JP5342357B2 - 画像データ作成装置および画像データ作成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、互いにサイズの異なる多種類のドットでの画素形成が可能な記録装置において画像形成される多値の画像データを作成する技術に関する。ただし、本明細書において「画素」とは、記録装置における記録(描画)の1単位を意味する。
多階調で濃淡を表す画像(多階調画像)を印刷媒体上に出力する際には、多階調画像に網掛け処理を施して(スクリーニング)、網点で濃淡を表す画像データ(網点画像データ)を作成する必要がある。
網点による階調表現の方式は各種提案されている。例えば、格子状に配列された網点のサイズを変えることによって階調表現を行う網点方式が知られている(AM網点方式)。また例えば、網点のサイズではなく密度(個数)を変えることによって階調表現を行う網点方式も知られている(FM網点方式)。これらの網点方式にはそれぞれ利点と欠点があり、印刷目的や画像の種類等に応じて適した方式が適宜選択される。また、場合によっては両方の方式が併用される。例えば特許文献1には、階調領域に応じて上記の各網点方式を使い分けながら網点を作成する技術が提案されている。
多階調画像から2値で表現された網点画像データが得られると、記録装置は、得られた網点画像データに基づいて画素形成のON/OFFを制御することによって紙等の印刷媒体上に画像を形成する。例えば、インクの微小液滴を吐出するヘッドから印刷媒体に向けてインクを吐出することによって画像形成を行うインクジェットプリンタの場合、網点画像データにおいて「1」とされた位置には画素を形成し、「0」とされた位置には画素を形成しない。これによって、網点画像データが印刷媒体上に画像形成されることになる。
ところで、近年においては、インクジェットプリンタの中でも、印刷媒体に向けて吐出するインクの吐出量を多段階に変化させてサイズの異なるドットでの画素形成(描画)を可能とするヘッド(多値ヘッド)を搭載したものが出てきている。インクの吐出量を変化させる具体的な態様としては、ヘッドの駆動波形や電圧を変調することでインクの液滴サイズを可変にする方式、固定サイズのインク液滴の同時吐出数を可変にする方式等が知られている。
多値ヘッドを搭載したインクジェットプリンタのように、互いにサイズの異なる多種類のドットでの画素形成可能な記録装置においては、多値で表された網点画像(多値網点画像)を印刷媒体上に画像形成することができる。例えば、小ドット、中ドット、大ドット、の3種類のサイズのドットでの画素形成が可能なヘッドを搭載したインクジェットプリンタの場合、多階調(ここでは、0〜3までの階調レベル)にて表現された網点画像データ(多値網点画像データ)を印刷媒体上に画像形成することができる。すなわち、この場合、インクジェットプリンタは、多値網点画像データにおいて例えば「3」とされた位置には大ドットで画素形成し、例えば「2」とされた位置には中ドットで画素形成し、例えば「1」とされた位置には小ドットで画素形成する。そして、「0」とされた位置には画素形成しない。これによって、多値網点画像データが印刷媒体上に画像形成されることになる。
特開平8−305005号公報
上述した通り、互いにサイズの異なる多種類のドットでの画素形成が可能な記録装置を用いれば、多値で表された網点画像データを印刷媒体上に画像形成することが可能となる。多値の網点画像データは、2値の網点画像データでは不可能であった多様な階調表現を実現できる可能性を秘めている。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、多様な階調表現を実現できる多値の網点画像データを作成する技術を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、互いにサイズの異なるn種類(nは2以上の自然数)のドットでの画素形成が可能な記録装置において画像形成される多値の画像データを作成する画像データ作成装置であって、それぞれが前記n種類のドットのいずれかと対応づけられた互いに異なるn個の閾値マトリクスデータを記憶する記憶手段と、元画像データと前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれとを比較して前記多値の画像データを取得する多値画像データ取得手段と、を備え、前記n個の閾値マトリクスデータのうちの少なくとも1つの閾値マトリクスデータが、AM網点を形成するためのAM用閾値マトリクスデータであり、前記n個の閾値マトリクスデータのうちの少なくとも1つの閾値マトリクスデータが、FM網点を形成するためのFM用閾値マトリクスデータであり、前記AM用閾値マトリクスデータが前記n種類のドットのうち、第1サイズのドットと対応付けられ、前記FM用閾値マトリクスデータが前記n種類のドットのうち、第1サイズよりも大きな第2サイズのドットと対応付けられている。
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像データ作成装置であって、前記多値画像データ取得手段が、元画像データと前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれとを比較して、n個の2値画像マトリクスデータを取得する比較手段と、前記n個の2値画像マトリクスデータ内の互いに対応するn個の各値のうちのいずれを選択するかを判定し、各画素形成位置において前記n種類のドットのいずれによって画素を形成するか否かを示す多値画像マトリクスデータを作成して、前記多値の画像データとして取得する判定手段と、を備える。
請求項の発明は、請求項1または2に記載の画像データ作成装置であって、前記元画像データを所定の階調領域毎に分割したn個の階調領域と、前記n個の閾値マトリクスデータとがそれぞれ対応付けられるとともに、前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれが、当該閾値マトリクスデータと対応付けられた階調領域内の複数の階調値を含む。
請求項の発明は、請求項に記載の画像データ作成装置であって、第1サイズのドットと対応付けられたAM用閾値マトリクスデータと対応づけられた階調領域が、前記第1サイズよりも大きな第2サイズのドットと対応付けられたFM用閾値マトリクスデータと対応づけられた階調領域よりも低濃度側にある。
請求項の発明は、請求項1からのいずれかに記載の画像データ作成装置であって、前記記録装置が、インクの微小液滴を被記録媒体に向けて吐出するヘッドであって、その吐出量を多段階に変化させることによって、前記n種類のドットで画素形成できるヘッドを備えるインクジェットプリンタである。
請求項の発明は、互いにサイズの異なるn種類(nは2以上の自然数)のドットでの画素形成が可能な記録装置において画像形成される多値の画像データを作成する画像データ作成方法であって、それぞれが前記n種類のドットのいずれかと対応づけられた互いに異なるn個の閾値マトリクスデータを取得する閾値マトリクスデータ取得工程と、元画像データと前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれとを比較して前記多値の画像データを取得する多値画像データ取得工程と、を備え、前記n個の閾値マトリクスデータのうちの少なくとも1つの閾値マトリクスデータが、AM網点を形成するためのAM用閾値マトリクスデータであり、前記n個の閾値マトリクスデータのうちの少なくとも1つの閾値マトリクスデータが、FM網点を形成するためのFM用閾値マトリクスデータであり、前記AM用閾値マトリクスデータが前記n種類のドットのうち、第1サイズのドットと対応付けられ、前記FM用閾値マトリクスデータが前記n種類のドットのうち、第1サイズよりも大きな第2サイズのドットと対応付けられている。
請求項7の発明は、請求項6に記載の画像データ作成方法であって、前記多値画像データ取得工程が、元画像データと前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれとを比較して、n個の2値画像マトリクスデータを取得する比較工程と、前記n個の2値画像マトリクスデータ内の互いに対応するn個の各値のうちのいずれを選択するかを判定し、各画素形成位置において前記n種類のドットのいずれによって画素を形成するか否かを示す多値画像マトリクスデータを作成して、前記多値の画像データとして取得する判定工程と、を備える。
