JP5321263B2 - 信号処理装置、信号処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、音声信号を対象として所定目的に応じた信号処理を実行するようにされた信号処理装置とその方法に関する。
音響の分野においては、以前からMFB(Motional FeedBack : モーショナルフィードバック)が知られている。MFBは、スピーカユニットにおける振動板の動きを検出し、入力オーディオ信号に負帰還をかけて、例えばスピーカユニットの振動板と入力オーディオ信号とが同じ動きとなるように制御する技術である。これにより、例えば低域共振周波数f0近辺の振動に対してダンピングが与えられ、聴感上は、いわゆる「ボンつき」などといわれる、好ましくない低域の響きが抑制される。
特開平9−289699号公報
これまでのMFBの技術は、単に、スピーカユニットから再生される音質の改善にとどまっている。本願発明としては、MFBの技術を利用してこれまでにない付加価値的な機能を与えることにより、例えば聴取者であるユーザにとって、より有用なオーディオリスニング環境を提供しようとするものである。
そこで本発明は上記した課題を考慮して、信号処理装置として次のように構成する。
つまり、それぞれが異なる帰還方式である第1〜第nの帰還方式に対応してスピーカの振動板の動きを検出するようにして設けられる1以上の検出手段と、上記検出手段により検出して得られた1以上のアナログ形式の検出信号を、それぞれデジタル形式に変換するアナログ-デジタル変換手段と、上記アナログ-デジタル変換手段により得られるデジタル形式の検出信号を利用して、上記第1〜第nの帰還方式ごとに応じた帰還信号を生成するとともに、上記第1〜第nの帰還方式ごとに応じた帰還信号にゲインを与えるゲインコントロール手段を含む帰還信号生成手段と、上記スピーカの駆動信号として出力されるべきデジタル形式のオーディオ信号に対して、上記帰還信号生成手段により生成された帰還信号を合成する合成手段と、上記デジタル形式のオーディオ信号の周波数特性を可変するもので、上記スピーカにより再生される音を目標周波数特性とするためのイコライジング特性が設定される、補正イコライザ手段と、上記第1〜第nの帰還方式のうちから、上記合成手段によるオーディオ信号への帰還信号の合成までの帰還動作を実行させる帰還方式と、これを実行させない帰還方式とを設定する帰還動作設定手段と、上記帰還動作設定手段により設定される帰還動作を実行する帰還方式と、実行しない帰還方式との組み合わせに応じて、上記補正イコライザ手段に設定すべきイコライジング特性を変更するイコライジング特性変更設定手段と、測定信号としてTSP信号を生成する測定信号生成手段と、上記測定信号が上記駆動信号として上記スピーカに供給されているときに上記検出手段により検出して得られ、上記アナログ-デジタル変換手段によりデジタル形式に変換された帰還方式ごとの検出信号を入力して、その周波数特性を取得する、周波数特性取得手段と、上記周波数特性取得手段により取得される帰還方式ごとの検出信号の周波数特性において示される所定周波数のピークレベルと、目標のピークレベルの値との差分に基づいて、上記ゲインコントロール手段に設定すべき帰還方式ごとのゲインを求めるゲイン調整手段とを備えることとした。
上記構成では、MFB(Motional FeedBack)の信号処理系として、少なくとも、検出信号から帰還信号を生成して入力オーディオ信号に帰還させる系を、デジタル信号処理(デジタル回路)により構成する。そのうえで、本願発明としては、デジタル信号処理としたことによって内部設定変更、パラメータ変更等が容易に実現可能であることに着目し、複数の帰還方式のうちでオンとすべき帰還方式の組み合わせを切り換える可能に構成する。さらに、オンとすべき帰還方式の組み合わせを切り換えるのに応じて、スピーカにて再生される音の周波数特性を補正するイコライジング特性についても切り換えるようにしている。
これにより、本願発明としては、例えばオンとすべき帰還方式の組み合わせの切り換えによって、MFBのかかりかたの違いに応じて音の聞こえ方の異なる再生音を選択できることになる。また、そのうえで、これに応じて、再生音の周波数特性は、オンとすべき帰還方式の組み合わせに応じて適切となるようにして補正される。つまりオンとすべき帰還方式の組み合わせごとに、最適とされる周波数特性を与えることができ、再生音の音質の良好性が維持される。
このようにして本願発明は、良好な再生音質を常に維持しながら、帰還方式の組み合わせに応じて異なる聞こえ方をする再生音の違いが選択できるという、これまでにはないオーディオの聴き方を提案できる。
デジタル回路によるMFB信号処理系としての基本構成例を示す図である。 本実施形態に対応するデジタル回路によるMFB信号処理系の構成例を示す図である。 MFBオフモードでの、スピーカユニットの再生音の周波数特性を示す図である。 第1MFBオンモードでの、スピーカユニットの再生音の周波数特性を示す図である。 第2MFBオンモードでの、スピーカユニットの再生音の周波数特性を示す図である。 MFBオンモードでイコライザ補正を行った場合の、スピーカユニットの再生音の周波数特性を示す図である。 MFBの動作モードごとに応じた音響の相違を、過渡現象により説明する図である。 モード設定テーブルの内容例を示す図である。 ゲイン−補正特性テーブルの内容例を示す図である。 実施形態の変形例に対応する、MFB信号処理系の構成例を示す図である。 実施形態に対応する、フィードバックゲイン設定のためのデジタル信号処理部の構成例を示す図である。 実施形態に対応する、イコライザ補正特性設定のためのデジタル信号処理部の構成例を示す図である。 図12に示す構成によるイコライザ補正特性設定のための処理手順例を示すフローチャートである。 実施形態に対応して、工場出荷時における最初のイコライザ補正特性を設定するための構成例を示す図である。 アナログMFB信号処理系の構成例を示す図である。 図15のMFB信号処理系をオフとした場合の、スピーカユニットの再生音の周波数特性を示す図である。 図15のMFB信号処理系をオンとした場合の、スピーカユニットの再生音の周波数特性を示す図である。 図17の特性を補正した周波数特性を示す図である。 フィードバックゲイン調整を可能としたアナログMFB信号処理系の構成例を示す図である。 図19に示すMFB信号処理系について、フィードバックゲイン調整に対応させて形成した回路形態例を示す図である。 図20示す回路形態でのフィードバックゲインの調整例を説明するための周波数特性図である。
以下、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について、下記の順により説明する。
<1.アナログMFBの構成例>
<2.デジタルMFB:基本構成>
<3.デジタルMFB:実施形態>
[3−1.構成例]
[3−2.イコライザ補正特性設定]
[3−3.アプリケーション例(第1例)]
[3−4.アプリケーション例(第2例)]
<4.デジタルMFB:変形例>
<5.フィードバックゲイン調整>
[5−1.アナログ回路での調整]
[5−2.デジタル回路での調整]
<6.イコライザ補正特性調整>
[6−1.アナログ回路での調整]
[6−2.デジタル回路での調整]
<1.アナログMFBの構成例>
MFB(Motional FeedBack : モーショナルフィードバック)は、スピーカユニットの振動を検出し、スピーカユニットに供給すべき音声信号に対して負帰還をかける技術である。これまでにおいては、MFBにより、スピーカユニットの振動が入力音声信号に対してより忠実なものとなるように制御して聴感上の音質の改善を図ろうとしていたものである。より具体的には、例えば低域共振周波数f0近辺における、スピーカユニット振動板の不要な振動が抑制されて、いわゆる「ボンつき」といわれる、低域の好ましくない響きが抑えられた音が得られる。
図15は、MFBに対応する信号処理系(MFB信号処理系)をアナログ回路により構成した場合の例を示している。
この図において、アナログのオーディオ信号は、先ず、低域補正イコライザ101により、後述する低域補償が行われて合成器102に対して出力される。
合成器102は、上記低域補正イコライザ101からのオーディオ信号と、ゲイン調整ボリューム108からの信号とを入力する。ゲイン調整ボリューム108からの信号は、後述するようにして、スピーカユニット104の動きを検出したことに基づいて得られる、MFBの帰還信号である。
合成器102は、低域補正イコライザ101からのオーディオ信号に、反転した帰還信号を合成する。つまり、オーディオ信号に対して帰還信号により負帰還をかけて出力する。
合成器102から出力されるオーディオ信号は、パワーアンプ103にて増幅されてスピーカユニット104に出力される。これによりスピーカユニット104にて、オーディオ信号に応じた音響が再生される。
MFBに対応して、パワーアンプ103からスピーカユニット104への駆動信号のラインには、抵抗R1,R2,R3から成るブリッジ回路105が設けられ、その出力が検出/増幅回路106に入力されるようになっている。
検出/増幅回路106は、スピーカユニット104におけるボイスコイルにおいて発生する逆起電力を検出して得られる信号を増幅してローパスフィルタ(LPF : Low Pass Filter)107に出力する。なお、ブリッジ回路105により検出される逆起電力は、そのままでは、スピーカユニット104の振動板の動きとして、その速度を検出していることに相当する。
