JP5351786B2 - 熱硬化性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、部品実装のための導電ペースト、特に熱硬化性はんだペーストとして使用される熱硬化性樹脂組成物およびその製造方法に関する。
従来、配線板等に半導体チップ等の電子部品を実装するにあたって、クリームはんだと呼ばれる材料が使用されている。クリームはんだは、はんだ粒子、フラックス成分及び溶剤を含む組成物である。このクリームはんだを使用した部品実装では、クリームはんだがリフロー炉中ではんだ粒子の融点以上の温度に加熱されることで、はんだ粒子が溶融する。それと共に、高温でフラックス成分によりはんだ粒子表面の酸化層が除去されて、はんだ粒子が一体化し、これにより配線板等の導体配線と電子部品との間の導通が確保される。このようなクリームはんだを使用した部品実装プロセス(はんだリフロープロセス)では多くの部品を一括して接続でき、生産性が高いものである。
ところで、昨今のPbを排除するトレンドにしたがって、従来の代表的なはんだであるPb共晶はんだに置き換わって、いわゆる“Pbフリーはんだ”が使用され始めている。Pbフリーはんだとしては、例えば、Sn−Ag−Cu系はんだや、Biのような低融点金属を用いたはんだなどが知られている。
クリームはんだを用いて電子部品を配線板等に実装する場合、できるだけ低温でリフローすることが好ましい。高温では温度耐性の低い電子部品を実装することができず、その電子部品のみを別工程でスポットはんだを施すことで実装したり、あるいは銀ペースト等を用いて実装したりする必要があり、生産性を著しく低下させるためである。
クリームはんだに添加されるフラックス成分としては、アビエチン酸に代表されるロジン成分材料や各種アミン及びその塩、さらにはセバシン酸、アゼライン酸、コルク酸等の脂肪族骨格に両末端カルボン酸を有する有機酸などが知られている。また、Pbフリーはんだに好適なフラックス成分についての開発もされている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これらのフラックス成分を用いた場合、金属表面の酸化膜を良好に還元させることができるものの、クリームはんだの保存安定性が悪くなるということが分かった。
すなわち、これらのフラックス成分、特にジカルボン酸は、フラックス作用に優れるがゆえに室温での保存性が十分ではないことが判明してきた。これらの化合物は通常、融点が室温よりも高いため、室温では粉体(=固体)であり、本来は還元反応は起こり難い。しかし、これらの化合物は、樹脂バインダー、とりわけ液状エポキシ樹脂中に分散して存在する場合、室温下でも親水性のジカルボン酸が液状エポキシ樹脂中に溶解してフラックス作用を発揮してしまい、はんだとの間で還元反応を生じて増粘してしまうものである。このため、室温ではんだペーストを放置すると、その粘度が次第に上昇してしまい、このはんだペーストを室温下でディスペンスや印刷方式により塗布する際、はんだペーストの粘度が次第に上昇し、塗布性が悪化してしまい、取扱性に難があるという問題が生じる。
特開2007−119750号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、はんだが溶融一体化してリフロープロセスによる部品実装が可能であり、且つ室温での保存安定性が良好な導電性の熱硬化性樹脂組成物およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、及びフラックス成分を含む熱硬化性樹脂組成物であって、フラックス成分が下記構造式(1)及び(2)で示される三価又は四価のカルボン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする。
このため、室温下ではフラックス成分のフラックス作用が抑制され、粘度上昇が抑制される。そして、この熱硬化性樹脂組成物を用い、加熱して部品実装を行うと、はんだ粒子が溶融すると共に、フラックス成分がフラックス作用を発揮し、はんだ粒子の表面の酸化層が除去されてはんだ粒子の一体化が促進され、これにより電気的な接合性を確保することができる。また、熱硬化性樹脂バインダーが熱硬化し、その硬化物により機械的な接合性を確保することができる。
Figure 0005351786
また、室温での保存安定性とはんだ粒子の接合性とを両立させてさらに良好なはんだペーストを得ることができる。
本発明においては、フラックス成分の含有量が、フラックス成分と熱硬化性樹脂バインダーとの合計量に対して3〜50質量%であることが好ましい。
この場合、フラックス成分が優れたフラックス作用を発揮すると共に、熱硬化性樹脂組成物の硬化物による機械的接合性と電気的接合性を更に向上することができる。
本発明においては、はんだ粒子の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して70〜95質量%であることが好ましい。
この場合、はんだ粒子を一体化させた熱硬化性樹脂組成物の硬化物による機械的接合性をさらに向上することができる。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、上記の熱硬化性樹脂組成物を製造する方法であって、融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダーの一部又は全部、及びフラックス成分を混合した後、熱硬化性樹脂バインダーの残余及び硬化剤を添加して混合することを特徴とする。
