JP5354012B2 - 銀系無機抗菌剤およびその製造方法、ならびに抗菌加工製品 - Google Patents

銀系無機抗菌剤およびその製造方法、ならびに抗菌加工製品 Download PDF

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Description

本発明は、銀を担持したリン酸ジルコニウムを主成分とする銀系抗菌剤およびその製造方法、ならびにこの抗菌剤を練り込み加工や塗布加工等により含有させた抗菌加工製品に関するものである。本発明の抗菌剤は、従来の抗菌剤に比べ、耐水性に優れるほか、耐熱性、耐薬品性および加工性に優れ、且つ銀イオンの徐放性に優れることから抗菌効果の耐水持続性を備える銀系無機抗菌剤である。
近年、リン酸ジルコニウム系無機イオン交換体は、その特徴を活かし様々な用途に利用されている。リン酸ジルコニウム系無機イオン交換体には、非晶質のものと、2次元層状構造をとる結晶質のものおよび3次元網目状構造をとる結晶質のものがある。このなかでも3次元網目状構造をとる六方晶リン酸ジルコニウムは、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性および低熱膨張性などに優れており、放射性廃棄物の固定化、固体電解質、ガス吸着・分離剤、触媒および抗菌剤原料などに応用されている。
これまでに様々な六方晶リン酸ジルコニウムが知られている。例えば、AXNH4(1-X)Zr2(PO43・nH2Oが特許文献1に開示されており、AZr2(PO43・nH2Oが特許文献2に開示されており、Hn1-nZr2(PO43・mH2Oが特許文献3に開示されている。
また、ZrとPとの比が異なるリン酸ジルコニウムも知られている。例えば、Na1+4xZr2-x(PO43が、非特許文献1に開示されており、Na1+2xMgxZr2-x(PO43は、非特許文献1、2に開示されている。Na1+xZr2Six3-x12は、非特許文献2、3に開示されている。
これら六方晶リン酸ジルコニウムの合成法には、主に固体状の粉末原料を混合後、高温加熱処理炉などを用いて1000℃以上で高温加熱処理することにより合成する高温加熱合成法、一旦水に溶解した原料を混合するか水中で原料を混合することで水を含有した状態で加圧加熱して合成する水熱法、および水を含有した状態で常圧下の加熱により合成する湿式法などが知られている。
これらのなかでも高温加熱合成法は、原料を調合し高温で加温するのみで、P/Zr比を適宜調整したリン酸ジルコニウムを合成することが可能である。しかし、高温加熱合成法では、原料の均一な混合が容易ではなく、均質な組成のリン酸ジルコニウムができにくい。更に、高温加熱処理で得られた塊状のリン酸ジルコニウムを粒子状にするには、粉砕および分級をしなければならないため、品質上および生産性の点で問題があった。また、当然のことながら、高温加熱合成法ではアンモニアを含有する結晶質リン酸ジルコニウムを合成することができない。一方、水熱法や湿式法は、均質な微粒子状リン酸ジルコニウムを得ることが可能である。
銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バリウム、カドミウムおよびクロム等のイオンは、防かび、抗菌性および防藻性を示す金属イオン(以下、抗菌性金属イオンと略称する)として古くから知られている。特に、銀イオンは消毒作用及び殺菌作用を有する硝酸銀水溶液として広く利用されている。しかしながら、上記の防かび、抗菌性又は防藻性を示す金属イオンは、人体に有毒である場合が多く、使用方法、保存方法及び廃棄方法等において種々の制限があり、用途も限定されていた。
しかし、防かび、抗菌性または防藻性を発揮させるには、適用対象に対して微量の抗菌性金属を作用させれば充分である。このことから、防かび、抗菌性または防藻性を具備する抗菌剤として、抗菌性金属イオンをイオン交換樹脂またはキレート樹脂などに担持させた有機系担持抗菌剤、および抗菌性金属イオンを粘土鉱物、無機イオン交換体または多孔質体に担持させた無機系抗菌剤が提案されている。
なかでも、銀イオンを無機化合物に担持した銀系無機抗菌剤は、硝酸銀水溶液と比較し安全性が向上しているうえ、抗菌効果の持続性が長く、しかも耐熱性に優れる特長を有していることから、使用方法、保存方法、廃棄方法および用途の制限が少なく、今では様々な製品に応用されている。しかし、銀イオンは、熱および光の暴露に対して不安定であり、すぐ金属銀に還元されてしまい、着色を起こすなど、長期間の安定性に問題がある。銀イオンを担持する無機化合物の種類によっては、得られる銀系無機抗菌剤の性能が異なり、やはり何らかの制限を受ける場合も少なくない。
銀系無機抗菌剤の一つとして、モンモリロナイトおよびゼオライトなどの粘土鉱物中のナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンと銀イオンとをイオン交換させた抗菌剤が知られている。これは粘土鉱物自体の骨格構造が耐酸性に劣るため、例えば酸性溶液中では容易に銀イオンが溶出し、抗菌効果の持続性がない。
また、銀イオンの安定性をあげるため、ゼオライトに銀イオンとアンモニウムイオンをイオン交換により共存させて担持したものがある。しかし、このものでも着色の防止は、実用レベルに至らず、根本的な解決には至っていない。
吸着性を有する活性炭に抗菌性金属を担持させた抗菌剤がある。しかし、これらは溶解性の抗菌性金属塩を物理的に吸着または付着させているため、水分と接触させると抗菌性金属イオンが急速に溶出してしまい、抗菌効果の持続性がない。
最近、特殊なリン酸ジルコニウム塩に抗菌性金属イオンを担持させた抗菌剤が提案されている。例えば、下記の式〔2〕のものが、特許文献4に開示されている。

1 ab2 c(PO4d・nH2O 〔2〕

(式〔2〕において、M1は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バリウム、カドミウム又はクロムより選ばれる一種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンまたは水素イオンから選ばれる少なくとも一種のイオンであり、M2は4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす数であり、aおよびbは正数であり、cおよびdは、la+mb=1の時、c=2、d=3、la+mb=2の時、c=1、d=2である。但し、lはM1の価数であり、mはAの価数である。)
この抗菌剤は化学的および物理的に安定であり、長期間、防かびおよび抗菌性を発揮する材料として知られている。しかし、特定の環境条件、たとえば水中に長時間曝される用途では銀イオンの溶出速度が早いため、製品として長期間の効果の持続性が得られないことがあった。
特開平6−48713号公報 特開平5−17112号公報 特開昭60−239313号公報 特開平04−275370号公報
C.JAGER、他3名、「31P and 29Si NMR Investigatios of the Structure of NASICON-Strukturtyps」、Expermentelle Technik der Physik、1988年、36巻、4/5号、p339−348 C.JAGER、他2名、「31P MAS NMR STUDY OF THE NASICON SYSTEM Na1+4yZr2-y(PO4)3」、Chemical Physics Letters、1988年、150巻、6号,p503−505 H.Y-P.HONG,「CRYSTAL STRUCTURE AND CRYSTAL CHEMISTRY IN THE SISTEM Na1+xZr2SixP3-xO12」,Mat.Res.Bull.,11巻,p.173−182