請求項8の発明は、請求項6または7に記載の画像データ作成方法であって、前記元画像データを所定の階調領域毎に分割したn個の階調領域と、前記n個の閾値マトリクスデータとがそれぞれ対応付けられるとともに、前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれが、当該閾値マトリクスデータと対応付けられた階調領域内の複数の階調値を含む。
請求項9の発明は、請求項8に記載の画像データ作成方法であって、第1サイズのドットと対応付けられたAM用閾値マトリクスデータと対応づけられた階調領域が、前記第1サイズよりも大きな第2サイズのドットと対応付けられたFM用閾値マトリクスデータと対応づけられた階調領域よりも低濃度側にある。
請求項10の発明は、請求項6から9のいずれかに記載の画像データ作成方法であって、前記記録装置が、インクの微小液滴を被記録媒体に向けて吐出するヘッドであって、その吐出量を多段階に変化させることによって、前記n種類のドットで画素形成できるヘッドを備えるインクジェットプリンタである。
請求項1〜10に記載の発明においては、それぞれがn種類のドットのいずれかと対応づけられた互いに異なるn個の閾値マトリクスデータと、元画像データとを比較して多値の画像データを取得するので、多様な階調表現を実現することが可能となる。
特に、請求項4、9に記載の発明においては、比較的低濃度の階調領域においては、小さいサイズのドットで画素形成されるAM網点のサイズ変調による階調表現を行い、比較的高濃度の階調領域においては、大きいサイズのドットで画素形成されるFM網点の密度変調による階調表現を行う。この構成によると、AM網点形式、FM網点形式それぞれの欠点を互いに補わせつつ、両方式の利点を生かした階調表現が実現できる。また、記録装置において互いにサイズの異なる多種類のドットでの画素形成が可能であるという利点を生かして滑らかな階調表願を実現することが可能となる。
記録システムの構成を示す図である。 記録装置の正面概要図である。 記録装置の斜視図である。 網点画像データ作成装置の構成を示すブロック図である。 記録システムの構成およびそこで実行される処理の流れを説明するための図である。 ハーフトーン処理部の構成およびデータの流れを模式的に示すブロック図である。 色補正後元画像データとSPDとを比較して2値画像マトリクスデータを取得する処理について説明するための図である。 ハーフトーン処理部が実行する処理の流れを示す図である。 SPDが生成する網点の面積率と入力値との関係を示す図である。 SPDの構成例を示す図である。 入力値が15の場合の2値画像マトリクスデータおよび多値網点画像データを示す図である。 入力値が64の場合の2値画像マトリクスデータおよび多値網点画像データを示す図である。 入力値が112の場合の2値画像マトリクスデータおよび多値網点画像データを示す図である。 入力値が127の場合の2値画像マトリクスデータおよび多値網点画像データを示す図である。 入力値が137の場合の2値画像マトリクスデータおよび多値網点画像データを示す図である。 入力値が191の場合の2値画像マトリクスデータおよび多値網点画像データを示す図である。 入力値が201の場合の2値画像マトリクスデータおよび多値網点画像データを示す図である。 入力値が255の場合の2値画像マトリクスデータおよび多値網点画像データを示す図である。 入力値が、多値網点画像データにおいてどのドットのどのような網点面積率によって表現されるかを示す図である。 SPDが生成する網点の面積率と入力値との関係を示す図である。 入力値が、多値網点画像データにおいてどのドットのどのような網点面積率によって表現されるかを示す図である。 各階調領域が、記録材料上においてどのように階調表現されるかを模式的に示す図である。 本発明の効果を説明するための図である。 入力値が、多値網点画像データにおいてどのドットのどのような網点面積率によって表現されるかを示す図である。
〈1.記録システム〉
この発明の実施の形態に係る記録システム300について、図1を参照しながら説明する。図1は、記録システム300の構成を示すブロック図である。記録システム300はハーフトーン処理を行う網点画像データ作成装置100と、ハーフトーン画像を記録材料に記録する記録装置200とを備える。
記録システム300においては、まず、網点画像データ作成装置100が、多階調のカラー画像データ(この実施の形態においては、各色が、例えば0〜255までの階調レベルにて表現されたカラーの画像データであり、以下、「元画像データd」という)から多値の網点画像データ(以下「多値網点画像データk」という)を作成する(ハーフトーン化)。そして、記録装置200が、作成された多値網点画像データkに基づいて記録材料に網点画像(ハーフトーン画像)を記録する。
〈1−1.記録装置の構成〉
記録装置200について、図2および図3を参照しながら説明する。図2は、記録装置200の正面概要図であり、図3は、記録装置200の斜視図である。記録装置200は、記録材料Sに画像を記録するインクジェット記録装置であり、記録装置200全体の動作を制御する本体制御部202と、本体制御部202と電気的に接続され、本体制御部202からの信号を受けて記録材料Sに網点画像を記録する処理を実行する記録部201とを備える。
〈1−1−1.記録部〉
記録部201は、記録ヘッドユニット21を備える。また、記録部201は、記録ヘッドユニット21を移送させる記録ヘッド移動機構22と、記録材料Sを搬送する記録材料搬送機構23とを備える。記録部201は、記録材料搬送機構23により長尺の記録材料Sを副走査方向(矢印Aまたは矢印Bで示される方向)に移動させるとともに、記録ヘッドユニットを記録ヘッド移動機構22により副走査方向と直交する主走査方向(矢印Cで示される方向)に移動させることにより、記録材料Sに画像を記録する。
記録ヘッドユニット21は、主走査方向(図3矢印C方向)に列設された複数の記録ヘッド211を備える。各記録ヘッド211は、記録装置200において用いられる複数色のインクのそれぞれに対応し、対応する色のインクを吐出するインクジェットノズルである。この実施の形態に係る記録装置200は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色インクを利用して多色印刷を行うものであるとし、記録ヘッドユニット21は、4個の記録ヘッド211(すなわち、イエローインク用の記録ヘッド211、シアンインク用の記録ヘッド211、ブラックインク用の記録ヘッド211、および、マゼンタインク用の記録ヘッド211)を備える。なお、各記録ヘッド211は、それぞれ、対応する色のインクのインクタンク44と接続されている。
なお、記録ヘッド211は、後述するように、記録材料S上に、互いにサイズの異なるn種類のドットで画素形成(描画)することができる所謂「多値ヘッド」として構成されている。
記録ヘッド移動機構22は、記録ヘッドユニット21を搬送する機構であり、例えば、モータによりタイミングベルトを往復移動させることにより、主走査方向に沿って記録ヘッドユニット21を滑らかに移動させる。
記録材料搬送機構23は、記録材料Sを記録ヘッド211に対して移動させる機構であり、多孔性の無端ベルト51が巻きかけられた一対のローラ53、54を備える。無端ベルト51は上走行部と下走行部とが形成され、上走行部の記録材料Sに接する面は図示しない吸引機構により記録材料Sを吸着保持することができる。また一対のローラ53、54の少なくとも一方には正逆方向に回転可能なモータが連結されており、無端ベルト51の上走行部を矢印A方向(第1方向)および矢印B方向(第2方向)のいずれにも移動させることができる。記録材料Sは、モータ65の駆動により回転する第1ローラ61から巻き出され、テンション調整機構63を介して、多孔性の無端ベルト51の上走行部に吸着保持されながら移動する。そして、この記録材料Sは、テンション調整機構64を介して、モータ66の駆動により回転する第2ローラ62に巻き取られる。この場合には、記録材料Sは矢印A方向(第1方向)に移動する。一方、第1ローラ61および第2ローラ62が逆方向に回転した場合には、記録材料Sは、第2ローラ62から巻き出され、テンション調整機構64を介して、多孔性の無端ベルト51に吸着保持されながら移動する。そして、この記録材料Sは、テンション調整機構63を介して、第1ローラ61に巻き取られる。この場合には、記録材料Sは矢印B方向(第2方向)に移動する。
