JP5334158B2 - 窒化物半導体発光素子および窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体発光素子および窒化物半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物半導体発光素子および窒化物半導体発光素子の製造方法に関する。
従来の窒化物半導体発光素子は、サファイア、スピネル、ニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の絶縁性基板上に、窒化物半導体を積層成長させることにより製造されていた。しかしながら、たとえばサファイアを絶縁性基板に用いた場合、絶縁性基板の同一面側から2つの電極を取り出さなければならないため、チップサイズが大きくなってしまい、ウェハから多数のチップを得ることができないという問題と、サファイアは非常に硬くかつ劈開性がないため、チップ化するのに高度な技術を要するという問題とがあった。
上記のような問題から、絶縁性基板を用いた窒化物半導体発光素子ではチップの小型化は困難であった。そのため別の試みとして、たとえば炭化ケイ素、シリコン、酸化亜鉛、ガリウム砒素、ガリウムリン等の導電性基板の上に窒化物半導体を成長させる試みもなされているが、未だ上記問題を完全には解決できていないのが現状である。
このような問題を解決すべく、特許文献1には、窒化物半導体層をサファイア等の絶縁性基板に積層成長させつつも、最終的には導電性基板を有し、かつ当該導電性基板の上下から電極が取り出された窒化物半導体発光素子を製造する方法が開示されている。以下に、図10を参照しながら特許文献1に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法の一例を概略的に説明する。
まず、サファイア基板(図示せず)上に、ドナー不純物がドープされたAlXGa1-XN(0≦X≦1)からなる第一n型窒化物半導体層941と、InYGa1-YN(0<Y<1)からなる発光層942と、アクセプター不純物がドープされたAlXGa1-XN(0≦X≦1)からなるp型窒化物半導体層943とから構成される窒化物半導体層94の表面に、接着性向上のために銀ペーストからなる第一貼付金属層931を形成する。
上記で形成された窒化物半導体層94とは別に、導電性基板のp型GaAs基板911の表面に第二貼付金属層932を形成し、上記の第一貼付金属層931と上記第二貼付金属層932とを貼り合わせ、加熱により圧着して接合した後に、上記サファイア基板(図示せず)を研磨により除去して、窒化物半導体層94の第一n型窒化物半導体層941を露出させる。その後、当該第一n型窒化物半導体層941に第一電極98を形成し、p型GaAs基板911の表面に第二電極99を形成して、窒化物半導体発光素子のウェハを形成し、最後に、当該第二電極99および第一電極98が形成されたウェハを、p型GaAs基板911の劈開性を利用して、200μm角の発光チップに分離し図10のような構造の窒化物半導体発光素子91を得る。
特許文献1のように窒化物半導体発光素子を製造することによって、p型GaAs基板911の上下の両方向から電極を取り出すことができる構造であって、より小型化した窒化物半導体発光素子91を実現することが一応可能になった。
特許第3511970号公報 特許第3893874号公報
しかしながら、特許文献1に示される方法により製造された窒化物半導体発光素子91は、PN接合部がそのチップ端部において露出しているため、第一貼付金属層931および第二貼付金属層932に用いられる金属の一部がチップ端部からはみ出し、さらにはまわりこんでPN接合部をショートさせてしまい、歩留まりが悪くなるという問題があった。
また、上記p型GaAs基板911を貼り合わせる第一貼付金属層931および第二貼付金属層932に用いられる金属として銀ペーストを用いると、初期特性に問題がなくても長期間エイジングすることによりリーク電流が次第に増大し、光取り出し効率が次第に低下するという問題があった。このリーク電流が増大することの原因は、上述の第一貼付金属層931に用いられる銀ペーストの漏出によるものと推察される。
そこで、上記のような問題を解決するため特許文献2では、図11に示されるように導電性基板102上に、接合層103、p側オーミック層106、絶縁層105、p型窒化物半導体層1043、発光層1042、第一n型窒化物半導体層1041およびn側オーミック電極108をこの順に含む構造の窒化物半導体発光素子の製造方法が開示されている。
特許文献2に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法によれば、チップを分割する位置にp層側分割溝が設けられ、しかもPN接合部を絶縁層105で覆っていることから、チップ分割する際においてもPN接合部の端面リークの発生を防止することができる。しかしながら、この窒化物半導体発光素子の製造方法は、p層側分割溝を形成してから接合層103を加熱圧着により形成するため、p層側分割溝の側面に接合層の金属が付着し、光取り出し効率が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明は上述のような現状の課題を鑑みてなされたものであって、本発明の窒化物半導体発光素子は、PN接合部のショートや電流のリークがより低減され、光取り出し効率が高く、かつ製造歩留まりが高く、しかも信頼性の高い窒化物半導体発光素子およびその製造方法を提供することである。
すなわち、本発明の窒化物半導体発光素子は、導電性基板と接合層と窒化物半導体層とをこの順に含む窒化物半導体発光素子であって、上記接合層と上記窒化物半導体層との間にはさらに絶縁層を有し、上記絶縁層の表面内に、上記窒化物半導体層の上記接合層側の面の外周部が接していることを特徴とする。
また、絶縁層と上記窒化物半導体層との間にはさらに電極層を含み、上記絶縁層は、上記電極層の上記接合層側の表面の一部、上記電極層の側面および窒化物半導体層の電極層と接する側の面の外周部と接していることを特徴とする窒化物半導体発光素子である。
また、上記窒化物半導体層は、少なくとも、p型窒化物半導体層と、発光層と、第一n型窒化物半導体層とを導電性基板側からこの順に含むことを特徴とする。
また、上記窒化物半導体層は、少なくとも、第二n型窒化物半導体層と、p型窒化物半導体層と、発光層と、第一n型窒化物半導体層とを導電性基板側からこの順に含むことを特徴とする。
また、上記窒化物半導体層の外周は、絶縁層の外周よりも小さいことが好ましく、さらに導電性基板の外周よりも小さいことが好ましい。
また、上記絶縁層の厚さは、上記窒化物半導体層をエッチングにより除去して上記絶縁層を露出させる工程において、エッチングストップ層として耐える厚さであることが好ましい。
また、上記窒化物半導体層の側面は、テーパー形状であることが好ましい。
また、上記発光層に接する側とは反対側における上記第一n型窒化物半導体層の表面は、凹凸形状を有していることが好ましい。
また、上記電極層は、上記絶縁層と接する側の表面に上記絶縁層との密着性を保つための密着保護層を含むことが好ましい。
また、上記接合層は、第一貼付金属層と第二貼付金属層とを含み、該第二貼付金属層は、導電性基板とオーミックコンタクトになる第一オーミック層を含むことが好ましい。
また、上記接合層は、第一共晶接合層または第二共晶接合層のいずれか一方もしくは両方を含むことが好ましい。
また、上記接合層は、上記絶縁層と接する側の表面に上記絶縁層との密着性を保つための密着層を含むことが好ましい。
また、上記接合層は、メッキ下地層を含むことが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法は、第一基板上に第一n型窒化物半導体層と、発光層と、p型窒化物半導体層とをこの順に積層する工程(A)と、
上記p型窒化物半導体層の表面に、絶縁層を形成する工程(B)と、
上記絶縁層の一部を除去して、上記絶縁層と接する電極層の表面の一部を露出させる工程(C)と、
上記絶縁層の表面全体に、接合層と導電性基板とをこの順に積層する工程(D)と、
上記第一基板の一部または全部を除去する工程(E)と、
上記工程(A)〜(E)によって得られたチップを分割することにより複数の窒化物半導体発光素子を得る工程(F)とを含むことを特徴とする。
また、上記工程(A)と工程(B)との間に、第二n型窒化物半導体層を積層する工程(A1)を含むことが好ましい。
また、上記工程(B)を行なう前に、電極層を積層する工程(G)を行なうことが好ましい。
また、上記工程(E)と工程(F)との間に、絶縁層を露出させるように窒化物半導体層を除去し、チップ分割溝を形成する工程(H)を含むことが好ましい。
また、上記工程(E)と工程(H)との間に、第一n型窒化物半導体層の一部を除去する工程(J)を含むことが好ましい。
また、上記工程(F)を行なう前に、第一n型窒化物半導体層の一部を除去し、上記第一n型窒化物半導体層に表面凹凸を形成する工程(I)を含むことが好ましい。
また、上記工程(E)において、上記第一基板の一部または全部の除去は、レーザ光の照射により行なうことが好ましい。
また、上記工程(F)において、チップを分割する位置は、上記チップ分割溝のいずれかの位置であることが好ましい。
また、上記工程(I)において、上記第一n型窒化物半導体層の表面凹凸は、エッチングにより形成されることが好ましい。
また、上記工程(H)において、絶縁層はエッチングストップ層として働くことが好ましい。
また、上記工程(D)において、上記導電性基板の積層は、上記接合層に含まれる第一共晶接合層と、上記導電性基板上に形成された第二共晶接合層とを接合することにより行なわれることが好ましい。
また、上記工程(D)において、上記導電性基板の積層は、メッキ法により行なうことが好ましい。
また、上記工程(C)において、上記電極層は、エッチングストップ層として機能することが好ましい。
