JP5347721B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、主に電気冷凍冷蔵庫などの冷凍サイクルに使用される密閉型圧縮機に関するものである。
従来、スラストボールベアリングを用いた密閉型圧縮機としては、主軸受の上部軸受延長部の周囲に転がり軸受を配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
図7は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図8は、従来の密閉型圧縮機のスラストボールベアリングの要部拡大図、図9は従来の密閉型圧縮機の作用力を示す模式図である。また、図10は従来の他の密閉型圧縮機の縦断面図、図11は(A)図10における下死点での密閉型圧縮機の作用力を示す模式図、(B)図10における上死点での密閉型圧縮機の作用力を示す模式図である。
図7において、密閉容器2の底部には潤滑油4を貯留しており、圧縮機本体6はサスペンションスプリング8によって密閉容器2に対して弾性的に支持されている。
圧縮機本体6は、電動要素10と、電動要素10の上方に配設される圧縮要素12から構成されている。電動要素10は、固定子14および回転子16とから構成されている。
圧縮要素12のシャフト18は、主軸部20と、主軸部20の上端に設けたフランジ部21と、フランジ部21の上面より延出する偏心軸部22を備えており、主軸部20はシリンダブロック24の主軸受26に回転自在に軸支されるとともに、回転子16が固定されている。そして、荷重が作用する偏心軸部22に対して、偏心軸部22の下側のみに配置された主軸部20と主軸受26で支持する片持ち軸受の構成となっている。
また、シャフト18は主軸部20表面に設けた螺旋状の溝などからなる給油機構28を備えている。
ピストン30は、シリンダブロック24に形成された略円筒形の内面を有するシリンダ34に往復自在に挿入される。また、連結手段36は、両端に設けた穴部がそれぞれピストン30に取り付けられたピストンピン(図示せず)と偏心軸部22に嵌挿されることで、偏心軸部22とピストン30とを連結している。
シリンダ34およびピストン30は、シリンダ34の開口端面に取り付けられるバルブプレート40とともに圧縮室42を形成する。さらに、バルブプレート40を覆って蓋をするようにシリンダヘッド44が固定されている。
吸入マフラ46は、PBTなどの樹脂で成型され、内部に消音空間を形成し、シリンダヘッド44に取り付けられている。
次に、図8を用いてスラストボールベアリング66について説明する。
主軸受26は、上端面に軸心と直角な平面部であるスラスト面50を有している。
そして、スラスト面50の上部に上レース54、ホルダー部58に保持されたボール56、下レース60からなるスラストボールベアリング66が配置されている。
上レース54および下レース60は環状で金属製の平板であり、上下の面が平行である。また、ホルダー部58は環状の形状をなし、周方向に設けた複数の穴部にボール56を転動自在に収納している。
そして、スラスト面50の上に、下レース60、ボール56、上レース54の順に互いに接した状態で積み重なり、上レース54の上面にシャフト18のフランジ部21が着座している。
次に、図9を用いてバランスウェイト74について説明する。
シャフト18のフランジ部21には、偏心軸部22と逆方向の延出部21aを有しており、フランジ部21の水平断面の重心は、主軸部20の軸心に対する偏心軸部22の中心の方向と逆方向に位置する。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下にその動作を説明する。
電動要素10に通電されると、固定子14に発生する回転磁界により、回転子16は主軸部20とともに回転する。主軸部20の回転により、偏心軸部22が偏心運動し、偏心軸部22の偏心運動が連結手段36を介してピストン30に伝えられ、ピストン30はシリンダ34内で往復動する。
密閉容器2外の冷凍サイクル(図示せず)より戻った冷媒は、吸入マフラ46を経由して圧縮室42内へ導入され、圧縮室42内でピストン30により圧縮され、圧縮された冷媒は密閉容器2から冷凍サイクルへ送出される。
また、シャフト18下端は潤滑油4に浸漬しており、シャフト18が回転することにより、潤滑油4は給油機構28により圧縮要素12各部に供給され、摺動部の潤滑を行う。
