JP5373489B2 - 溶鉄容器のポーラスプラグの洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶鉄容器のポーラスプラグの洗浄方法に関する。
従来より、製鋼工程では、例えば、転炉からの溶鋼を受鋼して二次精錬工程へ搬送したり、二次精錬工程を終了した溶鋼を連続鋳造工程に搬送するために、溶鉄容器(取鍋)が用いられている。この取鍋の底部には、取鍋精錬の際に、窒素ガス(N2)やアルゴンガス(Ar)などの不活性ガスを溶鋼等に吹き込むためのポーラスプラグが設けられている。ポーラスプラグを使用すると、ポーラスプラグ内に地金等が浸潤して不活性ガスの流量が低下することから、ポーラスプラグは定期的に取鍋整備場にて洗浄している。
このように、取鍋のポーラスプラグを洗浄する技術として、特許文献1や特許文献2に示されるものがある。
特許文献1では、溶鋼容器の外側でポーラスプラグに接続されている配管より不活性ガスを吹き込む一方、溶鋼容器の内側より酸素ガスを吹付け、ポーラスプラグの気孔中に浸潤している地金などの付着物を洗浄するポーラスプラグの洗浄方法であって、不活性ガスの流量を測定しながら洗浄を行うとともに、その不活性ガスの流量が上昇し、その流量が所望流量に達したら、酸素ガスの吹付け圧力を所定洗浄圧力に減圧して洗浄を行っている。
特許文献2では、溶融金属容器開閉ノズルにおいて、ガス吹き込み上ノズルの内部で凝固した金属を酸素吹付により発熱せしめて溶解し、除去する際に、5〜30リットル/分の流量で不活性ガスを上ノズルに配したポーラスれんがから吹き込んでいる。
特許第4214084号 特開2001−20009号公報
特許文献1や特許文献2には、ポーラスプラグを洗浄する方法が開示されているものの、ポーラスプラグに通気させる不活性ガスの流量を監視しながら、ポーラスプラグの洗浄をどのようにするかという詳細は全く開示されていない。そのため、ポーラスプラグの洗浄を行った後に、ポーラスプラグに通気させる不活性ガスの流量を確実に保証することができないのが実情である。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ポーラスプラグに通気させる不活性ガスの流量を確実に保証することができる溶鉄容器のポーラスプラグの洗浄方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、製鋼工程にて使用する溶鉄容器のポーラスプラグに、一方から不活性ガスを吹き込むと共に他方から酸素ガスを吹き付けることで、溶鉄容器のポーラスプラグを洗浄する方法において、前記ポーラスプラグの洗浄を行うに際し、酸素ガスを吹き付ける吹き付け工程と、酸素ガスの停止を行う酸素停止工程と、酸素ガスの吹きつけを再開する吹き付け再開工程とを行うものとしており、前記ポーラスプラグに対する不活性ガスの目標通気量をHXとして吹き付け工程を行った際に、ポーラスプラグに流れる不活性ガスの流量が不活性ガスの通気開始から0.5HXに達するまでの時間T1がT1≦60秒である場合には、前記酸素停止工程に移行し、T1>60秒である場合には、ポーラスプラグの洗浄を中断して当該ポーラスプラグを交換し、前記酸素停止工程を行った際に、ポーラスプラグに流れる不活性ガスの流量が0.8HXに達するまでの時間T2がT2≦120秒である場合には、前記吹き付け再開工程に移行し、T2>120秒である場合には、ポーラスプラグの洗浄を中断して当該ポーラスプラグを交換し、前記不活性ガスの流量が0.8HXに達してから120秒後の通気量をLとして吹き付け再開工程を行った際に、L≧HXである場合には、ポーラスプラグの洗浄を終了し、L<HXである場合には、ポーラスプラグの洗浄を中断して当該ポーラスプラグを交換する。
本発明によれば、ポーラスプラグに通気させる不活性ガスの流量を確実に保証することができる。
