JP2011105594A - ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物、層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物及びリチウム二次電池正極材料とそれを用いたリチウム二次電池用正極、並びにリチウム二次電池 - Google Patents

ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物、層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物及びリチウム二次電池正極材料とそれを用いたリチウム二次電池用正極、並びにリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】容量が高く、レート特性に優れ、高温サイクル特性にも優れた、性能バランスの良いリチウム二次電池を実現し得るニッケルマンガンコバルト系複合酸化物及び層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を工業的有利に提供する。
【解決手段】特定の式で表されるスピネル構造を有する複合酸化物の単一相であるニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を前駆体として得られる層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物であって、一次粒子が凝集して二次粒子を形成してなり、平均一次粒子径の標準偏差sが0.15以下であり、ニッケル、マンガン、及びコバルトの各元素が均一に分散してなる層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物。この層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物よりなるリチウム二次電池正極材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物及びその製造方法と、このニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を用いてなる層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物及びその製造方法と、この層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を用いたリチウム二次電池用正極、並びにこのリチウム二次電池用正極を備えるリチウム二次電池に関するものである。
リチウム二次電池は、エネルギー密度及び出力密度等に優れ、小型、軽量化に有効であるため、ノート型パソコン、携帯電話及びハンディビデオカメラ等の携帯機器の電源として、その需要は急激な伸びを示している。リチウム二次電池はまた、電気自動車や電力のロードレベリング等の電源としても注目されている。
リチウム二次電池には、通常、正極活物質として、リチウム・マンガン複合酸化物や、これら複合酸化物の遷移金属の一部を他の金属で置換したリチウムと遷移金属とのリチウム系複合酸化物が用いられている。これらのリチウム系複合酸化物を用いたリチウム二次電池は、いずれも電圧及び出力が高いという利点を有する。そして、リチウム系複合酸化物として種々の組成のものが提案されているが、中でも好ましいものの一つは層状構造のリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物であり、このものを正極活物質とする電池は安全性が高いとされている。
従来、層状構造のリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を製造する方法としては、リチウム化合物、ニッケル化合物、マンガン化合物及びコバルト化合物からなる固相混合物を酸素雰囲気下又は空気中で850℃で焼成する方法が提案されている(特許文献1,2)。
正極活物質としての層状構造のリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物にあっては、ニッケル、マンガン、コバルトの各元素が高度に均一分散している(組成の均一化)ことが重要である。
しかしながら、特許文献1,2の方法で得られる層状構造のリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物は、各原料化合物を直接混合して焼成するため、各々の原料の反応性が異なる結果、組成の不均一化が起こり易いという問題があり、十分満足のいく電池性能を得ることが困難であった。
そこで、組成均一化の点から、共沈法により3種の遷移金属元素を原子レベルで均一に分散させて固溶体を形成する技術により得たニッケルマンガンコバルト共沈複合水酸化物を前駆体とし、これとリチウム化合物との混合物を焼成する製造方法が開示されている(特許文献3)。
しかしながら、特許文献3の方法は、高度な技術が必要であることに加え、設備や生産量の点からも工業的な問題点があるため、より工業的に有利な組成均一化の手法が望まれていた。
また、遷移金属成分として、ニッケル元素を主要構成元素とするリチウムニッケル系複合酸化物を製造するに当たり、式NiO(MはCo、Mn、Cr、Fe、Mgからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属元素で、0.7≦v≦0.95、v+w=1)で表される酸化物前駆体と水酸化リチウム又はその水和物との混合物を焼成して、リチウムニッケル系複合酸化物を得る製造方法や、LiNi1−u(但し、MはCo,Al、Mg、Mn、Ti、Fe、Cu、Zn、Gaからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属元素で、0.25≧u≧0)で表されるリチウムニッケル系複合酸化物を製造するに際し、Mが固溶又は添加されたニッケル複合水酸化物を熱処理することによって得られるニッケル複合酸化物と、リチウム化合物とを混合し、熱処理してリチウムニッケル系複合酸化物を得る製造方法が開示されている(特許文献4,5)。
しかしながら、ここで用いられているニッケルを主体とする複合酸化物前駆体は、その結晶構造が岩塩型構造であり、後述する本発明のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物のようなスピネル構造ではない。後述の(I)式で示される本発明のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物組成では、岩塩型構造の単一相を得るのが極めて困難である。
一方、特定の組成からなるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の特性を改良すべく、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物前駆体とリチウム化合物との混合物を焼成する製造方法も開示がされている(特許文献6)。しかしながら、特許文献6の請求項に記載される焼成温度では、後述する本発明のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物のようなスピネル構造の単一相は得られず、組成金属組成比の異なる相が混在している可能性が高い。そのため、組成均一化の点で好ましくないため、十分満足のいく電池性能が発揮されないものと考えられる。
特開平8−37007号公報 特開平5−242891号公報 特開2003−17052号公報 特開平10−188987号公報 特開2003−168428号公報 特開2003−242976号公報
本発明は、容量が高く、レート特性に優れ、高温サイクル特性にも優れた、性能バランスの良いリチウム二次電池を実現し得るニッケルマンガンコバルト系複合酸化物及び層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を工業的有利に提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、好ましくは、ニッケル化合物、マンガン化合物、及びコバルト化合物を含有する高度に粉砕された原料スラリーの噴霧乾燥物を特定の焼成条件にて焼成して得られる、スピネル構造の単一相を有するニッケルマンガンコバルト複合酸化物を前駆体とし、この前駆体とリチウム化合物とを混合して特定の焼成条件で焼成することにより、工業的に有利な方法でリチウム二次電池正極材料として優れた性能を発揮できる層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明(請求項1)の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物は、一次粒子が凝集して二次粒子を形成してなり、一次粒子の平均粒子径の標準偏差sが0.15以下であることを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池正極材料は、本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物よりなることを特徴とする。