なお、この記録装置200は、軟質長尺の記録材料Sのかわりに、硬質板状の記録材料に記録を行うことも可能である。この場合には、補助テーブル52が、硬質板状の記録材料を無端ベルト51に吸着保持する際に利用される。補助テーブル52は、その上面高さが無端ベルト51の上走行部と同一平面に位置するように調整されている。また、前述のように一対のローラ53、54の少なくとも一方には正逆方向に回転可能なモータが連結されているので、このモータの駆動力を利用して、無端ベルト51に吸着保持された硬質板状の記録材料Sを副走査方向に移動させることができる。
〈1−1−2.本体制御部〉
本体制御部202は、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等を有し、記録装置200全体の動作を制御する。本体制御部202は、記録ヘッド211のインクジェットヘッドからのインクの吐出を制御する吐出制御部24を複数個(記録ヘッド211と同数個)備える。また、記録ヘッド移動機構22および記録材料搬送機構23を制御する移動制御部25を備える(図5参照)。
複数の吐出制御部24のそれぞれは、記録ヘッドユニット21が備える複数の記録ヘッド211のいずれかと1対1で対応付けられており、対応する記録ヘッド211からのインクの吐出を制御する(図5参照)。吐出制御部24は、記録ヘッド211から記録材料Sに向けて吐出されるインクの吐出量をn段階(ただし、nは2以上の自然数)に変化させることができる。すなわち、記録ヘッド211に、互いにサイズの異なるn種類のドットで画素形成(描画)させることができる。インクの吐出量を多段階に制御する態様はどのようなものであってもよく、各種の公知技術を用いることができる。例えば、記録ヘッド211の駆動波形や電圧を変調することにより、記録ヘッド211から吐出される液滴の大きさを制御してドットのサイズを切り替えるものであってもよい。また、記録ヘッド211からの液滴の吐出回数を制御することにより、ドットのサイズを切り替えるものであってもよい。
このインクジェット記録装置により画像を記録するときには、移動制御部25が記録ヘッド移動機構22を制御して、記録ヘッドユニットを主走査方向に移動させるとともに、各吐出制御部24が対応する記録ヘッド211を制御して、記録ヘッド211から画像信号に応じてインクを吐出させて所定サイズのドットを記録材料S上に記録させる。記録ヘッドユニットが副走査方向(図3矢印AまたはB方向)のストロークの端部まで移動したら、移動制御部25は、記録材料搬送機構23に記録材料Sを移動させる。具体的には、記録材料Sを第1ローラ61から巻き出すとともに、多孔性の無端ベルト51に吸着保持されながら移動させた後、第2ローラ62に巻き取ることによって、この記録材料Sを矢印A方向(第1方向)に、記録ヘッドユニットの1走査に相当する距離だけ移動させる。また、これと並行して、移動制御部25は、記録ヘッドユニットを画像の記録時とは逆方向に移動させ、主走査方向の逆側のストローク端部まで復帰させる。このような動作を繰り返すことにより、記録材料Sには、各記録ヘッド211による画像の記録が実行される。
なお、上記の説明においては、吐出制御部24は、記録ヘッドユニット21がその一端から他端まで一方向に移動するときにのみ各記録ヘッド211に画像の記録を行わせ、記録ヘッドユニット21が逆方向に移動するときには画像の記録は行わせていないが、記録ヘッドユニット21が往復移動するときに画像の記録を行わせてもよい。また、インク量を増加させたり解像度を向上させる目的で、記録材料Sの矢印方向AまたはBへの移動距離を1走査に相当する距離の整数分の1としてもよい。
〈1−2.網点画像データ作成装置〉
網点画像データ作成装置100について図4を参照しながら説明する。図4は網点画像データ作成装置100の構成を示すブロック図である。
網点画像データ作成装置100は、各種演算処理を行うCPU11、基本プログラムを記憶するROM12および各種情報を記憶するRAM13をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、元画像データdを記憶する画像メモリ14、情報記憶を行う固定ディスク15、各種情報の表示を行うディスプレイ16、操作者からの入力を受け付けるキーボード17aおよびマウス17b、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体91からの情報の読み取り、および、記録媒体91への情報の書き込みを行う読取/書込装置18、並びに、本体制御部24と通信を行う通信部19が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。また、バスラインには、ハーフトーン処理に用いられる閾値マトリクスデータ(以下「SPD(Screen Pattern Data)」という)を複数個格納したSPDメモリ20が接続される。
読取/書込装置18を介して記録媒体91から読み出されたプログラム900が固定ディスク15に記憶され、さらにプログラム900がRAM13にコピーされるとともにCPU11がRAM13内のプログラム900に従って演算処理を実行することにより(すなわち、CPU11がプログラム900を実行することにより)、各種の機能が網点画像データ作成装置100にて実現される。具体的には、網点画像データ作成装置100には、図5に示すように、元画像データdに対する色補正を行う色補正部31と、色補正後の元画像データdをハーフトーン化して各色の多値網点画像データkを生成するハーフトーン処理部32とが実現される。ハーフトーン処理部32については後に詳細に説明する。
〈2.処理の流れ〉
記録システム300において実行される処理の流れについて、図5を参照しながら説明する。図5は、記録システム300の構成およびここで実行される処理の流れを説明するための図である。
まず、網点画像データ作成装置100において、画像メモリ41に記憶された元画像データdが読み出され、色補正部31が元画像データdに対して所定の色補正を行う。
色補正後の元画像データdは、色成分毎にハーフトーン処理部32に入力され、ここでハーフトーン処理される。例えば、色補正後の元画像データdのY成分データd(Y)が、ハーフトーン処理部32でハーフトーン処理されることによって、Y成分の多値網点画像データk(Y)が生成される。同様に、色補正後の元画像データdのM成分データd(M)、C成分のデータd(C)、K成分のデータd(K)のそれぞれが、ハーフトーン処理部32でハーフトーン処理されることによって、M成分の多値網点画像データk(M)、C成分の多値網点画像データk(C)、K成分の多値網点画像データk(K)がそれぞれ生成される。
各色成分の多値網点画像データk(Y),k(M),k(C),k(K)は記録装置200に送られる。記録装置200は、得られた多値網点画像データk(Y),k(M),k(C),k(K)を記録材料S上に記録する。すなわち、上述したとおり、移動制御部25が記録ヘッドユニット21および記録材料搬送機構23を所定のタイミングで移動させ、これと同期して、吐出制御部24のそれぞれが、対応する記録ヘッド211に係る色成分の網点画像データに基づいて、記録ヘッド211からのインクの吐出を制御する。
ただし、多値網点画像データk(Y),k(M),k(C),k(K)は、複数の画素マトリクスにより構成されており、各画素のアドレスは記録材料S上の位置に対応している。また、以下に説明するように、各画素は0〜nまでの階調レベルで表現されている。
吐出制御部24は、多値網点画像データの対応するアドレスの画素値に基づいて、記録ヘッド211の記録材料Sに対する相対移動に同期して記録ヘッド211からのインクの吐出を制御する。例えば、記録ヘッド211が、小ドット、中ドット、大ドットの3種類のドットで画素形成可能な場合(すなわち、n=3の場合)、多値網点画像データkは、0〜3までの階調レベルで表現されている。吐出制御部24は、多値網点画像データk中、階調値が「1」のアドレスに対応する記録材料S上の位置には、記録ヘッド211に小ドットを画素形成させる。また、階調値が「2」のアドレスに対応する位置には、記録ヘッド211に中ドットを画素形成させる。また、階調値が「3」のアドレスに対応する位置には、記録ヘッド211に大ドットを画素形成させる。一方、階調値が「0」のアドレスに対応する位置には、画素形成させない。すなわち、記録ヘッド211からインクを吐出させない。
〈3.ハーフトーン処理〉