LPF107は、入力された信号から、MFBの制御には不要な帯域を除去してゲイン調整ボリューム108に出力する。
ゲイン調整ボリューム108は、例えば、入力信号に対して予め設定されたゲイン値によるゲイン(フィードバックゲイン)を与え、帰還信号として合成器102に対して出力する。
ここで、図16〜図18に、上記図15に示したアナログMFBの構成で測定したスピーカユニット107の周波数特性を示す。なお、この場合のスピーカユニット107における低域共振周波数f0は、80Hzであるものとする。
図16は、MFBを動作させずにオフとしている場合の周波数特性を示している。つまり、オーディオ信号について、低域補正イコライザ101による補正をかけることなく、また、合成器102により負帰還をかけることなく、そのままパワーアンプ103に入力させて増幅し、スピーカユニット104を駆動した場合の特性である。
次に、図17は、MFBが有効(オン)となっている場合のスピーカユニット107の特性を示している。ただし、低域補正イコライザ101による低域補償は行っていない状態での特性である。
図16と図17とを比較して分かるように、MFBがオンのときには、MFBがオフのときよりも、低域共振周波数f0近傍のパワーが抑制されている。これは、MFBがかけられたことによって、低域共振周波数f0の振動に対して有効にダンピングが与えられたことを示している。
しかし、上記した図17の周波数特性は、一例として、フラット(平坦)な周波数特性が好ましいとした場合には、低域のパワーが減衰した状態として捉えることもできる。そこで、図15のMFBの構成では、合成器102の前段において低域補正イコライザ101を設けることとしている。つまり、この低域補正イコライザ101により、入力オーディオ信号について、予め、MFBにより減衰する低域を補正(帯域補償)しておくようにする。
図18は、図15の構成において、MFBをオンとしたうえで、さらに、低域補正イコライザ101による帯域補償を行ったときの周波数特性を示している。
図18に示される周波数特性は、図17に対して低域側のパワーが増加しており、全体として、図17よりもフラット(平坦)な特性が得られている。つまり、低域補正イコライザ101の帯域補償によって、周波数特性についての改善が図られている。
例えば、図15における低域補正イコライザ101のイコライジング特性(補正特性)は次のようにして設定する。
先ず、低域補正イコライザ101をパスさせたうえでMFBをオンとした状態で、スピーカユニット107の周波数特性を測定する。次に、この測定した周波数特性を、例えばフラットなどの目標周波数特性とするための補正量を算出する。つまり、可変対象とする周波数帯域と、その周波数帯域に必要なゲインを求める。そして、この補正量が得られるようにして、低域補正イコライザ101に対して、例えば手動でイコライジング特性を設定するものである。
なお、アナログ構成の場合には、ゲイン調整ボリューム108についてゲイン値を設定する際にも、例えば手動で行うことになる。
<2.デジタルMFB:基本構成>
上記図15に示したMFB信号処理系の構成はアナログ回路によるものであった。これに対して、本実施形態としては、MFB信号処理系をデジタル回路により構成する。
先ず、図1は、デジタル方式によるMFB信号処理系として考えられる基本構成例の1つを示している。なお、この図に示す構成は、オーディオ信号のもとであるオーディオ音源がマルチチャンネル構成である場合には、マルチチャンネルを形成する複数チャンネルのうちの1つのチャンネルに対応したものとなる。
図1において、先ず、アナログのオーディオ信号(入力オーディオ信号)は、ADC(A/Dコンバータ)11に対して入力されることで、デジタルのオーディオ信号に変換され、デジタル信号処理部10に入力される。
この場合のデジタル信号処理部10は、例えば低域補正イコライザ12、合成器13、LPF20、ゲインコントロール部21から成る。また、デジタル信号処理部10については、例えばDSP(Digital Signal Processor)により構成できる。従って、デジタル信号処理部10における低域補正イコライザ12、合成器13、LPF20、ゲインコントロール部21の各信号処理は、DSPに実行させるインストラクションなどともいわれるプログラムにより実現できる。
デジタル信号処理部10に入力されるデジタルのオーディオ信号は、低域補正イコライザ12を介して合成器13に出力される。合成器13は、低域補正イコライザ12からのオーディオ信号に対して、ゲインコントロール部21からの帰還信号を反転させて合成する。これにより、オーディオ信号に対して、ボイスコイルに発生した逆起電力の検出に応じた負帰還がかけられることになる。
合成器13から出力されるデジタルのオーディオ信号は、デジタル信号処理部10の出力としてDAC(D/Aコンバータ)14に対して入力される。
DAC14は、入力されるデジタルのオーディオ信号をアナログ形式に変換してパワーアンプ15に出力する。
パワーアンプ15は、アナログのオーディオ信号を増幅して、スピーカ駆動信号として、スピーカユニット(スピーカ)16に供給する。スピーカ駆動信号により駆動されるスピーカユニット16からは、入力オーディオ信号に応じた音の再生が行われる。
MFBにおけるスピーカユニット16の振動板の動きを検出する方式としては、いくつか知られているが、ここでは、ブリッジ検出方式を採用している。ブリッジ検出方式では、パワーアンプ15とスピーカユニット16との間のスピーカ駆動信号のラインに対して、図示するようにして、ブリッジ回路17を設ける。このブリッジ回路17は、例えば図示するようにして抵抗R1,R2,R3を備え、これらの抵抗を図示するようにしてブリッジ接続して形成される。
検出/増幅回路18は、ブリッジ回路17における抵抗R1,R2の接続点と、スピーカユニット16と抵抗R3との接続点との間の電位を検出することで、スピーカユニット16においてスピーカ駆動信号が流れるボイスコイルに発生している逆起電力を検出する。ここで検出する逆起電力量が、スピーカユニット16における振動板の振動、即ち動きに相当する。特に、低域共振周波数f0近傍の振動板の動きに相当する。
この場合の検出/増幅回路18は、検出信号について増幅を行ったうえでADC(A/Dコンバータ)19に対して出力する。
ADC19は、検出/増幅回路18から出力されるアナログの検出信号をデジタル信号に変換して、デジタル信号処理部10に対して出力する。
デジタル信号処理部10において、ADC19からのデジタルの検出信号は、LPF(Low Pass Filter)20に対して入力される。LPF20は、例えばFIRフィルタなどにより形成され、所定周波数以下の帯域信号成分のみを通過させることで、MFBの制御では不要な高周波成分を除去する。LPF20を通過した信号は、ゲインコントロール部21に入力される。
ゲインコントロール部21は、入力信号について、例えばフィードバック量に応じたゲイン(フィードバックゲイン)を設定し、帰還信号として合成器13に対して出力する。
なお、このようにして、ブリッジ検出方式に応じてブリッジ回路17により検出して得られる信号は、そのままでは、振動板の動きとして、その速度を示すものとなる。そして、この検出信号を、そのままLPF20により帯域制限して得られる帰還信号は、速度検出に応じて生成されたものとなる。つまり、図1に示すMFBの方式(帰還方式:帰還制御方式)は、速度帰還型といわれるものに対応する。
合成器13においては、低域補正イコライザ12からのオーディオ信号に対して、上記帰還信号の位相を反転させて合成する。これにより、速度帰還型としての負帰還の動作が得られることになる。
この場合の合成器13の出力は、デジタル信号処理部10の出力オーディオ信号として、DAC(D/Aコンバータ)14に入力され、アナログのオーディオ信号に変換される。
パワーアンプ15は、DAC14からのアナログのオーディオ信号を増幅し、スピーカ駆動信号としてスピーカユニット16のボイスコイルに供給する。
このようにスピーカ駆動信号が供給されることで、スピーカユニット16からは入力オーディオ信号に応じた音響が再生されることになる。このときのスピーカ駆動信号の基であるオーディオ信号には速度帰還がかけられていることに応じて、例えば主に低域共振周波数f0近傍に応じたスピーカユニット16の振動板の動きに対して制動がはたらく。即ち、MFBがかけられる。これにより、例えば、スピーカユニット16にて再生される音響が改善される。
また、先に述べたように、単にMFBがかけられることによっては、低域共振周波数f0近傍のパワーが低下する傾向の周波数特性になる。この周波数特性についての補正、補償は、デジタル信号処理部10における低域補正イコライザ12により行う。つまり、低域補正イコライザ12には、単にMFBがかけられたときに得られる周波数特性を、目標の周波数特性(例えばフラットな特性)に補正するためのイコライジング特性(補正特性)を与える。これにより、低域補正イコライザ12を通過するオーディオ信号は、予め、MFBがかけられることにより減衰する帯域のパワーが持ち上げられるようにしてイコライジングされることになる。この結果、スピーカユニット16にて再生される音については、MFBがかけられているのに関わらず、所望の周波数特性を得ることができる。
<3.デジタルMFB:実施形態>
[3−1.構成例]
