JP5366167B2 - スチレン系樹脂とポリ乳酸からなる樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ乳酸を含有するスチレン系樹脂組成物に関する。植物由来の材料であるポリ乳酸を配合することにより、石油由来のスチレン系樹脂の使用量を減らすことができ、かつスチレン系樹脂の本来の性質を損なうことがなく、さらに流動性および耐衝撃性が向上した樹脂組成物を与え、この樹脂組成物は筐体等の成形体に好ましく用いることができる。
スチレン系樹脂は成形が容易であること、軽量であること等を生かして発泡体、シート、筐体等数多くの産業分野に使用されている。
一方、近年、石油資源枯渇の問題や炭酸ガス排出増加に伴う地球温暖化といった環境問題の観点より、石油を原料としない非石油系樹脂が注目されている。
こうした中で、植物由来原料をモノマーとした樹脂が開発されてきており、既にとうもろこしや芋類等から得た澱粉を糖化して、さらに乳酸菌により乳酸とし、ついで乳酸を環化させてラクチドとし、これを開環重合することによりポリ乳酸樹脂が生産されるようになった。
このようにして得られた植物由来原料の樹脂中の炭素は、大気中の炭酸ガスを光合成して固定化されたものであるために、たとえ焼却廃棄しても炭酸ガス総量を増加させることのない、いわゆる「カーボンニュートラル」な材料と言える。すなわち、循環型で環境維持可能な材料である。
このような植物由来の環境維持可能な材料を石油系樹脂に配合して使用することにより、石油系樹脂の使用量を削減することが可能であり、種々の検討が行われている(特許文献1参照)。石油系樹脂の代表格であるスチレン系樹脂にも上記材料を配合して使用することができれば、スチレン系樹脂の使用量も多いだけに、削減量も多大であると期待される。スチレン樹脂の使用量を削減することは、石油使用量および炭酸ガス総量を減らすことであり、環境負荷の低減につながる。
特開2005−48067号公報
本発明は、植物由来の樹脂をスチレン系樹脂に配合することにより環境負荷を低減することができ、しかも、スチレン系樹脂の本来の成形性を失わずに、実用的な剛性及び優れた流動性と耐衝撃性を兼ね備えた樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題達成のため、鋭意検討した結果、スチレン系樹脂、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体およびポリ乳酸からなる樹脂組成物が様々な成形方法に対応できる流動性、優れた機械的物性を兼ね備えていることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
(1)ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、又はポリスチレンとゴム変性ポリスチレンの混合物からなるスチレン系樹脂(A)87〜15重量%、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)5〜30重量%、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)3〜20重量%及びポリ乳酸(D)5〜50重量%からなる樹脂組成物。
(2) スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)がa−b型ブロック共重合体であり、aセグメントがスチレン系単量体から形成され、bセグメントが炭素数1〜4のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体から形成されており、かつaセグメントとbセグメントとの割合が重量比で95/5〜30/70であることを特徴とする(1)に記載樹脂組成物。
(3)(1)、(2)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形体。
本発明により、植物由来の樹脂をスチレン系樹脂に配合することにより環境負荷を低減することができ、しかも、スチレン系樹脂の本来の成形性を失わずに、実用的な剛性及び優れた流動性と耐衝撃性を兼ね備えた樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるスチレン系樹脂(A)とは、スチレンを主成分とした重合体である。
スチレン系樹脂(A)としては、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレンと他のビニル系単量体を共重合したスチレン系樹脂、等が挙げられる。
ポリスチレンとはスチレンの単独重合体であり、一般的に入手できるものを適宜選択して用いることができる。一般的に入手できるポリスチレンは、スチレンの重合度、分子量分布、可塑剤や滑剤の量が調整され、流動性の異なるものが提供されている。本発明で使用されるポリスチレンの流動性はISO1133に従って測定したメルトフローレイトが1〜10g/10minの範囲にあることが好ましい。ポリスチレンの流動性が上記範囲を下回ると、本発明の樹脂組成物の成形性、特に射出成形での金型充填性が低下して好ましくない。一方、ポリスチレンの流動性が上記範囲を上回ると、本発明の樹脂組成物の成形性、特に押出成形、真空成形、ブロー成形での厚み均一性が低下して好ましくない。
ゴム変性ポリスチレンとはスチレン単独の重合体からなる連続相にゴム状重合体がグラフト重合して粒子分散してなる成形材料であり、一般的に入手できるものを適宜選択して用いることができる。ゴム変性ポリスチレンに用いるゴムとしては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、天然ゴム、エチレン−プロピレン共重合体などを挙げることができる。特に、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
ゴム変性ポリスチレンの流動性は、ISO1133に従って測定したメルトフローレイトが1〜10g/10minの範囲にあることが好ましい。ゴム変性ポリスチレンの流動性が上記範囲を下回ると、本発明の樹脂組成物の成形性、特に射出成形での金型充填性が低下して好ましくない。一方、ゴム変性ポリスチレンの流動性が上記範囲を上回ると、本発明の樹脂組成物の成形性、特に押出成形、真空成形、ブロー成形での厚み均一性が低下して好ましくない。
スチレンと他のビニル系単量体を共重合したスチレン系樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、等が挙げられる。
