JP6751492B2 - リン酸コバルトリチウムの製造方法及びリン酸コバルトリチウム炭素複合体の製造方法 - Google Patents

リン酸コバルトリチウムの製造方法及びリン酸コバルトリチウム炭素複合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池、全固体電池等の正極材として有用なリン酸コバルトリチウムの製造方法、及びリン酸コバルトリチウム炭素複合体の製造方法に関するものである。
携帯機器、ノート型パソコンの電池としてリチウムイオン電池が活用されている。リチウムイオン電池は一般に容量、エネルギー密度に優れているとされている。また、ハイブリット自動車や電気自動車としての利用も期待さている。リチウムイオン二次電池は自動車用途で用いられる場合、従来のものと比べて、温度や充放電電流の条件が過酷になる。
リン酸コバルトリチウム(LiCoPO)等のオリビン型リン酸塩は、高温においてもその強固な構造から酸素を放出せず、安全性が高くなることから、自動車用途のリチウム二次電池、全固体電池等の正極活物質として注目されている。
リン酸コバルトリチウムの製造方法としては、例えば、特許文献1には、炭酸リチウム、三酸化コバルト及び五酸化リンを乾式で混合し、該混合物を大気中で780℃で焼成する方法が提案されている。また、特許文献2には、酢酸リチウム、酢酸コバルト及びリン酸水素アンモニウムを水に添加し、濃硝酸でpH 1.5以下になるように調整して溶解液を得、次いで粒子成長を抑制させるキレート剤としてグリコール酸を添加した後に溶媒を除去し、更に乾燥して得られる前駆体を600℃でアルゴン雰囲気中で焼成する方法が提案されている。また、特許文献3には、水酸化リチウム、リン酸水素アンモニウムをNバブリングした水に溶解した後に、硫酸コバルトを溶解した水溶液を添加し混合溶液を得、溶媒を除去して得られる前駆体を窒素雰囲気で600℃で焼成する方法が提案されている。
特開平9−134724号公報、0008段落 特開2015−88266号公報、0044段落 特開2015−170464号公報、0066段落
リン酸コバルトリチウムは、安全な正極活物質として注目されているが、特許文献1のように各原料を乾式で混合する方法では、X線回折分析において、単相のリン酸コバルトリチウムが得られにくい。また、特許文献1〜3の方法では、X線回折的に単相のリン酸コバルトリチウムを得るのに600℃以上の高温の焼成を必要とし、工業的に有利ではない。そのため、更に工業的な有利方法でのリン酸コバルトリチウムの提供が望まれている。
従って、本発明の目的は、工業的に有利な方法で、X線回折的に単相のリン酸コバルトリチウムを得ることができる方法を提供することにある。また、本発明の目的は、該リン酸コバルトリチウムと炭素との複合体を得ることができる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、少なくとも水酸化コバルト、リン酸及び水酸化リチウムを原料として用いて、湿式で原料混合物を調製する方法において、有機酸の存在下に、原料の添加順序も考慮して原料混合物を調製すると、各原料が均一に分散し、取扱いが容易な水性原料スラリーが得られること。また、該水性原料スラリーは、メディアミルにより湿式粉砕処理が可能なものになること。更に、該水性原料スラリーを湿式粉砕処理した粉砕処理物を含むスラリーを噴霧乾燥処理して得られる反応前駆体は、従来より低温で焼成を行ってもX線回折的に単相のリン酸コバルトリチウムが得られ、反応性に優れたものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明(1)は、下記一般式(1):
LiCo1−yPO (1)
(式中、0.8≦x≦1.2、0≦y≦0.5であり、Mは、Mg、Zn、Cu、Fe、Cr、Mn、Ni、Al、B、Na、K、F、Cl、Br、I、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Y、Yb、Si、S、Mo、W、V、Bi、Te、Pb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ga、Ge、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy及びHoから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。)
で表されるリン酸コバルトリチウムの製造方法であって、
水溶媒に、有機酸及び水酸化コバルトを添加し、次いで、リン酸及び水酸化リチウムを添加して、水性原料スラリー(1)を調製する第1工程と、
該水性原料スラリー(1)をメディアミルにより湿式粉砕処理して、原料粉砕処理物を含むスラリー(2)を得る第2工程と、
該原料粉砕処理物を含むスラリー(2)を噴霧乾燥処理して、反応前駆体を得る第3工程と、
該反応前駆体を焼成する第4工程と、
を有することを特徴とするリン酸コバルトリチウムの製造方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記第1工程の水性原料スラリー(1)又は前記第2工程の原料粉砕処理物を含むスラリー(2)に、更に、M源(Mは、Mg、Zn、Cu、Fe、Cr、Mn、Ni、Al、B、Na、K、F、Cl、Br、I、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Y、Yb、Si、S、Mo、W、V、Bi、Te、Pb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ga、Ge、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy及びHoから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。)を含有させることを特徴とする(1)のリン酸コバルトリチウムの製造方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記原料粉砕処理物を含むスラリー(2)中の固形分の平均粒子径が1.5μm以下であることを特徴とする(1)又は(2)いずれかのリン酸コバルトリチウムの製造方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、前記有機酸がカルボン酸であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかのリン酸コバルトリチウムの製造方法を提供するものである。