上記図1のようにして、MFBの信号処理系をデジタル回路により構成することで、物理的な部品素子の定数の変更、交換などを行うことなく、特性や動作モードの変更、切り換えを行うことが可能になる。これは、例えば、デジタル信号処理系をDSPにより構成する場合には、DSPに与えるべきプログラムについて、所要のパラメータ、定数を変更設定するように記述するなど、容易に実現できる。例えば図15のようにアナログ回路により構成した場合、このようなパラメータ、定数の変更設定を、特性、動作モードの切り換えに応じて適切に自動変更することは非常に難しい。
MFBの本来の目的は、スピーカユニットの振動板の振動、動きについてできるだけ入力オーディオ信号に忠実となるようにして制御することで、音響再生の忠実度、音質の向上を図ろうとするものではある。
本実施形態としては、上記のMFB本来の目的である忠実度、音質の向上を図ったうえで、さらに、MFBをデジタル回路により構成したことに応じて獲得できる上記の利点をより有効に活用するための構成を提案する。
図2は、本実施形態としてのMFB信号処理系の構成例を示している。この図に示す実施形態としてのMFB信号処理系もデジタル回路による構成を含むものであり、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
図2に示されるデジタル信号処理部10においては、図1に示される構成に対して、微分処理部22、LPF23、ゲインコントロール部24が追加される。
微分処理部22には、ADC19からLPF20に入力されるデジタル形式のオーディオ信号がさらに分岐して入力される。微分処理部22は、入力されるオーディオ信号について微分演算処理を実行してLPF23に出力する。前述もしたように、ブリッジ回路17により逆起電力を検出して得られる信号は、振動板の動きとして、その速度を示す信号であるとしてみることができる。微分処理部22は、この速度に相当する検出信号を微分していることになる。つまり、微分処理部22により得られる信号(微分値)は、振動板の動きとして、その加速度を求めていることに相当し、加速度に対応した検出信号であることになる。LPF23は、入力された微分信号、即ち、加速度の検出信号について、加速度帰還制御に不要な高周波帯域成分を除去してゲインコントロール部24に出力する。ゲインコントロール部24は、入力される信号に所要のフィードバックゲインを与えて、加速度帰還型に対応する帰還信号として合成器13に出力する。
この場合の合成器13は、低域補正イコライザ12からのオーディオ信号に対して、ゲインコントロール部21から出力される速度帰還型に対応した帰還信号と、ゲインコントロール部24から出力される加速度帰還型に対応した帰還信号との両者を負帰還により合成することができる。つまり、図2に示す構成では、MFBとして速度帰還型と加速度帰還型とを併用した制御を実行可能とされている。
なお、速度帰還型のMFB信号処理系は、合成器13からオーディオ信号が出力されて、合成器13に帰還信号が帰還されるまでのクローズドループの系において、LPF20及びゲインコントロール部21側の信号処理系を有して形成されるものとみることができる。
一方、加速度帰還型のMFB信号処理系は、上記クローズドループの系において、微分処理部22、LPF23、及びゲインコントロール部24側の信号処理系を有して形成されるものとみることができる。
図2に示す構成においては、上記のようにして、デジタル信号処理系であるデジタル信号処理部10において、速度帰還型に対応するLPF20、ゲインコントロール部21の系と、加速度帰還型に対応する微分処理部22、LPF23、及びゲインコントロール部24側の系とを備えている。このことは、例えば動作モード切り換えの一態様として、速度帰還型のみによる動作モード、加速度帰還型のみによる動作モード、また、速度帰還型と加速度帰還型の両者を有効にした動作モードとの間での切り換えが可能であることを意味する。先にも述べたように、デジタル回路であれば、このような動作モードの切り換えは容易に実現できる。
より具体的には、速度帰還型のみによる動作とする場合には、微分処理部22、LPF23、及びゲインコントロール部24に相当する信号処理を実行せずに、LPF20、ゲインコントロール部21に相当する信号処理を実行させる。また、合成器13においては、低域補正イコライザ12からのオーディオ信号に、ゲインコントロール部21からの帰還信号のみを位相反転させて合成すればよい。
また、加速度帰還型のみによる動作とする場合には、微分処理部22、LPF23、及びゲインコントロール部24に相当する信号処理を実行させる一方、LPF20、ゲインコントロール部21に相当する信号処理は実行させないようにする。また、合成器13においては、低域補正イコライザ12からのオーディオ信号に、ゲインコントロール部24からの帰還信号のみを位相反転させて合成する。
さらに、速度帰還型と加速度帰還型とを共に動作させる場合には、LPF20、ゲインコントロール部21に相当する信号処理と、微分処理部22、LPF23、及びゲインコントロール部24に相当する信号処理との両者を実行させる。合成器13においては、低域補正イコライザ12からのオーディオ信号に、ゲインコントロール部21及びゲインコントロール部24からの2つの帰還信号を位相反転させて合成する。
ここで、上記したMFBの動作モードの切り換えとして、先ず、MFBのオン/オフが可能であることとする。なお、図2においてMFBをオフとする動作モード(MFBオフモード)の場合には、入力オーディオ信号をADC11によりデジタル形式に変換してデジタル信号処理部10に入力させたうえで、MFBに関連するデジタル信号処理を施すことなく(他の所要のデジタル信号処理については適宜実行してよい)、DAC14に出力させるようにすればよい。
また、MFBがオンの場合としては、さらに、速度帰還型のみを動作させるモード(第1MFBオンモード)と、速度帰還型と加速度帰還型とを共に動作させるモード(第2MFBオンモード)との間で切り換えを行うものとする。ただし、ここでの説明にあたっては、便宜上、ゲインコントロール部21、24にて設定されるゲイン値については、それぞれ最適であるとして選定した1つの値が設定されているものとする。
なお、図2に示す構成を採る装置の実際として、代表的なものの1つとしては、アクティブスピーカなどを挙げることができる。
[3−2.イコライザ補正特性設定]
図2の構成では、低域補正イコライザ12も例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタ、若しくはIIR(Infinite Impulse Response)フィルタなどとして、デジタルにより形成されていることから、その補正特性の変更設定が容易に可能となっている。そこで、上記のMFB動作モード切り換えが行われることを前提にして、低域補正イコライザ12の補正特性の設定例について説明する。
先ず、図3は、図2に示すMFB信号処理系において、速度帰還型と加速度帰還型との何れのMFBについてもオフとした、MFBオフモードの場合の、スピーカユニット16の周波数特性を示している。
また、図4は、図2に示すMFB信号処理系において、速度帰還型によるMFBはオン、加速度帰還型によるMFBはオフとした、第1MFBオンモードの場合の、スピーカユニット16の周波数特性を示している。ただし、入力オーディオ信号に対して低域補正イコライザ12による帯域補正はかけられていない。
図5は、図2に示すMFB信号処理系において、速度帰還型によるMFBと、加速度帰還型によるMFBの何れもオンとした、第2MFBオンモードの場合の、スピーカユニット16の周波数特性を示している。この図の場合も、図4と同様に、入力オーディオ信号に対して低域補正イコライザ12による帯域補正はかけられていない。
これらの図から分かるように、図4の第1MFBオンモードと図5の第2MFBオンモードの何れの場合も、図3のMFBオフモードのときと比較した場合には、低域共振周波数f0近傍のパワーが低減している。つまり、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとの何れの場合においても、MFBとしての帰還制御によるスピーカユニット振動板の制動が効いていることが示されているものであり、これが再生される音響についての改善が図られることの根拠となる。
ただし、同じMFBオンモードにおいて、第1MFBオンモードである図4の特性と、第2MFBオンモードである図5とを比較してみても、両者の特性が相応に異なっていることが分かる。例えば低域共振周波数f0近傍のパワーについては、図5に示される第2MFBオンモードのほうが強めの傾向となっている。このような相違は、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとで、帰還制御の条件が異なることに起因している。
次に、この場合の低域補正イコライザ12としては、第1MFBオンモードに対応する図4の特性と、第2MFBオンモードに対応する図5の特性とのそれぞれに対応させて、何れもが目標周波数特性となるようにして2つのイコライザの補正特性を決定すべきことになる。
ここでの目標周波数特性としてはフラット(平坦)であるものとする。つまり、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとの何れの動作モードにおいても、スピーカユニット16にて再生される音の周波数特性としては、最終的にフラットな特性が得られるようにする。