ポーラスプラグの全体図である。 ポーラスプラグの洗浄の状態を示した図である。 Arガスを溶鋼に吹き込んだ際でのスラグの割れの状況を示した図である。 スラグ割れの状況と、Arガスの圧力/流量分布を示した図である。 吹き付け工程、酸素停止工程、吹き付け再開工程の各工程での手順を示したフローチャートである。 ガス通気時間とガスの流量とにおける各パターンを示した図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
溶鉄容器(取鍋)は、一般的に製鋼工程において、転炉からの溶鋼を受鋼して二次精錬工程へ搬送したり、二次精錬工程を終了した溶鋼を連続鋳造工程に搬送するのに用いられる。この取鍋は、例えば、250ton〜260tonクラスのものであって、鉄皮の内側に耐火物が施工されたものであり、底部にはポーラスプラグが設けられている。このポーラスプラグは、例えば、溶鋼の成分調整や溶鋼の温度を調整するような取鍋精錬を行う際に、内部に装入した溶鋼に対して不活性ガスを吹き込むのに用いられる。
本発明の溶鉄容器のポーラスプラグの洗浄方法を説明する前に、説明の便宜上、当業者常法通りのポーラスプラグについて説明する。当然の如く、本発明のポーラスプラグの洗浄方法は、図1に示すポーラスプラグに限定するものではない。
図1に示すように、一般的な取鍋1の底部に設けられるポーラスプラグ2は、鉄(鉄板)により次第に径が大きくなる筒状に形成されたケース3と、このケース3の内壁の略全面に設けられた被膜層(例えば、キャスタブル)4と、この被膜層4の一方側(上側)であって当該被膜層4の内側に設けられた筒状の第1コア(上コア)5と、被膜層4の他方側(下側)であって当該被膜層4の内側に設けられた筒状の第2コア(下コア)6と、第2コアに連結されたガス通気路(例えば、中空状の鉄棒)7とを備えている。このポーラスプラグ2は、ガス通気路7へ不活性ガスを通気させると下コア6の内部及び上コア7の内部に不活性ガスが通過する構造である。
上コア5及び下コア6の材質はハイアルミナ質であり、これら上コア5及び下コア6とによりポーラスプラグ2は分割状となっている。上コア5の有効長さ(ポーラスプラグ2として機能するための長さであって、上コア5の上端から上コア5の下端までの長さ)は、180mm〜210mmとなっている。また、ポーラスプラグ2の気孔率(上コア5及び下コア6の気孔率)は、25%〜33%である。
このようなポーラスプラグ2を使用すると、上コア5内に地金等が浸潤することになり、不活性ガスの流量が低下する場合がある。そのため、連続鋳造設備のタンディッシュに溶鋼を注入した後、溶鋼が空となった取鍋1を取鍋整備場に搬送し、当該取鍋整備場にてポーラスプラグ2の洗浄を行う。
以下、本発明における溶鉄容器のポーラスプラグ2の洗浄方法について詳しく説明する。
図2は、ポーラスプラグ2の洗浄の状態を示したものである。
図2に示すように、取鍋整備場では、ポーラスプラグ2を使用した取鍋1を横倒した後、ポーラスプラグ2の外側端(取鍋の底部外側)に不活性ガスを供給するための第1配管10を接続する。この第1配管10の中途部には、不活性ガスの流量を測定する流量計11が設けられている。
また、取鍋1の横倒しした状態において、当該取鍋1の開口部側からポーラスプラグ2に向けて酸素を吹き込むための洗浄管12を挿入する。この洗浄管12の基端に、可撓管(フレキシブルホース)13を接続し、このフレキシブルホース13に、洗浄するための酸素を供給する第2配管14を接続する。なお、第2配管14の中途部には、酸素ガスの供給又は停止を行う切換弁15が設けられ、これにより、酸素ガスの供給・停止が切り替えられるようになっている。
さて、ポーラスプラグ2の洗浄を行うにあたっては、第1配管10に不活性ガスを連続的に供給してポーラスプラグ2に不活性ガスを通気させる。このように、ポーラスプラグ2に通気させた状態で、第2配管14に酸素ガスを供給して洗浄管12から酸素ガスを吹き、この酸素ガスを用いてポーラスプラグ2を取鍋1の内側から洗浄する。
ポーラスプラグ2を洗浄する際には、不活性ガスをポーラスプラグ2に連続的に供給しているが、洗浄の際にポーラスプラグ2に供給する不活性ガスの流量は、実操業を想定した値となっている。即ち、実操業においてポーラスプラグ2に供給する不活性ガスの流量を、洗浄の際にもポーラスプラグ2に供給するものとしている。