本発明の窒化物半導体発光素子およびその製造方法によれば、窒化物半導体発光素子の光取り出し効率が高く、基板貼付け工程および剥離工程における製造歩留まりが高く、しかも信頼性の高い窒化物半導体発光素子およびその製造方法を提供することができる。すなわち、本発明の窒化物半導体発光素子は、チップ分割領域に窒化物半導体層が無いため、窒化物半導体発光素子のウェハをチップ化する工程等において、金属の周り込み等によるリーク電流の発生源の生成を低減でき、歩留まりを向上させることができる。また、長期の通電や大電流を流した場合でも劣化が少なく、信頼性の高い窒化物半導体発光素子を提供することができる。
以下、実施の形態1および2を示して本発明を詳細に説明する。
(実施の形態1:窒化物半導体発光素子)
図1は、本発明の好ましい実施の形態1の窒化物半導体発光素子1の概略断面図である。図1に示されるように、実施の形態1の窒化物半導体発光素子1は、第二電極9と、導電性基板2と、接合層3と、絶縁層5と、電極層6と、電流阻止層7と、p型窒化物半導体層43,44と、発光層42と、第一n型窒化物半導体層41と、第一電極8とをこの順で含むことを特徴としている。また、上記絶縁層5は、電極層6の接合層3側の表面の一部と電極層6の側面全面と、接合層3の側におけるp型窒化物半導体層44の外周部と接していることを特徴とする。
本発明の窒化物半導体発光素子1の特徴は、図1に示されるように、絶縁層5の表面内にp型窒化物半導体層44の面の外周部が接していることであり、このような構造をとることによって、絶縁層5の面の外周部が窒化物半導体発光素子1のチップ端部となり、チップ分割した後でも、端面リークが発生せず歩留まりを向上させることができる。また、長期の通電においてもPN接合部での金属の周り込みが認められず、信頼性の高い窒化物半導体発光素子1を提供することができる。以下に窒化物半導体発光素子1の各層について図1を参照しつつ説明する。
<導電性基板>
本発明の窒化物半導体発光素子1に含まれる導電性基板2は、たとえば、金属、合金、Si、GaP、GaAs、SiC、導電性ダイヤモンド等の材料を用いることが好ましい。
<接合層>
本発明の窒化物半導体発光素子1に含まれる接合層3は、導電性基板2と接しており、絶縁層5からみて、p型窒化物半導体層43、44とは反対側に位置している層である。この接合層3によって、導電性基板2と窒化物半導体層4とを接着する。
本発明の窒化物半導体発光素子1に含まれる接合層3は、第一貼付金属層31と、第二貼付金属層32とからなる層である。ここで、本発明の窒化物半導体発光素子1に含まれる第一貼付金属層31は、絶縁層5の上下の2面のうち窒化物半導体層4が形成されている面とは反対側の面に形成される層であって、密着層33、第一拡散防止層34および第一共晶接合層35を含む層である。また、第二貼付金属層32は、導電性基板2の一面に形成される層であって、第二共晶接合層36、第二拡散防止層37および第一オーミック層38を含む層である。
本発明の窒化物半導体発光素子1は、第一貼付金属層31と第二貼付金属層32とを貼り付けるによって、窒化物半導体ウエハを得るという共晶接合の貼付工程を有している。この共晶接合の貼付工程は、第一共晶接合層35と第二共晶接合層36とを接して、加熱圧着することによって行なう。以下に第一貼付金属層31および第二貼付金属層32に含まれる各層について詳細に説明する。
(i)密着層
本発明の第一貼付金属層31に含まれる密着層33は、第一共晶接合層35または第一拡散防止層34と、絶縁層5との密着強度をよくするための層である。第一共晶接合層35および第一拡散防止層34に用いられる金属の種類によっては、絶縁層5と密着しにくい場合があり、このような場合に絶縁層5表面で膜剥がれが起こり、結果として窒化物半導体発光素子の信頼性が悪くなる場合があった。しかしながら、本発明のように密着層33を設けることによって、絶縁層5と第一貼付金属層31との密着性を向上することができるようになることから上記の問題を効果的に防止でき、より信頼性の高い窒化物半導体発光素子を提供することができるようになった。
この密着層33に用いられる金属または合金には、たとえば、NiTi、Ti、Ni、W、TiW、Pt、Mo、Nb、Ta等を好ましく用いることができる。なお、この密着層33は、単層構造に限られるものではなく、多層構造であってもよい。また、密着層の厚さは、特に制限されるものではなく、当該分野において通常用いられている厚さを採用することができ、たとえば5〜500nm程度の厚さにすることができる。
(ii)第一拡散防止層
本発明の第一貼付金属層31に含まれる第一拡散防止層34は、金属の拡散を防止するための層である。この層を設けることによって、電極層6に含まれる金属が密着層33内の金属に拡散して接合強度の低下を防止できる他、密着層33に含まれる金属が電極層6に含まれる反射層61に拡散することによる反射層61の反射率の低下も防ぐことができる。さらに、第一拡散防止層34を設けることによって窒化物半導体層4に金属が拡散して素子特性が低下することをも防ぐことができ、窒化物半導体発光素子の信頼性をより高めることもできる。
ここで、第一拡散防止層34に用いられる金属または合金としては、従来公知のものを採用することができ、たとえば、Ti、Ni、W、Mo、Nb、Ta、NiTi、Pt等からなる群より選択された少なくとも一種を用いることができる。また、この第一拡散防止層34の厚さは、特に制限されるものではなく、当該分野において通常用いられている厚さを採用することができ、たとえば50〜500nm程度とすることができる。
(iii)第一共晶接合層
本発明の第一貼付金属層31に含まれる第一共晶接合層35は、導電性基板2と窒化物半導体層4との接着強度を保つための層である。第一共晶接合層35を設けることによって、より信頼性の高い窒化物半導体発光素子を提供することができる。
ここで、第一共晶接合層35に用いられる材料としては、共晶接合金属を含む、金属または合金であれば、従来公知のものを採用することができ、たとえば、Au、AuSn、AuGe、AuSi、AgとPdとCuとの合金等を好適に用いることができる。なお、この第一共晶接合層35は、単層構造に限られるものではなく、多層構造であってもよく、多層構造の場合の例を挙げるとすれば、たとえばAu層とAuSn層との2層構造を挙げることができる。共晶接合層の厚さは、特に制限されるものではなく、当該分野において通常用いられている厚さを採用することができ、たとえば50〜3000nm程度とすることができる。
(iv)第二共晶接合層
本発明の第二貼付金属層32に含まれる第二共晶接合層36は、導電性基板2と窒化物半導体層4との接着強度を保つための層であって、上述した第一共晶接合層35の面と貼り合わせられる層である。この第二共晶接合層36に用いられる材料、層構造、層厚は、上述した第一共晶接合層35に用いられる材料、層構造、層厚と同一のものを適宜選択することができる。
(v)第二拡散防止層
本発明の第二貼付金属層32に含まれる第二拡散防止層37は、第一拡散防止層34と同一の目的で設けられる層であり、この第二拡散防止層37に用いられる材料、層構造、層厚は、上述した第一拡散防止層34に用いられる材料、層構造、層厚と同一のものを適宜選択することができる。
(vi)第一オーミック層
本発明の第二貼付金属層32に含まれる第一オーミック層38は、導電性基板2と接合層3とがオーミックコンタクトになる層であって、窒化物半導体発光素子の駆動電圧を低減するための層である。この第一オーミック層38に用いられる材料としては金属、合金または導電性酸化物であれば従来公知のものを採用することができ、たとえば、Ti、Au、Al、またはこれらの合金、ITO等を用いることができる。
なお、この第一オーミック層38は単層構造に限られるものではなく、多層構造であってもよく、多層構造の場合の例として、たとえばTi層とAu層との2層構造を挙げることができる。この第一オーミック層38の厚さは、特に制限されるものではなく、当該分野において通常用いられている厚さを採用することができ、たとえば1〜5000nm程度とすることができる。
<絶縁層>
本発明の窒化物半導体発光素子1に含まれる絶縁層5は、接合層3と窒化物半導体層4との間に位置する層である。本発明の窒化物半導体発光素子は、絶縁層5の表面内にp型窒化物半導体層44の外周部が接し、絶縁層5の外周部が窒化物半導体発光素子のチップ端部となっていることを特徴とする。
従来の窒化物半導体発光素子においては、窒化物半導体層4の外周部が絶縁層5の表面内に接しておらず、電極層6が端面領域まで形成されていた。このため窒化物半導体層4をドライエッチングして後述するチップ分割溝13を形成するときに、エッチングが電極層6まで進み、電極層6に用いられている金属が飛び散ってPN接合部に付着し端面リークが起こるという問題があった。しかしながら、本発明のように絶縁層5の外周部が窒化物半導体発光素子1のチップ端部となっていれば、チップ分割溝13を形成する際に電極層6がエッチングされることがなく、端面リークが起こることを効果的に防止することができる。
さらに、電極層6と接合層3との間に絶縁層5が設けられていない場合、製造工程中で熱が加わったとき、もしくは長期間のエイジングをしたときに電極層6に含まれる反射層61の金属が接合層3に拡散して、反射層61の反射率を低下させてしまい、光取り出し効率が低下するという問題があった。しかしながら、本発明の構造のように電極層6と接合層3との間に絶縁層5を設けることによって、電極層6の材料と接合層3の材料とが互いに拡散することを防止できることから、光取り出し効率を低下しにくくすることができる。
