JP2009000997A - 画像データ生成方法、印刷方法、画像データ生成装置および印刷装置 - Google Patents

画像データ生成方法、印刷方法、画像データ生成装置および印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷画像において吐出口間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制する。
【解決手段】印刷装置のヘッドは、複数の吐出口を走査方向に垂直な幅方向に配列して有する吐出口列を備える。本体制御部には閾値マトリクス81が記憶され、閾値マトリクス81において、幅方向に対応する行方向に並ぶ複数の要素811である各要素行810には、インクの吐出の休止を示す休止要素812が一定の周期にて配置される。そして、閾値マトリクス81と多階調の元画像とを比較することにより、印刷が行われている間、幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする網点画像データが生成される。これにより、印刷画像において吐出口間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制することができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、インクジェット方式の印刷装置にて用いられる画像データを生成する技術、および、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドを用いて印刷を行う技術に関する。
複数の吐出口(ノズル)が配列されたヘッドが設けられ、印刷用紙に対してヘッドを相対的に走査しつつ各吐出口からのインクの微小液滴の吐出のON/OFFを制御することにより印刷を行うインクジェット方式の印刷装置が従来より用いられている。また、近年では、このような印刷装置において、高精細な画像を印刷するために、吐出される液滴の更なる微小化や、吐出口の配列の高密度化が図られている。
ところで、ヘッドにおいて、所定数以上の連続する吐出口にてインクの吐出動作が時間的にも連続して行われる場合に、印刷画像においてムラが発生することが確認されており、このようなムラは、インクの吐出の際に隣接する吐出口間で互いに影響を与え合うこと(いわゆる、クロストーク)が原因であることが知られている。印刷画像において、吐出口間のクロストークによるムラの発生は、吐出口の配列の高密度化が進められるに従って(すなわち、吐出口の配列ピッチが小さくなるに従って)より顕著となる。
そこで、特許文献1では、ノズル列に含まれるノズルを複数のグループに分け、グループ毎に異なる駆動電圧を設定することにより、吐出口間のクロストークに依存するインクの吐出速度のばらつきを抑制する手法が開示されている。また、特許文献2では、液滴速度と駆動電圧波形のパルス幅との関係において、速度変動率が小さくなるパルス幅を実際に用いる駆動電圧波形のパルス幅として用いることにより、吐出口間のクロストークによる液滴速度の変動を抑制する手法が開示されている。なお、特許文献2では、クロストークの発生原因として、ノズルを駆動した際の構成部材の振動や、駆動したノズルのインク圧力室で生じた圧力変動、あるいは、駆動ノズル数に依存した駆動電圧の変動等が挙げられている。
特開2002−120366号公報 特開2006−27036号公報
ところが、上記特許文献1の手法では複数種類の駆動波形をそれぞれ生成する複数の波形生成回路や、複数種類の駆動波形のうちの1つの駆動波形をノズル毎に選択する回路等が必要となり、装置の構成が複雑化かつ大型化し、装置の製造コストも増大してしまう。また、特許文献2の手法では、液滴速度と駆動電圧波形のパルス幅との関係を取得する煩雑な作業が必要となってしまう。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、印刷画像において、吐出口間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、インクジェット方式の印刷装置にて用いられる画像データを生成する画像データ生成方法であって、前記印刷装置が、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドと、所定の走査方向へと前記印刷媒体を前記ヘッドに対して相対的に移動する走査機構とを備え、前記ヘッドにおいて、それぞれが複数の吐出口を前記走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されており、前記画像データ生成方法が、a)印刷時における前記複数の吐出口からのインクの吐出のON/OFFを示す網点画像を生成する際に多階調の元画像と比較される配列であって、前記幅方向に対応する行方向に並ぶ複数の要素である各要素行に、インクの吐出の休止を示す休止要素を含む閾値マトリクスを準備する工程と、b)前記閾値マトリクスと元画像とを比較することにより、印刷が行われている間、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする網点画像のデータを生成する工程とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像データ生成方法であって、前記閾値マトリクスにおいて、前記休止要素が前記走査方向に対応する方向に不連続とされる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像データ生成方法であって、前記幅方向に対応する行方向および前記走査方向に対応する列方向に要素が配列されたマスク配列が準備されており、前記マスク配列の各行がマスク要素を含み、前記閾値マトリクスの元となる基礎マトリクスに前記マスク配列をタイリングした場合に、前記基礎マトリクスの要素のうち前記マスク要素と重なるものを休止要素に変更することにより、前記閾値マトリクスが生成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、前記印刷装置にて休止要素の配置が互いに異なる複数の網点画像が印刷媒体上に印刷され、前記閾値マトリクスに含められる前記休止要素の配置が、前記印刷媒体上に印刷された前記複数の網点画像に基づいて決定される。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、前記閾値マトリクスの前記各要素行において、前記休止要素の数が前記各要素行に含まれる要素数の1/2以下である。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、前記休止要素を含む前記閾値マトリクスを用いて生成される前記網点画像の濃度が、休止要素を含まない閾値マトリクスを用いる場合に生成される網点画像の濃度に近づくように、前記休止要素を含む前記閾値マトリクスの前記休止要素を除く要素の値、または、前記元画像の画素の値が変更される。
請求項7に記載の発明は、インクジェット方式の印刷装置にて用いられる画像データを生成する画像データ生成方法であって、前記印刷装置が、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドと、所定の走査方向へと前記印刷媒体を前記ヘッドに対して相対的に移動する走査機構とを備え、前記ヘッドにおいて、それぞれが複数の吐出口を前記走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されており、前記画像データ生成方法が、a)印刷時における前記複数の吐出口からのインクの吐出のON/OFFを示す網点画像、または、網点画像を生成する際に閾値マトリクスと比較される多階調の元画像を準備する工程と、b)準備された前記網点画像または前記元画像において、前記幅方向に対応する行方向に並ぶ複数の画素である各画素行に、インクの吐出の休止を示す休止画素を含ませることにより、印刷が行われている間、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする最終的な網点画像のデータを生成する工程とを備える。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像データ生成方法であって、前記網点画像または前記元画像に含められる前記休止画素が前記走査方向に対応する方向に不連続とされる。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の画像データ生成方法であって、前記幅方向に対応する行方向および前記走査方向に対応する列方向に要素が配列されたマスク配列が準備されており、前記マスク配列の各行がマスク要素を含み、前記b)工程において、前記網点画像または前記元画像に前記マスク配列をタイリングした場合に、前記網点画像または前記元画像の画素のうち前記マスク要素と重なるものを休止画素に変更することにより、前記最終的な網点画像のデータが生成される。
請求項10に記載の発明は、請求項7ないし9のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、前記b)工程の前に、前記印刷装置にて休止画素の配置が互いに異なる複数の網点画像を印刷媒体上に印刷する工程をさらに備え、前記b)工程において、前記網点画像または前記元画像に含められる前記休止画素の配置が、前記印刷媒体上に印刷された前記複数の網点画像に基づいて決定される。
請求項11に記載の発明は、請求項7ないし10のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、前記網点画像または前記元画像において、前記各画素行に含められる前記休止画素の数が前記各画素行に含まれる画素数の1/2以下である。
請求項12に記載の発明は、請求項7ないし11のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、前記a)工程において、前記元画像が準備され、前記最終的な網点画像の濃度が、前記元画像に休止画素を含ませない場合に生成される網点画像の濃度に近づくように、前記元画像の前記休止画素を除く画素の値、または、前記元画像と比較される前記閾値マトリクスの要素の値が変更される。
請求項13に記載の発明は、請求項7ないし11のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、前記a)工程において、前記網点画像が準備され、前記網点画像の生成に用いられる元画像の画素の値が元の値から変更されている、または、前記網点画像の生成に用いられる閾値マトリクスの要素の値が元の値から変更されていることにより、前記最終的な網点画像の濃度が、前記元画像の画素の元の値および前記閾値マトリクスの要素の元の値から生成される網点画像の濃度に近似している。
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、前記印刷装置において、前記ヘッドに含まれる吐出口が前記幅方向に関して前記印刷媒体上の印刷領域の全体に亘って配列される。
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにおける吐出口のピッチが0.25ミリメートル以下である。
請求項16に記載の発明は、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドを用いる印刷方法であって、前記ヘッドにおいて、それぞれが複数の吐出口を所定の走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されており、前記印刷方法が、a)前記ヘッドに対して、前記走査方向へと前記印刷媒体を相対的に移動する工程と、b)前記a)工程に並行して、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて休止状態の吐出口を設定しつつ前記ヘッドからのインクの吐出制御を行う工程とを備え、前記b)工程において、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数が1以上所定数以下とされ、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数が1以上所定数以下とされる。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の印刷方法であって、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにおいて、前記休止状態の吐出口を設定する場合における他の吐出口からのインクの吐出量が、前記休止状態の吐出口を設定しない場合よりも増大される。