例えば、ガス吹き攪拌取鍋精錬(CAS)などの取鍋精錬の初期には、ポーラスプラグ2からArガス(アルゴンガス)を供給し、図3のAに示すように、Arガスにより溶鋼上のスラグを移動させてスラグを分離させ(割れ)、そのスラグを割った部分に、ガス吹き攪拌取鍋精錬を行う浸漬管を挿入する。
図4に示すように、ポーラスプラグ2によるArガスの流量及びArガスの圧力値に対するスラグ割れの状況(実操業)を見たとき、Arガスの流量が550Nl/min以上であれば、Arガスによりスラグに割れが発生して、割れた部分に浸漬管を挿入することができる。そのため、本発明では、取鍋精錬時(ガス吹き攪拌取鍋精錬)に最低必要なArガスの流量は、550Nl/minであることから、洗浄の際にも実操業に対応したArガスの流量(550Nl/min)を供給している。
ここで、取鍋精錬時に使用する不活性ガスはArガスであり、洗浄の際に使用する不活性ガスは、N2(窒素ガス)であり、不活性ガスの種類が異なる。そこで、窒素ガスをArガスに置き換えるために、N2ガスとArガスの粘性比(1.22)、溶鋼静圧(2.3kg/cm2)、ガス吹き攪拌精錬時にポーラスプラグ2に供給する最大ガス圧力(8.8kg/cm2)、及び、洗浄の際にポーラスプラグ2に供給する不活性ガスの圧力(4kg/cm2)を考慮して、洗浄の際にポーラスプラグ2に供給する不活性ガスの流量は、420Nl/minとした。
そして、本発明では、この不活性ガスの流量(420Nl/min)をポーラスプラグ2を洗浄する際の不活性ガスの目標流量(目標通気量)HXとし、ポーラスプラグ2を洗浄したときに、ポーラスプラグ2に供給した不活性ガスの流量が目標通気量HXに達すると、ポーラスプラグ2の洗浄を完了することにしている。また、本発明では、後述するように、ポーラスプラグ2を洗浄したときに、ポーラスプラグ2に供給した不活性ガスの流量が目標通気量HXに達しなかったり、目標通気量HXに達する時間が非常に長い場合には、ポーラスプラグ2の洗浄を中止してポーラスプラグ2を交換することにしている。
なお、洗浄の際にポーラスプラグ2に供給する不活性ガスは、実操業を想定し、実操業に相当する不活性ガスの流量を供給すればよく、上述した不活性ガスの流量に限定されないのは当然である。
さて、酸素ガスに関しては、酸素ガスを吹き付ける吹き付け工程と、酸素ガスの停止を行う酸素停止工程と、酸素ガスの吹きつけを再開する吹き付け再開工程との3つの段階に分けている。
即ち、本発明では、不活性ガスをポーラスプラグ2に連続的に供給するが、酸素ガスについては、切換弁15を開状態にして酸素ガスを供給することでポーラスプラグ2に向けて酸素ガスを所定時間吹き付け(吹き付け工程)、その後、切換弁15を閉状態にして酸素ガスの供給を停止することで酸素ガスの吹き付けを所定時間停止し(酸素停止工程)、さらに、切換弁15を開状態にして酸素ガスの供給を再開することでポーラスプラグ2に向けて酸素ガスの吹きつけを行っている(吹き付け再開工程)。
そして、吹き付け工程、酸素停止工程、吹き付け再開工程において、各工程におけるポーラスプラグ2に流れる不活性ガスの流量に応じて、ポーラスプラグ2の交換やポーラスプラグ2の洗浄の継続を判断しながらポーラスプラグ2の洗浄を行っている。
図5は、各工程における流れをフローチャートである。図6は、ポーラスプラグ2に流れる不活性ガスの通気時間及びそのポーラスプラグ2に流れる不活性ガスの流量における各パターンを示したものである。
図5に示すように、吹き付け工程では、第1配管10に窒素ガスを供給してポーラスプラグ2に窒素ガスを通気させる(S1)。また、吹き付け工程では、窒素ガスを通気させた状態にて、切換弁15を開状態にして洗浄管12に酸素ガスを供給し、洗浄管12の先端からポーラスプラグ2に向けて酸素を吹き付けることにより、ポーラスプラグ2を洗浄する(S2)。