この場合において、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとでは、図4と図5に示すようにして周波数特性が異なる。従って、スピーカユニット16について、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとでともにフラットな周波数特性を得るためには、第1MFBオンモードのときと、第2MFBオンモードのときとで、それぞれ、異なる補正特性を設定すべきことになる。つまり、第1MFBオンモードに対応しては、図4に示すようにして測定された周波数特性をフラットとするための可変対象周波数、また可変対象周波数に与えるゲインなどのパラメータを求め、このパラメータに基づいて補正特性を決定する。同様にして、第2MFBオンモードに対応しては、図5に示す周波数特性をフラットとするための可変対象周波数、可変対象周波数に与えるゲインなどのパラメータを求め、このパラメータに基づいて補正特性を決定する。
そして、実際のMFB信号処理系の動作中においては、先ず、動作モードとして第1MFBオンモードが設定されているときには、第1MFBオンモードに対応した補正特性が設定されるように低域補正イコライザ12のパラメータをセットする。同じく、第2MFBオンモードが設定されているときには、第2MFBオンモードに対応した補正特性が設定されるように、低域補正イコライザ12に対してパラメータをセットする。
これにより、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードの何れが設定されているときにも、スピーカユニット16の周波数特性としては、例えば図6に示すようにして、低域のパワーが持ち上げられるようにして補正されたフラットな特性が得られることになる。
なお、MFBオフモードのときには、入力オーディオ信号が低域補正イコライザ12をパスするようにして設定する。
[3−3.アプリケーション例(第1例)]
ところで、上記のようにして第1MFBオンモードのときと第2MFBオンモードのときとで共にフラットな周波数特性に補正したとしても、実際にスピーカユニット16から再生される音の聞こえ方は、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとで明確に異なる。この現象については本願発明者等も実際に確認している。
このような結果は、例えば1つには、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとで帰還制御の条件が異なることにより、たとえ測定される周波数特性が同じとなるように補正されたとしても、実際のスピーカユニット16の振動板に対する制動の状態に相違のあることが挙げられる。
このようなスピーカユニット16の振動板の制動の状態の違いを、過渡現象としてみた場合には、例えば図7のようになる。なお、図7はあくまでも動作モードごとの過渡現象の違いを分かりやすく示すための模式的なものである。
図7(a)は、図3に対応するMFBオフモードのときに対応する特性を示し、図7(b)は、図4に対応する第1MFBオンモードのときに対応する特性を示し、図7(c)は、図5に対応する第2MFBオンモードのときに対応する特性を示している。これらの図は、例えばスピーカユニット16への駆動信号の供給を時間0のタイミングで停止させた直後の振動板の動き(低域共振周波数f0近傍)を測定したものとして捉えることができる。
MFBオフモードの場合には、MFBによるダンピングが効いていないために、図7(a)のようにして、時間0を経過した後において、徐々に振幅が減衰していく特性となる。
これに対して図7(b)に示す第1MFBオンモードでは、速度帰還型のMFBによるダンピングがかかっていることで、図7(a)よりも時間0から短時間で振幅が減衰している。これは、例えばいわゆる「ボンつき」といわれる音の響き方が抑制されるようにして改善されていることを表している。
また、図7(c)に示す第2MFBオンモードにおいても、時間0から短時間で振幅が減衰しているが、若干、図7(b)の場合よりも振幅が減衰する時間が長くなっているようなイメージとなっている。あくまでも1つの表現であるが、これは、図7(b)の場合と同様に「ボン付き」は抑制されているが、図7(b)の場合と比較して、若干の残響感のようなものが残っているという聞こえ方になる。
このようにして、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとでは、周波数特性を同じに補正したとしても、スピーカユニット16にて再生される音についての聴感上での印象、聞こえ方には相違が現れる。
このような第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとでの音の聞こえ方の違いに関しては、例えばどちらが絶対的に良いというものではなく、聴取者それぞれの好みによって、どちらが好ましいかが異なってくるものであるとみることができる。また、同じ聴取者であっても、再生している音源の種類、例えばジャンルなどに応じて、好ましいと思えるモードが違ってくる場合もあると考えられる。
この観点からすると、デジタル回路によりMFB信号処理系を構成した場合において、ユーザ操作に応じて、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとの切り換えを行えるようにしたアプリケーションを考えることができる。
つまり、MFBのオン/オフ切り換えに加えて、MFBをオンとするのにあたり、音の好みに応じて、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとを任意に選択して切り換えられるようにしたる操作が行えるようにするものである。
このようなMFBの動作モード切り換え操作に応じては、例えばデジタル信号処理部10により、図8に示すモード設定テーブルのデータを保持しておくようにする。
図8に示すモード設定テーブルにおいては、先ず、MFBオフモード、第1MFBオンモード、第2MFBオンモードの動作モードの項目が規定されている。MFBに関する操作としては、これらの動作モードのうちの何れか1つを選択できるようになっている。そして、これらの動作モードごとに、速度帰還型MFBのオン/オフ設定内容、加速度帰還型MFBのオン/オフ設定内容、及び低域補正イコライザ12に設定すべきイコライザ補正特性が対応付けられる。
図8において、MFBオフモードに対応しては、速度帰還型MFBはオフ、加速度帰還型MFBもオフとすべきことが示されている。また、イコライザ補正特性については、低域補正イコライザ12をパスさせるべきことが示されている。
また、第1MFBオンモードに対応しては、速度帰還型MFBはオン、加速度帰還型MFBはオフとすべきことが示されている。また、イコライザ補正特性については、図においては「特性1」と記載されているが、実際においては、第1MFBオンモードに対応して例えば周波数特性をフラットとするための補正特性(イコライジング特性)として、可変対象周波数、可変対象周波数のゲインなどのパラメータが指定されている。
また、第2MFBオンモードに対応しては、速度帰還型MFBはオン、加速度帰還型MFBもオンとすべきことが示されている。「特性2」と記載されているイコライザ補正特性については、第2MFBオンモードに対応して周波数特性をフラットとするための補正特性のパラメータが指定されている。
ここで、ユーザ操作により、MFBオフモードが選択されたとする。これに応じて、例えばDSPとしてのデジタル信号処理部10は、図8のモード設定テーブルを参照して、MFBオフモードに対応付けられている速度帰還型MFBのオン/オフ設定内容、加速度帰還型MFBのオン/オフ設定内容、及びイコライザ補正特性を認識する。そして、速度帰還型MFBはオフ、加速度帰還型MFBはオフ、低域補正イコライザ12はパスさせるように信号処理系を設定する。これにより、MFBオフのデジタル信号処理系が形成される。
また、第1MFBオンモードが選択されたことに応じては、デジタル信号処理部10は、モード設定テーブルにおいてMFBオンモードに対応付けられている速度帰還型MFBのオン/オフ設定内容、加速度帰還型MFBのオン/オフ設定内容、及びイコライザ補正特性に従って信号処理系を形成する。つまり、デジタル信号処理部10において、速度帰還型MFBはオン、加速度帰還型MFBはオフとなるようにしてクローズドループを形成し、さらに、低域補正イコライザ12に対しては、特性1として示されるパラメータを設定する。
また、第2MFBオンモードが選択されたことに応じては、デジタル信号処理部10は、モード設定テーブルにおいてMFBオンモードに対応付けられている速度帰還型MFBのオン/オフ設定内容、加速度帰還型MFBのオン/オフ設定内容、及びイコライザ補正特性に従って信号処理系を形成する。つまり、デジタル信号処理部10において、速度帰還型MFBと加速度帰還型MFBとが何れもオンとなるようにしてクローズドループを形成し、さらに、低域補正イコライザ12に対しては、特性2として示されるパラメータを設定する。
[3−4.アプリケーション例(第2例)]
上記図8のモード設定テーブルに対応した第1例のアプリケーションでは、第1MFBオンモードと第2MFBオンモードとで、それぞれ、ゲインコントロール部21、24において設定されるゲイン(フィードバックゲイン)は単一で固定であることを前提としていた。