請求項18に記載の発明は、インクジェット方式の印刷装置にて用いられる画像データを生成する画像データ生成装置であって、前記印刷装置が、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドと、所定の走査方向へと前記印刷媒体を前記ヘッドに対して相対的に移動する走査機構とを備え、前記ヘッドにおいて、それぞれが複数の吐出口を前記走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されており、前記画像データ生成装置が、印刷時における前記複数の吐出口からのインクの吐出のON/OFFを示す網点画像を生成する際に多階調の元画像と比較される配列であって、前記幅方向に対応する行方向に並ぶ複数の要素である各要素行に、インクの吐出の休止を示す休止要素を含む閾値マトリクスを記憶する記憶部と、前記閾値マトリクスと元画像とを比較することにより、印刷が行われている間、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする網点画像のデータを生成する画像データ生成部とを備える。
請求項19に記載の発明は、インクジェット方式の印刷装置にて用いられる画像データを生成する画像データ生成装置であって、前記印刷装置が、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドと、所定の走査方向へと前記印刷媒体を前記ヘッドに対して相対的に移動する走査機構とを備え、前記ヘッドにおいて、それぞれが複数の吐出口を前記走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されており、前記画像データ生成装置が、印刷時における前記複数の吐出口からのインクの吐出のON/OFFを示す網点画像、または、網点画像を生成する際に閾値マトリクスと比較される多階調の元画像を記憶する記憶部と、記憶された前記網点画像または前記元画像において、前記幅方向に対応する行方向に並ぶ複数の画素である各画素行に、インクの吐出の休止を示す休止画素を含ませることにより、印刷が行われている間、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする最終的な網点画像のデータを生成する画像データ生成部とを備える。
請求項20に記載の発明は、インクジェット方式の印刷装置であって、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するとともに、それぞれが複数の吐出口を所定の走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されたヘッドと、前記走査方向へと前記印刷媒体を前記ヘッドに対して相対的に移動する走査機構と、前記印刷媒体の前記ヘッドに対する相対移動に並行して、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて休止状態の吐出口を設定しつつ前記ヘッドからのインクの吐出制御を行う吐出制御部とを備え、印刷が行われている間、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数が1以上所定数以下とされ、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数が1以上所定数以下とされる。
本発明によれば、印刷画像において、画質の低下を軽減しつつ吐出口間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制することができる。
また、請求項2および8の発明では、印刷時に吐出口近傍のインクが硬化して吐出口が詰まることを抑制することができ、請求項3の発明では、閾値マトリクスを容易に生成することができる。
また、請求項4および10の発明では、吐出口間のクロストークによるムラの発生が抑制可能な好ましい網点画像のデータを生成することができ、請求項5および11の発明では、印刷画像における濃度の低下を抑制することができる。
また、請求項6の発明では、印刷画像の濃度を休止要素を含まない閾値マトリクスを用いる場合における印刷画像の濃度に近づけることができ、請求項9の発明では、最終的な網点画像のデータを容易に生成することができる。
また、請求項12の発明では、印刷画像の濃度を元画像に休止画素を含ませない場合における印刷画像の濃度に近づけることができ、請求項13の発明では、印刷画像の濃度を元画像の画素の元の値および閾値マトリクスの要素の元の値から生成されるとともに休止画素を含まない網点画像のデータにて印刷を行う場合における印刷画像の濃度に近似させることができる。
また、請求項14の発明では、画像を高速に印刷することができ、請求項17の発明では、休止状態の吐出口を設定する場合に印刷画像の濃度を増大することができる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット方式の印刷装置1の構成を示す図である。印刷装置1は、印刷用紙9上に複数の色成分の画像を重ねて記録する画像記録装置である。印刷装置1の本体12は、インクの微小液滴を印刷用紙9に向けて吐出するヘッド21、ヘッド21を図1中のX方向へと印刷用紙9に沿って移動するヘッド移動機構22、ヘッド21の下方にてX方向に垂直なY方向へと印刷用紙9を移動させる紙送り機構3、並びに、ヘッド21、ヘッド移動機構22および紙送り機構3に接続される本体制御部4を備え、本体制御部4には、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等を有するコンピュータ11が接続される。印刷装置1では、本体12がコンピュータ11からの信号を受けて印刷用紙9上に網点画像(ハーフトーン画像)を印刷する。
紙送り機構3は、図示省略のモータに接続された2つのベルトローラ31、および、2つのベルトローラ31の間に掛けられたベルト32を有する。印刷用紙9は(−Y)側のベルトローラ31の上方に設けられたローラ33を介してベルト32上へと導かれて保持され、ベルト32と共にヘッド21の下方を通過して(+Y)側へと移動する。
ヘッド移動機構22には、X方向に細長い環状に設けられたタイミングベルト222が設けられ、モータ221がタイミングベルト222を往復移動することにより、印刷用紙9の送り方向(図1中のY方向であり、以下、「走査方向」ともいう。)に垂直かつ印刷用紙9に沿う方向(図1中のX方向であり、印刷用紙9の幅に対応する方向であるため、以下、「幅方向」という。)にヘッド21が滑らかに移動する。
ヘッド21には、複数のモジュールがY方向に配列されており、各モジュールは複数の色のインクのうち一の色のインクが吐出可能とされる。図2に示すようにモジュールには、それぞれがインクの微小液滴を印刷用紙9に向けて(図1中の(−Z)方向に)吐出する複数の吐出口231が形成され、複数の吐出口231は印刷用紙9に平行な面(XY平面に平行な面)上において幅方向に一定のピッチ(例えば、180dpi(dot per inch)に相当する0.14ミリメートル(mm)のピッチであり、以下、「吐出口ピッチ」という。)にて配列される。実際には、各吐出口231に対して設けられる圧電素子を駆動することにより、吐出口231からインクの微小液滴が吐出される。印刷装置1では、複数の吐出口231は幅方向に関して印刷用紙9上の印刷領域の全体に亘って(すなわち、印刷用紙9の有効印刷領域以上の範囲にて)設けられる。以下の説明では、各モジュールにおいて一列に並ぶ複数の吐出口231を吐出口列23と呼ぶ。
印刷装置1における非印刷時には、ヘッド移動機構22によりヘッド21は所定の退避位置に配置され、退避位置において複数の吐出口231が蓋部材にて閉塞され、吐出口近傍のインクが乾燥して吐出口231が詰まることが防止される。本実施の形態では、説明の便宜上、ヘッド21がブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのインクを吐出するものとするが、もちろん、印刷装置1はライトシアン等の他の色成分のインクも吐出するものであってよい。
コンピュータ11は、図3に示すように、各種演算処理を行うCPU101、基本プログラムを記憶するROM102および各種情報を記憶するRAM103をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、網点化(ハーフトーン化)されるカラーの画像(すなわち、各画素が複数の色成分の画素値を有する画像であり、以下、「元画像」という。)のデータを記憶する画像メモリ104、情報記憶を行う固定ディスク105、各種情報の表示を行うディスプレイ106、操作者からの入力を受け付けるキーボード107aおよびマウス107b、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体90から情報の読み取りを行ったり記録媒体90に情報の書き込みを行う読取/書込装置108、並びに、本体制御部4と通信を行う通信部109が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
コンピュータ11には、事前に読取/書込装置108を介して記録媒体90からプログラム900が読み出され、固定ディスク105に記憶される。そして、プログラム900がRAM103にコピーされるとともにCPU101がRAM103内のプログラムに従って演算処理を実行することにより(すなわち、コンピュータがプログラムを実行することにより)、コンピュータ11が、多階調の元画像の網点化に用いられる閾値マトリクス(ディザマトリクスとも呼ばれる。)を生成する処理を行う。閾値マトリクスおよび画像メモリ104に記憶されているカラーの元画像のデータは通信部109を介して本体制御部4に転送される。
図4は、印刷装置1の機能構成を示すブロック図であり、図4中の演算部5のマトリクス拡張部51およびマスク部52がコンピュータ11により実現される機能である。また、本体制御部4は、カラーの元画像のデータを記憶する画像メモリ41、複数の色成分の閾値マトリクスをそれぞれ記憶するメモリである複数のマトリクス記憶部42(SPM(Screen Pattern Memory)とも呼ばれる。)、多階調の元画像と閾値マトリクスとを色成分毎に比較する比較器43(すなわち、網点化回路)、印刷用紙9のヘッド21に対する相対移動を制御する移動制御部45、および、印刷用紙9の相対移動に同期してヘッド21の複数の吐出口231からのインクの吐出を制御する吐出制御部44を備える。なお、演算部5の機能は専用の電気的回路により実現されてもよく、部分的に専用の電気的回路が用いられてもよい(後述の演算部5aにおいて同様)。
次に、印刷装置1が印刷を行う動作について図5を参照しつつ説明する。印刷装置1にて印刷が行われる際には、まず、実際の印刷に用いられる閾値マトリクスがコンピュータ11から本体制御部4に出力され(予め出力されていてもよい。)、マトリクス記憶部42に記憶されて準備される(ステップS11)。なお、以下の説明ではブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの4つの色に対してそれぞれ準備される4つの閾値マトリクスのうち一の色用の閾値マトリクスのみについて着目しているが、他の色用の閾値マトリクスについても同様のデータ構造となり、同様に取り扱われる。
図6は閾値マトリクス81および元画像70を抽象的に示す図である。閾値マトリクス81は、幅方向に対応する行方向(図6中にてx方向として示す。)、および、走査方向に対応する列方向(図6中にてy方向として示す。)に複数の要素が配列された2次元配列であり、行方向の位置の数(すなわち、行方向に並ぶ要素数)はヘッド21の各モジュールにおける複数の吐出口231と同数とされ、行方向の複数の位置は複数の吐出口231にそれぞれ対応付けられる。本実施の形態では、ヘッド21の各モジュールは14400個の吐出口231を有する。また、閾値マトリクス81の列方向の位置の数(すなわち、列方向に並ぶ要素数)は12個とされ、閾値マトリクス81は行方向に長い12行14400列の要素配列となっている。なお、閾値マトリクスを生成する処理については後述する。
続いて、画像データ生成部である図4の比較器43では、各色成分に関して画像メモリ41にて記憶される元画像70と、マトリクス記憶部42にて記憶される閾値マトリクス81とを比較することにより、元画像70が網点化(ハーフトーン化)され、印刷装置1における印刷にて用いられる網点画像のデータ(以下、単に「網点画像」とも呼ぶ。)が生成される(ステップS12)。