このような吹き付け工程において、流量計11にてポーラスプラグ2に通気する窒素ガスの流量を監視する(S3)。そして、ポーラスプラグ2に流れる窒素ガスの流量(流量計11の窒素ガス量)が、窒素ガスの通気開始から0.5HXに達するまでの時間(通気時間)T1がT1≦60秒であるか否かを判定する(S4)。即ち、吹き付け工程において、上記S1にてポーラスプラグ2に窒素ガスを通気させてから、流量計11の窒素ガス量が目標通気量HXの50%に達する時間が60秒以内であるか否かを判定する。
そして、T1≦60秒である場合には、図6の実線のように酸素停止工程に移行する(S5)。ただし、吹き付け工程において、60秒以内にポーラスプラグ2に流れる窒素ガスの流量が0.8HXを超えると酸素停止工程へは省略される。また、吹き付け工程において、60秒以内にポーラスプラグ2に流れる窒素ガスの流量が目標通気量HXに達するとポーラスプラグ2の洗浄は完了する。
一方、T1>60秒である場合には、図6の破線のように、ポーラスプラグ2の洗浄を中断して当該ポーラスプラグ2を交換する(S6)。即ち、T1>60秒である場合は、切換弁15を閉状態にしてポーラスプラグ2への酸素供給を停止すると共に、ポーラスプラグ2に供給している窒素ガスの供給も停止する。そして、ポーラスプラグ2を取鍋1から取り外して、新しいポーラスプラグ2に交換する。
窒素ガスの通気開始から0.5HXに達するまでの時間T1がT1>60秒であるときは、ポーラスプラグ2を酸素ガスにより洗浄したとしても、ポーラスプラグ2の通気性が悪く、ポーラスプラグ2に浸潤した地金量が多い。その結果、このまま、酸素ガスによる洗浄を継続してもポーラスプラグ2に通気する窒素ガスが目標通気量HXに達することは不可能と考えられる。そこで、本発明では、T1>60秒である場合には、ポーラスプラグ2の洗浄を中断してポーラスプラグ2を交換することにしている。
酸素停止工程では、切換弁15を閉状態にしてポーラスプラグ2への酸素供給を停止する一方で、ポーラスプラグ2への窒素ガスの供給は継続する(S7)。酸素停止工程においても、流量計11にてポーラスプラグ2に通気する窒素ガスの流量を監視する(S8)。そして、ポーラスプラグ2に流れる不活性ガスの流量が、0.8HXに達するまでの時間T2がT2≦120秒であるか否かを判定する(S9)。即ち、酸素停止工程において、上記S7にてポーラスプラグ2への窒素ガスの供給は継続してから、流量計11の窒素ガス量が目標通気量HXの80%に達する時間が120秒以内であるか否かを判定する。
そして、T2≦120秒である場合には、図6の実線のように、吹き付け再開工程に移行する(S10)。ただし、酸素停止工程において、120秒以内にポーラスプラグ2に流れる窒素ガスの流量が目標通気量HXに達するとポーラスプラグ2の洗浄は完了する。
一方、T2>120秒である場合には、図6の破線のように、ポーラスプラグ2の洗浄を中断して当該ポーラスプラグ2を交換する(S11)。即ち、T2>120秒である場合は、切換弁15を閉状態にしてポーラスプラグ2への酸素供給を停止すると共に、ポーラスプラグ2に供給している窒素ガスの供給も停止する。そして、ポーラスプラグ2を取鍋1から取り外して、新しいポーラスプラグ2に交換する。
窒素ガスの通気開始から0.8HXに達するまでの時間T2がT2>120秒であるときは、酸素ガスによるポーラスプラグ2の洗浄を再開したとしても、この時点においてのポーラスプラグ2の通気性が良くなく、ポーラスプラグ2に浸潤した地金量が十分に除去できていない。その結果、酸素ガスによる洗浄を再開したとしてもポーラスプラグ2に通気する窒素ガスが目標通気量HXに達することは不可能と考えられる。そこで、本発明では、T2>120秒である場合には、ポーラスプラグ2の洗浄を中断してポーラスプラグ2を交換することにしている。
吹き付け再開工程では、切換弁15を開状態に切り替えてポーラスプラグ2への酸素供給を再開する一方で、ポーラスプラグ2への窒素ガスの供給は継続する(S12)。
このような吹き付け再開工程において、流量計11にてポーラスプラグ2に通気する窒素ガスの流量を監視する(S13)。そして、不活性ガスの流量が0.8HXに達してから120秒後の通気量をLとしたときに、吹き付け再開工程にてL≧HXであるか否かを判定する。
