貯留ドラムへの糸Yの巻き付けを可能とするために、貯留ドラムの周囲を回転する部分を有することとなるが、この部分に形成される糸Yの経路は、どうしても屈曲回数の多いものとなってしまう。その結果、このような経路を通過する糸Yの屈曲回数も多くなり、糸Yの品質低下の要因となる。
しかしながら、本実施の形態では、回転貯留ドラム71が回転することによって、糸Yが回転貯留ドラム71に巻き付けられるため、上述したような糸Yの巻付を行うための機構がなく、糸Yを回転貯留ドラム71に案内するための経路を、糸経路128、吹下ノズル74の糸流路146及び糸案内部材73の内部空間からなる経路のような、屈曲回数の少ないものとすることができ、糸Yの品質低下を防止することができる。
そして、このように、給糸部5から巻取部6に至るまで糸Yがつながった状態で糸Yがパッケージ30に巻き取られる通常巻取時、制御部109は、図4に示すように、糸切れ信号の受信の有無を確認し(S320)、糸欠点検出信号の受信の有無を確認し(S330)、空ボビン信号の受信の有無を確認し(S340)、貯留量上限信号の受信の有無を確認している(S350)。
そして、糸切れ信号を受信した場合(S320:YES)、糸欠点検出信号を受信した場合(S330:YES)、及び、空ボビン信号を受信した場合(S340:YES)に、それぞれ、図5、図6、図7に示す制御フローを実行してから(S325、S335,S345)、図4の制御フローに復帰するようになっている。
また、巻取開始からしばらくは、巻付速度Vbが巻取速度Vaよりも上回っているので、アキュムレータ61の糸Yの貯留量は増加していき、やがて、糸Yの貯留量が300mに至ると、貯留上限センサ155は制御部109に貯留量上限信号を送信する。制御部109(回転貯留ドラムモータ制御部161)は、図5に示すように貯留上限センサ155から貯留量上限信号を受信すると(S350:YES)、回転貯留ドラムモータ72の回転速度を変更することで、巻付速度Vbを例えば1500m/minから1200m/minへと変更する(S360)。これにより、巻取速度Vaと巻付速度Vbが一致し、アキュムレータ61の貯留量は一定となる。
ここで、前述したように、貯留上限センサ155が回転貯留ドラム71の途中の部分と対向しているため、回転貯留ドラム71においては、貯留上限センサ155と対向する部分よりも左下端側(糸巻き付け側)の部分にのみ糸Yが巻き付けられ、これよりも右上端側(糸解舒側)の部分には糸Yが巻き付けられない。
したがって、回転貯留ドラム71から解舒されて巻取部6に向けて走行する糸Yは、回転貯留ドラム71の、貯留上限センサ155と対向する部分よりも右上端側の部分の表面上を転がりながら走行することとなり、これにより、糸Yの毛羽が寝かされる。
(糸切れ時)
次に糸切れが発生した場合の図5の制御フローに示す動作について説明する。糸切れが発生して、制御部109が、ヤーンクリアラ15から糸切れ信号を受信すると(S320:YES)、制御部109は、まず、回転貯留ドラム71の回転を停止させる(S410)。
次に糸切れが発生した場合の図5の制御フローに示す動作について説明する。糸切れが発生して、制御部109が、ヤーンクリアラ15から糸切れ信号を受信すると(S320:YES)、制御部109は、まず、回転貯留ドラム71の回転を停止させる(S410)。
次に、制御部109は、電磁弁152を開放状態へと切り替えることで、糸案内部材73の内部空間、糸経路128などに、回転貯留ドラム71側から上糸案内パイプ26側へ向かう空気流を形成する(S420)。
これと同時に、制御部109は、上糸案内パイプ26の吸引口26bを閉塞状態から開放状態へと切り替え、これにより、上糸案内パイプ26に、吸引口26b側から負圧源120側へ向かう空気流を形成する(S420)。
