JP5475976B2 - 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法並びに回路基板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法並びに回路基板 Download PDF

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Description

本発明は、部品実装のための導電ペースト、特に熱硬化性低温はんだペーストとして用いられる熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法並びにこの熱硬化性樹脂組成物を用いて部品実装した回路基板に関するものである。
現在、部品実装用途には主にクリームはんだと呼ばれる材料が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。クリームハンダは、はんだ粒子、フラックス成分及び溶剤を含む組成物であり、リフロー炉中で加熱されることで、はんだ粒子が融点以上で溶解し、高温でフラックス成分がはんだ粒子表面の酸化被膜(酸化層)を除去するという作用により、はんだ粒子が一体化して部品実装を完遂させるものであり、多くの部品を一括して接続できるという生産性の高いプロセスを提供するものである。添加されるフラックス成分としては、アビエチン酸に代表されるロジン成分材料や各種アミン及びその塩、さらにはセバシン酸、アジピン酸等の高融点有機酸などが知られている。
ところで、従来の代表的なはんだであるPb共晶はんだは融点183℃であり、一方、昨今のPbを排除する傾向に従って使用が始まっているいわゆる“Pbフリーはんだ”の代表格であるAg−Sn−Cu系はんだでは、これよりもさらに30℃程度融点の高いものである。このため、従来のはんだリフロープロセスでは、最高温度で215−260℃という高い温度で部品実装が行われている。
特開2004−185884号公報
しかしながら、215−260℃というような高温に耐えることができない部品を含む電子回路を実装する場合には、その部品だけを別工程において、スポットはんだを施すことによって実装したり、あるいは銀ペースト等を用いて実装したりする必要があり、その生産性を著しく低下させていた。
これに対して、はんだ合金組成を変えて、215℃よりも低い融点を持つはんだ粒子としてSn42/Bi58合金(融点139℃)を用いた導電性ペーストが知られているが、この低融点はんだを使用する場合には、以下のような問題があった。
(1)前記低融点はんだは、Pb共晶はんだやAg−Sn−Cu系はんだに比較して脆いため、強度や靱性の点で充分でなく、はんだ接続部だけで部品を固定すると、欠落したり、温度サイクルや衝撃によりはんだ接続部にクラックが発生しやすい。
(2)従来のフラックス成分は、高温で解離し、金属酸化物に対して強い化学的作用を及ぼすものであるが、上記のような低温のリフロー条件では、フラックス作用が効果的には発揮されず、溶融してもはんだ粒子の一体化が起こりにくい。
特に(1)の問題を解決するために、熱硬化性樹脂をバインダーとして用い、このバインダーに低融点はんだ粒子を分散させてはんだ接合を行えば、部品ははんだ接続部だけでなく、樹脂硬化物にも固定されると考えられ、これにより強度や靱性が大きく改善されると期待されるが、その際に共存させる効果的なフラックス成分が知られていない。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高温に耐えられない部品を含む電子回路の実装にあたり、低温溶融はんだ粒子を活用して、低温での一括リフローが可能で、かつ強度・靭性に優れた部品実装が可能な熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法並びに回路基板を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る熱硬化性樹脂組成物は、金属フィラー成分、フラックス成分、熱硬化性樹脂バインダーを含有する熱硬化性樹脂組成物において、
上記金属フィラー成分として、融点が145℃以下であり、BiとInの少なくとも一方を含有し、さらにCu、Ag、Niの群から少なくとも1種の金属を含有し、金属フィラー成分全量に対して、Biを含有する場合にはその含有量が57重量%以下であり、Inを含有する場合にはその含有量が90重量%以下であるものを用いると共に、
上記フラックス成分として、下記構造式(1)で示されるジグリコール酸、下記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、下記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを用いて成ることを特徴とするものである。
(1)HOOCHC−O−CHCOOH
(2)HOOCHC−S−CHCOOH
(3)HOOCHC−S−S−CHCOOH
請求項2に係る発明は、請求項1において、金属フィラー成分全量に対して、Biの含有量が10〜57重量%であることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1において、金属フィラー成分全量に対して、Inの含有量が10〜90重量%であることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1において、金属フィラー成分全量に対して、Biの含有量が57重量%以下であると共に、Inの含有量が10〜90重量%であることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれか1項において、熱硬化性樹脂バインダーとして、エポキシ樹脂及び硬化剤を用いて成ることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれか1項において、熱硬化性樹脂バインダーに対して、フラックス成分が3〜50PHR含有されて成ることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれか1項において、熱硬化性樹脂組成物全量に対して、熱硬化性樹脂バインダー及びフラックス成分の合計量が5〜30重量%であることを特徴とするものである。
