JP5359140B2 - リチウム遷移金属系化合物粉体、その製造方法並びに、それを用いたリチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池 - Google Patents
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Description
さらに、低コスト、安全性、寿命(特に高温下)にも優れた、性能バランスの良い材料が求められている。
[L]3a[M]3b[O2]6c …(I)
(ただし、上記式(I)中、Lは少なくともLiを含む元素であり、Mは、少なくともNi、Mn及びCo、或いは、Li、Ni、Mn及びCoを含む元素であり、
0.4≦Ni/(Mn+Ni+Co)モル比<0.7
0.1<Mn/(Mn+Ni+Co)モル比≦0.4
0.1≦Co/(Mn+Ni+Co)モル比≦0.3
であり、M中のLiモル比は0以上、0.05以下である。
また、[ ]の次の添え字は、結晶構造におけるサイトを表し、3aサイトはLiサイト、3bサイトは遷移金属サイト、6cサイトは酸素サイトとする。)
M=Liz/(2+z)(Ni1−x−yMnxCoy)2/(2+z) …(II)
(ただし、上記式(II)中、
0.1<x≦0.4
0.15≦y≦0.25
0.001≦z≦0.1
である。)
0≦I018 */I018≦0.10
0≦I110 */I110≦0.15
0≦I113 */I113≦0.30
(ここで、I018、I110、I113は、それぞれ(018)、(110)、(113)回折ピークの積分強度を表し、I018 *、I110 *、I113 *は、それぞれ(018)、(110)、(113)回折ピークのピークトップよりも高角側に現れる異相由来の回折ピークの積分強度を表す。)
以下に本発明のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体について説明する。
(ただし、上記式(I)中、Lは少なくともLiを含む元素であり、Mは、少なくともNi、Mn及びCo、或いは、Li、Ni、Mn及びCoを含む元素であり、
0.4≦Ni/(Mn+Ni+Co)モル比<0.7
0.1<Mn/(Mn+Ni+Co)モル比≦0.4
0.1≦Co/(Mn+Ni+Co)モル比≦0.3
であり、M中のLiモル比は0以上、0.05以下である。
また、[ ]の次の添え字は、結晶構造におけるサイトを表し、3aサイトはLiサイト、3bサイトは遷移金属サイト、6cサイトは酸素サイトとする。)
本発明のリチウム含有遷移金属化合物粉体は、前記式(I)で示されるリチウム遷移金属系複合酸化物粉体である。
Lは少なくともLiを含む元素である。Li以外の元素としては、例えば、Ni、Mn、Coなどの金属元素が挙げられる。
Mは、少なくともNi、Mn及びCo、或いは、Li、Ni、Mn及びCoから構成される元素であり、Ni/(Mn+Ni+Co)モル比は0.4以上、好ましくは0.42以上、より好ましくは0.45以上、最も好ましくは0.48以上、通常0.7未満、好ましくは0.68以下、より好ましくは0.65以下、最も好ましくは0.62以下である。
本発明のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系複合酸化物粉体は、前記式(I)におけるMサイト中の原子構成が下記式(II)で示されるものが特に好ましい。
(ただし、上記式(II)中、
0.1<x≦0.4
0.15≦y≦0.25
0.001≦z≦0.1
である。)
前述のように層状構造は必ずしも層状R(−3)m構造に限られるものではないが、層状R(−3)m構造に帰属しうるものであることが電気化学的な性能面から好ましい。
上記リチウム遷移金属系化合物の組成式のx、y、zを求めるには、各遷移金属とLiを誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICX−AES)で分析して、Li/Ni/Mn/Coの比を求める事で計算される。
えられる。ここで、zに係るLiによって、電荷中性の原理によりNiの平均価数が大きくなる(3価のNiが生成する)。つまり、zはNi平均価数を上昇させるため、Ni価数(Ni(III)の割合)の指標となる。
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体は、前記添加元素が粒子表面から深さ方向に濃度勾配を持って存在する連続的組成傾斜構造を有していることが好ましい。
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体を40MPaの圧力で圧密した時の体積抵抗率の値は、下限としては、1×101Ω・cm以上が好ましく、5×101Ω・cm以上がより好ましく、1×102Ω・cm以上がさらに好ましく、5×102Ω・cm以上が最も好ましい。上限としては、5×106Ω・cm以下が好ましく、1×106Ω・cm以下がより好ましく、8×105Ω・cm以下がさらに好ましく、5×105Ω・cm以下が最も好ましい。この体積抵抗率がこの上限を超えると電池とした時の負荷特性が低下する可能性がある。一方、体積抵抗率がこの下限を下回ると、電池とした時の安全性などが低下する可能性がある。
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体の含有炭素濃度C(重量%)値は、通常0.005重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、更に好ましくは0.03重量%以上、最も好ましくは0.06重量%以上であり、通常0.25重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.18重量%以下、更に好ましくは0.15重量%以下、最も好ましくは0.12重量%以下である。この下限を下回ると電池性能が低下する可能性があり、上限を超えると電池とした時のガス発生による膨れが増大したり電池性能が低下したりする可能性がある。
なお、後述の炭素分析により求めたリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉体の含有炭素成分は、炭酸化合物、特に炭酸リチウムの付着量についての情報を示すものとみなすことができる。これは、炭素分析により求めた炭素量を、全て炭酸イオン由来と仮定した数値と、イオンクロマトグラフィーにより分析した炭酸イオン濃度が概ね一致することによる。
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体は、好ましくは一次粒子結晶が凝集して球状の二次粒子を形成してなるものであるが、特に一次粒子結晶がランダムに凝集して球状の二次粒子を形成してなるものが好ましい。一次粒子結晶がランダムに凝集しているか否かは、断面SEMにおいて観察することができる。こうした形態は、二次粒子が結晶異方性を実質的に有さないことを示す。このことにより、二次粒子内において、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う結晶の膨張収縮が緩和され、電池特性としてサイクル可逆性に優れ、第1発明の物質規定による効果との組み合わせにより、従来品に比べて更なる高密度化に加え、各種電池特性がバランス良く改善された性能を有するものとなる。
なお、本発明において、「球状」とは後述の実施例で得られたリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粉体のSEM写真に示されるように、一次粒子結晶が凝集して形成される二次粒子の最大径[La(μm)]に対する該最大径方向に直交する方向で、その中点における小径[Lb(μm)]の比[Lb/La]の平均値が0.8以上であることをさす。
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体の一次粒子の平均径(平均一次粒子径B)は、特に限定されないが、下限としては、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、更に好ましくは0.3μm以上、最も好ましくは0.4μm以上、また、上限としては、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.9μm以下、さらに好ましくは0.7μm以下、最も好ましくは0.5μm以下である。平均一次粒子径が、上記上限を超えると、粉体充填性に悪影響を及ぼしたり、比表面積が低下したりするために、レート特性や出力特性等の電池性能が低下する可能性が高くなる可能性がある。上記下限を下回ると結晶が未発達であるために充放電の可逆性が劣る等の問題を生ずる可能性がある。
