JP2012193370A - 成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】石油系製品への依存度が低く、耐熱性、耐衝撃性、耐久性に加えて、表面外観に優れる成形体を提供する。
【解決手段】本発明の成形体は、ポリ乳酸樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)とを含有し、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)との質量比率(A/B)が、40/60〜80/20であり、240℃、21.2N荷重におけるポリ乳酸樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)とポリカーボネート樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)との比(MFR/MFR)が20〜600である樹脂組成物を成形加工して得られた成形体であって、前記成形体の表面から深さ5μmまでの範囲において、ポリ乳酸樹脂(A)中にポリカーボネート樹脂(B)が島状に粒子分散し、成形体の断面において観察される分散粒子断面の長さが0.1μm以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は樹脂組成物から得られる成形体に関し、特に、ポリ乳酸樹脂とポリカーボネート樹脂とを含有する樹脂組成物から得られる成形体に関する。
近年、環境問題の高まりから、ポリ乳酸に代表される生分解性を有する各種の脂肪族ポリエステルが注目されている。
ポリ乳酸は、比較的融点の高い樹脂であるが、ガラス転移温度(Tg)が低いため、射出成形に際しては、結晶性を制御するために、金型温度や成形サイクル時間等の操業条件が限定されるという問題がある。このため、耐熱性を発現させるためには技術的制約を伴う。さらに、ポリ乳酸は、耐衝撃性や耐久性(耐加水分解性)も十分とはいえない。
ポリ乳酸以外の他の生分解性脂肪族ポリエステルであるポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリグリコール酸等も、耐熱性、耐衝撃性、耐久性が十分とはいえない。
上記のように生分解性脂肪族ポリエステルは、成形用材料として使用する場合に物性や生産面の制約を受ける。このため、それ単独で使用することは難しいと考えられるようになってきている。
一方、生分解性脂肪族ポリエステルに他の非生分解性の樹脂を混合して性能向上を図っても、生分解性樹脂がポリ乳酸のように植物由来であれば、これが広く使用されることによって石油由来の樹脂の使用を低減することとなり、結果として石油資源の節約に貢献できるため環境に好ましいとする考え方が浸透してきている。
上記のような生分解性脂肪族ポリエステル樹脂の不足する性能を補うために、耐熱性、耐衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂とのアロイが提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリ乳酸樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とからなる樹脂組成物が開示されている。この樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性の点では、ポリ乳酸単独に比べ実用的なレベルまで向上している。しかしながら、得られる材料は真珠光沢を有するため均一な外観が得られず、このため使用範囲が限定されてしまうという問題がある。
特許文献2には、ポリカーボネート樹脂とポリ乳酸とからなる樹脂組成物にコアシェル型のグラフト重合体などの衝撃改良剤を配合することで、樹脂組成物の耐衝撃性の改善を図るとともに、真珠光沢を低減することが開示されている。しかしながら、これによる外観の改善効果は、十分満足できるものではない。
特開平7−109413号公報 特開2005−048067号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、石油系製品への依存度が低く、耐熱性、耐衝撃性、耐久性に加えて、表面外観に優れた成形体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の溶融粘度比のポリ乳酸樹脂とポリカーボネート樹脂とを含有する樹脂組成物から得られた成形体は、上記課題を解決することを見出し、本発明に達した。
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ポリ乳酸樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)とを含有し、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)との質量比率(A/B)が、40/60〜80/20であり、240℃、21.2N荷重におけるポリ乳酸樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)とポリカーボネート樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)との比(MFR/MFR)が20〜600である樹脂組成物を成形加工して得られた成形体であって、
前記成形体の表面から深さ5μmまでの範囲において、ポリ乳酸樹脂(A)中にポリカーボネート樹脂(B)が島状に粒子分散し、成形体の断面において観察される分散粒子断面の長さが0.1μm以上であることを特徴とする成形体。
(2)樹脂組成物が、エポキシ基含有添加剤(D)を含有し、その含有量が、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)との合計100質量部に対して0.5〜30質量部であることを特徴とする(1)の成形体。
(3)樹脂組成物が、カルボジイミド基および/またはオキサゾリン基を含有する反応性化合物(E)を含有し、その含有量が、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)との合計100質量部に対して0.01〜5質量部であることを特徴とする(1)又は(2)の成形体。
本発明によれば、石油系製品への依存度が低く、耐熱性、耐衝撃性、耐久性に加えて、外観が優れた成形体が得られる。この成形体は、種々の用途に好適に利用することができる。
