JP5354012B2 - 銀系無機抗菌剤およびその製造方法、ならびに抗菌加工製品 - Google Patents
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Description
また、ZrとPとの比が異なるリン酸ジルコニウムも知られている。例えば、Na1+4xZr2-x(PO4)3が、非特許文献1に開示されており、Na1+2xMgxZr2-x(PO4)3は、非特許文献1、2に開示されている。Na1+xZr2SixP3-xO12は、非特許文献2、3に開示されている。
銀系無機抗菌剤の一つとして、モンモリロナイトおよびゼオライトなどの粘土鉱物中のナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンと銀イオンとをイオン交換させた抗菌剤が知られている。これは粘土鉱物自体の骨格構造が耐酸性に劣るため、例えば酸性溶液中では容易に銀イオンが溶出し、抗菌効果の持続性がない。
吸着性を有する活性炭に抗菌性金属を担持させた抗菌剤がある。しかし、これらは溶解性の抗菌性金属塩を物理的に吸着または付着させているため、水分と接触させると抗菌性金属イオンが急速に溶出してしまい、抗菌効果の持続性がない。
M1 aAbM2 c(PO4)d・nH2O 〔2〕
(式〔2〕において、M1は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バリウム、カドミウム又はクロムより選ばれる一種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンまたは水素イオンから選ばれる少なくとも一種のイオンであり、M2は4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす数であり、aおよびbは正数であり、cおよびdは、la+mb=1の時、c=2、d=3、la+mb=2の時、c=1、d=2である。但し、lはM1の価数であり、mはAの価数である。)
AgaMbZrcHfd(PO4)3・nH2O 〔1〕
(式〔1〕において、Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、水素イオン、オキソニウムイオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、a、b、cおよびdは正数であり、1.75<(c+d)<2.2、a+b+4(c+d)=9を満たす数であり、nは2以下である。)
本発明の銀系無機抗菌剤は、ピロリン酸ジルコニウム(ZrP207)を含有する下記一般式〔1〕で示されるものである。
AgaMbZrcHfd(PO4)3・nH2O 〔1〕
(式〔1〕において、Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、水素イオン、オキソニウムイオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、a、b、cおよびdは正数であり、1.75<(c+d)<2.2、a+b+4(c+d)=9を満たす数であり、nは2以下である。)
c+dが1.75以下または2.2以上の場合は、式〔1〕で表される均質なリン酸ジルコニウムが得られ難いことがあるため好ましくない。
式〔1〕で示される銀系無機抗菌剤として下記のものが例示できる。
Ag0.05Na0.02H0.3(H3O)0.55Zr2.0Hf0.02(PO4)3・0.15H2O
Ag0.10Na0.02H0.32(H3O)0.40Zr2.01Hf0.03(PO4)3・0.10H2O
Ag0.17Na0.02H0.65Zr2.03Hf0.01(PO4)3・0.05H2O
Ag0.17Na0.04H0.2(H3O)0.55Zr1.99Hf0.02(PO4)3・0.25H2O
Ag0.17Na0.10(H3O)0.45Zr1.92Hf0.15(PO4)3・0.15H2O
Ag0.17Na0.12K0.10H0.2(H3O)0.25Zr1.92Hf0.05(PO4)3・0.15H2O
Ag0.45Na0.12H0.55Zr1.95Hf0.02(PO4)3・0.05H2O
Ag0.55K0.1H0.2(H3O)0.47Zr1.99Hf0.01(PO4)3・0.15H2O
Ag0.17Na0.20K0.3(H3O)0.45Zr1.92Hf0.05(PO4)3・0.15H2O
Ag0.45Na0.12H0.2(H3O)0.35Zr1.95Hf0.02(PO4)3・0.05H2O
Ag0.55Na0.1H0.35Zr1.99Hf0.01(PO4)3・0.15H2O
ピロリン酸ジルコニウムは上記式〔1〕の銀系無機抗菌剤粒子と一体となって存在し分離はできない状態であり、別々の化合物を混合したものではない。ピロリン酸ジルコニウムは銀系無機抗菌剤と分離することができないが、含有量は粉末X線回折図で確認することができる。ピロリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図は、ASTM File No.29−1399であり、d値で4.12(100)、3.69(40)、4.76(30)、3.37(30)、2.92(30)、1.84(20)、1.59(20)、1.68(10)である。一方、上記式〔1〕の銀系無機抗菌剤の類似化合物であるAgZr2(PO4)3の粉末X線回折図は、ASTM File No.34−1245であり、d値で2.87(100)、4.38(50)、3.80(50)、2.67(50)、2.54(30)、1.90(30)、4.55(20)、2.28(20)である。
上記式〔1〕の銀系無機抗菌剤の結晶構造を示す2θ=20.0°〜20.2°のX線50kv/120mAの条件で測定した場合の粉末X線回折強度の絶対値は、大きいほうが結晶性が高いことを示し、銀系無機抗菌剤の耐変色性や耐久性などが高くなるためには絶対値が4000cps以上であることが好ましく、より好ましくは5000cps以上である。
Nab1Ac1ZreHff(PO4)3・nH2O 〔3〕
(式〔3〕において、Aはアンモニウムイオンおよび/または水素イオンであり、b1、c1、eおよびfは正数であり、1.75<(e+f)<2.25、b1+c1+4(e+f)=9を満たす数である。)