スラストボールベアリング66は、ボール56が上レース54と下レース60に点接触の状態で転がる転がり軸受であり、シャフト18や回転子16の自重などの垂直方向の荷重を支持しながら回転が可能である。転がり軸受は、一般的に用いられている滑り軸受の形式のスラストベアリングより摩擦が少なく、近年高効率化を目的に採用されることが増えてきている。
次に、図9を用いてバランスウェイト74の作用について説明する。
図9は、ピストン30が下死点近傍に位置するときの作用力を示している。
圧縮機本体6が作動すると、偏心軸部22が偏心回転するため、偏心軸部22には遠心力80が作用する。さらに、偏心軸部22に連結手段36を介して連結されたピストン30がシリンダ34内を往復運動することにより慣性力82が発生する。
これらの作用力による圧縮機本体6の振動を低減する目的で、フランジ部21の延出部21aからなるバランスウェイト74が構成されており、フランジ部21には偏心軸部22に作用する遠心力80およびピストン30の慣性力82と逆向きの遠心力84が作用する。従って、これらの作用力が打ち消しあうことで、圧縮機本体6へ作用する力を小さくでき、振動を低減することができる。
なお、同一能力で気筒容積が大きいイソブタンを冷媒に用いる場合など、小型化を図りながらピストン30の直径と振幅が大きくする場合、ピストン30との干渉を防止するためフランジ部21の大きさを小さくする必要があり、さらに、ピストン30自体の質量が増加するため、振動を低くするためにはバランスウェイト74の質量を大きくする必要がある。この場合、図10に示すように、シャフト18上端にバランスウェイト74を取り付けて振動を低減することになる。
図10に示す従来例における作用力について、図11を用いて説明する。
図11の(A)は下死点近傍における作用力を示している。図9と同様に偏心軸部22に作用する遠心力80とピストン30に作用する慣性力82と釣合うように、フランジ部21とバランスウェイト74が配置され、それぞれに遠心力86と遠心力84が作用する。
ところが、フランジ部21はピストン30との干渉を防止するため小さい外形形状としているため、小さな遠心力86しか得られないため、バランスウェイト74により大きい遠心力84が作用して、回転半径が大きくなった偏心軸部22に作用する遠心力80や、直径と振幅が大きくなり、大きくなったピストン30の慣性力82とバランスをとっている。
さらに、(B)は上死点近傍の作用力を示している。上死点近傍では、バランスウェイト74に作用する遠心力84と同じ方向に圧縮荷重88が作用することになる。
特開2005−127305号公報
しかしながら、上記従来の構成では、バランスウェイト74に作用する遠心力84は、フランジ部21に作用する遠心力86に比べて大きい上に、主軸受26から離れているため、バランスウェイト74により作用するモーメントが大きくなり、主軸受26に作用する荷重が大きくなる上に、圧縮荷重88と同時に作用することで、さらに軸受荷重を増大させ、主軸受26の摺動損失を増加させたり、信頼性を低下させたりするという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、ウェイトに作用する遠心力による軸受荷重の増加を防止し、高効率且つ信頼性の高い密閉型圧縮機を実現することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、フランジ部にスラストボールベアリングに当接する下端面よりも鉛直方向下方の位置で、且つ主軸部の軸心方向の投影において、偏心軸部と対称位置にウェイトを備えたもので、ウェイトで振動低減を図りながら、ウェイトに作用する遠心力によるモーメントによる軸受荷重の増加を防止するという作用を有する。
本発明の密閉型圧縮機は、ウェイトによる軸受荷重の増加を防止するので、摩擦摩耗を低減することで、効率と信頼性を向上することができる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態におけるスラストボールベアリングの要部拡大図 同実施の形態におけるシャフトの外観図 同実施の形態におけるシャフトおよびウェイトとピストンとの位置関係を示す模式図 (A)同実施の形態における下死点での密閉型圧縮機の作用力を示す模式図(B)同実施の形態における上死点での密閉型圧縮機の作用力を示す模式図 同実施の形態における他の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の密閉型圧縮機のスラストボールベアリングの要部拡大図 従来の密閉型圧縮機の作用力を示す模式図 従来の他の密閉型圧縮機の縦断面図 (A)図10における下死点での密閉型圧縮機の作用力を示す模式図(B)図10における上死点での密閉型圧縮機の作用力を示す模式図