また、p型窒化物半導体層44と絶縁層5との接する面積について、p型窒化物半導体層44の表面のうちの絶縁層5と接する側の面に対し、p型窒化物半導体層44と絶縁層5とが接する面積は1〜50%であることが好ましく、1〜20%であることがより好ましい。当該面積が50%より大きい場合、絶縁層5とp型窒化物半導体層44とが接している領域には電流が注入されにくいため電流の流れる部分の面積が狭くなり、もって発光効率が低下する虞があるため好ましくない。また、当該面積が1%未満になると、後述するp型窒化物半導体層44表面全体に形成された絶縁層5をエッチング等により一部除去する工程において、アライメント不良が発生して歩留まりが低下する傾向にあるため好ましくない。
ここで、絶縁層5に用いられる材料としては、絶縁性を有するものであればどのようなものでもよく、たとえばSiO2、SiN、Si34、HfO2、TiO2、Al23、HfLaO、HfAlO、LaAlO等を好ましく用いることができる。また、製膜の制御がしやすいという観点から、SiO2やSiNが特に好ましく用いられる。
また、絶縁層5の厚さは、窒化物半導体層4をエッチングにより除去して絶縁層5を露出させる工程においてエッチングストップ層として耐える程度の厚さであることが好ましい。しかしながら、このエッチングストップ層として耐える程度の厚さは材料によって異なることから、この膜厚の範囲を明確に規定することが困難である。そこで、たとえばSiO2を絶縁層の材料に用いた場合の膜厚の範囲を規定すると、層厚は0.1〜3μmの範囲であることが好ましい。また、絶縁層5は単層に限られるものではなく多層構造であってもよい。
ここで、「エッチングストップ層として耐える程度の厚さ」についてより具体的に説明すると、たとえば厚さ6μmのGaNからなる窒化物半導体層4は層厚のバラつきが5.8〜6.2μmの範囲にあることから、塩素系のガスを用いて窒化物半導体層4をドライエッチングしてチップ分割溝13を形成する場合、窒化物半導体層4の残存を完全になくするために6.2μmの厚さをエッチングにより除去しなければならない。このとき窒化物半導体層の最小膜厚の部分は0.4μm程度が余分にエッチングされることとなる。ところで、この窒化物半導体層の下層にSiO2からなる絶縁層5に用いる場合、SiO2のエッチングレートはGaNのエッチングレートと比べて1/6〜1/4程度であることから、仮にこのエッチングレートが1/4とすると、上記のように窒化物半導体層が厚さ0.4μm程度余分にエッチングされるとき、絶縁層5に換算すると厚さ0.1μmのSiOが除去されることとなる。したがって、絶縁層5にSiO2を用いる場合エッチングストップ層として耐える厚さであるためには少なくとも0.1μmの厚さが必要とされる。
ここで、SiO2からなる絶縁層5の層厚が0.1μm未満であれば、絶縁層の下の第一貼付金属層31に用いられる金属がエッチングによって飛び散りPN接合部に貼りつき端面リークを生じさせることから好ましくない。また、絶縁層5の層厚が3μmよりも厚くなると材料コストがかかりすぎるという問題と、放熱性が低下するという問題とが生じることから好ましくない。
<電極層>
本発明の窒化物半導体発光素子1に含まれる電極層6は、図1に示されるように、絶縁層5からみて、p型窒化物半導体層44側に位置しており、反射層61および密着保護層62のうち少なくとも一層を含む層である。以下に、反射層61と密着保護層62について説明する。
(i)反射層
本発明の電極層6に含まれる反射層61は、発光層42の主たる発光波長に対して高反射率を有する層である。この層を設けることによって、窒化物半導体発光素子1の光取り出し効率を向上させることができる。すなわち、発光層42から放射した光は、第一n型窒化物半導体層41を通って窒化物半導体層4の外部に直接取り出される光と、一旦電極層6側に放射されて当該反射層61によって反射された後に外部に取り出される光とがあり、これらの光の合計を高くすることで光取り出し効率を向上できることから、この反射層61を高反射率にすることによっても、光取り出し効率を向上させることができる。なお、「高反射率を有する」とは、窒化物半導体発光素子の主たる発光波長に対して、70〜100%程度の反射率を有することを意味する。また、反射層は、金属または合金の単層構造または多層構造からなる。
ここで、窒化物半導体発光素子の主たる発光波長に対して高反射率を有する金属または合金としては、たとえばAg、AgNd、AgPd、AgCu、Al、AgBi、APC(Ag、Pd、Cuの合金)等を挙げることができ、主たる発光波長450nmの光に対して反射率が約90%程度の高い反射率を有する材料という点から、AgNd、Ag、AgBiおよびAPCを特に好ましく用いることができる。
反射層61の厚さは、特に制限されるものではなく、当該分野において通常用いられている厚さを採用することができ、たとえば50〜1000nm程度とすることができる。
(ii)密着保護層
本発明の電極層6に含まれる密着保護層62は、p型窒化物半導体層43、44とオーミックコンタクトになる金属、合金または導電性酸化物を含む層である。この密着保護層62を設けることにより、電極層6とp型窒化物半導体層44とがオーミック接合になり、もって窒化物半導体発光素子1の駆動電圧を低減することができる。また、この密着保護層62は、単層構造に限られるものではなく、多層構造をとることもできる。
ここで、密着保護層62に用いられる材料としては、従来より公知の金属、合金または導電性酸化物を採用することができ、たとえば、Ag、AgNd、AgPd、AgCu、Al、AgBi、APC(Ag、Pd、Cuの合金)、ITO、IZO、酸化インジウム、酸化亜鉛、透明導電膜、Pd、Ni、Mo、Au、Fe、Cu、Zn、Mg、Ti、W、Ta等から選択された少なくとも一種を用いることができる。
この密着保護層62の厚さは、上記材料の反射率や透過率によって最適な厚さが異なるため、具体的な数値によってその範囲を特定することは困難であるが、あえてこの密着保護層62の厚さの範囲を規定するならば、0.5〜5000nmの厚さとすることができる。たとえば反射率が低く、かつ透過率も低い材料を用いる場合、その層厚は0.5〜10nm程度であることが好ましい。一方、ITOのように反射率が低いが透過率が高い材料を用いる場合、その層厚は10〜5000nm程度であることが好ましい。また、反射率が高い材料を用いる場合、厚さは特に制限されない。なお、反射層61が密着保護層62の役目も兼ねることもある。
<電流阻止層>
本発明の窒化物半導体発光素子1は、p型窒化物半導体層43,44の、発光層42側とは反対側の面上であって、第一電極8が設置される位置の概略真下に当たる位置に電流阻止層7が形成されている。この位置に電流阻止層7を設けることによって、効率的に発光領域に電流を注入でき、高発光効率の発光素子を得ることができる。
すなわち、窒化物半導体発光素子の構造において、たとえば第一電極8に不透明な厚膜金属層等を用いた場合には、たとえ第一電極8の真下で発光層42で光が発光していてもその部分からは光を取り出すことができず、その光の損失になってしまう。しかしながら、第一電極8の真下付近に電流阻止層7を設ければ、第一電極8の設置位置真下付近では発光層42の発光が起こらなくなるため、光の損失をなくすことができ、より高発光効率の発光素子を得ることができる。なお、電流阻止層7に用いられる材料としては、たとえばTi、SiO2等のように従来公知の材料を用いることもできるし、p型窒化物半導体層44表面の一部をプラズマ処理により高抵抗化する手法によって形成することもできる。
また、本発明の窒化物半導体発光素子は接合層3と電極層6との導通をとるために、絶縁層5の中心付近に穴を形成しているが、この穴を通じて電極層6に含まれる金属が接合層3内に拡散し、電極層6の反射層61の反射率が低下し、もって光取り出し効率が低下するという問題がある。しかしながら、本発明のように絶縁層5の中心付近の穴の真上に電流阻止層7を設けることによって、反射層61の反射率が金属拡散して反射層61の反射率が低下したとしても、電流阻止層7の真下の領域が発光しなくなることから、光取り出し効率の低下を防ぐことができる。
上記の絶縁層5の中心付近に形成される穴は、電流阻止層7が形成されている領域の内部に収めることが好ましい。接合層3と電極層6とが接する領域で、接合層3の金属が電極層6に拡散して電極層6の反射層61の反射率が低下したとしても、この部分が電流阻止層7であれば、発光しないため反射率が低下すること自体が問題とならず、光取り出し効率を低下させることはないからである。
<第二n型窒化物半導体層>
本発明の窒化物半導体発光素子1のp型窒化物半導体層44と絶縁層5との間に、第二n型窒化物半導体層(図示せず)を設けることもできる。この層は電流拡散層としての役目を果たすことから、この層を設けることによって、窒化物半導体発光素子1に電極層6を設けなくてもよいというメリットがある。
すなわち、従来から広く知られているようにp型窒化物半導体層43,44は比抵抗が非常に高いことから、p型窒化物半導体層43,44に電流が注入された場合に、p型窒化物半導体層内で電流が横方向に電流が広がらず、縦方向に流れるのみであるため電極層6の形成領域内の真上付近の発光層42にのみ電流が流れ、発光層42の領域全面を発光させることができなかった。
しかし、このp型窒化物半導体層の下に第二n型窒化物半導体層を設ければ、n型窒化物半導体は比抵抗が比較的低いことから、第二n型窒化物半導体層内の横方向にも電流を広げることができ、もって第二n型窒化物半導体層が形成されている面積の全面にわたって電流が流れ、より広い範囲で発光層42に電流を注入することができる。また、この第二n型窒化物半導体層に用いられる材料としては、n型GaNを用いることができる。また、この層の厚さは特に限定されるものではなく、たとえば、5〜1000nmとすることができる。
<p型窒化物半導体層>
本発明の窒化物半導体発光素子1に含まれるp型窒化物半導体層43,44は、p型AlGaN層とp型GaN層とからなる層である。これらp型AlGaN層とp型GaN層との厚さは特に限定されるものではなく、たとえば、それぞれ10〜100nm、50〜1000nmとすることができる。