本発明の(A)成分のポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン及びスチレンと他のビニル系単量体を共重合したスチレン系樹脂は各々単独で使用してもよいし、あるいは少なくとも2成分を任意の割合で混合して使用してもよい。(A)成分を複数成分使用する場合、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)及びポリ乳酸(D)を混合するに先立ち、(A)成分を予め溶融混練等により均一材料としておいてもよいし、あるいは、複数の(A)成分、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)及びポリ乳酸(D)を一緒に溶融混練してもよい。
本発明の樹脂組成物全体を100重量%とすると、スチレン系樹脂(A)の含有量は87〜15重量%である。好ましくは、80〜20重量%である。87重量%を越えた場合、他の成分の配合量が少なく、したがって物性の向上はほとんど認められない。一方、スチレン系樹脂(A)の含有量が15重量%未満では、スチレン系の樹脂の本来の特徴である剛性や耐熱性(ビカット軟化温度、荷重撓み温度)が大きく損なわれるため、好ましくない。
本発明に用いる共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)とは、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とからなる非水添ブロック共重合体を水添して得られる水添ブロック共重合体である。共役ジエン化合物とは1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例として1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)が挙げられる。また、ビニル芳香族化合物の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンが挙げられる。最も一般的なものは1,3−ブタジエンとスチレンからなる水添ブロック共重合体であり、SEBSと呼ばれる。
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とのブロック共重合および得られたブロック共重合体の水添は公知の方法を用いることができる。
本発明に用いる共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)におけるビニル芳香族化合物の含有量は好ましくは10重量%以上、70重量%未満、更に好ましくは20重量%以上、60重量%未満である。ビニル芳香族化合物の含有量が10重量%未満では本発明の樹脂組成物の剛性が大幅に低下し、一方ビニル芳香族化合物の含有量が70重量%を越えた場合、耐衝撃性の改善が認められず、いずれも好ましくない。
本発明に用いる共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)の共役ジエン化合物に基づく二重結合の水添率は75〜100%が好ましく、更に好ましくは80〜100%である。水添率が75%よりも低いと本発明の樹脂組成物の剛性が大幅に低下して好ましくない。
本発明に用いる共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)の重量平均分子量は3〜100万が好ましい。更に好ましくは5〜80万である。
重量平均分子量が3万未満では本発明の樹脂組成物の耐衝撃性が劣り、重量平均分子量が100万を越えると本発明の樹脂組成物の成形加工性が劣るため好ましくない。
本発明に用いる共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)は官能基を有する化合物で変性してあるものでもよい。官能基としては、カルボキシル基、酸無水物基、イソシアナート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基等が挙げられる。
本発明に用いる共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)は市販品を用いることができる。例として旭化成ケミカルズ(株)製のタフテック(商品名)が挙げられる。
本発明の樹脂組成物全体を100重量%とすると、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)の含有量は5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%である。5重量%未満では耐衝撃性の向上がほとんど認められない。また、30重量%を越える場合は、剛性および耐熱性(ビカット軟化温度、荷重撓み温度)の低下が大きく好ましくない。
耐衝撃性としては、シャルピー衝撃強さおよびデュポン衝撃強さを評価する。デュポン衝撃とは、平板の試験片にダートを落下させて測定される面衝撃強さである。共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)を配合することにより特にデュポン衝撃強さを著しく向上させることができる。
本発明で用いられるスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)とは、a−b型ブロック共重合体であり、aセグメントがスチレン系単量体から形成され、bセグメントが炭素数1〜4のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体から形成される。当該a−b型ブロック共重合体は、例えばポリメリックペルオキシドを用いて公知の製造プロセスである塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法及び溶液重合法等で製造することができる。
炭素数1〜4のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチル、エステル(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸ブチルエステルが挙げられ、中で最も入手しやすい単量体はメタアクリル酸メチルエステルである。
aセグメントであるスチレン系単量体とbセグメントである(メタ)アクリル酸エステル系単量体との割合が重量比で95/5〜30/70であり、好ましくは93/7〜40/60である。(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重量比が上記範囲外では、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)を配合することによる引張破壊歪みやシャルピー衝撃強さの向上等が認められない、あるいはむしろ低下する場合もあるので好ましくない。