本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の製造方法は、このような層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を製造する方法であって、ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物よりなる前駆体と、リチウム化合物との混合物を、酸素ガス含有雰囲気下、800℃又は[3000x−450]℃のいずれか高い方の温度以上、1100℃以下の温度範囲で焼成することを特徴とする。
この方法において、リチウム化合物としては、水和していても良い水酸化リチウムが好ましい。
本発明のリチウム二次電池用正極は、本発明に係る層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物と、結着剤とを含有する正極活物質層を有することを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池は、本発明のリチウム二次電池用正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、及びリチウム塩を電解塩として含有する非水電解質を有することを特徴とする。
本発明によれば、容量が高く、レート特性に優れ、高温サイクル特性にも優れた、性能バランスの良いリチウム二次電池を実現することができるリチウム二次電池用正極材料が、工業的に有利に提供される。
実験例1において、製造された(NiMnCo1−2x(x=0.33)のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の焼成温度とXRDパターンを示すグラフである。 実験例1において、製造された(NiMnCo1−2x(x=0.4)のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の焼成温度とXRDパターンを示すグラフである。 実験例1において、製造された(NiMnCo1−2x(x=0.45)のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の焼成温度とXRDパターンを示すグラフである。 実験例1において、製造された(NiMnCo1−2x(x=0.475)のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の焼成温度とXRDパターンを示すグラフである。 実験例1において、製造された(NiMnCo1−2x(x=0.5)のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の焼成温度とXRDパターンを示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
[ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物]
まず、本発明のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物(以下、「スピネル構造複合酸化物」と称す場合がある)について説明する。
本発明のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物は、下記(I)式で表されるスピネル構造の単一相を有する複合酸化物である。
(NiMnCo1−2x …(I)
(但し、0.3≦x≦0.5)
上記(I)式において、xの値は、下限として、通常0.3以上、好ましくは0.33以上、更に好ましくは0.4以上、最も好ましくは0.42以上で、上限として、通常0.5以下、好ましくは0.48以下、更に好ましくは0.47以下、最も好ましくは0.45以下である。xの値がこの下限を下回ると単一相を得るのが困難となるため、好ましくない。
本発明のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物は、スピネル構造の単一相であることが重要であり、このようなスピネル構造の単一相の前駆体を用いることにより、各元素が高度に均一分散した、即ち、組成が均一化された層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を得ることができる。ここで、組成均一化の程度については、例えば粉末X線回折測定に基づくホールプロットによる結晶歪の値から定量的に比較推定したり、中性子回折測定等により、知ることができる。
ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物をスピネル構造の単一相とすることは、例えば、酸素ガス雰囲気下で、特定の温度領域で焼成することで実現でき、単一相であるか否かは、学振法による粉末X線回折による回折パターンを解析して確認することができる。
このような本発明のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物は、例えば、原料化合物を混合し、必要に応じて粉砕して得られた混合粉を後述の特定の条件で焼成することにより製造することができる。
ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の製造に用いる原料化合物のうち、ニッケル化合物としては、Ni(OH)2、NiO、NiOOH、NiCO3・2Ni(OH)2・4H2O、NiC24・2H2O、Ni(NO32・6H2O、NiSO4、NiSO4・6H2O、脂肪酸ニッケル、ニッケルハロゲン化物等が挙げられる。この中でも、焼成処理の際にNO及びSO等の有害物質を発生させない点で、窒素原子や硫黄原子を含有しない、Ni(OH)2、NiO、N iOOH、NiCO3・2Ni(OH)2・4H2O、NiC24・2H2Oのようなニッケル化合物が好ましい。また、更に工業原料として安価に入手できる観点、及び反応性が高いという観点から、特に好ましいのはNi(OH)2、NiO、NiOOHである。これらのニッケル化合物は1種を単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
また、マンガン化合物としてはMn23、MnO2、Mn34等のマンガン酸化物、MnCO3、Mn(NO32、MnSO4、酢酸マンガン、ジカルボン酸マンガン、クエン酸マンガン、脂肪酸マンガン等のマンガン塩、オキシ水酸化物、塩化マンガン等のハロゲン化物等が挙げられる。これらのマンガン化合物の中でも、MnO、Mn23、Mn34は、焼成処理の際にNO及びSO、CO等のガスを発生せず、更に工業原料として安価に入手できるため好ましい。これらのマンガン化合物は1種を単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
また、コバルト化合物としては、Co(OH)2、CoOOH、CoO、Co23、Co34、Co(OCOCH32・4H2O、CoCl2、Co(NO32・6H2O、Co(SO42・7H2O等が挙げられる。中でも、焼成工程の際にNO及びSO等の有害物質を発生させない点で、Co(OH)2、CoOOH、CoO、Co23、Co34が好ましく、更に好ましくは、工業的に安価に入手できる点及び反応性が高い点でCo(OH)2、CoOOHである。これらのコバルト化合物は1種を単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
原料の混合方法は特に限定されるものではなく、湿式でも乾式でも良い。例えば、ボールミル、振動ミル、ビーズミル等の装置を使用する方法が挙げられる。湿式混合は、より均一な混合が可能であり、かつ焼成工程において混合物の反応性を高めることができるので好ましい。
湿式混合の場合には、前述のニッケル化合物、マンガン化合物、及びコバルト化合物を、溶媒とともに混合して調製したスラリーを湿式ビーズミル、ボールミルなどにより粉砕するのが好ましい。また、固体の原料化合物を先に乾式粉砕し、その後、溶媒と混合してスラリーとしても良い。
スラリーを作製するために用いられる溶媒としては、各種の有機溶媒、水性溶媒が使用できるが、好ましくは水である。
スラリー濃度は、特に限定されず、その濃度の下限としては、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%以上である。スラリー濃度が低すぎると生産性が低下し、噴霧乾燥により得られる粒子の嵩密度が小さくなる傾向がある。また、スラリー濃度の上限は、通常50重量%以下である。スラリー濃度が高すぎるとスラリーの粘度が高くなり、ノズルで噴霧できなくなる恐れがある。好ましいスラリー濃度は、45重量%以下、特に40重量%以下である。
混合の時間は、混合方法により異なるが、原料が粒子レベルで均一に混合されていれば良く、例えばボールミル(湿式又は乾式)では通常1時間から2日間程度、ビーズミル(湿式連続法)では滞留時間が通常0.1時間から6時間程度である。