また、本発明(5)は、前記有機酸がシュウ酸であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかのリン酸コバルトリチウムの製造方法を提供するものである。
また、本発明(6)は、前記反応前駆体がコバルトの有機酸塩及びリチウムのリン酸塩を含有することを特徴とする(1)〜(5)いずれかのリン酸コバルトリチウムの製造方法を提供するものである。
また、本発明(7)は、焼成温度が380〜1100℃であることを特徴とする(1)〜(6)いずれかのリン酸コバルトリチウムの製造方法を提供するものである。
また、本発明(8)は、更に、前記第4工程を行い得られるリン酸コバルトリチウムを、加熱処理する第5(A)工程を有することを特徴とする(1)〜(7)いずれかのリン酸コバルトリチウムの製造方法。
また、本発明(9)は、本発明(1)〜(7)いずれかのリン酸コバルトリチウムの製造方法を行うことにより得られたリン酸コバルトリチウムと、加熱分解により炭素が生じる導電性炭素材料源とを混合し、該リン酸コバルトリチウムと該導電性炭素材料源との混合物を得、次いで、該混合物を加熱処理して、該導電性炭素材料源を加熱分解することにより、リン酸コバルトリチウム炭素複合体を得る第5(B)工程を有することを特徴とするリン酸コバルトリチウム炭素複合体の製造方法を提供するものである。
また、本発明(10)は、前記第5(B)工程の加熱処理における加熱処理温度が180〜900℃であることを特徴とする(9)のリン酸コバルトリチウム炭素複合体の製造方法を提供するものである。
本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法によれば、600℃より低い温度で焼成を行っても、X線回折的に単相のリン酸コバルトリチウムを得ることができるので、工業的に有利に、リチウム二次電池、全固体電池等の正極材として有用なリン酸コバルトリチウムを提供することができる。また、本発明によれば、該リン酸コバルトリチウムと炭素との複合体を提供することができる。
実施例1の第3工程で得られた反応前駆体のX線回折図。 実施例1で得られたリン酸コバルトリチウムのX線回折図。 実施例2で得られたリン酸コバルトリチウムのX線回折図。 比較例1で得られた固形分のX線回折図。 比較例2で得られた反応前駆体のX線回折図。 比較例2で得られた焼成品のX線回折図。 実施例1で得られたリン酸コバルトリチウムのSEM写真。 実施例6で得られたリン酸コバルトリチウムのX線回折図。
本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法は、下記一般式(1):
LiCo1−yPO (1)
(式中、0.8≦x≦1.2、0≦y≦0.5であり、Mは、Mg、Zn、Cu、Fe、Cr、Mn、Ni、Al、B、Na、K、F、Cl、Br、I、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Y、Yb、Si、S、Mo、W、V、Bi、Te、Pb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ga、Ge、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy及びHoから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。)
で表されるリン酸コバルトリチウムの製造方法であって、
水溶媒に、有機酸及び水酸化コバルトを添加し、次いで、リン酸及び水酸化リチウムを添加して、水性原料スラリー(1)を調製する第1工程と、
該水性原料スラリー(1)をメディアミルにより湿式粉砕処理して、原料粉砕処理物を含むスラリー(2)を得る第2工程と、
該原料粉砕処理物を含むスラリー(2)を噴霧乾燥処理して、反応前駆体を得る第3工程と、
該反応前駆体を焼成する第4工程と、
を有することを特徴とするリン酸コバルトリチウムの製造方法である。
本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法により得られるリン酸コバルトリチウムは、オリビン構造を有するリン酸コバルトリチウムであり、下記一般式(1):
LiCo1−yPO (1)
(式中、0.8≦x≦1.2、0≦y≦0.5であり、Mは、Mg、Zn、Cu、Fe、Cr、Mn、Ni、Al、B、Na、K、F、Cl、Br、I、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Y、Yb、Si、S、Mo、W、V、Bi、Te、Pb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ga、Ge、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy及びHoから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。)
で表されるリン酸コバルトリチウムである。