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体の二次粒子のメジアン径Aと平均一次粒子径Bとの比A/Bは、正極活物質粉の二次粒子サイズと一次粒子サイズの傾向を表し、この比A/Bが8〜100であることは、嵩密度等の粉体特性とレート等の電池特性がバランスよく良好な状態であることを意味する。この比A/Bが上記下限を下回ると球状二次粒子を形成し難くなるために粉体充填性が低下しやすく、上限を上回ると二次粒子を形成する一次粒子の充填性が高くなりすぎて電池特性が却って低下しやすくなる。このため、A/Bは8以上、好ましくは9以上、より好ましくは10以上で、100以下、好ましくは80以下、より好ましくは50以下である。
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体のメジアン径(二次粒子のメジアン径A)は、通常1μm以上、好ましくは1.5μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは2.5μm以上、最も好ましくは3μm以上で、通常20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは9μm以下、最も好ましくは8μm以下である。下限を下回ると、正極活物質層形成時の塗布性に問題を生ずる可能性があり、上限を超えると電池性能の低下を来たす可能性がある。
本発明のリチウムリチウム遷移金属系化合物粉体はまた、BET比表面積が、通常0.5m2/g以上、好ましくは0.8m2/g以上、更に好ましくは1.0m2/g以上、最も好ましくは1.5m2/g以上で、通常3m2/g以下、好ましくは2.8m2/g以下、更に好ましくは2.5m2/g以下、最も好ましくは2.0m2/g以下である。BET比表面積がこの範囲よりも小さいと電池性能が低下しやすく、大きいと嵩密度が上がりにくくなり、正極活物質形成時の塗布性に問題が発生しやすくなる可能性がある。
本発明のリチウムリチウム遷移金属系化合物粉体は、水銀圧入法による測定において、特定の条件を満たすことを特徴としている。よって、本発明の粒子について説明する前に、まず水銀圧入法について簡単に説明する。
水銀圧入法は、多孔質粒子等の試料について、圧力を加えながらその細孔に水銀を浸入させ、圧力と圧入された水銀量との関係から、比表面積や細孔径分布などの情報を得る手法である。
Pr=−2δ(cosθ) …(2)
水銀圧入法による測定は、水銀ポロシメータ等の装置を用いて行うことができる。水銀ポロシメータの具体例としては、Micromeritics社製オートポア、Quantachrome社製ポアマスター等が挙げられる。
水銀圧入量は通常0.4cm3/g以上、好ましくは0.45cm3/g以上、より好ましくは0.5cm3/g以上、更に好ましくは0.55cm3/g以上、最も好ましくは0.6cm3/g以上であり、通常1.2cm3/g以下、好ましくは1.1cm3/g以下、更に好ましくは1.0cm3/g以下、最も好ましくは0.9cm3/g以下である。この範囲の上限を超えると空隙が過大となり、本発明の粒子を正極材として用いる際に、正極板への正極活物質の充填率が低くなってしまい、電池容量が制約されてしまう。一方、この範囲の下限を下回ると、粒子間の空隙が過小となってしまうため、本発明の粒子を正極材として電池を作製した場合に、粒子間のリチウム拡散が阻害され、負荷特性が低下する。
なお、本明細書において「細孔分布曲線」とは、細孔の半径を横軸に、その半径以上の半径を有する細孔の単位重量(通常は1g)当たりの細孔体積の合計を、細孔半径の対数で微分した値を縦軸にプロットしたものであり、通常はプロットした点を結んだグラフとして表す。特本発明にの粒子を水銀圧入法により測定して得られた細孔分布曲線を、以下の記載では適宜「本発明にかかる細孔分布曲線」という。
また、本明細書において「ピークトップ」とは、細孔分布曲線が有する各ピークにおいて縦軸の座標値が最も大きい値をとる点をいう。
本発明に係る細孔分布曲線が有するメインピークは、そのピークトップが、細孔半径が通常400nm以上、好ましくは600nm以上、より好ましくは700nm以上、さらに好ましくは800nm以上、最も好ましくは900nm以上、また、通常1500nm以下、好ましくは1200nm以下、より好ましくは1000nm以下、更に好ましくは980nm以下、最も好ましくは950nm以下の範囲に存在する。この範囲の上限を超えると、本発明の多孔質粒子を正極材として電池を作成した場合に、正極材内でのリチウム拡散が阻害され、又は導電パスが不足して、負荷特性が低下する可能性がある。
本発明に係る細孔分布曲線は、上述のメインピークに加えて、複数のサブピークを有していてもよく、特には80nm以上、400nm未満の細孔半径の範囲内に存在することを特徴とする。
空隙が過大となり、本発明の粒子を正極材として用いる際に、正極板への正極活物質の充填率が低くなってしまい、電池容量が制約されてしまう可能性がある。一方、この範囲の下限を下回ると、二次粒子間の空隙が過小となってしまうため、本発明の粒子を正極材として電池を作製した場合に、二次粒子間のリチウム拡散が阻害され、負荷特性が低下する可能性がある。
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体の嵩密度は通常1.0g/cm3以上、好ましくは1.1g/cm3以上、より好ましくは1.3g/cm3以上、最も好ましくは1.5g/cm3以上である。この下限を下回ると粉体充填性や電極調製に悪影響を及ぼす可能性があり、また、これを活物質とする正極は通常2.5g/cm3以下、好ましくは2.4g/cm3以下、より好ましくは2.2g/cm3以下、最も好ましくは2.0g/cm3以下である。嵩密度がこの上限を上回ることは、粉体充填性や電極密度向上にとって好ましい一方、比表面積が低くなり過ぎる可能性があり、電池性能が低下する可能性がある。
なお、本発明では、嵩密度は、リチウム遷移金属系化合物粉体としてリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉体5〜10gを10mlのガラス製メスシリンダーに入れ、ストローク約20mmで200回タップした時の粉体充填密度(タップ密度)g/cm3を求めた。
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体は、層状構造に帰属する結晶構造を含んで構成されるリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を主成分としたものが好ましい。
ここで、層状構造に関してさらに詳しく述べる。層状構造を有するものの代表的な結晶系としては、LiCoO2、LiNiO2のようなα−NaFeO2型に属するものがあり、これらは六方晶系であり、その対称性から空間群
ただし、層状LiMeO2とは、層状R(−3)m構造に限るものではない。これ以外にもいわゆる層状Mnと呼ばれるLiMnO2は斜方晶系で空間群Pm2mの層状化合物であり、また、いわゆる213相と呼ばれるLi2MnO3は、Li[Li1/3Mn2/3]O2とも表記でき、単斜晶系の空間群C2/m構造であるが、やはりLi層と[Li1/3Mn2/3]層および酸素層が積層した層状化合物である。
本発明において、前記組成式(I)及び(II)を満たす組成を有するリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉体は、CuKα線を使用した粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θが64.5〜65°付近に存在する(110)回折ピークのCuKα1線に由来する半価幅をFWHM(110)とした時に、0.1≦FWHM(110)≦0.3の範囲にあることを特徴とする。一般に、結晶性の尺度としてX線回折ピークの半価幅が用いられることから、結晶性と電池性能の相関について鋭意検討を行った。その結果、FWHM(110)が、規定した範囲内にあるものが良好な電池性能を発現することを見出した。