このため、はんだ粒子の周囲にフラックス成分を混合させて熱硬化性樹脂組成物を製造することができ、熱硬化性樹脂組成物の上記作用を効率よく発現することができる。すなわち、室温下ではフラックス成分のフラックス作用が抑制され、粘度上昇が抑制される熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。そして、加熱して部品実装を行うと、はんだ粒子が溶融すると共に、フラックス成分がフラックス作用を発揮し、はんだ粒子の表面の酸化層が除去されてはんだ粒子の一体化が促進され、これにより電気的な接合性を確保することができる熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。また、熱硬化性樹脂バインダーが熱硬化し、その硬化物により機械的な接合性を確保することができる熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、部品実装に使用した場合、優れた機械的接合性と電気的接合性とを発揮すると共に、室温での粘度上昇が抑制されて保存安定性が高く、取扱性に優れている。また、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法によれば、部品実装に使用した場合、優れた機械的接合性と電気的接合性とを発揮すると共に、室温での粘度上昇が抑制されて保存安定性が高く、取扱性に優れた熱硬化性樹脂組成物を製造することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、はんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、及びフラックス成分を含有する。
はんだ粒子としては、融点が240℃以下のはんだ粒子が用いられる。このはんだ粒子の融点の下限は、130℃であることが好ましい。はんだ粒子としては適宜のものが使用されるが、例えばSnをベースとした合金が挙げられ、具体的は、SnとAg、Cu、Bi、Zn、In等の金属との合金が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物中のはんだ粒子の含有量は、70〜95質量%の範囲であることが好ましい。この含有量が70質量%に満たないと熱硬化性樹脂組成物中のはんだ粒子の割合が少なくなり、熱硬化性樹脂組成物の硬化物による部品の電気的接合性が十分に発揮されなくなるおそれがある。また、この含有量が95質量%より大きいと組成物が高粘度化してしまい、塗布作業性に支障をきたすおそれがある。
熱硬化性樹脂バインダーとしては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリエステル樹脂など、適宜の熱硬化性樹脂が使用される。また熱硬化性樹脂バインダーは、低い加熱温度でも充分な補強性(機械的接合性)を発揮して部品実装を可能にするために、240℃以下の加熱温度でも充分な硬化性を有する必要がある。このような低温硬化性及び接着性の観点からは、熱硬化性樹脂バインダーはエポキシ樹脂であることが特に好ましい。エポキシ樹脂を熱硬化性樹脂バインダーとして用いるにあたっては、通常は熱硬化性樹脂バインダーが液状エポキシ樹脂を含有し、さらに硬化剤を含有し、さらに必要に応じて硬化促進剤を含有することが好ましい。
硬化剤としては、酸無水物、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン骨格含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、各種チオール化合物、各種アミン類、ジシアンジアミド、イミダゾール類、金属錯体およびそれらのアダクト化合物などが挙げられる。硬化剤の含有量は、適宜設定されるが、エポキシ樹脂のエポキシ当量に対する硬化剤の化学量論上の当量比が0.8〜1.2の範囲となるようにすることが好ましい。
また、硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等の各種イミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類をはじめとする各種アミン類、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン等の各種リン化合物などが挙げられる。
そして、本発明の熱硬化性樹脂組成物では、フラックス成分として三価以上のカルボン酸が含有される。すなわち、分子中にカルボン酸構造である“−COOH”を三つ以上含む化合物が含有されるのである。このようなカルボン酸はカルボキシル基が多く含まれているために室温下では会合状態が形成され、フラックス作用が抑制されるものである。しかし、はんだが溶融する温度に熱硬化性樹脂組成物が加熱されると、カルボン酸の会合状態が開放され、フラックス作用を発揮する。特に熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂が使用される場合は、この液状エポキシ樹脂が微少量の水分を含有しやすいため、低温の加熱温度下でもカルボン酸の会合状態が開放されやすくなる。カルボン酸の価数の上限は、実質的に四価であることが好ましい。