上記スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)は市販されているものを使用してもよい。例としては日本油脂(株)製「モディパー(商品名)MS10B」等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物全体を100重量%とすると、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜20重量%である。3重量%未満では、シャルピー衝撃強さの向上がほとんど認められない。また、20重量%を越える場合は、デュポン衝撃強さの低下が大きく、好ましくない。
スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)を配合することにより、剛性を低下させずにシャルピー衝撃強さは向上するが、デュポン衝撃強さ(面衝撃強さ)は低下する。前述したように、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)を配合することによりデュポン衝撃強さを著しく向上させることができる。そこで、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)を併用することにより、シャルピー衝撃強さおよびデュポン衝撃強さ、いずれも大幅に向上させることができ好ましい。
本発明に用いるポリ乳酸(D)は、とうもろこしやイモ類等から得た澱粉を糖化して、更に乳酸菌により乳酸を得、次に、乳酸を環化反応させてラクチドとし、これを開環重合すると言う方法で得られたポリ乳酸(D)を用いることが出来る。また、石油からラクチドを合成しこれを開環重合して得たポリ乳酸でも、あるいは石油から乳酸を得、これを直接脱水縮合して得たポリ乳酸を用いてもよい。
また、ポリ乳酸(D)を構成するL−乳酸およびD−乳酸の比率に関しては、特に限定されることなく用いることが出来る。しかし、ポリ乳酸を結晶化させる事により耐熱性を高める必要がある場合には、L−乳酸とD−乳酸の比率が100:0〜90:10または0:100〜10:90、好ましくはL−乳酸とD−乳酸の比率が100:0〜95:5または0:100〜5:95であるポリ乳酸を用いる。
更に、ポリ乳酸(D)には、主たる構成モノマーであるD−乳酸およびL−乳酸以外に他の成分が共重合されていても良い。他の共重合成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸等を挙げることができる。このような共重合成分は、全単量体成分中、通常0〜30モル%の含有量とするのが好ましく、さらに0〜10モル%であることがより好ましい。
ポリ乳酸(D)の分子量や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば特に限定されないが、重量平均分子量としては好ましくは1万以上、40万以下より好ましくは4万以上、30万以下である。
ポリ乳酸(D)の配合量は、本発明の樹脂組成物全体を100重量%とすると、5〜50重量%、好ましくは10〜50重量%である。ポリ乳酸(D)が50重量%を超えると樹脂組成物のビカット軟化温度や荷重撓み温度がスチレン系樹脂(A)に比べて大幅に低下して好ましくない。一方、ポリ乳酸(D)が5重量%未満ではポリ乳酸(D)の添加の効果が発現されず好ましくない。
スチレン系樹脂(A)、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)およびポリ乳酸(D)を配合、溶融、混練、造粒する方法は特に限定されず、樹脂組成物の製造で常用されている方法を用いることができる。例えば、ドラムタンブラー、ヘンシェルミキサー等で配合した上記成分をバンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー等を用いて溶融、混練し、ロータリーカッター、ファンカッター等で造粒することによって樹脂組成物を得ることができる。溶融、混練における樹脂温度は180〜240℃が好ましい。目標とする樹脂温度にするためには、押出機等のシリンダ温度は樹脂温度よりも10〜20℃低い温度に設定すべきである。樹脂温度が180℃未満ではスチレン系樹脂(A)及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)の流動性が不十分でポリ乳酸(D)との混合が不十分となり好ましくない。一方、樹脂温度が240℃を越えるとポリ乳酸(D)の熱分解が起こり好ましくない。
さらに、本発明の樹脂組成物は、スチレン系樹脂(A)、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)及びポリ乳酸(D)を配合、溶融、混練、造粒するときに、酸化防止剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤といった添加剤を添加することができる。
本発明の樹脂組成物は射出成形、シート押出成形、真空成形、異型押出成形、ブロー成形といった方法で成形されて樹脂製品となる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<スチレン系樹脂(A)−1>
(A)−1;PSジャパン株式会社製 ポリスチレン「685」(商品名)
基礎物性を(表−1)に示した。
<スチレン系樹脂(A)−2>
(A)−2;PSジャパン株式会社製 ゴム変性ポリスチレン「H8117」(商品名)
基礎物性を(表−1)に示した。
Figure 0005366167

<共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)>
(B)−1;タフテック(商品名)H1041<旭化成ケミカルズ(株)製>
水添ブロック共重合体、スチレン成分含有量30重量%
メルトフローレイト<200℃,5kgf>:3.5g/10min
(B)−2;タフテック(商品名)H1043<旭化成ケミカルズ(株)製>
水添ブロック共重合体、スチレン成分含有量67重量%
メルトフローレイト<230℃,2.16kgf>:2.0g/10min
(B)−3;タフテック(商品名)M1913<旭化成ケミカルズ(株)製>
変性水添ブロック共重合体、スチレン成分含有量30重量%
メルトフローレイト<200℃,5kgf>:4.0g/10min

<スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)>
(C)−1;日本油脂株式会社製 「モディパー(商品名) MS10B」
