JP4355112B2 - 音響特性調整装置、及び、音響特性調整プログラム - Google Patents

音響特性調整装置、及び、音響特性調整プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響特性調整装置、及び、音響特性調整方法に関し、特に、複数の音響発生部の音響特性を調整する音響特性調整装置、及び、音響特性調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチチャンネルにおける各スピーカの周波数特性を一定にすることは、マルチチャンネルのスピーカによる音場に効果的であることが知られている。
従来、スピーカの周波数特性を、予め設定された基準の周波数特性に合わせる調整の為に、まず、調整対象となるスピーカに試験音を入力して音響出力させ、そのスピーカの音響出力をマイクロフォン(以下マイク)で収音し、そのマイクで収音した試験音の周波数特性、即ち、そのスピーカの周波数特性を測定する。
【0003】
次に、その測定したスピーカの周波数特性と、予め設定されている基準周波数特性とを比較して、それら周波数特性間における差分を求め、その求められた差分に基づいてスピーカに対応する音響信号出力をイコライザ等で調整することによって、そのスピーカの周波数特性を基準周波数特性に合わせることが行われていた。
このようなスピーカの周波数特性の調整装置の一例として、特開2000−354300号公報に示すマルチチャンネルオーディオ再生装置がある。
【0004】
また一方、特開平5−175772号公報においては、マイクにより外部騒音を収音し、この収音した外部騒音に対応するように、イコライザで音響信号を補正してからスピーカ出力を行う音響再生装置が示されている。
この場合、処理の基準となる外部騒音を収音する為のマイクは、マイク固有の周波数特性を有しているので、このままでは、マイク毎やマイクの種類毎に収音した外部騒音の周波数特性が異なってしまう。
よって、このマイクの後段には、このマイクの周波数特性を補償する為の特性補正回路が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、マイクを用いてスピーカの周波数特性を調整する従来の再生装置においては、スピーカの周波数特性を再生装置内において予め設定された基準の周波数特性に合わせるために、予め周波数特性の判明してるマイクを用いる事が前提となっていた。
【0006】
より詳細には、予め周波数特性の判明しているマイクを用いる、或いは、予め周波数特性のわかっているマイクを用い、更に、所望の周波数特性になるように周波数特性補正回路によってマイクの周波数特性を補正する等によって、マイクで収音された試験音を基にして、スピーカの周波数特性を得ている。
【0007】
そして、この得られた周波数特性と、予め設定された基準周波数特性、例えば、所定の周波数帯域でフラットである周波数特性等とを比較し、スピーカの周波数特性を基準周波数特性に一致させるように、イコライザ等の周波数調整装置で周波数特性を調整している。
【0008】
そして、合わせ込む基準となる基準周波数特性は、絶対的な(どのスピーカにも依存しない)周波数特性であるので、収音するマイクの周波数特性が既知でないと、マイクの収音によって検出されたスピーカの周波数特性を基準周波数特性に一致させることは不可能である。
よって、従来の再生装置においては、マイクの周波数特性が予め判明していなければ、再生装置の設計に支障を来してしまう。
【0009】
また、マイクの周波数特性が予め判明していても、マイクの個々によって周波数特性がばらついたり、マイクの種類等によって周波数特性がばらつく場合は、マイクの個々毎やマイクの種類毎に、マイクの周波数特性を補正し、所望の周波数特性とする事が必要となってしまう。
【0010】
次に、スピーカの周波数特性の調整について、図6を参照して説明する。
図6は、基準周波数特性とスピーカの周波数特性とを示す周波数特性図である。
同図において、スピーカの周波数特性の目標となる基準周波数特性aは、所望の周波数帯域において、フラットな周波数特性(図中一点鎖線)であり、周波数特性bは、マイクの周波数特性がある周波数特性(例えば、フラットな周波数特性)のマイクで収音した場合のスピーカの周波数特性(図中細い実線)である。
この周波数特性bを基準周波数特性aに一致させる場合は、イコライザによって、例えば、低周波帯域と高周波帯域の利得を上げる調整Aで示した調整を行う。
【0011】
一方、同図において、周波数特性cは、マイクの周波数特性がある周波数特性(例えば、低周波帯域と高周波帯域とで周波数特性が落ち込んでいる)のマイクで収音した場合のスピーカの周波数特性(図中点線)である。
周波数特性cは、周波数特性bよりも、更に低周波帯域と高周波帯域とが落ち込んでいるので、この周波数特性cを基準周波数特性aに一致させる場合は、イコライザによって、低周波帯域と高周波帯域の利得を上げる調整Aに加え、更に、調整Bも必要となる。
【0012】
ここで、使用されるマイクが、周波数特性cでのマイクの周波数特性を有している場合は、イコライザによって調整A+調整Bに調整されるように固定されている。そして、イコライザによって調整A+調整Bに固定されている時に、マイクの周波数特性がばらついた場合を考える。
【0013】