湿式混合した場合には、次いで通常乾燥工程に供される。乾燥方法は特に限定されないが、生成する粒子状物の均一性や粉体流動性、粉体ハンドリング性能、球状の二次粒子を効率良く形成できる等の観点から噴霧乾燥が好ましい。
噴霧乾燥は粒子状物の平均粒子径が50μm以下、更に40μm以下の噴霧乾燥粉が得られるように行うのが好ましい。ただし、あまりに小さな粒子径は得にくい傾向にあるので、噴霧乾燥粉の平均粒子径は通常は4μm以上、好ましくは5μm以上である。噴霧乾燥法で粒子状物を製造する場合、その粒子径は、噴霧形式、加圧気体流供給速度、スラリー供給速度、乾燥温度等を適宜選定することによって制御することができる。
混合後の粉砕の程度としては、粉砕後の原料粒子の粒子径が指標となるが、平均粒子径として通常0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.2μm以下とする。平均粒子径が大きすぎると、焼成工程における反応性が低下するのに加え、組成均一化し難くなる。また、湿式混合の場合には、後述する噴霧乾燥における乾燥粉体の球状度が低下し、最終的な粉体充填密度が低くなる傾向にある。この傾向は、平均粒子径で50μm以下の造粒粒子を製造しようとした場合に特に顕著になる。なお、必要以上に小粒子化することは、粉砕のコストアップに繋がるので、平均粒子径が通常0.01μm以上、好ましくは0.02μm以上、更に好ましくは0.05μm以上となるように粉砕すれば良い。
このようにして得られるニッケル原料、マンガン原料、及びコバルト原料を含有する混合物は、好ましくは、酸素ガス雰囲気下、[(2500/3)x+400]℃以上、[(7000/3)x−50]℃以下で示される、組成に応じたパラメータで決まる温度範囲で保持して焼成することにより、スピネル構造の単一相を有するニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を得ることができる。特に、湿式混合−噴霧乾燥によって得られた粒子状物を焼成した場合には、一次粒子が焼結して形成された球状の二次粒子を得ることができる。一次粒子が焼結して形成された球状の二次粒子であれば、粉体物性、充填性が良好で、かつ電極活物質として使用した時に電池性能が良好であることから好ましい。
なお、ここで、「酸素ガス雰囲気」とは、酸素100%の雰囲気を指す。
上記温度範囲外の温度で焼成した場合、スピネル構造の単一相が得難くなる虞がある。ただし、上記温度範囲内においても、焼成温度が高いと得られるスピネル構造複合酸化物の比表面積が低下する傾向にあり、次の工程である層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を作製するに当たって、リチウム化合物との反応性が低下してしまう。従って、できるだけ高比表面積の前駆体を得るために、前記温度範囲のうち、下限温度に近い温度、例えば[(2500/3)x+400]℃以上、[(3500/3)x+300]℃以下で焼成することが好ましい。
また、酸素ガス雰囲気以外の、空気等の酸素ガス含有雰囲気下で焼成する場合でも、上記の酸素ガス雰囲気下での焼成温度範囲とは異なる最適な温度範囲で焼成することで、スピネル構造の単一相を得ることができる。ただし、前記(I)式で表されるスピネル構造複合酸化物では、焼成雰囲気によってスピネル相の生成し易さが変化する。焼成時の雰囲気としては、酸素濃度が高い方が好ましく、酸素濃度としては10〜100体積%である雰囲気が好ましく、更に好ましくは酸素濃度が50〜100体積%の雰囲気である。焼成雰囲気の酸素濃度が低すぎると、スピネル単一相が生成し難くなる虞がある。
焼成には、例えば、箱形炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を使用することができる。
焼成は、通常、昇温・最高温度保持・降温の三工程に分けられる。二番目の最高温度保持工程は必ずしも一回とは限らず、目的に応じて二段階又はそれ以上の段階をふませても良く、二次粒子を破壊しない程度に凝集を解消することを意味する解砕工程又は、一次粒子或いは更に微小粉末まで砕くことを意味する粉砕工程を挟んで、昇温・最高温度保持・降温の工程を二回又はそれ以上繰り返しても良い。
昇温工程は通常1〜10℃/分の昇温速度で炉内を昇温させる。昇温速度は、あまり遅すぎても時間がかかって工業的に不利であるが、あまり速すぎても炉によっては炉内温度が設定温度に追従しなくなる。
最高温度保持工程での保持時間は、通常1時間以上100時間以下の広い範囲から選択されるが、焼成時間が短すぎると結晶性の良い複合酸化物が得られにくい。
降温工程は通常0.1〜10℃/分の降温速度で炉内を降温させる。降温速度は、あまり遅すぎても時間がかかって工業的に不利であるが、あまり速すぎても目的物の均一性に欠けたり、容器の劣化を早める傾向にある。
このようにして得られるスピネル構造の単一相を有する本発明のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物は、後述の本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の製造工程において、リチウム化合物と高い反応性を得る観点から、BET比表面積として通常0.3m/g以上、好ましくは0.5m/g以上であることが好ましい。このBET比表面積の上限は、通常150m/g以下、好ましくは50m/g以下、更に好ましくは30m/g以下である。
[層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物]
次に、本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物について説明する。
本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物は、本発明のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物、又はこのような本発明のスピネル構造複合酸化物の製造方法で製造されたスピネル構造複合酸化物から得られる、一次粒子が凝集して二次粒子を形成してなるものである。
本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物は、一次粒子径のバラツキが少ないことを特徴とする。このバラツキの程度は、例えば母集団より抽出されたサンプルデータから母集団の標準偏差を推定する時に使用される、下記式で算出される標準偏差sによって示される。
Figure 2011105594
本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物の一次粒子径の標準偏差sとしては、下限としては低ければ低いほど良いが、通常0.01程度である。また、上限としては通常0.15以下、好ましくは0.10以下、より好ましくは0.05以下である。上記上限を超えると、正極活物質層への充填性が低下するために、体積当たりの電極密度を高めることが困難となることから、極板強度の低下やエネルギー密度の低下、更には寿命特性の低下を引き起こす可能性が高くなるため好ましくない。
本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物は、一次粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)としては、通常0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上、更に好ましくは0.3μm以上で、3μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.6μm以下である。上記上限を超えると球状の二次粒子を形成し難く、粉体充填性に悪影響を及ぼしたり、比表面積が大きく低下するために、レート特性や出力特性等の電池性能が低下する可能性が高くなるため好ましくない。上記下限を下回ると結晶が未発達であるために充放電の可逆性が劣る等の問題を生ずる虞があるため好ましくない。
層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物の一次粒子径は30,000倍程度のSEM画像により測定することができ、例えば、ランダムに選択した20個の一次粒子サンプルから、平均一次粒子径及びその標準偏差sを求めることができる。
また、本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物の二次粒子のメジアン径は5μm以上、好ましくは9μm以上で、20μm以下、好ましくは15μm以下である。上記下限を下回ると、高嵩密度品が得られなくなる虞があり、上限を超えると電池性能の低下を来したり、正極活物質層形成時の塗布性に問題を生ずる虞があるため好ましくない。
層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の二次粒子のメジアン径は、公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって、屈折率1.24を設定して測定することができる。本発明では、測定の際に用いる分散媒として、0.1重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、5分間の超音波分散後に測定を行った。