<発光層>
本発明の窒化物半導体発光素子1に含まれる発光層42は、GaNからなるバリア層とInqGa1-qN(0<q<1)からなるウェル層とを含む層である。これらバリア層とウェル層の厚さは特に限定されるものではなく、たとえば、それぞれ3〜30nm、0.5〜5nmとすることができる。
<第一n型窒化物半導体層>
本発明の窒化物半導体発光素子1に含まれる第一n型窒化物半導体層41は、n型GaNからなる層であって、光取り出し面を有する層である。ここで、光取り出し面とは、第一n型窒化物半導体層41の側面以外の面のうち発光層42と接する側の面とは反対側の面のことをいう。
この第一n型窒化物半導体層の光取り出し面には凹凸形状を有していることが好ましい。この凹凸形状は、規則性を有していてもよくランダムであってもよいが、規則性を有する場合、たとえばピッチは100〜5000nm程度、深さは0.2〜10μm程度の凹凸であることが好ましい。
このように第一n型窒化物半導体層41の光取り出し面に表面凹凸を形成することによって、窒化物半導体層4の内部での多重反射による光取り出し効率の低下を効果的に防止することができ、もって光取り出し効率をより向上させることができる。また、従来の窒化物半導体発光素子のように、光取り出し面がp型窒化物半導体層である場合、層厚が100〜800nm程度であるため、上記のような大きさのピッチを有する凹凸を形成しにくいという問題があった。しかしながら、本発明の窒化物半導体発光素子1は第一n型窒化物半導体層41が光取り出し面であることから、その層厚は数μm程度であるため、このような表面凹凸を形成しやすいという利点がある。
また、この表面凹凸はドライエッチングやウェットエッチングでパターニングすることによって形成することができる他、レーザ光照射、研磨等によっても形成することができる。また、第一n型窒化物半導体層41の第一基板10に接していた側の表面は、上記の挙げた方法によらなくても自然形成的に表面凹凸を形成することができる。また、本発明の窒化物半導体発光素子1は、チップ分割溝13のテーパー形状の部分にも凹凸が形成される結晶面が露出しており、この部分にも凹凸を形成することによって、さらに光取り出し効率を向上させることができる。
なお、上記の方法以外の凹凸形成による光取り出し効率を向上させる方法として、第一基板をレーザ光により除去する際に当該第一基板の一部を残すことによって、第一n型窒化物半導体層41に表面凹凸形状を形成するという方法もある。この方法によれば、数十μm程度の深さを有する凹凸形状を形成することも可能となる。
上記第一n型窒化物半導体層41、発光層42、p型窒化物半導体層43,44および第二n型窒化物半導体層に用いられる材料の組成は、上記記載に限られるものではなく、たとえばAlInGaNを用いることもできる。また、第一n型窒化物半導体層41の厚さは特に限定されるものではなく、たとえば、2〜10μmとすることができる。
<チップ分割溝>
本発明は窒化物半導体発光素子1はチップを分割するときのために、チップ分割溝13を有する。つまり、窒化物半導体層4の端面と絶縁層5、接合層3および導電性基板2の端面とは同一平面内に存在せずに、窒化物半導体層4の端面のみが窒化物半導体発光素子の内側にあるという構造になっている。さらに言えば、窒化物半導体層4の外周が、絶縁層5の外周よりも小さくなっており、さらに導電性基板2の外周よりも小さくなっている。このような構造にすることによって、PN接合部でショートするという不具合を防止することができる。
この窒化物半導体層4の外周と絶縁層5等の外周との距離は3〜30μmであることが好ましい。この距離が3μm未満であるとレーザスクライブによってチップを分割するときのわずかなアライメントズレによって、PN接合部を焦がしてしまうため好ましくない。また、この距離が30μmよりも大きい場合、発光する部分の面積自体が狭くなってしまうことから、発光効率の低下が起こるため好ましくない。
<第一電極および第二電極>
本発明の窒化物半導体発光素子1に含まれる第一電極8および第二電極9は、図1に示されるように、第一n型窒化物半導体層41上に形成された外部接続用の第一電極8と、導電性基板2の接合層3側とは反対側の面に形成された外部接続用の第二電極9とを有する。
このように、本実施の形態の窒化物半導体発光素子1は、絶縁層5が当該素子の中に設けられているにもかかわらず、チップの上下から電極を取り出すことを可能としている。このようにチップの上下面に外部接続用電極を形成することにより、チップの小型化が可能となるばかりか実装時のチップの取り扱いが容易となり、もって実装歩留まりを向上させることができる。
第一電極8および第二電極9に用いられる材料としては、従来公知のものを採用することができ、たとえばTiやAl等を用いることができる。また、第一電極8および第二電極9は、単層構造に限られるものではなく、多層構造をとることもできる。また、第一電極8の層厚は、良好なワイヤボンド性を得るという観点から、200〜5000nmであることが好ましく、第二電極9の層厚は、全体として膜が形成されていれば電極としての性能を果たすことから、第一電極8と比べて比較的薄い層厚であってもよく、100〜5000nm程度の厚さであることが好ましい。
<窒化物半導体層の側面>
また、図1に示されるように、本実施の形態の窒化物半導体層4に含まれるp型窒化物半導体層43、44、発光層42および第一n型窒化物半導体層41の側面は、いずれも素子端部近傍においてテーパー構造である。すなわち、第一n型窒化物半導体層41からp型窒化物半導体層44に向かって、各層の面積が次第に大きくなる構造である。
また、第一n型窒化物半導体層41に設けられた凹凸形状は、窒化物半導体層4のテーパー構造部分にも形成されることが好ましい。このように窒化物半導体層4の側面に凹凸形状を有する構造とすることにより、素子端部における光取り出し効率を向上させることができる。
<窒化物半導体発光素子の製造方法>
次に、図2〜7を参照しながら、上記実施の形態1の窒化物半導体発光素子1の好ましい製造方法を実施の形態1−1〜1−6によって詳細に説明する。図2〜7は、本発明の製造方法の好ましい一例を示す概略工程を断面図である。
(実施の形態1−1)
実施の形態1−1によって製造される窒化物半導体発光素子1は、
第一基板上に第一n型窒化物半導体層と、発光層と、p型窒化物半導体層とをこの順に積層する工程(以下、「工程(A)」という)と、
上記p型窒化物半導体層の表面に、絶縁層を形成する工程(以下、「工程(B)」という)と、
上記絶縁層の一部を除去して、該絶縁層と接する電極層の表面の一部を露出させる工程(以下、「工程(C)」という)と、
上記絶縁層の表面全体に、接合層と導電性基板とをこの順に積層する工程(以下、「工程(D)」という)と、
上記第一基板の一部または全部を剥離する工程(以下、「工程(E)」という)と、
上記(A)〜(E)によって得られたチップを分割することにより複数の窒化物半導体発光素子を得る工程(以下、「工程(F)」という)と
を含むことを特徴とする。
以下に各工程(A)〜(F)について詳細に説明する。
<工程(A)>
まず、本実施の形態の窒化物半導体発光素子の製造工程における工程(A)は、図2に示されるように、第一基板10にサファイア基板を用いてこの第一基板10上に、当該分野において通常用いられる手段により、AlrGa1-rN(0≦r≦1)からなるバッファ層12を形成し、その後にn型GaN層である第一n型窒化物半導体層41、GaNからなるバリア層およびInqGa1-qN(0<q<1)からなるウェル層を含む発光層42、p型AlGaN層およびp型GaN層からなるp型窒化物半導体層43、44をこの順に成長させる工程である。
<工程(B)>
次に、工程(B)は、図3に示されるように、上述の工程(A)によって形成されたp型窒化物半導体層44の表面上に絶縁層5を全面、もしくは電極層6がある場合は電極層6の表面全面および電極層6の側面全面およびp型窒化物半導体層44表面のうち電極層6が形成されていない部分に形成する工程である。
本発明の窒化物半導体発光素子1において絶縁層5がこの位置に形成されなければ、窒化物半導体層4をドライエッチングしてチップ分割溝13を形成する際に、ドライエッチングによって接合層3に用いられている金属が飛び散って、PN接合部に付着し端面リークが起こるという問題がある。しかしながら、本発明のように接合層3と窒化物半導体層4との間に絶縁層5を設けることによって、この絶縁層5がエッチングストップ層として働くことからエッチング時において接合層3の露出を防ぐことができ、もって接合層3の金属が飛び散りPN接合部に付着して端面リークが生じることを効果的に防止することができる。
<工程(C)>
次に、工程(C)は、図3に示されるように、電極層6の表面に形成された絶縁層5の一部をエッチングにより除去して、絶縁層5に接する電極層6の表面の一部を露出させる工程である。
電極層6の表面の一部を露出させる方法としては、たとえばフォトレジストマスクを用いたエッチングであれば、ウェットエッチング、ドライエッチングのいずれをも採用することができる。ただし、その下にある電極層6をエッチングストップ層として機能させるという観点から、ウェットエッチングを行なう場合のエッチング液はフッ酸系のエッチング液を用いることが好ましく、ドライエッチングを行なう場合の反応ガスはフッ素系のガスを用いることが好ましい。
<工程(D)>
