JP5372059B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッド面にタイヤ周方向に延びる縦溝を有する空気入りタイヤに関するものである。
トレッド面にタイヤ周方向に延びる縦溝を有する空気入りタイヤにおいて、走行時に発生する騒音としては、ポンピング作用による騒音(ポンピング音)が知られている。
ポンピング音は、縦溝が接地部分に踏み込んだ時に圧縮された縦溝内の空気が、接地部分から離れる時に放出されることにより発生する。すなわち、タイヤが路面と接地する際、縦溝の両側の溝壁は、接地により踏面に負荷が作用するため圧縮されて内側に膨らみ、縦溝が閉塞する方向に接近し、タイヤの回転と共に圧縮状態から開放されていくと、溝壁の膨らみが元に戻り、変形が解除される。このような縦溝の閉塞と開放とが繰り返されることにより、縦溝内の空気が圧縮、放出されてポンピング音が発生する。
下記特許文献1には、気柱管共鳴音及びポンピング音を低減する目的で、縦溝の対向する溝壁の両側または片側の溝壁から溝幅方向へ突出する突出体を設けた空気入りタイヤが開示されている。かかる突出体は、縦溝の溝壁にタイヤ周方向に沿って断続的に設けられており、タイヤ接地時に、縦溝内で対向する突出体同士あるいは突出体と溝壁とが接触することで、元来ブロックパターンのピッチ数で決まるポンピング音の周波数をランダム化することができる。その結果、ポンピング音の周波数は、ブロックパターンによる路面への打撃音の周波数と一致しなくなり、ピッチ数とタイヤ回転数で決まる1次ピーク周波数のレベルの低減が可能となる。
低騒音化のためには、ポンピング音そのものの低減が有効であるが、特許文献1の空気入りタイヤは、ポンピング音の周波数をランダム化するものであり、ポンピング音そのものを低減するものではない。ポンピング音を低減するためには、縦溝の溝容積を減らし、圧縮、放出される空気量を減らすことが好ましいが、縦溝の溝容積を減らすと排水性能が低下するため、排水性能の維持とポンピング音の低減の両立が困難であった。
特開2002−219909号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排水性能を維持しつつ、ポンピング音を低減することができる空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド面にタイヤ周方向に延びる縦溝を有する空気入りタイヤにおいて、縦溝の一方の溝壁の溝深さ方向中央部から他方の溝壁へ向かって突出する帯状突条が、タイヤ周方向に沿って連続して設けられ、前記帯状突条と対向するように前記他方の溝壁から突出し、前記帯状突条よりも突出高さの低い小突条が、タイヤ周方向に沿って連続して設けられていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、縦溝の接地時に両側の溝壁が内側に膨らんだ際、一方の溝壁にタイヤ周方向に沿って連続して設けられた帯状突条が、他方の溝壁にタイヤ周方向に沿って連続して設けられた小突条に当接するため、接地時において縦溝の溝容積が路面側と溝底側とに分割される。これにより、溝底側の空気を閉じ込めることができ、圧縮、放出される空気のボリュームを削減できるため、ポンピング音を低減することができる。それでいて、縦溝の溝容積の減少を軽微にできるため、排水性能を適切に維持し得る。
上記において、前記帯状突条の突出高さをH1、厚みをT1とし、前記小突条の突出高さをH2、厚みをT2とすると、H1>T1かつH2<T2であることが好ましい。この構成によれば、帯状突条が肉薄の形状となって剛性が低くなり、小突条が肉厚の形状となって剛性が高くなるため、両者が接触した際には帯状突条が小突条よりも変形しやすい。これにより、縦溝の変形に追従して帯状突条のみが変形するため、両者とも変形する場合に比べて両者の接触状態を維持しやすく、溝底側の空気を確実に閉じ込めることができる。
上記において、H1/T1が3〜6、H2/T2が0.1〜0.8、H1/H2が4〜20であることが好ましい。帯状突条と小突条の寸法がこの範囲であれば、帯状突条と小突条により縦溝の溝容積を確実に分割することができるとともに、縦溝の溝容積の減少をさらに軽微にできる。