本発明の請求項に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、
金属フィラー成分、フラックス成分、液状エポキシ樹脂を混合・混練する工程と、
その後、硬化剤を添加する工程と、
を有し、
上記金属フィラー成分として、融点が145℃以下であって、BiとInの少なくとも一方を含有し、さらにCu、Ag、Niの群から少なくとも1種の金属を含有し、Biを含有する場合には金属フィラー成分全量に対してその含有量が57重量%以下であり、Inを含有する場合には金属フィラー成分全量に対してその含有量が90重量%以下であるものを用いると共に、
上記フラックス成分として、下記構造式(1)で示されるジグリコール酸、下記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、下記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを含有するものを用いることを特徴とするものである。
(1)HOOCHC−O−CHCOOH
(2)HOOCHC−S−CHCOOH
(3)HOOCHC−S−S−CHCOOH
本発明の請求項に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、
金属フィラー成分、フラックス成分、溶剤を混合する工程と、
次に上記溶剤を乾燥除去する工程と、
その後、エポキシ樹脂及び硬化剤を添加する工程と、
を有し、
上記金属フィラー成分として、融点が145℃以下であって、BiとInの少なくとも一方を含有し、Biを含有する場合には金属フィラー成分全量に対してその含有量が57重量%以下であり、Inを含有する場合には金属フィラー成分全量に対してその含有量が90重量%以下であるものを用いると共に、
上記フラックス成分として、下記構造式(1)で示されるジグリコール酸、下記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、下記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを含有するものを用いることを特徴とするものである。
(1)HOOCHC−O−CHCOOH
(2)HOOCHC−S−CHCOOH
(3)HOOCHC−S−S−CHCOOH
本発明の請求項10に係る回路基板は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて、部品が基板に接着されて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項11に係る回路基板は、請求項又はに記載の方法により製造された熱硬化性樹脂組成物を用いて、部品が基板に接着されて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る熱硬化性樹脂組成物によれば、高温に耐えられない部品を基板に実装するにあたって、金属フィラー成分として、BiとInの少なくとも一方を含有するものを用いることによって、従来よりも低い温度でリフローはんだ付けを行うことができるものであり、また、フラックス成分として、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸、上記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、上記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを用いることによって、従来よりも低いリフロー温度で、金属フィラー成分を構成する各はんだ粒子表面の酸化被膜を十分に除去して、金属フィラー成分の溶融一体化を促進することができるものであり、また、熱硬化性樹脂バインダーを用いることによって、溶融一体化した金属フィラー成分の周囲にこれを補強する強固な樹脂層を形成することができるものである。また、金属フィラー成分にCuやAgが含有されていると、はんだ合金の機械的特性を向上させることができるものであり、また、Snを含有する金属フィラー成分にNiが含有されていると、Snの酸化を抑制することができるものである。
請求項2に係る発明によれば、低融点化の効果を十分に得ることができるものである。
請求項3に係る発明によれば、低融点化の効果を十分に得ることができるものである。
請求項4に係る発明によれば、低融点化の効果を十分に得ることができるものである。
請求項に係る発明によれば、他の樹脂を用いる場合に比べて、より低温で硬化させることができると共に、接着性を高く得ることができるものである。
請求項に係る発明によれば、フラックス成分の作用を十分に発揮させることができると共に、熱硬化性樹脂組成物の硬化後における補強性を高く得ることができるものである。
請求項に係る発明によれば、流動可能な熱硬化性樹脂組成物を得ることができ、また、溶融一体化した金属フィラー成分の周囲に、ボイドが存在しない熱硬化性樹脂バインダーの硬化物からなる樹脂層が形成され、この樹脂層によって十分な補強性を得ることができ、また、金属フィラー成分の溶融一体化が阻害されるのを防止することができ、また、十分に低い接続抵抗を得ることができるものである。