次に、工程(D)は、図4(b)に示されるように、絶縁層5上および露出した電極層6上に、接合層3および導電性基板2をこの順に積層する工程である。本工程(D)においては、まず図4(b)に示されるように、絶縁層5および露出した電極層6上に、第一貼付金属層31に含まれる、密着層33、第一拡散防止層34および第一共晶接合層35をこの順でスパッタや蒸着により形成する。他方、図4(a)に示されるように、たとえばSi基板のような導電性基板2上に、当該分野において通常用いられる手段により、第二貼付金属層32に含まれる、第一オーミック層38、第二拡散防止層37および第二共晶接合層36を形成した後、第一共晶接合層35と第二共晶接合層36とを接して、減圧雰囲気下、加熱圧着することにより接合して接合層3を形成する。この接合するときの減圧度は10Pa以下であることが好ましい。このように減圧雰囲気下にすることにより、ボイドの発生を抑制することができる。
また、接合時の温度は、たとえばAu層とAuSn層とを接合させる場合、280〜400℃であることが好ましく、密着性を高めるという観点から300〜350℃であることがより好ましい。接合圧力は10〜300N/cm2とすることができる。
なお、当該導電性基板2上への第二共晶接合層36の形成は、上記第一共晶接合層35の形成が完了する前のいずれのタイミングで行なわれてもよく、上記第一共晶接合層35の形成が完了と同時または後に行なわれてもよい。
<工程(E)>
次に、工程(E)は、図5に示されるように、第一基板10の窒化物半導体層4が形成されていない側から、たとえば355nmや266nmのレーザ光Pを照射することにより、バッファ層の全部または大部分および第一n型窒化物半導体層41の一部を分解することにより第一基板10を除去する工程である。
特許文献2に示される窒化物半導体発光素子は、第一基板の剥離前にチップ分割溝を形成しそのチップ分割溝に絶縁層を形成していることから、第一基板と絶縁層5とが接する部分を有している。しかし、絶縁層はレーザ光を吸収しないため、絶縁層5と第一基板10とが接している部分は、レーザ光により剥離することができないという問題があった。ところが、本発明の窒化物半導体発光素子1は第一基板10と窒化物半導体層4とが全面で接しているため、第一基板10と絶縁層5とが接している部分はないので、より簡便に第一基板10を剥離することができる。
このレーザ光Pの照射により、第一基板10およびバッファ層のすべてまたは大部分が除去されるが、第一基板10の一部を残留させて、凸部を形成することによっても光取り出し効率を向上させることができる。
なお、本工程(E)の後に、窒化物半導体層4の一部を除去し、絶縁層5の表面が露出するようにチップ分割溝13を形成する工程(H)を設けることが好ましく、その後さらに、第一n型窒化物半導体層41表面を、KOHや、テトラメチルアンモニウム等の強アルカリ液でエッチングして、第一n型窒化物半導体層41の一部を除去するとともに、上記第一n型窒化物半導体層41に表面凹凸を形成する工程(I)を設けることが好ましい。工程(H)および工程(I)については実施の形態1−4および1−5で説明する。
<工程(F)>
最後に、図7に示されるように、一定のピッチで絶縁層が露出しているチップ分割溝13のいずれかの位置(図7における点線は、その最も好ましい位置を示す)で、窒化物半導体発光素子のウェハをチップに分割する。
分割方法は、ダイヤモンドスクライブ法、ダイシング法またはレーザスクライブ法等を用いることができる。以上のようにして、実施の形態1−1の窒化物半導体発光素子を製造することができる。
(実施の形態1−2)
実施の形態1−2は、実施の形態1−1の上記工程(A)に加えて、p型窒化物半導体層44の積層後に、さらに第二n型窒化物半導体層を積層する工程(以下、「工程(A1)」という)を含むことを特徴とする。以下に工程(A1)について説明する。
<工程(A1)>
上記工程(A1)は、工程(A)によって第一基板10上に、バッファ層12、第一n型窒化物半導体層41、発光層42およびp型窒化物半導体層43,44をこの順に成長させた後、さらにp型窒化物半導体層43,44上に第二n型窒化物半導体層を成長させる工程である。
上記実施の形態1−1の工程(A)の後に(A1)を加えることを除いては、実施の形態1−1と同一の製造方法とすることによって、実施の形態1−2の窒化物半導体発光素子を製造することができる。
(実施の形態1−3)
実施の形態1−3は、上記工程(B)を行なう前に、p型窒化物半導体層44の露出表面に電極層6を形成する工程(以下、「工程(G)」という)を加えることを特徴とする。以下に工程(G)について説明する。
<工程(G)>
図2に示されるように、上記実施の形態1−1の工程(A)におけるp型窒化物半導体層44の積層後または上記実施の形態1−2の工程(A1)における第二n型窒化物半導体層の積層後、p型窒化物半導体層44上または第二n型窒化物半導体層に反射層61および密着保護層62を含む電極層6を蒸着により形成する。
なお、本工程によりp型窒化物半導体層上に電極層6を設ける場合、p型窒化物半導体層43、44の、発光層42側とは反対側の面上であって、第一電極8が設置される位置の概略真下に当たる位置に電流阻止層7が形成されることが望ましい。また、電流阻止層7の形成においては、上記p型窒化物半導体層44の表面の一部をプラズマ処理等により、部分的に高抵抗化する手法をとることもできる。
また、上記のように電極層を設けた後、さらに概略正方形のフォトレジストマスクを一定のピッチで形成し、フォトレジストが覆っていない部分の反射層61と密着保護層62とをエッチング等により除去する。反射層61は熱処理をすることにより、コンタクト抵抗を下げ、p型窒化物半導体層44との密着性が良くなる。また、密着保護層62は、この次の工程(C)で形成される絶縁層5との密着性を保つための層でもある。
本実施の形態1−3における電極層6は、反射層61と密着保護層62とが別々の材料からなる構成でも同一の材料からなる構成でもよい。
上記工程(B)を行なう前に、p型窒化物半導体層44上に積層された層の露出表面に電極層6を形成する工程(G)を含むこと以外は実施の形態1−1と同一の製造方法とすることによって、実施の形態1−3の窒化物半導体発光素子を製造することができる。
(実施の形態1−4)
実施の形態1−4は、実施の形態1−1の、上記工程(E)と上記工程(F)との間に、窒化物半導体層4の露出表面に、略一定間隔で絶縁層5が露出する程度の深さのチップ分割溝13が形成されるように、窒化物半導体層4を除去する工程(以下、「工程(H)」という)を加えることによって窒化物半導体発光素子が製造される。以下に工程(H)について説明する。
<工程(H)>
図6に示されるように、窒化物半導体層4の表面を略一定間隔でドライエッチングすることによって、窒化物半導体層4の一部を除去し、絶縁層5の表面が露出するようにチップ分割溝13を形成する。本工程(H)により、第一n型窒化物半導体層41、発光層42およびp型窒化物半導体層43、44からなる窒化物半導体層4部分は、一定のピッチで途切れた状態となる。このチップ分割溝13の部分で、後の工程(F)によってチップ分割される。
本発明の窒化物半導体発光素子1は、窒化物半導体層4と接合層3との間に絶縁層5を設けられていることから、この絶縁層がエッチングストップ層として機能するため、第一基板10の剥離工程(E)の後にチップ分割溝13を形成することができる。
従来の窒化物半導体発光素子の製造方法では、チップ分割溝を形成しない、もしくはチップ分割溝を形成したとしても一部の窒化物半導体層が繋がった状態で基板上に残っているために、レーザスクライブでチップ分割する際にPN接合部が焦げつき、光取り出し効率が低下するという問題があった。しかしながら、本発明の窒化物半導体発光素子のように絶縁層5が露出するようにチップ分割溝13を形成することによって、窒化物半導体層の焦げつきを効果的に防止することができ、光取り出し効率の低下を抑えることができるようになった。
また、従来の窒化物半導体発光素子の製造方法では、ドライエッチングによりチップ分割溝を形成する際に、エッチングストップ層がなかったため、第一貼付金属層および第二貼付金属層に用いられる金属が飛び散ってPN接合部に付着しショートを起こしてしまうという問題もあった。しかしながら、本発明では絶縁層5をエッチングストップ層として機能する程度に形成することによって、第一貼付金属層および第二貼付金属層に用いられる金属が飛び散ってPN接合部に付着することを効果的に防止でき、もってPN接合部の端面リークの発生を可能な限り低減することができるようになった。
また、チップ分割溝13は、絶縁層5がp型窒化物半導体層44と接している領域内に形成する。こうすることで、PN接合部に金属の付着することがないので、PN接合部をショートさせてしまうこともない。また、特許文献2の窒化物半導体発光素子に示されるように、PN接合部が絶縁層5と金属で覆われてしまうことも無いため、光取り出し効率が低下することもない。
また、従来の窒化物半導体発光素子の製造方法においては、チップ分割溝を形成してから、その上に絶縁層を形成して、その後に第一貼付金属層と第二貼付金属層とを貼り合わせ、その後に第一基板を剥離するという製造工程であったが、この製造工程では以下のような2つの問題があった。
従来の窒化物半導体発光素子の製造工程における1つ目の問題は、窒化物半導体層と絶縁層との界面が平坦であるため、端面に到達した光が再び結晶内に反射されてしまい、光を効率的に素子の外部に取り出すことができないという問題である。すなわち、たとえばSiO2からなる絶縁層の屈折率は1.5であり、GaNからなる窒化物半導体層の屈折率は2.4であり、両者の屈折率差が大きいことから、窒化物半導体層と絶縁層との界面が平坦である場合、その界面で反射が起こりやすく、外部に光を取り出しにくかった。しかしながら、本発明のように、第一基板の剥離して窒化物半導体層の結晶を表面にした上で、チップ分割溝を形成すれば、窒化物半導体層4の表面およびテーパー形状の側面に凹凸が形成されることから、たとえ窒化物半導体層4と絶縁層5との屈折率差が大きくても、その凹凸で乱反射しながらも外部に光を取り出すことができ、もって光取り出し効率を向上させることができる。