しかし、デジタル回路であるデジタル信号処理部10において備えられるゲインコントロール部21,24に関しては、そのゲイン値のパラメータについても容易に変更設定することが可能である。すると、例えば、速度帰還型MFBと加速度帰還型MFBとをともにオンとする動作モードにおいて、ゲインコントロール部21,24における各ゲインを設定することで、速度帰還型MFBの帰還量(フィードバック量)と加速度帰還型MFBの帰還量とを適宜変更設定することが可能であることになる。このようにして速度帰還型MFBと加速度帰還型MFBの各帰還量が可変されることで、速度帰還型MFBと加速度帰還型MFBの帰還量の組み合わせに応じて、スピーカユニット16にて再生される音の聞こえ方にも変化が生じることになる。また、この速度帰還型MFBと加速度帰還型MFBの帰還量の組み合わせに応じた音の聞こえ方については、例えば第1例のアプリケーションのような速度帰還型MFBと加速度帰還型MFBとのオン/オフの組み合わせによる場合と比較すれば、より細分化して設定することができる。
例えば、同じオーディオソースであっても、映画などのビデオコンテンツの音と、CDなどのオーディオコンテンツの音では、適している音響感は異なる。例えば、映画の音などは、迫力を得るために或る程度の残響感があったほうがよい。一方、オーディオコンテンツの音については、より忠実な再生が求められることから、映画の音のようには残響感が残らない方が好ましい。さらに、オーディオコンテンツのなかでも、例えば音楽のジャンルなどに応じて好ましいとされる音響感は異なってくるものと考えられる。
このようなことを考慮して、アプリケーションの第2例としては、次のようにして構成することとした。
先ず、再生するオーディオソースについての、映画、音楽などのコンテンツ種別、また、同じオーディオコンテンツにおけるジャンルごとに適する音響感が得られるとされる速度帰還型MFBと加速度帰還型MFBの帰還量の組み合わせ、つまり、ゲインコントロール部21、24のそれぞれに設定すべきゲイン値を予め決定しておくようにする。
そして、上記の決定内容に基づいて、例えば図9に示すようなゲイン−補正特性テーブルを作成し、これをデジタル信号処理部10に保持させる。
図9においては、項目として、先ず大きくは映画と音楽とのコンテンツ種別に分けられている。さらに、音楽のコンテンツ種別においては、例えばロック、ジャズ、クラシックのようにしてジャンルで区分されている。そのうえで、上記の映画、ロック、ジャズ、クラシックの各項目に対して、速度帰還型MFBゲイン、加速度帰還型MFBゲイン、及びイコライザ補正特性が対応付けられている。
速度帰還型MFBゲインは、速度帰還型MFBに対応したゲインコントロール部21に対して設定すべきゲイン値が示される。ここでは、映画、ロック、ジャズ、クラシックの項目ごとに対応してゲインコントロール部21に設定すべきゲイン値が、それぞれa1,b1,c1,d1であるとして示されている。
同様に、加速度帰還型MFBゲインは、加速度帰還型MFBに対応したゲインコントロール部24に対して設定すべきゲイン値が示される。ここでは、映画、ロック、ジャズ、クラシックの項目ごとに対応してゲインコントロール部24に設定すべきゲイン値が、それぞれa2,b2,c2,d2であるとして示されている。
また、このようにして、速度帰還型MFBの帰還量と加速度帰還型MFBの帰還量、即ちゲイン値(フィードバックゲイン)の組み合わせを変更すれば、その組み合わせごとに得られるスピーカユニット16の再生音の波数特性も変わる。従って、例えば先の説明のようにして、低域補正イコライザ12により周波数特性がフラットとなるように補正しようとすれば、上記ゲイン値の組み合わせにより得られる周波数特性に対応させて、イコライザ補正特性を設定すべきことになる。図9のゲイン−補正特性テーブルにおけるイコライザ補正特性は、各項目のゲイン値の組み合わせに応じた周波数特性に対応して設定された、低域補正イコライザ12のイコライジング特性を示している。
そのうえで、ユーザには、上記コンテンツ種別、ジャンルを選択する操作が行えるようにする。この図9のテーブルデータの内容に対応させた場合、操作としては、「映画」と、音楽のコンテンツ種別における「ロック」、「ジャズ」、「クラシック」との4つの選択肢のうちから1つを選択可能に構成することになる。
そして、ユーザ操作によりコンテンツ種別、ジャンルが選択されることに応じて、デジタル信号処理部10は、ゲイン−補正特性テーブルから、選択されたコンテンツ種別若しくはジャンルに対応付けられている速度帰還型MFBゲイン、加速度帰還型MFBゲイン及びイコライザ補正特性を取得する。そして、取得した内容に従って、ゲインコントロール部21、24の各ゲイン値、及び低域補正イコライザ12のイコライジング特性を変更設定する。
このようにして、第2例のアプリケーションは、再生対象となるオーディオソースのコンテンツ種別、ジャンルをユーザが選択指定することに応じて、選択されたコンテンツ種別、ジャンルに適合するMFBの効き具合が自動的に設定されるようにしている。つまり、ユーザが指定したオーディオソースのコンテンツ種別、ジャンルに適合した再生音の音響感を得るために、MFBの効き具合を切り換えようとするものである。
なお、図9に示されるコンテンツ種別、ジャンルはあくまでも一例である。また、上記の第2例のアプリケーションの説明では、速度帰還型MFBと加速度帰還型MFBとを共にオンとしたうえで、コンテンツ種別、ジャンルごとに、各ゲイン値(帰還量)を変更設定することとしている。しかし、第2例においても、速度帰還型MFBと加速度帰還型MFBのオン/オフの組み合わせが併用されてよい。例えば速度帰還型MFBのみをオンとしたうえで、そのときのゲイン値を可変するような設定も可能である。
また、先の第1例のアプリケーションにおいても、例えばMFBオフモード、第1MFBオンモード、第2MFBオンモードの選択操作に関して、例えば、第2例に準じたユーザインターフェースとすることも考えられる。つまり、MFBオフモード、第1MFBオンモード、第2MFBオンモードの選択肢ごとに、例えば音響感を表す表現であるとか、ジャンル、コンテンツ種別などの名称を割り当てるようにする。
また、これまでの説明においては、低域補正イコライザ12のためのイコライザ補正特性については、目標周波数特性としてフラットであることを前提としたが、これも一例である。聴感上で良好な結果が得られるのであれば、フラット以外の目標周波数特性として、例えば低域を一定レベルによりブースト若しくはカットした特性をはじめ、任意の特性を設定してかまわない。
さらに、目標周波数特性は、MFBの動作モードや、帰還量の組み合わせに対して共通であるべき必要もない。例えばより好ましい音響感を得ることを目的として、意図的に、MFBの動作モード、帰還量の組み合わせごとに異なる目標周波数特性を設定してよい。
<4.デジタルMFB:変形例>
これまでにおいては、実施形態として、ブリッジ検出方式を基にして速度帰還型MFBと加速度帰還型MFBとを併用する構成について説明してきた。
ブリッジ検出方式は、ブリッジ回路17により逆起電力を検出することから、例えばスピーカユニット16の振動板などに物理的なセンサを設ける必要が無く、物理構造が複雑にならないという点で有利なことが知られている。
しかし、MFBにおける検出方式には、ブリッジ検出方式以外に、例えば、静電容量、レーザ変位計などにより、スピーカユニット16の振動板の変位を検出する方式も知られている。
そこで、本実施形態のMFB信号処理系の変形例として、図2に示した構成に対して、さらに、変位検出を付加した構成例を、図10に示しておく。なお、図10において図2と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図10においては、先ず、スピーカユニット16に対して振動板の変位を検出するための変位センサ29が設けられる。この変位センサ29は、例えば上記した静電容量、レーザ変位計などとされる。変位センサ29にて振動板の変位を検出して得られるアナログの検出信号は、増幅回路25により増幅されたうえで、ADC26によりデジタル信号に変換され、デジタル信号処理部10に入力される。
この場合のデジタル信号処理部10においては、さらに、LPF27、ゲインコントロール部28を備える。ADC26から入力されてくるデジタルの変位検出信号は、LPF27を通過することで不要な高周波帯域成分除去され、ゲインコントロール部28によりゲインが与えられて帰還信号として合成器13に対して出力される。
この場合の合成器13は、ゲインコントロール部21からの速度帰還型に対応する帰還信号、ゲインコントロール部24からの加速度帰還型に対応する帰還信号、及びゲインコントロール部28からの変位検出方式(帰還方式としては、変位帰還方式とみることができる)に対応する帰還信号とを、それぞれ反転させて、低域補正イコライザ12経由のオーディオ信号と合成することができる。
このような構成のもとでは、第1例のアプリケーションとしては、速度帰還型MFB、加速度帰還型MFB、及び変位検出に基づくMFBとの間でオン/オフの組み合わせを切り換え、この組み合わせに応じて、低域補正イコライザ12の補正特性も変更して設定することになる。
また、第2例のアプリケーションとの対応では、予め規定したコンテンツ種別、ジャンルに応じて、ゲインコントロール部21,24,28の各ゲイン値の組み合わせを決定しておき、このゲイン値の組み合わせと、各組み合わせに応じて決まるイコライザ補正特性とにより、ゲイン−補正特性テーブルを形成することになる。
このように本実施形態としては、併用するMFBの検出方式の数、また、検出方式の組み合わせの態様については特に限定されるべきではない。