また、式〔3〕におけるAが水素イオンで表されるリン酸ジルコニウムの具体的合成方法には、ジルコニウム化合物、シュウ酸またはその塩、およびリン酸またはその塩など、所定量含有する水溶液を苛性ソーダでpH4以下に調整後、70℃以上の温度で加熱することで得られたリン酸ジルコニウムをさらに塩酸、硝酸または硫酸などの水溶液中で攪拌することで水素イオンを担持することで合成ができる。なお、水素イオンの担持は、硝酸銀による銀イオンの担持と同時に実施するか、銀イオンの担持後に実施することも可能である。合成後のリン酸ジルコニウムは、さらに濾別し、所定の電気伝導度にまで水洗後に乾燥、軽く粉砕することで白色の微粒子リン酸ジルコニウムが得られる。また、100℃超の加圧下で合成する水熱法であれば、シュウ酸またはその塩を用いずに式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムが合成可能である。
即ち、式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムは、ジルコニウム化合物1モル当たりリン酸またはその塩のモルが1.5超〜2未満の範囲にある湿式法または水熱法で好ましく合成することができる。
即ち、式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成方法は、シュウ酸またはその塩を含有する湿式法または水熱法で好ましく合成することができる。ただし、水熱法の場合はシュウ酸またはその塩を含有する必要がない。
式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムの合成時間は、合成温度により異なる。例えば、本発明のリン酸ジルコニウムの合成時間として4時間以上が好ましく、8時間〜72時間がより好ましく、10時間〜48時間が更に好ましい。
Na0.07(NH4)0.85Zr2.0Hf0.02(PO4)3・0.65H2O
Na0.12(NH4)0.65Zr2.01Hf0.03(PO4)3・0.85H2O
Na0.19(NH4)0.65Zr2.03Hf0.01(PO4)3・0.75H2O
Na0.21(NH4)0.75Zr1.99Hf0.02(PO4)3・0.6H2O
Na0.27(NH4)0.75Zr1.92Hf0.15(PO4)3・0.75H2O
Na0.29(NH4)0.55Zr1.92Hf0.05(PO4)3・0.5H2O
Na0.57(NH4)0.55Zr1.95Hf0.02(PO4)3・0.35H2O
Na0.70(NH4)0.85Zr1.99Hf0.01(PO4)3・0.4H2O
Na0.07H0.85Zr2.0Hf0.02(PO4)3・0.65H2O
Na0.12H0.65Zr2.01Hf0.03(PO4)3・0.85H2O
Na0.19H0.65Zr2.03Hf0.01(PO4)3・0.75H2O
Na0.21H0.75Zr1.99Hf0.02(PO4)3・0.6H2O
Na0.27H0.75Zr1.92Hf0.15(PO4)3・0.75H2O
Na0.29H0.55Zr1.92Hf0.05(PO4)3・0.5H2O
Na0.57H0.55Zr1.95Hf0.02(PO4)3・0.35H2O
Na0.70H0.85Zr1.99Hf0.01(PO4)3・0.4H2O
量としては、多くした方が、得られた銀系無機抗菌剤を樹脂に配合して用いる時に変色し難くなるために好ましく、一方、あまり多すぎても過剰の銀イオンが水溶液に残留してしまうので経済的に好ましくない。好ましいのは、式〔3〕で示されるリン酸ジルコニウム化合物の1モル当たりとして、式〔3〕の係数b1に0.6〜0.99をかけた量の硝酸銀を含有する水溶液を用いることであり、さらに好ましくはリン酸ジルコニウム1モル当たりとして、式〔3〕の係数b1に0.7〜0.98をかけた量の硝酸銀を含有する水溶液を用いることである。リン酸ジルコニウムを水溶液に浸漬する量は、水溶液に対し均一に混合できる濃度であればよく、具体的には式〔3〕で表されるリン酸ジルコニウムが水溶液との合計量の内の20重量%以下となることが好ましい。
水洗は適正な洗浄度になるまで実施することが好ましく、適正な洗浄度とは、粒子を脱イオン水に懸濁させた際の電気伝導度が15μS以上570μS以下であることであり、より好ましくは20μS以上470μS以下である。なお電気伝導度の単位Sは電気抵抗の単位オームの逆数として定義され、ジーメンスと呼ばれるSI単位である。
熱分解によって、本発明の銀系無機抗菌剤からの銀の溶出量が制御される。すなわち、熱分解前の抗菌剤は銀の溶出量が高すぎて、経時的に急速に溶出量が減少して行くが、熱分解後の抗菌剤では初期の銀溶出量が抑制され、経時的な濃度低下が少なくなる。熱分解前の銀の溶出量に対して熱分解後の銀の溶出量が10%以上70%以下となることが好ましい。
熱分解後は、本発明の銀系無機抗菌剤の粒子同士が凝固していることがあるので、粉砕機を用いて凝固したものを解砕したほうが良い。
○抗菌加工製品の用途
本発明の銀系無機抗菌剤は、防カビ、防藻および抗菌性を必要とされる種々の分野、即ち電化製品、台所製品、繊維製品、住宅建材製品、トイレタリー製品、紙製品、玩具、皮革製品、文具およびその他の製品などとして利用することができる。
さらに具体的用途を例示すると、電化製品としては食器洗浄機、食器乾燥機、冷蔵庫、洗濯機、ポット、テレビ、パソコン、ラジカセ、カメラ、ビデオカメラ、浄水器、炊飯器、野菜カッタ−、レジスタ−、布団乾燥器、FAX、換気扇、エア−コンデショナ−などがあり、台所製品としては、食器、まな板、押し切り、トレ−、箸、給茶器、魔法瓶、包丁、おたまの柄、フライ返し、弁当箱、しゃもじ、ボ−ル、水切り篭、三角コ−ナ−、タワシいれ、ゴミ篭、水切り袋などがある。
その他の製品としてはインソ−ル、化粧容器、タワシ、化粧用パフ、補聴器、楽器、タバコフィルタ−、掃除用粘着紙シ−ト、吊革握り、スポンジ、キッチンタオル、カ−ド、マイク、理容用品、自販機、カミソリ、電話機、体温計、聴診器、スリッパ、衣装ケ−ス、歯ブラシ、砂場の砂、食品包装フィルム、抗菌スプレ−、塗料などがある。
ことわりのない%は質量%であり、ppmは質量ppmである。メジアン径および最大粒径は、レーザー回折式粒度分布を用いて体積基準により測定した。