0≦I110 */I110≦0.15
0≦I113 */I113≦0.30
(ここで、I018、I110、I113は、それぞれ(018)、(110)、(113)回折ピークの積分強度を表し、I018 *、I110 *、I113 *は、それぞれ(018)、(110)、(113)回折ピークのピークトップよりも高角側に現れる異相由来の回折ピークの積分強度を表す。)
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体は、結晶構造が層状R(−3)m構造を含んで構成され、その格子定数が2.860Å≦a≦2.890Å、14.200≦c≦14.280Åの範囲にあることが好ましい。結晶構造及び格子定数は、本発明ではCuKα線を使用した粉末X線回折測定によって得ることができる。
本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体が上述の効果をもたらす理由としては次のように考えられる。
即ち、本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体は、特定の組成領域の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物において、W等の元素を含有する化合物を添加後、一定以上の温度で焼成することにより、焼結が抑えられかつ、電池とした時に電解液との界面抵抗が大幅に低減された表面状態を有するために、これを用いて電池を作製した場合に、優れた特性バランスを達成できたものと推定される。
以下に、本発明のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体の製造方法について説明する。
本発明の方法により、リチウム遷移金属系化合物粉体を製造するに当たり、スラリーの調製に用いる原料化合物のうち、リチウム化合物としては、主としてLi2CO3を使用するが、これを単独で使用する以外に、異なる1種以上のリチウム化合物と併用しても良い。異なるリチウム化合物としては、例えば、LiNO3、LiNO2、LiOH、LiOH・H2O、LiH、LiF、LiCl、LiBr、LiI、CH3OOLi、Li2O、Li2SO4、ジカルボン酸Li、クエン酸Li、脂肪酸Li、アルキルリチウム等が挙げられる。
混合の時間は、混合方法により異なるが、原料が粒子レベルで均一に混合されていれば良く、例えばボールミル(湿式又は乾式)では通常1時間から2日間程度、ビーズミル(湿式連続法)では滞留時間が通常0.1時間から6時間程度である。
湿式混合後は、次いで通常乾燥工程に供される。乾燥方法は特に限定されないが、生成する粒子状物の均一性や粉体流動性、粉体ハンドリング性能、乾燥粒子を効率よく製造できる等の観点から噴霧乾燥が好ましい。
本発明のリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉体等のリチウム遷移金属系化合物粉体の製造方法においては、原料化合物と添加剤とを湿式粉砕して得られたスラリーを噴霧乾燥することにより、一次粒子が凝集して二次粒子を形成してなる粉体を得る。一次粒子が凝集して二次粒子を形成してなる噴霧乾燥粉体は、本発明品の噴霧乾燥粉体の形状的特徴である。形状の確認方法としては、例えば、SEM観察、断面SEM観察が挙げられる。
このようにして得られた焼成前駆体は、次いで焼成処理される。
ここで、本発明において「焼成前駆体」とは、噴霧乾燥粉体を処理して得られる焼成前のリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物等のリチウム遷移金属系化合物の前駆体を意味する。例えば、前述の焼成時に分解ガスを発生又は昇華して、二次粒子内に空隙を形成させる化合物を、上述の噴霧乾燥粉体に含有させて焼成前駆体としてもよい。
焼成により得られた焼成粉体は次いで、解砕したり、電極調製にとって好ましい粒度分布状態に調整したり、粗大異物等を除去したりするために分級を行う。分級法としては、その目的を達成できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、篩分級(振動篩、遠心篩)、気力分級などが挙げられる。具体的な装置としては、例えばダルトン社の「超音波式振動篩」、ツカサ工業社の「パウシフター」、ターボ工業社の「ターボスクリーナー」、ホソカワミクロン社の「ターボプレックス」等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明のリチウム二次電池用正極は、本発明のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体及び結着剤を含有する正極活物質層を集電体上に形成してなるものである。ここで、正極材料としては、本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体の1種のみを用いても良く、2種以上を混合して用いても良く、また、本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体の1種以上と、それ以外の正極活物質粉体の1種以上とを混合して用いても良い。本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体と、それ以外の正極活物質とを併用する場合、本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体による十分な効果を得るために、本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体とそれ以外の正極活物質との合計に対する本発明のリチウム遷移金属系化合物粉体の割合が15重量%以上となるようにすることが好ましく、30重量%以上となるようにすることがより好ましく、50重量%以上となるようにすることが最も好ましい。
かくして、本発明のリチウム二次電池用正極が調整できる。
本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な上記の本発明のリチウム二次電池用正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な負極と、リチウム塩を電解塩とする非水電解質を備える。更に、正極と負極との間に、非水電解質を保持するセパレータを備えていても良い。正極と負極との接触による短絡を効果的に防止するには、このようにセパレータを介在させるのが望ましい。
負極は通常、正極と同様に、負極集電体上に負極活物質層を形成して構成される。
負極集電体の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が用いられる。中でも金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。中でも、金属薄膜が、現在工業化製品に使用されていることから好ましい。なお、薄膜は適宜メッシュ状に形成しても良い。負極集電体として金属薄膜を使用する場合、その好適な厚さの範囲は、正極集電体について上述した範囲と同様である。
化錫や酸化ケイ素などの金属酸化物、Li2.6Co0.4Nなどの窒化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金などが挙げられる。これらの炭素材料以外の材料は、それぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、上述の炭素材料と組み合わせて用いても良い。
非水電解質としては、例えば公知の有機電解液、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質等を用いることができるが、中でも有機電解液が好ましい。有機電解液は、有機溶媒に溶質(電解質)を溶解させて構成される。