本発明の請求項に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法によれば、次のような効果が得られる熱硬化性樹脂組成物を得ることができるものである。すなわち、フラックス成分が金属フィラー成分の表面でキレートとして吸着され、金属フィラー成分が溶融する温度でフラックス成分のカルボキシル基が金属酸化被膜と還元反応を起こすことにより、金属フィラー成分の一体化を助け、かつ、熱硬化性樹脂バインダー中において有効に作用しないフラックス成分の濃度を減少させ、一体化した金属フィラー成分の周囲に熱硬化性樹脂バインダーの硬化物からなる強固な樹脂層を形成することができるものである。しかも、前記製造方法においては、硬化剤を添加する前に、金属フィラー成分、フラックス成分、液状エポキシ樹脂の3成分を混合・混練しておくことで、金属フィラー成分及びフラックス成分によるキレートを効率よく形成することができるものであり、また、混練時においてはまだ硬化剤が添加されていないので、混練物の増粘を防止することができるものである。
本発明の請求項に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法によれば、次のような効果が得られる熱硬化性樹脂組成物を得ることができるものである。すなわち、フラックス成分が金属フィラー成分の表面でキレートとして吸着され、金属フィラー成分が溶融する温度でフラックス成分のカルボキシル基が金属酸化被膜と還元反応を起こすことにより、金属フィラー成分の一体化を助け、かつ、熱硬化性樹脂バインダー中において有効に作用しないフラックス成分の濃度を減少させ、一体化した金属フィラー成分の周囲に熱硬化性樹脂バインダーの硬化物からなる強固な樹脂層を形成することができるものである。そして、液状エポキシ樹脂よりも溶剤の方が金属フィラー成分の表面の濡れ性を一層向上させることができ、これによってフラックス成分の馴染みがさらに良くなるので、上記のように、最初に、金属フィラー成分、フラックス成分、溶剤の3成分を混合・混練しておくと、金属フィラー成分及びフラックス成分によるキレートをさらに効率よく形成することができるものである。
本発明の請求項10に係る回路基板によれば、基板に対する部品の接着性を高く得ることができると共に、基板と部品との間の抵抗値を著しく低下させることができるものである。
本発明の請求項11に係る回路基板によれば、基板に対する部品の接着性を高く得ることができると共に、基板と部品との間の抵抗値を著しく低下させることができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、金属フィラー成分(はんだ粒子)、フラックス成分、熱硬化性樹脂バインダー(マトリックス樹脂)を必須成分として含有するものである。
金属フィラー成分としては、BiとInの少なくとも一方を含有するものを用いるものであるが、例えば、下記[表1]に示すような組成を持つ低融点はんだを用いることができる。
Figure 0005475976
ここで、金属フィラー成分全量に対して、Biの含有量は10〜70重量%であることが好ましく、15〜65重量%であることがより好ましく、20〜57重量%であることが最も好ましい。Biの含有量が10重量%未満であると、低融点化の効果を十分に得ることができないおそれがあり、逆に、Biの含有量が70重量%を超えても、低融点化の効果を得ることができないおそれがある。
また、金属フィラー成分全量に対して、Inの含有量が10〜90重量%であることが好ましく、15〜70重量%であることがより好ましく、20〜52重量%であることが最も好ましい。Inの含有量が10重量%未満であると、低融点化の効果を十分に得ることができないおそれがあり、逆に、Inの含有量が90重量%を超えても、低融点化の効果を得ることができないおそれがある。
また、金属フィラー成分は、Cu、Ag、Niの群から選ばれる少なくとも1種の金属を含有するのが好ましい。金属フィラー成分にCuやAgが含有されていると、はんだ合金の機械的特性を向上させることができるものであり、また、Snを含有する金属フィラー成分にNiが含有されていると、Snの酸化を抑制することができるものである。
金属フィラー成分にCuを含有させる場合には、その含有量は、金属フィラー成分全量に対して、0.1〜1.0重量%であることが好ましく、0.5〜0.7重量%であることがより好ましい。Cuの含有量が0.1重量%未満であると、機械的特性を向上させる効果を十分に得ることができないおそれがあり、逆に、Cuの含有量が1.0重量%を超えると、はんだ合金が脆くなる傾向を示し、機械的特性が低下するおそれがある。
金属フィラー成分にAgを含有させる場合には、その含有量は、金属フィラー成分全量に対して、0.1〜5重量%であることが好ましい。Agの含有量が0.1重量%未満であると、機械的特性を向上させる効果を十分に得ることができないおそれがあり、逆に、Agの含有量が5重量%を超えると、はんだ合金が脆くなる傾向を示し、機械的特性が低下するおそれがある。
Snを含有する金属フィラー成分にさらにNiを含有させる場合には、その含有量は、金属フィラー成分全量に対して、0.001〜0.1重量%であることが好ましく、次に0.005〜0.1重量%であることが好ましく、次に0.01〜0.1重量%であることが好ましく、0.05〜0.1重量%であることが最も好ましい。Niの含有量が0.001重量%未満であると、Snの酸化を抑制する効果を十分に得ることができないおそれがあり、逆に、Niの含有量が0.1重量%を超えると、強固なNi酸化被膜が形成されて融点が上昇し、Snの酸化を抑制する効果が得られなくなるおそれがある。