次に、回転貯留ドラムモータ制御部161は、回転貯留ドラム71が糸Yを巻き付けるときとは逆方向に低速で回転するように回転貯留ドラムモータ72を制御し(S430)、引出センサ154からの引出検出信号の受信待ち状態となる(S440:NO)。
すると、回転貯留ドラム71上に存在する糸Yの糸端は、糸案内部材73の開口に吸い込まれ、糸経路128などを経由して上糸案内パイプ26の吸引口26bに引き出される。このとき、回転貯留ドラムモータ72が位置制御可能なモータであるため、回転貯留ドラム71のうち、糸Yの糸端が位置している部分を、糸案内部材73の開口と対向する位置まで精度よく移動させることが可能であり、これにより、確実に糸案内部材73の開口から糸Yの糸端を吸い込むことができる。
さらに、前述したように、糸案内部材73が、テーパ部71aに糸Yを案内しているため、糸案内部材73から回転貯留ドラム71に案内される糸Yの移動方向は、回転貯留ドラム71の軸方向(軸Cと平行な方向)に関しては、その糸解舒側端部である右上端側からテーパ部71a側である左下端側に向かう方向となる。
そのため、テーパ部71aに案内された糸Yが、糸案内部材73から回転貯留ドラム71に移動するときの慣性によって、回転貯留ドラム71の右上端側に移動してしまうことがなく、糸Yの糸端は、確実に回転貯留ドラム71のテーパ部71a近傍、厳密には、ストレート部71cの左下端部上にくる。したがって、確実に糸案内部材73の開口から糸Yを吸い込むことができる。
なお、糸案内部材73は、テーパ部71aへの糸Yの案内、及び、ストレート部71cの左下端部上にある糸Yの糸端の吸引の両方を行うことができるよう、その左上端の開口が、これら2つの部分にまたがるように配置されている。
そして、糸Yが引出センサ154を通過すると、引出センサ154は、制御部109に、引出検出信号を送信する。引出センサ154から引出検出信号を受信すると(S440:YES)、制御部109は、回転貯留ドラム71の低速回転を継続したまま、吸引口26bを開放状態から閉塞状態へと切り替えるとともにクランプ部26cによって糸Yをクランプさせ、さらに軸26aを中心として上糸案内パイプ26を上から下へ向かって旋回させることで、アキュムレータ61から引き出した糸Yを糸継部8のスプライサ装置14に案内する(S450)。
このとき、上糸案内パイプ26の旋回によってアキュムレータ61から糸Yが概ね60cm程度、新たに引き出されることとなるが、このときに糸Yがクランプ部26cと回転貯留ドラム71との間で糸切れしないように、制御部109は、上糸案内パイプ26の旋回を回転貯留ドラム71の回転と同期させる。上糸案内パイプ26による糸Yのスプライサ装置14への案内が完了したら(S450)、制御部109は、回転貯留ドラム71の回転を停止させる(S460)。
一方で、下糸案内パイプ25は、上糸案内パイプ26と同様に、ヤーンフィーラ37の周辺に存在する糸Yの糸端を吸引捕捉し、この糸Yをスプライサ装置14に案内する。そして、アキュムレータ61側の糸Yと給糸部5側の糸Yがスプライサ装置14にセットされたら、制御部109は、スプライサ装置14に糸継ぎ作業を実行させる(S470)。
その後、制御部109は、図2に示すように回転貯留ドラム71の一方向への回転を開始させ(S480)、上記通常巻取状態へと復帰する(S490)。なお、このときの回転貯留ドラム71の回転数は、巻付速度Vbが1500m/minとなるように設定される(S480)。
(糸欠点検出時)
次に、糸欠点が検出された場合の、図6の制御フローに示す動作について説明する。ただし、このときの動作の一部は糸切れ時と同様であるので、以下では、糸切れ時と同様の動作についてはその詳細な説明を省略する。
次に、糸欠点が検出された場合の、図6の制御フローに示す動作について説明する。ただし、このときの動作の一部は糸切れ時と同様であるので、以下では、糸切れ時と同様の動作についてはその詳細な説明を省略する。