三価以上のカルボン酸としては、適宜の化合物が使用されるが、特に上記構造式(1)〜(4)で示される化合物から選択される少なくとも一種の化合物が好ましい。構造式(1)の化合物はピロメリット酸であり、四価のカルボン酸である。構造式(2)の化合物はヘミメリット酸であり、三価のカルボン酸である。構造式(3)の化合物はクエン酸であり、三価のカルボン酸である。構造式(4)の化合物はプロパントリカルボン酸であり、三価のカルボン酸である。これらの化合物は室温下においては分子内又は分子間で強い会合状態を形成して、フラックス作用が抑制され、また組成物の増粘が防止される。一方、はんだ粒子が溶融するような温度に加熱されると会合状態が開放され、フラックス作用を発揮する。これらのカルボン酸は室温下での増粘防止と加熱時のフラックス作用発現とが特にバランスよく得られるものである。
フラックス成分に含まれるカルボン酸は一種のみであってもよく、二種以上であってもよい。また、フラックス成分は三価以上のカルボン酸のみからなること、特に上記構造式(1)〜(4)で示される化合物のみからなることが好ましいが、カルボン酸以外の一般にフラックスとして用いられる化合物を含んでいてもよい。
フラックス成分の含有量は、フラックス成分と熱硬化性樹脂バインダーとの合計量に対して3〜50質量%であることが好ましい。この場合、フラックス成分が優れたフラックス作用を発揮すると共に、熱硬化性樹脂組成物の硬化物による機械的接合性と電気的接合性を更に向上することができる。
熱硬化性樹脂組成物は、本発明の目的に反しない限り、上記以外の、通常用いられる改質剤、添加剤等を含有してもよい。例えばこの熱硬化性樹脂組成物は、粘度低減や流動性付与等のため、低沸点の溶剤や可塑剤を含有してもよい。
熱硬化性樹脂組成物を製造するにあたっては、まず、融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダーの一部又は全部、及びフラックス成分を混合する。そしてその混合物に、先に熱硬化性樹脂バインダーの一部を用いた場合にはその残余と、硬化剤とを添加して混合する。このように製造すれば、はんだ粒子の周囲にフラックス成分を混合させて熱硬化性樹脂組成物を得ることができ、室温下でのフラックス抑制作用と加熱時のフラックス作用とを効率よく発現することができる。
こうして得られた熱硬化性樹脂組成物は、上記のとおり三価以上のカルボン酸を含むフラックス成分を含有するため、室温下ではフラックス成分のフラックス作用が抑制される。このため、室温下での熱硬化性樹脂組成物の粘度上昇が抑制され、保存安定性が高いものである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて、導体配線を有する基板等に電子部品を実装することができる。例えば電子部品として表面実装用のチップ部品を用い、基板としてプリント配線板を用いる場合に、熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法等によりプリント配線板上のパッドに塗布し、このプリント配線板上にチップ部品を、このチップ部品の端子と前記パッドの位置が合致するように配置する。この状態で、チップ部品が配置されたプリント配線板をリフロー炉内で加熱するはんだリフロープロセス等により、熱硬化性樹脂組成物を所定の加熱温度まで加熱する。この加熱温度は、はんだ粒子が充分に溶融し、且つ熱硬化性樹脂バインダーの硬化反応が充分に進行する適宜の温度に設定される。また、この加熱温度は、はんだ粒子が溶融しきる前にエポキシ樹脂の硬化反応が進行してはんだ粒子の凝集が阻害されるようなことがないように設定されることが好ましい。そのための好ましい加熱温度は、はんだ粒子の融点よりも10℃高い温度以上であり、且つはんだ粒子の融点よりも60℃高い温度以下である。例えば、はんだ粒子がJIS Z3282で規定されるSn96.5Ag3.0 Cu0.5のはんだ組成を有する場合、その融点は218℃であり、この場合の加熱温度は230〜290℃の範囲が好ましく、230〜260℃の範囲が特に好ましい。
このように熱硬化性樹脂組成物が加熱されると、はんだ粒子が溶融すると共に、熱硬化性樹脂組成物中のフラックス成分に含まれる三価以上のカルボン酸がフラックス作用を発揮する。このフラックス作用によりはんだ粒子の表面の酸化層が除去され、はんだ粒子の一体化が促進されると共にはんだ粒子がパッド及び端子とも溶融接合し、チップ部品の端子とプリント配線板のパッドとの間の電気的接合がなされる。さらに、熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂バインダーの熱硬化反応が進行し、チップ部品とプリント配線板との機械的接合がなされる。これにより、プリント配線板にチップ部品が実装され、プリント回路板が作製される。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
JIS Z3282に規定された「Sn96.5 Ag3.0Cu0.5」のはんだ組成を有するはんだ合金を用い、このはんだ合金から、定法に従い、はんだ粒子を作製した。はんだ粒子の平均粒径は、30μm、融点は218℃であった。