従来の窒化物半導体発光素子のもう一つの問題は、チップ分割溝を形成した後に第一貼付金属層と第二貼付金属層とを貼り付けるため、チップ分割溝に第一貼付金属層および第二貼付金属層の金属が埋め込まれてしまうという問題である。このため、チップ端部での反射率が低下し、もって光取り出し効率が低下するという問題があった。この問題を解決する方法として特許文献2には、チップ分割溝の幅を広げることによってチップ分割溝が金属で埋め込まれないようにする技術が開示されているが、このようにチップ分割溝の幅を広げれば、ウエハの発光する面積自体が狭くなってしまい、光取り出し効率が低下してしまう。
そこで、本発明の窒化物半導体発光素子は、第一貼付金属層31と第二貼付金属層32とを貼り付けた上でエッチングによりチップ分割溝13を形成することから、チップ分割溝13に第一貼付金属層31および第二貼付金属層32の金属が埋め込まれることがないため、チップ端部での反射率低下を効果的に防止でき、もって光の取り出し効率を向上させることができる。
以上のように、実施の形態1−1の工程(E)と工程(F)の間に工程(H)を加えることによって、実施の形態1−4の窒化物半導体発光素子を製造することができる。
(実施の形態1−5)
実施の形態1−5は、上記工程(E)または上記工程(H)の後に、第一n型窒化物半導体層の一部を除去するとともに、上記第一n型窒化物半導体層に表面凹凸を形成する工程(以下、工程(I)という)を加えることを特徴とする。以下に工程(I)について説明する。
<工程(I)>
図7に示されるように、第一n型窒化物半導体層41表面を、KOHやテトラメチルアンモニウム等の強アルカリ液でエッチングすることにより、上記第一n型窒化物半導体層41の一部を除去するとともに、上記第一n型窒化物半導体層41に表面凹凸を形成する。この表面凹凸を第一n型窒化物半導体層41上に形成することで、光が散乱され、光取り出し効率が向上する。
ここで、チップ分割溝13を形成した後に、本工程(I)を行なうことによれば、チップ分割溝13付近の窒化物半導体層4の側面のテーパー形状にも凹凸を形成することができ、さらに光取り出し効率を向上させることができる。
また、工程(E)においてレーザ光照射により第一基板10が除去された後、露出した第一n型窒化物半導体層41表面は、ダメージ層が発生しており、このダメージ層が光を吸収してしまい、光取り出し効率が低下する原因となっていた。しかしながら、本工程(I)によりKOHやテトラメチルアンモニウムで第一n型窒化物半導体層41の表面をエッチングすることにより、このダメージ層が除去され、光取り出し効率を向上させることができる。
逆に、窒化物半導体層4にチップ分割溝13を形成する工程(H)の前に、本工程(I)により上記第一n型窒化物半導体層41に表面凹凸を形成してしまうと、その後、ドライエッチングにより上記第一n型窒化物半導体層41の表面にチップ分割溝13を形成する際に、エッチングレートが不安定になり、ウェハ全面で均一にエッチングできないという問題があることから好ましくない。
また、第一n型窒化物半導体層41に表面凹凸を形成してしまうと、透明な窒化物半導体層が不透明になるため、チップ分割溝13を形成するためのフォトリソグラフィ工程において電極層6のない部分にチップ分割溝を形成するようにアライメントをすることが困難となり、適切な位置にチップ分割溝を形成しにくくなるという点からも好ましくない。
また、窒化物半導体層4にチップ分割溝13を形成する工程(H)後に、KOH等のエッチングを行なう工程(I)をすることにより、第一n型窒化物半導体層41の表面だけでなく、チップ分割溝13に位置するテーパー状になった窒化物半導体層4の側面にも凹凸が形成されて、光取り出し効率を向上させることができる。
上記実施の形態1−1の工程(E)の後に上記工程(I)を加えることを除いては、実施の形態1−1と同一とすることによって、実施の形態1−5の窒化物半導体発光素子を製造することができる。
(実施の形態1−6)
実施の形態1−6は、実施の形態1−4において、上記工程(E)と工程(H)との間に、第一n型窒化物半導体層の一部を除去する工程(以下、工程(J)という)を加えることによって窒化物半導体発光素子が製造される。以下に工程(J)について説明する。
<工程(J)>
工程(J)は、工程(E)と工程(H)の間に、第一n型窒化物半導体層41の一部を除去する工程である。ここで、第一n型窒化物半導体層41を除去する量は、バッファ層側から約1μm程度の深さで、概略均一にエッチングするのが好ましい。なぜなら、レーザー光を照射することで、第一基板を剥離した界面近傍の第一n型窒化物半導体層には、多くのダメージを含んだダメージ層を形成し、このダメージ層が光を吸収するため、光取り出し効率の低下の要因となってしまう。しかし、本工程のエッチングによって、ダメージ層を除去してやることで、光取り出し効率を向上させることができる。
また、バッファ層12近傍のn型窒化物半導体層41は、第一基板10上に結晶成長した際の成長初期の結晶層であるため、元々結晶品質が悪く、不純物準位が多いため、光の吸収層になっていた。その部分をエッチング等で除去することにより、光を吸収する原因となる部分を除去することができ、光取り出し効率を上げることができる。
ここで、第一n型窒化物半導体層を除去する深さは、バッファ層側から0.5〜3μm程度の深さであることが好ましく、1μm程度の深さであることがより好ましい。また、概略均一にエッチングするのがより好ましい。第一n型窒化物半導体層を除去する深さが0.5μm未満であると、ダメージ層が残っている可能性があるため好ましくなく、また、3μmよりも深く第一n型窒化物半導体層を除去すると、その後の工程(I)で表面凹凸の形成が困難になるという問題と電流が広がりにくくなるという問題とがあるため好ましくない。
また、工程(J)はチップ分割溝を形成する工程(H)よりも前にするのが好ましい。
なぜなら、チップ分割溝底面には絶縁層が露出しており、工程(J)のドライエッチングでわずかに絶縁層がエッチングされ、その下の金属層が露出してしまう可能性があるためである。
(実施の形態2:窒化物半導体発光素子)
図8は、本発明の別の好ましい実施の形態2の窒化物半導体発光素子81を示す概略断面図である。本実施の形態の窒化物半導体発光素子81は、導電性基板82と、接合層83と、絶縁層85と、電極層86と、p型窒化物半導体層843,844と、発光層842と、第一n型窒化物半導体層841と、をこの順で含み、当該絶縁層85は、電極層86の接合層83側の面の一部と、電極層86の側面全面と、接合層83の側におけるp型窒化物半導体層844の外周部と接していることを特徴とする。
本実施の形態の窒化物半導体発光素子は、導電性基板82にメッキにより層形成が可能である材料を用いることにより、直接導電性基板を素子に導入することができるという点にメリットがある。
また、本実施の形態2の窒化物半導体発光素子81は、第一n型窒化物半導体層841上に第一電極88を有する。また、導電性基板82自体が外部接続用の第二電極となる。
ここで、本実施の形態2の窒化物半導体発光素子81において、p型窒化物半導体層843、844は、p型AlGaN層およびp型GaN層からなる。また、接合層83は、メッキ下地層を含む。
このように、絶縁層85の表面内にp型窒化物半導体層844の面の外周部が接していれば絶縁層85の面の外周部がチップ端部となり、端面リークが発生せず、歩留まりが向上する。また、長期の通電においてもPN接合部での金属の周り込み等が認められず、信頼性の高い窒化物半導体発光素子81を提供することができる。
以下、本実施の形態2に特徴的な部分のみ説明するが、説明のない点については、実施の形態1と同様である。
<導電性基板>
本実施の形態2の窒化物半導体発光素子81において、導電性基板82には、メッキにより層形成が可能である材料が用いられる。このような材料としては、たとえばNi、Cu、Sn、Au、Agのいずれかを主成分とする金属または合金を挙げることができる。
また導電性基板82の厚さは、たとえば20〜300μmとすることができるが、チップの取り扱い易さから、導電性基板82の厚さは、50〜300μmとすることが好ましい。
<接合層>
本実施の形態2における接合層83は、密着層とメッキ下地層を含む。以下、メッキ下地層について説明する。
(i)メッキ下地層
本発明の窒化物半導体発光素子81の接合層83にメッキ下地層を設け、これを介して導電性基板82のメッキを行なうことにより、導電性基板82を歩留まりよく形成することができる。ここで、メッキ下地層を構成する金属または合金としては、従来より公知のものを採用することができ、たとえばAu、Ni、Pd、Cu、これらを含む合金等を挙げることができる。またメッキ下地層の厚さは、特に制限されるものではなく、当該分野において通常用いられている厚さを採用することができ、たとえば10〜5000nm程度とすることができる。
なお、上記実施の形態2の窒化物半導体発光素子81は、本発明の範囲を逸脱しない範囲内であれば、種々の変形がなされてもよい。たとえば、接合層83は、メッキ下地層だけでなく、実施の形態1と同様に第一拡散防止層および密着層を有していてもよい。その他の変形については、実施の形態1の窒化物半導体発光素子1の場合と同様である。
<窒化物半導体発光素子の製造方法>
(実施の形態2−1)
次に、上記実施の形態2の窒化物半導体発光素子81の好ましい製造方法を本実施の形態2−1にて説明する。なお、実施の形態2−1の窒化物半導体発光素子81の製造方法のうち、工程(C)までは、実施の形態1−1の窒化物半導体発光素子1の製造方法と同じであることから工程(D−1)以降を説明する。
実施の形態2−1の窒化物半導体発光素子の製造方法は、実施の形態1−1の工程(C)の後に、絶縁層の表面全体に、接合層としてメッキ下地層を形成し、導電性基板をメッキにより形成する工程(以下、「工程(D−1)」という)と、
上記第一基板の一部または全部を除去する工程(以下、「工程(E)」という)と、