本発明は、耐熱性、耐薬品性、加工性に優れ、且つ耐水持続性にも優れる銀系無機抗菌剤および抗菌加工製品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ピロリン酸ジルコニウム(ZrP27)を含有する下記式〔1〕で示され、かつ、粉末X線回折図において、2θが20.0°〜20.2°のX線回折ピークの強度を100とした場合に、2θ=21.3°〜21.5°のX線回折ピークの相対強度が5〜50であるリン酸ジルコニウム系銀系無機抗菌剤により課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
AgabZrcHfd(PO43・nH2O 〔1〕
(式〔1〕において、Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、水素イオン、オキソニウムイオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、a、b、cおよびdは正数であり、1.75<(c+d)<2.2、a+b+4(c+d)=9を満たす数であり、nは2以下である。)


さらに、本発明は、上記記載の銀系無機抗菌剤を含有する抗菌加工製品である。
本発明の銀系無機抗菌剤は、既存の銀リン酸ジルコニウム系抗菌剤に比較し抗菌効果の耐水持続性に優れるものである。
実施例1で得られた無機抗菌剤を粉末X線回折装置で測定したX線回折図。 比較例4で得られた無機抗菌剤を粉末X線回折装置で測定したX線回折図。
以下本発明について説明する。特に記載のない場合、%は質量%である。
本発明の銀系無機抗菌剤は、ピロリン酸ジルコニウム(ZrP27)を含有する下記一般式〔1〕で示されるものである。

AgabZrcHfd(PO43・nH2O 〔1〕

(式〔1〕において、Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、水素イオン、オキソニウムイオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、a、b、cおよびdは正数であり、1.75<(c+d)<2.2、a+b+4(c+d)=9を満たす数であり、nは2以下である。)
式〔1〕においてaは、0<aであり、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.03以上であり、そしてaは、1以下が好ましく、0.6以下がより好ましい。aが0.01未満では抗菌性が十分発現しないおそれがある。
式〔1〕において、bはMがアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、水素イオン、オキソニウムイオンの種類により最適な数値が異なる。0<bであり、好ましくは0.01以上である。またbは、1.5未満であり、好ましくは1.0未満であり、より好ましくは0.9以下である。bの値が大きいと本発明の抗菌剤を樹脂に配合時に変色を生じやすい傾向があり、bが0.6以上では特に変色しやすい。
式〔1〕においてcおよびdは、1.75<(c+d)<2.2であり、cは2.15未満が好ましく、2.10未満がより好ましく、1.80以上が好ましく、1.85以上がより好ましく、1.90以上が更に好ましい。また、dは、0.2以下が好ましく、0.001以上0.15以下がさらに好ましく、0.005以上0.10以下がより好ましい。
c+dが1.75以下または2.2以上の場合は、式〔1〕で表される均質なリン酸ジルコニウムが得られ難いことがあるため好ましくない。
式〔1〕においてnは、1以下が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5であり、0.03〜0.3の範囲が特に好ましい。nが2超では、本発明の銀系無機抗菌剤に含まれる水分の絶対量が多く、加工時等に発泡や加水分解などを生じる恐れがあり好ましくない。
式〔1〕で示される銀系無機抗菌剤として下記のものが例示できる。
Ag0.05Na0.020.3(H3O)0.55Zr2.0Hf0.02(PO43・0.15H2
Ag0.10Na0.020.32(H3O)0.40Zr2.01Hf0.03(PO43・0.10H2
Ag0.17Na0.020.65Zr2.03Hf0.01(PO43・0.05H2
Ag0.17Na0.040.2(H3O)0.55Zr1.99Hf0.02(PO43・0.25H2
Ag0.17Na0.10(H3O)0.45Zr1.92Hf0.15(PO43・0.15H2
Ag0.17Na0.120.100.2(H3O)0.25Zr1.92Hf0.05(PO43・0.15H2
Ag0.45Na0.120.55Zr1.95Hf0.02(PO43・0.05H2
Ag0.550.10.2(H3O)0.47Zr1.99Hf0.01(PO43・0.15H2
Ag0.17Na0.200.3(H3O)0.45Zr1.92Hf0.05(PO43・0.15H2
Ag0.45Na0.120.2(H3O)0.35Zr1.95Hf0.02(PO43・0.05H2
Ag0.55Na0.10.35Zr1.99Hf0.01(PO43・0.15H2
本発明の銀系無機抗菌剤は、ピロリン酸ジルコニウム(ZrP2O7)を含有する上記式〔1〕に記載の銀系無機抗菌剤である。
ピロリン酸ジルコニウムは上記式〔1〕の銀系無機抗菌剤粒子と一体となって存在し分離はできない状態であり、別々の化合物を混合したものではない。ピロリン酸ジルコニウムは銀系無機抗菌剤と分離することができないが、含有量は粉末X線回折図で確認することができる。ピロリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図は、ASTM File No.29−1399であり、d値で4.12(100)、3.69(40)、4.76(30)、3.37(30)、2.92(30)、1.84(20)、1.59(20)、1.68(10)である。一方、上記式〔1〕の銀系無機抗菌剤の類似化合物であるAgZr2(PO4)3の粉末X線回折図は、ASTM File No.34−1245であり、d値で2.87(100)、4.38(50)、3.80(50)、2.67(50)、2.54(30)、1.90(30)、4.55(20)、2.28(20)である。
粉末X線回折図において、上記式〔1〕の銀系無機抗菌剤の結晶構造を示す2θ=20.0°〜20.2°(d値で4.4に相当)のX線回折ピーク強度を100とした場合に対するピロリン酸ジルコニウム結晶の存在を示す2θ=21.3°〜21.5°(d値で4.1に相当)のX線回折ピークの相対強度はピロリン酸ジルコニウム結晶の含有量を示すものであり、小さすぎては銀溶出量の抑制効果が現れ難いことは当然であるが、大きければ大きいほど良いわけではなく、最適値が存在する。好ましい相対強度は5〜50であり、より好ましくは10〜40であり、特に好ましくは15〜35である。以下、本発明においてX線回折強度の相対強度とは、上記のとおり、2θ=20.0°〜20.2°(d値で4.4に相当)のX線回折ピーク強度を100とした場合に対する、ピロリン酸ジルコニウム結晶の存在を示す2θ=21.3°〜21.5°(d値で4.1に相当)のX線回折ピークの相対強度を意味する。
上記式〔1〕の銀系無機抗菌剤の結晶構造を示す2θ=20.0°〜20.2°のX線50kv/120mAの条件で測定した場合の粉末X線回折強度の絶対値は、大きいほうが結晶性が高いことを示し、銀系無機抗菌剤の耐変色性や耐久性などが高くなるためには絶対値が4000cps以上であることが好ましく、より好ましくは5000cps以上である。
また、本発明の式〔1〕で示される銀系無機抗菌剤は、下記式〔3〕で示されるリン酸ジルコニウム化合物の1モル当たりとして、式〔3〕の係数b1に0.6〜0.99をかけた量の硝酸銀を含有する水溶液を用いてイオン交換した後、熱分解処理することで得ることのできる銀系無機抗菌剤である。
Nab1c1ZreHff(PO43・nH2O 〔3〕

(式〔3〕において、Aはアンモニウムイオンおよび/または水素イオンであり、b1、c1、eおよびfは正数であり、1.75<(e+f)<2.25、b1+c1+4(e+f)=9を満たす数である。)