一般式(1)の式中のxは、0.8以上1.2以下、好ましくは0.9以上1.1以下である。yは0以上0.5以下、好ましくは0以上0.4以下である。Mは、電池特性を向上させることを目的として必要により含有させる金属元素である。Mは、Mg、Zn、Cu、Fe、Cr、Mn、Ni、Al、B、Na、K、F、Cl、Br、I、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Y、Yb、Si、S、Mo、W、V、Bi、Te、Pb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ga、Ge、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy及びHoから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示し、Fe、Ni及びMnから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法に係る第1工程は、水溶媒に、有機酸及び水酸化コバルトを添加し、次いで、リン酸及び水酸化リチウムを添加して水性原料スラリー(1)を調製する工程である。
水溶媒中に、水酸化コバルト、リン酸及び水酸化リチウムを添加すると、スラリーがケーキ状となり、撹拌等も出来なくなる。本発明者らは、水溶媒に、有機酸、水酸化コバルトを添加し、次いで、リン酸及び水酸化リチウムを添加すると、各原料が均一に分散し、取扱いが容易な水性原料スラリー(1)が得られること。また、該水性原料スラリー(1)は、メディアミルにより湿式粉砕処理が可能なものであることを見出した。
第1工程では、先ず、水溶媒に、有機酸及び水酸化コバルトを添加することにより、水酸化コバルトと有機酸とが反応し、コバルトの有機酸塩になる。次いで、このコバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)へ、リン酸及び水酸化リチウムを添加することで、更に、リン酸と水酸化リチウムとが反応し、リチウムのリン酸塩となる。従って、第1工程を行い得られる水性原料スラリー(1)は、少なくともコバルトの有機酸塩と、リチウムのリン酸塩を含むものである。
第1工程に係る有機酸は、例えば、ギ酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等のジカルボン酸、カルボキシル基の数が3であるクエン酸等のカルボン酸が挙げられる。これらのうち、有機酸としては、シュウ酸が、水酸化コバルトとの反応性に優れる点で好ましい。
有機酸の添加量は、水酸化コバルト中のコバルト原子に対する有機酸中の炭素原子のモル比(C/Co)が1.5以上となる量である。水酸化コバルト中のコバルト原子に対する有機酸中の炭素原子のモル比(C/Co)が、上記範囲未満だと、Co(PO・8HOが生成し、スラリーがケーキ状となり、撹拌不能となる傾向がある。また、有機酸の添加量は、スラリーの粘度が安定する点で、水酸化コバルト中のコバルト原子に対する有機酸中の炭素原子のモル比(C/Co)が、1.5〜2.5となる量が好ましく、1.7〜2.3となる量が特に好ましい。
水溶媒への水酸化コバルトの添加量は、水溶媒100質量部に対して、5〜30質量部、好ましくは7〜25質量部である。水溶媒への水酸化コバルトの添加量が上記範囲にあることにより、スラリーの粘度が安定する。
水溶媒に、有機酸及び水酸化コバルトを添加後、有機酸と水酸化コバルトとを反応させるために、15〜90℃、好ましくは20〜80℃で、30分以上、好ましくは30分〜2時間、撹拌することが好ましい。そして、有機酸と水酸化コバルトとを反応させることにより、少なくともコバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)を得ることができる。
コバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)の調製において、有機酸及び水酸化コバルトの添加順序は特に制限されないが、水溶媒に有機酸を添加し、次いで、水酸化コバルトを添加することが、スラリーの粘度が安定する点で好ましい。
第1工程では、次いで、コバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)に、リン酸及び水酸化リチウムを添加する。
コバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)へのリン酸の添加量は、リン酸中のリン原子に対する水性スラリー(A)中のコバルト原子のモル比(Co/P)が、好ましくは0.7〜1.3、特に好ましくは0.8〜1.2となる量である。リン酸中のリン原子に対する水性スラリー(A)中のコバルト原子のモル比(Co/P)が、上記範囲にあることにより、X線回折的に単相のリン酸コバルトリチウムが得られ易くなる。
コバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)への水酸化リチウムの添加量は、リン酸中のリン原子に対する水酸化リチウム中のリチウム原子のモル比(Li/P)が、好ましくは0.7〜1.3、特に好ましくは0.8〜1.2となる量である。リン酸中のリン原子に対する水酸化リチウム中のリチウム原子のモル比(Li/P)が上記範囲にあることにより、X線回折的に単相のリン酸コバルトリチウムが得られ易くなる。
第1工程において、コバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)へ、リン酸及び水酸化リチウムを添加すると、リン酸と水酸化リチウムが反応してリチウムのリン酸塩が生成する。第1工程における水性原料スラリー(1)は、リチウムのリン酸塩を含むことが好ましい。第1工程において、リン酸と水酸化リチウムとを反応させるため、15〜90℃、好ましくは20〜80℃で、30分以上、好ましくは30分〜2時間、撹拌することが好ましい。
コバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)から水性原料スラリー(1)の調製において、コバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)へのリン酸及び水酸化リチウムの添加順序は特に制限されないが、コバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)にリン酸を添加し、次いで、水酸化リチウムを添加することが、スラリーのpHを酸性側に保持することでスラリー粘度を安定させることができる点で好ましい。
このようにして、第1工程において水性原料スラリー(1)が得られるが、本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法では、必要により、第1工程において、水性原料スラリー(1)に、更に、M源(Mは、Mg、Zn、Cu、Fe、Cr、Mn、Ni、Al、B、Na、K、F、Cl、Br、I、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Y、Yb、Si、S、Mo、W、V、Bi、Te、Pb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ga、Ge、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy及びHoから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。)を含有させることができる。
M源としては、例えば、M元素を含む酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機酸塩、硝酸塩、リン酸塩が挙げられる。
M源の添加量は、水酸化コバルト中のコバルト原子とM源中のM原子の合計のモル比に対するM源中のM原子のモル比(M/(M+Co))が、好ましくは0.7〜1.3、特に好ましくは0.8〜1.2となる量である。水酸化コバルト中のコバルト原子とM源中のM原子の合計のモル比に対するM源中のM原子のモル比(M/(M+Co))が、上記範囲にあることにより、X線回折的に単相のリン酸コバルトリチウムが得られ易くなる。
第1工程におけるM源の添加時期は、特に制限されないが、第2工程を行う前のいずれかの時期に、M源を添加し、水性原料スラリー(1)に含有させることができる。
本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法において、第1工程で、先に、水溶媒に、有機酸及び水酸化コバルトを添加し、次いで、リン酸及び水酸化リチウムを添加することにより、各原料が均一に分散し、取扱いが容易であり、また、メディアミルにより湿式粉砕処理が可能な水性原料スラリー(1)が得られる。
本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法に係る第2工程は、第1工程を行い得られる水性原料スラリー(1)をメディアミルにより湿式粉砕処理して、粉砕処理物を含むスラリー(2)を得る工程である。
第2工程において、メディアミルにより湿式粉砕を行う際の水性原料スラリー(1)中の固形分濃度は、 5〜40質量%、特に好ましくは10〜35質量%である。メディアミルにより湿式粉砕を行う際の水性原料スラリー(1)中の固形分濃度が上記範囲にあることにより、操作性が良好であり、また、効率的に粉砕処理を行うことができる。このため、第1工程を行った後、必要により、上記の固形分濃度になるように、水性原料スラリー(1)の固形分濃度を調節してから、第2工程において湿式粉砕処理することが好ましい。
そして、第2工程では、水性原料スラリー(1)を、メディアミルにより湿式粉砕処理する。第2工程において、水性原料スラリー(1)を、メディアミルにより湿式粉砕処理することにより、水性原料スラリー(1)に含有されている固形分を、微細に粉砕することができるので、優れた反応性を有する反応前駆体を得ることができる。
メディアミルとしては、ビーズミル、ボールミル、ペイントシェーカー、アトライタ、サンドミル等が挙げられ、ビーズミルが好ましい。ビーズミルを用いる場合、運転条件やビーズの種類及び大きさは、装置のサイズや処理量に応じて適切に選択される。
メディアミルを用いる処理を一層効率的に行う観点から、コバルトの有機酸塩を含む水性スラリー(A)又は水性原料スラリー(1)に分散剤を加えてもよい。分散剤は、スラリーの種類や特性に応じて、適宜選択される。分散剤としては、各種の界面活性剤、ポリカルボン酸アンモニウム塩等が挙げられる。スラリー中の分散剤の濃度は、十分な分散効果が得られる点で、好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。
第2工程では、メディアミルを用いる湿式粉砕処理を、粉砕処理物を含むスラリー(2)中の固形分の平均粒子径が、レーザー散乱・回折法により求められるD50で、好ましくは1.5μm以下、特に好ましくは0.1〜1.2μmとなるまで行う。粉砕処理物を含むスラリー(2)中の固形分の平均粒子径が、上記範囲にあることにより、優れた反応性を有する反応前駆体が得られ易くなる。なお、レーザー散乱・回折法により求められるD50とは、例えば、マイクロトラックベル製のMT3300を用いるレーザー散乱・回折法により求められる粒度分布曲線における体積積算で50%の粒径を指す。
このようにして、第2工程を行うことにより、粉砕処理物を含むスラリー(2)を得ることができるが、本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法では、必要により、第2工程の粉砕処理物を含むスラリーに、更に、M源を含有させることができる。なお、第2工程におけるM源の種類及びM源の添加量は、第1工程におけるM源の種類及びM源の添加量と同様である。