また、同じ検出方式、帰還方式などに関しても、その検出のための構成、信号処理構成などは適宜変更されてよい。一例として、速度帰還型MFBに対応する速度検出としては、例えば検出コイルをスピーカユニット16に設ける手法も知られている。また、加速度を検出したうえで、その検出信号を積分することによって速度検出の信号を得ることも可能である。また、加速度については、加速度センサであるとか、マイクロフォンによる音圧検出を採用することもできる。
<5.フィードバックゲイン調整>
[5−1.アナログ回路での調整]
MFB信号処理系におけるフィードバックゲインについては、例えば、所望の帰還量が得られるようにしてゲイン値を設定することになる。ただし、同じゲイン値を設定したとしても、スピーカユニット自体が持つ特性のばらつき、また、振動板の動きの検出部位などのアナログ部品のばらつきなどにより、現実に得られる帰還量は異なる。そこで、例えば少なくとも工場出荷時などのユーザに手渡される前段階において、上記のばらつきを吸収して適切な現実の帰還量を得るためにフィードバックゲインの調整を行うことが好ましい。
そこで先ず、アナログ回路によるMFB信号処理系として、フィードバックゲイン調整を可能とした構成例を、図19に示す。この図19に示す構成は、先に図15に示した構成を基としており、図15と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図19においては、ゲイン調整ボリューム108の出力と、合成器102の入力段との間にスイッチSW1を挿入している。また、低域補正イコライザ101の出力と合成器102の入力段との間にスイッチSW2を挿入している。スイッチSW1はオン/オフスイッチであり、スイッチSW2は、端子tm1に対して端子tm2,tm3の何れかが接続されるようにして切り換えが行われる切り換えスイッチである。スイッチSW2において、端子tm1は合成器102の入力段と接続され、端子tm2は低域補正イコライザ101の出力と接続される。また、端子tm3は、通常動作時に対応してはオープンとなっている。
通常動作時においては、図19に示すように、スイッチSW1はオンとし、スイッチSW2については端子tm1に対して端子tm2を接続する。これにより、MFB信号処理系としては、図1と同じクローズドループ回路が形成され、入力オーディオ信号は、低域補正イコライザ12を経由して合成器102に出力される。つまり、通常にMFBの信号処理を実行できる回路が形成される。
これに対して、フィードバックゲインを調整する際には、図20に示すようにして、スイッチSW1をオフとする。これにより、ゲイン調整ボリューム108の出力が合成器102には入力されなくなり、従って、オープンループを形成することになる。
また、スイッチSW2については、端子tm1を端子tm3と接続するようにして切り換えたうえで、端子tm3には、フィードバックゲイン調整用の測定信号を入力する。これにより、オープンループのMFB信号処理系に対しては、オーディオソースのオーディオ信号に代えて、測定信号が入力される。なお、アナログ回路のMFB信号処理系に対応した測定信号としては、例えば測定対象の周波数帯域に対応した正弦波のスイープ信号であるとか、ホワイトノイズなどを用いることができる。
また、ゲイン調整ボリューム108の出力は、例えばモニタ信号として、測定用のモニタ装置に対して入力させる。
図20に示す構成において、スイッチSW2の端子tm3に入力させた測定信号は、パワーアンプ103、スピーカユニット104、ブリッジ回路105、検出/増幅回路106、ローパスフィルタ107、ゲイン調整ボリューム108を経由し、モニタ信号として得られる。
ここでの測定結果として、モニタ信号の周波数特性が図21に示すものであったとする。このようにしてモニタ信号としては、低域共振周波数f0 = 80Hzにおいてピークが得られる特性を持つ。
一例として、ここではMFB信号処理系がクローズドループの状態で12dBによるフィードバックを行うものとする。オープンループにおけるゲインは、クローズドループのフィードバック量(倍率)をαとするとα−1倍となる。そこで、この場合には、例えば調整作業者がモニタ信号を観測しながら、低域共振周波数f0 = 80Hzのピークについて、測定信号の3倍のパワー(レベル)となるようにして、ゲイン調整ボリューム108としての可変抵抗素子を、手動で調整する。
このようにして、アナログ回路によるMFB信号処理系の場合、フィードバックゲインの調整は、手動で行う必要がある。このために、全てのMFB信号処理系を備える装置ごとに、正確なフィードバックゲインの調整が行われるようにすることは難しい。
また、アナログ回路の場合には、例えば出荷前段階でのフィードバックゲイン調整の後、スイッチSW1,SW2を図20から図19の状態に切り換えたうえで、例えば装置を組み立てるなどして出荷することになる。従って、通常、装置が一般ユーザにわたった段階では、フィードバックゲインの調整を行うことはできない。つまり、通常、フィードバックゲインの調整は製造段階に限られてしまう。仮に、装置について、一般のユーザがスイッチSW1,SW2及びゲイン調整ボリュームの可変抵抗素子を簡単に操作できるようにしたとしても、調整には測定装置などが必要であり、相応の技術も必要になる。つまり、一般ユーザが調整可能にすることは好ましくない。
[5−2.デジタル回路での調整]
そこで、本実施形態としては、フィードバックゲインについて自動調整可能な構成を下記のようにして提案する。
図11は、実施形態として、デジタル回路によるMFB信号処理系におけるフィードバックゲイン調整のための構成例を示している。なお、この図において、図1,図2と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。また、本実施形態としては、図2等に示されるようにして、デジタル信号処理段において帰還方式の異なる複数の帰還制御系を備える構成を基礎とする。しかし、図11は、説明を簡単で分かりやすいものとするために、図1に示した速度帰還型による1系統の帰還制御系のみを備える構成を基とした構成例としている。
デジタル回路による本実施形態のMFB信号処理系のもとで、フィードバックゲインを調整するのにあたっては、例えばDSPであるデジタル信号処理部10の信号処理動作について、図11に示すようにして形成する。つまり、測定信号生成部31,再生バッファ32,LPF20、バッファ33、FFT部34、逆TSP処理/特性抽出部35、ゲイン設定部36を有するものとなるようにする。
この場合の測定信号生成部31は、デジタル回路であることに対応して、測定信号として例えばTSP(Time Stretched Pulse)信号を生成する。つまり、ここでのフィードバックゲイン調整のための測定にあたっては、インパルス応答測定を利用する。測定信号生成部31にて生成されたTSP信号は再生バッファ32にて保持される。先ず、再生バッファ32から読み出されたデータがデジタルのTSP信号とされ、デジタル信号処理部10から出力される。このTSP信号は、DAC14によりアナログ信号とされたうえで、パワーアンプ15にて増幅され、スピーカユニット16のボイスコイルに供給される。このときのTSP信号に応じたスピーカユニット16の振動板の動きは、ブリッジ回路17にて検出され、検出/増幅回路18から増幅された検出信号としてADC19に出力される。
ADC19は、入力されるアナログの検出信号をデジタルに変換して出力する。デジタル信号処理部10においては、ADC19からのデジタルの検出信号についてLPF20を通過させて不要な高周波帯域成分を除去する。バッファ33では、LPF20を通過したTSP応答信号の取り込みを所定複数回実行して例えば平均値を算出し、FFT部34にわたす。
FFT部34では、平均化されたTSP応答信号について例えばFFT(First Fourier Transform)による周波数解析処理を実行する。また、逆TSP処理/特性抽出部35は、FFT部34からのデータに対して逆TSP処理を実行する。これにより、オープンループのMFB信号処理系として、この場合には、速度帰還型の系を伝達した測定信号についての特性が得られることになる。
そこで、ゲイン設定部36は、逆TSP処理/特性抽出部35により測定された周波数特性において示されるピークレベル(低域共振周波数f0)と、目標のピークレベルの値との差分に基づいて、フィードバックゲインを設定する。例えば、逆TSP処理/特性抽出部35により測定された周波数特性が示すピークレベルが-5dBであるのに対して、目標のピークレベルが9dBであるとすれば、フィードバックゲインは、9-(-5)=14dBとして求められる。
但し、図11に示されるMFB信号処理系はオープンループとなっている。フィードバックゲイン設定のための測定はオープンループでなければ行えない。従って、ここまでの段階で求められるフィードバックゲインは、オープンループに対応した値となる。実際にMFB信号処理系によりMFBをかける場合には、図1に示したクローズドループを形成するが、このときに目標ピークレベルとなるフィードバックゲイン、つまりクローズドループ時のフィードバックゲインは、上記オープンループ時のものに対して誤差を有する。
そこで、ゲイン設定部36は、上記のようにして求めたオープンループ時のフィードバックゲイン値から、クローズドループ時のフィードバックゲイン値を求める。なお、ここでの演算式についての具体例については省略するが、クローズドループ時のフィードバックゲイン値は、上記のようにして求めたオープンループ時のフィードバックゲイン値を利用した演算によって一義的に求めることが可能である。