ハーフトーン処理部32について説明する。なお、以下においては、色補正後元画像データdのY成分d(Y)をハーフトーン処理して、Y成分の多値網点画像データk(Y)を取得する場合の処理を説明するが、ハーフトーン処理部32においては、他の色成分の色補正後元画像データd(M),D(C),D(K)のそれぞれについてもこれと同様の処理が行われることによって、各色成分の多値網点画像データk(M),k(C),k(K)が取得される。
〈3−1.機能構成〉
ハーフトーン処理部32の構成について図6を参照しながら説明する。図6は、ハーフトーン処理部の構成およびデータの流れを模式的に示すブロック図である。
上述した通り、網点画像データ作成装置100には、複数個のSPDが記憶されている。SPDは、周知の通り、多階調の画像データと比較されることによって2値画像マトリクスデータを与えるデータである。この実施の形態に係る網点画像データ作成装置100には、記録装置200が形成可能なn種類のドットのいずれかと対応付けられた互いに異なるn個のSPDが記憶されている。各SPDは、多階調の画像データと比較されることによって、対応するサイズのドットで画素を形成するか否かを示す2値画像マトリクスデータを与える。ハーフトーン処理部32は、色補正後元画像データd(Y)とこれらn個のSPDのそれぞれとを比較して、多値網点画像データk(Y)を取得する機能部であり、比較処理部321と、判定処理部322とを備える。
〈比較処理部〉
比較処理部321は、n個のSPDのそれぞれを読み出し、色補正後元画像データd(Y)とn個のSPDのそれぞれとを比較して、n個の2値画像マトリクスデータを取得する。
この処理について具体的に説明する。以下においては、記録ヘッド211が、小ドット、中ドット、大ドットの3種類のドットで画素形成可能である場合(すなわち、n=3の場合)を例にとって説明を進める。この場合、網点画像データ作成装置100には3個のSPDが格納されている。以下において、3個のSPDのうち、小ドットと対応付けられたSPDを「SPD(1)」と、中ドットと対応付けられたSPDを「SPD(2)」と、大ドットと対応付けられたSPDを「SPD(3)」と、示す。
比較処理部321は、SPD(1)と色補正後元画像データd(Y)とを比較して、小サイズのドットで画素を形成するか否かを示すマトリクスデータ(以下「2値画像マトリクスデータm(Y1)」という)を取得する。同様に、SPD(2)と色補正後元画像データd(Y)とを比較して、中サイズのドットで画素を形成するか否かを示すマトリクスデータ(以下「2値画像マトリクスデータm(Y2)」という)を取得し、SPD(3)と色補正後元画像データd(Y)とを比較して、大サイズのドットで画素を形成するか否かを示すマトリクスデータ(以下「2値画像マトリクスデータm(Y3)」という)を取得する。
各SPD(例えば、SPD(1))と色補正後元画像データd(Y)とを比較する処理について具体的に説明する。図7に示されるように、色補正後元画像データd(Y)およびSPD(1)のそれぞれにおいては、主走査方向に対応する行方向(図7中x方向として示す)、および、副走査方向に対応する列方向(図7中y方向として示す)に複数の画素または複数の要素が配列されている。
比較処理部321は、図7に示すように色補正後元画像データd(Y)を同一の大きさの多数の領域に分割して、網点化の単位となる繰り返し領域diを設定する。一方、SPD(1)は、1つの繰り返し領域diに相当する記憶領域を有し、この記憶領域の各アドレス(座標)に閾値が設定されている。そして、概念的には色補正後元画像データd(Y)の各繰り返し領域diとSPD(1)とを重ね合わせ、繰り返し領域diの各画素の画素値とSPD(1)の対応する閾値とが比較されることにより、2値画像マトリクスデータm(Y1)上の画素値が決定される。すなわち、記録材料S上のその位置に小ドットで画素を形成するか否かが決定される。
実際には、比較処理部321は、アドレス発生器(図示省略)を備え、このアドレス発生器からのアドレス信号に基づいて色補正後元画像データd(Y)の1つの画素の階調値が読み出される。一方、アドレス発生器では色補正後元画像データd(Y)中の当該画素に相当する繰り返し領域di中の位置を示すアドレス信号も生成され、SPD(1)における1つの閾値が特定されて当該閾値が読み出される。そして、比較処理部321は、画像メモリ41から読み出された色補正後元画像データd(Y)の画素値とSPD(1)から読み出された閾値とを比較して、2値画像マトリクスデータにおけるそのアドレスの値を決定する。すなわち、色補正後元画像データd(Y)において、階調値がSPD(1)の対応する閾値よりも大きい位置には、画素を形成する旨の肯定値「1」を付与し、残りの画素には画素を形成しない旨の否定値「0」を付与する。これによって、色補正後元画像データd(Y)の繰り返し領域diがSPD(1)によって網点化される。また、この処理が繰り返し領域diの全てについて行われることによって、色補正後元画像データd(Y)の全体をSPD(1)によって網点化した2値画像マトリクスデータ(以下「2値画像マトリクスデータm(Y1)」という)が生成される。
比較処理部321は、上記と同様の処理によって、色補正後元画像データd(Y)の全体をSPD(2)によって網点化して2値画像マトリクスデータm(Y2)を生成する。また、色補正後元画像データd(Y)の全体をSPD(3)によって網点化して2値画像マトリクスデータm(Y3)」を生成する。
〈判定処理部〉
判定処理部322は、比較処理部321が生成したn個の2値画像マトリクスデータに基づいて、Y成分の多値網点画像データk(Y)を生成する。n個の2値画像マトリクスデータが取得されると、各アドレス(画素形成位置)についてn個の値が得られたことになる。判定処理部322は、得られたn個の値のうちのいずれかを選択し、選択した値を多値網点画像データkにおける当該アドレスの画素値として出力する。全アドレスについてこの選択処理を行うことによって、各アドレスにおいてn種類のドットのいずれによって画素を形成するか否かを示す多値画像マトリクスデータが作成される。判定処理部322は、これを多値網点画像データkとして取得する。
上記の選択処理について具体的に説明する。以下においては、記録ヘッド211が、小ドット、中ドット、大ドットの3種類のドットで画素形成可能である場合(すなわち、n=3の場合)を例にとって説明を進める。この場合、比較処理部321において、小サイズのドットで画素を形成するか否かを示す2値画像マトリクスデータm(Y1)と、中サイズのドットで画素を形成するか否かを示す2値画像マトリクスデータm(Y2)と、大サイズのドットで画素を形成するか否かを示す2値画像マトリクスデータm(Y3)とが取得されている。
上述したとおり、3個の2値画像マトリクスデータm(Y1),m(Y2),m(Y3)から、各アドレスについて3個の値が得られる。すなわち、当該アドレスに小ドットで画素を形成するか否かを示す比較結果が2値画像マトリクスデータm(Y1)から得られる。また、当該アドレスに中ドットで画素を形成するか否かを示す比較結果が2値画像マトリクスデータm(Y2)から得られる。また、当該アドレスに大ドットで画素を形成するか否かを示す比較結果が2値画像マトリクスデータm(Y3)から得られる。比較処理部321は、これら3個の比較結果のうち、サイズの大きなドットに係る2値画像マトリクスデータから得られる比較結果を優先的に選択する。
すなわち、判定処理部322は、あるアドレス(以下「対象アドレス」という)について得られた3個の比較結果のうち、まず、最も大きなサイズのドットである大ドットに係る2値画像マトリクスデータm(Y3)から得られた比較結果を参照する。この値が「1」(すなわち、当該アドレスに大ドットで画素を形成する旨の肯定値)である場合、判定処理部322は、対象アドレスに「3」(大ドットで画素を形成する旨の肯定値)を出力する。
一方、2値画像マトリクスデータm(Y3)から得られた比較結果が「0」(すなわち、当該アドレスに大ドットで画素を形成しない旨の否定値)である場合、判定処理部322は、続いて、次に大きなサイズのドットである中ドットに係る2値画像マトリクスデータm(Y2)から得られた比較結果を参照する。この値が「1」(すなわち、当該アドレスに中ドットで画素を形成する旨の肯定値)である場合、判定処理部322は、対象アドレスに「2」(中ドットで画素を形成する旨の肯定値)を出力する。
一方、2値画像マトリクスデータm(Y2)から得られた比較結果が「0」(すなわち、当該アドレスに中ドットで画素を形成しない旨の否定値)である場合、判定処理部322は、続いて、次に大きなサイズのドットである小ドットに係る2値画像マトリクスデータm(Y1)から得られた比較結果を参照する。この値が「1」(すなわち、当該アドレスに小ドットで画素を形成する旨の肯定値)である場合、判定処理部322は、対象アドレスに「1」(小ドットで画素を形成する旨の肯定値)を出力する。