糸欠点が検出され、制御部109が、ヤーンクリアラ15からの糸欠点検出信号、糸切断信号を受信すると、制御部109は、糸切れ時と同様の上記S410〜S440の順に動作を行う。そして、引出センサ154から引出検出信号を受信すると(S440:YES)、引出糸長演算部163は、引出センサ154が糸Yを検出した時点からの、ロータリエンコーダ153によって検出される回転貯留ドラム71の回転角度を取得し(S570)、この回転角度に基づいて前記の引出糸長を演算する(S580)。
そして、上パイプ制御部64は、糸欠点検出信号から取得した糸欠点の長さと、引出糸長演算部63によって演算された引出糸長とを比較する(S590)。そして、上パイプ制御部164は、引出糸長が糸欠点長さに到達するまで待機し(S590:NO)、糸欠点長さに到達したら(S590:YES)、糸切れ時と同様上記S450〜S480の順に動作を行うことにより、糸継ぎ及び通常巻取状態への復帰を行う。
(ボビンチェンジ時)
次に、給糸ボビン21が空になった場合の、図7の制御フローに示す動作について説明する。ただし、この場合の動作の一部は糸切れ時と同様であるので、以下では、糸切れ時と同様の動作についてはその詳細な説明を省略する。
次に、給糸ボビン21が空になった場合の、図7の制御フローに示す動作について説明する。ただし、この場合の動作の一部は糸切れ時と同様であるので、以下では、糸切れ時と同様の動作についてはその詳細な説明を省略する。
給糸ボビン21が空になり、制御部109が、ヤーンフィーラ37から空ボビン信号を受信すると(S340:YES)、現在の給糸ボビン21を排出して新たな給糸ボビン21を給糸ボビン保持部60に装填し、この給糸ボビン21の糸Yを案内し、下糸案内パイプ25に捕捉吸引可能な状態とする(S710)。そして、糸切れ時の場合と同様、上記S410〜S440の動作により、糸継ぎ及び通常巻取状態への復帰を行う。
そして、巻取ユニット2においては、以上のように動作させることにより、糸継部6により糸継を行う際にも、糸貯留ドラム27に貯留された紡績糸Yを解舒することで、少なくとも糸継作業が1回行われる間は、巻取部5においてパッケージPへの紡績糸Yの巻取を継続することができる。すなわち、巻取部5におけるパッケージPへの紡績糸Yの巻取を中断することなく、糸継部6により糸継を行うことができる。
また、回転貯留ドラム271を糸Yの巻付時とは反対方向に回転させることにより糸Yを糸継部8側に引き出すことができるので、糸Yを確実に糸継部8に引き出すことができる。
さらに、巻取部5による巻取動作と、回転貯留ドラム271を糸Yの巻付時とは反対方向に回転させることにより糸を糸継部8側に引き出す引出動作とを同時に実行させることにより、糸Yの巻取と、糸継とを同時に実行することができる。
また、以上に説明した糸巻取ユニット2では、給糸ボビン21と巻取部6との間に糸貯留部9を配置して糸Yのテンション伝達を遮断することにより、給糸ボビン21の解舒テンション部分に巻取部6のトラバース変動によるテンション変動が伝わることを防止することができる。さらに、給糸ボビン21に解舒補助装置12を取り付けることにより、給糸ボビン21からの糸解舒を安定して行うことができるので、糸切れが防止されて、さらに給糸ボビン21からの解舒速度を速くすることができる。よって、給糸ボビン21からの解舒効率を向上させることができる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
一変形例では、図8に示すように、糸経路形成部材75(糸経路128)の高さが、上述の実施の形態よりも短くなっている。また、回転貯留ドラム71、回転貯留ドラムモータ72、糸案内部材73及び吹下ノズル74は、上記実施の形態よりも下方に位置しているとともに、上述の実施の形態よりも糸経路形成部材75から図中左方に大きく離隔して配置されている。さらに、吹下ノズル74の右下端部には糸経路形成部材76が取り付けられており、吹下ノズル74の糸流路146は、糸経路形成部材76の内部に形成された糸経路129を介して、糸経路128に接続されている。