即ち、吹き付け再開工程を開始してから120秒後のポーラスプラグ2に流れる通気量をLとしたとき、120秒後の通気量Lが目標通気量HXに達したか否かを判定する(S14)。
そして、L≧HXである場合には、図6の実線のように、ポーラスプラグ2の洗浄を終了する(S15)。L≧HXである場合には、切換弁15を閉状態にしてポーラスプラグ2への酸素供給を停止すると共に、ポーラスプラグ2への窒素ガスの供給を停止し、ポーラスプラグ2の洗浄を完了する。
一方、L<HXである場合には、図6の破線のように、ポーラスプラグ2の洗浄を中断してポーラスプラグ2を交換する(S16)。即ち、L<HXである場合は、切換弁15を閉状態にしてポーラスプラグ2への酸素供給を停止すると共に、ポーラスプラグ2に供給している窒素ガスの供給も停止し、ポーラスプラグ2を取鍋1から取り外して、新しいポーラスプラグ2に交換する。
吹き付け再開工程において、L<HXである場合は、ポーラスプラグ2の通気性を確保するのに非常に時間がかかっていることになり、これ以上、ポーラスプラグ2に連続的に窒素ガスを供給し続けることができないことから、本発明では、ポーラスプラグ2を交換することにしている。
つまり、吹き付け工程にてポーラスプラグ2に窒素ガスを供給してから吹き付け再開工程にて窒素ガスを供給するまでの供給時間は、最大でも300秒とする必要があると共に、ポーラスプラグ2の有効長さを考慮すると酸素ガスによるポーラスプラグ2の洗浄時間は最大でも180秒とする必要があることから、吹き付け再開工程にて120秒以上ポーラスプラグ2に窒素ガスを供給することができない。そのため、吹き付け再開工程においては、120秒後の通気量Lが目標通気量HX以上に達した場合をポーラスプラグ2の洗浄終了とし、通気量Lが目標通気量HX未満である場合には、ポーラスプラグ2の交換を行うことにしている。
なお、窒素ガスをポーラスプラグに供給時間が300秒を超えてしまうと、洗浄時間延長による操業工程阻害を発生させるだけでなく、ポーラスプラグの機能を果たさなくなるため、既定時間内に効率よく洗浄し、取鍋精錬に必要なガス流量を達成する必要がある。
表1は、溶鉄容器のポーラスプラグ2の洗浄方法の実施条件を示したものである。表2は、表1の実施条件に基づき本発明の洗浄方法を行った実施例をまとめたものである。表3は、表1の実施条件に基づき本発明とは異なる他の洗浄方法を行った比較例をまとめたものである。
実施条件において、ガス供給圧力とは、ポーラスプラグ2に供給した窒素ガスの供給圧力である。酸素洗浄とは、ポーラスプラグ2において何回目の洗浄であるかを示したものである。実施例及び比較例にて用いたポーラスプラグ2では、最大で4回までの洗浄しながら使用できるもので、酸素洗浄の欄の回数が4である場合には、最も使用したポーラスプラグ2について洗浄したことを意味している。なお、酸素洗浄の欄の回数が0であるのは、一度も使用せずに洗浄を行った例である。目標通気量は、上述したように実操業における流量を確保するために420Nl/minとし、少なくとも目標通気量以上の窒素ガスをポーラスプラグ2に供給した。洗浄時に使用する酸素の元圧力とは、洗浄管12から噴射する酸素ガスであり、10kg/cm2の一定にした。
また、実施例及び比較例において、各工程における評価の欄では、各工程毎の条件(上述した判断)を満たしている場合には、評価「○」とし、条件を満たしていない場合には、評価「×」とした。
実施例1〜実施例18では、吹き付け工程において、ポーラスプラグ2に流れる不活性ガスの流量が不活性ガスの通気開始から0.5HXに達するまでの時間T1がT1≦60秒であり、酸素停止工程において、ポーラスプラグ2に流れる不活性ガスの流量が0.8HXに達するまでの時間T2がT2≦120秒であり、吹き付け再開工程において、0.8HXに達してから120秒後の通気量L≧HXであった。