元画像70では、幅方向に対応する方向(以下、閾値マトリクス81と同様に行方向と呼ぶ。)に関して画素数が閾値マトリクス81の行方向の位置の数と同数とされており(または、同数となるように元画像70が変換されており)、元画像70は走査方向に対応する方向(以下、閾値マトリクス81と同様に列方向と呼ぶ。)に分割されて、網点化の単位となる繰り返し領域71(図6中において太線にて示す。)が設定される。このとき、繰り返し領域71の列方向の長さは、閾値マトリクス81の列方向の長さと同じであるため、1つの繰り返し領域71に含まれる複数の画素が、閾値マトリクス81の複数の要素にそれぞれ対応することとなる。
元画像の網点化の際には、元画像の繰り返し領域71内の各画素の画素値(画素の階調レベル)と閾値マトリクス81の対応する要素の閾値とが比較されることにより、2値の網点画像におけるその画素の位置(アドレス)の画素値が決定される。具体的には、図6に示す元画像70(の一部)において、画素値が閾値マトリクス81の対応する要素の閾値よりも大きい位置には、例えば、画素値「1」が付与され(すなわち、ドットが置かれ)、残りの画素には画素値「0」が付与される(すなわち、ドットは置かれない。)。このようにして、本体制御部4では、元画像70が閾値マトリクス81を用いて網点化され、後述する印刷時における複数の吐出口231からのインクの吐出のON/OFFを示す網点画像データが生成される。
図1の印刷装置1では、元画像70において最初に印刷される部分(例えば、最も(+y)側の繰り返し領域71)の網点画像データが各色に対して生成されると、移動制御部45が、紙送り機構3を駆動することにより印刷用紙9の走査方向への移動が開始され(ステップS13)、上記網点化処理(網点画像データの生成処理)に並行して、印刷用紙9の移動に同期しつつヘッド21の各モジュールに含まれる複数の吐出口231からのインクの吐出が吐出制御部44により制御される(ステップS14)。
ここで、網点画像は印刷用紙9上に印刷される画像であるため、網点画像の複数の画素は印刷用紙9上に配列して設定されていると捉えることができ、吐出制御部44ではヘッド21の印刷用紙9に対する相対移動に同期して、各吐出口231の印刷用紙9上の吐出位置に対応する網点画像の画素値が「1」である場合には当該吐出位置にドットが形成され、網点画像の画素値が「0」である場合には当該吐出位置にはドットは形成されない。このようにして、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのそれぞれに関して、複数の吐出口231にそれぞれ対応する印刷用紙9上の複数の吐出位置を印刷用紙9に対して相対的に移動しつつ、複数の吐出口231の印刷用紙9上の吐出位置に対応する網点画像の画素値に従って、複数の吐出口231からのインクの吐出が制御される。
印刷装置1では、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローに関して、網点画像を生成しつつ当該網点画像を印刷用紙9上に記録する動作が並行して行われ、印刷用紙9上にカラーの元画像を表現するカラーの網点画像(印刷画像)が印刷される。印刷用紙9上に網点画像の全体が印刷されると、印刷用紙9の移動が停止し、印刷装置1における印刷動作が終了する(ステップS15)。
次に、印刷装置1における印刷時に用いられる閾値マトリクス81を生成する処理について図7を参照しつつ説明する。
印刷装置1では、閾値マトリクス81を生成する際の基本となる閾値配列のデータ(以下、単に「閾値配列」という。)83がコンピュータ11の固定ディスク105(RAM103であってもよい。)に予め記憶されており、演算部5にて閾値配列83が読み込まれる。
図8は閾値配列83を示す図である。ここでは、幅方向に対応する行方向(すなわち、図8中のx方向)、および、走査方向に対応する列方向(すなわち、図8中のy方向)に互いに異なる値(閾値)が4行4列にて配列されたベイヤ(Bayer)型の行列が閾値配列83として準備されているものとする。通常、元画像の階調レベルの範囲(階調範囲)が0〜N(ただし、Nは正の整数)である場合には、閾値配列83では0以上(N−1)以下のいずれかの値(整数)が各位置に設定される。実際には、4行4列よりも十分に大きいサイズの閾値配列が準備される。なお、印刷装置1では、規則的に配列されたドットセンタから網点領域が成長することにより階調表現が実現されるAM(Amplitude Modulated)網点用の閾値配列や、ドットセンタが不規則に配列される、いわゆる、クラスタ型の網点用の閾値配列、あるいは、不規則に配置される一定の大きさのドットの個数を変更することにより階調表現が実現されるFM(Frequency Modulated)網点用の閾値配列等、様々な閾値配列が用いられてよい。
演算部5のマトリクス拡張部51では、3600個の閾値配列83が行方向に並べられて4行14400列の閾値配列が構成され、この閾値配列が列方向にも繰り返されることにより、図9に示すように、12行14400列の閾値配列82(閾値マトリクス81の元となるものであり、以下、「基礎マトリクス82」という。)が生成される(ステップS21)。図9では各閾値配列83を太線の矩形にて囲んで示している。なお、基礎マトリクスは複数種類の閾値配列をx方向およびy方向に繰り返し配列することにより生成されてもよい。
既述のように、ヘッド21では14400個の吐出口231が配列されており、基礎マトリクス82の複数の列はヘッド21に含まれる複数の吐出口231にそれぞれ対応する。基礎マトリクス82はマスク部52に出力され、予め準備されるマスク配列を用いた処理が行われる。
図10は、マスク部52にて用いられるマスク配列61を示す図である。図10に示すように、マスク配列61では、幅方向に対応する行方向(図10中のx方向)および走査方向に対応する列方向(図10中のy方向)に要素が配列されており、マスク配列61の各行(すなわち、x方向に並ぶ要素群)には1つのマスク要素612(図10中にて平行斜線を付して示す。)が含まれている。本実施の形態では、マスク配列61は3行3列の要素配列であり、マスク配列61の各行には2つの非マスク要素611および1つのマスク要素612が含まれており、マスク要素612の行方向の位置は行毎に異なっている。
マスク部52では、マスク配列61を行方向および列方向に繰り返し配列したものを基礎マトリクス82に重ね合わせる、すなわち、基礎マトリクス82にマスク配列61をタイリングする処理が行われ(後述の図11参照)、この場合に、基礎マトリクス82において、マスク要素612と重なる要素が休止要素に変更される。ここで、休止要素とは、既述の網点画像の生成において、対応する網点画像中の位置(画素)にインクの吐出の休止(OFF)を示す値(上記の例では、画素値「0」)を付与するためのものであり、本実施の形態では元画像の全階調範囲の最大の階調レベルを示す値を要素値(閾値)として有する要素とされる。
実際には、マスク部52では、基礎マトリクス82においてマスク要素612と重なる位置に、最大の階調レベルを示す値を有する要素(休止要素)を挿入する処理が行われ、当該位置から(+x)側の閾値は(+x)方向に順次シフトされる。また、休止要素の挿入に伴う閾値のシフトにより、基礎マトリクス82の最も(+x)側の列(14400番目の列)よりも(+x)側に位置することとなる閾値は削除される。このようにして、基礎マトリクス82の要素のうちマスク要素612と重なるものを休止要素に変更することにより、図11に示すように、実際の印刷に用いられる閾値マトリクス81が容易に生成される(ステップS22)。図11では、重ね合わせられるマスク配列61の外形を太線の矩形にて示しており、休止要素812に平行斜線を付している(後述の図13において同様)。
図11に示す閾値マトリクス81では、行方向に並ぶ複数の要素811を要素行810として、各要素行810において2つ置きに存在する要素が休止要素812とされている(すなわち、各要素行810では行方向に3個の要素分の距離の周期にて休止要素812が存在する)。また、マスク配列61が3行3列の正方行列とされ、マスク配列61にてマスク要素612は対角に並んでいるため、閾値マトリクス81において列方向に並ぶ複数の要素811においても休止要素812が2つ置きに存在し(すなわち、休止要素812は列方向に連続しない。)、複数の休止要素812は行方向および列方向に対して45度をなす方向に並んでいる。さらに、既述のように、マスク部52では基礎マトリクス82に休止要素を挿入する処理が行われるため、閾値マトリクス81では基礎マトリクス82における閾値の配列の特徴がおよそ維持されている。
ここで、既述のように、網点画像の生成時には、元画像70の画素の画素値が閾値マトリクス81の対応する要素811の閾値よりも大きい場合にのみ、当該画素に対応する網点画像中の位置にインクの吐出のONを示す値が付与される。したがって、閾値マトリクス81では休止要素812に元画像の最大の階調レベルを示す値が付与されることにより、網点画像において休止要素812に対応する位置には必ずインクの吐出のOFFを示す画素値が付与される。このように、閾値マトリクス81の休止要素812に対応する網点画像の画素はインクの吐出のOFFを示す休止画素とされ、網点画像においても、行方向に並ぶ複数の画素である画素行にて2つ置きに存在する画素が休止画素とされる(すなわち、各画素行では行方向に3個の画素分の距離の周期にて休止画素が存在する)。
また、実際の印刷において、ヘッド21の複数の吐出口231において網点画像の休止画素(または、閾値マトリクス81の休止要素812)に基づいてインクの吐出が強制的にOFFとされる状態を休止状態と呼ぶと、図11の閾値マトリクス81の最も上段(最も(+y)側)の要素行810に対応する網点画像の部分の描画時には、図12.Aに示す吐出口列23(ただし、図12.Aでは複数の吐出口231をX方向に互いに近接させて図示している。後述の図12.B、図14.A、図14.B、図16.Aおよび図16.Bにおいて同様。)において、最も(−X)側の吐出口から2つ置きに存在する吐出口(すなわち、X方向に吐出口ピッチの3倍の周期にて存在する吐出口であり、図12.Aでは、これらの吐出口に符号231aを付している。)が休止状態とされ、休止状態とされない他の吐出口231(図12.A中にて平行斜線を付して示す。後述の図12.B、図14.A、図14.B、図16.A、図16.B、図17、図19および図20において同様。)では元画像70と閾値マトリクス81との比較結果に応じてインクの吐出制御が行われる(比較結果に基づいてインクの吐出がOFFとされる場合を含む。以下同様。)。
また、図11の閾値マトリクス81の上から2番目の要素行810に対応する網点画像の部分の描画時には、図12.Bに示す吐出口列23において、(−X)側から2番目の吐出口から2つ置きに存在する吐出口(図12.Bでは、これらの吐出口に符号231bを付している。)が休止状態とされ、他の吐出口231では元画像70と閾値マトリクス81との比較結果に応じたインクの吐出制御が行われる。
したがって、幅方向において連続して休止状態とされない吐出口231(すなわち、図12.Aおよび図12.B中にて平行斜線を付す吐出口231であり、このように、インクが吐出可能とされる吐出口231の状態を、以下「可動状態」という。)を可動吐出口群と呼ぶと、吐出口列23の各可動吐出口群(図12.Aおよび図12.B中にて符号230を付して示す。)には、常時、2個の吐出口231のみが含まれることとなる。これにより、印刷装置1では、幅方向において多数の連続する吐出口231にてインクの吐出動作が同時に行われることが確実に防止され、隣接する吐出口231間で互いに影響を与え合うクロストークが軽減される。その結果、上記特許文献1の手法のように複数種類の駆動波形を生成する電気的回路等を設けることなく、印刷画像において吐出口231間のクロストークによるムラの発生を容易にかつ低コストにて抑制することが実現される。
また、閾値マトリクス81では、休止要素812が列方向に不連続とされるため、図12.Aおよび図12.Bに示すように、休止状態とされる吐出口231a,231bは、吐出口列23が網点画像の1つの画素行に対応するインクの吐出動作を行う度に他の吐出口231に切り替えられる。これにより、印刷時に同一の吐出口231が時間的に連続して休止状態とされることが防止され(もちろん、元画像70と閾値マトリクス81との比較結果に応じて同一の吐出口231が連続してOFFとされる状況は生じ得る。)、印刷時に吐出口231近傍のインクが硬化して吐出口231が詰まることを抑制することができる。
本実施の形態では、図7のステップS22の処理において、マスク配列61を基礎マトリクス82にタイリングした際に、マスク要素612と重なる基礎マトリクス82中の位置に休止要素812が挿入されるが、マスク要素612と重なる基礎マトリクス82中の要素を休止要素812に置き換える(すなわち、当該要素の元の閾値を削除して休止要素812の閾値を付与する)ことにより、図13に示す閾値マトリクス81が生成されてもよい。実際には、休止要素812を挿入する手法、および、休止要素812に置き換える手法のうち好ましい手法が選択されて用いられる。