電解質として前述の有機電解液を用いる場合には、電極同士の短絡を防止するために、正極と負極との間にセパレータが介装される。セパレータの材質や形状は特に制限されないが、使用する有機電解液に対して安定で、保液性に優れ、且つ、電極同士の短絡を確実に防止できるものが好ましい。好ましい例としては、各種の高分子材料からなる微多孔性のフィルム、シート、不織布等が挙げられる。高分子材料の具体例としては、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン高分子が用いられる。特に、セパレータの重要な因子である化学的及び電気化学的な安定性の観点からは、ポリオレフィン系高分子が好ましく、電池におけるセパレータの使用目的の一つである自己閉塞温度の点からは、ポリエチレンが特に望ましい。
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明のリチウム二次電池用正極と、負極と、電解質と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。
後述の各実施例及び比較例において製造されたリチウム遷移金属系化合物粉体の物性等は、各々次のようにして測定した。
比較例2については3,000倍、比較例5については10,000倍、その他は30,000倍のSEM画像により求めた。
二次粒子のメジアン径は超音波分散5分後に測定した。
試料粉体4〜10gを10mlのガラス製メスシリンダーに入れ、ストローク約20mmで200回タップした時の粉体充填密度として求めた。
水銀圧入法による測定装置としては、Micromeritics社製オートポアIII9420型を用いた。また、水銀圧入法の測定条件としては、室温で3.86kPaから413MPaまで昇圧しながら測定を行った。なお、水銀の表面張力の値としては480dyn/cm、接触角の値としては141.3°を用いた。
BET法により求めた。
粉体抵抗率測定装置(ダイアインスツルメンツ社製:ロレスターGP粉体低効率測定システムPD−41)を用い、試料重量2gとし、粉体用プローブユニット(四探針・リング電極、電極間隔5.0mm、電極半径1.0mm、試料半径12.5mm)により、印加電圧リミッタを90Vとして、種々加圧下の粉体の体積抵抗率[Ω・cm]を測定し、40MPaの圧力下における体積抵抗率の値について比較した。
ICP−AES分析により求めた。
ICP−AES分析により求めた。
装置:Thermo Fisher Scientific製Nicoret
Almega XR
前処理:銀蒸着(10nm)
励起波長:532nm
励起出力:試料位置で0.5mW以下
解析方法:各ピークから直線バックグラウンドを除いた高さ及び半値幅を測定
スペクトル分解能:10cm−1
装置:Nicoret Magna560
測定法:透過法(KBr)
分解能:4cm−1
積算回数:100回
試料調整方法:試料0.5mgとKBr0.2gを計り取り、乳鉢で手早く混合し、
この混合粉全量をφ10mmのプレス治具に入れ、8tonのプレ
ス圧で成型した。
(XPS測定)
Physical Electronics社製 X線光電子分光装置「ESCA−5700」を用い、下記条件で行った。
X線源:単色化AlKα
分析面積:0.8mm径
取り出し角:65°
定量方法:B1s、Mn2p1/2、Co2p3/2、Ni2p3/2、W4f、
Ta4f
各ピークの面積を感度係数で補正。
(表面スパッタリング)
イオン種:Ar
加速電圧:3kV
イオン電流:4.7nA(実施例1〜5、比較例3)
6.9nA(実施例6,7)
6.6nA(比較例1)
スパッタリングレート:
2.91nm/min(SiO2換算)(実施例1〜5、比較例3)
2.31nm/min(SiO2換算)(実施例6,7)
2.29nm/min(SiO2換算)(比較例1)
(株)堀場製作所製EMIA−520炭素硫黄分析計を使用した。数十から100mgの試料を、空焼きした磁性るつぼに秤り取り、助燃剤を加えて、酸素気流中、高周波加熱炉で炭素を燃焼抽出した。燃焼ガス中のCO2を、非分散赤外吸光光度法により定量した。感度較正には社団法人日本鉄鋼連盟製150−15低合金鋼1号(C保障値:0.469重量%)を使用した。
以下に記載のCuKα線を使用した粉末X線回折測定により求めた。測定は可変スリットモードで行い、強度(固定)=強度(可変)/sinθの計算式により固定スリットを使用した場合の強度に変換した。各試料で観測された六方晶系R−3m(No.166)由来の(018)、(110)、(113)回折ピークについてプロファイルフィッティングを実施し、CuKα1由来のピーク半価幅FWHM(110)、積分強度、積分強度比を算出した。
(粉末X線回折測定装置仕様)
装置名:オランダ PANalytical社製
X‘Pert Pro MPD
光学系:集中法光学系
(測定条件)
X線出力(CuKα):40kV、30mA、走査軸:θ/2θ
走査範囲(2θ):10.0−155.0°
X線回折図形をリートベルト解析プログラムRIETAN−FPにより解析した。結晶構造モデルの空間群をR(−3)m[166]、遷移金属元素を(Ni、Mn、Co)を組成比で足し合わせた電子密度を有する仮想原子M=(1−x−y)Ni+xMn+yCo、3a(Li)サイトの占有率および3b(M)サイトの占有率の和をそれぞれ1(Li3a+M3a=1、M3b+Li3b=1)とした。(Ni、Mn、Co)原子を中心とした酸素八面体の歪みODPは次式により求めた。
公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用い、屈折率を1.24に設定し、粒子径基準を体積基準として測定した。また、分散媒としては0.1重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、5分間の超音波分散(出力30W、周波数22.5kHz)後に測定を行った。
公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)を用い、屈折率を1.24に設定し、粒子径基準を体積基準として測定した。また、分散媒としてエチルアルコールを用い、5分間の超音波分散(出力30W、周波数22.5kHz)後に測定を行った。
形態はSEM観察及び断面SEM観察により確認した。平均粒子径としてのメジアン径及び90%積算径(D90)は、公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)によって、屈折率を1.24に設定し、粒子径基準を体積基準として測定した。また、分散媒としては0.1重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、0分、1分、3分、5分間の超音波分散(出力30W、周波数22.5kHz)後に測定を行った。比表面積は、BET法により求めた。嵩密度は、試料粉体4〜10gを10mlのガラス製メスシリンダーに入れ、ストローク約20mmで200回タップした時の粉体充填密度として求めた。
以下の実施例及び比較例で製造したリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粉体をそれぞれ正極材料(正極活物質)として用いて、以下の方法によりリチウム二次電池を作製し、評価を行った。
得られたリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粉体75重量%と、アセチレンブラック20重量%、ポリテトラフルオロエチレンパウダー5重量%の割合で秤量したものを乳鉢で十分混合し、薄くシート状にしたものを9mmφのポンチを用いて打ち抜いた。この際、全体重量は約8mgになるように調整した。これをアルミニウムエキスパンドメタルに圧着して、9mmφの正極とした。
この時の1サイクル目の0.1C放電容量(mAh/g)(初回放電容量)と3サイクル目の0.1C放電容量(mAh/g)(3サイクル目放電容量)を調べた。
得られたリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粉体75重量%、アセチレンブラック20重量%、ポリテトラフルオロエチレンパウダー5重量%の割合で秤量したものを乳鉢で十分混合し、薄くシート状にしたものを12mmφのポンチを用いて打ち抜いた。この際、全体重量は約18mgになるように調整した。これをアルミニウムエキスパンドメタルに圧着して、12mmφの正極とした。
正極活物質重量[g]/負極活物質重量[g]
=(Qf[mAh/g]/1.2)Qs(C)[mAh/g]