実施例5の成形体の表面及びその近傍の断面の拡大画像を示す図である。 比較例3の成形体の表面及びその近傍の断面の拡大画像を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の成形体は、ポリ乳酸樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)とを含有し、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)との質量比率(A/B)が、40/60〜80/20であり、240℃、21.2N荷重におけるポリ乳酸樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)とポリカーボネート樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)との比(MFR/MFR)が20〜600である樹脂組成物を成形加工して得られた成形体であって、前記成形体の表面から深さ5μmまでの範囲において、ポリ乳酸樹脂(A)中にポリカーボネート樹脂(B)が島状に粒子分散し、成形体の断面において観察される分散粒子断面の長さが0.1μm以上であることを特徴とする。
本発明に使用されるポリ乳酸樹脂(A)としては、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、これらの混合物、これらの共重合体、これらのステレオコンプレックスなどを挙げることができる。ポリ乳酸樹脂(A)は、公知の溶融重合法により、あるいは必要に応じてさらに固相重合法を併用して、製造される。また、ポリグルコール酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートなどの他のポリエステルを少量使用するのであれば、これらの他のポリエステルとの混合物や共重合体を用いることもできる。しかし、機械的強度や耐熱性の観点から、ポリ(L−乳酸)を主体としたものであることが望ましい。
ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸は、光学純度によってその融点が異なる。本発明においては、成形体の機械的強度や耐熱性を考慮すると、その融点が160℃以上であることが望ましい。ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸において、融点を160℃以上とするためには、D−乳酸成分の割合を約3モル%未満とすればよい。
本発明に使用されるポリ乳酸樹脂(A)には、架橋ないし分岐構造が導入されていてもよい。架橋ないし分岐構造の導入方法としては、有機過酸化物を添加する方法、有機過酸化物とラジカル重合性化合物を併用する方法、放射線を照射する方法、多官能性開始剤の存在下で製造する方法等が挙げられる。
過酸化物としては、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。ラジカル重合性化合物としては、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。多官能性開始剤としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール部分鹸化物、セルロースジアセテート等が挙げられる。
本発明に使用されるポリ乳酸樹脂(A)の分子量は特に限定されないが、その指標となる240℃、荷重21.2Nにおけるメルトフローレート(MFR)が1〜300g/10分の範囲であれば、樹脂(A)を好ましく使用することができるさらに好ましくは、5〜250g/10分の範囲である。メルトフローレートが300g/10分を超える場合には、溶融粘度が低すぎて、成形体の機械的強度や耐熱性が劣る場合がある。一方、メルトフローレートが1g/10分未満の場合は、成形加工時の負荷が高くなりすぎ、操業性が低下する場合がある。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(B)は、ビスフェノール類残基単位とカーボネート残基単位とを含むものである。
ビスフェノール類としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジチオジフェノール、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジクロロジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。その他にも米国特許明細書第2,999,835号、第3,028,365号、第3,334,154号および第4,131,575号に記載されているジフェノールが使用できる。これらは単独で使用してもよいし、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。
カーボネート残基単位を導入する為の前駆物質としては、例えばホスゲン、あるいはジフェニルカーボネート等が挙げられる。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂は、その極限粘度が0.30〜0.64の範囲にあることが好ましい。0.64を上回ると、本発明の成形体を得るための樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、混練押出し及び射出成形が困難になる傾向にある。0.30を下回ると、得られる成形体の衝撃強度が不足する傾向にある。
本発明の成形体を形成する樹脂組成物においては、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の質量比率(A/B)は、40/60〜80/20であることが必要である。好ましくは50/50〜75/25であり、より好ましくは55/45〜70/30である。ポリ乳酸樹脂(A)の質量比率が40%未満であると、天然物由来の原料の比率が小さくなり、このため石油等の枯渇資源の節約に貢献できるとはいいがたくなる。反対に80質量%を超えると、得られる成形体の耐熱性・耐衝撃性などの物性が十分でなくなる。