スチレンとメタクリル酸メチルとのブロック共重合体で組成比:スチレン/メタクリル酸メチル=90/10である。また、ISO1133(200℃、5kgf)に従って測定したメルトフローレイトは3.5g/10minであった。
<ポリ乳酸(D)>
(D)−1;Nature Works LLC製「4032D」(商品名)
ISO1133(200℃、5kgf)に従って測定したメルトフローレイトは14.2g/10minであった。
<樹脂組成物の製造>
スチレン系樹脂(A)、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)およびポリ乳酸(D)を(表−2)〜(表−4)の上段に示す通り計量した。
計量した原料をドラムタンブラーで配合し、同方向二軸押出機(WERNER& PF
LEIDERER社製ZSK25)でシリンダー設定温度200℃、スクリュー回転数
200rpmにて溶融混練し溶融ストランドとして抜き出した。溶融ストランドを水冷し
ロータリーカッターでストランドをカッティングしてペレット状の樹脂組成物を得た。
<物性の測定>
メルトフローレイトおよび機械物性の測定;
上記で製造した樹脂組成物のメルトフローレイトをISO1133にしたがって測定した。又、上記で製造した樹脂組成物をISOタイプA試験片に射出成形し、ISO527−1に従って引張強さ、引張破壊歪みを、ISO178に従って曲げ強さ、曲げ弾性率を、ISO179に従ってシャルピー衝撃強さ、ISO306に従ってビカット軟化温度、ISO75−2に従って荷重撓み温度を測定した。
デュポン衝撃試験;
JIS K 5400に従い、デュポン衝撃試験を行った。デュポン衝撃試験機を用いて、撃芯の先端Rが3mm、受け台のへこみRが6mmの条件で、厚さ2mmの射出成形板に撃芯を落下させ、成形板に亀裂を発生させるエネルギーを求めた。
以上の測定結果を(表−2)〜(表−4)の下段に示した。
Figure 0005366167
Figure 0005366167
Figure 0005366167
Figure 0005366167
Figure 0005366167
Figure 0005366167
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Figure 0005366167
Figure 0005366167
Figure 0005366167
<(表―2)の説明>
スチレン系樹脂(A)−1(ポリスチレン)とポリ乳酸(D)のブレンド系において、同一のポリ乳酸(D)の配合量の系で比較すると、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)およびスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)両者を配合することにより、シャルピー衝撃強さおよびデュポン衝撃強さのいずれも向上する(実施例1〜5)。共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)添加のみの場合(比較例2、4、6、8)では、シャルピー衝撃強さの向上が不十分である。一方、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)添加のみの場合(比較例5)、無添加の場合(比較例3)に比べてシャルピー衝撃強さの向上は少なく、デュポン衝撃強さはむしろ低下している。
<(表−3)の説明>
スチレン系樹脂(A)−2(ゴム変性ポリスチレン)とポリ乳酸(D)のブレンド系においても、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)およびスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)両者を配合することにより、シャルピー衝撃強さおよびデュポン衝撃強さ、いずれも向上している(実施例6〜13)。共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)添加のみの場合(比較例10、13〜16、19、20)では、デュポン衝撃強さは大幅に向上するが、シャルピー衝撃強さはほとんど向上しない。また、
スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)添加のみの場合(比較例11、17、21)、無添加の場合(比較例9、12、19)に比べてシャルピー衝撃強さの向上は少なく、デュポン衝撃強さは大幅に低下している。

<(表−4)の説明>
スチレン系樹脂を(A)−1(ポリスチレン)と(A)−2(ゴム変性ポリスチレン)とを1:1で配合した場合も、スチレン系樹脂(A)−2(ゴム変性ポリスチレン)単独の場合と同様な傾向が認められる。共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)およびスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)を併用することにより(実施例14、15)、シャルピー、デュポン、両方の衝撃強さが向上している。
本発明の樹脂組成物はポリスチレンの用途である発泡体、シート、筐体等数多くの産業分野に好ましく用いられる。

Claims (3)

  1. ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、又はポリスチレンとゴム変性ポリスチレンの混合物からなるスチレン系樹脂(A)87〜15重量%、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる水添ブロック共重合体(B)5〜30重量%、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)3〜20重量%及びポリ乳酸(D)5〜50重量%からなる樹脂組成物。
  2. スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなるブロック共重合体(C)がa−b型ブロック共重合体であり、aセグメントがスチレン系単量体から形成され、bセグメントが炭素数1〜4のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体から形成されており、かつaセグメントとbセグメントとの割合が重量比で95/5〜30/70であることを特徴とする請求項1の記載樹脂組成物。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形体。
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