本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物は、好ましくは下記(II)式で表される組成の層状構造を有する複合酸化物である。
Li1+yNiMnCo1−2z …(II)
(ただし、0≦y≦0.2、0.3≦z≦0.5)
上記(II)式において、yの値は通常0以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上であり、通常0.2以下、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.1以下である。この下限を下回ると未反応物が残ったり、結晶構造が不安定化しやすく、上限を超えると異相が生成しやすくなったり、遷移金属サイトに置換する量が多くなり過ぎ、これらを使用したリチウム二次電池の性能低下を招く虞がある。
zの値は、下限として、通常0.3以上、好ましくは0.33以上、更に好ましくは0.4以上、最も好ましくは0.42以上で、上限として、通常0.5以下、好ましくは0.48以下、更に好ましくは0.47以下、最も好ましくは0.45以下である。zが上記下限を下回ると、原料としての単一相のスピネル構造複合酸化物を得るのが困難となるため、好ましくない。
本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物は、本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の特性を損なわない範囲において、その構造内に置換元素Mが導入されていても良い。置換元素MはAl、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn、Nb、及びZrよりなる群から選ばれる何れか1種以上の中から選択される。
本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物はまた、BET比表面積が、0.2m/g以上、好ましくは0.3m/g以上、更に好ましくは0.4m/g以上で、4.0m/g以下、好ましくは2.5m/g以下、更に好ましくは2m/g以下である。BET比表面積がこの範囲よりも小さいと電池性能が低下しやすく、大きいと嵩密度が上がりにくくなったり、正極活物質形成時の塗布性に問題が発生しやすい。
なお、前述のスピネル構造複合酸化物及び層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物のBET比表面積は、公知のBET式粉体比表面積測定装置によって測定される。具体的には、吸着ガスに窒素、キャリアガスにヘリウムを使用し、連続流動法によるBET1点式法測定を行う。まず、粉体試料を混合ガスにより150℃の温度で加熱脱気し、次いで液体窒素温度まで冷却して混合ガスを吸着させる。これを水により室温まで加温して吸着された窒素ガスを脱着させ、その量を熱伝導度検出器によって検出し、これから試料の比表面積を算出する。
本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物は、本発明のスピネル構造複合酸化物と、リチウム化合物との混合物を、酸素ガス含有雰囲気において焼成することにより得られる。特に、酸素ガス含有雰囲気下、800℃又は[3000x−450]℃のいずれか高い方の温度以上、1100℃以下の温度範囲で焼成することにより、好ましく得ることができる。
ここで、本発明のスピネル構造複合酸化物に混合するリチウム化合物としては、LiCO、LiNO、LiNO、LiOH、LiOH・HO、LiH、LiF、LiCl、LiBr、LiI、CHOOLi、LiO、LiSO、ジカルボン酸Li、クエン酸Li、脂肪酸Li、アルキルリチウム等が挙げられる。これらリチウム化合物の中で好ましいのは、焼成処理の際にNO及びSO等の有害物質を発生させない点で、窒素原子や硫黄原子を含有しないリチウム化合物であり、LiOH、LiOH・HOが好ましい。これらのリチウム化合物は1種を単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
このようなリチウム化合物の粒子径としては、本発明のスピネル構造複合酸化物との混合性を上げるため、且つ電池性能を向上させるために、平均粒子径で、通常500μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、最も好ましくは20μm以下である。一方、あまりに小さな粒子径のものは、大気中での安定性が低いために平均粒子径で、通常0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.2μm以上、最も好ましくは0.5μm以上である。
本発明のスピネル構造複合酸化物へのリチウム化合物の混合手法に特に制限はないが、一般的に工業用として使用されている粉体混合装置を使用するのが好ましい。混合系内の雰囲気としては、大気中での炭酸吸収を防ぐために不活性ガス雰囲気とするのが好ましい。
このようにして得られた混合粉体は、次いで焼成処理される。この焼成条件は、組成や使用するリチウム化合物原料、焼成雰囲気にも依存するが、傾向として、焼成温度が高すぎると一次粒子が成長しすぎ、逆に低すぎると嵩密度が小さく、また比表面積が大きくなりすぎる。従って、焼成温度は、酸素ガス含有雰囲気下、好ましくは、空気中(大気中)における焼成温度として、通常800℃又は[3000x−450]℃のいずれか高い方の温度以上、1100℃以下、好ましくは1075℃以下である。
焼成には、例えば、箱形炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を使用することができる。
焼成は、通常、昇温・最高温度保持・降温の三工程に分けられる。二番目の最高温度保持工程は必ずしも一回とは限らず、目的に応じて二段階又はそれ以上の段階をふませても良く、二次粒子を破壊しない程度に凝集を解消することを意味する解砕工程又は、一次粒子或いは更に微小粉末まで砕くことを意味する粉砕工程を挟んで、昇温・最高温度保持・降温の工程を二回又はそれ以上繰り返しても良い。
昇温工程は通常1〜10℃/分の昇温速度で炉内を昇温させる。昇温速度はあまり遅すぎても時間がかかって工業的に不利であるが、あまり速すぎても炉によっては炉内温度が設定温度に追従しなくなる。
最高温度保持工程での保持時間は、焼成温度によっても異なるが、通常前述の温度範囲であれば30分以上、50時間以下である。焼成時間が短すぎると結晶性の良いリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粉体が得られ難くなるので、好ましくは5時間以上、更に好ましくは10時間以上である。一方で、長すぎるのはあまり実用的ではなく、加えて焼成時間が長すぎると、その後解砕が必要になったり、解砕が困難になったりするので、好ましくは25時間以下、更に好ましくは20時間以下である。
降温工程は通常0.1〜10℃/分の降温速度で炉内を降温させる。降温速度は、あまり遅すぎても時間がかかって工業的に不利であるが、あまり速すぎても目的物の均一性に欠けたり、容器の劣化を早める傾向にある。
焼成時の雰囲気は、空気等の酸素ガス含有雰囲気を用いることができる。通常は酸素濃度が1〜100体積%である雰囲気であり、生成物の結晶性や粒子性状及び工業的利便性や製造上の安全性等を勘案すると酸素濃度10〜50体積%の雰囲気が好ましく、特に空気が好ましい。
このようにして得られる本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物によれば、容量が高く、レート特性に優れ、高温サイクル特性にも優れた、性能バランスの良いリチウム二次電池用正極材料が提供される。
[リチウム二次電池用正極]
次に、本発明のリチウム二次電池用正極について説明する。
本発明のリチウム二次電池用正極は、本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物の粉体及び結着剤を含有する正極活物質層を集電体上に形成してなるものである。また、本発明のリチウム二次電池用正極は、本発明の製造方法で作製した層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物の粉体及び結着剤を含有する正極活物質層を集電体上に形成してなるものである。
正極活物質層は、通常、正極材料(正極活物質)と結着剤と更に必要に応じて用いられる導電材及び増粘剤等を、乾式で混合してシート状にしたものを正極集電体に圧着するか、或いはこれらの材料を液体媒体中に溶解又は分散させてスラリー状にして、正極集電体に塗布、乾燥することにより作成される。
正極集電体の材質としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が用いられる。中でも金属材料が好ましく、アルミニウムが特に好ましい。また、形状としては、金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。中でも、金属薄膜が、現在工業化製品に使用されているため好ましい。なお、薄膜は適宜メッシュ状に形成しても良い。