例えば、マスク配列61のサイズが基礎マトリクス82の閾値の配列の周期と一致する場合に、マスク要素612と重なる基礎マトリクス82中の要素を休止要素812にて置き換える手法を採用すると、閾値マトリクス81においてある一定の閾値が元画像70の最大の階調レベルを示す値に置き換えられることにより、網点画像において当該閾値に対応する階調レベルの近傍にて濃度変化を適切に表現することができなくなる。したがって、このような場合には、マスク要素612と重なる基礎マトリクス82中の位置に休止要素812を挿入する手法が採用されることが好ましい。一方で、基礎マトリクス82によっては、休止要素812を挿入する手法を採用することにより、網点画像において予期しないビートが発生する場合もある。このような場合には、マスク要素612と重なる基礎マトリクス82中の要素を休止要素812にて置き換える手法が採用されることが好ましい。
また、図12.Aおよび図12.Bに示す吐出口列23では2つ置きに存在する吐出口231a,231bが休止状態とされるが、例えば、図14.Aに示すように、吐出口列23において4つ置きに存在する吐出口231aが休止状態とされたり(すなわち、幅方向(X方向)において吐出口ピッチの5倍の周期にて休止状態とされる吐出口231が存在する。)、図14.Bに示すように、吐出口列23において6つ置きに存在する吐出口231aが休止状態とされてもよい(すなわち、幅方向において吐出口ピッチの7倍の周期にて休止状態とされる吐出口231が存在する。)。以下、幅方向において休止状態とされる吐出口の周期の好ましい決定手法について述べる。
図15は、閾値マトリクス81を生成する処理の流れの一部を示す図であり、図7のステップS21の処理の前に行われる処理を示している。
本処理例では、各画素行における休止画素の周期が互いに異なる複数の網点画像(のデータ)(ただし、休止画素以外の画素はインクの吐出のONを示す値が付与されているものとする。)が複数のテスト画像として予め準備されており、印刷装置1では、複数のテスト画像が印刷用紙9上に実際に印刷される(ステップS31)。例えば、吐出口列23において、休止状態とされる吐出口231aを幅方向に、図12.Aに示すように吐出口ピッチの3倍の周期にて存在させるテスト画像、図14.Aに示すように吐出口ピッチの5倍の周期にて存在させるテスト画像、および、図14.Bに示すように吐出口ピッチの7倍の周期にて存在させるテスト画像が印刷用紙9上に印刷される。既述のように、テスト画像では休止画素以外の画素はインクの吐出のONを示す値が付与されており、休止状態とされない吐出口231では必ずインクの吐出が行われる。
この場合に、図12.Aに示す吐出口列23において、行方向において連続する2個の吐出口231がONとされ、1個の吐出口231aがOFFとされる状態を、2ON1OFFの吐出制御が行われると表現すると、図14.Aに示す吐出口列23では、行方向において連続する4個の吐出口231がONとされ、1個の吐出口231aがOFFとされるため、4ON1OFFの吐出制御が行われ、図14.Bに示す吐出口列23では、行方向において連続する6個の吐出口231がONとされ、1個の吐出口231aがOFFとされるため、6ON1OFFの吐出制御が行われると表現することができる。なお、テスト画像において複数の画素行における休止画素の行方向の位置は一定であってもよい。
また、全ての画素にてインクの吐出のONを示す値が付与されている網点画像(いわゆる、ベタ画像であり、以下、「基準画像」という。)も印刷用紙9上に印刷される。そして、印刷用紙9上に印刷された各印刷画像(テスト画像および基準画像)の実際の濃度(例えば平均濃度)が測定され、印刷用紙9上の各テスト画像の濃度αと印刷用紙9上の基準画像の濃度βとの比(α/β)が求められる。基準画像は予め印刷されて濃度が求められていてもよい。
印刷装置1では、テスト画像と基準画像との濃度比の下限値が予め定められており、下限値よりも高い濃度比となるテスト画像のうち、各画素行において休止画素を最も多く含むものが特定され、特定されたテスト画像に基づいてマスク配列が生成される(ステップS32)。例えば、図14.Aに示すように、吐出口列23において休止状態とされる吐出口231aを幅方向に吐出口ピッチの5倍の周期にて存在させるテスト画像(すなわち、4つ置きに存在する吐出口231を休止状態とするテスト画像)が特定されると、各行に1つのマスク要素を含み、残りの要素は非マスク要素とされる5行5列のマスク配列が生成され、マスク部52に設定される。このとき、好ましくは、マスク要素の位置は列方向に不連続とされる。なお、濃度比以外の評価項目に基づいてマスク配列の生成に用いられるテスト画像が特定されてもよい。
そして、閾値配列83から基礎マトリクス82が導かれ(図7:ステップS21)、基礎マトリクス82にマスク配列を作用させることにより閾値マトリクスが生成される(ステップS22)。既述のように、閾値マトリクスにおける休止要素の配置は、マスク配列中におけるマスク要素の配置に依存するため、ステップS32の処理にてマスク配列が生成されることにより、実質的に、閾値マトリクスにおける休止要素の配置が決定される。印刷が行われる際には、閾値マトリクスが元画像と比較され、実際の印刷に用いられる網点画像データが生成される。網点画像データでは、各画素行における休止画素の配置が閾値マトリクスの対応する要素行と同様となることにより、網点画像データを用いて印刷される印刷画像における濃度の低下が抑制される。
以上のように、印刷装置1では、休止画素の配置が互いに異なる複数の網点画像が印刷用紙9上に印刷され、閾値マトリクスに含められる休止要素の配置が印刷用紙9上に印刷された複数の網点画像に基づいて決定される。これにより、印刷画像において吐出口間のクロストークによるムラの発生が抑制可能な好ましい網点画像データを生成することができる。
次に、吐出口間のクロストークによるムラの発生を抑制しつつ、印刷画像における濃度を休止状態の吐出口を設定しない場合と近似させる(すなわち、印刷画像における濃度をおよそ維持する)手法について説明する。
既述のように、休止要素を含む図11の閾値マトリクス81(もちろん、図13の閾値マトリクス81であってもよい。)は、図9の基礎マトリクス82に図10のマスク配列61を作用させることにより生成されるが、本手法に係る印刷装置1では、基礎マトリクス82(休止要素を含まない閾値マトリクスと捉えることができる。)を用いて休止画素を含まない網点画像を生成し、休止状態の吐出口を設定することなく印刷を行うことも可能となっている。
印刷装置1では、操作者により休止要素を含む閾値マトリクス81が選択されてマトリクス記憶部42にて準備されると(図5:ステップS11)、閾値マトリクス81と元画像とを比較することにより休止画素を含む網点画像が生成される(ステップS12)。そして、印刷用紙9の走査方向への移動を開始した後(ステップS13)、印刷用紙9の移動に同期しつつヘッド21の複数の吐出口231からのインクの吐出が制御される(ステップS14)。
ここで、仮に最大の階調レベルにて一様な元画像を網点化する際に、休止要素を含まない閾値マトリクス(基礎マトリクス82)を用いて生成される休止画素を含まない網点画像の全画素数に対するドット数(すなわち、インクの吐出のONを示す値が付与される画素数)の割合(以下、「画素記録率」という。)が100%であるときには、休止要素を含む閾値マトリクス81を用いて生成される休止画素を含む網点画像では、画素記録率は66.6%(2/3)となり、休止画素を含まない網点画像に比べて濃度(例えば平均濃度)が2/3倍になる。
そこで、休止要素を含む閾値マトリクス81を用いて印刷時に休止状態の吐出口を設定する場合において、各吐出口231に対して設けられる圧電素子に入力する電圧(駆動電圧)を、休止状態の吐出口を設定しない場合における電圧から変更することにより、各吐出口231(ただし、休止状態とされる吐出口を除く。)からのインクの吐出量が、休止状態の吐出口を設定しない場合におけるインクの吐出量(以下、「標準吐出量」という。)の3/2倍に増大される。これにより、実際に印刷用紙9上に印刷される画像(印刷画像)の濃度が、標準吐出量にて印刷を行う場合のほぼ3/2倍となり、休止要素を含まない閾値マトリクスを用いる場合における印刷画像(すなわち、休止状態の吐出口を設定することなく、標準吐出量にて印刷される画像)とほぼ同等の濃度となる。そして、印刷用紙9上に網点画像の全体が印刷されると、印刷用紙9の移動が停止し、印刷装置1における印刷動作が終了する(ステップS15)。
以上に説明したように、印刷装置1では、休止要素を含む閾値マトリクス81を用いることにより印刷時に休止状態の吐出口を設定する場合において、休止状態の吐出口以外の他の吐出口からのインクの吐出量が、休止状態の吐出口を設定しない場合よりも増大される。これにより、吐出口間のクロストークによるムラの発生を抑制しつつ、印刷画像の濃度を増大することができる。また、インクの吐出量の標準吐出量に対する増大率が、休止要素を含む閾値マトリクス81における画素記録率の逆数倍とされることにより、印刷画像における濃度を休止状態の吐出口を設定しない場合と近似させることが実現される。
なお、インクの吐出量の標準吐出量に対する増大率は、休止要素を含む閾値マトリクス81における画素記録率の逆数に近似した値とされてもよく、このように、吐出量の増大率がマスク配列の構造に依存する画素記録率に基づいて決定されることにより、印刷画像における濃度を適切に調整することができる。
また、印刷画像における濃度の増大は、休止要素を含む閾値マトリクス81の休止要素以外の要素の値(閾値)を変更することにより実現されてもよい。具体的には、閾値マトリクス81が基礎マトリクス82に図10のマスク配列61を作用させることにより生成される場合には、閾値マトリクス81における画素記録率(2/3)が修正係数として閾値マトリクス81の休止要素を除く各要素の値に乗じられ、当該要素の値が小さくされた閾値マトリクス(以下、「修正閾値マトリクス」という。)が取得される。
既述のように、網点画像の生成の際には、元画像と閾値マトリクスとが比較され、元画像において画素値が閾値マトリクスの対応する要素の閾値よりも大きい位置にはドットが置かれ、残りの画素にはドットは置かれない。したがって、修正閾値マトリクスを用いて生成される網点画像では、修正係数を乗じる前の閾値マトリクス81を用いて生成される網点画像よりもドット数が多くなり、画像の濃度が高くなる。
実際には、閾値マトリクス81では、一様な階調レベルの元画像を網点化する場合に、網点画像におけるドット数が元画像の階調レベルに比例するため、ドット数と階調レベルとの関係において、閾値マトリクス81の各要素の値に2/3を乗じることは、元画像の各画素の値に3/2を乗じることと等価となる。したがって、修正閾値マトリクスを用いて、ある階調レベル(低いまたは中間の階調範囲に含まれる階調レベル)にて一様な元画像を網点化して得られる網点画像のドット数は、修正係数(2/3)を乗じる前の閾値マトリクス81を用いて当該階調レベルの3/2倍の階調レベルの元画像から得られる網点画像のドット数と同じとなる。すなわち、ある階調レベルにて一様な元画像において、修正閾値マトリクスから生成される網点画像のドット数は、修正係数を乗じる前の閾値マトリクス81から生成される網点画像のドット数の3/2倍となる。その結果、修正閾値マトリクスを用いて生成される網点画像では、休止要素を含まない閾値マトリクスを用いる場合に生成される網点画像とほぼ同等の濃度となる。
正確には、修正閾値マトリクスにおける元画像の階調レベルと網点画像のドット数との関係では、低いまたは中間の階調範囲において階調レベルの増大に比例してドット数が増加し、元画像の全階調範囲の2/3に相当する階調レベルにて全画素数に対するドット数の割合が閾値マトリクス81における画素記録率(66.6%)となり、当該階調レベルよりも高い階調範囲では休止要素の存在によりドット数は増加しないが、高い階調レベル(大きい画素値)をあまり含まない元画像では、修正閾値マトリクスを用いることにより、網点画像の濃度を、休止要素を含まない閾値マトリクスを用いる場合とほぼ同等にすることが可能となる。
もちろん、元画像に含まれる画素値の範囲によっては、閾値マトリクス81における画素記録率よりも大きくかつ1よりも小さい値を修正係数とすることにより、修正閾値マトリクスを用いて生成される網点画像の濃度を、休止要素を含まない閾値マトリクスを用いる場合に生成される網点画像の濃度に近づけつつ、全画素数に対するドット数の割合が画素記録率に到達する階調レベルが修正係数を画素記録率とする場合よりも高くされてもよい。