この場合、周波数特性cでのマイクの周波数特性(低周波帯域と高周波帯域とで周波数特性が落ち込む)が、マイクの個々や、マイクの種類等によってばらつき、例えば、周波数特性bでのマイクの周波数特性(フラットな周波数特性)に示すマイクである場合に、イコライザは、調整A+調整Bの調整を行うので、周波数特性d(図中太線)で示すような、低周波帯域と高周波帯域とでフラットよりも利得が高くなる調整Cが行われてしまう。
よって、この場合、ダイナミックレンジ上限までの余裕(ヘッドルーム)が減少してしまい、調整後の信号が歪むことが考えられる。
【0014】
以上のように、マイクに対して周波数特性補正のための周波数補正回路(或いは、DSP等において周波数補正を行う場合は、周波数特性補正のためのソフトウエア)が必須となり、コストアップの要因となっていた。
また、製造工程において、マイクの周波数特性がばらつく場合は、周波数補正回路の周波数補正に対する調整工程が必要となり、更に、製造コストが上昇してしまう課題があった。
【0015】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、複数の音響発生部の音響特性を略一致させる調整が可能な音響特性調整装置、及び、音響特性調整方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為の本発明の請求項1に記載の音響特性調整装置は、複数の音響発生部の音響特性を調整する音響特性調整装置において、前記音響発生部から試験音を発生させるための試験音出力部と、前記音響発生部から発生する前記試験音を収音する収音部と、基準音響特性を記憶する記憶部と、 前記複数の音響発生部の内の(特定の音響発生部である)左右のフロントスピーカから発生した前記試験音を前記収音部で収音して得られた夫々の音響特性を平均した平均音響特性を前記記憶部に記憶させ、前記特定の音響発生部以外のスピーカである夫々の音響発生部から発生した前記試験音を前記収音部で収音し、前記特定の音響発生部以外の夫々の前記音響発生部の音響特性と、前記記憶部に記憶された前記基準音響特性との差分を演算する制御部と、 前記制御部によって演算された前記差分に基づいて、前記特定の音響発生部以外の夫々の前記音響発生部の前記音響特性が前記基準音響特性に略一致するように前記特定の音響発生部以外の夫々前記音響発生部への音響信号出力を調整する調整部とを備え前記特定の音響発生部の音響信号出力を前記調整部を経由させずに出力することを特徴とする。
【0017】
この音響特性調整装置によれば、特定の音響発生部少なくとも左右のフロントスピーカの平均音響特性を基準音響特性としたので、収音部(マイク)に対する音響特性補正のための補正回路が必要なくなり、更に、収音部の音響特性がばらついたとしても、共通した1つの収音部によって収音するので、ばらつきに対応した調整を行わなくても、音響発生部の音響特性を基準音響特性に略一致するように調整することができる。そして、従来の補正回路等を追加するなどのコストアップを招くことなく、たとえ収音部の音響特性がばらついたとしても、調整工程が不要になるので製造コストも上昇しない。
特性の音響発生部は、聴取者の前方に存在する複数の音響発生部内の少なくとも左右の音響発生部であり、例えば、聴取者の前方に、前方左、前方右、前方中央(前方左と前方右間の中央)の音響発生部があり、聴取者の後方に後方左、後方右の音響発生部がある場合には、特定の音響発生部は、前方左、前方右、前方中央の音響発生部の少なくとも左右のスピーカとなる。よって、聴取者の前方に存在する複数の音響発生部内の少なくとも左右の音響発生部の平均音響特性を基準音響特性とし、他の音響発生部の音響特性を調整することができる。
【0018】
本発明の請求項2に記載の音響特性調整装置では、前記音響特性は、周波数特性であり、前記記憶部に記憶する前記基準音響特性は、基準周波数特性であることを特徴とする。
【0019】
この音響特性調整装置によれば、特定の音響発生部の周波数特性を基準周波数特性としたので、収音部(マイク)に対する周波数特性補正のための周波数補正回路が必要なくなり、更に、収音部の周波数特性がばらついたとしても、共通の収音部によって収音するので、ばらつきに対応した調整を行わなくても、音響発生部の周波数特性を調整することができる。
よって、従来の周波数補正回路等を追加するなどのコストアップを招くことなく、たとえ収音部の周波数特性がばらついたとしても、調整工程が不要になるので製造コストも上昇しない。
【0020】
本発明の請求項3に記載の音響特性調整装置では、前記音響特性は、音圧レベル特性であり、前記記憶部に記憶する前記基準音響特性は、基準音圧レベル特性であることを特徴とする。
【0021】
この音響特性調整装置によれば、特定の音響発生部の音圧レベル特性を基準音圧レベル特性としたので、収音部(マイク)に対する音圧レベル特性補正のための補正回路が必要なくなり、更に、収音部の音圧レベル特性がばらついたとしても、共通の収音部によって収音するので、ばらつきに対応した調整を行わなくても、音響発生部の音圧レベル特性を調整することができる。
よって、従来の補正回路等を追加するなどのコストアップを招くことなく、たとえ収音部の音圧レベルがばらついたとしても、調整工程が不要になるので製造コストも上昇しない。
【0028】
本発明の請求項4に記載の音響特性調整装置では、前記特定の音響発生部として前記左右のフロントスピーカに加えさらにフロント中央のスピーカを含み、