このはんだ粒子85質量部、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成製「YD128」)4質量部、フラックス成分としてピロメリット酸(構造式(1)の化合物)2質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合した。次に、この混合物に、液状エポキシ樹脂の残余(液状エポキシ樹脂の合計量11質量部)、硬化剤として変性脂肪族ポリアミン(富士化成工業製「フジキュアFXR−1080」)2質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合して、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例2)
フラックス成分としてヘミメリット酸(構造式(2)の化合物)を用いるようにした。それ以外の条件は、実施例1と同一にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例3)
フラックス成分としてクエン酸(構造式(3)の化合物)を用いるようにした。それ以外の条件は、実施例1と同一にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例4)
フラックス成分としてプロパントリカルボン酸(構造式(4)の化合物)を用いるようにした。それ以外の条件は、実施例1と同一にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例5)
フラックス成分としてピロメリット酸1質量部とヘミメリット酸1質量部とを併用するようにした。それ以外の条件は、実施例1と同一にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例6)
熱硬化性樹脂バインダーとしてシアン酸エステル(Lonza製「L−10」)12質量部、硬化剤としてFeアセチルアセトナート0.1質量部を用いるようにした。それ以外の条件は、実施例1と同一にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例7)
実施例1で用いたはんだ粒子70質量部、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成製「YD128」)4質量部、フラックス成分としてピロメリット酸(構造式(1)の化合物)2質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合した。次に、この混合物に、液状エポキシ樹脂の残余(液状エポキシ樹脂の合計量24質量部)、硬化剤として変性脂肪族ポリアミン(富士化成工業製「フジキュアFXR−1080」)4質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合して、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例8)
実施例1で用いたはんだ粒子85質量部、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成製「YD128」)1質量部、フラックス成分としてピロメリット酸(構造式(1)の化合物)0.5質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合した。次に、この混合物に、液状エポキシ樹脂の残余(液状エポキシ樹脂の合計量12質量部)、硬化剤として変性脂肪族ポリアミン(富士化成工業製「フジキュアFXR−1080」)2.5質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合して、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例9)
実施例1で用いたはんだ粒子85質量部、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成製「YD128」)7質量部、フラックス成分としてピロメリット酸(構造式(1)の化合物)7質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合した。次に、この混合物に、硬化剤として変性脂肪族ポリアミン(富士化成工業製「フジキュアFXR−1080」)1質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合して、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(比較例1)
フラックス成分としてアビエチン酸を用いるようにした。それ以外の条件は、実施例1と同一にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。なお、アビエチン酸は一価のカルボン酸である。
(比較例2)
フラックス成分としてセバチン酸を用いるようにした。それ以外の条件は、実施例1と同一にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。なお、セバチン酸は二価のカルボン酸である。