フラックス成分としては、下記構造式(1)で示されるジグリコール酸、下記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、下記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを用いる。
(1)HOOCHC−O−CHCOOH
(2)HOOCHC−S−CHCOOH
(3)HOOCHC−S−S−CHCOOH
これらのフラックス成分は、両末端にカルボキシル基を有しており、キレートを生成し、低温はんだ粒子表面に安定に局在化し、プロトンが完全に解離するような高温に晒さなくても、具体的には100℃付近の比較的低温で効果的に金属フィラー成分の表面の酸化被膜を除去する機能を持っている。そしてこのフラックス成分の機能は、それぞれ各分子の中央に位置する−O−、−S−、−S−S−の寄与により、通常の脂肪族有機酸に比べて優れている。
なお、本発明においては、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸、上記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、上記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを用いると共に、一般に用いられている他のフラックス成分を併用しても差し支えない。
熱硬化性樹脂バインダーとしては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができ、特に限定されるものではないが、従来のはんだリフローよりも低い温度で、部品を実装し、かつ補強性を持たせるためには、その温度で十分な硬化性を有している必要があり、低温硬化性及び接着性の観点から、エポキシ樹脂及び硬化剤を用いるのが好ましい。そしてエポキシ樹脂及び硬化剤を熱硬化性樹脂バインダーとして用いる場合には、エポキシ樹脂(通常は液状エポキシ樹脂)に硬化剤、さらに必要に応じて硬化剤の硬化補助成分である硬化促進剤を配合するものである。ここで、液状エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等を用いることができ、また、固形のエポキシ樹脂を併用することで液状化されたものも有効である。固形のエポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格エポキシ樹脂等を用いることができる。また、硬化剤としては、酸無水物、フェノールノボラック、各種チオール化合物、各種アミン類、ジシアンジアミド、イミダゾール類、金属錯体及びそれらのアダクト化合物、例えば、ポリアミンのアダクト変性物等を用いることができる。また、硬化促進剤としては、例えば、各種イミダゾール類、各種アミン類、各種リン化合物、Feアセチルアセトナート等の金属錯体及びそれらのアダクト化合物等を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂バインダーに対して、フラックス成分は3〜50PHR含有されているのが好ましい。フラックス成分の含有量が3PHR未満であると、濃度が薄すぎてフラックス成分として十分な作用を発揮させることができない場合があり、そのため金属フィラー成分の溶融一体化が阻害され、接続抵抗が高くなってしまうおそれがある。逆に、フラックス成分の含有量が50PHRを超えると、熱硬化性樹脂組成物の硬化後においてタック性が残ったり、補強性を十分に高く得ることができなくなったりするおそれがある。
また、熱硬化性樹脂組成物全量に対して、熱硬化性樹脂バインダー及びフラックス成分の合計量が5〜30重量%であることが好ましい。熱硬化性樹脂バインダー及びフラックス成分の合計量が5重量%未満であると、パテ状又は粉状となって、流動可能な熱硬化性樹脂組成物を得ることができないおそれがあり、また、金属フィラー成分が溶融一体化した後、この周囲には熱硬化性樹脂バインダーの硬化物からなる樹脂層が形成されるが、この樹脂層にはボイドが多く含まれることとなり、このような樹脂層によっては十分な補強性を得ることができなくなるおそれがある。逆に、前記合計量が30重量%を超えると、金属フィラー成分の割合が少なすぎて、これらの溶融一体化が阻害されたり、十分に低い接続抵抗を得ることができなくなったりするおそれがある。
なお、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物には、上記必須成分のほか、通常用いられる改質剤、添加剤等が含有されていてもよい。また、熱硬化性樹脂組成物の粘度を低減し、流動性を付与する目的で、低沸点の溶剤や可塑剤を加えることもできる。さらに、印刷形状を保持するためのチクソ性付与剤として、硬化ヒマシ油やステアリン酸アミド等を添加することも有効である。
そして、熱硬化性樹脂組成物は、次のようにして製造することができる。すなわち、BiとInの少なくとも一方を含有する金属フィラー成分、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸、上記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、上記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを含有するフラックス成分、液状エポキシ樹脂を混合・混練した後、硬化剤を添加することによって、熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