上記工程(E)によって得られたチップを分割することにより複数の窒化物半導体発光素子を得る工程(以下、「工程(F)」という)と
を含む製造方法である。
以下に図8を参照しつつ、実施の形態1−1と一部異なる工程(D−1)と(F)とを説明する。
<工程(D−1)>
工程(D−1)は、絶縁層85上および露出した電極層86上に、接合層83である密着層と、メッキ下地層とをこの順で形成し、さらに導電性基板82をメッキにより形成する。メッキの方法は、無電解メッキであってもよく、電解メッキであってもよい。
<工程(F)>
次に、工程(F)のチップ分割は、レーザスクライブによる分割が好ましい。導電性基板82に粘性が高い材料を用いる場合、ダイヤモンドスクライブやダイシングでは不適切な場合があるためである。
実施例1
実施例1の窒化物半導体発光素子1を以下の方法により作製した。図2〜7を参照しつつ概略的に説明する。
<工程(A)>
まず、図2に示されるように、サファイアからなる第一基板10上に、厚さ50nmのAlGa1−rN(0≦r≦1)からなるバッファ層12、厚さ5μmのn型GaN層からなる第一n型窒化物半導体層41、GaNからなるバリア層およびInGa1−qN(0<q<1)からなるウェル層を含む、厚さ100nmの発光層42、厚さ30nmのp型AlGaN層および厚さ200nmのp型GaN層からなるp型窒化物半導体層43、44をこの順に成長させた。次に、100μmφの開口部があるフォトレジストマスクを400μmピッチで形成し、Arガスを含むプラズマ中にp型窒化物半導体層44の表面を30秒間さらし、高抵抗化することによって電流阻止層7を形成した。
<工程(G)>
次に、図2に示されるように、p型窒化物半導体層44表面全体に、電極層6として反射層61としてAg層を厚さ300nmで形成し、さらに密着保護層62としてTi層を10nmを蒸着により形成した。次に、1辺320μmの概略正方形の中心に、上記電流阻止層7が配置されるようにアライメントし、フォトレジストマスクを400μmのピッチで形成した後、酢酸と硝酸を混合したエッチング液で、露出している部分の電極層6をエッチングした。
<工程(B)>
次に、フォトレジストを除去した後、絶縁層5としてSiO層を全面、すなわち、電極層6表面と電極層6の側面とp型窒化物半導体層44の表面とを覆うように形成した。
<工程(C)>
次に、図3に示されるように、電極層6の表面に形成された絶縁層5の一部をエッチングにより除去して、上記電流阻止層7の領域内に収まる範囲で電極層6表面の一部を露出させた。
<工程(D)>
次に、図4(b)に示されるように、絶縁層5上および露出した電極層6上に、密着層33としてTi層を厚さ100nmで形成し、さらに第一拡散防止層34としてPt層を厚さ100nmでスパッタにより形成し、最後に第一共晶接合層35としてAu層を厚さ1μmで蒸着して、第一貼付金属層31を形成した。
次に、図4(a)に示されるように、Si基板である導電性基板2上に、第一オーミック層38として厚さ10nmのTi層を形成し、ついで第二拡散防止層37として厚さ200nmのAu層を形成し、さらに、第二共晶接合層36として厚さ1μmのAuSn層を蒸着した。そして、第一共晶接合層35と第二共晶接合層36とを接し、加熱圧着することにより接合した。
<工程(E)>
次に、図5に示されるように、第一基板10の裏面から、355nmのレーザ光Pを照射して、バッファ層(図示せず)と第一n型窒化物半導体層41の一部とを分解して第一基板10を除去した。
次に、第一基板10を除去することにより露出した第一n型窒化物半導体層41の全面をドライエッチングにより約1μm除去した。
<工程(H)>
次に、図6に示されるように、1辺340μmの概略正方形のフォトレジストマスクを400μmピッチで形成し、フォトレジストマスクで覆われていない部分の第一n型窒化物半導体層41、発光層42およびp型窒化物半導体層43、44をドライエッチングにより、除去し絶縁層5を露出させ、チップ分割溝13を形成した。ここで、340μmの概略正方形のフォトレジストマスクは、1辺320μmの概略正方形の電極層6が内側に納まるようにアライメントした。
<工程(I)>
次に、図7に示されるように、フォトレジストマスクを除去した後、KOHによりエッチングすることで第一n型窒化物半導体層41に表面凹凸を形成した。上記工程(H)でチップ分割溝13を形成してからKOHによるエッチングを行なったため、PN接合部にも凹凸が形成され、さらに光取り出し効率を向上させることができた。
次に、第一n型窒化物半導体層41表面の中央付近に、外部接続用の第一電極8として厚さ15nmのTi層と厚さ100nmのAl層とを蒸着により形成した。また、第一電極8とは反対側の面に、外部接続用の第二電極9として厚さ15nmのTi層と厚さ200nmのAl層とを蒸着により形成して、図7に示される構造のウェハを得た。外部接続用の第一電極8は、上記電流阻止層7の概略真上に形成した。こうすることにより、不透明な第一電極8直下には、電流が注入されないため発光せず、無駄な発光を発生させることないため、光取り出し効率を向上させることができた。
<工程(F)>
最後に、図7に示されるように、400μmのピッチで絶縁層5が露出している部分(図7における点線の位置)で、レーザスクライブ法により、上記ウェハをチップに分割して、窒化物半導体発光素子1を得た。
実施例2
<工程(A)>
実施例2の窒化物半導体発光素子201の製造方法は、図9に示されるように、まず、サファイアからなる第一基板(図示せず)上に、厚さ50nmのAlGa1−rN(0≦r≦1)からなるバッファ層(図示せず)、厚さ5μmのn型GaN層からなる第一n型窒化物半導体層241、GaNからなるバリア層およびInGa1−qN(0<q<1)からなるウェル層を含む、厚さ100nmの発光層242、厚さ30nmのp型AlGaN層と厚さ200nmのp型GaN層とからなるp型窒化物半導体層243、244をこの順に成長させた。
<工程(A1)>
さらに、上記p型窒化物半導体層244上に、厚さ200nmのn型GaN層からなる第二n型窒化物半導体層245を成長させた。
<工程(B)>
次に、100μmφの開口部があるフォトレジストマスクを400μmピッチで形成し、ドライエッチングによって開口部内の第二n型窒化物半導体層245を除去した後、さらにp型窒化物半導体層243,244の途中までをエッチングにより除去した。
<工程(C)>
次に、SiO2からなる絶縁層205を全面に形成し、フォトレジストマスクで上記の100μmφ開口部以外の第二n型窒化物半導体層245がある領域の絶縁層205の一部をエッチングにより除去して第二n型窒化物半導体層245を露出させた。このときSiO2からなる絶縁層205はフッ酸を含む薬液によるウェットエッチングでも、フッ素ガス(例えばCHF3)を含むガスによるドライエッチングでもエッチングすることができ、どちらを使った場合も、第二n型窒化物半導体層245は良好なエッチングストップ層として機能する。また、p型窒化物半導体層243,244が露出した領域をSiO2で覆った領域が電流阻止層207として機能する。本実施例では、電流阻止層の部分はp型窒化物半導体層243までエッチングしてSiO2層で覆ったが、第一n型窒化物半導体層241までエッチングしてそこまでをSiO2で覆うことによっても、同様の効果を得ることができる。
<工程(D)>
次に、絶縁層205上および露出した第二n型窒化物半導体層245上に、密着層233としてTi層を厚さ100nmで形成し、さらに第一拡散防止層234としてPt層を厚さ100nmでスパッタにより形成し、最後に第一共晶接合層235としてAu層を厚さ1μmで蒸着し、第一貼付金属層231を形成した。
ここで、Ti層からなる密着層233は電極層としても役目も果たすことから、第二n型窒化物半導体層245と接している領域で電流が注入され、第二n型窒化物半導体層245で電流が拡散し、電流阻止層207が形成されている領域以外の発光層242にも電流が注入できるようになる。
次に、Si基板である導電性基板202上に、第一オーミック層238として厚さ10nmのTi層を形成し、ついで第二拡散防止層237として厚さ100nmのPt層を形成し、さらに、厚さ200nmのAu層を形成した後、その上に、第二共晶接合層236として厚さ1μmのAuSn層を蒸着し、第二貼付金属層232を形成した。そして、第一共晶接合層235と第二共晶接合層236とを接し、加熱圧着することにより接合し、接合層203を形成した。
<工程(E)>
次に、第一基板の裏面から、355nmのレーザ光を照射してバッファ層と第一n型窒化物半導体層241の一部を分解することにより第一基板を除去した。以降は、実施例1と同じである。
本実施例では、絶縁層205と窒化物半導体層204との間に電極層を形成しないことを特徴とする。これは、第二n型窒化物半導体層245が電流拡散層の役割を果たしてくれることと、密着層233が電極層の役割を果たしてくれることから可能となるものである。
実施例1においては、絶縁層とp型窒化物半導体層との接触面積は1〜50%が好ましかったが、実施例2の絶縁層と第二n型窒化物半導体層との接触面積は1〜99%が好ましい。なぜなら、第二n型窒化物半導体層は、上記の接触面積が50%以上であっても、比抵抗が小さいことから第二n型窒化物半導体層で電流が広がりやすくすることができ、発光効率を低下させないからである。
実施例3
窒化物半導体発光素子81の製造方法を図8に基づき説明する。
<工程(A〜C)>
工程(C)における絶縁層85の形成までは、実施例1と同様の手順で行なった。すなわち、第一基板(図示せず)上に第一n型窒化物半導体層841と、発光層842と、p型窒化物半導体層843,844とからなる窒化物半導体層84を形成し、その後電流阻止層87を形成した後に、反射層861と密着保護層862とからなる電極層86および絶縁層85を形成した。
<工程(D−1)>