本発明の成形体を形成する樹脂組成物は、メタクリル酸メチル系共重合体(C)を含有しないことが好ましい。そして、240℃、荷重21.2Nにおけるポリ乳酸樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)と、同条件におけるポリカーボネート樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)との比(MFR/MFR)が20〜600であることが必要である。本発明においては、MFR比(MFR/MFR)が20未満の場合には真珠光沢が発現し外観が悪化する。なお、MFR比(MFR/MFR)が600を超えると、耐熱性や耐衝撃性などの物性が低下することがある。
本発明において、メルトフローレートの測定温度として240℃を採用するのは、この温度が、本発明の成形体の製造におけるポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の溶融混練温度に近いとの理由による。
本発明の成形体を形成する樹脂組成物において含有しないことが好ましいメタクリル酸メチル系共重合体(C)とは、メタクリル酸メチルと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体である。すなわち、共重合体(C)は、メタクリル酸メチルとアクリル酸エステルとからなる単量体混合物を、またはメタクリル酸メチルと、メタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルとからなる単量体混合物を、共重合させることによって、得られる共重合体である。
アクリル酸エステルとしては、炭素数が1〜18のアルキル基を有するものが好ましい。そのアクリル酸エステルのアルキル基は、直鎖状でも分岐があるものでもよく、環状のアルキル基でもよい。具体的には、直鎖状のアルキル基を有するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等が挙げられる。分岐があるアルキル基を有するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。環状のアルキル基を有するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。アルキル基の炭素数が18個を超えると、単量体の重合性が低下して共重合が困難になる場合がある。
メタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルとしては、炭素数が2〜18のアルキル基を有するものが好ましい。そのメタクリル酸エステルのアルキル基は、直鎖状でも分岐があるものでもよく、環状のアルキル基でもよい。具体的には、直鎖状のアルキル基を有するメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデシル等が挙げられる。分岐があるアルキル基を有するメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。環状のアルキル基を有するメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。アルキル基の炭素数が18個を超えると、単量体の重合性が低下して共重合が困難になる場合がある。
共重合体(C)を構成する単量体成分中におけるメタクリル酸メチル成分の割合は、70〜90質量%が好ましく、より好ましくは80〜90質量%である。この範囲から外れると、外観改善効果が十分に得られないおそれがある。
共重合体(C)は、その特性を大きく損なわない限りにおいて、他種の単量体を共重合していてもよい。他種の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル;無水マレイン酸等のジカルボン酸無水物等;さらにジビニルベンゼン、メタクリル酸アリル等の多官能性単量体が挙げられる。本発明においては、これらは目的に応じて単独で用いてもよいしあるいは2種以上を併用してもよい。
共重合体(C)は、テトラヒドロフランを溶出液とするゲル浸透クロマトグラフィにより測定し、標準ポリスチレン換算して求めた重量平均分子量(Mw)が、500,000以上であることが必要である。800,000以上であることが好ましい。共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)が500,000未満では、外観改善効果が十分に得られない。
本発明の成形体を形成する樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の相溶化促進を目的として、エポキシ基含有添加剤(D)を含有してもよい。エポキシ基含有添加剤(D)としては、エポキシ基を含有していれば特に限定されないが、エポキシ化合物をグラフト重合または共重合した高分子化合物が好ましい。
エポキシ化合物をグラフト重合(以下、「−g−」で表す)または共重合(以下、「/」で表す)した高分子化合物としては、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート/酢酸ビニル共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体−g−ポリメチルメタクリレート、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体−g−アクリロニトリル/スチレン共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体−g−ポリスチレンなどが挙げられる。
エポキシ基含有添加剤(D)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の合計100質量部に対して0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、3〜15質量部であることがさらに好ましい。含有量が0.5質量部未満であると、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)との相溶化効果が不十分である。その含有量が30質量部を超える場合は、耐熱性が低下する傾向となる。
本発明の成形体を形成する樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂(A)の末端基を封鎖して耐湿熱性を向上させることを目的として、カルボジイミド、エポキシ、オキサゾリンよりなる群から選ばれた官能基を少なくとも1単位以上含有する反応性化合物(E)を含有してもよい。中でもカルボジイミド基および/またはオキサゾリン基を含有する反応性化合物が好ましい。