上記において、前記帯状突条は、前記縦溝の溝底を基準として溝深さの35〜55%の位置から突出し、前記小突条は、前記縦溝の溝底を基準として溝深さの45〜75%の位置から突出していることが好ましい。この構成によれば、溝壁が内側に膨らんだ際、帯状突条の突端部が、小突条の溝底側に当接しやすくなる。これにより、溝底側に閉じ込めた高圧の空気によって帯状突条が路面側に押されるのを抑制し、溝底側の空気を堅固に閉じ込めて、ポンピング音を効果的に低減することができる。
また、上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド面にタイヤ周方向に延びる縦溝を有する空気入りタイヤにおいて、縦溝の一方の溝壁の溝深さ方向中央部から他方の溝壁へ向かって突出する帯状突条が、タイヤ周方向に沿って連続して設けられ、前記縦溝の溝底から突出し、その先端部が前記帯状突条よりも溝底側となる溝底突条が、タイヤ周方向に沿って連続して設けられていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、縦溝の接地時に両側の溝壁が内側に膨らんだ際、一方の溝壁にタイヤ周方向に沿って連続して設けられた帯状突条が、溝底にタイヤ周方向に沿って連続して設けられた溝底突条の先端部に当接するため、接地時において縦溝の溝容積が路面側と溝底側とに分割される。これにより、溝底側の空気を閉じ込めることができ、圧縮、放出される空気のボリュームを削減できるため、ポンピング音を低減することができる。それでいて、縦溝の溝容積の減少を軽微にできるため、排水性能を適切に維持し得る。
本発明に係る空気入りタイヤの要部を示すタイヤ子午線断面図 空気入りタイヤのトレッド部の要部斜視図 空気入りタイヤのトレッド部の要部拡大図 接地時における縦溝の断面図 別実施形態に係る縦溝の断面図 別実施形態に係る縦溝の断面図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図であり、図2は、図1で示す空気入りタイヤの縦溝周辺の斜視図であり、図3は、図1で示す空気入りタイヤの縦溝周辺の拡大図である。図1〜3において、WDはタイヤ幅方向を示し、CDはタイヤ周方向を示す。図1および図3では、紙面に垂直な方向がタイヤ周方向CDとなっている。
図1〜3に示す空気入りタイヤは、一対のビード部(不図示)からタイヤ径方向外側へ延びるサイドウォール部1と、両サイドウォール部1間に位置するトレッド部2と、を備える。このトレッド部2のトレッド面3には、タイヤ周方向CDに沿って延びる縦溝4が形成されている。一般的に、縦溝4はタイヤ幅方向WDに並べて複数本形成される。
縦溝4は、両側の溝壁41,42と溝底43とで構成されている。溝壁41,42は、タイヤ径方向に対して傾斜角θでそれぞれ傾斜しており、縦溝4の溝幅は、トレッド面3から溝底43へ向かって狭くなっている。例えば、傾斜角θは5〜15°である。縦溝4のトレッド面3での溝幅Wは、例えば7〜20mmである。また、トレッド面3から溝底43までの溝深さDは、例えば11〜25mmである。
縦溝4の一方の溝壁41の溝深さ方向中央部41aには、他方の溝壁42へ向かって突出する帯状突条5が、タイヤ周方向CDに沿って連続して設けられている。帯状突条5は、肉薄の帯状に形成されていて、幅方向一端が溝壁41に接合されて根元部5aを構成し、他端が溝壁42へ向かって延びて突端部5bを構成している。
帯状突条5は、溝深さ方向中央部41a、より具体的には溝底43を基準として溝深さDの35〜55%の位置から突出している。本実施形態の帯状突条5は、タイヤ幅方向WDに平行に延びているが、タイヤ幅方向WDに対してタイヤ径方向外側又は内側へ傾斜する方向に延びてもよい。更には帯状突条5の根元部クラックを抑制するために角部のみを肉厚形状とすることにも制約が無い。また、不等厚の帯状突条5とすることにより、帯状突条5の先端部を相対的に柔軟な構成として弾性変形復元力を高め、小突条6との当接をより確実にすることも可能である。
溝壁41を基準とした帯状突条5の突出高さ、すなわち根元部5aから突端部5bまでの溝幅方向の長さを突出高さH1とする。また、帯状突条5の溝壁41での溝深さ方向の厚みをT1とする。このとき、H1とT1は、H1>T1の関係を満たす。すなわち、帯状突条5は、肉薄帯状の断面形状を有している。