このように、金属フィラー成分、フラックス成分、液状エポキシ樹脂、硬化剤の4成分を一度に混合・混練するのではなく、硬化剤を添加する前に、金属フィラー成分、フラックス成分、液状エポキシ樹脂の3成分を混合・混練しておくことで、金属フィラー成分及びフラックス成分によるキレートを効率よく形成することができるものである。キレートの形成をより効率よく行わせるためには、硬化剤を添加する前に前記3成分の混練物を一昼夜放置して室温まで冷やしておくのが好ましい。また、金属フィラー成分の比率が高いと、混練時の摩擦熱で混練物の温度が上昇する場合があるが、この混練時においてはまだ硬化剤が添加されていないので、混練物の増粘を防止することができるものである。つまり、エポキシ樹脂との硬化反応を起こす硬化剤を最後に添加することで、製造工程中でのエポキシ樹脂の反応に伴う増粘を防止することができるものである。なお、最初に金属フィラー成分及びフラックス成分のほか、液状エポキシ樹脂も一緒に混合・混練しておくのは、この液状エポキシ樹脂で金属フィラー成分の表面の濡れ性を向上させるためである。
また、熱硬化性樹脂組成物は、次のようにして製造することもできる。すなわち、BiとInの少なくとも一方を含有する金属フィラー成分、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸、上記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、上記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを含有するフラックス成分、メチルエチルケトン(MEK)等の溶剤を混合し、次にこの溶剤を乾燥除去した後、エポキシ樹脂及び硬化剤を添加することによって、熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。液状エポキシ樹脂よりも溶剤の方が金属フィラー成分の表面の濡れ性を一層向上させることができ、これによってフラックス成分の馴染みがさらに良くなるので、上記のように、最初に、金属フィラー成分、フラックス成分、溶剤の3成分を混合・混練しておくと、金属フィラー成分及びフラックス成分によるキレートをさらに効率よく形成することができるものである。
これらの製造方法を使用すると、次のような効果が得られる熱硬化性樹脂組成物を得ることができるものである。すなわち、フラックス成分が金属フィラー成分の表面でキレートとして吸着され、金属フィラー成分が溶融する温度でフラックス成分のカルボキシル基が金属酸化被膜と還元反応を起こすことにより、金属フィラー成分の一体化を助け、かつ、エポキシ樹脂及び硬化剤からなる熱硬化性樹脂バインダー中において有効に作用しないフラックス成分の濃度を減少させ、一体化した金属フィラー成分の周囲に熱硬化性樹脂バインダーの硬化物からなる強固な樹脂層を形成することができるものである。
また、上記のようにして得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて、部品3を基板4に接着することによって、図1に示すような回路基板を得ることができる。すなわち、例えば、部品3として表面実装用のチップ部品を用いると共に、基板4としてFR−4等のプリント配線板を用いる場合において、プリント配線板に設けたパッド5とチップ部品の端子6との間に上記熱硬化性樹脂組成物を介在させてリフローはんだ付けを行うことによって、チップ部品をプリント配線板に実装することができる。より具体的には、図1(a)に示す回路基板は、熱硬化性樹脂組成物を各パッド5に個別に塗布して部品3を実装したものであり、部品3と基板4との間に空気層9(空洞)が形成されている。また、図1(b)に示す回路基板は、上記空気層9を形成しないようにしたものであり、熱硬化性樹脂組成物を各パッド5に個別に塗布するのではなく、部品3が実装されるべき箇所の前面に熱硬化性樹脂組成物を塗布して部品3を実装したものである。このように、図1(b)に示す回路基板にあっては、空気層9が形成されていないので、後からアンダーフィル樹脂を充填する手間を省くことができると共に、基板4に対する部品3の接着性をさらに高く得ることができるものである。
一方、図2に従来の回路基板を示す。すなわち、図2(a)に示す回路基板は、熱硬化性樹脂バインダーを用いずにSn42/Bi58合金(融点139℃)等の金属フィラー成分1を用いて、部品3を基板4に接着したものである。また、図2(b)に示す回路基板は、上記構造式(1)と(2)で示されるフラックス成分をいずれも用いずにSn42/Bi58合金(融点139℃)等の金属フィラー成分1及び熱硬化性樹脂バインダー2を用いて、部品3を基板4に接着したものである。
図2(a)に示す回路基板においては、熱硬化性樹脂バインダー2が用いられていないので、金属フィラー成分1によるはんだ接続部だけで部品3を基板4に固定することとなり、部品3が基板4から欠落したり、温度サイクルや衝撃によりはんだ接続部7にクラックが発生しやすい。また、はんだ接続部7の金属フィラー成分1が再溶融する場合には、基板4に対して部品3の位置がずれるおそれもある。これに対して、図1に示す回路基板においては、金属フィラー成分1によるはんだ接続部7の周囲に熱硬化性樹脂バインダー2による強固な樹脂層8が形成されているので、部品3が基板4から欠落することがない上に、温度サイクルや衝撃によりはんだ接続部7にクラックが発生することもない。また、はんだ接続部7の金属フィラー成分1が再溶融しても、その周囲の樹脂層8は再溶融しないので、基板4に対して部品3の位置がずれることもない。