2値画像マトリクスデータm(Y1)は、最も小さなサイズのドットに係る2値網点画像データである。したがって、ここから得られた比較結果が「0」(すなわち、当該アドレスに小ドットで画素を形成しない旨の否定値)である場合、全てのサイズのドットに係る2値画像マトリクスデータにおいて当該アドレスに画素を形成しない旨の否定値が与えられていることになる。この場合、判定処理部322は、対象アドレスに「0」(画素を形成しない旨の否定値)を出力する。
〈3−2.処理の流れ〉
ハーフトーン処理部32が実行する処理の流れについて、図8を参照しながら説明する。図8は、ハーフトーン処理部32が実行する処理の流れを示す図である。
色補正後元画像データd(Y)がハーフトーン処理部32に入力されると、まず、比較処理部321が、SPDメモリ20からn個のSPDを読み出し、色補正後元画像データd(Y)とn個のSPDのそれぞれとを比較して、n個の2値画像マトリクスデータを取得する(ステップS1)。
n個の2値画像マトリクスデータが取得されると、続いて、判定処理部322が、取得されたn個の2値画像マトリクスデータに基づいて、Y成分の多値網点画像データk(Y)を生成する(ステップS2)。
なお、ハーフトーン処理部32においては、上述した一連の処理が他の色成分の色補正後元画像データd(M),D(C),D(K)のそれぞれについても処理が行われ、各色成分の多値網点画像データk(M),k(C),k(K)が生成される。
〈4.SPD〉
網点画像データ作成装置100が保持するn個のSPDについて、より具体的に説明する。上述した通り、n個のSPDのそれぞれは、記録ヘッド211で形成可能なn種類のドットのいずれかと対応づけられている。
ここで、n個のSPDのうち、少なくとも1つのSPDは、AM網点を形成するSPD(AM網点用SPD)であり、少なくとも1つのSPDは、FM網点を形成するSPD(FM網点用SPD)である。特に、n種類のドットのうち、最も小さいサイズのドットと対応付けられたSPDをAM網点用SPDとすることが望ましい。また、最も小さいサイズのドットと対応付けられたSPD以外のSPDの少なくとも1つをFM網点用SPDとすることが好ましい。
また、n個のSPDのそれぞれは、色補正後元画像データd(Y)の全階調領域に規定されるn個の部分領域のいずれかと対応付けられており、その閾値として対応する部分領域内の複数個の階調値を含んでいる。なお、n個の部分領域は互いに重複する領域(オーバーラップ領域)を形成してもよい。
このような特徴を有するn個のSPD、および、これらを用いて生成される多値網点画像データkについて、具体例を提示しながら説明する。
〈4−1.具体例1〉
具体例1について、図9〜図19を参照しながら説明する。図9は、SPD(1)、SPD(2)、SPD(3)のそれぞれが生成する網点の面積率と入力値Iとの関係を示す図である。図10は、SPD(1)、SPD(2)、SPD(3)それぞれの構成例を示す図である。図11〜図18は、入力値がI=15、I=64、I=112、I=127(第1階調値)、I=137、I=191(第2階調値)、I=201、I=255(最大階調値)の各場合の2値画像マトリクスデータm(Y1),m(Y2),m(Y3)、および、多値網点画像データk(Y)を示す図である。図19は、入力値Iが、多値網点画像データk(Y)においてどのドットのどのような網点面積率によって表現されるかを示す図である。なお、ここでは、記録ヘッド211が、小ドット、中ドット、大ドットの3種類のドットで画素形成可能である(すなわち、n=3)とする。
〈4−1−1.SPDの構成〉
〈小ドットと対応付けられたSPD〉
小ドットと対応付けられたSPD(1)について、図9(a)および図10(a)を参照しながら具体的に説明する。図9(a)は、SPD(1)が生成する網点の面積率と入力される階調値(入力値)Iとの関係を示す図である。図10(a)は、SPD(1)の構成例を示す図である。
SPD(1)は、AM網点用SPDである。また、SPD(1)は、色補正後元画像データd(Y)の全階調領域(0〜255)のうち、階調値が0から「第1階調値Ia」までの部分領域(以下「第1階調領域Ja」という)と対応付けられている。なお、第1階調値Iaの具体的な値は任意に決定できる。図の例では、第1階調領域Jaが全階調領域の50%である場合(すなわち、「Ia=127」である場合)が示されている。したがって、図10(a)に示されるSPD(1)においては、その閾値として「0〜127」の範囲内の複数個の階調値が含まれている。
SPD(1)は、入力値Iに対する網点面積率が、図9(a)に示されるような態様で変化するAM網点を生成する。ここで生成されるAM網点は、入力値が0から増加するにしたがって徐々にそのサイズが大きくなっていき、第1階調値Iaにおいて網点面積率が100%となる。すなわち、入力値が第1階調値Ia以上である場合、SPD(1)は全アドレスについて画素を形成する旨の肯定値「1」を出力する(図14(a)〜図18(a)参照)。
〈中ドットと対応付けられたSPD〉
中ドットと対応付けられたSPD(2)について、図9(b)および図10(b)を参照しながら具体的に説明する。図9(b)は、SPD(2)が生成する網点の面積率と入力される階調値(入力値)Iとの関係を示す図である。図10(b)は、SPD(2)の構成例を示す図である。
SPD(2)は、FM網点用SPDである。また、SPD(2)は、色補正後元画像データd(Y)の全階調領域のうち、階調値が「第1階調値Ia」から「第2階調値Ib」までの部分領域(以下「第2階調領域Jb」という)と対応付けられている。なお、第2階調値Ibの具体的な値は任意に決定できる。図の例では、第2階調領域Jbが全階調領域の25%である場合(すなわち、「Ib=191」である場合)が示されている。したがって、図10(b)に示されるSPD(2)においては、その閾値として「127〜191」の範囲内の複数個の階調値が含まれている。
SPD(2)は、入力値Iに対する網点面積率が、図9(b)に示されるような態様で変化するFM網点を生成する。ここで生成されるFM網点は、入力値が第1階調値Iaから増加するにしたがって徐々にその密度(個数)が増加していき、第2階調値Ibにおいて網点面積率が100%となる。すなわち、入力値が第1階調値Ia以下である場合、SPD(2)は全アドレスについて画素を形成しない旨の否定値「0」を出力する(図11(b)〜図14(b)参照)。また、入力値が第2階調値Ib以上である場合、SPD(2)は全アドレスについて画素を形成する旨の肯定値「1」を出力する(図16(b)〜図18(b)参照)。
〈大ドットと対応付けられたSPD〉
大ドットと対応付けられたSPD(3)について、図9(c)および図10(c)を参照しながら具体的に説明する。図9(c)は、SPD(3)が生成する網点の面積率と入力される階調値(入力値)Iとの関係を示す図である。図10(c)は、SPD(3)の構成例を示す図である。
SPD(3)は、FM網点用SPDである。また、SPD(3)は、色補正後元画像データd(Y)の全階調領域のうち、階調値が「第2階調値Ib」から最大階調値までの部分領域(以下「第3階調領域Jc」という)と対応付けられている。なお、図の例では、第3階調領域Jcが全階調領域の25%である場合(すなわち、「Ib=191」である場合)が示されている。したがって、図10(c)に示されるSPD(3)においては、その閾値として「191〜255」の範囲内の複数個の階調値が含まれている。
SPD(3)は、入力値Iに対する網点面積率が、図9(c)に示されるような態様で変化するFM網点を生成する。ここで生成されるFM網点は、入力値が第2階調値Ibから増加するにしたがって徐々にその密度(個数)が増加していき、最大階調値において網点面積率が100%となる。すなわち、入力値が第2階調値Ib以下である場合、SPD(3)は全アドレスについて画素を形成しない旨の否定値「0」を出力する(図11(b)〜14(b)、図15(c)、図16(c)参照)。
〈4−1−2.階調表現〉
次に、上述した3個のSPD(1),SPD(2),SPD(3)を用いてそれぞれ生成された3個の2値画像マトリクスデータm(Y1),m(Y2),m(Y3)に基づいて生成される多値網点画像データk(Y)における階調表現について、図19を参照しながら説明する。