工程(C)の後に、メッキ下地層として厚さ200nmのAu層を蒸着により形成し、電解メッキ法を用いて、導電性基板82として厚さ100μmのCu層を形成した。
<工程(E)>
次に、第一基板10の裏面から355nmのレーザ光Pを照射して、バッファ層と第一n型窒化物半導体層841の一部を分解して第一基板を除去した。工程(E)より後は、実施例1と同様の手順によって、実施例3の窒化物半導体発光素子を得た。
本実施例では、導電性基板82にメッキにより層形成が可能である材料を用いることを特徴とする。このように導電性基板82にメッキにより層形成可能な材料を用いることによって、第一共晶接合層と第二共晶接合層とを接合する工程を省略することができるというメリットがある。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の窒化物半導体発光素子およびその製造方法によれば、光取り出し効率が高く、基板貼付けおよび剥離工程における製造歩留まりが高い窒化物半導体発光素子を提供することができる。
窒化物半導体発光素子の一例を示す模式的な断面図である。 窒化物半導体発光素子の製造工程(G)の後の窒化物半導体発光素子を示す模式的な断面図である。 窒化物半導体発光素子の製造工程(C)の後の窒化物半導体発光素子を示す模式的な断面図である。 窒化物半導体発光素子の製造工程(D)において、導電性基板を含む層(a)と窒化物半導体層を含む層(b)とを貼り合わせる工程を示す模式的な断面図である。 窒化物半導体発光素子の製造工程(E)において、導電性基板を剥離する工程を示す模式的な断面図である。 窒化物半導体発光素子の製造工程(H)において、窒化物半導体層にチップ分割溝を形成する工程を示す模式的な断面図である。 窒化物半導体発光素子の製造工程(F)において、チップに分割する工程を示す模式的な断面図である。 窒化物半導体発光素子の一例を示す模式的な断面図である。 窒化物半導体発光素子の一例を示す模式的な断面図である。 特許文献1に記載の窒化物半導体発光素子を示す模式的な断面図である。 特許文献2に記載の窒化物半導体発光素子を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1,81,91,201 窒化物半導体発光素子、2,82,102,202 導電性基板、3,83,103,203 接合層、4,84,94,204 窒化物半導体層、5,85,105,205 絶縁層、6,86 電極層、7,87,207 電流阻止層、8,88,98,208 第一電極、9,99,209 第二電極、10 第一基板、12 バッファ層、13 チップ分割溝、31,231,931 第一貼付金属層、32,232,932 第二貼付金属層、33,233 密着層、34,234 第一拡散防止層、35,235 第一共晶接合層、36,236 第二共晶接合層、37,237 第二拡散防止層、38,238 第一オーミック層、41,241,841,941,1041 第一n型窒化物半導体層、42,242,842,942,1042 発光層、43,44,243,244,843,844,943,1043 p型窒化物半導体層、61,861 反射層、62,862 密着保護層、106 p側オーミック層、108 n側オーミック電極、245 第二n型窒化物半導体層、911 p型GaAs基板、P レーザ光。

Claims (22)

  1. 導電性基板と接合層と窒化物半導体層とをこの順に含む窒化物半導体発光素子であって、前記接合層と前記窒化物半導体層との間にはさらに絶縁層を有し、前記絶縁層の表面内に、前記窒化物半導体層の前記接合層側の面の外周部が接しており、
    前記絶縁層と前記窒化物半導体層との間にはさらに電極層を含み、前記絶縁層は、前記電極層の前記接合層側の表面の一部、前記電極層の側面および前記窒化物半導体層の前記電極層と接する側の面の外周部であって前記窒化物半導体層の前記電極層と接する側の面の前記電極層が形成されていない部分と接していることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記窒化物半導体層は、少なくとも、p型窒化物半導体層と、発光層と、第一n型窒化物半導体層とを前記導電性基板側からこの順に含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記窒化物半導体層の外周は、前記絶縁層の外周よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記窒化物半導体層の外周は、前記導電性基板の外周よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記窒化物半導体層の側面は、テーパー形状であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記発光層に接する側とは反対側における前記第一n型窒化物半導体層の表面は、凹凸形状を有していることを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記電極層は、前記絶縁層と接する側の表面に前記絶縁層との密着性を保つための密着保護層を含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 前記接合層は、第一貼付金属層と第二貼付金属層とを含み、
    前記第二貼付金属層は、前記導電性基板とオーミックコンタクトになる第一オーミック層を含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  9. 前記接合層は、第一共晶接合層または第二共晶接合層のいずれか一方もしくは両方を含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  10. 前記接合層は、前記絶縁層と接する側の表面に前記絶縁層との密着性を保つための密着層を含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  11. 前記接合層は、メッキ下地層を含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  12. 第一基板上に第一n型窒化物半導体層と、発光層と、p型窒化物半導体層と、電極層とをこの順に積層する工程(A)と、
    前記電極層の表面全面および側面全面、ならびに、前記p型窒化物半導体層の表面のうち前記電極層が形成されていない部分に、絶縁層を形成する工程(B)と、
    前記絶縁層の一部を除去して、前記絶縁層と接する前記電極層の表面の一部を露出させる工程(C)と、
    前記絶縁層の表面全体に、接合層と導電性基板とをこの順に積層する工程(D)と、
    前記第一基板の一部または全部を除去する工程(E)と、
    前記絶縁層を露出させるように窒化物半導体層を除去し、チップ分割溝を形成する工程(H)と、
    前記工程(A)〜(E)および(H)によって得られたチップを分割することにより複数の窒化物半導体発光素子を得る工程(F)と
    を含むことを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  13. 前記工程(A)と前記工程(B)との間に、第二n型窒化物半導体層を積層する工程(
    A1)を含むことを特徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  14. 前記工程(E)と前記工程(H)との間に、第一n型窒化物半導体層の一部を除去する工程(J)を含むことを特徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  15. 前記工程(F)を行なう前に、第一n型窒化物半導体層の一部を除去し、前記第一n型窒化物半導体層に表面凹凸を形成する工程(I)を含むことを特徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  16. 前記工程(E)において、前記第一基板の一部または全部の除去は、レーザ光の照射により行なうことを特徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  17. 前記工程(F)において、チップを分割する位置は、前記チップ分割溝のいずれかの位置であることを特徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  18. 前記工程(I)において、前記第一n型窒化物半導体層の表面凹凸は、エッチングにより形成されることを特徴とする請求項15に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  19. 前記工程(H)において、絶縁層はエッチングストップ層として働くことを特徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  20. 前記工程(D)において、前記導電性基板の積層は、前記接合層に含まれる第一共晶接合層と、前記導電性基板上に形成された第二共晶接合層とを接合することにより行なわれることを特徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  21. 前記工程(D)において、前記導電性基板の積層は、メッキ法により行なうことを特徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  22. 前記工程(C)において、前記電極層は、エッチングストップ層として機能することを特徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
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