1C[mA] = Qs(D)×正極活物質重量[g]/時間[h]
R[Ω] = ΔV[mV]/0.5C[mA]
この時、60℃での1C充放電100サイクル目の放電容量Qh(100)の割合を、下記の式で高温サイクル容量維持率Pとして算出し、この値で電池の高温特性を比較した。
P[%]={Qh(100)/Qh(1)}×100
次に上記と同様にして、この高温サイクル試験後の抵抗値R[Ω]を算出した。
<実施例1>
Li2CO3、Ni(OH)2、Mn3O4、CoOOH、WO3を、Li:Ni:Mn:Co:W=1.05:0.50:0.30:0.20:0.010のモル比となるように秤量し、混合した後、これに純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分をメジアン径0.30μmに粉砕した。
次に、このスラリー(固形分含有量15重量%、粘度1290cp)を、二流体ノズル型スプレードライヤー(大川原化工機(株)製:LT−8型)を用いて噴霧乾燥した。この時の乾燥ガスとして空気を用い、乾燥ガス導入量Gは45L/min、スラリー導入量Sは7×10−3mL/minとした(気液比G/S=6429)。また、乾燥入り口温度は150℃とした。スプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉末、約15gをアルミナ製るつぼに仕込み、空気雰囲気下、1000℃で6時間焼成(昇降温速度3.33℃/min.)した後、分級(45μm)を行い、体積抵抗率が6.7×103Ω・cm、含有炭素濃度は0.042重量%、組成がLi(Li0.030Ni0.485Mn0.293Co0.192)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.302、y=0.198、z=0.061)を得た。また、(Ni,Mn,Co)トータルのモル比を1とした時、Wの含有モル比率は0.96モル%であった。この平均一次粒径は0.4μmで、メジアン径は6.0μm、90%積算径(D90)は9.4μm、嵩密度は1.5g/cm3、BET比表面積は1.7m2/gであった。さらに、粒子全体のW(タングステン)の原子比(W/(Ni+Mn+Co))に対して、一次粒子表面のWの原子比は17.0倍となっていた。また、粒子最表面における(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの原子比R0と、粒子表面から深さ10nmにおける(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの合計の原子比R10との割合R0/R10は4.5であった。
Li2CO3、Ni(OH)2、Mn3O4、CoOOH、WO3を、Li:Ni:Mn:Co:W=1.05:0.50:0.30:0.20:0.010のモル比となるように秤量し、混合した後、これに純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機(DM45型)を用いて、スラリー中の固形分をメジアン径0.32μmに粉砕した。
次に、このスラリー(固形分含有量18重量%、粘度1330cp)を、四流体ノズル型スプレードライヤー(藤崎電機(株)製:MDP−050型)を用いて噴霧乾燥した。この時の乾燥ガスとして空気を用い、乾燥ガス導入量Gは1600L/min、スラリー導入量Sは780mL/minとした(気液比G/S=2051)。また、乾燥入り口温度は200℃とした。スプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉末、約500gをアルミナ製角鉢に仕込み、空気雰囲気下、1000℃で4.75時間焼成(昇温速度1.85℃/min、降温速度:約3.33℃/min)した後、分級(45μm)を行い、体積抵抗率が8.8×103Ω・cm、含有炭素濃度は0.054重量%、組成がLi(Li0.022Ni0.493Mn0.292Co0.193)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.299、y=0.197、z=0.045)を得た。また、(Ni,Mn,Co)トータルのモル比を1とした時、Wの含有モル比率は0.96モル%であった。この平均一次粒径は0.3μmで、メジアン径は7.1μm、90%積算径(D90)は11.4μm、嵩密度は1.6g/cm3、BET比表面積は1.7m2/gであった。さらに、粒子全体のW(タングステン)の原子比(W/(Ni+Mn+Co))に対して、一次粒子表面のWの原子比は16.3倍となっていた。また、粒子最表面における(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの原子比R0と、粒子表面から深さ10nmにおける(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの合計の原子比R10との割合R0/R10は4.4であった。
Li2CO3、Ni(OH)2、Mn3O4、CoOOH、H3BO3、WO3を、Li:Ni:Mn:Co:B:W=1.05:0.50:0.30:0.20:0.0025:0.010のモル比となるように秤量し、混合した後、これに純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分をメジアン径0.28μmに粉砕した。
次に、このスラリー(固形分含有量15重量%、粘度1160cp)を、二流体ノズル型スプレードライヤー(大川原化工機(株)製:LT−8型)を用いて噴霧乾燥した。この時の乾燥ガスとして空気を用い、乾燥ガス導入量Gは45L/min、スラリー導入量Sは6×10−3mL/minとした(気液比G/S=7500)。また、乾燥入り口温度は150℃とした。スプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉末、約15gをアルミナ製るつぼに仕込み、空気雰囲気下、975℃で6時間焼成(昇降温速度3.33℃/min.)した後、解砕して、体積抵抗率が4.9×104Ω・cm、含有炭素濃度は0.055重量%、組成がLi(Li0.024Ni0.489Mn0.293Co0.194)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.301、y=0.199、z=0.049)を得た。また、(Ni,Mn,Co)トータルのモル比を1とした時、B及びWの含有モル比率はそれぞれ0.96モル%、0.24モル%であった。この平均一次粒径は0.4μmで、メジアン径4.6μm、90%積算径(D90)は6.9μm、嵩密度は1.8g/cm3、BET比表面積は1.7m2/gであった。さらに、粒子全体のB(ホウ素)の原子比(B/(Ni+Mn+Co))に対して、一次粒子表面のBの原子比は32.0倍、粒子全体のW(タングステン)の原子比(W/(Ni+Mn+Co))に対して、一次粒子表面のWの原子比は13.5倍となっていた。また、粒子最表面における(Ni,Mn,Co)の合計に対するBまたはWの原子比R0と、粒子表面から深さ10nmにおける(Ni,Mn,Co)の合計に対するBまたはWの合計の原子比R10との割合R0/R10は、Bが3.3、Wが4.0であった。
Li2CO3、Ni(OH)2、Mn3O4、CoOOH、WO3を、Li:Ni:Mn:Co:W=1.05:0.40:0.40:0.20:0.010のモル比となるように秤量し、混合した後、これに純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分をメジアン径0.25μmに粉砕した。