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素の上方に配置された圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とフランジ部とを有するシャフトと、圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、前記ピストンと前記偏心軸部とを連結する連結手段と、前記シャフトの前記主軸部を軸支する主軸受と、前記主軸受のスラスト面と前記フランジ部との間に配設されたスラストボールベアリングとを備え、前記フランジ部には、前記スラストボールベアリングに当接する下端面よりも鉛直方向下方の位置で、且つ前記主軸部の軸心方向の投影において、前記偏心軸部と対称位置であって、かつ、前記スラストボールベアリングの外径側に近接して配置されたウェイトを備えたもので、ウェイトに作用した遠心力により軸受荷重が増加することがないので、効率向上と信頼性向上を達成することができる。
請求項2に記載の発明は、遠心力により前記スラストボールベアリングより外径方向に飛散した前記潤滑油が、前記ウェイトに跳ね返り、前記スラストボールべアリングを潤滑するものである。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記偏心軸部の反主軸部側にバランスウェイトを備えたもので、偏心軸部の遠心力およびピストンの慣性力を、上下両方に配置したウェイトおよびバランスウェイトで釣り合いをとることで、圧縮部の不釣合いを最小とすることが可能となり、請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに、振動を低減するとともに、軸受荷重を低減し、効率と信頼性を向上することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記ウェイトの上端面は、前記ピストンの下端部よりも鉛直方向下方に位置し、且つ前記主軸部の軸心方向の投影において、前記フランジ部の外周部は、前記ピストンの端面との最短距離が前記主軸部の回転に係わらず略一定となる形状に形成されているもので、ピストン
との干渉を防止しながらウェイトを配置することができ、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに、小型の形状を維持しながら、効率と信頼性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記フランジ部の形状は、前記主軸部の中心からの半径が、前記偏心軸部と反対方向で小さく、横方向で半径が大きい形状としたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記ウェイトは、前記ウェイトの両端を前記フランジに固定したものである。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、前記主軸部の軸心方向の断面において、前記主軸受は軸心方向においてウェイトと重なる軸受延長部を備えたもので、さらにウェイトに作用する遠心力によるモーメントを小さくできるので、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに、軸受荷重を低減し、効率と信頼性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図である。図2は、同実施の形態におけるスラストボールベアリングの要部拡大図、図3は、同実施の形態におけるシャフトの外観図である。図4は、同実施の形態におけるシャフトおよびウェイトとピストンとの位置関係を示す模式図、図5は(A)同実施の形態における下死点での密閉型圧縮機の作用力を示す模式図、(B)同実施の形態における上死点での密閉型圧縮機の作用力を示す模式図であり、図6は、同実施の形態における他の密閉型圧縮機の縦断面図である。
図1および図2において、密閉容器102内底部に潤滑油104を貯留するとともに、圧縮機本体106がサスペンションスプリング108により密閉容器102内で内部懸架されている。また、密閉容器102には、温暖化係数の低い冷媒であるR600a(イソブタン)が充填されている。
圧縮機本体106は、電動要素110と、これによって駆動される圧縮要素112とからなり、密閉容器102には電動要素110に電源を供給するための電源端子113が取り付けられている。
まず、電動要素110について説明する。