図19に示されるように、第1階調領域Jaは、小ドットの集合により構成されるAM網点のサイズ変調により表現される(図11(c)〜図13(c)参照)。
第1階調値Iaに相当する階調は、小ドットのべた塗りにより表現される(図14(c)参照)。
第2階調領域Jbになると、中ドットが出現する。上述したとおり、ハーフトーン処理においては、サイズの大きなドットに係る2値画像マトリクスデータから得られる比較結果を優先的に考慮しながら多値網点画像データk(Y)の階調値が決定される。すなわち、大ドットに係る2値画像マトリクスデータm(Y3)が否定値「0」を付与しているアドレスであって、小ドットに係る2値画像マトリクスデータm(Y1)と、中ドットに係る2値画像マトリクスデータm(Y2)とがいずれも肯定値「1」を付与しているアドレスには、多値網点画像データk(Y)において中ドットで画素を形成する旨の肯定値「2」が出力される(図15(d)参照)。つまり、第2階調領域Jbにおいては、小ドットの一部が徐々に中ドットに置き換えられていくことにより階調表現がなされる。ただし、中ドットの出現位置および出現個数は、FM網点の密度変調により表現される。なお、第2階調領域Jbにおいては、小ドットの一部が中ドットに少しずつ置き換えられていくので、高濃度になるにしたがって、全ドット中に占める小ドットの割合が減少し、対して中ドットの割合が増加していくことになる。この階調表現の様子は、あたかも、小ドットのべた塗り画面上に、中ドットで表現されたFM網点が重ねられるように見える(すなわち、小ドットと中ドットが重なった位置には中ドットしか見えない)。
第2階調値Ibに相当する階調は、中ドットのべた塗りにより表現される(図16(d)参照)。
第3階調領域Jcになると、大ドットが出現する。大ドットに係る2値画像マトリクスデータm(Y3)が肯定値「1」を付与しているアドレスには、他の2値画像マトリクスデータm(Y1),m(Y2)の比較結果に関係なく、多値網点画像データk(Y)において大ドットで画素を形成する旨の肯定値「3」が出力される(図17(d)参照)。つまり、第3階調領域Jcにおいては、中ドットの一部が徐々に大ドットに置き換えられていくことにより階調表現がなされる。ただし、大ドットの出現位置および出現個数は、FM網点の密度変調により表現される。なお、第3階調領域Jcにおいては、中ドットの一部が大ドットに少しずつ置き換えられていくので、高濃度になるにしたがって、全ドット中に占める中ドットの割合が減少し、対して大ドットの割合が増加していくことになる。この階調表現の様子は、あたかも、中ドットのべた塗り画面上に、大ドットで表現されたFM網点が重ねられるように見える(すなわち、中ドットと大ドットが重なった位置には大ドットしか見えない)。
最大入力値に相当する階調は、大ドットのべた塗りにより表現される(図18(d)参照)。
〈4−2.具体例2〉
具体例2について、図20〜図22を参照しながら説明する。図20は、SPD(10)、SPD(20)のそれぞれが生成する網点の面積率と入力値Iとの関係を示す図である。図21は、2値画像マトリクスデータm(Y10)、2値画像マトリクスデータm(Y20)および多値網点画像データk(Y)を示す図である。図22は、各階調領域が、記録材料上においてどのように階調表現されるかを模式的に示す図である。なお、ここでは、記録ヘッド211が、小ドット、大ドットの2種類のドットで画素形成可能である(すなわち、n=2)とする。
〈4−2−1.SPDの構成〉
〈小ドットと対応付けられたSPD〉
小ドットと対応付けられたSPD(以下「SPD(10)」という)について、図20(a)を参照しながら具体的に説明する。図20(a)は、SPD(10)が生成する網点の面積率と入力される階調値(入力値)Iとの関係を示す図である。
SPD(10)は、AM網点用SPDである。また、SPD(10)は、色補正後元画像データd(Y)の全階調領域(0〜255)のうち、階調値が0から「中間階調値Id」までの部分領域(以下「低濃度階調領域Jd」という)と対応付けられている。すなわち、SPD(10)においては、その閾値として「0〜中間階調値Id」の範囲内の複数個の階調値が含まれている。なお、中間階調値Idの具体的な値は任意に決定できる。
SPD(10)は、入力値Iに対する網点面積率が、図20(a)に示されるような態様で変化するAM網点を生成する。ここで生成されるAM網点は、入力値が0から増加するにしたがって徐々にそのサイズが大きくなっていき、中間階調値Idにおいて網点面積率が100%となる。すなわち、入力値が中間階調値Id以上である場合、SPD(10)は全アドレスについて画素を形成する旨の肯定値「1」を出力する。
〈大ドットと対応付けられたSPD〉
中ドットと対応付けられたSPD(以下「SPD(20)」という)について、図20(b)を参照しながら具体的に説明する。図20(b)は、SPD(20)が生成する網点の面積率と入力される階調値(入力値)Iとの関係を示す図である。
SPD(20)は、FM網点用SPDである。また、SPD(20)は、色補正後元画像データd(Y)の全階調領域のうち、階調値が「中間階調値Id」から最大階調値までの部分領域(以下「高濃度階調領域Je」という)と対応付けられている。すなわち、SPD(20)においては、その閾値として「中間階調値Id〜255」の範囲内の複数個の階調値が含まれている。
SPD(20)は、入力値Iに対する網点面積率が、図20(b)に示されるような態様で変化するFM網点を生成する。ここで生成されるFM網点は、入力値が中間階調値Idから増加するにしたがって徐々にその密度(個数)が増加していき、最大階調値において網点面積率が100%となる。すなわち、入力値が中間階調値Id以下である場合、SPD(20)は全アドレスについて画素を形成しない旨の否定値「0」を出力する。
〈4−2−2.階調表現〉
次に、上述した2個のSPD(10),SPD(20)を用いてそれぞれ生成された2個の2値画像マトリクスデータに基づいて生成される多値網点画像データk(Y)における階調表現について、図21および図22を参照しながら説明する。
図21、図22に示されるように、低濃度階調領域Jdは、小ドットの集合により構成されるAM網点のサイズ変調により表現される。
中間階調値Idに相当する階調は、小ドットのべた塗りにより表現される。
高濃度階調領域Jeになると、大ドットが出現する。上述したとおり、ハーフトーン処理においては、サイズの大きなドットに係る2値画像マトリクスデータから得られる比較結果を優先的に考慮しながら多値網点画像データk(Y)の階調値が決定される。すなわち、小ドットに係る2値画像マトリクスデータと、大ドットに係る2値画像マトリクスデータとがいずれも肯定値「1」を付与しているアドレスには、多値網点画像データk(Y)において大ドットで画素を形成する旨の肯定値「2」が出力される。つまり、高濃度階調領域Jeにおいては、小ドットの一部が徐々に大ドットに置き換えられていくことにより階調表現がなされる。ただし、大ドットの出現位置および出現個数は、FM網点の密度変調により表現される。なお、高濃度階調領域Jeにおいては、小ドットの一部が大ドットに少しずつ置き換えられていくので、高濃度になるにしたがって、全ドット中に占める小ドットの割合が減少し、対して大ドットの割合が増加していくことになる。この階調表現の様子は、あたかも、小ドットのべた塗り画面上に、大ドットで表現されたFM網点が重ねられるように見える(すなわち、小ドットと大ドットが重なった位置には大ドットしか見えない)。
最大入力値に相当する階調は、大ドットのべた塗りにより表現される。
〈5.効果〉
上記の実施の形態においては、それぞれがn種類のドットのいずれかと対応づけられた互いに異なるn個のSPDと、元画像データdとを比較して多値網点画像データkを取得するので、多様な階調表現を実現することが可能となる。
特に、上記の具体例1,2のように、比較的低濃度の階調領域においては、小さいサイズのドットで画素形成されるAM網点のサイズ変調による階調表現を行い、比較的高濃度の階調領域においては、大きいサイズのドットで画素形成されるFM網点の密度変調による階調表現を行う構成とすると、AM網点形式、FM網点形式それぞれの欠点を互いに補わせつつ、両方式の利点を生かした階調表現が実現できる(第1の効果)。また、記録装置において互いにサイズの異なる多種類のドットでの画素形成が可能であるという利点を生かして滑らかな(自然な)階調表願を実現することが可能となる(第2の効果)。