前記収音部は前記左右のフロントスピーカ、及び前記フロント中央のスピーカから発生した前記試験音を収音し、前記制御部は前記左右のフロントスピーカ、及び前記フロント中央の音響特性を平均した平均音響特性を演算し前記平均音響特性を基準音響特性として前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする。
【0029】
この音響特性調整装置によれば、例えば、聴取者の前方に、前方左、前方右、前方中央の音響発生部があり、聴取者の後方に後方左、後方右の音響発生部がある場合には、前記特定の音響発生部は音響発生部は、前方左、前方右の音響発生部となる。よって、前方左、前方右の音響発生部の平均である平均音響特性を演算し、この平均音響特性を基準音響特性として、他の音響発生部の音響特性を調整することができる。
【0030】
本発明の音響特性調整装置では、前記特定の音響発生部に対する音響信号出力は、前記調整部を経由せずに無調整のまま出力されることを特徴とする。
【0031】
この音響特性調整装置によれば、特定の音響発生部に対する音響信号出力は調整部を経由しないので、特定の音響発生部への音響信号出力が、調整部を経由することによる信号劣化を回避することができる。
【0033】
この音響特性調整装置によれば、特定の音響出力部に対する音響特性を調整することによって、特定の音響出力の音響特性をベースとして調整された音響特性とすることができ、更に、その他の音響出力部の音響特性も、この調整された音響特性に略一致させるように調整することができる。
【0034】
本発明の請求項5に記載の音響特性調整装置は、車内に存在し、前記音響特性調整装置によって前記車内における前記音響発生部の前記音響特性を調整することを特徴とする。
【0035】
この音響特性調整装置によれば、車内における音響発生部の音響特性も特定の音響発生部の音響特性に略一致させることができる。
【0036】
本発明の第1の音響特性調整方法では、複数の音響発生部の音響特性を調整する音響特性調整方法において、
前記音響発生部から試験音を前記複数の音響発生部の内の特定の音響発生部部に出力し、
前記特定の音響発生部から発生する前記試験音を収音し、
収音された前記特定の音響発生部から発生した前記試験音の音響特性を基準音響特性として記憶し、
前記特定の音響発生部以外の1つの前記音響発生部のみから発生する前記試験音を収音し、
収音された前記特定の音響発生部以外の1つの前記音響発生部から発生する前記試験音における音響特性と、前記記憶された前記基準音響特性との差分を演算し、
前記演算された前記差分に基づいて、前記特定の音響発生部以外の1つの前記音響発生部の前記音響特性が前記基準音響特性に略一致するように前記特定の音響発生部以外の1つの前記音響発生部への音響信号出力を調整することを特徴とする。
【0037】
この音響特性調整方法によれば、特定の音響発生部の音響特性を基準音響特性としたので、収音における音響特性補正のための補正が必要なくなり、更に、収音の音響特性がばらついたとしても、共通方法で収音するので、ばらつきに対応した調整を行わなくても、音響発生部の音響特性を基準音響特性に略一致するように調整することができる。
そして、従来の補正等を追加するなどの工数アップを招くことなく、たとえ収音の音響特性がばらついたとしても、調整工程が不要になる。
【0038】
本発明の第2の音響特性調整方法では、前記音響特性は、周波数特性であり、
記憶する前記基準音響特性は、基準周波数特性であることを特徴とする。
【0039】
この音響特性調整方法によれば、特定の音響発生部の周波数特性を基準周波数特性としたので、収音における周波数特性補正のための周波数補正が必要なくなり、更に、収音の周波数特性がばらついたとしても、共通方法での収音するので、ばらつきに対応した調整を行わなくても、音響発生部の周波数特性を調整することができる。
よって、従来の周波数補正等を追加するなどの工数アップを招くことなく、たとえ収音の周波数特性がばらついたとしても、調整工程が不要になる。
【0040】
本発明の第3の音響特性調整方法では、前記音響特性は、音圧レベル特性であり、
記憶する前記基準音響特性は、基準音圧レベル特性であることを特徴とする。
【0041】
この音響特性調整方法によれば、特定の音響発生部の音圧レベル特性を基準音圧レベル特性としたので、収音における音圧レベル特性補正のための補正回路が必要なくなり、更に、収音の音圧レベル特性がばらついたとしても、共通方法で収音するので、ばらつきに対応した調整を行わなくても、音響発生部の音圧レベル特性を調整することができる。
よって、従来の補正等を追加するなどの工数アップを招くことなく、たとえ収音の音圧レベルがばらついたとしても、調整工程が不要になる。
【0042】
本発明の第4の音響特性調整方法では、前記特定の音響発生部は、複数の前記音響発生部内における任意の1つの音響発生部であることを特徴とする。
【0043】
この音響特性調整方法によれば、任意の1つの音響発生部の音響特性を基準音響特性とし、他の音響発生部の音響特性を調整することができる。
【0044】
本発明の第5の音響特性調整方法では、複数の前記音響発生部が聴取者を取り囲むように点在する場合に、前記1つの音響発生部は、前記聴取者の前方に存在する複数の前記音響発生部内の1つの音響発生部であることを特徴とする。
【0045】