電動要素110は、薄板を積層した鉄心に銅製の巻線が巻かれて形成される固定子114と、固定子114の内径側に配置される回転子116とを備え、固定子114の巻線が電源端子113を経由して密閉型圧縮機外の電源(図示せず)と導線により接続されている。
次に圧縮要素112について説明する。
圧縮要素112は電動要素110の上方に配設されている。
圧縮要素112を構成するシャフト118は、主軸部120と、主軸部120上端のフランジ部121と、フランジ部121上面から延出し、主軸部120と平行な偏心軸部122と備えている。また、主軸部120には回転子116が固定されている。
シリンダブロック124は、円筒形の内面を有する主軸受126を備え、主軸受126に主軸部120が回転自在な状態で挿入され、支持されている。そして、圧縮要素112は、偏心軸部122に作用した荷重を偏心軸部122の下側に配置された主軸部120と主軸受126で支持する片持ち軸受の構成になっている。
また、シャフト118は主軸部120表面に設けた螺旋状の溝などからなる給油機構128を備えている。
また、シリンダブロック124は円筒状の穴部であるシリンダ134を備えており、ピストン130がシリンダ134に往復自在に挿入されている。
また、連結手段136は、両端に設けた穴部がそれぞれピストン130に取り付けられたピストンピン138と偏心軸部122に嵌挿されることで、偏心軸部122とピストン130と連結している。
シリンダ134端面にはバルブプレート140が取り付けられ、シリンダ134およびピストン130とともに圧縮室142を形成する。さらに、バルブプレート140を覆って蓋をするようにシリンダヘッド144が固定されている。吸入マフラ146は、PBTなどの樹脂で成型され、内部に消音空間を形成し、シリンダヘッド144に取り付けられている。
次に、スラストボールベアリング166の構成について説明する。
主軸受126は、軸心と直角な平面部であるスラスト面150と、スラスト面150よりさらに上方に延長され、主軸部120に対向する内面を有する軸受延長部152とを有している。
そして、軸受延長部152の上側に上レース154が配置され、軸受延長部152の外径側且つ上レース154の下側に、ホルダー部158に保持されたボール156、下レース160、および支持部材162が配置され、スラストボールベアリング166が構成されている。
上レース154および下レース160は環状で金属製の平板であり、望ましくは熱処理を行ったバネ鋼などで形成され、上下の面が平行で、且つ表面は平滑に仕上げられている。
ホルダー部158は、ポリアミドなどの樹脂材料で形成され、環状の形状をなし、ボール156が転動自在に収納される複数の穴部を有している。
そして、スラスト面150の上に、支持部材162、下レース160、ボール156、上レース154の順に互いに接した状態で積み重なり、上レース154の上面にシャフト118のフランジ部121が着座している。
次に図3および図4を用いてウェイト172の詳細について説明する。
フランジ部121の下面の、主軸部120中心線に関して、偏心軸部122と対称な方向に、ウェイト172が配置されている。ウェイト172は三日月型の薄板を複数枚積み重ねて、両端をネジ176によりフランジ部121に固定している。
また、ウェイト172は、主軸受126の軸受延長部152およびスラストボールベアリング166の外径側に配置されている。
図4は、各クランク角におけるシャフト118およびウェイト172と、ピストン130の位置関係を示したものである。なお、連結手段136は、位置関係を見易くするため省略したが、偏心軸部122とピストンピン138の距離は一定となっている。
主軸部120の軸心方向の投影において、フランジ部121の外周部は、ピストン130端面との最短距離が主軸部120の回転に係わらず略一定となる形状に形成されている
。具体的には、図4に示すように、フランジ部121の形状は主軸部120中心からの半径が、偏心軸部122と反対方向で小さく、横方向で半径が大きい形状となっている。
このため、クランク角90度から、135度、180度(下死点)へ進むにつれ、ピストン130はシリンダ134の後方へ飛び出してくるが、これらのそれぞれの状態で、ピストン130とフランジ部121は所定の隙間を有する。また、ウェイト172は、クランク角135度や180度の状態で示すように、下死点近傍では、ピストン130の下側に位置する。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