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成方法は、各種原料を水溶液中で反応させる湿式法または水熱法が好ましい。式〔3〕におけるAがアンモニウムイオンで表されるリン酸ジルコニウムの具体的合成方法には、ジルコニウム化合物、アンモニアまたはその塩、シュウ酸またはその塩、およびリン酸またはその塩などを所定量含有する水溶液を苛性ソーダまたアンモニア水でpH4以下に調整後、70℃以上の温度で加熱することで合成ができる。
また、式〔3〕におけるAが水素イオンで表されるリン酸ジルコニウムの具体的合成方法には、ジルコニウム化合物、シュウ酸またはその塩、およびリン酸またはその塩など、所定量含有する水溶液を苛性ソーダでpH4以下に調整後、70℃以上の温度で加熱することで得られたリン酸ジルコニウムをさらに塩酸、硝酸または硫酸などの水溶液中で攪拌することで水素イオンを担持することで合成ができる。なお、水素イオンの担持は、硝酸銀による銀イオンの担持と同時に実施するか、銀イオンの担持後に実施することも可能である。合成後のリン酸ジルコニウムは、さらに濾別し、所定の電気伝導度にまで水洗後に乾燥、軽く粉砕することで白色の微粒子リン酸ジルコニウムが得られる。また、100℃超の加圧下で合成する水熱法であれば、シュウ酸またはその塩を用いずに式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムが合成可能である。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成原料として使用することができるジルコニウム化合物には、水溶性または酸可溶性のジルコニウム塩が使用可能である。例えば、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、およびオキシ塩化ジルコニウムなどが例示され、反応性や経済性などを考慮するとオキシ塩化ジルコニウムが好ましい。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成原料として使用することができるハフニウム化合物には、水溶性または酸可溶性のハフニウム塩であり、塩化ハフニウム、オキシ塩化ハフニウムおよびハフニウムエトキシドなどが例示され、ハフニウムを含有するジルコニウム化合物も使用できる。ジルコニウム化合物に対して含有されるハフニウム含有率は、0.1%以上〜5%以下が好ましく、0.3%以上〜4%以下がより好ましい。本発明においては、このようなハフニウムを微量含有したオキシ塩化ジルコニウムを使用することが、反応性や経済性などを考慮すると好ましい。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成原料として使用できるシュウ酸またはその塩としては、シュウ酸2水和物、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸水素ナトリウム、およびシュウ酸水素アンモニウムなどが例示され、好ましくはシュウ酸2水和物である。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成原料として使用できるアンモニアまたはその塩としては、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、アンモニア水、シュウ酸アンモニウム、およびリン酸アンモニウムなどが例示でき、好ましくは塩化アンモニウムまたはアンモニア水である。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成原料として使用できるリン酸またはその塩としては、可溶性または酸可溶性の塩が好ましく、具体的にはリン酸、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素アンモニウムおよびリン酸アンモニウムなどが例示され、より好ましくはリン酸である。なお、当該リン酸の濃度としては、60%〜85%程度の濃度のものが好ましい。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムを合成するときのリン酸またはその塩とジルコニウム化合物とのモル比率(ジルコニウム化合物を1として)は、1.5超〜2未満であり、より好ましく1.51〜1.71未満であり、さらに好ましくは1.52〜1.67であり、特に好ましくは1.52〜1.65である。
即ち、式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムは、ジルコニウム化合物1モル当たりリン酸またはその塩のモルが1.5超〜2未満の範囲にある湿式法または水熱法で好ましく合成することができる。
また、式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムを合成するときのリン酸またはその塩とアンモニアまたはその塩とのモル比率(アンモニアまたはその塩を1として)は、0.3〜10が好ましく、更には1〜10が好ましく、特に好ましくは2〜5である。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムを合成するときのリン酸またはその塩とシュウ酸またはその塩とのモル比率(シュウ酸またはその塩を1として)は、1〜6が好ましく、より好ましくは1.5〜5であり、更に好ましくは1.51〜4であり、特に好ましくは1.52〜3.5である。
即ち、式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成方法は、シュウ酸またはその塩を含有する湿式法または水熱法で好ましく合成することができる。ただし、水熱法の場合はシュウ酸またはその塩を含有する必要がない。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムを合成するときの反応スラリー中の固形分濃度は、3質量%以上が好ましく、経済性など効率を考慮すると7%〜20%の間がより好ましい。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムを合成するときのpHは、1以上4以下が好ましく、より好ましくは1.3〜3.5、更に好ましくは1.8〜3.0であり、特に好ましくは2.0〜3.0である。当該pHが4超であると、式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムが合成できないことがあるので好ましくない。当該pHが1未満であると式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムが合成できないことがあるので好ましくない。このpHの調整には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニア水などを用いることが好ましく、より好ましくは水酸化ナトリウムである。
また、式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムを合成するときの合成温度は、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上が更に好ましく、特に好ましくは95℃以上である。また、合成温度としては、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。当該温度が70℃未満であると、本発明のリン酸ジルコニウムが合成できないことがあるので好ましくない。また当該温度が150℃超であるとエネルギー的に不利であることから好ましくない。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成時には原料が均質に混合され、反応が均一に進むように攪拌することが望ましい。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成時間は、合成温度により異なる。例えば、本発明のリン酸ジルコニウムの合成時間として4時間以上が好ましく、8時間〜72時間がより好ましく、10時間〜48時間が更に好ましい。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムのメジアン径は、0.1〜5μmの間のものを合成することが可能である。式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムのメジアン径は、0.1〜4μmが好ましく、0.2〜3μmがより好ましく、0.3〜2μmが更に好ましい。なお、各種製品への加工性を考慮すればメジアン径のみでなく、最大粒径も重要である。このことから、式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの最大粒径は10μm以下にすることが好ましく、6μm以下にすることが更に好ましく、4μm以下にすることが特に好ましい。