この音響特性調整方法によれば、1つの音響発生部は、聴取者の前方に存在する複数の音響発生部内の1つの音響発生部であり、例えば、聴取者の前方に、前方左、前方右、前方中央(前方左と前方右間の中央)の音響発生部があり、聴取者の後方に後方左、後方右の音響発生部がある場合には、その1つの音響発生部は、前方左、前方右、前方中央の音響発生部のいずれかとなる。
よって、聴取者の前方に存在する複数の音響発生部内の1つの音響発生部の音響特性を基準音響特性とし、他の音響発生部の音響特性を調整することができる。
【0046】
本発明の第6の音響特性調整方法では、前記特定の音響発生部は、複数の前記音響発生部の内の最大数未満の複数の音響発生部であり、
前記最大数未満の複数の音響発生部の各々の前記音響特性を求め、各々の前記音響特性の平均である平均音響特性を演算し、
前記演算した前記平均音響特性を前記基準音響特性として記憶することを特徴とする。
【0047】
この音響特性調整方法によれば、最大数未満の複数の音響発生部の各々の音響特性の平均である平均音響特性を演算し、この平均音響特性を基準音響特性として、他の音響発生部の音響特性を調整することができる。
【0048】
本発明の第7の音響特性調整方法では、複数の前記音響発生部が聴取者を取り囲むように点在する場合に、前記最大数未満の複数の音響発生部は、前記聴取者の前方に存在する音響発生部であることを特徴とする。
【0049】
この音響特性調整方法によれば、最大数未満の複数の音響発生部は、聴取者の前方に存在する音響発生部であり、例えば、聴取者の前方に、前方左、前方右、前方中央の音響発生部があり、聴取者の後方に後方左、後方右の音響発生部がある場合には、その最大数未満の複数の音響発生部は、前方左、前方右、前方中央のいずれか複数の音響発生部となる。
よって、例えば、最大数未満の複数の音響発生部が前方左、前方右の音響発生部である場合は、前方左、前方右の音響発生部の平均である平均音響特性を演算し、この平均音響特性を基準音響特性として、他の音響発生部の音響特性を調整することができる。
【0050】
本発明の第8の音響特性調整方法では、前記特定の音響発生部に対する音響信号出力は、無調整のまま出力されることを特徴とする。
【0051】
この音響特性調整方法によれば、特定の音響発生部に対する音響信号出力は調整されないので、特定の音響発生部への音響信号出力が、調整されることによる信号劣化を回避することができる。
【0052】
本発明の第9の音響特性調整方法では、前記特定の音響発生部の前記音響特性の音響信号出力に対して任意に調整が可能であり、
前記調整された前記音響信号出力に基づいて前記特定の音響発生部から発生した前記試験音における音響特性を前記基準音響特性として記憶することを特徴とする。
【0053】
この音響特性調整方法によれば、特定の音響出力部に対する音響特性を調整することによって、特定の音響出力の音響特性をベースとして調整された音響特性とすることができ、更に、その他の音響出力部の音響特性も、この調整された音響特性に略一致させるように調整することができる。
【0054】
本発明の第10の音響特性調整方法では、前記複数の音響発生部は車内に存在し、前記車内における前記音響発生部の前記音響特性を調整することを特徴とする。
【0055】
この音響特性調整方法によれば、車内における音響発生部の音響特性も特定の音響発生部の音響特性に略一致するように調整することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態に係る音響特性調整装置について説明する。
図1は、音響特性調整装置と音響発生部とのシステム構成を示す構成図、図2は、音響特性調整装置の構成を示すブロック構成図、図3は、基準周波数特性を記憶する動作を示すフローチャート、図4は、基準周波数特性に基づいて音響発生部の周波数特性を調整する動作を示すフローチャート、図5は、基準周波数特性とスピーカの周波数特性とを示す周波数特性図である。
【0057】
まず、図1、図2を参照して音響特性調整装置10と音響発生部とのシステム構成、及び、音響特性調整装置10の構成について説明する。
まず、音響特性調整装置10は、音響発生部であるスピーカから発生される音響出力を収音する収音部であるマイク10aと、マイク10aで収音した音響信号を所定の利得で増幅するマイクアンプ20と、マイクアンプ20からのアナログ信号である音響信号をデジタル信号に変換するADC22と、DSP24とを備えている。
【0058】
更に、音響特性調整装置10は、各ユニットの制御を司る制御部30と、特定のスピーカの音響特性を基準音響特性として記憶する記憶部であるメモリ32と、制御部30による制御状態等を表示する表示部34と、音響特性調整装置10を操作したり、調整値を入力するための操作部36と、外部からの音響信号を入力する入力部38と、DSP24で調整されたデジタル信号である全チャンネルの音響信号出力をアナログ信号に変換するDAC40(40a〜40f)と、DAC40からの各チャンネルの音響出力信号を所定の信号に増幅するパワーアンプ42(42a〜42e)とを有している。
【0059】
尚、DSP24は、ADC22からの音響信号をバンドパスするバンドパスフィルタ(以下BPF)26や、スピーカからホワイトノイズやピンクノイズ等の試験音を発生させるための試験音出力部27や、スピーカへの音響信号出力を調整する調整部28等を有している。
このDSP24では、制御部30の制御により試験音出力部27から試験音を出力したり、マイク10aで収音された音響信号を分析して音響特性を得て、制御部30に出力したり、制御部30から調整部28を制御して音響特性の調整等が行われる。