また、元画像の各画素の値(画素値)に閾値マトリクス81における画素記録率(2/3)の逆数を修正係数として乗じることにより、印刷画像の濃度の増大が実現されてもよい(ただし、元画像の最大の階調レベルを示す最大画素値以上となる場合は、画素の値は最大画素値とされる。)。既述のように、閾値マトリクス81では、一様な階調レベルの元画像を網点化する場合に、網点画像のドット数が元画像の階調レベルに比例し、ドット数と階調レベルとの関係において、元画像の各画素の値に3/2を乗じることは、閾値マトリクス81の各要素の値に2/3を乗じることと等価となるため、元画像の各画素の値に修正係数を乗じた画像および休止要素を含む閾値マトリクス81から生成される網点画像では、修正係数を乗じる前の元画像および休止要素を含まない閾値マトリクスから生成される網点画像とほぼ同等の濃度となる。
元画像の各画素の値に修正係数を乗じる場合においても、元画像に含まれる画素値の範囲によっては、閾値マトリクス81における画素記録率の逆数よりも小さくかつ1よりも大きい値が修正係数とされてよく、この場合でも、元画像の各画素の値に修正係数を乗じた画像および休止要素を含む閾値マトリクス81から生成される網点画像の濃度を、修正係数を乗じる前の元画像および休止要素を含まない閾値マトリクスから生成される網点画像の濃度に近づけることが可能となる。
以上に説明したように、印刷装置1では、休止要素を含む閾値マトリクスを用いて生成される網点画像の濃度が、休止要素を含まない閾値マトリクスを用いる場合に生成される網点画像の濃度に近づくように、休止要素を含む閾値マトリクスの休止要素を除く要素の値、または、元画像の画素の値が変更される。これにより、吐出口間のクロストークによるムラの発生を抑制しつつ、印刷画像の濃度を休止要素を含まない閾値マトリクスを用いる場合における印刷画像の濃度に近づけることができる。また、休止要素を含む閾値マトリクスの休止要素を除く要素の値の変更、または、元画像の画素の値の変更が、画素記録率に基づく修正係数を用いて行われることにより、印刷画像(または網点画像)の濃度を休止要素を含まない閾値マトリクスを用いる場合における印刷画像の濃度に近似させることが実現される。
もちろん、上述の各吐出口からのインクの吐出量を増大する手法、休止要素を含む閾値マトリクスの要素の値を変更する手法、および、元画像の画素の値を変更する手法は、図11の閾値マトリクス81以外の休止要素を含む閾値マトリクスを用いる印刷に利用することが可能である。例えば、図14.Aに示す吐出口列23(もちろん、図14.B、または、後述の図16.Aもしくは図16.Bの吐出口列23等であってもよい。)に対応する閾値マトリクスでは画素記録率は4/5となり、この場合に、インクの吐出量を増大するときには標準吐出量に対する増大率が5/4とされ、休止要素を含む閾値マトリクスの休止要素を除く要素の値を変更するときには修正係数は4/5とされ、元画像の画素の値を変更するときには修正係数は5/4とされる。
以上では、吐出口列23において休止状態とされる1つの吐出口231が一定の周期にて配置されるが、印刷装置1では、吐出口列23において休止状態とされる吐出口231の配置は様々に変更されてよい。例えば、図16.Aに示す吐出口列23では、1つの吐出口231aが休止状態とされ、この吐出口231aの(+X)側に隣接する2個の吐出口231が可動状態とされ(図16.Aでは、これらの吐出口231を可動吐出口群として符号230aを付している。)、この可動吐出口群230aの(+X)側に隣接する吐出口231bが休止状態とされ、この吐出口231bの(+X)側に隣接する3個の吐出口231が可動状態とされる(図16.Aでは、これらの吐出口231を可動吐出口群として符号230bを付している。)。
また、図16.Bに示す吐出口列23では、幅方向に連続する2つの吐出口231aが休止状態とされ(以下、幅方向において連続して休止状態とされる吐出口を「休止吐出口群」といい、図16.Bでは、休止吐出口群に符号230cを付している。)、休止吐出口群230cに隣接する3個の連続する吐出口231が可動吐出口群230とされる。
このように、吐出口列23において休止状態とされる吐出口231の配置は様々な態様が可能である。なお、図15に示すマスク配列の生成に係る処理において、図16.Aに示す吐出口列23に対応するテスト画像や図16.Bに示す吐出口列23に対応するテスト画像が用いられてもよく、この場合、図16.Aに示す吐出口列23に対応するテスト画像を印刷する際には、2ON1OFF3ON1OFFの吐出制御が行われ、図16.Bに示す吐出口列23に対応するテスト画像を印刷する際には、4ON2OFFの吐出制御が行われる。
ところで、吐出口列23において、幅方向に連続して休止状態とされない吐出口231の数が所定数(例えば10)よりも多くなると、印刷画像において吐出口231間のクロストークによるムラが目立ってしまい、幅方向に連続して休止状態とされる吐出口231の数が所定数(例えば3)よりも多くなると、印刷画像において網点画像データの休止画素に対応する部分が認識され易くなり、印刷画像の画質が低下してしまう。したがって、印刷画像において、画質の低下を軽減しつつ吐出口231間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制するという観点では、印刷が行われている間、吐出口列23にて、幅方向において連続して休止状態とされる各休止吐出口群に含まれる吐出口231の数が1以上所定数(好ましくは、3)以下とされ、幅方向において連続して休止状態とされない各可動吐出口群に含まれる吐出口231の数が1以上所定数(好ましくは、10)以下とされることが重要となる。
また、ヘッド21において一の色のインクを吐出する各モジュールでは、複数の吐出口列が走査方向に配列されていてもよい。図17は、ヘッド21の一のモジュールにおける吐出口の配列を説明するための図である。図17の上段はモジュールに含まれる吐出口241,251,261,271を示し、図17の下段は吐出口241,251,261,271により印刷用紙9上に形成されるドット91(ただし、実際にドットが形成されない場合にもドットを仮想的に図示している。)を示している。
図17の上段に示すように、ヘッド21の各モジュールでは、4個の吐出口列24,25,26,27が走査方向(図17中のY方向)に配列されており、各吐出口列24〜27では幅方向(図17中のX方向)に同じピッチにて吐出口241,251,261,271が配列される。また、幅方向のみに着目した場合に、一の吐出口列にて幅方向に互いに隣接する2つの吐出口の間には、他の3個の吐出口列のそれぞれの1つの吐出口が配置される。例えば、最も(−Y)側の吐出口列24において、図17の上段にて符号241aを付す吐出口と符号241bを付す吐出口との間の中央には、(−Y)側から2番目の吐出口列25に含まれる1つの吐出口251aが配置され、吐出口241aと吐出口251aとの間の中央には(−Y)側から3番目の吐出口列26に含まれる1つの吐出口261aが配置され、吐出口251aと吐出口241bとの間の中央には最も(+Y)側の吐出口列27に含まれる1つの吐出口271aが配置される。したがって、ヘッド21の全体では、幅方向に多数の吐出口241,251,261,271が一定のピッチ(正確には、各吐出口列24〜27における吐出口ピッチの1/4のピッチ)にて配列され、図17の下段に示すように、印刷用紙9上において走査方向の各位置にて、幅方向に一列に並ぶ複数のドット91の形成が可能とされる。
この場合に、図11の閾値マトリクス81と元画像70とを比較することにより得られる網点画像データに基づいて、ヘッド21の各吐出口241,251,261,271からのインクの吐出制御が行われると、印刷用紙9上において走査方向のある位置に対応する網点画像の部分の描画時には、図17の上段に示すように、複数の吐出口列24〜27において幅方向に関して並ぶ複数の吐出口241,261,251,271(すなわち、印刷用紙9上にて幅方向に一列に並ぶ複数のドット91にそれぞれ対応する複数の吐出口)にて2つ置きに存在する吐出口(すなわち、図17の上段における白い吐出口)が休止状態とされ、他の吐出口(すなわち、可動状態とされる吐出口であり、図17の上段にて平行斜線が付された吐出口)では元画像70と閾値マトリクス81との比較結果に応じたインクの吐出制御が行われる。なお、図17の下段では、可動状態とされる吐出口241,251,261,271に対応する印刷用紙9上のドット91に平行斜線を付している(後述の図19および図20において同様)。
このとき、各吐出口列24〜27においても、2つ置きに存在する吐出口241,251,261,271が休止状態とされる。したがって、各吐出口列24〜27において多数の連続する吐出口241,251,261,271にてインクの吐出動作が同時に行われることが確実に防止され、隣接する吐出口間で互いに影響を与え合うクロストークが軽減される。その結果、印刷画像において、吐出口間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制することが実現される。
また、4個の吐出口列24〜27を走査方向に配列して有する印刷装置1において、図18に示すように、各行において6つ置きにマスク要素612が存在するマスク配列61aが準備される場合には、マスク配列61aを基礎マトリクスにタイリングすることにより、各要素行にて6つ置きに休止要素が存在する閾値マトリクスが生成される。そして、閾値マトリクスと元画像70とを比較することにより生成される網点画像の印刷において、印刷用紙9上にて走査方向のある位置に対応する網点画像の部分の描画時には、図19の上段に示すように、各吐出口列24〜27において6つ置きに存在する吐出口241,251,261,271(すなわち、図19の上段における白い吐出口)が休止状態とされ、他の吐出口241,251,261,271(すなわち、図19の上段にて平行斜線が付された吐出口)では元画像70と閾値マトリクスとの比較結果に応じたインクの吐出制御が行われる。これにより、印刷画像において、吐出口間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制することが実現される。
さらに、ヘッド21の各モジュールでは、図20の上段に示すように、3個の吐出口列24〜26が走査方向(図20中のY方向)に配列されていてもよい。この場合、幅方向(図20中のX方向)に関して、最も(−Y)側の吐出口列24のある吐出口241から(+X)側に吐出口ピッチの1/3倍だけ離れた位置に(−Y)側から2番目の吐出口列25に含まれる1つの吐出口251が配置され、吐出口241から(+X)側に吐出口ピッチの2/3倍だけ離れた位置に最も(+Y)側の吐出口列26に含まれる1つの吐出口261が配置され、ヘッド21の全体では、幅方向に多数の吐出口241,251,261が一定のピッチ(正確には、吐出口ピッチの1/3倍のピッチ)にて配列される。
このようなヘッド21を有する印刷装置1において、図18のマスク配列61aから導かれる閾値マトリクスと元画像70とを比較することにより生成される網点画像を印刷する場合には、印刷用紙9上において走査方向のある位置に対応する網点画像の部分の描画時には、図20の上段に示すように、各吐出口列24〜26において6つ置きに存在する吐出口241,251,261(すなわち、図20の上段における白い吐出口)が休止状態とされ、他の吐出口241,251,261(すなわち、図20の上段にて平行斜線が付された吐出口)では元画像70と閾値マトリクスとの比較結果に応じたインクの吐出制御が行われる。したがって、印刷画像において、吐出口間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制することが実現される。
もちろん、複数の吐出口列を有する印刷装置1において、各吐出口列にて休止状態の吐出口以外の他の吐出口からのインクの吐出量を増大する、または、休止要素を含む閾値マトリクスの要素の値を変更する、もしくは、元画像の画素の値を変更することにより、印刷画像における濃度が増大されてもよい。
ところで、各モジュールにて複数の吐出口列を有する印刷装置1においても、各吐出口列において、幅方向に連続して休止状態とされる吐出口の数が所定数よりも多くなると、印刷画像において強制的にドットが形成されない位置が狭い範囲に多数存在してしまい、当該位置近傍の領域がムラとして認識される場合がある。したがって、このような印刷装置1においても、印刷画像における画質の低下を軽減するには、幅方向において連続して休止状態とされる各休止吐出口群に含まれる吐出口の数は1以上所定数以下とされることが好ましい。