この場合には、回転貯留ドラム71などを上述の実施の形態の場合よりも低い位置に配置することができるので、巻取ユニット2を、アキュムレータ61がない巻取ユニットと同程度の高さにすることが可能となる。
また、本変形例は、上述の実施の形態と比べて、回転貯留ドラム71などの位置が大きく異なっているが、糸経路形成部材75(糸経路128)の高さを変えるとともに、吹下ノズル74の右下端部に糸経路形成部材76を取り付けて、糸流路146と糸経路128とを糸経路129を介して接続するだけで、上述の実施の形態と同様、テーパ部71aに糸Yを案内することができる。そして、このことからも、回転貯留ドラム71は、巻取ユニット2の空きスペースなどに応じて、比較的自由に配置することができるものであることがわかる。
また、上述の実施の形態では、糸案内部材73がパイプなどの管状の部材であり、吹下ノズル74が、糸案内部材73の内部空間に、回転貯留ドラム71側から上糸案内パイプ26側に向かう空気流を発生させることによって、回転貯留ドラムドラム71上の糸Yの糸端を吸引して捕捉するものであったが、これには限られない。例えば、吹下ノズル74の代わりに、回転貯留ドラム上にある糸Yの糸端を吸引するとともに、吸引した糸Yを上糸案内パイプ26の吸引口26bまで持っていく機構など、回転貯留ドラム71に貯留された糸Yの糸端を捕捉することが可能な別の機構が設けられていてもよい。さらに、この場合には、糸案内部材73は、糸Yをテーパ部71aに案内することができるものであれば、管状の部材であることには限られない。
また、上述の実施の形態では、回転貯留ドラム71の右上端部に、抵抗付与手段としてゴム製の環状部材81が巻き付けられていたが、環状部材81は、例えば合成樹脂材料など、ゴム以外の材料により構成されているものであってもよい。
さらには、抵抗付与手段は、回転貯留ドラム71の表面との間で糸Yを挟むものであれば、回転貯留ドラム71に巻き付けられる環状部材であることにも限られず、回転貯留ドラム71の外部に配置されるものであってもよい。ここで、抵抗付与手段は、回転貯留ドラム71と擦れてしまうことによる磨耗を防止するためには、回転貯留ドラム71と一体的に回転するものであることが好ましいが、例えば、抵抗付与手段が磨耗しにくい材料により構成されている場合などには、回転貯留ドラム71の外部の部材に固定されているなど、回転貯留ドラム71と一体的に回転しないものであってもよい。さらに、回転貯留ドラム71と所定のクリアランスをもって取り付けられる金属リングを採用することもできる。
あるいは、糸Yが回転貯留ドラム71の右上端部に接触した状態で走行することにより糸Yに十分な抵抗が付与される場合や、回転貯留ドラム71と巻取部6との間に別途糸Yに抵抗を付与するための機構が設けられている場合などには、回転貯留ドラム71の表面との間で糸Yを挟むことによって糸Yに抵抗を付与する抵抗付与手段は設けられていなくてもよい。
また、上述の実施の形態では、貯留上限センサ155が回転貯留ドラム71の途中の部分と対向しており、この部分よりも左下端側の部分にのみ糸Yが巻き付けられるようになっていたが、貯留上限センサ155が、回転貯留ドラム71の右上端部と対向するように配置されており、回転貯留ドラム71のほぼ全域に糸Yが巻き付けられるようになっていてもよい。なお、この場合には、上述した、糸Yが回転貯留ドラム71の表面上を走行することにより糸Yの毛羽が寝かされるという効果は薄くなってしまうが、回転貯留ドラム71に貯留することができる糸Yの量は多くなる。
また、上述の実施の形態では、回転貯留ドラム71の両端部が、それぞれ、反対側の端側の部分ほどその径が小さくなったテーパ部71a、71bとなっていたが、図2の右上端部については、その径がほぼ一定となっていてもよい。