図2(b)に示す回路基板においては、熱硬化性樹脂バインダー2は用いられているものの、効果的なフラックス成分が用いられていないので、金属フィラー成分1を構成する各はんだ粒子表面の酸化被膜を十分に除去することができず、金属フィラー成分1の溶融一体化が阻害され、部品3と基板4との間の抵抗値が増大してしまうものである。これに対して、図1に示す回路基板においては、フラックス成分として、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸、上記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、上記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかが用いられているので、金属フィラー成分1を構成する各はんだ粒子表面の酸化被膜を十分に除去することができ、金属フィラー成分1の溶融一体化が促進され、部品3と基板4との間の抵抗値を著しく低下させることができるものである。具体的には、前記抵抗値を55mΩ以下という非常に小さな値にすることができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
金属フィラー成分として、Sn40/Bi50/In10(下記[表2]の金属フィラー成分No.20)を用いた。この金属フィラー成分を構成するはんだ粒子の平均粒径は15μmであり、融点は120℃である。
また、フラックス成分として、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸を用いた。
また、熱硬化性樹脂バインダーとして、液状エポキシ樹脂である東都化成(株)製「YD128」及び硬化剤である富士化成工業(株)製「フジキュアFXR−1080」を用いた。
そして、前記金属フィラー成分(85重量部)、フラックス成分(2重量部)、液状エポキシ樹脂(11重量部)、硬化剤(2重量部)をディスパーを用いて均一に混合・混練することによって、熱硬化性樹脂組成物を製造した。
次に、FR−4基板上のAuメッキされたパッドに前記熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷で供給した。パッドに供給された熱硬化性樹脂組成物の厚みは約70μmであった。そして、この基板を140℃(金属フィラー成分No.20の融点120℃+20℃)のオーブンに入れて10分間処理した。
その後、オーブンから基板を取り出し、パッド上に形成された熱硬化性樹脂組成物の硬化物の外観を顕微鏡で観察した。
その結果、金属フィラー成分を構成する各はんだ粒子が溶融し、これらが一体化して金属の塊となっていると共に、その周囲をはんだ粒子を含まない熱硬化性樹脂バインダーが取り囲む完全な二層分離の状態が観察された。なお、溶融一体化して金属の塊となった金属フィラー成分の周囲を取り囲んでいる樹脂層は透明であり、タックフリーであった。
また、部品3として0Ωの1608型チップ抵抗(錫電極)を用いると共に、基板4としてFR−4基板を用い、前記部品3の端子6と基板4に設けたパッド5との間に上記熱硬化性樹脂組成物を介在させて、最高温度が140℃(金属フィラー成分No.20の融点120℃+20℃)のはんだリフロー条件で、リフロー炉加熱処理によるリフローはんだ付けを行うことによって、図1に示すような回路基板を製造した。
そして、このようにして得られた回路基板について、部品3と基板4との間の抵抗値(部品接続抵抗値)を測定すると15mΩであり、また、基板4に対する部品3の接着性(チップ部品シェア強度)を測定すると2.9kgfであった。
(実施例2)
フラックス成分として、上記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(実施例3)
フラックス成分として、上記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(実施例4)
フラックス成分として、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸(1重量部)及び上記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸(1重量部)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(実施例5)
熱硬化性樹脂バインダーとして、シアン酸エステル樹脂であるLonza製「L−10」(12重量部)及びFeアセチルアセトナート(0.1重量部)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(実施例6)
金属フィラー成分として、Sn40/Bi50/In10(下記[表2]の金属フィラー成分No.20)を用いた。この金属フィラー成分を構成するはんだ粒子の平均粒径は15μmであり、融点は120℃である。
また、フラックス成分として、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸を用いた。
また、熱硬化性樹脂バインダーとして、液状エポキシ樹脂である東都化成(株)製「YD128」及び硬化剤である味の素ファインテクノ(株)製「アミキュアPN23」を用いた。
そして、前記金属フィラー成分(85重量部)、フラックス成分(2重量部)、液状エポキシ樹脂(6重量部)をディスパーを用いて均一に混合・混練し、この混練物を1昼夜放置した。一方、前記硬化剤(2重量部)及び液状エポキシ樹脂(5重量部)を混合して組成物を調製し、この組成物を前記混練物に添加してこれを均一に混合することによって、熱硬化性樹脂組成物を製造した。この熱硬化性樹脂組成物を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして回路基板を製造し、その性能を評価した。
(実施例7)
金属フィラー成分を70重量部、フラックス成分を2重量部、液状エポキシ樹脂を24重量部、硬化剤を4重量部用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(実施例8)