カルボジイミド基を含有する反応性化合物であるカルボジイミド化合物の具体例としては、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−トリルカルボジイミド、N,N′−ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリル−N′−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリル−N′−フェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−トリルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、4,4′−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N′−トリルカルボジイミド、N−フェニル−N′−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−トリルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、芳香族ポリカルボジイミドなどが挙げられる。さらに、これらの化合物の重合体を挙げることができる。これらカルボジイミド化合物は、単独で使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明では、芳香族カルボジイミド、特にN,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、およびこれら化合物の重合体が望ましく用いられる。そのほかにも、シクロ環を有したカルボジイミド化合物、特に4,4′−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、およびこれらの化合物の重合体が特に好ましく用いられる。
エポキシ基を含有する反応性化合物であるエポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド、水添ビスフェノールA―ジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチルプロパンポリグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェニル(ポリエチレングリコール)グリシジルエーテル、フェニル(ポリプロピレングリコール)グリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジグリシジル−o−フタレート、ジグリシジルテレフタレート、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、エポキシ化植物油などが挙げられる。これらエポキシ化合物は、単独で使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、エチレングリコールジグリシジルエーテル、あるいはポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが特に好ましい。
オキサゾリン基を含有する反応性化合物であるオキサゾリン化合物の具体例としては、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2,4−ジメチル−2−オキサゾリンのようなモノオキサゾリン化合物;2、2′−(1,3−フェニレン)ビス(2−オキサゾリン)のようなビスオキサゾリン化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリマーなどが挙げられる。これらオキサゾリン化合物は、単独で使用してもよいが2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも2,2′−(1,3−フェニレン)ビス(2−オキサゾリン)が特に好ましい。
反応性化合物(E)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の合計100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。含有量が0.01質量部未満であると、耐湿熱性を向上させる実質的な効果が見られない傾向が生じる。一方、5質量部を超えると、耐熱性が低下する傾向が生じる。
本発明の成形体を形成する樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の耐衝撃性改善を目的としてコアシェル型グラフト共重合体(F)を含有してもよい。コアシェル型グラフト共重合体(F)とは、コアがゴム弾性を有する重合体成分から構成され、シェルが熱可塑性を有する重合体成分から構成されたグラフト共重合体である。
コアシェル型グラフト共重合体(F)のゴム質の種類は、特に限定されるものではなく、ゴム弾性を有する重合体成分から構成されるものであればよい。例えば、アクリル成分、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分、ウレタン成分、エチレンプロピレン成分などを重合させた重合体から構成されるゴムが挙げられる。
アクリル成分としては、アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位など、シリコーン成分としては、ジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位など、スチレン成分としては、スチレン単位やα−メチルスチレン単位など、ニトリル成分としては、アクリロニトリル単位やメタクリロニトリル単位など、共役ジエン成分としては、ブタンジエン単位やイソプレン単位などが、それぞれ挙げられる。
これらの成分を2種以上組み合わせて共重合させたものから構成されるゴムも好ましい。例えば、(1)アクリル成分およびシリコーン成分を共重合、複合化した成分から構成されるゴム、(2)アクリル成分およびスチレン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(3)アクリル成分および共役ジエン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(4)アクリル成分およびシリコーン成分およびスチレン成分を共重合した成分から構成されるゴムなどが挙げられる。また、これらの成分の他に、ジビニルベンゼン単位、アリルアクリレート単位またはブチレングリコールジアクリレート単位などの架橋性成分を共重合し架橋させたゴムも好ましい。