第1の効果について説明する。例えば、AM網点を用いた階調表現、特に、網線数が20線等の粗い網点形状では、サイン業界でよく用いられる遠距離観察において画像にメリハリ感を持たせることができる。また、ヘッド具合に起因するバンディングムラが目立ちにくいという利点もある。特に、生産性を重視したインタレースのパス数が低い場合などは、AM網点形式が有効となってくる。上記の実施の形態においては、低濃度の階調領域については、AM網点形式で階調表現するので、これらの利点が得られる。
通常、網線数が粗くなるとドットゲインが減少し、使用インク量が多くなる傾向がある。遠距離観察でのメリハリ感効果を高めるために網線数を粗くするAM網点は、FM網点に比べ使用インク量が多くなる欠点がある。また、粗線のAM網点では網点形状が100%近くにならないと、インク本来のベタ濃度を表現できず、ロゴ表現には不向きである。具体的にはインク量が増大するとともに網形状によるロゴのがたつきが生じる。上記の実施の形態においては、比較的高濃度側の階調領域(具体例1の第2階調領域Jb、第3階調領域Jc、具体例1の高濃度階調領域Je)については、FM網点形式で階調表現するので、高濃度の階調を少ないインク量で表現することが可能となる。
また、例えば、上記の具体例2において、高濃度階調領域Je(小ドットの網点面積率が100%で表現される階調値よりも高濃度側の階調領域)を、大ドットを用いたAM網点のサイズ変調によって階調表現した場合、大ドットにより形成されるAM網点がうっすらと網目状に目についてしまい、人間の目にはまだらなベタ表現と感じられてしまう。上記の具体例1,2のように、高濃度側の階調領域は比較的大きなドットを用いたFM網点の密度変調で階調表現される構成とすれば、このような事態が回避できる。
第2の効果について、図23を参照しながら説明する。図23(a)は、小・中・大の各サイズのドットで構成したAM網点によって階調表現した場合の濃度変化の様子を示す図である。また、図23(b)は、小・中・大の各サイズのドットで構成したFM網点によって階調表現した場合の濃度変化の様子を示す図である。また、図23(c)は、低濃度の階調領域(入力値が0%〜70%の階調領域)は、小サイズのドットを用いたAM網点のサイズ変調によって階調表現し、高濃度の階調領域(入力値が70%以上の階調領域)は、中・大サイズの各ドットを用いたFM網点の密度変調によって階調表現した場合の濃度変化の様子を示す図である。
図23(a)に示されるように、AM網点は、網点を構成するドットのサイズを変えても濃度の差がでにくいという特徴がある。ここから、AM網点では異なるサイズのドット間で階調表現の差が出にくいことがわかる。この事情は特に低〜中間濃度領域において顕著に見られる。このように、AM網点形式ではドットサイズが可変であることを階調表現の向上に効果的に結びつけることが難しい。
一方、FM網点形式では、ドットサイズが可変であることを階調表現の向上に効果的に結びつけることができる。すなわち、図23(b)に示されるように、FM網点は、網点を構成するドットのサイズを変えれば濃度の差が大きくでるという特徴がある。
上記の実施の形態においては、比較的低濃度側の階調領域(具体例1の第1階調領域Ja、具体例1の低濃度階調領域Jd)においては、最も小さいサイズのドットを用いてAM網点のサイズ変調による階調表現を行い、比較的高濃度側の階調領域(具体例1の第2階調領域Jb、第3階調領域Jc、具体例1の高濃度階調領域Je)においては、それ以外のサイズのドットを用いてFM網点の密度変調による階調表現を行う。これによって、図23(c)に示されるように、自然な階調表願が実現される。特に、低〜中間濃度領域において自然な階調表願が実現されていることがわかる。
〈6.変形例〉
〈6−1.第1の変形例〉
上記の具体例1,2では、n個のSPDのそれぞれは、互いに重複しない部分領域と対応付けられていたが、上述したとおり、n個のSPDのそれぞれが対応付けられる部分領域は互いに重複する領域を形成してもよい。
例えば、上記の具体例1に係るSPD(2),SPD(3)の各アドレスに含まれる閾値の範囲の下限を所定値(例えば20)だけ減じることによって得られるSPD’(2),SPD’(3)を、それぞれ中ドットのSPD、大ドットのSPDとして用いる。SPD(1)については、具体例1と同じのものを用いる。
この場合、図24に示されるように、小ドットのSPD(1)が対応付けられる第1階調領域Jaと、中ドットのSPD(2)’が対応付けられる第2階調領域Jb’との間には重複領域Jabが形成される。また、中ドットのSPD(2)’が対応付けられる第2階調領域Jb’と、大ドットのSPD(3)’が対応付けられる第3階調領域Jc’との間にも重複領域Jbcが形成される。
この場合、小ドットによるAM網点が最大サイズとなる前の段階から、中ドットによるFM網点の密度変調による階調表現が開始されることになる(重複領域Jab)。すなわち、重複領域Jabでは、小ドットのAM網点形式による階調表現と、中ドットでのFM網点形式による階調表現との両方によって階調表現がなされることになる。
また、中ドットにより形成されるFM網点が最大密度となる前の段階から、大ドットを用いたFM網点の密度変調による階調表現が開始されることになる(重複領域Jbc)。すなわち、重複領域Jbcでは、中ドットのFM網点形式による階調表現と、大ドットでのFM網点形式による階調表現との両方によって階調表現がなされることになる。
このように重複領域を設ける構成によると、ドットの切り替わりにおけるトーンジャンプを緩和することができる。
〈6−2.その他の変形例〉
上記の実施の形態においては、n個のSPDには、AM網点用SPDとFM網点用SPDとがそれぞれ1以上含まれるものとしたが、AM網点用SPDもしくはFM網点用SPDに代えて、もしくはこれらに加えて、別の網点形式のSPDが含まれてもよい。つまり、n個のSPDに、互いに異なる網点形式のSPDが含まれていればよい。例えば、FM網点用SPDに代えて誤差拡散法によるSPDが含まれてもよい。また、ハイブリッドFM網点形式によるSPDが含まれてもよい。また、互いに異なる網点形状(スクエアドット、チェーンドット、エリプティカルドット、ラウンドドット、キャラクタードット(動物などのキャラクター形状を模した網点形状)等)のAM網点形式によるSPDが含まれてもよい。また、3種類以上の網点形式のSPDが含まれてもよい。
また、上記の実施の形態では、小ドットと対応付けられたSPDがAM用SPDであり、中ドット、大ドットと対応付けられたSPDがFM用SPDであったが、各ドットに対応付けられるSPDの網点形式はこれに限らない。例えば、上記の具体例1において、中ドットと対応付けられたSPDが、AM用SPDであってもよい。ただし、上述したとおり、AM網点形式は低濃度の表現に適しているので、主として低濃度の表現に用いられるドット(通常は最も小さなドット)と対応付けられるSPDは、AM用SPDであることが好ましい。また、FM網点形式は高濃度の表現に適しているので、主として高濃度の表現に用いられるドット(通常は最も大きなドット)と対応付けられたSPDは、FM用SPDであることが好ましい。
また、上記の実施の形態においては、網点画像データ作成装置100に記憶されるn個のSPDのそれぞれは、対応する階調領域の範囲の閾値を含むものとしたが、各SPDの閾値配分は同じにしておき、入力値Iを先に各階調領域毎に分離してから各SPDに入力する構成としてもよい。また、各SPDの閾値配分は同じにしておき、色補正後元画像データと比較を行う際に、LUT等を用いて各SPDを変換(閾値配分)する構成としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、ヘッド21から吐出されるインクは、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのインクのうちのいずれか一色であるとしたが、ライトシアン等の他の色成分のインクも吐出可能としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、網点画像データ作成装置100と記録装置200とにより記録システム300が構成されるものとしたが、網点画像データ作成装置100と記録装置200は一体に構成されてもよい。すなわち、記録装置200に網点画像データ作成装置100の機能を組み込む構成としてもよい。
〈7.付記〉
課題を解決するための別の手段は次の通りである。