電源端子113より電動要素110に通電されると、固定子114に発生する磁界により回転子116はシャフト118とともに回転する。主軸部120の回転に伴う偏心軸部122の偏心回転は、連結手段136により変換され、ピストン130をシリンダ134内で往復運動させる。そして、圧縮室142が容積変化することで、密閉容器102内の冷媒を圧縮室142内に吸入し、圧縮する圧縮動作を行う。
この圧縮動作に伴う吸入行程において、密閉容器102内の冷媒は、吸入マフラ146を介して圧縮室142内に間欠的に吸入され、圧縮室142内で圧縮された後、高温高圧の冷媒は吐出配管などを経由して密閉容器102からの冷凍サイクル(図示せず)へ送られる。
また、シャフト118下端は潤滑油104に浸漬しており、シャフト118が回転することにより、潤滑油104は給油機構128により、主軸部120と主軸受126を給油したのち、フランジ部121へ達する。ここで、潤滑油104の多くは偏心軸部122を経由してピストン130などの各摺動部へ供給されるが、一部がフランジ部121よりスラストボールベアリング166へ供給される。
スラストボールベアリング166は、同じ大きさのボール156を、平らな上レース154と下レース160の間に複数配置して、それぞれを点接触の状態で転がるようにすることで、摩擦を非常に小さくするものであり、摺動損失の低減により密閉型圧縮機の効率が向上できる。
図4に示すように、下死点ではピストン130の下側に位置するようにウェイト172を配置することで、例えばピストン130と主軸受126の距離を水平方向、あるいは垂直方向に離したりすることなく、適切な質量のバランスウェイト174を配置できるので密閉型圧縮機が大型化することなく、振動を低減することができる。
また、フランジ部121の形状は、ピストン130との干渉を回避しながら、限られた空間内で、最大限の遠心力を得るような形状となっており、偏心軸部122などに作用する遠心力180(図5参照)などと垂直方向の距離が小さい位置で、釣り合いをとることができる。また、フランジ部121は偏心軸部122と直交する方向の半径が大きく、この位置でウェイト172を固定することで、限られた空間内で回転半径の大きいウェイト172を固定することができる。
また、ウェイト172をスラストボールベアリング166の外径側に空いた空間に配置することで、密閉型圧縮機内の空間を有効に使用することができる。
また、スラストボールベアリング166にはシャフト118に設けた給油機構128により潤滑油104が供給されるが、スラストボールベアリング166は回転しているため、遠心力により供給された潤滑油104が外径方向に飛散する。ところが、スラストボールベアリング166の外径側に近接してウェイト172が配置されているので、飛散した潤滑油104がウェイト172に跳ね返って、再びスラストボールベアリング166を潤滑するので、スラストボールベアリング166の信頼性が向上する。
次に、図5を用いてウェイト172などに作用する力について説明する。
圧縮機本体106が作動すると、偏心軸部122が偏心回転するため、偏心軸部122には遠心力180が作用する。さらに、偏心軸部122に連結手段136を介して連結されたピストン130がシリンダ134内を往復運動することにより慣性力182が発生する。
これらの作用力による圧縮機本体106の振動を低減する目的で、ピストン130の下側には、フランジ部121およびウェイト172が配置され、ピストン130の上側にはバランスウェイト174が配置されている。
バランスウェイト174には遠心力184、ウェイト172には遠心力186が作用する。遠心力は、各ウェイトの重心の回転半径と質量と回転角速度の2乗の積であり、ウェイト172の方が、バランスウェイト174より回転半径が大きく、質量も大きいので、遠心力186は遠心力184より大きい。
また、バランスウェイト174とウェイト172は、これらに作用する遠心力184、遠心力186の和が、偏心軸部122に作用する遠心力180やピストン130の慣性力182と概ね釣合うような大きさになるように選択されている。この結果、これらの作用力が打ち消しあうことで、圧縮機本体106に作用する力を小さくでき、振動を低減することができる。
しかも、ウェイト172とバランスウェイト174をピストン130の上下に配置されているので、各作用力が圧縮機本体106に作用する位置の違いによるモーメントを小さくすることができるので、さらに振動を小さくすることができる。