本発明においては、コアシェル型グラフト共重合体(F)を構成するゴム成分は、ブタジエン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴム、シリコーンアクリル系ゴムであることが好ましい。
ブタジエン系ゴムは、1,3−ブタジエン単量体単位のみからなる重合体、若しくは1,3−ブタジエン単量体単位と、これと共重合可能な1種以上のビニル系単量体単位からなる重合体である。共重合可能な1種類以上のビニル系単量体単位の含有量は、ブタジエン系ゴム重合体中50質量%以下であることが好ましい。
1,3−ブタジエンと共重合可能なビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル;エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルエーテル等のグリシジル基を有するビニル系単量体等が挙げられる。
また、上記以外に、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳香族多官能ビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート等の多価アルコール;トリメタクリル酸エステル、トリアクリル酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等のカルボン酸アリルエステル;ジアリルフタレート、ジアリルセバケート等のジアリル化合物;トリアリルトリアジン等のトリアリル化合物などの架橋性単量体(架橋剤)を用いることができる。これらは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
アクリル系ゴムとしては、主構成単位のアクリル酸エステル50〜100質量%と、これと共重合可能なビニル系単量体50〜0質量%とを含有するものが挙げられる。
アクリル系ゴムを構成するアクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸アルキルエステル、例えばエチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
アクリル系ゴムを構成するビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルエーテル等のグリシジル基を有するビニル系単量体などが挙げられる。
シリコーンアクリル系ゴムとしては、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムとを含有するゴムが挙げられる。このゴムは、どのような方法で製造されてもよいが、乳化重合法で製造されたものが最適である。ポリオルガノシロキサンには特に制限はないが、ビニル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサンが好ましい。
ポリオルガノシロキサンの製造に用いられるジメチルシロキサンとしては、3員環以上のジメチルシロキサン系環状体が挙げられ、3〜7員環のものが好ましい。具体的にはヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられ、これらは単独でまたは二種以上混合して用いられる。
一方、コアシェル型グラフト共重合体(F)のシェルは、熱可塑性を有する重合体成分から構成されたものである。シェルを構成する重合体成分は、そのガラス転移温度が、コアを構成する重合体成分のそれより高いことが好ましい。
シェルを構成する重合体としては、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、グリシジル基含有ビニル系単位、脂肪族ビニル系単位、芳香族ビニル系単位、シアン化ビニル系単位、マレイミド系単位、不飽和ジカルボン酸系単位、その他のビニル系単位などから選ばれる少なくとも1種以上の単位を含有する重合体が挙げられる。中でも、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、グリシジル基含有ビニル系単位を含有する重合体が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位としては、特に限定されるものではないが、メタクリル酸アルキルエステルが好ましく使用される。具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸クロロメチル、メタクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、メタクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどが挙げられる。中でも、樹脂への分散性を向上する効果が大きいという観点から、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチルを好ましく使用することができる。これらの単位は、単独ないし2種以上を用いることができる。
グリシジル基含有ビニル系単位としては、特に限定されるものではないが、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−4−グリシジルエーテル、4−グリシジルスチレンなどが挙げられる。中でも、耐衝撃性を向上する効果が大きいという観点から、メタクリル酸グリシジルを好ましく使用することができる。これらの単位は、単独ないし2種以上を用いることができる。