ジルコニウムの量は、強酸を用いて検体を溶解後、この液をICP発光分光光度計にて測定し算出した。リンの量は、強酸を用いて検体を溶解後、この液をICP発光分光光度計にて測定し算出した。ナトリウムの量は、強酸を用いて検体を溶解後、この液を原子吸光光度計にて測定し算出した。アンモニアの量は、強酸を用いて検体を溶解後、この液をインドフェノール法にて測定し算出した。オキソニウムイオンの量は、熱分析により160〜190℃の重量減少量を測定し算出した。粉末X線回折強度は粉末X線回折装置により測定条件50kv/120mAでCuKα線によって測定した場合の特定反射角でのX線回折強度の測定値(単位cps)である。大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)は、加熱溶解した普通寒天培地に1000、500、250、125、62.5μg/mlで混釈した後、固化した平板上に大腸菌を接種し増殖を示さなかった最小濃度を測定した。銀溶出量は0.1%濃度の硝酸ナトリウム水溶液に無機抗菌剤を全体の0.1%となるように添加し、25℃で1時間振とう後の水溶液のろ液中の銀溶出濃度をICP発光分光光度計を用いて測定した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化アンモニウム0.05モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で14時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.6(NH4)0.4Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.09H2O
であった。
得られたリン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が220μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.21に調整した。
Ag0.55Na0.05H0.55Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.13H2O
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて900℃で12時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は22であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、銀溶出濃度(ppm)を測定し、これらの結果を表1に示した。
実施例1で得られた以下の組成式からなるリン酸ジルコニウムを用いて銀の担持処理工程以降を次のように変更した。
Na0.6(NH4)0.4Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.09H2O
リン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が380μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.00に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.05H0.55Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.14H2O
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、銀溶出濃度(ppm)を測定し、これらの結果を表1に示した。
実施例1で得られた以下の組成式からなるリン酸ジルコニウムを用いて銀の担持処理工程以降を次のように変更した。
Na0.6(NH4)0.4Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.09H2O
リン酸ジルコニウム0.09モルに硝酸銀0.05モルを溶解した脱イオン水の水溶液450mlを加え、60℃で2時間攪拌することで銀を担持させた。銀を担持処理後のスラリーを濾過・水洗し、濾液の電気伝導度が240μSまで洗浄し、固形分を120℃で乾燥したものをかさ比重1.25に調整した。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.35H0.25Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.11H2O
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて800℃で24時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの回折を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は8であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で8時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na1.0Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.09H2O
であった。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.25H0.35Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.11H2O
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて900℃で12時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は22であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.15%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化カリウム0.02モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で6時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.80K0.20Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.11H2O
であった。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.15K0.19H0.11Zr1.98Hf0.02(PO4)3
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて850℃で24時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は22であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.15%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化アンモニウム0.03モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%アンモニア水溶液を用いてpHを2.2に調整後、98℃で6時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.64(NH4)0.22H0.10Zr1.99Hf0.02(PO4)3・0.11H2O