本発明の銀系無機抗菌剤の原料として用いることができる式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムとして、具体的には下記のものが例示できる。
Na0.07(NH40.85Zr2.0Hf0.02(PO43・0.65H2
Na0.12(NH40.65Zr2.01Hf0.03(PO43・0.85H2
Na0.19(NH40.65Zr2.03Hf0.01(PO43・0.75H2
Na0.21(NH40.75Zr1.99Hf0.02(PO43・0.6H2
Na0.27(NH40.75Zr1.92Hf0.15(PO43・0.75H2
Na0.29(NH40.55Zr1.92Hf0.05(PO43・0.5H2
Na0.57(NH40.55Zr1.95Hf0.02(PO43・0.35H2
Na0.70(NH40.85Zr1.99Hf0.01(PO43・0.4H2
Na0.070.85Zr2.0Hf0.02(PO43・0.65H2
Na0.120.65Zr2.01Hf0.03(PO43・0.85H2
Na0.190.65Zr2.03Hf0.01(PO43・0.75H2
Na0.210.75Zr1.99Hf0.02(PO43・0.6H2
Na0.270.75Zr1.92Hf0.15(PO43・0.75H2
Na0.290.55Zr1.92Hf0.05(PO43・0.5H2
Na0.570.55Zr1.95Hf0.02(PO43・0.35H2
Na0.700.85Zr1.99Hf0.01(PO43・0.4H2
式〔1〕の銀系無機抗菌剤を得るには、これらのリン酸ジルコニウムに対し銀イオン交換した後、熱分解処理することで得られる。銀イオン交換する方法は、硝酸銀を含有する水溶液にリン酸ジルコニウムを浸漬することであるが、上記の水溶液の硝酸銀含有
量としては、多くした方が、得られた銀系無機抗菌剤を樹脂に配合して用いる時に変色し難くなるために好ましく、一方、あまり多すぎても過剰の銀イオンが水溶液に残留してしまうので経済的に好ましくない。好ましいのは、式〔3〕で示されるリン酸ジルコニウム化合物の1モル当たりとして、式〔3〕の係数b1に0.6〜0.99をかけた量の硝酸銀を含有する水溶液を用いることであり、さらに好ましくはリン酸ジルコニウム1モル当たりとして、式〔3〕の係数b1に0.7〜0.98をかけた量の硝酸銀を含有する水溶液を用いることである。リン酸ジルコニウムを水溶液に浸漬する量は、水溶液に対し均一に混合できる濃度であればよく、具体的には式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムが水溶液との合計量の内の20重量%以下となることが好ましい。
銀イオンを含有する水溶液の調整には、脱イオン水に硝酸銀を溶解した水溶液を使用することが好ましい。イオン交換時の水溶液の温度は、0〜100℃で可能であり、好ましくは20〜80℃である。このイオン交換は速やかに行われるので、浸漬時間は5分以内でも可能であるが、均一で高い銀イオン交換率を得るためには30分〜5時間が好ましい。浸漬を5時間以上行っても、銀イオンの交換がそれ以上進まない。
銀イオン交換終了後には、これを脱イオン水などで洗浄することが好ましい。洗浄後はろ過乾燥し、さらに適正なかさ比重に調整した状態で熱分解処理することにより、一定の濃度でピロリン酸ジルコニウムを含む式〔1〕で示される銀系無機抗菌剤を得ることができる。
水洗は適正な洗浄度になるまで実施することが好ましく、適正な洗浄度とは、粒子を脱イオン水に懸濁させた際の電気伝導度が15μS以上570μS以下であることであり、より好ましくは20μS以上470μS以下である。なお電気伝導度の単位Sは電気抵抗の単位オームの逆数として定義され、ジーメンスと呼ばれるSI単位である。
水洗後の、銀系無機抗菌剤は、ろ別することで固形分のみに分離し、一旦乾燥される。ろ別した固形分を乾燥したものは、凝集した大きな塊状となって存在するが、これをこのまま焼成すると、熱伝導が悪いためか内部の焼成が不十分となり品質が不均一となりやすい。そこで、乾燥後の固形分を、いったん適正な大きさの塊に解砕することが好ましい。解砕は手で割ることができる場合もあるが、硬い場合は大きな塊どうしをぶつけて割るか、ハンマーなどを用いて叩き割ることでも可能である。これらの解砕を、ボールミル、ハンマーミル、ピンミル、らいかい機などの粉砕装置を用いて行うこともできる。ピロリン酸ジルコニウムとリン酸ジルコニウムを一体となって存在させ、しかも抗菌性、溶出性などを発現させる銀系無機抗菌剤を得るためには、解砕されながらも粉体がある程度凝集した状態で熱分解処理することが必要である。解砕しすぎた場合、強い焼結が起きてしまって熱分解後に解砕困難となる恐れがある。
ろ別され、乾燥された固形分は、凝集してかさ比重の高い状態であるが、解砕すると共に、微粉末となってかさ比重が減少して行くので、適切な解砕度合いを規定する指標として、かさ比重を用いることができる。本発明におけるかさ比重とは、例えばJIS K5101−1991に規定された静置法による見かけ密度(かさ比重)と本質的には同じ考え方で、容量1Lのビーカー状の受器またはビーカーに粉を静かに充填し、へらを使って山の部分を削り取った後に全体の重量を秤量することによって決定できる。本発明の無機抗菌剤の製造において、熱分解前の固形分の好ましいかさ比重は0.80〜2.00(g/ml)であり、より好ましいかさ比重は、0.90〜1.45(g/ml)、さらに好ましくは1.00〜1.35(g/ml)である。
熱分解は800℃以上1100℃以下で実施可能であり、好ましくは820℃以上1050℃以下、より好ましくは850℃以上950℃以下である。十分な銀溶出の抑制効果を得るためには800℃以上が好ましく、粒子の溶融による凝集を避けるためには1000℃以下が好ましい。熱分解は、電気炉、ガス炉等の加熱装置によって行うことができ、粒子は耐火性の箱に入れたり、炉内に直接置いたりすることができ、また、加熱しながら攪拌したりしてもよい。熱分解温度は、正確には粒子の表面温度を意味するので、粒子表面付近まで炉内に突きだした温度計や、放射温度計等の方法で測定することができる。工業的な方法としてはガス炉が用いられることが多く、一般的には粒子を耐火性の箱に入れたものを隙間を開けて積み上げ、燃焼ガスで加熱した熱風を炉内に循環させる方式が採られる。
熱分解によって、本発明の銀系無機抗菌剤からの銀の溶出量が制御される。すなわち、熱分解前の抗菌剤は銀の溶出量が高すぎて、経時的に急速に溶出量が減少して行くが、熱分解後の抗菌剤では初期の銀溶出量が抑制され、経時的な濃度低下が少なくなる。熱分解前の銀の溶出量に対して熱分解後の銀の溶出量が10%以上70%以下となることが好ましい。
熱分解処理を行なう時間は、長いほうが耐変色性が向上し、均一な性質が得られるが、あまり長いのは経済的でないため1時間以上が好ましく、耐変色性向上のためには2時間以上、60時間以下が好ましく、更に好ましくは4時間以上、36時間以下である。また、温度と熱分解時間との関係も重要であり、850℃であれば6時間以上60時間以下、900℃であれば2時間以上48時間以下、950℃であれば1時間以上36時間以下で分解可能である。