また、軸受に作用する荷重を考えると、(A)に示す下死点近傍では既に説明したように、荷重、モーメントとも各作用力で相殺されるため、軸受荷重は非常に小さくなる。また、(B)に示す上死点付近では(A)の状態に圧縮荷重188が加わるので、軸受荷重が大きくなるが、従来のようにさらにウェイト172による荷重で軸受荷重が大きくなることはなく、軸受の損失を低減したり、信頼性を向上したりすることができる。
主軸部120の軸心方向の断面において、主軸受126は軸心方向においてウェイト172と重なる軸受延長部152を備えたもので、ウェイト172に作用する遠心力186が主軸受126から離れることによるモーメントを小さくできるので、軸受荷重を低減し、効率と信頼性を向上することができる。
なお、本実施例では偏心軸部122の上端にバランスウェイト174を設けたが、図6のように、シャフト118上端のウェイト172を設けずにピストン130より下側のバランスウェイト174のみとしても良い。この場合、上下両方にウェイト172を設ける場合に比べ、作用力の差し引きによるモーメントが若干大きくなるものの、密閉型圧縮機を軽量化することができ、部品点数も削減することができる。
また、モーメントの向きが、圧縮荷重が作用する方向と逆向きとなるので、高負荷時の軸受荷重を小さくすることができ、高負荷時の信頼性面で有利となる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、スラストボールベアリングを用いて、性能と信頼性を向上できるので、家庭用電気冷凍冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の冷凍装置等に広く適用できる。
102 密閉容器
104 潤滑油
110 電動要素
112 圧縮要素
114 固定子
116 回転子
118 シャフト
120 主軸部
121 フランジ部
122 偏心軸部
124 シリンダブロック
126 主軸受
130 ピストン
136 連結手段
142 圧縮室
150 スラスト面
152 軸受延長部
166 スラストボールベアリング
172 ウェイト
174 バランスウェイト

Claims (7)

  1. 密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、固定子と回転子を備えた電動要素と、
    前記電動要素の上方に配置された圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とフランジ部とを有するシャフトと、
    圧縮室を備えたシリンダブロックと、
    前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、
    前記ピストンと前記偏心軸部とを連結する連結手段と、
    前記シャフトの前記主軸部を軸支する主軸受と、
    前記主軸受のスラスト面と前記フランジ部との間に配設されたスラストボールベアリングとを備え、
    前記フランジ部には、前記スラストボールベアリングに当接する下端面よりも鉛直方向下方の位置で、且つ前記主軸部の軸心方向の投影において、前記偏心軸部と対称位置であって、かつ、前記スラストボールベアリングの外径側に近接して配置されたウェイトを備えた密閉型圧縮機。
  2. 遠心力により前記スラストボールベアリングより外径方向に飛散した前記潤滑油が、前記ウェイトに跳ね返り、前記スラストボールべアリングを潤滑する請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記偏心軸部の反主軸部側にバランスウェイトを備えた請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記ウェイトの上端面は、前記ピストンの下端部よりも鉛直方向下方に位置し、且つ前記主軸部の軸心方向の投影において、前記フランジ部の外周部は、前記ピストンの端面との最短距離が前記主軸部の回転に係わらず略一定となる形状に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記フランジ部の形状は、前記主軸部の中心からの半径が、前記偏心軸部と反対方向で小さく、横方向で半径が大きい形状とした請求項4に記載の密閉型圧縮機。
  6. 前記ウェイトは、前記ウェイトの両端を前記フランジに固定した請求項5に記載の密閉型圧縮機。
  7. 前記主軸部の軸心方向の断面において、前記主軸受は軸心方向においてウェイトと重なる軸受延長部を備えた請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
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