【0060】
また、制御部30について、更に詳細に説明する。
まず、マイク10aによってスピーカから発生した試験音を収音し、DSP24は、マイク10aで収音した試験音によってスピーカの音響特性を分析する。
制御部30は、DSP24で分析された音響特性が、特定のスピーカの音響特性である場合は、その音響特性を基準音響特性としてメモリ32に記憶させ、DSP24で分析された音響特性が、特定のスピーカ以外の1つのスピーカの音響特性である場合は、この1つのスピーカの音響特性とメモリ32に記憶された基準音響特性との差分を演算する。
そして、制御部30は、この演算された差分に基づいて、この1つのスピーカの音響特性が基準音響特性に略一致するようにDSP24の調整部28を制御し、この1つのスピーカへの音響信号出力を調整する。
【0061】
尚、本実施形態おいては、音響特性調整装置10は、一例として、マルチチャンネルのスピーカを音響的に駆動するAV(オーディオビジュアル)用オーディオアンプとして説明する。
【0062】
本実施形態においては、音響特性調整装置10の出力は、複数のスピーカに接続されている。即ち、スピーカは、聴取者7を取り囲むように6チャンネル分(5.1方式)が配置され、そのスピーカの内の3チャンネル(スピーカ1〜3)は、聴取者7の前方(フロント側)に配置され、あとの2チャンネル(スピーカ4、5)は、聴取者7の後方(リア側)に配置され、残りの1チャンネルのスピーカ6は、その他のスペースに配置されている。
より詳細なマルチチャンネルのスピーカ配置例については、例えば、ITU−R BS.775−1勧告に示されている。
【0063】
尚、音響特性調整装置10の出力段であるパワーアンプ42aは、フロントの左側のスピーカ1に接続され、パワーアンプ42bは、フロントの右側のスピーカ2に接続され、パワーアンプ42cは、フロントの中央のスピーカ3に接続され、パワーアンプ42dは、リアの左側のスピーカ4に接続され、パワーアンプ42eは、リアの右側のスピーカ5に接続されている。
尚、スピーカ1〜5へ出力される音響信号出力の周波数帯域は、聴取可能な低域から高域までの帯域である。
【0064】
また、スピーカ6は、パワーアンプ内蔵型のスピーカであるので、音響特性調整装置10のDAC40fの出力が接続されている。尚、スピーカ6へ出力される音響信号出力の周波数帯域は、所定の低域帯域のみであるので、スピーカ6は、所謂サブウーファーとして用いられる。
以上が、音響特性調整装置10とスピーカ1〜6のシステム構成である。
【0065】
次に、音響特性調整装置10における基準音響特性の記憶と、記憶した基準音響特性に基づいてスピーカの音響特性を調整する動作について、図3〜図5を参照して説明する。
尚、本実施形態では、音響特性が周波数特性であるとして以下に説明する。
【0066】
[基準音響特性の記憶]
基準周波数特性を記憶する動作について図3を参照して説明する。
図3に示すように、まず、基準周波数特性の基となる特定のスピーカを選択する(ステップ10)。ここでは、フロントの左右のスピーカ1、2の2つのスピーカが選択されるとする。
特定のスピーカが選択されると、DSP24の試験音出力部27から、まず最初に、スピーカ1に対して試験音出力の為の信号を出力する(ステップ11)。試験音出力部27から出力された信号は、DAC40aによってアナログ信号に変換され、パワーアンプ42aにより増幅され、スピーカ1に出力される。
【0067】
スピーカ1は、パワーアンプ42aからの信号により試験音を音響的に発生するので、マイク10aによってスピーカ1からの試験音を収音する(ステップ12)。そして、収音された音響信号がDSP24に入力されると、BPF26の中心周波数を切り替えて(ステップ13)、例えば、中心周波数を200Hzとして、信号レベルを検出する(ステップ14)。
【0068】
そして、ステップ15においては、BPF26における中心周波数の切替完了を判断し、次に切り替える中心周波数が有れば、ステップ13に戻り、中心周波数を切り替えて、一連のステップを繰り返す。
ここで、BPF26における中心周波数は、400、800、1600、3200Hzと順次切り替わって、切り替え完了する。しかし、BPF26における中心周波数の値は、これに限ることはなく更に細かい周波数ステップとしても良いし、中心周波数の切り替え範囲の上限、下限を更に広げても、狭めても良い。
【0069】
次に、DSP24では、上記ステップ15によって得られた各中心周波数に対する信号レベルによりスピーカ1の周波数特性を求め、求められた周波数特性を制御部30に出力する(ステップ16)。
制御部30は、ステップ16で求められた第1の周波数特性を一時的に記憶する(ステップ17)。
【0070】
そして、次に、特定のスピーカがスピーカ2に切り替わり、同様に一連のステップ11〜15を行って、スピーカ2に対する周波数特性を求め、制御部30は、その周波数特性を第2の周波数特性として一時的に記憶する(ステップ18)。
それから、制御部30において、第1と第2の周波数特性とから平均の周波数特性である平均周波数特性を演算し(ステップ19)、演算された平均周波数特性を基準周波数特性としてメモリ32に記憶させる(ステップ20)。
以上が、基準音響特性の記憶の動作である。
【0071】
[基準周波数特性に基づくスピーカの周波数特性の調整]