であった。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.15(NH4)0.20H0.06Zr1.99Hf0.02(PO4)3・0.20H2O
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて850℃で24時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は22であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.15%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.2に調整後、98℃で6時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.96Zr1.99Hf0.02(PO4)3・0.10H2O
であった。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.21Na0.38H0.37Zr1.99Hf0.02(PO4)3・0.11H2O
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて850℃で12時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は15であった。この粉末を解砕することで本発明の銀系無機抗菌剤を得た。
この銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化アンモニウム0.1モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で14時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.6(NH4)0.4Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.09H2O
であった。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.05(NH4)0.4Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.10H2O
この銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークはなく相対強度は0であった。この粉末を解砕することで得られた比較例1の銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化アンモニウム0.1モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で14時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.6(NH4)0.4Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.09H2O
であった。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.05(NH4)0.40Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.09H2O
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて1100℃で12時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は55であった。この粉末を解砕することで得られた比較例2の銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルおよび塩化アンモニウム0.1モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で14時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.6(NH4)0.4Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.09H2O
であった。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.05(NH4)0.40Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.19H2O
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて1150℃で4時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は55であった。この粉末を解砕することで得られた比較例2の銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で8時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na1.0Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.09H2O
であった。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.05H0.40Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.17H2O
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて800℃で2時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は3であった。この粉末を解砕することで得られた比較例4の銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.17%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.6に調整後、98℃で8時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na1.0Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.09H2O