さらに、帯状突条5の突出高さH1及び厚みT1は、H1/T1が3〜6であることが好ましく、4.2〜5.5であることがより好ましい。帯状突条5の突出高さH1及び厚みT1は、縦溝4の溝幅W、溝深さDや、当該縦溝4を構成する材料の機械的特性や付加荷重に起因する縦溝4の変形量、さらには帯状突条5の設定位置などによって適宜設定されるが、例えば、タイヤの接地時に溝壁の膨らみによる***量が略最大となる無負荷時50%溝深さ位置の溝幅W1に対し、H1/W1は0.6〜0.8とし、T1は1.2〜2.5mmとするのが好ましい。H1/W1が0.6以下だと、接地時に於ける溝変形による溝空隙の狭小化によっても縦溝4を塞ぐ効果が十分ではなく、H1/W1が0.8以上だと、帯状突条5が溝空隙に対して余剰傾向となり、帯状突条5が撓むことにより小突条6(後述する)との密着性が低下する傾向にある。さらに溝容積の減少により排水性が低下する傾向にある。タイヤの接地時に於いては、タイヤ回転方向前方側(踏み込み側)から徐々に荷重が高まり接地中心付近で最大値を取り、タイヤ回転方向後方側(蹴り出し側)にかけ徐々に荷重が減じられる為、望ましくは70%〜100%の荷重負荷時に於いて帯状突条5と小突条6の当接により溝断面が複数の気室に分断されるように長さを決定することが好ましい。T1が1.2mm以下だと帯状突条5が薄く、変形が容易であるために弾性変形復元力を得ることが困難であるため小突条6との密着性が低下する傾向にあり、T1が2.5mm以上だと帯状突条5が撓み変形し難く、小突条6との密着性が低下する傾向にある。
縦溝4の溝壁42には、帯状突条5と対向するように突出する小突条6が、タイヤ周方向CDに沿って連続して設けられている。小突条6は、図のように断面が山状となっている。溝壁42を基準とした小突条6の突出高さH2は、帯状突条5の突出高さH1よりも低くなっている。また、小突条6の溝壁42での溝深さ方向の厚みをT2とする。このとき、H2とT2は、H2<T2の関係を満たす。すなわち、小突条6は、低い小山状の断面形状を有している。
さらに、小突条6の突出高さH2及び厚みT2は、H2/T2が0.1〜0.8であることが好ましく、0.2〜0.4であることがより好ましい。小突条6の突出高さH2及び厚みT2は、縦溝4の溝幅W、溝深さD、帯状突条5の寸法、小突条6の設定位置などによって適宜設定されるが、例えば、H2は1〜3mmとし、T2は3〜6mmとするのが好ましい。H2が1mm以下だと、帯状突条5の保持性が低下する傾向にあり、H2が3mm以上だと、小突条6自体が変形し易くなることから帯状突起5の保持性が低下する傾向にある。T2が3mm以下だと小突条6の剛性を確保し難く、T2が6mm以上だと、小突条6の斜面がなだらかに形成されるため帯状突条5の保持性が低下する傾向にある。
また、帯状突条5と小突条6の寸法の関係は、H1/H2が4〜20であるのが好ましい。H1/H2が4以下だと、帯状突条5と小突条6の剛性差が少なく互いが変形し易いため、均一・確実な当接を得ることが困難な傾向にあり、H1/H2が20以上だと、相対的に小突条6の***量が少なく帯状突起5が小突条6に引っかかることが困難であるため弾性変形復元力を発揮し難く密着性が低下する傾向にある。
縦溝4は、接地時には図1の状態から例えば図4のように変形する。すなわち、空気入りタイヤが路面と接地する際、縦溝4の両側の溝壁41,42は、接地により圧縮されて内側に膨らむ。溝底43も***する。本実施形態の空気入りタイヤでは、接地時に両側の溝壁41,42が内側に膨らんだ際に、帯状突条5の突端部5bが小突条6に当接するため、接地時において縦溝4の溝容積が路面側4aと溝底側4bとに分割される。
一般に、接地時における縦溝4の変形は、溝底側4bの変形が路面側4aに比べて大きく、縦溝4の変形による空気の圧縮圧力は、溝底側4bが支配的となる。これに加えて、路面の粗さによりトレッド面3は路面と完全には密着しておらず、路面側4aから幾分か空気が抜けることが可能であるため、溝底側4bの圧力は、路面側4aに比べて相対的に高くなる。よって、帯状突条5と小突条6とが溝底側4bと路面側4aとを分割することで、溝底側4bの空気を閉じ込めることができ、圧縮、放出される空気のボリュームを削減でき、ポンピング音を低減することができる。それでいて、帯状突条5と小突条6による縦溝4の溝容積の減少を軽微にできるため、排水性能を適切に維持し得る。