次に、基準周波数特性に基づいてスピーカの周波数特性を調整する動作を、図4を参照して説明する。
まず、特定のスピーカであるスピーカ1、2以外の1つのスピーカ、例えば、スピーカ3に対して試験音の信号を出力する(ステップ30)。試験音出力部27から出力された試験音の信号は、DAC40cによってアナログ信号に変換され、パワーアンプ42cにより増幅され、スピーカ3に出力される。
【0072】
スピーカ3は、試験音の信号により試験音を音響的に発生するので、マイク10aによってスピーカ3からの試験音を収音する(ステップ31)。そして、収音された音響信号がDSP24に入力されると、BPF26の中心周波数を200Hzに切り替えて(ステップ32)、信号レベルを検出する(ステップ33)。
そして、ステップ34においては、BPF26における中心周波数の切替完了を判断し、次に切り替える中心周波数が有れば、ステップ32に戻り、中心周波数を、400、800、1600、3200Hzと順次切り替えて、一連のステップを繰り返す。
【0073】
次に、DSP24では、上記ステップによって得られた各中心周波数対する信号レベルによりスピーカ3の周波数特性を求め、求められた周波数特性を制御部30に出力する(ステップ35)。
制御部30は、ステップ35で求められたスピーカ3の周波数特性と、メモリ32に記憶されている基準周波数特性と比較し、基準周波数特性に対するスピーカ3の周波数特性の差分を演算して求める(ステップ36)。
【0074】
そして、求められた差分に基づいて、制御部30は、調整部28を制御し、スピーカ3の周波数特性が基準周波数特性に略一致するように、スピーカ3への音響信号出力を調整する(ステップ37)。図5に、このスピーカ3の周波数特性(点線にて図示)と基準周波数特性(実線にて図示)の一例を示す。
調整部28によって、低周波帯域と高周波帯域の利得を上げる調整αを行うだけで、スピーカ3の周波数特性を、基準周波数特性に略一致させることができる。
【0075】
そして、スピーカ4、5の他のスピーカの周波数特性の調整を行う場合は、ステップ30に戻って、各々のスピーカの周波数特性を基準周波数特性に略一致させるように同様に調整する(ステップ38)。
以上が、基準周波数特性に基づくスピーカの周波数特性の調整動作である。
【0076】
尚、上記実施形態においては、調整対象であるスピーカの周波数特性は、基準周波数特性に略一致するように調整されるが、差分が予め定めた閾値以下になれば略一致したものとしてみなしても良いし、調整してもその差分がその閾値以下にならなければ、差分が閾値以下にならない旨の報知を、表示部34を用いて行うようにしても良い。
【0077】
また、上記実施形態においては、音響特性を周波数特性として説明したが、音圧レベル特性であっても良い。スピーカの能率や入力インピーダンスが異なる状態で、パワーアンプ42の利得が一定であると、スピーカ毎に音圧レベルが変化する。よって、本発明の音響特性調整装置を利用すれば、スピーカの音圧レベル特性を、特定のスピーカの音圧レベルに略一致させることが可能になる。
【0078】
また、上記実施形態においては、基準音響特性の基になる特定のスピーカが、フロントの左右のスピーカ1、2であるとして説明したが、スピーカ1、2が同一製品のスピーカである場合は、スピーカ1とスピーカ2との製造ばらつきは少なく、よって、音響特性のばらつきは少ないことも考えられるので、その場合は、特定のスピーカをスピーカ1の1つだけとしてもよい。この場合、平均音響特性を演算する処理が不要になるので、基準音響特性を求める演算処理がより簡素になる。
【0079】
また、上記実施形態においては、基準音響特性の基になる特定のスピーカが、スピーカ1、2であると説明したが、フロントの中央のスピーカ3を加えてもよい。この場合、スピーカ1〜3のスピーカ毎の音響特性にばらつきがあっても、各スピーカの音響特性の平均である平均音響特性を基準音響特性とすることができるので、特定のスピーカ内のスピーカ毎の音響特性の均一性が図れる。
【0080】
また、上記実施形態において、特定のスピーカの音響信号出力に対して調整部28を経由しないようにすれば、調整部を経由することによる信号劣化を回避することもできる。上記実施形態においては、特定のスピーカがフロントの左右のスピーカ1、2として説明した。
【0081】
これは、ユーザが、マルチチャンネルのスピーカを構成する場合に、全てのスピーカを一新して同一スピーカで揃えるのでなく、今まで所有していた既存のステレオスピーカをフロントの左右のスピーカ1、2とし、所定数のスピーカをこれに追加する場合が考えられ、このような場合、音響特性を一致させる場合に効果的である。
即ち、スピーカ1、2が、既存のスピーカであり、ユーザの趣向に合った設置、設定が既に行われている時には、追加するスピーカの音響特性を、既存のスピーカの音響特性に極力合致させたいというニーズがあるので効果的である。
【0082】
また、一方、上記実施形態において、特定のスピーカに対しても音響特性の調整を行うことを可能とし、特定のスピーカの音響特性を基礎とした基準音響特性を設定できるようすれば、特定のスピーカの音響特性に対してユーザが調整を行うことができる。
【0083】
また、上記実施形態においては、音響特性調整装置10は、一例として、AV用オーディオアンプとして説明したが、勿論、音響特性調整装置10は、AVオーディオアンプとしての機能は有さずに、音響特性を調整する調整装置に特化した専用の音響特性調整装置としてもよいし、逆に、チューナなどを更に搭載したAVレシーバとしてもよい。