脂肪族ビニル系単位としては、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどを挙げることができる。芳香族ビニル系単位としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、ハロゲン化スチレンなどを挙げることができる。シアン化ビニル系単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはエタクリロニトリルなどを挙げることができる。マレイミド系単位としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニル)マレイミドまたはN−(クロロフェニル)マレイミドなどを挙げることができる。不飽和ジカルボン酸系単位としては、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、イタコン酸、フタル酸などを挙げることができる。その他のビニル系単位としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリン、2−スチリル−オキサゾリンなどを挙げることができる。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
コアシェル型グラフト共重合体(F)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の合計100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。含有量が0.1質量部未満であると、耐衝撃性の改善効果が見られない。一方、30質量部を超えると、耐熱性が低下する傾向にある。
本発明の成形体を形成する樹脂組成物の製造方法としては、一般的な押出機を用いて、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)を溶融混練する方法が挙げられる。混合均一性を高める点から、二軸押出機を使用することが好ましい。
樹脂組成物に、エポキシ化合物をグラフト重合した高分子化合物(D)、反応性化合物(E)、コアシェル型グラフト共重合体(F)を含有させる場合に、これらの添加方法としては、原料樹脂とドライブレンドしてホッパーから投入する、押出機途中からフィーダー等により添加する、可塑剤など液体に溶解または分散させて液添加する等、種々の方法を採ることができる。
本発明の成形体を形成する樹脂組成物には、機械的強度や耐熱性の向上を目的として、ガラス繊維を使用してもよい。その配合量は、樹脂組成物100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。ガラス繊維は通常のガラス繊維で十分であり、樹脂との密着性を高めるために表面処理を施してもよい。添加の方法としては、押出し機において、ホッパーから、あるいはサイドフィーダーを用いて混練の途中から、それぞれ添加することができる。または、ガラス繊維をマスターバッチ加工することで、成形時にベース樹脂で希釈して使用することもできる。
本発明の成形体を形成する樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材、結晶核剤等を添加することができる。
熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物が挙げられる。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤が使用できる。中でも、環境を配慮した場合、非ハロゲン系難燃剤の使用が望ましい。非ハロゲン系難燃剤としては、リン系難燃剤、水和金属化合物(水酸化アルミ、水酸化マグネシウム)、N含有化合物(メラミン系、グアニジン系)、無機系化合物(硼酸塩、Mo化合物)が挙げられる。
無機充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維等が挙げられる。
有機充填材としては、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の、天然に存在するポリマーやこれらの変性品が挙げられる。
無機結晶核剤としては、タルク、カオリン等が挙げられる。有機結晶核剤としては、ソルビトール化合物、安息香酸およびその化合物の金属塩、燐酸エステル金属塩、ロジン化合物等が挙げられる。
本発明において、樹脂組成物にこれらを混合する方法は、特に限定されない。
本発明の成形体は、上述したような樹脂組成物を、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、およびシート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形方法により、各種成形体とすることができる。とりわけ、射出成形法を採ることが好ましく、一般的な射出成形法のほか、ガス射出成形法、射出プレス成形法等も採用できる。本発明の成形体に適した射出成形条件の一例を挙げれば、シリンダ温度を、ポリ乳酸樹脂(A)の融点または流動開始温度以上、好ましくは180〜260℃、より好ましくは190〜250℃の範囲とするのが適当である。成形温度が低すぎると、成形品にショートが発生するなど操業性が不安定になったり、過負荷に陥ったりしやすい。逆に成形温度が高すぎると、樹脂組成物が分解して、得られる成形体の強度が低下したり、着色したりする等の問題が発生しやすい。
本発明の成形体は、形成する樹脂組成物の結晶化を促進させることにより、その耐熱性を高めることができる。このための方法としては、例えば、射出成形時に金型内での冷却にてポリ乳酸樹脂成分の結晶化を促進させる方法がある。その場合には、金型温度をポリ乳酸樹脂成分の結晶化温度±20℃で所定時間保った後、ポリ乳酸樹脂成分のガラス転移温度以下に冷却することが好ましい。また、成形後に結晶化を促進させる方法としては、直接ポリ乳酸樹脂成分のガラス転移温度以下に冷却した後、再度、ポリ乳酸樹脂成分の結晶化温度±20℃で熱処理することを、好ましい方法として挙げることができる。
本発明の成形体は、その表面から深さ5μmまでの範囲において、ポリ乳酸樹脂(A)中にポリカーボネート樹脂(B)が島状に粒子分散し、成形体の断面において観察される分散粒子断面の長さが0.1μm以上であり、中でも、同分散粒子断面の長さが0.5μm以上であることがより好ましい。一般的にプラスチックの成形体には、スキン層と呼ばれる表層部と、コア層と呼ばれるスキン層よりも内層部が存在する。スキン層は、冷たい金型に高温の溶融樹脂を急速に充填し冷却させるために発現し、樹脂流れ方向に配向がおきやすい部分である。そのため、成形品の表層部では島成分が細かく引きちぎられ、内層部の島成分の形態と大きく異なる場合がある。この表層部と内層部との不均一構造が外観不良を引き起こす原因と考えられる。このため、島成分の形態を制御することによって、成形品の外観不良を改善することができるのである。つまり、メタクリル酸メチル共重合体(C)を含有しない場合は、ポリ乳酸樹脂(A)の240℃、荷重21.2Nにおけるメルトフローレート(MFR)と、ポリカーボネート樹脂(B)の同条件におけるメルトフローレート(MFR)の比(MFR/MFR)を20〜600とすることで、成形体の表面から深さ5μmまでの範囲においてポリ乳酸樹脂(A)中にポリカーボネート樹脂(B)が島状に粒子分散し、成形体の断面において観察される分散粒子断面の長さが0.1μm以上となって、その外観が向上する。なお、成形体中のポリカーボネート樹脂(B)成分の大きさの確認は、成形体断面を透過型電子顕微鏡で観察することによって、行うことができる。