熱分解後は、本発明の銀系無機抗菌剤の粒子同士が凝固していることがあるので、粉砕機を用いて凝固したものを解砕したほうが良い。
本発明の銀系無機抗菌剤の使用形態には、特に制限がなく、用途に応じて適宜他の成分と混合させたり、他の材料と複合させることができる。例えば、粉末、粉末含有分散液、粉末含有粒子、粉末含有塗料、粉末含有繊維、粉末含有紙、粉末含有プラスチック、粉末含有フィルム、粉末含有エアーゾル等の種々の形態で用いることができ、更に必要に応じて、他の抗菌剤、消臭剤、抗ウイルス剤、抗アレルゲン剤、光触媒、防炎剤、防食、肥料及び建材等の各種の添加剤あるいは材料と併用することもできる。
本発明の銀系無機抗菌剤には、樹脂への練り込み加工性やその他の物性を改善するため、必要に応じて種々の添加剤を混合することもできる。具体例としては酸化亜鉛や酸化チタンなどの顔料、リン酸ジルコニウムやゼオライトなどの無機イオン交換体、染料、酸化防止剤、耐光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、耐衝撃強化剤、ガラス繊維、金属石鹸などの滑剤、防湿剤および増量剤、カップリング剤、核剤、流動性改良剤、消臭剤、木粉、防黴剤、防汚剤、防錆剤、金属粉、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤などがある。
本発明の銀系無機抗菌剤を樹脂と配合することにより抗菌性樹脂組成物を容易に得ることができる。用いることができる樹脂の種類は特に制限はなく、天然樹脂、合成樹脂、半合成樹脂のいずれであってもよく、また熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。具体的な樹脂としては成形用樹脂、繊維用樹脂、ゴム状樹脂のいずれであってもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアセタ−ル、ポリカ−ボネイト、PBT、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタンエラストマ−、ポリエステルエラストマ−、メラミン、ユリア樹脂、四フッ化エチレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、レ−ヨン、アセテ−ト、アクリル、ポリビニルアルコ−ル、キュプラ、トリアセテ−ト、ビニリデンなどの成形用または繊維用樹脂、天然ゴム、シリコ−ンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ブタジエンゴム、合成天然ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴムおよびアクリルゴムなどのゴム状樹脂がある。また、本発明の銀系無機抗菌剤を天然繊維の繊維と複合化させて、抗菌繊維を作製することもできる。
本発明の銀系無機抗菌剤の抗菌性樹脂組成物における配合割合は、抗菌性樹脂組成物100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、0.3〜20重量部がより好ましい。0.1重量部未満であると抗菌性樹脂組成物の抗菌性の持続性向上が不十分である場合があり、一方、50重量部より多く配合しても抗菌効果の向上がほとんどなく非経済的な上、樹脂物性の低下が著しくなる場合がある。
本発明の銀系無機抗菌剤を樹脂へ配合し樹脂成形品とする加工方法は、公知の方法がどれも採用できる。例えば、(1)銀系無機抗菌剤粉末と樹脂とが付着しやすくするための添着剤や抗菌剤粉末の分散性を向上させるための分散剤を使用し、ペレット状樹脂またはパウダー状樹脂をミキサーで直接混合する方法、(2)前記のようにして混合して、押し出し成形機にてペレット状に成形した後、その成形物をペレット状樹脂に配合する方法、(3)銀系無機抗菌剤をワックスを用いて高濃度のペレット状に成形後、そのペレット状成形物をペレット状樹脂に配合する方法、(4)銀系無機抗菌剤をポリオ−ルなどの高粘度の液状物に分散混合したペ−スト状組成物を調製後、このペーストをペレット状樹脂に配合する方法などがある。
上記の抗菌性樹脂組成物の成形には、各種樹脂の特性に合わせてあらゆる公知の加工技術と機械が使用可能であり、適当な温度または圧力で加熱および加圧または減圧しながら混合、混入または混練りの方法によって容易に調製することができ、それらの具体的操作は常法により行えば良く、塊状、スポンジ状、フィルム状、シート状、糸状またはパイプ状或いはこれらの複合体など、種々の形態に成形加工できる。これらの成型品は本発明の銀系無機抗菌剤を併用することによって抗菌性能が付与されるため、抗菌加工製品と呼ばれる。
本発明の銀系無機抗菌剤の使用形態には特に制限はなく、樹脂成形品や高分子化合物に配合することに限定されることはない。防黴性、防藻性および抗菌性が必要とされる用途に応じて適宜他の成分と混合したり、他の材料と複合させることができる。例えば、粉末状、粉末分散液状、粒状、エアゾ−ル状、または液状などの種々の形態で用いることができる。これらはすべて、抗菌加工製品の範疇である。
本発明の銀系無機抗菌剤は耐水持続性に優れることが特徴であるため、水が接触する用途において有効に使用が可能となる。たとえば、洗濯が行われる繊維製品、通水・浸漬するパイプ類やタンク類、水と常時接触する台所用品、トイレタリィ製品、スポンジなどがあげられる。これらの製品も抗菌加工製品の範疇である。
○抗菌加工製品の用途
本発明の銀系無機抗菌剤は、防カビ、防藻および抗菌性を必要とされる種々の分野、即ち電化製品、台所製品、繊維製品、住宅建材製品、トイレタリー製品、紙製品、玩具、皮革製品、文具およびその他の製品などとして利用することができる。
さらに具体的用途を例示すると、電化製品としては食器洗浄機、食器乾燥機、冷蔵庫、洗濯機、ポット、テレビ、パソコン、ラジカセ、カメラ、ビデオカメラ、浄水器、炊飯器、野菜カッタ−、レジスタ−、布団乾燥器、FAX、換気扇、エア−コンデショナ−などがあり、台所製品としては、食器、まな板、押し切り、トレ−、箸、給茶器、魔法瓶、包丁、おたまの柄、フライ返し、弁当箱、しゃもじ、ボ−ル、水切り篭、三角コ−ナ−、タワシいれ、ゴミ篭、水切り袋などがある。
繊維製品としては、シャワ−カ−テン、布団綿、エアコンフィルタ−、パンスト、靴下、おしぼり、シ−ツ、布団カバー、枕、手袋、エプロン、カ−テン、オムツ、包帯、マスク、スポ−ツウェアなどがあり、住宅・建材製品としては、化粧板、壁紙、床板、窓用フィルム、取っ手、カ−ペット、マット、人工大理石、手摺、目地、タイル、ワックスなどがある。またトイレタリー製品としては、便座、浴槽、タイル、おまる、汚物いれ、トイレブラシ、風呂蓋、軽石、石鹸容器、風呂椅子、衣類篭、シャワ−、洗面台などがあり、紙製品としては、包装紙、薬包紙、薬箱、スケッチブック、カルテ、ノート、折り紙などがあり、玩具としては、人形、ぬいぐるみ、紙粘土、ブロック、パズルなどがある。
さらに皮革製品としては、靴、鞄、ベルト、時計バンドなど、内装品、椅子、グロ−ブ、吊革などがあり、文具としては、ボ−ルペン、シャ−プペン、鉛筆、消しゴム、クレヨン、用紙、手帳、フレキシブルディスク、定規、ポストイット(商品名)などの付箋、ステープラーなどがある。
その他の製品としてはインソ−ル、化粧容器、タワシ、化粧用パフ、補聴器、楽器、タバコフィルタ−、掃除用粘着紙シ−ト、吊革握り、スポンジ、キッチンタオル、カ−ド、マイク、理容用品、自販機、カミソリ、電話機、体温計、聴診器、スリッパ、衣装ケ−ス、歯ブラシ、砂場の砂、食品包装フィルム、抗菌スプレ−、塗料などがある。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ことわりのない%は質量%であり、ppmは質量ppmである。メジアン径および最大粒径は、レーザー回折式粒度分布を用いて体積基準により測定した。