第1の態様は、被記録媒体上に互いにサイズの異なる複数種類のドットで画像を形成する記録装置において、第1サイズの複数のドットを第1網点形式によって被記録媒体上に記録する第1記録手段と、前記第1サイズとは異なるサイズの複数のドットを前記第1網点形式とは異なる第2網点形式によって被記録媒体上に記録する第2記録手段と、を備える。
第2の態様は、第1の態様に係る記録装置であって、前記第1網点形式がAM網点形式であり、前記第2網点形式がFM網点形式である。
第3の態様は、第1または第2の態様に係る記録装置であって、形成すべき画像の階調領域に応じて、前記第1記録手段および/または前記第2記録手段によって被記録媒体に対する画像形成を実行する。
第4の態様は、第3の態様に係る記録装置であって、形成すべき画像の階調領域が所定の濃度領域のときに、前記第1記録手段によって被記録媒体に対する画像形成を実行し、形成すべき画像の階調領域が前記所定の濃度領域よりも高濃度側の濃度領域のときに、前記第2記録手段によって被記録媒体に対する画像形成を実行する。
第5の態様は、第1から第4のいずれかの態様に係る記録装置であって、前記記録装置がインクジェットプリンタであって、前記インクジェットプリンタが、インクジェットノズルと、前記インクジェットノズルに対して被記録媒体を移動させる移動手段と、を備え、前記インクジェットノズルから吐出される液滴の大きさを制御して前記ドットのサイズを切り替える。
第6の態様は、第1から第4のいずれかの態様に係る記録装置であって、前記記録装置がインクジェットプリンタであって、前記インクジェットプリンタが、インクジェットノズルと、前記インクジェットノズルに対して被記録媒体を移動させる移動手段と、を備え、前記インクジェットノズルからの液滴の吐出回数を制御して前記ドットのサイズを切り替える。
上記の第1〜第6の態様に係る記録装置においては、互いに異なるサイズのドットを、互いに異なる網点形式によって被記録媒体上に記録することができるので、多様な階調表現を実現することが可能となる。
32 ハーフトーン処理部
100 網点画像データ作成装置
200 記録装置
300 記録システム
321 比較処理部
322 判定処理部

Claims (10)

  1. 互いにサイズの異なるn種類(nは2以上の自然数)のドットでの画素形成が可能な記録装置において画像形成される多値の画像データを作成する画像データ作成装置であって、
    それぞれが前記n種類のドットのいずれかと対応づけられた互いに異なるn個の閾値マトリクスデータを記憶する記憶手段と、
    元画像データと前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれとを比較して前記多値の画像データを取得する多値画像データ取得手段と、
    を備え
    前記n個の閾値マトリクスデータのうちの少なくとも1つの閾値マトリクスデータが、AM網点を形成するためのAM用閾値マトリクスデータであり、
    前記n個の閾値マトリクスデータのうちの少なくとも1つの閾値マトリクスデータが、FM網点を形成するためのFM用閾値マトリクスデータであり、
    前記AM用閾値マトリクスデータが前記n種類のドットのうち、第1サイズのドットと対応付けられ、
    前記FM用閾値マトリクスデータが前記n種類のドットのうち、第1サイズよりも大きな第2サイズのドットと対応付けられていることを特徴とする画像データ作成装置。
  2. 請求項1に記載の画像データ作成装置であって、
    前記多値画像データ取得手段が、
    元画像データと前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれとを比較して、n個の2値画像マトリクスデータを取得する比較手段と、
    前記n個の2値画像マトリクスデータ内の互いに対応するn個の各値のうちのいずれを選択するかを判定し、各画素形成位置において前記n種類のドットのいずれによって画素を形成するか否かを示す多値画像マトリクスデータを作成して、前記多値の画像データとして取得する判定手段と、
    を備えることを特徴とする画像データ作成装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像データ作成装置であって、
    前記元画像データを所定の階調領域毎に分割したn個の階調領域と、前記n個の閾値マトリクスデータとがそれぞれ対応付けられるとともに、前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれが、当該閾値マトリクスデータと対応付けられた階調領域内の複数の階調値を含むことを特徴とする画像データ作成装置。
  4. 請求項3に記載の画像データ作成装置であって、
    第1サイズのドットと対応付けられたAM用閾値マトリクスデータと対応づけられた階調領域が、前記第1サイズよりも大きな第2サイズのドットと対応付けられたFM用閾値マトリクスデータと対応づけられた階調領域よりも低濃度側にあることを特徴とする画像データ作成装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の画像データ作成装置であって、
    前記記録装置が、
    インクの微小液滴を被記録媒体に向けて吐出するヘッドであって、その吐出量を多段階に変化させることによって、前記n種類のドットで画素形成できるヘッドを備えるインクジェットプリンタであることを特徴とする画像データ作成装置。
  6. 互いにサイズの異なるn種類(nは2以上の自然数)のドットでの画素形成が可能な記録装置において画像形成される多値の画像データを作成する画像データ作成方法であって、
    それぞれが前記n種類のドットのいずれかと対応づけられた互いに異なるn個の閾値マトリクスデータを取得する閾値マトリクスデータ取得工程と、
    元画像データと前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれとを比較して前記多値の画像データを取得する多値画像データ取得工程と、
    を備え、
    前記n個の閾値マトリクスデータのうちの少なくとも1つの閾値マトリクスデータが、AM網点を形成するためのAM用閾値マトリクスデータであり、
    前記n個の閾値マトリクスデータのうちの少なくとも1つの閾値マトリクスデータが、FM網点を形成するためのFM用閾値マトリクスデータであり、
    前記AM用閾値マトリクスデータが前記n種類のドットのうち、第1サイズのドットと対応付けられ、
    前記FM用閾値マトリクスデータが前記n種類のドットのうち、第1サイズよりも大きな第2サイズのドットと対応付けられていることを特徴とする画像データ作成方法。
  7. 請求項6に記載の画像データ作成方法であって、
    前記多値画像データ取得工程が、
    元画像データと前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれとを比較して、n個の2値画像マトリクスデータを取得する比較工程と、
    前記n個の2値画像マトリクスデータ内の互いに対応するn個の各値のうちのいずれを選択するかを判定し、各画素形成位置において前記n種類のドットのいずれによって画素を形成するか否かを示す多値画像マトリクスデータを作成して、前記多値の画像データとして取得する判定工程と、
    を備えることを特徴とする画像データ作成方法。
  8. 請求項6または7に記載の画像データ作成方法であって、
    前記元画像データを所定の階調領域毎に分割したn個の階調領域と、前記n個の閾値マトリクスデータとがそれぞれ対応付けられるとともに、前記n個の閾値マトリクスデータのそれぞれが、当該閾値マトリクスデータと対応付けられた階調領域内の複数の階調値を含むことを特徴とする画像データ作成方法。
  9. 請求項8に記載の画像データ作成方法であって、
    第1サイズのドットと対応付けられたAM用閾値マトリクスデータと対応づけられた階調領域が、前記第1サイズよりも大きな第2サイズのドットと対応付けられたFM用閾値マトリクスデータと対応づけられた階調領域よりも低濃度側にあることを特徴とする画像データ作成方法。
  10. 請求項6から9のいずれかに記載の画像データ作成方法であって、
    前記記録装置が、
    インクの微小液滴を被記録媒体に向けて吐出するヘッドであって、その吐出量を多段階に変化させることによって、前記n種類のドットで画素形成できるヘッドを備えるインクジェットプリンタであることを特徴とする画像データ作成方法。
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