以上のように、それぞれが複数の吐出口を幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が走査方向に配列される印刷装置1では、印刷が行われている間、少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、幅方向において連続して休止状態とされる各休止吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、幅方向において連続して休止状態とされない各可動吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする網点画像データを生成することにより、印刷画像において、画質の低下を軽減しつつ吐出口間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制することが可能となる。
なお、各モジュールがM個の吐出口列を有する印刷装置1において、閾値マトリクスの各要素行にL個の要素分の距離の周期にて休止要素が存在する場合に(ただし、MおよびLは正の整数)、LとMとの最大公約数が1以外であるときには、各吐出口列にて休止状態とされる吐出口の幅方向の周期が複数の吐出口列間で相違する、あるいは、一部の吐出口列にて休止状態とされる吐出口が存在しなくなる。したがって、複数の吐出口列において休止状態とされる吐出口を同一の周期にて設定するには、吐出口列の個数Mと閾値マトリクスの各要素行における休止要素のピッチに相当する要素の個数Lとが互いに素とされる必要がある。
図21は、第2の実施の形態に係る印刷装置1の機能構成の一部を示すブロック図である。本実施の形態における印刷装置1では、図3のコンピュータ11がプログラム900を実行することにより、元画像70に休止画素を含ませる演算部5aとしての機能を実現する。本体制御部4における機能構成は図4と同様であり、同符号を付している。
図22は、印刷装置1が印刷を行う動作の流れの一部を示す図であり、図5のステップS11,S12に代えて行われる処理を示している。印刷装置1では、まず、元画像70(のデータ)が記憶部であるコンピュータ11の画像メモリ104に記憶されて(予め記憶されていてもよい。)準備される(ステップS11a)。なお、図22のステップS11aでは、後述の処理例における処理の内容も示している(ステップS12aにおいて同様。)。
図23は、元画像70を示す図である。既述のように、元画像70では幅方向に対応する行方向(図23中のx方向)および走査方向に対応する列方向(図23中のy方向)に多数の画素701が配列される。図23では、図示の便宜上、元画像70が実際よりも小さいサイズとされている。続いて、元画像70はマスク部52aに出力され、図10に示すマスク配列61が元画像70にタイリングされる。図23では、重ね合わせられるマスク配列61の外形を太線の矩形にて示しており、タイリングされたマスク配列61において対応する元画像70の画素701が存在しない位置(図23中の最も(−y)側のマスク配列61の(−y)側の行)は無視される。そして、元画像70において、マスク要素612と重なる画素701が休止画素に置き換えられる。ここで、元画像70における休止画素とは、既述の網点画像(データ)の生成において、対応する網点画像中の位置(画素)にインクの吐出の休止(OFF)を示す値を付与するためのものであり、本実施の形態では元画像の全階調範囲の最小の階調レベルを示す値(または、閾値マトリクスの閾値の最小値)を画素値として有する画素とされる。
このようにして、元画像70の画素701のうちマスク要素612と重なるものを休止画素に変更することにより、図24に示すように、行方向に並ぶ複数の画素である各画素行700にて休止画素702(図24中にて平行斜線を付す。)が2つ置きに配置される元画像70a(以下、「最終的な元画像70a」ともいう。)が生成される。最終的な元画像70aは、本体制御部4の画像メモリ41に出力されて記憶される。また、本実施の形態では、図9の基礎マトリクス82(すなわち、休止要素を有していないマトリクス)が閾値マトリクスとしてマトリクス記憶部42に記憶される。そして、比較器43にて最終的な元画像70aと閾値マトリクスとを比較することにより網点画像データが生成される(ステップS12a)。
ここで、既述のように、網点画像の生成時には、元画像の画素の画素値が閾値マトリクスの対応する要素の閾値よりも大きい場合にのみ、当該画素に対応する網点画像中の位置にインクの吐出のONを示す値が付与される。したがって、最終的な元画像70aにおいて休止画素702が元画像の最小の階調レベルを示す値を画素値として有していることにより、網点画像において休止画素702に対応する位置には必ずインクの吐出のOFFを示す画素値が付与される。このように、最終的な元画像70aの休止画素702に対応する網点画像の画素が、インクの吐出のOFFを示す休止画素(網点画像における休止画素)とされることにより、網点画像においても、行方向に並ぶ複数の画素である各画素行にて休止画素が2つ置きに配置される。
なお、印刷装置1において網点画像の生成時に、必ずしも行方向の要素数が元画像の行方向の画素数と同じである閾値マトリクス(基礎マトリクス)が用いられる必要はなく、例えば、行方向の要素数が元画像よりも少ない閾値配列が閾値マトリクスとして用いられてもよい(後述の第3の実施の形態において同様)。この場合、元画像に閾値マトリクス(閾値配列)をタイリングしつつ、元画像の各画素の画素値と対応する閾値マトリクスの要素の閾値とを比較することにより、網点画像が生成される。
印刷装置1では、印刷用紙9の移動に同期して、網点画像データに基づいてヘッド21の各モジュールに含まれる複数の吐出口からのインクの吐出が吐出制御部44により制御される(図5:ステップS13,S14)。これにより、印刷装置1が1つの吐出口列23(図2参照)のみを有する場合には、図12.Aおよび図12.Bに示すように、吐出口列23にて2つ置きに存在する吐出口231aが休止状態とされ、他の吐出口231は可動状態とされる。また、印刷装置1が複数の吐出口列24〜27を有する場合には、図17の上段に示すように、各吐出口列24〜27にて2つ置きに存在する吐出口241,251,261,271が休止状態とされ、他の吐出口241,251,261,271は可動状態とされる。そして、印刷用紙9上に網点画像の全体が印刷されると、印刷用紙9の移動が停止し、印刷装置1における印刷動作が終了する(ステップS15)。
以上に説明したように、印刷装置1では、画像データ生成部である演算部5aおよび本体制御部4が、元画像70の各画素行にインクの吐出の休止を示す休止画素702を含ませた後、最終的な元画像70aと閾値マトリクスとを比較することにより、印刷が行われている間、少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、幅方向において連続して休止状態とされる各休止吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、幅方向において連続して休止状態とされない各可動吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする最終的な網点画像データが生成される。これにより、印刷画像において、画質の低下を軽減しつつ吐出口間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制することが実現される。また、元画像70に含められる休止画素702が走査方向に対応する列方向に不連続とされることにより、印刷時に吐出口近傍のインクが硬化して吐出口が詰まることを抑制することができる。
また、本実施の形態においても、休止画素の配置が互いに異なる複数の網点画像が印刷用紙9上に印刷され(図15:ステップS31)、印刷用紙9上の複数の網点画像のうち所定の条件を満たすものを特定することにより、最終的な元画像70aを生成する際に用いられるマスク配列が生成されてもよい(ステップS32)。このように、元画像70に含められる休止画素の配置が印刷用紙9上に印刷された複数の網点画像に基づいて決定されることにより、吐出口間のクロストークによるムラの発生が抑制可能な好ましい網点画像データを生成することができる(後述の第3の実施の形態において同様)。
第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様に、各吐出口列にて休止状態の吐出口以外の他の吐出口からのインクの吐出量を増大することにより、印刷画像における濃度が増大されてもよい。また、休止画素を含む元画像の休止画素を除く画素の値を変更する、または、元画像と比較される閾値マトリクスの要素の値を変更することにより、最終的な網点画像の濃度が、元画像に休止画素を含ませない場合に生成される網点画像(すなわち、休止画素を含まず、かつ、値が変更されていない元画像、および、値が変更されていない閾値マトリクスから生成される網点画像)の濃度に近づけられてもよい。その結果、吐出口間のクロストークによるムラの発生を抑制しつつ、印刷画像の濃度を元画像に休止画素を含ませない場合における印刷画像の濃度に近づけることが可能となる。
また、この場合に、休止画素を含む元画像の休止画素を除く画素の値の変更、または、閾値マトリクスの要素の値の変更が、休止画素を含む元画像における画素記録率(ここでは、ステップS11aにて準備される元画像が、仮に最大の階調レベルにて一様である場合に取得される最終的な網点画像の全画素数に対するドット数の割合となる。)に基づく修正係数を用いて行われることにより、印刷画像(または網点画像)の濃度を元画像に休止画素を含ませない場合における印刷画像の濃度に近似させることが実現される。
図25は、第3の実施の形態に係る印刷装置1の機能構成の一部を示すブロック図であり、本体制御部4aにおける機能構成のみを示している。本実施の形態における本体制御部4aは、図4の本体制御部4と比較して、比較器43と吐出制御部44との間に、網点画像を記憶する網点画像記憶部46、および、網点画像に休止画素を含ませるマスク回路47が設けられる点で相違する。本体制御部4aにおける他の機能構成は図4と同様であり、同符号を付している。
次に、印刷装置1が印刷を行う動作の流れについて図5および図22を参照しつつ説明する。本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に図9の基礎マトリクス82(すなわち、休止要素を有していないマトリクス)が閾値マトリクスとしてマトリクス記憶部42に記憶されており、画像メモリ41に記憶される元画像と閾値マトリクスとを比較器43にて比較することにより網点画像が生成され、網点画像記憶部46にて記憶されて準備される(ステップS11a)。
本実施の形態では、実際には網点画像記憶部46は網点画像の一部の画素の画素値を一時的に記憶するメモリとされ(この場合も、網点画像記憶部46は実質的に網点画像を記憶するものと捉えられる。)、比較器43における網点画像の生成に並行して、網点画像の画素の画素値は網点画像記憶部46からマスク回路47に順次出力される。なお、マスク回路47に含まれるレジスタが網点画像記憶部46として捉えられてもよい。
そして、マスク配列を網点画像にタイリングした場合に網点画像においてマスク配列のマスク要素と重なる画素の画素値がインクの吐出のOFFを示す値に変換される(すなわち、当該画素が休止画素に置き換えられる。)。例えば、図10に示すマスク配列61が用いられる場合には、網点画像の各画素行において2つ置きに存在する画素が休止画素とされる。このようにして、網点画像の画素のうちマスク要素と重なるものを休止画素に変更することにより、実際の印刷に用いられる画像データである最終的な網点画像データが容易に生成される(ステップS12a)。
印刷装置1では、印刷用紙9の移動に同期して、網点画像データに従ってヘッド21の各モジュールに含まれる複数の吐出口からのインクの吐出が吐出制御部44により制御されることにより、印刷が行われている間、吐出口列にて2つ置きに存在する吐出口を休止状態とし、他の吐出口を可動状態としつつ、印刷用紙9上に画像が印刷される(図5:ステップS13〜S15)。
以上に説明したように、印刷装置1では、画像データ生成部であるマスク回路47が、網点画像の各画素行にインクの吐出の休止を示す休止画素を含ませることにより、印刷が行われている間、少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、幅方向において連続して休止状態とされる各休止吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、幅方向において連続して休止状態とされない各可動吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする最終的な網点画像データが生成される。これにより、印刷画像において、画質の低下を軽減しつつ吐出口間のクロストークによるムラの発生を容易に抑制することが実現される。