次に、このスラリー(固形分含有量15重量%、粘度980cp)を、二流体ノズル型スプレードライヤー(大川原化工機(株)製:LT−8型)を用いて噴霧乾燥した。この時の乾燥ガスとして空気を用い、乾燥ガス導入量Gは45L/min、スラリー導入量Sは6×10−3mL/minとした(気液比G/S=7500)。また、乾燥入り口温度は150℃とした。スプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉末、約15gをアルミナ製るつぼに仕込み、空気雰囲気下、1000℃で6時間焼成(昇降温速度3.33℃/min.)した後、分級(45μm)を行い、体積抵抗率が4.8×105Ω・cm、含有炭素濃度は0.025重量%、組成がLi(Li0.035Ni0.386Mn0.389Co0.190)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.404、y=0.197、z=0.073)を得た。また、(Ni,Mn,Co)トータルのモル比を1とした時、Wの含有モル比率は0.95モル%であった。この平均一次粒径は0.3μmで、メジアン径は2.5μm、90%積算径(D90)は4.6μm、嵩密度は1.1g/cm3、BET比表面積は2.7m2/gであった。さらに、粒子全体のW(タングステン)の原子比(W/(Ni+Mn+Co))に対して、一次粒子表面のWの原子比は10.1倍となっていた。また、粒子最表面における(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの原子比R0と、粒子表面から深さ10nmにおける(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの合計の原子比R10との割合R0/R10は4.0であった。
Li2CO3、Ni(OH)2、Mn3O4、CoOOH、WO3を、Li:Ni:Mn:Co:W=1.05:0.60:0.20:0.20:0.010のモル比となるように秤量し、混合した後、これに純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分をメジアン径0.30μmに粉砕した。
次に、このスラリー(固形分含有量15重量%、粘度1480cp)を、二流体ノズル型スプレードライヤー(大川原化工機(株)製:LT−8型)を用いて噴霧乾燥した。この時の乾燥ガスとして空気を用い、乾燥ガス導入量Gは45L/min、スラリー導入量Sは6.7×10−3mL/minとした(気液比G/S=6716)。また、乾燥入り口温度は150℃とした。スプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉末、約15gをアルミナ製るつぼに仕込み、空気雰囲気下、850℃で6時間焼成(昇降温速度3.33℃/min.)した後、分級(45μm)を行い、体積抵抗率が5.3×102Ω・cm、含有炭素濃度は0.119重量%、組成がLi(Li0.028Ni0.587Mn0.193Co0.192)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.199、y=0.197、z=0.058)を得た。また、(Ni,Mn,Co)トータルのモル比を1とした時、Wの含有モル比率は0.95モル%であった。この平均一次粒径は0.2μmで、メジアン径は5.0μm、90%積算径(D90)は7.5μm、嵩密度は1.9g/cm3、BET比表面積は1.6m2/gであった。さらに、粒子全体のW(タングステン)の原子比(W/(Ni+Mn+Co))に対して、一次粒子表面のWの原子比は8.6倍となっていた。また、粒子最表面における(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの原子比R0と、粒子表面から深さ10nmにおける(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの合計の原子比R10との割合R0/R10は3.4であった。
Li2CO3、Ni(OH)2、Mn3O4、CoOOH、Ta2O5を、Li:Ni:Mn:Co:Ta=1.05:0.50:0.30:0.20:0.010のモル比となるように秤量し、混合した後、これに純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分をメジアン径0.29μmに粉砕した。
次に、このスラリー(固形分含有量15重量%、粘度1670cp)を、二流体ノズル型スプレードライヤー(大川原化工機(株)製:LT−8型)を用いて噴霧乾燥した。この時の乾燥ガスとして空気を用い、乾燥ガス導入量Gは45L/min、スラリー導入量Sは7×10−3mL/minとした(気液比G/S=6429)。また、乾燥入り口温度は150℃とした。スプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉末、約15gをアルミナ製るつぼに仕込み、空気雰囲気下、900℃で6時間焼成(昇降温速度3.33℃/min.)した後、分級(45μm)を行い、体積抵抗率が2.5×103Ω・cm、含有炭素濃度は0.054重量%、組成がLi(Li0.044Ni0.472Mn0.295Co0.189)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.308、y=0.198、z=0.091)を得た。また、(Ni,Mn,Co)トータルのモル比を1とした時、Taの含有モル比率は0.92モル%であった。この平均一次粒径は0.3μmで、メジアン径は3.7μm、90%積算径(D90)は6.1μm、嵩密度は1.3g/cm3、BET比表面積は2.2m2/gであった。さらに、粒子全体のTa(タンタル)の原子比(Ta/(Ni+Mn+Co))に対して、一次粒子表面のTaの原子比は7.6倍となっていた。また、粒子最表面における(Ni,Mn,Co)の合計に対するTaの原子比R0と、粒子表面から深さ10nmにおける(Ni,Mn,Co)の合計に対するTaの合計の原子比R10との割合R0/R10は4.3であった。
比表面積は0.7m2/gであった。
焼成温度を950℃とした以外は実施例6と同様に作製し、体積抵抗率が6.1×103Ω・cm、含有炭素濃度は0.033重量%、組成がLi(Li0.046Ni0.473Mn0.293Co0.188)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.307、y=0.197、z=0.097)を得た。また、(Ni,Mn,Co)トータルのモル比を1とした時、Taの含有モル比率は0.98モル%であった。この平均一次粒径は0.6μmで、メジアン径は5.0μm、90%積算径(D90)は7.3μm、嵩密度は1.4g/cm3、BET比表面積は1.0m2/gであった。さらに、粒子全体のTa(タンタル)の原子比(Ta/(Ni+Mn+Co))に対して、一次粒子表面のTaの原子比は8.7倍となっていた。また、粒子最表面における(Ni,Mn,Co)の合計に対するTaの原子比R0と、粒子表面から深さ10nmにおける(Ni,Mn,Co)の合計に対するTaの合計の原子比R10との割合R0/R10は5.1であった。
Li2CO3、Ni(OH)2、Mn3O4、CoOOH、WO3を、Li:Ni:Mn:Co:W=1.12:0.45:0.45:0.10:0.010のモル比となるように秤量し、混合した後、これに純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機(DM45型)を用いて、スラリー中の固形分をメジアン径0.23μmに粉砕した。
次に、このスラリー(固形分含有量16.5重量%、粘度1650cp)を、四流体ノズル型スプレードライヤー(藤崎電機(株)製:MDP−050型)を用いて噴霧乾燥した。この時の乾燥ガスとして空気を用い、乾燥ガス導入量Gは1600L/min、スラリー導入量Sは780mL/minとした(気液比G/S=2051)。また、乾燥入り口温度は200℃とした。スプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉末、約370gをアルミナ製角鉢に仕込み、空気雰囲気下、1000℃で2時間焼成(昇温速度1.7℃/min、降温速度:約3.3℃/min)した後、目通し45μmのパウシフター(ツカサ工業(株)製)を用いて分級し、体積抵抗率が6.3×104Ω・cm、含有炭素濃度は0.031重量%、組成がLi(Li0.053Ni0.425Mn0.427Co0.095)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.451、y=0.100、z=0.111)を得た。また、(Ni,Mn,Co)トータルのモル比を1とした時、Wの含有モル比率は1.01モル%であった。この平均一次粒径は0.2μmで、メジアン径は2.7μm、90%積算径(D90)は4.9μm、嵩密度は1.0g/cm3、BET比表面積は2.8m2/gであった。さらに、粒子全体のW(タングステン)の原子比(W/(Ni+Mn+Co))に対して、一次粒子表面のWの原子比は7.8倍となっていた。また、粒子最表面における(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの原子比R0と、粒子表面から深さ10nmにおける(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの合計の原子比R10との割合R0/R10は4.5であった。