第2工程におけるM源の添加時期は、特に制限されないが、第3工程を行う前のいずれかの時期に、M源を添加し、粉砕処理品を含むスラリー(2)に含有させることができる。
本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法に係る第3工程は、第2工程を行い得られる粉砕処理物を含むスラリー(2)を噴霧乾燥して、反応前駆体を得る工程である。
スラリーの乾燥方法には噴霧乾燥法以外の方法も知られているが、本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法においては、噴霧乾燥法を選択することが有利であるとの知見に基づき、この乾燥方法を採用している。
詳細には、噴霧乾燥法により乾燥を行うと、各原料成分を均一に含有し、原料粒子が密に詰まった状態の造粒物が得られることから、本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法では、この造粒物を反応前駆体とし、反応前駆体を後述する第4工程で焼成することにより、X線回折的には単相のリン酸コバルトリチウムを得ることができる。
第3工程における噴霧乾燥では、所定手段によってスラリーを霧化し、それによって生じた微細な液滴を乾燥させることにより、反応前駆体を得る。スラリーの霧化には、例えば回転円盤を用いる方法と、圧力ノズルを用いる方法がある。第3工程においてはいずれの方法も用いることもできる。
第3工程における噴霧乾燥法では、霧化されたスラリーの液滴の大きさと、それに含まれる粉砕処理物の粒子の大きさとの関係が、安定した乾燥や、得られる乾燥粉の性状に影響を与える。詳細には、液滴の大きさに対して粉砕処理物の原料粒子の大きさが小さすぎると、液滴が不安定になり、乾燥を首尾よく行いづらくなる。この観点から、霧化された液滴の大きさは、1〜50μmが好ましく、10〜40μmが特に好ましい。噴霧乾燥装置へのスラリーの供給量は、この観点を考慮して決定することが好ましい。
第3工程における噴霧乾燥により得られる反応前駆体は、第4工程で焼成に付されるが、得られるリン酸コバルトリチウムの平均粒子径等の粉体特性は、反応前駆体の特性を概ね引き継ぐようになる。このため、第3工程での噴霧乾燥においては、目的とするリン酸コバルトリチウムの粒子径の制御の点から、反応前駆体の二次粒子の大きさが、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により求められる粒子径で、1〜50μmとなるように噴霧乾燥を行うことが好ましく、10〜40μmとなるように噴霧乾燥を行うことが特に好ましい。
第3工程において、噴霧乾燥装置での乾燥温度を、熱風入口温度が150〜350℃、好ましくは200〜330℃に調整して、熱風出口温度が80〜200℃、好ましくは100〜170℃となるように調整することが、粉体の吸湿を防ぎ粉体の回収が容易になることから好ましい。
第3工程を行い得られる反応前駆体は、少なくともコバルトの有機酸塩及びリチウムのリン酸塩を含有するものであることが好ましい。反応前駆体をX線回折分析することにより、反応前駆体中のコバルトの有機酸塩及びリチウムのリン酸塩を確認することができる。反応前駆体に含有されるリチウムのリン酸塩としては、Li(HPO)が好ましく、また、コバルトの有機酸塩としては、用いる有機酸の種類によっても異なるが、例えば、シュウ酸を用いた場合には、コバルトのシュウ酸塩(Co(C)(HO))が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない限り、反応過程で副生するコバルトの有機酸塩を含有していてもよい。副生するコバルトの有機酸塩としては、シュウ酸を用いた場合には、例えば、コバルトのギ酸塩(Co(HCOO)(HO))等が挙げられる。また、M源を含有する反応前駆体は、コバルト及びMとの有機酸の複塩となっていても差し支えない。
このようにして、第3工程を行うことにより、第4工程において焼成に付する反応前駆体を得る。
本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法に係るに係る第4工程は、第3工程を行い得られる反応前駆体を焼成して、X線的に単相のリン酸コバルトリチウムを得る工程である。
第4工程での焼成温度は、380〜1100℃、好ましくは400〜1000℃である。焼成温度が上記範囲未満だと、X線回折的に単相になるまでの焼成時間が長くなり工業的に不利となり、一方、焼成温度が上記範囲を超えると、リン酸コバルトリチウムが硬い焼結体となるため好ましくない。なお、本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法では、従来よりも低温で焼成を行ってもX線的に単相のリン酸コバルトリチウムが得られるという点から、400〜590℃で焼成を行うことが特に好ましい。
第4工程での焼成雰囲気は、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気である。なお、第4工程における焼成の際に、酸化を防止する必要があるM源を含む場合には、焼成雰囲気を不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気とすることが好ましい。
第4工程における焼成時間は、特に制限されず、0.5時間以上、好ましくは2〜20時間である。第4工程では、0.5時間以上、好ましくは2〜20時間焼成を行えば、X線回折的に単相のリン酸コバルトリチウムを得ることができる。
第4工程では、一旦焼成を行い得られたリン酸コバルトリチウムを、必要に応じて、複数回焼成してもよい。
第4工程を行い得られるリン酸コバルトリチウムを、必要に応じて、解砕処理、又は粉砕処理し、更に分級してもよい。
また、本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法では、必要に応じて、第4工程を行い得られるリン酸コバルトリチウムに対して、下記の第5(A)工程又は第5(B)工程を行うことができる。