【0084】
また、上記実施形態の音響特性調整装置は、車内の複数のスピーカに対する音響特性の調整についても利用可能である。
車内スピーカは、スピーカのドライブユニット(電気信号を空気振動である音響信号に変換するユニット)が車内の、例えば、ドア内部に固定され、ドア内部をスピーカのエンクロージャとして使用しているために、同一のドライブユニットであっても、取り付けるドア内部の構造が、前後のドア内部構造のように異なれば、同一車種であっても、個々のスピーカの音響特性が変化してしまう。
【0085】
また更に、同一車種の同一ドアにおいても、例えば、ドア内部に制振対策用の鉛板が取り付けられる等、取り付け方によってもスピーカの音響特性が変化してしまうことが考えられる。
よって、車内においては、スピーカの音響特性を一致させることが従来困難であったが、本発明の音響特性調整装置を用いれば、特定のスピーカの音響特性に基づいて、各スピーカの音響特性を略均一にすることができる。
【0086】
また、上述した音響特性調整を、プログラムに基づき動作するコンピュータを用いて達成しても良く、そのプログラムは、CD(コンパクトディスク)や半導体メモリ等の記録媒体や、ネットワーク経由で伝送すること等で配布、流通が可能である。
【0087】
【発明の効果】
この本発明に係る音響特性調整装置によれば、特定の音響発生部の音響特性を基準音響特性としたので、収音部(マイク)に対する音響特性補正のための補正回路が必要なくなり、更に、収音部の音響特性がばらついたとしても、共通の収音部によって収音するので、ばらつきに対応した調整を行わなくても、音響発生部の音響特性を基準音響特性に略一致するように調整することができる。
そして、従来の補正回路等を追加するなどのコストアップを招くことなく、たとえ収音部の音響特性がばらついたとしても、調整工程が不要になるので製造コストも上昇しない音響特性調整装置を提供することができる。
【0088】
また、この音響特性調整装置によれば、特定の音響発生部の周波数特性を基準周波数特性としたので、収音部(マイク)に対する周波数特性補正のための周波数補正回路が必要なくなり、更に、収音部の周波数特性がばらついたとしても、共通の収音部によって収音するので、ばらつきに対応した調整を行わなくても、音響発生部の周波数特性を調整することができる。
よって、従来の周波数補正回路等を追加するなどのコストアップを招くことなく、たとえ収音部の周波数特性がばらついたとしても、調整工程が不要になるので製造コストも上昇しない音響特性調整装置を提供することができる。
【0089】
また、この音響特性調整装置によれば、特定の音響発生部の音圧レベル特性を基準音圧レベル特性としたので、収音部(マイク)に対する音圧レベル特性補正のための補正回路が必要なくなり、更に、収音部の音圧レベル特性がばらついたとしても、共通の収音部によって収音するので、ばらつきに対応した調整を行わなくても、音響発生部の音圧レベル特性を調整することができる。
よって、従来の補正回路等を追加するなどのコストアップを招くことなく、たとえ収音部の音圧レベルがばらついたとしても、調整工程が不要になるので製造コストも上昇しない音響特性調整装置を提供することができる。
【0090】
また、この音響特性調整装置によれば、任意の1つの音響発生部の音響特性を基準音響特性とし、他の音響発生部の音響特性を調整する音響特性調整装置を提供することができる。
【0091】
また、この音響特性調整装置によれば、1つの音響発生部は、聴取者の前方に存在する複数の音響発生部内の1つの音響発生部であり、例えば、聴取者の前方に、前方左、前方右、前方中央(前方左と前方右間の中央)の音響発生部があり、聴取者の後方に後方左、後方右の音響発生部がある場合には、その1つの音響発生部は、前方左、前方右、前方中央の音響発生部のいずれかとなる。
よって、聴取者の前方に存在する複数の音響発生部内の1つの音響発生部の音響特性を基準音響特性とし、他の音響発生部の音響特性を調整する音響特性調整装置を提供することができる。
【0092】
また、この音響特性調整装置によれば、最大数未満の複数の音響発生部の各々の音響特性の平均である平均音響特性を演算し、この平均音響特性を基準音響特性として、他の音響発生部の音響特性を調整する音響特性調整装置を提供することができる。
【0093】
また、この音響特性調整装置によれば、最大数未満の複数の音響発生部は、聴取者の前方に存在する音響発生部であり、例えば、聴取者の前方に、前方左、前方右、前方中央の音響発生部があり、聴取者の後方に後方左、後方右の音響発生部がある場合には、その最大数未満の複数の音響発生部は、前方左、前方右、前方中央のいずれか複数の音響発生部となる。
よって、例えば、最大数未満の複数の音響発生部が前方左、前方右の音響発生部である場合は、前方左、前方右の音響発生部の平均である平均音響特性を演算し、この平均音響特性を基準音響特性として、他の音響発生部の音響特性を調整する音響特性調整装置を提供することができる。
【0094】
また、この音響特性調整装置によれば、特定の音響発生部に対する音響信号出力は調整部を経由しないので、特定の音響発生部への音響信号出力が、調整部を経由することによる信号劣化を回避する音響特性調整装置を提供することができる。
【0095】