Li2CO3、Ni(OH)2、Mn3O4、CoOOHを、Li:Ni:Mn:Co=1.05:0.50:0.30:0.20のモル比となるように秤量し、混合した後、これに純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分をメジアン径0.26μmに粉砕した。
次に、このスラリー(固形分含有量15重量%、粘度1690cp)を、二流体ノズル型スプレードライヤー(大川原化工機(株)製:LT−8型)を用いて噴霧乾燥した。この時の乾燥ガスとして空気を用い、乾燥ガス導入量Gは45L/min、スラリー導入量Sは7.0×10−3mL/minとした(気液比G/S=6429)。また、乾燥入り口温度は150℃とした。スプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉末、約15gをアルミナ製るつぼに仕込み、空気雰囲気下、1000℃で6時間焼成(昇降温速度3.33℃/min.)した後、分級(45μm)を行い、体積抵抗率が1.0×103Ω・cm、含有炭素濃度は0.024重量%、組成がLi(Li0.033Ni0.483Mn0.293Co0.191)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.303、y=0.198、z=0.068)を得た。この平均一次粒径は5.1μmで、メジアン径は8.9μm、90%積算径(D90)は13.5μm、嵩密度は2.7g/cm3、BET比表面積は0.7m2/gであった。
焼成温度を850℃とした以外は実施例1と同様に作製し、体積抵抗率が1.3×103Ω・cm、含有炭素濃度は0.088重量%、組成がLi(Li0.043Ni0.472Mn0.294Co0.191)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.307、y=0.199、z=0.091)を得た。また、(Ni,Mn,Co)トータルのモル比を1とした時、Wの含有モル比率は0.94モル%であった。この平均一次粒径は0.2μmで、メジアン径は3.9μm、90%積算径(D90)は6.4μm、嵩密度は1.4g/cm3、BET比表面積は4.0m2/gであった。さらに、粒子全体のW(タングステン)の原子比(W/(Ni+Mn+Co))に対して、一次粒子表面のWの原子比は6.1倍となっていた。また、粒子最表面における(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの原子比R0と、粒子表面から深さ10nmにおける(Ni,Mn,Co)の合計に対するWの合計の原子比R10との割合R0/R10は3.2であった。
Li2CO3、Ni(OH)2、Mn3O4、CoOOHを、Li:Ni:Mn:Co=1.05:0.40:0.40:0.20のモル比となるように秤量し、混合した後、これに純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分をメジアン径0.27μmに粉砕した。
次に、このスラリー(固形分含有量15重量%、粘度1260cp)を、二流体ノズル型スプレードライヤー(大川原化工機(株)製:LT−8型)を用いて噴霧乾燥した。この時の乾燥ガスとして空気を用い、乾燥ガス導入量Gは45L/min、スラリー導入量Sは6.7×10−3mL/minとした(気液比G/S=6716)。また、乾燥入り口温度は150℃とした。スプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉末、約15gをアルミナ製るつぼに仕込み、空気雰囲気下、1000℃で6時間焼成(昇降温速度3.33℃/min.)した後、分級(45μm)を行い、体積抵抗率が5.1×104Ω・cm、含有炭素濃度は0.027重量%、組成がLi(Li0.037Ni0.384Mn0.389Co0.190)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.404、y=0.197、z=0.076)を得た。この平均一次粒径は0.6μmで、メジアン径は4.2μm、90%積算径(D90)は6.5μm、嵩密度は1.3g/cm3、BET比表面積は2.7m2/gであった。
Li2CO3、Ni(OH)2、Mn3O4、CoOOHを、Li:Ni:Mn:Co=1.05:0.60:0.20:0.20のモル比となるように秤量し、混合した後、これに純水を加えてスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分をメジアン径0.29μmに粉砕した。
次に、このスラリー(固形分含有量14重量%、粘度1610cp)を、二流体ノズル型スプレードライヤー(大川原化工機(株)製:LT−8型)を用いて噴霧乾燥した。この時の乾燥ガスとして空気を用い、乾燥ガス導入量Gは45L/min、スラリー導入量Sは6.7×10−3mL/minとした(気液比G/S=6716)。また、乾燥入り口温度は150℃とした。スプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉末、約15gをアルミナ製るつぼに仕込み、空気雰囲気下、900℃で6時間焼成(昇降温速度3.33℃/min.)した後、分級(45μm)を行い、体積抵抗率が2.7×103Ω・cm、含有炭素濃度は0.270重量%、組成がLi(Li0.038Ni0.577Mn0.194Co0.191)O2のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(x=0.202、y=0.198、z=0.078)を得た。この平均一次粒径は1.5μmで、メジアン径は4.0μm、90%積算径(D90)は12.9μm、嵩密度は2.6g/cm3、BET比表面積は1.4m2/gであった。
実施例1〜7及び比較例1〜5で製造したリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粉体をそれぞれ正極材料(正極活物質)として用いて、前述の方法によりリチウム二次電池を作製して評価を行い、結果を表9に示した。
Claims (24)
- 組成が下記式(I)で示され、かつ、Mo、W、Nb、Ta及びReから選ばれる少なくとも1種以上の元素が、式(I)におけるMn、Ni及びCoの合計モル量に対して、0.1モル%以上、5モル%以下の割合で含有されているリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体であって、
CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、回折角2θが64.5〜65°付近に存在する(110)回折ピークのCuKα1線に由来する半価幅をFWHM(110)とした時に、0.01≦FWHM(110)≦0.3で表されることを特徴とするリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
[L]3a[M]3b[O2]6c …(I)
(ただし、上記式(I)中、Lは少なくともLiを含む元素であり、Mは、少なくともNi、Mn及びCo、或いは、Li、Ni、Mn及びCoを含む元素であり、
0.4≦Ni/(Mn+Ni+Co)モル比<0.7
0.1<Mn/(Mn+Ni+Co)モル比≦0.4
0.1≦Co/(Mn+Ni+Co)モル比≦0.3
であり、M中のLiモル比は0以上、0.05以下である。
また、[ ]の次の添え字は、結晶構造におけるサイトを表し、3aサイトはLiサイト、3bサイトは遷移金属サイト、6cサイトは酸素サイトとする。) - 前記式(I)中のMが、下記式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