であった。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.55Na0.05H0.55Zr1.98Hf0.02(PO4)3・0.21H2O
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて900℃で2時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は52であった。この粉末を解砕することで得られた比較例5の銀系無機抗菌剤のメジアン径(μm)、最大粒径(μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)、を測定し、これらの結果を表1に示した。
脱イオン水300mlにシュウ酸2水和物0.1モル、ハフニウム0.15%含有オキシ塩化ジルコニウム8水和物0.2モルを溶解後、攪拌しながらリン酸0.3モルを加えた。この溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.2に調整後、98℃で6時間攪拌した。その後、得られた沈殿物をよく洗浄し、120℃で乾燥することによりリン酸ジルコニウム化合物を合成した。
このリン酸ジルコニウムの各成分量を測定したところ、組成式は、
Na0.96Zr1.99Hf0.02(PO4)3・0.10H2O
であった。
この銀を担持したリン酸ジルコニウムからなる乾燥固形分の各成分量を測定することにより得られた組成式は以下のとおりであった。
Ag0.21Na0.38H0.37Zr1.99Hf0.02(PO4)3・0.10H2O
さらに、この乾燥品をガス炉を用いて750℃で48時間処理することで熱分解した。熱分解処理後の銀を担持したリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図を測定した結果、リン酸ジルコニウム化合物を示す2θ=20.1のX線強度に対する、ピロリン酸ジルコニウムを示す2θ=21.4のピークの相対強度は4であった。この粉末を解砕することで得られた比較例6の銀系無機抗菌剤のメジアン径(単位μm)、最大粒径(単位μm)および大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、単位μg/ml)、を測定し、これらの結果を表2に示した。なお、表1は各々の具体例の製造条件等をまとめたものである。
実施例1〜7および比較例1〜6で得られた銀系無機抗菌剤を多官能光硬化性樹脂に3%配合し、PETフィルム上に約2ミクロンの厚さで塗工後、硬化することで抗菌性ハードコートフィルムを作成した。また比較のため、抗菌剤を配合しないブランクハードコートフィルムも同様に作成した。得られたハードコートフィルム上の塗膜部分の平滑性を触診とSEM観察にて確認した結果を表2に示した。また、ハードコートフィルムをそのまま、または25℃の脱イオン水に16時間浸漬後の塗膜面をJIS Z2801 5.2プラスチック製品などの試験方法による大腸菌を用いた抗菌性試験を実施した。得られた抗菌活性値の結果も表3に示した。なお、抗菌活性値は、抗菌加工製品と無加工製品における試験後の細菌の生菌数の対数値の差を示す値であり、単位はない。通常は、抗菌活性値が2.0以上の場合に、抗菌加工の効果が認められる判定とされる。
実施例1、7および比較例1、2、6で得られた銀系無機抗菌剤をナイロン樹脂に対して1%配合し、約3デニールのナイロンマルチフィラメントを紡糸した。紡糸時の糸切れ状況、紡糸後の糸の色調を表3に示した。なお、糸切れ試験は6kg巻きの未延伸糸パッケージ1個を得るまでに、糸切れが発生したかどうかで評価した。色調は紡糸後の糸の色彩値を、日本電子工業(株)製測色色差計シグマ80型によって測定し、JIS Z8730−1980に規定するハンターLab表色系により表示し、ブランク糸との比較によって色差ΔE(デルタE)を算出した。得られた抗菌ナイロンマルチフィラメントの抗菌性を未処理のものと洗濯10回後のものに関し、JIS L1902繊維製品の抗菌性試験方法により抗菌性を評価し、得られた抗菌活性値の結果を表4に示した。
ポリエーテルポリオール、トリエチレンジアミン、水、メチレンクロライド、整泡剤、触媒、トルレンジイソシアネート、酸化亜鉛の配合物100部に対し、実施例1で作製した銀系無機抗菌剤を0.7部になるように配合し、抗菌性ウレタン発泡体Aを作製した。
同様に、実施例2、3および比較例1〜3で作製した比較銀系無機抗菌剤を用いて、抗菌性ウレタン発泡体B、Cおよび比較抗菌性ウレタン発泡体d〜fを作製した。得られた抗菌性ウレタン発泡体および同抗菌性ウレタン発泡体を50℃の脱イオン水に16時間浸漬処理後乾燥した耐水処理後のものについて、黄色ブドウ球菌および大腸菌を用いた抗菌製品技術協議会のシェーク法による抗菌性試験により抗菌活性値を測定し、その結果を表5に示した。
図1および図2の横軸はX線の回折角度2θ(単位:°)を表す。
Claims (4)
- ピロリン酸ジルコニウム(ZrP2O7)を含有する下記式〔1〕で示され、
粉末X線回折図において、2θが20.0°〜20.2°のX線回折ピークの強度を100とした場合に、2θ=21.3°〜21.5°のX線回折ピークの相対強度が5〜50である銀系無機抗菌剤。
AgaMbZrcHfd(PO4)3・nH2O 〔1〕
(式〔1〕において、Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、水素イオン、オキソニウムイオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、a、b、cおよびdは正数であり、1.75<(c+d)<2.2、a+b+4(c+d)=9を満たす数であり、nは2以下である。) - 湿式合成または水熱合成により得られた、水に懸濁させた際の電気伝導度が15μS以上570μS以下の、式〔1〕で示される銀系無機抗菌剤を、800℃以上1100℃以下で熱分解することを特徴とする請求項1に記載の銀系無機抗菌剤の製造方法。
- 熱分解前のかさ比重を0.80〜2.00(g/ml)とする、請求項2に記載の銀系無機抗菌剤の製造方法。
- 請求項1に記載の銀系無機抗菌剤を含有する耐水性抗菌加工製品。
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