また、上述の実施の形態では、回転貯留ドラムモータ72の一部が、回転貯留ドラム71からはみ出していたが、回転貯留ドラム72を、回転貯留ドラム71の内部に完全に納まるようなものとしてもよい。そして、この場合には、回転貯留ドラムモータ72が回転貯留ドラム71からはみ出していない分、回転貯留ドラム71をさらに自由に配置することができる。
さらに、上記実施の形態においては、糸切れ時、糸欠点検出時、ボビンチェンジ時において下流側の糸Yは、回転貯留ドラム71に全て巻き付けられた状態となっている。しかし、糸切れ時、糸欠点検出時、ボビンチェンジ時において、その発生を事前に検知し下流側の糸Yが回転貯留ドラム71に全て巻き付けられる前に回転貯留ドラム71の駆動を停止させる形態を実施することもできる。例えば、糸欠点検出時には、ヤーンクリアラ15に備えられたカッターが糸Yを切断すると同時に回転貯留ドラム71の駆動を停止させる。また、ボビンチェンジ時においては、糸解舒補助装置12に給糸ボビン21の残糸量を検出するセンサを取り付けて、給糸ボビン21の残糸量を監視する。そして、給糸ボビン21の空状態の発生を事前に検知し下流側の紡績糸Yが回転貯留ドラム71に全て巻き付けられる前に回転貯留ドラム71の駆動を停止させる形態を実施することもできる。
このように、糸Yが回転貯留ドラム71に全て巻き付けられる前に回転貯留ドラム71の駆動を停止させることにより、糸Yの糸端はアキュムレータ61の吹下ノズル74又は糸経路形成部材75の上流側に垂れ下がった状態で停止させることができる。
よって、上糸案内パイプ26は、アキュムレータ61の下方に垂れ下がった状態の糸端を捕捉することができるので、糸端引出機構による糸Yの引き出し工程を削減することが可能となり、糸継ぎ作業の効率が上がる。この形態においては、引出センサ154が設けられているので、アキュムレータ61に貯留されている糸Yの糸端が、上糸案内パイプ26により受け取れる位置で停止している状態、つまり糸端がアキュムレータ61の上流側に垂れ下がった状態で確実に停止した状態を検知することが可能となっている。もって、糸Yの糸端を前記糸貯留部から前記糸継部側に引き出すために要する時間を短縮することができるようになる。
このように、本発明の引出機構は、アキュムレータ61に完全に巻き込まれた糸Yの引き出しのみならず、アキュムレータ61の下方に停止させた状態の糸Yを糸継部8側に引き出すこともできる。また、回転速度は本実施形態に示した回転速度は一例で有り、他の回転速度、他の速度単位でも実施することは可能である。
2 巻取ユニット
5 給糸部
6 巻取部
9 糸貯留部
21 給糸ボビン
30 パッケージ
71 回転貯留ドラム
71a テーパ部
72 回転貯留ドラムモータ
73 糸案内部材
74 糸吸引機構
81 環状部材
5 給糸部
6 巻取部
9 糸貯留部
21 給糸ボビン
30 パッケージ
71 回転貯留ドラム
71a テーパ部
72 回転貯留ドラムモータ
73 糸案内部材
74 糸吸引機構
81 環状部材
Claims (13)
- 給糸ボビンから紡績糸を解舒する給糸部と、
この紡績糸をパッケージとして巻き取る糸巻取部と、
前記給糸部と前記糸巻取部との間に設けられており、紡績糸を貯留する糸貯留部と、
前記給糸部側の紡績糸の糸端と、前記糸貯留部側の紡績糸の糸端とを繋ぐ糸継作業を行う糸継部と、
を備えており、
前記糸貯留部が、
回転することにより給糸ボビンから巻き上げた紡績糸を、巻き付けて貯留する回転貯留ドラムと、
前記回転貯留ドラムを両方向に回転させるモータと、
を備えたことを特徴とする糸巻取装置。 - 前記巻取部の巻取動作と前記モータの駆動とを制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、