M=Liz/(2+z)(Ni1−x−yMnxCoy)2/(2+z) …(II)
(ただし、上記式(II)中、
0.1<x≦0.4
0.15≦y≦0.25
0.001≦z≦0.1
である。) - CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、回折角2θが64〜64.5°付近に存在する(018)回折ピーク、64.5〜65°付近に存在する(110)回折ピーク、及び68〜68.5°付近に存在する(113)回折ピークにおいて、それぞれのピークトップよりも高角側に、異相由来の回折ピークを持たないか、あるいは異相由来の回折ピークを有する場合、本来の結晶相の回折ピークに対する異相ピークの積分強度比が、各々、以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
0≦I018 */I018≦0.10
0≦I110 */I110≦0.15
0≦I113 */I113≦0.30
(ここで、I018、I110、I113は、それぞれ(018)、(110)、(113)回折ピークの積分強度を表し、I018 *、I110 *、I113 *は、それぞれ(018)、(110)、(113)回折ピークのピークトップよりも高角側に現れる異相由来の回折ピークの積分強度を表す。) - リチウム遷移金属系化合物粉体の一次粒子が凝集して二次粒子を形成しており、二次粒子のメジアン径Aと平均径(平均一次粒子径B)との比A/Bが8〜100の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 一次粒子の表面部分のLi並びにMo、W、Nb、Ta及びRe以外の金属元素の合計に対するMo、W、Nb、Ta及びReの合計の原子比が、一次粒子全体の該原子比の5倍以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 一次粒子最表面におけるLi並びにMo、W、Nb、Ta及びRe以外の金属元素の合計に対するMo、W、Nb、Ta及びReの合計の原子比R0と、一次粒子表面から深さ10nmにおけるLi及び前記金属元素以外の金属元素の合計に対する該金属元素の合計の原子比R10との割合R0/R10が、3倍以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- Mo、W、Nb、Ta及びReから選ばれる少なくとも1種以上の元素が、一次粒子表面から深さ方向に非直線的な濃度勾配を持って存在する連続的組成傾斜構造を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 前記式(I)において、3aサイトへのLi以外の金属元素の混入率が6%以下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 赤外線吸収スペクトルにおいて、560〜610cm−1付近に出現するピークと、515〜540cm−1付近に出現するピークとの差が、40cm−1以上、80cm−1以下となる結合構造を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 表面増強ラマン分光スペクトルにおいて、530cm−1以上、630cm−1以下にピークAを有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 40MPaの圧力で圧密した時の体積抵抗率が1×101Ω・cm以上、5×106Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 含有炭素濃度をC値(重量%)とした時、C値が0.005%以上、0.25重量%以下であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって、屈折率を1.24に設定し、粒子径基準を体積基準として、5分間の超音波分散(出力30W、周波数22.5kHz)後に測定されたメジアン径が1μm以上、20μm以下であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 一次粒子の平均径が0.1μm以上、1μm以下であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- BET比表面積が0.5m2/g以上、3m2/gであることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 水銀圧入法による水銀圧入曲線において、圧力3.86kPaから413MPaまでの昇圧時における水銀圧入量が、0.4cm3/g以上、1.2cm3/g以下であることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 水銀圧入法による細孔分布曲線が、細孔半径400nm以上、1500nm以下にピークトップが存在するメインピークを少なくとも1つ以上有し、かつ、細孔半径80nm以上、400nm未満にピークトップが存在するサブピークを有することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 水銀圧入法による細孔分布曲線において、細孔半径400nm以上、1500nm以下にピークトップが存在するメインピークに係る細孔容量が0.2cm3/g以上、0.8cm3/g以下であり、かつ、細孔半径80nm以上、400nm未満にピークトップが存在するサブピークに係る細孔容量が0.01cm3/g以上、0.2cm3/g以下であることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 嵩密度が1.0g/cm3以上、2.5g/cm3以下であることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- リチウム原料として炭酸リチウムを使用し、かつ、酸素含有ガス雰囲気下において、焼成温度1150−500(1−x−y)(ただし、x、yは、前記式(II)におけるx,yと同義であり、0.1≦x≦0.4、0.15≦y≦0.25を表す。)℃以上で焼成されたものであることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体。
- 炭酸リチウムと、Ni化合物、Mn化合物、Co化合物と、Mo、W、Nb、Ta及びReから選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む金属化合物とを、液体媒体中で粉砕し、これらを均一に分散させたスラリーを噴霧乾燥する噴霧乾燥工程と、得られた噴霧乾燥体を焼成する焼成工程とを含むことを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体の製造方法。
- スラリー調整工程において、液体媒体中で、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって、屈折率を1.24に設定し、粒子径基準を体積基準として、5分間の超音波分散(出力30W、周波数22.5kHz)後に測定するメジアン径が0.5μm以下になるまで粉砕し、噴霧乾燥工程において、噴霧乾燥時のスラリー粘度をV(cp)、スラリー供給量をS(L/min)、ガス供給量をG(L/min)とした際、50cp≦V≦4000cp、500≦G/S≦10000となる条件で噴霧乾燥を行うことを特徴とする請求項21に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体の製造方法。
- 請求項1ないし20のいずれか1項に記載のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体と結着剤とを含有する正極活物質層を集電体上に有することを特徴とするリチウム二次電池用正極。
- リチウムを吸蔵・放出可能な負極、リチウム塩を含有する非水電解質、及びリチウムを吸蔵・放出可能な正極を備えたリチウム二次電池であって、正極として請求項23に記載のリチウム二次電池用正極を用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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