正極集電体として薄膜を使用する場合、その厚さは任意であるが、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、また通常100mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは50μm以下の範囲が好適である。上記範囲よりも薄いと、集電体として必要な強度が不足する虞がある一方で、上記範囲よりも厚いと、取り扱い性が損なわれる虞がある。
正極活物質層の製造に用いる結着剤としては、特に限定されず、塗布法の場合は、電極製造時に用いる液体媒体に対して安定な材料であれば良いが、具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等のゴム状高分子、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・エチレン共重合体、スチレン・イソプレンスチレンブロック共重合体及びその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフッ素系高分子、アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物等が挙げられる。なお、これらの物質は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
正極活物質層中の結着剤の割合は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは40重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。正極活物質層中の結着剤の割合が低すぎると、正極活物質を十分保持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させてしまう虞がある一方で、高すぎると、電池容量や導電性の低下につながる虞がある。
正極活物質層には、通常、導電性を高めるために導電材を含有させる。その種類に特に制限はないが、具体例としては、銅、ニッケル等の金属材料や、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料などを挙げることができる。なお、これらの物質は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。正極活物質層中の導電材の割合は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上であり、また、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは15重量%以下である。正極活物質層中の導電材の割合が低すぎると導電性が不十分になることがあり、逆に高すぎると電池容量が低下することがある。
スラリーを形成するための液体媒体としては、正極材料である本発明の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉体、結着剤、並びに必要に応じて使用される導電材及び増粘剤を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いても良い。水系溶媒の例としては水、アルコールなどが挙げられ、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルフォキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等を挙げることができる。特に水系溶媒を用いる場合、増粘剤に併せて分散剤を加え、SBR等のラテックスを用いてスラリー化する。なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
正極活物質層中の正極材料としての本発明の層状リチウムニッケル系複合酸化物粉体の含有割合は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上であり、通常99.9重量%以下、好ましくは99重量%以下である。正極活物質層中の層状リチウムニッケル系複合酸化物粉体の割合が多すぎると正極の強度が不足する傾向にあり、少なすぎると容量の面で不十分となることがある。
なお、塗布、乾燥によって得られた正極活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるために、ローラープレス等により圧密化することが好ましい。
このようにして形成される正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。
[リチウム二次電池]
次に、本発明のリチウム二次電池について説明する。
本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な上記の本発明のリチウム二次電池用正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な負極と、リチウム塩を電解塩とする非水電解質とを備える。更に、正極と負極との間に、非水電解質を保持するセパレータを備えていても良い。正極と負極との接触による短絡を効果的に防止するには、このようにセパレータを介在させるのが望ましい。
負極は通常、正極と同様に、負極集電体上に負極活物質層を形成して構成される。
負極集電体の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が用いられ、例えば、金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。中でも、金属薄膜が、現在工業化製品に使用されていることから好ましい。なお、薄膜は適宜メッシュ状に形成しても良い。負極集電体として金属薄膜を使用する場合、その好適な厚さの範囲は、正極集電体について上述した範囲と同様である。
負極活物質層は、負極活物質を含んで構成される。負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、その種類に特に制限はないが、通常は安全性の高さの面から、リチウムを吸蔵、放出できる炭素材料が用いられる。
炭素材料としては、その種類に特に制限はないが、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)や、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物が挙げられる。有機物の熱分解物としては、石炭系コークス、石油系コークス、石炭系ピッチの炭化物、石油系ピッチの炭化物、或いはこれらピッチを酸化処理したものの炭化物、ニードルコークス、ピッチコークス、フェノール樹脂、結晶セルロース等の炭化物等及びこれらを一部黒鉛化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。中でも黒鉛が好ましく、特に好適には、種々の原料から得た易黒鉛性ピッチに高温熱処理を施すことによって製造された、人造黒鉛、精製天然黒鉛、又はこれらの黒鉛にピッチを含む黒鉛材料等であって、種々の表面処理を施したものが主として使用される。これらの炭素材料は、それぞれ1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
負極活物質として黒鉛材料を用いる場合、学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が、通常0.335nm以上、また、通常0.34nm以下、好ましくは0.337nm以下であるものが好ましい。
また、黒鉛材料の灰分が、黒鉛材料の重量に対して通常1重量%以下、中でも0.5重量%以下、特に0.1重量%以下であることが好ましい。
更に、学振法によるX線回折で求めた黒鉛材料の結晶子サイズ(Lc)が、通常30nm以上、中でも50nm以上、特に100nm以上であることが好ましい。
また、レーザー回折・散乱法により求めた黒鉛材料の二次粒子のメジアン径が、通常1μm以上、中でも3μm以上、更には5μm以上、特に7μm以上、また、通常100μm以下、中でも50μm以下、更には40μm以下、特に30μm以下であることが好ましい。
また、黒鉛材料のBET法比表面積は、通常0.5m/g以上、好ましくは0.7m/g以上、より好ましくは1.0m/g以上、更に好ましくは1.5m/g以上、また、通常25.0m/g以下、好ましくは20.0m/g以下、より好ましくは15.0m/g以下、更に好ましくは10.0m/g以下である。
更に、黒鉛材料についてアルゴンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析を行った場合に、1580〜1620cm−1の範囲で検出されるピークPの強度Iと、1350〜1370cm−1の範囲で検出されるピークPの強度Iとの強度比I/Iが、0以上0.5以下であるものが好ましい。また、ピークPの半値幅は26cm−1以下が好ましく、25cm−1以下がより好ましい。