帯状突条5の突端部5bは、小突条6のいずれかの部分に当接すればよいが、本実施形態では小突条6の溝底43側に当接する例を示している。帯状突条5は、縦溝4の溝底43を基準として溝深さDの35〜55%の位置から突出し、小突条6は、縦溝4の溝底43を基準として溝深さDの45〜75%の位置から突出していることにより、溝壁41,42が内側に膨らんだ際、突端部5bが溝底43側へ向き、図4に示すように、突端部5bが小突条6の溝底43側に当接しやすくなる。一方で、帯状突条5を上記の位置よりもトレッド面3側に設けることで、溝壁41が内側に膨らんだ際、突端部5bがトレッド面3側へ向くようになる。
本実施形態では、帯状突条5の厚みを突出高さH1方向に一定としているが、これに限られない。また、小突条6の断面を円弧状としているが、これに限られない。さらに、本実施形態では、小突条6が溝壁42にひとつ設けられている例を示すが、小突条6は、図5のように溝壁42の溝深さ方向に複数設けてもよい。更に、図示を省略するが適宜小突条6と溝壁42の接合面を任意の曲率半径の付加によりなだらかに接合することも制限されない。但し帯状突起5の保持性の観点より小突条6本体を構成する曲率半径に比して小径円弧であることが好ましい。
図5(a)は、円弧状の断面を有する小突条6を複数設けて、溝壁42を波状に構成した例を示している。この構成によれば、溝壁41,42が内側に膨らんだ際、帯状突条5がいずれかの小突条6に当接するため、より確実に溝底側4bの空気を閉じ込めることができる。
図5(b)は、略直角三角形状の断面を有する小突条6を複数設けて、溝壁42を鋸刃状に構成した例を示している。この構成によれば、溝壁41,42が内側に膨らんだ際、帯状突条5がいずれかの小突条6に当接し、さらに鋸刃状となっていることで溝底側に閉じ込めた高圧の空気によって帯状突条5が路面側に押されるのを抑制できるため、より確実に溝底側4bの空気を閉じ込めることができる。また、図5(b)では、帯状突条5の厚みが、突端部5bに比べて根元部5aで大きくなっている。この構成によれば、帯状突条5の剛性が高くなるため、より確実に溝底側4bの空気を閉じ込めることができる。
本発明の空気入りタイヤは、縦溝4に上記の如き帯状突条5及び小突条6を設けたこと以外は、通常の空気入りタイヤと同等であり、従来公知の材料、形状、構造、製法などが何れも本発明に採用できる。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、帯状突条5と小突条6とにより縦溝4の溝底側4bの空気を閉じ込める例を示したが、図6(a)に例示するように、帯状突条5と縦溝4の溝底43から突出する溝底突条7とにより閉じ込めるようにしてもよい。溝底突条7は、縦溝4の溝底43から突出し、その先端部7aが帯状突条5よりも溝底43側となっており、タイヤ周方向CDに沿って連続して設けられている。この空気入りタイヤによれば、縦溝4の接地時に両側の溝壁41,42が内側に膨らんだ際、一方の溝壁41にタイヤ周方向CDに沿って連続して設けられた帯状突条5が、溝底43にタイヤ周方向CDに沿って連続して設けられた溝底突条7の先端部7aに当接する。
溝底43を基準とした溝底突条7の突出高さH3と、溝底突条7の溝底43でのタイヤ幅方向WDの厚みT3との関係は、H3/T3が0.5〜2.0であることが好ましく、0.65〜1.7であることがより好ましい。溝底突条7の突出高さH3及び厚みT3は、縦溝4の溝幅W、溝深さDや縦溝4の変形量、さらには帯状突条5の設定位置などによって適宜設定されるが、例えば、H3/Dは0.2〜0.4とし、溝底底部幅W2に対してT3/W2は0.15〜0.50とするのが好ましい。H3/Dが0.2以下だと、分割された気室の容積が溝容積に比して小さく、ポンピング音低減の効果が得られ難い傾向にあり、H3/Dが0.4以上だと、溝容積に占める溝底突条7の容積が大きく、排水性への影響が懸念される傾向にある。T3/W2が0.15以下だと、溝底突条7の剛性が低くなるため溝底突条7自身の変形により帯状突条5との確実な当接が困難である傾向にあり、T3/W2が0.50以上だと、溝底領域の溝容積が小さくなるため摩耗末期状態で溝容積の確保が困難となり排水性の問題が懸念される。また帯状突条5により分断形成される気室の容積が相対的に小さくなるためポンピング音低減の効果を得ることが困難となる傾向にある。