給糸ボビンから紡績糸を解舒して、パッケージを巻き取る通常巻取動作時には、
前記糸巻取部による巻取り動作と、前記モータにより前記回転貯留ドラムを巻き上げ方向に回転させて糸を貯留させる貯留動作とを実行させ、
前記糸継部の糸継動作が実行される時には、
前記モータにより前記回転貯留ドラムを巻き上げ方向とは逆に回転させて紡績糸を糸継部側に引き出す引出動作と、を実行させる制御モードを有することを特徴とする請求項1に記載の糸巻取装置。 - 前記制御部は、前記制御モードにおいて、
前記糸継部の糸継動作が実行される時に、
糸巻取部による巻取り動作と、前記モータにより前記回転貯留ドラムを巻き上げ方向とは逆に回転させて紡績糸を糸継部側に引き出す引出動作と、を同時に実行させることを特徴とする請求項2に記載の糸巻取装置。 - 前記回転貯留ドラムに、前記給糸部から解舒された紡績糸を案内する案内部材を更に備えた事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の糸巻取装置。
- 前記回転貯留ドラムは、前記案内部材により紡績糸が案内される箇所に、テーパ部が形成されており、前記テーパ部は、紡績糸が貯留される方向に向かうほどその径が小さくなっており、
前記案内部材は、前記テーパ部に紡績糸を案内することにより紡績糸を前記回転貯留ドラムの表面上に巻き上げた順に並べて貯留することを特徴とする請求項4に記載の糸巻取装置。 - 前記糸貯留部が、
糸継作業の際に、前記回転貯留ドラム上にある紡績糸の糸端を捕捉する糸端捕捉手段をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載の糸巻取装置。 - 前記案内部材が管状の部材であり、
前記糸端捕捉手段が、前記案内部材の内部空間に、前記回転貯留ドラム側から前記給糸部側に向かう空気流を発生させることを特徴とする請求項6に記載の糸巻取装置。 - 前記糸貯留部が、
貯留された紡績糸の量を検出する貯留量検出手段と、
前記モータの回転速度を制御する回転速度制御手段とをさらに備えており、
前記回転速度制御手段は、貯留量検出手段により検出された紡績糸の貯留量に応じて、前記回転貯留ドラムの所定の途中位置よりも前記テーパ部側の貯留領域にのみ、紡績糸が巻き付けられるように前記モータの回転速度を制御することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の糸巻取装置。 - 前記糸貯留部が、
前記回転貯留ドラムの前記糸巻取部により紡績糸が巻き出される側の端部の表面との間で紡績糸を挟むことによって、前記紡績糸に抵抗を付与する抵抗付与手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の糸巻取装置。 - 前記抵抗付与手段が、前記回転貯留ドラムと一体的に回転することを特徴とする請求項9に記載の糸巻取装置。
- 前記抵抗付与手段が、前記回転貯留ドラムの糸解舒側端部に取り付けられたゴム製の環状部材であることを特徴とする請求項10に記載の糸巻取装置。
- 前記制御モード実行時において、
前記糸貯留部は、
前記糸継部の糸継動作が少なくとも1回実行されるまでの間、
糸巻取部による巻取り動作を継続するために必要な量の紡績糸を貯留可能に構成されている事を特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載の糸巻取装置。 - 前記給糸部には、給糸ボビンの芯管に被さる規制部材を給糸ボビンからの紡績糸の解舒と連動して下降させることにより、給糸ボビンから紡績糸の解舒を補助する糸解舒補助装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜12に記載の糸巻取装置。
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