なお、上述の各種の炭素材料の他に、リチウムの吸蔵及び放出が可能なその他の材料の負極活物質として用いることもできる。炭素材料以外の負極活物質の具体例としては、酸化錫や酸化ケイ素などの金属酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金などが挙げられる。これらの炭素材料以外の材料は、それぞれ1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、上述の炭素材料と組み合わせて用いても良い。
負極活物質層は、通常は正極活物質層の場合と同様に、上述の負極活物質と、結着剤と、必要に応じて導電材及び増粘剤とを液体媒体でスラリー化したものを負極集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。スラリーを形成する液体媒体や結着剤、増粘剤、導電材等としては、正極活物質層について上述したものと同様のものを同様の割合で使用することができる。
電解質としては、例えば公知の有機電解液、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質等を用いることができるが、中でも有機電解液が好ましい。有機電解液は、有機溶媒に溶質(電解質)を溶解させて構成される。
ここで、有機溶媒の種類は特に限定されないが、例えばカーボネート類、エーテル類、ケトン類、スルホラン系化合物、ラクトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素類、エーテル類、アミン類、エステル類、アミド類、リン酸エステル化合物等を使用することができる。代表的なものを列挙すると、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等が挙げられ、これらの単独若しくは2種類以上の混合溶媒が使用できる。
上述の有機溶媒には、電解塩を解離させるために、高誘電率溶媒を含めることが好ましい。ここで、高誘電率溶媒とは、25℃における比誘電率が20以上の化合物を意味する。高誘電率溶媒の中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及び、それらの水素原子をハロゲン等の他の元素又はアルキル基等で置換した化合物が、電解液中に含まれることが好ましい。高誘電率溶媒の電解液に占める割合は、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは30重量%以上、最も好ましくは40重量%以上である。高誘電率溶媒の含有量が上記範囲よりも少ないと、所望の電池特性が得られない場合がある。
電解塩の種類も特に限定されず、従来公知の任意の溶質を使用することができる。具体例としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiB(C、LiCl、LiBr、CHSOLi、CFSOLi、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCF、LiN(SOCF等が挙げられる。これらの電解塩は任意の1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、CO、NO、CO、SO等のガスやポリサルファイドS 2−など負極表面にリチウムイオンの効率良い充放電を可能にする良好な被膜を形成する添加剤を、任意の割合で添加しても良い。
電解塩のリチウム塩は電解液中に、通常0.5mol/L以上1.5mol/L以下となるように含有させる。この含有量が0.5mol/L未満でも1.5mol/Lを超えても電気伝導度が低下し、電池特性に悪影響を与えることがある。下限としては0.75mol/L以上、上限として1.25mol/L以下が好ましい。
高分子固体電解質を使用する場合にも、その種類は特に限定されず、固体電解質として公知の任意の結晶質・非晶質の無機物を用いることができる。結晶質の無機固体電解質としては、例えば、LiI、LiN、Li1+mTi2−m(PO(J=Al、Sc、Y、La)、Li0.5−3nRE0.5+nTiO(RE=La、Pr、Nd、Sm)等が挙げられる。また、非晶質の無機固体電解質としては、例えば、4.9LiI−34.1LiO−61B、33.3LiO−66.7SiO等の酸化物ガラス等が挙げられる。これらは任意の1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いても良い。
電解質として前述の有機電解液を用いる場合には、電極同士の短絡を防止するために、正極と負極との間にセパレータが介装される。セパレータの材質や形状は特に制限されないが、使用する有機電解液に対して安定で、保液性に優れ、且つ、電極同士の短絡を確実に防止できるものが好ましい。好ましい例としては、各種の高分子材料からなる微多孔性のフィルム、シート、不織布等が挙げられる。高分子材料の具体例としては、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン高分子が用いられる。特に、セパレータの重要な因子である化学的及び電気化学的な安定性の観点からは、ポリオレフィン系高分子が好ましく、電池におけるセパレータの使用目的の一つである自己閉塞温度の点からは、ポリエチレンが特に望ましい。
ポリエチレンからなるセパレータを用いる場合、高温形状維持性の点から、超高分子ポリエチレンを用いることが好ましく、その分子量の下限は好ましくは50万、更に好ましくは100万、最も好ましくは150万である。他方、分子量の上限は、好ましくは500万、更に好ましくは400万、最も好ましくは300万である。この分子量が大きすぎると流動性が低くなりすぎてしまい、加熱された時にセパレータの孔が閉塞しない場合があるからである。
上述した本発明のリチウム二次電池用正極を用いて、負極と、電解質と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより、本発明のリチウム二次電池を製造することができる。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。
本発明のリチウム二次電池の形状は特に制限されず、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。一般的に採用されている形状の例としては、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプなどが挙げられる。また、電池を組み立てる方法も特に制限されず、目的とする電池の形状に合わせて、通常用いられている各種方法の中から適宜選択することができる。
以上、本発明のリチウム二次電池の一般的な実施形態について説明したが、本発明のリチウム二次電池は上記実施形態に制限されるものではなく、その要旨を超えない限りにおいて、各種の変形を加えて実施することが可能である。
以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。
なお、以下において、ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物及びリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の相は粉末X線回折(XRD)パターンにより同定した。
また、ニッケルマンガンコバルト複合酸化物及びリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の比表面積はBET法により求めた。
また、リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の一次粒子径は30,000倍のSEM画像により測定し、ランダムに選択した20個の一次粒子サンプルの平均一次粒子径及びその標準偏差sを求めた。
また、二次粒子のメジアン径は、公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって、屈折率1.24を設定し、分散媒として0.1重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、5分間の超音波分散後に測定した。
(実験例1)
Ni(OH)、Mn及びCo(OH)を、所定のモル比となるように秤量して混合した後、これに純水を加えて濃度10〜15.5重量%のスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機(シンマルエンタープライゼス社製:ダイノーミルKDL A型)を用いて、スラリー中の固形分を平均粒子径0.15〜0.19μmに粉砕した。スラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉体約5gを容積約30mLのアルミナ製るつぼに仕込み、1L/minの酸素流通下、焼成温度(焼成時の最高保持温度)を変えて20時間焼成(昇降温速度5℃/min)し、所定の組成のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を得た。