第5(A)工程は、第4工程を行い得られるリン酸コバルトリチウムに対して、更に加熱処理を施して、リン酸コバルトリチウムに含有される炭素量を調整する工程である。具体的には、第5(A)工程では、第4工程で得られるリン酸コバルトリチウムに加熱処理を施して、リン酸コバルトリチウム中の炭素の酸化処理を行う。第5(A)工程における加熱処理は、酸素含有雰囲気下に行うことが好ましい。第5(A)工程では、雰囲気の酸素濃度が、5体積%以上、好ましくは10〜30体積%であることが、炭素を高効率で酸化処理するという観点から好ましい。 第5(A)工程における加熱処理の温度は、200〜500℃、好ましくは250〜400℃である。第5(A)工程における加熱温度が上記範囲にあることにより、残存する炭素を高効率で酸化処理することができる。 第5(A)工程における加熱処理の時間は、本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法において臨界的ではない。第5工程における加熱処理の時間が長くなるほどリン酸コバルトリチウムに含有される炭素の含有量が低くなる。第5工程(A)では、所望の炭素の含有量となるよう、予め適宜好適な条件を設定して加熱処理を行うことが好ましい。
第5(B)工程は、第4工程で得られたリン酸コバルトリチウムと、加熱分解により炭素が析出する導電性炭素材料源(以下、単に「導電性炭素材料源」とも記載する。)とを混合し、リン酸コバルトリチウムと導電性炭素材料源との混合物を得、次いで、該混合物を加熱処理して、導電性炭素材料源を加熱分解してリン酸コバルトリチウム炭素複合体を得る工程である。
導電性炭素材料源としては、少なくとも第5(B)工程で加熱処理することにより加熱分解して炭素が析出するものが用いられる。導電性炭素材料源は、リン酸コバルトリチウムに導電性を付与する成分であり、導電性の炭素とリン酸コバルトリチウムとの複合体とすることで、リン酸コバルトリチウム炭素複合体を正極活物質とするリチウム二次電池は、放電容量やサイクル特性の向上が期待できる(例えば、特表2014−514712号公報、特開2008−117749号公報等参照)。
導電性炭素材料源としては、例えば、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチ;乾留液化油等の石炭系重質油、常圧残油、減圧残油の直流重質油、原油、ナフサ等の熱分解時に副生するエチレンタール等の分解系重質油の石油系重質油;アセナフチレン、デカシクレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素;フェナジン、ビフェニル、テルフェニル等のポリフェニレン;ポリ塩化ビニル;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール等の水溶性ポリマー、及びこれらの不溶化処理品;含窒素性のポリアクリロニトリル;ポリピロール等の有機高分子;含硫黄性のポリチオフェン、ポリスチレン等の有機高分子;グルコース、フルクトース、ラクトース、マルトース、スクロース等の糖類などの天然高分子;ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、これらのうち、糖類が工業的に安価に入手でき、また、最終的に得られるリン酸コバルトリチウム炭素複合体を正極活物質とするリチウム二次電池の放電容量やサイクル特性を向上させる観点から好ましい。
導電性炭素材料源の配合割合は、リン酸コバルトリチウムに対して導電性炭素材料源中の炭素原子が、0.1〜20.0質量%、好ましくは0.5〜15.0質量%となるように、導電性炭素材料源を添加することがリン酸コバルトリチウム炭素複合体を正極活物質とするリチウム二次電池の放電容量やサイクル特性を向上させる観点から好ましい。
第5(B)工程において、リン酸コバルトリチウムと、導電性炭素材料源との混合を、乾式又は湿式で行うことができる。
第5(B)工程において、乾式で混合処理を行う方法としては、機械的手段にて行うことが均一な混合物が得られる点で好ましい。乾式混合に用いられる装置としては、均一な混合物が得られるものであれば特に制限はないが、例えば、ハイスピードミキサー、スーパーミキサー、ターボスフェアミキサー、アイリッヒミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、リボンブレンダー、V型混合機、コニカルブレンダー、ジェットミル、コスモマイザー、ペイントシェイカー、ビーズミル、ボールミル等が挙げられる。なお、実験室レベルでは、家庭用ミキサーで十分である。
また、第5(B)工程において、湿式で混合処理を行う方法としては、水溶媒にリン酸コバルトリチウムと導電性炭素材料源を、固形分含有量が10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%となるように添加し、これを機械的手段で混合してスラリーを調製し、次いで、該スラリーを静置させた状態で乾燥させるか、あるいは、該スラリーを噴霧乾燥処理して乾燥させる等により、リン酸コバルトリチウムと導電性炭素材料源との混合物を得る方法が挙げられる。
湿式混合に用いられる装置としては、均一なスラリーが得られるものであれば特に制限はないが、例えば、スターラー、撹拌羽による攪拌機、3本ロール、ボールミル、ディスパーミル、ホモジナイザー、振動ミル、サンドグラインドミル、アトライター及び強力撹拌機等の装置が挙げられる。湿式混合処理は、上記で例示した機械的手段による混合処理に限定されるものではない。なお、湿式混合の際に、界面活性剤をスラリーに添加して混合処理を行ってもよい。