第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、各吐出口列において休止状態の吐出口以外の他の吐出口からのインクの吐出量を増大することにより、印刷画像における濃度が増大されてもよい。また、ステップS11aにおける網点画像の生成に用いられる元画像の画素の値を、休止画素を含む網点画像における画素記録率(ここでは、ステップS11aにて準備される網点画像において、仮に全ての画素にドットが置かれる場合に取得される最終的な網点画像の全画素数に対するドット数の割合となる。)に基づいて元の値から変更しておくことにより、最終的な網点画像の濃度を、元画像の画素の元の値を用いて生成されるとともに休止画素を含まない網点画像の濃度に近似させる、または、ステップS11aにおける網点画像の生成に用いられる閾値マトリクスの要素の値を画素記録率に基づいて元の値から変更しておくことにより、最終的な網点画像の濃度を、閾値マトリクスの要素の元の値を用いて生成されるとともに休止画素を含まない網点画像の濃度に近似させることも可能である。その結果、吐出口間のクロストークによるムラの発生を抑制しつつ、印刷画像の濃度を、元画像の画素の元の値および閾値マトリクスの要素の元の値から生成されるとともに休止画素を含まない網点画像のデータにて印刷を行う場合における印刷画像の濃度に近似させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
上記第1ないし第3の実施の形態では、閾値マトリクスの各要素行に休止要素を含ませることにより、または、元画像もしくは網点画像の各画素行に休止画素を含ませることにより、各画素行に休止画素を含む最終的な網点画像(すなわち、実際の印刷に用いられる網点画像)を生成して、印刷用紙9のヘッド21に対する相対移動に並行してヘッド21からのインクの吐出制御を行う際に、ヘッド21の少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて休止状態の吐出口を設定することが実現されるが、休止画素を含まない網点画像データを実際の印刷に用いられる画像データとし、吐出制御部44がヘッド21の各吐出口列に休止状態の吐出口を設定しつつインクの吐出制御が行われてもよい。この場合も、各吐出口列にて、幅方向において連続して休止状態とされる各休止吐出口群に含まれる吐出口の数が1以上所定数以下とされ、幅方向において連続して休止状態とされない各可動吐出口群に含まれる吐出口の数が1以上所定数以下とされることにより、印刷画像において画質の低下を軽減しつつ吐出口間のクロストークによるムラが発生することが容易に抑制される。また、このようにして休止状態の吐出口を設定する場合においても、各吐出口からのインクの吐出量が、休止状態の吐出口を設定しない場合よりも増大され、印刷画像の濃度が増大されることが好ましい。
印刷装置1では、図26に示すように、マスク要素612が列方向(図26中のy方向)に並ぶマスク配列61bを用いることも可能である。ただし、このようなマスク配列61bを用いる場合、実際の印刷に用いられる最終的な網点画像において、休止画素が列方向に連続してしまい、印刷時に吐出口近傍のインクが硬化して吐出口が詰まる場合がある。したがって、吐出口が詰まって印刷用紙9上に印刷される印刷画像の画質が低下することを抑制するには、図10に示すマスク配列61や、図18に示すマスク配列61aのように、マスク要素612が列方向に不連続とされることが好ましい。
マスク要素612は必ずしもマスク配列の各列に設定される必要はなく、図27に示すマスク配列61cのように、マスク要素612が存在しない列が設定されていてもよい。この場合、当該列に対応する吐出口は、印刷が行われている間、可動状態が維持されるが、印刷装置1では、幅方向において連続して休止状態とされない各可動吐出口群に含まれる吐出口が所定数以下とされる限り、印刷画像において吐出口間のクロストークによるムラが発生することは抑制される。また、マスク要素の配列が互いに異なる複数種類のマスク配列を用いて閾値マトリクスまたは元画像もしくは網点画像に休止要素または休止画素が含められてもよく、マスク要素がランダムに配置される(各行にてマスク要素の個数が異なっていてもよい。)マスク配列が用いられてもよい。
また、閾値マトリクスの各要素行に含められる休止要素の数は、当該要素行に含まれる要素数の1/2よりも多くされてもよい。ただし、印刷画像における濃度の低下を抑制するには、各要素行において休止要素の数は当該要素行に含まれる要素数の1/2以下(より好ましくは、1/3以下)とされることが好ましい。同様に、元画像または網点画像の各画素行に含められる休止画素の数は、当該画素行に含まれる画素数の1/2以下(より好ましくは、1/3以下)とされることが好ましい。この場合には、印刷が行われている間、各吐出口列にて可動状態とされる吐出口の数をAとし、休止状態とされる吐出口の数をBとして、(A≧B)の関係が満たされる。また、閾値マトリクスまたは元画像もしくは網点画像に設定される休止要素または休止画素の配置は、色成分毎に相違させてもよい。
印刷装置1では、各吐出口列にて180dpiに相当するピッチにて吐出口が配列されるが、通常、吐出口のピッチが小さくなるほど隣接する吐出口間で互いに大きな影響を与え合うため、吐出口間のクロストークによるムラの発生を抑制する上記手法は、各吐出口列にて100dpiに相当する0.25mm以下(1200dpiに相当する0.021mm以上)の微小なピッチにて吐出口が配列される印刷装置に特に適している。
印刷装置では、ヘッド21が印刷用紙9に対して主走査および副走査することにより、印刷が行われてもよい。例えば、幅方向に関して複数の吐出口が配列される幅が印刷用紙9の印刷領域よりも狭くされるとともに、ヘッド21を走査方向および幅方向に印刷用紙9に対して相対的に移動する走査機構が設けられる印刷装置では、ヘッド21がインクを吐出しつつ走査方向に移動(主走査)し、印刷用紙9の端部へと到達した後に幅方向に所定距離だけ移動(副走査)し、その後、インクを吐出しつつ走査方向の直前の主走査とは逆向きに移動する。このように、ヘッド21が印刷用紙9に対して走査方向に主走査するとともに、主走査が完了する毎に、幅方向に間欠的に副走査することにより、(いわゆる、マルチパス方式にて)印刷用紙9の全体に画像が印刷される。また、このような印刷動作において、一回の主走査にて各吐出口により(仮想的に)形成されるとともに走査方向に一列に並ぶ複数のドットをドット列として、幅方向に並ぶ複数のドット列において互いに隣接するドット列の間をヘッド21の他の主走査時に補間する手法(副走査方向に関するインタレース)が用いられてもよい。ただし、印刷用紙9に画像をより高速に印刷するには、ヘッド21の各モジュールに含まれる複数の吐出口が幅方向に関して印刷用紙9上の印刷領域の全体に亘って配列され、印刷用紙9がヘッド21の下方を1回通過するのみで(すなわち、ワンパス方式にて)印刷が完了することが好ましい。
ところで、マルチパス方式の印刷動作において、一回の主走査にて各吐出口により(仮想的に)形成される複数のドットの互いに隣接するドット間をヘッド21の他の主走査時に補間する手法(主走査方向に関するインタレース)が用いられる場合には、各吐出口におけるインクの時間的な吐出間隔が比較的長くなるため、印刷画像において吐出口間のクロストークによるムラの発生はある程度抑制される。しかしながら、ワンパス方式にて印刷用紙9上に画像を印刷する場合には、このような手法を用いることができない。したがって、印刷が行われている間、各吐出口列にて幅方向において連続して休止状態とされない各可動吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とすることにより、印刷画像において吐出口間のクロストークによるムラの発生を抑制する上記手法は、ワンパス方式にて印刷用紙9上に画像を印刷する印刷装置1に特に適しているといえる。
上記第1ないし第3の実施の形態では、2値の網点画像が生成されるが、印刷装置1では多値の網点画像が生成されてもよい。例えば、ヘッド21の各吐出口が異なる量の微小液滴を吐出して印刷用紙9上に複数サイズのドットの形成が可能とされる場合には、閾値マトリクスの各要素の閾値が、ドットのサイズの決定に利用される複数のサブ閾値の集合とされ、元画像の各画素の画素値が複数のサブ閾値と比較されることにより、各画素に0またはドットのサイズに対応付けられた値が付与された多値の網点画像が生成される。また、休止画素を有する多値の網点画像において濃度の増大を図る場合には、閾値マトリクスの要素の複数のサブ閾値のそれぞれに修正係数が乗じられる、または、元画像の画素の値に修正係数が乗じられる。
印刷装置の設計によっては、各吐出口の印刷用紙9上の吐出位置に対応する網点画像の画素値がインクの吐出のOFFを示す場合に、例えば、吐出口から微小液滴が吐出されない程度の微小な振動運動等の非描画時の動作が行われてもよい。この場合、休止状態とされる吐出口においても、同様に非描画時の動作が行われる。
図1の印刷装置1では、紙送り機構3が走査機構として印刷用紙9を走査方向に移動するが、ヘッド21を吐出口の配列方向に垂直な走査方向に移動する走査機構が設けられてもよい。すなわち、印刷用紙9のヘッド21に対する走査方向への移動は相対的なものであってよい。
上記第1ないし第3の実施の形態では、コンピュータ11および本体制御部4,4aにより、印刷装置1にて用いられる画像データを生成する画像データ生成装置としての役割が果たされるが、画像データ生成装置としての機能は必ずしも印刷装置1の本体12と一体的に設けられる必要はなく、本体12から独立して設けられる画像データ生成装置にて最終的な網点画像データが生成され、この網点画像データがヘッド21を有する本体に入力されて印刷用紙9上に画像が印刷されてもよい。
印刷装置1における印刷媒体は、印刷用紙9以外にフィルム等であってもよい。
第1の実施の形態に係る印刷装置の構成を示す図である。 吐出口列を示す図である。 コンピュータの構成を示す図である。 印刷装置の機能構成を示すブロック図である。 印刷装置が印刷を行う動作の流れを示す図である。 閾値マトリクスおよび元画像を抽象的に示す図である。 閾値マトリクスを生成する処理の流れを示す図である。 閾値配列を示す図である。 基礎マトリクスを示す図である。 マスク配列を示す図である。 閾値マトリクスを示す図である。 吐出口列を示す図である。 吐出口列を示す図である。 閾値マトリクスの他の例を示す図である。 吐出口列を示す図である。 吐出口列を示す図である。 閾値マトリクスを生成する処理の流れの一部を示す図である。 吐出口列を示す図である。 吐出口列を示す図である。 吐出口の配列を説明するための図である。 マスク配列の他の例を示す図である。 吐出口列を示す図である。 吐出口列を示す図である。 第2の実施の形態に係る印刷装置の機能構成の一部を示すブロック図である。 印刷装置が印刷を行う動作の流れの一部を示す図である。 元画像を示す図である。 最終的な元画像を示す図である。 第3の実施の形態に係る印刷装置の機能構成の一部を示すブロック図である。 マスク配列のさらに他の例を示す図である。 マスク配列のさらに他の例を示す図である。
符号の説明
1 印刷装置
3 紙送り機構
4,4a 本体制御部
5,5a 演算部
9 印刷用紙
11 コンピュータ
21 ヘッド
23〜27 吐出口列
42 マトリクス記憶部
43 比較器
44 吐出制御部
46 網点画像記憶部
47 マスク回路
52,52a マスク部
61,61a〜61c マスク配列
70,70a 元画像
81 閾値マトリクス
82 基礎マトリクス
104 画像メモリ
230,230a,230b 可動吐出口群
230c 休止吐出口群
231,231a,231b,241,241a,241b,251,251a,261,261a,271,271a 吐出口
612 マスク要素
700 画素行
701 画素
702 休止画素
810 要素行
811 要素
812 休止要素
S11〜S15,S31 ステップ

Claims (20)

  1. インクジェット方式の印刷装置にて用いられる画像データを生成する画像データ生成方法であって、
    前記印刷装置が、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドと、所定の走査方向へと前記印刷媒体を前記ヘッドに対して相対的に移動する走査機構とを備え、前記ヘッドにおいて、それぞれが複数の吐出口を前記走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されており、