(2)また、図6(a)に示した例では、帯状突条5を縦溝4の一方の溝壁41にのみ設けているが、図6(b)に例示するように、帯状突条5を両側の溝壁41,42にそれぞれ設けてもよい。この場合、両側の溝壁41,42が内側に膨らんだ際、両側の帯状突条5が溝底突条7の先端部7aに当接する。この構成によれば、図6(a)の場合に比べ、より多くの空気を溝底側に閉じ込めることができるため、ポンピング音を効果的に低減することができる。なお、この場合接地時の溝断面の変化により、双方の帯状突条5が互いに干渉し合うことがない様に突条高さに配慮する必要がある。また、帯状突条5の溝壁41,42との接合角部、及び溝底突条7の溝底43との接合角部には比較的小径の曲率半径により応力の集中することが無い様に構成することもなんら制約されるものではない。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。実施例等における騒音性能を評価するため、速度を60km/hとしたときの音圧をJASO−C606に準拠して計測し1/3オクターブバンドの1kHz時の帯域において、そのエネルギー比を比較した。エネルギー比が小さいほど騒音性能に優れていることを示す。
比較例1
縦溝の溝幅Wを15mm、溝深さDを15mm、傾斜角θを15°とした直線状に延びる周方向縦溝をトレッド半幅118mmの中央部にタイヤ赤道面に対して対称に2本配設したタイヤサイズ275/80R22.5の空気入りタイヤを作製し、JATMA規格規定の標準リムに装着し、標準内圧及び標準荷重を負荷し、無響室内でのドラム評価にて騒音性能を評価した。その結果を表1に示す。
比較例2
比較例1の縦溝の諸元を溝幅Wを15mm、溝深さDを10mm、傾斜角θを5°とした空気入りタイヤを作製し、比較例1同様に騒音性能を評価した。その結果を表1に示す。
実施例1
比較例1の縦溝に、帯状突条および小突条を設けた空気入りタイヤを作製し、騒音性能を評価した。帯状突条の突出高さH1を5mm、厚みT1を1mmとし、小突条の突出高さH2を1mm、厚みT2を5mmとした。また、帯状突条は、縦溝の溝底から7mmの位置から突出し、小突条は、縦溝の溝底から9mmの位置から突出するようにした。その結果を表1に示す。
実施例2
比較例2の縦溝に、帯状突条および溝底突条を設けた空気入りタイヤを作製し、騒音性能を評価した。なお、帯状突条は、図6(b)のように両側の溝壁にそれぞれ設けた。帯状突条の突出高さH1を3mm、厚みT1を1mmとし、溝底突条の突出高さH3を3mm、厚みT3を7mmとした。また、帯状突条は、縦溝の溝底から4.5mmの位置から突出し、溝底突条は、縦溝の溝底の溝幅方向中央部から突出するようにした。その結果を表1に示す。
Figure 0005372059
表1に示すように、実施例1は、比較例1を100とすると89となり音圧が小さく、騒音性能に優れる。実施例2は、比較例2を100とすると94となり音圧が小さく、騒音性能に優れる。
3 トレッド面
4 縦溝
4a 路面側
4b 溝底側
5 帯状突条
5a 根元部
5b 突端部
6 小突条
7 溝底突条
7a 先端部
41 溝壁
41a 溝深さ方向中央部
42 溝壁
43 溝底
WD タイヤ幅方向
CD タイヤ周方向
W 溝幅
D 溝深さ
H1 帯状突条の突出高さ
H2 小突条の突出高さ
H3 溝底突条の突出高さ
T1 帯状突条の厚み
T2 小突条の厚み
T3 溝底突条の厚み

Claims (1)

  1. トレッド面にタイヤ周方向に延びる縦溝を有する空気入りタイヤにおいて、
    縦溝の一方の溝壁の溝深さ方向中央部から他方の溝壁へ向かって突出する帯状突条が、タイヤ周方向に沿って連続して設けられ、
    前記縦溝の溝底から突出し、その先端部が前記帯状突条よりも溝底側となる溝底突条が、タイヤ周方向に沿って連続して設けられており、
    接地時に両方の溝壁が内側に膨らんだ際、前記帯状突条が前記溝底突条の先端部に当接することを特徴とする空気入りタイヤ。
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