得られたニッケルマンガンコバルト系複合酸化物について、XRDパターンを調べ、前記(I)式におけるxの値と焼成温度に対する結晶相との関係を図1〜5に示した。
図1〜5より、前記(I)式のxに応じて、焼成温度と得られるニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の結晶相との間には相関があり、焼成温度によっては、基本相であるM相以外に、別の相であるMO相やM相が観察される場合があること、また、酸素ガス雰囲気下に、本発明で規定される[(2500/3)x+400]℃以上、[(7000/3)x−50]℃以下で示される、組成に応じたパラメータで決まる温度範囲で焼成することにより、スピネル単一相が得られることが確認された。
(実施例1)
Ni(OH)、Mn及びCo(OH)を、Ni:Mn:Co=1:1:1のモル比となるように秤量して混合した後、これに純水を加えて濃度15.5重量%のスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機(シンマルエンタープライゼス社製:ダイノーミルKDL A型)を用いて、スラリー中の固形分を平均粒子径0.19μmに粉砕した。
このスラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉体約100gを容積約784mLのアルミナ製るつぼに仕込み、1L/minの酸素ガス流通下、675℃で20時間焼成(昇降温速度5℃/min)し、(Ni1/3Mn1/3Co1/3で示されるスピネル構造を有する単一相のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉末を得た。このスピネル構造複合酸化物粉末のBET比表面積は13.7m/gであった。
解砕された前記スピネル構造複合酸化物粉末に、平均粒子径20μm以下に粉砕したLiOH粉末を(Ni+Mn+Co)に対してLiが1.05のモル比となるように添加し、十分に混合した。この焼成前混合物約13gを容積30mLのアルミナ製るつぼに仕込み、9L/minの空気流通下、850℃で10時間焼成(昇降温速度5℃/min)した後、解砕して、組成式がLi1.05Ni1/3Mn1/3Co1/3の層状構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を得た。この平均一次粒子径は0.37μmで標準偏差sは0.06であった。また、二次粒子のメジアン径は8.8μm、BET比表面積は2.2m/gであった。
(実施例2)
Ni(OH)、Mn及びCo(OH)を、Ni:Mn:Co=4:4:2のモル比となるように秤量して混合した後、これに純水を加えて濃度13重量%のスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機(シンマルエンタープライゼス社製:ダイノーミルKDL A型)を用いて、スラリー中の固形分を平均粒子径0.15μmに粉砕した。
このスラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉体約100gを容積約784mLのアルミナ製るつぼに仕込み、1L/minの酸素ガス流通下、750℃で20時間焼成(昇降温速度5℃/min)し、(Ni0.4Mn0.4Co0.2で示されるスピネル構造を有する単一相のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉末を得た。このスピネル構造複合酸化物粉末のBET比表面積は5.9m/gであった。
解砕された前記スピネル構造複合酸化物粉末に、平均粒子径20μm以下に粉砕したLiOH粉末を(Ni+Mn+Co)に対してLiが1.05のモル比となるように添加し、十分に混合した。この焼成前混合物約13gを容積30mLのアルミナ製るつぼに仕込み、9L/minの空気流通下、900℃で10時間焼成(昇降温速度5℃/min)した後、解砕して、組成式がLi1.05Ni0.4Mn0.4Co0.2の層状構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を得た。この平均一次粒子径は0.39μmで標準偏差sは0.05であった。また、二次粒子のメジアン径は9.0μm、BET比表面積は1.9m/gであった。
(実施例3)
Ni(OH)、Mn及びCo(OH)を、Ni:Mn:Co=9:9:2のモル比となるように秤量して混合した後、これに純水を加えて濃度12重量%のスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機(シンマルエンタープライゼス社製:ダイノーミルKDL A型)を用いて、スラリー中の固形分を平均粒子径0.15μmに粉砕した。
このスラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉体約60gを容積約784mLのアルミナ製るつぼに仕込み、1L/minの酸素ガス流通下、775℃で20時間焼成(昇降温速度5℃/min)し、(Ni0.45Mn0.45Co0.1で示されるスピネル構造を有する単一相のニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉末を得た。このスピネル構造複合酸化物粉末のBET比表面積は5.3m/gであった。
解砕された前記スピネル構造複合酸化物粉末に、平均粒子径20μm以下に粉砕したLiOH粉末を(Ni+Mn+Co)に対してLiが1.05のモル比となるように添加し、十分に混合した。この焼成前混合物約13gを容積30mLのアルミナ製るつぼに仕込み、9L/minの空気流通下、950℃で10時間焼成(昇降温速度5℃/min)した後、解砕して、組成式がLi1.05Ni0.45Mn0.45Co0.1の層状構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を得た。この平均一次粒子径は0.56μmで標準偏差sは0.12であった。また、二次粒子のメジアン径は7.7μm、BET比表面積は1.2m/gであった。
(比較例1)
実施例1において、ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を経由せずに、スラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉体に、粉砕したLiOH粉末を直接混合したこと以外は実施例1と同様にして、組成式がLi1.05Ni1/3Mn1/3Co1/3の層状構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を得た。この平均一次粒子径は0.31μmで標準偏差sは0.17であった。また、二次粒子のメジアン径は9.0μm、BET比表面積は2.7m/gであった。
(比較例2)
実施例2において、ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を経由せずに、スラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉体に、粉砕したLiOH粉末を直接混合したこと以外は実施例2と同様にして、組成式がLi1.05Ni0.4Mn0.4Co0.2の層状構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を得た。この平均一次粒子径は0.46μmで標準偏差sは0.19であった。また、二次粒子のメジアン径は8.8μm、BET比表面積は1.5m/gであった。
(比較例3)
実施例3において、ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を経由せずに、スラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥して得られた粒子状粉体に、粉砕したLiOH粉末を直接混合したこと以外は実施例3と同様にして、組成式がLi1.05Ni0.45Mn0.45Co0.1の層状構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を得た。この平均一次粒子径は0.63μmで標準偏差sは0.23であった。また、二次粒子のメジアン径は7.2μm、BET比表面積は1.2m/gであった。
実施例1〜3で製造したスピネル構造複合酸化物粉末のBET比表面積、並びに実施例1〜3及び比較例1〜3で製造した層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉体の種々粉体物性測定結果を表1にまとめて示す。
Figure 2011105594
〈電池の作製及び評価〉
実施例1〜3及び比較例1〜3で製造した層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉体を用いて、以下の方法で電池の作製及び評価を行った。
(1)正極の作製と初期充放電容量及びレート試験:
実施例1〜3及び比較例1〜3で製造した層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉体を75重量%、アセチレンブラック20重量%、ポリテトラフルオロエチレンパウダー5重量%の割合で秤量したものを乳鉢で十分混合し、薄くシート状にしたものを9mmφのポンチを用いて打ち抜いた。この際、全体重量は約8mgになるように調整した。これをアルミニウムエキスパンドメタルに圧着して、9mmφの正極とした。
9mmφの正極を試験極とし、リチウム金属板を対極とし、EC(エチレンカーボネート):DMC(ジメチルカーボネート):EMC(エチルメチルカーボネート)=3:3:4(容量比)の溶媒にLiPFを1mol/Lで溶解した電解液を用い、厚さ25μmの多孔性ポリエチレンフィルムをセパレータとしてコイン型セルを組み立てた。
得られたコイン型セルについて、0.2mA/cmの定電流で、充電上限電圧を4.3V、放電下限電圧を3.0Vとして、充放電2サイクルの試験を行い、引き続いて、3〜10サイクル目を、0.5mA/cmの定電流充電、0.2mA/cm、0.5mA/cm、1mA/cm、3mA/cm、5mA/cm、7mA/cm、9mA/cm、及び11mA/cmの各放電での試験を行った。この時の1サイクル目の0.2mA/cmでの初期充放電容量(mAh/g)、及び10サイクル目の11mA/cmでのハイレート放電容量(mAh/g)を測定し、結果を表2に示した。
(2)高温サイクル試験:
A.正極の作製と容量確認:
実施例1〜3及び比較例1〜3で製造した層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物粉体を75重量%、アセチレンブラック20重量%、ポリテトラフルオロエチレンパウダー5重量%の割合で秤量したものを乳鉢で十分混合し、薄くシート状にしたものを9mmφ及び12mmφのポンチを用いて打ち抜いた。この際、全体重量は各々約8mg、約18mgになるように調整した。これをアルミニウムエキスパンドメタルに圧着して、9mmφ及び12mmφの正極とした。
9mmφの正極を試験極とし、リチウム金属板を対極とし、EC(エチレンカーボネート):DMC(ジメチルカーボネート):EMC(エチルメチルカーボネート)=3:3:4(容量比)の溶媒にLiPFを1mol/Lで溶解した電解液を用い、厚さ25μmの多孔性ポリエチレンフィルムをセパレータとしてコイン型セルを組み立てた。これに0.2mA/cmの定電流定電圧充放電、即ち正極からリチウムイオンを放出させる反応を上限4.2Vで行った。次いで0.2mA/cmの定電流放電、即ち正極にリチウムイオンを吸蔵させる反応を下限3.0Vで行った際の、正極活物質単位重量あたりの初期充電容量をQs(C)[mAh/g]、初期放電容量をQs(D)[mAh/g]とした。
B.負極の作製と容量確認:
負極活物質として平均粒子径8〜10μmの黒鉛粉末(d002=3.35Å)、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンをそれぞれ用い、これらを重量比で92.5:7.5の割合で秤量し、これをN−メチルピロリドン溶液中で混合し、負極合剤スラリーとした。このスラリーを20μmの厚さの銅箔の片面に塗布し、乾燥して溶媒を蒸発させた後、12mmφに打ち抜き、0.5ton/cm(49MPa)でプレス処理をしたものを負極とした。
なお、この負極を試験極とし、リチウム金属を対極として電池セルを組み、0.5mA/cmの定電流で負極にリチウムイオンを吸蔵させる試験を下限0Vで行った際の、負極活物質単位重量当たりの初期吸蔵容量をQf[mAh/g]とした。
C.電池の組立:
コインセルを使用して試験用電池を組み立て、その電池性能を評価した。即ち、コインセルの正極缶の上に、実施例1〜3及び比較例1〜3の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を用いて作製した上述の正極を置き、その上にセパレータとして厚さ25μmの多孔性ポリエチレンフィルムを置き、ポリプロピレン製ガスケットで押さえた後、非水電解液として、EC(エチレンカーボネート):DMC(ジメチルカーボネート):EMC(エチルメチルカーボネート)=3:3:4(容量比)の溶媒にLiPFを1mol/Lで溶解した電解液を用い、これを缶内に加えてセパレータに十分染み込ませた後、負極缶を載せて封口し、コイン型のリチウム二次電池(実施例1〜3及び比較例1〜3の電池)を作製した。なお、この時、正極活物質の重量と負極活物質重量のバランスは、ほぼ以下の式を満たすように設定した。
正極活物質重量[g]/負極活物質重量[g]
=(Qf[mAh/g]/1.2)Qs(C)[mAh/g]
D.高温サイクル試験
こうして得られた実施例1〜3、比較例1〜3の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を用いた電池の高温特性を比較するため、電池の1時間率電流値、即ち1Cを下式の様に設定し、以下の試験を行った。
1C[mA]=Qs(D)×正極活物質重量[g]/h
まず、室温で定電流0.2C充放電2サイクル及び定電流1C充放電1サイクルを行った。次に60℃の高温で定電流0.2C充放電1サイクル、次いで定電流1C充放電100サイクルの試験を行った。なお、充電上限は4.1V、下限電圧は3.0Vとした。
この時、60℃での1C充放電100サイクル試験における1サイクル目放電容量Qh(1)に対する、100サイクル目の放電容量Qh(100)の割合を、高温サイクル容量維持率Pとし、この値に基づいて電池の高温特性を比較した。即ち、Pは下記式で表される。
P[%]={Qh(100)/Qh(1)}×100
実施例1〜3及び比較例1〜3の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を用いた電池における、60℃での1C充放電100サイクル試験での高温サイクル容量維持率Pを、表2に示す。
Figure 2011105594
表2中、それぞれ同じ組成比である、(実施例1、比較例1)、(実施例2,比較例2)、(実施例3,比較例3)を比較することより、本発明によれば、容量が高く、レート特性に優れ、高温サイクル特性にも優れた、性能バランスの良いリチウム二次電池用正極材料が提供されることが分かる。
本発明により提供されるリチウム二次電池の用途は特に限定されず、公知の各種の用途に用いることが可能である。具体例としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、自動車用動力源等を挙げることができる。

Claims (8)

  1. 一次粒子が凝集して二次粒子を形成してなり、一次粒子の平均粒子径の標準偏差sが0.15以下であることを特徴とする層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物。
  2. 請求項1において、層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物が、下記(II)式で表される組成であることを特徴とする層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物。
    Li1+yNiMnCo1−2z …(II)
    (ただし、0≦y≦0.2、0.3≦z≦0.5)
  3. 請求項1又は2に記載の層状リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物よりなることを特徴とするリチウム二次電池正極材料。
  4. ニッケルマンガンコバルト系複合酸化物よりなる前駆体と、リチウム化合物との混合物を、酸素ガス含有雰囲気下、800℃又は[3000x−450]℃のいずれか高い方の温度以上、1100℃以下の温度範囲で焼成することを特徴とする請求項1又は2に記載の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の製造方法。
  5. リチウム化合物が、水和していても良い水酸化リチウムであることを特徴とする請求項4に記載の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の製造方法。
  6. 集電体上に、請求項1又は2に記載の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物、及び結着剤を含有する正極活物質層を有することを特徴とするリチウム二次電池用正極。
  7. 集電体上に、請求項4又は5に記載の層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物の製造方法で製造した層状リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物、及び結着剤を含有する正極活物質層を有することを特徴とするリチウム二次電池用正極。
  8. 請求項6又は7に記載のリチウム二次電池用正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、及びリチウム塩を電解塩として含有する非水電解質を有することを特徴とするリチウム二次電池。
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