金属フィラー成分として、Sn40/Bi50/In10(下記[表2]の金属フィラー成分No.20)を用いた。この金属フィラー成分を構成するはんだ粒子の融点は120℃である。
また、フラックス成分として、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸を用いた。
また、熱硬化性樹脂バインダーとして、液状エポキシ樹脂である東都化成(株)製「YD128」及び硬化剤である富士化成工業(株)製「フジキュアFXR−1080」を用いた。
また、溶剤として、メチルエチルケトン(MEK)を用いた。
そして、前記金属フィラー成分(85重量部)、フラックス成分(2重量部)、溶剤(30重量部)を均一に混合し、次にこの溶剤を真空乾燥機を用いて乾燥除去した。その後、これに前記液状エポキシ樹脂(11重量部)及び硬化剤(2重量部)を添加してこれをディスパーを用いて均一に混合することによって、熱硬化性樹脂組成物を製造した。この熱硬化性樹脂組成物を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして回路基板を製造し、その性能を評価した。
(実施例9)
金属フィラー成分を85重量部、フラックス成分を0.5重量部、液状エポキシ樹脂を12重量部、硬化剤を2.5重量部用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(実施例10)
金属フィラー成分を85重量部、フラックス成分を7重量部、液状エポキシ樹脂を7重量部、硬化剤を1重量部用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(実施例11〜23,26)
金属フィラー成分として、それぞれ下記[表2]の金属フィラー成分No.1〜13,No.16を用いた。各金属フィラー成分を構成するはんだ粒子の平均粒径は15μmであり、融点は下記[表2]に示す通りである。
また、フラックス成分として、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸を用いた。
また、熱硬化性樹脂バインダーとして、液状エポキシ樹脂である東都化成(株)製「YD128」及び硬化剤である富士化成工業(株)製「フジキュアFXR−1080」を用いた。
そして、前記金属フィラー成分(85重量部)、フラックス成分(2重量部)、液状エポキシ樹脂(11重量部)、硬化剤(2重量部)をディスパーを用いて均一に混合・混練することによって、熱硬化性樹脂組成物を製造した。この熱硬化性樹脂組成物を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして回路基板を製造し、その性能を評価した。なお、基板を入れるオーブンの温度及びはんだリフロー条件の最高温度はいずれも各金属フィラー成分の融点+20℃である。つまり、下記[表2]の硬化温度である。
(実施例24,25,27〜36)
金属フィラー成分として、それぞれ下記[表2]の金属フィラー成分No.14,No.15,No.17〜19,No.21〜27を用いた。各金属フィラー成分を構成するはんだ粒子の平均粒径は15μmであり、融点は下記[表2]に示す通り、いずれも110℃以下である。
また、フラックス成分として、上記構造式(1)で示されるジグリコール酸(1重量部)及びレブリン酸(1重量部)を用いた。
また、熱硬化性樹脂バインダーとして、液状エポキシ樹脂である東都化成(株)製「YD128」及び硬化剤である富士化成工業(株)製「フジキュアFXR−1080」を用いた。
そして、前記金属フィラー成分(85重量部)、フラックス成分(2重量部)、液状エポキシ樹脂(11重量部)、硬化剤(2重量部)をディスパーを用いて均一に混合・混練することによって、熱硬化性樹脂組成物を製造した。この熱硬化性樹脂組成物を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして回路基板を製造し、その性能を評価した。なお、基板を入れるオーブンの温度及びはんだリフロー条件の最高温度はいずれも各金属フィラー成分の融点+20℃である。つまり、下記[表2]の硬化温度である。
(比較例1)
フラックス成分として、アビエチン酸(2重量部)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(比較例2)
フラックス成分として、セバシン酸(2重量部)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(比較例3)
フラックス成分を用いないようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(比較例4)
熱硬化性樹脂バインダーを用いないようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
(比較例5)
金属フィラー成分として、銀粒子(85重量部)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物及び回路基板を製造し、その性能を評価した。
以上の結果を下記[表3]に示す。
Figure 0005475976
Figure 0005475976
なお、はんだ粒子一体化の良否については、次のような基準で判断した。
「◎」:すべてのはんだ粒子が一体化して球体となっており、この球体の周りの樹脂層にははんだ粒子が全く観察されない。
「○」:ほとんどのはんだ粒子が一体化して球体となっているが、この球体の周りの樹脂層に若干のはんだ粒子が観察される。