デジタル信号処理部10は、上記のようにしてゲイン設定部36により求められたクローズドループ時のフィードバックゲイン値を、ゲインコントロール部21に設定すべきパラメータとして保持する。そして、実際にMFB信号処理系を動作させるときには、デジタル信号処理部10は、例えば図11との対応であれば、図1に示す信号処理系を形成する。そのときに、ゲインコントロール部21に対して、保持しているフィードバックゲイン値を設定する。
上記のように本実施形態のフィードバックゲイン調整は、自動的に最適値が得られるようになっている。しかも、オープンループによる測定を行いながら、最終的にはクローズドループ時に対応するゲイン値を取得できるようになっている。
また、上記のようにして自動的にフィードバックゲインが調整可能であるということは、例えば、ユーザ操作などに応じてフィードバックゲイン値を調整可能なようにして構成することとしても、アナログ回路の場合のような不具合は生じないといえる。
そこで、本実施形態のMFB信号処理系を備える装置としては、ユーザ操作として、フィードバックゲイン値の調整を指示するための操作が行えるようにする。そして、フィードバックゲイン値の調整を指示する操作が行われたことに応じては、デジタル信号処理部10は、先に図11に示したオープンループの信号処理系を形成して測定を開始させて最終的にクローズドループ時のフィードバックゲイン値を求め、これを保持する。そして、以降においてMFB信号処理系を動作させるときには、この新たに保持されているフィードバックゲイン値を、ゲインコントロール部21に対してセットする。
例えば、経時変化などにより、スピーカユニット16の再生特性であるとか、アナログ部品の特性には変化が生じ得る。これらの特性に変化が生じれば、これに応じて、例えば、これまでに設定されていたゲイン値と、現実に最適となるゲイン値との間には誤差が生じてくる。上記のようにしてユーザ操作に応じて任意のときにフィードバックゲイン値を再調整可能なようにすれば、上記した経時変化にも対応して常に最適なフィードバックゲイン値を設定してMFBを動作させることができる。
なお、実際において、図2,図10のようにして、複数の帰還制御系を複合したMFB信号処理系の構成を採る場合には、それぞれの系ごとにクローズドループ時のフィードバックゲイン値を求めるようにすればよい。
例として図2に対応した構成であれば、図11の構成に対して、さらに加速度帰還型のオープンループを追加して形成する。つまり、デジタル信号処理部10において、先ず、図2に示した微分処理部22、LPF23を設ける。この場合にも、微分処理部22には、ADC19から出力されるデジタルの検出信号が分岐して入力させればよい。また、LPF23の後段に対しては、加速度帰還型に対応するものとして、さらに、バッファ33,FFT部34、逆TSP処理/特性抽出部35、ゲイン設定部36から成る系を、図11に示した速度帰還型の系と併行して設けるようにする。これにより、速度帰還型に対応してゲインコントロール部21に設定すべきゲイン値とともに、加速度帰還型に対応してゲインコントロール部24に設定すべきゲイン値とが求められる。
また、図9のテーブルデータに対応したMFB制御のように、コンテンツ種別やジャンルの項目ごとに対応してゲイン値を可変する構成の場合には、項目ごとに対応してフィードバックゲイン値を求めることになる。この場合において、例えばオンとする帰還方式の信号処理系の組み合わせが同じものについては、そのうちで基本となる1つの信号処理系に対応したフィードバックゲイン値を測定により求める。次に、これ以外のものについては、例えば基本のフィードバックゲイン値に対するオフセット量、オフセット比率などを定めておいて、演算により求めるようにすることが考えられる。
<6.イコライザ補正特性調整>
[6−1.アナログ回路での調整]
ところで、上記のようにして、フィードバックゲイン値が調整可能である場合、フィードバックゲイン値が変更されたとしても、イコライジング特性がそのままでは、スピーカユニット16の再生音の周波数特性が変わってしまうことになる。そこで、低域補正イコライザ12の補正特性(イコライジング特性)についても、調整後のフィードバックゲイン値に応じて設定し直すことが必要になる。
そこで、例えば図1に示すアナログ回路によるMFB信号処理系については、次のようにしてイコライジング特性を設定することができる。
まずは、スピーカユニット16にて再生される音を収音するためのマイクロフォンを設置し、低域補正イコライザ101についてはフラットな特性とした状態で、図1に示すMFB信号処理系をクローズドループにより動作させる。つまり、MFBをオンとする。そして、このMFBがオンの状態の下で、マイクロフォンにて収音して得られる音声信号の周波数帯域を測定する。作業者は、測定される周波数特性を監視しながら、この測定される周波数特性が目標の周波数特性となるようにして、例えば手動で低域補正イコライザ101のイコライジング特性を変更する。
このようにして、イコライジング特性の調整としても、アナログ回路によるMFB信号処理系では、MFBをオンとした状態での手動により行う必要があり、測定装置も必要になってくる。従って、通常に考えれば、イコライジング特性の調整も、製造段階若しくは工場出荷前の段階で行うものであって、ユーザに調整可能なようにすることは適切ではない。
[6−2.デジタル回路での調整]
本実施形態に対応するイコライジング特性(イコライザ補正特性)の調整のための構成例を、図12に示す。なお、この場合にも、説明の便宜上、速度帰還型の1系統のみによるMFB信号処理系を前提とした構成が示されている。なお、図12において、図11と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図12に示す構成は、図11に示した構成に対して、イコライザ補正特性設定部37及びパラメータ保持部38を追加したものとなる。この場合のパラメータ保持部38は、パラメータとして、ゲインコントロール部21に設定すべきクローズドループ時のフィードバックゲイン値βと、低域補正イコライザ12に設定すべきイコライザ補正特性γを保持する。
イコライザ補正特性設定部37は、ゲイン設定部36により新たに求められたフィードバックゲイン値βnewと、パラメータ保持部38に保持されるフィードバックゲイン値β、イコライザ補正特性γとにより、新たに求められたフィードバックゲイン値βnewに対応する新たなイコライザ補正特性γnewを求める。



図13は、図12に示すデジタル信号処理部10が実行するとされるイコライザ補正特性設定のための処理をフローチャートにより示している。なお、この図に示すステップは、例えばゲイン設定部36、イコライザ補正特性設定部37のいずれかが適宜実行するものとしてみることができる。
先ず、ステップS101においてゲイン設定部36は、オープンループ時に対応するフィードバックゲイン値αを測定し、さらに、ステップS102により、上記フィードバックゲイン値αを用いた演算により、新たなクローズドループ時のフィードバックゲイン値βnewを算出する。これらステップS101,S102の処理は、先に図11により説明した手順により行えばよい。
続いて、イコライザ補正特性設定部37は、ステップS103により、パラメータ保持部38にて保持されている、フィードバックゲイン値βとイコライザ補正特性γを読み出す。
次にステップS104により、イコライザ補正特性設定部37は、上記ステップS103にて読み出したフィードバックゲイン値β及びイコライザ補正特性γと、先にステップS102にて算出された新規のフィードバックゲイン値βnewとを利用した演算によって、新規のイコライザ補正特性γnewを算出する。
イコライザ補正特性γnewを算出するための演算式の具体例については説明を省略するが、その演算のアルゴリズムとしては、例えば先ず、新規のフィードバックゲイン値βnewと、これまでのフィードバックゲイン値βとの差分を求める。次に、例えばこの求められた差分に応じて生じていると推定される周波数特性の誤差を求める。この誤差が求められれば、誤差を補償するためのイコライザ特性の補正量も一義的に求められる。そして、これまでのイコライザ補正特性γに対してこの補正量に応じた特性の変更を与えるための演算を行えば、新たなイコライザ補正特性γnewが求められる。
次に、イコライザ補正特性設定部37は、ステップS105により、上記のようにして新規に求めたイコライザ補正特性γnewを、以降においてパラメータ保持部38にて保持させるべきイコライザ補正特性γとして設定する。同じく、このイコライザ補正特性γnewに対応するものとしてステップS102により求められたフィードバックゲイン値βnewを、以降においてパラメータ保持部38にて保持させるべきフィードバックゲイン値βとして設定する。
このようにして、本実施形態では、フィードバックゲイン値を新たに設定したうえで、さらに、この新規に設定されたフィードバックゲイン値に応じたイコライザ補正特性についても設定することが可能とされている。つまり、フィードバックゲイン値に加えてイコライザ補正特性の自動調整が可能とされている。
なお、図2,図10のようにして、複数の帰還制御系1〜nを複合したMFB信号処理系の構成を採る場合であるが、先ず、先にも述べたように、クローズドループ時のフィードバックゲイン値βnew(1)〜βnew(n)についてはそれぞれの系ごとに求めておくようにする。そのうえで、イコライザ補正特性設定部37は、これら複数の系ごとに求められた新規のフィードバックゲイン値βnew(1)〜βnew(n)と、パラメータ保持部38に保持されているフィードバックゲイン値β(1)〜β(n)とを用いて演算を実行する。この演算結果として、周波数特性の誤差、イコライザ特性の補正量が求められ、最終的にイコライザ補正特性γnewが求められる。