    前記画像データ生成方法が、
    a)印刷時における前記複数の吐出口からのインクの吐出のON/OFFを示す網点画像を生成する際に多階調の元画像と比較される配列であって、前記幅方向に対応する行方向に並ぶ複数の要素である各要素行に、インクの吐出の休止を示す休止要素を含む閾値マトリクスを準備する工程と、
    b)前記閾値マトリクスと元画像とを比較することにより、印刷が行われている間、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする網点画像のデータを生成する工程と、
    を備えることを特徴とする画像データ生成方法。
  2. 請求項1に記載の画像データ生成方法であって、
    前記閾値マトリクスにおいて、前記休止要素が前記走査方向に対応する方向に不連続とされることを特徴とする画像データ生成方法。
  3. 請求項1または2に記載の画像データ生成方法であって、
    前記幅方向に対応する行方向および前記走査方向に対応する列方向に要素が配列されたマスク配列が準備されており、前記マスク配列の各行がマスク要素を含み、
    前記閾値マトリクスの元となる基礎マトリクスに前記マスク配列をタイリングした場合に、前記基礎マトリクスの要素のうち前記マスク要素と重なるものを休止要素に変更することにより、前記閾値マトリクスが生成されることを特徴とする画像データ生成方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、
    前記印刷装置にて休止要素の配置が互いに異なる複数の網点画像が印刷媒体上に印刷され、前記閾値マトリクスに含められる前記休止要素の配置が、前記印刷媒体上に印刷された前記複数の網点画像に基づいて決定されることを特徴とする画像データ生成方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、
    前記閾値マトリクスの前記各要素行において、前記休止要素の数が前記各要素行に含まれる要素数の1/2以下であることを特徴とする画像データ生成方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、
    前記休止要素を含む前記閾値マトリクスを用いて生成される前記網点画像の濃度が、休止要素を含まない閾値マトリクスを用いる場合に生成される網点画像の濃度に近づくように、前記休止要素を含む前記閾値マトリクスの前記休止要素を除く要素の値、または、前記元画像の画素の値が変更されることを特徴とする画像データ生成方法。
  7. インクジェット方式の印刷装置にて用いられる画像データを生成する画像データ生成方法であって、
    前記印刷装置が、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドと、所定の走査方向へと前記印刷媒体を前記ヘッドに対して相対的に移動する走査機構とを備え、前記ヘッドにおいて、それぞれが複数の吐出口を前記走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されており、
    前記画像データ生成方法が、
    a)印刷時における前記複数の吐出口からのインクの吐出のON/OFFを示す網点画像、または、網点画像を生成する際に閾値マトリクスと比較される多階調の元画像を準備する工程と、
    b)準備された前記網点画像または前記元画像において、前記幅方向に対応する行方向に並ぶ複数の画素である各画素行に、インクの吐出の休止を示す休止画素を含ませることにより、印刷が行われている間、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする最終的な網点画像のデータを生成する工程と、
    を備えることを特徴とする画像データ生成方法。
  8. 請求項7に記載の画像データ生成方法であって、
    前記網点画像または前記元画像に含められる前記休止画素が前記走査方向に対応する方向に不連続とされることを特徴とする画像データ生成方法。
  9. 請求項7または8に記載の画像データ生成方法であって、
    前記幅方向に対応する行方向および前記走査方向に対応する列方向に要素が配列されたマスク配列が準備されており、前記マスク配列の各行がマスク要素を含み、
    前記b)工程において、前記網点画像または前記元画像に前記マスク配列をタイリングした場合に、前記網点画像または前記元画像の画素のうち前記マスク要素と重なるものを休止画素に変更することにより、前記最終的な網点画像のデータが生成されることを特徴とする画像データ生成方法。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、
    前記b)工程の前に、前記印刷装置にて休止画素の配置が互いに異なる複数の網点画像を印刷媒体上に印刷する工程をさらに備え、
    前記b)工程において、前記網点画像または前記元画像に含められる前記休止画素の配置が、前記印刷媒体上に印刷された前記複数の網点画像に基づいて決定されることを特徴とする画像データ生成方法。
  11. 請求項7ないし10のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、
    前記網点画像または前記元画像において、前記各画素行に含められる前記休止画素の数が前記各画素行に含まれる画素数の1/2以下であることを特徴とする画像データ生成方法。
  12. 請求項7ないし11のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、
    前記a)工程において、前記元画像が準備され、
    前記最終的な網点画像の濃度が、前記元画像に休止画素を含ませない場合に生成される網点画像の濃度に近づくように、前記元画像の前記休止画素を除く画素の値、または、前記元画像と比較される前記閾値マトリクスの要素の値が変更されることを特徴とする画像データ生成方法。
  13. 請求項7ないし11のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、
    前記a)工程において、前記網点画像が準備され、
    前記網点画像の生成に用いられる元画像の画素の値が元の値から変更されている、または、前記網点画像の生成に用いられる閾値マトリクスの要素の値が元の値から変更されていることにより、前記最終的な網点画像の濃度が、前記元画像の画素の元の値および前記閾値マトリクスの要素の元の値から生成される網点画像の濃度に近似していることを特徴とする画像データ生成方法。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、
    前記印刷装置において、前記ヘッドに含まれる吐出口が前記幅方向に関して前記印刷媒体上の印刷領域の全体に亘って配列されることを特徴とする画像データ生成方法。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の画像データ生成方法であって、
    前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにおける吐出口のピッチが0.25ミリメートル以下であることを特徴とする画像データ生成方法。
  16. インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドを用いる印刷方法であって、
    前記ヘッドにおいて、それぞれが複数の吐出口を所定の走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されており、
    前記印刷方法が、
    a)前記ヘッドに対して、前記走査方向へと前記印刷媒体を相対的に移動する工程と、
    b)前記a)工程に並行して、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて休止状態の吐出口を設定しつつ前記ヘッドからのインクの吐出制御を行う工程と、
    を備え、
    前記b)工程において、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数が1以上所定数以下とされ、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数が1以上所定数以下とされることを特徴とする印刷方法。
  17. 請求項16に記載の印刷方法であって、
    前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにおいて、前記休止状態の吐出口を設定する場合における他の吐出口からのインクの吐出量が、前記休止状態の吐出口を設定しない場合よりも増大されることを特徴とする印刷方法。
  18. インクジェット方式の印刷装置にて用いられる画像データを生成する画像データ生成装置であって、
    前記印刷装置が、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドと、所定の走査方向へと前記印刷媒体を前記ヘッドに対して相対的に移動する走査機構とを備え、前記ヘッドにおいて、それぞれが複数の吐出口を前記走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されており、
    前記画像データ生成装置が、
    印刷時における前記複数の吐出口からのインクの吐出のON/OFFを示す網点画像を生成する際に多階調の元画像と比較される配列であって、前記幅方向に対応する行方向に並ぶ複数の要素である各要素行に、インクの吐出の休止を示す休止要素を含む閾値マトリクスを記憶する記憶部と、
    前記閾値マトリクスと元画像とを比較することにより、印刷が行われている間、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする網点画像のデータを生成する画像データ生成部と、
    を備えることを特徴とする画像データ生成装置。
  19. インクジェット方式の印刷装置にて用いられる画像データを生成する画像データ生成装置であって、
    前記印刷装置が、インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するヘッドと、所定の走査方向へと前記印刷媒体を前記ヘッドに対して相対的に移動する走査機構とを備え、前記ヘッドにおいて、それぞれが複数の吐出口を前記走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されており、
    前記画像データ生成装置が、
    印刷時における前記複数の吐出口からのインクの吐出のON/OFFを示す網点画像、または、網点画像を生成する際に閾値マトリクスと比較される多階調の元画像を記憶する記憶部と、
    記憶された前記網点画像または前記元画像において、前記幅方向に対応する行方向に並ぶ複数の画素である各画素行に、インクの吐出の休止を示す休止画素を含ませることにより、印刷が行われている間、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とし、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数を1以上所定数以下とする最終的な網点画像のデータを生成する画像データ生成部と、
    を備えることを特徴とする画像データ生成装置。
  20. インクジェット方式の印刷装置であって、
    インクの微小液滴を印刷媒体に向けて吐出するとともに、それぞれが複数の吐出口を所定の走査方向に垂直な幅方向に配列して有する少なくとも1つの吐出口列が前記走査方向に配列されたヘッドと、
    前記走査方向へと前記印刷媒体を前記ヘッドに対して相対的に移動する走査機構と、
    前記印刷媒体の前記ヘッドに対する相対移動に並行して、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて休止状態の吐出口を設定しつつ前記ヘッドからのインクの吐出制御を行う吐出制御部と、
    を備え、
    印刷が行われている間、前記少なくとも1つの吐出口列のそれぞれにて、前記幅方向において連続して休止状態とされる各吐出口群に含まれる吐出口の数が1以上所定数以下とされ、前記幅方向において連続して休止状態とされない各吐出口群に含まれる吐出口の数が1以上所定数以下とされることを特徴とする印刷装置。
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