また、この音響特性調整装置によれば、特定の音響出力部に対する音響特性を調整することによって、特定の音響出力の音響特性をベースとして調整された音響特性とすることができ、更に、その他の音響出力部の音響特性も、この調整された音響特性に略一致させるように調整する音響特性調整装置を提供することができる。
【0096】
また、この音響特性調整装置によれば、車内における音響発生部の音響特性も特定の音響発生部の音響特性に略一致させる音響特性調整装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】音響特性調整装置と音響発生部とのシステム構成を示す構成図である。
【図2】音響特性調整装置の構成を示すブロック構成図である。
【図3】基準周波数特性を記憶する動作を示すフローチャートである。
【図4】基準周波数特性に基づいて音響発生部の周波数特性を調整する動作を示すフローチャートである。
【図5】基準周波数特性とスピーカの周波数特性とを示す周波数特性図である。
【図6】基準周波数特性とスピーカの周波数特性とを示す周波数特性図である。
【符号の説明】
1 スピーカ(フロント左)
2 スピーカ(フロント右)
3 スピーカ(フロント中央)
4 スピーカ(リア左)
5 スピーカ(リア右)
6 スピーカ(パワーアンプ内蔵型)
7 聴取者
10 音響特性調整装置
10a マイク
24 DSP
26 BPF
27 試験音出力部
28 調整部
30 制御部
32 メモリ
34 表示部
36 操作部
38 入力部
40 DAC
42 パワーアンプ

Claims (7)

  1. 複数の音響発生部の音響特性を調整する音響特性調整装置において、
    前記音響発生部から試験音を発生させるための試験音出力部と、
    前記音響発生部から発生する前記試験音を収音する収音部と、
    基準音響特性を記憶する記憶部と、
    前記複数の音響発生部の内の、特定の音響発生部である左右のフロントスピーカから発生した前記試験音を前記収音部で収音して得られた夫々の音響特性を平均した平均音響特性を前記記憶部に記憶させ、前記特定の音響発生部以外のスピーカである夫々の音響発生部から発生した前記試験音を前記収音部で収音し、前記特定の音響発生部以外の夫々の前記音響発生部の音響特性と、前記記憶部に記憶された前記基準音響特性との差分を演算する制御部と、
    前記制御部によって演算された前記差分に基づいて、前記特定の音響発生部以外の夫々の前記音響発生部の前記音響特性が前記基準音響特性に略一致するように前記特定の音響発生部以外の夫々の前記音響発生部への音響信号出力を調整する調整部とを備え
    前記特定の音響発生部の音響信号出力を前記調整部を経由させずに出力する
    ことを特徴とする音響特性調整装置。
  2. 前記音響特性は、周波数特性であり、
    前記記憶部に記憶する前記基準音響特性は、基準周波数特性であることを特徴とする請求項1記載の音響特性調整装置。
  3. 前記音響特性は、音圧レベル特性であり、
    前記記憶部に記憶する前記基準音響特性は、基準音圧レベル特性であることを特徴とする請求項1記載の音響特性調整装置。
  4. 前記特定の音響発生部として前記左右のフロントスピーカに加えさらにフロント中央のスピーカを含み、
    前記収音部は前記左右のフロントスピーカ、及び前記フロント中央のスピーカから発生した前記試験音を収音し、
    前記制御部は前記左右のフロントスピーカ、及び前記フロント中央の音響特性を平均した平均音響特性を演算して当該平均音響特性を前記基準音響特性として前記記憶部に記憶させる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の音響特性調整装置。
  5. 前記音響特性調整装置は車内に存在し、前記音響特性調整装置によって前記車内における前記音響発生部の前記音響特性を調整することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の音響特性調整装置。
  6. 複数の音響発生部の音響特性を調整する音響特性調整プログラムにおいて、
    試験音を前記複数の音響発生部の内の特定の音響発生部である左右のフロントスピーカに出力し、
    前記特定の音響発生部から発生する前記試験音を収音部にて収音し、
    収音された前記特定の音響発生部から発生した前記試験音の音響特性の平均である平均音響特性を基準音響特性として記憶部に記憶し、
    前記特定の音響発生部以外のスピーカである夫々の前記音響発生部から発生する前記試験音を収音し、
    収音された前記特定の音響発生部以外の夫々の前記音響発生部から発生する前記試験音における音響特性と、記憶された前記基準音響特性との差分を演算し、
    演算された前記差分に基づいて、前記特定の音響発生部以外の夫々の前記音響発生部の前記音響特性が前記基準音響特性に略一致するように前記特定の音響発生部以外の夫々の前記音響発生部への音響信号出力を調整し、
    前記特定の音響発生部の音響信号出力を前記調整部を経由させずに出力する
    ことを特徴とする音響特性調整プログラム。
  7. 前記特定の音響発生部は前記左右のフロントスピーカに加えさらにフロント中央のスピーカを含む
    ことを特徴とする請求項に記載の音響特性調整プログラム。
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