本発明の成形体としては、次のものを挙げることができる。第一に、まず樹脂組成物を押出成形法によりシート状、発泡シート状、パイプ状に加工し、これらを、クレジットカード等のカード類、下敷き、クリアファイル、ストロー、農業・園芸用・工業用硬質/軟質パイプまたはパイプカバー等に応用することができる。さらにこれらのシート類に、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の深絞り成形や、うち抜き成形などを行うことで、食品用容器、農業・園芸・工業用容器、各種雑貨、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器、折りたたみ式緩衝材、各種建材、各種パッキン、仕切り板や標識、掲示板、自動車内装材、マネキン、靴底、帽子のつば、各種心材などを製造することができる。
射出成形法により製造される成形体の形態は、特に限定されない。その具体例としては、皿、椀、鉢、箸、スプーン、フォーク、ナイフ、お盆等の食器関連物や、流動体用容器(乳製品や清涼飲料水や酒類等のための飲料用コップ及び飲料用ボトル;醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、食用油等の調味料の一時保存容器;シャンプー、リンス等の容器;化粧品用容器;農薬用容器等)や、容器用キャップや、定規、筆記具、クリアケース、CDケース、いす等の事務用品や、コンテナーなど各種収納容器や、台所用三角コーナー、ゴミ箱、洗面器、歯ブラシ、櫛、ハンガー等の日用品や、ファスナー・ボタンなどの服飾関連品や、植木鉢、育苗ポット等の農業・園芸用資材や、プラモデル等の各種玩具類や、エアコンパネル、冷蔵庫トレイ、パソコン、パソコン周辺機器、携帯電話、AV機器などの各種筐体等の電化製品用樹脂部品や、バンパー、インパネ、ドアトリム等の自動車用樹脂部品や、さお・ルアーなどのつり用品や、各種ラケット・プロテクターなどのスポーツ用品や、各種建材などが挙げられる。
本発明の成形体は、外観が優れているため、特にこれまで外観不良で使えなかった分野への展開が可能となる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例の評価に用いた測定法は、次のとおりである。
(1)メルトフローレート(MFR):
JIS K7210に従い、240℃、21.2N(2.16kg)の荷重で測定した。単位はg/10分である。
(2)極限粘度(IV):
フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(質量比6/4)を用い、温度20℃で測定した。
(3)分子量:
示差屈折率検出器を備えたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)装置(島津製作所社製)を用い、テトラヒドロフランを溶出液として40℃で測定し、標準ポリスチレン換算で求めた。なお、テトラヒドロフランに溶けにくいサンプルは、少量のクロロホルムに溶解後、テトラヒドロフランで希釈して、測定した。
(4)熱変形温度(DTUL):
ASTM規格D−648に従い、荷重0.45MPaで測定した。
(5)IZOD衝撃強度:
ASTM規格D−256に従い、ノッチ(V字型切込み)付き試験片を用いて測定した。
(6)曲げ弾性率・曲げ強度:
ASTM規格D−790に従い、変形速度2mm/分で荷重をかけて、測定した。
(7)耐湿熱性:
上記(6)で用いた曲げ強度試験片を、温度60℃、湿度95%RHの環境下で500時間処理した後、曲げ強度を測定して、強度保持率を評価した。
(8)外観:
射出成形した試験片の表面を目視観察した。外観ムラがなく均一できれいな場合を○と評価し、外観ムラがある場合を×と評価した。
(9)ポリカーボネート樹脂(B)の分散粒子観察:
射出成形した試験片をエポキシ樹脂に包埋し、超ミクロトーム(Reicher−Nissei社製、型番「ULTRACUT N」)を用いて、射出成形片の断面の薄膜試料を作製した。この試料について、透過型電子顕微鏡(日本電子社製、型番「JEM−200CX」を用い、射出成形片の表層部から20μmの深さまでの断面について、測定倍率5000倍にて画像を得た。
この画像を観察して、成形体の表面から深さ5μmまでの範囲においてポリ乳酸樹脂(A)中にポリカーボネート樹脂(B)が島状に粒子分散し、かつ分散粒子断面の長さが0.1μm以上である場合を○と評価した。一方、島状に分散していない、あるいは分散粒子断面の長さが0.1μm未満である場合を×と評価した。
下記の実施例及び比較例に用いた原料は、次の通りである。なお、MFR値のカッコ内は測定温度である。
[ポリ乳酸樹脂(A)]
・PLA−1:NatureWorks社製、品名「4032D」、重量平均分子量(MW)180,000、融点170℃、MFR(240℃)18g/10分
・PLA−2:NatureWorks社製、品名「6201D」、重量平均分子量(MW)160,000、融点168℃、MFR(240℃)48g/10分
・PLA−3:NatureWorks社製、品名「6251D」、重量平均分子量(MW)100,000、融点168℃、MFR(240℃)177g/10分
[ポリカーボネート樹脂(B)]
・PC−1:住友ダウ社製、品名「200−30」、極限粘度0.44、MFR(240℃)5g/10分
・PC−2:住友ダウ社製、品名「1080DVD」、極限粘度0.38、MFR(240℃)13g/10分
・PC−3:住友ダウ社製、品名「200−13」、極限粘度0.49、MFR(240℃)1.6g/10分
・PC−4:住友ダウ社製、品名「200−3」、極限粘度0.53、MFR(240℃)0.4g/10分
[エポキシ基含有添加剤(D)]
・BF:エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学社製、品名「ボンドファースト2C」)