なお、工場出荷前の段階において最初に保持させるべきイコライザ補正特性をどのようにして設定するのかについてであるが、例えば装置ごとのばらつきに対応して厳密に設定しようとするのであれば、次のようにすればよい。
図14は、最初のイコライザ補正特性調整に対応したMFB信号処理系の構成例を示している。なお、この図においては、例えば図2と同様のクローズドループによるMFB信号処理系が形成されている。そのうえで、デジタル信号処理部10の外部にはマイクロフォン41、マイクアンプ42、ADC43が追加され、さらにデジタル信号処理部10においては、バッファ44、FFT部45、逆TSP処理/特性抽出部46、イコライザ補正特性設定部47を追加して備える。
そして、イコライザ補正特性を設定する際には、先ず、ADC11に対して測定信号を入力させて、MFB信号処理系を動作させる。ただし、このときには、低域補正イコライザ12の補正特性はフラットとする。つまり、低域補正イコライザ12をパスさせたのと同等とする。また、ゲインコントロール部21のフィードバックゲイン値については先に調整しておくようにする。
マイクロフォン41は、スピーカユニット16からの再生音声が収音できるようにして設ける。これによりマイクロフォン41によっては、測定信号をスピーカユニット16により再生した音を収音した音声信号が得られる。この音声信号は、例えばマイクアンプ42により増幅されたうえで、ADC43によりデジタル信号に変換されてデジタル信号処理部10に入力される。
デジタル信号処理部10において、デジタルの収音音声信号は、バッファ44、FFT処理部45、逆TSP処理/特性抽出部46を経由することで、図12のバッファ33、FFT処理部34、逆TSP処理/特性抽出部35と同等の処理が施される。つまり、マイクロフォン41により収音された測定音についての周波数特性が得られる。
イコライザ補正特性設定部47は、この逆TSP処理/特性抽出部35により得られた周波数特性を目標周波数特性とするための補正量を求める。つまり、イコライザ補正特性γを求める。そして、このようにして求められたイコライザ補正特性γを、例えば図12に示したパラメータ保持部38に保持させておくようにする。
また、本実施形態としては、これまでに説明した構成に限定されるものではない。
例えばこれまでに説明したMFB信号処理系の構成においては、DAC14によりデジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ段のパワーアンプ15により増幅してスピーカユニット16を駆動するようにしている。しかし、例えばこの部位に関してはデジタルオーディオ信号を入力してスピーカユニットを駆動するD級アンプなどとされてもよい。
また、前述もしたように、MFBのために組み合わせるべき帰還方式、スピーカ振動板の動きを検出するセンサ、回路等の方式、及び組み合わせるべき数などについては、これまでに説明した構成に限定されるものではなく、適宜変更できる。
10 デジタル信号処理部、11 ADC、12 低域補正イコライザ、13 合成器、14 DAC、15 パワーアンプ、16 スピーカユニット、17 ブリッジ回路、18 検出/増幅回路、19 ADC、20・23 LPF、21・24 ゲインコントロール部、22 微分処理部、33 バッファ、34 FFT部、35 逆TSP処理/特性抽出部、36 ゲイン設定部、37 イコライザ補正特性設定部、パラメータ保持部38

Claims (5)

  1. それぞれが異なる帰還方式である第1〜第nの帰還方式に対応してスピーカの振動板の動きを検出するようにして設けられる1以上の検出手段と、
    上記検出手段により検出して得られた1以上のアナログ形式の検出信号を、それぞれデジタル形式に変換するアナログ-デジタル変換手段と、
    上記アナログ-デジタル変換手段により得られるデジタル形式の検出信号を利用して、
    上記第1〜第nの帰還方式ごとに応じた帰還信号を生成するとともに、上記第1〜第nの帰還方式ごとに応じた帰還信号にゲインを与えるゲインコントロール手段を含む帰還信号生成手段と、
    上記スピーカの駆動信号として出力されるべきデジタル形式のオーディオ信号に対して、上記帰還信号生成手段により生成された帰還信号を合成する合成手段と、
    上記デジタル形式のオーディオ信号の周波数特性を可変するもので、上記スピーカにより再生される音を目標周波数特性とするためのイコライジング特性が設定される、補正イコライザ手段と、
    上記第1〜第nの帰還方式のうちから、上記合成手段によるオーディオ信号への帰還信号の合成までの帰還動作を実行させる帰還方式と、これを実行させない帰還方式とを設定する帰還動作設定手段と、
    上記帰還動作設定手段により設定される帰還動作を実行する帰還方式と、実行しない帰還方式との組み合わせに応じて、上記補正イコライザ手段に設定すべきイコライジング特性を変更するイコライジング特性変更設定手段と、
    測定信号としてTSP信号を生成する測定信号生成手段と、
    上記測定信号が上記駆動信号として上記スピーカに供給されているときに上記検出手段により検出して得られ、上記アナログ-デジタル変換手段によりデジタル形式に変換された帰還方式ごとの検出信号を入力して、その周波数特性を取得する、周波数特性取得手段と、
    上記周波数特性取得手段により取得される帰還方式ごとの検出信号の周波数特性において示される所定周波数のピークレベルと、目標のピークレベルの値との差分に基づいて、上記ゲインコントロール手段に設定すべき帰還方式ごとのゲインを求めるゲイン調整手段と、
    を備える信号処理装置。
  2. 上記ゲイン調整手段により求められた新たな帰還方式ごとのゲインと、この新たな帰還方式ごとのゲインが求められるまでにおいて設定されていた帰還方式ごとのゲインとに少なくとも基づいて、上記新たなゲインが上記ゲインコントロール手段に設定されるときに応じた、新たな帰還方式ごとの上記イコライジング特性を求める、イコライジング特性調整手段をさらに備える、
    請求項2に記載の信号処理装置。
  3. 上記ゲイン調整手段は、上記周波数特性取得手段により取得される検出信号の周波数特性から、先ず、帰還信号が上記合成手段にて合成されないオープンループのときのゲインを求め、このオープンループのときのゲインを利用した演算により、上記ゲインコントロール手段に設定すべき帰還方式ごとのゲインとして、帰還信号が上記合成手段にて合成されるクローズドループのときのゲインを求める、
    請求項1又は請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 上記ゲインコントロール手段により帰還信号ごとに与えるゲインを変更設定するゲイン変更設定手段が備えられるとともに、
    上記イコライジング特性変更設定手段は、上記帰還動作を実行する帰還方式に対応する帰還信号に与えるゲインが変更設定されるのに応じて、上記補正イコライザ手段に設定すべきイコライジング特性を変更する、
    請求項1乃至請求項3の何れかに記載の信号処理装置。
  5. それぞれが異なる帰還方式である第1〜第nの帰還方式に対応してスピーカの振動板の動きを検出するようにして設けられる1以上の検出手段により検出して得られた1以上のアナログ形式の検出信号を、それぞれデジタル形式に変換するアナログ-デジタル変換手順と、
    上記アナログ-デジタル変換手順により得られるデジタル形式の検出信号を利用して、
    上記第1〜第nの帰還方式ごとに応じた帰還信号を生成するとともに、上記第1〜第nの帰還方式ごとに応じた帰還信号にゲインを与える帰還信号生成手順と、
    上記スピーカの駆動信号として出力されるべきデジタル形式のオーディオ信号に対して、上記帰還信号生成手順により生成された帰還信号を合成する合成手順と、
    上記デジタル形式のオーディオ信号の周波数特性を可変するもので、上記スピーカにより再生される音を目標周波数特性とするためのイコライジング特性が設定される、補正イコライザ手順と、
    上記第1〜第nの帰還方式のうちから、上記合成手順によるオーディオ信号への帰還信号の合成までの帰還動作を実行させる帰還方式と、これを実行させない帰還方式とを設定する帰還動作設定手順と、
    上記帰還動作設定手順により設定される帰還動作を実行する帰還方式と、実行しない帰還方式との組み合わせに応じて、上記補正イコライザ手順に設定すべきイコライジング特性を変更するイコライジング特性変更設定手順と、
    測定信号としてTSP信号を生成する測定信号生成手順と、
    上記測定信号が上記駆動信号として上記スピーカに供給されているときに上記検出手段により検出して得られ、上記アナログ-デジタル変換手順によりデジタル形式に変換された帰還方式ごとの検出信号を入力して、その周波数特性を取得する、周波数特性取得手順と、
    上記周波数特性取得手順により取得される帰還方式ごとの検出信号の周波数特性において示される所定周波数のピークレベルと、目標のピークレベルの値との差分に基づいて、設定すべき上記帰還信号ごとのゲインを求めるゲイン調整手順と、
    を実行する信号処理方法。
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