ジルコニウムの量は、強酸を用いて検体を溶解後、この液をICP発光分光光度計にて測定し算出した。リンの量は、強酸を用いて検体を溶解後、この液をICP発光分光光度計にて測定し算出した。ナトリウムの量は、強酸を用いて検体を溶解後、この液を原子吸光光度計にて測定し算出した。アンモニアの量は、強酸を用いて検体を溶解後、この液をインドフェノール法にて測定し算出した。オキソニウムイオンの量は、熱分析により160〜190℃の重量減少量を測定し算出した。粉末X線回折強度は粉末X線回折装置により測定条件50kv/120mAでCuKα線によって測定した場合の特定反射角でのX線回折強度の測定値(単位cps)である。大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)は、加熱溶解した普通寒天培地に1000、500、250、125、62.5μg/mlで混釈した後、固化した平板上に大腸菌を接種し増殖を示さなかった最小濃度を測定した。銀溶出量は0.1%濃度の硝酸ナトリウム水溶液に無機抗菌剤を全体の0.1%となるように添加し、25℃で1時間振とう後の水溶液のろ液中の銀溶出濃度をICP発光分光光度計を用いて測定した。
<実施例1>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化アンモニウム0.05モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で14時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.6(NH40.4Zr1.98Hf0.02(PO43・0.09H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が220μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.21に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.050.55Zr1.98Hf0.02(PO43・0.13H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて900℃で12時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は22であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、銀溶出濃度(ppm)を測定し、これらの結果を表1に示した。
<実施例2>
実施例1で得られた以下の組成式からなるリン酸ジルコニウムを用いて銀の担持処理工程以降を次のように変更した。
Na0.6(NH40.4Zr1.98Hf0.02(PO43・0.09H2
リン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が380μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.00に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.050.55Zr1.98Hf0.02(PO43・0.14H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて900℃で9時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は18であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、銀溶出濃度(ppm)を測定し、これらの結果を表1に示した。
<実施例3>
実施例1で得られた以下の組成式からなるリン酸ジルコニウムを用いて銀の担持処理工程以降を次のように変更した。
Na0.6(NH40.4Zr1.98Hf0.02(PO43・0.09H2
リン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が240μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.25に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.350.25Zr1.98Hf0.02(PO43・0.11H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて800℃で24時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの回折を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は8であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
<実施例4>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で8時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na1.0Zr1.98Hf0.02(PO43・0.09H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した1N硝酸水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が220μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.21に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.250.35Zr1.98Hf0.02(PO43・0.11H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて900℃で12時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は22であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
<実施例5>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.15%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化カリウム0.02モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で6時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.800.20Zr1.98Hf0.02(PO43・0.11H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が210μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.16に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.150.190.11Zr1.98Hf0.02(PO43
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて850℃で24時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は22であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