・MD:エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体−g−ポリメタクリル酸メチル(日本油脂社製、品名「モディパーA4200」)
[反応性化合物(E)]
・CDI:N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(バイエル社製、品名「スタバクゾールI」)
・EPX:p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル(ナガセ化成社製、品名「デナコールEX−146」)
・OXZ:2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)(東京化成工業社製)
実施例1
ポリ乳酸樹脂(A)としてPLA−2を用い、ポリカーボネート樹脂(B)としてPC−3を用いた。池貝社製二軸押出機、型番PCM−30(ダイス直径4mm×3孔)を用い、押出温度240℃にて、PLA−2の55質量部とPC−3の45質量部とを混合した。混合された樹脂をストランド状に押出し、水浴で冷却後、ペレタイザーでペレット状に切断して、樹脂組成物ペレットを得た。
得られたペレットを乾燥後、東芝機械社製射出成形機、型番IS−80G型を用いて、シリンダ設定温度220℃、射出圧力100MPa、射出時間15秒の条件で射出成形した。得られた成形体を用いて、各種物性評価を行った。このとき、金型温度は75℃とし、冷却時間は30秒とした。
実施例2〜14、比較例1〜6
ポリ乳酸樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、エポキシ基含有添加剤(D)、反応性化合物(E)を、それぞれ表1に示す種類と量に変えた。それ以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を射出成形して、成形体を得た。得られた成形体を用いて、各種評価を行った。
実施例1〜14、比較例1〜6の結果をまとめて表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜14は、メタクリル酸メチル系共重合体(C)を含有せず、かつMFR比(MFR/MFR)が20〜600の範囲内であったため、外観が優れていた。これに対し、比較例1〜6は、メタクリル酸メチル系共重合体(C)を含有せず、かつMFR比が20未満であったため、外観が劣っていた。
実施例10〜14は、反応性化合物(E)を添加したことにより、ポリ乳酸樹脂(A)の末端基が封鎖され、耐湿熱性に優れていた。
比較例6は、メタクリル酸メチル系共重合体(C)を含有せず、かつMFR比が10以上であったが、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の質量比率(A/B)が90/10であったため、耐衝撃性・耐熱性に劣っていた。
実施例5および比較例3について、成形体の表面から深さ約20μmの範囲の断面を、透過型電子顕微鏡を用いて撮影することにより得られた画像を、図1及び図2に示す。これらの画像中の濃色部はポリカーボネート(B)、淡色部はポリ乳酸(A)である。
実施例5の画像を示す図1では、成形体の表面から深さ5μmまでの範囲においてポリ乳酸樹脂(A)の中にポリカーボネート樹脂(B)が島状に粒子分散し、その分散粒子断面の長さは0.1μm以上であった。
一方、比較例3の画像を示す図2では、成形体の表面から深さ5μmまでの範囲においてはポリ乳酸樹脂(A)の中にポリカーボネート樹脂(B)が島状に粒子分散しているとは言いがたく、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)とがナノ分散構造になっていた。さらに、深さ方向に進むにつれて徐々にポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)との区別がつくくらいの分散状態、つまりミクロ分散構造になっていた。
外観不良の現象は、このナノ分散層とその下にあるミクロ分散層が関係していると考えられる。つまり、ナノ分散層では分散粒子の大きさは光の波長よりも十分短いため、光が通過して透明に見えるが、内層に行くにつれナノ分散が崩れミクロ分散となり、光が乱反射することにより不透明となる。この不均一構造によって外観不良となって見えると推察される。一方、外観が良いものについては、表層部に分散粒子断面の長さが0.1μm以上のポリカーボネート樹脂(B)の分散粒子が存在するために、光が乱反射して不透明となり、このため外観が良好に見えると推察される。

Claims (3)

  1. ポリ乳酸樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)とを含有し、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)との質量比率(A/B)が、40/60〜80/20であり、240℃、21.2N荷重におけるポリ乳酸樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)とポリカーボネート樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)との比(MFR/MFR)が20〜600である樹脂組成物を成形加工して得られた成形体であって、
    前記成形体の表面から深さ5μmまでの範囲において、ポリ乳酸樹脂(A)中にポリカーボネート樹脂(B)が島状に粒子分散し、成形体の断面において観察される分散粒子断面の長さが0.1μm以上であることを特徴とする成形体。
  2. 樹脂組成物が、エポキシ基含有添加剤(D)を含有し、その含有量が、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)との合計100質量部に対して0.5〜30質量部であることを特徴とする請求項1に記載の成形体。
  3. 樹脂組成物が、カルボジイミド基および/またはオキサゾリン基を含有する反応性化合物(E)を含有し、その含有量が、ポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)との合計100質量部に対して0.01〜5質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形体。
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