次いで、前記のようにして調製したリン酸コバルトリチウムと導電性炭素材料源との混合物を加熱処理する。加熱処理を、導電性炭素材料源が加熱分解して炭素を析出させる温度で行う必要があり、加熱温度は、180〜900℃、好ましくは210〜800℃である。加熱処理の加熱温度が上記範囲にあることにより、炭素を粒子表面に均一被覆しながら凝集を抑えることができる。加熱処理の加熱時間は、0.2時間以上、好ましくは0.5〜5時間である。加熱処理の雰囲気は不活性ガス雰囲気とすることが、炭素の酸化を抑制することができる点で好ましい。また、本発明のリン酸コバルトリチウムの製造方法における加熱処理では、用いた導電性炭素材料源の融点以上に一度加熱して導電性炭素材料源を溶融し、次いで、上記範囲で加熱処理して導電性炭素材料源から炭素を析出させることが、粒子表面に均一に炭素を被覆させることができる点で好ましい。
このようにして本発明の製造方法により得られるリン酸コバルトリチウム及びリン酸コバルトリチウム炭素複合体は、X線回折的に単相のリン酸コバルトリチウムであることに加えて、SEM観察により求められる平均粒子径が好ましくは5μm以下、特に好ましくは0.05〜2μmであり、BET比表面積が好ましくは0.1m/g以上、特に好ましくは0.3〜15m/gである。また、本発明の製造方法により得られるリン酸コバルトリチウム炭素複合体は、リン酸コバルトリチウムの粒子表面が炭素で均一にコートされていることが好ましく、リン酸コバルトリチウム炭素複合体中の炭素含有量が炭素原子として好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜15質量%である。
本発明の製造方法を行い得られるリン酸コバルトリチウム及びリン酸コバルトリチウムは、リチウム二次電池、全固体電池等の正極材として好適に利用される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<第1工程>
純水11Lに室温(25℃)でシュウ酸・2水塩1604.5gを加えてスリーワンモーター攪拌機を用いて30分攪拌し、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)228gを加えた。次に水酸化コバルト1200gを加えて30分攪拌した。次に85質量%リン酸1461.2gを加えて30分攪拌した。次に水酸化リチウム・1水塩534.4gを加えて1時間攪拌し水性原料スラリーを得た。
<第2工程>
次いで、この水性原料スラリーを攪拌しながら、直径0.5mmのジルコニアビーズを仕込んだメディア攪拌型ビーズミルに供給し、3時間混合して湿式粉砕を行った。レーザー散乱・回折法により求められる湿式粉砕後のスラリー中の固形分の平均粒子径は0.5μmであった。
<第3工程>
続いて、熱風入口の温度を220℃に設定したスプレードライヤーに、2.4L/hの供給速度でスラリーを供給し、反応前駆体を得た。スプレードライヤー内部に付着分は少なく、回収率は97%であった。得られた反応前駆体をX線回折分析したところ、Co(C)(HO)、Co(HCOO)(HO)、Li(HPO)の混合物であることが確認された。反応前駆体のX線回折図を図1に示す。
<第4工程>
次いで、得られた反応前駆体を、425℃で2時間、大気雰囲気中で焼成し、焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、焼成品は単相のLiCoPO4であった。焼成品のX線回折図を図2に示す。
(実施例2)
第4工程において550℃で2時間、大気雰囲気中で焼成したこと以外は、実施例1と同様に行い、焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、焼成品は単相のLiCoPOであった。焼成品のX線回折図を図3に示す。
(実施例3)
第4工程において550℃で2時間、窒素雰囲気中で焼成したこと以外は、実施例1と同様に行い、焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、焼成品は単相のLiCoPOであった。
(実施例4)
第4工程において760℃で2時間、大気雰囲気中で焼成したこと以外は、実施例1と同様に行い、焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、焼成品は単相のLiCoPOであった。
(比較例1)
純水11Lに室温(25℃)で水酸化コバルト1200gを加えてスリーワンモーター攪拌機を用いて30分攪拌し、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)228gを加えた。次に85質量%リン酸1461.2gを加えたところ紫色のケーキ状となり攪拌不能となり、その後の工程は行えなかった。得られた固形分をX線回折分析したところ、Co(PO・8HOであった(図4参照)。
(比較例2)
純水1Lに室温(25℃)で四酸化コバルト120gを加えてリーワンモーター攪拌機を用いて30分攪拌し、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)22.8gを加えた。次に85質量%リン酸172.9gを加えて30分攪拌した。次に水酸化リチウム・1水塩63.2gを加えて1時間攪拌しスラリーを得た。
続いて、熱風入り口の温度を220℃に設定したスプレードライヤーに、2.4L/hの供給速度でスラリーを供給し、反応前駆体を得た。スプレードライヤー内部への付着分が多くあり、回収率は37%であった。得られた乾燥品をX線回折分析したところ、CoとLi(HPO)の混合物であった(図5参照)。
次いで、得られた反応前駆体を、425℃で2時間、大気雰囲気中で焼成し、黒色の焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、焼成品はLiCoPO、Co2.75とLi(PO)の混合物であった(図6参照)。
<諸物性の評価>
実施例で得られたリン酸コバルトリチウムについて、平均粒子径及びBET比表面積を測定し、その結果を表2に示す。また、実施例1で得られたリン酸コバルトリチウムのSEM写真を図7に示す。