<実施例6>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.15%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化アンモニウム0.03モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%アンモニア水溶液を用いてpHを2.2に調整後、98℃で6時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.64(NH40.220.10Zr1.99Hf0.02(PO43・0.11H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した1N硝酸水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が120μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.20に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.15(NH40.200.06Zr1.99Hf0.02(PO43・0.20H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて850℃で24時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は22であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
<実施例7>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.15%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.2に調整後、98℃で6時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.96Zr1.99Hf0.02(PO43・0.10H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.02モルを溶解した1N硝酸水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が90μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.15に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.21Na0.380.37Zr1.99Hf0.02(PO43・0.11H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて850℃で12時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は15であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
<比較例1>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化アンモニウム0.1モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で14時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.6(NH40.4Zr1.98Hf0.02(PO43・0.09H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が190μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.05(NH40.4Zr1.98Hf0.02(PO43・0.10H2
この銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークはなく相対強度は0であった。この粉末を解砕することで得られた比較例1の銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
<比較例2>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化アンモニウム0.1モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で14時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.6(NH40.4Zr1.98Hf0.02(PO43・0.09H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が340μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.03に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.05(NH40.40Zr1.98Hf0.02(PO43・0.09H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて1100℃で12時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は55であった。この粉末を解砕することで得られた比較例2の銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
<比較例3>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化アンモニウム0.1モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で14時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.6(NH40.4Zr1.98Hf0.02(PO43・0.09H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が770μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.16に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.05(NH40.40Zr1.98Hf0.02(PO43・0.19H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて1150℃で4時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は55であった。この粉末を解砕することで得られた比較例2の銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
<比較例4>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で8時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na1.0Zr1.98Hf0.02(PO43・0.09H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が190μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重0.82に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.050.40Zr1.98Hf0.02(PO43・0.17H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて800℃で2時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は3であった。この粉末を解砕することで得られた比較例4の銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