そのため、実施例では、吹き付け工程を行った後、酸素停止工程を経て吹き付け再開工程を終了した状態では、L/HXが100%以上であり(L/HXが100%以上、評価「○」)、ポーラスプラグ2の洗浄後において、不活性ガスの流量を確実に保証することができる。即ち、ポーラスプラグを用いた取鍋精錬において、ポーラスプラグに地金が浸潤すると、ガス通気量が減少するが、実施例によるポーラスプラグの洗浄によって、ポーラスプラグに浸潤した地金を酸素ガスにより除去し、取鍋精錬時に必要なガス通気量を確保することができる。
一方で、比較例19〜比較例22では、吹き付け工程において、不活性ガスの通気開始から0.5HXに達するまでの時間T1が60秒以上であった。そのため、酸素停止工程において不活性ガスの流量が0.8HXに達する時間が120秒以上でも非常に長く、最終的に、吹き付け再開工程を行ったとしても、ポーラスプラグ2に供給した流量を目標通気量HX以上にすることができなかった(L/HXが100%未満、評価「×」)。
また、比較例23〜比較例27では、吹き付け工程において0.5HXに達するまでの時間T1は60秒以内であったが、酸素停止工程にて不活性ガスの流量が0.5HXしてから0.8HXに達するまでの時間T2が120秒以上であった。そのため、最終的に、吹き付け再開工程を行ったとしても、ポーラスプラグ2に供給した流量を目標通気量HX以上にすることができなかった(L/HXが100%未満、評価「×」)。
また、比較例28〜比較例33では、吹き付け工程や酸素停止工程にて条件をクリアしたが、不活性ガスの流量が0.8HXに達してから120秒後の通気量Lを、目標通気量HXに達成させることができなかった。つまり、吹き付け再開工程において、ポーラスプラグ2に供給した流量を目標通気量HX以上にすることができなかった(L/HXが100%未満、評価「×」)。
比較例19〜比較例33に示すように、吹き付け工程、酸素停止工程、吹き付け再開工程において、本発明の条件を満たさなければ、最終的に、ポーラスプラグ2を洗浄したとしても、ポーラスプラグ2に通気させる不活性ガスの流量を実操業に必要な流量にすることができなかった。吹き付け工程、酸素停止工程、吹き付け再開工程の各工程において、条件(T1≦60秒、T2≦120秒、L≧HX)を満たさない場合は、ポーラスプラグ2の洗浄を中断してポーラスプラグ2を交換することになる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 取鍋
2 ポーラスプラグ
3 ケース
4 被膜層
5 上コア
6 下コア
7 ガス通気路
10 第1配管
11 流量計
12 洗浄管
13 可撓管
14 第2配管
15 切換弁

Claims (1)

  1. 製鋼工程にて使用する溶鉄容器のポーラスプラグに、一方から不活性ガスを吹き込むと共に他方から酸素ガスを吹き付けることで、溶鉄容器のポーラスプラグを洗浄する方法において、
    前記ポーラスプラグの洗浄を行うに際し、酸素ガスを吹き付ける吹き付け工程と、酸素ガスの停止を行う酸素停止工程と、酸素ガスの吹きつけを再開する吹き付け再開工程とを行うものとしており、
    前記ポーラスプラグに対する不活性ガスの目標通気量をHXとして吹き付け工程を行った際に、ポーラスプラグに流れる不活性ガスの流量が不活性ガスの通気開始から0.5HXに達するまでの時間T1がT1≦60秒である場合には、前記酸素停止工程に移行し、T1>60秒である場合には、ポーラスプラグの洗浄を中断して当該ポーラスプラグを交換し、
    前記酸素停止工程を行った際に、ポーラスプラグに流れる不活性ガスの流量が0.8HXに達するまでの時間T2がT2≦120秒である場合には、前記吹き付け再開工程に移行し、T2>120秒である場合には、ポーラスプラグの洗浄を中断して当該ポーラスプラグを交換し、
    前記不活性ガスの流量が0.8HXに達してから120秒後の通気量をLとして吹き付け再開工程を行った際に、L≧HXである場合には、ポーラスプラグの洗浄を終了し、L<HXである場合には、ポーラスプラグの洗浄を中断して当該ポーラスプラグを交換することを特徴とする溶鉄容器のポーラスプラグの洗浄方法。
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