なお、平均粒子径の測定については、走査型電子顕微鏡において倍率1万倍で観察し、任意に抽出した粒子50個以上の平均値を、平均粒子径として求めた。
(実施例5)
(第5(B)工程)
実施例4で得られたLiCoPOを10gとラクトース2gを自転・公転ミキサーにて100rpmで1分間混合した。該混合物を窒素雰囲気下、220℃で2時間加熱処理した後、700℃まで昇温し4時間保持してLiCoPO炭素複合体を得た。また、LiCoPO炭素複合体を(SEM−EDX)で観察した結果、LiCoPOの粒子表面が炭素で均一にコートされていることが確認できた。また、TOCでカーボン量を測定したところ、カーボン含有量は3質量%であった。
(実施例6)
第2工程において、メディア攪拌型ビーズミルで、水性原料スラリーを粉砕後、メディア攪拌型ビーズミル内のスラリーに、硝酸アルミニウム9水和物を142g加え、メディア攪拌型ビーズミルでスラリーを撹拌し、第3工程に供するスラリーを得たこと以外は、実施例2と同様にして焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、焼成品には、異相は観察されず、Alをモル比Al/Coで0.03含有するリン酸コバルトリチウムであることを確認した(図8)。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1):
    LiCo1−yPO (1)
    (式中、0.8≦x≦1.2、0≦y≦0.5であり、Mは、Mg、Zn、Cu、Fe、Cr、Mn、Ni、Al、B、Na、K、F、Cl、Br、I、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Y、Yb、Si、S、Mo、W、V、Bi、Te、Pb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ga、Ge、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy及びHoから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。)
    で表されるリン酸コバルトリチウムの製造方法であって、
    水溶媒に、有機酸及び水酸化コバルトを添加し、次いで、リン酸及び水酸化リチウムを添加して、水性原料スラリー(1)を調製する第1工程と、
    該水性原料スラリー(1)をメディアミルにより湿式粉砕処理して、原料粉砕処理物を含むスラリー(2)を得る第2工程と、
    該原料粉砕処理物を含むスラリー(2)を噴霧乾燥処理して、反応前駆体を得る第3工程と、
    該反応前駆体を焼成する第4工程と、
    を有することを特徴とするリン酸コバルトリチウムの製造方法。
  2. 前記第1工程の水性原料スラリー(1)又は前記第2工程の原料粉砕処理物を含むスラリー(2)に、更に、M源(Mは、Mg、Zn、Cu、Fe、Cr、Mn、Ni、Al、B、Na、K、F、Cl、Br、I、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Y、Yb、Si、S、Mo、W、V、Bi、Te、Pb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ga、Ge、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy及びHoから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。)を含有させることを特徴とする請求項1記載のリン酸コバルトリチウムの製造方法。
  3. 前記原料粉砕処理物を含むスラリー(2)中の固形分の平均粒子径が1.5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載のリン酸コバルトリチウムの製造方法。
  4. 前記有機酸がカルボン酸であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のリン酸コバルトリチウムの製造方法。
  5. 前記有機酸がシュウ酸であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のリン酸コバルトリチウムの製造方法。
  6. 前記反応前駆体がコバルトの有機酸塩及びリチウムのリン酸塩を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のリン酸コバルトリチウムの製造方法。
  7. 焼成温度が380〜1100℃であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のリン酸コバルトリチウムの製造方法。
  8. 更に、前記第4工程を行い得られるリン酸コバルトリチウムを、加熱処理する第5(A)工程を有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載のリン酸コバルトリチウムの製造方法。
  9. 請求項1〜7いずれか1項記載のリン酸コバルトリチウムの製造方法を行い得られたリン酸コバルトリチウムと、加熱分解により炭素が析出する導電性炭素材料源とを混合し、該リン酸コバルトリチウムと該導電性炭素材料源との混合物を得、次いで、該混合物を加熱処理して、該導電性炭素材料源を加熱分解することにより、リン酸コバルトリチウム炭素複合体を得る第5(B)工程を有することを特徴とするリン酸コバルトリチウム炭素複合体の製造方法。
  10. 前記第5(B)工程の加熱処理における加熱処理温度が180〜900℃であることを特徴とする請求項9記載のリン酸コバルトリチウム炭素複合体の製造方法。
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