<比較例5>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で8時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na1.0Zr1.98Hf0.02(PO43・0.09H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が175μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重0.44に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.050.55Zr1.98Hf0.02(PO43・0.21H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて900℃で2時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は52であった。この粉末を解砕することで得られた比較例5の銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
<比較例6>
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.15%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.2に調整後、98℃で6時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.96Zr1.99Hf0.02(PO43・0.10H2
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.02モルを溶解した1N硝酸水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が660μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重0.51に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.21Na0.380.37Zr1.99Hf0.02(PO43・0.10H2
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて750℃で48時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は4であった。この粉末を解砕することで得られた比較例6の銀系無機抗菌剤のメジアン径(単位μm)、最大粒径(単位μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、単位μg/ml)、を測定し、これらの結果を表2に示した。なお、表1は各々の具体例の製造条件等をまとめたものである。
Figure 0005354012
表中の(−)は測定していないことを示す。
Figure 0005354012
表2の結果から実施例1〜7の銀系無機抗菌剤は、比較例と同程度の粒度と高い抗菌性(MIC)を維持したまま、銀溶出量を低減できていることが明白である。
<実施例8:光硬化性樹脂での評価>
実施例1〜7および比較例1〜6で得られた銀系無機抗菌剤を多官能光硬化性樹脂に3%配合し、PETフィルム上に約2ミクロンの厚さで塗工後、硬化することで抗菌性ハードコートフィルムを作成した。また比較のため、抗菌剤を配合しないブランクハードコートフィルムも同様に作成した。得られたハードコートフィルム上の塗膜部分の平滑性を触診とSEM観察にて確認した結果を表2に示した。また、ハードコートフィルムをそのまま、または25℃の脱イオン水に16時間浸漬後の塗膜面をJIS Z2801 5.2プラスチック製品などの試験方法による大腸菌を用いた抗菌性試験を実施した。得られた抗菌活性値の結果も表3に示した。なお、抗菌活性値は、抗菌加工製品と無加工製品における試験後の細菌の生菌数の対数値の差を示す値であり、単位はない。通常は、抗菌活性値が2.0以上の場合に、抗菌加工の効果が認められる判定とされる。
Figure 0005354012
<実施例9:ナイロン糸での評価>
実施例1、7および比較例1、2、6で得られた銀系無機抗菌剤をナイロン樹脂に対して1%配合し、約3デニールのナイロンマルチフィラメントを紡糸した。紡糸時の糸切れ状況、紡糸後の糸の色調を表3に示した。なお、糸切れ試験は6kg巻きの未延伸糸パッケージ1個を得るまでに、糸切れが発生したかどうかで評価した。色調は紡糸後の糸の色彩値を、日本電子工業(株)製測色色差計シグマ80型によって測定し、JIS Z8730−1980に規定するハンターLab表色系により表示し、ブランク糸との比較によって色差ΔE(デルタE)を算出した。得られた抗菌ナイロンマルチフィラメントの抗菌性を未処理のものと洗濯10回後のものに関し、JIS L1902繊維製品の抗菌性試験方法により抗菌性を評価し、得られた抗菌活性値の結果を表4に示した。
Figure 0005354012
<実施例10:ウレタン発泡体での評価>
ポリエーテルポリオール、トリエチレンジアミン、水、メチレンクロライド、整泡剤、触媒、トルレンジイソシアネート、酸化亜鉛の配合物100部に対し、実施例1で作製した銀系無機抗菌剤を0.7部になるように配合し、抗菌性ウレタン発泡体Aを作製した。
同様に、実施例2、3および比較例1〜3で作製した比較銀系無機抗菌剤を用いて、抗菌性ウレタン発泡体B、Cおよび比較抗菌性ウレタン発泡体d〜fを作製した。得られた抗菌性ウレタン発泡体および同抗菌性ウレタン発泡体を50℃の脱イオン水に16時間浸漬処理後乾燥した耐水処理後のものについて、黄色ブドウ球菌および大腸菌を用いた抗菌製品技術協議会のシェーク法による抗菌性試験により抗菌活性値を測定し、その結果を表5に示した。
Figure 0005354012
これらの結果から、本発明の銀系無機抗菌剤は、耐水試験後の抗菌性に優れるとともにプラスチック製品に配合した際の加工性や耐変色性にも優れていることが認められた。
本発明の新規の銀系無機抗菌剤は、均一かつ微粒子であるため加工性に優れており、しかもプラスチック製品などに加工した後の耐水性試験後など抗菌性の持続性にも優れている。従って、水の接触する機会の多い製品などにも適用性の高い銀系無機抗菌剤として使用できる。
図1および図2の縦軸は粉末X線回折測定におけるX線強度(単位:cps)を表す。
図1および図2の横軸はX線の回折角度2θ(単位:°)を表す。

Claims (4)

  1. ピロリン酸ジルコニウム(ZrP27)を含有する下記式〔1〕で示され
    粉末X線回折図において、2θが20.0°〜20.2°のX線回折ピークの強度を100とした場合に、2θ=21.3°〜21.5°のX線回折ピークの相対強度が5〜50である銀系無機抗菌剤。
    AgabZrcHfd(PO43・nH2O 〔1〕
    (式〔1〕において、Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、水素イオン、オキソニウムイオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、a、b、cおよびdは正数であり、1.75<(c+d)<2.2、a+b+4(c+d)=9を満たす数であり、nは2以下である。)
  2. 湿式合成または水熱合成により得られた、水に懸濁させた際の電気伝導度が15μS以上570μS以下の、式〔1〕で示される銀系無機抗菌剤を、800℃以上1100℃以下で熱分解することを特徴とする請求項1に記載の銀系無機抗菌剤の製造方法。
  3. 熱分解前のかさ比重を0.80〜2.00(g/ml)とする、請求項2に記載の銀系無機抗菌剤の製造方法。
  4. 請求項に記載の銀系無機抗菌剤を含有する耐水性抗菌加工製品。
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