「△」:かなりのはんだ粒子が一体化して球体となっているが、この球体の周りの樹脂層に多くのはんだ粒子が観察される。
「×」:一体化したはんだ粒子が観察されない。
また、上記[表3]中、フラックス成分(PHR)は、{フラックス成分の重量部/(エポキシ樹脂の重量部+硬化剤の重量部)×100}によって算出した。
本発明に係る回路基板の一例を示す断面図である。 従来の回路基板の一例を示すものであり、(a)(b)は断面図である。
符号の説明
1 金属フィラー成分
2 熱硬化性樹脂バインダー
3 部品
4 基板

Claims (11)

  1. 金属フィラー成分、フラックス成分、熱硬化性樹脂バインダーを含有する熱硬化性樹脂組成物において、
    上記金属フィラー成分として、融点が145℃以下であり、BiとInの少なくとも一方を含有し、さらにCu、Ag、Niの群から選ばれる少なくとも1種の金属を含有し、金属フィラー成分全量に対して、Biを含有する場合にはその含有量が57重量%以下であり、Inを含有する場合にはその含有量が90重量%以下であるものを用いると共に、
    上記フラックス成分として、下記構造式(1)で示されるジグリコール酸、下記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、下記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを用いて成ることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    (1)HOOCHC−O−CHCOOH
    (2)HOOCHC−S−CHCOOH
    (3)HOOCHC−S−S−CHCOOH
  2. 金属フィラー成分全量に対して、Biの含有量が10〜57重量%であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 金属フィラー成分全量に対して、Inの含有量が10〜90重量%であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 金属フィラー成分全量に対して、Biの含有量が57重量%以下であると共に、Inの含有量が10〜90重量%であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 上記熱硬化性樹脂バインダーとして、エポキシ樹脂及び硬化剤を用いて成ることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 上記熱硬化性樹脂バインダーに対して、上記フラックス成分が3〜50PHR含有されて成ることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 熱硬化性樹脂組成物全量に対して、上記熱硬化性樹脂バインダー及び上記フラックス成分の合計量が5〜30重量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 金属フィラー成分、フラックス成分、液状エポキシ樹脂を混合・混練する工程と、
    その後、硬化剤を添加する工程と、
    を有し、
    上記金属フィラー成分として、融点が145℃以下であって、BiとInの少なくとも一方を含有し、さらにCu、Ag、Niの群から選ばれる少なくとも1種の金属を含有し、Biを含有する場合には金属フィラー成分全量に対してその含有量が57重量%以下であり、Inを含有する場合には金属フィラー成分全量に対してその含有量が90重量%以下であるものを用いると共に、
    上記フラックス成分として、下記構造式(1)で示されるジグリコール酸、下記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、下記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを含有するものを用いることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
    (1)HOOCHC−O−CHCOOH
    (2)HOOCHC−S−CHCOOH
    (3)HOOCHC−S−S−CHCOOH
  9. 金属フィラー成分、フラックス成分、溶剤を混合する工程と、
    次に上記溶剤を乾燥除去する工程と、
    その後、エポキシ樹脂及び硬化剤を添加する工程と、
    を有し、
    上記金属フィラー成分として、融点が145℃以下であって、BiとInの少なくとも一方を含有し、Biを含有する場合には金属フィラー成分全量に対してその含有量が57重量%以下であり、Inを含有する場合には金属フィラー成分全量に対してその含有量が90重量%以下であるものを用いると共に、
    上記フラックス成分として、下記構造式(1)で示されるジグリコール酸、下記構造式(2)で示されるチオジグリコール酸、下記構造式(3)で示されるジチオジグリコール酸の少なくともいずれかを含有するものを用いることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
    (1)HOOCHC−O−CHCOOH
    (2)HOOCHC−S−CHCOOH
    (3)HOOCHC−S−S−CHCOOH
  10. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて、部品が基板に接着されて成ることを特徴とする回路基板。
  11. 請求項又はに記載の方法により製造された熱硬化性樹脂組成物を用いて、部品が基板に接着されて成ることを特徴とする回路基板。
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