(比較例3)
フラックス成分を含有しない熱硬化性樹脂組成物を次のようにして調製した。
実施例1で用いたはんだ粒子85質量部、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成製「YD128」)11質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合した。次に、この混合物に、硬化剤として変性脂肪族ポリアミン(富士化成工業製「フジキュアFXR−1080」)2質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合して、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(比較例4)
熱硬化性樹脂バインダーを含有しない熱硬化性樹脂組成物を次のようにして調製した。
実施例1で用いたはんだ粒子85質量部、フラックス成分としてピロメリット酸(構造式(1)の化合物)2質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合して、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(比較例5)
銀粒子を用いた熱硬化性樹脂組成物を次のようにして調製した。
銀粒子(平均粒径30μm、融点962℃)85質量部、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成製「YD128」)11質量部、硬化剤として変性脂肪族ポリアミン(富士化成工業製「フジキュアFXR−1080」)2質量部、フラックス成分としてピロメリット酸(構造式(1)の化合物)2質量部を配合し、ディスパーを用いて均一に混合して、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(保存安定性)
各実施例及び各比較例により調製された直後の熱硬化性樹脂組成物の粘度をB型粘度計で測定した。この熱硬化性樹脂組成物を室温(20〜25℃)で24時間放置した後、再びその粘度をB型粘度計で測定した。測定時の温度はともに室温とした。そして下記式により粘度上昇率(%)を算出した。
粘度上昇率 = (24時間後の粘度/製造直後の粘度)×100
(はんだ溶融性)
配線板(FR−4グレード)の表面にAuメッキが施された端子(パッド)を形成し、このパッドの表面に、上記熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法により塗布した。塗布後の熱硬化性樹脂組成物の塗膜厚みは約70μmであった。この配線板をリフロー炉で240℃で10分間加熱することによって、熱硬化性樹脂組成物を硬化させた。硬化物(硬化した熱硬化性樹脂組成物)の外観を光学顕微鏡で観察し、下記評価基準で評価した。
「◎」:全てのはんだ粒子が一体化して球体となっており、この球体の周りには樹脂層が形成され、その樹脂層にははんだ粒子は全く観察されない
「○」:ほとんどのはんだ粒子が一体化して球体となっているが、この球体の周りに形成された樹脂層には若干のはんだ粒子が観察される
「×」:一体化したはんだ粒子が観察されない。
(評価結果)
以上の評価試験の結果を表1に示す。
フラックス成分として二価以下のカルボン酸を用いた比較例1、2や、熱硬化性樹脂バインダーを含まず、はんだ粒子の含有率が高い比較例4では、保存安定性が悪い。また、フラックス成分を含んでいない比較例3では、はんだ溶融性が悪い。240℃では溶融しない金属である銀を用いた比較例5では、まったく溶融しない。
それに対し、各実施例の熱硬化性樹脂組成物は、保存安定性とはんだ溶融性がともに良好であった。
Figure 0005351786

Claims (4)

  1. 融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、及びフラックス成分を含む熱硬化性樹脂組成物であって、フラックス成分が下記構造式(1)及び(2)で示される三価又は四価のカルボン酸から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0005351786
  2. フラックス成分の含有量が、フラックス成分と熱硬化性樹脂バインダーとの合計量に対して3〜50質量%であることを特徴とする請求項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. はんだ粒子の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して70〜95質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を製造する方法であって、融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダーの一部又は全部、及びフラックス成分を混合した後、熱硬化性樹脂バインダーの残余及び硬化剤を添加して混合することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
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